JP2001341403A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JP2001341403A
JP2001341403A JP2000165947A JP2000165947A JP2001341403A JP 2001341403 A JP2001341403 A JP 2001341403A JP 2000165947 A JP2000165947 A JP 2000165947A JP 2000165947 A JP2000165947 A JP 2000165947A JP 2001341403 A JP2001341403 A JP 2001341403A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスタの先端部を確実に挟持搬送し、版胴上
のマスタ係止手段に確実に受け渡しつつ、マスタへのし
わの発生を低減することが可能な印刷装置を提供する。 【解決手段】 マスタ9の先端部9Bを係止する係止部
Yを有するマスタ係止手段50を外周面1aの一部に具
備した版胴1と、製版手段30と、切断手段20とを有
する印刷装置において、版胴1がマスタ係止位置に停止
したときのマスタ係止手段50の近傍に、切断手段20
よりもマスタ搬送方向上流側に位置して先端部9Bを挟
持する第1の位置と、係止部Yを通過して係止部Yで先
端部9Bを係止可能な第2の位置との間で往復変位可能
なマスタ挟持搬送手段40を有すると共に、係止部Yが
先端部9Bの中央部を係止する第1の係止部3cと先端
部9Bを全幅にわたって係止する第2の係止部3dとを
有し、マスタ挟持搬送手段40が第2の位置を占めると
共に先端部9Bをマスタ幅方向に所定量拡開した後、第
1の係止部3cにより先端部9Bの中央部を係止し、そ
の後、第2の係止部3dにより先端部9Bを全幅にわた
って係止する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製版されたマスタ
を版胴上のマスタ係止手段まで搬送するマスタ挟持搬送
手段を備えた孔版印刷装置等の印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】駆動源によって回転駆動される版胴の外
周面に穿孔製版されたマスタを巻装し、版胴内部よりマ
スタ穿孔部を介してインキを透過させ、このインキを印
刷用紙に転移させることで印刷画像を得る孔版印刷装置
がよく知られている。この孔版印刷装置では、版胴上に
マスタ先端部を係止させるマスタ係止手段が版胴の外周
面に開閉自在に設けられており、このマスタ係止手段を
マスタクランプ位置で適時開閉させることでプラテンロ
ーラーや搬送ローラー等によって搬送されるマスタの先
端を挟持している。孔版印刷に用いられるマスタとして
は、薄い熱可塑性樹脂フィルム(厚さ2〜9μm程度)
と多孔性支持体としての和紙、合成繊維、あるいは和紙
と合成繊維とを混抄したものとを貼り合わせたラミネー
ト構造のものが一般的に用いられており、他にも多孔性
支持体を薄くしたものや多孔性支持体を用いずに熱可塑
性樹脂フィルム単体からなるもの等がある。
【0003】このようなマスタをマスタ係止手段に搬送
する際には次の点が問題となる。第1に、マスタの厚さ
が薄いため、マスタ係止手段に届くまでに静電気やカー
ル等によって、搬送力を与えられるプラテンローラーや
搬送ローラーに巻きついてしまう。第2に、各ローラー
に巻きつかずに搬送された場合であっても、穿孔時の熱
収縮やフィルムのくせ等により僅かではあるが波打ち現
象が発生してしまう。この波打ち状態のままマスタをマ
スタ係止手段で係止して版胴の外周面に巻装すると、版
胴上でマスタにしわが発生し印刷不良となる虞がある。
このような状態は、多孔性支持体を薄くしたものや熱可
塑性樹脂フィルム単体からなるもののように、腰が弱い
マスタを用いたときに顕著に現われてしまう。第3に、
マスタ係止手段に至るマスタの搬送経路内に案内板を設
けてマスタを搬送することが考えられるが、回転駆動さ
れる版胴や版胴外周面上のマスタ係止手段等との接触を
避ける必要があり、案内板をあまり版胴に近接して設け
ることができない。また、案内板を設けた場合であって
も、マスタが静電気で帯電していると、腰のないマスタ
の場合には搬送不良を生じてしまう。第4に、マスタの
帯電防止対策としてマスタの表面に帯電防止剤を塗布す
る場合があるが、腰のないマスタでは帯電防止剤の塗布
量が腰のあるマスタに比して多くなり、サーマルヘッド
の腐食やマスタ自体のコストアップを招いてしまう。
【0004】このような第1から第4の問題点を解決す
るための技術は未だないが、例えば特開昭59−104
937号公報や特開平6−320853号公報では、マ
スタの先端を切断手段の下流側でマスタ挟持搬送手段を
用いて挟持して版胴上のマスタ係止手段まで搬送する技
術が、特開平6−305232号公報では、切断手段の
上流側から版胴上のマスタ係止手段までシート部材と重
合してマスタの先端を送り出す技術がそれぞれ提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭59−
104937号公報や特開平6−320853号公報に
記載された技術では、マスタ挟持搬送手段が切断手段の
下流側に配置されているので、切断後のマスタの先端部
が次の製版時にマスタ挟持搬送手段まで搬送される際
に、搬送ローラーに巻き付いたり、切断手段で詰まって
しまったり、マスタ挟持搬送手段のマスタの導入側に引
っ掛かってしまう虞がある。このような状態となると、
マスタ係止手段まで安定した状態でマスタを搬送するこ
とが難しく、マスタの搬送性に課題を残している。
【0006】特開平6−305232号公報に記載の技
術では、マスタの先端部をシート部材と重合して搬送す
るため、版胴上のマスタ係止手段に到達する前に、マス
タの先端部がシート部材からめくれ上がってマスタにし
わが発生する虞があり、マスタを安定して搬送すること
が難しい。また、マスタの先端部をシート部材に接着あ
るいは溶着して搬送すればこのようなめくれ上がりは防
止できるが、これだと接着や溶着するための機構やその
工程が必要となったり、接着や溶着時におけるしわの発
生や、マスタ係止手段への受渡しの際にシート部材とマ
