JPWO2008123253A1 - 複合体の製造方法 - Google Patents

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貴正 宮本
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Abstract

本発明は、無機基材と樹脂層とが非常に強くしかも均一に密着しており、優れた電気特性を有し微細配線化が可能な回路基板に好適な複合体の製造方法を提供することを目的としている。本発明の複合体の製造方法は、無機基材の表面を、濃度が0.01重量%以上でかつ光路長が50mmのときの全光線透過率が50%以上である、シランカップリング剤含有水溶液で表面処理する工程、および該無機基材の表面処理された表面上に、樹脂層を形成する工程によりなる。

Description

本発明は、無機基材と樹脂層とを含み、これらが非常に強くしかも均一に密着した複合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、架橋可能な重合体または架橋された重合体を含む樹脂層と無機基材とを含み、優れた電気特性を有し微細配線化が可能な回路基板に好適な複合体の、製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化に伴い、情報通信機器などにおける大容量信号の高速伝送化が急務な課題になっている。大容量信号の高速伝送化のためには、絶縁層と導体層で構成される回路基板において、伝送距離を短くする微細配線化と高周波伝送での低損失化が重要となる。
回路基板は、導体層となる銅箔と、絶縁層となる樹脂層とを積層し、これを加熱圧着して銅張積層板を得て、次いで銅箔をエッチングするなどにより回路を形成して製造されている。絶縁層(樹脂層)を形成する重合体としては、エポキシ樹脂が一般に使用されているが、より低誘電率で低損失化の可能な重合体として、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエンおよびシクロオレフィンポリマーなどの極性の低い重合体を用いることが提案されている。しかしながら、これらの重合体を用いると、樹脂層と銅箔との密着性が不十分な場合があった。また、樹脂層の強度を高めたり、誘電率を低減する目的で、重合体をガラスクロスなどの繊維材に含浸させて用いたり、樹脂層にシリカなどの充填材を添加して用いる場合もあるが、重合体と繊維材や充填材との密着性も不十分な場合があった。
銅箔、繊維材および充填材などの無機基材と重合体との密着性を高める方法として、無機基材の表面をシランカップリング剤で処理することが提案されている。例えば、特許文献1には、メタセシス活性を有するシラン化合物でガラスや金属の表面を処理し、その表面上でシクロオレフィンポリマーを重合体として含む樹脂層を形成することが開示されている。また、特許文献2には、後架橋可能な熱可塑性樹脂を、末端に二重結合、メルカプト基またはアミノ基を有するシランカップリング剤で処理された銅箔と積層し、熱可塑性樹脂部分を架橋して銅張積層板を製造することが開示されている。しかしこれらの方法において、銅箔と樹脂層との密着性を高くするためには銅箔の表面を粗化し、アンカー効果によって密着性を確保する必要があった。銅箔の表面を粗化して用いると、導体の表皮効果による伝送特性の低下や配線を微細化したときの絶縁不良などが生じるという問題があった。
表面粗度の小さい、いわゆる低プロファイルの銅箔との密着性を高める方法も提案されている。例えば、特許文献3には、アミノ基または二重結合を有するシランカップリング剤を、銅箔の単位面積当たり特定量含む表面処理層を有する銅箔が開示されている。また、特許文献4には、銅箔の表面を亜鉛または亜鉛合金で処理した後、ビニル基含有シランカップリング剤で処理してなる銅箔を用いることが開示されている。しかしながら、これらの方法でも、銅箔と樹脂層との密着性にばらつきが生じ、密着性の低い部分が生じたり、安定生産が困難で歩留まりが低下することがあった。
特表2002−536468号公報 特開2004−244609号公報 特開2004−149901号公報 特開2003−283098号公報
本発明者らは鋭意検討の結果、これらの文献に開示される方法で用いられるシランカップリング剤は疎水性が高く、水に対する溶解性が低いことに着目した。そして、水への溶解性が低いシランカップリング剤を用いると、(i)無機基材に塗布するためにシランカップリング剤の水溶液を調製する際に、溶解に長い時間が掛かるために生産性が悪化する;(ii)溶解中にシランカップリング剤の加水分解と縮合が同時に進むため、短時間で白濁や沈殿を生じるなど、シランカップリング剤水溶液の安定性が悪い;(iii)無機基材に対するシランカップリング剤の濡れ性が悪く、シランカップリング剤を均一に塗布することが困難;などにより上記の問題が生じることを見出した。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、無機基材と樹脂層とを含み、これらが非常に強くしかも均一に密着しており、優れた電気特性を有し微細配線化が可能な回路基板に好適な複合体の、製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、シランカップリング剤を含有する水溶液の透明度に着目した。そして、シランカップリング剤含有水溶液として特定の濃度において光線透過率が特定範囲以上のものを用いると、無機基材にシランカップリング剤を均一に塗布することができることを見出した。そして、かかるシランカップリング剤含有水溶液で表面処理された無機基材は、極性の低い重合体と高い密着性を有することを見出した。さらに、このようなシランカップリング剤含有水溶液を効率よく調製する方法を見出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、下記1〜18に係る発明が提供される。
1. 無機基材の表面を、濃度が0.01重量%以上でかつ光路長が50mmのときの全光線透過率が50%以上である、シランカップリング剤含有水溶液で表面処理する工程、
および該無機基材の表面処理された表面上に、重合体を含有する樹脂層を形成する工程を有する、無機基材と樹脂層とを含む複合体の製造方法。
2. 前記シランカップリング剤が、下式(1)で表される化合物である、前記1に記載の製造方法。
(1):R−SiXYZ
(式中、Rは炭素数2以上30以下の炭化水素基を表す。X,Y,Zはそれぞれ加水分解性基、水酸基、または炭素数が6以下のアルキル基もしくはフェニル基を表し、X,Y,Zの少なくとも一つは加水分解性基または水酸基である。)
3. 前記Rで表される基が炭素−炭素二重結合を有する基である、前記2に記載の製造方法。
4. 前記シランカップリング剤含有水溶液のpHが、3〜10である、前記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5. 前記シランカップリング剤含有水溶液が、さらに界面活性剤を含む、前記1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6. 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である、前記5に記載の製造方法。
7. 前記界面活性剤のHLB値が18以下である、前記6に記載の製造方法。
8. 前記界面活性剤が脂環構造または芳香環構造を有するものである、前記6または7に記載の製造方法。
9. 前記無機基材が金属またはガラスからなるものである、前記1〜8のいずれかに記載の製造方法。
10. 前記無機基材が金属箔であり、その表面処理される表面の10点平均粗さRzが3.0μm以下である、前記9に記載の製造方法。
11. 前記重合体が架橋可能な重合体である、前記1〜10のいずれかに記載の製造方法。
12. 前記重合体が架橋された重合体である、前記1〜10のいずれかに記載の製造方法。
13. 前記重合体が共役ジエンポリマーまたはシクロオレフィンポリマーである、前記1〜12のいずれかに記載の製造方法。
