JP3469359B2 - マスタ及び孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部材 - Google Patents
マスタ及び孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部材Info
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- JP3469359B2 JP3469359B2 JP16617895A JP16617895A JP3469359B2 JP 3469359 B2 JP3469359 B2 JP 3469359B2 JP 16617895 A JP16617895 A JP 16617895A JP 16617895 A JP16617895 A JP 16617895A JP 3469359 B2 JP3469359 B2 JP 3469359B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、孔版印刷装置に使用
されるマスタ及び孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部
材に関する。
されるマスタ及び孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている孔版印刷用のマスタ
は、薄い熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜2μm程度)
に和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維と
を混抄したものからなる多孔性支持体を貼り合わせたラ
ミネート構造となっている。このマスタの熱可塑性樹脂
フィルム面を加熱穿孔製版し、多孔性の支持円筒体に樹
脂繊維あるいは金属繊維から構成されたメッシュスクリ
ーン等からなるインキ保持層を有する回転自在な版胴
に、製版されたマスタを巻装して、版胴内部に設けられ
たインキ供給手段よりインキを供給し、プレスローラー
等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押圧して、版胴開孔
部及びマスタ穿孔部よりインキを滲出させて印刷を行う
感熱デジタル孔版印刷装置がよく知られている。
は、薄い熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜2μm程度)
に和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維と
を混抄したものからなる多孔性支持体を貼り合わせたラ
ミネート構造となっている。このマスタの熱可塑性樹脂
フィルム面を加熱穿孔製版し、多孔性の支持円筒体に樹
脂繊維あるいは金属繊維から構成されたメッシュスクリ
ーン等からなるインキ保持層を有する回転自在な版胴
に、製版されたマスタを巻装して、版胴内部に設けられ
たインキ供給手段よりインキを供給し、プレスローラー
等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押圧して、版胴開孔
部及びマスタ穿孔部よりインキを滲出させて印刷を行う
感熱デジタル孔版印刷装置がよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に前述の孔版印
刷装置においては、印刷装置を一定時間放置した後や印
刷を停止した後に再度印刷を再開した場合等に、インキ
が蒸発することに起因して発生する印刷不良の不具合を
防止するため、蒸発しにくい油性インキや油中水型エマ
ルジョンインキが使用されている。
刷装置においては、印刷装置を一定時間放置した後や印
刷を停止した後に再度印刷を再開した場合等に、インキ
が蒸発することに起因して発生する印刷不良の不具合を
防止するため、蒸発しにくい油性インキや油中水型エマ
ルジョンインキが使用されている。
【0004】しかし、このインキは乾燥しにくいため、
印刷時において、印刷用紙に転移したインキが印刷用紙
内へ浸透して指等で擦っても汚れが発生しない、所謂、
浸透乾燥した状態となるまでにはある程度の時間を必要
とする。
印刷時において、印刷用紙に転移したインキが印刷用紙
内へ浸透して指等で擦っても汚れが発生しない、所謂、
浸透乾燥した状態となるまでにはある程度の時間を必要
とする。
【0005】孔版印刷装置では、印刷済みの印刷用紙は
連続的に排紙トレイに排出積載されるが、このときに前
の印刷用紙上に次の印刷用紙がすぐに積載されると、イ
ンキの乾燥時間が短く前の印刷用紙の画像インキが次の
印刷用紙の裏面に付着して汚してしまう、所謂、裏写り
という不具合を発生してしまう。この裏写りは、インキ
転移量の多い画像、とりわけ印刷用紙表面に転移したと
きのインキ層の厚さの厚い(インキ転移高さの高い)画
像の印刷時において発生し易い。
連続的に排紙トレイに排出積載されるが、このときに前
の印刷用紙上に次の印刷用紙がすぐに積載されると、イ
ンキの乾燥時間が短く前の印刷用紙の画像インキが次の
印刷用紙の裏面に付着して汚してしまう、所謂、裏写り
という不具合を発生してしまう。この裏写りは、インキ
転移量の多い画像、とりわけ印刷用紙表面に転移したと
きのインキ層の厚さの厚い(インキ転移高さの高い)画
像の印刷時において発生し易い。
【0006】さらに、従来の孔版印刷装置に用いられて
いるマスタや版胴では、マスタの穿孔径に対して多孔性
支持体やインキ保持層の開孔径(空隙)が大きくなるよ
うに構成されており、転移するインキ量を減少させて裏
写りを防止する効果がほとんど期待できなかった。
いるマスタや版胴では、マスタの穿孔径に対して多孔性
支持体やインキ保持層の開孔径(空隙)が大きくなるよ
うに構成されており、転移するインキ量を減少させて裏
写りを防止する効果がほとんど期待できなかった。
【0007】また、従来の多孔性支持体やメッシュスク
リーンでは、流入するインキの流動方向を変化させずに
流出させてしまう部分が多く存在し、この部分において
インキの流出量が大きくなって裏写りを引き起こしてし
まうという問題点がある。
リーンでは、流入するインキの流動方向を変化させずに
流出させてしまう部分が多く存在し、この部分において
インキの流出量が大きくなって裏写りを引き起こしてし
まうという問題点がある。
【0008】本発明は、裏写りの発生を効果的に防止す
ることができるマスタ及び孔版印刷装置の版胴並びにイ
ンキ保持部材を提供するものである。
ることができるマスタ及び孔版印刷装置の版胴並びにイ
ンキ保持部材を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせて
なる孔版印刷用のマスタにおいて、前記多孔性支持体は
前記熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面粗さが5
〜45μmRzであると共にインキ流入側の孔とインキ
流出側の孔とを有し、前記インキ流入側の孔から流入し
たインキの実質的に全量が、前記多孔性支持体に下した
垂線に沿って流下しないインキ通路を有していることを
特徴とする。
熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせて
なる孔版印刷用のマスタにおいて、前記多孔性支持体は
前記熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面粗さが5
〜45μmRzであると共にインキ流入側の孔とインキ
流出側の孔とを有し、前記インキ流入側の孔から流入し
たインキの実質的に全量が、前記多孔性支持体に下した
垂線に沿って流下しないインキ通路を有していることを
特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のマ
スタにおいて、さらに、前記多孔性支持体が、繊維径の
異なる2種類以上の繊維から構成されていることを特徴
とする。
スタにおいて、さらに、前記多孔性支持体が、繊維径の
異なる2種類以上の繊維から構成されていることを特徴
とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1記載のマ
スタにおいて、さらに、前記多孔性支持体は、その厚み
方向の、前記熱可塑性樹脂フィルムと当接しない側から
前記熱可塑性樹脂フィルムと当接する側に向かうに連れ
て、空隙が小さくなるように構成されていることを特徴
とする。
スタにおいて、さらに、前記多孔性支持体は、その厚み
方向の、前記熱可塑性樹脂フィルムと当接しない側から
前記熱可塑性樹脂フィルムと当接する側に向かうに連れ
て、空隙が小さくなるように構成されていることを特徴
とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1、請求項
2または請求項3記載のマスタにおいて、さらに、前記
多孔性支持体は、少なくともその表面が金属で構成され
ていることを特徴とする。
2または請求項3記載のマスタにおいて、さらに、前記
多孔性支持体は、少なくともその表面が金属で構成され
ていることを特徴とする。
【0013】請求項5記載の発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムと繊維から構成される多孔性支持体とを貼り合わせ
てなる孔版印刷用のマスタにおいて、前記多孔性支持体
は前記熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面の繊維
径が1μm以上20μm以下であると共にインキ流入側
の孔とインキ流出側の孔とを有し、前記インキ流入側の
孔から流入したインキの実質的に全量が、前記多孔性支
持体に下した垂線に沿って流下しないインキ通路を有し
ていることを特徴とする。
ルムと繊維から構成される多孔性支持体とを貼り合わせ
てなる孔版印刷用のマスタにおいて、前記多孔性支持体
は前記熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面の繊維
径が1μm以上20μm以下であると共にインキ流入側
の孔とインキ流出側の孔とを有し、前記インキ流入側の
孔から流入したインキの実質的に全量が、前記多孔性支
持体に下した垂線に沿って流下しないインキ通路を有し
ていることを特徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項5記載のマ
スタにおいて、さらに前記多孔性支持体が繊維径の異な
る2種類以上のものから構成されていることを特徴とす
る。
スタにおいて、さらに前記多孔性支持体が繊維径の異な
る2種類以上のものから構成されていることを特徴とす
る。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項5記載のマ
スタにおいて、さらに前記多孔性支持体は、その厚み方
向の、前記熱可塑性樹脂フィルムと当接しない側から前
記熱可塑性樹脂フィルムと当接する側に向かうに連れ
て、空隙が小さくなるように構成されていることを特徴
とする。
スタにおいて、さらに前記多孔性支持体は、その厚み方
向の、前記熱可塑性樹脂フィルムと当接しない側から前
記熱可塑性樹脂フィルムと当接する側に向かうに連れ
て、空隙が小さくなるように構成されていることを特徴
とする。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項5ないし請
求項7のうちの何れか1つに記載のマスタにおいて、さ
らに前記多孔性支持体は少なくともその表面が金属で構
成されていることを特徴とする。
求項7のうちの何れか1つに記載のマスタにおいて、さ
らに前記多孔性支持体は少なくともその表面が金属で構
成されていることを特徴とする。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例に用いられる
孔版印刷装置の要部を示している。同図において、回転
自在に支持され、図示しない版胴駆動手段で回転駆動さ
れる版胴1は、インキパイプ2、インキローラー3、ド
クターローラー4をその内部に有している。
孔版印刷装置の要部を示している。同図において、回転
自在に支持され、図示しない版胴駆動手段で回転駆動さ
れる版胴1は、インキパイプ2、インキローラー3、ド
クターローラー4をその内部に有している。
【0042】版胴1は、図2に示すように、開孔部1a
を有する多孔性支持板1bと、多孔性支持板1bの外表
面に巻装されたインキ保持層15とから構成されてい
る。インキ保持層15は、テトロンやナイロン等の合成
樹脂繊維またはステンレス繊維等を網目状に交差させて
形成したメッシュスクリーンからなり、インキを通過さ
せるためのインキ通路を有し、インキの拡散、保持、押
し出し等の働きをする。このインキ保持層15は、複数
層設けても、1層だけ設けるように構成してもよく、ま
た設けなくてもよい。
を有する多孔性支持板1bと、多孔性支持板1bの外表
面に巻装されたインキ保持層15とから構成されてい
る。インキ保持層15は、テトロンやナイロン等の合成
樹脂繊維またはステンレス繊維等を網目状に交差させて
形成したメッシュスクリーンからなり、インキを通過さ
せるためのインキ通路を有し、インキの拡散、保持、押
し出し等の働きをする。このインキ保持層15は、複数
層設けても、1層だけ設けるように構成してもよく、ま
た設けなくてもよい。
【0043】版胴1の支軸を兼ねたインキパイプ2は図
示しない筐体側板に固着されており、その表面には、版
胴1の内部にインキを供給するための複数の小さな孔が
穿設されている。インキパイプ2は、版胴1の外部に配
設された図示しないインキパック内から図示しないポン
プによって汲上げられたインキを版胴1の内部に供給す
る。
示しない筐体側板に固着されており、その表面には、版
胴1の内部にインキを供給するための複数の小さな孔が
穿設されている。インキパイプ2は、版胴1の外部に配
設された図示しないインキパック内から図示しないポン
プによって汲上げられたインキを版胴1の内部に供給す
る。
【0044】インキパイプ2の下方には、インキローラ
ー3とドクターローラー4とが配設されている。版胴1
内の図示しない側板に回転自在に支持されたインキロー
ラー3は、その外周面が版胴1の内周面と近接するよう
に設置されており、インキパイプ2より供給されたイン
キを版胴1に供給する。インキローラー3は、図示しな
いギヤあるいはベルト等の駆動力伝達手段によって版胴
駆動手段からの回転力を伝達され、版胴1と同期して図
の時計回り方向に回転駆動される。
ー3とドクターローラー4とが配設されている。版胴1
内の図示しない側板に回転自在に支持されたインキロー
ラー3は、その外周面が版胴1の内周面と近接するよう
に設置されており、インキパイプ2より供給されたイン
キを版胴1に供給する。インキローラー3は、図示しな
いギヤあるいはベルト等の駆動力伝達手段によって版胴
駆動手段からの回転力を伝達され、版胴1と同期して図
の時計回り方向に回転駆動される。
【0045】インキローラー3の近傍には、回転自在な
ドクターローラー4が配設されている。ドクターローラ
ー4は、その外周面とインキローラー3の外周面との間
に僅かな間隙が生じるように配設されており、インキロ
ーラー3の外周面との近接部において楔状のインキ溜ま
り5を形成している。
ドクターローラー4が配設されている。ドクターローラ
ー4は、その外周面とインキローラー3の外周面との間
に僅かな間隙が生じるように配設されており、インキロ
ーラー3の外周面との近接部において楔状のインキ溜ま
り5を形成している。
【0046】インキパイプ2よりインキ溜まり5へと供
給されたインキは、インキローラー3とドクターローラ
ー4との間隙を通過することにより均一な層状となりつ
つインキローラー3の表面に供給される。
給されたインキは、インキローラー3とドクターローラ
ー4との間隙を通過することにより均一な層状となりつ
つインキローラー3の表面に供給される。
【0047】版胴1の非開孔部表面には、軸方向に延在
するステージ部6が設けられている。磁性体で形成され
たステージ部6上には、ステージ部6に対して接離自在
に枢着されたマグネットを有するクランパー7が配設さ
れており、クランパー7は図示しない開閉手段によって
回動される。
するステージ部6が設けられている。磁性体で形成され
たステージ部6上には、ステージ部6に対して接離自在
に枢着されたマグネットを有するクランパー7が配設さ
れており、クランパー7は図示しない開閉手段によって
回動される。
【0048】版胴1の左上方には、マスタ8をロール状
に巻成してなるマスタロール9と、サーマルヘッド10
及びプラテンローラー11と、マスタ搬送ローラー対1
2と、切断手段13と、マスタガイド板14とが配設さ
れている。
に巻成してなるマスタロール9と、サーマルヘッド10
及びプラテンローラー11と、マスタ搬送ローラー対1
2と、切断手段13と、マスタガイド板14とが配設さ
れている。
【0049】この第1の実施例に用いられるマスタ8
は、図3に示すように、和紙繊維等の天然繊維、あるい
はテトロン、ナイロン等の合成樹脂繊維8aでインキを
通過させるためのインキ通路を形成した不織布からなる
多孔性支持体8cと、ポリエステルフィルム等の熱可塑
性樹脂フィルム8bとを接着等によって貼り合わせた構
造となっている。なお、多孔性支持体8cは、楮、三
椏、マニラ麻、亜麻等の天然繊維からなる多孔性薄葉紙
や、レーヨン、ビニロン、フッ素樹脂、ポリエステル等
の合成樹脂繊維からなる不織布、あるいは天然繊維と合
成樹脂繊維とを混抄してなる不織布より構成してもよ
い。
は、図3に示すように、和紙繊維等の天然繊維、あるい
はテトロン、ナイロン等の合成樹脂繊維8aでインキを
通過させるためのインキ通路を形成した不織布からなる
多孔性支持体8cと、ポリエステルフィルム等の熱可塑
性樹脂フィルム8bとを接着等によって貼り合わせた構
造となっている。なお、多孔性支持体8cは、楮、三
椏、マニラ麻、亜麻等の天然繊維からなる多孔性薄葉紙
や、レーヨン、ビニロン、フッ素樹脂、ポリエステル等
の合成樹脂繊維からなる不織布、あるいは天然繊維と合
成樹脂繊維とを混抄してなる不織布より構成してもよ
い。
【0050】多孔性支持体8cは、密度が高い方が好ま
しく、例えば、天然繊維あるいは合成樹脂繊維で構成さ
れている場合、密度は0.1〜0.6g/cm3 、より
好ましくは0.2〜0.6g/cm3 程度である。ま
た、多孔性支持体8cが金属系の繊維で構成されている
場合であって、ステンレス、鉄の場合の密度は0.7〜
3.0g/cm3 、より好ましくは0.9〜3.0g/
cm3 程度であり、チタンの場合の密度は0.4〜1.
7g/cm3 、より好ましくは0.5〜1.7g/cm
3 、アルミニウムの場合の密度は0.2〜1.0g/c
m3 、より好ましくは0.3〜1.0g/cm3 程度で
ある。
しく、例えば、天然繊維あるいは合成樹脂繊維で構成さ
れている場合、密度は0.1〜0.6g/cm3 、より
好ましくは0.2〜0.6g/cm3 程度である。ま
た、多孔性支持体8cが金属系の繊維で構成されている
場合であって、ステンレス、鉄の場合の密度は0.7〜
3.0g/cm3 、より好ましくは0.9〜3.0g/
cm3 程度であり、チタンの場合の密度は0.4〜1.
