JPH09202031A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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Publication number
JPH09202031A
JPH09202031A JP1308296A JP1308296A JPH09202031A JP H09202031 A JPH09202031 A JP H09202031A JP 1308296 A JP1308296 A JP 1308296A JP 1308296 A JP1308296 A JP 1308296A JP H09202031 A JPH09202031 A JP H09202031A
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JP
Japan
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ink
master
holding member
plate cylinder
porous support
Prior art date
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Application number
JP1308296A
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English (en)
Inventor
Tomiya Mori
富也 森
Kazuto Yaegashi
和人 八重樫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏写りの発生を効果的に防止することができ
る孔版印刷装置を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマス
タ8を巻装し、マスタ8と当接する側の表面粗さが5〜
45μmRzとなるように構成されるインキ保持部材1
5と、複数の開孔1aを有する多孔性支持板1bとを有
する版胴1と、インキ供給手段60と、マスタ8に印刷
用紙18を押圧する押圧手段16とを具備し、多孔性支
持板1bの画像領域に対応する開孔1aの開孔率が17
〜40%であることを特徴とする孔版印刷装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マスタを加熱穿
孔製版した後、多孔性円筒状版胴に巻装して印刷を行う
孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている孔版印刷用のマスタ
は、薄い熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜2μm程度)
に和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維と
を混抄したものからなる多孔性支持体を貼り合わせたラ
ミネート構造となっている。このマスタの熱可塑性樹脂
フィルム面を加熱穿孔製版し、多孔性の支持円筒体及び
樹脂繊維あるいは金属繊維から構成されたメッシュスク
リーン等からなるインキ保持層を有する回転自在な版胴
に製版されたマスタを巻装して、版胴内部に設けられた
インキ供給手段よりインキを供給し、プレスローラー等
の押圧手段で印刷用紙を連続的に押圧して、版胴開孔部
及びマスタ穿孔部よりインキを滲出させて印刷を行う感
熱デジタル孔版印刷装置がよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に前述の孔版印
刷装置においては、印刷装置を一定時間放置した後や印
刷を停止した後に再度印刷を再開した場合等に、インキ
が蒸発することに起因して発生する印刷不良の不具合を
防止するため、蒸発しにくい油性インキや油中水型エマ
ルジョンインキが使用されている。
【0004】しかし、このインキは乾燥しにくいため、
印刷時において、印刷用紙に転移したインキが印刷用紙
内へ浸透して指等で擦っても汚れが発生しない、所謂、
浸透乾燥した状態となるまでにはある程度の時間を必要
とする。
【0005】孔版印刷装置では、印刷済みの印刷用紙は
連続的に排紙トレイに排出積載されるが、このときに前
の印刷用紙上に次の印刷用紙がすぐに積載されると、イ
ンキの乾燥時間が短く前の印刷用紙の画像インキが次の
印刷用紙の裏面に付着して汚してしまう、所謂、裏写り
という不具合を発生してしまう。この裏写りは、インキ
転移量の多い画像、とりわけ印刷用紙表面に転移したと
きのインキ層の厚さの厚い(インキ転移高さの高い)画
像の印刷時において発生し易い。
【0006】さらに、従来の孔版印刷装置に用いられて
いるマスタや版胴では、マスタの穿孔径に対して多孔性
支持体やインキ保持層の開孔径(空隙)が大きくなるよ
うに構成されており、転移するインキ量を減少させて裏
写りを防止する効果がほとんど期待できなかった。
【0007】また、従来の多孔性支持体やメッシュスク
リーンでは、流入するインキの流動方向を変化させずに
流出させてしまう部分が多く存在し、この部分において
インキの流出量が大きくなって裏写りを引き起こしてし
まうという問題点がある。
【0008】本発明は、裏写りの発生を効果的に防止す
ることができる孔版印刷装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを巻装し、前
記マスタと当接する側の表面粗さが5〜45μmRz、
好ましくは5〜35μmRz、より好ましくは5〜25
μmRzとなるように構成されるインキ保持部材と、複
数の開孔を有する多孔性支持板とを有する版胴と、前記
版胴の内部に設けられ前記版胴の内周面にインキを供給
するインキ供給手段と、前記マスタに印刷用紙を押圧
し、前記インキを前記マスタの穿孔部より滲出させる押
圧手段とを具備し、前記多孔性支持板の画像領域に対応
する前記開孔の開孔率が17〜40%、より好ましくは
17〜35%であることを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムのみからなるマスタを巻装し、前記マスタと当接す
る側の表面の繊維径が1〜20μm、好ましくは1〜1
5μm、より好ましくは1〜8μmとなるように構成さ
れるインキ保持部材と、複数の開孔を有する多孔性支持
板とを有する版胴と、前記版胴の内部に設けられ前記版
胴の内周面にインキを供給するインキ供給手段と、前記
マスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記マスタの
穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、前記多孔性
支持板の画像領域に対応する前記開孔の開孔率が17〜
40%、より好ましくは17〜35%であることを特徴
とする。
【0011】請求項3記載の発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタを巻装し、
前記多孔性支持体と当接する側の表面粗さと前記多孔性
支持体の厚みとの和が5〜45μm、好ましくは5〜3
5μm、より好ましくは5〜25μmとなるインキ保持
部材と、複数の開孔を有する多孔性支持板とを有する版
胴と、前記版胴の内部に設けられ前記版胴の内周面にイ
ンキを供給するインキ供給手段と、前記マスタに印刷用
紙を押圧し、前記インキを前記マスタの穿孔部より滲出
させる押圧手段とを具備し、前記多孔性支持板の画像領
域に対応する前記開孔の開孔率が17〜40%、より好
ましくは17〜35%であることを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1、請求項
2または請求項3記載の孔版印刷装置において、さら