14. 前記重合体が塊状重合によって得られた重合体である、前記1〜13のいずれかに記載の製造方法。
15. 前記シランカップリング剤含有水溶液が、シランカップリング剤を含む第1溶液を、シランカップリング剤を含まず水を含む第2溶液に添加して得られるものである、前記1〜14のいずれかに記載の製造方法。
16. 前記第1溶液が、シランカップリング剤を水溶性有機溶媒に溶解してなるものである前記15記載の製造方法。
17. 前記第2溶液が、界面活性剤を含むものである前記15または16に記載の製造方法。
18. 第1溶液を第2溶液に逐次的に添加するものである、前記15〜17のいずれかに記載の製造方法。
19. 第1溶液を第2溶液に添加する速度が、第2溶液1リットルあたり、100ml/分以下である、前記18に記載の製造方法。
20. シランカップリング剤を含む第1溶液を、シランカップリング剤を含まず水を含む第2溶液に添加してシランカップリング剤含有水溶液を調製する工程、
該シランカップリング剤含有水溶液で無機基材の表面を表面処理する工程、
および該無機基材の表面処理された表面上に、重合体を含有する樹脂層を形成する工程を有する、無機基材と樹脂層とを含む複合体の製造方法。
本発明の製造方法によれば、無機基材の表面が均一に表面処理されるので、樹脂層と無機基材との高い密着強度の達成と、強度のバラツキ抑制に有効であり、結果として信頼性の高い優れた複合体が得られる。この複合体は電子回路基板として好適に用いることができる。
本発明の無機基材と樹脂層とを含む複合体の製造方法は、無機基材の表面を、濃度が0.01重量%以上でかつ光路長が50mmのときの全光線透過率が50%以上である、シランカップリング剤含有水溶液で表面処理する工程、および該無機基材の表面処理された表面上に、重合体を含有する樹脂層を形成する工程を有する。
(無機基材)
本発明で用いる無機基材は、金属または無機化合物からなり、定形を有するものである。金属または無機化合物としては、鉄、銅、ニッケル、銀、金、白金、およびアルミニウムなどの金属元素の単体または合金;リンおよび硫黄などの非金属元素の単体;
マグネシウム、カルシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、銅、ニッケル、亜鉛、銀、アルミニウム、錫およびアンチモンなどの金属元素の、酸化物、窒化物、ホウ化物、水酸化物、無機酸塩およびこれらの水和物;ホウ素、ケイ素、およびリンなどの非金属元素の、酸化物、窒化物およびこれらの水和物;ならびにこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、金属元素の単体または合金、および二酸化ケイ素を含む無機化合物が好ましい。単体または合金として用いられる金属元素としては、銅、アルミニウムおよびニッケルが好ましく、銅が特に好ましい。二酸化ケイ素を含む無機化合物としては、ガラスおよびシリカが好ましく、ガラスが特に好ましい。
無機基材の形状は特に限定されず、板状、シート状、繊維状、および粒子状などが挙げられる。中でもシート状である金属元素の単体または合金、すなわち金属箔と、繊維状であるガラス、すなわちガラス繊維が好ましく、金属箔が最も好ましい。金属箔の厚さは、通常1〜250μm、好ましくは2〜100μm、より好ましくは3〜75μmである。また金属箔は、電気特性の面において、その樹脂層を形成する面の表面粗さが、JIS B0601で規定される10点平均粗さ(Rz)で3.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることが特に好ましい。
金属箔の表面は、防錆処理が行われていることが好ましい。防錆処理はスパッタ、電気めっきまたは無電解めっきにより、金属箔上に他の金属の薄膜を形成するものであり、工程が簡単で生産性に優れるので、電気めっきが好ましい。前記他の金属としては、ニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、若しくはコバルトのいずれか、またはこれらの合金を用いることができ、亜鉛及びクロムから選択される少なくとも一種が好ましい。また、防錆処理を施した上にさらにクロメート処理層が形成されていると、樹脂層との密着性をより高くできるため有用である。
ガラス繊維の形状としては、チップ、ミルドファイバー、およびチョップドストランドなどの短繊維;およびクロス;が挙げられる。中でも、強度や耐熱性が優れるためクロス(ガラスクロス)が好ましい。クロスの形態の例としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマットなどの織布または不織布が挙げられる。これらの形態の中では、寸法安定性の観点からは織布や不織布が好ましい。また、これらの織布または不織布を、熱ロールなどで圧縮してなるものも好ましい。本発明においては、これら両者の特長を兼備させるために織布と不織布とを積層して用いてもよい。無機基材としてクロスを用いると、架橋可能な樹脂が繊維材に含浸された複合体であるプリプレグを得ることができる。
具体的には、ガラスクロスの製織に使用される経糸及び緯糸として、フィラメント径が好ましくは約5〜10μm程度のモノフィラメントを、約100〜800本程度集束したガラス糸を用いるのが好ましい。織り組織としては平織り、朱子織、ななこ織、綾織等で製織されたものが挙げられるが、平織りが好ましい。ガラスの種類としては、プリント配線板用基材として使用されるEガラス(無アルカリ)のみならず、NEガラス(日東紡績製New Glass)、Dガラス(低誘電)、Tガラス(高強度)、Cガラス(アルカリ石灰)、SガラスおよびHガラス(高誘電)、Qガラス等も使用できる。より具体的には、JIS R3414に記載されるEP03C、EP06、EP08A、EP11C、EP10AまたはEP18B等が挙げられる。
ガラスクロスは異なるガラス組成からなるガラス繊維を組み合わせたものであっても良く、さらにガラスクロスに液晶性ポリマー、アラミド、ポリベンゾオキサゾールおよび天然セルロース系繊維などのクロスまたはミクロフィブリルを混抄して用いてもよい。
本発明に用いることができるガラスクロスは、その単位面積当たりの重量を適宜選択することにより、得られる複合体の厚みや強度を任意に調節することができる。ガラスクロスの単位面積当たりの重量は、通常1〜250g/m、好ましくは5〜180g/m、より好ましくは5〜120g/m、特に好ましくは5〜80g/mである。単位面積当たりの重量が小さすぎると得られる複合体の強度が不十分となる場合がある。一方大きすぎると、繊維間の空隙が少なく樹脂が含浸しにくくなるため、密着性が不十分となる場合がある。
またガラスクロスの厚みは通常5〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。この範囲より小さいと得られる複合材料強度が弱くなり、またこの範囲より大きいと積層時の厚みの制御が困難になるという問題が生じ得る。
(シランカップリング剤)
本発明の製造方法は、上記の無機基材の表面を、シランカップリング剤含有水溶液で表面処理する工程を有する。シランカップリング剤としては、濃度が0.01重量%以上でかつ光路長が50mmの時の全光線透過率を50%以上とすることができるものであれば、特に限定されないが、本発明の製造方法においては、水に溶解しにくい疎水性のシランカップリング剤を用いることが好ましい。疎水性のシランカップリング剤を上記の濃度および全光線透過率を有する水溶液として用いることで、樹脂層と無機基材との密着性の高い複合体を得ることができる。
具体的には、シランカップリング剤は、下式(1)で表される化合物であることが好ましい。
(1):R−SiXYZ
式(1)中、Rは炭素数が2〜30、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10の炭化水素基を表す。炭化水素基の炭素数が少なすぎると、得られる複合体の無機基材と樹脂層との密着性が低くなるおそれがある。多すぎると、式(1)で表される化合物の水への溶解性が低下し、所望の光線透過率を有するシランカップリング剤含有水溶液を調製することが困難になる。
炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、およびアリール基が挙げられる。シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を置換基として有していてもよい。中でも、Rは炭素−炭素二重結合を有する基であることが好ましい。ここで、「炭素−炭素二重結合を有する基」とは、アルケニル基、またはアルケニル基を置換基として有するシクロアルキル基もしくはアリール基である。アルケニル基を含む基は、その炭素−炭素二重結合と、他の炭素−炭素二重結合または芳香環とで形成される共役系を有していることがさらに好ましく、炭素−炭素二重結合と芳香環とで形成される共役系を有していることが、ラジカル反応性が高く、架橋後の樹脂層と無機基材との密着性が高くなるので最も好ましい。
X,Y,Zはそれぞれ加水分解性基、水酸基、または炭素数が6以下のアルキル基もしくはフェニル基を表し、X,Y,Zの少なくとも一つは加水分解性基または水酸基である。加水分解性基とは、シランカップリング剤の水溶液を調製する際に分解して、シラノールを形成し得る基であり、具体的には、塩素原子や臭素原子などのハロゲン、およびメトキシ基やエトキシ基などのアルコキシル基が挙げられる。中でも、塩素原子またはアルコキシル基が好ましく、アルコキシル基がより好ましく、メトキシ基およびエトキシ基が特に好ましい。
本発明に好適に使用できるシランカップリング剤の具体的な例としては、アリルトリメトキシシラン、3−ブテニルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、スチリルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、β−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、β−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、δ−メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、(N(ビニルベンジル)−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせて使用してもよい。
中でも、Rが炭化水素基であるシランカップリング剤である、アリルトリメトキシシラン、3−ブテニルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、スチリルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランが好ましく、Rが炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤である、アリルトリメトキシシラン、3−ブテニルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、スチリルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンがより好ましく、該炭素−炭素二重結合が芳香環と共役系を形成されるシランカップリング剤である、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルトリクロロシランが特に好ましい。
本発明に用いるシランカップリング剤含有水溶液は、上記のシランカップリング剤を、水に溶解してなる。シランカップリング剤含有水溶液におけるシランカップリング剤の濃度は、0.01重量%以上、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%である。濃度が薄すぎると、樹脂との密着不良が生じ、濃度が濃すぎると加水分解による縮合が発生しやすくなるという問題が生じるおそれがある。
本発明において、シランカップリング剤含有水溶液は、光路長が50mmのときの全光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上であるものを用いる。全光線透過率が高いほど、シランカップリング剤が水に均一に溶解していることを表し、かかるシランカップリング剤含有水溶液を用いることで、無機基材の表面を均一に表面処理することができる。ここで、全光線透過率とは、積分球式光電光度法により測定される値である。
(界面活性剤)
シランカップリング剤含有水溶液は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤を用いることで、疎水性の高いシランカップリング剤でも、均一に水に溶解させることができる。また、シランカップリング剤の加水分解と縮合を抑制できるので、シランカップリング剤含有水溶液の保存安定性を高めることができる。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。中でも、作業性および特性面から、イオンマイグレーションなどを生じるおそれの少ない、ノニオン性の界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤の化学構造としては、脂環構造または芳香環構造などの環構造を有するものが好ましい。
ノニオン性界面活性剤は、グリフィンのHLB値が、18以下のものが好ましく、5〜16のものがより好ましく、13〜15のものが最も好ましい。HLB値が高すぎると親水性が高くなり、シランカップリング剤との相溶性が低下する。界面活性剤は、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。二種以上を併用して用いる場合は、HLB値の大きい界面活性剤とHLB値の小さい界面活性剤とを組み合わせて、全体として上記範囲のHLB値となるようにしてもよい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテルおよびポリオキシエチレンセカンドアルキルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;アルキルカルボニルオキシポリオキシエチレン類;脂肪族多価アルコールエステル類;脂肪族多価アルコールポリオキシエチレン類;脂肪族ショ糖エステル類;などを挙げることができる。これらのノニオン性界面活性剤を二種以上組み合わせて用いる場合は、同じ類の界面活性剤から該二種以上の界面活性剤を選択することが好ましい。
界面活性剤の使用量は、シランカップリング剤含有水溶液中の界面活性剤の濃度で、固形分濃度で0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜1重量%であることがより好ましい。
本発明に用いるシランカップリング剤含有水溶液のpHは、通常3〜10、好ましくは3〜6である。pHがこの範囲であると、シランカップリング剤の加水分解による縮合反応が抑制され、シランカップリング剤含有水溶液の保存安定性を高いものとできる。シランカップリング剤含有水溶液は、そのpHを調整する目的で、pH調整剤を含んでいてもよい。pH調整剤としては、酢酸、蟻酸、シュウ酸、クエン酸、酪酸などの有機酸や、アンモニア水などを用いることができる。
(シランカップリング剤含有水溶液の調製方法)
シランカップリング剤含有水溶液を調製する方法は、シランカップリング剤含有水溶液を上記のシランカップリング剤濃度および光線透過率とできる限り特に限定されない。具体的には、シランカップリング剤を含む溶液(第1溶液)を、シランカップリング剤を含まず水を含む溶液(第2溶液)に添加して調製すると、シランカップリング剤を速く均一に溶解することができ好適である。ここで、第2溶液である「水を含む溶液」とは、純水であってもよく、水に前記の界面活性剤、pH調整剤、および少量の水溶性有機溶媒などが溶解してなる水溶液であってもよい。
第1溶液は、シランカップリング剤を溶媒に溶解してなるものである。溶媒としては、水または水溶性有機溶媒を用いることができ、水溶性有機溶媒が好ましい。水溶性有機溶媒は、上記シランカップリング剤含有水溶液中で水と均一に混ざり合う有機溶媒であり、具体的には、アルコール類、ケトン類、ピロリドン類、フラン類、アミン類、およびカルボン酸類などが挙げられる。中でも、アルコール類およびケトン類が好ましく、アルコール類がより好ましい。アルコール類としては、メタノールおよびエタノールが最も好ましい。溶媒は、二種以上を組み合わせて使用することができる。
