JP2002211095A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JP2002211095A
JP2002211095A JP2001013708A JP2001013708A JP2002211095A JP 2002211095 A JP2002211095 A JP 2002211095A JP 2001013708 A JP2001013708 A JP 2001013708A JP 2001013708 A JP2001013708 A JP 2001013708A JP 2002211095 A JP2002211095 A JP 2002211095A
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  • Supply, Installation And Extraction Of Printed Sheets Or Plates (AREA)
  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送ジャムや巻き上がりの発生を防止しつつ
簡単な構成で1行程両面印刷を行うことができ、安定し
た濃度及び品質の両面印刷物を得ることが可能な孔版印
刷装置を提供する。 【解決手段】 印刷用紙Pの第1の面と対応する位置に
配設された第1の版胴28と、第1の版胴28の外周面
に対して接離自在に設けられた押圧手段29と、第1の
版胴より用紙搬送方向下流側であって印刷用紙Pの第2
の面と対応する位置に配設された第2の版胴59と、第
2の版胴59の外周面に対して接離自在に設けられた圧
胴60とを具備する孔版印刷装置1において、圧胴60
の直径を第1の版胴28の直径と同径とすると共にその
回転速度を第1の版胴28の回転速度と同速度とし、さ
らに第1の版胴28と押圧手段29との接触位置から第
2の版胴59と圧胴60との接触位置までの距離L1を
使用される最小サイズの印刷用紙長さL2よりも短く設
定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1行程で印刷用紙
の片面あるいは両面に印刷画像を形成可能な孔版印刷装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、簡便な印刷方法としてデジタル式
感熱孔版印刷が知られている。これは、熱可塑性樹脂フ
ィルムと多孔質支持体とを貼り合わせた構造の感熱孔版
マスタ(以下「マスタ」という)に微細な発熱素子が1
列に並んだサーマルヘッドを接触させ、この発熱素子に
対しパルス的に通電を行いながらマスタをプラテンロー
ラー等の搬送手段で搬送することにより、マスタの熱可
塑性樹脂フィルムに画像情報に基づいた穿孔画像を熱溶
融穿孔製版した後、この穿孔製版されたマスタを多孔性
円筒状の版胴に巻装させ、プレスローラー等の押圧部材
によって印刷用紙を版胴の外周面に押圧させることで、
版胴の開孔部及びマスタの穿孔部から滲出したインキを
印刷用紙に転移させて印刷画像を得るものである。
【0003】この孔版印刷において、近年では印刷用紙
の消費量を低減させるために、印刷用紙の両面に印刷画
像を形成する両面印刷がその大部分を占めるようになっ
てきている。この両面印刷は、給紙部に積載した印刷用
紙を印刷部に通紙してその一面に印刷画像を形成した
後、印刷用紙を裏返して再度印刷部に通紙して他面に印
刷画像を形成することで完了する。しかし、一度排紙さ
れた印刷用紙を再度給紙部にセットしたり、片面印刷後
の印刷用紙を揃える等の作業が面倒であるという問題点
があった。また、表面印刷後の印刷物はインキが十分に
乾燥していないため、すぐに裏面に印刷しようとすると
搬送ローラーやプレスローラー等が画像面に押しつけら
れて印刷画像が乱れたり汚れたりする。このため通常は
数時間以上経過後に裏面への印刷を行い、特にベタ画像
部がある場合には長時間の乾燥時間が必要であることか
ら、翌日になってから裏面への印刷が行われていた。こ
のように、両面印刷は裏面に印刷を行うまで長時間待た
ねばならず、しかも印刷部への通紙を2回行うため、正
味の印刷時間においても片面印刷に比して2倍の時間を
要し、時間がかかりすぎるという問題点があった。
【0004】この問題点を解決するため、第1の版胴
と、用紙搬送路を介して第1の版胴と対向配置された第
2の版胴と、各版胴の外周面を互いに接離させる接離手
段と、印刷された印刷用紙を搬送する用紙搬送手段とを
具備し、接離手段により各版胴を互いに圧接させて1行
程で両面印刷物を得る孔版印刷装置が例えば特開平6−
71996号、特開平6−135111号公報にそれぞ
れ開示されている。
【0005】また、印刷前の印刷用紙を積載する第1の
給紙部と、片面印刷後の印刷用紙を積載する第1の位置
とこの印刷用紙の非印刷面に印刷させるべく印刷部に向
けて給送する第2の位置との間で移動可能な第1の排紙
トレイと、両面が印刷された印刷用紙を積載する第2の
排紙トレイと、第1の排紙トレイが第2の位置を占めた
ときに第1の排紙トレイ上の印刷用紙を印刷部に向けて
給送する第2の給紙部と、第1の排紙トレイを第1の位
置と第2の位置とに移動させる排紙トレイ移動手段と、
片面印刷後の印刷用紙を第1の位置を占めた第1の排紙
トレイに、両面印刷後の印刷用紙を第2の排紙トレイに
それぞれ吸着しながら搬送する揺動可能な排紙吸着切換
手段と、排紙吸着切換手段を第1の排紙位置と第2の排
紙位置とに選択的に移動させる吸着切換移動手段とを有
し、片面印刷後の印刷用紙を一時ストックさせた後に再
給紙して両面に印刷を行う技術が例えば特開平7−81
202号公報、特開平10−291357号公報にそれ
ぞれ開示されている。
【0006】また、製版されたマスタが巻装される第1
の版胴と、第1の版胴と同径であり製版されたマスタが
巻装される第2の版胴と、各版胴間に配設され各版胴と
同径の転写胴とを有し、第2の版胴から転写胴に画像を
転写すると共に第1の版胴と転写胴との間に印刷用紙を
給送し、第1の版胴を転写胴に圧接させて1行程で両面
印刷物を得る技術が例えば特開平9−300805号公
報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した各技術
では、それぞれ以下のような問題点を有している。先
ず、特開平6−71996号、特開平6−135111
号公報にそれぞれ開示された技術では、各版胴間に給送
された印刷用紙がフリーな状態であることから、両面印
刷後の印刷用紙を何れの版胴にも巻き付くことなくかつ
擦り汚れを発生させずに剥離・搬送することが非常に困
難であり、搬送ジャムあるいは巻き上がりの発生率が高
くなってしまうという問題点があると共に、片面印刷時
には印刷に使用しない版胴を空転させるため版胴内部に
供給されているインキが空転によって変質し両面印刷時
に画像不良を引き起こしてしまうという問題点がある。
【0008】次に、特開平7−81202号公報、特開
平10−291357号公報にそれぞれ開示された技術
では、片面印刷後に印刷用紙を一時ストックするために
印刷時間が長くなってしまうと共に、片面印刷後の印刷
用紙は波打やカールが激しいために再度分離給送する際
に給紙ジャムを発生させてしまい、さらに排紙トレイを
複数有すると共にその移動機構を設ける必要が生じ、構
成が大幅に複雑化してしまうという問題点がある。
【0009】また、特開平9−300805号公報に開
示された技術では、印刷用紙の一面には版胴から直接、
また他面には転写胴を介して印刷画像が転写されるた
め、各面での画像濃度や画像品質において差が生じてし
まうと共に、転写胴に印刷用紙保持用の爪を有するため
に構成が複雑化してしまうという問題点がある。
【0010】本発明は上述の各種問題点を解決し、搬送
ジャムや巻き上がりの発生を防止しつつ簡単な構成で1
行程両面印刷を行うことができ、安定した濃度及び品質
の両面印刷物を得ることが可能な孔版印刷装置の提供を
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
用紙搬送路を搬送される印刷用紙の第1の面と対応する
位置に配設された第1の版胴と、前記用紙搬送路を介し
て第1の版胴と対向配置され第1の版胴の外周面に対し
て接離自在に設けられた押圧手段と、第1の版胴より用
紙搬送方向下流側であって前記印刷用紙の第2の面と対
応する位置に配設された第2の版胴と、前記用紙搬送路
を介して第2の版胴と対向配置され第2の版胴の外周面
に対して接離自在に設けられた圧胴と、第1の版胴と第
2の版胴との間に配設され送られる前記印刷用紙を搬送
する中間搬送部材と、第2の版胴の用紙搬送方向下流側
に配設され送られる前記印刷用紙を搬送する排紙搬送部
材とを具備し、前記印刷用紙の両面あるいは片面に印刷
画像を形成する孔版印刷装置において、前記圧胴の直径
が第1の版胴の直径と同径であり、かつ前記圧胴の回転
速度が第1の版胴の回転速度と同速度であると共に、第
1の版胴と前記押圧手段との接触位置から第2の版胴と
前記圧胴との接触位置までの距離が、使用される最小サ
イズの印刷用紙長さよりも短く設定されていることを特
徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置において、さらに各版胴間の位相を調整する
天地移動機構を有し、該天地移動機構操作時において、
前記圧胴は第1の版胴と位相が変化しないように第1の
版胴と共に移動することを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の孔版印刷装置において、さらに前記中間搬
送部材は前記印刷用紙の第2の面に接触して前記印刷用
紙を搬送し、前記排紙搬送部材は前記印刷用紙の第1の
面に接触して前記印刷用紙を搬送することを特徴とす
る。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3記載の孔
版印刷装置において、さらに前記中間搬送部材の用紙搬
送速度は第1の版胴の回転周速度よりも高速に設定さ
れ、前記排紙搬送部材の用紙搬送速度は第2の版胴の回
転周速度と同速度に設定されていることを特徴とする。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1ないし請
求項4のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに第2の版胴が孔版印刷装置本体に対して着脱
自在であると共に、前記中間搬送部材が、第2の版胴と
前記圧胴との接触位置を越え前記排紙搬送部材に前記印
刷用紙を受け渡す受け渡し位置まで前記印刷用紙の搬送
をガイドする用紙ガイド板を有し、前記印刷用紙の第1
の面のみに印刷画像を形成する片面印刷時において、第
2の版胴を前記孔版印刷装置本体より取り外すと共に前
記用紙ガイド板により前記印刷用紙のガイドを行うこと