7g/cm3 、より好ましくは0.5〜1.7g/cm
3 、アルミニウムの場合の密度は0.2〜1.0g/c
m3 、より好ましくは0.3〜1.0g/cm3 程度で
ある。
【0051】マスタロール9は、その芯部9aを図示し
ないホルダー手段に回転可能に支持されている。
ないホルダー手段に回転可能に支持されている。
【0052】サーマルヘッド10とプラテンローラー1
1とは、図示しない孔版印刷装置の側板に取り付けられ
ている。多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10
は、図示しない付勢手段によってプラテンローラー11
に付勢されている。プラテンローラー11は回転自在に
設けられており、図示しないステッピングモーターによ
って、図において時計回り方向に回転駆動される。マス
タ8は、その熱可塑性樹脂フィルム8bをサーマルヘッ
ド10に押圧され、サーマルヘッド10によって熱溶融
穿孔製版されつつプラテンローラー11の回転によって
マスタロール9より繰り出される。
1とは、図示しない孔版印刷装置の側板に取り付けられ
ている。多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10
は、図示しない付勢手段によってプラテンローラー11
に付勢されている。プラテンローラー11は回転自在に
設けられており、図示しないステッピングモーターによ
って、図において時計回り方向に回転駆動される。マス
タ8は、その熱可塑性樹脂フィルム8bをサーマルヘッ
ド10に押圧され、サーマルヘッド10によって熱溶融
穿孔製版されつつプラテンローラー11の回転によって
マスタロール9より繰り出される。
【0053】サーマルヘッド10とプラテンローラー1
1とが配設された位置よりもマスタ搬送方向下流側に
は、マスタ搬送ローラー対12が配設されている。図示
しない孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されたマス
タ搬送ローラー対12は、図示しない駆動手段によって
プラテンローラー11の周速度よりも僅かに速い周速度
で回転駆動される。また、マスタ搬送ローラー対12に
は図示しないトルクリミッターが取り付けられており、
プラテンローラー11とマスタ搬送ローラー対12との
間で搬送されるマスタ8に対して、予め設定された張力
が一定に作用するように構成されている。
1とが配設された位置よりもマスタ搬送方向下流側に
は、マスタ搬送ローラー対12が配設されている。図示
しない孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されたマス
タ搬送ローラー対12は、図示しない駆動手段によって
プラテンローラー11の周速度よりも僅かに速い周速度
で回転駆動される。また、マスタ搬送ローラー対12に
は図示しないトルクリミッターが取り付けられており、
プラテンローラー11とマスタ搬送ローラー対12との
間で搬送されるマスタ8に対して、予め設定された張力
が一定に作用するように構成されている。
【0054】マスタ搬送ローラー対12の配設位置より
もマスタ搬送方向下流側には、可動刃13aと固定刃1
3bとからなる切断手段13及びマスタガイド板14が
配設されている。切断手段13は、可動刃13aが固定
刃13bに対して回転移動または上下動してマスタ8を
切断する周知の構成である。マスタガイド板14は図示
しない孔版印刷装置の側板に固着されており、搬送され
るマスタ8をガイドする。
もマスタ搬送方向下流側には、可動刃13aと固定刃1
3bとからなる切断手段13及びマスタガイド板14が
配設されている。切断手段13は、可動刃13aが固定
刃13bに対して回転移動または上下動してマスタ8を
切断する周知の構成である。マスタガイド板14は図示
しない孔版印刷装置の側板に固着されており、搬送され
るマスタ8をガイドする。
【0055】版胴1の下方には、押圧手段としてのプレ
スローラー16が配設されている。回転自在に支持され
たプレスローラー16は、図示しない揺動手段によっ
て、その外周面が版胴1の外周面より離間する位置と版
胴1の外周面と当接する位置とに選択的に揺動される。
スローラー16が配設されている。回転自在に支持され
たプレスローラー16は、図示しない揺動手段によっ
て、その外周面が版胴1の外周面より離間する位置と版
胴1の外周面と当接する位置とに選択的に揺動される。
【0056】プレスローラー16の右方には、レジスト
ローラー対17が配設されている。レジストローラー対
17は、図示しない給紙手段より給送される印刷用紙1
8の先端を啣え込み、プレスローラー16が版胴1と当
接するタイミングと同期して、印刷用紙18を版胴1と
プレスローラー16との間に向けて給送する。なお、プ
レスローラー16の代わりに、版胴1と略同径の圧胴を
設けてもよい。
ローラー対17が配設されている。レジストローラー対
17は、図示しない給紙手段より給送される印刷用紙1
8の先端を啣え込み、プレスローラー16が版胴1と当
接するタイミングと同期して、印刷用紙18を版胴1と
プレスローラー16との間に向けて給送する。なお、プ
レスローラー16の代わりに、版胴1と略同径の圧胴を
設けてもよい。
【0057】上記構成に基づき、以下に動作を説明す
る。図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、図示し
ない製版スタートキーが押されると、版胴1が回転し、
図示しない排版装置によって版胴1の外周面に巻装され
ている使用済みマスタが剥離・廃棄され、版胴1はクラ
ンパー7が略真上に位置する給版待機位置で停止する。
版胴1の回転が停止すると、図示しない開閉手段が作動
してクランパー7が開放され、版胴1は図1に示す給版
待機状態となる。
る。図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、図示し
ない製版スタートキーが押されると、版胴1が回転し、
図示しない排版装置によって版胴1の外周面に巻装され
ている使用済みマスタが剥離・廃棄され、版胴1はクラ
ンパー7が略真上に位置する給版待機位置で停止する。
版胴1の回転が停止すると、図示しない開閉手段が作動
してクランパー7が開放され、版胴1は図1に示す給版
待機状態となる。
【0058】排版動作が完了すると、これに続いて製版
動作が行われる。読み取られた原稿画像は、原稿読取部
のCCD等で電気信号に変換され、A/D変換器を経由
して製版制御装置に画像データとして送られる。製版制
御装置は、送られた画像データに基づいてサーマルヘッ
ド10の発熱素子に対してパルス状の通電を行い、サー
マルヘッド10はマスタ8の熱可塑性樹脂フィルム8b
に対して熱溶融穿孔製版を行う。サーマルヘッド10の
作動に先立って、プラテンローラー11が図示しないス
テッピングモーターによって回転駆動され、マスタロー
ル9よりマスタ8が引き出される。
動作が行われる。読み取られた原稿画像は、原稿読取部
のCCD等で電気信号に変換され、A/D変換器を経由
して製版制御装置に画像データとして送られる。製版制
御装置は、送られた画像データに基づいてサーマルヘッ
ド10の発熱素子に対してパルス状の通電を行い、サー
マルヘッド10はマスタ8の熱可塑性樹脂フィルム8b
に対して熱溶融穿孔製版を行う。サーマルヘッド10の
作動に先立って、プラテンローラー11が図示しないス
テッピングモーターによって回転駆動され、マスタロー
ル9よりマスタ8が引き出される。
【0059】製版画像を形成されたマスタ8は、マスタ
ガイド板14にガイドされつつマスタ搬送ローラー対1
2によってクランパー7へと搬送される。プラテンロー
ラー11を駆動するステッピングモーターのステップ数
より、マスタ8の先端がクランパー7とステージ部6と
の間の所定位置まで達したと判断されると、図示しない
開閉手段が作動してクランパー7を反時計回り方向に回
動させ、ステージ部6とクランパー7とでマスタ8の先
端を挟持した後、版胴1がマスタ搬送速度と略同じ周速
度で時計回り方向に回転を開始し、マスタ8の版胴1へ
の巻装が開始される。
ガイド板14にガイドされつつマスタ搬送ローラー対1
2によってクランパー7へと搬送される。プラテンロー
ラー11を駆動するステッピングモーターのステップ数
より、マスタ8の先端がクランパー7とステージ部6と
の間の所定位置まで達したと判断されると、図示しない
開閉手段が作動してクランパー7を反時計回り方向に回
動させ、ステージ部6とクランパー7とでマスタ8の先
端を挟持した後、版胴1がマスタ搬送速度と略同じ周速
度で時計回り方向に回転を開始し、マスタ8の版胴1へ
の巻装が開始される。
【0060】そして、プラテンローラー11を駆動する
ステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版
が完了したと判断されるとプラテンローラー11とマス
タ搬送ローラー対12の回転動作がそれぞれ停止され、
切断手段13によってマスタ8が切断される。切断され
たマスタ8は、版胴1の回転によって引き出されて巻装
動作が完了する。
ステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版
が完了したと判断されるとプラテンローラー11とマス
タ搬送ローラー対12の回転動作がそれぞれ停止され、
切断手段13によってマスタ8が切断される。切断され
たマスタ8は、版胴1の回転によって引き出されて巻装
動作が完了する。
【0061】巻装動作に引き続き、版付動作が行われ
る。図示しない給紙手段より給送された印刷用紙18は
レジストローラー対17に啣え込まれる。レジストロー
ラー対17は、低速で回転している版胴1に巻装された
マスタ8の画像領域がプレスローラー16と対応する位
置に達するタイミングで、印刷用紙18を版胴1とプレ
スローラー16との間に向けて給送する。給送された印
刷用紙18は、プレスローラー16によって版胴1に巻
装されたマスタ8に押圧される。この押圧動作により、
プレスローラー16と印刷用紙18とマスタ8と版胴1
の外周面とが圧接し、インキローラー3によって版胴1
の内周面に供給されたインキが、開孔部1aとインキ保
持層15のオープンエリアより滲出し、インキ保持層1
5のオープンエリアとマスタ8を構成する多孔性支持体
8cの空隙部8eとに充填された後、熱可塑性樹脂フィ
ルム8bの穿孔部を通過して印刷用紙18に転移され
る。
る。図示しない給紙手段より給送された印刷用紙18は
レジストローラー対17に啣え込まれる。レジストロー
ラー対17は、低速で回転している版胴1に巻装された
マスタ8の画像領域がプレスローラー16と対応する位
置に達するタイミングで、印刷用紙18を版胴1とプレ
スローラー16との間に向けて給送する。給送された印
刷用紙18は、プレスローラー16によって版胴1に巻
装されたマスタ8に押圧される。この押圧動作により、
プレスローラー16と印刷用紙18とマスタ8と版胴1
の外周面とが圧接し、インキローラー3によって版胴1
の内周面に供給されたインキが、開孔部1aとインキ保
持層15のオープンエリアより滲出し、インキ保持層1
5のオープンエリアとマスタ8を構成する多孔性支持体
8cの空隙部8eとに充填された後、熱可塑性樹脂フィ
ルム8bの穿孔部を通過して印刷用紙18に転移され
る。
【0062】インキを転移された印刷用紙18は、図示
しない剥離爪によって版胴1の外周面より剥離され、図
示しない排紙手段によって機外に排出されて版付動作が
完了する。
しない剥離爪によって版胴1の外周面より剥離され、図
示しない排紙手段によって機外に排出されて版付動作が
完了する。
【0063】版付動作完了後、図示しない印刷スタート
キーが押されると、図示しない給紙手段より印刷用紙1
8が連続的に給送され、版胴1が高速で回転駆動されて
印刷動作が行われる。
キーが押されると、図示しない給紙手段より印刷用紙1
8が連続的に給送され、版胴1が高速で回転駆動されて
印刷動作が行われる。
【0064】上述の版付動作または印刷動作中におい
て、版胴1の表面から印刷用紙18が剥離されるとき
に、図4、図5及び図6に示すように、マスタ8の表面
のインキと印刷用紙18との接着力によって熱可塑性樹
脂フィルム8bの穿孔部8dよりインキ19が引き出さ
れるが、インキ19が引き出される量は多孔性支持体8
cの構造と関係があり、多孔性支持体8cの表面の凹凸
L(表面粗さ)が大きければ大きいほど穿孔部8dの上
方の空隙8e内のインキ層が厚くなり、引き出されるイ
ンキ量、すなわちインキ転移高さlが増加する。
て、版胴1の表面から印刷用紙18が剥離されるとき
に、図4、図5及び図6に示すように、マスタ8の表面
のインキと印刷用紙18との接着力によって熱可塑性樹
脂フィルム8bの穿孔部8dよりインキ19が引き出さ
れるが、インキ19が引き出される量は多孔性支持体8
cの構造と関係があり、多孔性支持体8cの表面の凹凸
L(表面粗さ)が大きければ大きいほど穿孔部8dの上
方の空隙8e内のインキ層が厚くなり、引き出されるイ
ンキ量、すなわちインキ転移高さlが増加する。
【0065】図4及び図5に示すように、表面の凹凸L
が大きくなればなるほど、インキが存在する穿孔部8d
の上方の空隙8eが大きくなり、これにより穿孔部8d
を介して多孔性支持体8cからインキ19が多量に引き
出されてしまう。そこで、図6に示すように、合成樹脂
繊維8aの繊維径を細くすればするほど凹凸Lが小さく
なり、引き出されるインキ量(インキ転移高さl)も低
減されるが、凹凸Lをあまり小さくしすぎると引き出さ
れるインキ量が少なくなりすぎて満足な画像が得られな
い。そこで、厚さ100μm、密度0.4g/cm 3の
多孔性支持体8cにおいて、合成樹脂繊維8aの繊維径
を変化させることにより凹凸Lを調整して印刷を行い、
そのときの裏写りを調査した。
が大きくなればなるほど、インキが存在する穿孔部8d
の上方の空隙8eが大きくなり、これにより穿孔部8d
を介して多孔性支持体8cからインキ19が多量に引き
出されてしまう。そこで、図6に示すように、合成樹脂
繊維8aの繊維径を細くすればするほど凹凸Lが小さく
なり、引き出されるインキ量(インキ転移高さl)も低
減されるが、凹凸Lをあまり小さくしすぎると引き出さ
れるインキ量が少なくなりすぎて満足な画像が得られな
い。そこで、厚さ100μm、密度0.4g/cm 3の
多孔性支持体8cにおいて、合成樹脂繊維8aの繊維径
を変化させることにより凹凸Lを調整して印刷を行い、
そのときの裏写りを調査した。
【0066】実験は、デジタル孔版印刷機プリポートV
T3820((株)リコー製)を用いて印刷を行い、表
面粗さ計SEF−30D((株)小坂研究所製)を用い
て多孔性支持体8cの凹凸L(表面粗さ)を測定した。
表面粗さの測定は、半径7μmのヘッドを使用して送り
速度0.1mm/sec、測定長さ0.8mmで測定
し、この範囲での十点平均粗さを求め、これを10箇所
測定してその平均より凹凸L(表面粗さRz )を算出し
た。なお、表面粗さの測定は、多孔性支持体8cと熱可
塑性樹脂フィルム8bとを貼り合わせる前に、多孔性支
持体8cの熱可塑性樹脂フィルム8bと接する側の面に
ついて行い、その後、多孔性支持体8cのその面に薄く
接着剤を塗布し、熱可塑性樹脂フィルム8bを貼り合わ
せてマスタ8を得ている。この表面粗さの測定は、後述
する第2ないし第6の実施例においても同様に行ってい
る。また、熱可塑性樹脂フィルム8bの厚さは1.5μ
mである。実験の結果を表1に示す。
T3820((株)リコー製)を用いて印刷を行い、表
面粗さ計SEF−30D((株)小坂研究所製)を用い
て多孔性支持体8cの凹凸L(表面粗さ)を測定した。
表面粗さの測定は、半径7μmのヘッドを使用して送り
速度0.1mm/sec、測定長さ0.8mmで測定
し、この範囲での十点平均粗さを求め、これを10箇所
測定してその平均より凹凸L(表面粗さRz )を算出し
た。なお、表面粗さの測定は、多孔性支持体8cと熱可
塑性樹脂フィルム8bとを貼り合わせる前に、多孔性支
持体8cの熱可塑性樹脂フィルム8bと接する側の面に
ついて行い、その後、多孔性支持体8cのその面に薄く
接着剤を塗布し、熱可塑性樹脂フィルム8bを貼り合わ
せてマスタ8を得ている。この表面粗さの測定は、後述
する第2ないし第6の実施例においても同様に行ってい
る。また、熱可塑性樹脂フィルム8bの厚さは1.5μ
mである。実験の結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1より明らかなように、表面粗さを45
μmRz 以下にすると、表に三角印で示すように裏写り
が少なくなり、35μmRz 以下にすると、表に丸印で
示すように裏写りがほとんど無くなり、25μmRz 以
下にすると、表に星印で示すように裏写りが発生しない
という結果が得られた。また、表面粗さを5μmRz未
満とすると満足する画像が得られないことも判明した。
μmRz 以下にすると、表に三角印で示すように裏写り
が少なくなり、35μmRz 以下にすると、表に丸印で
示すように裏写りがほとんど無くなり、25μmRz 以
下にすると、表に星印で示すように裏写りが発生しない
という結果が得られた。また、表面粗さを5μmRz未
満とすると満足する画像が得られないことも判明した。
【0069】さらに、合成樹脂繊維8aの繊維径を20
μm以下とすると、表に三角印で示すように裏写りが少
なくなり、15μm以下とすると、表に丸印で示すよう
に裏写りがほとんど無くなり、8μm以下とすると、表
に星印で示すように裏写りが発生しないという結果が得
られた。また、繊維径を1μm未満とすると満足する画
像が得られないことも判明した。
μm以下とすると、表に三角印で示すように裏写りが少
なくなり、15μm以下とすると、表に丸印で示すよう
に裏写りがほとんど無くなり、8μm以下とすると、表
に星印で示すように裏写りが発生しないという結果が得
られた。また、繊維径を1μm未満とすると満足する画
像が得られないことも判明した。
【0070】以上のことから、多孔性支持体8cは、熱
可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面粗さを5〜
45μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ま
しくは5〜25μmRz に設定される。また、多孔性支
持体8cは、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の
表面の繊維径を1μm以上20μm以下、好ましくは1
μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μ
m以下に設定される。
可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面粗さを5〜
45μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ま
しくは5〜25μmRz に設定される。また、多孔性支
持体8cは、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の
表面の繊維径を1μm以上20μm以下、好ましくは1
μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μ
m以下に設定される。
【0071】また、多孔性支持体8cの密度が低いと繊
維間の空隙8eが広くなり、細い繊維等を使用しても凹
凸Lが大きくなり、裏写りがひどくなる。さらに、密度
が高すぎると繊維間の空隙8eが狭くなり、繊維が数多
く交差する部分ではインキが通過しにくくなって画像に
白抜け(繊維塊跡)が見られ、満足な画像が得られなく
なる。そこで、多孔性支持体8cの密度と裏写りとの関
係を調査した。
維間の空隙8eが広くなり、細い繊維等を使用しても凹
凸Lが大きくなり、裏写りがひどくなる。さらに、密度
が高すぎると繊維間の空隙8eが狭くなり、繊維が数多
く交差する部分ではインキが通過しにくくなって画像に
白抜け(繊維塊跡)が見られ、満足な画像が得られなく
なる。そこで、多孔性支持体8cの密度と裏写りとの関
係を調査した。
【0072】その結果、多孔性支持体8cが、天然また
は合成樹脂系の繊維で構成されている場合の密度は0.
