JP3581749B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は孔版印刷装置の制御に関し、詳しくは放置後の印刷開始時における印刷速度の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
厚み1〜2μm程度の薄い熱可塑性樹脂フィルムに和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものからなる多孔性支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタの熱可塑性樹脂フィルム面を加熱穿孔製版し、これを樹脂繊維あるいは金属繊維から構成されたメッシュスクリーン等からなるインキ保持層と多孔性の支持円筒体とからなる回転自在な版胴に巻装して、印刷用紙を介してプレスローラー等の押圧手段をマスタに押圧させることにより、版胴内部に設けられたインキ供給手段より供給されたインキを版胴開孔部及びマスタ穿孔部より滲出させて印刷を行う感熱デジタル式孔版印刷装置がよく知られている。
【0003】
この孔版印刷装置では、水性インキと油中水型エマルジョンインキとが主に使用される。この油中水型エマルジョンインキは蒸発しにくく、装置を一定時間放置した後に再度印刷を再開した場合等に、インキが蒸発することに起因して発生する印刷不良を防止するためによく用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の油中水型エマルジョンインキは乾燥しにくく、印刷時において、印刷用紙に転移したインキが印刷用紙内へ浸透して指等で擦っても汚れが発生しない、所謂、浸透乾燥した状態となるまでにはある程度の時間を必要とする。
【0005】
孔版印刷装置では、印刷済みの印刷用紙は連続的に排紙トレイに排出積載されるが、このとき、油中水型エマルジョンインキで印刷された印刷用紙上に次の印刷用紙がすぐに積載されると、インキの乾燥時間が短く、前の印刷用紙の画像インキが次の印刷用紙の裏面に付着して印刷用紙を汚してしまう、所謂、裏写りという不具合を発生してしまう。
【0006】
さらに、従来の孔版印刷に用いられるマスタや従来の孔版印刷装置の版胴では、その多孔性支持体やインキ保持層の開孔径(空隙)が熱可塑性樹脂フィルムの穿孔径よりも大きくなるように構成されており、転移するインキ量を減少させて裏写りを防止する効果がほとんど期待できなかった。また、従来の多孔性支持体やメッシュスクリーンでは、流入するインキの流動方向を変化させずに流出させてしまう部分が多く存在し、この部分においてインキの流出量が大きくなり、裏写りを引き起こしてしまうという問題点があった。
【0007】
上述の、インキの流出量を抑えるために、多孔性支持体やインキ保持層に繊維密度が高い等、インキ通過性の悪いものを使用してインキの切れを向上させ、インキ流出量を抑制することで裏写りを防止する方法が考えられる。しかし、繊維密度を高くすると、多孔性支持体やインキ保持層でのインキ通過性が悪化することにより、従来用いられている粘度7〜10Pa・s(コンプレート型粘度計、シェアレート100 1/Sで測定)のインキでは、印刷速度が速い場合には多孔性支持体やインキ保持層へのインキ供給が追いつかなくなり、画像が掠れるという不具合を発生するため、インキ粘度を低くする必要がある。
【0008】
また、製版の完了した新しいマスタを外周面に巻装した直後の版胴によって印刷を開始すると、印刷開始直後はインキが十分に多孔性支持体内に行き渡らないために掠れた画像となり、最初の数枚は正常な画像が得られないという不具合を発生するため、流動性の良好な低粘度インキを使用する必要がある。
【0009】
ところで、油中水型エマルジョンインキは、長期間放置することでエマルジョン状態が破壊されて粘度が低下する(緩む)という特性がある。この粘度低下時の粘度は、放置前のインキ粘度が低いもの(コンプレート型粘度計、シェアレート100 1/Sでの測定で5Pa・s以下)程低く、放置後の低粘度インキは、より粘度の低い低粘度インキとなる。この、放置後の緩んだ低粘度インキを用いて印刷を行うと、過剰のインキが印刷用紙に転移するためににじみを発生し、小さい文字等が潰れて読めなくなる他、インキが裏面側までしみる裏抜けを発生するという問題点があり、従来の孔版印刷装置ではあまり粘度の低いインキを使用することができなかった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決し、低粘度インキを使用しても長時間放置後の印刷動作の立ち上がり時ににじみや裏抜けの発生を防止して良好な印刷物を得ることができる孔版印刷装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、外周面にマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前記マスタに印刷用紙を押圧する押圧手段とを具備する孔版印刷装置において、印刷動作終了後の放置時間と使用されるインキの種類とに応じて、立ち上がり時の印刷速度を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、外周面にマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前記マスタに印刷用紙を押圧する押圧手段とを具備する孔版印刷装置において、印刷動作終了後の放置時間と使用されるインキの種類とに応じて、立ち上がり時の印刷速度及びこの印刷速度での印刷枚数を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置において、さらに、前記放置時間と前記インキの種類とに応じて版付回数を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段とを具備し、放置によって粘度が低下するインキが用いられる孔版印刷装置において、前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数を印刷した後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段とを具備し、放置によって粘度が上昇するインキが用いられる孔版印刷装置において、前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数を印刷した後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段と、前記インキ供給手段内のインキの有無を検知するインキ検知手段と、前記インキ供給手段内にインキを補給するインキ補給手段とを具備し、放置によって粘度が低下するインキが用いられる孔版印刷装置において、前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、少なくとも前記インキ検知手段によって前記インキ供給手段内のインキが検知されなくなるまで、設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数の印刷を行った後に前記インキ補給手段によって前記インキ供給手段内にインキを補給し、その後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段と、前記インキ供給手段内のインキの有無を検知するインキ検知手段と、前記インキ供給手段内にインキを補給するインキ補給手段とを具備し、放置によって粘度が上昇するインキが用いられる孔版印刷装置において、前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、少なくとも前記インキ検知手段によって前記インキ供給手段内のインキが検知されなくなるまで、設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数の印刷を行った後に前記インキ補給手段によって前記インキ供給手段内にインキを補給し、その後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段とを具備し、放置によって粘度が低下するインキが用いられる孔版印刷装置において、前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、版付動作を行った後に設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数を印刷し、その後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段とを具備し、放置によって粘度が上昇するインキが用いられる孔版印刷装置において、前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、版付動作を行った後に設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数を印刷し、その後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項8または請求項9記載の孔版印刷装置において、さらに、前記計時時間が前記所定時間を超えた長さに応じて、前記版付動作の回数を変化させることを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の発明は、請求項8、請求項9または請求項10記載の孔版印刷装置において、さらに、前記製版済みマスタが細かい製版画像を有する場合には、前記タイマーの計時時間が所定時間以内であっても版付動作を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項12記載の発明は、請求項4、請求項6または請求項8記載の孔版印刷装置において、さらに、前記製版済みマスタが細かい製版画像を有する場合には、前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合に、前記所定速度及び/または前記所定枚数を増加させることを特徴とする。
【0023】
請求項13記載の発明は、請求項5、請求項7または請求項9記載の孔版印刷装置において、さらに、前記製版済みマスタが細かい製版画像を有する場合には、前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合に、前記所定速度を低下させる及び/または前記所定枚数を増加させることを特徴とする。
