JP4157613B2 - マスタ貯容ユニット及び印刷装置 - Google Patents

マスタ貯容ユニット及び印刷装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、製版手段でマスタに加熱穿孔製版を行う印刷装置、及びこの印刷装置に装着されるマスタ貯容ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡便な印刷方法の1つとして、微細な発熱素子が一列に配置されたサーマルヘッドを感熱孔版用のマスタに接触させ、パルス的に発熱素子に通電させながらマスタを搬送することで、画像情報に応じてマスタを選択的に加熱穿孔した後、穿孔した部分よりインキを透過させ、このインキを印刷用紙に転移させることで印刷画像を形成するデジタル感熱孔版印刷が知られている。
【0003】
このデジタル感熱孔版印刷に用いられるマスタとしては、特開平6−32041号公報図1に符号2で示されているように、ロール状に巻成されたものが既に知られており、このマスタロールは孔版印刷装置のマスタ貯容部に貯容される。新しいマスタロールの装着方法としては、オペレーターが新しいマスタロールを梱包箱から取り出して、マスタ先端部を止めているテープ等を外してマスタロールの両側面となる表裏を確認した上でマスタ貯容部にセットし、マスタ貯容部よりマスタロールの先端部を引き出して、その先端部を孔版印刷装置の製版手段に挟持させた後、搬送手段あるいは搬送機能を備える製版手段によってマスタを一定量搬送させ、切断手段によって先端部を切断し、切断されたマスタの先端部をオペレーターが手作業で孔版印刷装置内より除去することによって完了する方法が採用されている。
【0004】
このようなマスタロールの装着作業は、マスタロールをマスタ貯容部に対して装着・離脱する作業が非常に面倒であり、しかも装着作業は、注意して行わないとマスタにシワが発生してしまい、印刷不良を起こしてしまうという問題点があるため、一般のオペレーターでは無理であり、熟練した専任のオペレーターが行わなくてはならないという問題点があった。上記マスタロールとして使用されるマスタは、インキ透過性の多孔質支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせたラミネート構造となっている。この多孔質支持体としては、一般の和紙や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄したものが用いられるが、その使用されている繊維の太さや長さ、並びに厚みや密度にムラがあるため、そのインキ透過性にバラツキが発生する。すなわち、フィルム穿孔部に繊維の塊のような部分が多数点在する場合や、太い繊維がフィルム穿孔部を横切っている場合等にインキの均一な透過が阻害される。
【0005】
また、熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体とを貼り合わせるために接着剤が使用されるが、その接着剤のムラにより、接着剤が多量に塗布されたフィルム穿孔部においてもインキの均一な透過が阻害される。このようにインキ透過性の悪い部分が点在すると、熱可塑性樹脂フィルムに対して所定の原稿画像に対応した加熱穿孔製版がなされたとしても、上述のインキ透過性の悪い部分に印刷画像の白抜けが生じ易くなり、所謂、ベタ埋まりの悪い印刷画像となってしまうという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭63−30295号公報には、サーマルヘッドの発熱素子にマスタが溶融して貼り付くことに起因する穿孔不良を防止するため、剥離剤を塗布したマスタ案内部を有するマスタ貯容手段の内部にマスタロールを貯容する技術が開示されている。しかし、この技術を用いてマスタロールの着脱を行う際には、オペレーターがマスタロールより引き出されたマスタの先端部を手作業によってマスタ案内部に挟持しなくてはならず、その挟持作業の際にマスタにシワが発生してしまうおそれがある。
【0007】
特開昭60−87095号公報には、多孔質支持体として和紙の代わりに均一な太さの繊維が規則正しく並べられたものを用い、これを熱可塑性樹脂フィルムと貼り合わせてマスタとする技術が開示されている。しかし、このマスタでは、製版したばかりの新しいマスタを版胴に巻装しても、版胴内部より供給されたインキが多孔質支持体に十分に浸透しないと熱可塑性樹脂フィルムまで到達しないため、印刷を開始しても最初の1ないし3枚の印刷用紙上には適正な印刷画像が得られないという問題点がある。また、印刷に使用された使用済みマスタは、版胴から剥離して所定の排版部に収納した後に廃棄されるが、このとき使用済みマスタは、その多孔質支持体に多量のインキを含んだまま廃棄されるため、インキのランニングコストが上がってしまうという問題点がある。
【0008】
この問題点を解消するため、多孔質支持体を薄くしたマスタを用いたり、あるいは多孔質支持体を用いずに実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いた印刷が試みられている。しかし、従来のラミネート構造のマスタの厚さが40乃至50μmであったのに対し、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタではその厚さが2乃至8μmと非常に薄く、マスタの強度(コシ)が大幅に低下してしまう。そのため、新たにマスタを孔版印刷装置にセットする際に、静電気によってマスタが手やガイド板等に貼り付き、マスタにシワが発生して正常なセットを行えないという問題点があると共に、熱可塑性樹脂フィルムの表面に紙粉や塵埃が付着すると、製版時に確実な加熱穿孔が行えないという問題点もある。マスタのコシが弱いため、マスタロール上でのズレや弛みを発生しやすい。さらに、マスタロールの製造工程においてもマスタのコシが弱いため、弛み等を発生してしまう。弛みのあるマスタに製版した場合、画像の歪みやシワが発生するという課題がある。
