JPH0890893A - 孔版印刷装置及びそれに用いられる吸着部材 - Google Patents

孔版印刷装置及びそれに用いられる吸着部材

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JPH0890893A
JPH0890893A JP22849694A JP22849694A JPH0890893A JP H0890893 A JPH0890893 A JP H0890893A JP 22849694 A JP22849694 A JP 22849694A JP 22849694 A JP22849694 A JP 22849694A JP H0890893 A JPH0890893 A JP H0890893A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 両面印刷時においては擦り汚れの発生を防止
し、片面印刷時にては裏写りの発生を防止して、良質の
画像を得ることができる孔版印刷装置。 【構成】 第1のインキ供給手段5と、印刷用紙17を
第1の版胴1の外周面に押圧する押圧部材18と、印刷
用紙17の第1の剥離手段25と、第1の版胴1の下流
側に配設された第2の版胴31と、第2のインキ供給手
段35と、印刷用紙17の第2の剥離手段55と、吸着
部材38をその外周面上に巻装した吸着ドラム29と、
第1の版胴1によって第1の面に印刷がなされた印刷用
紙17を、吸着ドラム29と第2の版胴31との間に向
けて搬送する第1の用紙搬送手段20と、第2の版胴3
1の下流側に設けられ、印刷用紙17を排紙トレイ60
に向けて搬送する第2の用紙搬送手段62とを具備し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、穿孔されたマスタを巻
装して両面印刷あるいは片面印刷を行う孔版印刷装置及
びこの孔版印刷装置に用いられる吸着部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より簡便な印刷方法として、デジタ
ル式感熱孔版印刷が知られている。これは、微細な発熱
素子が一列に配置されたサーマルヘッドを感熱孔版マス
タ(以下、「マスタ」という)に接触させ、パルス的に
発熱素子に通電させながらマスタを搬送することで画像
情報に応じてマスタを加熱溶融穿孔し、このマスタを多
孔性円筒状の版胴の外周面に巻装した後、穿孔した部分
よりインキを透過させて印刷用紙に転移させることによ
り印刷画像を形成するものである。
【0003】この孔版印刷装置では、版胴内部に設けら
れたインキローラーの外周面にインキを供給し、プレス
ローラー等の押圧部材によって版胴外周面を押圧するこ
とでインキローラーの外周面を版胴の内周面と接触さ
せ、インキを版胴開孔部及びマスタ穿孔部より滲出させ
て印刷用紙に転移させているので、印刷速度が低速の場
合やインキの流動性が良好な高温環境下では、インキが
大量に滲出して画像濃度が高くなると共に、インキの粘
着力によって、印刷用紙が版胴の外周面に貼り付いてし
まう。
【0004】上述の不具合を防止するため、従来の孔版
印刷装置では、版胴外周面から印刷用紙を剥離するため
に印刷用紙の先端が通過する版胴外周面近傍に剥離爪を
配置し、この剥離爪を印刷用紙と版胴外周面との間に挿
入し、印刷用紙の腰を利用して剥離する方法が採用され
ている。
【0005】ところで、近年、印刷用紙の消費量を低減
させるため、印刷用紙の両面に印刷を行う両面印刷が印
刷の大部分を占めるようになってきた。この両面印刷
は、給紙部に積載した印刷用紙を印刷部に通紙し、一面
に印刷をした後に印刷用紙を裏返して通紙し、他面に印
刷をすることで両面印刷物が得られるわけであるが、一
度排紙された印刷用紙を再度給紙部にセットしたり、片
面印刷後の印刷用紙を揃える等の作業が面倒であるとい
う問題点があった。また、印刷終了後の印刷物はインキ
が十分に乾燥していないため、すぐに裏面に印刷しよう
とすると、搬送ローラーやプレスローラー等が画像部に
