JP2001105712A - 孔版印刷装置及び孔版印刷方法 - Google Patents

孔版印刷装置及び孔版印刷方法

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JP2001105712A
JP2001105712A JP29102299A JP29102299A JP2001105712A JP 2001105712 A JP2001105712 A JP 2001105712A JP 29102299 A JP29102299 A JP 29102299A JP 29102299 A JP29102299 A JP 29102299A JP 2001105712 A JP2001105712 A JP 2001105712A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被印刷物として厚物が用いられた場合でも5
00枚以上の印刷を行うことが可能な孔版印刷装置及び
孔版印刷方法、さらには被印刷物として凹凸が多く紙の
腰の強い用紙が用いられた場合でも5000枚以上の印
刷を行うことが可能な孔版印刷装置及び孔版印刷方法を
提供する。 【解決手段】 内部にインキ供給手段6を有すると共に
外周面に開孔部56bを有する版胴56と、被印刷物と
して厚紙、葉書、封筒等の厚物Pを給送可能な給紙手段
27と、製版手段10と、押圧手段18と、被印刷物と
して厚物Pが用いられる際に選択される厚物モードを有
し、該厚物モード選択時に製版手段10を作動させ、マ
スタ16に対して厚物Pに印刷される画像に応じた穿孔
製版を行い、このマスタ16を版胴56に巻装させた後
に製版手段10を再び作動させ、マスタ16に対して開
孔部56bの全域に応じた穿孔製版を行い、このマスタ
16を先のマスタ16の上に巻装させる制御手段60を
有する孔版印刷装置55。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は版胴に巻装されたマ
スタに用紙を押圧して印刷を行う孔版印刷装置及びこれ
を用いた印刷方法に関し、詳しくは厚紙、葉書、封筒等
の厚物を印刷することが可能な孔版印刷装置及び印刷方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、簡便な印刷方法としてデジタ
ル式感熱孔版印刷が知られている。これは、熱可塑性樹
脂フィルムと多孔質支持体とを貼り合わせた構造の感熱
孔版マスタ(以下「マスタ」という)に微細な発熱素子
が1列に並んだサーマルヘッドを接触させ、この発熱素
子に対しパルス的に通電を行いながらマスタをプラテン
ローラー等の搬送手段で搬送することにより、マスタの
熱可塑性樹脂フィルムに画像情報に基づいた穿孔画像を
熱溶融穿孔製版した後、この穿孔製版されたマスタを多
孔性円筒状の版胴に巻装させ、押圧手段によって印刷用
紙を版胴の外周面に押圧させることで、版胴の開孔部及
びマスタの穿孔部から滲出したインキを印刷用紙に転移
させて印刷画像を得るものである。
【0003】押圧手段としては、直径25〜50mm程
度の回転自在なゴムローラーであるプレスローラー、あ
るいは版胴と同一直径の圧胴等が主に用いられている。
版胴と同一周速度で回転駆動される圧胴は、版胴のクラ
ンパーと対応するその外周の一部に凹部を有しており、
版胴に対する接離時における移動量がプレスローラーに
比して小さいことにより印刷時に発生する騒音がプレス
ローラーよりも小さく、また凹部に設けられた用紙クラ
ンパーにより用紙先端を係止できるので排紙巻き上がり
の防止や画像位置及びレジスト精度の向上を図ることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の孔版印刷装置で
は、厚紙、葉書、封筒等の厚物に印刷を行う場合に、1
00〜200枚印刷しただけでマスタが破れ、画像のな
い部分にインキ汚れが発生するという問題点がある。こ
れは、図19に示すように厚紙や葉書を裁断する際に発
生する端部かえりや、図20に示すように厚く形成され
たりあるいは折りが悪くて突出した封筒の角部がマスタ
に接触し、これらによってマスタに孔があくことにより
発生する不具合である。図20に示す不具合は、主に葬
儀案内等に用いられる鼠枠封筒を用いた場合に発生し易
い。
【0005】この問題点を解決するため、本願出願人は
特開平11−227310号において、圧胴の外周面に
マイクロセルのスポンジ状弾性体を設け、圧胴外周面の
硬度を下げて上述のかえりや角部を吸収することにより
マスタにかかる応力を減少させ、マスタの破損を防止す
る技術を提案している。しかし、この技術によってもマ
スタの耐刷枚数は300〜400枚であり、かえりの大
きいものや大きく突出した角部では100〜200枚程
度で破損してしまう場合もあった。また、マイクロセル
は通常のゴムに比して高価であるうえ、発泡体であるた
めに押圧力が低く、両端部近傍で画像がかすれてしまう
という問題点もある。これらの問題点は圧胴に限られ
ず、プレスローラーにおいても同様である。
【0006】さらに上述の孔版印刷装置では、厚紙や封
筒に拘わらず用紙を版胴と押圧手段との間に送り出す際
に、図21に示すように版胴の周速度v1に対して用紙
搬送速度v2が大きくなるように設定されている。これ
は、用紙が用紙ストッパーより抜けないためであり、こ
れにより版胴と圧胴とで用紙を押圧する前に用紙にたる
みAが形成され、版胴上のマスタとB点において接触す
る。用紙の表面は繊維状の凹凸があり一種の紙ヤスリと
なるため、1000〜2000枚程度の印刷を行うとB
点においてマスタと用紙とが接触することでマスタに微
細な孔が複数形成される。これにより、図22に示すよ
うに画像のない用紙先端部(用紙先端から5〜10mm
の位置が多い)にインキの汚れが付着する、いわゆる砂
目という画像不良が発生するという問題点がある。この
砂目は、凹凸が多く紙の腰の強い用紙、例えば海外で主
に使用されるポンド紙等を使用した場合に発生し易い。
【0007】本発明は上記問題点を解決し、被印刷物と
して厚物が用いられた場合でも500枚以上の印刷を行
うことが可能な孔版印刷装置及び孔版印刷方法、さらに
は被印刷物として凹凸が多く紙の腰の強い用紙が用いら
れた場合でも5000枚以上の印刷を行うことが可能な
孔版印刷装置及び孔版印刷方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を
有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒等の厚
物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送され
た前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手
段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印
刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置に
おいて、前記開孔部の縦横の長さが前記被印刷物として
給送される前記厚物の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5
mm短く形成されていることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、装置本体に着脱自
在に設けられ、内部にインキ供給手段を有すると共に外
周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉
書、封筒等の厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手
段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前
記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を
通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した
孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、前記被印
刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴として
前記厚物の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mm短く形
成された前記開孔部を有するものが用いられることを特
徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、内部にインキ供給
手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周面
上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物として厚紙、
葉書、封筒等の厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙
手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、
前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部
を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備し
た孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、前記被
印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴の外
周面上に巻装される前記マスタとして、前記厚物に印刷
される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタ
と、前記開孔部全域に応じた穿孔製版がなされた第2の
マスタとを用い、前記版胴の外周面上に第1のマスタを
巻装後、その上面に第2のマスタを巻装して印刷を行う
ことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、内部にインキ供給
手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被
印刷物として厚紙、葉書、封筒等の厚物を給送可能な給
紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙
手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、
前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部
を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備し
た孔版印刷装置において、前記被印刷物として前記厚物
が用いられる際に選択される厚物モードを有し、該厚物
モード選択時に前記製版手段を作動させ、マスタに対し
