JPH08197825A - 孔版印刷装置及びそのマスタ及びそのスクリーン - Google Patents

孔版印刷装置及びそのマスタ及びそのスクリーン

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JPH08197825A
JPH08197825A JP7096952A JP9695295A JPH08197825A JP H08197825 A JPH08197825 A JP H08197825A JP 7096952 A JP7096952 A JP 7096952A JP 9695295 A JP9695295 A JP 9695295A JP H08197825 A JPH08197825 A JP H08197825A
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plate cylinder
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Tomiya Mori
富也 森
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/14Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing
    • B41C1/144Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing by perforation using a thermal head
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M1/00Inking and printing with a printer's forme
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 裏移りのない印刷物が得られる孔版印刷装置
を提供すること。 【構成】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを有
するマスタ8を、製版手段としてのサーマルヘッド10
により加熱穿孔し、回転中心軸5の回りに回転する版胴
1の外周面に巻装し、版胴1の内周面よりインキを供給
し、マスタ8に印刷用紙15を押し付けてインキをマス
タ8の穿孔8cから滲出させて印刷する孔版印刷装置に
おいて、版胴1の外周面を形成する、インキを通過させ
る多孔性シート23であって、この多孔性シート23の
インキ流入側の孔23aから流入したインキが、版胴1
の一つの垂線Sに対して、少なくとも一回ずれて、イン
キ流出側の孔23bから流出するようなインキ通路23
Rを形成された多孔性シート23を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製版手段で穿孔したマ
スタを版胴に巻装し、印刷を行う孔版印刷装置及びその
マスタ及びそのスクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷装置は、サーマルヘッドの発熱
体素子によって、感熱孔版用のマスタに穿孔製版を行
い、マスタを搬送して多孔性の支持体と樹脂あるいは金
属網体のメッシュスクリーンとからなる円筒状の版胴の
外周面に巻装し、インキ供給部材で版胴の内周面よりイ
ンキを供給し、マスタに対してプレスローラ等の押圧手
段で印刷用紙を連続的に押し付けて、版胴の開孔部、マ
スタの穿孔部よりインキを滲出させて印刷を行ってい
る。
【0003】上記マスタは、厚さが約1〜2μmの非常
に薄いポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムと、多孔
性の可撓性の支持体として合成繊維層や和紙層、或いは
和紙繊維及び合成繊維を混抄したものとを貼り合わせた
ラミネート構造となっている。
【0004】上記孔版印刷装置に使用されるインキは、
蒸発しにくい油性インクとか油中水型(水分をオイル分
で囲んだタイプ)のエマルジョンインキが一般に用いら
れている。これは、孔版印刷装置を長期にわたって使用
しないで放置した後に新たに印刷を再開したときに、版
胴の支持体、メッシュスクリーンのインキが蒸発、或い
はマスタの多孔性支持体にインキが吸収されたりするこ
とによりインキ量が減少するのに起因して、ヤレ紙が大
量に発生しないようにするためである。
【0005】上述の発熱体素子は、40μm角程度の大
きさに設定され、400dpiに配列されている。この
発熱体素子によりマスタに形成される穿孔の大きさは、
発熱体素子の大きさと略同じ大きさに形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】蒸発しにくい油性イン
キやエマルジョンインキを用いると、転移したインキが
印刷用紙の内部に浸透し、転移したインキが十分に乾燥
した状態になるまでに時間がかかり、連続的に印刷を行
う場合に、前回の印刷用紙のインキが乾燥する以前に、
次の印刷用紙が排出積載されると、前回の印刷用紙のイ
ンキが次の印刷用紙の裏面に転移し、裏移りといわれる
不具合が発生する。この裏移りは、特に、インキ転移量
の多いベタ部において発生しやすい。
【0007】孔版印刷装置では、版胴に巻装されたマス
タに押圧手段で印刷用紙を押し付け、版胴の内部からイ
ンキを滲み出させ、印刷用紙をマスタの表面から剥がし
て、印刷を行なっている。図15に示すように、印刷用
紙95がマスタ98の表面から剥がされる時に、版胴の
支持体の開口を通し、メッシュスクリーン92の開口9
2aから、マスタ98の穿孔部98aを介してインキ9
1が大量に引き出され、印刷用紙95に転移する。この
場合、メッシュスクリーン92の開口92aのインキ流
入側とインキ流出側との中心が、版胴に下した一つの垂
線Sに一致しているので、インキ91が開口92a内壁
面を滑って大量に印刷用紙95表面上に引き出される。
よって、インキの乾燥に時間が掛かり、裏移りが発生す
る。なお、同図において符号98bは、マスタ98の多
孔性支持体を表す。
【0008】そこで、特公昭63−59393号公報に
示されているように、版胴を、その内側から多数の小孔
を有する支持円筒体と、中間スクリーン層と、マスタに
接触する外表スクリーン層とで構成し、支持円筒体から
中間スクリーン層を経て外表スクリーン層に至るまで段
階的にメッシュ値が高くなるようにして、インキの流路
を小さくして、大量のインキが引き出されるのを防止し
ようとしている。
【0009】このような版胴の最外層の外表スクリーン
層は、一般的に300メッシュ(ピッチ=約85μm)
程度で、線径が40μm程度の物が用いられていて、イ
ンキが通過する開口の大きさが45μm角程度となって
いる。
【0010】しかし、従来の版胴の最外層のメッシュス
クリーンの開口がマスタに形成される穿孔の大きさと略
同じ大きさに形成されているので、インキが切れにく
く、印刷用紙に大量にインキが転移し、裏移りはほとん
ど防止できなかった。
【0011】従って、本発明は上述したような問題点を
解決するためになされたものであり、裏移りのない印刷
物が得られる孔版印刷装置及びそのマスタ及びそのスク
リーンを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを有するマスタ
を、製版手段により加熱穿孔し、回転中心軸の回りに回
転する版胴の外周面に巻装し、上記版胴の内周面よりイ
ンキを供給し、上記マスタに印刷用紙を押し付けて上記
インキを上記マスタの穿孔から滲出させて印刷する孔版
印刷装置において、上記版胴の外周面を形成する、上記
インキを通過させる多孔性シートであって、この多孔性
シートのインキ流入側の孔から流入したインキが、上記
版胴に下した一つの垂線に対して、少なくとも一回ずれ
て、インキ流出側の孔から流出するようなインキ通路を
形成された多孔性シートを有することを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムのみからなるマスタを、製版手段により加熱穿孔
