JP2004090658A - 孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 裏移りを効果的に防止する版胴またはインキ保持部材、耐刷性の良好なマスタを提供する。
【解決手段】 外周面にインキ保持部材15を有し、インキ保持部材15上にマスタ27を巻装する孔版印刷装置の版胴1であって、インキ保持部材15が繊維15aからなる焼結シートで構成されており、繊維15aは少なくともその表面が金属で構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 外周面にインキ保持部材15を有し、インキ保持部材15上にマスタ27を巻装する孔版印刷装置の版胴1であって、インキ保持部材15が繊維15aからなる焼結シートで構成されており、繊維15aは少なくともその表面が金属で構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
この発明は、孔版印刷装置に使用される版胴及びインキ保持部材に関する。
従来使用されている孔版印刷用のマスタは、薄い熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜2μm程度)に和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものからなる多孔性支持体(厚み40〜50μm程度)を貼り合わせたラミネート構造となっている。また、近年熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタも提唱されている。このマスタの熱可塑性樹脂フィルム面を加熱穿孔製版し、多孔性の支持円筒体に樹脂繊維あるいは金属繊維から構成されたメッシュスクリーンからなるインキ保持層を有する回転自在な版胴に製版されたマスタを巻装して、版胴内部に設けられたインキ供給手段よりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押圧して、版胴開口部及びマスタ穿孔部よりインキを滲出させて印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置がよく知られている。
一般的に前述の孔版印刷装置においては、印刷装置を一定時間放置した後や印刷を停止した後に再度印刷を再開した場合等にインキが蒸発することに起因して発生する印刷不良の不具合を防止するため、蒸発しにくい油性インキや油中水型エマルションインキが使用されている。
しかし、このインキは乾燥しにくいため、印刷時において印刷用紙に転移したインキが印刷用紙内へ浸透して指等で擦っても汚れが発生しない、いわゆる浸透乾燥した状態となるまでにはある程度の時間を必要とする。
孔版印刷装置では、印刷済みの印刷用紙は連続的に排紙トレイ上に排出積載されるが、このときに前の印刷用紙上に次の印刷用紙がすぐに積載されると、インキの乾燥時間が短く前の印刷用紙の画像インキが次の印刷用紙の裏面に付着して汚してしまう、いわゆる裏移りという不具合を発生してしまう。この裏移りは、インキ転移量の多い画像、とりわけ印刷用紙表面に転移したときのインキ層の厚さの厚い(インキ転移高さの高い)画像の印刷時において発生し易い。
さらに、従来の孔版印刷装置に用いられているマスタや版胴ではインキの切れが悪く、印刷動作中において図20に示すように、版胴44の表面から印刷用紙45が剥離されるときに、マスタ46の表面のインキと印刷用紙45との接着力により、繊維48aからなるインキ保持部材48(あるいは多孔性支持体)、多孔性支持板44b等のそれぞれの空隙内に充填されているインキ47がマスタ46の穿孔部46dよりずるずると引き出され、必要以上のインキを印刷用紙45に転移させてしまい、転移するインキ量を減少させて裏移りを防止するという効果はほとんど期待できなかった。
上述のインキ47が引き出される量はインキ保持部材48(あるいは多孔性支持体)の構造と関係があり、インキ保持部材48内の空隙が大きくインキ通路が広い(インキの流動性がよい)場合等においては、その空隙が大きければ大きいほど図20に示すように、インキ保持部材48でのインキの切れが悪くなり、これにより穿孔部46dを介してインキ保持部材48内から引き出されるインキ47の量、すなわちインキ転移高さlが増加してしまう。
そこで、図21に示すようにインキ保持部材49(あるいは多孔性支持体)を構成する繊維49aの相互間の空隙を小さくすればするほど引き出されるインキ量(インキ転移高さl)が低減され、また、マスタ46の穿孔部46d上にインキ保持部材49の繊維49aが多く存在すると、穿孔部46dの実質的にインキが通過する孔を小さくすることができるので、さらにインキが引き出されることを抑制することができる。
しかし、図20に示す従来よりインキ保持部材48(あるいは多孔性支持体)として使用されているメッシュスクリーン(あるいは和紙)は、その空隙がメッシュ値で#100〜#360相当であり、上述のようにその内部の空隙が大きく、内部からインキが引き出されることを防止できなかった。また、図21に示すインキ保持部材49と同等に空隙を小さくするためには、メッシュ値相当で#1000〜#3000程度のメッシュスクリーン(あるいは和紙)を使用する必要があり、非常に値段の高いインキ保持部材(あるいは多孔性支持体)となってしまう。
さらに、従来の多孔性支持体やインキ保持部材では、流入するインキの流動方向を変化させずに流出させてしまう部分(インキの流動性が良好な場所)が多く存在し、この部分においてインキの流出量が大きくなって裏移りを引き起こしてしまうという問題点がある。
また、従来の多孔性支持体は、引張強度、耐油性、耐水性が低く、印刷中に伸びや切れが発生し、マスタの耐刷性が悪かった。
本発明は、裏移りを効果的に防止する版胴またはインキ保持部材を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、外周面にインキ保持部材を有し、前記インキ保持部材上にマスタを巻装する孔版印刷装置の版胴であって、前記インキ保持部材が繊維からなる焼結シートで構成されており、前記繊維は少なくともその表面が金属で構成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置の版胴において、さらに前記繊維は径の異なる2種類以上のものから構成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置の版胴において、さらに前記インキ保持部材は外表面に向かうに連れて空隙が小さくなるように構成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置の版胴において、さらに前記インキ保持部材はインキ流入側の孔とインキ流出側の孔とを有し、前記インキ保持部材は、前記インキ流入側の孔から流入したインキが、前記版胴の外周面に対する垂線から少なくとも1回ずれた後に前記インキ流出側の孔から流出するインキ通路を有していることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1、請求項2または請求項4記載の孔版印刷装置の版胴において、さらに前記インキ保持部材の密度範囲Dwが、好ましくは0.09ρ〜0.38ρ、より好ましくは0.11ρ〜0.38ρ(ρ:物質の密度)であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項3記載の孔版印刷装置の版胴において、さらに前記インキ保持部材の外表面である最外殻層の密度範囲Dwが、好ましくは0.09ρ〜0.38ρ、より好ましくは0.11ρ〜0.38ρ(ρ:物質の密度)であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、版胴の外周面を構成し、繊維からなる焼結シートで構成され、前記繊維は少なくともその表面が金属で構成されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載のインキ保持部材において、さらに前記繊維は径の異なる2種類以上のものから構成されていることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8記載のインキ保持部材において