JP5005974B2 - 両面印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、両面印刷装置に関し、さらに詳しくは1工程で用紙の両面に印刷を行うことが可能な孔版印刷装置等を含む両面印刷装置に関する。
簡便な印刷方式として、デジタル感熱式の孔版印刷装置が知られている。この孔版印刷装置では、多数の微細な発熱素子が主走査方向に配列されたサーマルヘッドを感熱孔版マスタ(以下、「マスタ」という)に接触させ、各発熱素子にパルス的に通電させながら主走査方向と直交する副走査方向(マスタ搬送方向)にマスタを搬送することで、画像情報に応じてマスタを加熱溶融穿孔し、この製版済みのマスタを多孔性円筒状の版胴を外周に備えた印刷ドラムの該版胴外周面に巻装した後に被印刷媒体としての印刷用紙(以下、単に「用紙」という)を介して版胴外周面をプレスローラ等の押圧手段によって押圧することにより、版胴の内周に供給されたインキを版胴の開孔部分、製版済みのマスタの穿孔部分より通過させて用紙に転移させることによって印刷画像を得るものである。以下、印刷ドラムのことを単に「ドラム」ともいう。
用紙の片面のみに孔版印刷を行う上記従来の孔版印刷装置では、その印刷開始時に、印刷速度を、印刷を行いながら低速から設定印刷速度(以下、「設定速度」という)になるまで増速(以下、「スローアップ」ともいう)させて印刷を行っていた。例えば、印刷速度を5速(120rpm)に設定した場合、設定速度5速になるまでに待って印刷をしたのでは待ち時間が生じてしまうことにより、総印刷時間の短縮化を図りたいとのユーザの要望に応えるために、通紙1枚の印刷ごとに1速ずつスローアップ動作させるような制御を行っていた。
孔版印刷において、用紙の一方の面にのみ印刷を行う片面印刷に加えて、近年では用紙の消費量および書類の保管スペースを低減させるため等の目的から、用紙の両面に印刷を行う両面印刷が頻繁に行われるようになってきている。そこで、本願出願人は、ユーザからの両面印刷の要望に応えるために新規な両面印刷装置の提案を行った(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2003−200645号公報 特開2004−26373号公報
上記特許文献1および2記載の両面印刷装置においても、用紙の片面のみに孔版印刷を行う上述した従来の孔版印刷装置と同様に、総印刷時間の短縮化を図りたいとのユーザの要望に応えるために、その両面印刷開始時に、印刷速度を低速から設定速度になるまでスローアップ動作させて印刷を行う必要がある。
しかしながら、上記特許文献1および2記載の両面印刷装置では、その図1ないし図6等を参照して説明されているように、両面印刷動作時に、表面製版画像(65A)を表面印刷した後に裏面製版画像(65B)を裏面印刷するが、表面印刷と裏面印刷とは、版胴(12)の1回転中に同じ用紙になされるのではなく、1回転ずれて行われる。すなわち、両面印刷開始時における版胴(12)の1回転目は1枚目の用紙の表面印刷のみが行われ、次の版胴(12)の2回転目で2枚目の用紙への表面印刷と、プレスローラ(13)の回転・反転作用によって反転された1枚目の用紙への裏面印刷とが同時連続的に行われるのであり、表面印刷と裏面印刷とは版胴(12)の1回転中で同じ用紙になされない。
つまり、上述したような構成の両面印刷装置においては、設定速度になるまでのスローアップ動作について考慮されていなかった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、両面印刷時に、印刷速度を低速から設定速度になるまでスローアップ動作させて印刷を行うことが可能な両面印刷装置を提供することを主な目的とする。また、後述の効果や利点を奏することのできる両面印刷装置を提供することも目的としている。
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、前記制御手段は、前記印刷手段への用紙の1枚ごとの給送に対応した前記版胴の1回転ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする。
請求項記載の発明は、版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、前記制御手段は、前記両面印刷における片面印刷ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする。
請求項記載の発明は、版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、前記制御手段は、前記両面印刷における1枚ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする。
請求項記載の発明は、版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、前記制御手段は、前記スローアップ中に、前記給紙手段をして用紙の給送を停止させておいて、前記版胴の回転速度が前記設定速度までスローアップした時に、前記給紙手段をして用紙の給送を開始させるように前記各駆動手段を制御することを特徴とする。
請求項記載の発明は、版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、前記印刷手段への用紙の1枚ごとの給送に対応した前記版胴の1回転ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することに対応した第1の両面印刷モードと、前記両面印刷における片面印刷ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することに対応した第2の両面印刷モードと、前記両面印刷における1枚ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することに対応した第3の両面印刷モードと、前記スローアップ中に、前記給紙手段をして用紙の給送を停止させておいて、前記版胴の回転速度が前記設定速度までスローアップした時に、前記給紙手段をして用紙の給送を開始させるように前記各駆動手段を制御することに対応した第4の両面印刷モードとの中から少なくとも2つの両面印刷モードが実行可能であり、前記少なくとも2つの両面印刷モードのうちの何れか一つを選択する選択手段を有し、前記制御手段は、前記選択手段からの信号に基づいて、選択手段により選択された両面印刷モードに対応した前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の両面印刷装置において、前記少なくとも2つの両面印刷モードは、両面印刷装置の初期状態として予め設定されており、前記少なくとも2つの両面印刷モードのうちから何れか一つを選んで常時使用する両面印刷モードに設定・変更する変更手段を有し、前記制御手段は、前記変更手段からの信号に基づいて、前記常時使用する両面印刷モードに対応した前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、前記課題を解決して新規な両面印刷装置を提供することができる。請求項ごとの発明の効果を挙げれば、以下のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、前記構成により、両面印刷時も片面印刷時と同様に両面印刷ができると共に、スローアップ印刷時でも両面印刷が正常にできる。
請求項記載の発明によれば、前記構成により、両面印刷時も片面印刷時と同様に両面印刷ができると共に、スローアップ印刷時でも両面印刷が正常にできる。
請求項記載の発明によれば、前記構成により、両面印刷時も片面印刷時と同様に両面印刷ができると共に、スローアップ印刷時でも両面印刷における表面と裏面との印刷画像濃度差が無い両面印刷ができる。
請求項記載の発明によれば、前記構成により、両面印刷時も片面印刷時と同様に両面印刷ができると共に、スローアップ時間が無駄にならず、両面印刷が正常にできる。
請求項記載の発明によれば、前記構成により、両面印刷時も片面印刷時と同様に両面印刷ができると共に、ユーザは選択手段によって望みの両面印刷モードの選択をするだけで両面印刷時に望みの両面印刷ができる。
請求項記載の発明によれば、前記構成により、ユーザは変更手段によって常時使用する両面印刷モードを選択するだけで両面印刷時に望みの両面印刷ができる。
以下、図を参照して発明を実施するための最良の形態および実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、上述した背景技術を含めその符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
図1ないし図13を参照して、本発明を適用する第1の例に係る両面印刷装置1を説明する。まず、図1を参照して、両面印刷装置1の全体構成について説明する。同図において両面印刷装置1は、印刷手段としての印刷部2、製版部3、給紙手段としての給紙部4、排版手段としての排版部5、排紙手段としての排紙部6、画像読取部7、補助トレイ8、用紙受け台40等を具備した再給紙手段9、切換手段としての切換部材10等を有している。
これら両面印刷装置1の各部・手段を構成する構成要素は、例えば特開2004−26373号公報の図1ないし図9、図16および図17に示されているものと比較して、プレスローラの駆動機構および多段カムの名称等が相違するだけで、その他は上記公報の構成要素とほぼ同様である。本発明は、両面印刷開始時における印刷速度のスローアップ動作制御に関するものであり、この観点から本発明と関連の薄い上記各部・手段の構成についてはその説明を適宜省略する。
装置本体11のほぼ中央に配設された印刷部2は、版胴を外周部に備えた印刷ドラム12(以下、単に「版胴12」または「ドラム」ともいう)と、版胴12に対して接離自在な押圧手段としてのプレスローラ13とを有している。
版胴12は、インキ供給パイプを兼ねた支軸14に回転自在に支持された図示しない一対の端板と、各端板の外周面に巻装された図示しない多孔性支持板と、図示しない多孔性支持板の外周面に巻装された図示しないメッシュスクリーンとから主に構成されており、版胴駆動手段121(図9参照)を構成するメインモータ(図示せず)によって回転駆動されると共に装置本体11に対して着脱可能に構成されている。第1の例において版胴12は、片面印刷時において最大でA3サイズの印刷物を得ることが可能な大きさを有している。
図示しないメインモータは、例えばDCモータからなり、ギヤ等の駆動力伝達手段を介して版胴12に、無端ベルトおよびプーリ等の駆動力伝達手段を介してプレスローラ13にそれぞれ連結されている。版胴12の回転速度、すなわち印刷速度は、従来装置と同様に、前記メインモータが図示しないモータ駆動回路を介して図9に示す制御手段129によりその回転速度が制御されることによって、低速の60rpmから15rpm増しに120rpmまで5段階に亘って切り換えられるように構成されている。
版胴12の内部には、インキ供給手段15が配設されている。インキ供給手段15は、支軸14、インキローラ16、ドクターローラ17等を有している。
インキローラ16は、版胴12内に設けられた図示しない側板間に回転自在に支持されており、その周面を版胴12の内周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴12と同方向に回転駆動される。ドクターローラ17も前記側板間に回転自在に支持されており、その周面をインキローラ16の周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴12とは逆方向に回転駆動される。支軸14には、複数の小さな孔が穿設されており、支軸14から供給されたインキがインキローラ16とドクターローラ17との近接部に形成される断面楔形状の空間に溜まることにより、インキ溜まり18が形成される。
版胴12の外周面上には、版胴12の一母線に沿った平面をなすステージ部19aが形成されており、この上には版胴12の外周面上にマスタの先端を保持させるクランパ19bが開閉可能に配設されている。クランパ19bは、版胴12が所定の位置まで回転されたときに、装置本体11側に設けられた図示しない開閉手段によって開閉される。
版胴12の下方には、プレスローラ13が配設されている。プレスローラ13は金属製の芯部(軸部)13aに耐油性を有する弾性体である例えばニトリルゴム(NBR)を巻成して構成されており、版胴12の支軸14の軸線方向に延在して設けられている。プレスローラ13は、図2に示すように芯部13aの両端部を一対のアーム部材20によって回転自在に支持されている。ほぼL字形状を呈する各アーム部材20は、その曲折部近傍の部位に取り付けられた揺動軸21によってそれぞれ一体化されており、揺動軸21は、装置本体11によって所定角度の範囲で回動自在、すなわち揺動自在に支持されている。本例においてプレスローラ13は、少なくともその周面がポリテトラフルオロエチレン樹脂等の撥インキ性を有する部材によって構成されている。