を特徴とする。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項5記載の孔
版印刷装置において、さらに前記用紙ガイド板は前記中
間搬送部材に移動可能に支持されており、ガイド板移動
手段により第2の版胴の回転動作を妨げない初期位置と
受け渡し位置とを選択的に占めることを特徴とする。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項6記載の孔
版印刷装置において、さらに前記ガイド板移動手段がモ
ーターであり、該モーターはラックアンドピニオン機構
を介して前記用紙ガイド板を移動させることを特徴とす
る。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項1ないし請
求項4のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに第2の版胴の内周面にインキを供給すると共
にその作動・停止を切換可能なインキローラーを有し、
前記印刷用紙の第1の面のみに印刷画像を形成する片面
印刷時において、第2の版胴に未製版のマスタを巻装す
ると共に前記インキローラーを停止させることを特徴と
する。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項1ないし請
求項8のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに前記圧胴の外周面に付着したインキを除去す
るクリーニング装置を有し、該クリーニング装置は第1
の版胴に新しいマスタが巻装されたときに作動すること
を特徴とする。
【0020】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を採用した1行程
両面印刷可能な孔版印刷装置の概略正面図を示してい
る。同図において孔版印刷装置1は、画像読取部2、給
紙部3、第1製版搬送部4、第1排版部5、第1印刷部
6、中間搬送部7、第2製版搬送部8、第2排版部9、
第2印刷部10、排紙部11、制御部12等から主に構
成されている。
【0021】画像読取部2は、孔版印刷装置本体として
の筐体13の上部に配設されており、原稿を載置するコ
ンタクトガラス、原稿を搬送する複数の原稿搬送ローラ
ー、原稿をコンタクトガラスに沿って搬送する原稿搬送
ベルト、読み取られた原稿の排出方向を切り換える切換
板、原稿画像を走査して読み取るための反射ミラー及び
蛍光灯、走査された原稿を集束するレンズ、集束された
画像を処理するCCD等の画像センサー(全て図示せ
ず)等を有している。
【0022】筐体13の右方中段には給紙部3が配設さ
れている。給紙部3は、図示しない昇降手段によって上
下動自在に支持されその上面に印刷用紙Pを積載される
給紙台14、給紙台14上に積載された最上位の印刷用
紙Pに接触してこれを給送する給紙ローラー15、給紙
ローラー15によって給送された印刷用紙Pを1枚ずつ
に分離する分離ローラー16及び分離パッド17、給送
された印刷用紙Pの先端をくわえ込んでタイミングを取
った後に第1印刷部6に向けて給送するレジストローラ
ー対18等を有している。給紙ローラー15と分離ロー
ラー16とは図示しないギヤやベルトによって駆動連結
されており、図示しないモーターによって同期して同方
向に回転駆動される。また、給紙ローラー15は図示し
ないブラケットに揺動自在に支持されると共に図示しな
い付勢手段によって図の下方への付勢力を付与されてお
り、給紙台14の上昇時において、給紙台14上に積載
された最上位の印刷用紙Pに対して所定の圧接力で圧接
する。駆動ローラー18aと従動ローラー18bとから
なるレジストローラー対18は、図示しないレジスト駆
動モーターにより第1印刷部6の動作と同期して回転駆
動される。
【0023】給紙部3の上方には第1製版搬送部4が配
設されている。第1製版部4は、マスタロール支持部材
19、プラテンローラー20、サーマルヘッド21、カ
ッター部材22、反転ローラー対23等を有している。
熱可塑性樹脂フィルムと和紙や合成繊維等の多孔性支持
板とを貼り合わせたマスタ24をロール状に巻成したマ
スタロール24aの芯部24bを回転自在かつ着脱自在
に支持するマスタロール支持部材19は、第1製版搬送
部4の図示しない側板に固定されている。プラテンロー
ラー20は図示しない側板間に回転自在に支持されてお
り、図示しないステッピングモーターによって回転駆動
される。複数の発熱素子を有するサーマルヘッド21は
図示しない側板間に揺動自在に支持されており、図示し
ない移動手段により、プラテンローラー20の外周面よ
り離間する位置とプラテンローラー20の外周面に所定
の圧接力で圧接する位置とに選択的に位置決めされる。
可動刃22aと固定刃22bとからなるカッター部材2
2は、図示しない側板間に固定された固定刃22b上を
可動刃22aがマスタ24の幅方向に回転移動すること
によりマスタ24を切断する。反転ローラ対23は駆動
ローラーと従動ローラーとを有しており、駆動ローラー
の内部にはワンウェイクラッチが組み込まれている。
【0024】給紙部3と第1製版搬送部4との間の部位
には第1排版部5が配設されている。第1排版部5は、
排版ボックス25、上排版ローラー26、下排版ローラ
ー27等を有している。内部に使用済みのマスタ24を
貯容する排版ボックス25は筐体13に対して着脱可能
に構成されており、その内部には図示しない駆動手段に
より駆動され使用済みのマスタ24を圧縮する図示しな
い圧縮板が設けられている。上排版ローラー26及び下
排版ローラー27は、それぞれ排版ボックス25に回転
自在に支持されると共に筐体13の内部に設けられた図
示しない排版駆動手段によって回転駆動され、さらに下
排版ローラー27は筐体13の内部に設けられた図示し
ない移動手段によって後述する版胴28の外周面に接触
可能である位置に移動自在に設けられている。上排版ロ
ーラー26及び下排版ローラー27及び図示しない圧縮
板はそれぞれ駆動力伝達用の図示しないギヤを有してお
り、排版ボックス25が筐体13に装着されたときに筐
体13内部に設けられた図示しない排版駆動手段及び駆
動手段に設けられたギヤと噛合して駆動力を伝達される
ように構成されている。
【0025】第1排版部5の左方には第1印刷部6が配
設されている。第1印刷部6は、第1の版胴としての版
胴28、押圧手段としてのプレスローラー29等を有し
ている。筐体13に回転自在かつ着脱自在に支持される
版胴28は、後述する版胴駆動手段30からの駆動力を
受けて回転駆動される。版胴28はステンレス薄板をエ
ッチング加工したものあるいはニッケル電鋳された薄板
からなる、複数の孔部を有する図示しない多孔性支持板
を有しており、この多孔性支持板の開口部表面にはポリ
エステルあるいはステンレスの細線等で織られた図示し
ないメッシュスクリーンが複数層巻装されている。多孔
性支持板の非開口部表面には、版胴28の軸方向に延在
する平面からなる図示しないステージ部と、このステー
ジ部とでマスタ24の先端を挟持するクランパー31と
が配設されている。クランパー31は版胴28が所定位
置に達したときに図示しない開閉手段によって開閉さ
れ、その先端部は図示しないステージ部に対して磁着可
能に構成されている。多孔性支持板の両端部には図示し
ないフランジがそれぞれ設けられており、各フランジは
インキ供給パイプを兼ねた支軸32に回転自在に支持さ
れている。
【0026】版胴28の内部にはインキ供給手段33が
配設されている。インキ供給手段33は、支軸32、イ
ンキローラー34、ドクターローラー35等を有してい
る。支軸32の表面には、版胴28の外部に設けられた
インキパックから図示しないインキポンプにより送られ
たインキを版胴28の内部に供給するための小径の孔が
多数穿設されており、その下方にはインキローラー34
とドクターローラー35とが配設されている。インキロ
ーラー34及びドクターローラー35は、版胴28内に
設けられ支軸32に固設された図示しない側板間にそれ
ぞれ回転自在に支持されており、図示しない駆動手段に
より互いに逆方向に向けてそれぞれ回転駆動される。イ
ンキローラー34とドクターローラー35とは、互いの
外周面間に僅かな隙間が生じるようにそれぞれ近接して
配置されており、各外周面の近接部において楔状のイン
キ溜まり36を形成している。支軸32よりインキ溜ま
り36へと供給されたインキは、インキローラー34と
ドクターローラー35との隙間を通過する際に均一な層
状とされ、インキローラー34の外周面を介して版胴2
8を構成する多孔性支持板の内周面に供給される。
【0027】版胴28の下方にはプレスローラー29が
配設されている。プレスローラー29は図示しない一対
のアーム部材間に回転自在に支持されており、図示しな
いアーム部材が図示しない揺動手段によって揺動される
ことにより、その外周面を版胴28の外周面に対して圧
接離間可能に構成されている。
【0028】第1印刷部6の左方には中間搬送部7が配
設されている。中間搬送部7は、第1用紙剥離部材3
7、中間搬送部材38等を有している。第1用紙剥離部
材37は、ケース39、剥離爪40、ファン41等を有
している。ケース39は、その下端に開口部を有する箱
形状を呈しており、筐体13内部に固設されている。ケ
ース39の開口部には剥離爪40が揺動自在に取り付け
られており、剥離爪40は筐体13内部に設けられた図
示しない揺動手段によってその先端を版胴28の外周面
に対して近接離間自在に揺動される。ケース39の開口
部の一部は剥離爪40の形状を倣うように形成されてお
り、剥離爪40との間で所定の間隙を形成している。ケ
ース39の内部に取り付けられたファン41は図示しな
いモーターによって回転駆動される。この構成により、
ファン41が回転すると空気流が所定の間隙から版胴2
8の外周面に向けて送られ、第1用紙剥離部材37はエ
アナイフとして機能する。
【0029】第1用紙剥離部材37の下方に配置された
中間搬送部材38は、駆動ローラー42、従動ローラー
43、無端ベルト44、吸引ファン45等を有してい
る。図示しない駆動モーターで回転駆動される駆動ロー
ラー42及び従動ローラー43は、それぞれ複数個ずつ
搬送部材本体46(一部を図2に示す)に所定の間隔で
回転自在に支持されており、駆動ローラー42と従動ロ
ーラー43との間には多数の孔部44a(図2参照)を
形成された無端ベルト44がそれぞれ掛け渡されてい
る。搬送部材本体46の下部に取り付けられた吸引ファ
ン45は、図示しないモーターによって回転駆動され
る。この構成により中間搬送部材38は、版胴28から
の画像を第1の面である表面に転写された印刷用紙Pの
第2の面である裏面を吸引ファン45の吸引力によって
吸引搬送して、下流側へと搬送する。このときの中間搬
送部材38の用紙搬送速度は、版胴28の周速度の1.