【0024】
請求項14記載の発明は、請求項4ないし請求項13のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに、前記製版済みマスタが細かい製版画像を有する場合には、前記タイマーの計時時間が所定時間以内であっても、前記所定速度で前記所定枚数を印刷した後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする。
【0025】
請求項15記載の発明は、請求項4ないし請求項14のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに、前記計時時間が前記所定時間を超えた長さに応じて、前記所定速度及び/または前記所定枚数を変化させることを特徴とする。
【0026】
請求項16記載の発明は、請求項4ないし請求項15のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに、前記製版済みマスタを作成する製版手段と、前記製版手段への通電エネルギー量を検出するエネルギー検出手段とを具備し、前記印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が前記所定時間を超えた場合には、前記エネルギー検出手段によって検出された前記通電エネルギー量に応じて、前記所定速度及び/または前記所定枚数を変化させることを特徴とする。
【0027】
【実施例】
図1は、本発明の第1の実施例に用いられる孔版印刷装置の要部を示している。同図において、回転自在に支持され、図示しない版胴駆動手段で回転駆動される版胴1は、インキパイプ2、インキローラー3、ドクターローラー4、インキ溜まり5からなるインキ供給手段20をその内部に有している。
【0028】
版胴1は、図2に示すように、開孔部1aを有する多孔性支持板1bと、多孔性支持板1bの外表面に巻装されたインキ保持部材15とから構成されている。インキ保持部材15は、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維15aでインキを通過させるためのインキ通路を形成した不織布によって構成されている。版胴1の外周面には熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8が巻装される。また、版胴1を回転駆動する版胴駆動手段は、後述する制御手段37によってその動作を制御される。
【0029】
版胴1の支持軸を兼ねたインキパイプ2は、図示しない筐体側板に固着されており、その表面には、版胴1の内部にインキを供給するための複数の小さな孔が穿設されている。インキパイプ2は、版胴1の外部に配設された図示しないインキパック内のインキを図示しないポンプによって汲上げ、版胴1の内部に供給する。この図示しないインキパックとポンプとによって、インキ補給手段が構成されている。インキとしては、低粘度(コンプレート型粘度計、シェアレート100 1/Sでの測定で0.5〜5Pa・s)の油中水型エマルジョンインキ、または同粘度の水性インキが使用される。
【0030】
インキパイプ2の下方には、インキローラー3とドクターローラー4とが配設されている。
版胴1内の図示しない側板に回転自在に支持されたインキローラー3は、その外周面が版胴1の内周面と近接するように配置されており、インキパイプ2より供給されたインキを版胴1に供給する。インキローラー3は、金属または比較的高硬度のゴムローラーで構成され、図示しないギヤあるいはベルト等の駆動力伝達手段によって版胴駆動手段からの回転力を伝達されて、版胴1と同期して図の時計回り方向に回転駆動される。
【0031】
インキローラー3の近傍には、回転自在なドクターローラー4が配設されている。ドクターローラー4は、その外周面とインキローラー3の外周面との間に僅かな間隙が生じるように配設されており、インキローラー3の外周面との近接部において楔状のインキ溜まり5を形成している。
【0032】
インキ溜まり5には、インキ検知手段19が配設されている。インキ検知手段19は、インキ溜まり5のインキ量を検知して、印刷中にインキ溜まり5のインキ量が規定量以下となると、後述する制御手段37に信号を出力し、この信号に基づいて、インキ補給手段がインキ溜まり5にインキを補給する。
【0033】
インキパイプ2よりインキ溜まり5へと供給されたインキは、インキローラー3とドクターローラー4との間隙を通過することにより、均一な層状となりつつインキローラー3の表面に供給される。
【0034】
版胴1の非開孔部表面には、軸方向に延在するステージ部6が配設されている。磁性体で形成されたステージ部6上には、ステージ部6に対して接離自在に支持されたマグネットを有するクランパー7が配設されており、クランパー7は図示しない開閉手段によって回動される。
【0035】
版胴1の左上方には、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8をロール状に巻成してなるマスタロール9と、サーマルヘッド10及びプラテンローラー11と、マスタ搬送ローラー対12と、切断手段13と、マスタガイド板14とが配設されている。
【0036】
この第1の実施例に用いられる、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8とは、マスタ8が熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤や熱融着防止剤等の微量成分を含有させてなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの表面及び裏面のうちの少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜層を1層または複数層形成してなるものをも含む。
【0037】
熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステル(好ましくは共重合ポリエステル)系、ナイロン(好ましくは共重合ナイロン)系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、塩化ビニル系、アクリル酸誘導体系、エチレン・ビニルアルコール系、ポリカーボネート系共重合体等が挙げられ、その厚みは、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmである。
【0038】
マスタロール9は、その芯部9aを図示しないホルダー手段に回転可能に支持されている。
【0039】
サーマルヘッド10とプラテンローラー11とは、図示しない孔版印刷装置の側板に取り付けられている。多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10は、図示しない付勢手段によってプラテンローラー11に付勢されている。プラテンローラー11は回転自在に設けられており、図示しないステッピングモーターによって、図において時計回り方向に回転駆動される。マスタ8は、サーマルヘッド10に押圧されて熱溶融穿孔製版されつつ、プラテンローラー11の回転によってマスタロール9より繰り出される。サーマルヘッド10とプラテンローラー11とで製版手段が構成されている。
【0040】
サーマルヘッド10とプラテンローラー11とが配設された位置よりもマスタ搬送方向下流側には、マスタ搬送ローラー対12が配設されている。図示しない孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されたマスタ搬送ローラー対12は、図示しない駆動手段によってプラテンローラー11の周速度よりも僅かに速い周速度で回転駆動される。また、マスタ搬送ローラー対12には図示しないトルクリミッターが取り付けられており、プラテンローラー11とマスタ搬送ローラー対12との間で搬送されるマスタ8に対して、予め設定された張力が一定に作用するように構成されている。
【0041】
マスタ搬送ローラー対12の配設位置よりもマスタ搬送方向下流側には、可動刃13aと固定刃13bとからなる切断手段13及びマスタガイド板14が配設されている。切断手段13は、可動刃13aが固定刃13bに対して回転移動または上下動してマスタ8を切断する周知の構造である。マスタガイド板14は図示しない孔版印刷装置の側板に固着されており、搬送されるマスタ8をガイドする。
【0042】
版胴1の下方には、押圧手段としてのプレスローラー16が配設されている。回転自在に支持されたプレスローラー16は、図示しない揺動手段によって、その外周面が版胴1の外周面より離間する位置と版胴1の外周面と当接する位置とに選択的に揺動される。
【0043】
プレスローラー16の右方には、レジストローラー対17が配設されている。レジストローラー対17は、図示しない給紙手段より給送される印刷用紙18の先端をくわえ込み、プレスローラー16が版胴1と当接するタイミングと同期して、印刷用紙18を版胴1とプレスローラー16との間に向けて給送する。なお、押圧手段として、プレスローラー16に代えて版胴1と略同径の圧胴を設けてもよい。
【0044】
図3は、この孔版印刷装置の操作パネルを示している。図示しない筐体の上部前面に配設された印刷枚数設定手段としての操作パネル21は、その上面に製版スタートキー22、印刷スタートキー23、試し刷りキー24、ストップキー25、テンキー26、エンターキー27、クリアキー28、プログラムキー29、拡大縮小キー30、印刷速度設定キー31、連写キー32、7セグメントLEDからなる表示装置33、LCDからなる表示装置34等の周知の構成を有する他、セレクトスイッチ35、内部に設けられたタイマー36を有している。
【0045】
セレクトスイッチ35は、印刷に用いられるインキがエマルジョンインキの場合は「油性」側に、水性インキの場合は「水性」側に切り換えられる。セレクトスイッチ35の切り換えによって、後述する制御手段37からロードされる孔版印刷装置の動作プログラムが切り換えられる。
【0046】
タイマー36は、印刷動作終了後より作動を開始し、孔版印刷装置が印刷待機状態となった後に印刷スタートキー23あるいは試し刷りキー24が押された時点で作動を停止する。タイマー36の作動時間、すなわち孔版印刷装置の放置時間は、表示装置34に表示されると共に後述する制御手段37に時間信号として出力される。出力された時間信号は制御手段37において閾値と比較され、制御手段37によって放置後の印刷か否かが判断される。本実施例では、閾値を2時間と8時間とに設定し、時間信号が2時間以内の場合は放置後の印刷とは見なさずに通常の印刷動作を行い、時間信号が2時間を超え8時間以内の場合は1次放置後印刷とみなし、時間信号が8時間を超えた場合は2次放置後印刷とみなすように設定されている。