スタの先端部との剥離が良好に行われない虞がある。
【0007】本発明は、マスタ挟持搬送手段で確実にマ
スタの先端部を挟持し、挟持されたマスタの先端部を版
胴上のマスタ係止手段まで安定して搬送し、マスタをマ
スタ係止手段に確実に受け渡すと同時にマスタへのしわ
の発生を低減することが可能な印刷装置の提供を目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
マスタの先端部を係止する係止部を有するマスタ係止手
段を外周面の一部に具備した版胴と、画像情報に応じて
前記マスタを製版し、前記マスタを前記版胴の外周面に
巻装させるべく搬送する製版手段と、前記製版手段で製
版された製版済みマスタを一定の長さに切断する切断手
段とを有する印刷装置において、前記版胴が前記係止部
で前記先端部を係止するマスタ係止位置に停止したとき
の前記マスタ係止手段の近傍に、前記切断手段よりもマ
スタ搬送方向上流側に位置して前記先端部を挟持する第
1の位置と、前記係止部を通過して該係止部で前記先端
部を係止可能な第2の位置との間で往復変位可能なマス
タ挟持搬送手段を有すると共に、前記係止部が前記先端
部の中央部を係止する第1の係止部と前記先端部を全幅
にわたって係止する第2の係止部とを有し、前記マスタ
挟持搬送手段が第2の位置を占めると共に前記先端部を
マスタ幅方向に所定量拡開した後、第1の係止部により
前記先端部の中央部を係止し、その後、第2の係止部に
より前記先端部を全幅にわたって係止することを特徴と
する。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の印
刷装置において、さらに、前記マスタ係止手段が弾性を
有する磁性体からなることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の印刷装置において、さらに、前記マスタ係
止手段の先端部は、その中央が凸となる形状に形成され
ていることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1、請求項
2または請求項3記載の印刷装置において、さらに、前
記係止部による前記マスタの係止時において、前記マス
タに対してその搬送方向への張力を付与するべく前記マ
スタ係止位置が設定されていることを特徴とする。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。図1に
示す孔版印刷装置は、主に印刷に用いられる感熱孔版可
能なマスタ9を巻いたマスタロール9Rと、マスタ9を
製版しながら搬送する製版手段30と、版胴1の外周面
1aの一部に設けられたマスタ係止手段50に向けてマ
スタ9を挟持搬送するマスタ挟持搬送手段40と、製版
手段30で製版された製版済みマスタ9Aを一定の長さ
に切断する切断手段20と、マスタ係止手段50に向か
って移動するマスタ9に張力を与える張力付与手段12
とを備えている。図1において、マスタロール9Rは矢
印Xで示すマスタ搬送方向の最上流に配置され、版胴1
はマスタ搬送方向Xの最下流に配置されている。マスタ
ロール9Rから版胴1までの間にはマスタ搬送路が形成
され、このマスタ搬送路に沿って各手段が、製版手段3
0、張力付与手段12、マスタ挟持搬送手段40、切断
手段20の順で配置されている。
【0013】マスタ9は、非常に薄い1〜4μm程度の
ポリエステル等の実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみか
らなり、軸方向に長い熱可塑性樹脂でできた芯管9Pの
外周面に巻き付けられてマスタロール9Rを形成してい
る。マスタロール9Rは、図示しない不動部材に回転可
能かつ着脱可能に支持されている。ここで示す実質的に
熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ9とは、マス
タが熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可
塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有して
なるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、す
なわち表面又は裏面のうち少なくとも一方に、オーバー
コート層等の薄膜層を1層又は複数層形成してなるもの
を含む。
【0014】製版手段30は、サーマルヘッド11とこ
れにマスタ9を介して当接するプラテンローラー10と
によりマスタ9を画像情報に対応して製版しながら版胴
1に向かって搬送するものである。プラテンローラー1
0は、その軸10aと実質一体的に取り付けられていて
軸方向に延在して設けられている。軸10aは図示しな
い孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されており、一
端に設けられたプーリーとモータープーリーとの間に掛
け渡された無端ベルト等からなる図示しない駆動力伝達
手段及びモータープーリーを回転駆動するステップモー
ター21によって図の矢印方向に回転駆動される。サー
マルヘッド11はプラテンローラー10の下方に位置
し、軸10aと平行に延在して設けられており、図示し
ない付勢手段によって所定の圧接力でプラテンローラー
10に圧接されている。サーマルヘッド11は、図示し
ない孔版印刷装置の原稿読取部に設けられたA/D変換
部及び製版制御部(共に図示せず)で処理されて送出さ
れるデジタル画像情報に基づき、図示しない発熱素子を
選択的に発熱させることによりマスタ9を熱溶融穿孔す
る周知の機能を有する。
【0015】版胴1は、多孔性円筒状の支持円筒体とこ
の外周面に巻き付けられたメッシュスクリーンとを有
し、その外周面1aに製版済みマスタ9Aを巻装する。
版胴1は回転中心軸を兼ねたインキパイプ7の周りに回
転可能に支持されており、駆動源となる駆動モーター2
2と図示しない駆動力伝達機構とによって図の矢印方向
に回転駆動される。版胴1の内部には、版胴1と同期し
て同方向に回転して版胴1の内周面にインキを供給する
インキローラー4と、インキローラー4と僅かな間隙を
設けて平行に配置されインキローラー4との間に断面楔