【0009】
本願出願人は、これら問題点の1つの解決手段として、特開平7−125400号公報において、マスタロールを回転可能に保持部で保持し、このマスタロールから所定長さ引き出されたマスタの先端部をマスタ案内部を用いて保持し導出を案内して、マスタロールを貯容するマスタ貯容ユニットを提案している。ところが、このマスタロールをマスタ貯容ユニット内に貯容すると、マスタの先端部がこのユニット内から外へ引き出される時にシワや弛みが発生し、これらを起因とする製版のずれや画像歪み等の不具合、あるいは、マスタの種類や状態によっては、マスタが詰まってしまうおそれがある。
【0010】
また、特開平7−101135号公報では、マスタ貯容部の出口部を通過したマスタの先端部を版胴の外周面に押し付ける張力付与機構を用いて、マスタに張力を与えてマスタのシワを低減するものが提案されているが、この構成だと版胴の近傍に張力付与機構を配置しなければならない。周知のように版胴の外周面には、マスタの先端部を係止するマスタ係止手段として開閉可能なクランパが装着されている。このため、張力付与機構には、このクランパとの干渉を避けるため版胴の外周面に対して接離可能な構成が必要となりその構成が大きくなって、装置の小型化の妨げとなってしまう。
【0011】
本発明は、上記各問題点を解決しマスタの種類にかかわらずマスタを確実に引き出せる印刷装置及びそれに装着するマスタ貯容ユニットを提供することを目的とする。また、上記目的に加え、マスタ引き出し時におけるマスタのシワや弛みを小型で確実に防止したり、あるいは製版時におけるマスタへの製版を良好に行えて、良好な印刷画像を得られる印刷装置及びそれに装着するマスタ貯容ユニットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、マスタをロール状に巻成してなるマスタロールを回転可能に保持する保持部と、マスタロールから所定長さ引き出されたマスタの先端部を保持しマスタの導出を案内するマスタ案内部とを有しマスタロールを貯容するマスタ貯容ユニットにおいて、マスタ案内部の出口部をその中央部よりも両側縁が、上方または下方に突出あるいは下方に屈曲するように形成した。
【0013】
請求項2に記載の発明では、マスタをロール状に巻成してなるマスタロールを回転可能に保持する保持部と、マスタロールから所定長さ引き出されたマスタの先端部を保持しマスタの導出を案内するマスタ案内部とを有しマスタロールを貯容するマスタ貯容ユニットにおいて、マスタ案内部の出口部を、マスタ搬送方向にその中央部を突出する向きに湾曲して形成している。
【0014】
請求項3に記載の発明では、マスタをロール状に巻成してなるマスタロールを回転可能に保持する保持部と、マスタロールから所定長さ引き出されたマスタの先端部を保持しマスタの導出を案内するマスタ案内部とを有しマスタロールを貯容するマスタ貯容ユニットにおいて、上記マスタ案内部の少なくともマスタの一面と当接する当接面に、当該マスタ案内部の当接面の中央部から側縁に向かってマスタ搬送方向に末広がりとなるように傾斜した突起部または溝部を設けている。
【0015】
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3の何れか1つに記載のマスタ貯容ユニットにおいて、保持部及びマスタの幅よりもその軸線方向の長さが長く形成されていて外周面にマスタロールが巻装されるとともに、保持部の内面とマスタロールの外周面とが接触しないように回転自在に支持された芯部材と、保持部に設けられ芯部材の回転に制動を与える制動部とを有している。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項1乃至4の何れか1つに記載のマスタ貯容ユニットにおいて、マスタ案内部に、このマスタ案内部と係合可能に設けられ、同案内部と係合する際に開閉動作するマスタ挟持搬送手段と係脱する係脱部を設けている。
【0017】
請求項6記載の発明では、請求項1乃至5の何れか1つに記載のマスタ貯容ユニットにおいて、マスタ案内部の出口部を、この出口部の直後に配置され、同出口部を通過したマスタに対して製版する製版手段の挟持位置よりも上方または下方に配置している。
【0018】
【実施例】
本発明の第1の実施例となる孔版印刷装置と、それに装着するマスタ貯容ユニット1について図面を用いて説明する。図1において、孔版印刷装置は、製版装置2、給紙搬送部3、印刷部4、排紙部5、排版部6、孔版印刷装置本体としての筐体7等から主に構成されている。製版装置2は、マスタ貯容ユニット1、マスタ貯容ユニット装着部25、発熱手段となるサーマルヘッド9とローラ部材となるプラテンローラ10とからなる製版手段8、切断手段となるカッター装置11、搬送ローラ対13、ガイド板14,15,16,17,18、センサー19より主に構成されている。
【0019】
筐体7には、図1に示すように、マスタ貯容ユニット1を筐体7に着脱自在に支持するマスタ貯容ユニット装着部25が設けられている。マスタ貯容ユニット装着部25は、一対のレール部材25aから構成されている。各レール部材25aは、それぞれL字形状を成し、一端部が互いに対向するように、かつ、それぞれの他端部が上方へ向かうように、プラテンローラ10と平行に筐体7に取り付けられている。各レール部材25aの互いの他端部間の間隔は、マスタ貯容ユニット1の外幅よりもわずかに大きくなるように設定されていて、マスタ貯容ユニット1が、図1の紙面に対する前後方向(垂直方向)にスムーズに移動できるように配設されている。各レール部材25aには、図示しないストッパーがそれぞれ設けられており、マスタ貯容ユニット1が、図1の紙面手前側から奥側へと挿入される際に、マスタ貯容ユニット1の位置決めを行っている。また、前記ストッパーには図示しないスイッチが設けられており、マスタ貯容ユニット1がこのストッパーに当接し、マスタ貯容ユニット装着部25に装着されたときに、図示しない制御手段へ装着信号を出力するように構成されている。マスタ貯容ユニット装着部25は、マスタ貯容ユニット1が装着されたときに、マスタ貯容ユニット1の外方に所定長さXだけ突出保持されたマスタ20aの先端部(図3参照)が、サーマルヘッド9とプラテンローラ10との間に位置するように配設されている。