プレスローラ13の外周面は、撥インキ性を有する部材の他、例えばオフセット印刷機などで印刷物の汚れ防止等に用いられていると同様の例えばガラス質微粒子としてのガラスビーズが均一に被覆または接着されていてもよい。ガラス質微粒子に限らず、セラミック質微粒子であってもよい。これにより、版胴12の外周表面または該版胴12上の分割製版済みマスタ65や製版済みマスタ66と接触したときや、後述するように表面印刷済み用紙の印刷画像面側のインキと接触することによる膨潤およびインキ汚れが最小となる。
プレスローラ13は、一部上述したように、図示しない歯付きの無端ベルトおよびプーリ等の駆動力伝達手段を介して前記メインモータに連結されていて、該メインモータにより版胴12の周速度とほぼ同じ周速度で回転駆動される。プレスローラ13を回転駆動する駆動側の図示しない歯付きのプーリは、揺動軸21に回転自在に支持されている。版胴12からの回転力は、特開2001−191627号公報の図2に示されている版胴駆動手段(80)と同様の構成および図示しない駆動力伝達手段(例えばギヤ列、あるいはプーリと無端ベルトとの組み合わせからなる)を介して、前記駆動プーリに伝達される。プレスローラ13の芯部13aには、図示しないワンウェイクラッチを介して図において矢印方向で示す反時計回り方向のみに駆動力を伝達するように回転自在に設けられた歯付きの従動プーリが設けられている。前記駆動プーリと前記従動プーリとの間には、張設された歯付きの無端ベルトが掛け渡されている。
なお、プレスローラ13の駆動機構は、上記構成に限らず、特開2004−26373号公報の図1等に示されていると同様の版胴(12)に従動回転するものでもよい。
各アーム部材20間には、図2に示すように、プレスローラ13の他、再給紙案内部材22、再給紙レジストローラ23、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送ユニット25、クリーニングローラ26、ガイド板27等が設けられている。
再給紙案内部材22および用紙ガイド板31は、特開2004−26373号公報の段落「0026」ないし「0027」に記載されていると同様である。
プレスローラ13の下方には、再給紙レジスト部材としての再給紙レジストローラ23が配設されている。ころ状の再給紙レジストローラ23は、支軸23aに回転自在に支持されており、支軸23aは揺動アーム32の一端に取り付けられている。揺動アーム32は、各アーム部材20間に固設された支軸32aにその曲折部を揺動自在に支持されており、その配設位置は再給紙レジストローラ23がプレスローラ13の幅方向のほぼ中央部に位置し、かつ自身が各ローラ30の配設位置の中間に位置するように定められている。
揺動アーム32の他端には、図示しないブラケットを介して一方のアーム部材20に取り付けられたプル型のソレノイド33のプランジャ33aと、一端を一方のアーム部材20に固着され揺動アーム32に対して支軸32aを中心に図2において反時計回り方向への回動付勢力を付与する引張ばね34の他端とが取り付けられている。この構成により、再給紙レジストローラ23は、ソレノイド33がオン・作動(以下、単に「作動またはオン」という)されるとその周面を所定の圧接力でプレスローラ13の周面に圧接する図2に実線で示す圧接位置を占め、ソレノイド33の作動がオフ・解除(単に「解除またはオフ」という)されると引張ばね34の付勢力によってその周面がプレスローラ13の周面から離間する図2に二点鎖線で示す離間位置を占める。
プレスローラ13の左下方には、再給紙搬送ユニット25が配設されている。再給紙搬送ユニット25は、搬送ユニット本体35、駆動ローラ36、従動ローラ37、用紙搬送部材としての無端ベルト38、吸引ファン39等を有しており、その上面に補助トレイ8を一体的に有している。補助トレイ8は、印刷部2で印刷された表面印刷済み用紙を一時的に貯容する再給紙貯容手段としての機能を有する。
上面が開放され、その幅が各アーム部材20間の間隔よりも若干小さくなるように形成された筐体である搬送ユニット本体35は、その用紙搬送方向上流側および下流側の両側面に図示しない軸受を有しており、図示しない各軸受は駆動軸36aおよび従動軸37aをそれぞれ回転自在に支持している。駆動軸36aは、その両端部が搬送部材本体35の両側面を貫通しており、貫通した両端部は装置本体11に設けられた図示しない軸受部材によって回転自在に支持されている。また、駆動軸36aの一端には図示しない駆動ギヤが取り付けられており、駆動軸36aは、装置本体11に設けられた搬送ユニット駆動モータ122(図9参照)によって回転駆動される。従動軸37aは、その両端部が搬送ユニット本体35の両側面を貫通しないように構成されている。
搬送ユニット本体35の用紙搬送方向上流側端部の両側面外側には、ボス35aがそれぞれ一体的に設けられており、各ボス35aは、各アーム部材20に形成された図示しない長穴にそれぞれ緩く嵌合されている。この構成により、搬送ユニット本体35は、後述するプレスローラ接離機構55によりプレスローラ13が版胴12に対して接離される際に、各アーム部材20の揺動に伴って駆動軸36aを中心とした揺動が可能となっている。
ころ状をなす複数の駆動ローラ36は、それぞれ駆動軸36aに一体的に取り付けられており、各駆動ローラ36間には、それぞれ所定の間隔が設けられている。駆動ローラ36と同形状である複数の従動ローラ37は、各駆動ローラ36と同じ間隔でそれぞれ従動軸37aに一体的に取り付けられている。各駆動ローラ36とこれに対応した各従動ローラ37との間には、無端ベルト38が所定の張力でそれぞれ掛け渡されている。摩擦抵抗部材からなる無端ベルト38は、搬送ユニット駆動モータ122によって駆動軸36aが回転駆動されることにより、図2に矢印で示す方向に移動される。
搬送ユニット本体35の下面には、吸引ファン39が一体的に取り付けられており、搬送ユニット本体35の上面には、補助トレイ8が一体的に取り付けられている。補助トレイ8は、図3に示すように各ローラ36,37の周面の一部が用紙搬送面に臨むように構成されており、用紙搬送面上の各無端ベルト38の両側部にはそれぞれ複数の開孔8bが穿設され、その用紙搬送方向下流側端部には印刷部2より送られた表面印刷済み用紙PAの一端を受け止めるための2個のエンドフェンス8aがそれぞれ一体的に設けられている。
補助トレイ8の用紙搬送方向上流側端部には、再給紙搬送ユニット25によって印刷部2へと再給紙される表面印刷済み用紙PAの他端を定位置で一時停止させるための再給紙位置決め部材24が配設されている。本例において再給紙位置決め部材24は2個設けられており、それぞれ補助トレイ8に一体的に取り付けられている。さらに補助トレイ8には、表面印刷済み用紙PAの他端が再給紙位置決め部材24に近接したことを検知する表面印刷済み用紙検知部材としてのセンサ8cが配設されている。センサ8cは、表面印刷済み用紙PAの他端を検知した際に後述する制御手段129へ向けて信号を出力する。
吸引ファン39の取付面である搬送ユニット本体35の下面には図示しない穴部が設けられており、これにより吸引ファン39が作動することで筐体である搬送ユニット本体35の内部に負圧を発生させ、移動する各無端ベルト38の上面に表面印刷済み用紙PAを吸引させる。吸引ファン39の吸引力および無端ベルト38の摩擦抵抗力は、表面印刷済み用紙PAの他端が再給紙位置決め部材24に当接した際に、表面印刷済み用紙PAと各無端ベルト38との間で滑りが発生する程度の強さにそれぞれ設定されている。
上述した補助トレイ8、再給紙案内部材22、再給紙レジストローラ23、再給紙位置決め部材24、および再給紙搬送ユニット25によって再給紙手段9が構成されている。また、再給紙手段9は、図1および図3に示す用紙受け台としての用紙受け台40等を有しているが、この用紙受け台40等については、後述する。
プレスローラ13の近傍であって再給紙搬送ユニット25の上方に位置する部位には、プレスローラ13の周面をクリーニングするクリーニングローラ26が配設されている。クリーニングローラ26は、特開2004−26373号公報の段落「0038」ないし「0039」に記載されていると同様である。
クリーニングローラ26の左上方には、ガイド板27が配設されている。板材であるガイド板27は、その両端部を各アーム部材20に固設されており、印刷部2より送られる表面印刷済み用紙PAがクリーニングローラ26に触れないように、かつ補助トレイ8に向かうように案内する。ガイド板27は、プレスローラ13およびクリーニングローラ26の各周面に近接する位置に配設されている。
各アーム部材20の、プレスローラ13が支持された一端側と対向する他端側には、それぞれ回転自在なカムフォロア41が互いに外側を向く態様で配設されている。また、各アーム部材20のカムフォロア41が配設された位置の近傍には、一端を装置本体11に固着された印圧ばね42の他端がそれぞれ取り付けられている。これにより、各アーム部材20は、揺動軸21を中心に図において時計回り方向への回動付勢力をそれぞれ付与されている。
各カムフォロア41の左方近傍には、3枚のカム板43A,43B,43Cを有する多段カム43がそれぞれ配設されている。各カム板43A,43B,43Cは、両端を装置本体11に回転自在、かつ、図2の紙面方向に移動自在に支持されたカム軸44にそれぞれ所定の間隙をもって固着されており、装置手前側からカム板43B、カム板43A、カム板43Cの順に配設されている。各カム板43A,43B,43Cは、カム軸44と同心の円板である基部と、それぞれ同一突出量の凸部(大径部)とを有している。多段カム43は、図4に示すように、カム軸44に取り付けられた駆動ギヤ45および装置本体11に回転自在に支持された支軸46に取り付けられた伝達ギヤ47を介して版胴駆動手段121からの回転力を伝達され、図2において時計回り方向に回転駆動される。
プレスローラ13は、各カム板43A,43B,43Cの何れかの凸部がカムフォロア41と当接したときにその周面が版胴12の周面より離間する図2に示す離間位置を占め、何れかの凸部とカムフォロア41との当接が解除されたときに印圧ばね42の付勢力によってその周面が版胴12の周面に圧接する図5に示す圧接位置を占める。各カム板43A,43B,43Cは、プレスローラ13が圧接位置を占めたときにその基部とカムフォロア41とが接触しないように構成されている。各カム板43A,43B,43Cの凸部の形状は、プレスローラ13と版胴12との接触範囲が、カム板43Aでは図1に示す表面領域と中間領域と裏面領域とを全て合わせた範囲となるように、カム板43Bでは表面領域と同じ範囲となるように、カム板43Cでは表面領域の下流側部分と中間領域と裏面領域とを合わせた範囲となるようにそれぞれ形成されている。また、各カム板43A,43B,43C間の間隔は、アーム部材20の板厚よりも十分に大きくなるように設定されている。
図2において各アーム部材20の右方近傍には、プレスローラ13が離間位置を占めた状態で各アーム部材20の揺動を禁止する、プレスローラ係止手段180が配設されている。
プレスローラ係止手段180は、その一端部が装置本体11に所定角度回動自在に支持された支軸182に固着されたフック部材183と、フック部材183の他端部側にピンを介して連結されたプランジャ181aを備えたプル型の印圧ソレノイド181と、その一端が支軸182と前記ピンとの間のフック部材183に係止され、他端が装置本体11側に係止された付勢手段としての引張ばね184とを有している。フック部材183の他端部には、アーム部材20の他端部に形成された切欠部20aと選択的に係合するフック部183aが形成されている。引張ばね184は、フック部材183のフック部183aを支軸182を中心として常に時計回り方向、すなわち常にアーム部材20の切欠部20aに係合する向きに揺動・付勢している。
印圧ソレノイド181のオン・オフの切り換え制御によって各アーム部材20を保持する状態と保持を解除する状態とが選択的に切り換えられる。図5に示すように、印圧ソレノイド181に通電されてこれが作動されると、フック部183aが反時計回り・下向きに揺動してアーム部材20の切欠部20aとの係合状態が外れて、各アーム部材20は揺動軸21を中心として時計回り・上向きに揺動して、各印圧ばね42の付勢力によってプレスローラ13を介して版胴12に対する印圧を付与される。印圧ソレノイド181は、カムフォロア41が各カム板43A,43B,43Cの何れかの凸部と当接した状態で作動される。