1g/cm3 〜0.6g/cm3 、より好ましくは0.
2g/cm3 〜0.6g/cm3 、金属系の繊維で構成
されている場合であって、ステンレス、鉄の場合の密度
は0.7g/cm3 〜3.0g/cm3 、より好ましく
は0.9g/cm3 〜3.0g/cm3 、チタンの場合
の密度は0.4g/cm3 〜1.7g/cm3 、より好
ましくは0.5g/cm3 〜1.7g/cm3、アルミ
ニウムの場合の密度は0.2g/cm3 〜1.0g/c
m3 、より好ましくは0.3g/cm3 〜1.0g/c
m3 となった。
は合成樹脂系の繊維で構成されている場合の密度は0.
1g/cm3 〜0.6g/cm3 、より好ましくは0.
2g/cm3 〜0.6g/cm3 、金属系の繊維で構成
されている場合であって、ステンレス、鉄の場合の密度
は0.7g/cm3 〜3.0g/cm3 、より好ましく
は0.9g/cm3 〜3.0g/cm3 、チタンの場合
の密度は0.4g/cm3 〜1.7g/cm3 、より好
ましくは0.5g/cm3 〜1.7g/cm3、アルミ
ニウムの場合の密度は0.2g/cm3 〜1.0g/c
m3 、より好ましくは0.3g/cm3 〜1.0g/c
m3 となった。
【0073】以上のことから、多孔性支持体8cの好ま
しい密度範囲Dwは、以下の式で示される。 Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3 ) ρ:物質の密度(g/cm3 ) なお、上記式は、後述する第2ないし第15の実施例に
おける各多孔性支持体またはインキ保持部材の密度につ
いても適用され得るものである。
しい密度範囲Dwは、以下の式で示される。 Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3 ) ρ:物質の密度(g/cm3 ) なお、上記式は、後述する第2ないし第15の実施例に
おける各多孔性支持体またはインキ保持部材の密度につ
いても適用され得るものである。
【0074】上記実施例では、多孔性支持体8cは不織
布からなるものとしたが、マニラ麻や亜麻等の天然繊
維、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維、若しくはス
テンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン等
の繊維を網目状に交差させて形成したメッシュスクリー
ン、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維、ステンレ
ス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン繊維等か
らなる不織布、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維を
焼結させて作成した焼結シート、ポリビニルアセタール
系またはポリビニルアルコール系の連続気泡を有する多
孔質弾性体、硬質粒子とゴムの混和した連続気泡を有す
る多孔質弾性体、ポリエチレン等の合成樹脂や無機物の
微粉末を焼結した多孔質弾性体、ポリウレタン等の液状
焼結による多孔質弾性体、または多孔質ゴム等の多孔質
弾性体からなるものとしてもよい。
布からなるものとしたが、マニラ麻や亜麻等の天然繊
維、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維、若しくはス
テンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン等
の繊維を網目状に交差させて形成したメッシュスクリー
ン、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維、ステンレ
ス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン繊維等か
らなる不織布、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維を
焼結させて作成した焼結シート、ポリビニルアセタール
系またはポリビニルアルコール系の連続気泡を有する多
孔質弾性体、硬質粒子とゴムの混和した連続気泡を有す
る多孔質弾性体、ポリエチレン等の合成樹脂や無機物の
微粉末を焼結した多孔質弾性体、ポリウレタン等の液状
焼結による多孔質弾性体、または多孔質ゴム等の多孔質
弾性体からなるものとしてもよい。
【0075】また、上述したメッシュスクリーン、不織
布、焼結シート、各種の多孔質弾性体等の多孔性支持体
において、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと当接する
側の表面に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着ある
いは接着し、これにより多孔性支持体の表面粗さを小さ
くするようにしてもよい。
布、焼結シート、各種の多孔質弾性体等の多孔性支持体
において、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと当接する
側の表面に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着ある
いは接着し、これにより多孔性支持体の表面粗さを小さ
くするようにしてもよい。
【0076】図7は、本発明の第2の実施例に用いられ
るマスタ20を、図8は、第2の実施例の変形例に用い
られるマスタ21をそれぞれ示している。この第2の実
施例及び変形例は、第1の実施例と比較するとマスタ8
に代えてマスタ20またはマスタ21を用いる点におい
てのみ相違し、他の構成は同一である。
るマスタ20を、図8は、第2の実施例の変形例に用い
られるマスタ21をそれぞれ示している。この第2の実
施例及び変形例は、第1の実施例と比較するとマスタ8
に代えてマスタ20またはマスタ21を用いる点におい
てのみ相違し、他の構成は同一である。
【0077】マスタ20は、ステンレス、鉄、銅、ニッ
ケル、アルミニウム、チタン等の金属繊維20aの焼結
シートからなる多孔性支持体20bに熱可塑性樹脂フィ
ルム8bを貼り合わせて構成されている。マスタ21
は、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維21aの表面
にステンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタ
ン等の金属21bをコーティングした焼結シートからな
る多孔性支持体21cに熱可塑性樹脂フィルム8bを貼
り合わせて構成されている。多孔性支持体20b,21
cは、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面粗
さを、それぞれ5〜45μmRz 、好ましくは5〜35
μmRz 、より好ましくは5〜25μmRz に設定され
ている。
ケル、アルミニウム、チタン等の金属繊維20aの焼結
シートからなる多孔性支持体20bに熱可塑性樹脂フィ
ルム8bを貼り合わせて構成されている。マスタ21
は、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維21aの表面
にステンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタ
ン等の金属21bをコーティングした焼結シートからな
る多孔性支持体21cに熱可塑性樹脂フィルム8bを貼
り合わせて構成されている。多孔性支持体20b,21
cは、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面粗
さを、それぞれ5〜45μmRz 、好ましくは5〜35
μmRz 、より好ましくは5〜25μmRz に設定され
ている。
【0078】また、多孔性支持体20b,21cは、熱
可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面の繊維径
を、それぞれ1μm以上20μm以下、好ましくは1μ
m以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm
以下の同一径に設定されている。なお、多孔性支持体2
0b,21cは、金属繊維20aからなる不織布、また
は表面に金属21bをコーティングした合成樹脂繊維2
1aからなる不織布をそれぞれ焼結することにより得ら
れる。
可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面の繊維径
を、それぞれ1μm以上20μm以下、好ましくは1μ
m以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm
以下の同一径に設定されている。なお、多孔性支持体2
0b,21cは、金属繊維20aからなる不織布、また
は表面に金属21bをコーティングした合成樹脂繊維2
1aからなる不織布をそれぞれ焼結することにより得ら
れる。
【0079】このように、金属繊維20aの焼結シート
からなる多孔性支持体20bまたは金属21bを合成樹
脂繊維21aの表面にコーティングした焼結シートから
なる多孔性支持体21cを有するマスタ20またはマス
タ21を用いることにより、高エネルギー表面であり、
ぬれ性のよい金属部材からなる多孔性支持体20b,2
1cはインキとの接着力が高くなり、インキが多孔性支
持体20b,21cの内部から引き出されにくくなっ
て、裏写りの発生を防止することができる。
からなる多孔性支持体20bまたは金属21bを合成樹
脂繊維21aの表面にコーティングした焼結シートから
なる多孔性支持体21cを有するマスタ20またはマス
タ21を用いることにより、高エネルギー表面であり、
ぬれ性のよい金属部材からなる多孔性支持体20b,2
1cはインキとの接着力が高くなり、インキが多孔性支
持体20b,21cの内部から引き出されにくくなっ
て、裏写りの発生を防止することができる。
【0080】また、多孔性支持体20b,21cが天然
繊維部材や合成樹脂部材から構成される多孔性支持体に
比べて高弾性であるので、プレスローラー等の押圧部材
による加圧時において多孔性支持体20b,21cが圧
縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときには多孔
性支持体20b,21cが復元することにより多孔性支
持体20b,21c内にインキを吸い戻す効果が得ら
れ、余分なインキの印刷用紙への転移が防止されて、裏
写りの少ない良好な画像を得ることができる。
繊維部材や合成樹脂部材から構成される多孔性支持体に
比べて高弾性であるので、プレスローラー等の押圧部材
による加圧時において多孔性支持体20b,21cが圧
縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときには多孔
性支持体20b,21cが復元することにより多孔性支
持体20b,21c内にインキを吸い戻す効果が得ら
れ、余分なインキの印刷用紙への転移が防止されて、裏
写りの少ない良好な画像を得ることができる。
【0081】さらに、多孔性支持体20b,21cが天
然繊維部材や合成樹脂部材から構成される多孔性支持体
に比べて強度が高いので、長時間使用することによるへ
たりが少なく、マスタ20,21としては、耐久性が良
く大量印刷に適したものを提供することができる。
然繊維部材や合成樹脂部材から構成される多孔性支持体
に比べて強度が高いので、長時間使用することによるへ
たりが少なく、マスタ20,21としては、耐久性が良
く大量印刷に適したものを提供することができる。
【0082】上記実施例及び変形例では、金属繊維20
aからなる焼結シート、あるいは合成樹脂繊維21aの
表面に金属21bをコーティングしたものからなる焼結
シートによって多孔性支持体20b,21cを構成した
が、多孔性支持体を構成するものとしてはこの限りでは
なく、金属繊維からなる不織布、合成樹脂繊維の表面に
金属をコーティングしたものからなる不織布、金属繊維
を網目状に交差させて形成したメッシュスクリーン、金
属の微粉末を焼結した多孔質体等、少なくともその表面
が金属で構成され、インキが通過する通路を有するもの
であれば何でもよい。なお、焼結シートは不織布に比べ
て引張強度が高く、またメッシュスクリーンに比べて低
コストであるので、多孔性支持体として用いるには特に
好適である。
aからなる焼結シート、あるいは合成樹脂繊維21aの
表面に金属21bをコーティングしたものからなる焼結
シートによって多孔性支持体20b,21cを構成した
が、多孔性支持体を構成するものとしてはこの限りでは
なく、金属繊維からなる不織布、合成樹脂繊維の表面に
金属をコーティングしたものからなる不織布、金属繊維
を網目状に交差させて形成したメッシュスクリーン、金
属の微粉末を焼結した多孔質体等、少なくともその表面
が金属で構成され、インキが通過する通路を有するもの
であれば何でもよい。なお、焼結シートは不織布に比べ
て引張強度が高く、またメッシュスクリーンに比べて低
コストであるので、多孔性支持体として用いるには特に
好適である。
【0083】図9は、本発明の第3の実施例に用いられ
るマスタ22を、図10は、第3の実施例の変形例に用
いられるマスタ23をそれぞれ示している。この第3の
実施例及び変形例は、第1の実施例と比較するとマスタ
8に代えてマスタ22またはマスタ23を用いる点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
るマスタ22を、図10は、第3の実施例の変形例に用
いられるマスタ23をそれぞれ示している。この第3の
実施例及び変形例は、第1の実施例と比較するとマスタ
8に代えてマスタ22またはマスタ23を用いる点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0084】マスタ22では、それぞれ繊維径の異なる
2種の合成樹脂繊維22a,22bからなり、合成樹脂
繊維22b間に合成樹脂繊維22aを2列ずつ配置した
不織布で、またマスタ23では、それぞれ繊維径の異な
る2種の合成樹脂繊維23a,23bからなり、合成樹
脂繊維23b間に合成樹脂繊維23aを1列ずつ配置し
た不織布で多孔性支持体22c,23cをそれぞれ構成
しており、各多孔性支持体22c,23cをそれぞれ熱
可塑性樹脂フィルム8bと貼り合わせることによりマス
タ22及びマスタ23が構成されている。
2種の合成樹脂繊維22a,22bからなり、合成樹脂
繊維22b間に合成樹脂繊維22aを2列ずつ配置した
不織布で、またマスタ23では、それぞれ繊維径の異な
る2種の合成樹脂繊維23a,23bからなり、合成樹
脂繊維23b間に合成樹脂繊維23aを1列ずつ配置し
た不織布で多孔性支持体22c,23cをそれぞれ構成
しており、各多孔性支持体22c,23cをそれぞれ熱
可塑性樹脂フィルム8bと貼り合わせることによりマス
タ22及びマスタ23が構成されている。
【0085】この実施例及び変形例では、合成樹脂繊維
22a,23aの繊維径をそれぞれ4μmに、また、合
成樹脂繊維22b,23bの繊維径をそれぞれ8μmに
設定しており、用いられる合成樹脂繊維の繊維径及び混
抄比は、マスタ22,23において、熱可塑性樹脂フィ
ルム8bと当接する側の多孔性支持体22c,23cの
表面粗さを5〜45μmRz 、好ましくは5〜35μm
Rz 、より好ましくは5〜25μmRz の範囲内に設定
し得るものより選択される。
22a,23aの繊維径をそれぞれ4μmに、また、合
成樹脂繊維22b,23bの繊維径をそれぞれ8μmに
設定しており、用いられる合成樹脂繊維の繊維径及び混
抄比は、マスタ22,23において、熱可塑性樹脂フィ
ルム8bと当接する側の多孔性支持体22c,23cの
表面粗さを5〜45μmRz 、好ましくは5〜35μm
Rz 、より好ましくは5〜25μmRz の範囲内に設定
し得るものより選択される。
【0086】また、用いられる合成樹脂繊維としては、
熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面の繊維径
が1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上15
μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下の範囲
内のものより選択される。この実施例及び変形例では、
組み合わされる合成樹脂繊維を2種類としたが、3種類
以上であってもよい。
熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面の繊維径
が1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上15
μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下の範囲
内のものより選択される。この実施例及び変形例では、
組み合わされる合成樹脂繊維を2種類としたが、3種類
以上であってもよい。
【0087】上述のマスタ22またはマスタ23を用い
ることにより、太い繊維の間を細い繊維で埋めることが
でき、多孔性支持体22c,23c表面の凹凸L(表面
粗さRz )を小さくすることができる。
ることにより、太い繊維の間を細い繊維で埋めることが
でき、多孔性支持体22c,23c表面の凹凸L(表面
粗さRz )を小さくすることができる。
【0088】上記実施例及び変形例では、合成樹脂繊維
22a,22bからなる不織布によって多孔性支持体2
2cを、また、合成樹脂繊維23a,23bからなる不
織布によって多孔性支持体23cを構成したが、各合成
樹脂繊維22a,22b,23a,23bからなる不織
布に代えて、第2の実施例で示した金属繊維からなる焼
結シート、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングし
たものからなる焼結シート、金属繊維からなる不織布や
メッシュスクリーン、表面に金属をコーティングした合
成樹脂繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、ある
いは、これらの焼結シート、不織布、メッシュスクリー
ンの金属繊維、金属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末
を分散させ、溶着または接着させてなるもの等を用いて
もよい。
22a,22bからなる不織布によって多孔性支持体2
2cを、また、合成樹脂繊維23a,23bからなる不
織布によって多孔性支持体23cを構成したが、各合成
樹脂繊維22a,22b,23a,23bからなる不織
布に代えて、第2の実施例で示した金属繊維からなる焼
結シート、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングし
たものからなる焼結シート、金属繊維からなる不織布や
メッシュスクリーン、表面に金属をコーティングした合
成樹脂繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、ある
いは、これらの焼結シート、不織布、メッシュスクリー
