JPH05309932A - 孔版印刷装置及び該装置に用いられる孔版印刷用原紙 - Google Patents

孔版印刷装置及び該装置に用いられる孔版印刷用原紙

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JPH05309932A
JPH05309932A JP14335192A JP14335192A JPH05309932A JP H05309932 A JPH05309932 A JP H05309932A JP 14335192 A JP14335192 A JP 14335192A JP 14335192 A JP14335192 A JP 14335192A JP H05309932 A JPH05309932 A JP H05309932A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感熱製版や原紙の自動搬送などを支障なく行
えると共に、インキの無駄な消費をなくすようにした、
高品質の印刷画像を得ることのできる孔版印刷装置を提
供することにある。 【構成】 孔版印刷用原紙6を、熱可塑性樹脂フィルム
と可撓性シートとで構成し、前者の熱可塑性樹脂フィル
ムが内側となるように、孔版印刷用原紙6を印刷ドラム
3に巻き付ける。使用済みの孔版印刷用原紙6を印刷ド
ラム3から外すための排版装置5で、孔版印刷用原紙6
を巻き付けたときに、その可撓性シートを剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、孔版印刷装置及び該装
置に用いられる孔版印刷用原紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の孔版印刷装置に用いられる孔版
印刷用原紙として、非常に薄いポリエステルなどの熱可
塑性樹脂フィルムに、和紙のような多孔質の可撓性シー
トを貼り合わせるようにしたものが知られている。
【0003】かかる孔版印刷用原紙に対して、サーマル
ヘッドの発熱素子によって、熱可塑性樹脂フィルムに穿
孔製版を行い、原紙を自動搬送して、これを、その可撓
性シートが内側となるように印刷ドラム外周面に自動的
に巻き付け、かかる孔版印刷用原紙に対して、プレスロ
ーラのような押圧部材で、印刷用紙を連続的に押しつけ
て印刷する方式の孔版印刷装置も、よく知られたものと
なっている。
【0004】上記用途に用いられる熱可塑性樹脂フィル
ムは、その厚さが例えば2μm程度と、非常に薄いもの
となっているために、かかるフィルムの単体そのままで
は、機械内での自動搬送や製版ができず、又、印刷ドラ
ム外周面に巻きつけても、シワが発生してしまい、印刷
を行うには無理である。
【0005】このように、可撓性樹脂フィルム単体で
は、これを印刷に使用できないことから、そのフィルム
に前述した如き和紙のようなインキ透過性の多孔質可撓
性シートを貼り合わせ、孔版印刷用原紙を例えば約40
μm程度の厚さのものにして、これを印刷に供するとい
ったような方法が、従来より採用されているのである。
かかる孔版印刷用原紙は、多孔質の可撓性シートの貼り
合わせによって、所定の強さの腰が付けられるものとな
るので、その搬送時に、スキューやシワなどが発生しに
くくなり、印刷に支障なく供することができる。このよ
うな可撓性シートは、インキ透過性の多孔質のものであ
るため、一般に多孔質ベースないしは多孔質のベース材
と称せられている。
【0006】ところが、これに使われる可撓性シートに
は、上述の如く一般的に和紙が用いられるが、その繊維
の太さや長さ、そして密度や厚さのバラツキがあるため
に、そのインキの透過特性にバラツキが発生してしま
う。すなわち、所々に、繊維のかたまりのような部分が
多数できて、これがインキの透過を阻止するのである。
【0007】又、多孔質の可撓性シートと熱可塑性樹脂
フィルムとを貼り合わせるために、比較的多量の接着剤
が使用されるが、その接着剤の量のムラによって、多い
部分では、矢張り、インキの透過が阻止されるようにな
る。
【0008】このように部分部分で、インキの透過性が
悪くなったりすると、熱可塑性樹脂フィルムが、きちん
と感熱穿孔されたとしても、そのような部分に、図6で
示すような、印刷画像上の白抜けが生じ易くなる。すな
わち、かかる白抜けが点在する、所謂、ベタ埋まりの悪