2〜1.5倍程度に設定されている。これにより版胴2
8と中間搬送部材38との間での印刷用紙Pに対して適
度な張力が付与され、印刷用紙Pが版胴28から引き剥
がされるときに印刷用紙Pへのインキ転移量が制限され
ることとなり、印刷用紙Pの第1の面が後述する圧胴6
0で押圧されたときに、印刷用紙Pから圧胴60へと転
移するインキ量が減少され、圧胴60の表面汚れを抑制
することができる。
【0030】また、搬送部材本体46の用紙搬送方向下
流側端部には用紙ガイド板47が配設されている。用紙
ガイド板47は、図2に示すように搬送部材本体46の
面板の下方に図2に矢印で示す用紙搬送方向に対して引
き出し可能に取り付けられており、その一側部にはラッ
ク部47aが形成されている。用紙ガイド板47の側部
近傍には、ラック部47aに噛合するピニオン48aを
出力軸に有するガイド板移動手段としてのモーター48
が配設されている。用紙ガイド板47は、モーター48
からの駆動力をラック部47aとピニオン48aとから
なるラックアンドピニオン機構49を介して伝達され、
図1に示す初期位置と後述する片面印刷時における受け
渡し位置とに選択的に位置決めされる。
【0031】中間搬送部7の下方には第2製版搬送部8
が配設されている。第2製版搬送部8は、マスタロール
支持部材50、プラテンローラー51、サーマルヘッド
52、カッター部材53、反転ローラー対54等を有し
ている。マスタ55をロール状に巻成してなるマスタロ
ール55aの芯部55bを回転自在かつ着脱自在に支持
するマスタロール支持部材50は第2製版搬送部8の図
示しない側板に固定されており、マスタロール支持部材
50は図示しない側板と共に孔版印刷装置1の装置前面
側に引き出し可能に構成されている。プラテンローラー
51は図示しない側板間に回転自在に支持されると共に
図示しないステッピングモーターによって回転駆動さ
れ、サーマルヘッド52は図示しない側板間に揺動自在
に支持されると共に図示しない移動手段によりプラテン
ローラー51の外周面に圧接する位置と離間する位置と
に選択的に位置決めされる。可動刃53aと固定刃53
bとからなるカッター部材53は固定刃53b上を可動
刃53aがマスタ幅方向に回転移動することによりマス
タ55を切断する。駆動ローラーと従動ローラーとを有
する反転ローラー対54は図示しない駆動手段により回
転駆動され、駆動ローラーには図示しないワンウェイク
ラッチが組み込まれている。
【0032】第2製版搬送部8の下方に位置する部位に
は第2排版部9が配設されている。第2排版部9は、排
版ボックス56、上排版ローラー57、下排版ローラー
58等を有している。内部に使用済みのマスタ55を貯
容する排版ボックス56は筐体13に対して着脱可能に
構成されており、その内部には図示しない圧縮板が設け
られている。上排版ローラー57及び下排版ローラー5
8は、それぞれ排版ボックス56に回転自在に支持され
ると共に筐体13の内部に設けられた図示しない排版駆
動手段によって回転駆動され、さらに上排版ローラー5
7は筐体13の内部に設けられた図示しない移動手段に
よって後述する版胴59の外周面に接触可能な位置に移
動自在に設けられている。上排版ローラー57及び下排
版ローラー58及び図示しない圧縮板はそれぞれ駆動力
伝達用の図示しないギヤを有しており、排版ボックス5
6が筐体13に装着されたときに筐体13内部に設けら
れた図示しない排版駆動手段及び駆動手段に設けられた
ギヤと噛合して駆動力を伝達される。
【0033】中間搬送部7の左方には第2印刷部10が
配設されている。第2印刷部10は、第2の版胴として
の版胴59、圧胴60等を有している。筐体13に回転
自在かつ着脱自在に支持される版胴59は版胴28と同
径に形成されており、後述する版胴駆動手段30からの
駆動力を受けて版胴28と同期して同じ回転速度で回転
駆動される。版胴59は版胴28と同様の多孔性支持板
を有しており、この多孔性支持板の非開口部表面には図
示しないステージ部とクランパー61とが配設されてい
る。また、図示しない多孔性支持板の両端部には図示し
ないフランジがそれぞれ設けられており、各フランジは
インキ供給パイプを兼ねた支軸62に回転自在に支持さ
れている。
【0034】版胴59の内部にはインキ供給手段63が
配設されている。インキ供給手段63は、支軸62、イ
ンキ供給パイプ64、インキローラー65、ドクターロ
ーラー66等を有している。支軸62の表面には、版胴
59の外部に設けられたインキパックから図示しないイ
ンキポンプによって送られたインキを吐出する複数の孔
部が設けられており、各孔部にはインキを上方に向けて
送るためのインキ供給パイプ64がそれぞれ取り付けら
れている。支軸62の上方に配設されたインキローラー
65及びドクターローラー66は、版胴59内に設けら
れ支軸62に固設された側板間にそれぞれ回転自在に支
持されており、図示しない駆動手段により互いに逆方向
に向けてそれぞれ回転駆動される。インキローラー65
とドクターローラー66とは、互いの外周面間に僅かな
隙間が生じるようにそれぞれ近接して配置されており、
各外周面の近接部において楔状のインキ溜まり67を形
成している。支軸62よりインキ供給パイプ64を介し
てインキ溜まり67へと供給されたインキは、インキロ
ーラー65とドクターローラー66との隙間を通過する
際に均一な層状とされ、インキローラー65の外周面を
介して版胴59を構成する多孔性支持板の内周面に供給
される。
【0035】版胴59の外周面近傍には版胴検知センサ
ー109が配設されている。版胴検知センサー109は
筐体13内部の図示しない側板に取り付けられた反射型
のセンサーであり、版胴59が筐体13に取り付けられ
ているときにこれを検知し、検知信号を制御部12に向
けて出力する。
【0036】版胴59の上方には圧胴60が配設されて
いる。各版胴28,59と同径に形成された圧胴60は
ある程度の弾性を有する材質により構成されており、そ
の外表面には薄いポリエステルフィルム等の撥水性を有
する部材が被覆され、その外周面の一部には切欠部60
aが形成されている。圧胴60は、両端部に図示しない
アーム部材が取り付けられた支軸68に回転自在に支持
されており、図示しないアーム部材が図示しない揺動手
段によって揺動されることにより、その外周面が版胴5
9の外周面に圧接する位置と僅かに離間する(1mm程
度)位置とに選択的に揺動される。圧胴60は後述する
版胴駆動手段30により版胴28と同期して同周速度で
回転駆動され、切欠部60aはクランパー61と対応す
る位置に形成されている。切欠部60aの大きさは、後
述する天地移動機構69によって版胴59と圧胴60と
の位相が最大にずれた場合であっても、クランパー61
と対応しきれる大きさに形成されている。
【0037】圧胴60の外周面近傍にはクリーニング装
置83が配設されている。クリーニング装置83は、圧
胴60の外周面上に付着したインキを吸着するクリーニ
ングシート84をロール状に巻成したシートロール84
aを支持する支持ローラー85と、クリーニングシート
84を巻き取る巻き取りローラー86とを有している。
支持ローラー85は、図示しない揺動手段によってその
外周面上のクリーニングシート84が圧胴60の外周面
に対して圧接する位置と図1に示す離間位置とに揺動自
在に構成されている。この構成により、第1排版部5に
より版胴28の外周面上から使用済みのマスタ24が剥
離され、第1製版搬送部4により製版された新しいマス
タ24が版胴28の外周面上に巻装された場合に、クリ
ーニングシート84を圧胴60の外周面に圧接させた状
態で圧胴60を回転させることにより、圧胴60の外周
面に付着したインキをクリーニングシート84によって
拭き取ることができる。巻き取りローラー86は、圧胴
60の清掃後に所定量だけ巻き取られる。
【0038】ここで、第1印刷部6と第2印刷部10と
の配設位置について説明する。第1印刷部6と第2印刷
部10とは、図3に示すように、版胴28とプレスロー
ラー29とのニップ部N1から版胴59と圧胴60との
ニップ部N2までの距離L1が、孔版印刷装置1で印刷
可能な最小サイズの印刷用紙P0の搬送方向長さL2よ
りも短くなるように配設されている。すなわち、第1印
刷部6における印刷用紙P0に対する印圧が解除される
前に、印刷用紙Pは第2印刷部10において印圧を加え
られることとなる。また、当然のことながら、各印刷部
6,10間に配置された中間搬送部材38の長さもL2
より短く設定されている。
【0039】第2印刷部10の左方には排紙部11が配
設されている。排紙部11は、第2用紙剥離部材70、
排紙搬送部材71、排紙トレイ72等を有している。第
2用紙剥離部材70は、ケース73、剥離爪74、ファ
ン75等を有している。ケース73は、その上端に開口
部を有する箱形状を呈しており、筐体13内部に固設さ
れている。ケース73の開口部には剥離爪74が揺動自
在に取り付けられており、剥離爪74は筐体13内部に
設けられた図示しない揺動手段によってその先端を版胴
59の外周面に対して近接離間自在に揺動される。ケー
ス73の開口部の一部は剥離爪74の形状を倣うように
形成されており、剥離爪74との間で所定の間隙を形成
している。ケース73の内部に取り付けられたファン7
5は、図示しないモーターによって回転駆動される。こ
の構成により、ファン75が回転すると所定の間隙から
版胴59の外周面に向けて空気流が送られ、第2用紙剥
離部材70は第1用紙剥離部材37と同様にエアナイフ
として機能する。
【0040】第2用紙剥離部材70の左方上方に配置さ
れた排紙搬送部材71は、駆動ローラー76、従動ロー
ラー77、無端ベルト78、吸引ファン79,80、ス
クレーパー81等を有している。図示しない駆動モータ
ーで回転駆動される駆動ローラー76及び従動ローラー
77は、それぞれ複数個ずつ図示しない搬送部材本体に
所定の間隔で回転自在に支持されており、駆動ローラー