カム軸44の下方近傍には、図4に示すように移動アーム48と段差カム49とが配設されている。ほぼL字形状を呈する移動アーム48は、装置本体11に回転自在に支持された支軸48aにその曲折部を取り付けられており、移動アーム48の一端にはローラ48bが、また他端にはカムフォロア48cがそれぞれ回転自在に取り付けられている。さらに移動アーム48の他端と曲折部との間の部位には、一端を装置本体11に取り付けられた引張ばね50の他端が取り付けられており、移動アーム48には支軸48aを中心に、図において時計回り方向への回動付勢力が付与されている。
ローラ48bは、カム軸44の中程に間隔をおいて固着された円板44a,44b間に配置されており、カムフォロア48cは、引張ばね50の付勢力によってその周面を段差カム49の周面に当接させている。各円板44a,44b間の間隔は、ローラ48bの直径よりも僅かに大きくなるように設定されている。
段差カム49は、その周面に3箇所のカム部49a,49b,49cを有しており、装置本体11に回転自在に支持された支軸51に固着されている。支軸51には、装置本体11に取り付けられたステッピングモータ52の出力軸に取り付けられたギヤ53と噛合するギヤ54が取り付けられており、ステッピングモータ52の作動により段差カム49は図4の矢印方向に回転駆動される。この構成により、ステッピングモータ52が作動して段差カム49が回転すると移動アーム48が支軸48aを中心に揺動し、ローラ48bが円板44aあるいは円板44bを押すことでカム軸44が図4の左右方向に移動する。
各カム部49a,49b,49cは、カムフォロア48cとカム部49aとが当接したときにカム板43Bがカムフォロア41と当接可能位置となるように、カムフォロア48cとカム部49bとが当接したときにカム板43Aがカムフォロア41と当接可能位置となるように、カムフォロア48cとカム部49cとが当接したときにカム板43Cがカムフォロア41と当接可能位置となるようにカム軸44を移動させる形状にそれぞれ形成されている。
上述したカムフォロア41、印圧ばね42、多段カム43、プレスローラ係止手段180、移動アーム48、段差カム49、ステッピングモータ52によってプレスローラ接離機構55が構成されており、このプレスローラ接離機構55の作動によってプレスローラ13は図2に示す離間位置と図5に示す圧接位置とを選択的に占める。プレスローラ係止手段180の印圧ソレノイド181およびステッピングモータ52によって、プレスローラ接離機構55の駆動手段が構成される。
版胴12とプレスローラ13との接触位置(ニップ部形成位置)の左方であって用紙Pの搬送経路上には、用紙Pの搬送経路を切り換える切換部材10が配設されている。切換部材10は、印刷部2を通過した用紙を再給紙手段9または排紙部6に案内する切換手段としての機能を有する。版胴12およびプレスローラ13とほぼ同じ幅を有する板材からなる切換部材10は、その用紙搬送方向下流側端部を装置本体11に揺動自在に支持された支軸に固着されており、ソレノイド123(図9参照)が作動することによって断面鋭角状に形成された用紙搬送方向上流側端部を図1に実線で示す第1の変位位置と二点鎖線で示す第2の変位位置とに選択的に位置決めされる。
切換部材10は、第1の変位位置を占めたときにその先端がプレスローラ13の周面に近接すると共に版胴12上のクランパ19bと干渉しない位置に置かれ、第2の変位位置を占めたときにその先端が版胴12の周面に近接する位置に置かれる。版胴12とプレスローラ13との間を通過した表面印刷済み用紙PAは、切換部材10が第1の変位位置を占めたときに排紙部6へと案内され、切換部材10が第2の変位位置を占めたときにガイド板27と装置本体11に固着されたガイド板56との間を通って補助トレイ8へと案内される。
装置本体11の右上部には、製版部3が配設されている。製版部3は、マスタ保持部材57、プラテンローラ58、サーマルヘッド59、切断手段60、マスタストック部61、テンションローラ対62、反転ローラ対63等を有している。製版部3は、後述するマスタ64に製版を行い、図6に示すような第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとを有する分割製版済みマスタ65、あるいは図7に示すような第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとの2面分の画像量域を有する第3製版画像66Aを有する製版済みマスタ66を作成する。第1製版画像65Aは、分割製版済みマスタ65が版胴12の外周面上に巻装されたときに図1に示す表面領域と対応する位置に形成され、第2製版画像65Bは裏面領域と対応する位置に形成される。
製版部3を構成する、マスタ保持部材57、プラテンローラ58、製版手段としてのサーマルヘッド59、固定刃60aとこの固定刃60aに移動自在に支持された可動刃60bとを有する切断手段60、マスタストック部61、駆動ローラ62aと従動ローラ62bとからなるテンションローラ対62、駆動ローラ63aと従動ローラ63bとからなる反転ローラ対63等の細部の構成内容は、例えば特開2004−26373号公報の段落「0052」ないし「0058」に記載されているものと同様であるため、その説明を省略する。
プラテンローラ58、テンションローラ対62、反転ローラ対63を回転駆動する図示しないステッピングモータを含む駆動構成を始め、製版部3の他の前記各構成要素を駆動させる駆動構成を、総括的に製版駆動手段124(図9参照)とする。
製版部3の下方には、給紙部4が配設されている。給紙部4は、給紙台67、給紙台67に配設された用紙サイズ検知センサ73、給紙ローラ68、分離ローラ69、分離パッド70、レジストローラ対71等を有している。
上面に多数の用紙Pを積載可能な給紙台67は、装置本体11に上下動自在に支持されており、昇降手段を含む給紙駆動手段125(図9参照)によって上下動される。A3サイズの用紙Pを縦置き可能な給紙台67の上面には、図示しないレール部材によって用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動自在に支持された一対のサイドフェンス72が設けられている。また、給紙台67の自由端部側には、積載された用紙Pのサイズを検知する複数の用紙サイズ検知センサ73が設けられている。
給紙台67の上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ68が配設されている。給紙ローラ68は装置本体11に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、給紙台67が図示しない昇降手段によって上昇されたときに所定の圧接力で給紙台67上の最上位の用紙Pに圧接する。給紙ローラ68は給紙駆動手段125によって回転駆動される。
給紙ローラ68の左方には、表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する分離ローラ69と分離パッド70とが配設されている。分離ローラ69はタイミングベルト69aを介して給紙ローラ68に駆動連結されており、給紙ローラ68の回転駆動時にこれと同期して同方向に回転駆動される。分離パッド70は図示しない付勢手段の付勢力によって分離ローラ69に圧接されている。
分離ローラ69および分離パッド70の左方には、レジストローラ対71が配設されている。駆動ローラ71aと従動ローラ71bとからなるレジストローラ対71は、版胴駆動手段121からの回転駆動力をギヤやカム等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで駆動ローラ71aが版胴12と同期した所定のタイミングで回転し、駆動ローラ71aに圧接された従動ローラ71bとによって用紙Pを印刷部2に向けて所定のタイミングで給送する。
レジストローラ対71の用紙搬送方向上流側および下流側には、給紙部4から印刷部2へと給送される用紙Pの搬送をガイドするための給紙ガイド板136,137がそれぞれ配設されている。各給紙ガイド板136,137は、装置本体11の図示しない側板間にそれぞれ固定されている。
印刷部2の左上方には、排版部5が配設されている。排版部5は、駆動ローラ78、従動ローラ79、無端ベルト80等から構成される上排版部材74、駆動ローラ81、従動ローラ82、無端ベルト83等から構成される下排版部材75、排版ボックス76、圧縮板77等を有しており、これらの細部の構成内容は、例えば特開2004−26373号公報の段落「0064」ないし「0065」に記載されているものと同様であるため、その説明を省略する。排版部5の前記各構成要素を駆動させる駆動構成を、総括的に排版駆動手段126(図9参照)とする。
排版部5の下方には、排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪84、駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89、吸引ファン90等から構成される排紙搬送ユニット85、排紙トレイ86等を有している。
剥離爪84は版胴12の幅方向に複数配置され、装置本体11に揺動自在に支持された支軸にそれぞれ一体的に取り付けられている。複数の剥離爪84は、図示しない爪揺動手段によって揺動され、その先端が版胴12の周面に近接する図に示す位置と、クランパ19b等の障害物を回避するためにその先端が版胴12の外周面から離間する位置とを選択的に占める。図示しない爪揺動手段は、版胴駆動手段121からの駆動力を図示しない駆動力伝達手段により伝達され、版胴12の回転と同期して剥離爪84を揺動させる。
剥離爪84の下方であって切換部材10の左方に配設された排紙搬送ユニット85は、駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89、吸引ファン90等を有している。ころ状の駆動ローラ87は図示しないユニット側板に回転自在に支持された図示しない支軸に所定の間隔で複数取り付けられており、排紙モータ等を含む排紙駆動手段127(図9参照)によってそれぞれ一体的に回転駆動される。従動ローラ88も同側板に回転自在に支持された図示しない支軸に各駆動ローラ87と等間隔で複数設けられており、各駆動ローラ87およびこれと対応する各従動ローラ88には無端ベルト89がそれぞれ掛け渡されている。駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89の下方には吸引ファン90が配設されている。排紙搬送ユニット85は、吸引ファン90の吸引力によって各無端ベルト89上に用紙Pを吸引し、各駆動ローラ87の回転によって印刷済み用紙PBを図1の矢印方向に搬送する。
排紙搬送ユニット85によって搬送された印刷済み用紙PBをその上面に積載する排紙トレイ86は、用紙搬送方向に移動自在な1個のエンドフェンス91と用紙幅方向に移動自在な一対のサイドフェンス92とを有している。
装置本体11の上部には、画像読取部7が配設されている。画像読取部7は、原稿を載置するコンタクトガラス93、コンタクトガラス93に対して接離自在に設けられた圧板94、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー95,96,97,98および蛍光灯99、走査された原稿画像を集束するレンズ100、集束された画像を処理するCCD等の画像センサ101、原稿のサイズを検知する複数の原稿サイズ検知センサ102、読み取られた画像データを記憶する画像メモリ135等を有しており、原稿画像の読取動作は読取駆動手段128(図9参照)の作動によって行われる。
また、図1に示すように、版胴12を構成する図示しない端板の外面にはドグ133が取り付けられており、版胴12の周囲近傍には装置本体11に取り付けられたホームポジションセンサ134が配設されている。ホームポジションセンサ134は、クランパ19bがプレスローラ13と対向する位置を版胴12が占めたときにドグ133を検知して後述する制御手段129に向けて信号を出力する。
図8は、両面印刷装置1の操作パネルを示している。同図において装置本体11の上部前面に設けられた操作パネル103は、その上面に製版スタートキー104、印刷スタートキー105、試し刷りキー106、連続キー107、クリア/ストップキー108、テンキー109、エンターキー110、プログラムキー111、モードクリアキー112、印刷速度設定キー113、4方向キー114、用紙サイズ設定キー115、用紙厚み設定キー116、両面印刷キー117、片面印刷キー118、7セグメントLEDからなる表示装置119、LCDからなる表示装置120等を有している。
これら各種キーや各表示装置119、120の細部の機能・構成は、例えば特開2004−26373号公報の段落「0072」ないし「0076」に記載されているものと同様であるため、その説明を省略する。