い印刷画像となってしまうのである。
【0009】このような孔版印刷用原紙に関する技術
や、これを用いて感熱製版する技術などについては、例
えば、特開昭63−30295号公報などに示されてい
る。又、上述したような問題点の解消化を図った技術と
して、多孔質の可撓性シートに、和紙を用いず、均一な
太さの繊維を規則正しく並べるようにしたものを用いた
例が、例えば、特開昭60−87094号公報などに示
されている。
【0010】従来の、この種の孔版印刷装置において
は、この他、製版したばかりの新しい孔版印刷用原紙を
印刷ドラムに巻きつけても、印刷ドラムのインキがまず
多孔質の可撓性シートの部分に十分に浸透してからでな
いと、熱可塑性樹脂フィルム部分に達しないために、印
刷を開始してもすぐには画像が出ず、最初の1乃至3枚
の印刷用紙上には適正な画像が得られないという問題が
あった。
【0011】更に使用済みの孔版印刷用原紙を印刷ドラ
ムから剥離して所定の排版部に収納し、この収納した原
紙を廃棄するのであるが、この際にかなりの量のインキ
が多孔質の可撓性シートに含まれたままとなるため、イ
ンキの無駄使いにつながるという問題もあった。
【0012】他の従来技術として、塩化ビニル系樹脂フ
ィルムから成る謄写原紙を用いるようにした印刷装置が
知られている。これは放電方式によって穿孔製版するタ
イプのものであり、かつては、この種の孔版印刷装置に
良く使われていたが、製版時間が長くなることや、製版
時に臭いが出ることなどから、今では余り使われなくな
っている。
【0013】上記謄写原紙は、塩化ビニル系樹脂フィル
ムに、表面にカーボンがコーティングされた紙からなる
台紙を貼り合わせたものであり、台紙付きのままで放電
式製版機にセットして製版を行い、印刷時にも、まず台
紙付きのままで印刷機にセットし、版付け動作を終了し
たあとで、手作業で印刷機から台紙を剥離する。そし
て、このあと、連続印刷を行うのである。
【0014】この場合の台紙はインキ不透過性であり、
その目的は、薄いフィルムの自動搬送性の向上や、シワ
の発生の防止化などを図るものではなく、放電製版を可
能にするためである。この種の塩化ビニル系樹脂フィル
ムは、ある程度の厚さと腰を有しており、フィルム単体
でも、自動搬送や、印刷ドラムへの巻き付けなどは可能
となっている。
【0015】なお、上記の台紙付き謄写原紙などについ
ては、特開昭57−72894号公報などに詳しく示さ
れており、又その台紙を剥離して使用する謄写印刷機に
関するものについては、特開昭57−128587号公
報などに示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感熱
製版や孔版印刷用原紙の自動搬送などを支障なく行える
と共に、インキの無駄な消費をなくすようにした、高品
質の印刷画像を得ることのできる孔版印刷装置を提供す
ることにあり、更には、この目的を達成できる孔版印刷
用原紙を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、熱可塑性樹脂フィルムに、腰を付けるための
可撓性シートを重ね合わせて成る孔版印刷用原紙を、前
者の熱可塑性樹脂フィルムが内側になるように巻き付け
る印刷ドラムと、この印刷ドラムに孔版印刷用原紙を巻
き付ける前に、熱可塑性樹脂フィルムに対して穿孔製版
を行う製版装置と、印刷ドラム上に巻き付けられた、使
用済みの孔版印刷用原紙を自動排版して収納する排版装
置と、製版済みの孔版印刷用原紙が印刷ドラムに巻き付
けられたあと、可撓性シートを印刷ドラム上の熱可塑性
樹脂フィルムから剥離する可撓性シート剥離装置と、印
刷時、給送される印刷用紙を印刷ドラム上の熱可塑性樹
脂フィルムに押さえ付ける押圧部材とを具備することを
特徴とする孔版印刷装置を提案するものである。
【0018】又、今一つの発明は、熱可塑性樹脂フィル
ムと、この樹脂フィルムに腰を付けるインキ不透過性の
可撓性シートとから構成され、両者が互いに剥離可能
に、弱い接着力で接着されるようにして成る孔版印刷装
置用の孔版印刷用原紙を提案するものである。
【0019】なお、可撓性シート剥離装置を、排版装置
で兼用させるようにすると、効果的である。
【0020】又、可撓性シートをインキ不透過性のシー
トとして、押圧部材を、孔版印刷用原紙が印刷ドラムに
巻き付けられたあと、インキ不透過性の可撓性シートの
