JP2006131375A - 排紙搬送装置・孔版印刷装置 - Google Patents

排紙搬送装置・孔版印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 無端ベルトによる吸引搬送方式の排紙搬送装置において、無端ベルトによるこすり汚れ、再転写汚れの発生を高精度に抑制できるようにする。
【解決手段】 排紙搬送装置の無端ベルト89の折り返し部位の下方には、無端ベルト89の外周面に付着したインキを除去するクリーニング手段201が設けられている。クリーニング手段201は全体として弾性体ブレードをなし、ユニット側板200に一端部をネジ等の手段により着脱自在に固定された弾性支持部材202と、この弾性部材202の自由端部に固定され、無端ベルト89に当接するブレード本体203を有している。ブレード本体203は、ポーラス多孔質の材料で形成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、印刷がなされた記録媒体を排紙へ向けて搬送する排紙搬送装置、該排紙搬送装置を有する孔版印刷装置に関する。
孔版印刷装置では、特許第3309022号公報や、特開2002−356259号公報等に記載されているように、印刷部にて印刷がなされた印刷用紙(記録媒体)をエアーで吸引しながら無端ベルトの回転により排紙方向へ搬送する排紙搬送装置が用いられている。簡単に説明すると、複数の孔が開けられた無端ベルトの下方に吸引ファンを配置し、空気の負圧作用によって印刷用紙の一面を無端ベルト上に密着させて搬送する構成となっている。
この排紙搬送装置では、印刷用紙の撓みやずれが生じないように、無端ベルトの外周面の速度は印刷部(版胴の外周面)の速度よりも速く設定されている。
このような排紙搬送装置においては、印刷用紙後端が印刷部から完全に排出されるまでの間、印刷用紙の裏面(無端ベルトとの接触面)がこすられることとなる。
片面印刷時は印刷用紙の裏面に画像が無いため、印刷画像がこすれて汚れたり、無端ベルトの外周面にインキが付着して印刷用紙に再転写するといった不具合は無い。
しかしながら、両面印刷時は印刷用紙の裏面に画像があるため上記不具合が発生する。
この問題を解消すべく、特開2002−356259号公報には、印刷用紙の後端が印刷部より完全に排出されたことを検知して無端ベルトの速度を増速する手法が記載されている。また、多数のガイドローラを配置して駆動する構成が記載されている。
また、無端ベルトの表面に凹凸を形成して印刷画像との接触面積を少なくすることが記載されている。
特許第3309022号公報 特開2002−356259号公報 特開2003−200645号公報 特開2004−58384号公報
孔版印刷装置に用いられるインキの乾燥は、印刷用紙への浸透乾燥と蒸発乾燥であり、印刷直後の印刷用紙表面には未乾燥のインキが残る。特に、1版分の長さ内に第1の画像と第2の画像が並べて製版されたマスタを版胴の外周面に巻装し、単一の印刷ドラム構成下で自動的に再給紙して印刷を行う両面印刷装置(特許文献3、4)ではインキの乾燥工程が短いので、未乾燥度が大きい。
無端ベルトの表面に凹凸を形成して画像面との接触面積を少なくしても、印刷用紙の未乾燥のインキが凸部に付着するため、大幅な改善は期待できない。この場合、印刷画像にベタが多い場合や、印刷枚数が多くなった場合など凸部に付着するインキが多くなり、再転写汚れが酷くなる。
多数のガイドローラを設ける構成では部品点数が多くなりコスト高となる。
さらに、この種の印刷装置では、印刷用紙としてA3、B4など様々なサイズが用いられており、印刷用紙の幅に合わせて挟持ローラを手動で設定するか、印刷用紙の幅を検知して自動設定する必要がある。手動で設定を行う場合、印刷用紙のサイズが変更になった都度行わなければならないため煩雑であり、また、設定を忘れて幅の小さい印刷用紙を搬送しようとした場合ジャムとなる。自動で行う場合には挟持ローラの位置を変更するための手段が必要となり、コスト高となる。
本発明は、無端ベルトによる吸引搬送方式において、無端ベルトによるこすり汚れ、再転写汚れの発生を高精度に抑制できる排紙搬送装置、該排紙搬送装置を有する孔版印刷装置の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、印刷がなされた記録媒体の一面をエアーで吸引しながら無端ベルトの回転により排紙方向へ搬送する排紙搬送装置において、上記無端ベルトの外周面に付着したインキを除去するクリーニング手段を有していることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の排紙搬送装置において、上記無端ベルトの記録媒体の画像面に接する側が微細な凹凸を有していることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の排紙搬送装置において、上記微細な凹凸はガラス質微粒子又はセラミックス質微粒子から形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、上記クリーニング手段が、上記無端ベルトの外周面に所定の押圧力で当接する弾性体ブレードであり、該弾性体ブレードの上記無端ベルトの外周面に当接する部分がポーラス多孔質であることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、上記クリーニング手段が、上記無端ベルトの外周面に所定の押圧力で当接する弾性体ローラであり、該弾性体ローラの上記無端ベルトの外周面に当接する部分がポーラス多孔質であることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項1乃至5のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、記録媒体の上記無端ベルトの外周面に接する側に画像が無い場合は、上記クリーニング手段が上記無端ベルトの外周面から離間することを特徴とする。
請求項7記載の発明では、孔版印刷装置において、請求項1乃至6のうちの何れかに記載の排紙搬送装置を備えたことを特徴とする。
請求項1又は7記載の発明によれば、印刷がなされた記録媒体の一面をエアーで吸引しながら無端ベルトの回転により排紙方向へ搬送する排紙搬送装置において、上記無端ベルトの外周面に付着したインキを除去するクリーニング手段を有していることとしたので、無端ベルトによるこすり汚れ、再転写汚れの発生を高精度に抑制できる。
請求項2又は7記載の発明によれば、請求項1記載の排紙搬送装置において、上記無端ベルトの記録媒体の画像面に接する側が微細な凹凸を有していることとしたので、印刷画像面と無端ベルトの接触が散点的となり、無端ベルトによるこすり汚れ、再転写汚れの発生を高精度に抑制できる。
請求項3又は7記載の発明によれば、請求項2記載の排紙搬送装置において、上記微細な凹凸はガラス質微粒子又はセラミックス質微粒子から形成されていることとしたので、印刷画像面と無端ベルトの接触がさらに散点的となり、無端ベルトによるこすり汚れ、再転写汚れの発生を高精度に抑制できる。
請求項4又は7記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、上記クリーニング手段が、上記無端ベルトの外周面に所定の押圧力で当接する弾性体ブレードであり、該弾性体ブレードの上記無端ベルトの外周面に当接する部分がポーラス多孔質であることとしたので、インキ吸収性が高く、インキの除去を高精度に行うことができる。
請求項5又は7記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、上記クリーニング手段が、上記無端ベルトの外周面に所定の押圧力で当接する弾性体ローラであり、該弾性体ローラの上記無端ベルトの外周面に当接する部分がポーラス多孔質であることとしたので、インキ吸収性が高く、インキの除去を高精度に行うことができるとともに、回転接触により長寿命化を図ることができる。
請求項6又は7記載の発明によれば、請求項1乃至5のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、記録媒体の上記無端ベルトの外周面に接する側に画像が無い場合は、上記クリーニング手段が上記無端ベルトの外周面から離間することとしたので、無用な経時的磨耗を低減できるので、無端ベルトの長寿命化を測れるとともに、クリーニング手段の交換サイクルを長くできる。
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて孔版印刷装置としての両面印刷装置の構成及び印刷動作の概要を説明する。
両面印刷装置1は、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、補助トレイ8、再給紙手段9、切換部材10等を有している。