印刷速度は、用紙Pの片面のみに印刷を行う片面印刷モード設定時には、極めて低速度(15〜20rpm位)の版付け動作を除き、印刷速度設定キー113を押下しなかった場合に、通常、3速(90rpm:図8に示されているプリントスピード表示部に黒く塗色されているスピード)に予め設定されていて、用紙1枚の印刷ごとに1速ずつスローアップ動作するよう制御されている。
しかしながら、後述する本例のような両面印刷モード設定時には、設定速度になるまでのスローアップ動作について考慮されていなかった。
図9は、両面印刷装置1に用いられる制御手段のブロック図を示している。同図において制御手段129は、内部にCPU130、ROM131、RAM132を有するマイクロコンピュータを具備して構成されており、装置本体11の内部に設けられている。
CPU130は、操作パネル103からの各種信号および装置本体11に設けられた各種センサからの検知信号およびROM131から呼び出された動作プログラムに基づいて、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7に設けられた各駆動手段、印刷部2に設けられたプレスローラ接離機構55の駆動手段(ステッピングモータ52、印圧ソレノイド181)、再給紙手段9に設けられたソレノイド33、吸引ファン39および搬送ユニット駆動モータ122、切換部材10を作動させるソレノイド123の作動等を制御し、両面印刷装置1全体の動作を制御する。
ROM131には、両面印刷装置1全体の動作プログラムが記憶されており、この動作プログラムはCPU130によって適宜呼び出される。RAM132は、CPU130の計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル103上の各種キーおよび各種センサから設定および入力されたデータ信号およびオン・オフ信号を随時記憶する機能等を有している。また制御手段129は、ホームポジションセンサ134からのホームポジション信号と、版胴駆動手段121に設けられた図示しないエンコーダセンサからの信号とに基づいて、版胴12の位置の把握も行っている。
上述の構成に基づき、以下に用紙受け台40を有していない状態での両面印刷装置1の動作を説明する。
ユーザは給紙台67上に印刷に使用される用紙Pを積載し、圧板94を開放してコンタクトガラス93上に印刷すべき原稿を載置した後、再び圧板94を閉じる。その後、操作パネル103上の各種キーによって製版条件を設定した後、両面印刷キー117あるいは片面印刷キー118を押下して何れか一方の印刷モードを設定して製版スタートキー104を押下する。先ず、片面印刷キー118を押下して片面印刷を行う場合に関しては、特開2004−26373号公報の段落「0080」ないし「0094」に記載されているものと同様であるため、その説明を省略する。
次に、図18を一部借用して、両面印刷キー117を押下して両面印刷を行う場合を説明する。図18は、後述の実施形態に特有の印刷速度の制御に係る内容を含んでいるため、ドラム速度(版胴の回転速度=印刷速度)および用紙受け台は適用除外とする。
ユーザにより、給紙台67上に普通紙や薄紙である用紙Pがセットされ、ユーザは両面印刷モードであることをLED117aの点灯によって確認した後、製版スタートキー104が押下されると、片面印刷時と同様に各センサ73,102から用紙サイズ検知信号および原稿サイズ検知信号がそれぞれ制御手段129に送られ、制御手段129は入力された各信号を比較する。本例では、版胴12で印刷可能な最大用紙サイズがA3サイズであるため、両面印刷時において使用可能な用紙サイズはA4横置きまでである。原稿サイズと用紙サイズとを比較した結果、両サイズが同じ場合には直ちに画像読取動作が行われ、両サイズが異なる場合には、制御手段129はその旨を表示装置120に警告として表示してユーザに注意を促す。
製版スタートキー104が押下されると、画像読取部7では片面印刷時と同様に1枚目の原稿画像が読み取られる。読み取られた原稿画像は画像メモリ135内に1枚目の画像データ信号として格納される。1枚目の原稿の読取動作が完了して画像データ信号が画像メモリ135内に格納されると、制御手段129は表示装置120に「2枚目の原稿をセットして下さい」という旨の表示を行わせる。ユーザはこの表示に従って圧板94を開放してコンタクトガラス93上より1枚目の原稿を取り除き、2枚目の原稿を載置して再び圧板94を閉じる。圧板94が閉じられたことを図示しないセンサが検知し、コンタクトガラス93上に原稿があることを他の図示しないセンサが検知すると、1枚目と同様に2枚目の原稿の読取動作が行われる。読み取られた原稿画像は画像メモリ135内に2枚目の画像データ信号として格納される。
なお、本例において、片面印刷モード設定時(以下、「片面印刷モード時」ともいう)および両面印刷モード設定時(以下、「両面印刷モード時」ともいう)における原稿の読取動作はユーザが圧板94を開閉してコンタクトガラス93上に読み取られる原稿をセットする構成としたが、ADFを用いて自動的に原稿をコンタクトガラス93上に搬送する構成、あるいは図示しない外部装置(例えばコンピュータ)から画像データを取り込む構成としてもよい。また、両面印刷モード時において1枚の原稿を反転させて搬送し、その表面および裏面から2枚分の画像データを取得する構成としてもよい。
画像読取部7での画像読取動作と並行して、排版部5では片面印刷時と同様に排版動作が行われる。外周面上より使用済みマスタ64cを剥離された版胴12は給版待機位置で停止し、図示しない開閉手段によってクランパ19bが開放される。また、この排版動作と並行して製版部3では製版動作が行われる。製版動作は片面印刷モード時と同様の手順で行われるが、マスタ64にはその熱可塑性樹脂フィルム面に第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとが形成される。このとき第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとの間には、図6に示すように所定の空白部Sが設けられるように各画像65A,65Bが製版される。この所定の空白部Sは、分割製版済みマスタ65が版胴12の外周面上に巻装されたときに、図1に示す中間領域と対応する位置になる。
各製版画像65A,65Bが形成された分割製版済みマスタ65はマスタストック部61内に貯容され、排版動作が完了して両面印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラ対63の作動によって分割製版済みマスタ65がステージ部19aと開放されているクランパ19bとの間に向けて搬送される。その後、版胴12が片面印刷モード時と同様に間欠回転され、分割製版済みマスタ65の版胴12への巻装が行われる。そして、画像メモリ135から2枚分の画像データが全て送られると、切断手段60が作動して分割製版済みマスタ65が切断される。切断された分割製版済みマスタ65は版胴12の回転によって製版部3より引き出され、版胴12がホームポジションで停止して製版動作および給版動作が完了する。
給版動作に引き続き版付け動作、試し刷りが行われる。版付け動作は、特開2004−26373号公報の段落「0101」ないし「0114」に記載されているものと同様であり、試し刷り動作は、同公報の段落「0115」ないし「0120」に記載されているものと同様であるため、それぞれの説明を省略する。
試し刷りにより画像の位置あるいは濃度等が確認され、テンキー109によって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキー105が押下されると、正規の印刷動作が行われる。本例では、印刷枚数としてN枚が入力された場合を説明する。
印刷スタートキー105が押下されると、版付け時および試し刷り時と同様に、版胴12がホームポジションで停止するとステッピングモータ52が作動して段差カム49が回転されると共に印圧ソレノイド181が作動され、カム部49aをカムフォロア48cに当接させる。これにより移動アーム48が支軸48aを中心に揺動されてカム軸44がカム板43Bをカムフォロア41に対して当接可能となる位置に移動された後、印圧ソレノイド181の作動が解除される。
その後、給紙ローラ68、分離ローラ69、各駆動ローラ36,87、各吸引ファン39,90がそれぞれ駆動されると共に版胴12が設定された印刷速度(以下、「設定速度」という)で図1の時計回り方向に回転駆動され、給紙台67上から1枚目の用紙Pが引き出されてその先端がレジストローラ対71のニップ部(以下、単に「レジストローラ対71」ともいう)に付き当てられ一時滞留される。そして、クランパ19bが切換部材10と対応する位置を通過するとソレノイド123が作動して切換部材10が第2の変位位置に位置決めされ、その後、版胴12上に巻装された分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第1製版画像65Aの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達する所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動されることで、引き出された1枚目の用紙Pは版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
上記所定のタイミングにおいて、カムフォロア41と当接可能である位置に移動されたカム板43Bはその凸部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を版胴12の外周面に圧接させる。これにより給送された1枚目の用紙Pは、プレスローラ13によって分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに圧接されることで、その表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷されて1枚目の表面印刷済み用紙PAとなる。
1枚目の表面印刷済み用紙PAは、切換部材10の先端によってその一端から版胴外周面上の分割製版済みマスタ65から剥離されつつ、第2の変位位置を占めた切換部材10によって再給紙手段9へと案内される。切換部材10によって下方へと導かれた表面印刷済み用紙PAは、各ガイド板27,56間を通ってその一端をエンドフェンス8aに当接させ、補助トレイ8上に載置される。補助トレイ8上に搬送された表面印刷済み用紙PAは、吸引ファン39の吸引力によって無端ベルト38に保持されつつ図1の矢印方向に搬送され、その他端(第1製版画像65Aの印刷時における後端)を再給紙位置決め部材24に当接される。このときセンサ8cが表面印刷済み用紙PAの他端を検知し、センサ8cからの検知信号が制御手段129へ向けて出力されることにより、制御手段129から指令が送られて駆動ローラ36および吸引ファン39の作動が停止される。
1枚目の表面印刷済み用紙PAが補助トレイ8上に案内されている間も版胴12は回転を継続しており、プレスローラ13は版胴12の表面領域との接触を終えるとカム板43Bの凸部がカムフォロア41に当接することで離間位置を占める。このカム板43Bの働きにより、用紙Pが存在しない状態で版胴12の裏面領域とプレスローラ13とが圧接することがなく、プレスローラ13の周面へのインキの転移を防止できる。このとき、印圧ソレノイド181が作動してプレスローラ13を離間位置で保持した後、ステッピングモータ52が作動して段差カム49が回転され、そのカム部49bをカムフォロア48cに当接させる。これにより移動アーム48が支軸48aを中心に揺動され、カム軸44がカム板43Aをカムフォロア41に対して当接可能となる位置に移動される。
また、上述の動作とほぼ同時に給紙ローラ68および分離ローラ69が駆動され、給紙台67上から2枚目の用紙Pが引き出されてその先端をレジストローラ対71に付き当てられる。そして、上述と同様の所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動され、引き出された2枚目の用紙Pは版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
一方、プレスローラ接離機構55では、移動されたカム板43Aの凸部がカムフォロア41と当接可能な位置までカム軸44が回転すると、印圧ソレノイド181の作動が解除される。このときカム軸44と同期して回転している版胴12は、表面領域および裏面領域および中間領域以外の部位である非開孔部がプレスローラ13と対向する位置を占めている。また、版胴12の表面領域がプレスローラ13との対向部を通過し、クランパ19bが再び切換部材10と対応する位置を占めるまでの間にソレノイド123が作動され、切換部材10が第2の変位位置から第1の変位位置に変位される。