状のインキ溜り6を形成するドクターローラー5と、イ
ンキ溜り6へインキを供給するインキパイプ7に設けた
開孔部7aとが設けられている。これらインキローラー
4、ドクターローラー5及びインキパイプ7によりイン
キ供給手段60が構成される。インキローラー4と対向
する外周面1aの下方近傍には、図示しない接離機構に
よって上下に揺動し、印刷用紙73を版胴1へ押し付け
るプレスローラー8が配置されている。
【0016】外周面1a上の非開孔部の所定位置には、
製版済みマスタ9Aの先端部9Bを係止(挟持)するマ
スタ係止手段50が配設されている。マスタ係止手段5
0は、版胴1の母線と平行に延在していて外周面1aと
実質一体的に設けられたステージ2と、ステージ2に対
してクランパー軸13を介して図示しない開閉装置によ
り駆動力を伝達されて回動される開閉自在なクランパー
3と、クランパー3をステージ2へ磁着するマグネット
2aとを備えている。開閉装置は、クランパー駆動手段
となるステップモーター23と周知の駆動力伝達機構と
から構成されている。
【0017】クランパー3は版胴1の母線と平行に延在
しており、図2に示すように、その全幅Eはマスタ9の
幅Wよりも幾分長く、かつ版胴1の幅Lよりも短く形成
されている。クランパー3の両矢印Zで示すマスタ9の
幅方向(以下、マスタ幅方向Zと記す)に位置する両側
縁3A,3Bにはクランパー3の内方に凹んだ切欠き部
3L,3Rがそれぞれ形成されており、この切欠き部3
L,3Rは後述するマスタ挟持搬送手段40に設けられ
る一対のマスタ挟持部14,15と干渉しない大きさに
形成されている。クランパー3は、板厚0.8〜1.2
mm程度の金属板等の弾性を有する磁性体により形成さ
れており、切欠き部3L,3Rが形成されたマスタ搬送
方向下流側の部位には、そのほぼ全幅にわたって2箇所
の開口部3a,3bが穿設されている。クランパー3
は、開口部3aと開口部3bとに挟まれた部位において
第1の係止部3cを、開口部3aよりもマスタ搬送方向
上流側の部位において第2の係止部3dをそれぞれ形成
されており、各係止部3c,3dによって係止部Yが構
成されている。図3に示すように、ステージ2にもクラ
ンパー3と同様にマスタ挟持部14,15と干渉しない
大きさに形成された空間2L,2Rが設けられており、
ステージ部2の上面にはステージ部2と同形のマグネッ
ト2aが取り付けられている。
【0018】図1に示すように、張力付与手段12は製
版手段30とマスタ挟持搬送手段40との間に配置され
ており、一対のローラー部材12a,12bを備えてい
る。ローラー部材12a,12bはそれぞれの外周面を
当接して対向配置されており、この例ではほぼ水平に搬
送されるマスタ9の向きをほぼ垂直下方に方向転換する
機能を備え、マスタ9の移動によって互いに連れ回りす
る。一方のローラー部材12bの一端にはトルクリミッ
ター等のブレーキ装置12cが装着されており、マスタ
搬送方向Xに向かって移動するマスタ9に対してその移
動方向に弛みが発生しないように張力を与える構成とな
っている。張力付与手段12は、各ローラー部材12
a,12bのうちの何れか一方を駆動モーターで回転駆
動する構成としてもよく、この場合、駆動されるローラ
ー部材の外周面の周速度を外周面1aの周速度よりも遅
く設定することで、外周面1aに巻装されるマスタ9に
対して張力を与えることができる。また、駆動されるロ
ーラー部材の外周面の周速度はマスタ挟持搬送手段40
の移動速度よりも速く設定されており、マスタ挟持搬送
手段40によって搬送されるマスタ9に対して張力を付
与しないように構成されている。これは、マスタ挟持搬
送手段40によるマスタ9の搬送は、後述するマスタ挟
持部14,15によってマスタ9の先端部9Bの両端の
みを挟持しているため、搬送途中のマスタ9に張力を付
与するとその中央部に弛みが生じてしまうためである。
【0019】マスタ挟持搬送手段40は張力付与手段1
2とマスタ係止手段50との間に配置されており、マス
タ9の先端部9Bを挟持しながらマスタ係止手段50に
搬送するものである。マスタ挟持搬送手段40は、図4
に示すように、先端部9Bをマスタ幅方向Zの両側縁9
a,9bからその往動行程で挟持する一対のマスタ挟持
部14,15と、マスタ挟持部14,15をマスタ幅方
向Zに相対変位させる変位手段16と、図5に示すよう
に、マスタ挟持部14,15を実線で示す第1の位置と
二点鎖線で示す第2の位置との間で往復移動させる移動
手段17とを備えている。マスタ挟持搬送手段40に
は、切断手段20がマスタ挟持部14,15よりもマス
タ搬送方向Xの下流側に装着されている。ここでいう第
1の位置とは、マスタ挟持部14,15が切断手段20
の手前まで搬送されたマスタ9の先端部9Bを挟持する
位置を指し、第2の位置とは、マスタ挟持部14,15
が先端部9Bを挟持した状態でマスタ係止位置において
開放された係止部Yを通過し、係止部Yで先端部9Bを
係止(挟持)可能な位置を指す。
【0020】マスタ挟持部14,15は、図4、図6に
示すように、先端部9Bの両側縁9a,9bを両主面
(表裏面)9C,9D側から挟持するように開閉自在に
設けられた挟持部材となる上搬送クランパー26A,2
6B及び下搬送クランパー27A,27Bと、上搬送ク
ランパー26A,26Bを開閉させる挟持部駆動手段で
ある電磁ソレノイド28A,28Bと、付勢手段である
コイルバネ29A,29Bとをそれぞれ備えている。下
搬送クランパー27A,27Bは板状部材からなり、マ
スタ挟持搬送手段40のフレーム141に対してマスタ
幅方向Zに向けてそれぞれ摺動自在に支持されている。
具体的には、下搬送クランパー27A,27Bにマスタ
幅方向Zに延在する長孔31A,31Bを形成し、この
長孔31A,31Bにフレーム141のマスタ幅方向Z
に並列に立設した段ねじ32A,32Bと段ねじ33
A,33Bとをそれぞれ遊嵌する。下搬送クランパー2
7A,27Bは、その一端側をマスタ幅方向Zとほぼ直
交する方向に折り曲げ、その下端をマスタ幅方向Zにお
ける内側に折り曲げて当接部27C,27Dを形成して
いる。この当接部27C,27Dは、それぞれがマスタ
9の裏面9Dに均一に当接するように、互いに同一平面
上に配置されている。
【0021】上搬送クランパー26A,26Bは、当接