て前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版を行い、
このマスタを前記版胴に巻装させた後に前記製版手段を
再び作動させ、マスタに対して前記開孔部全域に応じた
穿孔製版を行い、このマスタを先のマスタの上に巻装さ
せる制御手段を有することを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、内部にインキ供給
手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周面
上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物として厚紙、
葉書、封筒等の厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙
手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、
前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部
を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備し
た孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、前記被
印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴の外
周面上に巻装される前記マスタとして、前記厚物に印刷
される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタ
と、第1のマスタの穿孔製版領域よりも1〜5mm広い
領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタと
を用いることを特徴とする。
【0013】請求項6記載の発明は、内部にインキ供給
手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被
印刷物として厚紙、葉書、封筒等の厚物を給送可能な給
紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙
手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、
前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部
を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備し
た孔版印刷装置において、前記被印刷物として前記厚物
が用いられる際に選択される厚物モードを有し、該厚物
モード選択時に前記製版手段を作動させ、前記厚物に印
刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタ
と、第1のマスタの穿孔製版領域よりも1〜5mm大き
い領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタ
とを穿孔製版し、それぞれのマスタを前記版胴に巻装さ
せる制御手段を有することを特徴とする。
【0014】請求項7記載の発明は、内部にインキ供給
手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被
印刷物として厚紙、葉書、封筒等の厚物を給送可能な給
紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙
手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、
前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部
を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備し
た孔版印刷装置において、前記被印刷物として前記厚物
が用いられる際に選択される厚物モードと、前記厚物の
縦横の長さを検出する長さ検出手段とを有し、前記厚物
モード選択時に前記製版手段を作動させ、前記厚物に印
刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタ
と、前記長さ検出手段によって検出された前記厚物の長
さよりも1〜5mm小さい領域の全域に応じた穿孔製版
がなされた第2のマスタとを穿孔製版し、それぞれのマ
スタを前記版胴に巻装させる制御手段を有することを特
徴とする。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項5、請求項
6または請求項7記載の孔版印刷装置において、さら
に、前記押圧手段の押圧力を変化させる押圧力可変手段
を有し、前記厚物モード選択時において、前記制御手段
は前記押圧手段の押圧力を通常時よりも増加させること
を特徴とする。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項5ないし請
求項8のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに、前記製版手段作動時に前記マスタに形成さ
れる穿孔の直径を変化させる穿孔径可変手段を有し、前
記厚物モード選択時において、前記制御手段は前記版胴
上に後から巻装されるマスタの穿孔径を先に巻装される
マスタの穿孔径よりも大きくさせることを特徴とする。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項5ないし
請求項9のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置にお
いて、さらに、前記インキ供給手段が前記版胴に対して
2種類のインキを供給可能であり、前記厚物モード選択
時において、前記制御手段は前記インキ供給手段より前
記版胴に対して通常時とは異なるインキを供給すること
を特徴とする。
【0018】請求項11記載の発明は、内部にインキ供
給手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周
面上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物を給送する
給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物
を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給され
たインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させ
る押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷
方法において、前記版胴の外周面上に巻装される前記マ
スタとして、前記被印刷物に印刷される画像に応じた穿
孔製版がなされた第1のマスタと、前記版胴接触時にお
ける前記被印刷物の先端から10〜15mmの長さであ
る第2のマスタとを用い、前記版胴の外周面上に第1の
マスタを巻装後、その上面に第2のマスタを巻装して印
刷を行うことを特徴とする。
【0019】請求項12記載の発明は、内部にインキ供
給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、
被印刷物を給送する給紙手段と、マスタを穿孔製版する
製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物
を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給され
たインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させ
る押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、前記被
印刷物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第
1のマスタと、前記版胴接触時における前記被印刷物の
先端から10〜15mmの長さである第2のマスタとを
形成し、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻装後、
その上面に第2のマスタを巻装させる制御手段を有する
ことを特徴とする。
【0020】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を採用した孔版
印刷装置を示している。同図において孔版印刷装置1
は、その筐体1aの中央上部に被印刷物として葉書、厚
紙、封筒等の厚物Pを印刷するための厚物用版胴2を有
している。両端を図示しない一対のフランジに固定され
た多孔構造の支持円筒体である多孔性支持板2aの外周
面に図示しないメッシュスクリーンを複数層巻着してな
る厚物用版胴2は、インキ供給パイプを兼ねた複数の孔
を有するパイプ状の支軸3に各フランジを回転自在に支
持されている。モーター、ギヤ、タイミングベルト等を
有する版胴駆動手段52(図4参照)により図1の矢印
方向に回転駆動される厚物用版胴2は、筐体1aに対し
て着脱自在に設けられている。
【0021】多孔性支持板2aには、図2に示すように
開孔部2b、ステージ部4、マスタクランパー5が設け
られている。開孔部2bは、その縦横の長さが印刷に供
される厚物Pの縦横の長さ(本実施例の場合は葉書であ
り148mm×100mm)よりもそれぞれ3mmずつ
小さく形成されている。磁性体からなるステージ部4
は、多孔性支持板2aの1母線と並行に形成されてお
り、ステージ部4上には回動自在なマスタクランパー5
が配設されている。先端に図示しない磁石を有し、ステ
ージ部4に対して磁着可能なマスタクランパー5は、厚
物用版胴2が所定位置に達したときに図示しない開閉手
段によって開閉される。
【0022】厚物用版胴2の内部にはインキ供給手段6
が配設されている。インキ供給手段6は、支軸3、イン
キローラー7、ドクターローラー8等から主に構成され
ており、厚物用版胴2の内部に設けられた図示しないイ
ンキパック内のインキを図示しないインキ供給ポンプに
よって汲み上げ、多孔性支持板2aの内周面に供給す
る。インキローラー7は、図示しない各フランジ間の支
軸3に固着された図示しない一対の側板間の、その外周
面が多孔性支持板2aの内周面に近接する位置に回転自
在に支持されており、図示しない駆動手段によって厚物
用版胴2と同方向に回転駆動される。ドクターローラー
8も上述の図示しない各側板間に回転自在に支持されて
おり、図示しない駆動手段によってインキローラー7と
は逆方向に回転駆動される。ドクターローラー8はその
外周面をインキローラー7の外周面に近接して配置され
ており、その近接部には楔状のインキ溜まり9が形成さ
れる。
【0023】上述の構成により、図示しないインキパッ
ク内より図示しないインキポンプによって汲み上げられ
たインキは、支軸3を通過してその孔よりインキ溜まり
9に供給され、インキローラー7及びドクターローラー