し、回転中心軸の回りに回転する版胴の外周面に巻装
し、上記版胴の内周面よりインキを供給し、上記マスタ
に印刷用紙を押し付けて上記インキを上記マスタの穿孔
から滲出させて印刷する孔版印刷装置において、上記版
胴の外周面を形成する、上記インキを通過させる多孔性
シートであって、この多孔性シートのインキ流入側の孔
から流入したインキが、上記版胴に下した一つの垂線に
対して、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の孔から
流出するようなインキ通路を形成された多孔性シートを
有することを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の孔版印刷装置において、上記多孔性シートは、少な
くとも上記マスタと接触する面を平滑化されていること
を特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、製版手段により加
熱穿孔される熱可塑性樹脂フィルムと、インキを通過さ
せる多孔性支持体とを有する孔版印刷装置のマスタにお
いて、上記多孔性支持体は、インキ流入側の孔から流入
したインキが、上記多孔性支持体に下した一つの垂線に
対して、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の孔から
流出するようなインキ通路を有することを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1、2又は
3記載の孔版印刷装置において、上記多孔性シートは、
繊維状の部材により形成されていて、上記版胴に下した
一つの垂線に平行な方向における上記繊維状の部材の外
径が上記マスタの穿孔径よりも小さいことを特徴とす
る。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項4記載の孔
版印刷装置のマスタにおいて、上記多孔性支持体は、繊
維状の部材により形成されていて、上記版胴に下した一
つの垂線に平行な方向における上記繊維状の部材の外径
が上記マスタの穿孔径よりも小さいことを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1、2又は
3記載の孔版印刷装置において、上記多孔性シートは、
繊維状の部材により形成されていて、上記繊維状の部材
の最大外径及びピッチが上記マスタの穿孔径よりも小さ
いことを特徴とする。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項4記載の孔
版印刷装置のマスタにおいて、上記多孔性支持体は、繊
維状の部材により形成されていて、上記繊維状の部材の
最大外径及びピッチが上記マスタの穿孔径よりも小さい
ことを特徴とする。
【0020】請求項9記載の発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムと多孔性支持体とを有するマスタを、製版手段によ
り加熱穿孔し、回転中心軸の回りに回転する版胴の外周
面に巻装し、上記版胴の内周面よりインキを供給し、上
記マスタに印刷用紙を押し付けて上記インキを上記マス
タの穿孔から滲出させて印刷する孔版印刷装置におい
て、上記版胴の外周面を形成する、上記インキを通過さ
せる多孔性シートであって、この多孔性シートと上記イ
ンキとの粘着力が、上記印刷用紙と上記インキとの粘着
力よりも大きくなるように、上記多孔性シートと上記イ
ンキとの接触面積を大きくした多孔性シートを有するこ
とを特徴とする。
【0021】請求項10記載の発明は、熱可塑性樹脂フ
ィルムのみからなるマスタを、製版手段により加熱穿孔
し、回転中心軸の回りに回転する版胴の外周面に巻装
し、上記版胴の内周面よりインキを供給し、上記マスタ
に印刷用紙を押し付けて上記インキを上記マスタの穿孔
から滲出させて印刷する孔版印刷装置において、上記版
胴の外周面を形成する、上記インキを通過させる多孔性
シートであって、この多孔性シートと上記インキとの粘
着力が、上記印刷用紙と上記インキとの粘着力よりも大
きくなるように、上記多孔性シートと上記インキとの接
触面積を大きくした多孔性シートを有することを特徴と
する。
【0022】請求項11記載の発明は、製版手段により
加熱穿孔される熱可塑性樹脂フィルムと、インキを通過
させる多孔性支持体とを有する孔版印刷装置のマスタに
おいて、上記多孔性支持体と上記インキとの粘着力が、
印刷用紙と上記インキとの粘着力よりも大きくなるよう
に、上記多孔性支持体と上記インキとの接触面積を大き
くしたことを特徴とする。
【0023】請求項12記載の発明は、請求項1、2、
3、5又は7記載の孔版印刷装置において、上記多孔性
シートと上記インキとの粘着力が、上記印刷用紙と上記
インキとの粘着力よりも大きくなるように、上記多孔性
シートと上記インキとの接触面積を大きくしたことを特
徴とする。
【0024】請求項13記載の発明は、請求項4、6又
は8記載の孔版印刷装置のマスタにおいて、上記多孔性
支持体と上記インキとの粘着力が、印刷用紙と上記イン
キとの粘着力よりも大きくなるように、上記多孔性支持
体と上記インキとの接触面積を大きくしたことを特徴と
する。
【0025】請求項14記載の発明は、請求項1、2、
3、5、7、9、10又は12記載の孔版印刷装置にお
いて、上記版胴が円筒状の多孔性シートを有することを
特徴とする。
【0026】請求項15記載の発明は、請求項1、2、
3、5、7、9、10又は12記載の孔版印刷装置にお
いて、上記版胴が実質的に剛体から成る円筒状の多孔性
支持体層と、この多孔性支持体層の外周面に巻かれた多
孔性シートとを有することを特徴とする。
【0027】請求項16記載の発明は、印刷用紙にイン
キを転移させて印刷する孔版印刷装置の版胴の外周面に
巻かれる、上記インキを通過させるスクリーンであっ
て、インキ流入側の孔から流入したインキが、上記版胴
に下した一つの垂線に対して、少なくとも一回ずれて、
インキ流出側の孔から流出するようなインキ通路を有す
ることを特徴とする。
【0028】請求項17記載の発明は、印刷用紙にイン
キを転移させて印刷する孔版印刷装置の版胴の外周面に
巻かれる、上記インキを通過させるスクリーンであっ
て、上記インキとの粘着力が、上記印刷用紙と上記イン
キとの粘着力よりも大きくなるように、上記インキとの
接触面積を大きくしたことを特徴とする。
【0029】なお、本明細書中において、熱可塑性樹脂
フィルムのみからなるマスタとは、マスタが熱可塑性樹
脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性樹脂フィル
ム中に帯電防止剤等の微量成分を含有してなるもの、さ
らには熱可塑性樹脂フィルムの表面及び裏面のうち少な
くとも一方に、オーバーコート層等の薄膜層を1層又は
複数層形成してなるものを含む。また、熱可塑性樹脂フ
ィルムと多孔性支持体とを有するマスタにおいて、熱可
塑性樹脂フィルム中に帯電防止剤等の微量成分を含有さ
せたり、熱可塑性樹脂フィルムの表面に、オーバーコー
ト層等の薄膜層を形成してよいことは勿論である。
【0030】
【作用】請求項1、2記載の発明では、版胴の外周面
を、インキ流入側の孔から流入したインキが、版胴に下
した一つの垂線に対して、少なくとも一回ずれて、イン
キ流出側の孔から流出するようなインキ通路を形成され
た多孔性シートで形成したので、多孔性シート内からイ
ンキが引き出されにくく印刷用紙に転移するインキは少
量になる。
【0031】請求項3記載の発明では、マスタと接触す
る面を平滑化された多孔性シートで版胴の外周面を形成
したので、多孔性シート内からインキが引き出されにく
く印刷用紙に転移するインキはさらに少量になる。
【0032】請求項4記載の発明では、多孔性支持体は
インキ流入側の孔から流入したインキが、多孔性支持体
に下した一つの垂線に対して、少なくとも一回ずれて、
インキ流出側の孔から流出するようなインキ通路を有す
るので、多孔性支持体内からインキが引き出されにくく