に、前記インキ保持部材は、繊維径の異なる2種類以上
の繊維から構成されていることを特徴とする。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4記載の孔版印刷装置におい
て、さらに、前記インキ保持部材は、外表面に向かうに
連れて空隙が小さくなるように構成されていることを特
徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1、請求項
2、請求項3、請求項4または請求項5記載の孔版印刷
装置において、さらに、前記インキ保持部材は、少なく
ともその表面が金属で構成されていることを特徴とす
る。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項1、請求項
2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載
の孔版印刷装置において、さらに、前記インキ保持部材
は、インキ流入側の孔とインキ流出側の孔とを有し、か
つ、前記インキ流入側の孔から流入したインキが前記版
胴の外周面に対する垂線から少なくとも1回ずれた後に
前記インキ流出側の孔から流出するインキ通路を有する
ことを特徴とする。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例に用いられる
孔版印刷装置の要部を示している。同図において、回転
自在に支持され、図示しない版胴駆動手段で回転駆動さ
れる版胴1は、インキパイプ2、インキローラー3、ド
クターローラー4等から構成されるインキ供給手段60
をその内部に有している。
【0017】版胴1は、図2に示すように、ステンレス
板、ニッケル板、銅板、アルミニウム板等の金属板にエ
ッチング処理を施して開孔1aを形成した多孔性支持板
1bと、多孔性支持板1bの外表面に巻装されたインキ
保持部材15とから構成されている。版胴1の外周面に
は、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8が巻装
される。
【0018】ここで、多孔性支持板1bの開孔1aの孔
径d及びピッチPによって、画像領域に対する開孔1a
の占有面積率である開孔率Kが決定される。
【0019】インキ保持部材15は、テトロンやナイロ
ン等の合成樹脂繊維15aでインキを通過させるための
インキ通路を形成した不織布によって構成されている。
【0020】本実施例では、多孔性支持板1bとして、
ステンレス板、ニッケル板、銅板、アルミニウム板等の
金属板にエッチング処理で開孔1aを形成したものを用
いたが、金属板にプレス加工あるいは電鋳処理で開孔1
aを形成したもの、ステンレス繊維のメッシュシート、
金属あるいは樹脂等の粒子を焼結したもの等を用いても
よい。
【0021】版胴1の支軸を兼ねたインキパイプ2は図
示しない筐体側板に固着されており、その表面には、版
胴1の内部にインキを供給するための複数の小さな孔が
穿設されている。インキパイプ2は、版胴1の外部に配
設された図示しないインキパック内から図示しないポン
プによって汲上げられたインキを版胴1の内部に供給す
る。
【0022】インキパイプ2の下方には、インキローラ
ー3とドクターローラー4とが配設されている。版胴1
内の図示しない側板に回転自在に支持されたインキロー
ラー3は、その外周面が版胴1の内周面と近接するよう
に設置されており、インキパイプ2より供給されたイン
キを版胴1の内周面に供給する。インキローラー3は金
属または比較的高硬度のゴムローラーで構成され、図示
しないギヤあるいはベルト等の駆動力伝達手段によって
版胴駆動手段からの回転力を伝達され、版胴1と同期し
て図の時計回り方向に回転駆動される。
【0023】インキローラー3の近傍には、回転自在な
ドクターローラー4が配設されている。ドクターローラ
ー4は、その外周面とインキローラー3の外周面との間
に僅かな間隙が生じるように配設されており、インキロ
ーラー3の外周面との近接部において楔状のインキ溜ま
り5を形成している。
【0024】インキパイプ2よりインキ溜まり5へと供
給されたインキは、インキローラー3とドクターローラ
ー4との間隙を通過することにより均一な層状となりつ
つインキローラー3の表面に供給される。
【0025】版胴1の非開孔部表面には、軸方向に延在
するステージ部6が設けられている。磁性体で形成され
たステージ部6上には、ステージ部6に対して接離自在
に枢着されたマグネットを有するクランパー7が配設さ
れており、クランパー7は図示しない開閉手段によって
回動される。
【0026】版胴1の左上方には、実質的に熱可塑性樹
脂フィルムのみからなるマスタ8をロール状に巻成して
なるマスタロール9、サーマルヘッド10、プラテンロ
ーラー11、マスタ搬送ローラー対12、切断手段1
3、マスタガイド板14がそれぞれ配設されている。
【0027】この第1の実施例に用いられる、実質的に
熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8とは、マス
タ8が熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱
可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤や熱融着防止剤等の微
量成分を含有させてなるもの、さらには熱可塑性樹脂フ
ィルムの表面及び裏面のうちの少なくとも一方に、オー
バーコート層等の薄膜層を1層または複数層形成してな
るものをも含む。
【0028】熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエス
テル(好ましくは共重合ポリエステル)系、ナイロン
(好ましくは共重合ナイロン)系、ポリオレフィン系、
ポリスチレン系、塩化ビニル系、アクリル酸誘導体系、
エチレン・ビニルアルコール系、ポリカーボネート系共
重合体等が挙げられ、その厚みは、好ましくは0.5〜
10μm、より好ましくは1〜5μmである。
【0029】マスタロール9は、その芯部9aを図示し
ないホルダー手段に回転可能に支持されている。
【0030】サーマルヘッド10とプラテンローラー1
1とは、図示しない孔版印刷装置の側板に取り付けられ
ている。多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10
は、図示しない付勢手段によってプラテンローラー11
に付勢されている。プラテンローラー11は回転自在に
設けられており、図示しないステッピングモーターによ
って、図において時計回り方向に回転駆動される。マス
タ8は、サーマルヘッド10に押圧されて熱溶融穿孔製
版されつつ、プラテンローラー11の回転によってマス
タロール9より繰り出される。
【0031】サーマルヘッド10とプラテンローラー1
1とが配設された位置よりもマスタ搬送方向下流側に
は、マスタ搬送ローラー対12が配設されている。図示
しない孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されたマス
タ搬送ローラー対12は、図示しない駆動手段によって
プラテンローラー11の周速度よりも僅かに速い周速度
で回転駆動される。また、マスタ搬送ローラー対12に
は図示しないトルクリミッターが取り付けられており、
プラテンローラー11とマスタ搬送ローラー対12との
間で搬送されるマスタ8に対して、予め設定された張力
が一定に作用するように構成されている。
【0032】マスタ搬送ローラー対12の配設位置より
もマスタ搬送方向下流側には、可動刃13aと固定刃1
3bとからなる切断手段13及びマスタガイド板14が
配設されている。切断手段13は、可動刃13aが固定
刃13bに対して回転移動または上下動してマスタ8を