76と従動ローラー77との間には図示しない多数の孔
部を有する無端ベルト78がそれぞれ掛け渡されてい
る。従動ローラー77の配設位置は、中間搬送部材38
を構成する駆動ローラー42との間隔が、孔版印刷装置
1で印刷可能な最小サイズの印刷用紙P0の搬送方向長
さL2よりも50mm以上短くなるように配設されてい
る(図3参照)。
【0041】搬送部材本体の上部に取り付けられた各吸
引ファン79,80は、それぞれ図示しないモーターに
よって回転駆動される。スクレーパー81は搬送部材本
体の用紙搬送方向下流側端部近傍に配設されており、無
端ベルト78上を各吸引ファン79,80の吸引力によ
って吸着搬送されてくる印刷用紙Pを剥離し、下方へと
落下させる。排紙搬送部材71の用紙搬送速度は、版胴
59の周速度と同じ速度に設定されている。これにより
版胴28から転写された画像を有する印刷用紙Pの表面
を吸着搬送する際に画像面を擦ることが防止され、擦り
汚れの発生を防止することができる。
【0042】排紙搬送部材71の下方に配設された排紙
トレイ72は、スクレーパー81によって下方へと落下
した印刷済みの印刷用紙Pをその上面に積載する。排紙
トレイ72には、落下した印刷用紙Pの先端を衝突させ
て排紙揃えを安定させるためのエンドフェンス82と、
印刷用紙Pの幅方向をガイドする図示しない一対のサイ
ドフェンスとが設けられている。エンドフェンス82及
び一対のサイドフェンスは排紙トレイ72上を移動可能
に設けられており、印刷用紙Pのサイズに合わせて移動
される。
【0043】図4は、版胴駆動手段30を示している。
版胴駆動手段30は、版胴駆動モーター87、タイミン
グプーリー88,89、ギヤ90、タイミングプーリー
91,92、中間タイミングプーリー93、中間ギヤ9
4、テンションプーリー95、天地移動機構69、タイ
ミングベルト96,97,98等を有している。
【0044】版胴駆動モーター87は筐体13の内部に
設けられており、その出力軸87aにはモータータイミ
ングプーリー99が取り付けられている。タイミングプ
ーリー88,89及びギヤ90は、支軸32と同軸上で
あって筐体13に回転自在に支持された第1版胴駆動軸
100に取り付けられており、タイミングプーリー91
は支軸68に取り付けられている。第1版胴駆動軸10
0の回転力は、図示しない駆動力伝達機構を介して版胴
28に伝達される。モータータイミングプーリー99と
タイミングプーリー89との間にはタイミングベルト9
6が掛け渡されており、各タイミングプーリー88,9
1間にはタイミングベルト97が掛け渡されている。
【0045】筐体13の内部であって版胴28の下方に
位置する部位には、中間タイミングプーリー93と中間
ギヤ94とを取り付けられた枢軸101が配設されてい
る。枢軸101は、中間ギヤ94がギヤ90と噛合する
位置において筐体13に回転自在に支持されている。テ
ンションプーリー95は、枢軸101の下方に位置する
筐体13の内部に、その位置を移動可能に取り付けられ
ている。また、タイミングプーリー92は、支軸62と
同軸上であって筐体13に回転自在に支持された第2版
胴駆動軸102に取り付けられている。第2版胴駆動軸
102の回転力は、図示しない駆動力伝達機構を介して
版胴59に伝達される。
【0046】上述の構成において、タイミングプーリー
88とタイミングプーリー91とは同形に形成され、タ
イミングプーリー89、ギヤ90、中間タイミングプー
リー93、中間ギヤ94、タイミングプーリー92のギ
ヤ比は、各版胴28,59の回転が同期するように設定
されている。
【0047】中間タイミングプーリー93とタイミング
プーリー92の間には天地移動機構69が配設されてい
る。天地移動機構69は、タイミングプーリー103,
104、テンションプーリー105,106,107,
108等を有している。各タイミングプーリー103,
104は、筐体13に上下動自在に支持された図示しな
いフレームに回転自在に支持されている。この図示しな
いフレームは一側部にラックを有しており、筐体13内
部に設けられた図示しない天地移動モーターからの駆動
力を、天地移動モーターの出力軸に取り付けられたピニ
オンを介して伝達されることにより、図示しないフレー
ムが上下動されるように構成されている。タイミングプ
ーリー92、中間タイミングプーリー93、テンション
プーリー95、各タイミングプーリー103,104に
はタイミングベルト98が掛け渡されており、各タイミ
ングプーリー103,104の近傍には、タイミングベ
ルト98の背面に接触してタイミングベルト98に張力
を付与させる4個のテンションプーリー109,11
0,111,112が配設されている。上述の構成よ
り、版胴駆動モーター87を停止させた状態で図示しな
いモーターを作動させ、図示しないフレームを介して各
タイミングプーリー103,104を上下動させること
により、版胴28と版胴59との位相を相対的に変化さ
せることができる。
【0048】図5は、孔版印刷装置1の操作パネルを示
している。筐体13の上部前面に設けられた操作パネル
110は、その上面に製版スタートキー111、印刷ス
タートキー112、試し刷りキー113、連続キー11
4、クリア/ストップキー115、テンキー116、エ
ンターキー117、プログラムキー118、モードクリ
アキー119、印刷速度設定キー120、画像位置調整
キー121、集約キー122、クラスキー123、トレ
イ切換キー124、トレイ表示装置125、7セグメン
トLEDからなる表示装置126、LCDからなる表示
装置127、選択設定キー128,129,130,1
31、印刷切換キー132等を有している。
【0049】製版スタートキー111は孔版印刷装置1
に製版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー
111が押下されると排版動作及び原稿読取動作が行わ
れた後に製版動作が行われ、その後版付け動作が行われ
て孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷スタート
キー112は孔版印刷装置1に印刷動作を行わせる際に
押下され、孔版印刷装置1が印刷待機状態となり各種印
刷条件が設定された後に印刷スタートキー112が押下
されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー1
13は孔版印刷装置1に試し刷りを行わせる際に押下さ
れ、各種条件が設定された後に試し刷りキー113が押
下されることにより1枚だけ印刷が行われる。連続キー
114は製版動作と印刷動作とを連続して行う際に製版
スタートキー111の押下前に押下され、連続キー11
4の押下後、印刷条件が入力された後に製版スタートキ
ー111が押下されると、排版動作、原稿読取動作、製
版動作に引き続いて印刷動作が行われる。
【0050】クリア/ストップキー115は孔版印刷装
置1の動作を停止させる際や置数のクリア時に押下さ
れ、テンキー116は数値入力に用いられる。エンター
キー117は各種設定時に数値等を決定する際に、プロ
グラムキー118はよく行う操作を登録したりそれを呼
び出す際にそれぞれ押下され、モードクリアキー119
は各種のモードをクリアして初期設定に戻す際に押下さ
れる。印刷速度設定キー120は印刷動作に先立って印
刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい
場合や雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄
めの画像を得たい場合や雰囲気温度が高い場合等には印
刷速度を速く設定する。画像位置調整キー121は、上
キー121a、下キー121b、左キー121c、右キ
ー121dを有しており、画像編集時等において画像位
置を調整する際や各種設定時に数値や項目等を選択する
際にも押下される。集約キー122は集約モード選択時
に、クラスキー123はクラスモード選択時にそれぞれ
押下される。トレイ切換キー124は使用するトレイを
選択する際に押下され、押下する毎にトレイ表示装置1
25のLEDが切り替わる。
【0051】7セグメントLEDからなる表示装置12
6は、主に印刷枚数等の数字を表示する。LCDからな
る表示装置127は、初期状態時において図5に示すよ
うに、原稿種類設定表示127a、変倍設定表示127
b、用紙種類設定表示127c、位置調整設定表示12
7dを表示しており、各表示の下方にはそれぞれ対応す
る選択設定キー128,129,130,131が配設
されている。表示装置127は階層表示構造となってお
り、図5に示された状態から選択設定キー128が押下
されると原稿画像モードとして文字モードや写真モード
等を選択設定する原稿種類設定モードに、選択設定キー
129が押下されると自動変倍や独立変倍等を選択設定
する変倍設定モードに、選択設定キー130が押下され
ると使用される印刷用紙として標準紙や厚紙等を設定す
る用紙種類設定モードに、選択設定キー131が押下さ
れると画像形成位置を調整する位置調整設定モードにそ
れぞれモード設定され、表示装置127の表示がそれぞ
れ変化する。
【0052】印刷切換キー132は、孔版印刷装置1を
用いて両面印刷を行う場合と片面印刷を行う場合とを切
り換える際に押下され、押下される毎にその上部に設け
られた両面印刷状態を示すLED132aと片面印刷状
態を示す132bの点灯が切り換えられると共に、表示
装置127の表示が変化する。表示装置127の表示の
変化については、後述する孔版印刷装置1の動作説明時
に併せて説明する。
【0053】図6は、本実施例に用いられる制御部12
のブロック図を示している。図示しないCPU、RO
M、RAM等を有する周知のマイクロコンピューターか
らなる制御部12は、操作パネル110からの動作指令
に基づいて、画像読取部2、給紙部3、第1製版搬送部
