JPH11227312A - マスタ貯容ユニット及び印刷装置 - Google Patents

マスタ貯容ユニット及び印刷装置

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JPH11227312A
JPH11227312A JP3281798A JP3281798A JPH11227312A JP H11227312 A JPH11227312 A JP H11227312A JP 3281798 A JP3281798 A JP 3281798A JP 3281798 A JP3281798 A JP 3281798A JP H11227312 A JPH11227312 A JP H11227312A
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Tomiya Mori
富也 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オペレーターの簡単かつ確実な着脱作業性を
確保しながら、マスタの種類にかかわらずマスタを確実
に引き出せるマスタ貯容ユニットと製版装置とを提供す
る。 【解決手段】 マスタ20aをロール状に巻成してなる
マスタロール20を内部に貯容し、このマスタロール2
0を回転可能に保持する保持部21と、マスタロール2
0から所定長さ引き出されたマスタ20aの先端部を保
持し、導出を案内するマスタ案内部22とを有するマス
タ貯容ユニット1において、マスタ案内部22の出口部
23を、その中央部23aから両側縁23b、23cへ
向かってマスタ搬送方向aと交差する方向へ湾曲して設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製版手段でマスタに加
熱穿孔製版を行う印刷装置、及びこの印刷装置に装着さ
れるマスタ貯容ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より簡便な印刷方法の1つとして、
微細な発熱素子が一列に配置されたサーマルヘッドを感
熱孔版用のマスタに接触させ、パルス的に発熱素子に通
電させながらマスタを搬送することで、画像情報に応じ
てマスタを選択的に加熱穿孔した後、穿孔した部分より
インキを透過させ、このインキを印刷用紙に転移させる
ことで印刷画像を形成するデジタル感熱孔版印刷が知ら
れている。
【0003】このデジタル感熱孔版印刷に用いられるマ
スタとしては、特開平6−32041号公報図1に符号
2で示されているように、ロール状に巻成されたものが
既に知られており、このマスタロールは孔版印刷装置の
マスタ貯容部に貯容される。新しいマスタロールの装着
方法としては、オペレーターが新しいマスタロールを梱
包箱から取り出して、マスタ先端部を止めているテープ
等を外してマスタロールの両側面となる表裏を確認した
上でマスタ貯容部にセットし、マスタ貯容部よりマスタ
ロールの先端部を引き出して、その先端部を孔版印刷装
置の製版手段に挟持させた後、搬送手段あるいは搬送機
能を備える製版手段によってマスタを一定量搬送させ、
切断手段によって先端部を切断し、切断されたマスタの
先端部をオペレーターが手作業で孔版印刷装置内より除
去することによって完了する方法が採用されている。
【0004】このようなマスタロールの装着作業は、マ
スタロールをマスタ貯容部に対して装着・離脱する作業
が非常に面倒であり、しかも装着作業は、注意して行わ
ないとマスタにシワが発生してしまい、印刷不良を起こ
してしまうという問題点があるため、一般のオペレータ
ーでは無理であり、熟練した専任のオペレーターが行わ
なくてはならないという問題点があった。上記マスタロ
ールとして使用されるマスタは、インキ透過性の多孔質
支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせたラミネ
ート構造となっている。この多孔質支持体としては、一
般の和紙や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄
したものが用いられるが、その使用されている繊維の太
さや長さ、並びに厚みや密度にムラがあるため、そのイ
ンキ透過性にバラツキが発生する。すなわち、フィルム
穿孔部に繊維の塊のような部分が多数点在する場合や、
太い繊維がフィルム穿孔部を横切っている場合等にイン
キの均一な透過が阻害される。
【0005】また、熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持
体とを貼り合わせるために接着剤が使用されるが、その
接着剤のムラにより、接着剤が多量に塗布されたフィル
ム穿孔部においてもインキの均一な透過が阻害される。
このようにインキ透過性の悪い部分が点在すると、熱可
塑性樹脂フィルムに対して所定の原稿画像に対応した加
熱穿孔製版がなされたとしても、上述のインキ透過性の
悪い部分に印刷画像の白抜けが生じ易くなり、所謂、ベ
タ埋まりの悪い印刷画像となってしまうという問題点が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−3029
5号公報には、サーマルヘッドの発熱素子にマスタが溶
融して貼り付くことに起因する穿孔不良を防止するた
め、剥離剤を塗布したマスタ案内部を有するマスタ貯容
手段の内部にマスタロールを貯容する技術が開示されて
いる。しかし、この技術を用いてマスタロールの着脱を
行う際には、オペレーターがマスタロールより引き出さ
れたマスタの先端部を手作業によってマスタ案内部に挟
持しなくてはならず、その挟持作業の際にマスタにシワ
が発生してしまうおそれがある。
【0007】特開昭60−87095号公報には、多孔
質支持体として和紙の代わりに均一な太さの繊維が規則
正しく並べられたものを用い、これを熱可塑性樹脂フィ
ルムと貼り合わせてマスタとする技術が開示されてい
る。しかし、このマスタでは、製版したばかりの新しい
マスタを版胴に巻装しても、版胴内部より供給されたイ
ンキが多孔質支持体に十分に浸透しないと熱可塑性樹脂
フィルムまで到達しないため、印刷を開始しても最初の
1ないし3枚の印刷用紙上には適正な印刷画像が得られ
ないという問題点がある。また、印刷に使用された使用
済みマスタは、版胴から剥離して所定の排版部に収納し
た後に廃棄されるが、このとき使用済みマスタは、その
多孔質支持体に多量のインキを含んだまま廃棄されるた
め、インキのランニングコストが上がってしまうという
問題点がある。
【0008】この問題点を解消するため、多孔質支持体
を薄くしたマスタを用いたり、あるいは多孔質支持体を
用いずに実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマ
スタを用いた印刷が試みられている。しかし、従来のラ
ミネート構造のマスタの厚さが40乃至50μmであっ
たのに対し、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからな
るマスタではその厚さが2乃至8μmと非常に薄く、マ
スタの強度(コシ)が大幅に低下してしまう。そのた
め、新たにマスタを孔版印刷装置にセットする際に、静
電気によってマスタが手やガイド板等に貼り付き、マス
タにシワが発生して正常なセットを行えないという問題
点があると共に、熱可塑性樹脂フィルムの表面に紙粉や
塵埃が付着すると、製版時に確実な加熱穿孔が行えない
という問題点もある。マスタのコシが弱いため、マスタ
ロール上でのズレや弛みを発生しやすい。さらに、マス
タロールの製造工程においてもマスタのコシが弱いた
め、弛み等を発生してしまう。弛みのあるマスタに製版
した場合、画像の歪みやシワが発生するという課題があ
る。
【0009】本願出願人は、これら問題点の1つの解決
手段として、特開平7−125400号公報において、
マスタロールを回転可能に保持部で保持し、このマスタ
ロールから所定長さ引き出されたマスタの先端部をマス
タ案内部を用いて保持し導出を案内して、マスタロール
を貯容するマスタ貯容ユニットを提案している。ところ
が、このマスタロールをマスタ貯容ユニット内に貯容す
ると、マスタの先端部がこのユニット内から外へ引き出
される時にシワや弛みが発生し、これらを起因とする製
版のずれや画像歪み等の不具合、あるいは、マスタの種
類や状態によっては、マスタが詰まってしまうおそれが
ある。
【0010】また、特開平7−101135号公報で
は、マスタ貯容部の出口部を通過したマスタの先端部を
版胴の外周面に押し付ける張力付与機構を用いて、マス
タに張力を与えてマスタのシワを低減するものが提案さ
れているが、この構成だと版胴の近傍に張力付与機構を
配置しなければならない。周知のように版胴の外周面に
は、マスタの先端部を係止するマスタ係止手段として開
閉可能なクランパが装着されている。このため、張力付
与機構には、このクランパとの干渉を避けるため版胴の
外周面に対して接離可能な構成が必要となりその構成が
大きくなって、装置の小型化の妨げとなってしまう。
【0011】本発明は、上記各問題点を解決し、マスタ
ロールを着脱する際に、オペレーターの簡単かつ確実な
着脱作業性を確保しながら、マスタの種類にかかわらず
マスタを確実に引き出せる印刷装置及びそれに装着する
マスタ貯容ユニットを提供することを目的とする。ま
た、上記目的に加え、マスタ引き出し時におけるマスタ
のシワや弛みを小型で確実に防止したり、あるいは製版
時におけるマスタへの製版を良好に行えて、良好な印刷
画像を得られる印刷装置及びそれに装着するマスタ貯容
ユニットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、マスタをロール状に巻成してなるマスタロールを回
転可能に保持する保持部と、マスタロールから所定長さ
引き出されたマスタの先端部を保持しマスタの導出を案
内するマスタ案内部とを有しマスタロールを貯容するマ
スタ貯容ユニットにおいて、マスタ案内部の出口部を、
その中央部から両側縁へ向かってマスタ搬送方向と交差
する方向へ湾曲して設けている。
【0013】請求項2に記載の発明では、マスタをロー
ル状に巻成してなるマスタロールを回転可能に保持する
保持部と、マスタロールから所定長さ引き出されたマス
タの先端部を保持しマスタの導出を案内するマスタ案内
部とを有しマスタロールを貯容するマスタ貯容ユニット
において、マスタ案内部の出口部を、平面内においてマ
スタ搬送方向にその中央部を突出する向きに湾曲して形
成している。
【0014】請求項3に記載の発明では、マスタをロー
ル状に巻成してなるマスタロールを回転可能に保持する
保持部と、マスタロールから所定長さ引き出されたマス
タの先端部を保持しマスタの導出を案内するマスタ案内
部とを有しマスタロールを貯容するマスタ貯容ユニット
において、上記マスタ案内部の少なくともマスタの一面
と当接する当接面に、マスタ搬送方向に対してその中央
部から側縁に向けて傾斜した突起部または溝部を設けて
いる。
【0015】請求項4記載の発明では、請求項1乃至3
の何れか1つに記載のマスタ貯容ユニットにおいて、保
持部及びマスタの幅よりもその軸線方向の長さが長く形
成されていて外周面にマスタロールが巻装されるととも
に、保持部の内面とマスタロールの外周面とが接触しな
いように回転自在に支持された芯部材と、保持部に設け
られ芯部材の回転に制動を与える制動部とを有してい
る。
【0016】請求項5記載の発明では、請求項1乃至4
の何れか1つに記載のマスタ貯容ユニットにおいて、マ
スタ案内部に、このマスタ案内部と係合可能に設けら
れ、同案内部と係合する際に開閉動作するマスタ挟持搬
送手段と係脱する係脱部を設けている。
【0017】請求項6記載の発明では、請求項1乃至5
の何れか1つに記載のマスタ貯容ユニットにおいて、マ
スタ案内部の出口部を、この出口部の直後に配置され、
同出口部を通過したマスタに対して製版する製版手段の
挟持位置よりも上方または下方に配置している。
【0018】請求項7記載の発明では、マスタの先端部
を挟持するマスタ係止手段を外周面の一部に有する回転
自在な版胴と、画像情報に応じてマスタを製版しマスタ
を版胴の外周面に巻装させるべく搬送する製版手段と、
製版手段で製版された製版済みマスタを一定の長さに切
断する切断手段とを有する印刷装置において、マスタを
ロール状に巻成してなるマスタロールを保持する保持部
と、マスタロールから所定長さ引き出されたマスタの先
端部を保持しマスタの導出を案内するマスタ案内部とを
有しマスタロールを貯容するマスタ貯容ユニットと、マ
スタ案内部に近接する第1の位置と、マスタ係止手段に
近接する第2の位置との間で移動可能に設けられ、第1
の位置を占めたときにマスタ案内部に案内されたマスタ
の先端部を挟持し、第2の位置を占めたときにマスタの