印刷装置本体11のほぼ中央に配設された印刷部2は、版胴12とプレスローラ13とを有している。版胴12は、インキ供給パイプを兼ねた支軸14に回転自在に支持された図示しない一対のフランジと、各フランジの外周面に巻装された図示しない多孔性支持板と、図示しない多孔性支持板の外周面に巻装された図示しないメッシュスクリーンとから主に構成されており、版胴駆動手段121(図2参照)によって回転駆動されると共に印刷装置本体11に対して着脱可能に構成されている。本実施形態において版胴12は、片面印刷時において最大でA3サイズの印刷物を得ることが可能な大きさを有している。
版胴12の内部にはインキ供給手段15が配設されている。インキ供給手段15は、支軸14、インキローラ16、ドクターローラ17等を有している。インキローラ16は版胴12内に設けられた図示しない側板間に回転自在に支持されており、その周面を版胴12の内周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴12と同方向に回転駆動される。ドクターローラ17も前記側板間に回転自在に支持されており、その周面をインキローラ16の周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴12とは逆方向に回転駆動される。支軸14には複数の小さな孔が穿設されており、支軸14から供給されたインキがインキローラ16とドクターローラ17との近接部に形成される断面楔形状の空間に溜まることによりインキ溜まり18が形成される。
版胴12の外周面上には、版胴12の一母線に沿った平面をなす図示しないステージ部が形成されており、この上には版胴12の外周面上にマスタの先端を保持させるクランパ19が配設されている。クランパ19は、版胴12が所定の位置まで回転されたときに図示しない開閉手段によって開閉される。
版胴12の下方にはプレスローラ13が配設されている。プレスローラ13は金属製の芯部13aにゴム等の弾性体を巻成して構成されており、版胴12の軸方向に延在して設けられている。
プレスローラ13は、芯部13aの両端部を図示しない一対のアーム部材によって回転自在に支持されている。
上記各アーム部材間には、プレスローラ13の他、再給紙案内部材22、再給紙レジスト部材としての再給紙レジストローラ23、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送部材25、クリーニング部材としてのクリーニングローラ26、ガイド板27等が設けられている。
プレスローラ13の右方近傍に配設された再給紙案内部材22は、それぞれの周面をプレスローラ13の周面に圧接させた複数のころ状のローラ28、29、30と、印刷用紙としての用紙Pをプレスローラ13の周面に沿わせるための曲面状に形成された用紙ガイド板31とを有している。
用紙ガイド板31はプレスローラ13の周面から各ローラ28、29、30の半径よりも小さな距離である所定距離だけ離れた位置に配設されており、その両端部を上記各アーム部材に固着されている。用紙ガイド板31は芯部13aを中心とした曲面となるように形成されており、用紙ガイド板31には各ローラ28、29、30の周面をプレスローラ13の周面に当接させるための複数の開口部が形成されている。
プレスローラ13の下方には再給紙レジストローラ23が配設されており、再給紙レジストローラ23の上方近傍には再給紙位置決め部材24が配設されている。再給紙位置決め部材24は断面L字形状を呈する板材からなり、その幅はプレスローラ13の幅とほぼ同じ幅となるように形成されていて、その曲折端部24aが上方を向く態様で両端部を上記各アーム部材に固着されている。再給紙位置決め部材24には、再給紙レジストローラ23が揺動時に衝突しないための図示しない切欠部が形成されている。
プレスローラ13の下方であって再給紙位置決め部材24の左方には再給紙搬送部材25が配設されている。再給紙搬送部材25は、搬送部材本体35、駆動ローラ36、従動ローラ37、無端ベルト38、吸引ファン39等を有しており、その上面に補助トレイ8を一体的に有している。
補助トレイ8には各無端ベルト38を用紙搬送面に臨ませるための図示しない複数の開口部が形成されており、その用紙搬送方向下流側端部には搬送される用紙Pを受け止めるためのフェンス8aが一体的に形成されている。吸引ファン39の取付面である搬送部材本体35の下面には図示しない穴部が設けられており、これにより吸引ファン39が作動することで筐体である搬送部材本体35の内部に負圧を発生させ、移動する各無端ベルト38の上面に用紙Pを吸引させる。
吸引ファン39の吸引力及び無端ベルト38の摩擦抵抗力は、用紙Pの先端が再給紙位置決め部材24の曲折端部24aに当接した際に、用紙Pと各無端ベルト38との間で滑りが発生する程度の強さにそれぞれ設定されている。上述した再給紙案内部材22、再給紙レジストローラ23、再給紙位置決め部材24、及び再給紙搬送部材25によって再給紙手段9が構成されている。
プレスローラ13の近傍であって再給紙搬送部材25の上方に位置する部位には、プレスローラ13の周面をクリーニングするクリーニングローラ26が配設されている。
クリーニングローラ26の左上方にはガイド板27が配設されている。板材であるガイド板27はその両端部を上記各アーム部材に固設されており、プレスローラ13によって版胴12に圧接された用紙Pがクリーニングローラ26に触れないように、かつ補助トレイ8に向かうように案内する。ガイド板27はプレスローラ13及びクリーニングローラ26の周面に近接する位置に配設されている。
プレスローラ13は図示しないカム機構により、版胴12の周面より離間する離間位置と、版胴12の周面に圧接する圧接位置に選択的に設定され、3枚のカム板の駆動制御により、その接触範囲を、図1に示す表面領域と中間領域と裏面領域とを全て合わせた範囲、表面領域に対応する範囲、表面領域の下流側部分と中間領域と裏面領域とを合わせた範囲の何れかに選択的に設定される。カム機構の具体的構成については、特開2003−200645号公報に記載のものを採用できるので説明は省略する。
版胴12とプレスローラ13との接触位置の左方であって用紙Pの搬送経路上には、用紙Pの搬送経路を切り換える切換部材10が配設されている。版胴12及びプレスローラ13とほぼ同じ幅を有する板材からなる切換部材10は、その用紙搬送方向下流側端部を印刷装置本体11に回動自在に支持された支軸に固着されており、ソレノイド123(図2参照)が作動することによって断面鋭角状に形成された用紙搬送方向上流側端部を図1に実線で示す第1の位置と二点鎖線で示す第2の位置とに選択的に位置決めされる。切換部材10は、第1の位置を占めたときにその先端がプレスローラ13の周面に近接すると共に版胴12上のクランパ19と干渉しない位置に置かれ、第2の位置を占めたときにその先端が版胴12の周面に近接する位置に置かれる。版胴12とプレスローラ13との間を通過した用紙Pは、切換部材10が第1の位置を占めたときに排紙部6へと案内され、切換部材10が第2の位置を占めたときにガイド板27と印刷装置本体11に固着されたガイド板56との間を通って補助トレイ8へと案内される。
印刷装置本体11の右上部には製版部3が配設されている。製版部3は、マスタ保持部材57、プラテンローラ58、サーマルヘッド59、切断手段60、マスタストック部61、テンションローラ対62、反転ローラ対63等を有している。
製版部3は後述するマスタ64に製版を行い、第1製版画像(表面画像)と第2製版画像(裏面画像)とを有する分割製版済みマスタ、あるいは第1製版画像と第2製版画像との2面分の画像領域を有する全面製版画像(片面印刷製版画像)を有する製版済みマスタを作成する。第1製版画像は、分割製版済みマスタが版胴12の外周面上に巻装されたときに図1に示す表面領域と対応する位置に形成され、第2製版画像は裏面領域と対応する位置に形成される。
マスタ保持部材57は印刷装置本体11の図示しない側板対にそれぞれ設けられており、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタ64をロール状に巻成してなるマスタロール64aの芯部64bの両端を回転自在かつ着脱自在に支持する。
マスタ保持部材57の左方に設けられたプラテンローラ58は印刷装置本体11の図示しない側板に回転自在に支持されており、ステッピングモータを含む製版駆動手段124(図2参照)によって回転駆動される。プラテンローラ58の下方に位置し多数の発熱素子を有するサーマルヘッド59は印刷装置本体11の図示しない側板に取り付けられており、図示しない付勢手段の付勢力によってその発熱素子面をプラテンローラ58に圧接されている。サーマルヘッド59はマスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に接触しつつ発熱素子を選択的に発熱させ、マスタ64に対して熱溶融穿孔製版を行う。