切断する周知の構成である。マスタガイド板14は図示
しない孔版印刷装置の側板に固着されており、搬送され
るマスタ8をガイドする。
【0033】版胴1の下方には、押圧手段としてのプレ
スローラー16が配設されている。回転自在に支持され
たプレスローラー16は、図示しない揺動手段によっ
て、その外周面が版胴1の外周面より離間する位置と版
胴1の外周面に当接する位置とに選択的に揺動される。
【0034】プレスローラー16の右方には、レジスト
ローラー対17が配設されている。レジストローラー対
17は、図示しない給紙手段より給送される印刷用紙1
8の先端を啣え込み、プレスローラー16が版胴1と当
接するタイミングと同期して、印刷用紙18を版胴1と
プレスローラー16との間に向けて給送する。なお、押
圧手段として、プレスローラー16の代わりに版胴1と
略同径の圧胴を設けてもよい。
【0035】上記構成に基づき、以下に動作を説明す
る。図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、図示し
ない製版スタートキーが押されると、版胴1が回転し、
図示しない排版装置によって版胴1の外周面に巻装され
ている使用済みマスタが剥離・廃棄され、版胴1はクラ
ンパー7が略真上に位置する給版待機位置で停止する。
版胴1の回転が停止すると、図示しない開閉手段が作動
してクランパー7が開放され、版胴1は図1に示す給版
待機状態となる。
【0036】排版動作が完了すると、これに続いて製版
動作が行われる。読み取られた原稿画像は、原稿読取部
のCCD等で電気信号に変換され、A/D変換器を経由
して製版制御装置に画像データとして送られる。製版制
御装置は、送られた画像データに基づいてサーマルヘッ
ド10の発熱素子に対してパルス状の通電を行い、サー
マルヘッド10はマスタ8に対して熱溶融穿孔製版を行
う。サーマルヘッド10の作動に先立って、プラテンロ
ーラー11が図示しないステッピングモーターによって
回転駆動され、マスタロール9よりマスタ8が引き出さ
れる。
【0037】製版画像を形成されたマスタ8は、マスタ
ガイド板14にガイドされつつマスタ搬送ローラー対1
2によってクランパー7へと搬送される。プラテンロー
ラー11を駆動するステッピングモーターのステップ数
より、マスタ8の先端がクランパー7とステージ部6と
の間の所定位置まで達したと判断されると、図示しない
開閉手段が作動してクランパー7を反時計回り方向に回
動させ、ステージ部6とクランパー7とでマスタ8の先
端を挟持した後、版胴1がマスタ搬送速度と略同じ周速
度で時計回り方向に回転を開始し、マスタ8の版胴1へ
の巻装が開始される。
【0038】そして、プラテンローラー11を駆動する
ステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版
が完了したと判断されるとプラテンローラー11とマス
タ搬送ローラー対12の回転動作がそれぞれ停止され、
切断手段13によってマスタ8が切断される。切断され
たマスタ8は、版胴1の回転によって引き出されて巻装
動作が完了する。
【0039】巻装動作に引き続き、版付動作が行われ
る。図示しない給紙手段より給送された印刷用紙18は
レジストローラー対17に啣え込まれる。レジストロー
ラー対17は、低速で回転している版胴1に巻装された
マスタ8の画像領域がプレスローラー16と対応する位
置に達するタイミングで、印刷用紙18を版胴1とプレ
スローラー16との間に向けて給送する。給送された印
刷用紙18は、プレスローラー16によって版胴1に巻
装されたマスタ8に押圧される。この押圧動作により、
プレスローラー16と印刷用紙18とマスタ8と版胴1
の外周面とが圧接し、インキローラー3によって版胴1
の内周面に供給されたインキが、開孔1aとインキ保持
部材15のオープンエリアより滲出し、インキ保持部材
15の空隙15b等に充填された後、マスタ8の穿孔部
を通過して印刷用紙18に転移される。
【0040】インキを転移された印刷用紙18は、図示
しない剥離爪によって版胴1の外周面より剥離され、図
示しない排紙手段によって機外に排出されて版付動作が
完了する。
【0041】版付動作完了後、図示しない印刷スタート
キーが押されると、図示しない給紙手段より印刷用紙1
8が連続的に給送され、版胴1が高速で回転駆動されて
印刷動作が行われる。
【0042】上述の版付動作または印刷動作中におい
て、版胴1の表面から印刷用紙18が剥離されるとき
に、図3、図4及び図5に示すように、マスタ8の表面
のインキと印刷用紙18との接着力によってマスタ8の
穿孔部8aよりインキ19が引き出されるが、インキ1
9が引き出される量はインキ保持部材15の構造と関係
があり、インキ保持部材15の表面の凹凸L(表面粗
さ)、換言するとマスタ8の内面からインキ保持部材1
5の表面までの距離が大きければ大きいほど穿孔部8a
の上方の空隙15b内のインキ層が厚くなり、引き出さ
れるインキ量、すなわちインキ転移高さlが増加する。
【0043】図3及び図4に示すように、表面の凹凸L
が大きくなればなるほど、インキが存在する穿孔部8a
の上方の空隙15bが大きくなり、これにより穿孔部8
aを介してインキ保持部材15からインキ19が多量に
引き出されてしまう。そこで、図5に示すように、合成
樹脂繊維15aの繊維径を細くすればするほど凹凸Lが
小さくなり、引き出されるインキ量(インキ転移高さ
l)も低減されるが、凹凸Lをあまり小さくしすぎると
引き出されるインキ量が少なくなりすぎて満足な画像が
得られない。
【0044】ところで、インキローラー3から多孔性支
持板1bとマスタ8との間に供給されるインキ19の供
給領域は、図6に示すように、インキローラー3の外周
面と多孔性支持板1bの内周面とが接触する領域A1
と、インキローラー3の外周面と多孔性支持板1bの内
周面とで楔状インキ溜まり5aが形成される領域A3と
であり、インキ19は、インキローラー3と多孔性支持
板1bとの接触部でのインキローラー3の押圧、及びイ
ンキローラー3と多孔性支持板1bの回転によって生じ
る楔状インキ溜まり5aでのすりこぎ作用によって、多
孔性支持板1bの開孔1aより供給される。
【0045】プレスローラー16の押圧によって印刷が
行われると、先ず領域A1において、多孔性支持板1b
とマスタ8との間のインキ19が、マスタ8の穿孔部8
aを通って印刷用紙18の表面に転移されることになる
が、穿孔されていない部分のインキ19、あるいは転写
されずにインキ保持部材15内に残ったインキ19は、
図7に示すように、マスタ8の内面とインキ保持部材1
5の外周面との間に蓄積されてインキ層20を形成す
る。
【0046】一方、プレスローラー16の外周面と版胴
1の外周面のみとが接触する領域A2では、プレスロー
ラー16による圧接動作があった場合、多孔性支持板1
bとマスタ8との間、特にインキ保持部材15を圧縮す
ることで、多孔性支持板1bとマスタ8との間に残され
たインキ19が再び多孔性支持板1b内に戻される。
【0047】図6から明らかなように、インキ供給はA
1とA3の両領域で、戻しはA2の領域で行われ、供給
する領域(A1+A3)よりも戻す領域(A2)はかな
り狭い。さらに、版胴1へのインキ19の供給は、イン
キローラー3の押圧によるものと楔状インキ溜まり5a
のすりこぎ作用によるものとが働き、その供給能力が高
いのに対し、戻しはインキ保持部材15等の圧縮による
もののみであり、戻し能力は供給能力に比べてかなり低
い。このため、多孔性支持板1bの開孔率Kが変化して
も供給能力は略一定であるが、戻し能力は開孔率Kによ
って大きく左右され、開孔率Kが小さいほど戻し能力は
低くなる。
【0048】従って、多孔性支持板1bの開孔率Kが小
さすぎると、戻し能力が低下することにより領域A2で
の版胴1内へのインキ19の回収が追いつかなくなり、