8の回転によって両者間の隙間を通過する際にインキロ
ーラー7の外周面上に薄膜状に供給された後、多孔性支
持板2aの内周面に供給される。
【0024】厚物用版胴2の右方には製版手段としての
製版搬送手段10が配設されている。製版搬送手段10
は、ホルダー11、サーマルヘッド12、プラテンロー
ラー13、切断手段14、マスタ搬送ローラー対15等
から主に構成されている。ホルダー11は、熱可塑性樹
脂フィルム16cと多孔性支持体16d(共に図6参
照)とを貼り合わせたマスタ16をロール状に巻成した
マスタロール16aの芯部16bを回転自在かつ着脱自
在に支持している。ホルダー11の左方には、複数の発
熱素子を有するサーマルヘッド12が配設されている。
サーマルヘッド12は、図示しない付勢手段によって上
方に向けて付勢されている。サーマルヘッド12の上方
にはプラテンローラー13が配設されている。マスタ1
6をサーマルヘッド12に押圧しつつ搬送するプラテン
ローラー13は、ステッピングモーター13aによって
回転駆動される。プラテンローラー13の左方には切断
手段14が配設されている。上刃14aと下刃14bと
からなる切断手段14は、上刃14aに接続された偏心
カム14cが回転することにより上刃14aが上下動す
る。切断手段14の左方にはマスタ搬送ローラー対15
が配設されている。マスタ搬送ローラー対15は、図示
しない駆動手段によって回転駆動される駆動ローラー1
5aと、駆動ローラー15aに圧接配置された回転自在
な従動ローラー15bとから構成され、駆動ローラー1
5aには図示しないワンウェイクラッチが組み込まれて
いる。
【0025】厚物用版胴2の左方には排版手段17が配
設されている。排版手段17は、排版駆動ローラー17
a、排版従動ローラー17b、排版ボックス17c等か
ら主に構成されている。排版駆動ローラー17aは図示
しない駆動手段によって回転駆動され、排版従動ローラ
ー17bは排版駆動ローラー17aに圧接配置されてい
る。また、排版駆動ローラー17aは図示しない揺動手
段により排版従動ローラー17bの回転中心を中心とし
て揺動自在に設けられており、その外周面を厚物用版胴
2の外周面に対して接離自在とされている。内部に使用
済みマスタを貯容する排版ボックス17cは筐体1aに
着脱自在に設けられている。
【0026】厚物用版胴2の下方には押圧手段としての
圧胴18が配設されている。インキローラー7に対向
し、その直径を厚物用版胴2の直径とほぼ等しく形成さ
れた圧胴18は、その外周面上に凹部18aを、またそ
の中心に両側方へ突出した支点軸18bを有している。
圧胴18の凹部18aを除く外周面上にはシリコンゴム
(JIS−A20度)が巻装されている。マスタクラン
パー5との干渉を避けるために切り欠かれた平坦部であ
る凹部18aには、厚物Pの先端を圧胴18上に保持す
る用紙クランパー19が開閉自在に設けられている。用
紙クランパー19は、図示しないカムによって所定のタ
イミングで開き、厚物Pをくわえた後に閉じて厚物Pを
圧胴18上に保持し、所定のタイミングで再び開いて厚
物Pの保持を解除するように構成されている。
【0027】支点軸18bは、圧胴18の両側面の外側
に配置された一対の揺動アーム20間に、図示しない軸
受部材を介してそれぞれ回転自在に支持されている。そ
のほぼ中央部において支点軸18bを支持する各揺動ア
ーム20は、筐体1aに枢支された支軸20aにそれぞ
れの一端を固着されており、一方の揺動アーム20の他
端には引張バネからなり他端を筐体1aに固着された印
圧バネ21の一端が取り付けられている。圧胴18は、
図示しないカムによって厚物用版胴2の外周面に対して
接離自在に設けられており、厚物用版胴2との圧接位置
が常に同じ位置となるように図示しない無端ベルトによ
って版胴駆動手段52に連結され、厚物用版胴2と同じ
周速度で逆方向に回転駆動される。また、圧胴18に
は、厚物用版胴2と同期して回転するカム等からなる図
示しない印圧解除手段が設けられており、用紙搬送不良
発生時や製版排版時等に圧胴18が厚物用版胴2に対し
て圧接しないように構成されている。
【0028】圧胴18の右側方には給紙手段27が配設
されている。給紙手段27は、給紙トレイ28、呼び出
しローラー29、給紙ローラー30、分離ローラー3
1、レジストローラー対32等から主に構成されてい
る。上面に厚物Pを積載する給紙トレイ28は図示しな
い昇降手段によって上下動自在に設けられており、最上
位の厚物Pが所定の圧接力で呼び出しローラー29の周
面に圧接するように構成されている。呼び出しローラー
29及び給紙ローラー30は図示しない給紙側板にそれ
ぞれ回転自在に支持されており、図示しない無端ベルト
によって連動可能に連結されている。給紙ローラー30
にはワンウェイクラッチが組み込まれた図示しない給紙
ローラーギヤが取り付けられており、この給紙ローラー
ギヤには厚物用版胴2と同期して回転する図示しないカ
ムによって揺動する図示しない扇形ギヤが噛合してい
て、これにより各ローラー29,30は厚物用版胴2の
回転と同期した所定のタイミングで回転駆動される。給
紙ローラー30の下方には、所定の圧接力で給紙ローラ
ー30に圧接配置された分離ローラー31が配設されて
いる。周面にゴム等の高摩擦抵抗部材を有する分離ロー
ラー31は、給紙ローラー30と同方向にのみ回転自在
に設けられている。
【0029】給紙ローラー30の左方に配設されたレジ
ストローラー対32は、駆動ローラー32aと従動ロー
ラー32bとから主に構成されている。駆動ローラー3
2aにはワンウェイクラッチが組み込まれた図示しない
レジストローラーギヤが取り付けられており、このレジ
ストローラーギヤには厚物用版胴2と同期して回転する
図示しないカムによって揺動する図示しない扇形ギヤが
噛合している。従動ローラー32bは所定の圧接力によ
り駆動ローラー32bに圧接配置されており、これによ
りレジストローラー対32は厚物用版胴2の回転と同期
した所定のタイミングで回転駆動される。レジストロー
ラー対32による用紙搬送速度は、厚物用版胴2の回転
周速度と同速度に設定されている。給紙ローラー30と
圧胴18との間には、給紙トレイ28から給送された厚
物Pを圧胴18に案内するガイド板33,34が配設さ
れている。
【0030】圧胴18の左側方には排紙搬送手段35が
配設されている。排紙搬送手段35は、排紙爪36、排
紙ベルト装置37、排紙トレイ38等から主に構成され
ている。排紙爪36は、厚物Pを保持した圧胴18の用
紙クランパー19が開放する位置と対応する筐体1aの
部位に固設されており、用紙クランパー19が開放した
際に厚物Pを圧胴18上より剥離して排紙ベルト装置3
7へと案内する。駆動ローラー37a、従動ローラー3
7b、複数の無端ベルト37c、吸引ファン37d等か
らなる排紙ベルト装置37は、図示しない駆動手段によ
って駆動ローラー37aが回転することにより、吸引フ
ァン37dの吸引力によって無端ベルト37c上に吸引
しつつ、図1の矢印方向に厚物Pを搬送する。排紙ベル
ト装置37によって搬送された厚物Pは筐体1aより外
部に排出され、エンドフェンス38aを有する排紙トレ
イ38上に順次積載される。
【0031】筐体1aの上部には原稿画像を読み取る周
知の画像読取手段39が配設されており、筐体1aの上
面には図3に示す操作パネル40が配設されている。操
作パネル40は、製版スタートキー41、印刷スタート
キー42、試し刷りキー43、ストップキー44、テン
キー45、クリアキー46、拡大縮小キー47、印刷速
度設定キー48、連写キー49、7セグメントLEDか
らなる表示装置50、LCDからなる表示装置51等の
周知の構成をその上面に有している。
【0032】筐体1aの内部には、CPU、ROM、R
AM等を有する周知のマイクロコンピューターからなる
制御手段54が配設されている。制御手段54は、図4
に示すように、操作パネル40からの動作指令及び画像
読取手段39からの画像信号に基づいて、製版搬送手段
10、排版手段17、給紙手段27、排紙搬送手段3
5、版胴駆動手段52の動作を制御する。
【0033】上述の構成に基づき、以下に第1の実施例
における孔版印刷装置1の動作を説明する。給紙トレイ
28上に印刷すべき厚物Pとして葉書を積載し、画像読
取手段39に原稿を載置した後、オペレーターにより操
作パネル40上の製版スタートキー41が押下されると
制御手段54より指令が送られ、画像読取手段39にお
いて原稿画像が読み取られると共に厚物用版胴2が回転
を開始する。そして、厚物用版胴2が所定の排版位置に
到達すると、排版駆動ローラー17aが回転を開始する
と共に厚物用版胴2に接触し、厚物用版胴2の外周面上
に巻装された前版のマスタ16が排版駆動ローラー17
aにすくい上げられる。その後、厚物用版胴2が回転す
ることで、前版のマスタ16は排版駆動ローラー17a
と排版従動ローラー17bとによって排版ボックス17
c内に収納される。
【0034】前版のマスタ16が全て排版ボックス17
c内に収納されて排版動作が完了すると、製版動作が開
始されると共に厚物用版胴2が回転する。厚物用版胴2
は、マスタクランパー5が図1においてほぼ右真横に位
置する給版待機位置まで回転して停止し、図示しない開
閉手段によってマスタクランパー5が開放されて給版待
機状態となる。排版動作完了後、ステッピングモーター
13aが作動を開始し、プラテンローラー13が回転し
てマスタロール16aよりマスタ16が引き出される。
引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12を通過
する際に原稿画像に基づいて選択的に発熱する発熱素子
によってその熱可塑性樹脂フィルム16cを加熱溶融穿
孔製版される。
【0035】製版されたマスタ16はプラテンローラー
13によってさらに送られ、その先端は切断手段14を
通過してマスタ搬送ローラー対15へと至る。マスタ搬
送ローラー対15に送られたマスタ16は、進行方向を
下方へと変更されて開放しているマスタクランパー5と
ステージ部4との間に向けて搬送される。このとき、マ
スタ搬送ローラー対15の搬送速度はプラテンローラー
13の搬送速度よりも若干速めに設定されており、プラ
テンローラー13とマスタ搬送ローラー対15との間に
おいてマスタ16には適度な張力が付与されている。
【0036】ステッピングモーター13aのステップ数
よりマスタ16の先端がステージ部4とマスタクランパ
ー5との間の所定位置に達したと制御手段54が判断す
ると、図示しない開閉手段が作動してマスタクランパー
5が閉じられ、厚物用版胴2の外周面上にマスタ16が
係止される。マスタクランパー5が閉じられると、厚物
用版胴2がマスタ搬送ローラー対15の搬送速度と同じ
周速度で回転を開始し、厚物用版胴2の外周面上に製版
済みのマスタ16が巻装される。ステッピングモーター
13aのステップ数より1版分の製版が終了したと制御
手段54が判断すると、プラテンローラー13及びマス
タ搬送ローラー対15の回転がそれぞれ停止されると共
に偏心カム14cが回転し、上刃14aが下降してマス
タ16が切断される。切断されたマスタ16は厚物用版
胴2の回転により製版搬送手段10より引き出され、マ
スタ16の厚物用版胴2への巻装動作が完了する。
【0037】巻装動作が完了すると、呼び出しローラー