プラテンローラ58及びサーマルヘッド59の左方には切断手段60が配設されている。印刷装置本体11の図示しないフレームに固設された固定刃60aと、この固定刃60aに移動自在に支持された可動刃60bとを有する切断手段60は、固定刃60aに対して可動刃60bが回転移動することによりマスタ64を切断する周知の構成である。
切断手段60のマスタ搬送方向下流側下方にはマスタストック部61が配設されている。分割製版済みマスタあるいは製版済みマスタを一時的に貯容する空間であるマスタストック部61は複数の板部材によってその内部を仕切られており、その最奥部には図示しない吸引ファンが配設されている。この吸引ファンが作動することにより密閉された空間であるマスタストック部61の内部に負圧が発生し、製版して搬送されてきた分割製版済みマスタあるいは製版済みマスタはマスタストック部61の最奥部に向けて貯容される。
切断手段60とマスタストック部61との間の部位にはテンションローラ対62が配設されている。それぞれ印刷装置本体11の図示しない側板に回転自在に支持された駆動ローラ62aと従動ローラ62bとからなるテンションローラ対62は、従動ローラ62bが図示しない付勢手段によってその周面を駆動ローラ62aの周面に圧接されており、製版駆動手段124によって駆動ローラ62aが回転駆動されることによりマスタ64を挟持して搬送する。
駆動ローラ62aは、その周速度がプラテンローラ58の周速度よりも若干速く設定されていると共にその内部には図示しないトルクリミッターが設けられており、プラテンローラ58とテンションローラ対62との間においてマスタ64に対して所定の張力が付与されるように構成されている。
マスタストック部61のマスタ搬送方向下流側には、それぞれ印刷装置本体11の図示しない側板に回転自在に支持された駆動ローラ63aと従動ローラ63bとからなる反転ローラ対63が配設されている。反転ローラ対63は、製版駆動手段124によって回転駆動される駆動ローラ63aと図示しない付勢手段によってこれに圧接配置された従動ローラ63bとによってマスタ64を挟持して搬送する。駆動ローラ63aの内部には図示しないワンウェイクラッチが設けられている。
また、テンションローラ対62と反転ローラ対63との間の部位には、図示しない可動マスタガイド板が配設されている。この可動マスタガイド板は図示しない支持部材に揺動自在に支持されており、図示しないソレノイドによってその上面がマスタ64の搬送路を構成する搬送位置と、マスタ64のマスタストック部61への進入を妨げない退避位置とに選択的に位置決めされる。
製版部3の下方には給紙部4が配設されている。給紙部4は、給紙トレイ67、給紙ローラ68、分離ローラ69、分離パッド70、レジストローラ対71等を有している。
上面に多数の用紙Pを積載可能な給紙トレイ67は印刷装置本体11に上下動自在に支持されており、昇降手段を含む給紙駆動手段125(図2参照)によって上下動される。A3サイズの用紙Pを縦置き可能な給紙トレイ67の上面には、図示しないレール部材によって用紙搬送方向と直行する用紙幅方向に移動自在に支持された一対のサイドフェンス72が設けられている。また、給紙トレイ67の自由端部側には、積載された用紙Pのサイズを検知する複数の用紙サイズ検知センサ73が設けられている。
給紙トレイ67の上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ68が配設されている。給紙ローラ68は印刷装置本体11に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、給紙トレイ67が図示しない昇降手段によって上昇されたときに所定の圧接力で給紙トレイ67上の最上位の用紙Pに圧接する。給紙ローラ68は給紙駆動手段125によって回転駆動される。
給紙ローラ68の左方には、表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する分離ローラ69と分離パッド70とが配設されている。分離ローラ69はタイミングベルト69aを介して給紙ローラ68に駆動連結されており、給紙ローラ68の回転駆動時にこれと同期して同方向に回転駆動される。分離パッド70は図示しない付勢手段の付勢力によって分離ローラ69に圧接されている。
分離ローラ69及び分離パッド70の左方にはレジストローラ対71が配設されている。駆動ローラ71aと従動ローラ71bとからなるレジストローラ対71は、版胴駆動手段121からの回転駆動力をギヤやカム等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで駆動ローラ71aが版胴12と同期した所定のタイミングで回転し、駆動ローラ71aに圧接された従動ローラ71bとによって用紙Pを印刷部2に向けて所定のタイミングで給送する。
印刷部2の左上方には排版部5が配設されている。排版部5は、上排版部材74、下排版部材75、排版ボックス76、圧縮板77等を有している。上排版部材74は、駆動ローラ78、従動ローラ79、無端ベルト80等を有し、排版駆動手段126(図2参照)によって駆動ローラ78が図の時計回り方向に回転駆動されることにより無端ベルト80が図1の矢印方向に移動する。
下排版部材75は、駆動ローラ81、従動ローラ82、無端ベルト83等を有し、駆動ローラ78を回転駆動する排版駆動手段126の駆動力をギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで駆動ローラ81が図の反時計回り方向に回転駆動されることにより、無端ベルト83が図1の矢印方向に移動する。また、下排版部材75は排版駆動手段126に含まれる図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図に示す位置と従動ローラ82の外周面上に位置する無端ベルト83が版胴12の外周面に当接する位置とを選択的に占める。
内部に使用済みマスタを貯容する排版ボックス76は、印刷装置本体11に対して着脱自在に設けられている。上排版部材74と下排版部材75とによって運ばれた使用済みマスタを排版ボックス76の内部に押し込む圧縮板77は印刷装置本体11に上下動自在に支持されており、排版駆動手段126に含まれる図示しない昇降手段によって上下動される。
排版部5の下方には排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪84、排紙搬送装置85、排紙トレイ86等を有している。剥離爪84は版胴12の幅方向に複数配置され、印刷装置本体11に揺動自在に支持された支軸にそれぞれ一体的に取り付けられている。複数の剥離爪84は図示しない爪揺動手段によって揺動され、その先端が版胴12の周面に近接する図に示す位置と、クランパ19等の障害物を回避するためにその先端が版胴12の外周面から離間する位置とを選択的に占める。
図示しない爪揺動手段は、版胴駆動手段121からの駆動力を図示しない駆動力伝達手段により伝達され、版胴12の回転と同期して剥離爪84を揺動させる。
剥離爪84の下方であって切換部材10の左方に配設された排紙搬送装置85は、駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89、吸引ファン90等を有している。ころ状の駆動ローラ87は図示しないユニット側板に回転自在に支持された図示しない支軸に所定の間隔で複数取り付けられており、排紙駆動手段127(図2参照)によってそれぞれ一体的に回転駆動される。
従動ローラ88も同側板に回転自在に支持された図示しない支軸に各駆動ローラ87と等間隔で複数設けられており、各駆動ローラ87及びこれと対応する各従動ローラ88には複数の孔を有する無端ベルト89がそれぞれ掛け渡されている。駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89の下方には吸引ファン90が配設されている。排紙搬送装置85は、吸引ファン90の吸引力によって各無端ベルト89上に用紙Pを吸引し、各駆動ローラ87の回転によって用紙Pを図1の矢印方向に搬送する。
排紙搬送装置85によって搬送された用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ86は、用紙搬送方向に移動自在な1個のエンドフェンス91と、用紙幅方向に移動自在な一対のサイドフェンス92とを有している。
印刷装置本体11の上部には画像読取部7が配設されている。画像読取部7は、原稿を載置するコンタクトガラス93、コンタクトガラス93に対して接離自在に設けられた圧板94、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー95、96、97、98及び蛍光灯99、走査された原稿画像を集束するレンズ100、集束された画像を処理するCCD等の画像センサ101、原稿のサイズを検知する複数の原稿サイズ検知センサ102、読み取られた画像データを記憶する画像メモリ135等を有しており、原稿画像の読取動作は読取駆動手段128(図2参照)の作動によって行われる。