上から押圧状態にされる部材とすると、効果的である。
【0021】更に、熱可塑性樹脂フィルムと、この樹脂
フィルムに腰を付ける可撓性シートから構成され、可撓
性シートが一定のピッチ長さに切断されるものとなって
いて、且つ、これらの各切断された可撓性シートは、そ
れぞれ隣接する部位で、互いに重なり合うようになって
おり、この重なり合う部分が非接着状態にされるものと
すると、効果的である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って、詳細
に説明する。
【0023】図1は、本発明一実施例に係る孔版印刷装
置の概略構成を示すものである。この図において、符号
1は原稿読取部を、2は製版装置を、3は印刷ドラム
を、4は給紙部を、5は排版装置をそれぞれ示す。
【0024】原稿読取部1は、この詳細構造を省略して
あるが、原稿11を搬送して、その画像を光学的にCC
Dセンサで読み取って電気信号に変換する働きをする。
【0025】符号6Aで示すものは原紙ロールであり、
ここから、孔版印刷用原紙(マスター)6が繰り出され
て供出される。この孔版印刷用原紙6は、図7に示すよ
うに、例えばポリエステルなどの薄い熱可塑性樹脂フィ
ルム7に、腰を付けるための可撓性シート8を重ね合わ
せたものとなっている。熱可塑性樹脂フィルム7に、剥
離可能に、可撓性シート8が少量の接着剤により弱い接
着力で接着されている。本例では、可撓性シート8が、
例えば、和紙などの多孔質性のものから成り、これが多
孔質性のベース材となっている。
【0026】印刷ドラム3は、熱可塑性樹脂フィルム7
が内側になるように、孔版印刷用原紙6を外周面に巻き
付けるものである。孔版印刷用原紙6は、印刷ドラム3
に巻き付けられる前に、その熱可塑性樹脂フィルム7に
対して、製版装置2によって穿孔製版が行われる。すな
わち、原紙ロール部6Aから、孔版印刷用原紙6の先端
部が引き出され、この引き出された原紙6は、サーマル
ヘッド9と、ローラ状のプラテン10との間を通され
る。
【0027】プラテン10は、図示矢印方向に回転駆動
されるようになっていて、孔版印刷用原紙6をサーマル
ヘッド9の多数の発熱素子に押し付けつつ、搬送ローラ
対14に向けて移送する。孔版印刷用原紙6の熱可塑性
フィルム7の側が発熱素子に接する。
【0028】サーマルヘッド9は、原稿読取部1から出
力される電気信号に基づいて、その発熱素子が選択的に
発熱するようになっている。この熱によって、熱可塑性
樹脂フィルム7が溶融穿孔され、そのフィルムが感熱製
版されるのである。
【0029】サーマルヘッド9によって穿孔製版された
孔版印刷用原紙6は、搬送ローラ対14によって印刷ド
ラム3の外周部に設けられた原紙クランパ15に向けて
搬送され、その先端部が原紙クランパ15内の所定の位
置に達すると、図示されない開閉駆動手段で、原紙クラ
ンパ15が閉じられる。
【0030】次に印刷ドラム3は、図の矢印方向にゆっ
くりとした速度で回転しながら、その外周面に製版済み
の孔版印刷用原紙6を、その熱可塑性樹脂フィルム7の
側が内側になるように巻き付けていく。サーマルヘッド
9による穿孔製版が完全に終了すると、切断装置13が
孔版印刷用原紙6を切断し、1版分の孔版印刷用原紙6
が、完全に印刷ドラム3の外周面に巻き付けられること
になる。
【0031】製版装置2内に設けられたサーマルヘッド
9によって穿孔製版された孔版印刷用原紙6の穿孔部
は、これを拡大して見た時に、図4で示すように、孔が
互いに独立したものでなくてはならない。もしも、これ
らの孔がつながってしまっていれば、印刷時に熱可塑性
樹脂フィルム7に引張力が生じた場合、可撓性シート8
と、熱可塑性樹脂フィルム7との間の接着力が弱いもの
となっているので、孔のつながった部分から、孔版印刷
用原紙が簡単に破れたり、閉曲線で囲まれた内部のフィ
ルム部分が脱落してしまうという不具合を生じる。その
ために、サーマルヘッド9の各発熱素子のサイズについ
ては、通常の場合に比べて小さいものとなっていて、図
4に示したように互いに独立した孔を形成できるように
している。
【0032】ところで、印刷ドラム3の下位には、印刷
時、給送される印刷用紙を、印刷ドラム3上に巻き付け
られた孔版印刷用原紙6、正確には後述するようにその
熱可塑性樹脂フィルム7に、押さえ付ける押圧部材16
