JP3599844B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マスタを加熱穿孔製版した後、多孔性円筒状版胴に巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来使用されている孔版印刷用のマスタは、薄い熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜2μm程度)に和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものからなる多孔性支持体を貼り合わせたラミネート構造となっている。このマスタの熱可塑性樹脂フィルム面を加熱穿孔製版し、多孔性の支持円筒体に樹脂繊維あるいは金属繊維から構成されたメッシュスクリーン等からなるインキ保持層を有する回転自在な版胴に製版されたマスタを巻装して、版胴内部に設けられたインキ供給手段よりインキを供給し、プレスローラー等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押圧して、版胴開孔部及びマスタ穿孔部よりインキを滲出させて印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置がよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に前述の孔版印刷装置においては、印刷装置を一定時間放置した後や印刷を停止した後に再度印刷を再開した場合等に、インキが蒸発することに起因して発生する印刷不良の不具合を防止するため、蒸発しにくい油性インキや油中水型エマルジョンインキが使用されている。
【0004】
しかし、このインキは乾燥しにくいため、印刷時において、印刷用紙に転移したインキが印刷用紙内へ浸透して指等で擦っても汚れが発生しない、所謂、浸透乾燥した状態となるまでにはある程度の時間を必要とする。
【0005】
孔版印刷装置では、印刷済みの印刷用紙は連続的に排紙トレイに排出積載されるが、この時に前の印刷用紙上に次の印刷用紙がすぐに積載されると、インキの乾燥時間が短く前の印刷用紙の画像インキが次の印刷用紙の裏面に付着して汚してしまう、所謂、裏写りという不具合を発生してしまう。この裏写りは、インキ転移量の多い画像、とりわけ印刷用紙表面に転移したときのインキ層の厚さの厚い(インキ転移高さの高い)画像の印刷時において発生し易い。
【0006】
さらに、従来の孔版印刷装置に用いられているマスタや版胴では、マスタの穿孔径に対して多孔性支持体やインキ保持層の開孔径(空隙)が大きくなるように構成されており、転移するインキ量を減少させて裏写りを防止する効果がほとんど期待できなかった。
【0007】
また、従来の多孔性支持体やメッシュスクリーンでは、流入するインキの流動方向を変化させずに流出させてしまう部分が多く存在し、この部分においてインキの流出量が大きくなって裏写りを引き起こしてしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、裏写りの発生を効果的に防止することができる孔版印刷装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを巻装し、前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタと当接する側の表面粗さが5〜45μmRz、好ましくは5〜35μmRz、より好ましくは5〜25μmRzであると共に、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量が前記インキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有するインキ保持部材を外周面に有する版胴と、前記版胴の内部に設けられ、前記版胴の内周面にインキを供給するインキローラーと、前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、前記押圧手段の中心が、前記版胴の中心と前記インキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下、より好ましくは5mm以上8mm以下の範囲で用紙搬送方向上流側または下流側に位置することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを巻装し、前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタと当接する側の表面の繊維径が1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下であると共に、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量が前記インキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有するインキ保持部材を外周面に有する版胴と、前記版胴の内部に設けられ、前記版胴の内周面にインキを供給するインキローラーと、前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、前記押圧手段の中心が、前記版胴の中心と前記インキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下、より好ましくは5mm以上8mm以下の範囲で用紙搬送方向上流側または下流側に位置することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタを巻装し、前記多孔性支持体と当接する側の表面粗さと前記多孔性支持体の厚みとの和が5μm以上45μm以下、好ましくは5μm以上35μm以下、より好ましくは5μm以上25μm以下であると共に、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量が前記インキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有するインキ保持部材を外周面に有する版胴と、前記版胴の内部に設けられ、前記版胴の内周面にインキを供給するインキローラーと、前記マスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記マスタの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、前記押圧手段の中心が、前記版胴の中心と前記インキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下、より好ましくは5mm以上8mm以下の範囲で用紙搬送方向上流側または下流側に位置することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに前記インキ保持部材は少なくともその表面が金属で構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに前記インキ保持部材が繊維径の異なる2種類以上の繊維から構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに前記インキ保持部材は外表面に向かうに連れて空隙が小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
【実施例】
図1は、本発明の第1の実施例に用いられる孔版印刷装置の要部を示している。同図において、回転自在に支持され、図示しない版胴駆動手段で回転駆動される版胴1は、インキパイプ2、インキローラー3、ドクターローラー4をその内部に有している。
【0017】