4、第1排版部5、第1印刷部6、中間搬送部7、第2
製版搬送部8、第2排版部9、第2印刷部10、排紙部
11、版胴駆動手段30等の作動を制御する。
【0054】上述の構成に基づき、以下にこの孔版印刷
装置1の動作を説明する。先ず、孔版印刷装置1の両面
印刷動作を説明する。オペレーターは両面印刷すべき2
枚の原稿を用意し、そのうちの1枚を画像読取部2にセ
ットして印刷切換キー132を押下し、LED132a
を点灯させて両面印刷モードを選択する。両面印刷モー
ドが選択されると、図5に示すように、操作パネル11
0上の表示装置127に両面印刷モードであることが表
示される。次に、オペレーターにより変倍率やトレイ等
の各種設定が行われた後に製版スタートキー111が押
下されると、版胴駆動手段30が作動して版胴28が図
1において反時計回り方向に回転すると共に図示しない
移動手段が作動して下排版ローラー27がその外周面を
版胴28上の使用済みマスタに当接させる位置に移動さ
れ、版胴28の外周面上に巻装されている使用済みマス
タが上排版ローラー26及び下排版ローラー27によっ
て剥離される。剥離された使用済みマスタは排版ボック
ス25内部に収納され、図示しない圧縮板によって圧縮
される。その後、クランパー31が反転ローラー対23
と対応する給版待機位置まで版胴28が回転して停止す
ると共にクランパー31が開放され、孔版印刷装置1は
給版待機状態となる。
【0055】上述の排版動作時において、版胴28の回
転と共に圧胴60も版胴28と同方向に同期して回転駆
動される。この回転時において、図示しない揺動手段が
作動して支持ローラー85が揺動され、その周面に巻装
されているクリーニングシート84がシートロール84
aの状態で圧胴60の外周面に圧接される。この圧接及
び圧胴60の回転により、圧胴60の外周面上に付着し
ている前回印刷時のインキやごみ等がクリーニングシー
ト84によって拭き取られ、圧胴60のクリーニングが
完了する。
【0056】排版動作完了後、画像読取部2では1枚目
の原稿画像の読取動作が行われる。図示しないコンタク
トガラス上に載置された1枚目の原稿は、その下部に設
けられた蛍光灯及び反射ミラーが走査することによりそ
の画像を読み取られる。読み取られた画像はレンズで集
光された後に画像センサーに入射されて光電変換され、
変換された電気信号は図示しないA/D変換器に入力さ
れる。
【0057】原稿読取動作に並行して、第1製版搬送部
4では製版搬送動作が行われる。排版動作完了後、プラ
テンローラー20及び反転ローラー対23がそれぞれ回
転を開始し、マスタロール24aからマスタ24が引き
出される。引き出されたマスタ24は、サーマルヘッド
21上の複数の発熱素子がA/D変換器及びその他の製
版基板で各種処理を施された後に送られてきたデジタル
画像信号に応じて各々選択的に発熱することにより、そ
の熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像を穿孔製版され
る。そして、プラテンローラー20を回転駆動する図示
しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ
24の先端が所定位置まで搬送されたと判断されると、
図示しない開閉手段が作動してクランパー31が閉じら
れ、マスタ24の先端が版胴28上に係止される。
【0058】マスタ24の係止後、版胴28がマスタ搬
送速度と同じ周速度で図1の時計回り方向に回転し、版
胴28へのマスタ24の巻装動作が行われる。そして、
図示しないステッピングモーターのステップ数より1版
分の製版が完了したと判断されると、プラテンローラー
20及び反転ローラー対23の回転が停止すると共に可
動刃22aが回転移動してマスタ24が切断される。切
断されたマスタ24は、版胴28の回転動作によって反
転ローラー対23から引き出されることにより、適度な
張力を付与された状態で版胴28の外周面上に巻装され
る。そして、版胴28がホームポジションまで回転する
と版胴駆動手段30の作動が停止し、版胴28へのマス
タ24の巻装動作が完了する。
【0059】版胴28へのマスタ24の巻装動作が完了
すると、2枚目の原稿をセットして製版スタートキー1
11を押下することをオペレーターに促す旨の表示が表
示装置127に表示される。オペレーターはこの表示に
従い、画像読取部2にセットされている原稿を2枚目に
入れ替え、変倍率等の各種設定を行った後に製版スター
トキー111を押下する。製版スタートキー111が押
下されると、版胴駆動手段30が作動して版胴59が図
1において時計回り方向に回転すると共に図示しない移
動手段が作動して上排版ローラー57がその外周面を版
胴59上の使用済みマスタに当接させる位置に移動さ
れ、版胴59の外周面上に巻装されている使用済みマス
タが上排版ローラー57及び下排版ローラー58によっ
て剥離される。剥離された使用済みマスタは排版ボック
ス56内部に収納され、図示しない圧縮板によって圧縮
される。その後、クランパー61が反転ローラー対54
と対応する給版待機位置まで版胴59が回転して停止す
ると共にクランパー61が開放され、孔版印刷装置1は
再び給版待機状態となる。
【0060】排版動作完了後、画像読取部2では1枚目
の原稿読取時と同様に、2枚目の原稿画像の読取動作が
行われる。また、原稿読取動作に並行して、第2製版搬
送部8では製版搬送動作が行われる。排版動作完了後、
プラテンローラー51及び反転ローラー対54がそれぞ
れ回転を開始し、マスタロール55aからマスタ55が
引き出される。引き出されたマスタ55は、サーマルヘ
ッド52によりその熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像
を穿孔製版される。そして、プラテンローラー51を回
転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ
数よりマスタ55の先端が所定位置まで搬送されたと判
断されると、図示しない開閉手段が作動してクランパー
61が閉じられ、マスタ55の先端が版胴59上に係止
される。
【0061】マスタ55の係止後、版胴59がマスタ搬
送速度と同じ周速度で図1の反時計回り方向に回転し、
版胴59へのマスタ55の巻装動作が行われる。そし
て、図示しないステッピングモーターのステップ数より
1版分の製版が完了したと判断されると、プラテンロー
ラー51及び反転ローラー対54の回転が停止すると共
に可動刃53aが回転移動してマスタ55が切断され
る。切断されたマスタ55は、版胴59の回転動作によ
って反転ローラー対54から引き出されることにより、
適度な張力を付与された状態で版胴59の外周面上に巻
装される。そして、版胴59がホームポジションまで回
転すると版胴駆動手段30の作動が停止し、版胴59へ
のマスタ55の巻装動作が完了する。
【0062】各版胴28,59への各マスタ24,55
の給版動作が完了すると、給紙ローラー15及び分離ロ
ーラー16が回転すると共に版胴駆動手段30が再び作
動し、給紙台14上に積載されている印刷用紙Pの最上
位の1枚がレジストローラー対18に向けて分離給送さ
れると共に、各版胴28,59が低速で回転を開始す
る。分離給送され、その先端をレジストローラー対18
にくわえ込まれた印刷用紙Pは、レジストローラー対1
8が所定のタイミングで回転することにより版胴28と
プレスローラー29との間に向けて給送される。
【0063】レジストローラー対18から印刷用紙Pが
給送された直後、図示しない揺動手段が作動してプレス
ローラー29が揺動し、その外周面が版胴28の外周面
に圧接する。この圧接により、マスタ24及び印刷用紙
Pを介してプレスローラー29とインキローラー34と
が接触し、インキローラー34によって版胴28の内周
面に供給されたインキがマスタ24の穿孔部を介して印
刷用紙Pに転移し、図1において上面側に位置する印刷
用紙Pの表面である第1の面に印刷画像が形成される。
印刷画像を形成された印刷用紙Pは、第1用紙剥離部材
37によって第1の面の先端を版胴28の外周面から剥
離され、その先端から下方に向かって落下する。落下し
た印刷用紙Pは、その第2の面を吸引ファン45の吸引
力によって無端ベルト44上に吸引され、版胴28の周
速度よりも速い搬送速度を有する中間搬送部材38によ
って版胴28の外周面から引き剥がされるように搬送さ
れる。
【0064】第1の面に印刷画像を形成された印刷用紙
Pは、その先端を版胴59と圧胴60との間に向けて搬
送される。そして、印刷用紙Pの先端が所定位置に達す
ると、図示しない揺動手段が作動して圧胴60が揺動
し、その外周面が版胴59の外周面に圧接する。このと
き、印刷用紙Pの後端部は版胴28とプレスローラー2
9とに挟持されており、かつ、中間搬送部材38によっ
てある程度の張力を付与された状態で印刷用紙Pが搬送
されているため、搬送ジャムや巻き上がりの発生を防止
できると共に、印刷用紙Pがフリーである状態に比較し
て印刷用紙Pの先端位置の位置決めが正確に行われ、印
刷用紙Pの第1の面と第2の面との画像位置精度を正確
に保つことができる。
【0065】版胴59に対する圧胴60の圧接により、
マスタ55及び印刷用紙Pを介して圧胴60とインキロ
ーラー65とが接触し、インキローラー65によって版
胴59の内周面に供給されたインキがマスタ55の穿孔
部を介して印刷用紙Pに転移し、図1において下面側に
位置する印刷用紙Pの裏面である第2の面に印刷画像が
形成される。両面に印刷画像を形成された印刷用紙P
は、第2用紙剥離部材70によって第2の面の先端を版
胴59の外周面から剥離される。剥離された印刷用紙P
は、その第1の面を各吸引ファン79,80の吸引力に
よって無端ベルト78上に吸引され、版胴59の周速度
と同じ搬送速度を有する排紙搬送部材71によって搬送
され、スクレーパー81によって無端ベルト78より剥