が設けられている。本例では、この部材がローラ体とな
っていて、これは一般にプレスローラとも呼ばれてお
り、かかるプレスローラ16は、印刷ドラム3に対し、
図示されない駆動手段により、接離駆動されるようにな
っている。
【0033】図7に示すように、孔版印刷用原紙6は印
刷ドラム3に接したあと、この外周面に巻き付けられて
いくのであるが、このとき、プレスローラ16は、孔版
印刷用原紙6を、印刷ドラム3に対しインキの粘着力に
よって、その外周面に密着させるべく、押さえ付ける。
このような態勢で、印刷ドラム3は1回転し、孔版印刷
用原紙6の巻装が終了するのである。
【0034】図1に戻って、製版装置2と反対側の印刷
ドラム3の近傍部には、印刷ドラム3上に巻き付けられ
た、使用済みの孔版印刷用原紙を自動排版して収納する
ための排版装置5が設けられている。後述するように、
使用済みの原紙6の熱可塑性樹脂フィルム7が排版装置
5によって自動排版される。このような排版装置5に
は、印刷ドラム3に近接対向するように、互いに対をな
す剥離ローラ17と、送り出しガイドローラ18とが設
けられ、これらの各ローラ17,18は図2に示すよう
にそれぞれ矢印方向に回転駆動されるようになってい
る。
【0035】後述する如く、孔版印刷用原紙6は、可撓
性シート8が熱可塑性樹脂フィルム7から剥離し易くな
るように、次のように構成されている。
【0036】図3に示すように、孔版印刷用原紙6を構
成する部材のうち、熱可塑性樹脂フィルム7の方は、長
尺材のままとなっていて、これに対し、他方の可撓性シ
ート8の方は、一定のピッチ長さLに切断されたものと
なっている。この一定のピッチ長さLは、丁度孔版印刷
用原紙6の一版分の長さ(通常は印刷ドラム3の1周分
の長さより若干短かい)に一致する。図において矢印
は、印刷ドラム3上の孔版印刷用原紙6の移動方向であ
る。各切断された可撓性シート8は、それぞれ隣接する
部位で、互いに重なり合うようになっており、この重な
り合うH部は、互いに非接着状態にされている。
【0037】そして、この互いに重なり合う部分が図5
に示すように毎回必ず原紙クランパ15のすぐ後方に位
置するように、孔版印刷用原紙6が印刷ドラム3に巻装
される度毎に切断装置13によって切断されるようにな
っている。
【0038】印刷ドラム3の時計方向の回転に伴って上
記重なり部が図2の剥離ローラ17の部位に来ると、可
撓性シートのうち、その重なっている上側の部分(原紙
クランパ15によってクランプされていない非接着状態
にされている部分)が、原紙クランパ15によってクラ
ンプされて下側に残された可撓性シート部分から、剥離
ローラ17によってすくい上げられるように剥離され、
この剥離された可撓性シート8は、両ローラ17,18
の間を通って、排版装置5の孔版原紙収納箱20内に入
れられる。このとき、この可撓性シート8は、印刷ドラ
ム3上の熱可塑性樹脂フィルム7からも、印刷ドラム3
の回転に伴って剥離され、印刷ドラム3から完全に剥離
された可撓性シートは収納箱20に収納される。なお、
可撓性シート8の先端部側の剥離を終了すると、剥離ロ
ーラ17は、印刷ドラム3から離れる方向に変位するよ
うになっている。
【0039】なお、印刷ドラム3は、図2に示すよう
に、多孔性の支持ドラム周壁部の上に、メッシュスクリ
ーン19を巻装したものとなっている。
【0040】叙上の如く、可撓性シート8のうち、上述
の重なり合う部分を、互いに非接着状態にしておくと、
可撓性シート8を、熱可塑性樹脂フィルム7から剥離し
易くすることができ、可撓性シート剥離装置(本例では
排版装置5が兼用する)の構成を単純化できるばかりで
なく、剥離信頼性を更に向上させることができる。
【0041】孔版印刷用原紙6が、熱可塑性樹脂フィル
ム7のみで構成されている場合、これは非常に薄く腰の
弱いものとなっているので、感熱製版がやりにくくな
り、又、孔版印刷用原紙を印刷ドラムに向けて自動搬送
するのが難しくなり、更には、孔版印刷用原紙を印刷ド
ラムに巻き付けたとき、それにシワを生じ易くなる。
【0042】本例においては、孔版印刷用原紙6が印刷
ドラム3に巻き付けられるまでは、ベース材としての可
撓性シート8が熱可塑性樹脂フィルム7に貼り付いたま
まになるので、孔版印刷用原紙6には所定の腰が付与さ
れることになり、感熱製版や、孔版印刷用原紙6の自動