先端部への挟持を解除するマスタ挟持部を有するマスタ
挟持搬送手段とを備える構成としている。
【0019】請求項8記載の発明では、請求項7記載の
印刷装置において、マスタ案内部にマスタ挟持部と係合
する係脱部を設けている。
【0020】請求項9記載の発明では、請求項7または
8記載の印刷装置において、マスタ案内部の出口部を、
その中央部から両側縁へ向かってマスタ搬送方向と交差
する方向へ湾曲して設けている。
【0021】請求項10記載の発明では、請求項7また
は8記載の印刷装置において、マスタ案内部の出口部
を、平面内においてマスタ搬送方向にその中央部を突出
する向きに湾曲して形成している。
【0022】請求項11記載の発明では、請求項7乃至
10の何れか1つに記載の印刷装置において、保持部
に、軸線方向の長さが同保持部及びマスタの幅よりも長
くその外周面にマスタロールを巻装する芯部材を、マス
タロールの回転に制動を与えるとともに、保持部の内面
とマスタロールの外周面とが接触しないように回動可能
に支持している。
【0023】請求項12記載の発明では、請求項7乃至
11の何れか1つに記載の印刷装置において、製版手段
が、マスタ案内部の出口部の直後に配置されマスタの一
面に当接する発熱手段と、この発熱手段とマスタを介し
て対向配置されて発熱手段と相まってマスタを挟持しな
がら搬送するローラ部材とを備え、発熱手段とローラ部
材とでマスタを挟持する挟持位置を、マスタ案内部の出
口部よりも上方または下方に配置している。
【0024】
【実施例】本発明の第1の実施例となる孔版印刷装置
と、それに装着するマスタ貯容ユニット1について図面
を用いて説明する。図1において、孔版印刷装置は、製
版装置2、給紙搬送部3、印刷部4、排紙部5、排版部
6、孔版印刷装置本体としての筐体7等から主に構成さ
れている。製版装置2は、マスタ貯容ユニット1、マス
タ貯容ユニット装着部25、発熱手段となるサーマルヘ
ッド9とローラ部材となるプラテンローラ10とからな
る製版手段8、切断手段となるカッター装置11、搬送
ローラ対13、ガイド板14,15,16,17,1
8、センサー19より主に構成されている。
【0025】筐体7には、図1に示すように、マスタ貯
容ユニット1を筐体7に着脱自在に支持するマスタ貯容
ユニット装着部25が設けられている。マスタ貯容ユニ
ット装着部25は、一対のレール部材25aから構成さ
れている。各レール部材25aは、それぞれL字形状を
成し、一端部が互いに対向するように、かつ、それぞれ
の他端部が上方へ向かうように、プラテンローラ10と
平行に筐体7に取り付けられている。各レール部材25
aの互いの他端部間の間隔は、マスタ貯容ユニット1の
外幅よりもわずかに大きくなるように設定されていて、
マスタ貯容ユニット1が、図1の紙面に対する前後方向
(垂直方向)にスムーズに移動できるように配設されて
いる。各レール部材25aには、図示しないストッパー
がそれぞれ設けられており、マスタ貯容ユニット1が、
図1の紙面手前側から奥側へと挿入される際に、マスタ
貯容ユニット1の位置決めを行っている。また、前記ス
トッパーには図示しないスイッチが設けられており、マ
スタ貯容ユニット1がこのストッパーに当接し、マスタ
貯容ユニット装着部25に装着されたときに、図示しな
い制御手段へ装着信号を出力するように構成されてい
る。マスタ貯容ユニット装着部25は、マスタ貯容ユニ
ット1が装着されたときに、マスタ貯容ユニット1の外
方に所定長さXだけ突出保持されたマスタ20aの先端
部(図3参照)が、サーマルヘッド9とプラテンローラ
10との間に位置するように配設されている。
【0026】サーマルヘッド9は、筐体7に取り付けら
れた支軸26aに回動自在に支持されたアーム部材26
に取り付けられており、その下方に配設されたヘッド駆
動手段としてのソレノイド27によって、図1に実線で
示す押圧位置と二点鎖線で示す離間位置とに選択的に移
動される。アーム部材26には、一端を筐体7に固着さ
れた引張バネ28の他端が固着されている。サーマルヘ
ッド9は、この引張バネ28の付勢力によって、ソレノ
イド27の不作動時にプラテンローラ10の外周面に所
定の押圧力で押圧されている。ソレノイド27は、図示
しない制御手段によって、その動作を制御される。
【0027】プラテンローラ10は、サーマルヘッド9
の配設位置より上方に配設され、筐体7に回転自在に支
持された支軸10aに固着されている。プラテンローラ
10は、図示しないステッピングモータによって製版時
に回転駆動され、サーマルヘッド9と相まってマスタ貯
容ユニット1からマスタ20aを引き出すようになって
いる。このステッピングモータも図示しない制御手段に
よってその動作を制御される。製版手段8は、マスタ貯
容ユニット1の直後に配置されている。本実施例では、
サーマルヘッド9とプラテンローラ10とが圧接してマ
スタ20aを挟持する部位を製版手段8の挟持位置Pと
する。
【0028】筐体7の、製版手段8の配設位置より矢印
aで示すマスタ搬送方向(以下、「マスタ搬送方向a」
と記す)の下流側には、ガイド板17、センサー19、
カッター装置11、ガイド板18、ガイド板14,1
5、搬送ローラ対13、ガイド板16が配設されてい
る。
【0029】ガイド板17は、製版手段8とカッター装
置11との間のマスタ通路を形成する。センサー19は
筐体7に取り付けられており、プラテンローラ10によ
って搬送される製版済みマスタ20bの先端部を検知
し、図示しない制御手段に信号を出力する。センサー1
9は、その焦点位置がカッター装置11の製版済みマス
タ20bの切断位置となるように配設されている。カッ
ター装置11は、ギロチン方式の周知の構造であり、製
版済みマスタ20bを切断する。搬送ローラ対13は、
筐体7に回転自在に支持されており、図示しない駆動手
段によってプラテンローラ10と同期して回転駆動さ
れ、製版手段8によって製版された製版済みマスタ20
bを印刷部4へ向けて搬送する。搬送ローラ対13の内
部には、図示しない一方向クラッチが介装されている。
ガイド板18とガイド板14,15とは、カッター装置
11と搬送ローラ対13との間のマスタ通路を形成し、
ガイド板16は、印刷部4に設けられた後述するマスタ
係止手段71へのマスタ通路を形成している。
【0030】製版装置2の下方には、給紙搬送部3が配
設されている。給紙搬送部3は、給紙トレイ59、給紙
ローラ60、ガイド板61、レジストローラ対62、ガ
イド板63,64より主に構成されている。給紙トレイ
59は筐体7の下部に設けられており、そこには印刷用
紙65が積載されている。給紙トレイ59の上部には、
給紙ローラ60が配設されている。給紙ローラ60は、
筐体7に回転自在に支持されており、図示しない駆動手
段によって回転駆動される。給紙ローラ60は、図示し
ない昇降手段によって上昇された給紙トレイ59上に積
載された印刷用紙65の最上位の用紙を、レジストロー
ラ対62に向けて搬送する。このとき、印刷用紙65
は、ガイド板61でガイドされる。
【0031】レジストローラ対62は、給紙ローラ60
の印刷用紙搬送方向下流側に配設されている。レジスト
ローラ対62は筐体7に回転自在に支持され、図示しな
い駆動手段で回転駆動されて、搬送されてきた印刷用紙
65を印刷部4に向けてタイミングをとって搬送する。
このとき印刷用紙65は、ガイド板63,64でガイド
される。
【0032】製版装置2、給紙搬送部3の左方には、印
刷部4が配設されている。印刷部4は、版胴66、版胴
駆動手段67、インキ供給手段68、押圧部材69から
主に構成されている。
【0033】版胴66は、多孔性の円筒体であって、筐
体7の図示しない側板に回転自在に支持されており、無
端ベルト70を介して版胴駆動手段67によって回転駆
動される。版胴66は、その外周面上の一部に、製版済
みマスタ20bを係止するためのマスタ係止手段71を
有している。版胴66の内部には、外周面上に保持され
た製版済みマスタ20bに対して印刷インキを供給する
インキローラ72、ドクターローラ73等から構成され
るインキ供給手段68が配設されている。
【0034】マスタ係止手段71は版胴66に回動自在
に軸着されており、図示しない開閉手段によって回動さ
れる。インキローラ72、ドクターローラ73は、版胴
66の図示しない側板に回転自在に支持されており、イ
ンキローラ72は図示しない駆動伝達手段を介して回転
駆動され、ドクターローラ73はインキローラ72と連
れ回りする。版胴66の下方近傍には、押圧部材69が
配設されている。押圧部材69は、その外周面を版胴6
6の外周面と接離自在に、かつ、回転自在に支持されて
おり、図示しない接離手段によって移動される。
【0035】印刷部4よりも印刷用紙搬送方向下流側に
は、排紙部5が配設されている。排紙部5は、剥離爪7
4、ガイド板75、排紙コンベヤ76、排紙トレイ77
から主に構成されている。
【0036】剥離爪74は、筐体7の図示しない側板に
回動自在に支持されており、図示しない駆動手段で回動
され、その先端部は、版胴66の外周面に対して進退自
在に配設されている。剥離爪74の左側下方には、排紙
コンベヤ76が配設されている。排紙コンベヤ76は、
回転自在な2つのローラ78,79と、各ローラ78,
79間に張設され、表面に複数の開口を有した無端ベル
ト80と、各ローラ78,79間の下方に配設された吸
引ファン81とから主に構成されている。ローラ78
は、図示しない駆動手段で回転駆動され、無端ベルト8
0を図1に矢印で示す方向に進行させる。排紙コンベヤ
76の左側下方には、印刷済み用紙98を載置する排紙
トレイ77が配設されている。
【0037】剥離爪74は、押圧部材69で版胴66の
外周面に押圧されてインキを転写された印刷用紙65を
版胴66の外周面より剥離させ、下方へと落下させる。
剥離爪74で版胴66の外周面より剥離された印刷済み
用紙98は、ガイド板75に案内されて排紙コンベヤ7
6へと向かう。排紙コンベヤ76に送られた印刷済み用
紙98は、吸引ファン81で無端ベルト80上に吸引さ
れつつ搬送され、排紙トレイ77に排出されて積載され
る。
【0038】排紙部5の上方には、排版部6が配設され
ている。排版部6は、排版ローラ82,83、排版ボッ
クス84から主に構成されている。排版ローラ82,8
3は筐体7に回転自在に支持されており、図示しない駆
動手段によって、排版ローラ82は時計回り方向に、排
版ローラ83は反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され
る。また、排版ローラ83は図示しない揺動手段で揺動
され、その外周面を版胴66の外周面に対して接離自在
に設けられている。排版ボックス84は、筐体7に対し
て着脱自在に設けられている。
【0039】マスタ貯容ユニット1は、芯部材12の外
周面にマスタ20aをロール状に巻成したマスタロール
20と、マスタロール20を保持する保持部21と、マ
スタロール20から引き出されたマスタ20aの導出を
案内するマスタ案内部22とから主に構成されている。
マスタロール20は、紙や樹脂などで円筒状に形成され
た芯部材12に、熱可塑性樹脂フィルムに多孔質支持体
を貼り合わせたマスタ20aをロール状に巻成すること
によって構成されている。図1に示した例では、マスタ
ロール20は、そのマスタ20aの熱可塑性樹脂フィル
ム面を内側に、多孔質支持体面を外側にして芯部材12
に巻成されて構成されている。
【0040】保持部21は、図4に示すように、紙、亜
鉛鍍金鋼板等からなる金属板、あるいはABSやポリエ
チレン等の樹脂板等からなる箱型形状に形成されてお
り、その内幅は、マスタ搬送方向aにおいては新しいマ
スタロール20の外径よりも若干大きくなるように形成
されている。保持部21は、図3に示すように、マスタ
搬送方向aと直交する方向においてはマスタ20aの幅
bよりも若干大きくなるようにそれぞれ形成されてい
る。
【0041】芯部材12は、その軸線方向の長さdをマ
スタ20aの幅b及び保持部21の幅cより長く設けら
れていて、その端部を保持部21の外側に突出し、保持
部21に直に設けた一対の支持孔21aにそれぞれ回動
可能に支持されている。芯部材12の外径は、支持孔2
1aの径より若干大きく設けられていて、支持孔21a
に軽圧入されている。このため、マスタロール20の回
転時には、支持孔21aの内周面と芯部材12の外周面
との摺接により制御力が作用するようになっており、保
持部21に設けた支持孔21aが制動部を構成してい
る。また、芯部材12は、図4に示すように、マスタロ
ール20の外周面が保持部21の内面21bに接触しな
い位置に配置されている。これにより、マスタロール2
0aが回転しても、内面21bとの接触が避けられ、マ
スタロール20及びマスタ20aの帯電や変形が防止さ
れている。また、芯部材12の端部が、保持部21から
突出しているので、オペレータがこの突出した端部を持