29及び給紙ローラー30が回転し、給紙トレイ28上
より厚物Pが引き出される。引き出された厚物Pは、給
紙ローラー30と分離ローラー31とのニップ部を通過
する際に1枚に分離され、最上位の厚物Pのみが給紙ロ
ーラー30によって引き出される。給紙ローラー30よ
り送られた厚物Pは、その先端をレジストローラー対3
2のニップ部に当接された後も給紙ローラー30により
送られ、レジストローラー対32のニップ部に対してそ
の先端を十分に食い込ませると共に若干のたわみを形成
される。厚物Pが所定量送られると、呼び出しローラー
29及び給紙ローラー30の回転が停止した後に所定の
タイミングでレジストローラー対32が回転駆動され、
厚物Pはたわみを消滅させつつ圧胴18に向けて搬送さ
れる。呼び出しローラー29及び給紙ローラー30は、
ワンウェイクラッチの作用により厚物Pの搬送に伴って
従動回転される。
【0038】レジストローラー対32からの厚物Pの給
送タイミングに合わせて図示しないカムによって用紙ク
ランパー19が開放され、この開放部に厚物Pの先端が
挿入される。用紙クランパー19は、図示しないカムに
より厚物Pが挿入されたタイミングで閉じられ、圧胴1
8は厚物Pの先端を係止した状態で低速回転する。圧胴
18上の厚物Pが厚物用版胴2とのニップ部に到達する
タイミングで図示しないカムにより圧胴18が低速回転
している厚物用版胴2に対して圧接され、厚物Pは印圧
バネ21の付勢力によって厚物用版胴2の外周面上に巻
装された製版済みのマスタ16に押圧される。この押圧
の際に、インキローラー7によって厚物用版胴2の内周
面に供給されたインキが開孔部2b、図示しないメッシ
ュスクリーン及び熱可塑性樹脂フィルム16cの穿孔部
を介して厚物Pに転写される。
【0039】インキを転写された厚物Pは、圧胴18が
さらに回転し図示しないカムによって排紙爪36の手前
で用紙クランパー19が開放されることで、排紙爪36
によって圧胴18上より剥離される。剥離された厚物P
は排紙ベルト装置37によって搬送され、排紙トレイ3
8上に積載されて版付けが終了する。版付け終了後、オ
ペレーターにより操作パネル40上の印刷スタートキー
42が押下されると、厚物用版胴2及び圧胴18が高速
で回転駆動され、給紙手段27より厚物Pが連続的に給
送されて印刷が行われる。これら一連の動作の流れを図
5に示す。
【0040】上述の印刷時において、多孔性支持板2a
における開孔部2bの範囲が厚物Pとして用いられる葉
書の縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ短くなるよう
に形成されているため、図6に示すように、突出した厚
物Pのエッジによってマスタ16が破損した場合であっ
てもその破損箇所が開孔部2bの外側に位置し、厚物用
版胴2内部からのインキはマスタ16の破損個所には供
給されないため、画像のない部分にインキ汚れが発生す
るという不具合を防止することができる。
【0041】第1の実施例では、開孔部2bの縦横の長
さを葉書の縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ短く形
成した例を示したが、本発明者が開孔部2bの縦横の長
さを種々変更して複数回の実験を行った結果、開孔部2
bの縦横の長さを葉書の縦横の長さよりもそれぞれ1〜
5mmずつ短く形成すれば、有効画像面積に影響を及ぼ
すことなく画像のない部分にインキ汚れが発生するとい
う不具合を防止することに効果があることが確認されて
いる。
【0042】また、第1の実施例では、厚物用版胴2と
して開孔部2bの縦横の長さが葉書の縦横の長さに対応
したものを用いたが、厚物用版胴2として開孔部2bの
縦横の長さが他の厚物(例えば定形封筒、定形サイズの
厚紙等)の縦横の長さに対応したものを用いることによ
り、他の厚物Pにも上記不具合を防止しつつ印刷を行う
ことができる。さらに、第1の実施例ではマスタとして
熱可塑性樹脂フィルム16cと多孔性支持体16dとを
貼り合わせたマスタ16を用いたが、マスタとして多孔
性支持体16dを持たない実質的に熱可塑性樹脂フィル
ムのみからなるものを用いてもよい。
【0043】図7は、本発明の第2の実施例を採用した
孔版印刷装置を示している。この孔版印刷装置55は第
1の実施例で示した孔版印刷装置1と比較すると、厚物
用版胴2に代えて版胴56を用いる点、押圧力可変手段
22を有する点、操作パネル40に代えて操作パネル5
7を用いる点、制御手段54に代えて制御手段60を用
いる点においてのみ相違しており、他の構成は同一であ
る。
【0044】図8に示すように、両端を図示しない一対
のフランジに固定された多孔構造の支持円筒体である多
孔性支持板56aの外周面に図示しないメッシュスクリ
ーンを複数層巻着してなる版胴56は、支軸3(図1参
照)に各フランジを回転自在に支持されており、孔版印
刷装置55の筐体55aに対して着脱自在に設けられて
いる。版胴56は、厚物用版胴2と同様に、版胴駆動手
段52により厚物用版胴2と同方向に回転駆動される。
多孔性支持板56aには開孔部56b、ステージ部4、
マスタクランパー5が設けられており、開孔部56bの
縦横の長さは印刷に供される最大印刷物の縦横の長さ
(本実施例ではA3サイズ)に対応して形成されてい
る。
【0045】図7に示すように圧胴18の左上方に配設
された押圧力可変手段22は、印圧バネ21、扇形ギヤ
23、モーター24、センサー25,26等から主に構
成されている。一端を一方の揺動アーム20の他端に取
り付けられた印圧バネ21の他端は、筐体55aに枢支
された支軸23aに頂部を固着された扇形ギヤ23のギ
ヤ部23b近傍に取り付けられている。筐体55aの扇
形ギヤ23配設位置の近傍にはモーター24が配設され
ており、モーター24の出力軸にはギヤ部23bに噛合
するウォーム24aが取り付けられている。また、扇形
ギヤ23の移動経路近傍には近接センサーあるいはリミ
ットスイッチ等からなるセンサー25,26が配設され
ており、モーター24の作動によって扇形ギヤ23は、
センサー25によって位置決めされた図7に実線で示す
通常押圧力発生位置と、センサー26によって位置決め
された図7に二点鎖線で示す高押圧力発生位置とに選択
的に位置決めされる。
【0046】図9に示す操作パネル57は、操作パネル
40と同様に製版スタートキー41、印刷スタートキー
42、試し刷りキー43、ストップキー44、テンキー
45、クリアキー46、拡大縮小キー47、印刷速度設
定キー48、連写キー49、7セグメントLEDからな
る表示装置50、LCDからなる表示装置51を有する
他、印刷モードを被印刷物として印刷用紙が用いられる
通常モードと厚物が用いられる厚物モードとに切り換え
るモード切換キー58、印刷モードを表示するLEDか
らなるモード表示装置59、及び厚物モード選択時にお
いて押圧力可変手段22を作動させるための高濃度キー
61を有している。
【0047】制御手段54と同様の周知のマイクロコン
ピューターからなる制御手段60は、図10に示すよう
に、操作パネル40からの動作指令、画像読取手段39
からの画像信号、及び各センサー25,26からの出力
信号に基づいて、製版搬送手段10、排版手段17、給
紙手段27、排紙搬送手段35、版胴駆動手段52、モ
ーター24の動作を制御する。
【0048】上述の構成に基づき、以下に第2の実施例
における孔版印刷装置55の動作を説明する。オペレー
ターは、操作パネル57上のモード切換キー58を押
し、印刷モードを厚物モードに設定する。モード表示手
段59のLEDが「厚物」側で点灯していることを確認
した後、オペレーターは給紙トレイ28上に印刷すべき
厚物Pを積載すると共に画像読取手段39に原稿を載置
し、操作パネル57上の製版スタートキー41を押下す
る。製版スタートキー41が押下されると制御手段60
より指令が送られ、画像読取手段39において原稿画像
が読み取られると共に版胴56が回転を開始する。読み
取られた画像データは、画像読取手段39内のメモリに
格納される。そして、版胴56が所定の排版位置に到達
すると、排版駆動ローラー17aが回転を開始すると共
に版胴56に接触し、版胴56の外周面上に巻装された
前版のマスタ16が排版駆動ローラー17aにすくい上
げられる。その後、版胴56が回転することで、前版の
マスタ16は排版駆動ローラー17aと排版従動ローラ
ー17bとによって排版ボックス17c内に収納され
る。
【0049】前版のマスタ16が全て排版ボックス17
c内に収納されて排版動作が完了すると、製版動作が開
始されると共に版胴56が回転する。版胴56は、マス
タクランパー5が図7においてほぼ右真横に位置する給
版待機位置まで回転して停止し、図示しない開閉手段に
よってマスタクランパー5が開放されて給版待機状態と
なる。排版動作完了後、ステッピングモーター13aが
作動を開始し、プラテンローラー13が回転してマスタ
ロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出さ
れたマスタ16は、サーマルヘッド12を通過する際
に、メモリから読み出された画像データに基づいて選択
的に発熱する発熱素子によってその熱可塑性樹脂フィル
ム16cを加熱溶融穿孔製版される。
【0050】製版されたマスタ16は、プラテンローラ
ー13、マスタ搬送ローラー対15によってマスタクラ
ンパー5とステージ部4との間に向けて搬送される。そ
して、ステッピングモーター13aのステップ数よりマ
スタ16の先端が所定位置に達したと制御手段60が判
断すると、図示しない開閉手段が作動してマスタクラン
パー5が閉じられ、版胴56の外周面上に1枚目のマス
タ16が係止される。マスタクランパー5が閉じられる
と、版胴56がマスタ搬送ローラー対15の搬送速度と
同じ周速度で回転を開始し、版胴56の外周面上に製版
済みのマスタ16が巻装される。ステッピングモーター
13aのステップ数より1版分の製版が終了したと制御
手段60が判断すると、プラテンローラー13及びマス
タ搬送ローラー対15の回転がそれぞれ停止されると共
に切断手段14が作動してマスタ16が切断される。切
断されたマスタ16は版胴56の回転により製版搬送手
段10より引き出され、1枚目のマスタ16の版胴56
への巻装動作が完了する。
【0051】巻装動作完了後、呼び出しローラー29及
び給紙ローラー30が回転し、給紙トレイ28上より1
枚の厚物Pが引き出される。給紙ローラー30より送ら
れた厚物Pは、その先端をレジストローラー対32のニ
ップ部に当接された後に若干のたわみを形成され、その
後、所定のタイミングでレジストローラー対32が回転
駆動されることで圧胴18に向けて搬送される。
【0052】レジストローラー対32からの厚物Pの給
送タイミングに合わせて用紙クランパー19が開放さ
れ、この開放部に厚物Pの先端が挿入される。用紙クラ
ンパー19は厚物Pが挿入されたタイミングで閉じら
れ、圧胴18は厚物Pの先端を係止した状態で低速回転
する。圧胴18上の厚物Pが版胴56とのニップ部に到
達するタイミングで図示しないカムにより圧胴18が低
速回転している版胴56に対して圧接され、厚物Pは印
圧バネ21の付勢力によって版胴56の外周面上に巻装
された製版済みのマスタ16に押圧される。この押圧の