搬送などを支障なく円滑に行うことができる。又、シワ
などを生じることなしに、孔版印刷用原紙6を印刷ドラ
ム3上に巻き付けることができる。
【0043】可撓性シート8が印刷ドラム2上の熱可塑
性樹脂フィルム7から完全に剥離されると、印刷ドラム
3の外周面には実質的に熱可塑性樹脂フィルム7のみが
巻装されることになる(原紙クランパ15でクランプさ
れた可撓性シートの小片は印刷ドラム3上に残ってい
る)。このあと、実質的に、印刷工程に入ることとな
る。
【0044】図1において、給紙部4の給紙台22から
は、印刷用紙23が1枚ずつ、給紙ローラ24によって
送り出され、フィードローラ対21の部位で、印刷ドラ
ム3に対する所定の送りタイミングをとって、印刷ドラ
ム3と、これから離間したプレスローラ16との間に向
けて送られる。
【0045】そして、この印刷用紙はプレスローラ16
によって、熱可塑性樹脂フィルム7のみから成る孔版印
刷用原紙が外周に巻かれた印刷ドラム3に向けて押圧さ
れ、このときインキが印刷用紙に転移して、この印刷用
紙には所定の印刷画像が形成される。
【0046】この画像形成時に、若しも、可撓性シート
8が和紙のような繊維体から成るものとなっていて、こ
れが、熱可塑性樹脂フィルム7に貼り付いたままである
と、繊維のからみ合った部分などで、インキが透過しに
くくなり、図6に示したような画像上の白抜けなどを生
じる。
【0047】本例においては、このような不具合を生じ
易い可撓性シートが、印刷時には存在しないので、かか
る白抜けなどは生じようがなく、このため、より高品質
の印刷画像を得ることが可能になる。
【0048】画像の形成された印刷用紙は、排紙搬送ベ
ルト25によって搬送され、排紙トレイ26上に収容さ
れる。このような印刷動作が、順次給送される各印刷用
紙に対して行われる。
【0049】1版分に対する全ての印刷を終了したと
き、印刷ドラム3の外周面に巻き付けられている熱可塑
性樹脂フィルム7のみより成る孔版印刷用原紙は不要に
なるので、この原紙は排版装置5によって、印刷ドラム
3から剥離され、孔版原紙収納箱20内に収容される。
すなわち、原紙クランパ15によるクランプを解除され
た熱可塑性樹脂フィルム7が、可撓性シート8と同様
に、図2に示す剥離ローラ17によって、印刷ドラム3
から剥離されて、孔版原紙収納箱20内に収容されるの
である。この排版は、印刷が終了したあとの他、新たな
製版を行う前に、行うようにしても良い。
【0050】本実施例は、製版済みの孔版印刷用原紙6
が印刷ドラム3に巻き付けられたあと、可撓性シート8
を印刷ドラム3上の熱可塑性樹脂フィルム7から剥離す
る剥離装置を、排版装置5で兼用させるようにしたもの
である。勿論、これらの装置を別々に設けてもよいが、
このようにすると構成が複雑化する。図示した印刷装置
ではその構成を簡略化することができ、そのコストの一
層の低減化にも役立つのである。
【0051】ところで、可撓性シート8を熱可塑性樹脂
フィルム7から剥離するためには、熱可塑性樹脂フィル
ム7を内側にして、孔版印刷用原紙6を印刷ドラム3上
に巻装させねばならない。
【0052】これに対し、従来においては、可撓性シー
トと熱可塑性樹脂フィルムとの相互の剥離は行わず、両
者を合体させたままで、印刷に供するようにしていた。
すなわち、図8に示すように、可撓性シート8の方を内
側にして孔版印刷用原紙6を印刷ドラム3上に巻き付け
るようにしていたのである。
【0053】この場合、熱可塑性樹脂フィルム7に対し
て穿孔製版が行われるので、サーマルヘッド9の位置は
同図に示すように孔版印刷用原紙6の下側になってい
る。このような態勢で、製版を行うと、孔版印刷用原紙
6の画像は、熱可塑性樹脂フィルム7に相向かい合うよ
うに、こちらの側から見て、図11に示す如き逆像とな
る。因みに、図9に示すものは原稿11の画像である。
【0054】これに対し、本発明例の場合は、図7に示
すような態勢で製版が行われるので、孔版印刷用原紙6
の画像は、熱可塑性樹脂フィルム7に相向かい合うよう
に、こちらの側から見て、図10に示す如く正像とな
る。すなわち、本例の場合は、サーマルヘッド9は、正
像(従来例の場合は逆像)が得られるように穿孔製版を
行うのである。これは、孔版印刷用原紙を印刷ドラムに
巻き付けるとき、熱可塑性樹脂フィルムが内側になる
か、外側になるかの違いによるものである。