押し付けられ、印刷画像が汚れたり乱れたりするため、
大抵の場合、数時間以上経過してから裏面への印刷を行
い、特に、ベタ画像部がある場合には長時間乾燥させる
ことが必要で、翌日になってから裏面への印刷が行われ
ていた。このように両面印刷は、裏面に印刷を行うまで
長時間待たねばならず、しかも2回の通紙を行うので、
正味の印刷時間においても片面印刷に比べて2倍の時間
を要し、時間がかかりすぎるという問題点があった。そ
こで、一対の版胴を対向させて配設し、各版胴同士を互
いに圧接させることにより1工程で両面印刷物を得る孔
版印刷装置が特開平6−71996号公報及び特開平6
−135111号公報に開示されている。
【0006】また、従来の孔版印刷装置では、長時間に
渡って装置を使用せずに放置した場合等に、版胴内のイ
ンキが蒸発し、次に印刷する場合にインキが不足して損
紙が発生することがある。この問題を最小限に食い止め
るため、蒸発及び乾燥しにくい油性タイプ、あるいは油
中水型(W/O型;水分がオイル分に分散している)タ
イプのエマルジョンインキが一般的に用いられている。
しかし、このインキは乾燥しにくいため、印刷時におい
て、印刷用紙に転移したインキが印刷用紙内へ浸透し
て、指等で擦っても汚れが発生しない、所謂、浸透乾燥
した状態となるまでには、ある程度の時間を必要とす
る。この浸透乾燥が完了しないうちに次の印刷用紙が印
刷済み用紙上に積載されると、印刷済み用紙の画像部の
インキが積載された次の印刷用紙の裏面に転移し、所
謂、裏写りという不具合が発生する。この裏写りは、イ
ンキ転移量の多いベタ画像の印刷時において特に発生し
易い。そこで、印刷用紙に転移するインキ量を減少させ
ることで裏写りの発生を防止する技術が特開平4−36
1043号公報に、また、サーマルヘッドの発熱体を小
さくして印刷用紙に転移するインキ量を減少させること
により裏写りの発生を防止する技術が特開平4−265
759号公報に、さらに、版胴の支持円筒体とメッシュ
スクリーン層との間に中間スクリーン層を設け、印刷用
紙に対してインキが局部的に大量に転移しないように、
インキを拡散させる技術が特公昭63−59393号公
報にそれぞれ開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
印刷速度が低い場合や高温環境下においては、インキの
滲出量が増大して印刷用紙に対して多量のインキが転移
されるため、剥離爪と印刷用紙との接触により、印刷用
紙の印刷面に剥離爪の接触痕が残る爪跡汚れが発生して
しまう。そこで、剥離爪で印刷用紙の先端を版胴外周面
より剥離した後に、剥離爪の下流側に設けられた吸着搬
送装置によって印刷用紙を版胴外周面より引き剥しなが
ら搬送することにより、爪跡汚れを低減させる技術が特
開昭60−148864号公報に開示されているが、こ
の技術を上述の特開平6−71996号公報及び特開平
6−135111号公報に開示された技術に適用する
と、印刷面を吸着搬送ベルト等の搬送部材で擦ることと
なり、擦り汚れが発生してしまうという問題点がある。
【0008】また、特開平4−361043号公報、特
開平4−265759号公報、特公昭63−59393
号公報にそれぞれ開示された技術では、印刷用紙に対し
て製版済みマスタの穿孔部からインキを盛り上げる形で
転移させることに変わりはなく、連続的に印刷を行った
ときにはインキの乾燥時間が不足して、裏写りの低減、
あるいは防止という効果は達成されていない。そこで、
印刷済み用紙に供給された余剰のインキを除去する余剰
インキ転写紙を有する装置に、印刷済み用紙を手動にて
挿入することにより裏写りを防止する技術が、特開平2
−16053号公報に開示されているが、裏写りの防止
を自動的に行う孔版印刷装置は未だ提案されていない。
【0009】本発明は、上記問題点を解決し、1工程両
面印刷時においては擦り汚れの発生を防止し、片面印刷
時においては裏写りの発生を防止して、良質の印刷画像
を得ることができる孔版印刷装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