また、この動作とほぼ同時に給紙部4から2枚目の用紙Pが給送され、2枚目の用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後に1枚目の用紙Pと同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。切換部材10はクランパ19bとの衝突を回避すべく第1の変位位置に位置決めされた後、クランパ19bの通過後に再び第2の変位位置に位置決めされる。
給送された2枚目の用紙Pはプレスローラ13によって分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに圧接され、表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷されて2枚目の表面印刷済み用紙PAとなった後、第2の変位位置を占めた切換部材10によって剥離案内されて補助トレイ8上に搬送される。このとき試し刷り時と同じタイミングでソレノイド33が作動され、揺動アーム32が支軸32aを中心に図2における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動され、他端を再給紙位置決め部材24に当接させた状態で停留されていた1枚目の表面印刷済み用紙PAが、版胴12の周速度とほぼ同じ周速度で回転しているプレスローラ13の周面に当接されることで、反転されつつ印刷部2へと再給紙・搬送される。1枚目の表面印刷済み用紙PAは2枚目の表面印刷済み用紙PAの後端が版胴12とプレスローラ13との当接部を抜けきった後、版胴12の中間領域がプレスローラ13と対向する位置を通過して裏面領域がプレスローラ13と対向するタイミングで版胴12とプレスローラ13との当接部に送られ、プレスローラ13によって分割製版済みマスタ65の第2製版画像65Bに圧接されることで、その裏面に第2製版画像65Bに対応した画像を印刷されて印刷済み用紙PBとなる。
上述の動作中、版胴12の中間領域がプレスローラ13と対向する位置を占める直前にソレノイド123が作動され、切換部材10が第2の変位位置から第1の変位位置に変位される。これにより切換部材10によって案内されていた2枚目の表面印刷済み用紙PAの後端(他端)は、切換部材10の下面10aとプレスローラ13の周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内され、これに続いて搬送された1枚目の印刷済み用紙PBの先端(一端)は、切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送ユニット85へと案内される。1枚目の印刷済み用紙PBは、剥離爪84によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送ユニット85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
その後、給紙部4から3枚目の用紙Pが給送され、3枚目の用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後に1枚目および2枚目の用紙Pと同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。切換部材10はクランパ19bとの衝突を回避すべく第1の変位位置に位置決めされ、クランパ19bの通過後に再び第2の変位位置に位置決めされる。給送された3枚目の用紙Pは表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷されて表面印刷済み用紙PAとなった後、切換部材10によって補助トレイ8上に案内される。そして所定のタイミングでソレノイド33が作動され、補助トレイ8上に停留されていた2枚目の表面印刷済み用紙PAが印刷部2へと搬送される。
2枚目の表面印刷済み用紙PAは1枚目の表面印刷済み用紙PAと同様のタイミングで版胴12とプレスローラ13との当接部に送られ、その裏面に第2製版画像65Bに対応した画像を印刷されて2枚目の印刷済み用紙PBとなる。切換部材10は上述と同様のタイミングで第2の変位位置から第1の変位位置に変位され、3枚目の表面印刷済み用紙PAの後端(他端)は切換部材10の下面10aとプレスローラ13の周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内される。また、これに続いて補助トレイ8上より搬送された2枚目の印刷済み用紙PBの先端(一端)は、切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送ユニット85へと案内され、2枚目の印刷済み用紙PBは剥離爪84によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送ユニット85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
以下、上述と同様の印刷動作が(N―1)枚目まで行われる。そして、N枚目の用紙Pが給紙部4から給送されその表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷され、N枚目の表面印刷済み用紙PAとして補助トレイ8上に案内された後、(N−1)枚目の表面印刷済み用紙PAがその裏面に第2製版画像に対応した画像を印刷されて(N−1)枚目の印刷済み用紙PBとして排紙トレイ86上に排出されると、印圧ソレノイド181が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、カム板43Cをカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後、印圧ソレノイド181の作動が解除される。このとき切換部材10は第1の変位位置を占めた状態を維持している。
そして、分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第2製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりも早い第1のタイミングでカムフォロア41と当接可能である位置に移動されたカム板43Cはその凸部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を版胴12の外周面に圧接させる。その後、分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第2製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早い第2のタイミングでソレノイド33が作動され、揺動アーム32が支軸32aを中心に図2における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動され、他端を再給紙位置決め部材24に当接させた状態で停留されていたN枚目の表面印刷済み用紙PAが、版胴12の周速度とほぼ同じ周速度で回転しているプレスローラ13の周面に当接されることで反転されつつ印刷部2に再給紙される。
N枚目の表面印刷済み用紙PAは1枚目の表面印刷済み用紙PAと同様のタイミングで版胴12とプレスローラ13との当接部に送られ、その裏面に第2製版画像65Bに対応した画像を印刷されてN枚目の印刷済み用紙PBとなる。N枚目の印刷済み用紙PBは切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送ユニット85へと案内され、剥離爪84によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送ユニット85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。その後、プレスローラ13は版胴12の裏面領域との接触を終えるとカム板43Cの凸部がカムフォロア41に当接することで離間位置を占める。このカム板43Cの働きにより、用紙Pが存在しない状態で版胴12の表面領域とプレスローラ13とが圧接することがなく、プレスローラ13の周面へのインキの転移を防止できる。このとき印圧ソレノイド181が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、その後に版胴12がホームポジションで停止して両面印刷装置1は印刷動作を終えて再び印刷待機状態となる。
この両面印刷装置1によれば、例えば特開2004−26373号公報の段落「0131」ないし「0133」に記載されていると同様の利点・効果を奏する。
しかし、上述の両面印刷装置1では、連続印刷時において以下の不具合があるので、その不具合について説明する。
上述の印刷動作時において、2枚目の用紙Pが版胴12とプレスローラ13とのニップ部を抜けて2枚目の表面印刷済み用紙PA2として補助トレイ8に送られるとき、補助トレイ8上からは1枚目の表面印刷済み用紙PA1が版胴12とプレスローラ13とのニップ部に向けて送られる。このとき、図10に示すように、表面印刷済み用紙PA2の一端が表面印刷済み用紙PA1の一端側に接触することとなり、これによって表面印刷済み用紙PA2の一端部および裏面部に擦れ汚れが発生し、さらに表面印刷済み用紙PA1の一端側にも擦れ汚れが発生してしまうという不具合がある。
また、このときに表面印刷済み用紙PA2の一端は図中左方に向けて搬送されなければならないが、その一端が図中右方に向けて搬送される表面印刷済み用紙PA1の一端に接触し、表面印刷済み用紙PA1上のインキの粘着力および図中右方への搬送力によって用紙Pの図中左方への搬送力が打ち消され、表面印刷済み用紙PA2がその場に止まってしまい搬送ジャムが発生してしまうという不具合がある。
さらに、図11は図10に示した状態から版胴12が少し回転した状態を示しているが、送られてきた表面印刷済み用紙PA2は表面印刷済み用紙PA1が送られて用紙がない状態となった補助トレイ8上に落下し、作動している吸引ファン39の吸引力によって補助トレイ8上に引き付けられると共に無端ベルト38の摩擦力によっても図中左方への搬送力を打ち消され、表面印刷済み用紙PA2の良好な搬送が妨げられて搬送ジャムが発生してしまうという不具合がある。
上述の不具合を解消するため、本例では補助トレイ8上に、図1に示す用紙受け台40を設けている。以下、第1の例に用いられる用紙受け台40について説明する。用紙受け台40は、切換部材10により補助トレイ8に向けて案内された表面印刷済み用紙PA2の先端を受け止める用紙受止手段としての機能を有する。
断面コ字形状を呈する用紙受け台40は、図3に示すようにその両側部に突起40a,40b,40c,40dを有しており、各突起40a,40b,40c,40dは搬送ユニット本体35の両側板に穿設された図示しない長穴にそれぞれ嵌合されている。また、用紙受け台40の一端部には各エンドフェンス8aが嵌合可能な嵌合部としての切欠部40eが形成されており、用紙受け台40の両側部には他端側に延出したラック部40fがそれぞれ形成されている。用紙受け台40は各無端ベルト38よりも上方に離隔した位置に配設されており、その下面と各無端ベルト38との間隔は、表面印刷済み用紙PAが各無端ベルト38上を良好に搬送可能となる所定の間隔に設定されている。
搬送ユニット本体35の一方の側板の外側には、その出力軸138a上に2個のピニオン139を有するステッピングモータ138が取り付けられている。出力軸138aの先端は搬送ユニット本体35の他方の側板に回転自在に支持されており、各ピニオン139は搬送ユニット本体35の両側板近傍の位置であって各ラック部40fとそれぞれ噛合する位置に配設されている。
ステッピングモータ138の近傍には、用紙受け台40のホームポジションを検知するためのホームポジションセンサ140が配設されている。ホームポジションセンサ140は、突起40dの突出部を検知可能な位置に配設されており、ホームポジションセンサ140からの信号は制御手段129に出力される。
上述の構成より、用紙受け台40はステッピングモータ138によって、プレスローラ13に最も近付き印刷部2より搬送される表面印刷済み用紙PA2の一端を受け止める、図12に示すホームポジションである第1の位置と、プレスローラ13より最も離れその上面上に載置した表面印刷済み用紙PA2の他端が各無端ベルト38に接触する、図13に示す第2の位置とを選択的に占めるべく往復動される。
上記のとおり、ステッピングモータ138、各ピニオン139および各ラック部40fは、第1の位置と第2の位置との間で用紙受け台40を往復動させる移動手段としての機能を有する。
また、用紙受け台40の用紙搬送方向における長さは、用紙受け台40が第2の位置を占め、用紙受け台40上の表面印刷済み用紙PA2の他端が用紙受け台40上より各無端ベルト38上に落下し、表面印刷済み用紙PA2が再給紙搬送ユニット25によって搬送されてその他端が再給紙位置決め部材24に当接したときに、表面印刷済み用紙PA2の一端が用紙受け台40上より落下する長さに設定されている。