【0055】ところで、この種の孔版印刷装置では、印
刷ドラム内部に、インキ供給装置が設けられていて、こ
の装置から供給されるインキは、印刷ドラムの多孔性周
壁部から、にじみ出る。その際、従来の印刷装置におい
ては、にじみ出たインキが図8に示す多孔質の可撓性シ
ート8に達し、この部分と、熱可塑性樹脂フィルム7の
穿孔部とを透過するようになっている。従って、この場
合には、可撓性シート8にはインキの透過性が要求さ
れ、このために、シート8は多孔質のものとなっている
のである。
【0056】然るに、本例の場合は、可撓性シート8が
剥がされてしまうため、これにはインキの透過性が要求
されない。いわば、熱可塑性樹脂フィルム7に腰を付
け、孔版印刷用原紙6の搬送上のトラブルを防止するだ
けの可撓性シートであれば良いのである。
【0057】いずれにしても、かかる可撓性シート8
を、インキ不透過性のものとしても差し支えないのであ
る。例えば、かかる可撓性シートを、インキ不透過性薄
用紙や合成樹脂製のシートとし、これと、熱可塑性樹脂
フィルム7とを、両者が剥離可能となるように、弱い接
着力で接着させて成る孔版印刷用原紙を用いれば、比較
的安価な孔版印刷用原紙で、孔版印刷を行うことがで
き、この種の印刷装置のランニングコストを一段と低減
させることができる。
【0058】ここで、図1において、プレスローラ16
は印刷用紙を印刷ドラム上の孔版印刷用原紙に押さえ付
ける押圧部材の一構成例を成すものであるが、この部材
を、孔版印刷用原紙の巻装を終了したあと、一定時間、
例えば、印刷ドラム3の数回転分、印刷ドラム3に押さ
えつけるようにすると、次のような効果を得ることがで
きる。
【0059】すなわち、孔版印刷用原紙6を巻装したあ
と、可撓性シート8を剥離しないままにしておき、可撓
性シート8の上からプレスローラ16によって印刷ドラ
ム3を押圧状態にし、印刷ドラム3を数回転させるので
ある。このようにすると、孔版印刷装置が長時間放置さ
れたりして、インキが蒸発状態になり、画像形成の立ち
上がりが悪くなったりする場合などにも、熱可塑性樹脂
フィルム部に、印刷ドラムの周壁部内のインキを十分に
しみ出させて供給することができるようになり、そのよ
うな不具合を生じにくくすることができる。
【0060】この場合、可撓性シート8をインキ不透過
性のシートとすることで、プレスローラ16をインキで
汚さないようにすることができる。そして、印刷工程に
入る前にインキ不透過性の可撓性シート8を剥離すれ
ば、印刷工程に突入したとき、すぐに良好な印刷画像を
得ることができる。
【0061】
【発明の効果】請求項1に記載の孔版印刷装置によれ
ば、孔版印刷用原紙が印刷ドラムに巻き付けられるまで
は、その原紙の熱可塑性樹脂フィルムに可撓性シートが
重ね合されているので、原紙の自動搬送や感熱製版など
を支障なく円滑に行うことができ、原紙の、印刷ドラム
への巻き付けも、シワなどを生じることなく行うことが
できる。更に、印刷時には、可撓性シートがなくなるの
で、これに起因する画像上の白抜けなどを生じないよう
にすることができ、又、余分にインキが、その可撓性シ
ートに吸収されるようなことがなくなる。更に、排版時
に、かかるインキの吸収されるような可撓性シートが廃
棄されるようなこともなくなるので、インキの無駄な消
費を抑えることができ、ランニングコストを大幅に低減
させることができる。
【0062】請求項2に記載の孔版印刷装置によれば、
この印刷装置の構成を簡略化することができ、印刷装置
のコストを更に低減化できる。
【0063】請求項3に記載の孔版印刷装置によれば、
たとえこの装置を長期放置した後に使用する場合でも、
印刷ドラム内のインキを熱可塑性樹脂フィルムに効果的
に侵透させることができ、印刷画像形成の立ち上がりを
良くすることができる。又、押圧部材をインキ不透過性
の可撓性シートに接触させるので、押圧部材をインキで
汚さないようにすることができる。
【0064】請求項4に記載の孔版印刷原紙によれば、
可撓性シートがインキ不透過性のシートで済むので、原
紙を安価なものとすることができ、印刷装置のランニン
グコストを一段と低減させることができる。
【0065】請求項5に記載の孔版印刷原紙によれば、
熱可塑性樹脂フィルムからの可撓性シートの剥離信頼性
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例の孔版印刷装置の概略構成図で