ンの金属繊維、金属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末
を分散させ、溶着または接着させてなるもの等を用いて
もよい。
【0089】さらに、上記実施例の他の変形例として、
図31に示すように、太い合成樹脂繊維56aと細い合
成樹脂繊維56bとを千鳥状に配置した不織布からなる
多孔性支持体56cと、熱可塑性樹脂フィルム8bとを
貼り合わせたマスタ56を用いてもよい。
図31に示すように、太い合成樹脂繊維56aと細い合
成樹脂繊維56bとを千鳥状に配置した不織布からなる
多孔性支持体56cと、熱可塑性樹脂フィルム8bとを
貼り合わせたマスタ56を用いてもよい。
【0090】図11、図12は、本発明の第4の実施例
に用いられるマスタ24と、本発明の第5の実施例に用
いられるマスタ25とをそれぞれ示している。この第4
及び第5の実施例は、第1の実施例と比較するとマスタ
8に代えてマスタ24またはマスタ25を用いる点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
に用いられるマスタ24と、本発明の第5の実施例に用
いられるマスタ25とをそれぞれ示している。この第4
及び第5の実施例は、第1の実施例と比較するとマスタ
8に代えてマスタ24またはマスタ25を用いる点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0091】マスタ24は、同一の合成樹脂繊維24a
を複数層重ね合わせた不織布で多孔性支持体24bを構
成し、この多孔性支持体24bを熱可塑性樹脂フィルム
8bと貼り合わせることにより構成されている。多孔性
支持体24bは、複数層形成された合成樹脂繊維24a
の層が、熱可塑性樹脂フィルム8bと接着される最外殻
層から内層に向かうに従い、合成樹脂繊維24aの密度
が低くなるように形成されている。
を複数層重ね合わせた不織布で多孔性支持体24bを構
成し、この多孔性支持体24bを熱可塑性樹脂フィルム
8bと貼り合わせることにより構成されている。多孔性
支持体24bは、複数層形成された合成樹脂繊維24a
の層が、熱可塑性樹脂フィルム8bと接着される最外殻
層から内層に向かうに従い、合成樹脂繊維24aの密度
が低くなるように形成されている。
【0092】マスタ25は、それぞれ繊維径の異なる合
成樹脂繊維25a,25b,25cを層状に重ね合わせ
て多孔性支持体25dを構成し、この多孔性支持体25
dを熱可塑性樹脂フィルム8bと貼り合わせることによ
り構成されている。多孔性支持体25dは、熱可塑性樹
脂フィルム8bと接着される最外殻層が最も繊維径の小
さい合成樹脂繊維25aの層から構成され、内層に向か
うに従い合成樹脂繊維25bの層、合成樹脂繊維25c
の層と徐々に繊維径が大きい合成樹脂繊維の層となるよ
うに構成されている。
成樹脂繊維25a,25b,25cを層状に重ね合わせ
て多孔性支持体25dを構成し、この多孔性支持体25
dを熱可塑性樹脂フィルム8bと貼り合わせることによ
り構成されている。多孔性支持体25dは、熱可塑性樹
脂フィルム8bと接着される最外殻層が最も繊維径の小
さい合成樹脂繊維25aの層から構成され、内層に向か
うに従い合成樹脂繊維25bの層、合成樹脂繊維25c
の層と徐々に繊維径が大きい合成樹脂繊維の層となるよ
うに構成されている。
【0093】すなわち、多孔性支持体24b,25d
は、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接しない側から熱可
塑性樹脂フィルム8bと当接する側に向かうに連れて、
空隙が小さくなるように構成されている。
は、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接しない側から熱可
塑性樹脂フィルム8bと当接する側に向かうに連れて、
空隙が小さくなるように構成されている。
【0094】上述の第4の実施例及び第5の実施例に用
いられるマスタ24,25において、熱可塑性樹脂フィ
ルム8bと当接する側の多孔性支持体24b,25dの
表面粗さは、5〜45μmRz 、好ましくは5〜35μ
mRz 、より好ましくは5〜25μmRz の範囲内のも
のが用いられる。
いられるマスタ24,25において、熱可塑性樹脂フィ
ルム8bと当接する側の多孔性支持体24b,25dの
表面粗さは、5〜45μmRz 、好ましくは5〜35μ
mRz 、より好ましくは5〜25μmRz の範囲内のも
のが用いられる。
【0095】また、各合成樹脂繊維24a,25aとし
ては、少なくとも熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する
側の表面の繊維径が、1μm以上20μm以下、好まし
くは1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以
上8μm以下の範囲内のものが用いられる。
ては、少なくとも熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する
側の表面の繊維径が、1μm以上20μm以下、好まし
くは1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以
上8μm以下の範囲内のものが用いられる。
【0096】また、上記各実施例では、各多孔性支持体
24b,25dを構成する各合成樹脂繊維24a,25
a,25b,25cの層を3層としたが、2層以上であ
れば何層でもよい。
24b,25dを構成する各合成樹脂繊維24a,25
a,25b,25cの層を3層としたが、2層以上であ
れば何層でもよい。
【0097】上述のマスタ24またはマスタ25を用い
ることにより、インキの流路に沿って、最初は空隙が大
きくインキの供給・拡散が良好であり最終では空隙が小
さく凹凸Lの少ない多孔性支持体24b,25bとする
ことができる。
ることにより、インキの流路に沿って、最初は空隙が大
きくインキの供給・拡散が良好であり最終では空隙が小
さく凹凸Lの少ない多孔性支持体24b,25bとする
ことができる。
【0098】上記各実施例では、合成樹脂繊維24aか
らなる不織布によって多孔性支持体24bを、また、合
成樹脂繊維25a,25b,25cからなる不織布によ
って多孔性支持体25dを構成したが、各合成樹脂繊維
24a,25a,25b,25cからなる不織布に代え
て、第2の実施例で示した金属繊維からなる焼結シー
ト、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングしたもの
からなる焼結シート、金属繊維からなる不織布やメッシ
ュスクリーン、表面に金属をコーティングした合成樹脂
繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、これらの焼
結シート、不織布、メッシュスクリーンの金属繊維、金
属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着
または接着させてなるもの、金属の微粉末を焼結した多
孔質体等、その表面が少なくとも金属で構成された多孔
性支持体を用いてもよい。また、多孔性支持体として
は、第1の実施例中で述べた連続気泡を有する多孔質弾
性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよ
い。
らなる不織布によって多孔性支持体24bを、また、合
成樹脂繊維25a,25b,25cからなる不織布によ
って多孔性支持体25dを構成したが、各合成樹脂繊維
24a,25a,25b,25cからなる不織布に代え
て、第2の実施例で示した金属繊維からなる焼結シー
ト、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングしたもの
からなる焼結シート、金属繊維からなる不織布やメッシ
ュスクリーン、表面に金属をコーティングした合成樹脂
繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、これらの焼
結シート、不織布、メッシュスクリーンの金属繊維、金
属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着
または接着させてなるもの、金属の微粉末を焼結した多
孔質体等、その表面が少なくとも金属で構成された多孔
性支持体を用いてもよい。また、多孔性支持体として
は、第1の実施例中で述べた連続気泡を有する多孔質弾
性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよ
い。
【0099】図13は、本発明の第6の実施例に用いら
れるマスタ36を示している。この第6の実施例は、第
1の実施例と比較するとマスタ8に代えてマスタ36を
用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
れるマスタ36を示している。この第6の実施例は、第
1の実施例と比較するとマスタ8に代えてマスタ36を
用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0100】マスタ36を構成する不織布からなる多孔
性支持体36aは、繊維部材36fより主に構成されて
おり、この多孔性支持体36aには、インキ流入側の孔
36bから流入したインキが、熱可塑性樹脂フィルム8
bの多孔性支持体36aとの当接面に対する垂線Sから
少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔36cか
ら流出するインキ通路36dが形成されている。
性支持体36aは、繊維部材36fより主に構成されて
おり、この多孔性支持体36aには、インキ流入側の孔
36bから流入したインキが、熱可塑性樹脂フィルム8
bの多孔性支持体36aとの当接面に対する垂線Sから
少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔36cか
ら流出するインキ通路36dが形成されている。
【0101】インキ通路36dは、インキ流入側の孔3
6bから流入したインキの実質的に全量が、垂線S上に
存在する繊維部材36fにより流下を妨げられ、垂線S
に沿って流下しないように構成されている。換言する
と、インキ通路36dは、インキ流入側の孔36bから
流入したインキの実質的に全量が、繊維部材36fによ
ってその流下を妨げられることにより、一旦インキ流入
側の孔36bの垂直下方より外方へ流出し、その後、イ
ンキ流出側の孔36cへ向かって流下するように構成さ
れている。
6bから流入したインキの実質的に全量が、垂線S上に
存在する繊維部材36fにより流下を妨げられ、垂線S
に沿って流下しないように構成されている。換言する
と、インキ通路36dは、インキ流入側の孔36bから
流入したインキの実質的に全量が、繊維部材36fによ
ってその流下を妨げられることにより、一旦インキ流入
側の孔36bの垂直下方より外方へ流出し、その後、イ
ンキ流出側の孔36cへ向かって流下するように構成さ
れている。
【0102】印刷用紙18がマスタ36の表面から引き
剥がされるときに、孔36cの天井部36eとインキ1
9との間にはインキ19の粘着力が働き、多孔性支持体
36aから引き出されるインキ19の量が低減される。
剥がされるときに、孔36cの天井部36eとインキ1
9との間にはインキ19の粘着力が働き、多孔性支持体
36aから引き出されるインキ19の量が低減される。
【0103】ここで、上述の如きインキ通路36dが多
孔性支持体36aに形成されたかどうかを判断する方法
について述べる。先ず、図14に示すように、多孔性支
持体36aの裏面に多孔性支持体36aとは異なる色の
用紙37を貼り付ける。次に、多孔性支持体36a側か
ら光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察
し、繊維部材36f間から用紙37が見えなければ、イ
ンキ通路36dが形成されていると判断できる。
孔性支持体36aに形成されたかどうかを判断する方法
について述べる。先ず、図14に示すように、多孔性支
持体36aの裏面に多孔性支持体36aとは異なる色の
用紙37を貼り付ける。次に、多孔性支持体36a側か
ら光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察
し、繊維部材36f間から用紙37が見えなければ、イ
ンキ通路36dが形成されていると判断できる。
【0104】また、図15に示すように、多孔性支持体
36aの一方の面から多孔性支持体36aに対して垂直
な平行光線54を照射し、多孔性支持体36aの他方の
面に到達する光55を光量計(例えば(株)キーエンス
製レーザー式判別センサーLX2−100)で測定して
も判断できる。照射された平行光線54はインキ通路3
6d内で反射するので、他方の面に到達しなくなる。従
って、光量計で光55が測定されなければ、上述のイン
キ通路36dが形成されていると判断できる。
36aの一方の面から多孔性支持体36aに対して垂直
な平行光線54を照射し、多孔性支持体36aの他方の
面に到達する光55を光量計(例えば(株)キーエンス
製レーザー式判別センサーLX2−100)で測定して
も判断できる。照射された平行光線54はインキ通路3
6d内で反射するので、他方の面に到達しなくなる。従
って、光量計で光55が測定されなければ、上述のイン
キ通路36dが形成されていると判断できる。
【0105】上記実施例の変形例として、図16に示す
ように、マスタ36に代えて、繊維部材36fと同様の
繊維部材39bを3層以上積み重ねた多孔性支持体39
aを有するマスタ39を用いてもよい。
ように、マスタ36に代えて、繊維部材36fと同様の
繊維部材39bを3層以上積み重ねた多孔性支持体39
aを有するマスタ39を用いてもよい。
【0106】上記実施例及び変形例において、多孔性支
持体36a,39aは、熱可塑性樹脂フィルム8bと当
接する側の表面粗さを5〜45μmRz、好ましくは5
〜35μmRz、より好ましくは5〜25μmRzに設
定されている。また、繊維部材36f,39bとして
は、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面の繊
維径が、1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以
上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下
の範囲内であるものが用いられる。また、上記実施例及
び変形例において、繊維部材36f,39bに代えて2
種類以上の繊維径の異なる繊維部材を用いてもよい。
持体36a,39aは、熱可塑性樹脂フィルム8bと当
接する側の表面粗さを5〜45μmRz、好ましくは5
〜35μmRz、より好ましくは5〜25μmRzに設
定されている。また、繊維部材36f,39bとして
は、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側の表面の繊
維径が、1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以
上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下
の範囲内であるものが用いられる。また、上記実施例及
び変形例において、繊維部材36f,39bに代えて2
種類以上の繊維径の異なる繊維部材を用いてもよい。
【0107】さらに、上記実施例及び変形例において、
第4の実施例または第5の実施例と同様に、多孔性支持
体36a,39aの密度、あるいは繊維部材36f,3
9bの繊維径を変化させて、熱可塑性樹脂フィルム8b
と当接する側に向かうに連れて多孔性支持体36a,3
9aの空隙を小さくしたマスタ36,39を構成しても
よく、また、多孔性支持体36a,39aに代えて、金
属からなる繊維部材や金属をコーティングした繊維部材
からなる多孔性支持体、金属の微粉末を焼結した多孔質
体等、その表面が少なくとも金属で構成された多孔性支
持体を用いてもよい。また、多孔性支持体としては、第
1の実施例中で述べた連続気泡を有する多孔質弾性体
や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよい。
第4の実施例または第5の実施例と同様に、多孔性支持
体36a,39aの密度、あるいは繊維部材36f,3
9bの繊維径を変化させて、熱可塑性樹脂フィルム8b
と当接する側に向かうに連れて多孔性支持体36a,3
9aの空隙を小さくしたマスタ36,39を構成しても
よく、また、多孔性支持体36a,39aに代えて、金
属からなる繊維部材や金属をコーティングした繊維部材
からなる多孔性支持体、金属の微粉末を焼結した多孔質
体等、その表面が少なくとも金属で構成された多孔性支
持体を用いてもよい。また、多孔性支持体としては、第
1の実施例中で述べた連続気泡を有する多孔質弾性体
や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよい。
【0108】図17は、本発明の第7の実施例に用いら
れる版胴43と熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマス
タ27とをそれぞれ示している。この第7の実施例は、
第1の実施例と比較すると、版胴1及びマスタ8に代え
て版胴43及びマスタ27を用いる点においてのみ相違
し、他の構成は同一である。版胴43は、開口部1aを
有する多孔性支持板1bと、インキ保持部材26とから
主に構成されている。
れる版胴43と熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマス
タ27とをそれぞれ示している。この第7の実施例は、
第1の実施例と比較すると、版胴1及びマスタ8に代え
て版胴43及びマスタ27を用いる点においてのみ相違
し、他の構成は同一である。版胴43は、開口部1aを
有する多孔性支持板1bと、インキ保持部材26とから
主に構成されている。
【0109】インキ保持部材26は、テトロンやナイロ
ン等の合成樹脂繊維26aでインキを通過させるための
インキ通路を形成した不織布によって構成されている。
ン等の合成樹脂繊維26aでインキを通過させるための
インキ通路を形成した不織布によって構成されている。
【0110】インキ保持部材26は、密度が高い方が好
ましく、第1の実施例で述べた理由と同様の理由によ
り、例えば、インキ保持部材26が合成樹脂繊維あるい
は天然繊維で構成されている場合、密度は0.1〜0.
6g/cm3 、より好ましくは0.2〜0.6g/cm
3 程度であり、また、インキ保持部材26が金属系の繊
維で構成されている場合であって、ステンレス、鉄の場
合の密度は0.7〜3.0g/cm3 、より好ましくは
0.9〜3.0g/cm3 程度であり、チタンの場合の
密度は、0.4〜1.7g/cm3 、より好ましくは
0.5〜1.7g/cm3 、アルミニウムの場合の密度
は、0.2〜1.0g/cm3 、より好ましくは0.3
〜1.0g/cm3 程度である。
ましく、第1の実施例で述べた理由と同様の理由によ
り、例えば、インキ保持部材26が合成樹脂繊維あるい
は天然繊維で構成されている場合、密度は0.1〜0.