多孔性で回転自在な第1の版胴と、第1の版胴の内部に
設けられ、第1の版胴の内周面にインキを供給する第1
のインキ供給手段と、第1の版胴の外周面に対して接離
自在に設けられ、給送された印刷用紙を第1の版胴の外
周面に押圧して、第1のインキ供給手段から供給された
インキをこの印刷用紙の第1の面に転移させる回転自在
な押圧部材と、第1の版胴の外周面近傍に回動自在に配
設され、前記印刷用紙を第1の版胴の外周面より剥離さ
せる第1の剥離手段と、第1の版胴配設位置の印刷用紙
搬送方向下流側に設けられた多孔性で回転自在な円筒体
であって、その外周面が、前記印刷用紙の第2の面と対
向するように配設された第2の版胴と、第2の版胴の内
部に設けられ、第2の版胴の内周面にインキを供給する
第2のインキ供給手段と、第2の版胴の外周面近傍に回
動自在に配設され、前記印刷用紙を第2の版胴の外周面
より剥離させる第2の剥離手段と、その外周面を第2の
版胴の外周面に対して接離自在に設けられ、インキを吸
着する吸着部材をその外周面上に巻装した吸着ドラム
と、第1の版胴配設位置と第2の版胴配設位置との間の
位置に設けられ、第1の版胴によって第1の面に印刷が
なされた前記印刷用紙を、前記第1の面が前記吸着ドラ
ムの外周面と対向するように、前記吸着ドラムと第2の
版胴との間に向けて搬送する第1の用紙搬送手段と、第
2の版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に設けら
れ、第2の版胴によって第2の面に印刷がなされた前記
印刷用紙を排紙トレイに向けて搬送する第2の用紙搬送
手段とを具備し、第1の版胴で前記印刷用紙の第1の面
が印刷された後、その印刷用紙を第1の用紙搬送手段で
搬送し、前記印刷用紙が第2の版胴と前記吸着ドラムと
の間に搬送されたときに、前記吸着ドラムの外周面を第
2の版胴の外周面に当接させて前記印刷用紙の第2の面
に印刷を行うと共に、第1の版胴より前記印刷用紙の第
1の面に供給された余剰のインキを前記吸着部材によっ
て吸着した後、第2の剥離手段によって両面印刷済みの
前記印刷用紙を第2の版胴の外周面より剥離し、剥離さ
れた前記印刷用紙を第2の用紙搬送手段で搬送して前記
排紙トレイに排出することを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、多孔性で回転自在
な第1の版胴と、第1の版胴の内部に設けられ、第1の
版胴の内周面にインキを供給する第1のインキ供給手段
と、第1の版胴の外周面に対して接離自在に設けられ、
給送された印刷用紙を第1の版胴の外周面に押圧して、
第1のインキ供給手段から供給されたインキをこの印刷
用紙の第1の面に転移させる回転自在な押圧部材と、第
1の版胴の外周面近傍に回動自在に配設され、前記印刷
用紙を第1の版胴の外周面より剥離させる第1の剥離手
段と、第1の版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に
設けられた多孔性で回転自在な円筒体であって、その外
周面が、前記印刷用紙の第2の面と対向するように配設
された第2の版胴と、第2の版胴の内部に設けられ、第
2の版胴の内周面にインキを供給する第2のインキ供給
手段と、第2の版胴の外周面近傍に回動自在に配設さ
れ、前記印刷用紙を第2の版胴の外周面より剥離させる
第2の剥離手段と、その外周面を第2の版胴の外周面に
対して接離自在に設けられ、その外周面でインキを吸着
する押圧ドラムと、前記押圧ドラムの外周面近傍に設け
られた、前記押圧ドラムの外周面を清掃するクリーニン
グ手段と、第1の版胴配設位置と第2の版胴配設位置と
の間の位置に設けられ、第1の版胴によって第1の面に
印刷がなされた前記印刷用紙を、前記第1の面が前記押
圧ドラムの外周面と対向するように、前記押圧ドラムと
第2の版胴との間に向けて搬送する第1の用紙搬送手段
と、第2の版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に設
けられ、第2の版胴によって第2の面に印刷がなされた