印刷枚数が増加するに従って多孔性支持板1bとマスタ
8との間に蓄積されるインキ19の量が増加して、イン
キ保持部材15とマスタ8との間にインキ層20が形成
され、この厚みが徐々に増加する。
【0049】インキ層20の厚みが厚くなると、インキ
保持部材15の外表面凹凸部とマスタ8の内面との距離
L’(凹凸L+インキ層20の厚み)が大きくなり、穿
孔部8aから引き出されるインキ19の量が増加して、
裏写りの発生を促進してしまう。
【0050】また、開孔率Kが大きすぎると、インキ1
9の戻し量が多すぎることとなり、画像がかすれるとい
う不具合を発生する。
【0051】そこで、厚さ100μm、密度0.4g/
cm3 のインキ保持部材15において、合成樹脂繊維1
5aの繊維径を変化させることにより凹凸Lを調整する
と共に、多孔性支持板1bの開孔径d、ピッチPを調整
することで開孔率Kを変化させて印刷を行い、そのとき
の裏写り及び画像品質を調査した。
【0052】実験では、デジタル孔版印刷機プリポート
VT3820((株)リコー製)を用いて印刷を行い、
表面粗さ計SEF−30D((株)小坂研究所製)を用
いてインキ保持部材15の凹凸L(表面粗さ)を測定し
た。表面粗さの測定については、半径7μmのヘッドを
使用して送り速度0.1mm/sec、測定長さ0.8
mmで測定し、この範囲での十点平均粗さを求め、これ
を10箇所測定してその平均より凹凸L(表面粗さRz
)を算出した。
【0053】印刷条件は、印圧9.8N/cm2 、印刷
速度60枚/分に設定し、インキ19としてW/O型エ
マルジョンインキを使用した。インキ粘度は、印刷速度
依存性やにじみ等を考慮すると0.5〜5Pa・sが好ま
しく、本実施例では粘度5Pa・sのものを使用した。な
お、マスタ8の厚みは1.5μmである。実験の結果を
表1〜5に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】表1〜表5より明らかなように、開孔率1
7〜40%の範囲において、インキ保持部材15の表面
粗さを45μmRz 以下、表面の繊維径を20μm以下
にすると、表に三角印で示すように裏写りが少なくな
り、インキ保持部材15の表面粗さを35μmRz以
下、表面の繊維径を15μm以下にすると、表に丸印で
示すように裏写りがほとんどなくなり、さらに、インキ
保持部材15の表面粗さを25μmRz以下、表面の繊
維径を8μm以下にすると、表に星印で示すように裏写
りが全くなくなることが判る。インキ保持部材15の表
面粗さが5〜45μmRz(表面の繊維径が1〜20μ
m)の範囲において、開孔率Kを40%以下にすると、
やや良好な画像が得られ、開孔率Kを35%以下にする
と、良好な画像が得られることが判る。
【0060】また、開孔率Kが17〜40%の範囲にお
いて、表面粗さを5μmRz未満とした場合、あるいは
表面の繊維径を1μm未満とした場合には、満足できる
画像が得られず、悪い画像となってしまうことも判明し
た。開孔率Kを17%より小さくした場合においては、
裏写りを発生することが判る。
【0061】以上のことから、インキ保持部材15は、
マスタ8と当接する側の表面粗さを5〜45μmRz 、
好ましくは5〜35μmRz 、より好ましくは5〜25
μmRz に、マスタ8を巻装する外表面の繊維径を1〜
20μm、好ましくは1〜15μm、より好ましくは1
〜8μmに、多孔性支持板1bの開孔率Kは、17〜4
0%、より好ましくは17〜35%にそれぞれ設定され
る。
【0062】また、インキ保持部材15の密度が低いと
繊維間の空隙15bが広くなり、細い繊維等を使用して
も凹凸Lが大きくなって裏写りがひどくなる。さらに、
密度が高すぎると繊維間の空隙15bが狭くなり、繊維
が数多く交差する部分においてはインキが通過しにくく
なって画像に白抜け(繊維塊跡)が見られ、満足な画像
が得られなくなる。そこで、インキ保持部材15の密度
と裏写りとの関係を調査した。
【0063】その結果、インキ保持部材15が、天然ま
たは合成樹脂系の繊維で構成されている場合の密度は
0.1〜0.6g/cm3 、より好ましくは0.2〜
0.6g/cm3 、金属系の繊維で構成されている場合
であって、ステンレス、鉄の場合の密度は0.7〜3.
0g/cm3 、より好ましくは0.9〜3.0g/cm
、チタンの場合の密度は0.4〜1.7g/cm
、より好ましくは0.5〜1.7g/cm3 、アル
ミニウムの場合の密度は0.2〜1.0g/cm3 、よ
り好ましくは0.3〜1.0g/cm3 となった。
【0064】以上のことから、インキ保持部材15の好
ましい密度範囲Dwと、より好ましい密度範囲Dw1と
は、それぞれ以下の式で示される。 Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3 ) Dw1=0.11ρ〜0.38ρ(g/cm3 ) ρ:物質の密度(g/cm3 ) なお、上記式は、後述する第2ないし第6の実施例にお
けるインキ保持部材の密度についても適用され得るもの
である。
【0065】上記実施例では、インキ保持部材15を不
織布からなるものとしたが、マニラ麻や亜麻等の天然繊
維、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維、若しくはス
テンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン等
の金属繊維を網目状に交差させて形成したメッシュスク
リーン、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウ
ム、チタン等の金属繊維やテトロンあるいはナイロン等
の合成樹脂繊維からなる不織布や焼結シート、ポリビニ
ルアセタール系またはポリビニルアルコール系の連続気
泡を有する多孔質弾性体、硬質粒子とゴムの混和した連
続気泡を有する多孔質弾性体、ポリエチレン等の合成樹
脂や無機物の微粉末を焼結した多孔質弾性体、ポリウレ
タン等の液状焼結による多孔質弾性体、または多孔質ゴ
ム等の多孔質弾性体からなるものとしてもよい。
【0066】また、上述したメッシュスクリーン、不織
布、焼結シート、各種の多孔質弾性体等のインキ保持部
材において、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと当接す
る側の表面に金属や樹脂等の微粉末を分散させ、溶着あ
るいは接着し、これによりインキ保持部材15の表面粗
さを小さくするようにしてもよい。
【0067】上記実施例において、インキ保持部材15
に代えて、繊維径の異なる2種類以上の繊維部材からな
る不織布によって構成されたインキ保持部材を用いても
よい。これにより、太い繊維の間を細い繊維で埋めるこ
とができ、インキ保持部材表面の凹凸L(表面粗さR
z)を小さくすることができると共に、インキ保持部材
の強度を向上させることができる。また、インキ保持部
材の密度、あるいはインキ保持部材を構成する繊維部材
の繊維径を変化させ、マスタ8を巻装される外周面に向
かうに連れてインキ保持部材の空隙を小さくしたものを
用いてもよい。これにより、インキの流路に沿って、最
初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好な層を有
し、最終では空隙が小さく凹凸L(表面粗さRz)の小
さい層を有するインキ保持部材とすることができる。こ
のとき、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと当接する側
の繊維径及び構成する繊維間隔が、マスタ8の穿孔部8
aの径よりも小さい方が好ましい。
【0068】図8は、本発明の第2の実施例に用いられ
る版胴21とマスタ22とを示している。この第2の実
施例は、第1の実施例と比較すると、版胴1に代えて版
胴21を用いた点と、熱可塑性樹脂フィルムのみからな