6g/cm3 、より好ましくは0.2〜0.6g/cm
3 程度であり、また、インキ保持部材26が金属系の繊
維で構成されている場合であって、ステンレス、鉄の場
合の密度は0.7〜3.0g/cm3 、より好ましくは
0.9〜3.0g/cm3 程度であり、チタンの場合の
密度は、0.4〜1.7g/cm3 、より好ましくは
0.5〜1.7g/cm3 、アルミニウムの場合の密度
は、0.2〜1.0g/cm3 、より好ましくは0.3
〜1.0g/cm3 程度である。
【0111】本実施例においても、第1の実施例と同様
に、インキ保持部材26の好ましい密度範囲Dwは、次
の式で示される。 Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3 ) ρ:物質の密度(g/cm3 ) この実施例では、使用されるマスタ27が多孔性支持体
を有していないので、第1の実施例における多孔性支持
体8cの代わりにインキ保持部材26によって余分なイ
ンキが引き出されることを防止している。しかし、イン
キ保持部材26の表面には、図18(a)に示す凹みに
よる凹凸L1や、図18(b)に示すうねりによる凹凸
L2、さらには図18(c)に示す合成樹脂繊維26a
の繊維径に起因する凹凸L3等の凹凸Lが存在する。
に、インキ保持部材26の好ましい密度範囲Dwは、次
の式で示される。 Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3 ) ρ:物質の密度(g/cm3 ) この実施例では、使用されるマスタ27が多孔性支持体
を有していないので、第1の実施例における多孔性支持
体8cの代わりにインキ保持部材26によって余分なイ
ンキが引き出されることを防止している。しかし、イン
キ保持部材26の表面には、図18(a)に示す凹みに
よる凹凸L1や、図18(b)に示すうねりによる凹凸
L2、さらには図18(c)に示す合成樹脂繊維26a
の繊維径に起因する凹凸L3等の凹凸Lが存在する。
【0112】そこで、第1の実施例と同様に、厚さ10
0μm、密度0.4g/cm3 のインキ保持部材26に
おいて、合成樹脂繊維26aの繊維径を変化させること
によりインキ保持部材26の凹凸Lを調整して印刷を行
い、そのときの裏写りを調査した。
0μm、密度0.4g/cm3 のインキ保持部材26に
おいて、合成樹脂繊維26aの繊維径を変化させること
によりインキ保持部材26の凹凸Lを調整して印刷を行
い、そのときの裏写りを調査した。
【0113】実験は、第1の実施例と同様に、デジタル
孔版印刷機プリポートVT3820((株)リコー製)
を用いて印刷を行い、表面粗さ計SEF−30D
((株)小坂研究所製)を用いてインキ保持部材26の
凹凸L(表面粗さ)を測定した。表面粗さの測定は、半
径7μmのヘッドを使用して送り速度0.1mm/se
c、測定長さ0.8mmで測定し、この範囲での十点平
均粗さを求め、これを10箇所測定してその平均より凹
凸L(表面粗さRz )を算出した。なお、マスタ27の
厚さは1.5μmである。実験の結果を表2に示す。
孔版印刷機プリポートVT3820((株)リコー製)
を用いて印刷を行い、表面粗さ計SEF−30D
((株)小坂研究所製)を用いてインキ保持部材26の
凹凸L(表面粗さ)を測定した。表面粗さの測定は、半
径7μmのヘッドを使用して送り速度0.1mm/se
c、測定長さ0.8mmで測定し、この範囲での十点平
均粗さを求め、これを10箇所測定してその平均より凹
凸L(表面粗さRz )を算出した。なお、マスタ27の
厚さは1.5μmである。実験の結果を表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】表2より明らかなように、表面粗さを45
μmRz 以下にすると、表に三角印で示すように裏写り
が少なくなり、35μmRz 以下にすると、表に丸印で
示すように裏写りがほとんど無くなり、25μmRz 以
下にすると表に星印で示すように裏写りが発生しないと
いう結果が得られた。また、表面粗さを5μmRz 未満
とすると満足する画像が得られないことも判明した。
μmRz 以下にすると、表に三角印で示すように裏写り
が少なくなり、35μmRz 以下にすると、表に丸印で
示すように裏写りがほとんど無くなり、25μmRz 以
下にすると表に星印で示すように裏写りが発生しないと
いう結果が得られた。また、表面粗さを5μmRz 未満
とすると満足する画像が得られないことも判明した。
【0116】さらに、合成樹脂繊維26aの繊維径を2
0μm以下とすると、表に三角印で示すように裏写りが
少なくなり、15μm以下とすると、表に丸印で示すよ
うに裏写りがほとんど無くなり、8μm以下とすると、
表に星印で示すように裏写りが発生しないという結果が
得られた。また、繊維径を1μm未満とすると満足する
画像が得られないことも判明した。
0μm以下とすると、表に三角印で示すように裏写りが
少なくなり、15μm以下とすると、表に丸印で示すよ
うに裏写りがほとんど無くなり、8μm以下とすると、
表に星印で示すように裏写りが発生しないという結果が
得られた。また、繊維径を1μm未満とすると満足する
画像が得られないことも判明した。
【0117】以上のことから、インキ保持部材26は、
マスタ27を巻装する外表面の表面粗さを5〜45μm
Rz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ましくは5
〜25μmRz に設定される。また、インキ保持部材2
6は、マスタ27を巻装する外表面の繊維径を1μm以
上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、
より好ましくは1μm以上8μm以下に設定される。
マスタ27を巻装する外表面の表面粗さを5〜45μm
Rz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ましくは5
〜25μmRz に設定される。また、インキ保持部材2
6は、マスタ27を巻装する外表面の繊維径を1μm以
上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、
より好ましくは1μm以上8μm以下に設定される。
【0118】この第7の実施例では、インキ保持部材2
6を不織布によって構成したが、インキ保持部材26を
マニラ麻や亜麻等の天然繊維、テトロンやナイロン等の
合成樹脂繊維、若しくはステンレス、鉄、銅、ニッケ
ル、アルミニウム、チタン等の繊維を網目状に交差させ
て形成したメッシュスクリーン、テトロンやナイロン等
の合成樹脂繊維、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、アル
ミニウム、チタン繊維等からなる不織布、テトロンやナ
イロン等の合成樹脂繊維を焼結させて作成した焼結シー
ト、ポリビニルアセタール系またはポリビニルアルコー
ル系の連続気泡を有する多孔質弾性体、硬質粒子とゴム
の混和した連続気泡を有する多孔質弾性体、ポリエチレ
ン等の合成樹脂や無機物の微粉末を焼結した多孔質弾性
体、ポリウレタン等の液状焼結による多孔質弾性体、ま
たは多孔質ゴム等の多孔質弾性体からなるもの等によっ
て構成してもよい。
6を不織布によって構成したが、インキ保持部材26を
マニラ麻や亜麻等の天然繊維、テトロンやナイロン等の
合成樹脂繊維、若しくはステンレス、鉄、銅、ニッケ
ル、アルミニウム、チタン等の繊維を網目状に交差させ
て形成したメッシュスクリーン、テトロンやナイロン等
の合成樹脂繊維、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、アル
ミニウム、チタン繊維等からなる不織布、テトロンやナ
イロン等の合成樹脂繊維を焼結させて作成した焼結シー
ト、ポリビニルアセタール系またはポリビニルアルコー
ル系の連続気泡を有する多孔質弾性体、硬質粒子とゴム
の混和した連続気泡を有する多孔質弾性体、ポリエチレ
ン等の合成樹脂や無機物の微粉末を焼結した多孔質弾性
体、ポリウレタン等の液状焼結による多孔質弾性体、ま
たは多孔質ゴム等の多孔質弾性体からなるもの等によっ
て構成してもよい。
【0119】また、上述したメッシュスクリーン、不織
布、焼結シート、各種の多孔質弾性体等のインキ保持部
材において、少なくともマスタを巻装する外表面に金属
や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着あるいは接着し、こ
れによりインキ保持部材の表面粗さを小さくするように
してもよい。
布、焼結シート、各種の多孔質弾性体等のインキ保持部
材において、少なくともマスタを巻装する外表面に金属
や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着あるいは接着し、こ
れによりインキ保持部材の表面粗さを小さくするように
してもよい。
【0120】図19は、本発明の第8の実施例に用いら
れる版胴45を、図20は、第8の実施例の変形例に用
いられる版胴46をそれぞれ示している。この第8の実
施例及び変形例は、第7の実施例と比較すると版胴43
に代えて版胴45または版胴46を用いる点においての
み相違し、他の構成は同一である。
れる版胴45を、図20は、第8の実施例の変形例に用
いられる版胴46をそれぞれ示している。この第8の実
施例及び変形例は、第7の実施例と比較すると版胴43
に代えて版胴45または版胴46を用いる点においての
み相違し、他の構成は同一である。
【0121】版胴45は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材28とから主に構成され、インキ保持部材28
は、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニ
ウム等の金属繊維28aの焼結シートから構成されてい
る。版胴46は、多孔性支持板1bとインキ保持部材2
9とから主に構成され、インキ保持部材29は、テトロ
ンやナイロン等の合成樹脂繊維29aの表面にステンレ
ス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属
29bをコーティングして構成される焼結シートからな
る。各インキ保持部材28,29は、マスタを巻装され
る外表面の表面粗さを、それぞれ5〜45μmRz 、好
ましくは5〜35μmRz 、より好ましくは5〜25μ
mRz に設定されている。
持部材28とから主に構成され、インキ保持部材28
は、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニ
ウム等の金属繊維28aの焼結シートから構成されてい
る。版胴46は、多孔性支持板1bとインキ保持部材2
9とから主に構成され、インキ保持部材29は、テトロ
ンやナイロン等の合成樹脂繊維29aの表面にステンレ
ス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属
29bをコーティングして構成される焼結シートからな
る。各インキ保持部材28,29は、マスタを巻装され
る外表面の表面粗さを、それぞれ5〜45μmRz 、好
ましくは5〜35μmRz 、より好ましくは5〜25μ
mRz に設定されている。
【0122】また、各インキ保持部材28,29は、マ
スタ27を巻装される外表面の繊維径を、それぞれ1μ
m以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以
下、より好ましくは1μm以上8μm以下の同一径に設
定されている。なお、インキ保持部材28,29は、金
属繊維28aからなる不織布、または表面に金属29b
をコーティングした合成樹脂繊維29aからなる不織布
をそれぞれ焼結することにより得られる。
スタ27を巻装される外表面の繊維径を、それぞれ1μ
m以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以
下、より好ましくは1μm以上8μm以下の同一径に設
定されている。なお、インキ保持部材28,29は、金
属繊維28aからなる不織布、または表面に金属29b
をコーティングした合成樹脂繊維29aからなる不織布
をそれぞれ焼結することにより得られる。
【0123】このように、金属繊維28aの焼結シート
からなるインキ保持部材28または金属29bを合成樹
脂繊維29aの表面にコーティングして構成される焼結
シートからなるインキ保持部材29を用いることによ
り、高エネルギー表面である金属部材から構成されるイ
ンキ保持部材28,29は、ぬれ性がよくインキとの接
着力が高くなり、インキがインキ保持部材28,29の
内部から引き出されにくくなって、裏写りの発生を防止
することができる。
からなるインキ保持部材28または金属29bを合成樹
脂繊維29aの表面にコーティングして構成される焼結
シートからなるインキ保持部材29を用いることによ
り、高エネルギー表面である金属部材から構成されるイ
ンキ保持部材28,29は、ぬれ性がよくインキとの接
着力が高くなり、インキがインキ保持部材28,29の
内部から引き出されにくくなって、裏写りの発生を防止
することができる。
【0124】また、インキ保持部材28,29が天然繊
維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部材に
比べて高弾性であるので、プレスローラー等の押圧部材
による加圧時においてインキ保持部材28,29が圧縮
されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはインキ
保持部材28,29が復元することにより、インキ保持
部材28,29の内部にインキを吸い戻す効果が得ら
れ、余分なインキの印刷用紙への転移が防止されて、裏
写りの少ない良好な画像を得ることができる。
維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部材に
比べて高弾性であるので、プレスローラー等の押圧部材
による加圧時においてインキ保持部材28,29が圧縮
されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはインキ
保持部材28,29が復元することにより、インキ保持
部材28,29の内部にインキを吸い戻す効果が得ら
れ、余分なインキの印刷用紙への転移が防止されて、裏
写りの少ない良好な画像を得ることができる。
【0125】さらに、インキ保持部材28,29が、天
然繊維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部
材に比べて強度が高いので、長時間使用することによる
へたりが少なく、耐久性が良く大量印刷に適した孔版印
刷装置を提供することができる。
然繊維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部
材に比べて強度が高いので、長時間使用することによる
へたりが少なく、耐久性が良く大量印刷に適した孔版印
刷装置を提供することができる。
【0126】上記実施例では、金属繊維28aからなる
焼結シート、あるいは合成樹脂繊維29aの表面に金属
29bをコーティングしたものからなる焼結シートによ
ってインキ保持部材28,29を構成したが、インキ保
持部材を構成するものとしてはこの限りではなく、金属
繊維からなる不織布、合成樹脂繊維の表面に金属をコー
ティングしたものからなる不織布、金属繊維を網目状に
交差させて形成したメッシュスクリーン、金属の微粉末
を焼結した多孔質体等、少なくともその表面が金属で構
成され、インキが通過する通路を有するものであれば何
でもよい。
焼結シート、あるいは合成樹脂繊維29aの表面に金属
29bをコーティングしたものからなる焼結シートによ
ってインキ保持部材28,29を構成したが、インキ保
持部材を構成するものとしてはこの限りではなく、金属
繊維からなる不織布、合成樹脂繊維の表面に金属をコー
ティングしたものからなる不織布、金属繊維を網目状に
交差させて形成したメッシュスクリーン、金属の微粉末
を焼結した多孔質体等、少なくともその表面が金属で構
成され、インキが通過する通路を有するものであれば何
でもよい。
【0127】なお、焼結シートは、不織布に比べて引張
強度が高く、また、メッシュスクリーンに比べて低コス
トであるので、インキ保持部材として用いるには特に好
適である。
強度が高く、また、メッシュスクリーンに比べて低コス
トであるので、インキ保持部材として用いるには特に好
適である。
【0128】図21は、本発明の第9の実施例に用いら
れる版胴47を、図22は、第9の実施例の変形例に用
いられる版胴48をそれぞれ示している。この第9の実
施例及び変形例は、第7の実施例と比較すると版胴43
に代えて版胴47または版胴48を用いる点においての
み相違し、他の構成は同一である。
れる版胴47を、図22は、第9の実施例の変形例に用
いられる版胴48をそれぞれ示している。この第9の実
施例及び変形例は、第7の実施例と比較すると版胴43
に代えて版胴47または版胴48を用いる点においての
み相違し、他の構成は同一である。
【0129】版胴47は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材30とから主に構成されており、版胴48は、多
孔性支持板1bとインキ保持部材31とから主に構成さ
れている。
持部材30とから主に構成されており、版胴48は、多
孔性支持板1bとインキ保持部材31とから主に構成さ
れている。
【0130】インキ保持部材30は、それぞれ繊維径の
異なる2種の合成樹脂繊維30a,30bからなり、合
成樹脂繊維30b間に合成樹脂繊維30aを2列ずつ配
置した不織布により、また、インキ保持部材31は、そ
れぞれ繊維径の異なる2種の合成樹脂繊維31a,31
bからなり、合成樹脂繊維31b間に合成樹脂繊維31
aを1列ずつ配置した不織布によりそれぞれ構成されて
いる。この実施例及び変形例では、合成樹脂繊維30
a,31aの繊維径をそれぞれ4μmに、また、合成樹
脂繊維30b,31bの繊維径をそれぞれ8μmに設定
しており、用いられる合成樹脂繊維の繊維径及び混抄比
は、マスタ27を巻装されるインキ保持部材30,31
の外表面の表面粗さを5〜45μmRz 、好ましくは5
〜35μmRz 、より好ましくは5〜25μmRz の範
囲内に設定し得るものより選択される。
異なる2種の合成樹脂繊維30a,30bからなり、合
成樹脂繊維30b間に合成樹脂繊維30aを2列ずつ配
置した不織布により、また、インキ保持部材31は、そ
れぞれ繊維径の異なる2種の合成樹脂繊維31a,31
bからなり、合成樹脂繊維31b間に合成樹脂繊維31
aを1列ずつ配置した不織布によりそれぞれ構成されて
いる。この実施例及び変形例では、合成樹脂繊維30
a,31aの繊維径をそれぞれ4μmに、また、合成樹
脂繊維30b,31bの繊維径をそれぞれ8μmに設定
しており、用いられる合成樹脂繊維の繊維径及び混抄比
は、マスタ27を巻装されるインキ保持部材30,31
の外表面の表面粗さを5〜45μmRz 、好ましくは5
〜35μmRz 、より好ましくは5〜25μmRz の範
囲内に設定し得るものより選択される。
【0131】また、用いられる合成樹脂繊維としては、
マスタ27を巻装されるインキ保持部材30,31の外
表面の繊維径が、1μm以上20μm以下、好ましくは
1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8
μm以下の範囲内のものより選択される。この実施例及
び変形例では、組み合わされる合成樹脂繊維を2種類と
したが、3種類以上であってもよい。
マスタ27を巻装されるインキ保持部材30,31の外
表面の繊維径が、1μm以上20μm以下、好ましくは
1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8
μm以下の範囲内のものより選択される。この実施例及
び変形例では、組み合わされる合成樹脂繊維を2種類と
したが、3種類以上であってもよい。
【0132】上述のインキ保持部材30またはインキ保
持部材31を用いることにより、太い繊維の間を細い繊
維で埋めることができ、版胴47,48の表面の凹凸L
(表面粗さRz )を小さくすることができる。
持部材31を用いることにより、太い繊維の間を細い繊
維で埋めることができ、版胴47,48の表面の凹凸L
(表面粗さRz )を小さくすることができる。
【0133】上記実施例及び変形例では、合成樹脂繊維
30a,30bからなる不織布によってインキ保持部材
30を、また、合成樹脂繊維31a,31bからなる不
織布によってインキ保持部材31を構成したが、各合成
樹脂繊維30a,30b,31a,31bからなる不織
布に代えて、第8の実施例で示した金属繊維からなる焼
結シート、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングし
たものからなる焼結シート、金属繊維からなる不織布や
メッシュスクリーン、表面に金属をコーティングした合
成樹脂繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、ある
いは、これらの焼結シート、不織布、メッシュスクリー
ンの金属繊維、金属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末
を分散させ、溶着または接着させてなるもの等を用いて
もよい。
30a,30bからなる不織布によってインキ保持部材
30を、また、合成樹脂繊維31a,31bからなる不
織布によってインキ保持部材31を構成したが、各合成
樹脂繊維30a,30b,31a,31bからなる不織