【0020】
サーマルヘッド9は、筐体7に取り付けられた支軸26aに回動自在に支持されたアーム部材26に取り付けられており、その下方に配設されたヘッド駆動手段としてのソレノイド27によって、図1に実線で示す押圧位置と二点鎖線で示す離間位置とに選択的に移動される。アーム部材26には、一端を筐体7に固着された引張バネ28の他端が固着されている。サーマルヘッド9は、この引張バネ28の付勢力によって、ソレノイド27の不作動時にプラテンローラ10の外周面に所定の押圧力で押圧されている。ソレノイド27は、図示しない制御手段によって、その動作を制御される。
【0021】
プラテンローラ10は、サーマルヘッド9の配設位置より上方に配設され、筐体7に回転自在に支持された支軸10aに固着されている。プラテンローラ10は、図示しないステッピングモータによって製版時に回転駆動され、サーマルヘッド9と相まってマスタ貯容ユニット1からマスタ20aを引き出すようになっている。このステッピングモータも図示しない制御手段によってその動作を制御される。製版手段8は、マスタ貯容ユニット1の直後に配置されている。本実施例では、サーマルヘッド9とプラテンローラ10とが圧接してマスタ20aを挟持する部位を製版手段8の挟持位置Pとする。
【0022】
筐体7の、製版手段8の配設位置より矢印aで示すマスタ搬送方向(以下、「マスタ搬送方向a」と記す)の下流側には、ガイド板17、センサー19、カッター装置11、ガイド板18、ガイド板14,15、搬送ローラ対13、ガイド板16が配設されている。
【0023】
ガイド板17は、製版手段8とカッター装置11との間のマスタ通路を形成する。センサー19は筐体7に取り付けられており、プラテンローラ10によって搬送される製版済みマスタ20bの先端部を検知し、図示しない制御手段に信号を出力する。センサー19は、その焦点位置がカッター装置11の製版済みマスタ20bの切断位置となるように配設されている。カッター装置11は、ギロチン方式の周知の構造であり、製版済みマスタ20bを切断する。搬送ローラ対13は、筐体7に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によってプラテンローラ10と同期して回転駆動され、製版手段8によって製版された製版済みマスタ20bを印刷部4へ向けて搬送する。搬送ローラ対13の内部には、図示しない一方向クラッチが介装されている。ガイド板18とガイド板14,15とは、カッター装置11と搬送ローラ対13との間のマスタ通路を形成し、ガイド板16は、印刷部4に設けられた後述するマスタ係止手段71へのマスタ通路を形成している。
【0024】
製版装置2の下方には、給紙搬送部3が配設されている。給紙搬送部3は、給紙トレイ59、給紙ローラ60、ガイド板61、レジストローラ対62、ガイド板63,64より主に構成されている。給紙トレイ59は筐体7の下部に設けられており、そこには印刷用紙65が積載されている。給紙トレイ59の上部には、給紙ローラ60が配設されている。給紙ローラ60は、筐体7に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって回転駆動される。給紙ローラ60は、図示しない昇降手段によって上昇された給紙トレイ59上に積載された印刷用紙65の最上位の用紙を、レジストローラ対62に向けて搬送する。このとき、印刷用紙65は、ガイド板61でガイドされる。
【0025】
レジストローラ対62は、給紙ローラ60の印刷用紙搬送方向下流側に配設されている。レジストローラ対62は筐体7に回転自在に支持され、図示しない駆動手段で回転駆動されて、搬送されてきた印刷用紙65を印刷部4に向けてタイミングをとって搬送する。このとき印刷用紙65は、ガイド板63,64でガイドされる。
【0026】
製版装置2、給紙搬送部3の左方には、印刷部4が配設されている。印刷部4は、版胴66、版胴駆動手段67、インキ供給手段68、押圧部材69から主に構成されている。
【0027】
版胴66は、多孔性の円筒体であって、筐体7の図示しない側板に回転自在に支持されており、無端ベルト70を介して版胴駆動手段67によって回転駆動される。版胴66は、その外周面上の一部に、製版済みマスタ20bを係止するためのマスタ係止手段71を有している。版胴66の内部には、外周面上に保持された製版済みマスタ20bに対して印刷インキを供給するインキローラ72、ドクターローラ73等から構成されるインキ供給手段68が配設されている。
【0028】
マスタ係止手段71は版胴66に回動自在に軸着されており、図示しない開閉手段によって回動される。インキローラ72、ドクターローラ73は、版胴66の図示しない側板に回転自在に支持されており、インキローラ72は図示しない駆動伝達手段を介して回転駆動され、ドクターローラ73はインキローラ72と連れ回りする。版胴66の下方近傍には、押圧部材69が配設されている。押圧部材69は、その外周面を版胴66の外周面と接離自在に、かつ、回転自在に支持されており、図示しない接離手段によって移動される。
【0029】
印刷部4よりも印刷用紙搬送方向下流側には、排紙部5が配設されている。排紙部5は、剥離爪74、ガイド板75、排紙コンベヤ76、排紙トレイ77から主に構成されている。
【0030】
剥離爪74は、筐体7の図示しない側板に回動自在に支持されており、図示しない駆動手段で回動され、その先端部は、版胴66の外周面に対して進退自在に配設されている。剥離爪74の左側下方には、排紙コンベヤ76が配設されている。排紙コンベヤ76は、回転自在な2つのローラ78,79と、各ローラ78,79間に張設され、表面に複数の開口を有した無端ベルト80と、各ローラ78,79間の下方に配設された吸引ファン81とから主に構成されている。ローラ78は、図示しない駆動手段で回転駆動され、無端ベルト80を図1に矢印で示す方向に進行させる。排紙コンベヤ76の左側下方には、印刷済み用紙98を載置する排紙トレイ77が配設されている。