図1に示すように、版胴12を構成する図示しないフランジの外面にはドグ133が取り付けられており、版胴12の周囲近傍には印刷装置本体11に取り付けられたホームポジションセンサ134が配設されている。
ホームポジションセンサ134は、クランパ19がプレスローラ13と対向する位置を版胴12が占めたときにドグ133を検知して後述する制御手段129に向けて信号を出力する。
図2は、両面印刷装置1に用いられる制御手段のブロック図を示している。同図において制御手段129は、内部にCPU130、ROM131、RAM132を有する周知のマイクロコンピューターであり、印刷装置本体11の内部に設けられている。
CPU130は、操作パネル103からの各種信号及び印刷装置本体11に設けられた各種センサからの検知信号及びROM131から呼び出された動作プログラムに基づいて、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7に設けられた各駆動手段、再給紙手段9に設けられた再給紙レジスト接離機構40及び搬送部材駆動モータ122、切換部材10を作動させるソレノイド123の作動等を制御し、両面印刷装置1全体の動作を制御する。
ROM131には両面印刷装置1全体の動作プログラムが記憶されており、この動作プログラムはCPU130によって適宜呼び出される。RAM132は、CPU130の計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル103上の各種キー及び各種センサから設定及び入力されたデータ信号及びオン・オフ信号を随時記憶する機能等を有している。
また、制御手段129は、ホームポジションセンサ134からのホームポジション信号と、版胴駆動手段121に設けられた図示しないエンコーダからの信号とに基づいて、版胴12の位置の把握も行っている。
上述の構成に基づき、以下に本実施形態における両面印刷装置1の動作を説明する。オペレーターは給紙トレイ67上に印刷に使用される用紙Pを積載し、圧板94を開放してコンタクトガラス93上に印刷すべき原稿を載置した後、再び圧板94を閉じる。その後、操作パネル103上の各種キーによって製版条件を設定した後、図示しない両面印刷キーあるいは片面印刷キーを押下して印刷モードを設定して製版スタートキーを押下する。
まず、片面印刷キーを押下して片面印刷を行う場合を説明する。
オペレーターは片面印刷モードであることを図示しないLEDの点灯によって確認した後、製版スタートキーを押下する。製版スタートキーが押下されると、用紙サイズ検知センサ73から用紙サイズ検知信号が、また、原稿サイズ検知センサ102から原稿サイズ検知信号がそれぞれ制御手段129に送られ、信号を受けた制御手段129は各信号を比較する。このとき、用紙サイズと原稿サイズとが同じ場合は直ちに画像読取動作が行われ、用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合には、制御手段129はその旨を図示しない表示装置に表示してオペレーターに注意を促す。
用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合に、制御手段129からの指令で自動的に拡大または縮小の変倍を行い、原稿サイズと画像サイズとを整合させるように構成してもよい。
製版スタートキーが押下されると、画像読取部7では原稿画像の読取動作が行われる。原稿画像の読み取りは、蛍光灯99によって露光された反射光を各反射ミラー95、96、97、98によって反射することにより行われ、読み取られた原稿画像はレンズ100で集束された後に画像センサ101に入射されて光電変換される。
光電変換された電気信号は印刷装置本体11内の図示しないA/D変換器に入力された後、画像メモリ135内に画像データ信号として格納される。
画像読取部7での画像読取動作と並行して、排版部5では版胴12の外周面から使用済みマスタを剥離する排版動作が行われる。製版スタートキーが押下されると版胴12が回転を開始し、版胴12が図1に示すホームポジションに達するとドグ133がホームポジションセンサ134に検知され、ホームポジションセンサ134から制御手段129に向けてホームポジション信号が送られる。
ホームポジション信号を受けた制御手段129は、このホームポジションを基点として図示しないエンコーダが発するパルス数を計測し、版胴12の外周面上に巻装された使用済みマスタの先端が従動ローラ82の外周面上に位置する無端ベルト83と対応する所定の排版位置に達したと判断すると、版胴駆動手段121の作動を停止させる。
版胴駆動手段121が停止されて版胴12が所定の排版位置で停止すると、版胴駆動手段121及び排版駆動手段126が作動して各駆動ローラ78、81が回転駆動されると共に下排版部材75が版胴12側に移動し、従動ローラ82の外周面上に位置する無端ベルト83が使用済みマスタと当接する。すると、版胴12の回転及び無端ベルト83の移動によって版胴12の外周面上よりすくい上げられた使用済みマスタは、下排版部材75と上排版部材74とで挟持搬送されて版胴12の外周面より剥離される。
剥離された使用済みマスタは排版ボックス76内に廃棄された後、圧縮板77によって圧縮される。外周面上より使用済みマスタが全て剥離された後も版胴12は回転を継続し、クランパ19が右上方に位置する所定の給版待機位置まで回転して停止する。
版胴12が給版待機位置で停止すると図示しない開閉手段が作動してクランパ19が開放され、両面印刷装置1は給版待機状態となる。
排版動作と並行して、製版部3では製版動作が行われる。製版スタートキーが押下されると、プラテンローラ58、テンションローラ対62、反転ローラ対63がそれぞれ回転駆動されてマスタロール64aよりマスタ64が引き出される。このとき図示しない可動マスタガイド板は搬送位置に位置決めされている。マスタ64が引き出されてその画像形成領域がサーマルヘッド59の発熱素子と対応する位置に達すると、画像メモリ135内に格納されている画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出され、図示しないサーマルヘッドドライバがサーマルヘッド59の各発熱素子を選択的に発熱させることにより、マスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に全面製版画像が形成される。
マスタ64は製版されつつ搬送されその先端部が反転ローラ対63に挟持されると、図示しない可動マスタガイド板が退避位置に移動されると共に反転ローラ対63の回転が停止される。
反転ローラ対63の回転停止後もプラテンローラ58及びテンションローラ対62は回転を継続しており、サーマルヘッド59によって製版された製版済みマスタはマスタストック部61内に貯容される。反転ローラ対63の停止時においてマスタストック部61に設けられた図示しない吸引ファンが作動されており、製版済みマスタは図示しない吸引ファンに吸引されることによって良好にマスタストック部61内に貯容される。
上述の製版動作中、排版動作が完了して両面印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラ対63が回転を開始してマスタストック部61内に貯容されている製版済みマスタが開放されているクランパ19に向けて搬送される。そして、製版済みマスタの先端部がクランパ19によって挟持可能な所定位置まで搬送されると、図示しない開閉手段が作動してクランパ19が閉じられ、製版済みマスタはその先端部を版胴12の外周面上に保持される。
その後、版胴12が図1において時計回り方向に間欠的に回転駆動され、製版済みマスタの版胴12への巻装動作が行われる。このとき反転ローラ対63は回転を停止しており、駆動ローラ63aは内部に設けられた図示しないワンウェイクラッチによって製版済みマスタの引き出しに伴い連れ回りする。
そして、画像メモリ135からの画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド59の作動が停止し、1版分の製版済みマスタが製版搬送されるとプラテンローラ58、テンションローラ対62、反転ローラ対63の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段60が作動して製版済みマスタが切断される。
切断された製版済みマスタは版胴12の回転によって製版部3より引き出され、版胴12がホームポジションまで回転して停止することで製版動作及び給版動作が完了する。
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴12がホームポジションで停止するとソレノイド123が作動して切換部材10が第1の位置に位置決めされた後、図示しないプレスローラ係止手段が作動、解除がなされる。