【0047】
図4は、第1の実施例に用いられる制御手段37のブロック図を示している。制御手段37は、CPU38、ROM39、RAM40を有する周知のマイクロコンピューターから構成されている。
【0048】
CPU38には、操作パネル21からの各信号(動作信号、置数信号及び設定信号等)と、セレクトスイッチ35からの切換信号、タイマー36からの時間信号、インキ検知手段19からの検知信号が入力される。入力された各信号は、ROM39に記憶された動作プログラムに基づいて演算処理され、版胴駆動手段とインキ補給手段とにそれぞれ動作信号として出力される。
【0049】
ROM39には、版胴駆動手段を動作させる複数の動作プログラムと、インキ補給手段を動作させる動作プログラムとが記憶されている。版胴駆動手段を動作させる複数の動作プログラムは、セレクトスイッチ35からの切換信号とタイマー36からの時間信号とに応じて適宜選択される。
【0050】
図5は、ROM39に記憶された版胴駆動手段の動作プログラムの一例を示している。同図において、符号41で示す実線は、セレクトスイッチ35が「油性」、タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合の動作プログラムを、符号42で示す実線は、セレクトスイッチ35が「油性」、タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合の動作プログラムを、符号43で示す実線は、セレクトスイッチ35が「水性」、タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合の動作プログラムを、符号44で示す実線は、セレクトスイッチ35が「水性」、タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合の動作プログラムをそれぞれ示している。
【0051】
上記構成に基づき、以下に動作を説明する。
【0052】
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーターによって製版スタートキー22が押されると版胴1が回転し、図示しない排版装置によって版胴1の外周面上に巻装されている使用済みマスタが剥離・廃棄され、版胴1はクランパー7が略真上に位置する給版待機位置で停止する。版胴1の回転が停止すると、図示しない開閉手段が作動してクランパー7が開放され、版胴1は図1に示す給版待機状態となる。
【0053】
排版動作が完了すると、これに続いて製版動作が行われる。読み取られた原稿画像は、原稿読取部のCCD等で電気信号に変換され、A/D変換器を経由して製版制御装置に画像データとして送られる。製版制御装置は、送られた画像データに基づいてサーマルヘッド10の発熱素子に対してパルス状の通電を行い、サーマルヘッド10はマスタ8に対して熱溶融穿孔製版を行う。サーマルヘッド10の作動に先立って、プラテンローラー11が図示しないステッピングモーターによって回転駆動され、マスタロール9よりマスタ8が引き出される。
【0054】
製版画像を形成されたマスタ8は、マスタガイド板14にガイドされつつマスタ搬送ローラー対12によってクランパー7へと搬送される。プラテンローラー11を回転駆動するステッピングモーターのステップ数より、マスタ8の先端がクランパー7とステージ部6との間の所定位置まで達したと判断されると、図示しない開閉手段が作動してクランパー7を反時計回り方向に回動させ、ステージ部6とクランパー7とでマスタ8の先端を挟持した後、版胴1がマスタ搬送速度と略同周速度で時計回り方向に回転を開始し、マスタ8の版胴1への巻装が開始される。
【0055】
そして、プラテンローラー11を回転駆動するステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと判断されるとプラテンローラー11とマスタ搬送ローラー対12の回転動作がそれぞれ停止され、切断手段13によってマスタ8が切断される。切断されたマスタ8は版胴1の回転によって引き出され、巻装動作が完了する。
【0056】
巻装動作に引き続き、印刷動作が行われる。
オペレーターによって操作パネル21上のテンキー26及び印刷速度設定キー31が押されて印刷枚数と印刷速度とが設定され、セレクトスイッチ35が、使用されるインキに応じて「油性」または「水性」に切り換えられた後に印刷スタートキー23が押されると、印刷動作が開始される。この実施例では、印刷枚数100枚、印刷速度60枚/分、「油性」と設定されたものとする。
【0057】
印刷スタートキー23が押されると、インキ検知手段19がインキ溜まり5のインキ量を検知し、インキが規定量以上ない場合は、制御手段37の指令によってインキ補給手段のポンプを所定回数作動させ、インキパックからインキ溜まり5へインキを供給する。
【0058】
印刷スタートキー23の押下に伴い、タイマー36の作動が停止して時間信号が制御手段37に出力される。時間信号が2時間以内の場合は、セレクトスイッチ35の切換に関わらず通常の印刷動作が行われる。
【0059】
図示しない給紙手段より給送された印刷用紙18は、レジストローラー対17にくわえ込まれる。レジストローラー対17は、設定速度60枚/分で回転している版胴1に巻装されたマスタ8の画像領域がプレスローラー16と対応する位置に達するタイミングで、印刷用紙18を版胴1とプレスローラー16との間に向けて給送する。給送された印刷用紙18は、プレスローラー16によって版胴1に巻装されたマスタ8に押圧される。この押圧動作により、プレスローラー16と印刷用紙18とマスタ8と版胴1の外周面とが圧接し、インキローラー3によって版胴1の内周面に供給されたインキが、開孔部1aとインキ保持部材15のオープニングエリアより滲出し、インキ保持部材15の空隙15bに充填された後、マスタ8の穿孔部を通過して印刷用紙18に転移される。インキを転移された印刷用紙18は、図示しない剥離爪によって版胴1の外周面より剥離され、図示しない排紙手段によって機外に排出される。この印刷動作が設定枚数100枚まで行われて印刷動作が完了する。印刷動作完了後、タイマー36が再び作動を開始する。
【0060】
エマルジョンインキは、放置時間が長くなると、先に説明したようにエマルジョン状態の破壊によりインキ粘度が低下してしまうことから、この状態で上述と同様の印刷動作を行うと、マスタ8の穿孔部を通過して印刷用紙18に転移されるインキ量が増大するために裏抜けやにじみが発生してしまう。従って印刷用紙18へのインキ転移量を抑える必要がある。
【0061】
インキ転移量は印刷速度と大きな関係があり、印刷速度が速いほどインキ転移量が少なくなる特性がある。このことより、放置後の印刷動作では印刷速度を設定された印刷速度よりも速くすることで、インキ溜まり5に放置されて粘度が低下したインキ、あるいはインキ保持部材15やマスタ8上に放置されて粘度が低下したインキの転移量を少なくし、裏抜けやにじみを防止することができる。
【0062】
そこで、図5に示すように、設定速度よりも速い速度(例えば80枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行った後に設定速度で設定枚数まで印刷を行う動作プログラム41、設定速度よりも速い速度(例えば100枚/分、80枚/分)で所定枚数(例えば5枚程度)ずつの段階的な印刷を行った後に設定速度で設定枚数まで印刷を行う動作プログラム42をROM39に記憶させておき、セレクトスイッチ35とタイマー36からの信号に基づいてこの動作プログラムを呼び出すように構成しておくことにより、放置時間の長さに比例するインキの粘度低下に対応した最適濃度の印刷動作を行うことができ、裏抜けやにじみの発生を防止することができる。この一連の動作を図6に示す。
【0063】
また、水性インキは、放置時間が長くなると、水分が蒸発することによりエマルジョンインキとは逆に粘度が上昇する。この状態では、マスタ8の穿孔部を通過して印刷用紙18に転移されるインキ量が減少し、掠れ等の印刷不良が発生してしまうために印刷用紙18へのインキ転移量を増加させる必要がある。
【0064】
従って、放置後の印刷動作では印刷速度を設定された印刷速度よりも遅くすることで、インキ溜まり5に放置されて粘度が上昇したインキ、あるいはインキ保持部材15やマスタ8上に放置されて粘度が上昇したインキの転移を促し、印刷不良を防止することができる。
【0065】
そこで、図5に示すように、設定速度よりも遅い速度(例えば40枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行った後に設定速度で設定枚数まで印刷を行う動作プログラム43、設定速度よりも遅い速度(例えば20枚/分、40枚/分)で所定枚数(例えば5枚程度)ずつの段階的な印刷を行った後に設定速度で設定枚数まで印刷を行う動作プログラム44をROM39に記憶させておき、セレクトスイッチ35とタイマー36からの信号に基づいてこの動作プログラムを呼び出すように構成しておくことにより、放置時間の長さに比例するインキの粘度上昇に対応した最適濃度の印刷動作を行うことができ、印刷不良の発生を防止することができる。この一連の動作を図7に示す。
【0066】
上記各動作プログラム41,42,43,44での印刷速度はこの限りではなく、放置されたインキの粘度状態に応じて、さらに多段階的に変化するように構成してもよく、また、各印刷速度における印刷枚数も、放置されたインキの量に応じて変化させることができる。
【0067】
図8は、第1の実施例の変形例に用いられる操作パネル53を、図9は、この変形例における制御手段37のブロック図をそれぞれ示している。操作パネル53は、操作パネル21と比較すると、画像キー54を有している点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0068】
画像キー54は、原稿に細かい画像が存在する場合に、オペレーターによって任意に押下される。なお、細かい画像とは、例えば画像中に10ポイント以下の大きさの文字が存在するようなものをいう。
【0069】
以下に、画像キー54が押された場合の孔版印刷装置の動作を説明する。