【0031】
剥離爪74は、押圧部材69で版胴66の外周面に押圧されてインキを転写された印刷用紙65を版胴66の外周面より剥離させ、下方へと落下させる。剥離爪74で版胴66の外周面より剥離された印刷済み用紙98は、ガイド板75に案内されて排紙コンベヤ76へと向かう。排紙コンベヤ76に送られた印刷済み用紙98は、吸引ファン81で無端ベルト80上に吸引されつつ搬送され、排紙トレイ77に排出されて積載される。
【0032】
排紙部5の上方には、排版部6が配設されている。排版部6は、排版ローラ82,83、排版ボックス84から主に構成されている。排版ローラ82,83は筐体7に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって、排版ローラ82は時計回り方向に、排版ローラ83は反時計回り方向にそれぞれ回転駆動される。また、排版ローラ83は図示しない揺動手段で揺動され、その外周面を版胴66の外周面に対して接離自在に設けられている。排版ボックス84は、筐体7に対して着脱自在に設けられている。
【0033】
マスタ貯容ユニット1は、芯部材12の外周面にマスタ20aをロール状に巻成したマスタロール20と、マスタロール20を保持する保持部21と、マスタロール20から引き出されたマスタ20aの導出を案内するマスタ案内部22とから主に構成されている。マスタロール20は、紙や樹脂などで円筒状に形成された芯部材12に、熱可塑性樹脂フィルムに多孔質支持体を貼り合わせたマスタ20aをロール状に巻成することによって構成されている。図1に示した例では、マスタロール20は、そのマスタ20aの熱可塑性樹脂フィルム面を内側に、多孔質支持体面を外側にして芯部材12に巻成されて構成されている。
【0034】
保持部21は、図4に示すように、紙、亜鉛鍍金鋼板等からなる金属板、あるいはABSやポリエチレン等の樹脂板等からなる箱型形状に形成されており、その内幅は、マスタ搬送方向aにおいては新しいマスタロール20の外径よりも若干大きくなるように形成されている。保持部21は、図3に示すように、マスタ搬送方向aと直交する方向においてはマスタ20aの幅bよりも若干大きくなるようにそれぞれ形成されている。
【0035】
芯部材12は、その軸線方向の長さdをマスタ20aの幅b及び保持部21の幅cより長く設けられていて、その端部を保持部21の外側に突出し、保持部21に直に設けた一対の支持孔21aにそれぞれ回動可能に支持されている。芯部材12の外径は、支持孔21aの径より若干大きく設けられていて、支持孔21aに軽圧入されている。このため、マスタロール20の回転時には、支持孔21aの内周面と芯部材12の外周面との摺接により制御力が作用するようになっており、保持部21に設けた支持孔21aが制動部を構成している。また、芯部材12は、図4に示すように、マスタロール20の外周面が保持部21の内面21bに接触しない位置に配置されている。これにより、マスタロール20aが回転しても、内面21bとの接触が避けられ、マスタロール20及びマスタ20aの帯電や変形が防止されている。また、芯部材12の端部が、保持部21から突出しているので、オペレーターがこの突出した端部を持ってマスタロール20を回転でき、マスタロール20の巻きが解けて弛んだ場合でも、その弛みを解消できるようになっている。
【0036】
マスタ案内部22は、図4に示すように、マスタ貯容ユニット1を側方から見た場合に、保持部21の1角部に形成されており、マスタロール20から引き出されたマスタ20aの表裏面と対向して配置され、マスタ20aをマスタ貯容ユニット1の外部へと案内する案内部材となる上突出部22aと下突出部22bとから主に構成されている。上突出部22aと下突出部22bは、互いの突出長を略同じくされ、その間にユニットの外部に連通する隙間を設けてマスタ20aを通過させる出口部23を構成している。マスタロール20は、その初期状態時においてマスタ20aの先端部が図3に示すように、上突出部22a及び下突出部22b、すなわち出口部23の端部より所定長さXだけマスタ貯容ユニット1の外方に突出した状態で、保持部21とマスタ案内部22とによって保持されている。
【0037】
図2に示すように、出口部23は、その中央部23aが両側縁23b,23cよりもマスタ搬送方向aと交差する方向となる上方へ突出する向きに湾曲している。具体的には、上突出部22a及び下突出部22bを上方に向かってアーチ状に形成して、上突出部22aと下突出部22bの間に形成される出口部23を湾曲形成している。マスタ貯容ユニット1は、図4に示すように、出口部23が挟持位置Pよりも上方に位置するように配置されている。
【0038】
このような構成の孔版印刷装置の動作とマスタ貯容ユニット1の作用を説明する。先ず、内部にマスタロール20を貯容したマスタ貯容ユニット1を、孔版印刷装置の製版装置2を形成するマスタ貯容ユニット装着部25に、図1の紙面手前側から奥側に向けて挿入する。このときソレノイド27は、図示しない制御手段からの指令によって励磁されており、サーマルヘッド9は、図1の二点鎖線で示す離間位置に位置決めされている。マスタ貯容ユニット1を挿入すると、マスタ案内部22で出口部23から所定長さXだけ突出保持されたマスタ20aは、サーマルヘッド9とプラテンローラ10との間に挿入される。やがてマスタ貯容ユニット1が図示しないストッパーに当接すると、図示しないスイッチが押され、このスイッチからの信号が制御手段に入力される。信号を受けた制御手段は、ソレノイド27へ指令を送り、その励磁状態を解除させる。ソレノイド27の励磁状態が解除されると、サーマルヘッド9が引張バネ28の付勢力によってプラテンローラ10の方向へ付勢され、サーマルヘッド9とプラテンローラ10とは、その間においてマスタ案内部22で出口部23から所定長さXだけ突出保持されたマスタ20aの先端部を挟持する。ソレノイド27の励磁状態が解除された後、制御手段はプラテンローラ10を駆動する図示しないステッピングモータへ指令を送り、プラテンローラ10を回転駆動する。このプラテンローラ10が回転すると、マスタ20aがガイド板17上を搬送され、その先端がセンサー19に検知されると、センサー19からの信号が制御手段に入力される。