前記印刷用紙を排紙トレイに向けて搬送する第2の用紙
搬送手段とを具備し、第1の版胴で前記印刷用紙の第1
の面が印刷された後、その印刷用紙を第1の用紙搬送手
段で搬送し、前記印刷用紙が第2の版胴と前記押圧ドラ
ムとの間に搬送されたときに、前記押圧ドラムの外周面
を第2の版胴の外周面に当接させて前記印刷用紙の第2
の面に印刷を行うと共に、第1の版胴より前記印刷用紙
の第1の面に供給された余剰のインキを、前記押圧ドラ
ムの外周面によって吸着した後、第2の剥離手段によっ
て両面印刷済みの前記印刷用紙を第2の版胴の外周面よ
り剥離し、剥離された前記印刷用紙を第2の用紙搬送手
段で搬送して前記排紙トレイに排出することを特徴とす
る。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の孔
版印刷装置において、さらに、前記押圧ドラムの外周面
には、低摩擦係数部材からなる表面層が形成されている
ことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項2または請
求項3記載の孔版印刷装置において、さらに、前記押圧
ドラムを加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱温度
を制御する温度制御手段とを具備したことを特徴とす
る。
【0014】請求項5記載の発明は、多孔性で回転自在
な版胴と、前記版胴の内部に設けられ、前記版胴の内周
面にインキを供給するインキ供給手段と、前記版胴の外
周面に対して接離自在に設けられた押圧部材とを具備
し、製版済みマスタを前記版胴に巻装した後、給送され
た印刷用紙を前記押圧部材によって前記版胴のマスタに
押圧し、印刷用紙に印刷を行う孔版印刷装置において、
前記版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に設けら
れ、前記版胴より前記印刷用紙に供給されたインキのう
ちの余剰分を吸着する吸着部材を、その外周面上に巻装
した吸着ドラムと、前記版胴配設位置と前記吸着ドラム
配設位置との間の位置に設けられ、インキを転写された
印刷済み用紙を、その印刷面が前記吸着ドラムの外周面
と対向するように前記吸着ドラムに向けて搬送する印刷
済み用紙搬送手段と、前記吸着ドラムの外周面に対して
接離自在に設けられ、前記印刷済み用紙搬送手段によっ
て搬送される前記印刷済み用紙を前記吸着ドラムに押圧
する印刷済み用紙押圧手段とを具備したことを特徴とす
る。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1または請
求項5記載の孔版印刷装置に用いられる吸着部材が、和
紙繊維あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものか
らなることを特徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1または請
求項5記載の孔版印刷装置において、さらに、前記吸着
部材に疎水性を付与する疎水性部材塗布手段を具備した
ことを特徴とする。
【0017】請求項8記載の発明は、請求項1または請
求項5記載の孔版印刷装置に用いられる吸着部材に疎水
化処理が施されていることを特徴とする。
【0018】請求項9記載の発明は、請求項6記載の吸
着部材に疎水化処理が施されていることを特徴とする。
【0019】請求項10記載の発明は、請求項1または
請求項5記載の孔版印刷装置において、さらに、前記吸
着ドラムを加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱温
度を制御する温度制御手段とを具備したことを特徴とす
る。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明によれば、第1の版胴で第
1の面を印刷された印刷用紙は、第1の剥離手段で第1
の版胴より剥離されて第1の用紙搬送手段で搬送され、
第2の版胴で第2の面を印刷されると共に、吸着部材に