離されて下方へと落下し、排紙トレイ72上に排出され
る。その後、各版胴28,59がホームポジションまで
回転して停止し、版付け動作が完了する。
【0066】版付け動作が完了して孔版印刷装置1が印
刷待機状態となった後、オペレーターによって試し刷り
キー113が押下されると、版付け動作時と同様に給紙
台14上の最上位の印刷用紙Pが給紙ローラー15及び
分離ローラー16によって分離給送され、レジストロー
ラー対18にその先端をくわえ込まれると共に、版胴駆
動手段30が作動して各版胴28,59が版付け動作時
よりも高速である、印刷速度設定キー120で設定され
た印刷速度に基づいて回転駆動される。レジストローラ
ー対18は所定のタイミングで印刷用紙Pを給送し、給
送された印刷用紙Pは版付け時と同様にその両面に印刷
画像を形成された後に排紙トレイ72上に排出される。
各版胴28,59は再びホームポジションに復帰し、試
し刷り動作が完了する。この試し刷りによって印刷画像
の濃度、位置、変倍率等を確認し、これらを操作パネル
110上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った
後、テンキー116で印刷枚数を表示装置126に置数
し、印刷速度設定キー120で印刷速度を設定した後に
印刷スタートキー112を押下することにより、給紙部
3より印刷用紙Pが連続的に送られ、各版胴28,59
が設定された印刷速度で回転駆動されて印刷動作が行わ
れる。
【0067】上述の版付け動作、試し刷り動作、印刷動
作時において、図7に示すように、先に給送された印刷
用紙P1の第1の面に版胴28より転移されたインキ1
33は、符号133aで示すようにその一部が圧胴60
の外表面に転移する。ここで、後に給送された印刷用紙
P2が版胴59と圧胴60との間に給送されてくるが、
このとき版胴28と圧胴60とは同形でしかも互いに正
確に同期して回転駆動されているため、印刷用紙P2の
第1の面に版胴28より転移されたインキ133が圧胴
60に接触する際に、圧胴60の外表面上には印刷用紙
P2上のインキ133と完全に対応する位置に印刷用紙
P1からの転写インキ133aが存在しており、インキ
133と転写インキ133aとが完全に重なることとな
る。この構成により、印刷用紙P2上のインキ133と
は異なる位置に圧胴60からの転写インキ133aが転
写されていわゆるゴーストが発生することが防止される
と共に、インキ133が圧胴60側に転写されて第1の
面側の画像が薄くなるという不具合の発生も防止され
る。図中、符号134は印刷用紙Pの第2の面に版胴5
9より転移されたインキを示している。また、天地移動
機構69を作動させることにより版胴28と版胴59と
の位相を変化させた場合でも、版胴28と圧胴60とが
同期して回転されるので、ゴーストの発生及び画像の劣
化といった不具合の発生を防止することができる。上述
した構成により、搬送ジャムや巻き上がりの発生を防止
しかつ画像位置精度を確保しつつ1行程で印刷用紙Pの
表面及び裏面に両面印刷画像を形成することができ、さ
らにゴーストの発生や一方の面の画像のみが薄くなると
いった不具合を防止して高品質の両面印刷物を得ること
ができる。
【0068】次に、孔版印刷装置1の片面印刷動作を説
明する。オペレーターは印刷すべき原稿を用意して画像
読取部2にセットし、印刷切換キー132を押下してL
ED132bを点灯させて片面印刷モードを選択する。
片面印刷モードが選択されると、制御部12は版胴検知
センサー109からの信号を確認して、版胴59が筐体
13に装着されている場合にはこれを取り外すように、
図8に示すメッセージを表示装置127に表示する。オ
ペレーターにより筐体13から版胴59が取り外され筐
体13の前面に設けられた図示しない前面板が閉じられ
ると、制御部12からモーター48(図2参照)に動作
指令が送られてこれが作動し、ラックアンドピニオン機
構49を介して用紙ガイド板47が用紙搬送方向下流側
に向けて伸長される。そして、用紙ガイド板47の先端
が圧胴60の外周面と対応する位置を過ぎるとモーター
48の作動が停止され、用紙ガイド板47は図9に示す
受け渡し位置を占める。用紙ガイド板47が受け渡し位
置を占めると表示装置127の表示が図10に示すよう
に変化し、孔版印刷装置1は片面印刷モードでの製版待
機状態となる。
【0069】孔版印刷装置1が製版待機状態となった
後、オペレーターにより変倍率やトレイ等の各種設定が
行われた後に製版スタートキー111が押下されると、
版胴駆動手段30が作動して版胴28が図1において反
時計回り方向に回転すると共に、図示しない移動手段が
作動して下排版ローラー27がその外周面を版胴28上
の使用済みマスタに当接させる位置に移動され、版胴2
8の外周面上に巻装されている使用済みマスタが上排版
ローラー26及び下排版ローラー27によって剥離され
る。剥離された使用済みマスタは排版ボックス25内部
に収納され、図示しない圧縮板によって圧縮される。そ
の後、クランパー31が反転ローラー対23と対応する
給版待機位置まで版胴28が回転して停止すると共にク
ランパー31が開放され、孔版印刷装置1は給版待機状
態となる。
【0070】排版動作完了後、画像読取部2において原
稿画像の読取動作が行われ、読み取られた画像はレンズ
で集光された後に画像センサーに入射され、電気信号に
変換された後にA/D変換器に入力される。原稿読取動
作に並行して、第1製版搬送部4では両面印刷時と同様
に製版搬送動作が行われる。プラテンローラー20及び
反転ローラー対23の回転によりマスタロール24aか
ら引き出されたマスタ24は、サーマルヘッド21によ
ってその熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像を穿孔製版
される。マスタ24は所定位置まで搬送され、クランパ
ー31が閉じられることにより版胴28上に係止され
る。
【0071】マスタ24の係止後、版胴28がマスタ搬
送速度と同じ周速度で図1の時計回り方向に回転し、図
示しないステッピングモーターのステップ数より1版分
の製版が完了したと判断されると、カッター部材22に
よりマスタ24が切断される。切断されたマスタ24は
版胴28の回転によって第1製版搬送部4から引き出さ
れ、版胴28上に巻装される。マスタ24の巻装後、版
胴28はホームポジションで停止し、巻装動作が完了す
る。
【0072】版胴28へのマスタ24の給版動作が完了
すると、給紙ローラー15及び分離ローラー16が回転
すると共に版胴駆動手段30が再び作動し、給紙台14
上に積載されている印刷用紙Pの最上位の1枚がレジス
トローラー対18に向けて分離給送されると共に、版胴
28が低速で回転を開始する。分離給送され、その先端
をレジストローラー対18にくわえ込まれた印刷用紙P
は、レジストローラー対18が所定のタイミングで回転
することにより版胴28とプレスローラー29との間に
向けて給送される。
【0073】レジストローラー対18から印刷用紙Pが
給送された直後にプレスローラー29が揺動し、その外
周面が版胴28の外周面に圧接する。この圧接により、
版胴28内のインキがマスタ24の穿孔部を介して印刷
用紙Pに転移し、印刷用紙Pの第1の面に印刷画像が形
成される。画像形成された印刷用紙Pは第1用紙剥離部
材37によって版胴28の外周面より剥離され、その先
端から下方に向かって落下する。落下した印刷用紙Pは
第2の面を吸引ファン45の吸引力によって無端ベルト
44上に吸引され、版胴28の周速度よりも速い搬送速
度を有する中間搬送部材38によって版胴28の外周面
から引き剥がされるように搬送される。
【0074】第1の面に印刷画像を形成された印刷用紙
Pは、中間搬送部材38の搬送力によって用紙ガイド板
47上を下流側へと搬送される。そして、中間搬送部材
38の搬送力が終わりかけたときに印刷用紙Pの先端は
排紙搬送部材71に到達し、印刷用紙Pは第1の面を各
吸引ファン79,80の吸引力によって無端ベルト78
上に吸引され、排紙搬送部材71の搬送力によってさら
に下流側へと搬送される。その後、印刷用紙Pはスクレ
ーパー81によって無端ベルト78より剥離されて排紙
トレイ72上に排出される。その後、版胴28がホーム
ポジションを占め、版付け動作が完了する。
【0075】版付け動作完了後、オペレーターにより試
し刷りキー113が押下されると、給紙部3より1枚の
印刷用紙Pが分離給送されると共に版胴28が高速で回
転駆動され、試し刷りが行われる。試し刷り後、各種設
定がなされると共に印刷枚数が置数された後、オペレー
ターにより印刷スタートキー112が押下されると、給
紙部3より印刷用紙Pが連続的に給送されて印刷動作が
行われる。
【0076】上述の構成により、片面印刷モードを選択
して版胴59を取り外すことにより簡単に片面印刷を行
うことができ、マスタやインキの無駄遣いが防止できる
と共に、使用しない版胴を取り外しておくので版胴内部
でのインキの劣化をも防止することができる。これによ
り、簡単に良好な片面印刷画像を得ることができ、さら
に両面印刷時にも最初から良好な印刷物を得ることがで
きる。上記実施例の一連の動作の流れを図11に示す。
【0077】図12は、本発明の一実施例の変形例に用
いられる版胴135の部分断面図を示している。版胴5
9に代えて第2の版胴として用いられる版胴135は多
孔性支持板136を有しており、多孔性支持板136の
非開口部表面には図示しないステージ部及びクランパー
が設けられている。また、多孔性支持板136の両端部
にはフランジ137がそれぞれ設けられており(一方の
み図示)、各フランジは複数の軸受138を介してイン
キ供給パイプを兼ねた支軸139に回転自在に支持され
ている。各フランジ137のうちの一方には、その版胴
内部側端面にギヤ部137aが形成されており、他方に
は版胴駆動手段30からの回転駆動力が伝達される。