ってマスタロール20を回転でき、マスタロール20の
巻きが解けて弛んだ場合でも、その弛みを解消できるよ
うになっている。
【0042】マスタ案内部22は、図4に示すように、
マスタ貯容ユニット1を側方から見た場合に、保持部2
1の1角部に形成されており、マスタロール20から引
き出されたマスタ20aの表裏面と対向して配置され、
マスタ20aをマスタ貯容ユニット1の外部へと案内す
る案内部材となる上突出部22aと下突出部22bとか
ら主に構成されている。上突出部22aと下突出部22
bは、互いの突出長を略同じくされ、その間にユニット
の外部に連通する隙間を設けてマスタ20aを通過させ
る出口部23を構成している。マスタロール20は、そ
の初期状態時においてマスタ20aの先端部が図3に示
すように、上突出部22a及び下突出部22b、すなわ
ち出口部23の端部より所定長さXだけマスタ貯容ユニ
ット1の外方に突出した状態で、保持部21とマスタ案
内部22とによって保持されている。
【0043】図2に示すように、出口部23は、その中
央部23aが両側縁23b,23cよりもマスタ搬送方
向aと交差する方向となる上方へ突出する向きに湾曲し
ている。具体的には、上突出部22a及び下突出部22
bを上方に向かってアーチ状に形成して、上突出部22
aと下突出部22bの間に形成される出口部23を湾曲
形成している。マスタ貯容ユニット1は、図4に示すよ
うに、出口部23が挟持位置Pよりも上方に位置するよ
うに配置されている。
【0044】このような構成の孔版印刷装置の動作とマ
スタ貯容ユニット1の作用を説明する。先ず、内部にマ
スタロール20を貯容したマスタ貯容ユニット1を、孔
版印刷装置の製版装置2を形成するマスタ貯容ユニット
装着部25に、図1の紙面手前側から奥側に向けて挿入
する。このときソレノイド27は、図示しない制御手段
からの指令によって励磁されており、サーマルヘッド9
は、図1の二点鎖線で示す離間位置に位置決めされてい
る。マスタ貯容ユニット1を挿入すると、マスタ案内部
22で出口部23から所定長さXだけ突出保持されたマ
スタ20aは、サーマルヘッド9とプラテンローラ10
との間に挿入される。やがてマスタ貯容ユニット1が図
示しないストッパーに当接すると、図示しないスイッチ
が押され、このスイッチからの信号が制御手段に入力さ
れる。信号を受けた制御手段は、ソレノイド27へ指令
を送り、その励磁状態を解除させる。ソレノイド27の
励磁状態が解除されると、サーマルヘッド9が引張バネ
28の付勢力によってプラテンローラ10の方向へ付勢
され、サーマルヘッド9とプラテンローラ10とは、そ
の間においてマスタ案内部22で出口部23から所定長
さXだけ突出保持されたマスタ20aの先端部を挟持す
る。ソレノイド27の励磁状態が解除された後、制御手
段はプラテンローラ10を駆動する図示しないステッピ
ングモータへ指令を送り、プラテンローラ10を回転駆
動する。このプラテンローラ10が回転すると、マスタ
20aがガイド板17上を搬送され、その先端がセンサ
ー19に検知されると、センサー19からの信号が制御
手段に入力される。
【0045】このとき、出口部23が、図2に示すよう
にマスタ搬送方向aと交差する上方へ突出する向きに湾
曲形成されているため、マスタ貯容ユニット1から引き
出されるマスタ20aが出口部23の形状に沿って湾曲
されてコシを与えられる。また、挟持位置Pが図4に示
すように、出口部23よりも下方に配置されているの
で、マスタ貯容ユニット1から引き出されるマスタ20
aが出口部23を通過する際にその搬送方向に対して下
向きに傾斜した状態となって、下突出部22bと摺接す
る。これにより、出口部23を通過するマスタ20aに
対して、プラテンローラ10の軸線に平行な方向となる
マスタ20aの幅方向に張力が与えられてシワの発生が
抑えられて製版手段8に保持される。つまり、マスタ貯
容ユニット1内のマスタ20aは、コシとその幅方向へ
の張力を与えられながら引き出されるため、確実にマス
タ貯容ユニット1内から引き出されるとともに、引き出
される際のシワの発生が抑えられ、製版手段8で良好な
加熱穿孔製版が可能となる。
【0046】図1において、センサー19からの信号を
受けた制御手段は、指令を送り、プラテンローラ10の
回転を停止させる。この一連の動作によって、マスタ2
0aの先端部がカッター装置11の切断位置に位置決め
され、マスタ貯容ユニット装着部25へのマスタ貯容ユ
ニット1の装着が完了する。
【0047】マスタ貯容ユニット1がマスタ貯容ユニッ
ト装着部25に装着され、オペレーターによって図示し
ない製版スタートキーが投入されると、先ず排版が開始
される。版胴駆動手段67は、その外周面に前版のマス
タを巻装している版胴66を、そのマスタの後端部が排
版ローラ83と対応する排版位置まで回動させる。版胴
66が排版位置に位置決めされると、図示しない揺動手
段が排版ローラ83をその外周面が版胴66の外周面上
のマスタと当接する位置まで揺動させ、図示しない駆動
手段が排版ローラ83を図1の反時計回り方向に回転さ
せる。そして版胴駆動手段67が、版胴66を図1の反
時計回り方向に回動させると、版胴66の外周面に巻装
されたマスタは、排版ローラ82,83によって版胴6
6の外周面上より剥離され、排版ボックス84の内部に
廃棄される。
【0048】排版が完了すると、製版が開始される。版
胴駆動手段67は、版胴66を図1に示す製版位置に位
置決めさせる。版胴66が位置決めされると、図示しな
い開閉手段がマスタ係止手段71を図1に示す位置に開
放させる。
【0049】マスタ係止手段71が位置決めされ、原稿
の画像情報が読み取られると、図示しない制御手段から
の指令により、プラテンローラ10、搬送ローラ対13
が同時に同期して回転を開始する。マスタ20aは、プ
ラテンローラ10で搬送されつつ、読み取られた画像情
報に基づいてサーマルヘッド9で加熱穿孔製版される。
加熱穿孔製版された製版済みマスタ20bは、その先端
部を各ガイド板17,18,14,15に案内されて搬
送ローラ対13で搬送され、やがてガイド板16に案内
されてマスタ係止手段71に到達する。そしてプラテン
ローラ10を駆動する図示しないステッピングモータの
ステップ数より、製版済みマスタ20bの先端部がマス
タ係止手段71に到達したことを図示しない制御手段が
判断すると、マスタ係止手段71が図示しない開閉手段
によって閉じられ、製版済みマスタ20bの先端部が版
胴66の外周面上に係止される。次に版胴駆動手段67
が版胴66を図1の時計回り方向に回動させ、版胴66
の外周面に製版済みマスタ20bが巻装される。そして
図示しないステッピングモータのステップ数より、製版
済みマスタ20bが所定長さ搬送されたことを図示しな
い制御手段が判断すると、版胴66、プラテンローラ1
0及び搬送ローラ対13の回転がそれぞれ停止し、カッ
ター装置11が製版済みマスタ20bを切断した後、版
胴66が回転してその外周面に製版済みマスタ20bを
巻装して製版が完了する。
【0050】製版完了後には、版付が行われる。ここで
は、給紙ローラ60が給紙トレイ59上に積載された印
刷用紙65の最上位の用紙を1枚、レジストローラ対6
2に向けて搬送する。レジストローラ対62に送られた
印刷用紙65は、タイミングをとられた後、版胴66の
外周面と押圧部材69との間に送り込まれる。印刷用紙
65が送り込まれると、図示しない接離手段が押圧部材
69を揺動させて、その外周面を印刷用紙65を介して
版胴66の外周面と当接させる。そのとき印刷用紙65
には、版胴66の内部のインキ供給手段68より供給さ
れたインキが、版胴66の外周面の開口部及び版胴66
の外周面に巻装された製版済みマスタ20bの穿孔部か
ら滲出して付着し、印刷画像が転写される。
【0051】印刷画像が転写された印刷済み用紙98
は、剥離爪74で版胴66の外周面より剥離され、ガイ
ド板75に案内されて排紙コンベヤ76に送られる。排
紙コンベヤ76に送られた印刷済み用紙98は、吸引フ
ァン81で無端ベルト80上に吸引されつつ搬送され、
排紙トレイ77に排出される。この一連の動作によって
版付けが完了し、この版付けによって印刷画像が確認さ
れると、続いて印刷が行われる。製版手段8で良好な加
熱穿孔製版が行れた製版済みマスタ20bが版胴66の
外周面に巻装されているので、歪みが少ない印刷画像を
得られる。
【0052】印刷完了後、マスタ貯容ユニット1を孔版
印刷装置より取り外す際には、孔版印刷装置の図示しな
い操作パネル上の「ユニット取り外し」釦を押すことで
図示しない制御手段に信号が送られ、制御手段はソレノ
イド27を励磁させる。すると、サーマルヘッド9が引
張バネ28の付勢力に抗して図1の二点鎖線位置に位置
決めされ、オペレーターは、マスタ貯容ユニット1をマ
スタ貯容ユニット装着部25より容易に抜脱することが
できる。
【0053】図1に示す孔版印刷装置に装着するマスタ
貯容ユニット1は、その出口部23を、図2に示すよう
に、上方に突出する向きに中央部23aを湾曲形成した
が、これに限定されるものではない。図5(a)に示す
ように、マスタ案内部22の出口部23を、その中央部
23aから両側縁23b,23cにかけて下方へ湾曲し
た形状としても良い。あるいは、図5(b)に示すよう
に、マスタ案内部22の出口部23を、中央部23aに
対して両側縁23b,23cを下方へ向かって折り曲げ
たり、図5(c)に示すように、中央部23aに対して
両側縁23b,23cだけを下方に湾曲させたり、上方
に湾曲させてもよい。
【0054】このように出口部23の形状をマスタ搬送
方向aと交差する方向に(上、下方向)に湾曲あるいは
屈曲して構成しても、マスタ貯容ユニット1から引き出
されるマスタ20aに対して、コシとマスタ20aの幅
方向への張力を与えることができる。図5に示す出口部
23の構成としても、その位置を挟持位置P(図4参
照)よりも上方に配置すれば、マスタ貯容ユニット1か
ら引き出されるマスタ20aが下突出部22bに摺接さ
れ、よりマスタ20aの幅方向に張力を与えることがで
きる。これにより、図5に示す各出口部を通過するマス
タ20aにコシが与えられて確実に引き出させるととも
に、製版手段8への送り出し時のマスタ20aのシワを
抑えられ、製版手段8で良好に加熱穿孔製版を行える。
また、ここでの製版が良好に行われるため、印刷画像の
歪みが極めて少なくなる。
【0055】次に、マスタ貯容ユニットの別な実施例を
幾つか説明するが、各ユニットはマスタ貯容ユニット1
と、その基本構成を略同一構成としているので、同一構
成部には同一符号を付すに留め、詳細な説明は省略す
る。
【0056】図6に示すマスタ貯容ユニット1Aは、マ
スタ案内部22の出口部23Aを、その中央部23Aa
を両側縁23Ab,23Acよりもマスタ搬送方向a側
へ突出する向きに湾曲した形状(R形状)としたもので
ある。図7に示すマスタ貯容ユニット1Aのマスタ案内
部22の出口部23Bは、その両側縁23Bb,23B
cを中央部23Baよりもマスタ搬送方向aと反対側へ
向かって傾斜させたもので、図8に示すマスタ貯容ユニ
ット1Aのマスタ案内部22の出口部23Cは、その両
側縁23Cb,23Ccを中央部23Caよりもマスタ
搬送方向aと反対側へ向かって湾曲したものである。
【0057】これら出口部23A,23B,23Cは、
製版手段8における挟持位置Pよりも上方に配置され
る。つまり、少なくとも各出口部を構成する下突出部2
2bの形状を図6、図7、図8に示す形状とすると、マ
スタ貯容ユニット1Aからマスタ20aが引き出される
ときに、下突出部22bと摺接し、このときの摩擦分力
によりマスタ20aの幅方向に張力とコシが与えられ
る。このため、マスタ20aは、マスタ貯容ユニット1
Aから確実に引き出されるとともに、引き出し時におけ
るシワの発生を抑えられる。よって、製版手段8への送
り出し時のマスタ20aのシワが抑えられ、製版手段8
での良好な加熱穿孔製版を行えるとともに、この製版が
良好に行われることで印刷画像の歪みが極めて少なくな
る。
【0058】挟持位置Pに対して上述した各出口部が下
方に配置されていれば、各上突出部22aを、それぞれ
上述した形状に形成すれば、各上突出部22aと引き出
されるマスタ20aとの摺接による摩擦分力によりマス
タ20aの幅方向にコシと張力が与えれ、マスタ20a
の引き出し時におけるシワの発生を抑えることができ
る。このようにしても製版手段8で良好な加熱穿孔製版
を行え、かつ印刷画像の歪みも極めて少なくなる。
【0059】図9(a)に示すマスタ貯容ユニット1B
は、マスタ案内部22Aを構成する上突出部22Aaと
下突出部22Abの内面を互いに当接させることによ
り、極めて狭い出口部23全体でマスタ20aの先端部
を挟持するものである。上突出部22Aaと下突出部2
2Abは、その中央部がそれぞれ上方に向かって突出す