部27C,27Dの基部に軸34a,34bによってそ
れぞれ開閉自在に支持されている。電磁ソレノイド28
A,28Bは上搬送クランパー26A,26Bの上方に
位置する下搬送クランパー27A,27Bに装着されて
おり、その可動片28C,28Dを上搬送クランパー2
6A,26Bにそれぞれピン結合されている。電磁ソレ
ノイド28A,28Bとしては、駆動信号が入力される
と可動片28C,28Dを押し出すプッシュ型が採用さ
れている。コイルバネ29A,29Bは電磁ソレノイド
28A,28Bと上搬送クランパー26A,26Bとに
その両端を係止されており、上搬送クランパー26A,
26Bに開方向への回動習性を与えている。下搬送クラ
ンパー27A,27Bの他端側には、図2に符号A,B
で示す先端部9Bの両側縁9a,9bを挟持できる挟持
位置と、同図に符号C,Dで示す両側縁9a,9bから
外方に外れた離脱位置とにマスタ挟持部14,15をマ
スタ幅方向Zに変位移動させる変位手段駆動機構25が
配設されている。離脱位置C,Dはクランパー3の両側
縁3A,3Bよりも外方に位置している。
【0022】変位手段駆動機構25は、図4,図6に示
すように、その駆動源となる正逆回転可能な駆動モータ
ー35と、駆動モーター35の出力軸35aに装着され
たピニオンギヤ36と、ラックギヤ37,38とから主
に構成されている。ラックギヤ37,38は下搬送クラ
ンパー27A,27Bの他端にそれぞれ形成されてお
り、フレーム141のほぼ中央に配置されたピニオンギ
ヤ36に対して上下方向から互いに対向して噛合してい
る。変位手段駆動機構25は、駆動モーター35が図4
において時計回り方向(正方向)に回転駆動すると下搬
送クランパー27A,27Bを実線矢印で示す方向に移
動させてマスタ挟持部14,15を離脱位置へと変位さ
せ、駆動モーター35が図4において反時計回り方向
(逆方向)に回転駆動すると下搬送クランパー27A,
27Bを破線矢印で示す方向に移動させてマスタ挟持部
14,15を挟持位置へと変位させるように構成されて
いる。
【0023】下搬送クランパー27Aの長孔31Aの近
傍には、挟持位置と離脱位置とを検知する検知手段とし
ての挟持位置検知センサー41及び離脱位置検知センサ
ー42が配設されている。挟持位置検知センサー41及
び離脱位置検知センサー42にはそれぞれマイクロスイ
ッチが用いられており、離脱位置検知センサー42は、
図6に示すように、レバー42aを段ねじ32Bによっ
て押されると離脱位置検知信号を出力し、挟持位置検知
センサー41はレバー41aを段ねじ32Aによって押
されると挟持位置検知信号を出力する。
【0024】切断手段20は、図4、図5、図6に示す
ように、切断部材となる円形刃部43がマスタ搬送路に
臨むようにフレーム141のマスタ搬送路との対向面1
41cに装着されている。切断手段20は、対向面14
1cのマスタ幅方向Zに延在して固定されたレール44
と、レール44に摺動自在に支持されたスライダー45
と、スライダー45に回転自在に支持された円形刃部4
3とを有するロータリーカッターとを有しており、後述
する駆動モーター39によってマスタ切断時に摺動す
る。円形刃部43は、その外周面が当接面27C,27
Dよりもやや下方に位置するようにスライダー45に支
持されている。
【0025】移動手段17は、図5に示すように、フレ
ーム141に支持された回動軸47と、この回動軸47
の一端に固定された歯車48と、駆動源となる正逆回転
可能な駆動モーター46とを備えている。駆動モーター
46はフレーム141に固定されており、その出力軸4
6aには駆動歯車49が固定されている。歯車48には
駆動歯車49が噛合しており、歯車48の駆動歯車49
との噛合位置と対向する位置にはラック51が噛合して
いる。回動軸47は、図4に示すように、フレーム14
1の両側部に起立して設けられた側面141a,141
bの上部に軸受52,52で回転自在に支持されてお
り、その両端を側面141a,141bよりも外方に突
出させている。側面141a,141bの下部には、一
対のガイドピン53,53がマスタ幅方向Zに突出して
設けられている。
【0026】回動軸47の両端とガイドピン53,53
とは、図5に示すように、図示しない装置のフレームに
形成した長孔54,55にそれぞれ遊嵌されている。長
孔54,55は、それぞれ張力付与手段12から図1に
示すマスタ係止位置にあるマスタ係止手段50に向かっ
て延在して形成され、かつその下端部が版胴1側に向け
て曲折形成されており、マスタ挟持搬送手段40を張力
付与手段12の直下流からマスタ係止手段50の係止部
Yの下流まで、すなわち第1の位置から第2の位置まで
摺動自在に支持している。これによりマスタ挟持搬送手
段40は、マスタ係止手段50まで案内されると共に、
往復動作時に揺れないように構成されている。
【0027】マスタ挟持搬送手段40は長孔54,55
に沿って第2の位置に移動するが、長孔54,55の下
端部が版胴1の方向へ曲折形成されていることにより、
マスタ挟持部14,15は第2の位置を占めたときにそ
れぞれステージ2に設けられた空間2L,2R内へと案
内され、第2の位置におけるマスタ挟持搬送手段40の
マスタクランプ位置がステージ2とクランパー3とのマ
スタクランプ位置よりも下側(版胴外周面寄り)に位置
する状態となる。これにより図7に示すように、マスタ
9の先端部9Bの両側縁9a,9bを挟持した状態でマ
スタ挟持搬送手段40がステージ2のクランプ面よりも
下側に位置するので、マスタ9がその幅方向に広がりマ
スタ先端部9Bにおける弛みが伸ばされる。ここでいう
マスタ係止位置とは、マスタ係止手段50によってマス
タ9を係止するときに版胴1が停止する位置を指し、本
実施例では、クランパー3が上方を向いた状態で開放す
る、マスタ係止手段50が右真横よりもやや版胴回転方
向上流側に位置する図1に示す位置を指す。駆動モータ
ー46は、第1の位置から第2の位置までマスタ挟持搬
送手段40を移動させる往動時に図5において時計回り
方向(正方向)に回転駆動され、第2の位置から第1の
位置までマスタ挟持搬送手段40を移動する複動時に図
5において反時計回り方向(逆方向)に回転駆動され
る。
【0028】マスタ挟持搬送手段40の近傍には、マス