、さらに外表面に向かうに連れて空隙が小さくなるように構成されていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項7ないし請求項9のうちの何れか1つに記載のインキ保持部材において、さらにインキ流入側の孔とインキ流出側の孔とを有し、前記インキ流入側の孔から流入したインキが、前記インキ流出側の孔の開口を有する面に対する垂線から少なくとも1回ずれた後に前記インキ流出側の孔から流出するインキ通路を有していることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項7、請求項8または請求項10記載のインキ保持部材において、さらにその密度範囲Dwが、好ましくは0.09ρ〜0.38ρ、より好ましくは0.11ρ〜0.38ρ(ρ:物質の密度)であることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項9記載のインキ保持部材において、さらに最外殻層の密度範囲Dwが、好ましくは0.09ρ〜0.38ρ、より好ましくは0.11ρ〜0.38ρ(ρ:物質の密度)であることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、インキ保持部材として金属繊維からなる不織布を焼結した焼結シートを用いたので、インキ保持部材内の空隙が小さくなることによりインキの流動性が低下し、インキ保持部材でのインキの切れがよくなることにより穿孔部を介してインキ保持部材内から引き出されるインキ量が減少し、また、マスタの穿孔部上にインキ保持部材の金属繊維が多く存在するため、穿孔部における実質的にインキが通過する孔が小さくなり、インキが引き出されることを抑制して、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。さらに、金属繊維からなる焼結シートで構成されたインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、高エネルギー表面であるインキ保持部材はインキとの接着力が高くなりインキ保持部材の内部からインキが引き出されにくくなると共に、インキ保持部材が高弾性であり、押圧部材による加圧時においてインキ保持部材が圧縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはインキ保持部材が復元することによりインキ保持部材の内部にインキを吸い戻すため、余分なインキの印刷用紙への転移が防止され、裏移りの発生を防止して良好な画像を得ることができると共に、インキ保持部材の強度が高いので長時間の使用によるへたりが少なく、また、インキによる腐食を防止することができ、耐久性がよく大量印刷に適した孔版印刷装置の版胴を提供することができる。また、焼結シートは特に繊維の配置が不規則なためインキ拡散性に富み、多孔性支持板及びマスタに規則正しく整列されている開口部及び穿孔部の干渉で発生するモアレ模様を効果的に防止することができ、均一な濃度で埋まりの良好な画像を得ることができると共に、焼結シートは各繊維が熱溶融結合されているので引張強度が強く、またメッシュスクリーンに比べて低価格で製造できるので、強度アップ及びコストダウンを図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、繊維径の異なる2種類以上の繊維を組み合わせたインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、太い繊維間を細い繊維で埋めることによってインキ保持部材の空隙をより小さくすることができ、印刷時においてマスタの穿孔部を介してインキ保持部材の内部より引き出されるインキ量が適正な量となり、インキの浸透乾燥に要する時間が短縮され、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。また、太い繊維と細い繊維とを混在させることにより、コストアップすることなく版胴の耐久性を向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、外表面に向かうに連れてその空隙が小さくなるように構成したインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、インキ通路に沿って最初はインキの供給・拡散を良好に行い、最終では引き出されるインキ量を適正化することができ、インキの浸透乾燥に要する時間が短縮されるため、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、インキ流入側の孔から流入したインキが、版胴の外周面に対する垂線から少なくとも1回ずれた後にインキ流出側の孔から流出するインキ通路を形成されたインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、インキ保持部材の内部からマスタの穿孔部を介して引き出されるインキ量が少量となり、印刷時において印刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われて裏移りが減少する。
請求項5記載の発明によれば、密度範囲が0.09ρ〜0.38ρ、より好ましくは0.11ρ〜0.38ρ(ρ:物質の密度)であるインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、インキ保持部材の金属繊維間の空隙が適切な大きさとなり、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介してインキ保持部材内より引き出されるインキ量が適正化され、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りや白抜けの発生を防止して良好な画像を得ることができる。
請求項6記載の発明によれば、外表面である最外殻層の密度範囲が0.09ρ〜0.38ρ、より好ましくは0.11ρ〜0.38ρ(ρ:物質の密度)であるインキ保持部材を有する版胴を用いることにより、インキ保持部材の金属繊維間の空隙が適切な大きさとなり、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介してインキ保持部材内より引き出されるインキ量が適正化され、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りや白抜けの発生を防止して良好な画像を得ることができる。
請求項7記載の発明によれば、インキ保持部材内の空隙が小さくなることによりインキの流動性が低下し、インキ保持部材でのインキの切れがよくなることにより穿孔部を介してインキ保持部材内から引き出されるインキ量が減少し、また、マスタの穿孔部上にインキ保持部材の金属繊維が多く存在するため、穿孔部における実質的にインキが通過する孔が小さくなり、インキが引き出されることを抑制して特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。さらに、高エネルギー表面である金属からその表面を構成されたインキ保持部材はインキとの接着力が高くなり、インキ保持部材の内部からインキが引き出されにくくなると共に、インキ保持部材が高弾性であり、押圧部材による加圧時においてインキ保持部材が圧縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはインキ保持部材が復元することによりインキ保持部材の内部にインキを吸い戻すため、余分なインキの印刷用紙への転移が防止され、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りの発生を防止して良好な画像を得ることができると共に、インキ保持部材の強度が高いので長時間の使用によるへたりが少なく、また、インキによる腐食を防止することができ、耐久性がよく大量印刷に適したインキ保持部材を提供することができる。また、焼結シートは特に繊維の配置が不規則なためインキ拡散性に富み、多孔性支持板及びマスタに規則正しく整列されている開口部及び穿孔部の干渉で発生するモアレ模様を効果的に防止することができ、均一な濃度で埋まりの良好な画像を得ることができると共に、焼結シートは各繊維が熱溶融結合されているので引張強度が強く、またメッシュスクリーンに比べて低価格で製造できるので強度アップ及びコストダウンを図ることができる。