印刷用紙に転移するインキは少量になる。
【0033】請求項5記載の発明では、版胴に下した一
つの垂線に平行な方向における外径がマスタの穿孔径よ
り小さい繊維状の部材により形成された多孔性シートで
版胴の外周面を形成したので、マスタの穿孔を介して印
刷用紙に転移するインキはさらに少量になる。
【0034】請求項6記載の発明では、多孔性支持体に
下した一つの垂線に平行な方向における外径がマスタの
穿孔径より小さい繊維状の部材により多孔性支持体が形
成されたので、マスタの穿孔を介して印刷用紙に転移す
るインキはさらに少量になる。
【0035】請求項7記載の発明では、マスタの穿孔径
より小さい最大外径及びピッチを有する繊維状の部材に
より形成された多孔性シートで版胴の外周面を形成した
ので、マスタの穿孔を介して印刷用紙に転移するインキ
はさらに少量になる。
【0036】請求項8記載の発明では、多孔性支持体が
マスタの穿孔径より小さい最大外径及びピッチを有する
繊維状の部材により形成されたので、マスタの穿孔を介
して印刷用紙に転移するインキはさらに少量になる。
【0037】請求項9又は10記載の発明では、多孔性
シートとインキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの粘
着力よりも大きくなるように、多孔性シートとインキと
の接触面積を大きくしたので、多孔性シート内からイン
キが引き出されにくく印刷用紙に転移するインキは少量
になる。
【0038】請求項11又は13記載の発明では、多孔
性支持体とインキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの
粘着力よりも大きくなるように、多孔性支持体とインキ
との接触面積を大きくしたので、多孔性支持体内からイ
ンキが引き出されにくく印刷用紙に転移するインキは、
少量になる。
【0039】請求項12記載の発明では、多孔性シート
とインキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの粘着力よ
りも大きくなるように、多孔性シートとインキとの接触
面積を大きくしたので、多孔性シート内からインキが引
き出されにくく印刷用紙に転移するインキはさらに少量
になる。
【0040】請求項14記載の発明では、版胴が多孔性
シートを有するので、多孔性シート内からインキが引き
出されにくく印刷用紙に転移するインキは少量になる。
【0041】請求項15記載の発明では、版胴を実質的
に剛体からなる多孔性支持体層と、多孔性シートとによ
り構成したので、押圧手段による印圧が加わった際に版
胴に変形が無く、また、多孔性シート内からインキが引
き出されにくく印刷用紙に転移するインキは少量にな
る。
【0042】請求項16記載の発明では、インキ流入側
の孔から流入したインキが、版胴に下した一つの垂線に
対して、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の孔から
流出するようなインキ通路を有するので、スクリーン内
からインキが引き出されにくく印刷用紙に転移するイン
キは、少量になる。
【0043】請求項17記載の発明では、スクリーンと
インキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの粘着力より
も大きくなるように、スクリーンとインキとの接触面積
を大きくしたので、スクリーン内からインキが引き出さ
れにくく印刷用紙に転移するインキは少量になる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1において、符号1は版胴、符号30は製版装
置、符号40はインキ供給装置をそれぞれ表す。
【0045】版胴1は、図1、図2に示すように、内周
面を形成する多孔性で円筒状の支持体層21と、支持体
層21の外周面に巻かれたインキ保持層22と、版胴1
の外周面を形成する多孔性シート23との3層構造にな
っている。版胴1は後述するインキパイプを兼ねる回転
中心軸5の回りに回転可能に支持されていて、図示しな
いモータにより回動される。
【0046】支持体層21は、実質的に剛体、例えばス
テンレス等の金属からなり、円筒状に形成されており、
その外周面に熱可塑性樹脂フィルム8dと多孔性支持体
8eとを有するマスタ8の先端部をクランプするクラン
プ手段31を有する。支持体層21には、クランプ手段
31及びその周辺部と両側縁部とを除く他の部分に、イ
ンキを通過させるための多数の開孔が設けられている。
【0047】インキ保持層22は、金属網体のメッシュ
スクリーンや発泡樹脂により形成され、インキを保持
し、通過させる。なお、本例において、インキ保持層2
2は、1層のみ設けられているが、複数層設けるように
しても良い。また無くても良い。
【0048】多孔性シート23には、図2a、図2bに
示すごとく、多孔性シート23のインキ流入側の孔23
aから流入したインキ24が、版胴1に下した一つの垂
線Sに対して、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の
孔23bから流出するようなインキ通路23Rが形成さ
れている。印刷用紙15がマスタ8から引き剥がされる
時に、孔23bの天井部23baとインキ24との間に
は、インキ24の粘着力が働き、多孔性シート23から
引き出されるインキ24の量が低減される。図2aにお
いて、符号8cは、マスタ8の熱可塑性樹脂フィルム8
dに後述する製版装置30により形成された穿孔を表
す。なお、図2bは図2aの部分拡大モデル図であり、
図2bにおいてはマスタ8の図示を省略している。
【0049】多孔性シート23は、本例において、繊維
状の部材23dにより形成されている。また、樹脂や金
属製の不織布、焼結材、スポンジ等の発泡樹脂の材料に
より形成してもよい。なお、本例において、サーマルヘ
ッド10はその発熱体素子の大きさが400dpiに配
列されたものを用いており、繊維状の部材23dとして
はその線径が20〜30μmのものを用いた。
【0050】ここに、多孔性シート23のインキ流入側
の孔23aから流入したインキ24が、垂線Sに対して
少なくとも一回ずれてインキ流出側の孔23bから流出
するようなインキ通路23Rとは、インキ流入側の孔2
3a内のインキの実質的に全量が垂線S上に存在する繊
維状の部材23dにより流下を妨げられ垂線Sに沿って
流下しないものを意味する。
【0051】また、上記インキ通路23Rについて換言
すれば、上記インキ通路23Rとは、インキ流入側の孔
23a内のインキの実質的に全量が、繊維状の部材23
dによりその流下を妨げられることにより一旦、孔23
aの外方へ流出し、その後インキ流出側の孔23bへ向
かって流下するものを示す。なお、後述する、多孔性シ
ート、多孔性支持体、スクリーンに付いて述べる場合に
も同様のことを意味する。
【0052】多孔性シート23の他の例を図3a〜図3
eに示す。図3aに示す多孔性シート23Aは、繊維状
の部材23dを互い違いに2列に配列し、インキ流入側
の孔23aの中心C1とインキ流出側の孔23bの中心
C2とを、版胴1の周方向にずらして版胴1に下した一
つの垂線Sに対して一回ずれたインキ通路23Rを形成
したものである。
【0053】図3bに示す多孔性シート23Bは、繊維
状の部材23dを互い違いに3列に配列して版胴1に下
した一つの垂線Sに対して複数回ずれたインキ通路23
Rを形成したものである。
【0054】図3cに示す多孔性シート23Cは、イン
キ流入側の孔23aの中心C1とインキ流出側の孔23
bの中心C2とを、版胴1の周方向にずらして、版胴1
に下した一つの垂線Sに対して一回ずれたクランク状の
インキ通路23Rを形成したものである。
【0055】図3dに示す多孔性シート23Dは、イン
キ流入側の孔23aの中心C1とインキ流出側の孔23
bの中心C2とを、版胴1の周方向にずらして、版胴1
に下した一つの垂線Sに対して斜めに直線的にずれたイ
ンキ通路23Rを形成したものである。
【0056】図3eに示す多孔性シート23Eは、版胴
1に下した一つの垂線Sに対して複数回ずれた略くの字