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーターによって製版スタートキー22が押されると、第1の実施例と同様に排版動作、製版動作、巻装動作が行われて、版胴1が印刷待機状態となる。
【0070】
オペレーターによって操作パネル53上の画像キー54が押され、テンキー26及び印刷速度設定キー31が押されて印刷枚数と印刷速度とが設定され、セレクトスイッチ35が、使用されるインキに応じて「油性」または「水性」に切り換えられた後に印刷スタートキー23が押されると、印刷動作が開始される。この変形例では、印刷枚数100枚、印刷速度60枚/分、「油性」と設定されたものとする。
【0071】
印刷スタートキー23の押下に伴い、タイマー36の作動が停止して時間信号が制御手段37に出力される。時間信号が2時間以内の場合は、CPU38はROM39より動作プログラム41を呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば80枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0072】
タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、CPU38はROM39より動作プログラム41よりも高速の高速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば100枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で設定枚数100枚までの印刷を行う。
【0073】
タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、CPU38はROM39より動作プログラム42よりも高速の段階的高速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば120枚/分、100枚/分)で所定枚数(例えば5枚程度)ずつの段階的な印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で設定枚数100枚までの印刷を行う。
【0074】
また、セレクトスイッチ35が「水性」に設定され、タイマー36からの時間信号が2時間以内の場合は、CPU38はROM39より動作プログラム43を呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば40枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0075】
タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、CPU38はROM39より動作プログラム43よりも低速の低速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば35枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0076】
タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、CPU38はROM39より動作プログラム44よりも低速の段階的低速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば15枚/分、35枚/分)で所定枚数(例えば5枚程度)ずつの段階的な印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0077】
このような動作とすることにより、細かい画像を有するマスタ8とエマルジョンインキとが使用された場合には、印刷速度をさらに高速とすることにより、放置されて粘度が低下したインキによる細かい画像でのにじみの発生を効果的に防止することができる。また、水性インキが使用された場合には、放置されて粘度が上昇したインキによる細かい画像での画像掠れの発生を効果的に防止することができる。この一連の動作を、セレクトスイッチ35が「油性」に設定された場合を図10に、セレクトスイッチ35が「水性」に設定された場合を図11にそれぞれ示す。
【0078】
図12は、本発明の第2の実施例に用いられる制御手段45を示している。CPU46、ROM47、RAM48を有する周知のマイクロコンピューターからなる制御手段45は、図1に示した孔版印刷装置の制御を行う。
【0079】
CPU46には、CPU38と同様に、操作パネル21からの各信号(動作信号、置数信号及び設定信号等)と、セレクトスイッチ35からの切換信号、タイマー36からの時間信号、インキ検知手段19からの検知信号が入力される。入力された各信号は、ROM47に記憶された動作プログラムに基づいて演算処理され、版胴駆動手段とインキ補給手段とにそれぞれ動作信号として出力される。
【0080】
ROM47には、ROM39と同様に、版胴駆動手段を動作させる複数の動作プログラムと、インキ補給手段を動作させる動作プログラムとが記憶されている。版胴駆動手段を動作させる複数の動作プログラムは、セレクトスイッチ35からの切換信号とタイマー36からの時間信号とに応じて適宜選択される。
【0081】
上記構成に基づき、以下に動作を説明する。
【0082】
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーターによって製版スタートキー22が押されると、第1の実施例と同様に排版動作、製版動作、巻装動作が行われて、版胴1が印刷待機状態となる。
【0083】
オペレーターによって操作パネル21上のテンキー26及び印刷速度設定キー31が押されて印刷枚数と印刷速度とが設定され、セレクトスイッチ35が、使用されるインキに応じて「油性」または「水性」に切り換えられた後に印刷スタートキー23が押されると、印刷動作が開始される。この実施例では、印刷枚数100枚、印刷速度60枚/分、「油性」と設定されたものとする。
【0084】
印刷スタートキー23の押下に伴い、タイマー36の作動が停止して時間信号が制御手段45に出力される。時間信号が2時間以内の場合は、セレクトスイッチ35の切換に関わらず通常の印刷動作が行われる。この印刷動作は第1の実施例と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0085】
タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、CPU46はROM47より動作プログラム41を呼び出す。そして、第1の実施例と同様に、設定速度よりも速い速度(例えば80枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行うが、本実施例では、1枚印刷する毎に制御手段45がインキ検知手段19からの信号の有無を確認し、少なくともインキ検知手段19からの信号が入力されるまで高速印刷を行うように構成されている。
【0086】
所定枚数の高速印刷が完了する前にインキ検知手段19からの信号が入力された場合には、所定枚数の高速印刷が完了するまでインキ補給手段に信号を出力せずに高速印刷を継続し、所定枚数の高速印刷完了後にインキ補給手段に信号を出力してインキ溜まり5にインキを補給すると共に設定速度で設定枚数までの印刷を行う。
【0087】
また、所定枚数の高速印刷が完了してもインキ検知手段19からの信号が入力されない場合には、インキ検知手段19からの信号が入力されるまで高速印刷を継続し、信号入力後に高速印刷を停止させ、インキ補給手段に信号を出力してインキ溜まり5にインキを補給すると共に設定速度で設定枚数までの印刷を行う。
【0088】
タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、CPU46はROM47より動作プログラム42を呼び出し、上記と同様の制御を行う。また、セレクトスイッチ35が「水性」に設定され、タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、CPU46はROM47より動作プログラム43を呼び出して上記と同様の制御を行い、タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、CPU46はROM47より動作プログラム44を呼び出して上記と同様の制御を行う。
【0089】
このような動作とすることにより、エマルジョンインキが使用された場合には、インキ溜まり5やインキ保持部材15、あるいはマスタ8上に放置されて粘度が低下したインキを極力消費することができ、裏抜けやにじみの発生を効果的に防止することができる。また、水性インキが使用された場合にも、放置されて粘度が上昇したインキを極力消費することができ、印刷不良の発生を効果的に防止することができる。この一連の動作を、セレクトスイッチ35が「油性」に設定された場合を図13に、セレクトスイッチ35が「水性」に設定された場合を図14にそれぞれ示す。
【0090】
この第2の実施例においても、第1の実施例と同様に、画像キー54を有する操作パネル53を変形例として用いることができる。図15は、この変形例における制御手段45のブロック図を示している。
【0091】
以下に、画像キー54が押された場合の孔版印刷装置の動作を説明する。
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーターによって製版スタートキー22が押されると、第1の実施例と同様に排版動作、製版動作、巻装動作が行われて、版胴1が印刷待機状態となる。
【0092】
オペレーターによって操作パネル53上の画像キー54が押され、テンキー26及び印刷速度設定キー31が押されて印刷枚数と印刷速度とが設定され、セレクトスイッチ35が、使用されるインキに応じて「油性」または「水性」に切り換えられた後に印刷スタートキー23が押されると、印刷動作が開始される。この変形例では、印刷枚数100枚、印刷速度60枚/分、「油性」と設定されたものとする。
【0093】
印刷スタートキー23の押下に伴い、タイマー36の作動が停止して時間信号が制御手段45に出力される。時間信号が2時間以内の場合は、CPU46はROM47より動作プログラム41を呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば80枚/分)で少なくともインキ検知手段19からの信号が入力されるまで高速印刷を行うように構成されている。