【0039】
このとき、出口部23が、図2に示すようにマスタ搬送方向aと交差する上方へ突出する向きに湾曲形成されているため、マスタ貯容ユニット1から引き出されるマスタ20aが出口部23の形状に沿って湾曲されてコシを与えられる。また、挟持位置Pが図4に示すように、出口部23よりも下方に配置されているので、マスタ貯容ユニット1から引き出されるマスタ20aが出口部23を通過する際にその搬送方向に対して下向きに傾斜した状態となって、下突出部22bと摺接する。これにより、出口部23を通過するマスタ20aに対して、プラテンローラ10の軸線に平行な方向となるマスタ20aの幅方向に張力が与えられてシワの発生が抑えられて製版手段8に保持される。つまり、マスタ貯容ユニット1内のマスタ20aは、コシとその幅方向への張力を与えられながら引き出されるため、確実にマスタ貯容ユニット1内から引き出されるとともに、引き出される際のシワの発生が抑えられ、製版手段8で良好な加熱穿孔製版が可能となる。
【0040】
図1において、センサー19からの信号を受けた制御手段は、指令を送り、プラテンローラ10の回転を停止させる。この一連の動作によって、マスタ20aの先端部がカッター装置11の切断位置に位置決めされ、マスタ貯容ユニット装着部25へのマスタ貯容ユニット1の装着が完了する。
【0041】
マスタ貯容ユニット1がマスタ貯容ユニット装着部25に装着され、オペレーターによって図示しない製版スタートキーが投入されると、先ず排版が開始される。版胴駆動手段67は、その外周面に前版のマスタを巻装している版胴66を、そのマスタの後端部が排版ローラ83と対応する排版位置まで回動させる。版胴66が排版位置に位置決めされると、図示しない揺動手段が排版ローラ83をその外周面が版胴66の外周面上のマスタと当接する位置まで揺動させ、図示しない駆動手段が排版ローラ83を図1の反時計回り方向に回転させる。そして版胴駆動手段67が、版胴66を図1の反時計回り方向に回動させると、版胴66の外周面に巻装されたマスタは、排版ローラ82,83によって版胴66の外周面上より剥離され、排版ボックス84の内部に廃棄される。
【0042】
排版が完了すると、製版が開始される。版胴駆動手段67は、版胴66を図1に示す製版位置に位置決めさせる。版胴66が位置決めされると、図示しない開閉手段がマスタ係止手段71を図1に示す位置に開放させる。
【0043】
マスタ係止手段71が位置決めされ、原稿の画像情報が読み取られると、図示しない制御手段からの指令により、プラテンローラ10、搬送ローラ対13が同時に同期して回転を開始する。マスタ20aは、プラテンローラ10で搬送されつつ、読み取られた画像情報に基づいてサーマルヘッド9で加熱穿孔製版される。加熱穿孔製版された製版済みマスタ20bは、その先端部を各ガイド板17,18,14,15に案内されて搬送ローラ対13で搬送され、やがてガイド板16に案内されてマスタ係止手段71に到達する。そしてプラテンローラ10を駆動する図示しないステッピングモータのステップ数より、製版済みマスタ20bの先端部がマスタ係止手段71に到達したことを図示しない制御手段が判断すると、マスタ係止手段71が図示しない開閉手段によって閉じられ、製版済みマスタ20bの先端部が版胴66の外周面上に係止される。次に版胴駆動手段67が版胴66を図1の時計回り方向に回動させ、版胴66の外周面に製版済みマスタ20bが巻装される。そして図示しないステッピングモータのステップ数より、製版済みマスタ20bが所定長さ搬送されたことを図示しない制御手段が判断すると、版胴66、プラテンローラ10及び搬送ローラ対13の回転がそれぞれ停止し、カッター装置11が製版済みマスタ20bを切断した後、版胴66が回転してその外周面に製版済みマスタ20bを巻装して製版が完了する。
【0044】
製版完了後には、版付が行われる。ここでは、給紙ローラ60が給紙トレイ59上に積載された印刷用紙65の最上位の用紙を1枚、レジストローラ対62に向けて搬送する。レジストローラ対62に送られた印刷用紙65は、タイミングをとられた後、版胴66の外周面と押圧部材69との間に送り込まれる。印刷用紙65が送り込まれると、図示しない接離手段が押圧部材69を揺動させて、その外周面を印刷用紙65を介して版胴66の外周面と当接させる。そのとき印刷用紙65には、版胴66の内部のインキ供給手段68より供給されたインキが、版胴66の外周面の開口部及び版胴66の外周面に巻装された製版済みマスタ20bの穿孔部から滲出して付着し、印刷画像が転写される。
【0045】
印刷画像が転写された印刷済み用紙98は、剥離爪74で版胴66の外周面より剥離され、ガイド板75に案内されて排紙コンベヤ76に送られる。排紙コンベヤ76に送られた印刷済み用紙98は、吸引ファン81で無端ベルト80上に吸引されつつ搬送され、排紙トレイ77に排出される。この一連の動作によって版付けが完了し、この版付けによって印刷画像が確認されると、続いて印刷が行われる。製版手段8で良好な加熱穿孔製版が行れた製版済みマスタ20bが版胴66の外周面に巻装されているので、歪みが少ない印刷画像を得られる。
【0046】
印刷完了後、マスタ貯容ユニット1を孔版印刷装置より取り外す際には、孔版印刷装置の図示しない操作パネル上の「ユニット取り外し」釦を押すことで図示しない制御手段に信号が送られ、制御手段はソレノイド27を励磁させる。すると、サーマルヘッド9が引張バネ28の付勢力に抗して図1の二点鎖線位置に位置決めされ、オペレーターは、マスタ貯容ユニット1をマスタ貯容ユニット装着部25より容易に抜脱することができる。
【0047】