タ挟持搬送手段40が第1の位置に位置決めされたこと
を検知する第1位置検知センサー56と、第2の位置に
位置決めされたことを検知する第2位置検知センサー5
7とが配置されている。第1位置検知センサー56はマ
スタ挟持搬送手段40が第1の位置を占めたときに、フ
レーム141の一部で押されることで第1位置検知信号
を出力し、第2位置検知センサー57はマスタ挟持搬送
手段40が第2の位置を占めたときに、フレーム141
の一部で押されることで第2位置検知信号を出力するリ
ミットスイッチからそれぞれ構成されている。マスタ挟
持搬送手段40は、マスタ挟持部14,15が挟持位置
Aにあるときをホームポジションとしている。
【0029】本実施例において、マスタ挟持搬送手段4
0はほぼ垂直方向に往復移動可能に構成されている。ラ
ック51は長孔54と平行に配置され、図示しないフレ
ームに固定されている。このためマスタ挟持搬送手段4
0は、駆動モーター46が駆動しないときに、駆動歯車
49と歯車48とラック51との噛合により一定の位置
に保持される。つまり、ラック51は、歯車48と相俟
ってマスタ挟持搬送手段40の落下防止(ストッパー)
手段と位置決め手段とを構成している。
【0030】孔版印刷装置は、図8に示す制御手段70
を備えている。制御手段70はROMやRAMを備えた
周知のマイクロコンピューターから構成されており、各
手段の駆動回路やコントローラーとして機能している。
制御手段70には、停止指令手段となるストップキー6
1、製版指令手段となる製版スタートキー62、印刷指
令手段となる印刷スタートキー63、第1位置検知セン
サー56、第2位置検知センサー57、挟持位置検知セ
ンサー41、離脱位置検知センサー42、ステップモー
ター21,23、各種駆動モーター22、35、39、
46、電磁ソレノイド28A,28B及び電源58がそ
れぞれ電気的に接続されている。
【0031】制御手段70は、製版スタートキー62が
押下されて製版指令が出力されると、マスタ挟持搬送手
段40により製版済みマスタ9Aを版胴1上のクランパ
ー3に向けて搬送すると共に、この製版済みマスタ9A
を外周面1aに巻装する製版動作を行う機能と、印刷ス
タートキー63が押下されて印刷指令が出力されると、
図示しないテンキーで設定された印刷枚数の印刷を実行
する周知の印刷動作を行う機能と、ストップキー61が
押下されると製版動作や印刷動作を停止させる機能と、
駆動モーター39を制御する制御部71とを備えてい
る。以下、制御手段70による製版機能と制御部71に
よる装置動作とを中心に説明する。
【0032】図1において、新品のマスタロール9Rを
装置にセットする場合には、マスタロール9Rを巻き解
いた後にプラテンローラー10とサーマルヘッド11と
の間にマスタ9を通し、ローラー部材12a,12b間
にマスタ9を介装させて先端部9Bをマスタ挟持搬送手
段40まで位置させておく。製版スタートキー62が押
下されると駆動モーター22が所定量駆動され、周知の
排版手段によって印刷を終えた図示しない印刷済みマス
タが外周面1aから排除され、版胴1がマスタ係止位置
で停止する。版胴1がマスタ係止位置を占めると、ステ
ップモーター23が駆動されてクランパー3がマスタ係
止位置において開状態となる。第1位置検知センサー5
6から第1位置検知信号の出力があると、マスタ挟持搬
送手段40がホームポジションにあるとして電磁ソレノ
イド28A,28Bが駆動される。この駆動動作によっ
て上搬送クランパー26A,26Bが閉動作され、マス
タ9の先端部9Bの両側縁9a,9bが両主面(表面及
び裏面)9C,9D側からマスタ挟持部14,15で挟
持される。すなわち図9(a)、図9(b)に示すよう
にクランパー3は開状態におかれ、マスタ9の先端部9
Bの両側縁9a,9bは第1の位置においてマスタ挟持
部14,15で挟持される。
【0033】電磁ソレノイド28A,28Bがオンされ
ると駆動モーター35へ所定時間(数msec)の通電
がなされ、駆動モーター35が図6において時計回り方
向に回転する。これによりピニオンギヤ36が時計回り
方向に微量だけ回転駆動され、これと噛合するラック3
7,38を有する下搬送クランパー27A,27Bが図
6の二点鎖線位置から実線位置に向かう方向に相対移動
する。下搬送クランパー27A,27Bの相対移動量
は、マスタ挟持部14,15からマスタ9が抜けない程
度であり、かつマスタ9に伸びが生じない程度に設定さ
れている。この移動により、マスタ9の先端部9Bの両
側縁9a,9bを挟持した状態でマスタ挟持部14,1
5がマスタ幅方向Zに広がるので、マスタ9の先端部9
Bにおける弛みがさらに伸ばされる。
【0034】電磁ソレノイド28A,28Bが駆動さ
れ、さらに駆動モーター35への通電が終了すると、ス
テップモーター21が起動してプラテンローラー10が
時計回り方向に回転駆動されてマスタ9が送り出される
と同時に画像情報に応じてサーマルヘッド11の発熱素
子が選択的に発熱され、プラテンローラー10によりサ
ーマルヘッド11に押圧されたマスタ9が選択的に溶融
されて穿孔される。このように穿孔された製版済みマス
タ9Aは、プラテンローラー10によってマスタ搬送方
向Xに搬送される。
【0035】一方、第1位置検知センサー56から第1
位置検知信号の出力があると、図5に示す駆動モーター
46が時計回り方向に回転駆動され、同図においてマス
タ挟持搬送手段40が第2の位置に向かって下方へと移
動する。このときのマスタ挟持搬送手段40の移動速度
は、プラテンローラー10によるマスタ搬送速度とほぼ
同一の速度で搬送される。このように、マスタ挟持搬送
手段40が往動することで、製版済みマスタ9Aがロー
ラー部材12a,12bとの間で張力を付与されながら
クランパー3に向かって搬送される。
【0036】マスタ挟持搬送手段40が拡開しているス
テージ2とクランパー3との間を通過して第2の位置を
占めると、第2位置検知センサー57から第2位置検知
信号が出力されて駆動モーター46が停止される。これ
により図10(a),図10(b)に示すように、マス
タ挟持部14,15は係止部Yを通過して切欠き部3
L,3R内の挟持位置Bにて、製版済みマスタ9Aをそ
の幅方向に伸ばした状態で停止する。そして、駆動モー