【0094】
そして、第2の実施例と同様に、所定枚数の高速印刷が完了する前にインキ検知手段19からの信号が入力された場合には所定枚数の高速印刷が完了するまでインキ補給手段に信号を出力せずに高速印刷を継続し、所定枚数の高速印刷完了後にインキ補給手段に信号を出力してインキ溜まり5にインキを補給すると共に設定速度で設定枚数までの印刷を行い、また、所定枚数の高速印刷が完了してもインキ検知手段19からの信号が入力されない場合にはインキ検知手段19からの信号が入力されるまで高速印刷を継続し、信号入力後に高速印刷を停止させてインキ補給手段に信号を出力してインキ溜まり5にインキを補給すると共に設定速度で設定枚数までの印刷を行う。
【0095】
タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、CPU46はROM47より動作プログラム41よりも高速の高速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば100枚/分)で少なくともインキ検知手段19からの信号が入力されるまで高速印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で設定枚数100枚までの印刷を行う。
【0096】
タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、CPU46はROM47より動作プログラム42よりも高速の段階的高速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば120枚/分、100枚/分)で少なくともインキ検知手段19からの信号が入力されるまで段階的高速印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で設定枚数100枚までの印刷を行う。
【0097】
また、セレクトスイッチ35が「水性」に設定され、タイマー36からの時間信号が2時間以内の場合は、CPU46はROM47より動作プログラム43を呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば40枚/分)で少なくともインキ検知手段19からの信号が入力されるまで低速印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0098】
タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、CPU46はROM47より動作プログラム43よりも低速の低速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば35枚/分)で少なくともインキ検知手段19からの信号が入力されるまで低速印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0099】
タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、CPU46はROM47より動作プログラム44よりも低速の段階的低速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば15枚/分、35枚/分)で少なくともインキ検知手段19からの信号が入力されるまで段階的低速印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0100】
このような動作とすることにより、第1の実施例と同様に、エマルジョンインキが使用された場合には、放置されて粘度が低下したインキによる細かい画像でのにじみの発生を効果的に防止することができ、また、水性インキが使用された場合には、放置されて粘度が上昇したインキによる細かい画像での画像掠れの発生を効果的に防止することができる。この一連の動作を、セレクトスイッチ35が「油性」に設定された場合を図16に、セレクトスイッチ35が「水性」に設定された場合を図17にそれぞれ示す。
【0101】
図18は、本発明の第3の実施例に用いられる制御手段49を示している。CPU50、ROM51、RAM52を有する周知のマイクロコンピューターからなる制御手段49は、図1に示した孔版印刷装置の制御を行う。
【0102】
CPU50には、CPU38と同様に、操作パネル21からの各信号(動作信号、置数信号及び設定信号等)と、セレクトスイッチ35からの切換信号、タイマー36からの時間信号、インキ検知手段19からの検知信号が入力される。入力された各信号は、ROM51に記憶された動作プログラムに基づいて演算処理され、版胴駆動手段とインキ補給手段とにそれぞれ動作信号として出力される。
【0103】
ROM51には、ROM39と同様に、版胴駆動手段を動作させる複数の動作プログラム及びインキ補給手段を動作させる動作プログラムと、放置時間に応じて版付動作の回数を制御する動作プログラムとが記憶されている。版胴駆動手段を動作させる複数の動作プログラムは、セレクトスイッチ35からの切換信号とタイマー36からの時間信号とに応じて適宜選択され、版付動作の回数を制御する動作プログラムは、タイマー36からの時間信号に応じて選択される。版付動作の回数を制御する動作プログラムは、セレクトスイッチ35からの切換信号に関わらず、時間信号が2時間以内の場合は版付動作を0回、時間信号が2時間を超え8時間以内の場合は版付動作を1回(版胴1を1回転)、時間信号が8時間を超えた場合は版付動作を2回(版胴1を2回転)行うように構成されている。
【0104】
上記構成に基づき、以下に動作を説明する。
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーターによって製版スタートキー22が押されると、第1の実施例と同様に排版動作、製版動作、巻装動作が行われて、版胴1が印刷待機状態となる。
【0105】
オペレーターによって操作パネル21上のテンキー26及び印刷速度設定キー31が押されて印刷枚数と印刷速度とが設定され、セレクトスイッチ35が、使用されるインキに応じて「油性」または「水性」に切り換えられた後に印刷スタートキー23が押されると、印刷動作が開始される。この実施例では、印刷枚数100枚、印刷速度60枚/分、「油性」と設定されたものとする。
【0106】
印刷スタートキー23の押下に伴い、タイマー36の作動が停止して時間信号が制御手段49に出力される。時間信号が2時間以内の場合は、セレクトスイッチ35の切換に関わらず通常の印刷動作が行われる。この印刷動作は第1の実施例と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0107】
タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、制御手段49は、印刷動作に先立って孔版印刷装置に1回の版付動作を行わせる。
【0108】
印刷スタートキー23が押されると、インキ検知手段19がインキ溜まり5のインキ量を検知し、インキが規定量以上ない場合は、制御手段49の指令によってインキ補給手段のポンプを所定回数作動させ、インキパックからインキ溜まり5へインキを供給する。
【0109】
その後、図示しない給紙手段より給送された印刷用紙18がレジストローラー対17にくわえ込まれる。レジストローラー対17は、遅い速度(例えば10枚/分)で回転している版胴1に巻装されたマスタ8の画像領域がプレスローラー16と対応する位置に達するタイミングで、印刷用紙18を版胴1とプレスローラー16との間に向けて給送する。給送された印刷用紙18は、プレスローラー16によって版胴1に巻装されたマスタ8に押圧される。この押圧動作により、プレスローラー16と印刷用紙18とマスタ8と版胴1の外周面とが圧接し、インキローラー3によって版胴1の内周面に供給されて放置によって粘度が低下したインキが、開孔部1aとインキ保持部材15のオープニングエリアより滲出し、インキ保持部材15の空隙15bに充填された後、マスタ8の穿孔部を通過して印刷用紙18に転移される。インキを転移された印刷用紙18は、図示しない剥離爪によって版胴1の外周面より剥離され、図示しない排紙手段によって機外に排出される。その後、版胴1がホームポジションで停止して版付動作が完了する。この版付動作は、印刷の設定枚数100枚には含まれない。
【0110】
版付動作完了後、CPU50はROM51より動作プログラム41を呼び出す。そして、第1の実施例と同様に、設定速度よりも速い速度(例えば80枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行った後、設定速度で設定枚数までの印刷を行う。
【0111】
タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、制御手段49は、印刷動作に先立って孔版印刷装置に上記と同様の版付動作を2回行わせる。版付動作完了後、CPU50はROM51より動作プログラム42を呼び出し、孔版印刷装置に第1の実施例と同様の印刷動作を行わせる。
【0112】
また、セレクトスイッチ35が「水性」に設定され、タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、制御手段49が、印刷動作に先立って孔版印刷装置に上記と同様の版付動作を1回行わせた後、CPU50がROM51より動作プログラム43を呼び出し、孔版印刷装置に第1の実施例と同様の印刷動作を行わせる。セレクトスイッチ35が「水性」に設定され、タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、制御手段49が、印刷動作に先立って孔版印刷装置に上記と同様の版付動作を2回行わせた後、CPU50がROM51より動作プログラム44を呼び出し、孔版印刷装置に第1の実施例と同様の印刷動作を行わせる。
【0113】
このような動作とすることにより、エマルジョンインキが使用された場合には、インキ溜まり5やインキ保持部材15、あるいはマスタ8上に放置されて粘度が低下したインキを版付動作によって大量に消費することができ、裏抜けやにじみの発生をより効果的に防止することができる。また、水性インキが使用された場合には、マスタ8やインキ保持部材15に十分にインキが供給されるので、印刷不良の発生をより効果的に防止することができる。この一連の動作を、セレクトスイッチ35が「油性」に設定された場合を図19に、セレクトスイッチ35が「水性」に設定された場合を図20にそれぞれ示す。