るように湾曲形成されていて、出口部23をアーチ状と
している。このような構成とすることにより、マスタ貯
容ユニット1B内のマスタ20aを引き出す際に、出口
部23の形状によって引き出されるマスタ20aにコシ
が与えられる。また、出口部23により挟持されながら
引き出されので、この時に発生する摩擦分力によりマス
タ20aの幅方向に張力が与えられる。これにより、マ
スタ20aが確実に引き出せるとともに、マスタ20a
の引き出し時におけるシワの発生を抑えられ、製版手段
8での加熱穿孔製版を良好に行えて、歪みの極めて少な
い印刷画像を得られる。
【0060】図9(b)に示すマスタ貯容ユニット1C
は、互いに離間配置された上突出部22aと下突出部2
2bとの間、すなわち出口部23内に、スポンジやウレ
タン等からなる摩擦力増大手段30a,30bをそれぞ
れマスタ20aの幅方向に連続的に配設し、各摩擦力増
大手段30a,30bによってマスタ20aの先端部を
挟持するマスタ案内部22を備えている。このように構
成すると、マスタ貯容ユニット1B内のマスタ20aを
引き出す際に、出口部23の形状によってコシが与えら
れるとともに、摩擦力増大手段30a,30bにより挟
持されながら引き出されるので、このときの摩擦分力に
よりマスタ20aの幅方向と、マスタ搬送方向aと反対
方向への張力が、移動するマスタ20aに与えられる。
このため、マスタ20aのマスタ貯容ユニット1Bから
の引き出し時におけるシワやマスタ搬送方向aに対する
弛みが極めて少なくなり、製版手段8での加熱穿孔製版
を良好に行え、歪みの極めて少ない印刷画像を得られ
る。
【0061】また、図9(c)に示すように、マスタ案
内部22より突出したマスタ20aの先端部に、マスタ
20aを折り返すなどしてコシを持たせた耳部材20c
を形成すると、マスタ貯容ユニット1をマスタ貯容ユニ
ット装着部25にセットする際に、その作業が更に容易
になる。なお、図9では、出口部23の中央部が上方に
むかって湾曲したもので説明したが、図9にそれぞれ示
す構成は、図5に示す各マスタ貯容ユニットや図6、図
7、図8に示す各マスタ貯容ユニットにそれぞれ適用し
ても良い。
【0062】図10に示すマスタ貯容ユニット1Dは、
マスタ案内部22における下突出部22bの内面22c
に突起部31を設けたものである。このマスタ貯容ユニ
ット1Dは、製版手段8の挟持位置Pよりも出口部23
を上方に配置している。突起部31は長円形状を成し、
図11、図12に示すように、下突出部22bの幅方向
の中央から側縁に、マスタ搬送方向aに対してそれぞれ
対称的に傾斜し、かつ間隔をもって複数設けられてい
る。このように湾曲した出口部23に複数の突起部31
を傾斜して設けると、マスタ貯容ユニット1Dから引き
出されるマスタ20aに、コシと突起部31との摩擦分
力が作用する。このため、マスタ20aが確実に引き出
せるとともに、マスタ20aの幅方向へ張力が与えら
れ、マスタ20aの引き出し時におけるシワの発生が低
減し、製版手段8での加熱穿孔製版を良好に行えるとと
もに、歪みの極めて少ない印刷画像を得られる。
【0063】図10に示すマスタ貯容ユニット1Dで
は、マスタ案内部22aの内面22cに突起部31を設
けたが、突起部31と同様に傾斜した溝部を設けた場合
でも同様の作用を得られる。
【0064】図1に示す孔版印刷装置では、センサー1
9によってマスタ20aの先端位置の位置決めを行って
いるので、マスタ案内部22より突出したマスタ20a
の所定長さXに多少のバラツキが生じていてもマスタ2
0aの位置決めを正確に行うことができる。従来は、こ
の位置決め作業を正確に行うために、マスタ20aの先
端部をカッター装置11よりもマスタ搬送方向aの下流
側まで引き出して、その後、カッター装置11でマスタ
20aを切断することによって位置決めを行っていた
が、この従来の位置決め工程では、この後、切断された
マスタ20aの先端部を製版装置2より取り出すという
作業があり、この取り出し作業が非常に面倒で、作業効
率を悪化させていた。本形態では、この取り出し作業が
省略されるので、従来の装置に比べて作業効率を向上さ
せることができる。また、ソレノイド27によってサー
マルヘッド9を揺動させ、サーマルヘッド9とプラテン
ローラ10とを接離自在とした構成を採用したが、サー
マルヘッド9を筐体7に固定し、プラテンローラ10を
揺動自在とした構成を採用してもよい。
【0065】次に本発明の第2の実施例となる孔版印刷
装置とそれに装着するマスタ貯容ユニット300に付い
て説明する。図13に示すように孔版印刷装置は、感熱
孔版可能なマスタ209(以下、単に「マスタ209」
と記す)を巻いたマスタロール209Rを貯容するマス
タ貯容ユニット300と、マスタ209を製版しながら
搬送する製版手段230と、版胴201の外周面201
aの一部に設けたマスタ係止手段250にマスタ209
を挟持搬送するマスタ挟持搬送手段240と、製版手段
230で製版された製版済みマスタ209Bを一定の長
さに切断する切断手段220と、マスタ係止手段250
に向かって移動するマスタ209に張力を与える張力付
与手段212とを備えている。マスタ貯容ユニット30
0は、マスタ搬送方向aの最上流に配置され、版胴20
1はマスタ搬送方向aの最下流に配置されている。マス
タ貯容ユニット300から版胴201までの間にはマス
タ通路が形成され、このマスタ通路に沿って、製版手段
230、張力付与手段212、マスタ挟持搬送手段24
0、切断手段220の順で配置されている。
【0066】マスタ209は、非常に薄い1〜4μm程
度のポリエステル等の実質的に熱可塑性樹脂フィルムの
みから成り、軸方向に長い熱可塑性樹脂でできた芯部材
301の外周面に巻き付けられてマスタロール209R
を形成している。ここで示す実質的に熱可塑性樹脂フィ
ルムのみから成るマスタ209とは、マスタが熱可塑性
樹脂フィルムのみから成るものの他、熱可塑性樹脂フィ
ルムに帯電防止剤等の微量成分を含有して成るもの、さ
らには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、すなわち表面又
は裏面のうち少なくとも一方の面に、オーバーコート層
等の薄膜層を1層又は複数層形成して成るものを含む。
【0067】マスタ貯容ユニット300は、マスタロー
ル209Rを保持する保持部302と、マスタロール2
09Rから引き出されたマスタ209を保持し、その導
出を案内するマスタ案内部303とから主に構成されて
いる。マスタ貯容ユニット300は、図示しない孔版印
刷装置本体に配備されたマスタ貯容ユニット装着部25
の一対のレール部材25aによって、図13の紙面に対
して前後方向(垂直方向)に摺動自在に支持されてい
て、装置本体に対して着脱自在となっている。
【0068】保持部302は、芯部材301でマスタロ
ール209Rを回転可能に支持している。保持部302
は、図14(b)に示すように、箱型形状に形成されて
おり、その内幅はマスタ搬送方向aにおいては新しいマ
スタロール209Rの外径よりも若干大きくなるように
形成されている。保持部302は、図14(a)に示す
ように、マスタ搬送方向aと直交する方向においてはマ
スタ209の幅bよりも若干大きくなるようにそれぞれ
形成されている。
【0069】芯部材301は、その軸線方向の長さdを
マスタ209の幅b及び保持部302の幅cより長く設
けられていて、その端部を保持部302の外側に突出
し、保持部302に直に設けた一対の支持孔302aに
それぞれ回動可能に支持されている。芯部材301の外
径は、支持孔302aの径より若干大きく設けられてい
て、支持孔302aに軽圧入されている。このため、マ
スタロール209Rの回転時には、支持孔302aの内
周面と芯部材301の外周面との摺接により制御力が作
用するようになっており、保持部302に設けた支持孔
302aが制動部を構成している。
【0070】芯部材301は、マスタロール209Rの
外周面が保持部302の内面302bに接触しない位置
に配置されている。これにより、マスタロール209R
が回転しても、内面302bとの接触が避けられ、マス
タロール209R及びマスタ209の帯電や変形が防止
されている。また、芯部材301の端部が、保持部30
2から突出しているので、オペレーターがこの突出した
端部を持ってマスタロール209Rを回転でき、マスタ
ロール209Rの巻きが解けて弛んだ場合でも、その弛
みを解消できるようになっている。
【0071】マスタ案内部303は、マスタ貯容ユニッ
ト300を側方から見た場合に、保持部302の1角部
に形成されており、マスタロール209Rから引き出さ
れたマスタ209の表裏面と対向して配置され、マスタ
貯容ユニット300の外部へとマスタ209を案内する
案内部材となる上突出部303aと下突出部303bと
から主に構成されている。上突出部303aと下突出部
303bは、互いの突出長を略同じとされ、その間にユ
ニットの外部に連通する隙間を設けてマスタ209を通
過させる出口部304を構成している。マスタロール2
09Rは、その初期状態時においてマスタ209の先端
部209Aが、上突出部303aと下突出部303bの
間に挿入された状態で、保持部302とマスタ案内部3
03とによって保持されている。
【0072】出口部304は、図2に示す出口部23同
様、その中央部304cが両側縁304a,304bよ
りもマスタ搬送方向aと交差する方向となる上方へ突出
する向きに湾曲形成されている。この両側縁304a,
304bの先端側の一部は、マスタ209の幅方向の内
方に凹んでいて、マスタ209の先端部209Aの、両
矢印Zで示すマスタ209の幅方向(以下、「マスタ幅
方向Z」と記す)に位置する両側縁209a,209b
(以下、「マスタ両側縁209a,209b」と記す)
をマスタ案内部303の外部に臨ませる係脱部305
a,305bがそれぞれ形成されている。係脱部305
a,305bは、マスタ挟持搬送手段240に設けられ
る一対のマスタ挟持部214,215と干渉しない大き
さに形成されている。
【0073】製版手段230は、画像情報に対応してマ
スタ209をサーマルヘッド211とこれにマスタ20
9を介して当接するプラテンローラ210とにより加熱
穿孔製版しながら版胴201に向かって搬送するもので
ある。プラテンローラ210は、その軸210aと実質
一体的に取り付けられていて、軸方向に延在して設けら
れている。軸210aは図示しない孔版印刷装置の側板
に回転自在に支持されており、軸210aの一端に設け
られたプーリとモータプーリとの間に掛け渡された無端
ベルト等からなる図示しない駆動伝達手段及びモータプ
ーリを回転駆動するプラテンローラ210の駆動源とな
るステップモータ221により図示矢印方向に回転駆動
される。プラテンローラ210は、図13に実線で示す
押圧位置から2点鎖線で示す離間位置まで移動可能に支
持されており、プラテンローラ210とサーマルヘッド
211との圧接を開放できるようになっている。また、
プラテンローラ210は、図15に示すように離間位置
を占めたときに、マスタ貯容ユニット300を装置本体
にセットするときの保持部302の側面302cに当接
してガイドローラとして機能するようになっている。
【0074】サーマルヘッド211は、プラテンローラ
210の下方に位置し、プラテンローラ210の軸21
0aと平行に延在して設けられている。サーマルヘッド
211は、図示しない孔版印刷装置の原稿読取部に設け
られたA/D変換部及び製版制御部(共に図示せず)で
処理されて送出されるデジタル画像情報に基づき図示し
ない発熱素子が選択的に発熱することによりマスタ20
9の所定位置を溶融し穿孔する周知の機能を有する。
【0075】版胴201は、多孔性円筒状の支持円筒体
と、その外周面に巻き付けられたメッシュスクリーンと
を有し、その外周面201aに製版済みマスタ209B
を巻装するように構成されている。版胴201は回転中
心軸を兼ねたインキパイプ207の周りに回転可能に支
持されていて、版胴駆動源となる駆動モータ222と図
示しない動力伝達機構によって矢印方向に回転駆動され
る。版胴201の内側には、版胴201の回転方向と同
一方向に同期して回転して版胴201の内周面にインキ
を供給するインキローラ204と、インキローラ204
と僅かな間隙を設けて平行に配置されインキローラ20
4との間に断面楔状のインキ溜り206を形成するドク
タローラ205と、インキ溜り206へインキを供給す
るインキパイプ207に設けた開孔部207aとを有す
る。これらインキローラ204、ドクタローラ205及
びインキパイプ207は、インキ供給手段260を構成
する。インキローラ204と対向する版胴201の外周
面201aの下方近傍には、図示しない接離機構によっ
て上下に揺動し、印刷用紙65を版胴201へ押し付け
るプレスローラ208が配置されている。