請求項8記載の発明によれば、繊維径の異なる2種類以上の繊維を組み合わせたインキ保持部材を用いることにより、太い繊維間を細い繊維で埋めることでインキ保持部材の空隙をより小さくすることができ、印刷時においてマスタの穿孔部を介してインキ保持部材の内部より引き出されるインキ量が適正な量となり、インキの浸透乾燥に要する時間が短縮され、裏移りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。また、太い繊維と細い繊維とを混在させることにより、コストアップすることなくインキ保持部材の耐久性を向上させることができる。
請求項9記載の発明によれば、外表面に向かうに連れてその空隙が小さくなるように構成したインキ保持部材を用いることにより、インキ通路に沿って最初はインキの供給・拡散を良好に行い最終では引き出されるインキ量を適正化することができ、インキの浸透乾燥に要する時間が短縮されるため、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りの発生を防止して良好な画像を得ることができる。
請求項10記載の発明によれば、インキ流入側の孔から流入したインキがインキ流出側の孔の開口を有する面に対する垂線から少なくとも1回ずれた後にインキ流出側の孔から流出するインキ通路を形成されたインキ保持部材を用いることにより、インキ保持部材の内部からマスタの穿孔部を介して引き出されるインキ量が少量となり、印刷時において印刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が短時間で行われて裏移りが減少する。
請求項11記載の発明によれば、密度範囲が0.09ρ〜0.38ρ、より好ましくは0.11ρ〜0.38ρ(ρ:物質の密度)であるインキ保持部材を用いることにより、インキ保持部材の金属繊維間の空隙が適切な大きさとなり、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介してインキ保持部材内より引き出されるインキ量が適正化され、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りや白抜けの発生を防止して良好な画像を得ることができる。
請求項12記載の発明によれば、外表面である最外殻層の密度範囲が0.09ρ〜0.38ρ、より好ましくは0.11ρ〜0,38ρ(ρ:物質の密度)であるインキ保持部材を用いることにより、インキ保持部材の金属繊維間の空隙が適切な大きさとなり、熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介してインキ保持部材内より引き出されるインキ量が適正化され、特に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う場合に、より効果的に裏移りや白抜けの発生を防止して良好な画像を得ることができる。
図1は、本発明の第1の実施例に用いられる孔版印刷装置の要部を示している。同図において、回転自在に支持され、図示しない版胴駆動手段で回転駆動される版胴1は、インキパイプ2、インキローラ3、ドクターローラ4等をその内部に有している。
版胴1は、図2に示すように、開口部1aを有する多孔性支持板1bと、多孔性支持板1bの外表面に巻装されたインキ保持部材15とから構成されている。
この第1の実施例に用いられるインキ保持部材15は、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属繊維15aからなり、繊維密度の高い不織布を焼結(熱処理で繊維の交絡部分を熱溶融接合する)した焼結シートから構成されており、インキを通過させるためのインキ通路を有し、インキの拡散、保持、押し出し、流出抑制等の働きをする。
ここで、インキ保持部材15に使用される、金属繊維からなる焼結シートの製造方法を説明する。これは、特開平7−258706号公報に開示されているように、先ず、セパレータ(濾水材)としての多孔質の可撓性セラミックシート上に、一本一本ばらばらに解織された金属繊維を水等で分散させて得たスラリーを供給し、湿式抄紙法により脱水してセパレータ上に金属繊維シート(不織布)を形成する。
次に、金属繊維シートの上面に多孔質の可撓性セラミックシートからなるセパレータを被せ、金属繊維シートをセパレータで両面から挟んだ3層構成のシートとする。セパレータとして用いる多孔質の可撓性セラミックシートとしては、繊維を網目状に編んだメッシュ状のシートで、アルミナシート、ジルコニアシート等が挙げられる。
この3層構成のシートに脱水プレス処理及び加熱乾燥処理を施し、真空焼結炉、あるいはアルゴンガスまたは水素ガス雰囲気の連続焼結炉(メッシュベルト付きろう付け炉)を用いて金属繊維の融点以下の温度で熱処理を行い、金属繊維の交絡部分を溶融接合して焼結シートを作成する。
上述の方法により溶融接合した焼結シートを上下のセパレータより剥離した後カレンダ処理し、密度、厚さ、平滑性の調整を行うことにより、目的の焼結シートを得ることができる。
また、後述するマスタ8において用いられる、多孔性支持体8cを構成する金属繊維8aの不織布の焼結シートも上述の方法と同様の方法で製造される。
また、上述の焼結シートに金属等の微粉末を分散させ、溶着あるいは接着し、これにより空隙を小さくするように構成したインキ保持部材を用いてもよい。
版胴1の支軸を兼ねたインキパイプ2は図示しない筐体側板に固着されており、その表面には、版胴1の内部にインキを供給するための複数の小さな孔が穿設されている。インキパイプ2は、版胴1の外部に配設された図示しないインキパック内から図示しないポンプによって汲上げられたインキを版胴1の内部に供給する。
インキパイプ2の下方には、インキローラ3とドクターローラ4とが配設されている。版胴1内の図示しない側板に回転自在に支持されたインキローラ3は、その外周面が版胴1の内周面と近接するように設置されており、インキパイプ2より供給されたインキを版胴1に供給する。インキローラ3は、図示しないギヤあるいはベルト等の駆動力伝達手段によって版胴駆動手段からの回転力を伝達され、版胴1と同期して図の時計回り方向に回転駆動される。
インキローラ3の近傍には、回転自在なドクターローラ4が配設されている。ドクターローラ4は、その外周面とインキローラ3の外周面との間に僅かな間隙が生じるように配設されており、インキローラ3の外周面との近接部において楔状のインキ溜まり5を形成している。
インキパイプ2よりインキ溜まり5へと供給されたインキは、インキローラ3とドクターローラ4との間隙を通過することにより均一な層状となりつつインキローラ3の表面に供給される。
版胴1の非開口部表面には、軸方向に延在するステージ部6が設けられている。磁性体で形成されたステージ部6上には、ステージ部6に対して接離自在に枢着されたマグネットを有するクランパ7が配設されており、クランパ7は図示しない開閉手段によって回動される。
版胴1の左上方には、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ27をロール状に巻成してなるマスタロール9と、サーマルヘッド10及びプラテンローラ11と、マスタ搬送ローラ対12と、切断手段13と、マスタガイド板14とが配設されている。マスタロール9は、その芯部9aを図示しないホルダ手段に回転可能に支持されている。
サーマルヘッド10とプラテンローラ11とは、図示しない孔版印刷装置の側板に取り付けられている。多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10は、図示しない付勢手段によってプラテンローラ11に付勢されている。プラテンローラ11は回転自在に設けられており、図示しないステッピングモータによって、図において時計回り方向に回転駆動される。熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ27はサーマルヘッド10に押圧され、サーマルヘッド10によって熱溶融穿孔製版されつつプラテンローラ11の回転によってマスタロール9より繰り出される。