【0114】
この第3の実施例においても、第1、第2の実施例と同様に、画像キー54を有する操作パネル53を変形例として用いることができる。図21は、この変形例における制御手段49のブロック図を示している。
【0115】
以下に、この変形例における、画像キー54が押された場合の孔版印刷装置の動作を説明する。
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーターによって製版スタートキー22が押されると、第1の実施例と同様に排版動作、製版動作、巻装動作が行われて、版胴1が印刷待機状態となる。
【0116】
オペレーターによって操作パネル53上の画像キー54が押され、テンキー26及び印刷速度設定キー31が押されて印刷枚数と印刷速度とが設定され、セレクトスイッチ35が、使用されるインキに応じて「油性」または「水性」に切り換えられた後に印刷スタートキー23が押されると、印刷動作が開始される。
【0117】
印刷スタートキー23の押下に伴い、タイマー36の作動が停止して時間信号が制御手段49に出力される。このとき、時間信号が2時間以内の場合であっても、制御手段49は孔版印刷装置に1回の版付動作を行わせる。このような構成とすることにより、エマルジョンインキが使用された場合には放置時間に関わらず版付動作を行い、放置されて粘度が低下したインキを大量に消費した後に印刷動作を行うので、細かい画像におけるにじみの発生を抑えて良好な印刷物を得ることができる。また、水性インキが使用された場合には、放置時間に関わらず版付動作を行ってマスタ8やインキ保持部材15に十分にインキを供給した後に印刷動作を行うので、細かい画像における掠れの発生を抑えて良好な印刷物を得ることができる。この一連の動作を、セレクトスイッチ35が「油性」に設定された場合を図22に、セレクトスイッチ35が「水性」に設定された場合を図23にそれぞれ示す。
【0118】
また、上述の操作パネル53と制御手段49とを用いて、上述の変形例とは別の変形例を構成することもできる。以下に、この他の変形例における、画像キー54が押された場合の孔版印刷装置の動作を説明する。
【0119】
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーターによって製版スタートキー22が押されると、第1の実施例と同様に排版動作、製版動作、巻装動作が行われて、版胴1が印刷待機状態となる。
【0120】
オペレーターによって操作パネル53上の画像キー54が押され、テンキー26及び印刷速度設定キー31が押されて印刷枚数と印刷速度とが設定され、セレクトスイッチ35が、使用されるインキに応じて「油性」または「水性」に切り換えられた後に印刷スタートキー23が押されると、印刷動作が開始される。この変形例では、印刷枚数100枚、印刷速度60枚/分、「油性」と設定されたものとする。
【0121】
印刷スタートキー23の押下に伴い、タイマー36の作動が停止して時間信号が制御手段49に出力される。時間信号が2時間以内の場合は、制御手段49が孔版印刷装置に1回の版付動作を行わせた後、CPU50がROM51より動作プログラム41を呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば80枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0122】
タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、制御手段49が孔版印刷装置に1回の版付動作を行わせた後、CPU50がROM51より動作プログラム41よりも高速の高速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば100枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で設定枚数100枚までの印刷を行う。
【0123】
タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、制御手段49が孔版印刷装置に2回の版付動作を行わせた後、CPU50がROM51より動作プログラム42よりも高速の段階的高速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも速い速度(例えば120枚/分、100枚/分)で所定枚数(例えば5枚程度)ずつの段階的な印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で設定枚数100枚までの印刷を行う。
【0124】
また、セレクトスイッチ35が「水性」に設定され、タイマー36からの時間信号が2時間以内の場合は、制御手段49が孔版印刷装置に1回の版付動作を行わせた後、CPU50がROM51より動作プログラム43を呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば40枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0125】
タイマー36からの時間信号が2時間を超え8時間以内の場合には、制御手段49が孔版印刷装置に1回の版付動作を行わせた後、CPU50がROM51より動作プログラム43よりも低速の低速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば35枚/分)で所定枚数(例えば10枚程度)の印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0126】
タイマー36からの時間信号が8時間を超えた場合には、制御手段49が孔版印刷装置に2回の版付動作を行わせた後、CPU50がROM51より動作プログラム44よりも低速の段階的低速動作プログラムを呼び出し、孔版印刷装置は設定速度よりも遅い速度(例えば15枚/分、35枚/分)で所定枚数(例えば5枚程度)ずつの段階的な印刷を行い、その後、設定速度60枚/分で印刷枚数100枚までの印刷を行う。
【0127】
このような動作とすることにより、エマルジョンインキが使用された場合には、版付動作を行った後にさらに高速の印刷速度で印刷を行うことにより、放置されて粘度が低下したインキによる細かい画像でのにじみの発生をより効果的に防止することができる。また、水性インキが使用された場合には、版付動作を行った後にさらに低速の印刷速度で印刷を行うことにより、放置されて粘度が上昇したインキによる細かい画像での画像掠れの発生をより効果的に防止することができる。この一連の動作を、セレクトスイッチ35が「油性」に設定された場合を図24に、セレクトスイッチ35が「水性」に設定された場合を図25にそれぞれ示す。
【0128】
図26は、第1ないし第3の実施例の他の変形例に使用される孔版印刷装置を、図27は、この変形例に使用される制御手段56をそれぞれ示している。
【0129】
図26に示した孔版印刷装置は、図1に示したものと比較すると、サーマルヘッド10への通電エネルギー量を検出するエネルギー検出手段55を具備している点においてのみ相違している。
【0130】
制御手段56は、CPU57、ROM58、RAM59を有する周知のマイクロコンピューターから構成されており、CPU57には、CPU38と同様に、操作パネル21からの各信号(動作信号、置数信号及び設定信号等)と、セレクトスイッチ35からの切換信号、タイマー36からの時間信号、インキ検知手段19からの検知信号が入力される他、エネルギー検出手段55からの検出信号が入力される。入力された各信号は、CPU57で演算処理され、版胴駆動手段とインキ補給手段とにそれぞれ動作信号として出力される。
【0131】
ROM58には、ROM51と同様に、版胴駆動手段を動作させる複数の動作プログラム及びインキ補給手段を動作させる動作プログラムと、放置時間に応じて版付動作の回数を制御する動作プログラムとが記憶されている。ここで、版胴駆動手段を動作させる複数の動作プログラムにおけるそれぞれの印刷速度と、この印刷速度での印刷枚数を、CPU57がエネルギー検出手段55からの検出信号に基づいて演算処理する。
【0132】
検出信号が大きい場合は、製版画像量が多いのでインキが大量に消費されるため、各動作プログラムにおける印刷速度を設定速度に近づける方向に変化させるか、若しくは各動作プログラムにおける印刷速度での印刷枚数を少なくするように制御する。検出信号が小さい場合は上記とは逆の制御となる。
【0133】
このような構成とすることにより、放置後の印刷においても製版画像量に応じて適切な印刷を行うことができ、印刷用紙に転移するインキ量を常に適量とすることができ、良好な印刷物を常に得ることができる。
【0134】
この変形例においても、画像キー54を有する操作パネル53を用い、上記各変形例と同様の制御を行うことができる。その場合に用いられる制御手段56のブロック図を図28に示す。
【0135】
上記各実施例及び各変形例では、放置時間の閾値を2時間と8時間の2つとしたが、閾値を多く設け、これに対応した印刷速度制御並びに印刷枚数の制御を行えば、裏抜けやにじみの発生、あるいは印刷不良の発生をより一層防止することができ、極めて良好な印刷物を得ることができる。なお、この場合の制御としては、先に説明したように、印刷速度の制御が印刷用紙へ転移されるインキ量の調整に対して有効であるが、印刷速度を上昇させすぎると装置本体に対してがた等の悪影響が生じる虞があるため、放置されたインキの状態に応じては印刷枚数の制御のみを行う構成とすることが望ましい。
【0136】
なお、上記各実施例及び各変形例では、印刷速度設定キー31を具備した操作パネル21,53を有する孔版印刷装置を用いたが、これに代えて、印刷速度設定キー31を具備しない操作パネルを有する孔版印刷装置を用いてもよい。この場合には、その孔版印刷装置固有の印刷速度が設定印刷速度となる。
【0137】
また、上記各実施例及び各変形例では、マスタ8として熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いたが、マスタ8として、テトロン、ナイロン、レーヨン、ビニロン、ポリエステル等の合成樹脂繊維や、楮、三椏、マニラ麻、亜麻等の天然繊維からなる多孔性薄葉紙、天然繊維と合成樹脂繊維とを混抄してなる不織布、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維からなるメッシュスクリーン、あるいは合成樹脂繊維や金属繊維からなる焼結シート等から構成した多孔性支持体と、ポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムとを接着等によって貼り合わせた構成のものを用いてもよい。