第1溶液には、前記の界面活性剤やpH調整剤を含んでいてもよい。第1溶液の調製における、シランカップリング剤、溶媒およびこれらの任意成分の混合方法や手順は、特に限定されない。第1溶液におけるシランカップリング剤の濃度は、通常5〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、より好ましくは40〜70重量%である。
第1溶液および第2溶液の具体的な組み合わせとしては、例えば下記(1)〜(5)が挙げられる。これらの組み合わせによれば、シランカップリング剤の溶解が速く均一に進行するので好ましい。中でも、(1)〜(3)の組み合わせがより好ましく、(1)の組み合わせが特に好ましい。
(1)
第1溶液:シランカップリング剤を水溶性有機溶媒に溶解させた溶液
第2溶液:界面活性剤およびpH調整剤を水に添加してなる水溶液
(2)
第1溶液:シランカップリング剤および界面活性剤を水溶性有機溶媒に混合してなる溶液
第2溶液:界面活性剤およびpH調整剤を水に添加してなる水溶液
(3)
第1溶液:シランカップリング剤および界面活性剤を水溶性有機溶媒に混合してなる溶液
第2溶液:pH調整剤を水に添加してなる水溶液
(4)
第1溶液:シランカップリング剤および界面活性剤を水溶性有機溶媒に混合してなる溶液
第2溶液:水
(5)
第1溶液:シランカップリング剤、界面活性剤およびpH調整剤を水溶性有機溶媒に混合してなる溶液
第2溶液:水
第1溶液を第2溶液に添加し、混合することで、シランカップリング剤含有水溶液を調製できる。第1溶液と第2溶液の量の比(第1溶液:第2溶液)は、重量比で、通常1:10,000〜100:1、好ましくは1:5,000〜1:1、より好ましくは1:1000〜1:10である。第1溶液と第2溶液との混合後に、pH調整剤を添加してpHを調製してもよい。
第1溶液の第2溶液への添加は、逐次的に行うことが好ましい。第1溶液を逐次的に添加することにより、第1溶液の液滴を微細なものとすることができ、第2溶液への溶解の速度を速くできるので好ましい。第1溶液を第2溶液に添加する速度は、第2溶液1リットルあたり、好ましくは100ml/分以下、より好ましくは0.1〜10ml/分、特に好ましくは0.1〜5ml/分である。
第1溶液の添加および混合の方法は特に限定されないが、第1溶液の液滴を微細なものとできる方法が好ましい。具体的には、添加の方法としては、滴下による方法および噴霧による方法が挙げられ、噴霧による方法がより好ましい。混合の方法としては、機械的な攪拌や、超音波を用いた分散が挙げられる。
(表面処理)
本発明では、上記で得られたシランカップリング剤含有水溶液を用いて、無機基材の表面処理を行う。表面処理の方法は特に限定されないが、例えば、(a)無機基材をシランカップリング剤含有水溶液に浸漬し、次いでこれを引き上げて乾燥する方法;(b)無機基材の表面にロールコーター、ダイコーター、グラビアコーターなどの塗工装置を用いてシランカップリング剤含有水溶液を塗布し、次いで乾燥する方法;および(c)無機基材の表面に噴霧装置を用いてシランカップリング剤含有水溶液を噴霧する方法;などが挙げられる。
(樹脂層)
本発明の複合体の製造方法は、上記により表面処理された無機基材の、表面処理された面上に重合体を含有する樹脂層を形成する。本発明の製造方法で得られる複合体は、前記の無機基材と樹脂層とが密着し、一体化したものであり「樹脂層を形成する」とは、無機基材と樹脂層とを密着させ、一体化させることをいう。樹脂層は、必要に応じ他の任意成分を含有する。
樹脂層に用いられる重合体は、特に限定されないが、極性の低い重合体が好ましい。かかる重合体としては、具体的には、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイドなどのポリエーテル;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体などの共役ジエンポリマー;ポリ4−メチルペンテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン;全芳香族ポリエステルなどの液晶性ポリマー;およびシクロオレフィンポリマー;などが挙げられる。中でも、共役ジエンポリマー、ポリオレフィンおよびシクロオレフィンポリマーがより好ましく、共役ジエンポリマーおよびシクロオレフィンポリマーがさらに好ましく、疎水性が高い重合体であるシクロオレフィンポリマーが最も好ましい。
樹脂層に用いられる重合体は、その製造方法は特に限定されず、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等のいずれでもよいが、塊状重合が好ましい。前記の無機基材の存在下に塊状重合を行うと、重合と、無機基材の表面処理された面上に樹脂層を形成する工程とを同時に行うことができるので、生産性に優れ、特に好ましい。ここで、「無機基材の存在下に塊状重合を行う」とは、無機基材の表面処理された面と、モノマーおよび重合触媒等を含む重合性組成物とが接触する状態で塊状重合を行うことをいう。
その方法としては、無機基材が粒子状または短繊維である場合は、重合性組成物に無機基材を分散させ、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。塊状重合は成形型内で行ってもよいし、重合性組成物を樹脂フィルムなどの支持体上に流延して該支持体上で重合してもよい。
無機基材がクロスである場合は、無機基材に重合性組成物を含浸させ、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。具体的な方法としては、クロスを成形型内に設置し、該型内に重合性組成物を注入してクロスに重合性組成物を含浸させ、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。また、クロスを樹脂フィルムなどの支持体上に設置し、ここに重合性組成物を流延してクロスに重合性組成物を含浸させ、次いで該支持体上で塊状重合を行う方法も挙げられる。
無機基材がシート状または板状である場合には、該無機基材上に重合性組成物を流延し、次いで塊状重合を行う方法や、無機基材を成形型内に設置し、該型内に重合性組成物を注入し、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。
樹脂層を形成する他の方法としては、無機基材が粒子状または短繊維である場合は、重合体を溶媒に溶解してなるワニスに無機基材を添加、混合し、次いで乾燥して溶媒を除去する方法や、重合体と無機基材とを溶融混練する方法などが挙げられる。無機基材がクロスである場合は、無機基材に該ワニスを含浸させ、次いで乾燥して溶媒を除去する方法が挙げられる。無機基材がシート状または板状である場合には、無機基材上に該ワニスを流延し、次いで乾燥して溶媒を除去する方法や、シート状に成形した重合体を無機基材の表面処理された面と重ね合わせ、圧着する方法などが挙げられる。
樹脂層に用いられる重合体は、架橋可能な重合体であることが好ましい。架橋可能な重合体としては、加熱や放射線照射などにより単独で架橋反応する重合体や、架橋剤を用いることにより架橋反応する重合体が挙げられる。中でも、用いる架橋剤の種類や量により架橋密度や架橋温度を制御することが容易なので、架橋剤を用いることにより架橋反応する重合体が好ましい。
また、重合体は、架橋された重合体であることも好ましい。架橋された重合体は、上記の架橋可能な重合体を架橋して得ることが、架橋された重合体を含む樹脂層と無機基材との密着性の高い複合体を得られるので好ましい。すなわち、上記の方法により、架橋可能な重合体を含む樹脂層と無機基材とが一体化された複合体を得て、この複合体中の重合体を架橋することで、架橋された重合体を含む樹脂層と無機基材とが一体化された複合体を得ることができる。