サーマルヘッド10とプラテンローラ11とが配設された位置よりもマスタ搬送方向下流側には、マスタ搬送ローラ対12が配設されている。図示しない孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されたマスタ搬送ローラ対12は、図示しない駆動手段によってプラテンローラ11の周速度よりも僅かに速い周速度で回転駆動される。また、マスタ搬送ローラ対12には図示しないトルクリミッタが取り付けられており、プラテンローラ11とマスタ搬送ローラ対12との間で搬送されるマスタ27に対して、予め設定された張力が一定に作用するように構成されている。
マスタ搬送ローラ対12の配設位置よりもマスタ搬送方向下流側には、可動刃13aと固定刃13bとからなる切断手段13及びマスタガイド板14が配設されている。切断手段13は、可動刃13aが固定刃13bに対して回転移動または上下動してマスタ27を切断する周知の構成である。マスタガイド板14は図示しない孔版印刷装置の側板に固着されており、搬送されるマスタ27をガイドする。
版胴1の下方には、押圧手段としてのプレスローラ16が配設されている。回転自在に支持されたプレスローラ16は、図示しない揺動手段によって、その外周面が版胴1の外周面より離間する位置と版胴1の外周面と当接する位置とに選択的に揺動される。
プレスローラ16の右方には、レジストローラ対17が配設されている。レジストローラ対17は、図示しない給紙手段より給送される印刷用紙18の先端を啣え込み、プレスローラ16が版胴1と当接するタイミングと同期して、印刷用紙18を版胴1とプレスローラ16との間に向けて給送する。なお、プレスローラ16の代わりに、版胴1と略同径の圧胴を設けてもよい。
上記構成に基づき、以下に動作を説明する。
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、図示しない製版スタートキーが押されると、版胴1が回転し、図示しない排版装置によって版胴1の外周面に巻装されている使用済みマスタが剥離・廃棄され、版胴1はクランパ7が略真上に位置する給版待機位置で停止する。版胴1の回転が停止すると、図示しない開閉手段が作動してクランパ7が開放され、版胴1は図1に示す給版待機状態となる。
図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、図示しない製版スタートキーが押されると、版胴1が回転し、図示しない排版装置によって版胴1の外周面に巻装されている使用済みマスタが剥離・廃棄され、版胴1はクランパ7が略真上に位置する給版待機位置で停止する。版胴1の回転が停止すると、図示しない開閉手段が作動してクランパ7が開放され、版胴1は図1に示す給版待機状態となる。
排版動作が完了すると、これに続いて製版動作が行われる。読み取られた原稿画像は、原稿読取部のCCD等で電気信号に変換され、A/D変換器を経由して製版制御装置に画像データとして送られる。製版制御装置は、送られた画像データに基づいてサーマルヘッド10の発熱素子に対してパルス状の通電を行い、サーマルヘッド10はマスタ27に対して熱溶融穿孔製版を行う。サーマルヘッド10の作動に先立って、プラテンローラ11が図示しないステッピングモータによって回転駆動され、マスタロール9よりマスタ27が引き出される。
製版画像を形成されたマスタ27は、マスタガイド板14にガイドされつつマスタ搬送ローラ対12によってクランパ7へと搬送される。プラテンローラ11を駆動するステッピングモータのステップ数より、マスタ27の先端がクランパ7とステージ部6との間の所定位置まで達したと判断されると、図示しない開閉手段が作動してクランパ7を反時計回り方向に回動させ、ステージ部6とクランパ7とでマスタ27の先端を挟持した後、版胴1がマスタ搬送速度と略同じ周速度で時計回り方向に回転を開始し、マスタ27の版胴1への巻装が開始される。
そして、プラテンローラ11を駆動するステッピングモータのステップ数より、1版分の製版が完了したと判断されるとプラテンローラ11とマスタ搬送ローラ対12の回転動作がそれぞれ停止され、切断手段13によってマスタ27が切断される。切断されたマスタ27は、版胴1の回転によって引き出されて巻装動作が完了する。
巻装動作に引き続き、版付動作が行われる。
図示しない給紙手段より給送された印刷用紙18はレジストローラ対17にくわえ込まれる。レジストローラ対17は、低速で回転している版胴1に巻装されたマスタ27の画像領域がプレスローラ16と対応する位置に達するタイミングで、印刷用紙18を版胴1とプレスローラ16との間に向けて給送する。給送された印刷用紙18は、プレスローラ16によって版胴1に巻装されたマスタ27に押圧される。この押圧動作により、プレスローラ16と印刷用紙18とマスタ27と版胴1の外周面とが圧接し、インキローラ3によって版胴1の内周面に供給されたインキが、開口部1aとインキ保持部材15のオープンエリアに滲出し、インキ保持部材15のオープンエリアに充填された後、マスタ27の穿孔部を介して印刷用紙18に転移される。インキを転移された印刷用紙18は、図示しない剥離爪によって版胴1の外周面より剥離され、図示しない排紙手段によって機外に排出されて版付動作が完了する。
図示しない給紙手段より給送された印刷用紙18はレジストローラ対17にくわえ込まれる。レジストローラ対17は、低速で回転している版胴1に巻装されたマスタ27の画像領域がプレスローラ16と対応する位置に達するタイミングで、印刷用紙18を版胴1とプレスローラ16との間に向けて給送する。給送された印刷用紙18は、プレスローラ16によって版胴1に巻装されたマスタ27に押圧される。この押圧動作により、プレスローラ16と印刷用紙18とマスタ27と版胴1の外周面とが圧接し、インキローラ3によって版胴1の内周面に供給されたインキが、開口部1aとインキ保持部材15のオープンエリアに滲出し、インキ保持部材15のオープンエリアに充填された後、マスタ27の穿孔部を介して印刷用紙18に転移される。インキを転移された印刷用紙18は、図示しない剥離爪によって版胴1の外周面より剥離され、図示しない排紙手段によって機外に排出されて版付動作が完了する。
版付動作完了後、図示しない印刷スタートキーが押されると、図示しない給紙手段より印刷用紙18が連続的に給送され、版胴1が高速で回転駆動されて印刷動作が行われる。
上述の版付動作または印刷動作中において、版胴1の表面から印刷用紙18が剥離されるときに、インキ保持部材15内のインキ19には、マスタ27の表面のインキと印刷用紙18との接着力によってマスタ27の穿孔部27dよりインキ19を引き出そうとする作用が働く。
インキ保持部材15は、上述のように繊維密度の高い金属繊維からなる不織布を焼結した焼結シートで構成されているため、インキ保持部材15内の空隙が小さくインキ通路が狭い(インキの流動性が悪い)ので、図3に示すように、インキ保持部材15でのインキの切れがよく、これにより穿孔部27dを介してインキ保持部材15から引き出されるインキ19の量、すなわちインキ転移高さlが減少する。また、マスタ27の穿孔部27d上にインキ保持部材15の金属繊維15aが多く存在し、穿孔部27dの実質的にインキが通過する孔を小さくすることができるのでインキが引き出されることを抑制することができる。
特にインキ保持部材15が金属部材からなるため、その表面は高エネルギー表面で濡れ性がよく、インキ保持部材15はインキとの接着力が高くなり、インキ保持部材15でのインキの切れがよくなることによりインキ保持部材15の内部からインキが引き出されにくくなり、裏移りの発生をより一層防止することができる。
また、インキ保持部材15の密度が低いと、金属繊維15a間の空隙15bが広くなって裏移りがひどくなる。逆に、密度が高すぎると金属繊維15a間の空隙15bが狭くなり、繊維が数多く交差する部分ではインキが通過しにくくなって画像に白抜け(繊維塊跡)が見られ、満足な画像が得られなくなる。そこで、インキ保持部材15の密度と裏移りとの関係を調査した。
その結果、インキ保持部材15が金属繊維で構成されている場合であって、ステンレス、鉄の場合の密度は0.7〜3.0g/cm3、より好ましくは0.9〜3.0g/cm3、チタンの場合の密度は0.4〜1.7g/cm3、より好ましくは0.5〜1.7g/cm3、アルミニウムの場合の密度は0.2〜1.0g/cm3、より好ましくは0.3〜1.0g/cm3となった。