【0078】版胴135の内部には、支軸139及び図
示しないインキ供給パイプ及びドクターローラーと共に
インキ供給手段を構成するインキローラー140が配設
されている。インキローラー140はその支軸140a
の両端を、支軸139に固設された一対のインキローラ
ー側板141に軸受142を介してそれぞれ回転自在に
支持されており(一方のみ図示)、支軸140aの一端
には電磁クラッチ143を介してギヤ部137aに噛合
するギヤ144が取り付けられている。インキローラー
140と図示しないドクターローラーとの近接部には、
上記実施例におけるインキ溜まり67と同様の図示しな
いインキ溜まりが形成される。
【0079】以下に、この変形例の動作を説明する。な
おこの変形例では、上記実施例における用紙ガイド板4
7、モーター48、ラックアンドピニオン機構49、版
胴検知センサー109は使用しない。また、この変形例
における両面印刷動作は、電磁クラッチ143がオンさ
れてギヤ144の回転駆動力が支軸140aに伝達され
ていることを除いて上記実施例とほぼ同様であるので、
ここでは片面印刷動作のみを説明する。
【0080】オペレーターは印刷すべき原稿を用意して
画像読取部2にセットし、印刷切換キー132を押下し
てLED132bを点灯させて片面印刷モードを選択す
る。片面印刷モードが選択されると表示装置127の表
示が図10に示すように変化し、孔版印刷装置1は片面
印刷モードでの製版待機状態となる。
【0081】孔版印刷装置1が製版待機状態となった
後、オペレーターにより変倍率やトレイ等の各種設定が
行われた後に製版スタートキー111が押下されると、
版胴駆動手段30が作動して版胴28が図1において反
時計回り方向に回転すると共に、図示しない移動手段が
作動して下排版ローラー27がその外周面を版胴28上
の使用済みマスタに当接させる位置に移動され、版胴2
8の外周面上に巻装されている使用済みマスタが上排版
ローラー26及び下排版ローラー27によって剥離され
る。剥離された使用済みマスタは排版ボックス25内部
に収納され、図示しない圧縮板によって圧縮される。そ
の後、クランパー31が反転ローラー対23と対応する
給版待機位置まで版胴28が回転して停止すると共にク
ランパー31が開放され、孔版印刷装置1は給版待機状
態となる。
【0082】この排版動作と並行して、圧胴60が版胴
28と同方向に同期して回転駆動されると共に図示しな
い揺動手段が作動して支持ローラー85が揺動され、シ
ートロール84aが圧胴60の外周面に圧接される。こ
れにより圧胴60の外周面がクリーニングシート84に
よって拭き取られる。
【0083】排版動作完了後、画像読取部2における原
稿画像の読取動作及び第1製版搬送部4における製版搬
送動作が行われ、その熱可塑性樹脂フィルム面に製版画
像を穿孔製版されたマスタ24は所定位置まで搬送さ
れ、クランパー31が閉じられることにより版胴28上
に係止される。マスタ24の係止後、版胴28がマスタ
搬送速度と同じ周速度で図1の時計回り方向に回転し、
図示しないステッピングモーターのステップ数より1版
分の製版が完了したと判断されると、カッター部材22
によりマスタ24が切断される。切断されたマスタ24
は版胴28の回転によって第1製版搬送部4から引き出
されて版胴28上に巻装される。マスタ24の巻装後、
版胴28がホームポジションで停止して巻装動作が完了
する。
【0084】版胴28へのマスタ24の給版動作が完了
すると電磁クラッチ143がオフされると共に版胴駆動
手段30が作動し、版胴135が図1における版胴59
と同方向に回転すると共に図示しない移動手段が作動す
る。これにより上排版ローラー57がその外周面を版胴
135上の使用済みマスタに当接する位置に移動され、
版胴135の外周面上に巻装されている使用済みマスタ
が第2排版部9によって剥離・廃棄される。その後、版
胴135上の図示しないクランパーが反転ローラー対5
4と対応する給版待機位置まで版胴135が回転して停
止すると共に図示しないクランパーが開放され、孔版印
刷装置1は再び給版待機状態となる。
【0085】排版動作完了後、プラテンローラー51及
び反転ローラー対54がそれぞれ回転を開始し、マスタ
ロール55aからマスタ55が引き出される。このとき
サーマルヘッド52は作動されず、マスタ55は未製版
状態のまま搬送される。そして、プラテンローラー51
を駆動する図示しないステッピングモーターのステップ
数より、マスタ55の先端が所定位置まで搬送されたと
判断されると、図示しない開閉手段が作動して図示しな
いクランパーが閉じられ、マスタ55の先端が版胴13
5上に係止される。マスタ55の係止後、版胴135は
マスタ搬送速度と同じ周速度で回転し、版胴135への
未製版のマスタ55の巻装動作が行われる。そして1版
分の搬送が完了したと判断されると、プラテンローラー
51及び反転ローラー対54の回転が停止されると共に
カッター部材53が作動してマスタ55が切断される。
その後、版胴135がホームポジションまで回転すると
版胴駆動手段30の作動が停止し、版胴135への未製
版のマスタ55の巻装動作が完了する。
【0086】各版胴28,135への各マスタ24,5
5の給版動作が完了すると、給紙ローラー15及び分離
ローラー16が回転すると共に版胴駆動手段30が再び
作動し、給紙台14上に積載されている印刷用紙Pの最
上位の1枚がレジストローラー対18に向けて分離給送
されると共に、版胴28が低速で回転を開始する。分離
給送され、その先端をレジストローラー対18にくわえ
込まれた印刷用紙Pは、レジストローラー対18が所定
のタイミングで回転することにより版胴28とプレスロ
ーラー29との間に向けて給送される。
【0087】レジストローラー対18から印刷用紙Pが
給送されるとプレスローラー29が揺動し、その外周面
が版胴28の外周面に圧接する。この圧接により版胴2
8内のインキがマスタ24の穿孔部を介して印刷用紙P
に転移し、印刷用紙Pの第1の面に印刷画像が形成され
る。画像形成された印刷用紙Pは第1用紙剥離部材37
によって版胴28の外周面より剥離され、その先端から
下方に向かって落下する。落下した印刷用紙Pは第2の
面を無端ベルト44上に吸引され、版胴28の周速度よ
りも速い搬送速度を有する中間搬送部材38によって版
胴28の外周面から引き剥がされるように搬送される。
【0088】第1の面に印刷画像を形成された印刷用紙
Pは、中間搬送部材38により用紙ガイド板47上を下
流側へと搬送される。そして、印刷用紙Pの先端が所定
位置に達すると図示しない揺動手段が作動して圧胴60
が揺動し、その外周面が版胴135の外周面に圧接す
る。このとき印刷用紙Pの後端部は版胴28とプレスロ
ーラー29とに挟持されており、搬送ジャムや巻き上が
りの発生を防止されている。
【0089】版胴135と圧胴60とに挟持されること
により、版胴135の回転力によって十分な搬送力を付
与された印刷用紙Pは、その第1の面を各吸引ファン7
9,80の吸引力によって無端ベルト78上に吸引さ
れ、排紙搬送部材71の搬送力によってさらに下流側へ
と搬送された後、スクレーパー81によって無端ベルト
78より剥離されて排紙トレイ72上に排出される。そ
の後、版胴28がホームポジションを占め、版付け動作
が完了する。
【0090】版付け動作完了後、オペレーターにより試
し刷りキー113が押下されると、給紙部3より1枚の
印刷用紙Pが分離給送されると共に各版胴28,135
が高速で回転駆動され、試し刷りが行われる。試し刷り
後、各種設定がなされると共に印刷枚数が置数された
後、オペレーターにより印刷スタートキー112が押下
されると、給紙部3より印刷用紙Pが連続的に給送され
て印刷動作が行われる。
【0091】上述の構成により、片面印刷モードを選択
して版胴135の外周面に未製版のマスタ55を巻装す
ると共に、排版動作の開始から印刷動作の完了まで電磁
クラッチ143をオフすることで版胴135の内部に設
けられたインキローラー140を回転させず、版胴13
5の内部に供給されているインキを変質させることな
く、かつ印刷用紙Pに対して搬送力を確実に付与しつつ
片面印刷を行うことができ、良好な片面印刷画像を得る
ことができると共に両面印刷時にも最初から良好な印刷
物を得ることができる。また、インキの変質に起因した
インキ脇漏れやインキ尻漏れといった印刷装置内部及び
印刷物の汚損を防止することもできる。上記実施例の一
連の動作の流れを図13に示す。
【0092】上記実施例では、第1の版胴である版胴2
8から印刷用紙Pの第1の面である表面に画像を転写
し、第2の版胴である版胴59から印刷用紙Pの第2の
面である裏面に画像を転写する構成としたが、版胴28
から印刷用紙Pの第2の面に画像を転写し、版胴59か
ら印刷用紙Pの第1の面に画像を転写する構成としても
よい。この構成を採用する場合には、中間搬送部材38
に代えて印刷用紙Pの第1の面に接触して印刷用紙Pを
搬送する中間搬送部材と、排紙搬送部材71に代えて印
刷用紙Pの第2の面に接触して印刷用紙Pを搬送する排
紙搬送部材とを用いる必要がある。また、上記実施例及
び変形例では版胴28に対向する押圧手段としてプレス
ローラー29を用いたが、プレスローラー29に代え
て、圧胴60と同様に構成され版胴28と同期して回転
駆動される圧胴を用いてもよい。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、圧胴の直径が第1の版
胴の直径と同径であり、かつ圧胴の回転速度が第1の版
胴の回転速度と同速度であると共に、第1の版胴と押圧
手段との接触位置から第2の版胴と圧胴との接触位置ま
での距離が使用される最小サイズの印刷用紙長さよりも
短く設定されているので、第1の版胴から印刷用紙に転
移されたインキが圧胴に接触することで圧胴外周面上に
際転移する際に、少なくとも何れか一方の版胴に対して