版胴1は、図2に示すように、開孔部1aを有する多孔性支持板1bと、多孔性支持板1bの外表面に巻装されたインキ保持部材15とから構成されている。外径が180mm〜200mmに形成された版胴1の外周面には、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8が巻装される。
【0018】
インキ保持部材15は、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維15aでインキを通過させるためのインキ通路を形成した不織布によって構成されている。
【0019】
版胴1の支軸を兼ねたインキパイプ2は図示しない筐体側板に固着されており、その表面には、版胴1の内部にインキを供給するための複数の小さな孔が穿設されている。インキパイプ2は、版胴1の外部に配設された図示しないインキパック内から図示しないポンプによって汲上げられたインキを版胴1の内部に供給する。
【0020】
インキパイプ2の下方には、インキローラー3とドクターローラー4とが配設されている。
【0021】
版胴1内の図示しない側板に回転自在に支持されたインキローラー3は、その外周面が版胴1の内周面と近接するように設置されており、インキパイプ2より供給されたインキを版胴1に供給する。インキローラー3は、金属または比較的硬度の高いゴムローラーで構成され、図示しないギヤあるいはベルト等の駆動力伝達手段によって版胴駆動手段からの回転力を伝達されて、版胴1と同期して図の時計回り方向に回転駆動される。インキローラー3としては、外径30〜50mm程度のものが用いられる。
【0022】
インキローラー3の近傍には、回転自在なドクターローラー4が配設されている。ドクターローラー4は、その外周面とインキローラー3の外周面との間に僅かな間隙が生じるように配設されており、インキローラー3の外周面との近接部において楔状のインキ溜まり5を形成している。
【0023】
インキパイプ2よりインキ溜まり5へと供給されたインキは、インキローラー3とドクターローラー4との間隙を通過することにより均一な層状となりつつインキローラー3の表面に供給される。
【0024】
版胴1の非開孔部表面には、軸方向に延在するステージ部6が設けられている。磁性体で形成されたステージ部6上には、ステージ部6に対して接離自在に枢着されたマグネットを有するクランパー7が配設されており、クランパー7は図示しない開閉手段によって回動される。
【0025】
版胴1の左上方には、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8をロール状に巻成してなるマスタロール9と、サーマルヘッド10及びプラテンローラー11と、マスタ搬送ローラー対12と、切断手段13と、マスタガイド板14とが配設されている。
【0026】
この第1の実施例に用いられる、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8とは、マスタ8が熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤や熱融着防止剤等の微量成分を含有させてなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの表面及び裏面のうちの少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜層を1層または複数層形成してなるものをも含む。
【0027】
熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステル(好ましくは共重合ポリエステル)系、ナイロン(好ましくは共重合ナイロン)系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、塩化ビニル系、アクリル酸誘導体系、エチレン・ビニルアルコール系、ポリカーボネート系共重合体等が用いられ、その厚みは、好ましくは0.5μm〜10μm、より好ましくは1μm〜5μmである。
【0028】
マスタロール9は、その芯部9aを図示しないホルダー手段に回転可能に支持されている。
【0029】
サーマルヘッド10とプラテンローラー11とは、図示しない孔版印刷装置の側板に取り付けられている。多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10は、図示しない付勢手段によってプラテンローラー11に付勢されている。プラテンローラー11は回転自在に設けられており、図示しないステッピングモーターによって、図において時計回り方向に回転駆動される。マスタ8は、サーマルヘッド10に押圧されて熱溶融穿孔製版されつつ、プラテンローラー11の回転によってマスタロール9より繰り出される。
【0030】
サーマルヘッド10とプラテンローラー11とが配設された位置よりもマスタ搬送方向下流側には、マスタ搬送ローラー対12が配設されている。図示しない孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されたマスタ搬送ローラー対12は、図示しない駆動手段によってプラテンローラー11の周速度よりも僅かに速い周速度で回転駆動される。また、マスタ搬送ローラー対12には図示しないトルクリミッターが取り付けられており、プラテンローラー11とマスタ搬送ローラー対12との間で搬送されるマスタ8に対して、予め設定された張力が一定に作用するように構成されている。
【0031】
マスタ搬送ローラー対12の配設位置よりもマスタ搬送方向下流側には、可動刃13aと固定刃13bとからなる切断手段13及びマスタガイド板14が配設されている。切断手段13は、可動刃13aが固定刃13bに対して回転移動または上下動してマスタ8を切断する周知の構成である。マスタガイド板14は図示しない孔版印刷装置の側板に固着されており、搬送されるマスタ8をガイドする。
【0032】
版胴1の下方には、押圧手段としてのプレスローラー16が配設されている。硬度の低い(20〜60゜)ゴムローラーで構成され、回転自在に支持されたプレスローラー16は、版胴1の中心Bとインキローラー3の中心Aとを通る直線Xに対して、その中心Cの位置が用紙搬送方向上流側にオフセット量Hだけずれて配置されている。プレスローラー16は、図示しない揺動手段によって、その外周面が版胴1の外周面より離間する位置と版胴1の外周面と当接する位置とに選択的に揺動される。
【0033】
プレスローラー16の右方には、レジストローラー対17が配設されている。レジストローラー対17は、図示しない給紙手段より給送される印刷用紙18の先端を啣え込み、プレスローラー16が版胴1と当接するタイミングと同期して、印刷用紙18を版胴1とプレスローラー16との間に向けて給送する。なお、押圧手段として、プレスローラー16の代わりに版胴1と略同径の圧胴を設けてもよい。
【0034】
上記構成に基づき、以下に動作を説明する。
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、図示しない製版スタートキーが押されると、版胴1が回転し、図示しない排版装置によって版胴1の外周面に巻装されている使用済みマスタが剥離・廃棄され、版胴1はクランパー7が略真上に位置する給版待機位置で停止する。版胴1の回転が停止すると、図示しない開閉手段が作動してクランパー7が開放され、版胴1は図1に示す給版待機状態となる。
【0035】
排版動作が完了すると、これに続いて製版動作が行われる。読み取られた原稿画像は、原稿読取部のCCD等で電気信号に変換され、A/D変換器を経由して製版制御装置に画像データとして送られる。製版制御装置は、送られた画像データに基づいてサーマルヘッド10の発熱素子に対してパルス状の通電を行い、サーマルヘッド10はマスタ8に対して熱溶融穿孔製版を行う。サーマルヘッド10の作動に先立って、プラテンローラー11が図示しないステッピングモーターによって回転駆動され、マスタロール9よりマスタ8が引き出される。