際に、インキローラー7によって版胴56の内周面に供
給されたインキが開孔部56b、図示しないメッシュス
クリーン及びマスタ16の穿孔部を介して厚物Pに転写
される。
【0053】インキを転写された厚物Pは、圧胴18が
さらに回転し排紙爪36の手前で用紙クランパー19が
開放されることで、排紙爪36によって圧胴18上より
剥離される。剥離された厚物Pは排紙ベルト装置37に
よって搬送され、排紙トレイ38上に積載されて1回目
の版付けが終了する。
【0054】1枚目のマスタ16が版胴56上に巻装さ
れ1回目の版付けが完了すると、2枚目のマスタ16へ
の製版動作が行われる。版付け動作完了後、版胴56が
再び回転を開始し、版胴56は上述と同じ給版待機位置
において停止し、図示しない開閉手段によってマスタク
ランパー5が開放されて再度給版待機状態となる。版胴
56が再度給版待機状態となるとステッピングモーター
13aが再び作動を開始し、プラテンローラー13が回
転してマスタロール16aよりマスタ16が引き出され
る。引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12を
通過する際に選択的に発熱する発熱素子によってその熱
可塑性樹脂フィルム面を加熱溶融穿孔製版されるが、今
回は開孔部56bの縦横の長さよりもそれぞれ3mmず
つ大きい領域の全てに穿孔製版が行われ、マスタ16に
は全ベタが形成される。
【0055】全ベタが形成された2枚目のマスタ16
は、プラテンローラー13、マスタ搬送ローラー対15
によってマスタクランパー5とステージ部4との間に向
けて搬送され、マスタクランパー5が閉じることで版胴
56の外周面上に係止される。その後、版胴56がマス
タ搬送ローラー対15の搬送速度と同じ周速度で回転を
開始し、版胴56の外周面上に巻装された製版済みのマ
スタ16の上に、全ベタが形成された2枚目のマスタ1
6が巻装される。そして、1版分の製版が終了したと制
御手段60が判断すると、プラテンローラー13及びマ
スタ搬送ローラー対15の回転がそれぞれ停止されると
共に切断手段14が作動してマスタ16が切断される。
切断されたマスタ16は版胴56の回転により製版搬送
手段10より引き出され、全ベタが形成された2枚目の
マスタ16の版胴56への巻装動作が完了する。
【0056】版胴56の外周面上に製版済みのマスタ1
6と全ベタが形成されたマスタ16とが2重に巻装され
ると、呼び出しローラー29及び給紙ローラー30が回
転して給紙トレイ28上より1枚の厚物Pが引き出さ
れ、厚物Pは所定のタイミングでレジストローラー対3
2が回転駆動されることで圧胴18に向けて搬送され
る。圧胴18は、厚物Pの給送タイミングに合わせて用
紙クランパー19が開閉することで厚物Pを係止し、こ
の状態で低速回転する。圧胴18上の厚物Pが版胴56
とのニップ部に到達するタイミングで図示しないカムに
より圧胴18が低速回転している版胴56に対して圧接
され、厚物Pは印圧バネ21の付勢力によって版胴56
の外周面上に巻装された2重のマスタ16に押圧され
る。この押圧の際に、インキローラー7によって版胴5
6の内周面に供給されたインキが開孔部56b、図示し
ないメッシュスクリーン、原稿画像に対応した製版画像
を形成されたマスタ16の穿孔部、全ベタを形成された
マスタ16の穿孔部を介して厚物Pに転写される。
【0057】インキを転写された厚物Pは、圧胴18が
さらに回転し排紙爪36の手前で用紙クランパー19が
開放されることで、排紙爪36によって圧胴18上より
剥離される。剥離された厚物Pは排紙ベルト装置37に
よって搬送され、排紙トレイ38上に積載されて2回目
の版付けが終了する。2回目の版付け終了後、オペレー
ターにより操作パネル57上の印刷スタートキー42が
押下されると、版胴56及び圧胴18が高速で回転駆動
され、給紙手段27より厚物Pが連続的に給送されて印
刷が行われる。これら一連の動作の流れを図11に示
す。
【0058】上述の印刷時において、原稿画像に対応し
た製版がなされたマスタ16の上面に全ベタが形成され
たマスタ16が巻装されているので、図12に示すよう
に、突出した厚物Pのエッジによって外側のマスタ16
の熱可塑性樹脂フィルム16cが破損した場合、あるい
は厚物Pのエッジが外側のマスタ16の熱可塑性樹脂フ
ィルム16cの開孔部に位置した場合であっても、外側
のマスタ16の多孔性支持体16dが厚物Pのエッジに
よる内側のマスタ16の熱可塑性樹脂フィルム16cの
破損を防止するので、画像のない部分にインキ汚れが発
生するという不具合を防止することができる。
【0059】この第2の実施例における版胴へのマスタ
の2重巻装は、マスタの破損に基づくインキ汚れの発生
を防止することには効果的であるが、版胴にマスタを2
重に巻装すると低温時(5〜10℃)において若干の濃
度低下が見られる。そこで、厚物モードが選択され、2
回目の版付け動作が完了して孔版印刷装置55が印刷待
機状態となったときに、印刷スタートキー42を押下す
る前に高濃度キー61を押下することで、押圧力可変手
段22を作動させて濃度の低下を防止する。
【0060】高濃度キー61が押下されると操作パネル
57から制御手段60にその旨の信号が出力され、信号
を受けた制御手段60はモーター24に動作指令を出力
する。制御手段60からの動作指令に基づきモーター2
4が回転することによりウォーム24aが回転し、これ
に噛合したギヤ部23bを有する扇形ギヤ23が上方に
向けて移動する。そして、扇形ギヤ23の側端部がセン
サー26によって検知されると、この検知信号が制御手
段60に入力され、制御手段60からモーター24に指
令が送られてモーター24の作動が停止し、扇形ギヤ2
3は高押圧力発生位置に位置決めされる。これにより印
圧バネ21が上方に伸ばされ、圧胴18の版胴56に対
する押圧力が増加して濃度の増加が図られることとな
る。
【0061】この例では、各センサー25,26からの
信号に基づいて扇形ギヤ23を通常押圧力発生位置と高
押圧力発生位置とに選択的に位置決めさせる構成とした
が、モーター24に代えてステッピングモーターを用い
ると共に温度毎の最適押圧力を制御手段60に記憶させ
ておき、温度に応じてステッピングモーターを適宜作動
させ、無段階で圧胴18の版胴56に対する押圧力を制
御する構成としてもよい。さらに、高濃度キー61を押
さずともオペレーターがモード切換キー58を操作する
と、これに連動して押圧力が切り換えられる構成として
もよい。
【0062】また、濃度を制御する構成としては押圧力
可変手段22に限られず、2枚目のマスタ16に全ベタ
を製版する際に、サーマルヘッド12に印加する電圧を
通常製版時に印加する電圧よりも5〜20%程度増加さ
せることで、サーマルヘッド12の発熱体の発熱温度が
上昇してマスタ16の熱可塑性樹脂フィルム16cに形
成される穿孔径が大きくなり、インキの通りが良化して
濃度低下を防止することができる。この場合には、押圧
力可変手段22に代えて、図9に二点鎖線で示すよう
に、操作パネル57上に穿孔径可変手段としての濃度設
定ツマミ62を設け、濃度設定ツマミ62の操作により
穿孔径を選択する構成とすればよい。また、濃度設定ツ
マミ62を操作せずともオペレーターがモード切換キー
58を操作すると、これに連動してサーマルヘッド12
の印加電圧を切り換える構成としてもよい。
【0063】さらに濃度を制御する構成として、版胴5
6に代えて図13に示す版胴63を用いる構成としても
よい。版胴63は、内部に2個のインキパック64,6
5及び2個のインキポンプ66,67を有し、制御手段
60からの指令に基づいて各インキポンプ66,67の
うちの何れかを作動させることで、インキパイプ68を
介して支軸3にインキを供給するように構成されてお
り、その他の構成は版胴56と同様である。上述の構成
により、インキパック64内に通常モード時に使用され
るインキを、インキパック65内に厚物モード時に使用
されるインキをそれぞれ貯容し、モード毎に制御手段6
0によって作動するインキポンプ66,67を切り換え
ることで、濃度を制御することが可能となる。なお、通
常モードに使用されるインキとしては見かけ粘度15〜
25(Pa・s)程度のものが、厚物モードに使用され
るインキとしては見かけ粘度3〜10(Pa・s)、剪
断速度20(1/s)程度のものが、実験の結果良好で
あった。この版胴63は、上述した押圧力可変手段22
あるいは濃度設定ツマミ62を有する孔版印刷装置に用
いてもよい。第2の実施例では、全ベタ製版時において
開孔部56bの縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ大
きな領域を穿孔製版する構成としたが、開孔部56bの
縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mmずつ大きな領域で
あれば、画像に影響を及ぼすことなく画像のない部分に
インキ汚れが発生するという不具合を防止することに効
果があることが確認されている。
【0064】第2の実施例では、原稿画像を穿孔製版し
たマスタ16の上に全ベタを穿孔製版したマスタ16を
2重に巻装する構成としたが、上述したように上に巻装
したマスタ16の穿孔部に厚物Pのエッジが位置する場
合があり、この場合、上側のマスタ16では多孔性支持
体16dでのみ厚物Pのエッジを受ける構成となるた
め、熱可塑性樹脂フィルム16c及び多孔性支持体16
dで厚物Pのエッジを受ける場合に比較して、上側に巻
装したマスタ16の寿命(破損までの耐刷枚数)が短く
なり、画像のない部分にインキ汚れが発生するまでの枚
数が少なくなる。そこで、厚物Pのエッジを確実に上側
に巻装したマスタの熱可塑性樹脂フィルム16c及び多
孔性支持体16dで受ける構成を第3の実施例として以
下に説明する。この第3の実施例は第2の実施例と比較
すると制御手段60の動作プログラムのみが相違してお
り、他の構成は同一であるため、動作のみを説明する。
【0065】モード切換キー58が押されて厚物モード
が設定され、給紙トレイ28上に印刷すべき厚物Pが積
載されると共に画像読取手段39に原稿が載置された状
態で製版スタートキー41が押下されると、第2の実施
例と同様に画像読取動作及び排版動作が行われる。読み
取られた画像データが画像読取手段39内のメモリに格
納され、版胴56が給版待機状態となると、ステッピン
グモーター13aが作動してプラテンローラー13が回
転し、マスタロール16aよりマスタ16が引き出され
る。引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12に
よってメモリから読み出された画像データに基づいて熱
可塑性樹脂フィルム16cを穿孔製版される。
【0066】製版されたマスタ16の先端が所定位置に
達するとマスタクランパー5が閉じられ、版胴56の外
周面上に1枚目のマスタ16が係止される。その後、版
胴56がマスタ搬送速度と同じ周速度で回転し、切断手
段14が作動してマスタ16が切断され、1枚目のマス
タ16の版胴56への巻装動作が完了する。巻装動作完
了後、給紙手段27より1枚の厚物Pが給送される。給
送された厚物Pは用紙クランパー19にくわえられ、低
速回転している圧胴18上に巻装される。厚物Pは図示