ター46が停止するとステップモーター23が閉方向に
回転駆動され、これにより図1に示す位置(図11に二
点鎖線で示す位置)である開放位置を占めたクランパー
3が閉方向に回動される。クランパー3が閉方向に所定
量回動されると、図11に実線で示すように、第1の係
止部3cがマグネット2aの磁力によって下方へと撓
み、その中央部により先端部9Bの中央部をステージ2
上に係止させる。これにより先端部9Bは、マスタ挟持
部14,15及び第1の係止部3cによってそのほぼ全
幅をステージ2上に係止された状態となる。この後、ク
ランパー3がさらに閉方向に回動されることにより、第
2の係止部3dにより製版済みマスタ9Aが全幅にわた
ってステージ2上に係止され、マスタ係止手段50によ
る製版済みマスタ9Aの版胴1上への係止が完了する。
【0037】第2の係止部3dによる製版済みマスタ9
Aの係止時において、マスタ係止位置である版胴1の停
止位置が、マスタ係止手段50が右真横よりもやや版胴
回転方向上流側に位置するように設定されているため、
図12に示すように、製版済みマスタ9Aに対してマス
タ搬送方向側への張力が付与され、製版済みマスタ9A
の弛みが除去される。マスタ係止手段50による製版済
みマスタ9Aの係止動作完了後、電磁ソレノイド28
A,28Bが非駆動(オフ)とされてマスタ挟持部1
4,15による挟持が開放される。上述した一連の動作
により、製版済みマスタ9Aが静電気を帯びていたりカ
ールした状態であってもローラー部材12a,12bへ
の巻き付きを防止することができ、製版済みマスタ9A
を確実にクランパー3まで搬送することができる。
【0038】電磁ソレノイド28A,28Bがオフされ
ると駆動モーター35が図6において時計回り方向に駆
動し、離脱位置検知センサー42から離脱位置検知信号
が出力されるまで駆動される。これによりピニオンギヤ
36が時計回り方向に回転駆動して、それと噛合するラ
ック37,38を有する下搬送クランパー27A,27
Bが図6の二点鎖線位置から実線位置に向かって相対移
動する。段ねじ32Bによって離脱位置検知センサー4
2のレバー42aが押されて離脱位置検知信号が出力さ
れると、駆動モーター35の回転が停止してマスタ挟持
部14,15は第2の位置において離脱位置Cを占め
る。
【0039】離脱位置検知センサー42から離脱位置検
知信号が出力されると、図5に示す駆動モーター46が
反時計回り方向に回転駆動され、この動作は第1位置検
知センサー56から第1位置検知信号の出力があるまで
行われる。この動作により、同図に二点鎖線で示す第2
の位置に置かれたマスタ挟持搬送手段40が第1の位置
へと復動され、マスタ挟持部14,15は離脱位置Dに
位置決めされる。このように、マスタ挟持部14,15
はマスタ挟持搬送手段40の復動時において離脱位置を
占めた状態で第2の位置から第1の位置へと移動される
ため、その移動中に両側縁9a,9bや両側縁3A,3
Bと干渉することがなくなる。
【0040】ステップモーター21は、マスタ挟持搬送
手段40の移動動作中、すなわち図2においてマスタ挟
持部14,15が離脱位置C,D間を移動している間も
駆動されているので、プラテンローラー10によるマス
タ9の搬送動作は行われている。このため、プラテンロ
ーラー10とローラー部材12a,12bとの間には、
製版済みマスタ9Aの過分送りが生じる。第1位置検知
センサー56から第1位置検知信号が出力されると、駆
動モーター22は版胴1を図1において矢印方向に回転
駆動させる。過分送りされた製版済みマスタ9Aは、版
胴1の回転により外周面1aに製版されつつ巻き付けら
れる。
【0041】ステップモーター21を所定量回転駆動し
てマスタ9が所定量製版搬送されると、版胴1の外周面
1aへ巻装される1版分の製版済みマスタ9Aが作成さ
れたものとしてステップモーター21及び駆動モーター
22が停止される。製版動作完了後、駆動モーター35
が図6において反時計回り方向に駆動されてピニオンギ
ヤ36が反時計回り方向に回転し、下搬送クランパー2
7A,27Bが破線方向に相対移動する。そして、段ね
じ32Aによって挟持位置検知センサー41のレバー4
1aが押されて挟持位置検知信号が出力されると駆動モ
ーター35の回転が停止し、マスタ挟持部14,15は
挟持位置Aに保持される。
【0042】これに伴い、制御部71では電磁ソレノイ
ド28A,28Bを駆動(オン)し、上搬送クランパー
26A,26Bを閉じて両側縁9a,9bを挟持し、そ
の状態を保持したまま切断手段20の駆動モーター39
を駆動する。これによりスライダー45が図6において
右方から左方に摺動され、製版済みマスタ9Aの後端が
円形刃部43で切断される。製版済みマスタ9Aはその
先端部9Bをクランパー3で係止され、その後端部のマ
スタ搬送方向Xにおける上流側の部位をマスタ挟持部1
4,15に挟持された状態で切断されるので、マスタ9
を良好に切断できるとともに、切断後にマスタ9の先端
部9Bをマスタ挟持部14,15まで搬送する必要がな
くなる。よって、マスタ9が帯電していたりマスタ9に
巻き癖が残っていた場合であっても、製版手段30とマ
スタ挟持搬送手段40との間においてマスタ9が詰まる
ことが防止される。切断後、電磁ソレノイド28A,2
8Bがオフされてマスタ挟持部14,15が開放される
と共に、駆動モーター22が版胴1を図1の矢印方向に
回転させて外周面1aに製版済みマスタ9Aが巻装され
る。
【0043】この後、制御手段70は駆動モーター22
を駆動して版胴1を図1の矢印方向に低速で回転駆動さ
せ、図示しない給紙装置から1枚の印刷用紙73を周知
のレジストローラー72に向けて給紙させる。このと
き、インキローラー4も版胴1の回転方向と同方向に回
転され、版胴1の内周面にインキが供給される。レジス
トローラー72は、版胴1の回転と同期した所定のタイ
ミングで、版胴1とプレスローラー8との間に向けて印
刷用紙73を給送する。すると、プレスローラー8が図
1において実線で示す離間位置から二点鎖線で示す押圧
位置まで移動し、矢印方向に回転駆動する版胴1の外周
面1aに巻装された製版済みマスタ9Aに対して印刷用
紙73を押圧する。これにより製版済みマスタ9Aの穿
孔部分からインキが滲出しつつ製版済みマスタ9Aが外