図1に示す孔版印刷装置に装着するマスタ貯容ユニット1は、その出口部23を、図2に示すように、上方に突出する向きに中央部23aを湾曲形成したが、これに限定されるものではない。図5(a)に示すように、マスタ案内部22の出口部23を、その中央部23aから両側縁23b,23cにかけて下方へ湾曲した形状としても良い。あるいは、図5(b)に示すように、マスタ案内部22の出口部23を、中央部23aに対して両側縁23b,23cを下方へ向かって折り曲げたり、図5(c)に示すように、中央部23aに対して両側縁23b,23cだけを下方に湾曲させたり、上方に湾曲させてもよい。
【0048】
このように出口部23の形状をマスタ搬送方向aと交差する方向に(上、下方向)に湾曲あるいは屈曲して構成しても、マスタ貯容ユニット1から引き出されるマスタ20aに対して、コシとマスタ20aの幅方向への張力を与えることができる。図5に示す出口部23の構成としても、その位置を挟持位置P(図4参照)よりも上方に配置すれば、マスタ貯容ユニット1から引き出されるマスタ20aが下突出部22bに摺接され、よりマスタ20aの幅方向に張力を与えることができる。これにより、図5に示す各出口部を通過するマスタ20aにコシが与えられて確実に引き出させるとともに、製版手段8への送り出し時のマスタ20aのシワを抑えられ、製版手段8で良好に加熱穿孔製版を行える。また、ここでの製版が良好に行われるため、印刷画像の歪みが極めて少なくなる。
【0049】
次に、マスタ貯容ユニットの別な実施例を幾つか説明するが、各ユニットはマスタ貯容ユニット1と、その基本構成を略同一構成としているので、同一構成部には同一符号を付すに留め、詳細な説明は省略する。
【0050】
図6に示すマスタ貯容ユニット1Aは、マスタ案内部22の出口部23Aを、その中央部23Aaを両側縁23Ab,23Acよりもマスタ搬送方向a側へ突出する向きに湾曲した形状(R形状)としたものである。図7に示すマスタ貯容ユニット1Aのマスタ案内部22の出口部23Bは、その両側縁23Bb,23Bcを中央部23Baよりもマスタ搬送方向aと反対側へ向かって傾斜させたもので、図8に示すマスタ貯容ユニット1Aのマスタ案内部22の出口部23Cは、その両側縁23Cb,23Ccを中央部23Caよりもマスタ搬送方向aと反対側へ向かって湾曲したものである。
【0051】
これら出口部23A,23B,23Cは、製版手段8における挟持位置Pよりも上方に配置される。つまり、少なくとも各出口部を構成する下突出部22bの形状を図6、図7、図8に示す形状とすると、マスタ貯容ユニット1Aからマスタ20aが引き出されるときに、下突出部22bと摺接し、このときの摩擦分力によりマスタ20aの幅方向に張力とコシが与えられる。このため、マスタ20aは、マスタ貯容ユニット1Aから確実に引き出されるとともに、引き出し時におけるシワの発生を抑えられる。よって、製版手段8への送り出し時のマスタ20aのシワが抑えられ、製版手段8での良好な加熱穿孔製版を行えるとともに、この製版が良好に行われることで印刷画像の歪みが極めて少なくなる。
【0052】
挟持位置Pに対して上述した各出口部が下方に配置されていれば、各上突出部22aを、それぞれ上述した形状に形成すれば、各上突出部22aと引き出されるマスタ20aとの摺接による摩擦分力によりマスタ20aの幅方向にコシと張力が与えれ、マスタ20aの引き出し時におけるシワの発生を抑えることができる。このようにしても製版手段8で良好な加熱穿孔製版を行え、かつ印刷画像の歪みも極めて少なくなる。
【0053】
図9(a)に示すマスタ貯容ユニット1Bは、マスタ案内部22Aを構成する上突出部22Aaと下突出部22Abの内面を互いに当接させることにより、極めて狭い出口部23全体でマスタ20aの先端部を挟持するものである。上突出部22Aaと下突出部22Abは、その中央部がそれぞれ上方に向かって突出するように湾曲形成されていて、出口部23をアーチ状としている。このような構成とすることにより、マスタ貯容ユニット1B内のマスタ20aを引き出す際に、出口部23の形状によって引き出されるマスタ20aにコシが与えられる。また、出口部23により挟持されながら引き出されので、この時に発生する摩擦分力によりマスタ20aの幅方向に張力が与えられる。これにより、マスタ20aが確実に引き出せるとともに、マスタ20aの引き出し時におけるシワの発生を抑えられ、製版手段8での加熱穿孔製版を良好に行えて、歪みの極めて少ない印刷画像を得られる。
【0054】
図9(b)に示すマスタ貯容ユニット1Cは、互いに離間配置された上突出部22aと下突出部22bとの間、すなわち出口部23内に、スポンジやウレタン等からなる摩擦力増大手段30a,30bをそれぞれマスタ20aの幅方向に連続的に配設し、各摩擦力増大手段30a,30bによってマスタ20aの先端部を挟持するマスタ案内部22を備えている。このように構成すると、マスタ貯容ユニット1B内のマスタ20aを引き出す際に、出口部23の形状によってコシが与えられるとともに、摩擦力増大手段30a,30bにより挟持されながら引き出されるので、このときの摩擦分力によりマスタ20aの幅方向と、マスタ搬送方向aと反対方向への張力が、移動するマスタ20aに与えられる。このため、マスタ20aのマスタ貯容ユニット1Bからの引き出し時におけるシワやマスタ搬送方向aに対する弛みが極めて少なくなり、製版手段8での加熱穿孔製版を良好に行え、歪みの極めて少ない印刷画像を得られる。
【0055】
また、図9(c)に示すように、マスタ案内部22より突出したマスタ20aの先端部に、マスタ20aを折り返すなどしてコシを持たせた耳部材20cを形成すると、マスタ貯容ユニット1をマスタ貯容ユニット装着部25にセットする際に、その作業が更に容易になる。なお、図9では、出口部23の中央部が上方にむかって湾曲したもので説明したが、図9にそれぞれ示す構成は、図5に示す各マスタ貯容ユニットや図6、図7、図8に示す各マスタ貯容ユニットにそれぞれ適用しても良い。
【0056】