るマスタ8に代えて多孔性支持体22aと熱可塑性樹脂
フィルム22bとからなるマスタ22を用いた点におい
てのみ相違し、他の構成は同一である。
【0069】版胴21は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材23とから主に構成されており、インキ保持部材
23は、テトロンやナイロン等の合成樹脂繊維23aか
らなる不織布によって構成されている。なお、インキ保
持部材23は、インキ保持部材15と同様に、焼結シー
ト、多孔質弾性体(例えばゴム)等によって構成しても
よい。
【0070】マスタ22は、テトロン、ナイロン、レー
ヨン、ビニロン、ポリエステル等の合成樹脂繊維22c
からなる不織布で形成した多孔性支持体22aと、ポリ
エステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルム22bとを
接着等によって貼り合わせた構成となっている。なお、
多孔性支持体22aは、楮、三椏、マニラ麻、亜麻等の
天然繊維からなる多孔性薄葉紙、天然繊維と合成樹脂繊
維とを混抄してなる不織布、テトロンやナイロン等の合
成樹脂繊維からなるメッシュスクリーン、あるいは合成
樹脂繊維や金属繊維からなる焼結シート等から構成して
もよい。
【0071】裏写りを防止することは、第1の実施例よ
り、インキ保持部材の表面粗さRz及び多孔性支持板1
bの開孔率Kに関係することが判る。
【0072】ところで、この第2の実施例においては、
インキ保持部材23と熱可塑性樹脂フィルム22bとの
間に多孔性支持体22aが介在する場合であって、多孔
性支持体22aにインキの流動方向を変化させずにイン
キをストレートに流出させる部分が多く存在し、さら
に、そのストレートに流出させる部分の開孔径22dの
大きさが熱可塑性樹脂フィルム22b面に形成される穿
孔部22eの大きさよりも大きく、多孔性支持体22a
内のインキ通過性が良好な場合には、インキ保持部材2
3の表面粗さは、熱可塑性樹脂フィルム22bの内面か
らインキ保持部材23の外表面凹部までの距離L”(=
多孔性支持体22aの厚み+インキ保持部材23の表面
粗さ)と考えることができる。従って裏写りを防止する
には、距離L”を5〜45μm以下とする必要がある。
【0073】本実施例では、熱可塑性樹脂フィルム22
bとインキ保持部材23との間に多孔性支持体22aが
介在する。従って裏写りの発生を防止するには、多孔性
支持体22aの厚みとインキ保持部材23の表面粗さと
の和が5〜45μmとなるように構成する必要がある。
例えば、多孔性支持体22aの厚みが20μmであった
ら、インキ保持部材23の表面粗さは25μmRz以下
となる。なお、多孔性支持体22aの厚みとインキ保持
部材23の表面粗さとの和は、好ましくは5〜35μ
m、より好ましくは5〜25μmの範囲内である。ま
た、多孔性支持板1bの開孔率Kは17〜40%、より
好ましくは17〜35%となるように設定される。
【0074】この第2の実施例においても、距離L”を
調整すると共に開孔率Kを変化させて印刷を行い、この
ときの裏写り及び画像品質を調査した結果、第1の実施
例と同様の結果が得られた。
【0075】上記実施例においても、インキ保持部材2
3に代えて、繊維径の異なる2種類以上の繊維部材から
なる不織布によって構成されたインキ保持部材を用いて
もよい。これにより、太い繊維の間を細い繊維で埋める
ことができ、インキ保持部材表面の凹凸L(表面粗さR
z)を小さくすることができると共に、インキ保持部材
の強度を向上させることができる。また、インキ保持部
材の密度、あるいはインキ保持部材を構成する繊維部材
の繊維径を変化させ、マスタ22を巻装される外周面に
向かうに連れてインキ保持部材の空隙を小さくしたもの
を用いてもよい。これにより、インキの流路に沿って、
最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好な層を有
し、最終では空隙が小さく凹凸L(表面粗さRz)の小
さい層を有するインキ保持部材とすることができる。こ
のとき、少なくとも多孔性支持体22aと当接する側の
繊維径及び構成する繊維間隔が、マスタ22の穿孔部2
2eの径よりも小さい方が好ましい。
【0076】図9は、本発明の第3の実施例に用いられ
る版胴24を示している。この第3の実施例は、第1の
実施例と比較すると版胴1に代えて版胴24を用いる点
においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0077】版胴24は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材25とから主に構成されており、インキ保持部材
25は、繊維部材25cより主に構成されている。イン
キ保持部材25には、インキ流入側の孔25a及びイン
キ流出側の孔25bと、インキ流入側の孔25aから流
入したインキ19が、版胴24の外周面に対する垂線
S、すなわちインキ流出側の孔25bの開口を有する面
に対する垂線Sから少なくとも1回ずれた後に、インキ
流出側の孔25bから流出するインキ通路25dが形成
されている。
【0078】インキ通路25dは、インキ流入側の孔2
5aから流入したインキの実質的に全量が、垂線S上に
存在する繊維部材25cにより流下を妨げられ、垂線S
に沿って流下しないように構成されている。換言する
と、インキ通路25dは、インキ流入側の孔25aから
流入したインキの実質的に全量が、繊維部材25cによ
ってその流下を妨げられることにより、一旦インキ流入
側の孔25aの垂直下方より外方へ流出し、その後、イ
ンキ流出側の孔25bへ向かって流下するように構成さ
れている。
【0079】印刷用紙18がマスタ8の表面から引き剥
がされるときに、インキ流出側の孔25bの天井部25
eとインキ19との間にはインキ19の粘着力が働き、
インキ保持部材25から引き出されるインキ19の量が
低減される。
【0080】ここで、上述の如きインキ通路25dがイ
ンキ保持部材25に形成されたかどうかを判断する方法
について述べる。
【0081】先ず、図10に示すように、インキ保持部
材25の裏面にインキ保持部材25とは異なる色の用紙
26を貼り付ける。次に、インキ保持部材25側から光
を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察し、
繊維部材25c間から用紙26が見えなければインキ通
路25dが形成されていると判断できる。
【0082】また、図11に示すように、インキ保持部
材25の一方の面からインキ保持部材25に対して垂直
な平行光線27を照射し、インキ保持部材25の他方の
面に到達する光28を光量計(例えば(株)キーエンス
製レーザー式判別センサーLX2−100)で測定して
も判断できる。照射された平行光線27はインキ通路2
5d内で反射するので、他方の面に到達しなくなる。従
って、光量計で光28が測定されなければ、上述のイン
キ通路25dが形成されていると判断できる。
【0083】上記実施例において、インキ保持部材25
は、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ8を巻装
される側の外表面の表面粗さを5〜45μmRz、好ま
しくは5〜35μmRz、より好ましくは5〜25μm
Rzに設定されている。また、インキ保持部材25は、
マスタ8を巻装する外表面の繊維径を1〜20μm、好
ましくは1〜15μm、より好ましくは1〜8μmに設
定される。また、上記実施例において、繊維部材25c
に代えて2種類以上の繊維径の異なる繊維からなる繊維
部材を用いてもよい。また、多孔性支持板1bの開孔率
Kは、17〜40%、より好ましくは17〜35%とな
るように設定される。
【0084】上記実施例において、インキ保持部材25