しないカムにより版胴56に圧接された後、排紙爪36
の手前で用紙クランパー19が開放されることで排紙爪
36によって圧胴18上より剥離され、排紙ベルト装置
37によって排紙トレイ38上に排出されて1回目の版
付けが終了する。
【0067】1回目の版付け動作終了後、版胴56は再
び回転を開始して給版待機位置において停止し、マスタ
クランパー5が開放されて再度給版待機状態となる。版
胴56が再度給版待機状態となると、ステッピングモー
ター13aが再び作動してプラテンローラー13が回転
し、マスタロール16aよりマスタ16が引き出され
る。引き出されたマスタ16は、図14に示すように、
メモリから読み出された画像データ(図の「あいう」)
の全域よりも縦横それぞれ3mmずつ大きな領域の全域
にサーマルヘッド12によって穿孔製版され、ベタ領域
(図の斜線部)が形成される。ベタ領域が形成されたマ
スタ16は、プラテンローラー13及びマスタ搬送ロー
ラー対15によって搬送され、版胴56の外周面上に巻
装された原稿画像が形成されたマスタ16の上に係止さ
れ切断された後、版胴56の回転により版胴56上に巻
装される。
【0068】版胴56の外周面上に製版済みのマスタ1
6とベタ領域が形成されたマスタ16とが2重に巻装さ
れると、給紙手段27が作動して1枚の厚物Pが圧胴1
8に向けて給送される。給送された厚物Pは低速回転し
ている圧胴18上に巻装され、図示しないカムにより版
胴56に圧接された後、排紙爪36によって圧胴18上
より剥離され、排紙ベルト装置37によって排紙トレイ
38上に排出されて2回目の版付けが終了する。2回目
の版付け終了後に印刷スタートキー42が押下される
と、版胴56及び圧胴18が高速回転されると共に給紙
手段27より厚物Pが連続的に給送され、印刷が行われ
る。
【0069】この構成により、印刷時において厚物Pの
エッジは、外側のマスタ16の、熱可塑性樹脂フィルム
16cの非穿孔部に確実に位置するので、第2の実施例
よりも外側のマスタ16の寿命が延び、画像のない部分
にインキ汚れが発生するまでの印刷枚数を増加させるこ
とができる。この第3の実施例においてもベタ領域の大
きさを製版領域の縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ
大きく設定しているが、ベタ領域の大きさを製版領域の
縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mmずつ大きくすれ
ば、画像に影響を及ぼすことなく画像のない部分にイン
キ汚れが発生するという不具合を防止することに効果が
あることが確認されている。また、第3の実施例におい
ても第2の実施例と同様に、押圧力可変手段22あるい
は濃度設定ツマミ62を設ける構成、版胴63を用いる
構成を採用してもよい。
【0070】第3の実施例では、画像読取手段39によ
って読み取られた製版領域を基準としてベタ領域の大き
さを決定している。従って、原稿読取手段39に読み取
られる原稿の大きさと給紙トレイ28上に積載された厚
物Pの大きさとが同じ場合には良好な結果を得ることが
できるが、原稿(製版領域)の大きさが厚物P(ベタ領
域)の大きさよりも大きい場合には、厚物Pのエッジが
上側に巻かれる(ベタ領域を形成された)マスタ16に
おける熱可塑性樹脂フィルム16cの穿孔部に位置する
場合が生じ、第2の実施例と同様に多孔性支持体16d
のみで厚物Pのエッジを受ける場合が生じてしまう。そ
こで、原稿及び厚物Pの大きさに拘わらず、厚物Pのエ
ッジを確実に上側に巻装したマスタの熱可塑性樹脂フィ
ルム16c及び多孔性支持体16dで受ける構成を第4
の実施例として以下に説明する。
【0071】図15は、本発明の第4の実施例に用いら
れる給紙トレイ69を示している。この給紙トレイ69
は給紙トレイ28に代えて孔版印刷装置55に用いられ
る。図示しない昇降手段によって筐体55aに上下動自
在に支持された給紙トレイ69は、厚物Pを積載するそ
の上面に3箇所の溝部69a,69b,69cを有して
いる。溝部69aにはエンドフェンス70が、溝部69
bにはサイドフェンス71が、また溝部69cにはサイ
ドフェンス72が、それぞれ図の矢印方向に移動自在に
設けられている。給紙トレイ69の内部には空洞部が形
成されており、この空洞部には図16に示すギヤ69d
が回転自在に設けられている。各サイドフェンス71,
72の下部には脚部71a,72aがそれぞれ一体的に
設けられており、各脚部71a,72aにはそれぞれ対
向する向きにラック部71b,72bが形成され、各ラ
ック部71b,72bはそれぞれギヤ69dに噛合して
いる。これにより、各サイドフェンス71,72は、何
れか一方を移動させることにより他方が追従して移動す
るように構成されている。
【0072】給紙トレイ69の用紙搬送方向上流側端部
近傍であってエンドフェンス70の移動経路の延長線上
には、エンドフェンス70の位置を検出する近接センサ
ーからなるセンサー73が、また、給紙トレイ69の側
端部近傍であってサイドフェンス72の移動経路の延長
線上には、サイドフェンス72の位置を検出する近接セ
ンサーからなるセンサー74がそれぞれ配置されてい
る。各センサー73,74は、エンドフェンス70及び
サイドフェンス72の位置をその移動経路上の全ての位
置において検出可能であり、各センサー73,74から
の検出信号は厚物Pの長さ信号として制御手段60に入
力される。各センサー73,74により長さ検出手段が
構成されている。
【0073】以下、第4の実施例の動作を説明する。モ
ード切換キー58が押されて厚物モードが設定され、給
紙トレイ69上に印刷すべき厚物Pが積載されると共に
画像読取手段39に原稿が載置された状態で製版スター
トキー41が押下されると、第2の実施例と同様に画像
読取動作及び排版動作が行われる。読み取られた画像デ
ータは画像読取手段39内のメモリに格納され、各セン
サー73,74からの厚物Pの長さ信号は制御手段60
内のRAMに書き込まれる。版胴56が給版待機状態と
なると、ステッピングモーター13aが作動してプラテ
ンローラー13が回転し、マスタロール16aよりマス
タ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、サ
ーマルヘッド12によってメモリから読み出された画像
データに基づいて熱可塑性樹脂フィルム16cを穿孔製
版される。
【0074】第3の実施例と同様に製版された1枚目の
マスタ16が版胴56に巻装されると、給紙手段27よ
り1枚の厚物Pが給送されて1回目の版付けが行われ
る。1回目の版付け動作終了後、版胴56が再び給版待
機状態となると、プラテンローラー13が回転してマス
タロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出
されたマスタ16は、制御手段60のRAMから読み出
された厚物Pの長さ信号に基づき、厚物Pの縦横の長さ
よりもそれぞれ3mmずつ短い領域の全域にサーマルヘ
ッド12によって穿孔製版され、ベタ領域が形成され
る。ベタ領域が形成されたマスタ16は、版胴56の外
周面上に巻装された原稿画像が形成されたマスタ16の
上に巻装される。その後、給紙手段27より1枚の厚物
Pが給送され、2回目の版付けが行われる。2回目の版
付け終了後に印刷スタートキー42が押下されると、版
胴56及び圧胴18が高速回転されると共に給紙手段2
7より厚物Pが連続的に給送され、印刷が行われる。
【0075】この構成により、印刷時における厚物Pの
エッジが、読み取られる原稿の大きさに拘わらず外側の
マスタ16の熱可塑性樹脂フィルム16cの非穿孔部に
確実に位置するので、第3の実施例よりも外側のマスタ
16の寿命が延び、画像のない部分にインキ汚れが発生
するまでの印刷枚数を増加させることができる。この第
4の実施例においてもベタ領域の大きさを厚物Pの縦横
の長さよりもそれぞれ3mmずつ小さく設定している
が、ベタ領域の大きさを厚物Pの縦横の長さよりもそれ
ぞれ1〜5mmずつ小さくすれば、画像に影響を及ぼす
ことなく画像のない部分にインキ汚れが発生するという
不具合を防止することに効果があることが確認されてい
る。また、第4の実施例においても第2、第3の実施例
と同様に、押圧力可変手段22あるいは濃度設定ツマミ
62を設ける構成、版胴63を用いる構成を採用しても
よい。
【0076】上述した第4の実施例では、厚物Pの大き
さよりも原稿の大きさが大きい場合には、原稿画像の全
てを再現することができない。従って、このような場合
には、操作パネル57上の表示装置51に原稿と被印刷
物との大きさが違う旨のメッセージを表示させる構成、
あるいは画像読取手段39によって原稿画像を読み取る
際に各センサー73,74からの厚物Pの大きさの情報
を取り込み、厚物Pの大きさに合わせて原稿画像を縮小
する構成等を採用してもよい。さらに第4の実施例で
は、マスタとして多孔性支持体16dを持たない実質的
に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものを用いてもよ
い。
【0077】第2、第3、第4の実施例で示した版胴5
6へのマスタ16の2重巻装による効果を確認するた
め、確認試験を行った結果を表1に示す。試験の際に、
被印刷物としては、最もエッジの大きい鼠枠封筒(葬儀
案内の送付等に使用される)を用い、この裏面を版胴側
に向けて通紙し、4隅のエッジに対応するマスタの表面
からインキが滲出したら不具合(×)とし、その印刷枚
数を調査した。表中において、「前側」とは用紙搬送方
向下流側の2隅のエッジを、「後側」とは用紙搬送方向
上流側の2隅のエッジをそれぞれ示している。
【0078】
【表1】
【0079】現状では、圧胴として特開平11−227
310号公報に開示されているマイクロセルのイノアッ
ク製ポロンU−32を表面に有するものを使用し、硬度
を12度(JIS−A)まで下げることで300〜40
0枚の印刷が可能であるが、2重巻装とすることで最高
3000枚までの印刷が可能であり、また低コストであ
るシリコンゴム(硬度JIS−A20度)を表面に有す
る圧胴を使用した場合であっても最高2250枚までの
印刷が可能であり、2重巻装がマスタ破損による印刷物
のインキ汚れの防止に効果があることが確認された。
【0080】次に、砂目による画像不良の発生を防止す
る例を第5の実施例として説明する。上述した第2、第
3、第4の実施例では、版胴56上にマスタ16を2重
巻装しているため、被印刷物が外側のマスタ16に接触
して外側のマスタ16が破損しても内側のマスタ16が
存在するので、砂目の発生防止に効果がある。しかし、
砂目の発生する部位は被印刷物の搬送方向先端より5〜
10mmの部位が多いため、1版分のマスタ16を2重
巻装するとコストアップしてしまうと共に、製版時間が
長くなりファーストプリントタイムが長くなってしま
う。そこで、この第5の実施例では、図17に示すよう
に、原稿画像が製版されたマスタ16の、被印刷物の搬
送方向先端から15mmまでの部位を未製版のマスタ1
6によって覆うことで、砂目の発生を防止している。こ
の第5の実施例は、第2の実施例と比較すると、制御手
段60の動作プログラム及び砂目防止動作を行わせるた
めの図示しないキーを操作パネル57上に有している点