以上のことから、インキ保持部材15の好ましい密度範囲Dw及びより好ましい密度範囲Dw1は、それぞれ以下の式で示される。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3)
Dw1=0.11ρ〜0.38ρ(g/cm3)
ρ:物質の密度(g/cm3)
なお、上記式は、後述する第2並びに第5の実施例及び変形例における各インキ保持部材の密度についても適用され得るものである。さらに、上記式は、後述する第3及び第4の実施例のインキ保持部材34,35において、少なくともマスタ27を巻装される最外殻層部分の密度についても適用され得るものである。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3)
Dw1=0.11ρ〜0.38ρ(g/cm3)
ρ:物質の密度(g/cm3)
なお、上記式は、後述する第2並びに第5の実施例及び変形例における各インキ保持部材の密度についても適用され得るものである。さらに、上記式は、後述する第3及び第4の実施例のインキ保持部材34,35において、少なくともマスタ27を巻装される最外殻層部分の密度についても適用され得るものである。
また、インキ保持部材15は、天然繊維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部材に比べて高弾性であるので、プレスローラ等の押圧部材による加圧時においてインキ保持部材15が圧縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときにはインキ保持部材15が復元することによりインキ保持部材15内にインキを吸い戻す効果が得られ、余分なインキの印刷用紙への転移が防止されて、裏移りの少ない良好な画像を得ることができる。
さらに、インキ保持部材15は、天然繊維部材や合成樹脂部材から構成されるインキ保持部材に比べて強度が高いので、長時間使用することによるへたりが少なく、インキ保持部材15としては、耐久性がよく大量印刷に適したものを提供することができる。
不織布からなる焼結シートは、特に繊維の配置が不規則であり、この繊維の不規則な並びが、多孔性支持板1b及びマスタ27に規則正しく配置されている開口部1a及び穿孔部27dの相互の干渉による、モアレ模様の出現を効果的に防止している。また、焼結シートが不規則に配置された繊維を有することによりインキの拡散性が向上し、均一な濃度でべた画像の埋まりも良好な良質の画像を得ることができる。さらに、焼結シートは不織布に熱処理を施すことにより金属繊維の各接点を溶融結合させているので、未処理の不織布に比較して引張強度が高く、耐久性に優れている。
図4は、本発明の第2の実施例に用いられる版胴21を示している。この第2の実施例は、第1の実施例と比較すると版胴1に代えて版胴21を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
版胴21は、多孔性支持板1bとインキ保持部材30とから主に構成されている。インキ保持部材30は、それぞれ繊維径の異なる2種の金属繊維30a,30bの不織布からなる焼結シートにより構成されている。この実施例では、組み合わされる金属繊維を2種類としたが、3種類以上であってもよい。
上述のインキ保持部材30を用いることにより、太い繊維30aの間を細い繊維30bで埋めることができ、細い繊維30bのみからなるインキ保持部材を用いて版胴を構成した場合と比較すると、引張り強度が高く、空隙がより小さい版胴21を得ることができる。
図5、図6は、本発明の第3の実施例に用いられる版胴23と、本発明の第4の実施例に用いられる版胴26とをそれぞれ示している。この第3及び第4の実施例は、第1の実施例と比較すると版胴1に代えて版胴23または版胴26を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
版胴23は、多孔性支持板1bとインキ保持部材34とから主に構成されており、インキ保持部材34は、同一繊維径の金属繊維34aを複数層重ね合わせた不織布からなる焼結シートで構成されている。
インキ保持部材34は、複数層形成された金属繊維34aの層が、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ27側から多孔性支持板1b側に向かうに従い、金属繊維34aの繊維密度が低くなるように形成されている。
版胴26は、多孔性支持板1bとインキ保持部材35とから主に構成されており、インキ保持部材35は、それぞれ繊維径の異なる金属繊維35a,35b,35cを層状に重ね合わせた不織布からなる焼結シートで構成されている。
インキ保持部材35は、マスタ27側が最も径の小さい金属繊維35aの層から構成され、内側に向かうに従い金属繊維35bの層、金属繊維35cの層と徐々に径が大きい金属繊維の層となるように構成されている。すなわち、インキ保持部材34,35は、マスタ27を巻装される外表面に向かうに連れて、空隙が小さくなるように構成されている。
上記各実施例では、各インキ保持部材34,35を構成する各金属繊維34a,35a,35b,35cの層を3層としたが、2層以上であれば何層でもよい。
上記各実施例では、各インキ保持部材34,35を構成する各金属繊維34a,35a,35b,35cの層を3層としたが、2層以上であれば何層でもよい。
また、各インキ保持部材34,35をそれぞれ構成する各金属繊維34a,35a,35b,35cの各層は、一体構造または積層構造(個々を重ね合わせた構造)でもよい。すなわち、積層構造の場合には、それぞれ大きさの異なる空隙を有するインキ保持部材を複数用意し、これらを版胴の外周面に向かうに連れて、徐々に小さな空隙を有するインキ保持部材となるように積層配置して、これをインキ保持部材とすることもできる。
上述のインキ保持部材34またはインキ保持部材35を用いることにより、インキの通路に沿って、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好であり最終では空隙が小さくインキの切れがよいインキ保持部材34,35とすることができる。
図7は、本発明の第5の実施例に用いられる版胴28を示している。この第5の実施例は、第1の実施例と比較すると版胴1に代えて版胴28を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
版胴28は、多孔性支持板1bとインキ保持部材38とから主に構成されており、インキ保持部材38は、金属繊維部材38cからなる不織布を焼結して得た焼結シートで構成されている。インキ保持部材38には、インキ流入側の孔38a及びインキ流出側の孔38bと、インキ流入側の孔38aから流入したインキ19が、版胴28の外周面に対する垂線S、すなわちインキ流出側の孔38bの開口を有する面に対する垂線Sから少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔38bから流出するインキ通路38dが形成されている。
インキ通路38dは、インキ流入側の孔38aから流入したインキの実質的に全量が、垂線S上に存在する金属繊維部材38cにより流下を妨げられ、垂線Sに沿って流下しないように構成されている。換言すると、インキ通路38dは、インキ流入側の孔38aから流入したインキの実質的に全量が、金属繊維部材38cによってその流下を妨げられることにより、一旦インキ流入側の孔38aの垂直下方より外方へ流出し、その後、インキ流出側の孔38bへ向かって流下するように構成されている。
印刷用紙18がマスタ27の表面から引き剥がされるときに、孔38bの天井部38eとインキ19との間にはインキ19の粘着力が働き、インキ保持部材38から引き出されるインキ19の量が低減される。
ここで、上述の如きインキ通路38dがインキ保持部材38に形成されたかどうかを判断する方法について述べる。
先ず、図8に示すように、インキ保持部材38の裏面にインキ保持部材38とは異なる色の用紙37を貼り付ける。次に、インキ保持部材38側から光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察し、金属繊維部材38c間から用紙37が見えなければ、インキ通路38dが形成されていると判断できる。