として、金属からなる繊維部材や金属をコーティングし
た繊維部材からなる不織布、焼結シート及びメッシュス
クリーン、あるいは金属の微粉末を焼結した多孔質体
等、その表面が少なくとも金属で形成されたインキ保持
部材を用いてもよく、また、連続気泡を有する多孔質弾
性体や液状焼結による保持部材を用いてもよい。
【0085】この第3の実施例においても、インキ保持
部材25の表面粗さを調節すると共に多孔性支持板1b
の開孔率Kを変化させて印刷を行い、そのときの裏写り
及び画像品質を調査した結果、第1の実施例と同様の結
果が得られ、さらに、インキ通路が複雑なため、インキ
の切れ及び拡散性がよく、裏写りの発生を抑えると共に
良好な画像が得られた。
【0086】図12は、本発明の第4の実施例に用いら
れる版胴29とマスタ22とを示している。この第4の
実施例は、第2の実施例と比較すると、版胴21に代え
て版胴29を用いた点においてのみ相違し、他の構成は
同一である。
【0087】版胴29は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材30とから主に構成されており、インキ保持部材
30は繊維部材30cより主に構成されている。インキ
保持部材30には、第3の実施例に示したインキ保持部
材25と同様に、インキ流入側の孔30a及びインキ流
出側の孔30bと、インキ流入側の孔30aから流入し
たインキが版胴29の外周面に対する垂線S、すなわち
インキ流出側の孔30bの開口を有する面に対する垂線
Sから少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔3
0bから流出するインキ通路30dが形成されている。
【0088】この実施例では、第2の実施例と同様に、
多孔性支持体22aの厚さとインキ保持部材30の表面
粗さとの和が、5〜45μm以下となるように構成され
ている。なお、多孔性支持体22aの厚さとインキ保持
部材30の表面粗さとの和は、5〜45μm、好ましく
は5〜35μm、より好ましくは5〜25μmの範囲内
である。また、多孔性支持板1bの開孔率Kは、17〜
40%、より好ましくは17〜35%となるように設定
される。
【0089】この第4の実施例においても、多孔性支持
体22aの厚みとインキ保持部材30の表面粗さとの和
を調節すると共に、版胴開孔率Kを変化させて印刷を行
い、そのときの裏写り及び画像品質を調査した結果、第
1の実施例と同様の結果が得られ、さらに、インキ通路
が複雑なため、インキの切れ及び拡散性がよく、裏写り
の発生を抑えると共に良好な画像が得られた。
【0090】上記実施例においても、インキ保持部材3
0に代えて、繊維径の異なる2種類以上の繊維部材から
なる不織布によって構成されたインキ保持部材を用いて
もよい。これにより、太い繊維の間を細い繊維で埋める
ことができ、インキ保持部材表面の凹凸L(表面粗さR
z)を小さくすることができると共に、インキ保持部材
の強度を向上させることができる。また、インキ保持部
材の密度、あるいはインキ保持部材を構成する繊維部材
の繊維径を変化させ、マスタ22を巻装される外周面に
向かうに連れてインキ保持部材の空隙を小さくしたもの
を用いてもよい。これにより、インキの流路に沿って、
最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好な層を有
し、最終では空隙が小さく凹凸L(表面粗さRz)の小
さい層を有するインキ保持部材とすることができる。こ
のとき、少なくとも多孔性支持体22aと当接する側の
繊維径及び構成する繊維間隔が、マスタ22の穿孔部2
2eの径よりも小さい方が好ましい。
【0091】上記実施例において、インキ保持部材30
として、金属からなる繊維部材や金属をコーティングし
た繊維部材からなる不織布、焼結シート及びメッシュス
クリーン、あるいは金属の微粉末を焼結した多孔質体
等、その表面が少なくとも金属で形成されたインキ保持
部材を用いてもよく、また、連続気泡を有する多孔質弾
性体や液状焼結による保持部材を用いてもよい。
【0092】図13は、本発明の第5の実施例に用いら
れる版胴31を、図14は、本発明の第6の実施例に用
いられる版胴32をそれぞれ示している。この第5の実
施例及び第6の実施例は、第1の実施例と比較すると、
版胴1に代えて版胴31または版胴32を用いた点にお
いてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0093】版胴31は、多孔性支持板1bとインキ保
持部材33とから主に構成され、インキ保持部材33
は、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニ
ウム等の金属繊維33aの焼結シートから構成されてい
る。版胴32は、多孔性支持板1bとインキ保持部材3
4とから主に構成され、インキ保持部材34は、テトロ
ンやナイロン等の合成樹脂繊維34aの表面にステンレ
ス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属
34bをコーティングして構成される焼結シートから構
成されている。各インキ部材33,34は、マスタ8を
巻装される外表面の表面粗さを、それぞれ5〜45μm
Rz、好ましくは5〜35μmRz、より好ましくは5
〜25μmRzに設定されている。
【0094】また、各インキ保持部材33,34は、マ
スタ8を巻装される外表面の繊維径を、それぞれ1〜2
0μm、好ましくは1〜15μm、より好ましくは1〜
8μm以下の同一径に設定されている。なお、インキ保
持部材33,34は、金属繊維33aからなる不織布、
または表面に金属34bをコーティングした合成樹脂繊
維34aからなる不織布をそれぞれ焼結することにより
得られる。また、多孔性支持板1bの開孔率Kは、17
〜40%、より好ましくは17〜35%となるように設
定される。
【0095】この第5及び第6の実施例においても、各
インキ保持部材33,34の表面粗さを調節すると共に
多孔性支持板1bの開孔率Kを変化させて印刷を行い、
そのときの裏写り及び画像品質を調査した結果、第1の
実施例と同様の結果が得られ、さらに、インキ通路が複
雑なため、インキの切れ及び拡散性がよく、裏写りの発
生を抑えると共に良好な画像が得られた。
【0096】このように、金属繊維33aの焼結シート
からなるインキ保持部材33、または金属34bを合成
樹脂繊維34aの表面にコーティングして構成される焼
結シートからなるインキ保持部材34を用いることによ
り、高エネルギー表面である金属部材にその表面を覆わ
れたインキ保持部材33,34は、ぬれ性がよくインキ
との接着力が高くなり、インキがインキ保持部材33,
34の内部から引き出されにくくなって、裏写りの発生
を防止することができる。
【0097】また、インキ保持部材33,34が天然繊
維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部材に
比べて高弾性であるので、プレスローラー等の押圧部材
による加圧時において、インキ保持部材33,34が圧
縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはイン
キ保持部材33,34が復元することにより、インキ保
持部材33,34の内部にインキを吸い戻す効果が得ら
れ、余分なインキの印刷用紙への転移が防止されて、裏
写りの少ない良好な画像を得ることができる。
【0098】さらに、インキ保持部材33,34が、天
然繊維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部
材に比べて強度が高いので、長時間使用することによる
へたりが少なく、耐久性がよく大量印刷に適した孔版印
刷装置を提供することができる。
【0099】上記実施例では、金属繊維33aからなる