その後、給紙ローラ68、分離ローラ69、駆動ローラ87、吸引ファン90がそれぞれ駆動されると共に版胴12が低速で図1の時計回り方向に回転駆動され、給紙トレイ67上に積載された用紙Pの最上位の1枚が引き出されてその先端をレジストローラ対71に挟持される。
そして、版胴12上に巻装された製版済みマスタの版胴回転方向における全面製版画像の画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達する所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動され、引き出された用紙Pは版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
版胴12の回転に同期して、プレスローラ13がその周面を版胴12の外周面に図示しない印圧ばねの付勢力によって圧接し、レジストローラ対71によって給送された用紙Pが版胴12に巻装された製版済みマスタに押圧される。この押圧動作によりプレスローラ13と用紙Pと製版済みマスタと版胴12とが圧接し、インキローラ16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部より滲出し、版胴12を構成する図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、及び版胴12に巻装された製版済みマスタの多孔性支持体に充填された後に製版済みマスタの穿孔部を介して用紙Pに転写され、いわゆる版付けが行われる。
版付けにより全面製版画像に応じた画像を印刷された用紙Pは、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送装置85へと案内されると共に、剥離爪84によってその先端部から版胴外周面上の製版済みマスタより剥離される。剥離された用紙Pは下方へと落下して排紙搬送装置85へと送られ、吸引ファン90の吸引力によって無端ベルト89の上面に引きつけられつつ左方へと搬送されて排紙トレイ86上に排出される。
その後、版胴12が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて両面印刷装置1は印刷待機状態となる。
両面印刷装置1が印刷待機状態となった後、印刷速度設定キー及び操作パネル103上の各種キーによって印刷条件を入力した後に試し刷りキーが押下されると試し刷りが行われる。試し刷りキーが押下されると、設定された印刷速度で版胴12が回転駆動されると共に給紙部4から用紙Pが1枚給送される。
給送された用紙Pはレジストローラ対71で一時停止された後に版付け時と同じタイミングで給送され、プレスローラ13によって版胴外周面上の製版済みマスタに圧接される。
画像を印刷された用紙Pは切換部材10によって排紙部6へと案内された後、剥離爪84によって版胴外周面上の製版済みマスタより剥離され、排紙搬送装置85により搬送されて排紙トレイ86上に排出される。
試し刷りにより画像の位置あるいは濃度等が確認され、図示しないテンキーによって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキーが押下されると、給紙部4から用紙Pが連続的に給送され、試し刷りと同条件で印刷動作が行われる。そして、設定された印刷枚数が消化されると版胴12がホームポジションで停止し、両面印刷装置1は再び印刷待機状態となる。
次に、図示しない両面印刷キーを押下して両面印刷を行う場合を説明する。オペレーターは両面印刷モードであることを図示しないLEDの点灯によって確認した後、製版スタートキー104が押下されると、画像読取部7では片面印刷時と同様に1枚目の原稿画像が読み取られる。読み取られた原稿画像は画像メモリ135内に1枚目の画像データ信号として格納される。
1枚目の原稿の読取動作が完了して画像データ信号が画像メモリ135内に格納されると、制御手段129は図示しない表示装置に2枚目の原稿をセットして下さいという旨の表示を行わせる。オペレーターはこの表示に従って圧板94を開放してコンタクトガラス93上より1枚目の原稿を取り除き、2枚目の原稿を載置して再び圧板94を閉じる。圧板94が閉じられたことを図示しないセンサが検知し、コンタクトガラス93上に原稿があることを他の図示しないセンサが検知すると、1枚目と同様に2枚目の原稿の読取動作が行われる。
読み取られた原稿画像は画像メモリ135内に2枚目の画像データ信号として格納される。
なお、本実施形態において、片面印刷モード時及び両面印刷モード時における原稿の読取動作はオペレーターが圧板94を開閉してコンタクトガラス93上に読み取られる原稿をセットする構成としたが、ADFを用いて自動的に原稿をコンタクトガラス93上に搬送する構成、あるいは図示しない外部装置から画像データを取り込む構成としてもよい。
また、両面印刷モード時において1枚の原稿を反転させて搬送し、その表面及び裏面から2枚分の画像データを取得する構成としてもよい。
画像読取部7での画像読取動作と並行して、排版部5では片面印刷時と同様に排版動作が行われる。外周面上より使用済みマスタを剥離された版胴12は給版待機位置で停止し、図示しない開閉手段によってクランパ19が開放される。
また、この排版動作と並行して製版部3では製版動作が行われる。製版動作は片面印刷モード時と同様の手順で行われるが、マスタ64にはその熱可塑性樹脂フィルム面に第1製版画像と第2製版画像とが形成される。このとき第1製版画像と第2製版画像との間には所定の空白部が設けられるように製版される。
この所定の空白部は、分割製版済みマスタが版胴12の外周面上に巻装されたときに、図1に示す中間領域と対応する位置に設けられる。各画像が形成された分割製版済みマスタはマスタストック部61内に貯容され、排版動作が完了して両面印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラ対63の作動によって開放されているクランパ19に向けて搬送される。
その後、版胴12が片面印刷モード時と同様に間欠回転され、分割製版済みマスタの版胴12への巻装が行われる。
そして、画像メモリ135から2枚分の画像データが全て送られると、切断手段60が作動して分割製版済みマスタが切断される。切断された分割製版済みマスタは版胴12の回転によって製版部3より引き出され、版胴12がホームポジションで停止して製版動作及び給版動作が完了する。
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴12がホームポジションで停止するとプレスローラ係止手段の作動、解除がなされる。
その後、給紙ローラ68、分離ローラ69、各駆動ローラ36、87、各吸引ファン39、90がそれぞれ駆動されると共に版胴12が低速で図1の時計回り方向に回転駆動され、給紙トレイ67上から1枚目の用紙P1が引き出されてその先端をレジストローラ対71に挟持される。
クランパ19が切換部材10と対応する位置を通過するとソレノイド123が作動して切換部材10が第2の位置に位置決めされ、その後、版胴12上に巻装された分割製版済みマスタの版胴回転方向における第1製版画像の画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達する所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動されることで、引き出された用紙P1は版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
上記所定のタイミングにおいて、プレスローラ13がその周面を版胴12の外周面に圧接させる。これによりプレスローラ13と用紙P1と分割製版済みマスタの第1製版画像形成部と版胴12とが圧接し、インキローラ16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部より滲出し、版胴12に巻装された図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、及び分割製版済みマスタの多孔性支持体に充填された後に第1製版画像の穿孔部を介して用紙P1に転写され、分割製版済みマスタのうちの第1製版画像が形成された部分の版付けが行われる。
版付けにより第1製版画像に応じた画像をその表面に印刷された用紙P1は、切換部材10の先端によってその先端部から版胴外周面上の分割製版済みマスタから剥離されつつ、第2の位置を占めた切換部材10によって再給紙手段9へと案内される。
切換部材10によって下方へと導かれた用紙P1は、各ガイド板27、56間を通ってその先端をフェンス8aに当接させ、補助トレイ8上に載置される。補助トレイ8上に搬送された用紙P1は吸引ファン39の吸引力によって無端ベルト38に保持されつつ図1の矢印方向に搬送され、その先端(第1製版画像の印刷時における後端)を曲折端部24aに当接させる。