ある。
【図2】孔版印刷用原紙を構成する可撓性シートの剥離
部の構成図である。
【図3】カットした可撓性シートを用いた孔版印刷用原
紙の一例を示す説明図である。
【図4】熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部の一形態例を示
す図である。
【図5】可撓性シートの剥離寸前の状態を示す図であ
る。
【図6】従来例における画像上の白抜けを示す図であ
る。
【図7】本発明例の場合の孔版印刷用原紙の、印刷ドラ
ムへの巻装寸前の状態を示す図である。
【図8】従来例の場合の孔版印刷用原紙の、印刷ドラム
への巻装寸前の状態を示す図である。
【図9】孔版印刷装置の原稿読取り部によって読み取ら
れる原稿の一例を示す図である。
【図10】本発明例における孔版印刷用原紙の画像を示
す図である。
【図11】従来例における孔版印刷用原紙の画像を示す
図である。
【符号の説明】
2 製版装置 3 印刷ドラム 5 排版装置 6 孔版印刷用原紙 7 熱可塑性樹脂フィルム 8 可撓性シート 16 押圧部材としてのプレスローラ L ピッチ長さ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムに、腰を付けるた
    めの可撓性シートを重ね合わせて成る孔版印刷用原紙
    を、前者の熱可塑性樹脂フィルムが内側になるように巻
    き付ける印刷ドラムと、この印刷ドラムに孔版印刷用原
    紙を巻き付ける前に、熱可塑性樹脂フィルムに対して穿
    孔製版を行う製版装置と、印刷ドラム上に巻き付けられ
    た、使用済みの孔版印刷用原紙を自動排版して収納する
    排版装置と、製版済みの孔版印刷用原紙が印刷ドラムに
    巻き付けられたあと、可撓性シートを印刷ドラム上の熱
    可塑性樹脂フィルムから剥離する可撓性シート剥離装置
    と、印刷時、給送される印刷用紙を印刷ドラム上の熱可
    塑性樹脂フィルムに押さえ付ける押圧部材とを具備する
    ことを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】 可撓性シート剥離装置を、排版装置で兼
    用させた請求項1に記載の孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】 可撓性シートをインキ不透過性のシート
    として、押圧部材を、孔版印刷用原紙が印刷ドラムに巻
    き付けられたあと、インキ不透過性の可撓性シートの上
    から押圧状態にされる部材とした請求項1又は2に記載
    の孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂フィルムと、この樹脂フィ
    ルムに腰を付けるインキ不透過性の可撓性シートとから
    構成され、両者が互いに剥離可能に、弱い接着力で接着
    されるようにして成る孔版印刷装置用の孔版印刷用原
    紙。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂フィルムと、この樹脂フィ
    ルムに腰を付ける可撓性シートから構成され、可撓性シ
    ートが一定のピッチ長さに切断されるものとなってい
    て、且つ、これらの各切断された可撓性シートは、それ
    ぞれ隣接する部位で、互いに重なり合うようになってお
    り、この重なり合う部分が非接着状態にされている孔版
    印刷装置用の孔版印刷用原紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH079752A (ja) * 1993-06-23 1995-01-13 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置及びそのマスタ
EP0704313A1 (en) 1994-09-01 1996-04-03 Riso Kagaku Corporation Stencil printing machine, stencil sheet therefor, and a method of stencil printing

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