先ず、図8に示すように、インキ保持部材38の裏面にインキ保持部材38とは異なる色の用紙37を貼り付ける。次に、インキ保持部材38側から光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察し、金属繊維部材38c間から用紙37が見えなければ、インキ通路38dが形成されていると判断できる。
また、図9に示すように、インキ保持部材38の一方の面からインキ保持部材38に対して垂直な平行光線41を照射し、インキ保持部材38の他方の面に到達する光42を光量計(例えば(株)キーエンス製レーザー式判別センサーLX2−100)で測定しても判断できる。照射された平行光線41はインキ通路38d内で反射するので、他方の面に到達しなくなる。従って、光量計で光42が測定されなければ、上述のインキ通路38dが形成されていると判断できる。
上述した第5の実施例の変形例として、図10に示すように、インキ保持部材38に代えて、金属繊維部材38cと同様の金属繊維部材40aを3層以上有するインキ保持部材40を用いてもよい。
また、第5の実施例及び変形例において、金属繊維部材38c,40aに代えて2種類以上の繊維径の異なる金属繊維部材を用いてもよい。
また、第5の実施例及び変形例において、金属繊維部材38c,40aに代えて2種類以上の繊維径の異なる金属繊維部材を用いてもよい。
さらに、第5の実施例及び変形例において、第3の実施例または第4の実施例と同様に、インキ保持部材38,40の繊維密度、あるいは金属繊維部材38c,40aの繊維径を変化させ、マスタ27を巻装される外表面に向かうに連れてインキ保持部材38,40の空隙を小さくしてもよい。
上述した第1の実施例の変形例として、図11に示すように、開口部1aを有する多孔性支持板1bと、テトロン(商標名)やナイロン等の合成樹脂繊維36aの表面にステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属36bをコーティングして構成された焼結シートよりなるインキ保持部材36とから構成される版胴33を用いてもよい。また同様に、第2ないし第5の実施例の変形例として、各実施例のインキ保持部材の金属繊維に代えて、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングした繊維を用いてもよい。なお、これらの変形例においても、インキ保持部材の好ましい密度範囲Dw及びより好ましい密度範囲Dw1は上記各式で示されるが、この場合、物質の密度ρは、金属をコーティングした合成樹脂繊維について測定したものに相当する。
第1ないし第5の実施例及び変形例で用いた各版胴は、それぞれ多孔性支持板1bと各インキ保持部材とから構成されているが、例えば特開平1−204781号公報、あるいは特開昭59−218889号公報に開示されているように、多孔性支持板1bを省略して円筒状に形成されたインキ保持部材のみを具備してなるものであってもよい。この場合、円筒状に形成され、孔版印刷装置の内部に収められているものを版胴と呼び、シート状のものをインキ保持部材という。
さらに、第1ないし第5の実施例及び変形例において、各版胴の多孔性支持板1bとインキ保持部材との間に、メッシュスクリーンや不織布等のインキ保持層を介在させてもよい。
なお、上記各実施例において用いられる熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタとは、マスタが熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有させてなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの表面及び裏面のうちの少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜層を1層または複数層形成してなるものを含む。
また、マスタとしては、楮、三椏、マニラ麻、亜麻等の天然繊維からなる多孔性薄葉紙や、レーヨン、ビニロン、フッ素樹脂、ポリエステル等の合成繊維からなる不織布やメッシュスクリーン、若しくはステンレス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン等の金属繊維を網目状に交差させて形成したメッシュスクリーン、合成繊維を焼結させて作成した焼結シート、ポリビニルアセタール系またはポリビニルアルコール系の連続気泡を有する多孔質弾性体、硬質粒子とゴムの混和した連続気泡を有する多孔質弾性体、ポリエチレン等の合成樹脂や無機物の微粉末を焼結した多孔質弾性体、ポリウレタン等の液状焼結による多孔質弾性体、または多孔質ゴム等の多孔質弾性体からなるもの等によって構成された多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムとをラミネート構造としたものを用いてもよい。
多孔性支持体は、その厚さが薄い程、フィルム面とインキが流出することを抑制する役割を有するインキ保持部材15,30,34,35,36,38,40との間(つまり多孔性支持体内)に存在するインキが少なくなり、マスタ開口部上に存在するインキ量が少なく、多孔性支持体内から引き出されるインキ量が少なくなるので、裏移り防止のためには多孔性支持体を用いない方が好ましい。しかし、マスタの耐久性を重視するには多孔性支持体を用いる方が好ましく、そのときの厚さは、上記理由より裏移りのことを考慮すると、10〜30μm程度が好ましい。
図12は、本発明の第6の実施例に用いられる版胴29とマスタ8とをそれぞれ示している。この第6の実施例は、第1の実施例と比較すると版胴1及びマスタ27に代えて版胴29及びマスタ8を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
版胴29は、開口部1aを有する多孔性支持板1bと、多孔性支持板1bの外表面に巻装されたインキ保持層20とから構成されている。インキ保持層20は、テトロン(商標名)やナイロン等の合成樹脂繊維またはステンレス繊維20a等を網目状に交差させて形成したメッシュスクリーンからなり、インキを通過させるためのインキ通路を有し、インキの拡散、保持等の働きをする。このインキ保持層20は、複数層設けても1層だけ設けるように構成してもよく、また設けなくてもよい。
この第6の実施例に用いられるマスタ8は、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属繊維8aからなり、繊維密度の高い不織布を焼結した焼結シートから構成される多孔性支持体8cと、ポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルム8bとを接着等によって貼り合わせた構造となっている。また、多孔性支持体8cに金属等の微粉末を分散させ、溶着あるいは接着し、これにより多孔性支持体の空隙を小さくするようにしてもよい。
多孔性支持体8cは密度が高い方が好ましく、第1の実施例で述べた理由と同様の理由により、例えば多孔性支持体8cが金属繊維で構成されている場合であって、ステンレス、鉄の場合の密度は0.7〜3.0g/cm3、より好ましくは0.9〜3.0g/cm3、チタンの場合の密度は0.4〜1.7g/cm3、より好ましくは0.5〜1.7g/cm3、アルミニウムの場合の密度は0.2〜1.0g/cm3、より好ましくは0.3〜1.0g/cm3である。
本実施例においても、第1の実施例と同様に、多孔性支持体8cの好ましい密度範囲Dw及びより好ましい密度範囲Dw1はそれぞれ次の式で示される。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3)
Dw1=0.11ρ〜0.38ρ(g/cm3)
ρ:物質の密度(g/cm3)
なお、上記式は、後述する第7並びに第10の実施例及び変形例における各多孔性支持体の密度についても適用され得るものである。さらに、上記式は、後述する第8及び第9の実施例の多孔性支持体24b,25dにおいて、少なくとも熱可塑性樹脂フィルム8bに当接する最外殻層部分の密度についても適用され得るものである。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ(g/cm3)