このとき用紙P1と無端ベルト38との間で滑りが発生するので、用紙P1はその先端を曲折端部24aに当接させた状態で停止される。なお、用紙P1の先端が曲折端部24aに当接したときにこれを検知する図示しないセンサを設け、この図示しないセンサが用紙P1の先端を検知したときに駆動ローラ36及び吸引ファン39の作動を停止させる構成としてもよい。
用紙P1が補助トレイ8上に案内されている間も版胴12は回転を継続しており、プレスローラ13は版胴12の表面領域との接触を終えると、続いて図示しないカム機構の動作により離間位置を占める。このカム機構の動作により、用紙Pが存在しない状態で版胴12の裏面領域とプレスローラ13とが圧接することがなく、プレスローラ13の周面へのインキの転移を防止できる。
その後、給紙ローラ68及び分離ローラ69が駆動され、給紙トレイ67上から2枚目の用紙P2が引き出されてその先端をレジストローラ対71に挟持される。そして、上述と同様の所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動され、引き出された用紙P2は版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
一方、プレスローラ接離機構55では、図示しないプレスローラ係止手段の作動が解除される。このとき版胴12は、表面領域及び裏面領域及び中間領域以外の部位である非開口部がプレスローラ13と対向する位置を占めている。また、版胴12の表面領域がプレスローラ13との対向部を通過し、クランパ19が再び切換部材10と対応する位置を占めるまでの間にソレノイド123が作動され、切換部材10が第2の位置から第1の位置に変位される。
用紙P2がレジストローラ対71によって給送される所定のタイミングにおいて、プレスローラ13がその周面を版胴12の外周面に圧接させる。これによりプレスローラ13と用紙P2と分割製版済みマスタの第1製版画像形成部と版胴12とが圧接し、インキローラ16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部、図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、第1製版画像の穿孔部を介して用紙P2に転写される。
第1製版画像に応じた画像を印刷された用紙P2は、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送装置85へと案内されると共に、剥離爪84によってその先端部から版胴外周面上の分割製版済みマスタより剥離される。
剥離された用紙P2は下方へと落下して排紙搬送装置85へと送られた後に排紙トレイ86上に排出される。
また、レジストローラ対71によって用紙P2が給送された後、分割製版済みマスタの版胴回転方向における第2製版画像の画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングである所定のタイミングで再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動され、先端を曲折端部24aに当接させた状態で停止されていた用紙P1が版胴12と当接して従動回転しているプレスローラ13の周面に当接される。
再給紙レジストローラ23によりプレスローラ13の周面に当接された用紙P1は、プレスローラ13の回転力によってその回転方向下流側へと搬送され、用紙ガイド板31及び各ローラ28、29、30によってプレスローラ13の周面に密着した状態で版胴12との当接部に向けて搬送される。
このとき用紙P1の表面には第1製版画像に応じた画像が印刷されているが、再給紙案内部材22の働きによって用紙P1がプレスローラ13の周面に密着されているので、一度プレスローラ13の周面に接触した用紙P1がずれることがなく、擦れ汚れあるいは画線の太りといった不具合の発生が防止される。
そして、用紙P2の後端及び中間領域がプレスローラ13と対応する位置を通過した後、裏面領域の先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するタイミングで用紙P1が版胴12とプレスローラ13との当接部に送り込まれる。
これによりプレスローラ13と用紙P1と分割製版済みマスタの第2製版画像形成部と版胴12とが圧接し、インキローラ16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部、図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、第2製版画像の穿孔部を介して用紙P1に転写され、分割製版済みマスタのうちの第2製版画像が形成された部分の版付けが行われる。
第1製版画像に応じた画像を表面に、第2製版画像に応じた画像を裏面にそれぞれ印刷された用紙P1は、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送装置85へと案内されると共に、剥離爪84によってその先端部から版胴外周面上の分割製版済みマスタより剥離される。
剥離された用紙P1は下方へと落下して排紙搬送装置85へと送られた後に排紙トレイ86上に排出され、これにより分割製版済みマスタの版付け動作が完了して両面印刷装置1は印刷待機状態となる。
上述の版付け時において、分割製版済みマスタの第1製版画像と第2製版画像との間に所定の空白部が設けられ、分割製版済みマスタが版胴12の外周面上に巻装された際に中間領域が形成されるので、給紙部4から送られた用紙P2の後端と再給紙手段9から送られた用紙P1の先端とが重合することが防止され、良好な版付けを行うことができる。
また、再給紙手段9からの用紙P1の再給紙時において、用紙P1の印刷面と接触することでプレスローラ13の表面に用紙P1からのインキが再転移するが、プレスローラ13の周面が撥インキ性を有すると共にクリーニングローラ26がプレスローラ13の周面をクリーニングするので、用紙P1からプレスローラ13の周面への再転移インキ量が減少されると共にプレスローラ13の周面からの再転移インキの除去が促進され、以下の印刷時においてプレスローラ13から用紙Pの裏面へのインキの再転移を防止できる。
両面印刷装置1が印刷待機状態となった後、図示しない印刷速度設定キー及び操作パネル103上の各種キーによって印刷条件を入力した後に試し刷りキーが押下されると、試し刷りが行われる。
試し刷りキーが押下されると、設定された印刷速度で版胴12が回転駆動され、さらに版付け時と同様に切換部材10が第2の位置に位置決めされる。版胴12の回転開始後、給紙部4から1枚目の用紙P1が給送され、給送された用紙P1はレジストローラ対71で一時停止された後に版付け時と同じタイミングで給送されてプレスローラ13によって分割製版済みマスタの第1製版画像に圧接される。
表面に第1製版画像に対応した画像を印刷された用紙P1は切換部材10によって版胴外周面上の分割製版済みマスタより剥離されつつ補助トレイ8へと案内される。補助トレイ8上に搬送された用紙P1は、吸引ファン39の吸引力によって無端ベルト38上に保持されつつ先端を曲折端部24aに当接させた状態で停止される。
その後、図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、その後プレスローラ係止手段の作動が解除される。切換部材10は、クランパ19が再び切換部材10と対応する位置を占めるまでの間に第2の位置から第1の位置に変位される。また、この動作とほぼ同時に給紙部4から2枚目の用紙P2が給送され、給送された用紙P2はレジストローラ対71で一時停止された後に用紙P1と同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。
給送された用紙P2は揺動するプレスローラ13によって分割製版済みマスタの第1製版画像に圧接され、表面に第1製版画像に対応した画像を印刷された用紙P2は第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送装置85へと案内される。
用紙P2は剥離爪84によって分割製版済みマスタより剥離され、下方へと落下して排紙搬送装置85によって搬送されて排紙トレイ86上に排出される。
レジストローラ対71によって用紙P2が給送された後、版付け時と同じタイミングで再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置へと変位され、一時停止されていた用紙P1が回転しているプレスローラ13の周面に当接される。
用紙P1はプレスローラ13の回転力によって搬送され、再給紙案内部材22によってプレスローラ13の周面に密着した状態で印刷部2へと搬送される。
搬送された用紙P1は揺動するプレスローラ13によって分割製版済みマスタの第2製版画像に圧接され、その両面に各製版画像に対応した画像を印刷された用紙P1は切換部材10によって排紙搬送装置85へと案内される。
その後、用紙P1が剥離爪84によって分割製版済みマスタより剥離され、排紙搬送装置85によって搬送されて排紙トレイ86上に排出されることにより試し刷りが完了する。