【0138】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、放置された孔版印刷装置を用いて印刷を行う際に、放置時間と印刷に使用されるインキの種類とに応じて立ち上がり時の印刷速度を制御するので、印刷用紙に転移されるインキ量が制御され、放置されたインキを使用した印刷においても1枚目から良好な印刷物を得ることができる。
【0139】
請求項2記載の発明によれば、放置された孔版印刷装置を用いて印刷を行う際に、放置時間と印刷に使用されるインキの種類とに応じて立ち上がり時の印刷速度及びこの印刷速度での印刷枚数を制御するので、印刷用紙に転移されるインキ量が制御され、放置されたインキを使用した印刷においても1枚目から良好な印刷物を得ることができる。
【0140】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置において、さらに、放置時間と印刷に使用されるインキの種類とに応じて版付回数を制御するので、放置されたインキが版付動作によって大量に消費され、さらに良好な印刷物を得ることができる。
【0141】
請求項4記載の発明によれば、放置後の印刷時には設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数の印刷が行われるので、放置によって粘度が低下したインキが多量に印刷用紙に転移されることに起因する裏抜けやにじみの発生を防止することができ、放置されたインキを使用した印刷においても1枚目から良好な印刷物を得ることができる。
【0142】
請求項5記載の発明によれば、放置後の印刷時には設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数の印刷が行われるので、放置によって粘度が上昇したインキが印刷用紙に転移しないことに起因する掠れ等の印刷不良の発生を防止することができ、放置されたインキを使用した印刷においても1枚目から良好な印刷物を得ることができる。
【0143】
請求項6記載の発明によれば、放置後の印刷時において、少なくともインキ検知手段によってインキ供給手段内のインキが検知されなくなるまで、設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数の印刷が行われ、インキ供給手段内にインキが補給された後に設定印刷速度での印刷が行われるので、放置によって粘度が低下したインキは高速の印刷で消費され、放置によって粘度が低下したインキが多量に印刷用紙に転移されることに起因する裏抜けやにじみの発生を効果的に防止することができ、放置されたインキを使用した印刷においても1枚目から良好な印刷物を得ることができる。
【0144】
請求項7記載の発明によれば、放置後の印刷時において、少なくともインキ検知手段によってインキ供給手段内のインキが検知されなくなるまで、設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数の印刷が行われ、インキ供給手段内にインキが補給された後に設定印刷速度での印刷が行われるので、放置によって粘度が上昇したインキは低速の印刷で消費され、放置によって粘度が上昇したインキが印刷用紙に転移しないことに起因する掠れ等の印刷不良の発生を効果的に防止することができ、放置されたインキを使用した印刷においても1枚目から良好な印刷物を得ることができる。
【0145】
請求項8記載の発明によれば、放置後の印刷時には、版付動作を行った後に設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数の印刷が行われるので、放置によって粘度が低下したインキが版付動作によって大量に消費され、裏抜けやにじみの発生をより効果的に防止することができ、放置されたインキを使用した印刷においても1枚目から良好な印刷物を得ることができる。
【0146】
請求項9記載の発明によれば、放置後の印刷時には、版付動作を行った後に設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数の印刷が行われるので、放置によって粘度が上昇したインキが版付動作によって大量に消費され、印刷不良の発生をより効果的に防止することができ、放置されたインキを使用した印刷においても1枚目から良好な印刷物を得ることができる。
【0147】
請求項10記載の発明によれば、請求項8または請求項9記載の孔版印刷装置において、さらに、放置時間の長さに応じて版付回数を変化させるので、放置時間による粘度変化に対応して放置インキを消費することができ、より良好な印刷物を得ることができる。
【0148】
請求項11記載の発明によれば、請求項8、請求項9または請求項10記載の孔版印刷装置において、さらに、細かい製版画像が存在する場合には、放置後の印刷とは見なされなくとも版付動作を行うので、細かい画像のにじみ、裏抜け、掠れ等を防止することができ、より良好な印刷物を得ることができる。
【0149】
請求項12記載の発明によれば、請求項4、請求項6または請求項8記載の孔版印刷装置において、さらに、細かい画像が存在する場合には、放置後の印刷時において所定速度及び/または所定枚数を増加させて印刷を行うので、細かい画像のにじみあるいは裏抜けを防止することができ、より良好な印刷物を得ることができる。
【0150】
請求項13記載の発明によれば、請求項5、請求項7または請求項9記載の孔版印刷装置において、さらに、細かい画像が存在する場合には、放置後の印刷時において所定速度を低下させる及び/または所定枚数を増加させて印刷を行うので、細かい画像の掠れ等を防止することができ、より良好な印刷物を得ることができる。
【0151】
請求項14記載の発明によれば、請求項4ないし請求項13のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに、細かい製版画像が存在する場合には、放置後の印刷とは見なされなくとも所定速度で所定枚数を印刷した後、設定印刷速度で設定された枚数まで印刷を行うので、細かい画像のにじみ、裏抜け、掠れ等をより一層防止することができ、より良好な印刷物を得ることができる。
【0152】
請求項15記載の発明によれば、請求項4ないし請求項14のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに、放置時間の長さに応じて所定速度及び/または所定枚数を変化させるので、放置時間による粘度変化に対応して放置インキを消費することができ、より良好な印刷物を得ることができる。
【0153】
請求項16記載の発明によれば、請求項4ないし請求項15のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに、エネルギー検出手段によって検出された通電エネルギー量に応じて所定速度及び/または所定枚数を変化させるので、製版画像量に対応して放置インキを消費することができ、より良好な印刷物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置の概略側断面図である。
【図2】本発明の各実施例及び変形例に用いられる版胴、インキ保持部材及びマスタを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いられる操作パネルを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図5】本発明の各実施例に用いられる版胴駆動手段の速度制御を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例におけるエマルジョンインキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施例における水性インキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1ないし第3の実施例の変形例に用いられる操作パネルを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施例の変形例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図10】本発明の第1の実施例の変形例におけるエマルジョンインキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施例の変形例における水性インキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施例におけるエマルジョンインキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施例における水性インキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施例の変形例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施例の変形例におけるエマルジョンインキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施例の変形例における水性インキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図19】本発明の第3の実施例におけるエマルジョンインキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第3の実施例における水性インキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第3の実施例の変形例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図22】本発明の第3の実施例の変形例におけるエマルジョンインキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第3の実施例の変形例における水性インキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第3の実施例の他の変形例におけるエマルジョンインキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第3の実施例の他の変形例における水性インキを用いた場合の孔版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第1ないし第3の実施例の変形例に用いられる孔版印刷装置の概略側断面図である。