この用紙受け台40の働きにより、連続印刷時において表面印刷済み用紙PA1と表面印刷済み用紙PA2との接触を防止することができ、表面印刷済み用紙PA2の一端部および裏面部、表面印刷済み用紙PA1の一端側における擦れ汚れの発生を防止することができると共に、表面印刷済み用紙PA2を良好に搬送することにより搬送ジャムの発生を防止することができる。
また、用紙受け台40を往復動させるステッピングモータ138の作動をセンサ8cからの信号に基づいて制御手段129により制御し、表面印刷済み用紙PA1の先端がセンサ8cによって検知されたときに用紙受け台40を第2の位置から第1の位置へと移動させる構成とすることもできる。これにより、表面印刷済み用紙PA2が確実に再給紙搬送ユニット25に吸着搬送され、その他端が再給紙位置決め部材24に当接してその一端が用紙受け台40上より落下した後に用紙受け台40の第2の位置から第1の位置への移動が行われるので、用紙受け台40と表面印刷済み用紙PA2との干渉を確実に防止することができ、用紙搬送ジャムの発生を確実に防止することができる。
さらに、用紙受け台40がその一端部に各エンドフェンス8aに対して嵌合可能な切欠部40eを有しているので、表面印刷済み用紙PA1の一端がエンドフェンス8aと用紙受け台40との間に入り込むことを防止でき、これが原因となる用紙搬送ジャムの発生を防止することができる。
図14、図15は、第2の例に用いられる用紙受止手段としての用紙受け台140を示している。この用紙受け台140は、第1の例で示した用紙受け台40と比較すると、嵌合部としての切欠部を有していない点、突起40a,40b,40c,40dと同様の突起140a,140b,140c,140dおよびラック部40fと同様のラック部140fを有する点、一対のサイドフェンス140eおよび2個のエンドフェンス140gを有している点において相違しており、他の構成は同一である。なお、この第2の実施例では、補助トレイ8がエンドフェンス8aを有していない。
また、この用紙受け台140においても、その用紙搬送方向における長さは、用紙受け台140が第2の位置を占め、用紙受け台40上の表面印刷済み用紙PAの他端が用紙受け台140上より各無端ベルト38上に落下し、表面印刷済み用紙PAが再給紙搬送ユニット25によって搬送されてその他端が再給紙位置決め部材24に当接したときに、表面印刷済み用紙PAの一端が用紙受け台140上より落下する長さに設定されている。
すなわち、図14において、表面印刷済み用紙PAの用紙搬送方向長さL1よりも第2の位置を占めた用紙受け台140の用紙載置面端部から再給紙位置決め部材24までの距離L2が大きくなるように設定されている。L1とL2との差は10〜20mm程度が適切である。
このような構成とすることにより、表面印刷済み用紙PAが各サイドフェンス140eによってその幅方向の位置を決められ、かつ、エンドフェンス140gによってその搬送方向の位置を決められつつ搬送されるので、補助トレイ8上への落下時における表面印刷済み用紙PAのスキューおよび位置ずれの発生が効果的に防止され、用紙搬送ジャムの発生を防止することができる。
図16は、第3の例に用いられる用紙受止手段としての用紙受け台141を示している。この用紙受け台141は、第2の例で示した用紙受け台140と比較すると、突起140a,140b,140c,140dと同様の突起141a,141b,141c,141dを有する点、一対のサイドフェンス140eと同様の一対のサイドフェンス141eおよび2個のエンドフェンス140gと同様の2個のエンドフェンス141fを有している点において相違しており、他の構成は同一である。なお、この第3の実施例では、補助トレイ8がエンドフェンス8aを有しておらず、用紙受け台141の駆動機構も異なっている。また、クリーニングローラ26の配設位置も異なっており、さらにガイド板27は設けられていない。
各突起140a,140b,140c,140dは、搬送ユニット本体35の両側板35b(図17参照)に形成された長穴35cに嵌合されている。長穴35bは、印刷部2から補助トレイ8上へと落下する表面印刷済み用紙PAの落下経路とほぼ同じとなるべく傾斜して形成されている。
図17は、第3の例における用紙受け台141の駆動機構を示している。両側板35b間の長穴35c形成位置の近傍には第1プーリ142と第2プーリ143とがそれぞれ回転自在に支持されており、各プーリ142,143間には無端ベルト144が掛け渡されている。無端ベルト144の内側には両側板35b間に回転自在に支持されたガイドローラ145が接触して配置されており、無端ベルト144は長穴35cの下側に長穴35cとほぼ同様の形状となるように配置されている。また、無端ベルト144には用紙受け台141に一体的に形成された取付部141gが固定されている。
第1プーリ142の図示しない支軸には駆動ギヤ146が取り付けられており、この駆動ギヤ146は一方の側板35bに取り付けられた正逆転可能なステッピングモータ147の出力軸147aに取り付けられたピニオン148に噛合している。
上述の構成より、ステッピングモータ147の正逆転動作によって用紙受け台141が、図16に実線で示す表面印刷済み用紙PAの一端を受け止める第1の位置と、図16に二点鎖線で示すその上面上の表面印刷済み用紙PAの他端が無端ベルト38に接触する第2の位置とを選択的に占めるべく往復動する。また、第2プーリ143の近傍には、用紙受け台141がホームポジションである第1の位置を占めたときにこれを検知するホームポジションセンサ149が配設されている。
上記のとおり、用紙受け台141は、切換部材10により補助トレイ8に案内された表面印刷済み用紙PA2の先端を印刷部2近傍の第1の位置で受け止め、第1の位置よりも再給紙手段9の上流側近傍の第2の位置で表面印刷済み用紙PA2の先端を開放する用紙受止手段としての機能を有する。また、ステッピングモータ147、駆動ギヤ146、ピニオン148、第1プーリ142、第2プーリ143、無端ベルト144およびガイドローラ145は、第1の位置と第2の位置との間で用紙受け台141を往復動させる移動手段としての機能を有する。
この第3の例によれば、用紙受け台141の往復移動経路が表面印刷済み用紙PAの補助トレイ8への落下経路とほぼ同じとなるべく傾斜する構成としたので、印刷部2において印刷がなされた表面印刷済み用紙PAをその移動経路に近い状態で用紙受け台141によって受け止めつつ搬送を行うことにより、用紙受け台141の上面に表面印刷済み用紙PAを滑らかに受け止めることができ、用紙条件、画像条件、環境条件等にばらつきが生じても搬送ジャムの発生を抑制することが可能となる。
用紙受止手段および移動手段は、上述したものに限らず、例えば特開2005−262730号公報の図1ないし図9に示されている、用紙受止手段に代えた用紙挟持手段としての移動ガイド(81)および移動手段(87)であってもよい。前記公報記載の両面印刷装置によれば、たとえ腰の弱い用紙等でも用紙先端の挿入が抵抗無く行えて表面印刷済み用紙の先端の挟持を確実かつ良好に行うことができ、さらに設置スペースの増大を抑制することが可能な従来の1版胴1押圧手段両面印刷方式の1工程両面印刷装置よりも簡素化された両面印刷装置、すなわち前記従来の両面印刷装置における再給紙貯容手段を不要とした新規な両面印刷装置を提供することができると共に、印刷部から送り出された表面印刷済み用紙と再給紙手段にある表面印刷済み用紙との接触を防止して表面印刷済み用紙への擦れ汚れの発生を防止することができることで、表面印刷済み用紙の搬送ジャムの発生を防止することができ、かつ、表面印刷済み用紙が蛇行したり、スキューしたりすることが無く安定した状態で良好に搬送でき、これによって印刷時に印刷画像が傾いたり、傾きなどが元でレジストが悪化してしまうことを未然に防止できるという効果を奏する。
(第1の実施形態)
図18を参照して、第1の実施形態に係る両面印刷時のスローアップ動作を説明する。
以下、第3の例の用紙受け台141を備えた両面印刷装置1に適用する第1の実施形態を説明する。図18を始めとして、後述の実施形態に係る図19ないし図21に示されている印刷状態および簡略的なタイミングチャートにおいて、「ドラム回転」とは版胴12の回転を、ドラム速度とは版胴12の回転速度、すなわち印刷速度をそれぞれ表す。また、「給紙(給紙台)」の両矢印は給紙台67からの用紙Pの給送期間を、「用紙受け台」の両矢印は用紙受け台141での表面印刷済み用紙PAの搬送期間を、「再給紙レジスト部材」の両矢印は再給紙レジストローラ23の作動期間を、「印圧ソレノイド状態」とは印圧ソレノイド181のオン・オフ(作動、非作動)をそれぞれ表す。
以下の図18ないし図21に示されている簡略的なタイミングチャートでは、主な構成要素、部材および駆動手段の動作タイミングのみを例示しているが、この限りでなく、上述した両面印刷装置1の他の構成要素および駆動手段等が含まれることは無論である。また、以下の図18ないし図21に示されている実施形態は、両面印刷開始時における印刷速度のスルーアップ制御に関するものであり、説明の簡単化のため両面印刷枚数を少数枚に限って説明するが、この限りでないことは無論である。
片面印刷モードでの印刷開始時では、版胴の1回転ごとに用紙1枚を給送し印刷しながら、印刷速度を低速から設定速度になるまでスローアップ動作を行っていた。両面印刷モードでも両面印刷開始時に、片面印刷モード時と同様に印刷速度を低速から設定速度になるまでスローアップ動作を行う。
両面印刷モード時では、図18に示すと共に第1の例ないし第3の例で詳述したように、最初の1枚目の表面印刷と最終枚目の裏面印刷とを除き、版胴の1回転で表面印刷と裏面印刷とを行っているが、用紙N(Nは自然数)枚目の表面印刷と裏面印刷とは同じ版胴回転中に行われるのではなく、1回転ずれている。つまり、両面印刷開始時の版胴の1回転目は用紙1枚目の表面印刷のみで裏面印刷をせず、次の版胴の2回転目で、用紙2枚目の表面印刷と用紙1枚目の裏面印刷とを行うことで、1枚の両面印刷が完成する。
この両面印刷時に、両面印刷開始1枚目の印刷速度を、両面印刷装置の最低設定速度である低速から開始して、版胴の1回転ごとに印刷速度を上げて設定速度まで速度を上げる。すなわち、両面印刷開始時における印刷部への用紙の1枚ごとの給送に対応した版胴の1回転ごとに、印刷速度を低速から設定速度までスローアップ動作させる。
図16および図18に示すように、両面印刷開始時において、版胴12の1回転目で、両面印刷における表面印刷用の用紙Pの1枚目を給紙台67から給送すると共に、版胴12の2回転目でカム板43Bに移動し、給送された用紙1枚目に表面印刷して、これを用紙受け台141によって再給紙搬送ユニット25に搬送されて、表面印刷済み用紙PAの先端が再給紙位置決め部材24の位置で停止する。この時、再給紙位置決め部材24の位置で停止していた両面印刷1枚目の表面印刷済み用紙PAは、再給紙レジストローラ23の上昇により、プレスローラ13の周面に表面印刷済み用紙PAの先端が押し付けられ、プレスローラ13の周面に沿って反転されつつ印刷部2に再給紙されることで、両面印刷1枚目の裏面印刷が終了して、さらに切換部材10により排紙搬送ユニット85に案内され、排紙搬送ユニット85により搬送されて排紙トレイ86に排出・積載される。
この動作を繰り返して両面印刷を連続的に実行する。両面印刷の最終紙は、両面最終紙の表面印刷後に、裏面印刷を行う回転時に給紙をせずに、かつ、表面印刷をせずに、上述したと同様に裏面印刷だけが実行される。すなわち、再給紙位置決め部材24の位置で停止していた両面最終紙の表面印刷済み用紙PAは、再給紙レジストローラ23の上昇により、プレスローラ13の周面に表面印刷済み用紙PAの先端が押し付けられることによって、印刷部2に反転・再給紙されることで、両面最終紙の裏面印刷が終了して、設定された印刷枚数の両面印刷が完了する。
版胴12の回転速度の変速位置は、版胴12のホームポジション(以下、「HP」という)で変速するのではなく、HPより約140度回転した版胴12の表面領域で変速を行う。これは、給紙台67より用紙Pを給送するため、その給紙制御に係る制御手段129に版胴12の回転速度情報を送信する必要から、上記角度分の時間が必要である。
このため、両面印刷開始時には、図18に示すように、版胴12の1回転ごとに印刷速度を上げて設定速度まで、速度を上げる時にドラム回転(版胴12の回転)に合わせて用紙搬送を行っている。ドラム回転の1回転目の1速(60rpm)で、表面印刷用の用紙1枚目を給紙台67から給送して印刷部2で表面印刷を行い、その表面印刷済み用紙PAが用紙受け台141によって再給紙搬送ユニット25に搬送されるが、この時にドラム速度(版胴12の回転速度)が2回転目になり、表面印刷済み用紙PAへの印圧時に増速して2速(75rpm)になる。