布に代えて、第8の実施例で示した金属繊維からなる焼
結シート、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングし
たものからなる焼結シート、金属繊維からなる不織布や
メッシュスクリーン、表面に金属をコーティングした合
成樹脂繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、ある
いは、これらの焼結シート、不織布、メッシュスクリー
ンの金属繊維、金属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末
を分散させ、溶着または接着させてなるもの等を用いて
もよい。
【0134】さらに、上記実施例の他の変形例として、
図32に示すように、太い合成樹脂繊維57aと細い合
成樹脂繊維57bとを千鳥状に配置した不織布からなる
インキ保持部材57と、多孔性支持板1bとから主に構
成される版胴58を用いてもよい。
図32に示すように、太い合成樹脂繊維57aと細い合
成樹脂繊維57bとを千鳥状に配置した不織布からなる
インキ保持部材57と、多孔性支持板1bとから主に構
成される版胴58を用いてもよい。
【0135】図23、図24は、本発明の第10の実施
例に用いられる版胴49と、本発明の第11の実施例に
用いられる版胴50とをそれぞれ示している。この第1
0及び第11の実施例は、第7の実施例と比較すると版
胴43に代えて版胴49または版胴50を用いる点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
例に用いられる版胴49と、本発明の第11の実施例に
用いられる版胴50とをそれぞれ示している。この第1
0及び第11の実施例は、第7の実施例と比較すると版
胴43に代えて版胴49または版胴50を用いる点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0136】版胴49は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材34とから主に構成されており、インキ保持部材
34は、同一の合成樹脂繊維34aを複数層重ね合わせ
た不織布で構成されている。
持部材34とから主に構成されており、インキ保持部材
34は、同一の合成樹脂繊維34aを複数層重ね合わせ
た不織布で構成されている。
【0137】インキ保持部材34は、複数層形成された
合成樹脂繊維34aの層が、熱可塑性樹脂フィルムのみ
からなるマスタ27側から多孔性支持板1b側に向かう
に従い、合成樹脂繊維34aの密度が低くなるように形
成されている。
合成樹脂繊維34aの層が、熱可塑性樹脂フィルムのみ
からなるマスタ27側から多孔性支持板1b側に向かう
に従い、合成樹脂繊維34aの密度が低くなるように形
成されている。
【0138】版胴50は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材35とから主に構成されており、インキ保持部材
35は、それぞれ繊維径の異なる合成樹脂繊維35a,
35b,35cを層状に重ね合わせた不織布で構成され
ている。
持部材35とから主に構成されており、インキ保持部材
35は、それぞれ繊維径の異なる合成樹脂繊維35a,
35b,35cを層状に重ね合わせた不織布で構成され
ている。
【0139】インキ保持部材35は、マスタ27側が最
も繊維径の小さい合成樹脂繊維35aの層から構成さ
れ、内側に向かうに従い合成樹脂繊維35bの層、合成
樹脂繊維35cの層と徐々に繊維径が大きい合成樹脂繊
維の層となるように構成されている。
も繊維径の小さい合成樹脂繊維35aの層から構成さ
れ、内側に向かうに従い合成樹脂繊維35bの層、合成
樹脂繊維35cの層と徐々に繊維径が大きい合成樹脂繊
維の層となるように構成されている。
【0140】すなわち、インキ保持部材34,35は、
マスタ27を巻装される外表面に向かうに連れて、空隙
が小さくなるように構成されている。
マスタ27を巻装される外表面に向かうに連れて、空隙
が小さくなるように構成されている。
【0141】上述の第10の実施例及び第11の実施例
に用いられるインキ保持部材34,35は、マスタ27
を巻装される側のそれぞれの外表面の表面粗さが5〜4
5μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好まし
くは5〜25μmRz の範囲内のものが用いられる。
に用いられるインキ保持部材34,35は、マスタ27
を巻装される側のそれぞれの外表面の表面粗さが5〜4
5μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好まし
くは5〜25μmRz の範囲内のものが用いられる。
【0142】また、用いられる各合成樹脂繊維34a,
35aとしては、少なくともマスタ27を巻装されるイ
ンキ保持部材34,35の外表面の繊維径が、1μm以
上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、
より好ましくは1μm以上8μm以下の範囲内のものが
用いられる。
35aとしては、少なくともマスタ27を巻装されるイ
ンキ保持部材34,35の外表面の繊維径が、1μm以
上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、
より好ましくは1μm以上8μm以下の範囲内のものが
用いられる。
【0143】上記各実施例では、各インキ保持部材3
4,35を構成する各合成樹脂繊維34a,35a,3
5b,35cの層を3層としたが、2層以上であれば何
層でもよい。
4,35を構成する各合成樹脂繊維34a,35a,3
5b,35cの層を3層としたが、2層以上であれば何
層でもよい。
【0144】また、各インキ保持部材34,35をそれ
ぞれ構成する各合成樹脂繊維34a,35a,35b,
35cの各層は、一体構造または積層構造(個々を重ね
合わせた構造)でもよい。このように、それぞれ異なる
大きさの空隙を有するインキ保持部材を複数用意し、こ
れらを版胴の外周面に向かうに連れて空隙が小さくなる
ように積層配置して、これをインキ保持部材とすること
ができる。
ぞれ構成する各合成樹脂繊維34a,35a,35b,
35cの各層は、一体構造または積層構造(個々を重ね
合わせた構造)でもよい。このように、それぞれ異なる
大きさの空隙を有するインキ保持部材を複数用意し、こ
れらを版胴の外周面に向かうに連れて空隙が小さくなる
ように積層配置して、これをインキ保持部材とすること
ができる。
【0145】上述のインキ保持部材34またはインキ保
持部材35を用いることにより、インキの流路に沿っ
て、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好であ
り最終では空隙が小さく凹凸Lの少ないインキ保持部材
34,35とすることができる。
持部材35を用いることにより、インキの流路に沿っ
て、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好であ
り最終では空隙が小さく凹凸Lの少ないインキ保持部材
34,35とすることができる。
【0146】上記各実施例では、合成樹脂繊維34aか
らなる不織布によってインキ保持部材34を、また、合
成樹脂繊維35a,35b,35cからなる不織布によ
ってインキ保持部材35を構成したが、各合成樹脂繊維
34a,35a,35b,35cからなる不織布に代え
て、第8の実施例で示した金属繊維からなる焼結シー
ト、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングしたもの
からなる焼結シート、金属繊維からなる不織布やメッシ
ュスクリーン、表面に金属をコーティングした合成樹脂
繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、これらの焼
結シート、不織布、メッシュスクリーンの金属繊維、金
属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着
または接着させてなるもの、金属の微粉末を焼結した多
孔質体等、その表面が少なくとも金属で構成された多孔
性支持体を用いてもよい。また、多孔性支持体として
は、第1の実施例中で述べた連続気泡を有する多孔質弾
性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよ
い。
らなる不織布によってインキ保持部材34を、また、合
成樹脂繊維35a,35b,35cからなる不織布によ
ってインキ保持部材35を構成したが、各合成樹脂繊維
34a,35a,35b,35cからなる不織布に代え
て、第8の実施例で示した金属繊維からなる焼結シー
ト、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングしたもの
からなる焼結シート、金属繊維からなる不織布やメッシ
ュスクリーン、表面に金属をコーティングした合成樹脂
繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、これらの焼
結シート、不織布、メッシュスクリーンの金属繊維、金
属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着
または接着させてなるもの、金属の微粉末を焼結した多
孔質体等、その表面が少なくとも金属で構成された多孔
性支持体を用いてもよい。また、多孔性支持体として
は、第1の実施例中で述べた連続気泡を有する多孔質弾
性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよ
い。
【0147】図25は、本発明の第12の実施例に用い
られる版胴53を示している。この第12の実施例は、
第7の実施例と比較すると版胴43に代えて版胴53を
用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
られる版胴53を示している。この第12の実施例は、
第7の実施例と比較すると版胴43に代えて版胴53を
用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0148】版胴53は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材38とから主に構成されており、インキ保持部材
38は、繊維部材38cより主に構成されている。イン
キ保持部材38には、インキ流入側の孔38a及びイン
キ流出側の孔38bと、インキ流入側の孔38aから流
入したインキ19が、版胴53の外周面に対する垂線
S、すなわちインキ流出側の孔38bの開口を有する面
に対する垂線Sから少なくとも1回ずれた後に、インキ
流出側の孔38bから流出するインキ通路38dが形成
されている。
持部材38とから主に構成されており、インキ保持部材
38は、繊維部材38cより主に構成されている。イン
キ保持部材38には、インキ流入側の孔38a及びイン
キ流出側の孔38bと、インキ流入側の孔38aから流
入したインキ19が、版胴53の外周面に対する垂線
S、すなわちインキ流出側の孔38bの開口を有する面
に対する垂線Sから少なくとも1回ずれた後に、インキ
流出側の孔38bから流出するインキ通路38dが形成
されている。
【0149】インキ通路38dは、インキ流入側の孔3
8aから流入したインキの実質的に全量が、垂線S上に
存在する繊維部材38cにより流下を妨げられ、垂線S
に沿って流下しないように構成されている。換言する
と、インキ通路38dは、インキ流入側の孔38aから
流入したインキの実質的に全量が、繊維部材38cによ
ってその流下を妨げられることにより、一旦インキ流入
側の孔38aの垂直下方より外方へ流出し、その後、イ
ンキ流出側の孔38bへ向かって流下するように構成さ
れている。
8aから流入したインキの実質的に全量が、垂線S上に
存在する繊維部材38cにより流下を妨げられ、垂線S
に沿って流下しないように構成されている。換言する
と、インキ通路38dは、インキ流入側の孔38aから
流入したインキの実質的に全量が、繊維部材38cによ
ってその流下を妨げられることにより、一旦インキ流入
側の孔38aの垂直下方より外方へ流出し、その後、イ
ンキ流出側の孔38bへ向かって流下するように構成さ
れている。
【0150】印刷用紙18がマスタ27の表面から引き
剥がされるときに、孔38bの天井部38eとインキ1
9との間にはインキ19の粘着力が働き、インキ保持部
材38から引き出されるインキ19の量が低減される。
剥がされるときに、孔38bの天井部38eとインキ1
9との間にはインキ19の粘着力が働き、インキ保持部
材38から引き出されるインキ19の量が低減される。
【0151】ここで、上述の如きインキ通路38dがイ
ンキ保持部材38に形成されたかどうかを判断する方法
について述べる。先ず、図26に示すように、インキ保
持部材38の裏面にインキ保持部材38とは異なる色の
用紙37を貼り付ける。次に、インキ保持部材38側か
ら光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察
し、繊維部材38c間から用紙37が見えなければ、イ
ンキ通路38dが形成されていると判断できる。
ンキ保持部材38に形成されたかどうかを判断する方法
について述べる。先ず、図26に示すように、インキ保
持部材38の裏面にインキ保持部材38とは異なる色の
用紙37を貼り付ける。次に、インキ保持部材38側か
ら光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察
し、繊維部材38c間から用紙37が見えなければ、イ
ンキ通路38dが形成されていると判断できる。
【0152】また、第6の実施例における多孔性支持体
36aと同様に、インキ保持部材38の一方の面からイ
ンキ保持部材38に対して垂直な平行光線を照射し、イ
ンキ保持部材38の他方の面に到達する光を光量計で測
定しても判断することができる。
36aと同様に、インキ保持部材38の一方の面からイ
ンキ保持部材38に対して垂直な平行光線を照射し、イ
ンキ保持部材38の他方の面に到達する光を光量計で測
定しても判断することができる。
【0153】上記実施例の変形例として、図27に示す
ように、インキ保持部材38に代えて、繊維部材38c
と同様の繊維部材42aを3層以上有するインキ保持部
材42を用いてもよい。
ように、インキ保持部材38に代えて、繊維部材38c
と同様の繊維部材42aを3層以上有するインキ保持部
材42を用いてもよい。
【0154】上記実施例及び変形例において、インキ保
持部材38,42は、熱可塑性樹脂フィルムのみからな
るマスタ27を巻装される側の外表面の表面粗さを5〜
45μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ま
しくは5〜25μmRz に設定されている。また、繊維
部材38c,42aとしては、マスタ27を巻装される
インキ保持部材38,42の外表面の繊維径が、1μm
以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以
下、より好ましくは1μm以上8μm以下の範囲内であ
るものが用いられる。また、上記実施例及び変形例にお
いて、繊維部材38c,42aに代えて2種類以上の繊
維径の異なる繊維部材を用いてもよい。
持部材38,42は、熱可塑性樹脂フィルムのみからな
るマスタ27を巻装される側の外表面の表面粗さを5〜
45μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ま
しくは5〜25μmRz に設定されている。また、繊維
部材38c,42aとしては、マスタ27を巻装される
インキ保持部材38,42の外表面の繊維径が、1μm
以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以
下、より好ましくは1μm以上8μm以下の範囲内であ
るものが用いられる。また、上記実施例及び変形例にお
いて、繊維部材38c,42aに代えて2種類以上の繊
維径の異なる繊維部材を用いてもよい。
【0155】さらに、上記実施例及び変形例において、
第10の実施例または第11の実施例と同様に、インキ
保持部材38,42の密度、あるいは繊維部材38c,
42aの繊維径を変化させ、マスタ27を巻装される外
表面に向かうに連れてインキ保持部材38,42の空隙
を小さくしてもよく、また、金属からなる繊維部材や金
属をコーティングした繊維部材からなる不織布、焼結シ
ート及びメッシュスクリーン、あるいは金属の微粉末を
焼結した多孔質体等、その表面が少なくとも金属で形成
されたインキ保持部材を用いてもよい。また、インキ保
持部材としては、第1の実施例中で述べた連続気泡を有
する多孔質弾性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を
用いてもよい。
第10の実施例または第11の実施例と同様に、インキ
保持部材38,42の密度、あるいは繊維部材38c,
42aの繊維径を変化させ、マスタ27を巻装される外
表面に向かうに連れてインキ保持部材38,42の空隙
を小さくしてもよく、また、金属からなる繊維部材や金
属をコーティングした繊維部材からなる不織布、焼結シ
ート及びメッシュスクリーン、あるいは金属の微粉末を
焼結した多孔質体等、その表面が少なくとも金属で形成
されたインキ保持部材を用いてもよい。また、インキ保
持部材としては、第1の実施例中で述べた連続気泡を有
する多孔質弾性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を
用いてもよい。
【0156】図28は、本発明の第13の実施例に用い
られる版胴44とマスタ41とをそれぞれ示している。
この第13の実施例は、第7の実施例と比較すると、マ
スタ27に代えて多孔性支持体41aと熱可塑性樹脂フ
ィルム41bとからなるマスタ41を用いた点と、版胴
43に代えて版胴44を用いた点においてのみ相違し、
他の構成は同一である。
られる版胴44とマスタ41とをそれぞれ示している。
この第13の実施例は、第7の実施例と比較すると、マ
スタ27に代えて多孔性支持体41aと熱可塑性樹脂フ
ィルム41bとからなるマスタ41を用いた点と、版胴
43に代えて版胴44を用いた点においてのみ相違し、
他の構成は同一である。
【0157】版胴44は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材40とから主に構成されており、インキ保持部材
40は、インキ保持部材26と同様に、不織布、メッシ
ュスクリーン、焼結シート、多孔質弾性体等によって構
成されている。
持部材40とから主に構成されており、インキ保持部材
40は、インキ保持部材26と同様に、不織布、メッシ
ュスクリーン、焼結シート、多孔質弾性体等によって構
成されている。
【0158】この実施例に用いられるマスタ41は、テ
トロン、ナイロン、レーヨン、ビニロン、ポリエステル
等の合成樹脂繊維41cからなる不織布で形成した多孔
性支持体41aと、ポリエステルフィルム等の熱可塑性
樹脂フィルム41bとを接着等によって貼り合わせた構
成となっている。なお、多孔性支持体41aは、楮、三
椏、マニラ麻、亜麻等の天然繊維からなる多孔性薄葉
紙、天然繊維と合成樹脂繊維とを混抄してなる不織布、
テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維からなるメッシュ
スクリーン、あるいは合成樹脂繊維や金属繊維からなる
焼結シート等から構成してもよい。
トロン、ナイロン、レーヨン、ビニロン、ポリエステル
等の合成樹脂繊維41cからなる不織布で形成した多孔
性支持体41aと、ポリエステルフィルム等の熱可塑性
樹脂フィルム41bとを接着等によって貼り合わせた構
成となっている。なお、多孔性支持体41aは、楮、三
椏、マニラ麻、亜麻等の天然繊維からなる多孔性薄葉
紙、天然繊維と合成樹脂繊維とを混抄してなる不織布、
テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維からなるメッシュ
スクリーン、あるいは合成樹脂繊維や金属繊維からなる
焼結シート等から構成してもよい。
【0159】裏写りを防止することは、第7の実施例よ
り、インキ保持部材の表面粗さに関係することがわか
る。これから、インキ保持部材40と熱可塑性樹脂フィ
ルム41bとの間に多孔性支持体41aが介在する場合
であって、後述するように多孔性支持体41aにインキ
の流動方向を変化させずにストレートに流出させる部分
が多く存在し、さらに、そのストレートに流出させる部
分の開孔径41dの大きさが熱可塑性樹脂フィルム41
bに形成される穿孔部8d(図4参照)よりも大きい場
合には、インキ保持部材40の表面粗さは、熱可塑性樹
脂フィルム41bの内面からインキ保持部材40の外表
面凹部までの距離L’と考えることができる。従って、
裏写りを防止するには、距離L’を5μm以上45μm
以下とする必要がある。
り、インキ保持部材の表面粗さに関係することがわか
る。これから、インキ保持部材40と熱可塑性樹脂フィ
ルム41bとの間に多孔性支持体41aが介在する場合
であって、後述するように多孔性支持体41aにインキ
の流動方向を変化させずにストレートに流出させる部分
が多く存在し、さらに、そのストレートに流出させる部
分の開孔径41dの大きさが熱可塑性樹脂フィルム41
bに形成される穿孔部8d(図4参照)よりも大きい場
合には、インキ保持部材40の表面粗さは、熱可塑性樹
脂フィルム41bの内面からインキ保持部材40の外表