【0076】版胴201の外周面201a上の所定位置
(非開孔部)には、製版済みマスタ209Bの先端部を
挾持するマスタ係止手段250が配設されている。マス
タ係止手段250は、版胴201の母線方向と平行に延
在していて版胴201の外周面201aの部分に実質一
体的に設けられたステージ202と、ステージ202に
対してクランパ軸213を介して図示しない開閉装置に
より駆動力を伝達されて回動される開閉自在なクランパ
203と、クランパ203をステージ202へ磁着する
マグネット203bとを備えている。開閉装置は、クラ
ンパ駆動手段となるステップモータ223と周知の動力
伝達機構から構成されている。
【0077】クランパ203は、図16に示すように版
胴201の母線方向と平行に延在しており、その全幅E
は、マスタ209の幅bよりも幾分長く、且つ版胴20
1の幅Lよりも短く形成されている。マグネット203
bは、クランパ軸213よりもマスタ搬送方向aの上流
側に位置するクランパ203の開閉端203a側のステ
ージ202との対向面に固定されている。マグネット2
03bの後端とクランパ軸213の間における、マスタ
幅方向Zに位置するクランパ203の両側縁203A,
203Bには、クランパ203の内方に凹んだ切欠き部
203L,203Rがそれぞれ形成されている。この切
欠き部203L,203Rは、マスタ挟持搬送手段24
0に設けられる一対のマスタ挟持部214,215と干
渉しない大きさに形成されている。クランパ203は、
マグネット203bを設けた範囲を係止部Yとしてい
る。
【0078】図13に示すように、張力付与手段212
は、製版手段230とマスタ挟持搬送手段240との間
に配置されている。張力付与手段212は、一対のロー
ラ部材212a,212bを備えている。ローラ部材2
12a,212bは、それぞれの外周面を当接して対向
配置されており、この例では、略水平に搬送されるマス
タ209の向きを略垂直方向に方向転換する機能を備え
ており、マスタ209の移動によって互いに連れ回りす
る構成となっている。ローラ部材212a,212b
は、図13に実線で示す当接位置から2点鎖線で示す離
間位置へ移動可能に構成されていて、互いの当接を解除
できるようになっている。
【0079】ローラ部材212aは、図15に示すよう
に離間位置を占めたときに、マスタ貯容ユニット300
を装置本体にセットするときの保持部302の側面30
2cに当接してガイドローラとして機能し、ローラ部材
212bは、マスタ貯容ユニット300を装置本体にセ
ットしたときに、保持部302の下面302dと当接
し、係脱部305a,305bを後述の第1の位置に位
置させるマスタ貯容ユニット300のセット時における
位置決め部材として機能するようになっている。
【0080】ローラ部材212bの一端には、トルクリ
ミッタ等のブレーキ装置212cが装着されていて、マ
スタ搬送方向aに向かって移動する製版済みマスタ20
9Bに対して、その移動方向に弛みが発生しないように
一定の張力を与える構成となっている。ローラ部材21
2a,212bは、何れか一方のローラ部材を駆動モー
タで回転駆動するように構成してもよい。この場合、駆
動されるローラ部材の外周面の周速度を、版胴201の
外周面201aの周速度、あるいはマスタ挟持搬送手段
240の移動速度よりも遅く設定すると、移動するマス
タ209に張力を与えることができる。
【0081】マスタ挾持搬送手段240は、張力付与手
段212とマスタ係止手段250の間に配置されてい
て、マスタ209の先端部209Aを挾持してマスタ係
止手段250に搬送するものである。マスタ挟持搬送手
段240は、図17に示すように、マスタ両側縁209
a,209bをマスタ幅方向Zからその往動行程で挟持
する一対のマスタ挟持部214,215と、マスタ挟持
部214,215をマスタ幅方向Zに相対変位する変位
手段216と、図18に示すように、マスタ挟持部21
4,215を実線で示す第1の位置と2点鎖線で示す第
2の位置との間で往復移動する移動手段217とを備え
ている。マスタ挟持搬送手段240には、切断手段22
0がマスタ挟持部214,215よりもマスタ搬送方向
aの下流側に装着されている。
【0082】ここでいう第1の位置とは、図15,図1
8に実線で示すように、マスタ挟持部214,215
が、切断手段220よりもマスタ搬送方向aの上流側に
位置し、かつマスタ案内部303の係脱部305a,3
05bと係脱してマスタ209の先端部209A、詳し
くは、マスタ両側縁209a,209b(図16参照)
を挟持する位置を指し、第2の位置とは、図18に2点
鎖線で示すように、製版済みマスタ209Bの先端部2
09Aをクランパ203の係止部Yを通過させ、かつ係
止部Yで先端部209Aを挟持できる位置を指す。つま
り、第1の位置は、大きくはマスタ挟持搬送手段240
がマスタ案内部303に近接する位置を指し、第2の位
置は、マスタ挟持搬送手段240がマスタ係止手段25
0に近接する位置を指すことになる。
【0083】マスタ挟持部214,215は、図19に
示すように、マスタ両側縁209a,209bをその表
裏面209C,209Dから挟持するように開閉自在に
設けられた挟持部材となる上搬送クランパ226A,2
26Bと下搬送クランパ227A,227B、上搬送ク
ランパ226A,226Bを開閉動作する挟持部駆動手
段となる電磁ソレノイド228A,228B、付勢手段
としてコイルバネ229A,229Bをそれぞれ備えて
いる。
【0084】下搬送クランパ227A,227Bは、図
17にも示すように、板状部材からなり、マスタ挟持搬
送手段240のフレーム341に、マスタ幅方向Zに摺
動自在に支持されている。具体的には、下搬送クランパ
227A,227Bに、マスタ幅方向Zに延出する長孔
231A,231Bを形成し、この長孔231A,23
1Bに、フレーム341のマスタ幅方向Zに並列に立設
した段ねじ232A,232Bと段ねじ233A,23
3Bをそれぞれに遊嵌する。下搬送クランパ227A,
227Bは、その一端側をマスタ幅方向Zと略直交する
方向に折り曲げ、その下端をマスタ幅方向Zにおける内
側に折り曲げて当接部227C,227Dを形成してい
る。この当接部227C,227Dは、マスタ209の
裏面209Dに当接するように、互いに同一平面上に配
置されている。
【0085】上搬送クランパ226A,226Bは、軸
234a,234bによって、それぞれ当接部227
C,227Dに開閉自在に支持されている。電磁ソレノ
イド228A,228Bは、上搬送クランパ226A,
226Bの上方に位置する下搬送クランパ227A,2
27Bに装着されていて、その可動片228C,228
Dを上搬送クランパ226A,226Bにそれぞれピン
結合されている。電磁ソレノイド228A,228Bに
は、駆動信号が入力されると可動片228C,228D
を押し出すプッシュ型が採用されている。コイルバネ2
29A,229Bは、電磁ソレノイド228A,228
Bと上搬送クランパ226A,226Bとにその両端を
係止されていて、上搬送クランパ226A,226Bに
開方向への回動習性を与えている。
【0086】下搬送クランパ227A,227Bの他端
側には、マスタ挟持部214,215を、図16に符号
A,Bで示すマスタ両側縁209a,209bを挟持で
きる挟持位置と、同図に符号C,Dで示すマスタ両側縁
209a,209bから外方に外れた離脱位置とに変位
移動する変位手段駆動機構225が配置されている。こ
の離脱位置は、クランパ203の両側縁203A,20
3Bよりも外方に位置している。
【0087】変位手段駆動機構225は、図17,図1
9に示すように、その駆動源となる正逆回転可能な駆動
モータ235と、駆動モータ235の出力軸235aに
装着されたピニオンギア236と、ラックギア237,
238とから主に構成されている。ラックギア237,
238は、下搬送クランパ227A,227Bのマスタ
幅方向Zに延出形成されていて、フレーム341の略中
央に配置されたピニオンギア236に対して上下方向か
らそれぞれ噛合している。変位手段駆動機構225は、
駆動モータ235が図17において時計回り方向(正方
向)に回転駆動されると、下搬送クランパ227A,2
27Bを実線矢印で示す方向に移動してマスタ挟持部2
14,215を離脱位置へと変位し、駆動モータ235
が図17において反時計回り方向(逆方向)に回転駆動
されると、下搬送クランパ227A,227Bを破線矢
印で示す方向に移動してマスタ挟持部214,215を
挟持位置へと変位するようになっている。
【0088】長孔231Aの近傍には、挟持位置と離脱
位置とを検知する検知手段として挟持位置検知センサ2
41と離脱位置検知センサ242が、下搬送クランパ2
27Aに装着配置されている。挟持位置検知センサ24
1と離脱位置検知センサ242には、それぞれマイクロ
スイッチが用いられている。離脱位置検知センサ242
は図19に示すように、そのレバー242aを段ねじ2
32Bによって押されると離脱位置検知信号を出力し、
挟持位置検知センサ241はそのレバー241aを段ね
じ232Aによって押されると挟持位置検知信号を出力
するようになっている。
【0089】切断手段220は、図17、図18、図1
9に示すように、切断部材となる円形刃部243がフレ
ーム341のマスタ通路との対向面341cに装着され
ていてマスタ通路に臨んでいる。切断手段220は、対
向面341cに、マスタ幅方向Zに延出したレール24
4を固定し、レール244に摺動自在に支持されたスラ
イダー245に円形刃部243を回転自在に支持したロ
ータリーカッタからなり、後述する切断手段220の駆
動源となる駆動モータ239によってマスタ切断時に円
形刃部243を摺動するようになっている。円形刃部2
43は、当接部227C,227Dよりもやや下方に、
その外周面が位置するようにスライダー245に支持さ
れている。
【0090】移動手段217は、図18に示すように、
フレーム341に支持された回動軸247と、この回動
軸247の一端に固定した歯車248と、駆動源となる
正逆回転可能な駆動モータ246とを備えている。駆動
モータ246はフレーム341に装着されており、その
出力軸246aには、駆動歯車249が固定されてい
る。歯車248には、駆動歯車249とラック251と
が互いに歯車248を介して対向する位置からそれぞれ
噛合している。回動軸247は、図17に示すように、
マスタ幅方向Zに位置するフレーム341の側面341
a,341bに軸受252,252で回転自在に支持さ
れており、その両端を側面341a,341bよりも外
方に突出している。側面341a,341bの下部に
は、一対のガイドピン253,253がマスタ幅方向Z
に突設されている。
【0091】回動軸247の両端とガイドピン253,
253は、図18に示すように、図示しない装置のフレ
ームに形成した長孔254,255にそれぞれ遊嵌され
ている。長孔254,255は、それぞれ張力付与手段
212から図13に示すマスタ係止位置にあるマスタ係
止手段250に向かって延出形成されていて、マスタ挾
持搬送手段240を張力付与手段212の直下流からマ
スタ係止手段250の係止部Yの下流まで、すなわち第
1の位置から第2の位置まで摺動自在に支持している。
これにより、マスタ挾持搬送手段240は、クランパ2
03まで案内されると共に、往復動作時に揺れないよう
になっている。ここでいうマスタ係止位置とは、マスタ
係止手段250によってマスタ209を挟持する時に版
胴201が停止する位置を指し、本実施例では、クラン
パ203が図13,図15において上方に向かって開閉
する略水平状態を占めた位置を指す。
【0092】駆動モータ246は、第1の位置から第2
の位置までマスタ挾持搬送手段240を移動する往動時
に図18において時計回り方向(正方向)に回転駆動さ
れ、第2の位置から第1の位置までマスタ挾持搬送手段
240を移動する複動時に図18において反時計回り方
向(逆方向)に回転駆動される。
【0093】マスタ挾持搬送手段240の近傍には、マ
スタ挾持搬送手段240の第1の位置を検知する第1位
置検知センサ256と、第2の位置を検知する第2位置
検知センサ257とが配置されている。第1位置検知セ
ンサ256はマスタ挾持搬送手段240が第1の位置を
占めた時に、フレーム341の一部で押されることで第
1位置検知信号を出力し、第2位置検知センサ257は
マスタ挾持搬送手段240が第2の位置を占めた時に、
フレーム341の一部で押されることで第2位置検知信
号を出力するリミットスイッチからそれぞれ構成されて
いる。マスタ挾持搬送手段240は、第1の位置におい
てマスタ挟持部214,215が挟持位置にあるときを
ホームポジションとしている。
【0094】本実施例において、マスタ挾持搬送手段2