このため、用紙受け台141によって両面印刷1枚目の表面印刷済み用紙PAが再給紙搬送ユニット25までに搬送される搬送中に、ドラム速度が変化してしまう。この際、ドラム速度が速くなることによってその用紙PAの搬送のみが速くなってしまうと、切換部材10の下面10aとプレスローラ13の周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内されているために、送り過ぎによって搬送された1枚目の表面印刷済み用紙PAが切換部材10の下面10aとプレスローラ13の周面との間で折れてしまったり、切換部材10の下面10aを強く押してしまい変形の虞などの問題を生じる可能性がある。
それ故に、用紙受け台141の搬送速度は、ドラム速度と同期して速くなるように制御する必要がある。これによって問題なく用紙搬送ができるようになる。
なお、同じ1枚の印刷済み用紙PBの表面印刷と裏面印刷とで印刷速度が異なるため、画像濃度差が生じることがあるが、公知の印圧調整機構(例えば、特開平10−44577号公報の図1に示されている押圧力可変手段20等参照)を設け、表面印刷よりも裏面印刷時の印圧を大きくするように印圧制御すれば、画像濃度差を軽減する方向に補正することが可能である。
上述のとおり、本実施形態において、制御手段129は、ホームポジションセンサ134および図示しないエンコーダセンサからのドラム回転位置信号、ドラム速度信号に基づいて、両面印刷開始時における印刷部2への用紙Pの1枚ごとの給送に対応した版胴の1回転ごとに、印刷速度(ドラム速度)が低速から設定速度までスローアップするように、換言すれば図18に示す各駆動手段・部材等の動作・タイミングを満足するように、給紙部4、印刷部2、再給紙手段9、排紙部6および切換部材10の各駆動手段を制御すると共に用紙受け台141の搬送速度が印刷速度(ドラム速度)に同期するように再給紙手段9のステッピングモータ147を制御する機能を有する。
(第2の実施形態)
図19を参照して、第2の実施形態に係る両面印刷時のスローアップ動作を説明する。
第1の実施形態では、用紙受け台141の搬送速度は、ドラム速度と同期して速くなるように制御する必要があった。しかしながら、これではドラム速度に合わせて用紙受け台141の搬送速度を設定しなければならず、ドラム速度の増速も各回転速度によって一定に加速するのではないので、搬送制御として複雑になっていた。そこで、第2の実施形態では、図19に示すように、用紙受け台141の搬送速度をドラム速度と同期する制御をしないで、両面印刷における片面印刷ごとに、印刷速度を低速から設定速度までスローアップ動作することが可能な発明をした。
両面印刷開始時に、図19に示すように、ドラム回転の1回転目の1速(60rpm)で、表面印刷用の用紙1枚目を給紙台67から給送して表面印刷を行い、ドラム回転の2回転目中に用紙受け台141によって表面印刷済み用紙PAが再給紙搬送ユニット25に搬送されて、その用紙PAの先端が再給紙位置決め部材24の位置で停止させる。そこで、ドラム回転の1回転目のドラム速度と2回転目のドラム速度とを同じ1速(60rpm)にすることによって、用紙受け台141の搬送速度はドラム速度と同速になっているため、ドラム速度との同期制御する必要がなくなる。
ドラム回転の3回転目で、印圧ソレノイド181をオフさせて印圧を解除、すなわち版胴12に対してプレスローラ13を押圧させない空回転すると共に、その空回転を利用してドラム速度を2速(75rpm)にして、表面印刷用の用紙Pの2枚目を給紙台67から給送し、ドラム回転の4回転目で印刷部2で表面印刷を行い、その表面印刷済み用紙PAを搬送する用紙受け台141の搬送速度をドラム速度と同速(2速:75rpm)にして、以降これと同様の両面印刷動作を繰り返して設定速度まで増速しながら両面印刷を繰り返していく。
ドラム回転の3回転目を用紙受け台141の搬送速度をドラム速度と同速にするために空回転として使用しているために、第1の実施形態のように給送される2枚目の用紙Pに表面印刷を行うことができないが、この方式によって給紙のタイミングは版胴12の1回転置き(2回転ごと)になっているが、用紙受け台141の搬送速度は版胴12の回転速度と同期制御しないで両面印刷時のスローアップ動作できるようになる。
また、上記空回転により、表面印刷済み用紙PAの乾燥時間を確保することができる。なお、同じ1枚の印刷済み用紙PBの表面印刷と裏面印刷とで印刷速度が異なるため、画像濃度差が生じることがあるが、公知の印圧調整機構(例えば、特開平10−44577号公報の図1に示されている押圧力可変手段20等参照)を設け、表面印刷よりも裏面印刷時の印圧を大きくするように印圧制御すれば、画像濃度差を軽減する方向に補正することが可能である。
上述のとおり、本実施形態において、制御手段129は、ホームポジションセンサ134および図示しないエンコーダセンサからのドラム回転位置信号、ドラム速度信号に基づいて、両面印刷における片面印刷ごとに、すなわち両面印刷開始時における版胴の2回転ごとに、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、換言すれば図19に示す各駆動手段・部材等の動作・タイミングを満足するように、給紙部4、印刷部2、排紙部6、再給紙手段9および切換部材10の各駆動手段を制御すると共に、版胴の1回転置きごとに印刷部2のプレスローラ接離機構55(印圧ソレノイド181)を制御する機能を有する。
(第3の実施形態)
図20を参照して、第3の実施形態に係る両面印刷時のスローアップ動作を説明する。
両面印刷モード時では、上述したように、版胴の1回転で表面印刷と裏面印刷とを行っているが、表面印刷と裏面印刷とは同じ版胴回転中に行われるのではなく、1回転ずれている。つまり、両面印刷開始時の版胴の1回転目は用紙1枚目の表面印刷のみで裏面印刷をせず、次の版胴の2回転目で、用紙2枚目の表面印刷と用紙1枚目の裏面印刷とを行うことで、1枚の両面印刷が完成する。
このため、両面印刷におけるスローアップ印刷中の1枚の印刷物では、その表面印刷と裏面印刷との印刷速度が異なることになる。
孔版印刷においては、印刷速度の違いによって、得られた印刷物の画像濃度に差異が生じることが知られている。これは、印刷時にはインキローラ16に対向するプレスローラ13の版胴12に対する押圧により、版胴12内のインキが版胴12と製版済みマスタを通して用紙に滲み出してくるときの時間が印刷速度によって異なるために生じる現象である。
そこで両面印刷におけるスローアップ印刷中の印刷物においても、表面印刷と裏面印刷との印刷画像濃度差が生じないような印刷方式を考案した。
両面印刷開始時に、図20に示すように、ドラム回転の1回転目の1速(60rpm)で、表面印刷用の用紙1枚目を給紙台67から給送して表面印刷を行い、その表面印刷済み用紙PAがドラム回転の2回転目中に用紙受け台141によって再給紙搬送ユニット25に搬送されて、その用紙先端を再給紙位置決め部材24の位置で停止させる。そこで、ドラム回転の1回転目の1速(60rpm)と2回転目の印刷速度を同じ1速(60rpm)にすることによって、用紙受け台141の搬送速度は版胴12の回転速度(印刷速度)と同速になっているため、用紙受け台141の搬送速度をドラム速度と同期制御する必要がなくなる。ドラム回転の3回転目の速度を同じ1速(60rpm)にして空回転として使用して、両面印刷用のカム板43Aから裏面印刷のみに用いるカム板43Cに移動するために、3回転目の空回転中にカム板43Aに切り換える。ドラム回転の4回転目の速度を同じ1速(60rpm)にして、裏面印刷のみに用いるカム板43Cに移動して両面印刷1枚目の裏面印刷を完成させる。
上記動作により、両面印刷を1枚完成させてから両面印刷のスローアップのためにドラム速度を増速しながら両面印刷を繰り返していく。両面印刷開始時における設定速度までの印刷速度のスローアップ印刷時に、両面印刷1枚ごとに印刷速度を低速からスローアップさせて印刷をすることによって、スローアップ印刷時でも両面印刷の表面と裏面の画像濃度差が無い両面印刷ができる。
本実施形態の両面印刷装置1では、表面印刷のみに用いるカム板43Bから裏面印刷のみに用いるカム板43Cへの移動、およびカム板43Cからカム板43Bへの移動が直接行えず、必ず両面印刷用のカム板43Aを経由しないと切り換えられない機構になっており、このカム板43Aへの経由時にドラム速度を切り換えている(5回転目の空回転参照)。また、3回転目、5回転目の空回転を利用して、印刷物の乾燥時間を確保することができる。
上述のとおり、本実施形態において、制御手段129は、ホームポジションセンサ134および図示しないエンコーダセンサからのドラム回転位置信号、ドラム速度信号に基づいて、両面印刷1枚ごとに、すなわち両面印刷開始時における版胴の4回転ごとに、印刷速度が低速から設定速度まで1速ずつスローアップするように、換言すれば図20に示す各駆動手段・部材等の動作・タイミングを満足するように、すなわちスローアップ動作される印刷速度(版胴12の回転速度)に応じて、給紙部4、印刷部2、排紙部6、再給紙手段9および切換部材10の各駆動手段を制御すると共に、版胴の2回転置きごとに印刷部2のプレスローラ接離機構55(印圧ソレノイド181)を制御する機能を有する。
(第4の実施形態)
図21を参照して、第4の実施形態に係る両面印刷時のスローアップ動作を説明する。
図20に示す第3の実施形態で説明したように、両面印刷開始時におけるスローアップ印刷中の印刷においても、表面印刷と裏面印刷の印刷画像濃度差が生じないような印刷方式で印刷すると、印刷速度が設定速度までに増速するまでには、両面印刷を1枚完成させてから両面印刷のスローアップのためにドラム速度を増速しながら両面印刷を繰り返していくために時間がかかってしまう。
そこで、両面印刷開始時に設定速度になるまで、印刷速度のスローアップ動作中に給紙を停止させておいて、設定速度になった時に給紙を開始することによって、スローアップ時間が無駄にならない両面印刷ができる発明をした。
図21に示すように、両面印刷時に設定速度(ここでは、例えば4速(105rpm))になるまでの印刷速度のスローアップ動作中に給紙部4からの用紙Pの給送を停止させておいて、設定速度(4速)になった時に、給紙部4からの用紙Pの給送を開始する。これによって、スローアップ時間が無駄にならず、両面印刷が正常にできる。
孔版印刷装置の画像濃度をコントロールする機構として、上記した公知の印圧可変機構や印圧調整機構が知られている(例えば、特開平10−44577号公報の図1に示されている押圧力可変手段20等参照)。これを用いて印刷速度ごとに印圧可変機構により印圧を変えて画像濃度をコントロールすることによって、両面印刷開始時の画像濃度の立ち上がりの対応が可能になる。なお、これは片面印刷モード時の印刷開始時における印刷速度のスローアップにも有効である。
上記印圧可変機構を併用することにより、両面印刷時に設定速度までの印刷速度のスローアップ動作中に給紙を停止させておいて、設定速度になった時に給紙を開始することによって、スローアップ時間を待たないで両面印刷1枚目から表裏面の印刷画像濃度差なしの両面印刷ができるようになる。
上述のとおり、本実施形態において、制御手段129は、ホームポジションセンサ134および図示しないエンコーダセンサからのドラム回転位置信号、ドラム速度信号に基づいて、印刷速度のスローアップ動作中に、給紙部4の駆動手段をして用紙Pの給送を停止させておいて、印刷速度が設定速度までスローアップした時に、給紙部4の駆動手段をして用紙Pの給送を開始させるように、換言すれば図21に示す各駆動手段・部材等の動作・タイミングを満足するように、給紙部4、印刷部2、排紙部6、再給紙手段9および切換部材10の各駆動手段を制御する機能を有する。
図18ないし図21を参照して第1ないし第4の実施形態を説明したように、両面印刷のスローアップ動作には、種類があり、それぞれに特徴がある。その特徴を選択して両面印刷開始時にユーザが設定するのは面倒である。
そこで、ユーザがこれからどのような両面印刷をしたいかを操作パネル103の表示装置120に、スローアップ動作の種類に対応した両面印刷モードの選択表示をして、選択設定キー120a〜120dにより選択することによって、印刷開始時に両面印刷のスローアップ動作を自動的に実行させる。
この際、表示装置120および選択設定キー120a〜120dは、第1ないし第4の実施形態におけるスローアップの種類に対応した両面印刷モードを選択する選択手段として機能し、図9に示した制御手段129は、選択設定キー120a〜120dからの信号に基づいて、選択された両面印刷モードに対応したスローアップをさせる制御手段として機能する。
スローアップの種類に対応した両面印刷モードの選択肢としては、両面印刷モードを設定した状態で、例えば次のような4種類の両面印刷モードが挙げられる。