周面1aに密着され、いわゆる版付けが完了し、各駆動
モーターやステップモーターが停止されて孔版印刷装置
は印刷待機状態となる。図示しないテンキーにより印刷
枚数が設定されて、印刷スタートキー63が押下される
と、版胴1が高速で回転されると共にプレスローラー8
及びレジストローラー72が版付けと同様に駆動され、
設定された枚数分の印刷が印刷用紙73に行われる。
【0044】このように本実施例では、製版手段30か
らマスタ係止手段50へのマスタ9(製版済みマスタ9
A)の受渡しを、マスタ挟持部14,15によってマス
タ9を挟持した状態で行うので、ローラー部材の回転に
よるマスタ9の押し出し搬送と違い、マスタ9の静電気
による貼り付きやカール等による搬送不良の発生を防止
することができる。また、先端部9Bの両側縁9a,9
bをマスタ挟持部14,15で挟持した状態でマスタ挟
持部14,15をマスタ幅方向Zに向けて拡開して先端
部9Bの弛みを伸ばすと共に、マスタ挟持部14,15
及び第1の係止部3cによって先端部9Bのほぼ全幅を
係止し、さらに第2の係止部3dによる係止時におい
て、マスタ9に対してマスタ搬送方向への張力を加えた
状態で先端部9Bをクランパー3で係止するので、係止
時において製版済みマスタ9Aのマスタ搬送方向及びマ
スタ幅方向にシワや弛みが発生することを防止できる。
【0045】さらに、切断手段20がマスタ挟持搬送手
段40よりもマスタ搬送方向Xの下流側に配置され、両
側縁9a,9bをマスタ挟持部14,15が挟持した状
態で切断が行われるので、製版済みマスタ9Aの切断
後、後続する未製版のマスタ9の先端部9Bが既に当接
部27C,27D上に位置しており、切断後のマスタ9
を従来のようにマスタ挟持搬送手段40まで搬送する必
要がなくなり、製版手段30とマスタ挟持搬送手段40
との間でのマスタ9の詰まりや、それによるシワの発生
を防止することが可能となる。また、マスタ挟持部1
4,15で先端部9Bを挟持されたマスタ9は係止部Y
よりもマスタ搬送方向Xの下流側まで搬送されるので、
先端部9Bを確実にクランパー3で係止することができ
る。
【0046】上記実施例の変形例として、図13に示す
ように、クランパー3と同様の切欠き部18L,18
R、開口部18a,18b、第1の係止部18c、第2
の係止部18dを有し、その先端部である自由端部(第
2の係止部18dの端部)が、中央が凸となる形状に形
成されたクランパー18をクランパー3に代えて用いた
マスタ係止手段を採用してもよい。このクランパー18
においても第1の係止部18cと第2の係止部18dと
によって係止部が構成される。このような構成とするこ
とにより、クランパー18によるマスタ9(製版済みマ
スタ9A)の係止時において、マスタ9にはその幅方向
外側への張力が付与されるので、マスタ9へのしわや弛
みの発生を効果的に防止することができる。なお、この
変形例ではクランパー18の先端部の形状を円弧状とし
たが、中央が凸となる形状であればこの限りではない。
【0047】上記実施例及び変形例では、クランパー3
に対して先端部9Bを上方から搬送すべくマスタロール
9Rの配設位置と版胴1のマスタ係止位置とが設定され
ているため、マスタ挟持搬送手段40を垂直方向に往復
移動させる構成としたが、この構成に限定されるもので
はない。クランパー3に対して先端部9Bを水平方向か
ら搬送挿入すべくマスタロール9Rの配設位置と版胴1
のマスタ係止位置とを設定した場合には、マスタ挟持搬
送手段40を水平方向に往復移動させるべく長孔54,
55を水平に設けると共にその版胴1側端部を版胴1寄
りに曲折形成し、回動軸47を回転させて長孔54内を
マスタ挟持搬送手段40が走行するように構成すればよ
い。また、この場合には、ラック51を設けなくともよ
い。
【0048】また、上記実施例及び変形例では、先端部
9Bをマスタ挟持部14,15で挟持し、製版手段30
でマスタ9を製版しつつマスタ挟持搬送手段40により
製版済みマスタ9Aをクランパー3まで搬送して係止す
るように構成しているが、先端部9Bをマスタ挟持部1
4,15で挟持し、製版前にクランパー3までマスタ挟
持搬送手段40によりマスタ9を搬送し、クランパー3
による係止後にマスタ9に対する製版を行ってもよい。
ただし、外周面1aに巻装される1枚の製版済みマスタ
9Aの長さは外周面1aの円周長によってその長さが制
限されるため、製版済みマスタ9Aの製版領域が減少し
てしまうことがある。したがって、この場合にはマスタ
挟持搬送手段40の往復移動範囲を少なくし、かつ版胴
1のマスタ係止位置をよりマスタ挟持搬送手段40寄り
に設定することで、マスタ9における未製版領域を減少
させて製版領域を確保すればよい。
【0049】上記実施例及び変形例中、マスタ9として
実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用
いたが、マスタとしてはこれに限られず、多孔性支持体
を有するもの、若しくはこのマスタよりも多孔性支持体
の厚さを更に減少させた薄いマスタを使用してもよい。
また、上記実施例及び変形例では、先端部9Bをマスタ
挟持搬送手段40のマスタ挟持部14,15で挟持した
後に切断手段20で所定の長さに切断しているが、比較
的帯電しにくいマスタまたは帯電しにくい環境下の場合
には、マスタの巻き付き等の不具合がほとんど発生しな
いので、マスタ挟持部14,15での挟持後に製版済み
マスタ9Aを切断しなくともよい。
【0050】上記実施例及び変形例中、切断手段20を
フレーム141に装着し、マスタ挟持搬送手段40の往
復動作に伴い切断手段20を一体的に移動させるように
構成したが、これに限らず、孔版印刷装置の図示しない
フレーム等に切断手段20を装着して、マスタ挟持搬送
手段40と切断手段20とを別々に設けても無論構わな
い。この場合、マスタ挟持搬送手段40が第1の位置を
占めるときのマスタ挟持部14,15よりもマスタ搬送
方向Xの下流側に切断手段20を配置する。また、切断
手段20として円形刃部43を摺動させるロータリーカ
ッターを例示したが、固定刃に対して可動刃を回転させ
るタイプや、いわゆるギロチンタイプのものを採用して
もよい。
【0051】
【発明の効果】請求項1、請求項2記載の発明によれ
ば、マスタの先端部のほぼ全幅をマスタ挟持搬送手段と