40は略垂直方向に往復移動可能となっている。ラック
251は、長孔254と平行に配置されて、図示しない
フレームに固定されている。このため、マスタ挾持搬送
手段240は、駆動モータ246が駆動しないときに、
駆動歯車249と歯車248とラック251との噛合に
より一定の位置に保持される。ラック251は、歯車2
48と相まってマスタ挾持搬送手段240の落下防止
(ストッパー)手段と位置決め手段を構成している。
【0095】孔版印刷装置は、図22に示す制御手段2
70を備えている。制御手段270は、ROMやRAM
を備えた周知のマイクロコンピュータから構成されてい
て、各手段の駆動回路やコントローラとして機能してい
る。制御手段270には、マスタ設定指令手段となるマ
スタセットキー261、製版指令手段となる製版スター
トキー262、印刷指令手段となる印刷スタートキー2
63と、上述した第1位置検知センサ256、第2位置
検知センサ257、挟持位置検知センサ241、離脱位
置検知センサ242と、ステップモータ221,22
3、各種駆動モータ222、235、239、246
と、電磁ソレノイド228A,228B及び電源258
とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0096】制御手段270は、マスタセットキー26
1が押下されてマスタセット指令が出力されると、マス
タ209の先端部209Aを挟持すべく電磁ソレノイド
228A,228Bを駆動する機能と、製版スタートキ
ー262が押下されて製版指令が出力されると、製版済
みマスタ209Bをマスタ挾持搬送手段240を用いて
版胴201上のクランパ203に搬送すると共に、この
製版済みマスタ209Bを版胴201の外周面201a
に巻装する製版動作を行う機能と、印刷スタートキー2
63が押下されて印刷指令が出力されると、図示しない
テンキーで設定された印刷枚数を実行する周知の印刷動
作を行う機能とを備えている。
【0097】以下、制御手段270によるマスタセット
機能と、製版機能と、制御手段270による孔版印刷装
置の動作と、マスタ貯容ユニット300の作用を中心に
説明する。この孔版印刷装置にマスタ貯容ユニット30
0を装着する場合、オペレーターの操作によりプラテン
ローラ210と、ローラ部材212a,212bとを図
15に示すように離間位置に置く。次に、マスタ209
を保持したマスタ貯容ユニット300の保持部302の
側面302cを、プラテンローラ210とローラ部材2
12aとに当接させながら、ローラ部材212a,21
2bの間にマスタ案内部303を上方から挿入する。保
持部302の下面302dとローラ部材212bとが当
接すると、マスタ貯容ユニット300の移動が規制さ
れ、係脱部305a,305bが第1の位置に置かれ
る。
【0098】この状態でオペーレーターによってマスタ
セットキー261が押下されると、駆動信号が出力さ
れ、電磁ソレノイド228A,228Bがオン駆動され
る。この駆動動作によって上搬送クランパ226A,2
26Bが共に閉動作され、マスタ209の先端部209
Aが、図17に示すように、表裏面209C,209D
側からマスタ挟持部214,215で挟持される。すな
わち、図20(a)、図20(b)に示すように、マス
タ案内部303で保持されたマスタ209のマスタ両側
縁209a,209bが、第1の位置においてマスタ挟
持部214,215で挟持される。
【0099】マスタ209の先端部209Aが、第1の
位置でマスタ挟持部214,215で挟持された状態
で、図15においてマスタ貯容ユニット300を上方に
移動しながら右方向に移動し、マスタ貯容ユニット装着
部25に装着する。この動作により、マスタ貯容ユニッ
ト300内に貯容されマスタロール209Rは、芯部材
301を中心に巻き解かれ、マスタ209が出口部30
4から引き出される。このとき、出口部304の形状が
湾曲形成されているので、マスタ貯容ユニット300か
ら引き出されるマスタ209が出口部304の形状に沿
って湾曲する。このため、引き出されるマスタ209に
対してコシが与えられて、マスタ初期セット時における
シワの発生が抑えられる。
【0100】マスタ貯容ユニット300を図13に示す
ように、マスタ貯容ユニット装着部25に装着後は、ロ
ーラ部材212a,212bとプラテンローラ210を
それぞれ当接位置に戻しマスタセット動作が終了する。
【0101】製版スタートキー262が押下されると、
駆動モータ222が所定量駆動され、図示しない周知の
排版手段によって印刷を終えた図示しない印刷済みマス
タが版胴201の外周面201aから排除され、版胴2
01がマスタ係止位置で停止する。版胴201がマスタ
係止位置を占めると、ステップモータ223が駆動され
てクランパ203がマスタ係止位置において開状態とな
る。
【0102】この状態で第1位置検知センサ256から
第1位置検知信号の出力があると、マスタ挾持搬送手段
240がホームポジションにあるとして、ステップモー
タ221が起動してプラテンローラ210が時計回りに
回転駆動されて、マスタ209が出口部304から引き
出される。プラテンローラ210が駆動すると、これと
同時に画像情報に応じてサーマルヘッド211の発熱素
子が選択的に発熱されプラテンローラ210によりサー
マルヘッド211に押圧されるマスタ209の部分が選
択的に溶融され穿孔される。
【0103】このように穿孔されたマスタ209は、製
版済みマスタ209Bとしてプラテンローラ210の送
り作用によってマスタ搬送方向aに送り出される。この
ため、マスタ貯容ユニット300から引き出されるマス
タ209には、上方へ突出する向きに湾曲している出口
部304を通過する際に、コシとマスタ幅方向Zへの張
力が与えられる。また、サーマルヘッド211とプラテ
ンローラ210とが圧接してマスタ209を挟持する挟
持位置Pが図13に示すように、出口部304よりも下
方に配置されているので、マスタ貯容ユニット300か
ら引き出される際に、マスタ搬送方向aに傾斜して送り
出され、出口部304の通過時に下突出部303bに摺
接する。これにより、マスタ209は、その幅方向に張
力を与えられつつ引き出されるので、製版手段230に
シワの極めて少ない状態で搬送され、良好な加熱孔版製
版が行われる。
【0104】一方、第1位置検知センサ256から第1
位置検知信号の出力があると、図18に示す駆動モータ
246が時計回り方向に回転駆動され、同図においてマ
スタ挾持搬送手段240が第2の位置(下方に)向かっ
て移動する。この時のマスタ挾持搬送手段240の移動
速度は、プラテンローラ210によるマスタ搬送速度と
略同一の速度で搬送される。このように、マスタ挾持搬
送手段240が往動することで、製版済みマスタ209
Bがクランパ203に向かってローラ部材212a,2
12bによって張力を与えながら搬送される。このた
め、マスタ挾持搬送手段240で搬送される製版済みマ
スタ209Bは、シワの発生を抑えられてクランパ20
3まで搬送される。
【0105】マスタ挾持搬送手段240が、拡開してい
るステージ202とクランパ203との間を通過して第
2の位置を占めると、第2位置検知センサ257から第
2位置検知信号が出力され、駆動モータ246が停止さ
れる。これにより図21(a),図21(b)に示すよ
うに、マスタ挟持部214,215が係止部Yを通過し
て切欠き部203L,203R内に位置して停止する。
そして、駆動モータ246が停止すると、ステップモー
タ223が閉方向に所定量回転駆動された後、電磁ソレ
ノイド228A,228Bが非駆動(オフ)とされる。
これにより、マスタ挟持部214,215で挟持されて
搬送された製版済みマスタ209Bの先端部209A
は、ステージ202とクランパ203のマグネット20
3bとによってクランプされた後、マスタ挟持部21
4,215による挟持が開放される。このため、マスタ
209や製版済みマスタ209Bが静電気を帯びていた
り、カール癖があっても、ローラ部材212a,212
bに巻き付かなくなり、確実にクランパ203まで搬送
することができる。
【0106】電磁ソレノイド228A,228Bがオフ
されると、駆動モータ235が図19において時計回り
方向に駆動し、離脱位置検知センサ242から離脱位置
検知信号が出力されるまで駆動される。これにより、歯
車236が時計周り方向に回転駆動して、それと噛合す
るラック237,238を有する下搬送クランパ227
A,228Bが2点鎖線位置から実線位置に向かって相
対移動する。
【0107】段ねじ232Bによって離脱位置検知セン
サ242のレバー242aが押されて離脱位置検知信号
が出力されると、駆動モータ235の回転が停止すると
ともに、駆動モータ222が回転駆動される。これによ
り、第2の位置においてマスタ挟持部214,215が
離脱位置を占めるとともに、版胴201が図13におい
て矢印方向に回転駆動する。このときの回転は、プラテ
ンローラ210の回転速度よりも僅かに遅い周速度で回
転駆動される。
【0108】離脱位置検知センサ242から離脱位置検
知信号が出力されると、図18に示す駆動モータ246
が反時計回り方向に回転駆動され、この動作は、第1位
置検知センサ256から第1位置検知信号の出力がある
まで行われる。この動作により、同図に2点鎖線で示す
第2の位置に置かれたマスタ挟持搬送手段240が第1
の位置へと復動される。つまり、図16において、符号
Cで示す第2の位置で離脱位置を占めたマスタ挟持部2
14,215が、図16に符号Dで示す第1の位置にお
ける離脱位置まで搬送される。すなわち、マスタ挟持部
214,215は、マスタ挟持搬送手段240の復動時
において離脱位置を占めた状態で移動されるため、その
移動中にマスタ両側縁209a,209bやクランパ2
03の両側縁203A,203Bと干渉することがな
い。
【0109】ステップモータ221は、マスタ挟持搬送
手段240の移動動作中、すなわち、図16においてマ
スタ挟持部214,215がB、C、Dで示す各位置を
移動している間も駆動されているので、プラテンローラ
210による製版搬送は行われている。このため、マス
タ209は、プラテンローラ210とローラ部材212
a,212bとの間に、製版済みマスタ209Bの過分
送りを発生させる。駆動モータ222は、マスタ挟持部
214,215が図16において、符号Dで示す離脱位
置を占めると再駆動されるので、過分送りされた製版済
みマスタ209Bが版胴201の回転により外周面20
1aに製版されつつ巻きつけられる。この際、ブレーキ
装置212cが作用するので、過分送りされた製版済み
マスタ209Bにマスタ搬送方向aに対する張力が与え
られ、弛みを取り除かれて搬送される。
【0110】ステップモータ221を所定量回転駆動し
てマスタ209が所定量搬送されると、版胴201の外
周面201aへ製版済みマスタ209Bが巻装されたも
のとして、ステップモータ221及び駆動モータ222
が停止される。駆動モータ235が挟持位置検知センサ
241から挟持位置検知信号が出力されるまで、図19
において反時計回り方向に駆動される。これにより、歯
車236が反時計周り方向に回転駆動して、それと噛合
するラック237,238を有する下搬送クランパ22
7A,227Bが破線方向に相対移動して、マスタ挟持
部214,215が実線位置で示す離脱位置から2点鎖
線で示す挟持位置まで移動する。
【0111】段ねじ232Aによって挟持位置検知セン
サ241のレバー241aが押されて挟持位置検知信号
が出力されると、駆動モータ235の回転が停止する。
これによりマスタ挟持部214,215は、第1の位置
において挟持位置に保持される。これに伴い制御手段2
70では、電磁ソレノイド228A,228Bを駆動
(オン)し、その状態を保持したまま切断手段220の
駆動モータ239を駆動する。これにより、図19に示
すスライダー245が同図において右方から左方に摺動
され、製版済みマスタ209Bの後端が円形刃部243
で切断される。このため、製版済みマスタ209Bは、
その先端部209Aをクランパ203に挟持され、後端
部の両側縁をマスタ挟持部214,215に挟持された
状態で切断されるので、製版済みマスタ209Bをマス
タ209から良好に切断できるとともに、切断後にマス
タ209の先端部209Aをマスタ挟持部214,21
5まで搬送しなくて済む。よって、マスタ209が帯電
していたり、巻き癖が残っていても、製版手段230か
らマスタ挟持搬送手段240の間において詰まらなくな
る。
【0112】制御手段270は、駆動モータ222を駆
動して版胴201を図13の矢印方向に回転駆動し、図
示しない給紙装置から1枚の印刷用紙65を周知のレジ
ストローラ272に給紙する。このとき、インキローラ
204も版胴201の回転方向に回転し、インキを版胴
201の内周面に供給する。レジストローラ272は、