「最短両面モード」は、印刷速度は最低速度から立ち上げて最短時間で両面印刷のスローアップをする両面印刷モードである。これを選択した場合には、図18に示した第1の実施形態における両面印刷のスローアップ動作で両面印刷をする。
「美麗両面モード」は、印刷速度は最低速度から立ち上げて両面印刷における表面印刷および裏面印刷に関して最短時間で両面印刷のスローアップをする両面印刷モードであり、これは印刷速度変更時に起きる両面印刷汚れのないモードである。これを選択した場合には、図19に示した第2の実施形態における両面印刷のスローアップ動作で両面印刷をする。
「最美両面モード」は、印刷速度は最低速度から立ち上げて両面印刷における表面印刷および裏面印刷に関して印刷画像濃度差のない両面印刷をする両面印刷モードである。これを選択した場合には、図20に示した第3の実施形態における両面印刷のスローアップ動作で両面印刷をする。
「速美両面モード」は、印刷速度は設定速度から両面印刷を開始する印刷モードであり、最速で、かつ、両面印刷における表面印刷および裏面印刷に関して印刷画像濃度差のない両面印刷をする両面印刷モードである。これを選択した場合には、図21に示した第4の実施形態における両面印刷のスローアップ動作で両面印刷をする。
これらの選択肢である「最短両面モード」、「美麗両面モード」、「最美両面モード」、「速美両面モード」を操作パネル103の表示装置120に表示させて、ユーザが選択設定キー120a〜120dの何れか一つを操作し、例えば白黒反転表示させて選択する。これにより、選択された選択設定キー120a〜120dの何れか一つからの出力信号に基づいて、図9に示した制御手段129が上記4種類の両面モードから選択されたスローアップ動作をするように、給紙部4、印刷部2、排紙部6および再給紙手段9の各駆動手段を制御することで、ユーザが望みとする両面印刷モードに対応したスローアップ動作に自動的に変更される。これにより、ユーザが望む両面印刷が自動的にできるようになる。
上述のように、4種類の両面印刷モードの選択表示を選択することによって、印刷開始時に両面印刷のスローアップ動作を自動的に実行することができるが、毎回、ユーザが印刷モードを選択・設定するのは面倒である。
そこで、例えば両面印刷装置の設置時等の初期状態として予め設定されている上記4種類の両面印刷モードを、常時使用する両面印刷モードに変更する変更手段を設けて、ユーザがこれからどのような両面印刷をしたいかを決めることができるようにすることが考えられる。
例えば、上記4種類の両面印刷モードを、常時使用する両面印刷モードとして「最短両面モード」だけを表示装置120に表示させて、これをユーザが選択設定キー120a〜120dの操作により選択する。
この際、選択設定キー120a〜120dは、スローアップの種類に対応して常時使用する印刷モードに変更する変更手段として機能する。図9に示した制御手段129は、選択設定キー120a〜120dの何れか一つからの出力信号に基づいて、常時使用する両面印刷モードとして「最短両面モード」に対応したスローアップ動作をするように、給紙部4、印刷部2、排紙部6および再給紙手段9の各駆動手段を制御する手段として機能する。これにより、ユーザが望む両面印刷モードに対応したスローアップ動作を自動的に実行される。
もちろん、選択項目を変更できるように選択設定キー120a〜120dを押下時に再選択するようにしてもよい。
本発明は、上述した両面印刷装置1に限らず、例えば特開2005−262730号公報の図1に示されている構成の両面印刷装置にも適用できる。
本発明を適用する第1の例を示す両面印刷装置の概略正面図である。 第1の例に用いられるプレスローラ接離機構および版胴外周面から離間したプレスローラを説明する概略正面図である。 第1の例に用いられる再給紙搬送ユニットおよび用紙受け台を説明する概略平面図である。 第1の例に用いられるプレスローラ接離機構を説明する概略側面図である。 第1の例に用いられるプレスローラ接離機構および版胴外周面に接触したプレスローラを説明する概略正面図である。 第1の例に用いられる分割製版済みマスタを説明する概略図である。 第1の例に用いられる製版済みマスタを説明する概略図である。 第1の例に用いられる操作パネルを示す概略図である。 第1の例および第1ないし第4等の実施形態に用いられる制御構成を示すブロック図である。 第1の例に用いられる両面印刷装置の連続印刷時における不具合を説明するための印刷部要部の概略正面図である。 第1の例に用いられる両面印刷装置の連続印刷時における不具合を説明するための印刷部要部の概略正面図である。 第1の例における連続印刷動作を説明するための印刷部要部の概略正面図である。 第1の例における連続印刷動作を説明するための印刷部要部の概略正面図である。 第2の例に用いられる用紙受け台を説明する概略平面図である。 第2の例に用いられる用紙受け台を説明するための印刷部要部の概略正面図である。 第2の例に用いられる用紙受け台を説明するための印刷部要部の概略正面図である。 第3の例に用いられる用紙受け台の駆動機構を説明する概略図である。 本発明の第1の実施形態における両面印刷のスローアップ動作を説明するタイミングチャートを含む図である。 本発明の第2の実施形態における両面印刷のスローアップ動作を説明するタイミングチャートを含む図である。 本発明の第3の実施形態における両面印刷のスローアップ動作を説明するタイミングチャートを含む図である。 本発明の第4の実施形態における両面印刷のスローアップ動作を説明するタイミングチャートを含む図である。
符号の説明
1 両面印刷装置
2 印刷部(印刷手段)
4 給紙部(給紙手段)
6 排紙部(排紙手段)
8 補助トレイ(再給紙貯容手段)
8c 表面印刷済み用紙検知部材(センサ)
9 再給紙手段
10 切換部材(切換手段)
12 版胴
13 プレスローラ(押圧手段)
23 再給紙レジストローラ(再給紙レジスト部材)
24 再給紙位置決め部材
25 再給紙搬送ユニット
38 用紙搬送部材(無端ベルト)
40,140,141 用紙受け台(用紙受止手段)
40e 嵌合部(切欠部)
65 分割製版済みマスタ
65A 第1製版画像
65B 第2製版画像
129 制御手段
120 表示装置(選択手段、変更手段、報知手段、表示手段)
120a〜120d 選択設定キー(選択手段、変更手段)
138,147 ステッピングモータ(移動手段)
P 用紙
PA 表面印刷済み用紙
PB 印刷済み用紙

Claims (6)

  1. 版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、
    両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、
    前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、
    前記制御手段は、前記印刷手段への用紙の1枚ごとの給送に対応した前記版胴の1回転ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする両面印刷装置。
  2. 版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、
    両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、
    前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、
    前記制御手段は、前記両面印刷における片面印刷ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする両面印刷装置。
  3. 版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、
    両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、
    前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、
    前記制御手段は、前記両面印刷における1枚ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする両面印刷装置。
  4. 版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、
    両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、
    前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、
    前記制御手段は、前記スローアップ中に、前記給紙手段をして用紙の給送を停止させておいて、前記版胴の回転速度が前記設定速度までスローアップした時に、前記給紙手段をして用紙の給送を開始させるように前記各駆動手段を制御することを特徴とする両面印刷装置。
  5. 版胴の回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する前記版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷手段と、用紙を前記印刷手段に向けて給送する給紙手段と、前記印刷手段で印刷された印刷済み用紙を排出する排紙手段と、前記印刷手段で第1の製版画像または第2の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に保持し、その後に該表面印刷済み用紙を前記押圧手段に向けて送り出し、該押圧手段の回転により反転させて前記印刷手段に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷手段を通過した用紙を前記再給紙手段または前記排紙手段に案内する切換手段とを有し、
    両面印刷時に、前記給紙手段より1枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙を前記切換手段により前記再給紙手段に案内した後、前記給紙手段より2枚目の用紙を前記印刷手段に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方に対応した表面印刷を行うと共に前記再給紙手段により1枚目の表面印刷済み用紙を前記印刷手段に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方に対応した裏面印刷を行い、前記切換手段により1枚目の両面印刷済み用紙を前記排紙手段に、2枚目の表面印刷済み用紙を前記再給紙手段にそれぞれ案内する両面印刷モードが実行可能な両面印刷装置において、
    前記両面印刷開始時に、印刷速度が低速から設定速度までスローアップするように、前記給紙手段、前記印刷手段、前記排紙手段、前記再給紙手段および前記切換手段の各駆動手段を制御する制御手段を具備し、
    前記印刷手段への用紙の1枚ごとの給送に対応した前記版胴の1回転ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することに対応した第1の両面印刷モードと、前記両面印刷における片面印刷ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することに対応した第2の両面印刷モードと、前記両面印刷における1枚ごとに、前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することに対応した第3の両面印刷モードと、前記スローアップ中に、前記給紙手段をして用紙の給送を停止させておいて、前記版胴の回転速度が前記設定速度までスローアップした時に、前記給紙手段をして用紙の給送を開始させるように前記各駆動手段を制御することに対応した第4の両面印刷モードとの中から少なくとも2つの両面印刷モードが実行可能であり、
    前記少なくとも2つの両面印刷モードのうちの何れか一つを選択する選択手段を有し、
    前記制御手段は、前記選択手段からの信号に基づいて、該選択手段により選択された両面印刷モードに対応した前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする両面印刷装置。
  6. 前記少なくとも2つの両面印刷モードは、両面印刷装置の初期状態として予め設定されており、
    前記少なくとも2つの両面印刷モードのうちから何れか一つを選んで常時使用する両面印刷モードに設定・変更する変更手段を有し、
    前記制御手段は、前記変更手段からの信号に基づいて、前記常時使用する両面印刷モードに対応した前記スローアップするように前記各駆動手段を制御することを特徴とする請求項5記載の両面印刷装置。
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