型のインキ通路23Rを形成したものである。図3c、
図3d、図3eに示す多孔性シート23C、23D、2
3Eはゴム、樹脂、金属などにより形成されている。図
3a、図3c、図3dにおいて、中心C1と中心C2と
は、版胴1の周方向以外の方向、例えば軸線方向にずれ
ていても良い。
【0057】また、図4に示すように、繊維状の部材2
3dを有する空隙の多いスクリーン40aを2層重ね
て、図3aに示す多孔性シート23Aと同様な構成にし
て多孔性シート23Fを形成しても良い。このように、
スクリーン40aを2層重ねる場合、両者を接着した方
が良いが、先端部のみを接着し重ねるだけでも良い。以
上のような多孔性シート23A〜23Fにおいても、上
述した多孔性シート23と同様にそれから引き出される
インキ24の量が低減される。なお、図4において多孔
性シート23Fの外側には、多孔性支持体8eと熱可塑
性樹脂フィルム8dとを有するマスタ8を巻装している
が、多孔性シート23Fの外側には熱可塑性樹脂フィル
ム8dのみからなるマスタ8’を巻装するようにしても
良い。
【0058】図3、図4に示す多孔性シート23A、2
3B、23Fの繊維状の部材23dの最大外径l及びピ
ッチP、P’は、マスタ8の穿孔8cの径Dより小さく
形成されている。このように繊維状の部材23dの最大
外径l及びピッチP、P’を穿孔8cの径Dよりも小さ
くすることにより、インキが存在しうる穿孔8cの上方
の多孔性シート内の空隙を小さくし、これにより穿孔8
cを介して多孔性シート23A、23B、23Fから引
き出されるインキ量をより低減している。
【0059】なお図2aに示す多孔性シート23の繊維
状の部材23d間のピッチP、P’も、穿孔8cの径D
よりも小さく設定されており、このことと繊維状の部材
23dの最大外径が穿孔8cの径Dよりも小さいことと
により、インキが存在しうる穿孔8cの上方の多孔性シ
ート内の空隙を小さくし、これにより穿孔8cを介して
多孔性シート23から引き出されるインキ量をさらに低
減している。
【0060】本例において、図2aに示すように、版胴
1の外周面を形成する多孔性シート23の外側には、多
孔性支持体8eと熱可塑性樹脂フィルム8dとを有する
マスタ8が巻装されるが、図5に示すように、熱可塑性
樹脂フィルム8dのみからなるマスタ8’を用い、多孔
性シート23の外側に該マスタ8’を巻装するようにし
ても良い。また、多孔性シート23の代わりに上述した
多孔性シート23A、23B、23C、23D、23E
又は23Fを外周面に有する版胴1を用い、それら多孔
性シートの外側に熱可塑性樹脂フィルム8dのみからな
るマスタ8’を巻装するようにしても良い。
【0061】次にマスタ8の他の例を図6a、図6b、
図6cに示す。図6aに示すマスタ58の多孔性支持体
58eは、繊維状の部材58dを互い違いに2列に配列
し、インキ流入側の孔58aの中心C3とインキ流出側
の孔58bの中心C4とをずらして多孔性支持体58e
に下した一つの垂線S1に対して一回ずれたインキ通路
58Rを形成したものである。
【0062】図6bに示すマスタ68の多孔性支持体6
8eは、繊維状の部材58dを互い違いに3列に配列し
て多孔性支持体68eに下した一つの垂線S1に対して
複数回ずれたインキ通路58Rを形成したものである。
【0063】図6cに示すマスタ78の多孔性支持体7
8eは、繊維状の部材58dを有する空隙の多いスクリ
ーン状部材40を2層重ねて、上述の図6aに示すマス
タ58の多孔性支持体58eと同様の構成になってい
る。このように、スクリーン状部材40を2層重ねる場
合、両者を接着した方が良いが、先端部のみを接着し重
ねるだけでも良い。以上のようにマスタ58、68、7
8の多孔性支持体58e、68e、78eは、インキ流
入側の孔58aから流入したインキが、多孔性支持体5
8e、68e、78eに下した一つの垂線S1に対し
て、少なくとも1回ずれて、インキ流出側の孔58bか
ら流出するようなインキ通路58Rを形成されている。
【0064】図6a、図6b、図6cに示す、多孔性支
持体58e、68e、78eのそれぞれの繊維状の部材
58dの最大外径l及びピッチP、P’は、マスタの熱
可塑性樹脂フィルム8dに形成される穿孔8cの径Dよ
り小さいものが用いられる。このように繊維状の部材5
8dの最大外径l及びピッチP、P’を穿孔8cの径D
よりも小さくすることにより、インキが存在しうる穿孔
8cの上方の多孔性支持体内の空隙を小さくし、これに
より穿孔8cを介して多孔性支持体58e、68e、7
8eから引き出されるインキ量をより低減している。
【0065】これらのマスタ58、68、78は前述し
た多孔性シート23、23A〜23Fを外周面に有する
版胴の他、それらを外周面に有しない従来の版胴の外周
面に巻装して印刷に用いることもできる。この場合、多
孔性支持体58e、68e、78e内からインキが引き
出されにくく印刷用紙に転移するインキ量を小量にする
ことができる。また、多孔性支持体58e、68e、7
8eは、樹脂や金属の不織布、焼結材、スポンジ等の発
泡樹脂の材料により形成しても良い。
【0066】多孔性シート23のインキ流入側の孔23
aから流入したインキ24が、版胴1に下した一つの垂
線Sに対して、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の
孔23bから流出するようなインキ通路23Rが多孔性
シート23に形成されたかどうかを判断する方法につい
て述べる。この判断方法は、図7aに示すように、多孔
性シート23の一方の面に多孔性シート23の色と異な
る色の用紙28を貼り、多孔性シート23の他方の面に
照明を当て、照明を当てた面を顕微鏡で50倍に拡大し
て観察し、多孔性シート23の繊維状の部材23d等の
隙間から用紙28が見えなければ、上述のようなインキ
通路23Rが形成されていると判断できる。
【0067】また、図7bに示すように、多孔性シート
23の一方の面から多孔性シート23に対して垂直な平
行光線25を照射し、多孔性シート23の他方の面に到
達する光26の量を光量計(例えば、(株)キーエンス
製、レーザ式判別センサLX2−100)で測定しても
判断される。照射された平行光線25は、インキ通路2
3R内で反射するので、他方の面に到達しなくなる。し
たがって、光量計で光26が測定されなければ、上述の
ようなインキ通路23Rが形成されていると判断でき
る。なお、同様に多孔性シート23A〜23Fにおいて
も、上述した各判断方法によってインキ通路23Rが形
成されていることを判断できることは勿論である。
【0068】また図6a、図6b、図6cに示したマス
タ58、68、78の多孔性支持体58e、68e、7
8eにインキ流入側の孔58aから流入したインキが、
多孔性支持体58e、68e、78eに下した一つの垂
線S1に対して、少なくとも1回ずれてインキ流出側の
孔58bから流出するようなインキ通路58Rが形成さ
れているかどうかについても、図7a、図7bに関して
述べたと同様の方法で判断できる。
【0069】多孔性シート23から引き出されるインキ
の量は、図8に示すように、マスタ8の表面から多孔性
シート23のインキ流出側の孔23bの天井部23ba
までの距離Lと関係がある。この距離Lが長い程インキ
がたくさん引き出されるので、本例では、図2aに示す
ように、多孔性シート23のマスタ8と接触する面を平
滑化して、距離Lを短くし多孔性シート23から引き出
されるインキ量をより低減している。さらに、上述の距
離Lは、マスタ8の多孔性支持体8eの厚さにも関係す
る。従って、好ましい多孔性支持体8eの厚さは、約5
0μm以下である。また、図9に示すように、多孔性シ
ート23を形成する繊維状の部材23dの外径のうち版
胴1に下した一つの垂線Sに平行な方向における外径が
マスタ8の穿孔8cの径Dよりも大きいと、距離Lが長
くなる。よって本例においては、図2aに示すように、
多孔性シート23の繊維状の部材23dの、版胴1に下
した一つの垂線Sに平行な方向における外径が穿孔8c
の径Dよりも小さく設定され、多孔性シート23から引