版胴201の回転と同期した所定のタイミングで版胴2
01とプレスローラ208との間に印刷用紙65を挿入
する。すると、版胴201の外周面201aから離間し
たプレスローラ208が、図13において実線で示す離
間位置から2点鎖線で示す押圧位置まで移動して、矢印
方向に回転駆動する版胴201の外周面201aに巻装
される製版済みマスタ209Bに印刷用紙65を押圧す
る。これにより、製版済みマスタ209Bの穿孔部分か
らインキが滲み出しつつ製版済みマスタ209Bが外周
面201aに密着され、所謂版付けが完了し、各駆動モ
ータやステップモータが停止されて印刷待機状態とな
る。
【0113】図示しないテンキーにより印刷枚数が設定
されて、印刷スタートキー263が押下されると、版付
け同様、版胴201やプレスローラ208と共に、レジ
ストローラ272が駆動され、設定された枚数部の印刷
が印刷用紙65に行われる。
【0114】このように本実施例では、マスタ貯容ユニ
ット300から引き出されるマスタ209が、マスタ案
内部303の出口部304や保持部302に設けた制動
部としての支持孔302aによってコシやその幅方向に
張力を与えられつつ引き出されるので、製版手段230
に到達するマスタ209をシワのない状態で製版でき、
良好な製版を行える。
【0115】製版手段230からマスタ係止手段250
への製版済みマスタ209Bの受渡しを、マスタ挟持部
214,215によって挟持した状態で行うので、ロー
ラ部材の回転によるマスタ209の押し出し搬送と違
い、マスタ209の静電気による貼り付きやカール等に
よる搬送不良が発生しない。
【0116】マスタ搬送時には、ローラ部材212a,
212bのブレーキ装置212cによって張力を加えた
状態で、製版済みマスタ209Bの先端部209Aをク
ランパ203で挟持するので、この挟持時の製版済みマ
スタ209Bのシワや弛みを防止できる。これにより、
版胴201の外周面201aに製版済みマスタ209B
をシワなく巻装でき、歪みの少ない良好な印刷画像を得
られる。また、この巻装される製版済みマスタ209B
には、製版手段230で良好な加熱穿孔製版が施される
ので、さらに歪みの少ない良好な印刷画像となる。
【0117】マスタ貯容ユニット300が、その内部に
マスタロール209Rを貯容し、マスタ案内部303で
マスタ209を保持しているので、オペレーターは、マ
スタ貯容ユニット300をマスタ貯容ユニット装着部2
5から容易に抜脱することができるとともに、その交換
時におけるマスタロール209Rのシワの発生がなくな
る。また、マスタ案内部303には、マスタ挟持部21
4,215が係脱する係脱部305a,305bが形成
されているので、マスタ貯容ユニット300から確実に
マスタ209の先端部209A及びマスタ209自体を
引き出すことができる。
【0118】ブレーキ装置212cはローラ部材212
bとの同軸上に、制動部としての支持孔302aは保持
部302に設けられているので、装置本体に対する占有
面積が少なくて済み、孔版印刷装置を小型化するのに有
利となる。
【0119】切断手段220が、マスタ挟持搬送手段2
40よりもマスタ搬送方向aの下流側に配置され、マス
タ209の先端部209Aをマスタ挟持部214,21
5で挟持した状態で駆動モータ239が駆動されるの
で、製版済みマスタ209Bを切断した後には、既に未
製版のマスタ209の先端部209Aが、下搬送クラン
パ227A,227Bの当接部227C,227Dに位
置している。このため、カット後のマスタ209をマス
タ挟持搬送手段240まで搬送する必要がなく、製版手
段230からマスタ挟持搬送手段240の間での製版済
みマスタ209Bの詰まりや、それによるシワの発生が
なくなる。
【0120】マスタ挟持部214,215で先端部20
9Aを挟持された製版済みマスタ209Bは、クランパ
203の係止部Yよりもマスタ搬送方向aの下流側まで
搬送されるので、先端部209Aを確実にクランパ20
3で挟持することができる。
【0121】本実施例では、クランパ203に対してマ
スタ209の先端部209Aを上方から搬送する位置関
係にマスタロール209Rと版胴201のマスタ係止位
置とが設定されているので、マスタ挾持搬送手段240
を垂直方向に往復移動するように構成したが、この構成
に限定されるものではない。クランパ203に対してマ
スタ209の先端部209Aを水平方向から搬送挿入す
る位置関係にマスタロール209Rと版胴201のマス
タ係止位置とを設定した場合には、マスタ挾持搬送手段
240を水平方向に往復移動させるべく長孔254,2
55を水平に設け、回動軸247を回転させて長孔25
4内を走行させるようにすればよい。また、この場合に
は、ラック251を必ずしも設けてなくともよい。
【0122】本実施例では、マスタ209の先端部20
9Aをマスタ挟持部214,215で挟持し、製版手段
230で製版しながらクランパ203まで製版済みマス
タ209Bをマスタ挟持搬送手段240を用いて搬送し
てクランパ203で挟持するようにしているが、マスタ
209の先端部209Aをマスタ挟持部214,215
で挟持し、製版する前にクランパ203までマスタ挟持
搬送手段240を用いて搬送し、クランパ203による
挟持後に製版を行ってもよい。但し、版胴201の外周
面201aに巻装される1枚の製版済みマスタ209B
の長さは、版胴201の円周長によってその長さが制限
されるため、製版済みマスタ209Bの製版領域が減少
してしまうことがある。したがって、この場合には、マ
スタ挟持搬送手段240の往復動の移動範囲を少なく
し、かつ版胴201のマスタ係止位置を、よりマスタ挟
持搬送手段240寄りに設定することで、マスタ209
における未製版の部位を減少して製版領域を確保すれば
よい。
【0123】実施例中、マスタ209には実質的に熱可
塑性樹脂フィルムのみから成るマスタを用いたが、これ
に限ぎらず、多孔性支持体として和紙を用いた原紙、若
しくはこの原紙よりもその支持体の厚さを更に減少させ
た薄い原紙を使用しても勿論わない。
【0124】マスタ209の先端部209Aをマスタ挟
持部214,215で挟持してから、切断手段220で
所定の長さに切断しているが、比較的帯電しにくいマス
タまたは帯電しにくい環境下の場合には、マスタ209
の巻き付き等の不具合の発生もほとんどないので、マス
タ挟持部214,215で挟持してから製版済みマスタ
209Bを切断しなくてもよい。
【0125】実施例中、切断手段220はマスタ挟持搬
送手段240のフレーム341に装着してマスタ挟持搬
送手段240の往復動作に伴い一体で移動するように構
成したが、これに限らず、孔版印刷装置の図示しないフ
レーム等に装着してマスタ挟持搬送手段240と個別に
設けても無論構わない。この場合、マスタ挟持搬送手段
240が第1の位置を占めたときのマスタ挟持部21
4,215よりも、マスタ搬送方向aの下流側に切断手
段220を配置すればよい。また、切断手段220とし
て円形刃部243を摺動させるロータリーカッタを例示
したが、図1に示すような固定刃に対して可動刃を移動
させるギロチンタイプのものや、熱線方式等の周知のも
のを採用してもよい。
【0126】図13に示す第2の実施例にかかる孔版印
刷装置では、出口部304の中央部304cが上方に突
出する向きに湾曲したマスタ貯容ユニット300のマス
タ案内部303に、マスタ挟持部214,215が係脱
する係脱部305a,305bを形成したものを用いて
いるが、図5乃至図10に示す各マスタ貯容ユニットの
マスタ案内部に、それぞれ係脱部305a,305bを
形成したものを採用しても、マスタ貯容ユニット300
を用いた場合と同様の効果を得られる。
【0127】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、マスタ貯
容ユニットの保持部に回転自在に保持されたマスタロー
ルから所定長さ引き出されたマスタの先端部を保持し、
マスタの誘導を案内するマスタ案内部の出口部を、その
中央部から両側縁へ向かってマスタ搬送方向と交差する
方向へ湾曲して設けることで、オペーレーターによるマ
スタ貯容ユニットへのマスタロールの装着工程が省略さ
れるとともに、出口部を通過してマスタ貯容ユニットか
ら引き出されるマスタに対して、出口部によってコシや
マスタの幅方向への張力が与えられるので、オペレータ
ーの簡単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、貯容さ
れたマスタの種類にかかわらずマスタを確実に引き出
せ、かつ引き出し時のマスタのシワや弛みを確実に防止
することができる。
【0128】請求項2記載の発明によれば、マスタ貯容
ユニットの保持部に回転自在に保持されたマスタロール
から所定長さ引き出されたマスタの先端部と接触して同
先端部を保持し、マスタの誘導を案内するマスタ案内部
の出口部を、平面内においてマスタ搬送方向にその中央
部を突出する向きに湾曲して形成したので、オペーレー
ターによるマスタ貯容ユニットへのマスタロールの装着
工程が省略されるとともに、出口部を通過してマスタ貯
容ユニットから引き出されるマスタに対して、出口部に
よってコシやマスタの幅方向への張力が与えられるの
で、オペレーターの簡単かつ確実な着脱作業性を確保し
ながら、貯容されたマスタの種類にかかわらずマスタを
確実に引き出せ、かつ引き出し時のシワや弛みを確実に
防止することができる。
【0129】請求項3記載の発明によれば、マスタ貯容
ユニットの保持部に回転自在に保持されたマスタロール
から所定長さ引き出されたマスタの先端部と接触して同
先端部を保持しマスタの誘導を案内するマスタ案内部
の、マスタの一面と当接する当接面に、マスタ搬送方向
に対してその中央部から側縁に向けて傾斜した突起部ま
たは溝部を設けたので、オペーレーターによるマスタ貯
容ユニットへのマスタロールの装着工程が省略されると
ともに、出口部を通過してマスタ貯容ユニットから引き
出されるマスタに対してコシやマスタの幅方向への張力
が与えられるので、オペレーターの簡単かつ確実な着脱
作業性を確保しながら、貯容されたマスタの種類にかか
わらずマスタを確実に引き出せ、かつ引き出し時のシワ
や弛みを確実に防止することができる。
【0130】請求項4記載の発明によれば、外周面にマ
スタロールが巻装されて保持部に回転自在に支持された
芯部材の回転に、制動を与える制動部を保持部に設けた
ので、マスタ案内部を通過してマスタ貯容ユニットから
引き出されるマスターに対してコシやマスタの幅方向へ
の張力が与えながら、制動部によって引き出されるマス
タにマスタ搬送方向への張力が作用し、オペレーターの
簡単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、貯容された
マスタの種類にかかわらずマスタを確実に引き出せ、か
つ引き出し時におけるマスタのシワや弛みを小型で確実
に防止することができる。芯部材が、保持部及びマスタ
の幅よりも長く形成されて保持部に回転可能に支持され
ているので、芯部材の端部が保持部から突出した状態と
なり、オペレーターがこの端部を持って回転させること
で、マスタロールとマスタの先端部の間に発生する弛み
を取り除ける。マスタロールは、保持部の内面に接触し
ないように支持されているので、保持部の内面との擦れ
による帯電や変形を防止できる。
【0131】請求項5記載の発明によれば、マスタ案内
部と係合可能に設けられ同案内部と係合する際に開閉動
作するマスタ挟持搬送手段と係脱する係脱部を、マスタ
案内部に設けたので、マスタ案内部に保持されたマスタ
をマスタ挟持搬送手段で挟持した状態でマスタ貯容ユニ
ットを移動させる場合にも、マスタがより確実に引き出
される。このため、オペレーターの簡単かつ確実な着脱
作業性を確保しながら、同時に貯容されたマスタが特に
コシの弱いものやカールの多いもの、あるいは帯電し易
いマスタであっても、引き出しの際により確実にシワや
弛みを防止することができる。
【0132】請求項6記載の発明によれば、マスタ案内
部の出口部の直後に製版手段を配置し、この製版手段の
挟持位置よりも上方または下方に、マスタ案内部の出口
部を配置したので、マスタがこの出口部を通過してマス
タ貯容ユニットから引き出される際に、出口部に対して
傾斜して引き出される。このため、傾斜した側に位置す
る出口部にマスタが摺接するので、引き出されるマスタ
に対して積極的に摩擦分力が作用し、オペレーターの簡
単かつ確実な着脱作業性を確保しながら、貯容されたマ
スタの種類や状態にかかわらずマスタを確実に引き出
せ、かつ引き出されるマスタのシワや弛みをより一層防
止することができる。また、引き出されるマスタのシワ
や弛みが防止されることで、製版手段にはシワのないマ
スタが搬送されることになり、良好な製版を行え、歪み
の少ない印刷画像を得られる。帯電し易いマスタであっ