図10に示すマスタ貯容ユニット1Dは、マスタ案内部22における下突出部22bの内面22cに突起部31を設けたものである。このマスタ貯容ユニット1Dは、製版手段8の挟持位置Pよりも出口部23を上方に配置している。突起部31は長円形状を成し、図11、図12に示すように、下突出部22bの幅方向の中央から側縁に、マスタ搬送方向aに対してそれぞれ対称的に傾斜し、かつ間隔をもって複数設けられている。このように湾曲した出口部23に複数の突起部31を傾斜して設けると、マスタ貯容ユニット1Dから引き出されるマスタ20aに、コシと突起部31との摩擦分力が作用する。このため、マスタ20aが確実に引き出せるとともに、マスタ20aの幅方向へ張力が与えられ、マスタ20aの引き出し時におけるシワの発生が低減し、製版手段8での加熱穿孔製版を良好に行えるとともに、歪みの極めて少ない印刷画像を得られる。
【0057】
図10に示すマスタ貯容ユニット1Dでは、マスタ案内部22aの内面22cに突起部31を設けたが、突起部31と同様に傾斜した溝部を設けた場合でも同様の作用を得られる。
【0058】
図1に示す孔版印刷装置では、センサー19によってマスタ20aの先端位置の位置決めを行っているので、マスタ案内部22より突出したマスタ20aの所定長さXに多少のバラツキが生じていてもマスタ20aの位置決めを正確に行うことができる。従来は、この位置決め作業を正確に行うために、マスタ20aの先端部をカッター装置11よりもマスタ搬送方向aの下流側まで引き出して、その後、カッター装置11でマスタ20aを切断することによって位置決めを行っていたが、この従来の位置決め工程では、この後、切断されたマスタ20aの先端部を製版装置2より取り出すという作業があり、この取り出し作業が非常に面倒で、作業効率を悪化させていた。本形態では、この取り出し作業が省略されるので、従来の装置に比べて作業効率を向上させることができる。また、ソレノイド27によってサーマルヘッド9を揺動させ、サーマルヘッド9とプラテンローラ10とを接離自在とした構成を採用したが、サーマルヘッド9を筐体7に固定し、プラテンローラ10を揺動自在とした構成を採用してもよい。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、マスタ貯容ユニットの保持部に回転自在に保持されたマスタロールから所定長さ引き出されたマスタの先端部を保持し、マスタの誘導を案内するマスタ案内部の出口部を、その中央部よりも両側縁が、上方または下方に突出あるいは下方に屈曲するように形成したので、出口部を通過してマスタ貯容ユニットから引き出されるマスタに対して、出口部によってコシやマスタの幅方向への張力が与えられるので、オペレーターの簡単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、貯容されたマスタの種類にかかわらずマスタを確実に引き出せ、かつ引き出し時のマスタのシワや弛みを確実に防止することができる。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、マスタ貯容ユニットの保持部に回転自在に保持されたマスタロールから所定長さ引き出されたマスタの先端部と接触して同先端部を保持し、マスタの誘導を案内するマスタ案内部の出口部をマスタ搬送方向にその中央部を突出する向きに湾曲して形成したので、出口部を通過してマスタ貯容ユニットから引き出されるマスタに対して、出口部によってコシやマスタの幅方向への張力が与えられるので、オペレーターの簡単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、貯容されたマスタの種類にかかわらずマスタを確実に引き出せ、かつ引き出し時のシワや弛みを確実に防止することができる。
【0061】
請求項3記載の発明によれば、マスタ貯容ユニットの保持部に回転自在に保持されたマスタロールから所定長さ引き出されたマスタの先端部と接触して同先端部を保持しマスタの誘導を案内するマスタ案内部の、マスタの一面と当接する当接面に、当該マスタ案内部の当接面の中央部から側縁に向かってマスタ搬送方向に末広がりとなるように傾斜した突起部または溝部を設けたので、出口部を通過してマスタ貯容ユニットから引き出されるマスタに対してコシやマスタの幅方向への張力が与えられるので、オペレーターの簡単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、貯容されたマスタの種類にかかわらずマスタを確実に引き出せ、かつ引き出し時のシワや弛みを確実に防止することができる。
【0062】
請求項4記載の発明によれば、外周面にマスタロールが巻装されて保持部に回転自在に支持された芯部材の回転に、制動を与える制動部を保持部に設けたので、マスタ案内部を通過してマスタ貯容ユニットから引き出されるマスタに対してコシやマスタの幅方向への張力が与えながら、制動部によって引き出されるマスタにマスタ搬送方向への張力が作用し、オペレーターの簡単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、貯容されたマスタの種類にかかわらずマスタを確実に引き出せ、かつ引き出し時におけるマスタのシワや弛みを小型で確実に防止することができる。芯部材が、保持部及びマスタの幅よりも長く形成されて保持部に回転可能に支持されているので、芯部材の端部が保持部から突出した状態となり、オペレーターがこの端部を持って回転させることで、マスタロールとマスタの先端部の間に発生する弛みを取り除ける。マスタロールは、保持部の内面に接触しないように支持されているので、保持部の内面との擦れによる帯電や変形を防止できる。
【0063】
請求項5記載の発明によれば、マスタ案内部と係合可能に設けられ同案内部と係合する際に開閉動作するマスタ挟持搬送手段と係脱する係脱部を、マスタ案内部に設けたので、マスタ案内部に保持されたマスタをマスタ挟持搬送手段で挟持した状態でマスタ貯容ユニットを移動させる場合にも、マスタがより確実に引き出される。このため、オペレーターの簡単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、同時に貯容されたマスタが特にコシの弱いものやカールの多いもの、あるいは帯電し易いマスタであっても、引き出しの際により確実にシワや弛みを防止することができる。