面凹部までの距離L’と考えることができる。従って、
裏写りを防止するには、距離L’を5μm以上45μm
以下とする必要がある。
【0160】この実施例では、熱可塑性樹脂フィルム4
1bとインキ保持部材40との間に多孔性支持体41a
が介在する。従って、裏写りの発生を防止するには、多
孔性支持体41aの厚さとインキ保持部材40の表面粗
さとの和が、5μm以上45μm以下となるように構成
する必要がある。例えば、多孔性支持体41aの厚さが
20μmであったら、インキ保持部材40の表面粗さは
25μmRz 以下となる。なお、多孔性支持体41aの
厚さとインキ保持部材40の表面粗さとの和は、好まし
くは5μm以上35μm以下、より好ましくは5μm以
上25μm以下の範囲内である。
1bとインキ保持部材40との間に多孔性支持体41a
が介在する。従って、裏写りの発生を防止するには、多
孔性支持体41aの厚さとインキ保持部材40の表面粗
さとの和が、5μm以上45μm以下となるように構成
する必要がある。例えば、多孔性支持体41aの厚さが
20μmであったら、インキ保持部材40の表面粗さは
25μmRz 以下となる。なお、多孔性支持体41aの
厚さとインキ保持部材40の表面粗さとの和は、好まし
くは5μm以上35μm以下、より好ましくは5μm以
上25μm以下の範囲内である。
【0161】本実施例における多孔性支持体41aと第
1の実施例における多孔性支持体8cとを比較すると、
多孔性支持体41aには、インキの流動方向を変化させ
ずにストレートに流出させる部分が多く存在し、さら
に、ストレートに流出させる部分の開孔径41dの大き
さが熱可塑性樹脂フィルム41bに形成される穿孔部8
dよりも大きいため、インキが多孔性支持体41aの内
部を通過し易くなり、インキはインキ保持部材40の表
面で切れるのに対し、多孔性支持体8cはインキの流動
方向を変化させる流路が多いため、インキが多孔性支持
体8cの表面で切れる。従って、第1の実施例では、裏
写りの発生は多孔性支持体8cの表面粗さに関係する
が、本実施例では、裏写りの発生は多孔性支持体41a
の厚さとインキ保持部材40の表面粗さとの和に関係す
るのである。
1の実施例における多孔性支持体8cとを比較すると、
多孔性支持体41aには、インキの流動方向を変化させ
ずにストレートに流出させる部分が多く存在し、さら
に、ストレートに流出させる部分の開孔径41dの大き
さが熱可塑性樹脂フィルム41bに形成される穿孔部8
dよりも大きいため、インキが多孔性支持体41aの内
部を通過し易くなり、インキはインキ保持部材40の表
面で切れるのに対し、多孔性支持体8cはインキの流動
方向を変化させる流路が多いため、インキが多孔性支持
体8cの表面で切れる。従って、第1の実施例では、裏
写りの発生は多孔性支持体8cの表面粗さに関係する
が、本実施例では、裏写りの発生は多孔性支持体41a
の厚さとインキ保持部材40の表面粗さとの和に関係す
るのである。
【0162】上記実施例において、インキ保持部材40
に代えて、2種類以上の繊維径の異なる繊維部材からな
る不織布によって構成されたインキ保持部材を用いても
よい。また、インキ保持部材40の密度、あるいはイン
キ保持部材40を構成する繊維部材の繊維径を変化さ
せ、マスタ41を巻装される外周面に向かうに連れてイ
ンキ保持部材40の空隙を小さくしてもよく、インキ保
持部材40に代えて、金属からなる繊維部材や金属をコ
ーティングした繊維部材からなる不織布、焼結シート及
びメッシュスクリーン、あるいは金属の微粉末を焼結し
た多孔質体等、その表面が少なくとも金属で形成された
インキ保持部材を用いてもよい。さらに、インキ保持部
材40に代えて、第12の実施例及びその変形例に示し
たインキ保持部材38,42と同様のインキ通路を有す
るインキ保持部材を用いてもよい。また、インキ保持部
材としては、第1の実施例中で述べた連続気泡を有する
多孔質弾性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用い
てもよい。
に代えて、2種類以上の繊維径の異なる繊維部材からな
る不織布によって構成されたインキ保持部材を用いても
よい。また、インキ保持部材40の密度、あるいはイン
キ保持部材40を構成する繊維部材の繊維径を変化さ
せ、マスタ41を巻装される外周面に向かうに連れてイ
ンキ保持部材40の空隙を小さくしてもよく、インキ保
持部材40に代えて、金属からなる繊維部材や金属をコ
ーティングした繊維部材からなる不織布、焼結シート及
びメッシュスクリーン、あるいは金属の微粉末を焼結し
た多孔質体等、その表面が少なくとも金属で形成された
インキ保持部材を用いてもよい。さらに、インキ保持部
材40に代えて、第12の実施例及びその変形例に示し
たインキ保持部材38,42と同様のインキ通路を有す
るインキ保持部材を用いてもよい。また、インキ保持部
材としては、第1の実施例中で述べた連続気泡を有する
多孔質弾性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用い
てもよい。
【0163】図29、図30は、本発明の第14の実施
例に用いられる版胴51と、本発明の第15の実施例に
用いられる版胴52とをそれぞれ示している。この第1
4及び第15の実施例は、第7の実施例と比較すると版
胴43に代えて版胴51または版胴52を用いる点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
例に用いられる版胴51と、本発明の第15の実施例に
用いられる版胴52とをそれぞれ示している。この第1
4及び第15の実施例は、第7の実施例と比較すると版
胴43に代えて版胴51または版胴52を用いる点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0164】版胴51は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材32とから主に構成されており、インキ保持部材
32は、同一の合成樹脂繊維32aを複数層重ね合わせ
た不織布からなるインキ保持部材32bを2層重ね合わ
せることにより構成されている。
持部材32とから主に構成されており、インキ保持部材
32は、同一の合成樹脂繊維32aを複数層重ね合わせ
た不織布からなるインキ保持部材32bを2層重ね合わ
せることにより構成されている。
【0165】インキ保持部材32bは、複数層形成され
た合成樹脂繊維32aの層が、マスタ27側から多孔性
支持板1b側に向かうに従い、合成樹脂繊維32aの密
度が低くなるように形成されている。
た合成樹脂繊維32aの層が、マスタ27側から多孔性
支持板1b側に向かうに従い、合成樹脂繊維32aの密
度が低くなるように形成されている。
【0166】版胴52は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材33とから主に構成されており、インキ保持部材
33は、それぞれ繊維径の異なる合成樹脂繊維33a,
33b,33cを層状に重ね合わせて不織布であるイン
キ保持部材33dを構成し、このインキ保持部材33d
を2層重ね合わせることにより構成されている。
持部材33とから主に構成されており、インキ保持部材
33は、それぞれ繊維径の異なる合成樹脂繊維33a,
33b,33cを層状に重ね合わせて不織布であるイン
キ保持部材33dを構成し、このインキ保持部材33d
を2層重ね合わせることにより構成されている。
【0167】インキ保持部材33dは、マスタ27側が
最も繊維径の小さい合成樹脂繊維33aの層から構成さ
れ、内側に向かうに従い合成樹脂繊維33bの層、合成
樹脂繊維33cの層と徐々に繊維径が大きい合成樹脂繊
維の層となるように構成されている。
最も繊維径の小さい合成樹脂繊維33aの層から構成さ
れ、内側に向かうに従い合成樹脂繊維33bの層、合成
樹脂繊維33cの層と徐々に繊維径が大きい合成樹脂繊
維の層となるように構成されている。
【0168】すなわち、インキ保持部材32b,33d
は、マスタ27を巻装される外表面に向かうに連れて空
隙が小さくなるように構成されている。
は、マスタ27を巻装される外表面に向かうに連れて空
隙が小さくなるように構成されている。
【0169】上述の第14、第15の実施例に用いられ
るインキ保持部材32b,33dを構成する各合成樹脂
繊維32a,33aとしては、少なくともマスタ27を
巻装されるインキ保持部材32b,33dの外表面の繊
維径が、1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以
上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下
の範囲内であるものが用いられる。
るインキ保持部材32b,33dを構成する各合成樹脂
繊維32a,33aとしては、少なくともマスタ27を
巻装されるインキ保持部材32b,33dの外表面の繊
維径が、1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以
上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下
の範囲内であるものが用いられる。
【0170】上記実施例では、各インキ保持部材32
b,33dを構成する各合成樹脂繊維32a,33a,
33b,33cの層を3層としたが、2層以上であれば
何層でもよい。また、上記各実施例では、各インキ保持
部材32b,33dをそれぞれ2層ずつ重ね合わせてイ
ンキ保持部材32,33を構成したが、各インキ保持部
材32b,33dを2層以上であれば何層重ね合わせて
インキ保持部材32,33を構成してもよい。
b,33dを構成する各合成樹脂繊維32a,33a,
33b,33cの層を3層としたが、2層以上であれば
何層でもよい。また、上記各実施例では、各インキ保持
部材32b,33dをそれぞれ2層ずつ重ね合わせてイ
ンキ保持部材32,33を構成したが、各インキ保持部
材32b,33dを2層以上であれば何層重ね合わせて
インキ保持部材32,33を構成してもよい。
【0171】また、インキ保持部材32,33におい
て、第12の実施例と同様に、インキ流入側の孔から流
入したインキが、版胴51,52の外周面に対する垂線
から少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔から
流出するインキ通路を形成させてもよい。
て、第12の実施例と同様に、インキ流入側の孔から流
入したインキが、版胴51,52の外周面に対する垂線
から少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔から
流出するインキ通路を形成させてもよい。
【0172】上述のインキ保持部材32またはインキ保
持部材33を用いることにより、インキの流路に沿っ
て、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好であ
り最終では空隙が小さく凹凸Lの少ないインキ保持部材
32,33とすることができる。
持部材33を用いることにより、インキの流路に沿っ
て、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好であ
り最終では空隙が小さく凹凸Lの少ないインキ保持部材
32,33とすることができる。
【0173】上記各実施例では、合成樹脂繊維32aか
らなる不織布によってインキ保持部材32を、また、合
成樹脂繊維33a,33b,33cからなる不織布によ
ってインキ保持部材33を構成したが、各合成樹脂繊維
32a,33a,33b,33cからなる不織布に代え
て、第8の実施例で示した金属繊維からなる焼結シー
ト、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングしたもの
からなる焼結シート、金属繊維からなる不織布やメッシ
ュスクリーン、表面に金属をコーティングした合成樹脂
繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、これらの焼
結シート、不織布、メッシュスクリーンの金属繊維、金
属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着
または接着させてなるもの、金属の微粉末を焼結した多
孔質体等、その表面が少なくとも金属で構成された多孔
性支持体を用いてもよい。また、多孔性支持体として
は、第1の実施例中で述べた連続気泡を有する多孔質弾
性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよ
い。
らなる不織布によってインキ保持部材32を、また、合
成樹脂繊維33a,33b,33cからなる不織布によ
ってインキ保持部材33を構成したが、各合成樹脂繊維
32a,33a,33b,33cからなる不織布に代え
て、第8の実施例で示した金属繊維からなる焼結シー
ト、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングしたもの
からなる焼結シート、金属繊維からなる不織布やメッシ
ュスクリーン、表面に金属をコーティングした合成樹脂
繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、これらの焼
結シート、不織布、メッシュスクリーンの金属繊維、金
属表面繊維間に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着
または接着させてなるもの、金属の微粉末を焼結した多
孔質体等、その表面が少なくとも金属で構成された多孔
性支持体を用いてもよい。また、多孔性支持体として
は、第1の実施例中で述べた連続気泡を有する多孔質弾
性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよ
い。
【0174】第7ないし第15の実施例で用いた各版胴
は、それぞれ多孔性支持板1bと各インキ保持部材とか
ら構成されているが、例えば特開平1−204781号
公報、あるいは特開昭59−218889号公報に開示
されているように、多孔性支持板1bを省略して円筒状
に形成されたインキ保持部材のみを具備してなるもので
あってもよい。この場合、円筒状に形成され、孔版印刷
装置の内部に収められているものを版胴と呼び、シート
状のものをインキ保持部材という。
は、それぞれ多孔性支持板1bと各インキ保持部材とか
ら構成されているが、例えば特開平1−204781号
公報、あるいは特開昭59−218889号公報に開示
されているように、多孔性支持板1bを省略して円筒状
に形成されたインキ保持部材のみを具備してなるもので
あってもよい。この場合、円筒状に形成され、孔版印刷
装置の内部に収められているものを版胴と呼び、シート
状のものをインキ保持部材という。
【0175】さらに、第7ないし第15の実施例におい
て、各版胴の多孔性支持体1bとインキ保持部材との間
に、メッシュスクリーンや不織布等のインキ保持層を介
在させてもよい。
て、各版胴の多孔性支持体1bとインキ保持部材との間
に、メッシュスクリーンや不織布等のインキ保持層を介
在させてもよい。
【0176】なお、上記各実施例において用いられる熱
可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタとは、マスタが
熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性
樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有させてな
るもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの表面及び裏面
のうちの少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜
層を1層または複数層形成してなるものを含む。
可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタとは、マスタが
熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性
樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有させてな
るもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの表面及び裏面
のうちの少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜
層を1層または複数層形成してなるものを含む。
【0177】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明によれば、多孔
性支持体の、熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面
粗さを5〜45μmRz、好ましくは5〜35μmR
z、より好ましくは5〜25μmRzとすることによ
り、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部の上方にあって、イ
ンキの存在する多孔性支持体の空隙を小さくし、穿孔部
を介して多孔性支持体から引き出されるインキ量を低減
している。これにより、印刷時において、熱可塑性樹脂
フィルムの穿孔部より引き出されるインキ量が適正な量
となり、浸透乾燥に要する時間が短縮され、裏写りの発
生を防止できると共に良好な画像を得ることができる。
さらに、インキ流入側の孔から流入したインキが、熱可
塑性樹脂フィルム面に対する垂線から少なくとも1回ず
れた後にインキ流出側の孔から流出するインキ通路を形
成された多孔性支持体を有するマスタを用いることによ
り、多孔性支持体の内部から熱可塑性樹脂フィルムの穿
孔部を介して引き出されるインキ量が少量となり、印刷
用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏
写りが減少する。
性支持体の、熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面
粗さを5〜45μmRz、好ましくは5〜35μmR
z、より好ましくは5〜25μmRzとすることによ
り、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部の上方にあって、イ
ンキの存在する多孔性支持体の空隙を小さくし、穿孔部
を介して多孔性支持体から引き出されるインキ量を低減
している。これにより、印刷時において、熱可塑性樹脂
フィルムの穿孔部より引き出されるインキ量が適正な量
となり、浸透乾燥に要する時間が短縮され、裏写りの発
生を防止できると共に良好な画像を得ることができる。
さらに、インキ流入側の孔から流入したインキが、熱可
塑性樹脂フィルム面に対する垂線から少なくとも1回ず
れた後にインキ流出側の孔から流出するインキ通路を形
成された多孔性支持体を有するマスタを用いることによ
り、多孔性支持体の内部から熱可塑性樹脂フィルムの穿
孔部を介して引き出されるインキ量が少量となり、印刷
用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われ、裏
写りが減少する。
【0178】請求項2記載の発明によれば、繊維径の異
なる2種類以上の繊維を組み合わせて多孔性支持体を構
成することにより、太い繊維間を細い繊維で埋めること
で多孔性支持体の表面粗さを小さくすることができ、印
刷時において、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部より引き
出されるインキ量が適正な量となり、浸透乾燥に要する
時間が短縮され、裏写りの発生を防止できると共に良好
な画像を得ることができる。また、太い繊維径を有する
多孔性支持体を使用できるので、マスタの強度が向上
し、マスタの切れや伸びを防止することができる。
なる2種類以上の繊維を組み合わせて多孔性支持体を構
成することにより、太い繊維間を細い繊維で埋めること
で多孔性支持体の表面粗さを小さくすることができ、印
刷時において、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部より引き
出されるインキ量が適正な量となり、浸透乾燥に要する
時間が短縮され、裏写りの発生を防止できると共に良好
な画像を得ることができる。また、太い繊維径を有する
多孔性支持体を使用できるので、マスタの強度が向上
し、マスタの切れや伸びを防止することができる。
【0179】請求項3記載の発明によれば、熱可塑性樹
脂フィルムと当接しない側から熱可塑性樹脂フィルムと
当接する側に向かうに連れて、その空隙が小さくなるよ
うに構成した多孔性支持体を有するマスタを用いること
により、インキ通路に沿って、最初はインキの供給・拡
散を良好に行い、最終では引き出されるインキ量を適正
化することができ、浸透乾燥に要する時間が短縮される
ため、裏写りの発生を防止できると共に良好な画像を得
ることができる。また、このように構成された多孔性支
持体を有するマスタを用いることにより、通常版胴の外
周面に巻装されているインキ保持層の役割を多孔性支持
体が担うため、インキ保持層を用いなくとも良好な画像
を得ることができ、コストを低減させることができる。
脂フィルムと当接しない側から熱可塑性樹脂フィルムと
当接する側に向かうに連れて、その空隙が小さくなるよ
うに構成した多孔性支持体を有するマスタを用いること
により、インキ通路に沿って、最初はインキの供給・拡
散を良好に行い、最終では引き出されるインキ量を適正