試し刷りにより画像の位置あるいは濃度等が確認され、図示しないテンキーによって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキーが押下されると、印刷動作が行われる。本実施形態では、印刷枚数としてN枚が入力された場合を説明する。
印刷スタートキーが押下されると、設定された印刷速度で版胴12が回転駆動され、さらに版付け時及び試し刷り時と同様に切換部材10が第2の位置に位置決めされる。
版胴12の回転開始後に給紙部4から1枚目の用紙P1が給送され、給送された用紙P1はレジストローラ対71で一時停止された後に試し刷り時と同じタイミングで給送される。用紙P1はプレスローラ13によって分割製版済みマスタの第1製版画像に圧接されることで、その表面に第1製版画像に対応した画像を印刷される。
表面に画像を印刷された用紙P1は、第2の位置を占めた切換部材10によって剥離案内されて補助トレイ8上に搬送され、先端を曲折端部24aに当接させた状態で停止される。
その後、図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、その後、プレスローラ係止手段の作動が解除される。また、この動作とほぼ同時に給紙部4から2枚目の用紙P2が給送され、用紙P2はレジストローラ対71で一時停止された後に用紙P1と同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。
切換部材10はクランパ19との衝突を回避すべく第1の位置に位置決めされた後、クランパ19の通過後に再び第2の位置に位置決めされる。
給送された用紙P2はプレスローラ13によって分割製版済みマスタの第1製版画像に圧接され、表面に第1製版画像に対応した画像を印刷された後、第2の位置を占めた切換部材10によって剥離案内されて補助トレイ8上に搬送される。
このとき試し刷り時と同じタイミングで、補助トレイ8上に停止されていた用紙P1がプレスローラ13の回転力によって印刷部2へと搬送される。用紙P1は用紙P2の後端が版胴12とプレスローラ13との当接部を抜けきった後、版胴12の中間領域がプレスローラ13と対向する位置を通過して裏面領域がプレスローラ13と対向するタイミングで版胴12とプレスローラ13との当接部に送られ、プレスローラ13によって分割製版済みマスタの第2製版画像に圧接されることでその裏面に第2製版画像に対応した画像を印刷される。
上述の動作中、版胴12の中間領域がプレスローラ13と対向する位置を占める直前に切換部材10が第2の位置から第1の位置に変位される。これにより切換部材10によって案内されていた用紙P2の後端は、切換部材10の下面10aとプレスローラ13の周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内され、これに続いて搬送された用紙P1の先端は、切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送装置85へと案内される。
用紙P1は、剥離爪84によって分割製版済みマスタより剥離された後に排紙搬送装置85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
その後、給紙部4から3枚目の用紙P3が給送され、用紙P3はレジストローラ対71で一時停止された後に用紙P1と同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。切換部材10はクランパ19との衝突を回避すべく第1の位置に位置決めされ、クランパ19の通過後に再び第2の位置に位置決めされる。
給送された用紙P3は表面に第1製版画像に対応した画像を印刷された後、切換部材10によって補助トレイ8上に案内される。そして所定のタイミングで補助トレイ8上に停止されていた用紙P2が印刷部2へと搬送される。
用紙P2は上述の用紙P1と同様のタイミングで版胴12とプレスローラ13との当接部に送られ、その裏面に第2製版画像に対応した画像を印刷される。切換部材10は上述と同様のタイミングで第2の位置から第1の位置に変位され、用紙P3の後端は切換部材10の下面10aとプレスローラ13の周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内される。
また、これに続いて補助トレイ8上より搬送された用紙P2の先端は切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送装置85へと案内され、用紙P2は剥離爪84によって分割製版済みマスタより剥離された後に排紙搬送装置85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
以下、上述と同様の印刷動作が(N−1)枚目まで行われる。そして、N枚目の用紙PNが給紙部4から給送されその表面に第1製版画像に対応した画像を印刷されて補助トレイ8上に案内された後、(N−1)枚目の用紙P(N−1)がその裏面に第2製版画像に対応した画像を印刷されて排紙トレイ86上に排出されると、図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、その後、プレスローラ係止手段の作動が解除される。このとき切換部材10は第1の位置を占めた状態を維持している。
分割製版済みマスタの版胴回転方向における第2製版画像の画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりも早い第1のタイミングでプレスローラ13がその周面を版胴12の外周面に圧接させる。
その後、分割製版済みマスタの版胴回転方向における第2製版画像の画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早い第2のタイミングで再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動され、先端を曲折端部24aに当接させた状態で停止されていた用紙PNが版胴12と当接して従動回転しているプレスローラ13の周面に当接される。
用紙PNは用紙P1と同様のタイミングで版胴12とプレスローラ13との当接部に送られ、その裏面に第2製版画像に対応した画像を印刷される。画像を印刷された用紙PNは切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送装置85へと案内され、剥離爪84によって分割製版済みマスタより剥離された後に排紙搬送装置85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
その後、プレスローラ13は版胴12の裏面領域との接触を終えると図示しないカム機構の動作により離間位置を占める。これによりより、用紙Pが存在しない状態で版胴12の表面領域とプレスローラ13とが圧接することがなく、プレスローラ13の周面へのインキの転移を防止できる。このとき図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、その後に版胴12がホームポジションで停止して両面印刷装置1は印刷動作を終えて再び印刷待機状態となる。
図3に基づいて排紙搬送装置85を詳細に説明する。
上述のように、駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89、吸引ファン90等を有している。ころ状の駆動ローラ87は、箱状のユニット側板200に回転自在に支持された支軸87aに所定の間隔で複数設けられており、排紙駆動手段127(図2参照)によってそれぞれ一体的に回転駆動される。
従動ローラ88も箱状のユニット側板200に回転自在に支持された支軸88aに各駆動ローラ87と等間隔で複数設けられており、各駆動ローラ87及びこれと対応する各従動ローラ88には複数の吸引孔hを有する無端ベルト89がそれぞれ掛け渡されている。吸引孔hは吸引ファン90による空気流で無端ベルト89の上面に負圧を生じさせるためのもので、無端ベルト89の周方向(用紙搬送方向)に2列に形成されている。
駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89の下方には吸引ファン90が配設されている。
図4に示すように、無端ベルト89の版胴1側の端部下方には、無端ベルト89の外周面に付着したインキを除去するクリーニング手段201が設けられている。
クリーニング手段201は全体として弾性体ブレードをなし、ユニット側板200に一端部ネジ等の手段により着脱自在に固定された弾性支持部材202と、この弾性部材202の自由端部に固定され、無端ベルト89に当接するブレード本体203を有している。
弾性支持部材202はバネ性金属の薄板、合成樹脂、ゴムなどで形成され、ブレード本体203が無端ベルト89に所定の押圧力で当接するように形状、厚み等が設定されている。本実施形態ではS字状に屈曲形成している。