【0036】
製版画像を形成されたマスタ8は、マスタガイド板14にガイドされつつマスタ搬送ローラー対12によってクランパー7へと搬送される。プラテンローラー11を駆動するステッピングモーターのステップ数より、マスタ8の先端がクランパー7とステージ部6との間の所定位置まで達したと判断されると、図示しない開閉手段が作動してクランパー7を反時計回り方向に回動させ、ステージ部6とクランパー7とでマスタ8の先端を挟持した後、版胴1がマスタ搬送速度と略同じ周速度で時計回り方向に回転を開始し、マスタ8の版胴1への巻装が開始される。
【0037】
そして、プラテンローラー11を駆動するステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと判断されるとプラテンローラー11とマスタ搬送ローラー対12の回転動作がそれぞれ停止され、切断手段13によってマスタ8が切断される。切断されたマスタ8は、版胴1の回転によって引き出されて巻装動作が完了する。
【0038】
巻装動作に引き続き、版付動作が行われる。
図示しない給紙手段より給送された印刷用紙18はレジストローラー対17に啣え込まれる。レジストローラー対17は、低速で回転している版胴1に巻装されたマスタ8の画像領域がプレスローラー16と対応する位置に達するタイミングで、印刷用紙18を版胴1とプレスローラー16との間に向けて給送する。給送された印刷用紙18は、プレスローラー16によって版胴1に巻装されたマスタ8に押圧される。この押圧動作により、プレスローラー16と印刷用紙18とマスタ8と版胴1の外周面とが圧接し、インキローラー3によって版胴1の内周面に供給されたインキが、開孔部1aとインキ保持部材15のオープンエリアより滲出し、インキ保持部材15の空隙15b等に充填された後、マスタ8の穿孔部を通過して印刷用紙18に転移される。
【0039】
インキを転移された印刷用紙18は、図示しない剥離爪によって版胴1の外周面より剥離され、図示しない排紙手段によって機外に排出されて版付動作が完了する。
【0040】
版付動作完了後、図示しない印刷スタートキーが押されると、図示しない給紙手段より印刷用紙18が連続的に給送され、版胴1が高速で回転駆動されて印刷動作が行われる。
【0041】
上述の版付動作または印刷動作中において、版胴1の表面から印刷用紙18が剥離されるときに、図3、図4及び図5に示すように、マスタ8の表面のインキと印刷用紙18との接着力によってマスタ8の穿孔部8aよりインキ19が引き出されるが、インキ19が引き出される量はインキ保持部材15の構造と関係があり、インキ保持部材15の表面の凹凸L(表面粗さ)、換言するとマスタ8の内面からインキ保持部材15の外表面凹部までの距離が大きければ大きいほど穿孔部8aの上方の空隙15b内のインキ層が厚くなり、引き出されるインキ量、すなわちインキ転移高さlが増加する。
【0042】
図3及び図4に示すように、表面の凹凸Lが大きくなればなるほど、インキが存在する穿孔部8aの上方の空隙15bが大きくなり、これにより穿孔部8aを介してインキ保持部材15からインキ19が多量に引き出されてしまう。そこで、図5に示すように、合成樹脂繊維15aの繊維径を細くすればするほど凹凸Lが小さくなり、引き出されるインキ量(インキ転移高さl)も低減されるが、凹凸Lをあまり小さくしすぎると引き出されるインキ量が少なくなりすぎて満足な画像が得られない。
【0043】
ところで、プレスローラー16の中心Cが直線X上に位置するように配置された通常の孔版印刷装置の場合、インキローラー3から多孔性支持板1bとマスタ8との間に供給されるインキ19の供給領域は、図6に示すように、インキローラー3の外周面と多孔性支持板1bの内周面とが接触する領域A1である。
【0044】
従って、プレスローラー16の圧接によって印刷が行われると、先ず領域A1において、多孔性支持板1bとマスタ8との間のインキ19がマスタ8の穿孔部8aを通って印刷用紙18の表面に転移されることになるが、穿孔されていない部分のインキ19、あるいは転写されずにインキ保持部材15内に残ったインキ19は依然として多孔性支持板1bとマスタ8との間に残る。特に残ったインキ19は、図7に示すように、マスタ8の内面とインキ保持部材15の外周面との間に蓄積されてインキ層20を形成する。
【0045】
一方、プレスローラー16の外周面と版胴1の外周面のみとが接触し、領域A1の外側に位置する領域A2では、プレスローラー16による圧接動作があった場合、プレスローラー16と版胴1との圧接接触により、多孔性支持板1bとマスタ8との間に残されたインキ19は、再び多孔性支持板1b内に戻される。
【0046】
上述の領域A1と領域A2の幅を比較すると、オフセット量Hが0の場合または少ない場合では、図6または図8に示すように、領域A1の幅と左右の領域A2の幅の和とは同等若しくは若干領域A2の幅の和の方が広い程度であるが、オフセット量Hを大きくするに連れて、図9に示すように、領域A2の幅が広くなり領域A1の幅が狭くなる。
【0047】
つまり、オフセット量Hが小さいと、領域A1の幅が広くなると共に、領域A2の幅の和が領域A1の幅と同等、あるいは領域A2の幅の和が領域A1の幅よりも若干広くなることにより、版胴1の開孔部1aから供給されるインキ19の量が多くなり、領域A2での版胴1内への回収が追いつかず、印刷回数が増加するに従って多孔性支持板1bとマスタ8との間に蓄積されるインキ19の量が増加し、多孔性支持板1bとマスタ8との間にインキ層20が形成される。このインキ層20が形成されることによりインキ保持部材15の外表面凹部とマスタ8の内面との距離L1(凹凸L+インキ層20の厚さ)が大きくなり、マスタ8の穿孔部8aから引き出されるインキ19の量が増加して裏写りの発生を促進してしまう。
【0048】
反対に、オフセット量Hが大きくなりすぎると領域A1の幅が狭くなり、多孔性支持板1b内から開孔部1aを通ってインキ保持部材15へと供給されるインキ19の量が不足し、良好な画像を得ることができない。
【0049】
そこで、厚さ100μm、密度0.4g/cm のインキ保持部材15において、合成樹脂繊維15aの繊維径を変化させることにより凹凸Lを調整すると共に、オフセット量Hを変化させて印刷を行い、そのときの裏写り及び画像品質を調査した。
【0050】
実験では、デジタル孔版印刷機プリポートVT3820((株)リコー製)を用いて印刷を行い、表面粗さ計SEF−30D((株)小坂研究所製)を用いてインキ保持部材15の凹凸L(表面粗さ)を測定した。表面粗さの測定については、半径7μmのヘッドを使用して送り速度0.1mm/sec、測定長さ0.8mmで測定し、この範囲での十点平均粗さを求め、これを10箇所測定してその平均より凹凸L(表面粗さRz )を算出した。
【0051】
印刷条件は、印圧9.8N/cm 、印刷速度60r.p.m.に設定し、インキローラー3として外径40mmのアルミニウム製のものを、プレスローラー16として外径30mmのゴム製(硬度30゜)のものを、インキとしてW/O型エマルジョンインキを使用した。
【0052】
なお、プレスローラー16の硬度を測定するための試験機は、JIS K6301(1975の5.2.2)に規定されたゴム硬さ試験機(市販品としては、例えば(株)テクロック製GS−706型(JIS A型)がある)であり、プレスローラー16の表面に接触する截頭円錐形押針の寸法は、垂直部分の直径が1.3±0.1mm、截頭先端の直径が0.79±0.02mmである。また、目盛に対して押針に加わる荷重は、0゜目盛で55g、100゜目盛で855gである。測定は、プレスローラー16の表面に押針を接触させてから10秒後に目盛を読んで行った。また、測定は、20℃の環境下において行った。
【0053】