よって第1の面から余剰のインキを除去され、第2の剥
離手段で第2の版胴より剥離された後、第2の搬送手段
で排紙トレイに排出される。
【0021】請求項2記載の発明によれば、第1の版胴
で第1の面を印刷された印刷用紙は、第1の剥離手段で
第1の版胴より剥離されて第1の用紙搬送手段で搬送さ
れ、第2の版胴で第2の面を印刷されると共に、押圧ド
ラムによって第1の面から余剰のインキを除去され、第
2の剥離手段で第2の版胴より剥離された後、第2の搬
送手段で排紙トレイに排出される。
【0022】請求項3記載の発明によれば、第1の版胴
で第1の面を印刷された印刷用紙は、第1の剥離手段で
第1の版胴より剥離されて第1の用紙搬送手段で搬送さ
れ、第2の版胴で第2の面を印刷されると共に、低摩擦
係数部材からなる表面層が形成された押圧ドラムによっ
て第1の面から余剰のインキを除去され、第2の剥離手
段で第2の版胴より剥離された後、第2の搬送手段で排
紙トレイに排出される。
【0023】請求項4記載の発明によれば、押圧ドラム
が加熱されるので、押圧ドラムと当接する印刷用紙の第
1の面の温度が上昇する。
【0024】請求項5記載の発明によれば、印刷用紙に
転移した余剰のインキは、印刷済み用紙が印刷済み用紙
押圧手段によって吸着ドラムに押圧されることにより、
吸着部材に吸着される。
【0025】請求項6記載の発明によれば、印刷用紙に
転移した余剰のインキは、和紙繊維あるいは和紙繊維と
合成繊維とを混抄したものからなる吸着部材に吸着され
る。
【0026】請求項7記載の発明によれば、疎水性部材
塗布手段が、吸着部材に対し疎水性部材を付与する。
【0027】請求項8記載の発明によれば、吸着部材に
は疎水化処理が施されている。
【0028】請求項9記載の発明によれば、印刷用紙に
転移した余剰のインキは、疎水化処理を施された和紙繊
維あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものからな
る吸着部材に吸着される。
【0029】請求項10記載の発明によれば、吸着ドラ
ムが加熱されるので、吸着ドラムと当接する印刷用紙の
面の温度が上昇する。
【0030】
【実施例】本発明の第1の実施例を示す図1において、
第1の版胴としての版胴1は、インキ供給パイプを兼ね
た支軸2で回転自在に支持され、図示されない版胴駆動
手段で回転駆動される。版胴1の外周面上には、支軸2
と平行に配設されたステージ部3が配設されている。ス
テージ部3とでマスタの先端部を挟持するクランパー4
は、軸4aで版胴1の外周面上に枢着され、図示しない
開閉手段で回動される。また、版胴1の外周面には、図
示しない網目状の開孔部が形成されており、後述するイ
ンキ供給手段5より供給されたインキは、この開孔部よ
り滲出し、マスタの穿孔部を通過して印刷用紙に転移す
る。
【0031】版胴1の内部には、第1のインキ供給手段
としてのインキ供給手段5が配設されている。インキ供
給手段5は、図示しない側板に支持され、ギヤやベルト
等の図示しない駆動力伝達手段で版胴1と同期して同方
向に回転駆動されるインキローラー6と、インキローラ
ー6の外周面と僅かに隙間をもってその外周面が位置す
るように配設されたドクターローラー7と、支軸2から
供給されるインキをインキローラー6とドクターローラ
ー7との近接部に向けて供給するインキパイプ8とから
主に構成されている。インキ供給手段5は、インキロー
ラー6とドクターローラー7との間に形成される楔状空
間に、インキパイプ8より供給されたインキを貯留する
ことによりインキ溜まり9を形成する。インキ供給手段
5は、このインキ溜まり9のインキによってインキロー
ラー6の外周面上にインキの薄層を形成し、版胴1の内
周面にインキを供給する。
【0032】版胴1の左下方には、製版手段10、切断
手段11、マスタ案内板12等が配設されている。製版
手段10は、図示しない側板に支軸13aを回転自在に
支持され、図示しないステッピングモーターで回転駆動
されるプラテンローラー13と、複数の発熱素子を具備
し、図示しない付勢手段によってプラテンローラー13