第1の係止部とによって係止した後、第2の係止部が閉
じるときにマスタに対してマスタ搬送方向への張力を付
与するので、マスタへのクランプしわや弛みの発生を防
止することができる。また、製版手段からマスタ係止手
段へのマスタの受渡しを、マスタ挟持搬送手段によって
マスタを挟持した状態で行うので、マスタの静電気によ
る貼り付きやカール等による搬送不良の発生を防止する
ことができる。また、マスタをマスタ挟持搬送手段で挟
持した後、マスタ挟持搬送手段を幅方向に向けて拡開し
てマスタの弛みを伸ばした状態で第2の係止部による係
止を行うので、係止時においてマスタの幅方向にシワや
弛みが発生することを防止できる。さらに、係止時にお
けるマスタへのしわや弛みの発生を防止することにより
係止位置精度を向上させることができ、版胴上における
画像位置精度を確保することで良好な画像を得ることが
できると共に、多色印刷時における色ずれの発生を防止
することができる。
【0052】請求項3記載の発明によれば、マスタ係止
手段による係止時においてマスタには幅方向外側への張
力が付与されるので、マスタへのしわや弛みの発生を効
果的に防止することができる。
【0053】請求項4記載の発明によれば、マスタ係止
手段による係止時において、マスタに対してマスタ搬送
方向への張力を加えることができ、マスタの搬送方向に
シワや弛みが発生することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いられる孔版印刷装置の
概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例に用いられるマスタ挟持搬送
手段の第1の位置と第2の位置及びマスタ挟持部の挟持
位置と離脱位置とを示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられるステージを説明
する斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に用いられるマスタ挟持搬送
手段の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施例に用いられるマスタ挟持搬送
手段に設けた移動手段の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に用いられるマスタ挟持部と
変位手段との駆動機構及び挟持部駆動部材の構成及び動
作を示す正面図である。
【図7】本発明の一実施例に用いられるマスタ挟持搬送
手段の第2の位置における状態を説明する図である。
【図8】本発明の一実施例に用いられる制御手段と制御
部の一構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施例に用いられるマスタ挟持部の
第1の位置における挟持位置を示す(a)平面図(b)
側面図である。
【図10】本発明の一実施例に用いられるマスタ挟持部
の第2の位置における挟持位置を示す(a)平面図
(b)側面図である。
【図11】本発明の一実施例における第1の係止部によ
るマスタ先端部の係止状態を説明する図である。
【図12】本発明の一実施例におけるマスタ係止手段の
マスタ係止状態を説明する図である。
【図13】本発明の一実施例の変形例に用いられるクラ
ンパーを示す図である。
【符号の説明】
1 版胴 1a 外周面 3c,18c 第1の係止部 3d,18d 第2の係止部 9 マスタ 9A 製版済みマスタ 9B 先端部 20 切断手段 30 製版手段 40 マスタ挟持搬送手段 50 マスタ係止手段 Y 係止部 X マスタ搬送方向 Z マスタ幅方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタの先端部を係止する係止部を有する
    マスタ係止手段を外周面の一部に具備した版胴と、画像
    情報に応じて前記マスタを製版し、前記マスタを前記版
    胴の外周面に巻装させるべく搬送する製版手段と、前記
    製版手段で製版された製版済みマスタを一定の長さに切
    断する切断手段とを有する印刷装置において、 前記版胴が前記係止部で前記先端部を係止するマスタ係
    止位置に停止したときの前記マスタ係止手段の近傍に、
    前記切断手段よりもマスタ搬送方向上流側に位置して前
    記先端部を挟持する第1の位置と、前記係止部を通過し
    て該係止部で前記先端部を係止可能な第2の位置との間
    で往復変位可能なマスタ挟持搬送手段を有すると共に、
    前記係止部が前記先端部の中央部を係止する第1の係止
    部と前記先端部を全幅にわたって係止する第2の係止部
    とを有し、 前記マスタ挟持搬送手段が第2の位置を占めると共に前
    記先端部をマスタ幅方向に所定量拡開した後、第1の係
    止部により前記先端部の中央部を係止し、その後、第2
    の係止部により前記先端部を全幅にわたって係止するこ
    とを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】前記マスタ係止手段が弾性を有する磁性体
    からなることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 【請求項3】前記マスタ係止手段の先端部は、その中央
    が凸となる形状に形成されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の印刷装置。
  4. 【請求項4】前記係止部による前記マスタの係止時にお
    いて、前記マスタに対してその搬送方向への張力を付与
    するべく前記マスタ係止位置が設定されていることを特
    徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の印刷
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11348400A (ja) * 1998-06-08 1999-12-21 Tohoku Ricoh Co Ltd 印刷装置

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