樹脂層には、前記の重合体の他に、各種の添加剤、例えば、架橋剤、架橋助剤、架橋遅延剤、強化材、改質剤、酸化防止剤、充填材、着色剤、難燃剤、光安定剤などを含有させてもよい。これらの添加剤は、用いられる重合体の種類に応じて、公知のものを適宜選択して用いることができる。なお、定形を有する無機化合物であって、上記の表面処理を施していないものであっても、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の添加剤として用いることができる。添加剤を含有させる方法も、特に限定されない。
樹脂層に用いる重合体としてシクロオレフィンポリマーを用いる場合は、シクロオレフィンモノマーおよびメタセシス重合触媒を含む重合性組成物を、前記の無機基材の存在下に塊状開環重合を行うことが好ましい。
(シクロオレフィンポリマー)
シクロオレフィンポリマーとは、シクロオレフィンモノマーを重合してなる単量体単位を有する単独重合体または共重合体である。具体的には、シクロオレフィンモノマーの単独付加重合体、シクロオレフィンモノマーと鎖状オレフィンモノマーおよび/または芳香族ビニル化合物との付加共重合体、シクロオレフィンモノマーの開環重合体およびその水素化物が挙げられる。
シクロオレフィンモノマーとは、炭素原子で形成される環構造を有し、該環中に炭素−炭素二重結合を有する化合物である。その例として、ノルボルネン系モノマーおよび単環シクロオレフィンなどが挙げられ、ノルボルネン系モノマーが好ましい。ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を含む脂環式オレフィンである。具体的には、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。これらは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭化水素基;カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アミド基およびイミド基などの極性基;などが置換基として含まれていてもよい。
また、ノルボルネン環の二重結合以外に、さらに二重結合を有していてもよい。これらの中でも、極性基を含まない、すなわち炭素原子と水素原子のみで構成されるノルボルネン系モノマーが好ましい。
具体的には、2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンとも言う。)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンとも言う。)などのノルボルネン類;
ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンとも言う。)などのジシクロペンタジエン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどのテトラシクロドデセン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−オール、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、7−オキサ−2−ノルボルネンなどの極性基を含むノルボルネン系モノマー;などが挙げられる。
重合性組成物を構成するメタセシス重合触媒は、シクロオレフィンモノマーを、メタセシス開環重合させるものであれば特に限定されない。具体的には、4族、5族、6族及び8族(長周期型周期表、以下同じ)の遷移金属原子を含む遷移金属触媒が使用される。これらの中でも、8族のルテニウムやオスミウムの錯体をメタセシス重合触媒として用いることが好ましく、ルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムカルベン錯体は、ルテニウム原子を中心にして、イオン、原子、多原子イオンおよび/または化合物が複数結合してなる錯体であって、ルテニウム原子にカルベン炭素が二重結合した構造(Ru=C)を有するものである。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性が優れるため、生産性に優れる。また、ルテニウムカルベン錯体は、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも重合が可能である。
ルテニウムカルベン錯体は、例えば、下記の式(2)または式(3)で表されるものである。
Figure 2008123253
式(2)及び(3)において、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を示す。アニオン性配位子とは、中心金属原子から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、例えば、ハロゲン原子、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、カルボキシル基などを挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
1及びL2はそれぞれ独立して、ヘテロ原子含有カルベン化合物又は中性電子供与性化合物を表す。ヘテロ原子とは、周期律表第15族及び第16族の原子を意味し、具体的には、N、O、P、S、As、Se原子などを挙げることができる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N、O、P、S原子などが好ましく、N原子が特に好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、下記の式(4)又は式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008123253
式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20個の炭化水素基を表す。また、R〜Rは任意の組合せで互いに結合して環を形成していてもよい。
中性の電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、ホスフィン類、エーテル類及びピリジン類などが挙げられ、トリアルキルホスフィンがより好ましい。
式(2)及び(3)において、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。さらに、R、R、X1、X2、L1及びL2は、任意の組合せで互いに結合して多座キレート化配位子を形成してもよい。
ルテニウムカルベン錯体として好適に用いられる化合物としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−ブテニリデン−2−ピリジン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)[(フェニルチオ)メチレン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
メタセシス重合触媒の使用量は、(触媒中の金属原子:シクロオレフィンモノマー)のモル比で、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は必要に応じて、少量の不活性溶剤に溶解又は懸濁して使用することができる。かかる溶媒としては、鎖状脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、およびエーテル類などが挙げられる。これらの中では、工業的に汎用な芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、または脂環式炭化水素の使用が好ましい。
メタセシス重合触媒は、活性剤(共触媒)と併用することもできる。活性剤は、重合活性を制御し、重合反応率を向上させる目的で添加されるものである。活性剤としては、アルミニウム、スカンジウム、スズのアルキル化物、ハロゲン化物、アルコキシ化物及びアリールオキシ化物などを例示することができる。活性剤の使用量は、(メタセシス重合触媒中の金属原子:活性剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