ても、引き出される際に確実にシワや弛みが防止される
ので、マスタに対する帯電防止剤の塗布量を少なくで
き、マスタと接触する部材の、帯電防止剤による腐食を
防止でき、装置のコスト低減を図れる。
【0133】請求項7記載の発明によれば、マスタ案内
部に保持されたマスタが第1の位置でマスタ挟持搬送手
段のマスタ挟持部で挟持されるので、オペーレーターに
よるマスタ貯容ユニットへのマスタロールの装着工程が
省略されるとともに、オペレーターの簡単かつ確実な着
脱作業性を確保しながら、マスタ貯容ユニットに貯容さ
れたマスタがコシの弱いものやカールの多いもの、ある
いは帯電し易いマスタであってもマスタ挟持搬送手段の
第2の位置への移動に伴い確実にマスタをマスタ貯容ユ
ニットから引き出すことができる。また、マスタは、マ
スタ係止手段に近接する第2の位置までマスタ挟持部で
挟持された状態で搬送されるので、マスタを確実にマス
タ係止手段まで搬送できる。
【0134】請求項8記載の発明によれば、マスタ案内
部にマスタ挟持部と係合する係脱部を設けているので、
請求項7記載の発明の効果に比べて、マスタ挟持部でよ
り確実にマスタをマスタ貯容ユニットから引き出すこと
ができる。
【0135】請求項9、10記載の発明によれば、マス
タ案内部の出口部を通過してマスタ貯容ユニットから引
き出されるマスタに対して、出口部によってコシやマス
タの幅方向への張力が与えられるので、請求項7,8記
載の発明の効果に比べて、より確実にマスタを引き出せ
るとともに、引き出し時のマスタのシワや弛みを一層確
実に防止することができる。
【0136】請求項11記載の発明によれば、保持部に
はマスタロールを巻装する芯部材が、マスタロールの回
転に制動を与えるとともに、保持部の内面とマスタロー
ルの外周面とが接触しないように回動可能に支持されて
いるので、請求項7,8,9,10記載の発明の効果
を、装置の小型化を図りながら達成できる。芯部材が保
持部よりも長く回転可能に支持されているので、芯部材
の端部が保持部から突出した状態となり、オペレータが
この端部を回転させることで、マスタロールとマスタの
先端部の間に発生する弛みを取り除ける。マスタロール
が保持部の内面と接触しないので、マスタロールと内面
との接触による帯電や変形を防止できる。
【0137】請求項12記載の発明によれば、発熱手段
とローラ部材とでマスタを挟持する製版手段の挟持位置
を、マスタ案内部の出口部よりも上方または下方とする
ことで、マスタがマスタ案内部の出口部を通過してマス
タ貯容ユニットから引き出される際に出口部に対して傾
斜して引き出される。このため、その傾斜した側に位置
する出口部と摺接し、引き出されるマスタに対してより
積極的に摩擦分力が作用して、上記発明の効果よりも引
き出されるマスタのシワや弛みをより一層防止すること
ができる。また、帯電し易いマスタであってもの、引き
出される際に確実にシワや弛みが防止されるので、マス
タに対する帯電防止剤の塗布量を少なくでき、マスタと
接触する加熱部材の、帯電防止剤による腐食を防止でき
て装置のコスト低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す孔版印刷装置の概
略構成図である。
【図2】図1に示す孔版印刷装置に装着されるマスタ貯
容ユニットの一例を示す正面図である。
【図3】図2に示したマスタ貯容ユニットの構成を示す
平面図である。
【図4】図2に示したマスタ貯容ユニットの構成と、製
版手段との位置関係を示す断面図である。
【図5】マスタ貯容ユニットの出口部の変形例を示す正
面断面図である。
【図6】マスタ貯容ユニットの変形例の構成を示す平面
図である。
【図7】図6に示したマスタ貯容ユニットの出口部の変
形例を示す平面図である。
【図8】図6に示したマスタ貯容ユニットの出口部の変
形例を示す平面図である。
【図9】マスタ貯容ユニットの変形例を示す断面図であ
る。
【図10】マスタ貯容ユニットの変形例の構成と、製版
手段との位置関係を示す断面図である。
【図11】マスタ貯容ユニットに設けた突起部の構成と
配置を示す拡大斜視図である。
【図12】マスタ貯容ユニットに設けた突起部の作用を
示す拡大平面図である。
【図13】本発明の第2の実施例を示す孔版印刷装置の
概略構成図である。
【図14】(a)は図13に示す孔版印刷装置に装着さ
れるマスタ貯容ユニットの一例を示す平面図、(b)は
(a)の断面図である。
【図15】図13に示した孔版印刷装置のマスタセット
動作時の状態を示す図である。
【図16】マスタ挟持搬送手段の第1の位置と第2の位
置、及びマスタ挟持部の挟持位置と離脱位置を示す拡大
平面図である。
【図17】マスタ挟持搬送手段の構成を示す斜視図であ
る。
【図18】マスタ挟持搬送手段に設けた移動手段の構成
を示す拡大図である。
【図19】マスタ挟持部と変位手段、及びその駆動機構
と挟持部駆動部材の構成と動作を示す正面図である。
【図20】(a)は第1の位置を占めたマスタ挟持部に
よるマスタの挟持状態を示す拡大平面図、(b)は
(a)の側面図である。
【図21】(a)は第2の位置を占めたマスタ挟持部に
よるマスタの挟持状態を示す拡大平面図、(b)は
(a)の側面図である。
【図22】第2の実施例に用いる制御手段の一例を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1、1(A,B,C,D)、300 マスタ貯容ユ
ニット 8、230 製版手段 9、211 発熱手段 10、210 ローラ部材 12、301 芯部材 19、220 切断手段 20a、209 マスタ 20、209R マスタロール 21、302 保持部 21a、302a 制動部 22、22A、303 マスタ案内部 22(a,b)、22(Aa,Ab) 案内部材 23、23(A,B,C)、304 マスタ案内部
の出口部 23a、23Aa、23Ba、23Ca 出口部の中央
部 23(b,c)、23A(b,c) 出口部の両側
縁 23B(b,c)、23C(b,c) 出口部の両側
縁 31 突起部 66、201 版胴 20b、209B 製版済みマス
タ 214、215 マスタ挟持部 240 マスタ挟持搬
送手段 250 マスタ係止手
段 304(a,b) 出口部の両側
縁 304c 出口部の中央
部 305a、305b 係脱部 a マスタ搬送方
向 b マスタの幅 P 挟持位置 X 所定長さ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタをロール状に巻成してなるマスタロ
    ールと、上記マスタロールを回転可能に保持する保持部
    と、上記マスタロールから所定長さ引き出された上記マ
    スタの先端部を保持し、上記マスタの導出を案内するマ
    スタ案内部とを有し、上記マスタロールを貯容するマス
    タ貯容ユニットにおいて、 上記マスタ案内部の出口部が、その中央部から両側縁へ
    向かってマスタ搬送方向と交差する方向へ湾曲して設け
    られたことを特徴とするマスタ貯容ユニット。
  2. 【請求項2】マスタをロール状に巻成してなるマスタロ
    ールと、上記マスタロールを回転自在に保持する保持部
    と、上記マスタロールから所定長さ引き出された上記マ
    スタの先端部と接触して同先端部を保持し、上記マスタ
    の導出を案内するマスタ案内部とを有し、上記マスタロ
    ールを貯容するマスタ貯容ユニットにおいて、 上記マスタ案内部の出口部が、平面内においてマスタ搬
    送方向にその中央部を突出する向きに湾曲して形成され
    たことを特徴とするマスタ貯容ユニット。
  3. 【請求項3】マスタをロール状に巻成してなるマスタロ
    ールと、上記マスタロールを回転自在に保持する保持部
    と、上記マスタロールから所定長さ引き出された上記マ
    スタの先端部を保持し、上記マスタの導出を案内するマ
    スタ案内部とを有し、上記マスタロールを貯容するマス
    タ貯容ユニットにおいて、 上記マスタ案内部の少なくとも上記マスタの一面と当接
    する当接面に、マスタ搬送方向に対してその中央部から
    側縁に向けて傾斜した突起部または溝部を設けたことを
    特徴とするマスタ貯容ユニット。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載のマスタ貯容ユ
    ニットにおいて、 上記保持部及び上記マスタの幅よりもその軸線方向の長
    さが長く形成されていて外周面に上記マスタロールが巻
    装されるとともに、上記保持部の内面と上記マスタロー
    ルの外周面とが接触しないように上記保持部に回転自在
    に支持された芯部材と、上記保持部に設けられ上記芯部
    材の回転に制動を与える制動部と有することを特徴とす
    るマスタ貯容ユニット。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れか1つに記載のマス
    タ貯容ユニットにおいて、 上記マスタ案内部と係合可能に設けられ同案内部と係合
    する際に開閉動作するマスタ挟持搬送手段と係脱する係
    脱部を、上記マスタ案内部に設けたことを特徴とするマ
    スタ貯容ユニット。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5の何れか1つに記載のマス
    タ貯容ユニットにおいて、 上記マスタ案内部の出口部の直後に配置され同出口部を
    通過したマスタに対して製版する製版手段の挟持位置よ
    りも上方または下方に、上記出口部を配置したことを特
    徴とするマスタ貯容ユニット。
  7. 【請求項7】マスタの先端部を挟持するマスタ係止手段
    を外周面の一部に有する回転自在な版胴と、画像情報に
    応じて上記マスタを製版し上記マスタを上記版胴の外周
    面に巻装させるべく搬送する製版手段と、上記製版手段
    で製版された製版済みマスタを一定の長さに切断する切
    断手段とを有する印刷装置において、 上記マスタをロール状に巻成してなるマスタロールと、
    上記マスタロールを保持する保持部と、上記マスタロー
    ルから所定長さ引き出された上記マスタの先端部を保持
    し、上記マスタの導出を案内するマスタ案内部とを有
    し、上記マスタロールを貯容するマスタ貯容ユニット
    と、 上記マスタ案内部に近接する第1の位置と、上記マスタ
    係止手段に近接する第2の位置との間で移動可能に設け
    られ、上記第1の位置を占めたときに上記マスタ案内部
    に案内されたマスタの先端部を挟持し、上記第2の位置
    を占めたときに上記マスタの先端部への挟持を解除する
    マスタ挟持部を有するマスタ挟持搬送手段とを備えたこ
    とを特徴とする印刷装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の印刷装置において、 上記マスタ案内部は、上記マスタ挟持部と係合する係脱
    部を設けられたことを特徴とするた印刷装置。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の印刷装置におい
    て、 上記マスタ案内部の出口部が、その中央部から両側縁へ
    向かって、マスタ搬送方向と交差する方向へ湾曲して設
    けられたことを特徴とする印刷装置。
  10. 【請求項10】請求項7または8記載の印刷装置におい
    て、 上記マスタ案内部の出口部が、平面内においてマスタ搬
    送方向にその中央部を突出する向きに湾曲して形成され
    たことを特徴とする印刷装置。
  11. 【請求項11】請求項7乃至10の何れか1つに記載の
    印刷装置において、 上記保持部には、軸線方向の長さが同保持部及びマスタ
    の幅よりも長く、その外周面にマスタロールを巻装する
    芯部材が、上記マスタロールの回転に制動を与えるとと
    もに、上記保持部の内面と上記マスタロールの外周面と
    が接触しないように回動可能に支持されたことを特徴と
    する印刷装置。
  12. 【請求項12】請求項7乃至11の何れか1つに記載の
    印刷装置において、 上記製版手段は、上記マスタ案内部の出口部の直後に配
    置され、上記マスタの一面に当接する発熱手段と、この
    発熱手段と上記マスタを介して対向配置されて上記発熱
    手段と相まって上記マスタを挟持しながら搬送するロー
    ラ部材とを備え、上記発熱手段と上記ローラ部材とで上
    記マスタを挟持する挟持位置を、上記マスタ案内部の出
    口部よりも上方または下方に配置したことを特徴とする
    印刷装置。
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