オフセット量Hは、プレスローラーの取付位置を変えることで変化させた。なお、マスタ8の厚さは1.5μmである。実験の結果を表1〜表8に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0003599844
【0055】
【表2】
Figure 0003599844
【0056】
【表3】
Figure 0003599844
【0057】
【表4】
Figure 0003599844
【0058】
【表5】
Figure 0003599844
【0059】
【表6】
Figure 0003599844
【0060】
【表7】
Figure 0003599844
【0061】
【表8】
Figure 0003599844
【0062】
表1〜表8より明らかなように、インキ保持部材15の表面粗さを45μmRz 以下、表面の繊維径を20μm以下、オフセット量Hを3mm以上とすると、裏写りが少なくなり良好な画像が得られることが判る。また、オフセット量Hを3mm以上とし、かつ、表面粗さを5μmRz 未満とした場合や表面の繊維径を1μm未満とした場合、あるいはオフセット量Hを10mm以上とした場合においては、満足する画像が得られないことも判明した。また、オフセット量Hを5mm以上とし、かつ、インキ保持部材15の表面粗さを35μmRz 以下、表面の繊維径を15μm以下とすると裏写りがほとんどなくなり、さらに、オフセット量Hを5mm以上とし、かつ、インキ保持部材15の表面粗さを25μmRz 以下、表面の繊維径を8μm以下とすると裏写りが全くなくなることが判る。また、インキ保持部材15の表面粗さが5〜45μmRz 、表面の繊維径が1〜20μmの範囲内であってオフセット量Hが8mm以上であると、良好な画像が得られることが判る。
【0063】
以上のことから、インキ保持部材15は、マスタ8と当接する側の表面粗さを5〜45μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ましくは5〜25μmRz に設定される。また、オフセット量Hは、3mm以上9mm以下、より好ましくは5mm以上8mm以下となるように設定される。
【0064】
また、インキ保持部材15は、マスタ8を巻装する外表面の繊維径を1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下に設定される。
【0065】
上記実施例では、プレスローラー16を、その中心Cの位置が版胴1の中心Bとインキローラー3の中心Aとを通る直線Xに対して用紙搬送方向上流側にずれた配置としたが、用紙搬送方向下流側にずれた配置としてもよい。
【0066】
また、インキ保持部材15の密度が低いと繊維間の空隙15bが広くなり、細い繊維等を使用しても凹凸Lが大きくなって裏写りがひどくなる。さらに、密度が高すぎると繊維間の空隙15bが狭くなり、繊維が数多く交差する部分においては、インキが通過しにくくなって画像に白抜け(繊維塊跡)が見られ、満足な画像が得られなくなる。そこで、インキ保持部材15の密度と裏写りの関係を調査した。
【0067】
その結果、インキ保持部材15が、天然または合成樹脂系の繊維で構成されている場合の密度は0.1〜0.6g/cm 、より好ましくは0.2〜0.6g/cm 、金属系の繊維で構成されている場合であって、ステンレス、鉄の場合の密度は0.7〜3.0g/cm 、より好ましくは0.9〜3.0g/cm 、チタンの場合の密度は0.4〜1.7g/cm 、より好ましくは0.5〜1.7g/cm 、アルミニウムの場合の密度は0.2〜1.0g/cm 、より好ましくは0.3〜1.0g/cm となった。
【0068】
以上のことから、インキ保持部材15の好ましい密度範囲Dwと、より好ましい密度範囲Dw1とは、それぞれ以下の式で示される。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm
Dw1=0.11ρ〜0.38ρ(g/cm
ρ:物質の密度(g/cm
なお、上記式は、後述する第2ないし第6の実施例におけるインキ保持部材の密度についても適用され得るものである。
【0069】
上記実施例では、インキ保持部材15を不織布からなるものとしたが、インキ保持部材15をマニラ麻や亜麻等の天然繊維、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維、若しくはステンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン等の繊維を網目状に交差させて形成したメッシュスクリーン、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン繊維等からなる不織布、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維を焼結させて作成した焼結シート、ポリビニルアセタール系またはポリビニルアルコール系の連続気泡を有する多孔質弾性体、硬質粒子とゴムの混和した連続気泡を有する多孔質弾性体、ポリエチレン等の合成樹脂や無機物の微粉末を焼結した多孔質弾性体、ポリウレタン等の液状焼結による多孔質弾性体、または多孔質ゴム等の多孔質弾性体からなるものとしてもよい。
【0070】
また、上述したメッシュスクリーン、不織布、焼結シート、各種の多孔質弾性体等のインキ保持部材において、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと当接する側の表面に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着あるいは接着し、これによりインキ保持部材15の表面粗さを小さくするようにしてもよい。
【0071】
上記実施例において、インキ保持部材15に代えて、繊維径の異なる2種類以上の繊維部材からなる不織布によって構成されたインキ保持部材を用いてもよい。これにより、太い繊維の間を細い繊維で埋めることによってインキ保持部材表面の凹凸L(表面粗さRz )を小さくすることができ、また、太い繊維を使用することによってインキ保持部材の強度を向上させ、インキ保持部材の切れや伸びの発生を防止することができる。また、インキ保持部材の密度、あるいはインキ保持部材を構成する繊維部材の繊維径を変化させ、マスタ8を巻装される外周面に向かうに連れてインキ保持部材の空隙を小さくしたものを用いてもよい。これにより、インキの流路に沿って、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好な層を有し、最終では空隙が小さく凹凸L(表面粗さRz )の小さい層を有するインキ保持部材となり、裏写りの発生を防止すると共に良好な画像を得ることができる。
【0072】
図10は、本発明の第2の実施例に用いられる版胴21とマスタ22とをそれぞれ示している。この第2の実施例は、第1の実施例と比較すると、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8に代えて多孔性支持体22aと熱可塑性樹脂フィルム22bとから構成されるマスタ22を用いた点と、版胴1に代えて版胴21を用いた点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0073】
版胴21は、多孔性支持板1bとインキ保持部材23とから主に構成されており、インキ保持部材23は、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維23aからなる不織布によって構成されている。なお、インキ保持部材23は、インキ保持部材15と同様に、焼結シート、多孔質弾性体(例えばゴム)等によって構成してもよい。
【0074】