ここで、所定の押圧力とは、無端ベルト89の外周面に付着したインキを除去することが可能な接触圧であって、無端ベルト89の駆動負荷等を考慮して実験的に決定される適正値である(以下、同じ)。
ブレード本体203は、ポーラス多孔質の材料で形成されている。その材料としては、和紙、スポンジ、吸湿性の高い発泡体ゴム、発泡体合成樹脂、不織布、フェルトなどを採用できる。
図5に示すように、無端ベルト89の各吸引孔hの間にはベルト外方へ突出する円柱状の突起tが形成されている。すなわち、各列において吸引孔hと突起tが交互に形成されている。突起tの高さは吸引ファン90による無端ベルト89上への用紙Pの良好な吸着を阻害しない範囲に設定されている。これにより、無端ベルト89の用紙Pの画像面に接する側は微細な凹凸を有する表面性状となる。
円柱状の突起tと吸引孔hを交互に配設することにより、用紙Pの吸引搬送力を低下させずに、用紙Pの画像面と無端ベルト89との接触面積を少なくすることができる。すなわち、吸引孔hの存在により無端ベルト89との接触面積が少なくなるのに加え、突起tの存在により無端ベルト89との接触面積が更に少なくなる。これにより画像転写汚れを低減できる。
本実施形態では突起tを円柱状としたが、吸引搬送性と画像転写汚れ抑制機能を良好に得ることができる範囲で適宜に変更することができる。例えば、円錐、三角錐等とすることができる。
図6に基づいて第2実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
本実施形態におけるクリーニング手段204は全体として弾性体ローラをなし、ユニット側板200に一端部をネジ等の手段で着脱自在に固定された支持部材205と、この支持部材205の自由端部に固定されたコ字状の側板206と、この側板206間に支軸207aを中心に回転自在に軸支され、無端ベルト89に当接するローラ本体207を有している。側板206は支持部材205と同じ材料で曲げ加工により一体に形成されている。もちろん、支持部材205と別個に形成して一体に固定してもよい。
支持部材205はバネ性金属の薄板、合成樹脂、ゴムなどで形成され、ローラ本体207が無端ベルト89に所定の押圧力で当接するように形状、厚み等が設定されている。本実施形態ではS字状に屈曲形成している。
ローラ本体207は、その外周(表層)をポーラス多孔質の材料で形成されている。その材料としては、和紙、スポンジ、吸湿性の高い発泡体ゴム、発泡体合成樹脂、不織布、フェルトなどを採用できる。ポーラス多孔質層は、ローラ本体207の外周面に接着などの手段により固定されている。
ローラ本体207は回転自在であるので、無端ベルト89の外周の移動速度に対して同じ速度で連れ回り回転する。無端ベルト89に対する接触抵抗又は摺動抵抗が小さいので、弾性体ブレードに比べて交換サイクル(寿命)は長くなる。
本実施形態では支持部材205を上記のような弾性材料で形成しているので、ローラ本体207自体は弾性を有する必要はない。また、上記のような弾性材料でなくても屈曲形状の片持ち構成によりある程度の弾性力が得られる。
逆に、ローラ本体207自体が弾性を有する場合には、支持部材205が弾性を有する必要はない。すなわち、この場合には側板206をユニット側板200に固定して側板206のみで支持してもよい。
図7に基づいて第3の実施形態を説明する。本実施形態では、用紙Pの無端ベルト89の外周面に接触する側に画像が無い場合、すなわち片面印刷時は、クリーニング手段を無端ベルト89の外周面から離間させることを特徴としている。必要でないときにもクリーニング可能に接触させた場合、無端ベルト89の不要な磨耗を来たすとともに、クリーニング手段201の交換サイクルが短くなる。
図4で示した弾性体ブレード方式のクリーニング手段201では、弾性支持部材202の一端部がユニット側板200に固定されている構成したが、本実施形態におけるクリーニング手段201aでは、ストレート板状の弾性支持部材202aの一端部がユニット側板200に回転自在に支持された支軸202bに固定されている。
操作パネル103の図示しない片面印刷キーを押下して片面印刷モードを選択した場合、制御手段129は図示しないクリーニング接離機構を制御してクリーニング手段201aを支軸202bを中心に時計回り方向に回転させ、二点鎖線で示すように無端ベルト89の外周面からブレード本体203を非接触状態に離間させる。弾性支持部材202aと支軸202bは一体に成形してもよい。
図8は、弾性体ローラ方式の場合を示している。クリーニング手段204aでは、ストレート板状の支持部材205aの一端部がユニット側板200に回転自在に支持された支軸205bに固定されている。
操作パネル103の図示しない片面印刷キーを押下して片面印刷モードを選択した場合、制御手段129は図示しないクリーニング接離機構を制御してクリーニング手段204aを支軸205bを中心に時計回り方向に回転させ、二点鎖線で示すように無端ベルト89の外周面からローラ本体207を非接触状態に離間させる。支持部材205aと支軸205bは一体に成形してもよい。
第1、2又は第3の実施形態では、無端ベルト89の画像面に接する側の微細な凹凸を円柱状の突起により形成したが、ガラス質微粒子又はセラミックス質微粒により形成するようにしてもよい(第4の実施形態)。
図9に示すように、無端ベルト89の外周面にはフィルム208が接着により固着されている。フィルム208は、厚さ30〜200μm程度の樹脂フィルム209の表面に、直径50〜200μm程度のガラス質微粒子としての複数のガラス球210を接着剤211により接着したものである。吸引孔hはフィルム208を固着した後に形成される。
フィルム208としては、ICPフィルム(商品名)を採用することができる。
ガラス球210にはインキが付着しにくいことから、画像転写汚れ(再転写汚れ)を高精度に低減できる。ガラス球210は球状体であることから、クリーニング手段201のブレード本体203や、クリーニング手段204のローラ本体207の接触抵抗が小さく、無端ベルト89に直接当接する場合に比べて経時的磨耗を低減でき、交換サイクルを長くできる。
ガラス球210に代えて、これと同形状のセラミック質微粒子としての複数のセラミック球を用いてもよく、接着剤211に代えて両面粘着テープ等を用いてもよい。
本発明の第1の実施形態における孔版印刷装置としての両面印刷装置の概要正面図である。 制御ブロック図である。 排紙搬送装置の一部切り欠いた斜視図である。 クリーニング手段の使用状態を示す正面図である。 無端ベルトの断面図である。 第2の実施形態におけるクリーニング手段の使用状態を示す正面図である。 第2の実施形態におけるクリーニング手段の離間動作を示す正面図である。 第2の実施形態における他のクリーニング手段の離間動作を示す正面図である。 第3の実施形態における無端ベルトの断面図である。
符号の説明
P 記録媒体としての用紙
89 無端ベルト
201、201a、204、204a クリーニング手段
210 ガラス質微粒子としてのガラス球

Claims (7)

  1. 印刷がなされた記録媒体の一面をエアーで吸引しながら無端ベルトの回転により排紙方向へ搬送する排紙搬送装置において、
    上記無端ベルトの外周面に付着したインキを除去するクリーニング手段を有していることを特徴とする排紙搬送装置。
  2. 請求項1記載の排紙搬送装置において、
    上記無端ベルトの記録媒体の画像面に接する側が微細な凹凸を有していることを特徴とする排紙搬送装置。
  3. 請求項2記載の排紙搬送装置において、
    上記微細な凹凸はガラス質微粒子又はセラミックス質微粒子から形成されていることを特徴とする排紙搬送装置。
  4. 請求項1乃至3のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、
    上記クリーニング手段が、上記無端ベルトの外周面に所定の押圧力で当接する弾性体ブレードであり、該弾性体ブレードの上記無端ベルトの外周面に当接する部分がポーラス多孔質であることを特徴とする排紙搬送装置。
  5. 請求項1乃至3のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、
    上記クリーニング手段が、上記無端ベルトの外周面に所定の押圧力で当接する弾性体ローラであり、該弾性体ローラの上記無端ベルトの外周面に当接する部分がポーラス多孔質であることを特徴とする排紙搬送装置。
  6. 請求項1乃至5のうちの何れかに記載の排紙搬送装置において、
    記録媒体の上記無端ベルトの外周面に接する側に画像が無い場合は、上記クリーニング手段が上記無端ベルトの外周面から離間することを特徴とする排紙搬送装置。
  7. 請求項1乃至6のうちの何れかに記載の排紙搬送装置を備えた孔版印刷装置。
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