き出されるインキ量をより低減している。
【0070】また、同様に図6a、図6b、図6cに示
したマスタ58、68、78の多孔性支持体58e、6
8e、78eの繊維状の部材58dの外径のうち、多孔
性支持体58e、68e、78eに下した一つの垂線S
1に平行な方向における外径もマスタ8の穿孔8cの径
Dよりも小さく設定され、多孔性支持体58e、68
e、78eから引き出されるインキ量をより低減してい
る。
【0071】さらに、印刷用紙15がマスタ8から剥が
される時に多孔性シート23から引き出されるインキの
量は、図10に示すように、インキ24と多孔性シート
23との粘着力F1とインキ24と印刷用紙15との粘
着力F2とにも関係する。粘着力F1は、インキ24を
多孔性シート23内に引き込む向きに作用し、一方、粘
着力F2はインキ24を多孔性シート23内から引き出
す向きに作用する。引き出されるインキ24を少なくす
るためには、粘着力F1を粘着力F2よりも大きくする
必要がある。
【0072】ここで、粘着力F1について説明する。粘
着力F1は、図11aに示すように、ダイヤフラム27
aに歪みゲージ27bを取り付けて構成される圧力セン
サ27例えば、PD104圧力センサ(商品名、豊田工
機株式会社製)を取り付けた金属製のプレート28の上
にインキ24を一定の厚さ(例えば0.3mm)に塗布
し、その上に多孔性シート23を載せ、その後、多孔性
シート23を一定の角度θ(例えば30度)、一定速度
V(例えば30mm/s)でインキ24から剥がした時
の圧力センサ27の値により求められる。同図において
符号27cはパイプを示す。
【0073】また、図11bに示すように多孔性シート
23をΦ30のプレート28aに貼り、次に、プレート
28bの上にインキ24を一定の厚さに塗布し、その上
にプレート28aに貼った多孔性シート23を載せる。
その後、プレート28aをテンションゲージ27’でプ
レート28bに対し垂直方向に一定速度V(30mm/
s)で引っ張り、その時のテンションゲージ27’の最
大値より粘着力F1を求めることもできる。また、粘着
力F2は、多孔性シート23に代えて印刷用紙15を用
いて同様の方法で求められる。
【0074】そこで、粘着力F1が粘着力F2よりも大
きくなるように、マスタ8の穿孔8cの径D又は印刷用
紙15の繊維構成に対して、多孔性シート23の繊維状
の部材23dの直径を小さくすると共に繊維状の部材2
3dの間隔(ピッチP、P’)を狭くして、多孔性シー
ト23とインキ24との接触面積を大きくしている。
【0075】また、図12aに示すように、繊維状の部
材23dを束ねて繊維群41を形成した多孔性シート2
3Gや、図12bに示すように、表面に凹凸がある繊維
42、例えば天然繊維を用いた多孔性シート23Hや、
図12cに示すように、繊維43の表面に細い繊維44
を植毛したものを用いた多孔性シート23Iなどで、多
孔性シート23G、23H、23Iとインキ24との接
触面積を大きくしても良い。このように多孔性シート2
3G、23H、23Iとインキ24との接触面積を大き
くすることにより、多孔性シート23G、23H、23
Iとインキ24との粘着力F1を、印刷用紙15とイン
キ24との粘着力F2よりも大きくし、多孔性シート2
3G、23H、23Iから引き出されるインキ量を低減
している。多孔性シート23G、23H、23Iは、多
孔性シート23、23A〜23Fに代えて、版胴1の外
周面に巻装し印刷に用いることができる。
【0076】なお図12a、図12b、図12cにおい
ては多孔性シート23G、23H、23Iの外側に熱可
塑性樹脂フィルム8dと多孔性支持体8eとを有するマ
スタ8を巻装しているが、多孔性シート23G、23
H、23Iの外側に熱可塑性樹脂フィルム8dのみから
なるマスタ8’を巻装して印刷するようにしても良い。
【0077】上述した、粘着力F1を粘着力F2よりも
大きくして多孔性シート23、23G、23H、23I
から引き出されるインキ24を少なくした技術をマスタ
に適用してもよい。そのマスタ88の1例を図13に示
す。マスタ88は、多孔性シート23Gと同様に、繊維
状の部材58dを束ねて繊維群81を形成した多孔性支
持体88eと熱可塑性樹脂フィルム8dとを貼り合わせ
て形成されている。このマスタ88は多孔性シート23
を持たない従来の版胴の外周面に巻装して印刷に用いる
こともできる。
【0078】また、図6a、図6b、図6cに示したマ
スタ58、68、78において、多孔性支持体58e、
68e、78eの繊維状の部材58dの代わりに、図1
3に示す繊維群81、図12bに示すような表面に凹凸
がある繊維、図12cに示すような繊維の表面に細い繊
維を植毛したものを用いても良い。これにより、多孔性
支持体58e、68e、78eとインキ24との粘着力
を、印刷用紙15とインキ24との粘着力よりも大きく
なるように、多孔性支持体58e、68e、78eとイ
ンキ24との接触面積を大きくし、多孔性支持体58
e、68e、78eから引き出されるインキ量をさらに
低減することができる。
【0079】さらに、多孔性シート23、23A、23
B、23Fにおいて、繊維状の部材23dの代わりに図
12aに示す繊維群41、図12bに示すような表面に
凹凸がある繊維42、図12cに示すような繊維43の
表面に細い繊維44を植毛したようなものを用いても良
い。これにより、多孔性シート23、23A、23B、
23Fとインキ24との粘着力F1を、印刷用紙15と
インキ24との粘着力F2よりも大きくなるように、多
孔性シート23、23A、23B、23Fとインキ24
との接触面積を大きくし、多孔性シート23、23A、
23B、23Fから引き出されるインキ量をさらに低減
することができる。
【0080】クランプ手段31は、図1に示すように、
支持体層21の外周面の母線に沿って設けられた磁性体
よりなるステージ6と、このステージ6に対向する部位
に配置され、クランパ軸7aにより回動可能に支持さ
れ、ステージ6と対向する面に磁石を貼着されたクラン
パ7とにより構成されている。クランパ7は、図示しな
い開閉手段により所定位置で開閉される。
【0081】版胴1の内部には、支持体層21の内周面
にインキを供給するインキローラ2と、インキローラ2
と僅かな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ2
との間にインキ溜り4を形成するドクターローラ3と、
インキ溜り4へインキを供給する回転中心軸5とが配置
されている。なお、インキローラ2、ドクターローラ3
は、回転中心軸5に固定された版胴1内の図示しない側
板にそれぞれ回転自在に支持されている。
【0082】インキは、適宜の位置に配置されたインキ
パックからインキポンプにより圧送され、回転中心軸5
の供給穴5aよりインキ溜り4へ供給される。ここに、
インキローラ2、ドクターローラ3及び回転中心軸5が
インキ供給装置40を構成する。
【0083】インキローラ2に対向する版胴1の外周面
の下方近傍には、印刷用紙15を版胴1へ押し付けるプ
レスローラ16と、版胴1の外周面とプレスローラ16
との間へ所定のタイミングで印刷用紙15を送るレジス
トローラ対14とが配置されている。
【0084】製版装置30は、熱可塑性樹脂フィルムと
多孔性支持体とを有し、ロール芯8bにロール状に巻か
れたマスタ8を繰り出し可能に支持するマスタ支持手段
8aと、マスタ8を搬送するプラテンローラ9と、プラ
テンローラ9に対して接離自在に設けられた製版手段と
してのサーマルヘッド10と、プラテンローラ9の下流
側に設けられマスタ8を搬送する搬送ローラ対11と、
搬送ローラ対11の下流側に設けられマスタ8を切断す
る上下一対のカッタ部材12a、12bと、マスタ8を
クランプ手段31へ向けて案内するガイド板13とから
主に構成されている。
【0085】プラテンローラ9はその軸を回転自在に支
持されており、図示しないステッピングモータにより所
定の周速度で回転駆動され、マスタ8をサーマルヘッド
10に押圧しながら搬送する。
【0086】サーマルヘッド10は、マスタ8の幅方向