【図27】本発明の第1ないし第3の実施例の変形例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図28】本発明の第1ないし第3の実施例の他の変形例に用いられる制御手段のブロック図である。
【符号の説明】
1 版胴
8 マスタ
16 押圧手段(プレスローラー)
18 印刷用紙
19 インキ検知手段
20 インキ供給手段
21,53 操作パネル
55 エネルギー検出手段
Claims (16)
- 外周面にマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前記マスタに印刷用紙を押圧する押圧手段とを具備する孔版印刷装置において、
印刷動作終了後の放置時間と使用されるインキの種類とに応じて、立ち上がり時の印刷速度を制御することを特徴とする孔版印刷装置。 - 外周面にマスタを巻装する版胴と、前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、前記マスタに印刷用紙を押圧する押圧手段とを具備する孔版印刷装置において、
印刷動作終了後の放置時間と使用されるインキの種類とに応じて、立ち上がり時の印刷速度及びこの印刷速度での印刷枚数を制御することを特徴とする孔版印刷装置。 - 前記放置時間と前記インキの種類とに応じて版付回数を制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置。
- 外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、
前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、
前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、
印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段とを具備し、
放置によって粘度が低下するインキが用いられる孔版印刷装置において、
前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数を印刷した後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする孔版印刷装置。 - 外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、
前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、
前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、
印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段とを具備し、
放置によって粘度が上昇するインキが用いられる孔版印刷装置において、
前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数を印刷した後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする孔版印刷装置。 - 外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、
前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、
前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、
印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段と、
前記インキ供給手段内のインキの有無を検知するインキ検知手段と、
前記インキ供給手段内にインキを補給するインキ補給手段とを具備し、
放置によって粘度が低下するインキが用いられる孔版印刷装置において、
前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、少なくとも前記インキ検知手段によって前記インキ供給手段内のインキが検知されなくなるまで、設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数の印刷を行った後に前記インキ補給手段によって前記インキ供給手段内にインキを補給し、その後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする孔版印刷装置。 - 外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、
前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、
前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、
印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段と、
前記インキ供給手段内のインキの有無を検知するインキ検知手段と、
前記インキ供給手段内にインキを補給するインキ補給手段とを具備し、
放置によって粘度が上昇するインキが用いられる孔版印刷装置において、
前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、少なくとも前記インキ検知手段によって前記インキ供給手段内のインキが検知されなくなるまで、設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数の印刷を行った後に前記インキ補給手段によって前記インキ供給手段内にインキを補給し、その後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする孔版印刷装置。 - 外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、
前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、
前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、
印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段とを具備し、
放置によって粘度が低下するインキが用いられる孔版印刷装置において、
前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、版付動作を行った後に設定印刷速度よりも高速の所定速度で所定枚数を印刷し、その後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする孔版印刷装置。 - 外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、
前記版胴にインキを供給するインキ供給手段と、
前回の印刷動作終了時点から印刷指令が出力されるまでの時間を計時するタイマーと、
印刷枚数を設定する印刷枚数設定手段とを具備し、
放置によって粘度が上昇するインキが用いられる孔版印刷装置において、
前記印刷枚数が設定された後、印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合には、版付動作を行った後に設定印刷速度よりも低速の所定速度で所定枚数を印刷し、その後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする孔版印刷装置。 - 前記計時時間が前記所定時間を超えた長さに応じて、前記版付動作の回数を変化させることを特徴とする請求項8または請求項9記載の孔版印刷装置。
- 前記製版済みマスタが細かい製版画像を有する場合には、前記タイマーの計時時間が所定時間以内であっても版付動作を行うことを特徴とする請求項8、請求項9または請求項10記載の孔版印刷装置。
- 前記製版済みマスタが細かい製版画像を有する場合には、前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合に、前記所定速度及び/または前記所定枚数を増加させることを特徴とする請求項4、請求項6または請求項8記載の孔版印刷装置。
- 前記製版済みマスタが細かい製版画像を有する場合には、前記タイマーの計時時間が所定時間を超えた場合に、前記所定速度を低下させる及び/または前記所定枚数を増加させることを特徴とする請求項5、請求項7または請求項9記載の孔版印刷装置。
- 前記製版済みマスタが細かい製版画像を有する場合には、前記タイマーの計時時間が所定時間以内であっても、前記所定速度で前記所定枚数を印刷した後、前記設定印刷速度で設定された前記印刷枚数まで印刷することを特徴とする請求項4ないし請求項13のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。
- 前記計時時間が前記所定時間を超えた長さに応じて、前記所定速度及び/または前記所定枚数を変化させることを特徴とする請求項4ないし請求項14のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。
- 前記製版済みマスタを作成する製版手段と、前記製版手段への通電エネルギー量を検出するエネルギー検出手段とを具備し、前記印刷指令が出力されたときに前記タイマーの計時時間が前記所定時間を超えた場合には、前記エネルギー検出手段によって検出された前記通電エネルギー量に応じて、前記所定速度及び/または前記所定枚数を変化させることを特徴とする請求項4ないし請求項15のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。
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