焼結シート、あるいは合成樹脂繊維34aの表面に金属
34bをコーティングしたものからなる焼結シートによ
ってインキ保持部材33,34を構成したが、インキ保
持部材を構成するものとしてはこの限りではなく、金属
繊維からなる不織布、合成樹脂繊維の表面に金属をコー
ティングしたものからなる不織布、金属繊維を網目状に
交差させて形成したメッシュスクリーン、金属の微粉末
を焼結した多孔質体等、少なくともその表面が金属で構
成され、インキが通過する通路を有するものであれば何
でもよい。尚、焼結シートは不織布に比べて引張強度が
高く、また、メッシュスクリーンに比べて低コストであ
るので、インキ保持部材として用いるには特に好適であ
る。
【0100】上記各実施例においても、インキ保持部材
33,34に代えて、繊維径の異なる2種類以上の繊維
部材からなる不織布によって構成されたインキ保持部材
を用いてもよい。これにより、太い繊維の間を細い繊維
で埋めることができ、インキ保持部材表面の凹凸L(表
面粗さRz)を小さくすることができると共に、インキ
保持部材の強度を向上させることができる。また、イン
キ保持部材の密度、あるいはインキ保持部材を構成する
繊維部材の繊維径を変化させ、マスタ8を巻装される外
周面に向かうに連れてインキ保持部材の空隙を小さくし
たものを用いてもよい。これにより、インキの流路に沿
って、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好な
層を有し、最終では空隙が小さく凹凸L(表面粗さR
z)の小さい層を有するインキ保持部材とすることがで
きる。このとき、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと当
接する側の繊維径及び構成する繊維間隔が、マスタ8の
穿孔部の径よりも小さい方が好ましい。
【0101】上記各実施例において、各版胴の多孔性支
持板1bと各インキ保持部材との間に、メッシュスクリ
ーンあるいは不織布等のインキ保持層を介在させてもよ
い。
【0102】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、熱可塑性
樹脂フィルムのみからなるマスタと当接する側の表面粗
さが5〜45μmRz、好ましくは5〜35μmRz、
より好ましくは5〜25μmRzとなるように構成され
たインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、マ
スタの穿孔部の上方にあって、インキの存在するインキ
保持部材の空隙を小さくし、穿孔部を介してインキ保持
部材から引き出されるインキ量を低減している。これに
より、印刷時において、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部
より引き出されるインキ量が適正化するので、インキの
浸透乾燥に要する時間が短縮され、裏写りの発生を防止
できると共に良好な画像を得ることができる。さらに、
多孔性支持板の開孔率を17〜40%、より好ましくは
17〜35%とすることにより、インキ保持部材表面と
マスタとの間におけるインキ層の形成を防止し、印刷用
紙表面に転移するインキ量を減少させて裏写りの発生を
防止することができると共に、排版時においてインキ保
持部材表面のインキをマスタと共に多量に廃棄すること
が防止でき、印刷コストの低減を図ることができる。
【0103】請求項2記載の発明によれば、熱可塑性樹
脂フィルムのみからなるマスタと当接する側の表面の繊
維径を1〜20μm、好ましくは1〜15μm、より好
ましくは1〜8μmとなるように構成されたインキ保持
部材を有する版胴を用いることにより、マスタの穿孔部
の上方にあって、インキの存在するインキ保持部材の空
隙を小さくし、穿孔部を介してインキ保持部材から引き
出されるインキ量を低減している。これにより、印刷時
において、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部より引き出さ
れるインキ量が適正化するので、インキの浸透乾燥に要
する時間が短縮され、裏写りの発生を防止できると共に
良好な画像を得ることができる。さらに、多孔性支持板
の開孔率を17〜40%、より好ましくは17〜35%
とすることにより、インキ保持部材表面とマスタとの間
におけるインキ層の形成を防止し、印刷用紙表面に転移
するインキ量を減少させて裏写りの発生を防止すること
ができると共に、排版時においてインキ保持部材表面の
インキをマスタと共に多量に廃棄することが防止でき、
印刷コストの低減を図ることができる。
【0104】請求項3記載の発明によれば、多孔性支持
体と当接する側の表面粗さと多孔性支持体の厚みとの和
を5〜45μm、好ましくは5〜35μm、より好まし
くは5〜25μmとなるように構成されたインキ保持部
材を有する版胴を用いることにより、熱可塑性樹脂フィ
ルムの穿孔部の上方にあって、インキの存在するインキ
保持部材の空隙を小さくし、穿孔部を介してインキ保持
部材から引き出されるインキ量を低減している。これに
より、印刷時において、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部
を介してインキ保持部材の内部より引き出されるインキ
量が適正化するので、インキの浸透乾燥に要する時間が
短縮され、裏写りの発生を防止できると共に良好な画像
を得ることができる。さらに、多孔性支持板の開孔率を
17〜40%、より好ましくは17〜35%とすること
により、インキ保持部材表面とマスタとの間におけるイ
ンキ層の形成を防止し、印刷用紙表面に転移するインキ
量を減少させて裏写りの発生を防止することができると
共に、排版時においてインキ保持部材表面のインキをマ
スタと共に多量に廃棄することが防止でき、印刷コスト
の低減を図ることができる。
【0105】請求項4記載の発明によれば、請求項1、
請求項2または請求項3記載の孔版印刷装置において、
さらに、繊維径の異なる2種類以上の繊維を組み合わせ
たインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、太
い繊維間を細い繊維で埋めることによってインキ保持部
材の表面粗さを小さくすることができ、印刷時におい
て、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介してインキ保持
部材の内部より引き出されるインキ量が適正化するの
で、インキの浸透乾燥に要する時間が短縮され、裏写り
の発生を防止して良好な画像を得ることができる。ま
た、太い繊維と細い繊維とを混在させることにより、コ
ストアップすることなく版胴の耐久性を向上させること
ができる。
【0106】請求項5記載の発明によれば、請求項1、
請求項2、請求項3または請求項4記載の孔版印刷装置
において、さらに、外表面に向かうに連れてその空隙が
小さくなるように構成されたインキ保持部材を有する版
胴を用いることにより、インキ通路に沿って、最初はイ
ンキの供給・拡散を良好に行い、最終では引き出される
インキ量を適正化することができ、インキの浸透乾燥に
要する時間が短縮されることにより、印刷時において、
裏写りの発生を防止して良好な画像を得ることができ
る。
【0107】請求項6記載の発明によれば、請求項1、
請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の孔
版印刷装置において、さらに、少なくともその表面が金
属で構成されているインキ保持部材を有する版胴を用い
ることにより、高エネルギー表面である金属によってそ
の表面を構成されたインキ保持部材はインキとの接着力
が高くなり、インキ保持部材の内部からインキが引き出
されにくくなると共に、インキ保持部材が高弾性であ
り、押圧部材による加圧時においてインキ保持部材が圧
縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはイン
キ保持部材が復元することによりインキ保持部材の内部
にインキを吸い戻すため、余分なインキの印刷用紙への
転移が防止され、裏写りの発生を防止して良好な画像を
得ることができる。さらに、インキ保持部材の強度が高
いので長時間の使用によるへたりが少なく、また、イン
キによる腐食を防止することができ、耐久性がよく大量
印刷に適した孔版印刷装置を提供することができる。
【0108】請求項7記載の発明によれば、請求項1、
請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項
6記載の孔版印刷装置において、さらに、インキ流入側
の孔から流入したインキが、版胴の外周面に対する垂線
から少なくとも1回ずれた後にインキ流出側の孔から流
出するインキ通路を形成されたインキ保持部材を有する
版胴を用いることにより、インキ保持部材の内部から熱
可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介して引き出されるイン
キ量が少量となり、印刷用紙に転移したインキの浸透乾
燥が短時間で行われて裏写りが減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置
要部の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いられる版胴及びイ
ンキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのイ
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのイ
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例における印刷用紙へのイ
ンキの転移状態を説明するための部分側断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例におけるインキの供給作
用及び戻し作用を説明する図である。
【図7】本発明の第1の実施例におけるインキ層を説明
する部分側断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例に用いられる版胴及びイ
ンキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例の実施例に用いられる版
胴及びインキ保持部材を説明する部分側断面図である。
【図10】本発明の第3の実施例を説明する図である。
【図11】本発明の第3の実施例を説明する図である。
【図12】本発明の第4の実施例に用いられる版胴及び
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図13】本発明の第5の実施例に用いられる版胴及び
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
【図14】本発明の第6の実施例に用いられる版胴及び
インキ保持部材を示す部分側断面図である。
【符号の説明】
1,21,24,29,31,32 版胴 1a 開孔 1b 多孔性支持板 8 熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ 8a,22e 穿孔部 15,23,25,30,33,34 インキ保持部
材 16 押圧手段(プレスローラー) 18 印刷用紙 22 マスタ 22a 多孔性支持体 22b 熱可塑性樹脂フィルム 25a インキ流入側の孔 25b インキ流出側の孔 25d インキ通路 33a,34b 金属(金属繊維) 60 インキ供給手段 S 垂線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ
    を巻装し、前記マスタと当接する側の表面粗さが5〜4
    5μmRzとなるように構成されるインキ保持部材と、
    複数の開孔を有する多孔性支持板とを有する版胴と、 前記版胴の内部に設けられ前記版胴の内周面にインキを
    供給するインキ供給手段と、 前記マスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記マス
    タの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、 前記多孔性支持板の画像領域に対応する前記開孔の開孔
    率が17〜40%であることを特徴とする孔版印刷装
    置。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ
    を巻装し、前記マスタと当接する側の表面の繊維径が1
    〜20μmとなるように構成されるインキ保持部材と、
    複数の開孔を有する多孔性支持板とを有する版胴と、 前記版胴の内部に設けられ前記版胴の内周面にインキを
    供給するインキ供給手段と、 前記マスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記マス
    タの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、 前記多孔性支持板の画像領域に対応する前記開孔の開孔
    率が17〜40%であることを特徴とする孔版印刷装
    置。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを
    貼り合わせたマスタを巻装し、前記多孔性支持体と当接
    する側の表面粗さと前記多孔性支持体の厚みとの和が5
    〜45μmとなるインキ保持部材と、複数の開孔を有す
    る多孔性支持板とを有する版胴と、 前記版胴の内部に設けられ前記版胴の内周面にインキを
    供給するインキ供給手段と、 前記マスタに印刷用紙を押圧し、前記インキを前記マス
    タの穿孔部より滲出させる押圧手段とを具備し、 前記多孔性支持板の画像領域に対応する前記開孔の開孔
    率が17〜40%であることを特徴とする孔版印刷装
    置。
  4. 【請求項4】前記インキ保持部材は、繊維径の異なる2
    種類以上の繊維から構成されていることを特徴とする請
    求項1、請求項2または請求項3記載の孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】前記インキ保持部材は、外表面に向かうに
    連れて空隙が小さくなるように構成されていることを特
    徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4
    記載の孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】前記インキ保持部材は、少なくともその表
    面が金属で構成されていることを特徴とする請求項1、
    請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の孔
    版印刷装置。
  7. 【請求項7】前記インキ保持部材は、インキ流入側の孔
    とインキ流出側の孔とを有し、かつ、前記インキ流入側
    の孔から流入したインキが前記版胴の外周面に対する垂
    線から少なくとも1回ずれた後に前記インキ流出側の孔
    から流出するインキ通路を有することを特徴とする請求
    項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または
    請求項6記載の孔版印刷装置。
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