印刷用紙が押圧されていることで搬送ジャムや巻き上が
りの発生を防止し、かつ印刷用紙がフリーな状態となら
ずにその画像位置精度が確保され、圧胴外周面上に転移
されている先の印刷用紙からのインキ転移箇所と同じ位
置に転移されるので、ゴーストの発生及びインキ再転移
による画像劣化が防止されて良好な両面印刷物を得るこ
とができる。
【0094】また、天地移動機構操作時において圧胴と
第1の版胴との位相が変化しないように構成されている
ので、第1の版胴と第2の版胴との位相を変化させた場
合でもゴーストの発生及びインキ再転移による画像劣化
を防止でき、良好な両面印刷物を得ることができる。
【0095】また、中間搬送部材が印刷用紙の未印刷面
に、排紙搬送部材が印刷用紙の先に印刷された面にそれ
ぞれ接触して印刷用紙を搬送するので、画像面における
擦れ汚れの発生を抑制して良好な両面印刷物を得ること
ができ、中間搬送部材の用紙搬送速度が第1の版胴の回
転周速度よりも高速に設定されているので、用紙搬送時
に第1の版胴から印刷用紙に転移されるインキ量を抑制
することにより印刷用紙から圧胴へのインキ転移量を減
少させて圧胴の汚損を抑制することができる。
【0096】また、片面印刷時において孔版印刷装置本
体より第2の版胴を取り外すと共に、中間搬送部材が印
刷用紙の搬送をガイドする用紙ガイド板を受け渡し位置
まで伸長するので、使用しない版胴に未製版マスタを巻
装することによるマスタ及びインキの無駄遣いを防止で
きると共に、使用しない版胴を空転させることにより発
生するインキの劣化を防止することができ、両面印刷時
においても最初から良好な印刷物を得ることができる。
【0097】また、片面印刷時において第2の版胴内部
に設けられたインキローラーを回転させない構成とする
ことにより、インキを変質させることなく、かつ印刷用
紙に対して搬送力を確実に付与しつつ片面印刷を行うこ
とができ、良好な片面印刷画像を得ることができると共
に両面印刷時にも最初から良好な印刷物を得ることがで
きる。また、インキの変質に起因したインキ脇漏れやイ
ンキ尻漏れといった印刷装置内部及び印刷物の汚損を防
止することもできる。
【0098】さらに、圧胴の外周面に付着したインキを
除去するクリーニング装置を有し、このクリーニング装
置を第1の版胴に新しいマスタが巻装されたときに作動
させることにより、第1の版胴によって印刷された印刷
用紙から圧胴に再転移される画像が変更された場合にの
みクリーニングが行われ、無駄なクリーニングを行うこ
となく印刷画像面へのゴーストの発生を確実に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を採用した孔版印刷装置の両
面印刷時における概略図正面図である。
【図2】本発明の一実施例に用いられる中間搬送部材の
部分概略図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられる各版胴間の間隔
と最小サイズの印刷用紙長さとの関係を説明する概略図
である。
【図4】本発明の一実施例に用いられる版胴駆動手段及
び天地移動機構を説明する概略図である。
【図5】本発明の一実施例に用いられる操作パネルの概
略図である。
【図6】本発明の一実施例の変形例に用いられる制御部
のブロック図である。
【図7】本発明の一実施例における両面印刷時でのイン
キの挙動を説明する概略図である。
【図8】本発明の一実施例における片面印刷モード選択
時の表示手段の表示を示す概略図である。
【図9】本発明の一実施例を採用した孔版印刷装置の片
面印刷時における概略正面図である。
【図10】本発明の一実施例における片面印刷モード選
択時の表示手段の表示を示す概略図である。
【図11】本発明の一実施例の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図12】本発明の一実施例の変形例に用いられる第2
の版胴の部分断面図である。
【図13】本発明の一実施例の変形例の動作を説明する
フローチャートである。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置 13 孔版印刷装置本体(筐体) 28 第1の版胴 29 押圧手段(プレスローラー) 38 中間搬送部材 47 用紙ガイド板 48 ガイド板移動手段(モーター) 49 ラックアンドピニオン機構 59,135 第2の版胴 60 圧胴 69 天地移動機構 71 排紙搬送部材 83 クリーニング装置 140 インキローラー L1 距離 L2 用紙長さ P 印刷用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41L 13/04 B41L 13/04 N B41F 21/00 B41F 21/00 35/00 35/00 A B41L 13/18 B41L 13/18 N B65H 5/06 B65H 5/06 J

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】用紙搬送路を搬送される印刷用紙の第1の
    面と対応する位置に配設された第1の版胴と、前記用紙
    搬送路を介して第1の版胴と対向配置され第1の版胴の
    外周面に対して接離自在に設けられた押圧手段と、第1
    の版胴より用紙搬送方向下流側であって前記印刷用紙の
    第2の面と対応する位置に配設された第2の版胴と、前
    記用紙搬送路を介して第2の版胴と対向配置され第2の
    版胴の外周面に対して接離自在に設けられた圧胴と、第
    1の版胴と第2の版胴との間に配設され送られる前記印
    刷用紙を搬送する中間搬送部材と、第2の版胴の用紙搬
    送方向下流側に配設され送られる前記印刷用紙を搬送す
    る排紙搬送部材とを具備し、前記印刷用紙の両面あるい
    は片面に印刷画像を形成する孔版印刷装置において、 前記圧胴の直径が第1の版胴の直径と同径であり、かつ
    前記圧胴の回転速度が第1の版胴の回転速度と同速度で
    あると共に、第1の版胴と前記押圧手段との接触位置か
    ら第2の版胴と前記圧胴との接触位置までの距離が、使
    用される最小サイズの印刷用紙長さよりも短く設定され
    ていることを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】各版胴間の位相を調整する天地移動機構を
    有し、該天地移動機構操作時において、前記圧胴は第1
    の版胴と位相が変化しないように第1の版胴と共に移動
    することを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】前記中間搬送部材は前記印刷用紙の第2の
    面に接触して前記印刷用紙を搬送し、前記排紙搬送部材
    は前記印刷用紙の第1の面に接触して前記印刷用紙を搬
    送することを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】前記中間搬送部材の用紙搬送速度は第1の
    版胴の回転周速度よりも高速に設定され、前記排紙搬送
    部材の用紙搬送速度は第2の版胴の回転周速度と同速度
    に設定されていることを特徴とする請求項3記載の孔版
    印刷装置。
  5. 【請求項5】第2の版胴が孔版印刷装置本体に対して着
    脱自在であると共に、前記中間搬送部材が、第2の版胴
    と前記圧胴との接触位置を越え前記排紙搬送部材に前記
    印刷用紙を受け渡す受け渡し位置まで前記印刷用紙の搬
    送をガイドする用紙ガイド板を有し、前記印刷用紙の第
    1の面のみに印刷画像を形成する片面印刷時において、
    第2の版胴を前記孔版印刷装置本体より取り外すと共に
    前記用紙ガイド板により前記印刷用紙のガイドを行うこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちの何れか
    1つに記載の孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】前記用紙ガイド板は前記中間搬送部材に移
    動可能に支持されており、ガイド板移動手段により第2
    の版胴の回転動作を妨げない初期位置と受け渡し位置と
    を選択的に占めることを特徴とする請求項5記載の孔版
    印刷装置。
  7. 【請求項7】前記ガイド板移動手段がモーターであり、
    該モーターはラックアンドピニオン機構を介して前記用
    紙ガイド板を移動させることを特徴とする請求項6記載
    の孔版印刷装置。
  8. 【請求項8】第2の版胴の内周面にインキを供給すると
    共にその作動・停止を切換可能なインキローラーを有
    し、前記印刷用紙の第1の面のみに印刷画像を形成する
    片面印刷時において、第2の版胴に未製版のマスタを巻
    装すると共に前記インキローラーを停止させることを特
    徴とする請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに
    記載の孔版印刷装置。
  9. 【請求項9】前記圧胴の外周面に付着したインキを除去
    するクリーニング装置を有し、該クリーニング装置は第
    1の版胴に新しいマスタが巻装されたときに作動するこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちの何れか
    1つに記載の孔版印刷装置。
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JP2015052725A (ja) * 2013-09-09 2015-03-19 株式会社Screenホールディングス 画像記録装置

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