重合性組成物は、さらに重合反応の連鎖移動剤を含有することが好ましい。連鎖移動剤としては、ビニル基を有する化合物を用いることができる。具体的には、脂肪族オレフィン類、芳香族基を有するオレフィン類、脂環式炭化水素基を有するオレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニルエステル類、ビニルシラン類、およびビニルアミン類などが挙げられる。
中でも、ビニル基以外に、後述する架橋に寄与する基を有する化合物が好ましい。かかる架橋に寄与する基とは、具体的には、炭素−炭素二重結合を有する基であり、ビニル基、アクリロイル基およびメタクリロイル基等が挙げられる。これらの基は、分子鎖の末端にあることが好ましい。かかる連鎖移動剤としては、メタクリル酸ウンデセニル、メタクリル酸ヘキセニルおよびジビニルベンゼンが特に好ましい。
連鎖移動剤の量は、シクロオレフィンモノマー100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。連鎖移動剤の量がこの範囲であるときに、重合反応率が高く、しかも架橋可能な重合体を効率よく得ることができる。
重合性組成物は、さらに重合反応遅延剤を含有することが好ましい。重合反応遅延剤を添加することで、メタセシス重合触媒の重合活性を制御し、重合性組成物の可使時間を伸ばし、加工性を向上させることができる。かかる重合反応遅延剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンなどのホスフィン類;アニリン、ピリジンなどのルイス塩基;等が挙げられる。中でも、本発明の重合性組成物の可使時間を効率よく制御でき、重合反応の阻害が少ないので、ホスフィン類が好ましい。
さらに、ジエン構造またはトリエン構造を有するシクロオレフィンモノマーは、シクロオレフィンモノマーであると同時に重合反応遅延剤としても働く。このようなシクロオレフィンモノマーとしては、1,5−シクロオクタジエンやビニルノルボルネンなどが挙げられる。
重合性組成物は、さらに、前記の各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、架橋剤を含むことが好ましい。連鎖移動剤および架橋剤を含む重合性組成物を重合すると、架橋可能な重合体を得ることができる。架橋剤としては、例えば、ラジカル発生剤、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物、アミノ基含有化合物、ルイス酸などが挙げられ、ラジカル発生剤が特に好ましい。
ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、ジアゾ化合物および非極性ラジカル発生剤などが挙げられ、得られる樹脂層の誘電正接を低いものとできるので、有機過酸化物および非極性ラジカル発生剤が好ましい。
有機過酸化物としては特に限定されないが、例えば、ヒドロペルオキシド類、ジアルキルペルオキシド類、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシケタール類、ペルオキシエステル類、ペルオキシカルボナート類、アルキルシリルペルオキサシド類、およびケトンペルオキシド類などが挙げられる。中でも、メタセシス重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類およびペルオキシケタール類が好ましい。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンおよびトリフェニルメタンなどが挙げられる。
架橋剤の使用量は、シクロオレフィンモノマー100質量部に対して、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。架橋剤の量が少なすぎると架橋が不十分となり、高い架橋密度の樹脂層が得られなくなるおそれがある。架橋剤の量が多すぎる場合には、架橋効果が飽和する一方で、所望の物性を有する樹脂層が得られなくなるおそれがある。
架橋剤としてラジカル発生剤を用いる場合は、重合性組成物は、架橋助剤やラジカル架橋遅延剤を含んでいてもよい。ラジカル架橋遅延剤は、ラジカル捕捉機能を有する化合物であり、ラジカル発生剤によるラジカル架橋反応を遅らせる効果を有するものである。重合性組成物にラジカル架橋遅延剤を添加することにより、得られる架橋可能な樹脂の流動性及び保存安定性を向上させることができる。
重合性組成物は、その調製する方法によって特に制約されない。重合性組成物は、例えば、メタセシス重合触媒を適当な溶媒に溶解または分散させた液(以下、「触媒液」ということがある。)を調製し、これをシクロオレフィンモノマーに添加し、攪拌することによって調製できる。シクロオレフィンモノマーおよびメタセシス重合触媒以外の任意成分は、触媒液およびシクロオレフィンモノマーのいずれに溶解または分散させて用いてもよい。
上記の重合性組成物を表面処理された無機基材の存在下に塊状重合して、シクロオレフィンポリマーが得られる。無機基材の存在下に塊状重合を行う方法は、前記いずれの方法も採用できる。
塊状重合はメタセシス触媒が機能を発現する温度まで重合性組成物を加熱することによって開始される。重合反応を開始させる温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒間から20分間、好ましくは5分間以内である。
重合性組成物を所定温度に加熱することにより重合反応が開始する。この重合反応は発熱反応であり、一旦塊状重合が開始すると、反応液の温度が急激に上昇し、短時間(例えば、10秒間から5分間程度)でピーク温度に到達する。重合反応時のピーク温度があまりに高くなると、重合反応と架橋反応が同時に進行するので、得られる重合体は架橋された重合体となる。したがって、架橋可能な重合体を得る場合には、重合反応のみを完全に進行させ、架橋反応が進行しないようにするために、塊状重合における重合性組成物のピーク温度を、前記架橋剤の1分間半減期温度以下、好ましくは230℃以下、より好ましくは200℃未満に制御することが好ましい。
上記で得られる、架橋可能な重合体であるシクロオレフィンポリマーは、架橋することにより、架橋された重合体とできる。架橋は、例えば、上記の複合体を加熱溶融するなどして、樹脂層中の未架橋の重合体が架橋反応を起す温度以上に維持することによって行うことができる。未架橋の重合体を架橋させるときの温度は、前記塊状重合時のピーク温度より20℃以上高いことが好ましく、通常170〜250℃、好ましくは180〜220℃である。また、架橋する時間は特に制約されないが、通常数分から数時間である。
上記の複合体がシート状またはフィルム状である場合は、該複合体を必要に応じて積層し、熱プレスして架橋する方法が好ましい。かかるシート状又はフィルム状の成形体は、架橋可能な重合体を含む樹脂層が無機基材のクロスに含浸されてなるプリプレグ、または架橋可能な重合体と金属箔とが積層されてなる樹脂付き金属箔であることが特に好ましい。熱プレスするときの圧力は、通常0.5〜20MPa、好ましくは3〜10MPaである。熱プレスは、真空または減圧雰囲気下で行ってもよい。熱プレスは、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機を用いて行なうことができる。
熱プレスして架橋すると、架橋時の加熱により樹脂層が溶融して適度に流動し、次いで架橋により樹脂層が硬化するので、得られる複合体は、平坦性に優れ、かつ、無機基材と樹脂層との密着性に優れたものとなる。この複合体は電子回路基板などの電気材料として好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例および比較例における各特性は、下記の方法に従い測定した。
(1)全光線透過率
シランカップリング剤含有水溶液の全光線透過率は、調製から5時間経過後の、光路長50mmにおける全光線透過率を測定した。測定装置としては、日本電色工業社製の色度・濁度計(品名:COH400)を用いた。
(2)銅箔外観