マスタ22は、テトロン、ナイロン、レーヨン、ビニロン、ポリエステル等の合成樹脂繊維22cからなる不織布で形成した多孔性支持体22aと、ポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルム22bとを接着等によって貼り合わせた構成となっている。なお、多孔性支持体22aは、楮、三椏、マニラ麻、亜麻等の天然繊維からなる多孔性薄葉紙、天然繊維と合成樹脂繊維とを混抄してなる不織布、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維からなるメッシュスクリーン、あるいは合成樹脂繊維や金属繊維からなる焼結シート等から構成してもよい。
【0075】
裏写りを防止することは、第1の実施例より、インキ保持部材の表面粗さRz 及びオフセット量Hに関係することがわかる。これから、インキ保持部材23と熱可塑性樹脂フィルム22bとの間に多孔性支持体22aが介在する場合であって、多孔性支持体22aに、インキの流動方向を変化させずにインキをストレートに流出させる部分が多く存在し、さらに、そのストレートに流出させる部分の開孔径22dの大きさが熱可塑性樹脂フィルム22bに形成される穿孔部22eの大きさよりも大きい場合には、インキ保持部材23の表面粗さは、熱可塑性樹脂フィルム22bの内面からインキ保持部材23の外表面凹部までの距離L’と考えることができる。従って、裏写りを防止するには、距離L’を5μm以上45μm以下とする必要がある。
【0076】
本実施例では、熱可塑性樹脂フィルム22bとインキ保持部材23との間に多孔性支持体22aが介在する。従って、裏写りの発生を防止するには、多孔性支持体22aの厚さとインキ保持部材23の表面粗さとの和が、5μm以上45μm以下となるように構成する必要がある。例えば、多孔性支持体22aの厚さが20μmであったら、インキ保持部材23の表面粗さは25μmRz 以下となる。なお、多孔性支持体22aの厚さとインキ保持部材23の表面粗さとの和は、好ましくは5μm以上35μm以下、より好ましくは5μm以上25μm以下の範囲内である。
【0077】
この第2の実施例においても、距離L’を調整すると共に、オフセット量Hを0〜10mmの範囲で変化させて印刷を行い、そのときの裏写り及び画像品質を調査した結果、第1の実施例と同様に、オフセット量Hが3〜9mmの範囲で良好な結果が得られ、5〜8mmの範囲でさらに良好な結果が得られた。
【0078】
上記実施例において、インキ保持部材23に代えて、繊維径の異なる2種類以上の繊維部材からなる不織布によって構成されたインキ保持部材を用いてもよい。これにより、太い繊維の間を細い繊維で埋めることによってインキ保持部材表面の凹凸L(表面粗さRz)を小さくすることができ、また、太い繊維を使用することによってインキ保持部材の強度を向上させ、インキ保持部材の切れや伸びの発生を防止することができる。また、インキ保持部材の密度、あるいはインキ保持部材を構成する繊維部材の繊維径を変化させ、マスタ22を巻装される外周面に向かうに連れてインキ保持部材の空隙を小さくしたものを用いてもよい。これにより、インキの流路に沿って、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好であり最終では空隙が小さく凹凸L(表面粗さRz)の少ないインキ保持部材となり、裏写りの発生を防止すると共に良好な画像を得ることができる。
【0079】
図11は、本発明の第3の実施例に用いられる版胴24を示している。この第3の実施例は、第1の実施例と比較すると版胴1に代えて版胴24を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0080】
版胴24は、多孔性支持板1bとインキ保持部材25とから主に構成されており、インキ保持部材25は、繊維部材25cから主に構成されている。インキ保持部材25には、インキ流入側の孔25a及びインキ流出側の孔25bと、インキ流入側の孔25aから流入したインキ19が、版胴24の外周面に対する垂線S、すなわちインキ流出側の孔25bの開口を有する面に対する垂線Sから少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔25bから流出するインキ通路25dとが形成されている。
【0081】
インキ通路25dは、インキ流入側の孔25aから流入したインキの実質的に全量が、垂線S上に存在する繊維部材25cにより流下を妨げられ、垂線Sに沿って流下しないように構成されている。換言すると、インキ通路25dは、インキ流入側の孔25aから流入したインキの実質的に全量が、繊維部材25cによってその流下を妨げられることにより、一旦インキ流入側の孔25aの垂直下方より外方へ流出し、その後、インキ流出側の孔25bへ向かって流下するように構成されている。
【0082】
印刷用紙18がマスタ8の表面から引き剥がされるときに、インキ流出側の孔25bの天井部25eとインキ19との間にはインキ19の粘着力が働き、インキ保持部材25から引き出されるインキ19の量が低減される。
【0083】
ここで、上述の如きインキ通路25dがインキ保持部材25に形成されたかどうかを判断する方法について述べる。
先ず、図12に示すように、インキ保持部材25の裏面にインキ保持部材25とは異なる色の用紙26を貼り付ける。次に、インキ保持部材25側から光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察し、繊維部材25c間から用紙26が見えなければ、インキ通路25dが形成されていると判断できる。
【0084】
また、図13に示すように、インキ保持部材25の一方の面からインキ保持部材25に対して垂直な平行光線27を照射し、インキ保持部材25の他方の面に到達する光28を光量計(例えば(株)キーエンス製レーザー式判別センサーLX2−100)で測定しても判断できる。照射された平行光線27はインキ通路25d内で反射するので、他方の面に到達しなくなる。従って、光量計で光28が測定されなければ、上述のインキ通路25dが形成されていると判断できる。
【0085】
上記実施例において、インキ保持部材25は、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8を巻装される側の外表面の表面粗さを5〜45μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ましくは5〜25μmRz に設定されている。また、インキ保持部材25は、マスタ8を巻装する外表面の繊維径を1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下に設定される。また、上記実施例において、繊維部材25cに代えて、2種類以上の繊維径の異なる繊維部材を用いてもよい。
【0086】
上記実施例において、インキ保持部材25として、金属からなる繊維部材や金属をコーティングした繊維部材からなる不織布、焼結シート及びメッシュスクリーン、あるいは金属の微粉末を焼結した多孔質体等、その表面が少なくとも金属で形成されたインキ保持部材を用いてもよく、また、連続気泡を有する多孔質弾性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよい。
【0087】
この第3の実施例においても、インキ保持部材25の表面粗さを調整すると共に、オフセット量Hを0〜10mmの範囲で変化させて印刷を行い、そのときの裏写り及び画像品質を調査した結果、第1の実施例と同様に、オフセット量Hが3〜9mmの範囲で良好な結果が得られ、5〜8mmの範囲でさらに良好な結果が得られ、さらに、インキ通路が複雑なため、インキの切れ及び拡散性がよく、裏写りの発生を抑えると共に良好な画像が得られた。
【0088】