Dw1=0.11ρ〜0.38ρ(g/cm3)
ρ:物質の密度(g/cm3)
なお、上記式は、後述する第7並びに第10の実施例及び変形例における各多孔性支持体の密度についても適用され得るものである。さらに、上記式は、後述する第8及び第9の実施例の多孔性支持体24b,25dにおいて、少なくとも熱可塑性樹脂フィルム8bに当接する最外殻層部分の密度についても適用され得るものである。
この実施例では、使用されるマスタが多孔性支持体を有しているため、第1の実施例における熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ27とインキ保持部材15との間に多孔性支持体8cが介在する。従って、裏移りの発生を防止するために、金属繊維8aからなる焼結シートによって多孔性支持体8cは構成される。
多孔性支持体8cを繊維密度の高い金属繊維8aからなる焼結シートで構成したので、多孔性支持体8c内の空隙が小さくインキ通路が狭くなることにより多孔性支持体8cでのインキの切れがよくなり、マスタ8よりインキが引き出されることを抑制することができる。また、高エネルギー表面で濡れ性のよい多孔性支持体8cはインキとの接着力が高くなり、多孔性支持体8cでのインキの切れがよくなることによりマスタ8の内部からインキが引き出されにくくなり、裏移りの発生をより一層防止することができる。さらに、焼結シートは不織布に熱処理を施すことにより金属繊維の各接点を溶融結合させているので、未処理の多孔性支持体に比べて引張り強度、耐油性、耐水性が強く、印刷中における伸びや切れの発生を防止すると共に、マスタの耐刷性を著しく向上させることができる。
また、多孔性支持体8cは、天然繊維部材や合成樹脂部材から構成される多孔性支持体に比べて高弾性であるので、プレスローラ等の押圧部材による加圧時において多孔性支持体8cが圧縮されてインキを吐出し、圧が解除されたときには多孔性支持体8cが復元することにより多孔性支持体8c内にインキを吸い戻す効果が得られ、余分なインキの印刷用紙への転移が防止されて、裏移りの少ない良好な画像を得ることができる。
さらに、多孔性支持体8cは、天然繊維部材や合成樹脂部材から構成される多孔性支持体に比べて強度が高いので、長時間使用することによるへたりが少なく、多孔性支持体8cとしては、耐久性がよく大量印刷に適したものを提供することができる。
不織布からなる焼結シートは、特に繊維の配置が不規則であり、この繊維の不規則な並びが、多孔性支持板1b及び熱可塑性樹脂フィルム8bに規則正しく配置されている開口部1a及び穿孔部の相互の干渉による、モアレ模様の出現を効果的に防止している。また、焼結シートが不規則に配置された繊維を有することによりインキの拡散性が向上し、均一な濃度でべた画像の埋まりも良好な良質の画像を得ることができる。さらに、焼結シートは不織布に熱処理を施すことにより金属繊維の各接点を溶融結合させているので、未処理の不織布に比較して引張強度が高く、耐久性に優れている。
図13は、本発明の第7の実施例に用いられるマスタ22を示している。この第7の実施例は、第6の実施例と比較するとマスタ8に代えてマスタ22を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
マスタ22は、それぞれ繊維径の異なる2種類の金属繊維22a,22bからなる不織布を焼結した焼結シートである多孔性支持体22cと、熱可塑性樹脂フィルム8bとを貼り合わせて構成されている。この実施例では、組み合わされる金属繊維を2種類としたが、3種類以上であってもよい。
上述のマスタ22を用いることにより、太い繊維の間を細い繊維で埋めることができ、細い繊維のみで構成する場合に比べて引張り強度が高く、空隙が小さい多孔性支持体22cを得ることができる。
図14、図15は、本発明の第8の実施例に用いられるマスタ24と、本発明の第9の実施例に用いられるマスタ25とをそれぞれ示している。この第8及び第9の実施例は、第6の実施例と比較するとマスタ8に代えてマスタ24またはマスタ25を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
マスタ24は、同一繊維径の金属繊維24aを複数層重ね合わせた不織布を焼結した焼結シートで多孔性支持体24bを構成し、この多孔性支持体24bを熱可塑性樹脂フィルム8bと貼り合わせることにより構成されている。多孔性支持体24bは、複数層形成された金属繊維24aの層が、熱可塑性樹脂フィルム8bと接着される最外殻層から内層に向かうに従い、金属繊維24aの繊維密度が低くなるように形成されている。
マスタ25は、それぞれ繊維径の異なる金属繊維25a,25b,25cを層状に重ね合わせた不織布を焼結した焼結シートで多孔性支持体25dを構成し、この多孔性支持体25dを熱可塑性樹脂フィルム8bと貼り合わせることにより構成されている。多孔性支持体25dは、熱可塑性樹脂フィルム8bと接着される最外殻層が最も径の小さい金属繊維25aの層から構成され、内層に向かうに従い金属繊維25bの層、金属繊維25cの層と徐々に径が大きい金属繊維の層となるように構成されている。
すなわち、多孔性支持体24b,25dは、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接しない側から熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側に向かうに連れて、空隙が小さくなるように構成されている。
また、上記各実施例では、各多孔性支持体24b,25dを構成する各金属繊維24a,25a,25b,25cの層を3層としたが、2層以上であれば何層でもよい。
上述のマスタ24またはマスタ25を用いることにより、インキの通路に沿って、最初は空隙が大きくインキの供給・拡散が良好な層を有し、最終では空隙が小さい層を有する多孔性支持体24b,25bとすることができる。
図16は、本発明の第10の実施例に用いられるマスタ31を示している。この第10の実施例は、第6の実施例と比較するとマスタ8に代えてマスタ31を用いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
マスタ31を構成する不織布を焼結した焼結シートからなる多孔性支持体31aは金属からなる繊維部材31fより主に構成されており、この多孔性支持体31aには、インキ流入側の孔31bから流入したインキが、熱可塑性樹脂フィルム8bの多孔性支持体31aとの当接面に対する垂線Sから少なくとも1回ずれた後に、インキ流出側の孔31cから流出するインキ通路31dが形成されている。
インキ通路31dは、インキ流入側の孔31bから流入したインキの実質的に全量が、垂線S上に存在する金属繊維部材31fにより流下を妨げられ、垂線Sに沿って流下しないように構成されている。換言すると、インキ通路31dは、インキ流入側の孔31bから流入したインキの実質的に全量が、金属繊維部材31fによってその流下を妨げられることにより、一旦インキ流入側の孔31bの垂直下方より外方へ流出し、その後、インキ流出側の孔31cへ向かって流下するように構成されている。
印刷用紙18がマスタ31の表面から引き剥がされるときに、孔31cの天井部31eとインキ19との間にはインキ19の粘着力が働き、多孔性支持体31aから引き出されるインキ19の量が低減される。なお、図16において符号8dは熱可塑性樹脂フィルム8bに形成された穿孔部を示す。
ここで、上述の如きインキ通路31dが多孔性支持体31aに形成されたかどうかを判断する方法について述べる。
先ず、図17に示すように、多孔性支持体31aの裏面に多孔性支持体31aとは異なる色の用紙32を貼り付ける。次に、多孔性支持体31a側から光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察し、金属繊維部材31f間から用紙32が見えなければ、インキ通路31dが形成されていると判断できる。
先ず、図17に示すように、多孔性支持体31aの裏面に多孔性支持体31aとは異なる色の用紙32を貼り付ける。次に、多孔性支持体31a側から光を照射しながら顕微鏡によって50倍の倍率で観察し、金属繊維部材31f間から用紙32が見えなければ、インキ通路31dが形成されていると判断できる。