化することができ、浸透乾燥に要する時間が短縮される
ため、裏写りの発生を防止できると共に良好な画像を得
ることができる。また、このように構成された多孔性支
持体を有するマスタを用いることにより、通常版胴の外
周面に巻装されているインキ保持層の役割を多孔性支持
体が担うため、インキ保持層を用いなくとも良好な画像
を得ることができ、コストを低減させることができる。
【0180】請求項4記載の発明によれば、少なくとも
その表面が金属で構成されている多孔性支持体を有する
マスタを用いることにより、高エネルギー表面である金
属によってその表面を構成された多孔性支持体とインキ
との接着力が高くなり、多孔性支持体の内部からインキ
が引き出されにくくなると共に、多孔性支持体が高弾性
であり、押圧部材による加圧時において多孔性支持体が
圧縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときには多
孔性支持体が復元することにより、多孔性支持体の内部
にインキを吸い戻すため、余分なインキを印刷用紙に転
移することが防止され、裏写りの発生を防止できると共
に良好な画像を得ることができる。さらに、多孔性支持
体の強度が高いので、長時間の使用によるへたりが少な
く、また、インキによる腐食を防止することができ、耐
久性がよく大量印刷に適したマスタを提供することがで
きる。
その表面が金属で構成されている多孔性支持体を有する
マスタを用いることにより、高エネルギー表面である金
属によってその表面を構成された多孔性支持体とインキ
との接着力が高くなり、多孔性支持体の内部からインキ
が引き出されにくくなると共に、多孔性支持体が高弾性
であり、押圧部材による加圧時において多孔性支持体が
圧縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときには多
孔性支持体が復元することにより、多孔性支持体の内部
にインキを吸い戻すため、余分なインキを印刷用紙に転
移することが防止され、裏写りの発生を防止できると共
に良好な画像を得ることができる。さらに、多孔性支持
体の強度が高いので、長時間の使用によるへたりが少な
く、また、インキによる腐食を防止することができ、耐
久性がよく大量印刷に適したマスタを提供することがで
きる。
【0181】請求項5記載の発明によれば、多孔性支持
体の、熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面の繊維
径を1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上1
5μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下とす
ることにより、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部の上方に
あって、インキの存在する多孔性支持体の空隙を小さく
し、穿孔部を介して多孔性支持体から引き出されるイン
キ量を低減している。これにより、印刷時において、熱
可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介して多孔性支持体の内
部より引き出されるインキ量が適正な量となり、浸透乾
燥に要する時間が短縮され、裏写りを発生することなく
良好な画像を得ることができる。さらに、インキ流入側
の孔から流入したインキが、熱可塑性樹脂フィルム面に
対する垂線から少なくとも1回ずれた後にインキ流出側
の孔から流出するインキ通路を形成された多孔性支持体
を有するマスタを用いることにより、多孔性支持体の内
部から熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介して引き出さ
れるインキ量が少量となり、印刷用紙に転移したインキ
の浸透乾燥が短時間で行われ、裏写りが減少する。
体の、熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面の繊維
径を1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上1
5μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下とす
ることにより、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部の上方に
あって、インキの存在する多孔性支持体の空隙を小さく
し、穿孔部を介して多孔性支持体から引き出されるイン
キ量を低減している。これにより、印刷時において、熱
可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介して多孔性支持体の内
部より引き出されるインキ量が適正な量となり、浸透乾
燥に要する時間が短縮され、裏写りを発生することなく
良好な画像を得ることができる。さらに、インキ流入側
の孔から流入したインキが、熱可塑性樹脂フィルム面に
対する垂線から少なくとも1回ずれた後にインキ流出側
の孔から流出するインキ通路を形成された多孔性支持体
を有するマスタを用いることにより、多孔性支持体の内
部から熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介して引き出さ
れるインキ量が少量となり、印刷用紙に転移したインキ
の浸透乾燥が短時間で行われ、裏写りが減少する。
【0182】請求項6記載の発明によれば、繊維径の異
なる2種類以上の繊維を組み合わせて多孔性支持体を構
成することにより、太い繊維間を細い繊維で埋めること
で多孔性支持体の表面粗さを小さくすることができ、印
刷時において、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介して
多孔性支持体の内部より引き出されるインキ量が適正化
され、浸透乾燥に要する時間が短縮されるため、裏写り
の発生を防止できると共に良好な画像を得ることができ
る。
なる2種類以上の繊維を組み合わせて多孔性支持体を構
成することにより、太い繊維間を細い繊維で埋めること
で多孔性支持体の表面粗さを小さくすることができ、印
刷時において、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介して
多孔性支持体の内部より引き出されるインキ量が適正化
され、浸透乾燥に要する時間が短縮されるため、裏写り
の発生を防止できると共に良好な画像を得ることができ
る。
【0183】請求項7記載の発明によれば、熱可塑性樹
脂フィルムと当接しない側から熱可塑性樹脂フィルムと
当接する側に向かうに連れて、その空隙が小さくなるよ
うに構成された多孔性支持体を有するマスタを用いるこ
とにより、インキ通路に沿って、最初はインキの供給・
拡散を良好に行い、最終では引き出されるインキ量を適
正化することができ、浸透乾燥に要する時間が短縮され
るため、裏写りの発生を防止できると共に良好な画像を
得ることができる。また、このように構成された多孔性
支持体を有するマスタを用いることにより、通常版胴の
外周面に巻装されているインキ保持層の役割を多孔性支
持体が担うため、インキ保持層を用いなくとも良好な画
像を得ることができ、コストを低減させることができ
る。
脂フィルムと当接しない側から熱可塑性樹脂フィルムと
当接する側に向かうに連れて、その空隙が小さくなるよ
うに構成された多孔性支持体を有するマスタを用いるこ
とにより、インキ通路に沿って、最初はインキの供給・
拡散を良好に行い、最終では引き出されるインキ量を適
正化することができ、浸透乾燥に要する時間が短縮され
るため、裏写りの発生を防止できると共に良好な画像を
得ることができる。また、このように構成された多孔性
支持体を有するマスタを用いることにより、通常版胴の
外周面に巻装されているインキ保持層の役割を多孔性支
持体が担うため、インキ保持層を用いなくとも良好な画
像を得ることができ、コストを低減させることができ
る。
【0184】請求項8記載の発明によれば、少なくとも
その表面が金属で構成されている多孔性支持体を有する
マスタを用いることにより、高エネルギー表面である金
属からその表面を構成された多孔性支持体とインキとの
接着力が高くなり、多孔性支持体の内部からインキが引
き出されにくくなると共に、多孔性支持体が高弾性であ
り、押圧部材による加圧時において多孔性支持体が圧縮
されてインキを吐出し、圧が解除されたときには多孔性
支持体が復元することにより、多孔性支持体の内部にイ
ンキを吸い戻すため、余分なインキを印刷用紙に転移す
ることが防止され、裏写りの発生を防止できると共に良
好な画像を得ることができる。さらに、多孔性支持体の
強度が高いので、長時間の使用によるへたりが少なく、
また、インキによる腐食を防止することができ、耐久性
がよく大量印刷に適したマスタを提供することができ
る。
その表面が金属で構成されている多孔性支持体を有する
マスタを用いることにより、高エネルギー表面である金
属からその表面を構成された多孔性支持体とインキとの
接着力が高くなり、多孔性支持体の内部からインキが引
き出されにくくなると共に、多孔性支持体が高弾性であ
り、押圧部材による加圧時において多孔性支持体が圧縮
されてインキを吐出し、圧が解除されたときには多孔性
支持体が復元することにより、多孔性支持体の内部にイ
ンキを吸い戻すため、余分なインキを印刷用紙に転移す
ることが防止され、裏写りの発生を防止できると共に良
好な画像を得ることができる。さらに、多孔性支持体の
強度が高いので、長時間の使用によるへたりが少なく、
また、インキによる腐食を防止することができ、耐久性
がよく大量印刷に適したマスタを提供することができ
る。
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置
要部の概略側面図である。
要部の概略側面図である。
【図2】本発明の第1ないし第6の実施例に用いられる
版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いられるマスタを示
す部分側断面図である。
す部分側断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのイ
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのイ
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのイ
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例に用いられるマスタを示
す部分側断面図である。
す部分側断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例の変形例に用いられるマ
スタを示す部分側断面図である。
スタを示す部分側断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に用いられるマスタを示
す部分側断面図である。
す部分側断面図である。
【図10】本発明の第3の実施例の変形例に用いられる
マスタを示す部分側断面図である。
マスタを示す部分側断面図である。
【図11】本発明の第4の実施例に用いられるマスタを
示す部分側断面図である。
示す部分側断面図である。
【図12】本発明の第5の実施例に用いられるマスタを
示す部分側断面図である。
示す部分側断面図である。
【図13】本発明の第6の実施例に用いられるマスタを
示す部分側断面図である。
示す部分側断面図である。
【図14】本発明の第6の実施例に用いられるマスタを
説明する部分側断面図である。
説明する部分側断面図である。
【図15】本発明の第6の実施例に用いられるマスタを
説明する部分側断面図である。
説明する部分側断面図である。
【図16】本発明の第6の実施例の変形例に用いられる
マスタを示す部分側断面図である。
マスタを示す部分側断面図である。
【図17】本発明の第7の実施例に用いられる版胴及び
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図18】本発明の第7の実施例におけるインキ保持層
表面の(a)凹みによる凹凸、(b)うねりによる凹
凸、(c)合成樹脂繊維の繊維径に起因する凹凸をそれ
ぞれ示す部分側断面図である。
表面の(a)凹みによる凹凸、(b)うねりによる凹
凸、(c)合成樹脂繊維の繊維径に起因する凹凸をそれ
ぞれ示す部分側断面図である。
【図19】本発明の第8の実施例に用いられる版胴及び
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図20】本発明の第8の実施例の変形例に用いられる
版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図21】本発明の第9の実施例に用いられる版胴及び
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図22】本発明の第9の実施例の変形例に用いられる
版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図23】本発明の第10の実施例に用いられる版胴及
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図24】本発明の第11の実施例に用いられる版胴及
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図25】本発明の第12の実施例に用いられる版胴及
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図26】本発明の第12の実施例に用いられるインキ
保持部材を説明する部分側断面図である。
保持部材を説明する部分側断面図である。
【図27】本発明の第12の実施例の変形例に用いられ
るインキ保持部材を示す部分側断面図である。
るインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図28】本発明の第13の実施例に用いられる版胴及
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図29】本発明の第14の実施例に用いられる版胴及
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図30】本発明の第15の実施例に用いられる版胴及
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図31】本発明の第3の実施例の他の変形例に用いら
れるマスタを示す部分側断面図である。
れるマスタを示す部分側断面図である。
【図32】本発明の第9の実施例の他の変形例に用いら
れる版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図であ
る。
れる版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図であ
る。
1,43,44,45,46,47,48,49,5
0,51,52,53,58 版胴 8,20,21,22,23,24,25,27,3
6,39,41,56マスタ 8b,41b 熱可塑性樹脂フィルム 8c,20b,21c,22c,23c,24b,25
d,36a,39a,41a,56c 多孔性支持体 26,28,29,30,31,32,32b,33,
33d,34,35,38,40,42,57 インキ
保持部材 20a,21b,29b 金属(金属繊維)
0,51,52,53,58 版胴 8,20,21,22,23,24,25,27,3
6,39,41,56マスタ 8b,41b 熱可塑性樹脂フィルム 8c,20b,21c,22c,23c,24b,25
d,36a,39a,41a,56c 多孔性支持体 26,28,29,30,31,32,32b,33,
33d,34,35,38,40,42,57 インキ
保持部材 20a,21b,29b 金属(金属繊維)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−246170(JP,A)
特開 平5−221175(JP,A)
特開 平4−221697(JP,A)
特開 平1−267094(JP,A)
特開 昭60−38193(JP,A)
特開 昭60−87095(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41N 1/24 102
Claims (8)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを
貼り合わせてなる孔版印刷用のマスタにおいて、 前記多孔性支持体は前記熱可塑性樹脂フィルムと当接す
る側の表面粗さが5〜45μmRzであると共にインキ
流入側の孔とインキ流出側の孔とを有し、前記インキ流
入側の孔から流入したインキの実質的に全量が、前記多
孔性支持体に下した垂線に沿って流下しないインキ通路
を有していることを特徴とするマスタ。 - 【請求項2】前記多孔性支持体が、繊維径の異なる2種
類以上の繊維から構成されていることを特徴とする請求
項1記載のマスタ。 - 【請求項3】前記多孔性支持体は、その厚み方向の、前
記熱可塑性樹脂フィルムと当接しない側から前記熱可塑
性樹脂フィルムと当接する側に向かうに連れて、空隙が
小さくなるように構成されていることを特徴とする請求
項1記載のマスタ。 - 【請求項4】前記多孔性支持体は、少なくともその表面
が金属で構成されていることを特徴とする請求項1、請
求項2または請求項3記載のマスタ。 - 【請求項5】熱可塑性樹脂フィルムと繊維から構成され
る多孔性支持体とを貼り合わせてなる孔版印刷用のマス
タにおいて、 前記多孔性支持体は前記熱可塑性樹脂フィルムと当接す
る側の表面の繊維径が1μm以上20μm以下であると
共にインキ流入側の孔とインキ流出側の孔とを有し、前
記インキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量
が、前記多孔性支持体に下した垂線に沿って流下しない
インキ通路を有していることを特徴とするマスタ。 - 【請求項6】前記多孔性支持体が繊維径の異なる2種類
以上のものから構成されていることを特徴とする請求項
5記載のマスタ。 - 【請求項7】前記多孔性支持体は、その厚み方向の、前
記熱可塑性樹脂フィルムと当接しない側から前記熱可塑
性樹脂フィルムと当接する側に向かうに連れて、空隙が
小さくなるように構成されていることを特徴とする請求
項5記載のマスタ。 - 【請求項8】前記多孔性支持体は、少なくともその表面
が金属で構成されていることを特徴とする請求項5ない
し請求項7のうちの何れか1つに記載のマスタ。
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---|---|---|---|
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US08/598,432 US5740734A (en) | 1995-02-10 | 1996-02-08 | Drum and stencil for a stencil printer |
US08/982,418 US5855169A (en) | 1995-02-10 | 1997-12-02 | Drum and stencil for a stencil printing |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7-22916 | 1995-02-10 | ||
JP16617895A JP3469359B2 (ja) | 1995-02-10 | 1995-06-30 | マスタ及び孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部材 |
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JP2003288188A Division JP3819881B2 (ja) | 1995-02-10 | 2003-08-06 | 孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部材 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP16617895A Expired - Fee Related JP3469359B2 (ja) | 1995-02-10 | 1995-06-30 | マスタ及び孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部材 |
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JP2002240454A (ja) * | 2000-10-31 | 2002-08-28 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 感熱孔版印刷用マスター、孔版印刷方法及び孔版印刷装置 |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP16617895A patent/JP3469359B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08276681A (ja) | 1996-10-22 |
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