図14は、本発明の第4の実施例に用いられる版胴29とマスタ22とを示している。この第4の実施例は、第2の実施例と比較すると、版胴21に代えて版胴29を用いた点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0089】
版胴29は、多孔性支持板1bとインキ保持部材30とから主に構成されており、インキ保持部材30は繊維部材30cから主に構成されている。インキ保持部材30には、第3の実施例に示したインキ保持部材25と同様に、インキ流入側の孔及びインキ流出側の孔と、インキ流入側の孔から流入したインキが、版胴29の外周面に対する垂線、すなわちインキ流出側の孔の開口を有する面に対する垂線から少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔から流出するインキ通路とが形成されている。
【0090】
この実施例では、第2の実施例と同様に、多孔性支持体22aの厚さとインキ保持部材30の表面粗さとの和が、5μm以上45μm以下となるように構成されている。なお、多孔性支持体22aの厚さとインキ保持部材30の表面粗さとの和は、5μm以上45μm以下、好ましくは5μm以上35μm以下、より好ましくは5μm以上25μm以下の範囲内である。
【0091】
上記実施例において、インキ保持部材30として、金属からなる繊維部材や金属をコーティングした繊維部材からなる不織布、焼結シート及びメッシュスクリーン、あるいは金属の微粉末を焼結した多孔質体等、その表面が少なくとも金属で形成されたインキ保持部材を用いてもよく、また、連続気泡を有する多孔質弾性体や、液状焼結による多孔質弾性体等を用いてもよい。
【0092】
この第4の実施例においても、多孔性支持体22aの厚みとインキ保持部材30の表面粗さとの和を調整すると共に、オフセット量Hを0〜10mmの範囲で変化させて印刷を行い、そのときの裏写り及び画像品質を調査した結果、第1の実施例と同様に、オフセット量Hが3〜9mmの範囲で良好な結果が得られ、5〜8mmの範囲でさらに良好な結果が得られ、さらに、インキ通路が複雑なため、インキの切れ及び拡散性がよく、裏写りの発生を抑えると共に良好な画像が得られた。
【0093】
上記実施例において、インキ保持部材23に代えて、繊維径の異なる2種類以上の繊維部材からなる不織布によって構成されたインキ保持部材を用いてもよい。これにより、太い繊維の間を細い繊維で埋めることによってインキ保持部材表面の凹凸L(表面粗さRz)を小さくすることができ、また、太い繊維を使用することによってインキ保持部材の強度を向上させ、インキ保持部材の切れや伸びの発生を防止することができる。また、インキ保持部材の密度、あるいはインキ保持部材を構成する繊維部材の繊維径を変化させ、マスタ22を巻装される外周面に向かうに連れてインキ保持部材の空隙を小さくしたものを用いてもよい。これにより、インキの流路に沿って、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好であり最終では空隙が小さく凹凸L(表面粗さRz)の少ないインキ保持部材となり、裏写りの発生を防止すると共に良好な画像を得ることができる。
【0094】
図15は、本発明の第5の実施例に用いられる版胴31を、図16は、本発明の第6の実施例に用いられる版胴32をそれぞれ示している。この第5の実施例及び第6の実施例は、第1の実施例と比較すると、版胴1に代えて版胴31または版胴32を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0095】
版胴31は、多孔性支持板1bとインキ保持部材33とから主に構成され、インキ保持部材33は、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属繊維33aの焼結シートから構成されている。版胴32は、多孔性支持板1bとインキ保持部材34とから主に構成され、インキ保持部材34は、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維34aの表面にステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属34bをコーティングして構成される焼結シートから構成されている。各インキ保持部材33,34は、マスタを巻装される外表面の表面粗さを、それぞれ5〜45μmRz 、好ましくは5〜35μmRz 、より好ましくは5〜25μmRz に設定されている。
【0096】
また、各インキ保持部材33,34は、マスタを巻装される外表面の繊維径を、それぞれ1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下の同一径に設定されている。なお、インキ保持部材33,34は、金属繊維33aからなる不織布、または表面に金属34bをコーティングした合成樹脂繊維34aからなる不織布をそれぞれ焼結することにより得られる。また、オフセット量Hは、3mm以上9mm以下、より好ましくは5mm以上8mm以下となるように設定される。
【0097】
このように、金属繊維33aの焼結シートからなるインキ保持部材33、または金属34bを合成樹脂繊維34aの表面にコーティングして構成される焼結シートからなるインキ保持部材34を用いることにより、高エネルギー表面である金属部材にその表面を覆われたインキ保持部材33,34は、ぬれ性がよくインキとの接着力が高くなり、インキがインキ保持部材33,34の内部から引き出されにくくなって、裏写りの発生を防止することができる。
【0098】
また、インキ保持部材33,34が天然繊維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部材に比べて高弾性であるので、プレスローラー等の押圧部材による加圧時において、インキ保持部材33,34が圧縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはインキ保持部材33,34が復元することにより、インキ保持部材33,34の内部にインキを吸い戻す効果が得られ、余分なインキの印刷用紙への転移が防止されて、裏写りの少ない良好な画像を得ることができる。
【0099】
さらに、インキ保持部材33,34が、天然繊維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部材に比べて強度が高いので、長時間使用することによるへたりが少なく、耐久性がよく大量印刷に適した孔版印刷装置を提供することができる。
【0100】
上記実施例では、金属繊維33aからなる焼結シート、あるいは合成樹脂繊維34aの表面に金属34bをコーティングしたものからなる焼結シートによってインキ保持部材33,34を構成したが、インキ保持部材を構成するものとしてはこの限りではなく、金属繊維からなる不織布、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングしたものからなる不織布、金属繊維を網目状に交差させて形成したメッシュスクリーン、金属の微粉末を焼結した多孔質体等、少なくともその表面が金属で構成され、インキが通過する通路を有するものであれば何でもよい。
【0101】
なお、焼結シートは、不織布に比べて引張強度が高く、また、メッシュスクリーンに比べて低コストであるので、インキ保持部材として用いるには特に好適である。
【0102】
上記各実施例で用いた各版胴は、それぞれ多孔性支持板1bと各インキ保持部材とから構成されているが、例えば特開平1−204781号公報、あるいは特開昭59−218889号公報に開示されているように、多孔性支持板1bを省略して円筒状に形成されたインキ保持部材のみを具備してなるものであってもよい。この場合、円筒状に形成され、孔版印刷装置の内部に収められているものを版胴と呼び、シート状のものをインキ保持部材という。
【0103】