また、第5の実施例におけるインキ保持部材38と同様に、多孔性支持体31aの一方の面から多孔性支持体31aに対して垂直な平行光線を照射し、多孔性支持体31aの他方の面に到達する光を光量計で測定しても判断することができる。
第10の実施例の変形例として、図18に示すように、マスタ31に代えて、金属繊維部材31fと同様の金属繊維部材39bを3層以上積み重ねた多孔性支持体39aを有するマスタ39を用いてもよい。
また、第10の実施例及び変形例において、金属繊維部材31f,39bに代えて2種類以上の繊維径の異なる金属繊維部材を用いてもよい。
また、第10の実施例及び変形例において、金属繊維部材31f,39bに代えて2種類以上の繊維径の異なる金属繊維部材を用いてもよい。
さらに、第10の実施例及び変形例において、第8の実施例または第9の実施例と同様に、多孔性支持体31a,39aの繊維密度、あるいは金属繊維部材31f,39bの繊維径を変化させて、熱可塑性樹脂フィルム8bと当接する側に向かうに連れて多孔性支持体31a,39aの空隙を小さくしたマスタ31,39を構成してもよい。
上述の第6の実施例の変形例として、図19に示すように、テトロン(商標名)やナイロン等の合成樹脂繊維43aの表面にステンレス、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属43bをコーティングして構成された焼結シートよりなる多孔性支持体43cと熱可塑性樹脂フィルム8bとを貼り合わせて構成されるマスタ43を用いてもよい。また同様に、第7ないし第10の実施例において、各実施例の多孔性支持体の金属繊維に代えて、合成樹脂繊維の表面に金属をコーティングした繊維を用いてもよい。なお、これらの変形例においても、多孔性支持体の好ましい密度範囲Dw及びより好ましい密度範囲Dw1は上記各式で示されるが、この場合、物質の密度ρは、金属をコーティングした合成樹脂繊維について測定したものに相当する。
1,21,23,26,28,29,33,44 版胴
8,22,24,25,31,39,43,46 マスタ
8a,15a,22a,22b,24a,25a,25b,25c,30a, 30b,34a,35a,35b,35c,38c 金属繊維
8b 熱可塑性樹脂フィルム
8c,22c,24b,25d,31a,39a,43c 多孔性支持体
15,30,34,35,36,38,40,48,49 インキ保持部材
27 熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ
31b,38a インキ流入側の孔
31c,38b インキ流出側の孔
31d,38d インキ通路
31f,39b,40a 金属繊維部材
36a,43a 合成樹脂繊維
36b,43b 金属
48a 繊維
S 垂線
8,22,24,25,31,39,43,46 マスタ
8a,15a,22a,22b,24a,25a,25b,25c,30a, 30b,34a,35a,35b,35c,38c 金属繊維
8b 熱可塑性樹脂フィルム
8c,22c,24b,25d,31a,39a,43c 多孔性支持体
15,30,34,35,36,38,40,48,49 インキ保持部材
27 熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ
31b,38a インキ流入側の孔
31c,38b インキ流出側の孔
31d,38d インキ通路
31f,39b,40a 金属繊維部材
36a,43a 合成樹脂繊維
36b,43b 金属
48a 繊維
S 垂線
Claims (12)
- 外周面にインキ保持部材を有し、前記インキ保持部材上にマスタを巻装する孔版印刷装置の版胴であって、
前記インキ保持部材が繊維からなる焼結シートで構成されており、前記繊維は少なくともその表面が金属で構成されていることを特徴とする孔版印刷装置の版胴。 - 前記繊維は径の異なる2種類以上のものから構成されていることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置の版胴。
- 前記インキ保持部材は外表面に向かうに連れて空隙が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置の版胴。
- 前記インキ保持部材はインキ流入側の孔とインキ流出側の孔とを有し、前記インキ保持部材は、前記インキ流入側の孔から流入したインキが、前記版胴の外周面に対する垂線から少なくとも1回ずれた後に前記インキ流出側の孔から流出するインキ通路を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置の版胴。
- 前記インキ保持部材の密度範囲Dwが下式で表されることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項4記載の孔版印刷装置の版胴。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ ρ:物質の密度(g/cm3) - 前記インキ保持部材の外表面である最外殻層の密度範囲Dwが下式で表されることを特徴とする請求項3記載の孔版印刷装置の版胴。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ ρ:物質の密度(g/cm3) - 版胴の外周面を構成し、繊維からなる焼結シートで構成され、前記繊維は少なくともその表面が金属で構成されていることを特徴とするインキ保持部材。
- 前記繊維は径の異なる2種類以上のものから構成されていることを特徴とする請求項7記載のインキ保持部材。
- 外表面に向かうに連れて空隙が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項7または請求項8記載のインキ保持部材。
- インキ流入側の孔とインキ流出側の孔とを有し、前記インキ流入側の孔から流入したインキが、前記インキ流出側の孔の開口を有する面に対する垂線から少なくとも1回ずれた後に前記インキ流出側の孔から流出するインキ通路を有していることを特徴とする請求項7ないし請求項9のうちの何れか1つに記載のインキ保持部材。
- その密度範囲Dwが下式で表されることを特徴とする請求項7、請求項8または請求項10記載のインキ保持部材。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ ρ:物質の密度(g/cm3) - 最外殻層の密度範囲Dwが下式で表されることを特徴とする請求項9記載のインキ保持部材。
Dw=0.09ρ〜0.38ρ ρ:物質の密度(g/cm3)
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JP2003378049A JP2004090658A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | 孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部材 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004090658A true JP2004090658A (ja) | 2004-03-25 |
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ID=32064706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003378049A Pending JP2004090658A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | 孔版印刷装置の版胴及びインキ保持部材 |
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JP (1) | JP2004090658A (ja) |
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- 2003-11-07 JP JP2003378049A patent/JP2004090658A/ja active Pending
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