において相違しており、他の構成は同一である。以下に
第5の実施例の動作を説明する。
【0081】操作パネル57上の図示しない砂目防止キ
ーが押された後、給紙トレイ28上に印刷すべき被印刷
物P1(図18参照)が積載されると共に画像読取手段
39に原稿が載置された状態で製版スタートキー41が
押下されると、第2の実施例と同様に画像読取動作及び
排版動作が行われる。読み取られた画像データは画像読
取手段39内のメモリに格納される。版胴56が給版待
機状態となると、ステッピングモーター13aが作動し
てプラテンローラー13が回転し、マスタロール16a
よりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ1
6は、サーマルヘッド12によってメモリから読み出さ
れた画像データに基づいて熱可塑性樹脂フィルム16c
を穿孔製版される。
【0082】製版された1枚目のマスタ16が版胴56
に巻装されると、給紙手段27より1枚の被印刷物P1
が給送されて版付けが行われる。版付け動作終了後、版
胴56が再び給版待機状態となると、プラテンローラー
13が回転してマスタロール16aよりマスタ16が引
き出される。引き出されたマスタ16は、図18に示す
ように、画像データ信号に基づき被印刷物P1の先端が
版胴56に接触する位置よりも15mm長い長さに未製
版状態で切断され、版胴56の外周面上に巻装された原
稿画像が形成されたマスタ16の上に巻装される。2枚
目のマスタ16の巻装動作終了後に印刷スタートキー4
2が押下されると、版胴56及び圧胴18が高速回転さ
れると共に給紙手段27より被印刷物P1が連続的に給
送され、印刷が行われる。
【0083】この構成により、印刷時における被印刷物
P1のたるみA(図21参照)が、2重に巻装されたマ
スタ16の未製版である熱可塑性樹脂フィルム16cに
接触するので、外側のマスタ16が破損しても内側のマ
スタ16が存在するために砂目が発生するまでの印刷枚
数を増加させることができ、実験により5000枚以上
の印刷枚数が確認されている。この第5の実施例では、
外側に巻装されるマスタ16の長さを被印刷物P1の先
端が版胴56に接触する位置よりも15mm長い長さに
設定したが、外側に巻装されるマスタ16の長さを被印
刷物P1の先端が版胴56に接触する位置よりも10〜
15mm長い長さとすれば、画像に影響を及ぼすことな
く砂目防止に効果があることが確認されている。また、
第5の実施例では、マスタとして多孔性支持体16dを
持たない実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるも
のを用いてもよい。
【0084】
【発明の効果】請求項1、請求項2記載の発明によれ
ば、突出した厚物のエッジによってマスタが破損した場
合であってもその破損箇所が版胴開孔部の外側に位置
し、版胴内部からのインキはマスタの破損個所には供給
されないため、画像のない部分にインキ汚れが発生する
という不具合を防止することができる。
【0085】請求項3、請求項4記載の発明によれば、
突出した厚物のエッジによって外側のマスタの熱可塑性
樹脂フィルムが破損した場合、あるいは厚物のエッジが
外側のマスタの熱可塑性樹脂フィルムの開孔部に位置し
た場合であっても、外側のマスタの多孔性支持体が厚物
のエッジによる内側のマスタの熱可塑性樹脂フィルムの
破損を防止するので、画像のない部分にインキ汚れが発
生するという不具合を防止することができる。
【0086】請求項5、請求項6記載の発明によれば、
印刷時において厚物のエッジは、外側のマスタの熱可塑
性樹脂フィルムの非穿孔部に確実に位置するので外側の
マスタの寿命が延び、画像のない部分にインキ汚れが発
生するまでの印刷枚数を増加させることができる。
【0087】請求項7記載の発明によれば、印刷時にお
いて厚物のエッジは、読み取られる原稿の大きさに拘わ
らず外側のマスタの熱可塑性樹脂フィルムの非穿孔部に
確実に位置するのでより一層外側のマスタの寿命が延
び、画像のない部分にインキ汚れが発生するまでの印刷
枚数をより一層増加させることができる。
【0088】請求項8記載の発明によれば、厚物モード
選択時において押圧力可変手段により版胴に対する押圧
手段の押圧力が増加するので、印刷濃度を増加させるこ
とができる。
【0089】請求項9記載の発明によれば、厚物モード
選択時において穿孔径可変手段によりマスタの穿孔径が
増大されるので、印刷濃度を増加させることができる。
【0090】請求項10記載の発明によれば、厚物モー
ド選択時においてインキ供給手段が通常時とは異なるイ
ンキを供給するので、印刷濃度を増加させることができ
る。
【0091】請求項11、請求項12記載の発明によれ
ば、外側のマスタが破損しても内側のマスタが存在する
ので、砂目が発生するまでの印刷枚数を増加させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置
の概略正面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いられる厚物用版胴
を説明する斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いられる操作パネル
を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に用いられる制御手段の
ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例の動作を示すフローチャ
ートである。
【図6】本発明の第1の実施例における厚物とマスタと
の接触状態を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に用いられる孔版印刷装
置の概略正面図である。
【図8】本発明の第2の実施例に用いられる版胴を説明
する斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例に用いられる操作パネル
を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例に用いられる制御手段
のブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施例の動作を示すフローチ
ャートである。
【図12】本発明の第2の実施例における厚物とマスタ
との接触状態を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施例の変形例に用いられる
版胴を説明する斜視図である。
【図14】本発明の第3の実施例における版胴へのマス
タの2重巻装を説明する図である。
【図15】本発明の第4の実施例に用いられる給紙トレ
イを説明する図である。
【図16】本発明の第4の実施例に用いられる給紙トレ
イのサイドフェンスの構造を説明する図である。
【図17】本発明の第5の実施例における版胴へのマス
タの2重巻装を説明する図である。
【図18】本発明の第5の実施例における被印刷物とマ
スタとの接触状態を示す図である。
【図19】従来の印刷における厚物印刷時の問題点を説
明する図である。
【図20】従来の印刷における厚物印刷時の問題点を説
明する図である。
【図21】従来の印刷における砂目の発生原理を説明す
る図である。
【図22】従来の印刷における砂目の発生部位を説明す
る図である。
【符号の説明】
1,55 孔版印刷装置 2 版胴(厚物用版胴) 2b,56b 開孔部 6 インキ供給手段 10 製版手段(製版搬送手段) 16 マスタ 18 押圧手段(圧胴) 22 押圧力可変手段 27 給紙手段 54,60 制御手段 56,63 版胴 62 穿孔径可変手段(濃度設定ツマミ) 73,74 長さ検出手段(センサー) P 厚物 P1 被印刷物

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にインキ供給手段を有すると共に外周
    面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉
    書、封筒等の厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手
    段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前
    記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を
    通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した
    孔版印刷装置において、 前記開孔部の縦横の長さが、前記被印刷物として給送さ
    れる前記厚物の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mm短
    く形成されていることを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】装置本体に着脱自在に設けられ、内部にイ
    ンキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版
    胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒等の厚物を給送
    可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被
    印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供
    給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転
    移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔
    版印刷方法において、 前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版
    胴として前記厚物の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5m
    m短く形成された前記開孔部を有するものが用いられる
    ことを特徴とする孔版印刷方法。
  3. 【請求項3】内部にインキ供給手段を有すると共に外周
    面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装される
    版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒等の厚物を給
    送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記
    被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から
    供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に
    転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた
    孔版印刷方法において、 前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版
    胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前記厚物
    に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマ
    スタと、前記開孔部全域に応じた穿孔製版がなされた第
    2のマスタとを用い、前記版胴の外周面上に第1のマス
    タを巻装後、その上面に第2のマスタを巻装して印刷を
    行うことを特徴とする孔版印刷方法。
  4. 【請求項4】内部にインキ供給手段を有すると共に外周
    面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉
    書、封筒等の厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿
    孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前
    記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段か
    ら供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物
    に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置におい
    て、 前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択され
    る厚物モードを有し、該厚物モード選択時に前記製版手
    段を作動させ、マスタに対して前記厚物に印刷される画
    像に応じた穿孔製版を行い、このマスタを前記版胴に巻
    装させた後に前記製版手段を再び作動させ、マスタに対
    して前記開孔部全域に応じた穿孔製版を行い、このマス
    タを先のマスタの上に巻装させる制御手段を有すること
    を特徴とする孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】内部にインキ供給手段を有すると共に外周
    面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装される
    版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒等の厚物を給
    送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記
    被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から
    供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に
    転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた
    孔版印刷方法において、 前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版
    胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前記厚物
    に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマ
    スタと、第1のマスタの穿孔製版領域よりも1〜5mm
    広い領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマス
    タとを用いることを特徴とする孔版印刷方法。
  6. 【請求項6】内部にインキ供給手段を有すると共に外周
    面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉
    書、封筒等の厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿
    孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前
    記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段か
    ら供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物
    に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置におい
    て、 前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択され
    る厚物モードを有し、該厚物モード選択時に前記製版手
    段を作動させ、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔
    製版がなされた第1のマスタと、第1のマスタの穿孔製
    版領域よりも1〜5mm大きい領域の全域に応じた穿孔
    製版がなされた第2のマスタとを穿孔製版し、それぞれ
    のマスタを前記版胴に巻装させる制御手段を有すること
    を特徴とする孔版印刷装置。
  7. 【請求項7】内部にインキ供給手段を有すると共に外周
    面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉
    書、封筒等の厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿
    孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前
    記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段か
    ら供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物
    に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置におい
    て、 前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択され
    る厚物モードと、前記厚物の縦横の長さを検出する長さ
    検出手段とを有し、 前記厚物モード選択時に前記製版手段を作動させ、前記
    厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1
    のマスタと、前記長さ検出手段によって検出された前記
    厚物の長さよりも1〜5mm小さい領域の全域に応じた
    穿孔製版がなされた第2のマスタとを穿孔製版し、それ
    ぞれのマスタを前記版胴に巻装させる制御手段を有する
    ことを特徴とする孔版印刷装置。
  8. 【請求項8】前記押圧手段の押圧力を変化させる押圧力
    可変手段を有し、前記厚物モード選択時において、前記
    制御手段は前記押圧手段の押圧力を通常時よりも増加さ
    せることを特徴とする請求項5、請求項6または請求項
    7記載の孔版印刷装置。
  9. 【請求項9】前記製版手段作動時に前記マスタに形成さ
    れる穿孔の直径を変化させる穿孔径可変手段を有し、前
    記厚物モード選択時において、前記制御手段は前記版胴
    上に後から巻装されるマスタの穿孔径を先に巻装される
    マスタの穿孔径よりも大きくさせることを特徴とする請
    求項5ないし請求項8のうちの何れか1つに記載の孔版
    印刷装置。
  10. 【請求項10】前記インキ供給手段が前記版胴に対して
    2種類のインキを供給可能であり、前記厚物モード選択
    時において、前記制御手段は前記インキ供給手段より前
    記版胴に対して通常時とは異なるインキを供給すること
    を特徴とする請求項5ないし請求項9のうちの何れか1
    つに記載の孔版印刷装置。
  11. 【請求項11】内部にインキ供給手段を有すると共に外
    周面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装され
    る版胴と、被印刷物を給送する給紙手段と、前記給紙手
    段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前
    記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を
    通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した
    孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、 前記版胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前
    記被印刷物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされ
    た第1のマスタと、前記版胴接触時における前記被印刷
    物の先端から10〜15mmの長さである第2のマスタ
    とを用い、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻装
    後、その上面に第2のマスタを巻装して印刷を行うこと
    を特徴とする孔版印刷方法。
  12. 【請求項12】内部にインキ供給手段を有すると共に外
    周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物を給送する給紙
    手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手
    段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前
    記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を
    通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した
    孔版印刷装置において、 前記被印刷物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなさ
    れた第1のマスタと、前記版胴接触時における前記被印
    刷物の先端から10〜15mmの長さである第2のマス
    タとを形成し、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻
    装後、その上面に第2のマスタを巻装させる制御手段を
    有することを特徴とする孔版印刷装置。
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