さらに、上記各実施例において、各版胴の多孔性支持板1bとインキ保持部材との間に、メッシュスクリーンや不織布等のインキ保持層を介在させてもよい。
【0104】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、インキ保持部材の、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタと当接する側の表面粗さを5〜45μmRz、好ましくは5〜35μmRz、より好ましくは5〜25μmRzとすることにより、マスタの穿孔部の上方にあってインキの存在するインキ保持部材の空隙を小さくし、穿孔部を介してインキ保持部材から引き出されるインキ量を低減している。これにより、印刷時においてマスタの穿孔部より引き出されるインキ量が適正化されてインキの浸透乾燥に要する時間が短縮され、裏写りの発生を防止できると共に良好な画像を得ることができる。またインキ保持部材が、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量がインキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有しているので、インキ保持部材の内部からマスタの穿孔部を介して引き出されるインキ量がさらに少量となり、印刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われて裏写りが減少する。さらに押圧手段の中心位置を版胴の中心とインキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下、より好ましくは5mm以上8mm以下の範囲でずらすことにより、インキ保持部材表面とマスタとの間におけるインキ層の形成を防止し、印刷用紙表面に転移するインキ量を減少させて裏写りを防止することができると共に、排版時においてインキ保持部材表面のインキをマスタと共に廃棄することが防止でき、コストダウンを図ることができる。
【0105】
請求項2記載の発明によれば、インキ保持部材の、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタと当接する側の表面の繊維径を1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以下とすることにより、マスタの穿孔部の上方にあってインキの存在するインキ保持部材の空隙を小さくし、穿孔部を介してインキ保持部材から引き出されるインキ量を低減している。これにより、印刷時においてマスタの穿孔部より引き出されるインキ量が適正化されてインキの浸透乾燥に要する時間が短縮され、裏写りの発生を防止できると共に良好な画像を得ることができる。またインキ保持部材が、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量がインキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有しているので、インキ保持部材の内部からマスタの穿孔部を介して引き出されるインキ量がさらに少量となり、印刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われて裏写りが減少する。さらに押圧手段の中心位置を版胴の中心とインキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下、より好ましくは5mm以上8mm以下の範囲でずらすことにより、インキ保持部材表面とマスタとの間におけるインキ層の形成を防止し、印刷用紙表面に転移するインキ量を減少させて裏写りを防止することができると共に、排版時においてインキ保持部材表面のインキをマスタと共に廃棄することが防止でき、コストダウンを図ることができる。
【0106】
請求項3記載の発明によれば、インキ保持部材の、多孔性支持体と当接する側の表面粗さと多孔性支持体の厚みとの和を5μm以上45μm以下、好ましくは5μm以上35μm以下、より好ましくは5μm以上25μm以下とすることにより、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部の上方にあってインキの存在するインキ保持部材の空隙を小さくし、穿孔部を介してインキ保持部材から引き出されるインキ量を低減している。これにより、印刷時において熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介してインキ保持部材の内部より引き出されるインキ量が適正化されるのでインキの浸透乾燥に要する時間が短縮され、裏写りの発生を防止できると共に良好な画像を得ることができる。またインキ保持部材が、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量がインキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有しているので、インキ保持部材の内部からマスタの穿孔部を介して引き出されるインキ量がさらに少量となり、印刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われて裏写りが減少する。さらに押圧手段の中心位置を版胴の中心とインキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下、より好ましくは5mm以上8mm以下の範囲でずらすことにより、インキ保持部材表面とマスタとの間におけるインキ層の形成を防止し、印刷用紙表面に転移するインキ量を減少させて裏写りを防止することができると共に、排版時においてインキ保持部材表面のインキをマスタと共に廃棄することが防止でき、コストダウンを図ることができる。
【0107】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに少なくともその表面が金属で構成されているインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、高エネルギー表面である金属によってその表面を構成されたインキ保持部材はインキとの接着力が高くなり、インキ保持部材の内部からインキが引き出されにくくなると共に、インキ保持部材が高弾性であり、押圧部材による加圧時においてインキ保持部材が圧縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはインキ保持部材が復元することによりインキ保持部材の内部にインキを吸い戻すため、余分なインキの印刷用紙への転移が防止され、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタまたは多孔性支持体を有するマスタを用いて印刷を行う場合に、裏写りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。さらにインキ保持部材の強度が高いので長時間の使用によるへたりが少なく、またインキによる腐食を防止することができ、耐久性がよく大量印刷に適した孔版印刷装置を提供することができる。
【0108】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに繊維径の異なる2種類以上の繊維を組み合わせて構成されたインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、太い繊維間を細い繊維で埋めることによってインキ保持部材の表面粗さを小さくすることができ、印刷時において熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介してインキ保持部材またはインキ保持部材及び多孔性支持体の内部より引き出されるインキ量が適正化されるのでインキの浸透乾燥に要する時間が短縮され、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタまたは多孔性支持体を有するマスタを用いて印刷を行う場合に、裏写りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。また、太い繊維と細い繊維とを混在させることにより、コストアップすることなく版胴の耐久性を向上させることができる。