に1列に配列された複数の発熱体素子を有し、図示しな
い周知の接離機構によって、プラテンローラ9に接離自
在に設けられている。サーマルヘッド10は、図示しな
い原稿を読み取る原稿読み取り部のA/D変換部及び製
版制御部で処理されて送出されるデジタル画像信号に基
づきマスタ8を選択的に加熱穿孔し、穿孔画像を形成す
る機能を有する。
【0087】搬送ローラ対11は、上述のプラテンロー
ラ9を回転駆動するステッピングモータにより、トルク
リミッタを介して回転駆動され、その周速度をプラテン
ローラ9の周速度よりも僅かに速く設定されている。こ
のことは、マスタ8にプラテンローラ9と搬送ローラ対
11との間で、所定の張力を付与して、マスタ8にシワ
が発生するのを防止するのに役立つ。
【0088】上述のように構成された孔版印刷装置の動
作について説明する。原稿読み取り部に原稿がセットさ
れ、スタートボタンが押されることにより、版胴1が回
転し、使用済みのマスタが版胴1の外周面から図示しな
い排版装置により剥離され廃棄される。その後、版胴1
は、図1に示すように、クランプ手段31が略真上にな
る所定位置で停止し、クランパ7の図示しない開閉手段
によりクランパ軸7aが回動されて、クランパ7が開か
れ、給版待機状態となる。
【0089】図示しないステッピングモータが駆動され
ることにより、プラテンローラ9が回転され始め、マス
タ8がロール芯8bより繰り出されつつ搬送される。
【0090】一方、A/D変換部及び製版制御部(共に
図示せず)で処理されて送出されるデジタル画像信号に
よって、サーマルヘッド10の発熱体素子が選択的に発
熱され、マスタ8が画像情報に応じて選択的に加熱穿孔
され始める。
【0091】次いで、マスタ8が、プラテンローラ9、
搬送ローラ対11の回転により搬送され、ガイド板13
上を通過して、マスタ8の先端部が、給版待機状態で拡
開しているクランプ手段31へ向けて送出される。ステ
ッピングモータのステップ数がある設定値に達すると、
クランパ7とステージ6との間に製版済みのマスタ8の
先端部が届いたと判断され、クランパ軸7aが図示しな
い開閉手段により回動させられ、クランパ7が閉じられ
て、製版済みのマスタ8の先端部がステージ6とクラン
パ7との間に挾持される。
【0092】このクランプ動作と同時に版胴1が時計回
り方向に搬送ローラ対11と同じ周速度で回転され、版
胴1の多孔性シート23の外周面に製版済みのマスタ8
が巻装されていく。
【0093】版胴1の多孔性シート23の外周面に製版
済みのマスタ8が所定長さ巻装されると、版胴1、搬送
ローラ対11、プラテンローラ9の回転が停止する。こ
の停止動作と同時に、カッタ部材12a、12bによ
り、マスタ8が切断される。そして版胴1が再び時計回
り方向に回転され、切断されたマスタ8の後端(図示せ
ず)が、製版装置30から引き出され、版胴1の多孔性
シート23の外周面に製版済のマスタ8が完全に巻き取
られる。
【0094】製版済のマスタ8が版胴1の多孔性シート
23の外周面に巻装された後、版胴1が時計回り方向に
回転されると共に、図示しない給紙装置により1枚の印
刷用紙15がレジストローラ対14に給送され、レジス
トローラ対14により版胴1の回転と同期した所定のタ
イミングで多孔性シート23の外周面に巻装されている
製版済みのマスタ8とプレスローラ16との間に印刷用
紙15が挿入される。
【0095】このとき、インキローラ2も版胴1の回転
方向と同一方向に回転する。インキ溜り4のインキは、
インキローラ2の回転によりインキローラ2の表面に付
着され、インキローラ2とドクターローラ3との間隙を
通過する際にその量を規制され、支持体層21の内周面
に供給される。
【0096】支持体層21の内周面に供給されたインキ
は、インキローラ2の更なる回転により支持体層21の
開孔、インキ保持層22、多孔性シート23の流入側の
孔23a、流出側の孔23bを通過して、マスタ8の多
孔性支持体8eまで供給される。
【0097】そして、版胴1の外周面から離間していた
プレスローラ16が上方に移動し、回転する版胴1の多
孔性シート23の外周面に巻装された製版済みのマスタ
8に印刷用紙15が押圧されることにより、製版済みの
マスタ8の穿孔8cから、インキ24が印刷用紙15の
表面に転移されて印刷される。そして、印刷された印刷
用紙15は図示しない剥し爪によって、製版済みのマス
タ8の外周面から剥離され、図示しない排紙トレイに排
出されて、版付けが終了し、プレスローラ16が版胴1
より離間して初期状態に復帰し、印刷待機状態になる。
次に上記動作と同様の動作により所定枚数の印刷が順次
連続的に行われる。
【0098】上記実施例において、版胴1は多孔性支持
体層21と多孔性シート23とを有したが、例えば特開
平1−204781号公報や特開昭59−218889
号公報に記載されているように、多孔性支持体層21を
省略し円筒状に形成された多孔性シート23を具備して
なるものであっても良い。
【0099】また、図14に示すように、多孔性支持体
層21のみで構成された版胴1’の外周面に、版胴1’
とは別体の、インキ流入側の孔52aから流入したイン
キが、版胴1’に下した一つの垂線Sに対して、少なく
とも一回ずれて、インキ流出側の孔52bから流出する
ようなインキ通路52Rを有するスクリーン52を巻い
ても良い。なお同図において符号52dは繊維状の部材
を表す。さらに、スクリーン52の構成としては、図
3、図4及び図12に示した多孔性シート23A〜23
Iの構成を採用できること勿論である。
【0100】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、版胴の外周面
を、インキ流入側の孔から流入したインキが、版胴に下
した一つの垂線に対して、少なくとも一回ずれて、イン
キ流出側の孔から流出するようなインキ通路を形成され
た多孔性シートで形成したので、多孔性シート内から引
き出されるインキは、その量を絞られて少量になり、印
刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、
裏移りが減少する。
【0101】請求項2記載の発明では、版胴の外周面
を、インキ流入側の孔から流入したインキが、版胴に下
した一つの垂線に対して、少なくとも一回ずれて、イン
キ流出側の孔から流出するようなインキ通路を形成され
た多孔性シートで形成したので、多孔性シート内から引
き出されるインキは、その量を絞られて少量になり、印
刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、
裏移りが減少する。また、熱可塑性樹脂フィルムのみか
らなるマスタを用いることで、マスタに付着して廃棄さ
れるインキの量が低減されるばかりでなく、多孔性支持
体の繊維によってインキ転移が妨げられることにより印
刷画像に生じる繊維目の発生も防止することができる。
【0102】請求項3記載の発明では、マスタと接触す
る面を平滑化された多孔性シートで版胴の外周面を形成
したので、多孔性シート内からインキが引き出されにく
く印刷用紙に転移するインキが、さらに少量になり、印
刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、
さらに裏移りが減少する。
【0103】請求項4記載の発明では、多孔性支持体
は、インキ流入側の孔から流入したインキが、多孔性支
持体に下した一つの垂線に対して、少なくとも一回ずれ
て、インキ流出側の孔から流出するようなインキ通路を
有するので、多孔性支持体内からインキが引き出されに
くく印刷用紙に転移するインキが少量になり、印刷用紙
に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移り
が減少する。
【0104】請求項5記載の発明では、版胴に下した一
つの垂線に平行な方向における外径がマスタの穿孔径よ
り小さい繊維状の部材により形成された多孔性シートで
版胴の外周面を形成したので、マスタの穿孔を介して印
刷用紙に転移するインキがさらに少量になり、印刷用紙