銅箔の外観評価は、表面処理後の銅箔の、筋や斑点模様などの処理斑を目視で観察し、以下の基準で評価した。処理斑が少ないほど、シランカップリング剤が均一に塗布されていることを表す。
A:処理斑全く見られない
B:銅箔の10面積%未満に斑あり
C:10面積%以上50面積%未満に斑あり
D:50面積%以上70面積%未満に斑あり
E:70面積%以上で斑が見られる
(3)ガラスクロスと樹脂層の密着性
プリプレグを切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。樹脂層とガラスクロスとが、密着していない部分がないものをOK、あるものをNGとして評価した。ただし、実施例7については市販品のプリプレグを使用したため、評価していない。
(4)発泡およびボイド
プリプレグを目視で観察し、以下の基準で評価した。ここで発泡とは、作製したプリプレグ表面に目視で観察できるほど凹凸がみられるものである。ボイドとは、作製したプリプレグを透かしてみて、樹脂が存在しない部分である。ただし、実施例7については市販品のプリプレグを使用したため、評価していない。
A:全体に発泡がなく、ボイドのないもの
B:全体の1/3未満の面積に発泡があり、ボイドがあるもの
C:全体の1/3以上の面積に発泡があるもの
(5)銅箔の引き剥がし強さ
両面銅張積層板における銅箔の引き剥がし強さを、JIS C6481に基づいて測定し、以下の基準で評価した。銅箔の引き剥がし強さが大きいほど、銅箔と樹脂層とが強固かつ均一に密着していることを表す。
A:0.7kN/m以上
B:0.5以上0.7kN/m未満
C:0.4以上0.5kN/m未満
D:0.3以上0.4kN/m未満
E:0.3kN/m未満
(6)電気特性
両面銅張積層板を20mm角に切り出し、40℃の塩化第二鉄溶液(サンハヤト社製)に浸漬し、表面の銅箔を取り除いて試験片を得た。この試験片の1GHzの誘電損失(tanδ)を、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナライザー(型番号E4991A)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
A:0.0015未満
B:0.0015以上0.0030未満
C:0.0030以上0.0050未満
D:0.0050以上0.0070未満
E:0.0070以上
(7)半田耐熱
両面銅張積層板を幅1cm、長さ5cmに切り出し、これを260℃の半田浴に10秒浸漬し、引き上げた。浸漬と引き上げを3回繰り返した後の、両面の外観を観察し、以下の基準で評価した。
A:剥離・膨れ全くなし
B:剥離はないが、膨れが5%未満の面積に発生
C:剥離はないが、膨れが5面積%以上10面積%未満に発生
D:剥離はないが、膨れが10面積%以上に発生
E:剥離と膨れあり
(8)配線の剥離
回路基板に形成した配線を光学顕微鏡にて観察し、その剥離の程度について、以下の基準で評価した。
A:配線の剥離なし
B:配線長30mmのうち剥離の発生が10%以下
C:配線長30mmのうち剥離の発生が10%を超える
(実施例1)
<シランカップリング剤含有水溶液の調製>
シランカップリング剤としてp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越シリコーン社製)をメタノールに濃度50%になるように溶解した溶液(第1溶液)を、界面活性剤としてポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル(商品名:HS−210、日本油脂製、HLB値13.5)を0.06%含む水溶液(第2溶液)に逐次的に滴下し、溶解させた。滴下の速度は、第2溶液1リットルあたり、5ml/分とした。さらにこの溶液のpHが4.0になるように酢酸を滴下し、シランカップリング剤濃度0.03%のシランカップリング剤含有水溶液を得た。
<銅箔の表面処理>
1m角の銅箔(厚さ12μmの電解銅箔、表面クロメート処理、粗度Rz=0.8μm、古河サーキットフォイル社製)に、上記で得られたシランカップリング剤含有水溶液を、温度23℃、湿度50%の環境下で、バーコーターを用いて塗布厚が4μmになるように均一に塗布した。次いでこれを速やかに窒素気流下で120℃で5分間乾燥させることによって表面処理された銅箔を得た。
<ガラスクロスの表面処理>
表面が未処理のガラスクロス(厚さ80μm、単位面積当たりの重量が85g/m、Eガラス)を温度400℃で27時間熱処理した。上記で得られたシランカップリング剤含有水溶液の中に該熱処理したガラスクロスを浸漬し、余剰分を絞って乾燥させ、表面処理されたガラスクロスを得た。ガラスクロスに対するシランカップリング剤の付着量は0.070%であった。
<重合性組成物の調製>
ガラス製フラスコ中で、ベンジリデン(1,3−ジメチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド51部と、トリフェニルホスフィン79部とを、トルエン952部に溶解させて触媒液を調製した。
これとは別に、ポリエチレン製の瓶にシクロオレフィンモノマーとして、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン80部およびノルボルネン20部の混合物を入れ、ここに連鎖移動剤としてメタクリル酸ヘキセニル(エコノマーML C5タイプ、新中村化学社製)1部、架橋剤としてジ−t−ブチルペルオキシド(化薬アクゾ社製、製品名カヤブチルD、1分間半減期192℃)1部、充填材としてシリカ(アドマテックス社製、製品名SO−E1、平均粒径0.2μm)100部を加えた後、上記触媒液をシクロオレフィンモノマー100gあたり0.12mlの割合で加えて撹拌し、重合性組成物を調製した。
<複合体の作成>
次いで、得られた重合性組成物100部をポリエチレンナフタレートフィルム(タイプQ51、厚み75μm、帝人デュポンフィルム社製)の上に流延し、その上に上記の表面処理されたガラスクロスを敷いて、さらにその上に上記重合性組成物80部を流延し、その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムを被せ、ローラーを用いて重合性組成物をガラスクロスに含浸させた。次いで、これを150℃に熱した加熱炉に入れて1分間加熱し、重合性組成物を塊状重合させた。以上のようにして、架橋可能な重合体を含有する樹脂層と、無機基材であるガラスクロスとの複合体である、厚さ130μmのプリプレグを得た。
得られたプリプレグを6枚重ねて、上記の表面処理された銅箔2枚の間に挟み、熱プレスによって、平板状形状に保ちながら加圧と同時に加熱した。熱プレスの条件は、圧力5MPa、温度200℃、時間15分とした。以上により、架橋された重合体を含有する樹脂層と、無機基材であるガラスクロスおよび銅箔との複合体である、厚さ780μmの両面銅張積層板を得た。
<回路基板の形成>
上記で得られた両面銅箔付き架橋樹脂成形体の、銅箔をエッチングして、ラインアンドスペース(L/S)が20/20μmの配線を形成し、回路基板を得た。
以上で得られた、シランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔および複合体について、各特性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2008123253
(実施例2)
シランカップリング剤として、アリルトリメトキシシラン(商品名:Z−6825、東レ・ダウコーニング社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
シランカップリング剤として、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン(商品名:LS−5080、信越化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
シランカップリング剤として、n−デシルトリメトキシシラン(商品名:Z−6210、東レ・ダウコーニング社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