【0109】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに外表面に向かうに連れて空隙が小さくなるように構成されたインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、インキ通路に沿って最初はインキの供給・拡散を良好に行い最終では引き出されるインキ量を適正化することによりインキの浸透乾燥に要する時間が短縮されるため、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタまたは多孔性支持体を有するマスタを用いて印刷を行う場合に裏写りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置要部の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いられる版胴及びインキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのインキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのインキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのインキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図6】通常の孔版印刷装置におけるプレスローラーと版胴との接触領域を説明する図である。
【図7】通常の孔版印刷装置におけるプレスローラー接触時の版胴内部を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施例におけるプレスローラーと版胴との接触領域を説明する図である。
【図9】本発明の第1の実施例におけるプレスローラーと版胴との接触領域を説明する図である。
【図10】本発明の第2の実施例に用いられる版胴とマスタとを示す部分側断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例に用いられる版胴を示す部分側断面図である。
【図12】本発明の第3の実施例を説明する部分側断面図である。
【図13】本発明の第3の実施例を説明する部分側断面図である。
【図14】本発明の第4の実施例に用いられる版胴とマスタとを示す部分側断面図である。
【図15】本発明の第5の実施例に用いられる版胴を示す部分側断面図である。
【図16】本発明の第6の実施例に用いられる版胴を示す部分側断面図である。
【符号の説明】
1,21,24,29,31,32 版胴
3 インキローラー
8 熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ
8a 穿孔部
15,23,25,30,33,34 インキ保持部材
16 押圧手段(プレスローラー)
18 印刷用紙
19 インキ
22 マスタ
22a 多孔性支持体
22b 熱可塑性樹脂フィルム
22e 穿孔部
25a インキ流入側の孔
25b インキ流出側の孔
25d インキ通路
A インキローラーの中心
B 版胴の中心
C 押圧手段の中心
S 垂線
X 線

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを巻装し、前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタと当接する側の表面粗さが5〜45μmRzであると共に、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量が前記インキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有するインキ保持部材を外周面に有する版胴と、
    前記版胴の内部に設けられ、前記版胴の内周面にインキを供給するインキローラーと、
    前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、
    前記押圧手段の中心が、前記版胴の中心と前記インキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下の範囲で用紙搬送方向上流側または下流側に位置することを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを巻装し、前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタと当接する側の表面の繊維径が1μm以上20μm以下であると共に、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量が前記インキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有するインキ保持部材を外周面に有する版胴と、
    前記版胴の内部に設けられ、前記版胴の内周面にインキを供給するインキローラーと、
    前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、
    前記押圧手段の中心が、前記版胴の中心と前記インキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下の範囲で用紙搬送方向上流側または下流側に位置することを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタを巻装し、前記多孔性支持体と当接する側の表面粗さと前記多孔性支持体の厚みとの和が5μm以上45μm以下であると共に、そのインキ流入側の孔から流入したインキの実質的に全量が前記インキ流入側の孔の垂直下方より外方へ流出した後にインキ流出側の孔へ向かって流下するインキ通路を有するインキ保持部材を外周面に有する版胴と、
    前記版胴の内部に設けられ、前記版胴の内周面にインキを供給するインキローラーと、
    前記マスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記マスタの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、
    前記押圧手段の中心が、前記版胴の中心と前記インキローラーの中心とを通る線に対して3mm以上9mm以下の範囲で用紙搬送方向上流側または下流側に位置することを特徴とする孔版印刷装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、
    前記インキ保持部材は少なくともその表面が金属で構成されていることを特徴とする孔版印刷装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、
    前記インキ保持部材が繊維径の異なる2種類以上の繊維から構成されていることを特徴とする孔版印刷装置。
  6. 請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、
    前記インキ保持部材は外表面に向かうに連れて空隙が小さくなるように構成されていることを特徴とする孔版印刷装置。
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