【0064】
請求項6記載の発明によれば、マスタ案内部の出口部の直後に製版手段を配置し、この製版手段の挟持位置よりも上方または下方に、マスタ案内部の出口部を配置したので、マスタがこの出口部を通過してマスタ貯容ユニットから引き出される際に、出口部に対して傾斜して引き出される。このため、傾斜した側に位置する出口部にマスタが摺接するので、引き出されるマスタに対して積極的に摩擦分力が作用し、オペレーターの簡単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、貯容されたマスタの種類や状態にかかわらずマスタを確実に引き出せ、かつ引き出されるマスタのシワや弛みをより一層防止することができる。また、引き出されるマスタのシワや弛みが防止されることで、製版手段にはシワのないマスタが搬送されることになり、良好な製版を行え、歪みの少ない印刷画像を得られる。帯電し易いマスタであっても、引き出される際に確実にシワや弛みが防止されるので、マスタに対する帯電防止剤の塗布量を少なくでき、マスタと接触する部材の、帯電防止剤による腐食を防止でき、装置のコスト低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す孔版印刷装置の概略構成図である。
【図2】 図1に示す孔版印刷装置に装着されるマスタ貯容ユニットの一例を示す正面図である。
【図3】 図2に示したマスタ貯容ユニットの構成を示す平面図である。
【図4】 図2に示したマスタ貯容ユニットの構成と、製版手段との位置関係を示す断面図である。
【図5】 マスタ貯容ユニットの出口部の変形例を示す正面断面図である。
【図6】 マスタ貯容ユニットの変形例の構成を示す平面図である。
【図7】 図6に示したマスタ貯容ユニットの出口部の変形例を示す平面図である。
【図8】 図6に示したマスタ貯容ユニットの出口部の変形例を示す平面図である。
【図9】 マスタ貯容ユニットの変形例を示す断面図である。
【図10】 マスタ貯容ユニットの変形例の構成と、製版手段との位置関係を示す断面図である。
【図11】 マスタ貯容ユニットに設けた突起部の構成と配置を示す拡大斜視図である。
【図12】 マスタ貯容ユニットに設けた突起部の作用を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
1、1(A,B,C,D) マスタ貯容ユニット
8 製版手段
9 発熱手段
10 ローラ部材
12 芯部材
19 切断手段
20a マスタ
20 マスタロール
21 保持部
21a 制動部
22、22A マスタ案内部
22(a,b)、22(Aa,Ab) 案内部材
23、23(A,B,C) マスタ案内部の出口部
23a、23Aa、23Ba、23Ca 出口部の中央部
23(b,c)、23A(b,c) 出口部の両側縁
23B(b,c)、23C(b,c) 出口部の両側縁
31 突起部
66 版胴
20b 製版済みマスタ
a マスタ搬送方向
b マスタの幅
P 挟持位置
X 所定長さ

Claims (6)

  1. マスタをロール状に巻成してなるマスタロールと、上記マスタロールを回転可能に保持する保持部と、上記マスタロールから所定長さ引き出された上記マスタの先端部を保持し、上記マスタの導出を案内するマスタ案内部とを有し、上記マスタロールを貯容するマスタ貯容ユニットにおいて、
    上記マスタ案内部の出口部は、その中央部よりも両側縁が、上方または下方に突出あるいは下方に屈曲するように形成されていることを特徴とするマスタ貯容ユニット。
  2. マスタをロール状に巻成してなるマスタロールと、上記マスタロールを回転自在に保持する保持部と、上記マスタロールから所定長さ引き出された上記マスタの先端部と接触して同先端部を保持し、上記マスタの導出を案内するマスタ案内部とを有し、上記マスタロールを貯容するマスタ貯容ユニットにおいて、
    上記マスタ案内部の出口部が、マスタ搬送方向にその中央部を突出する向きに湾曲して形成されていることを特徴とするマスタ貯容ユニット。
  3. マスタをロール状に巻成してなるマスタロールと、上記マスタロールを回転自在に保持する保持部と、上記マスタロールから所定長さ引き出された上記マスタの先端部を保持し、上記マスタの導出を案内するマスタ案内部とを有し、上記マスタロールを貯容するマスタ貯容ユニットにおいて、
    上記マスタ案内部の少なくとも上記マスタの一面と当接する当接面に、当該マスタ案内部の当接面の中央部から側縁に向かってマスタ搬送方向に末広がりとなるように傾斜した突起部または溝部を設けたことを特徴とするマスタ貯容ユニット。
  4. 請求項1、2または3記載のマスタ貯容ユニットにおいて、上記保持部及び上記マスタの幅よりもその軸線方向の長さが長く形成されていて外周面に上記マスタロールが巻装されるとともに、上記保持部の内面と上記マスタロールの外周面とが接触しないように上記保持部に回転自在に支持された芯部材と、上記保持部に設けられ上記芯部材の回転に制動を与える制動部と有することを特徴とするマスタ貯容ユニット。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載のマスタ貯容ユニットにおいて、上記マスタ案内部と係合可能に設けられ同案内部と係合する際に開閉動作するマスタ挟持搬送手段と係脱する係脱部を、上記マスタ案内部に設けたことを特徴とするマスタ貯容ユニット。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つに記載のマスタ貯容ユニットにおいて、上記マスタ案内部の出口部の直後に配置され同出口部を通過したマスタに対して製版する製版手段の挟持位置よりも上方または下方に、上記出口部を配置したことを特徴とするマスタ貯容ユニット。
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