に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移り
がさらに減少する。
【0105】請求項6記載の発明では、多孔性支持体に
下した一つの垂線に平行な方向における外径がマスタの
穿孔径より小さい繊維状の部材により多孔性支持体が形
成されたので、マスタの穿孔を介して印刷用紙に転移す
るインキがさらに少量になり、印刷用紙に転移したイン
キの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移りがさらに減少す
る。
【0106】請求項7記載の発明では、マスタの穿孔径
より小さい最大外径及びピッチを有する繊維状の部材に
より形成された多孔性シートで版胴の外周面を形成した
ので、マスタの穿孔を介して印刷用紙に転移するインキ
はさらに少量になり、印刷用紙に転移したインキの浸透
乾燥が短時間で行われ、裏移りがさらに減少する。
【0107】請求項8記載の発明では、多孔性支持体が
マスタの穿孔径より小さい最大外径及びピッチを有する
繊維状の部材により形成されたので、マスタの穿孔を介
して印刷用紙に転移するインキがさらに少量になり、印
刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、
裏移りがさらに減少する。
【0108】請求項9記載の発明では、多孔性シートと
インキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの粘着力より
も大きくなるように、多孔性シートとインキとの接触面
積を大きくしたので、多孔性シート内から引き出される
インキがその量を絞られて少量になり、印刷用紙に転移
したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移りが減少
する。
【0109】請求項10記載の発明では、多孔性シート
とインキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの粘着力よ
りも大きくなるように、多孔性シートとインキとの接触
面積を大きくしたので、多孔性シート内から引き出され
るインキがその量を絞られて少量になり、印刷用紙に転
移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移りが減
少する。また、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマス
タを用いることで、マスタに付着して廃棄されるインキ
の量が低減されるばかりでなく、多孔性支持体の繊維に
よってインキ転移が妨げられることにより印刷画像に生
じる繊維目の発生も防止することができる。
【0110】請求項11及び13記載の発明では、多孔
性支持体とインキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの
粘着力よりも大きくなるように、多孔性支持体とインキ
との接触面積を大きくしたので、多孔性支持体内から引
き出されるインキがその量を絞られて少量になり、印刷
用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏
移りが減少する。
【0111】請求項12記載の発明では、多孔性シート
とインキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの粘着力よ
りも大きくなるように、多孔性シートとインキとの接触
面積を大きくしたので、多孔性シート内から引き出され
るインキがその量を絞られてさらに少量になり、印刷用
紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移
りがさらに減少する。
【0112】請求項14記載の発明では、版胴が多孔性
シートを有するので、多孔性支持体内から引き出される
インキがその量を絞られて少量になり、印刷用紙に転移
したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移りが減少
する。
【0113】請求項15記載の発明では、版胴を実質的
に剛体からなる多孔性支持体層と、多孔性シートとによ
り構成したので、押圧手段による印圧が加わった際に版
胴に変形が無く、また、多孔性シート内から引き出され
るインキがその量を絞られて少量になり、印刷用紙に転
移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移りが減
少する。
【0114】請求項16記載の発明では、インキ流入側
の孔から流入したインキが、版胴に下した一つの垂線に
対して、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の孔から
流出するようなインキ通路を有するので、スクリーン内
から引き出されるインキがその量を絞られて少量にな
り、印刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行
われ、裏移りが減少する。
【0115】請求項17記載の発明では、スクリーンと
インキとの粘着力が、印刷用紙とインキとの粘着力より
も大きくなるように、スクリーンとインキとの接触面積
を大きくしたので、スクリーン内から引き出されるイン
キがその量を絞られて少量になり、印刷用紙に転移した
インキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏移りが減少す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す孔版印刷装置の断面図
である。
【図2】aは図1に示す示す孔版印刷装置の多孔性シー
トの要部を示す断面図、bは図2aの部分拡大モデル図
である。
【図3】aは他の多孔性シートを示す要部断面図、bは
さらに別の多孔性シートを示す要部断面図、cはさらに
別の多孔性シートを示す要部断面図、dはさらに別の多
孔性シートを示す要部断面図、eはさらに別の多孔性シ
ートを示す要部断面図である。
【図4】さらに別の多孔性シートを示す要部断面図であ
る。
【図5】多孔性シートとマスタとの構造例を示す要部断
面図である。
【図6】aは他のマスタを示す要部断面図、bはさらに
別のマスタを示す要部断面図、cはさらに別のマスタを
示す要部断面図である。
【図7】aは多孔性シートのインキ通路の判定方法を説
明するための図、bは多孔性シートのインキ通路の別の
判定方法を説明するための図である。
【図8】凹凸のある多孔性シートを用いた場合のインキ
の転移を説明する図である。
【図9】マスタの穿孔よりも大きな直径を有する繊維か
ら形成された多孔性シートを用いた場合のインキの転移
を説明する図である。
【図10】印刷用紙とインキとの粘着力と多孔性シート
とインキとの粘着力との関係を説明する図である。
【図11】aは多孔性シートとインキとの粘着力を測定
する方法を説明する図、bは多孔性シートとインキとの
粘着力を測定する別の方法を説明する図である。
【図12】aはさらに別の多孔性シートを示す要部断面
図、bはさらに別の多孔性シートを示す要部断面図、c
はさらに別の多孔性シートを示す要部断面図である。
【図13】さらに別のマスタを示す要部断面図である。
【図14】スクリーンの一例を示す要部断面図である。
【図15】従来の孔版印刷装置の印刷時におけるインキ
の転移を説明する図である。
【符号の説明】
1、1’ 版胴 2 インキローラ 3 ドクタローラ 5 回転中心軸 6 ステージ 7 クランパ 8、8’、58、68、78、88 マスタ 8d 熱可塑性樹脂フィルム 8e 多孔性支持体 9 プラテンローラ 10 製版手段としてのサーマルヘッド 11 搬送ローラ対 14 レジストローラ対 15 印刷用紙 16 プレスローラ 21 支持体層 22 インキ保持層 23、23A、23B、23C、23D、23E、23
F、23G、23H、23I 多孔性シート 30 製版装置 31 クランプ手段 52 スクリーン

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを
    有するマスタを、製版手段により加熱穿孔し、回転中心
    軸の回りに回転する版胴の外周面に巻装し、上記版胴の
    内周面よりインキを供給し、上記マスタに印刷用紙を押
    し付けて上記インキを上記マスタの穿孔から滲出させて
    印刷する孔版印刷装置において、 上記版胴の外周面を形成する、上記インキを通過させる
    多孔性シートであって、この多孔性シートのインキ流入
    側の孔から流入したインキが、上記版胴に下した一つの
    垂線に対して、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の
    孔から流出するようなインキ通路を形成された多孔性シ
    ートを有することを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ
    を、製版手段により加熱穿孔し、回転中心軸の回りに回
    転する版胴の外周面に巻装し、上記版胴の内周面よりイ
    ンキを供給し、上記マスタに印刷用紙を押し付けて上記
    インキを上記マスタの穿孔から滲出させて印刷する孔版
    印刷装置において、 上記版胴の外周面を形成する、上記インキを通過させる
    多孔性シートであって、この多孔性シートのインキ流入
    側の孔から流入したインキが、上記版胴に下した一つの
    垂線に対して、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の
    孔から流出するようなインキ通路を形成された多孔性シ
    ートを有することを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の孔版印刷装置におい
    て、 上記多孔性シートは、少なくとも上記マスタと接触する
    面を平滑化されていることを特徴とする孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】製版手段により加熱穿孔される熱可塑性樹
    脂フィルムと、インキを通過させる多孔性支持体とを有
    する孔版印刷装置のマスタにおいて、 上記多孔性支持体は、インキ流入側の孔から流入したイ
    ンキが、上記多孔性支持体に下した一つの垂線に対し
    て、少なくとも一回ずれて、インキ流出側の孔から流出
    するようなインキ通路を有することを特徴とする孔版印
    刷装置のマスタ。
  5. 【請求項5】請求項1、2又は3記載の孔版印刷装置に
    おいて、 上記多孔性シートは、繊維状の部材により形成されてい
    て、上記版胴に下した一つの垂線に平行な方向における
    上記繊維状の部材の外径が上記マスタの穿孔径よりも小
    さいことを特徴とする孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の孔版印刷装置のマスタにお
    いて、 上記多孔性支持体は、繊維状の部材により形成されてい
    て、上記版胴に下した一つの垂線に平行な方向における
    上記繊維状の部材の外径が上記マスタの穿孔径よりも小
    さいことを特徴とする孔版印刷装置のマスタ。
  7. 【請求項7】請求項1、2又は3記載の孔版印刷装置に
    おいて、 上記多孔性シートは、繊維状の部材により形成されてい
    て、上記繊維状の部材の最大外径及びピッチが上記マス
    タの穿孔径よりも小さいことを特徴とする孔版印刷装
    置。
  8. 【請求項8】請求項4記載の孔版印刷装置のマスタにお
    いて、 上記多孔性支持体は、繊維状の部材により形成されてい
    て、上記繊維状の部材の最大外径及びピッチが上記マス
    タの穿孔径よりも小さいことを特徴とする孔版印刷装置
    のマスタ。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを
    有するマスタを、製版手段により加熱穿孔し、回転中心
    軸の回りに回転する版胴の外周面に巻装し、上記版胴の
    内周面よりインキを供給し、上記マスタに印刷用紙を押
    し付けて上記インキを上記マスタの穿孔から滲出させて
    印刷する孔版印刷装置において、 上記版胴の外周面を形成する、上記インキを通過させる
    多孔性シートであって、この多孔性シートと上記インキ
    との粘着力が、上記印刷用紙と上記インキとの粘着力よ
    りも大きくなるように、上記多孔性シートと上記インキ
    との接触面積を大きくした多孔性シートを有することを
    特徴とする孔版印刷装置。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマス
    タを、製版手段により加熱穿孔し、回転中心軸の回りに
    回転する版胴の外周面に巻装し、上記版胴の内周面より
    インキを供給し、上記マスタに印刷用紙を押し付けて上
    記インキを上記マスタの穿孔から滲出させて印刷する孔
    版印刷装置において、 上記版胴の外周面を形成する、上記インキを通過させる
    多孔性シートであって、この多孔性シートと上記インキ
    との粘着力が、上記印刷用紙と上記インキとの粘着力よ
    りも大きくなるように、上記多孔性シートと上記インキ
    との接触面積を大きくした多孔性シートを有することを
    特徴とする孔版印刷装置。
  11. 【請求項11】製版手段により加熱穿孔される熱可塑性
    樹脂フィルムと、インキを通過させる多孔性支持体とを
    有する孔版印刷装置のマスタにおいて、 上記多孔性支持体と上記インキとの粘着力が、印刷用紙
    と上記インキとの粘着力よりも大きくなるように、上記
    多孔性支持体と上記インキとの接触面積を大きくしたこ
    とを特徴とする孔版印刷装置のマスタ。
  12. 【請求項12】請求項1、2、3、5又は7記載の孔版
    印刷装置において、 上記多孔性シートと上記インキとの粘着力が、上記印刷
    用紙と上記インキとの粘着力よりも大きくなるように、
    上記多孔性シートと上記インキとの接触面積を大きくし
    たことを特徴とする孔版印刷装置。
  13. 【請求項13】請求項4、6又は8記載の孔版印刷装置
    のマスタにおいて、 上記多孔性支持体と上記インキとの粘着力が、印刷用紙
    と上記インキとの粘着力よりも大きくなるように、上記
    多孔性支持体と上記インキとの接触面積を大きくしたこ
    とを特徴とする孔版印刷装置のマスタ。
  14. 【請求項14】請求項1、2、3、5、7、9、10又
    は12記載の孔版印刷装置において、 上記版胴が円筒状の多孔性シートを有することを特徴と
    する孔版印刷装置。
  15. 【請求項15】請求項1、2、3、5、7、9、10又
    は12記載の孔版印刷装置において、 上記版胴が実質的に剛体から成る円筒状の多孔性支持体
    層と、この多孔性支持体層の外周面に巻かれた多孔性シ
    ートとを有することを特徴とする孔版印刷装置。
  16. 【請求項16】印刷用紙にインキを転移させて印刷する
    孔版印刷装置の版胴の外周面に巻かれる、上記インキを
    通過させるスクリーンであって、 インキ流入側の孔から流入したインキが、上記版胴に下
    した一つの垂線に対して、少なくとも一回ずれて、イン
    キ流出側の孔から流出するようなインキ通路を有するこ
    とを特徴とする孔版印刷装置のスクリーン。
  17. 【請求項17】印刷用紙にインキを転移させて印刷する
    孔版印刷装置の版胴の外周面に巻かれる、上記インキを
    通過させるスクリーンであって、 上記インキとの粘着力が、上記印刷用紙と上記インキと
    の粘着力よりも大きくなるように、上記インキとの接触
    面積を大きくしたことを特徴とする孔版印刷装置のスク
    リーン。
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