界面活性剤として、HLB値が17.1のもの(商品名:N−530、青木油脂工業製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例6)
ポリフェニレンエーテル(PPE、商品名:ノリルPX9701、GEプラスチック社製)100部、トリアリルイソシアネート100部、2,5,−ジメチル−2,5,−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン17部、トルエン116部、充填剤としてシリカ(アドマテックス社製、製品名SO−E1、およびスチリルシラン処理品、平均粒径0.2μm)100部を混合して、PPEがトルエンに溶解した樹脂ワニスを得る。この樹脂ワニスを、実施例1と同様にして得た表面処理されたガラスクロスに含浸させた後、80℃で10分間乾燥させて、架橋可能な重合体を含有する樹脂層と、無機基材であるガラスクロスとの複合体である、厚さ130μmのプリプレグを得る。
このプリプレグを用いて、熱プレスの条件を圧力5MPa、温度190℃、時間180分とした他は実施例1と同様にして、熱プレスを行う。以上により、架橋された重合体を含有する樹脂層と、無機基材であるガラスクロスおよび銅箔との複合体である、厚さ750μmの両面銅張積層板を得る。得られる複合体について、各特性の評価結果を表1に示す。
(実施例7)
架橋可能な重合体を含有する樹脂層と、無機基材であるガラスクロスとの複合体として、ポリブタジエンのプリプレグ(商品名:RO4403、厚さ100μm、Rogers社製)を用いる。これを8枚重ねて、実施例1と同様にして表面処理された銅箔2枚の間に挟み、熱プレスを行う。熱プレスの条件は、実施例1と同様とする。以上により、架橋された重合体を含有する樹脂層と、無機基材であるガラスクロスおよび銅箔との複合体である、厚さ(750)μmの両面銅張積層板を得る。得られる複合体について、各特性の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
第1溶液の溶媒として、メタノールに代えて水を用いた以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
界面活性剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
界面活性剤として、HLB値が18.5のもの(商品名:N−560、青木油脂工業製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
(比較例4)
第1溶液を第2溶液に滴下した後に、酢酸の添加に代えて、アンモニア水を添加してpHを8.0とした以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
(比較例5)
シランカップリング剤、界面活性剤、メタノールおよび酢酸を、それぞれ一度に水に添加した以外は、実施例1と同様にしてシランカップリング剤含有水溶液、表面処理された銅箔およびガラスクロス、ならびに複合体を得た。これらについて、各特性を評価した結果を表1に示す。
以上より明らかなように、シランカップリング剤含有水溶液として濃度0.01%以上で光線透過率が50%以上のものを用いると、銅箔にシランカップリング剤を均一に塗布することができるので、表面処理後の銅箔に処理斑が少なかった。また、該シランカップリング剤水溶液を用いて表面処理された銅箔およびガラスクロスを用いると、これらと樹脂層との密着性に優れる複合体が得られた。さらに、得られる複合体は電気特性にも優れるものであった(実施例1〜7)。
一方、光線透過率の低いシランカップリング剤水溶液を用いると、表面処理された銅箔に処理斑が多く生じた。また、該シランカップリング剤水溶液を用いて表面処理された銅箔およびガラスクロスを用いると、得られる複合体はこれらと樹脂層との密着性が低いものであった。また、得られる複合体の電気特性も不十分であった(比較例1〜5)。

Claims (20)

  1. 無機基材の表面を、濃度が0.01重量%以上でかつ光路長が50mmのときの全光線透過率が50%以上である、シランカップリング剤含有水溶液で表面処理する工程、
    および該無機基材の表面処理された表面上に、重合体を含有する樹脂層を形成する工程を有する、無機基材と樹脂層とを含む複合体の製造方法。
  2. 前記シランカップリング剤が、下式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の製造方法。
    (1):R−SiXYZ
    (式中、Rは炭素数2以上30以下の炭化水素基を表す。X,Y,Zはそれぞれ加水分解性基、水酸基、または炭素数が6以下のアルキル基もしくはフェニル基を表し、X,Y,Zの少なくとも一つは加水分解性基または水酸基である。)
  3. 前記Rで表される基が炭素−炭素二重結合を有する基である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記シランカップリング剤含有水溶液のpHが、3〜10である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記シランカップリング剤含有水溶液が、さらに界面活性剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記界面活性剤のHLB値が18以下である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記界面活性剤が脂環構造または芳香環構造を有するものである、請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 前記無機基材が金属またはガラスからなるものである、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記無機基材が金属箔であり、その表面処理される表面の10点平均粗さRzが3.0μm以下である、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記重合体が架橋可能な重合体である、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記重合体が架橋された重合体である、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記重合体が共役ジエンポリマーまたはシクロオレフィンポリマーである、請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記重合体が塊状重合によって得られた重合体である、請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記シランカップリング剤含有水溶液が、シランカップリング剤を含む第1溶液を、シランカップリング剤を含まず水を含む第2溶液に添加して得られるものである、請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法。
  16. 前記第1溶液が、シランカップリング剤を水溶性有機溶媒に溶解してなるものである請求項15記載の製造方法。
  17. 前記第2溶液が、界面活性剤を含むものである請求項15または16に記載の製造方法。
  18. 第1溶液を第2溶液に逐次的に添加するものである、請求項15〜17のいずれかに記載の製造方法。
  19. 第1溶液を第2溶液に添加する速度が、第2溶液1リットルあたり、100ml/分以下である、請求項18に記載の製造方法。
  20. シランカップリング剤を含む第1溶液を、シランカップリング剤を含まず水を含む第2溶液に添加してシランカップリング剤含有水溶液を調製する工程、
    該シランカップリング剤含有水溶液で無機基材の表面を表面処理する工程、
    および該無機基材の表面処理された表面上に、重合体を含有する樹脂層を形成する工程を有する、無機基材と樹脂層とを含む複合体の製造方法。
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