に圧接されるサーマルヘッド14とから主に構成されて
いる。製版手段10は、芯材15bで回転自在に支持さ
れたマスタロール15aより引き出されたマスタ15を
加熱溶融穿孔しつつ搬送する。切断手段11は、図示し
ない移動手段によって回転移動される上刃11aと固定
の下刃11bとからなり、製版手段10で製版されたマ
スタ15を所定長さで切断する。マスタ案内板12は、
製版されたマスタ15をクランパー4に向けて案内す
る。
【0033】版胴1の右上方には、レジストローラー対
16が配設されている。レジストローラー対16は、図
示しない給紙装置より版胴1へ向けて給紙される印刷用
紙17を一時停止させた後、タイミングをとって版胴1
の外周面と後述する押圧部材との間に給送する。
【0034】レジストローラー対16より印刷用紙搬送
方向下流側には、押圧部材としてのプレスローラー18
が配設されている。プレスローラー18は、図示しない
側板に回転自在に支持さた支軸18aに固着されてお
り、図1に示すように、図示しない揺動手段によって揺
動されて、版胴1の外周面から離間した図の実線位置と
版胴1の外周面に当接する図の二点鎖線位置とを選択的
に占めるように構成されている。
【0035】レジストローラー対16とプレスローラー
18との間の位置には、レジストローラー対16によっ
て搬送される印刷用紙17の先端を検知する第1センサ
ー19が配設されている。第1センサー19からの出力
信号は、図示しない制御手段に入力される。
【0036】プレスローラー18より印刷用紙搬送方向
下流側には、第1の用紙搬送手段としての搬送ベルト2
0が配設されている。搬送ベルト20は、駆動ローラー
21、従動ローラー22、無端ベルト23、吸引装置2
4から主に構成されている。駆動ローラー21は、駆動
手段で版胴1の周速度よりやや速い周速度で回転駆動さ
れる。従動ローラー22は、図示しない側板やブラケッ
トに回転自在に支持されている。駆動ローラー21と従
動ローラー22との間には、表面に複数の開孔を有する
無端ベルト23が張設されており、駆動ローラー21の
回転力により従動ローラー22が回転し、無端ベルト2
3が図1に示す矢印方向に移動する。吸引装置24は無
端ベルト23の内側に配設されており、駆動ローラー2
1の駆動時に作動して空気を吸引する。搬送ベルト20
は、印刷用紙17の未印刷面を無端ベルト23の表面に
吸着して、印刷用紙17を下流へと搬送する。
【0037】搬送ベルト20の下方であって、版胴1の
外周面近傍には、第1の剥離手段としての剥離爪25が
配設されている。剥離爪25は支軸25aに支持され、
図示しない回動手段によって回動される。また、剥離爪
25の近傍には、版胴1の外周面より印刷用紙17を剥
離させるため、かつ、剥離爪25によって版胴1の外周
面よりその先端が剥離された印刷用紙17を搬送ベルト
20で確実に搬送させるため、印刷用紙17に向けて送
風を行う送風機26が配設されている。
【0038】搬送ベルト20の印刷用紙搬送方向下流側
には、搬送ベルト20で搬送される印刷用紙17の先端
を検知する第2センサー27と、印刷用紙17を後述す
る第2の版胴と吸着ドラムとの間に向けて案内する案内
板28とが配設されている。第2センサー27からの出
力信号は図示しない制御手段に入力され、案内板28に
は、第2センサー27の光軸が通過するための図示しな
い開口が形成されている。
【0039】案内板28の印刷用紙搬送方向下流側に
は、版胴1で印刷された印刷用紙17の未印刷面と対向
する位置にその外周面が位置するように配設され、印刷
用紙17の未印刷面に印刷を行う第2の版胴としての版
胴31と、第2のインキ供給手段としてのインキ供給手
段35と、製版手段40と、切断手段41と、第2の剥
離手段としての剥離爪55とがそれぞれ配設されてい
る。版胴31、インキ供給手段35、製版手段40、切
断手段41、剥離爪55及びこれらに付随した構成は、
上述の版胴1、インキ供給手段5、製版手段10、切断
手段11、剥離爪25と略同様であるので、上述の構成
に30を加えた符号で図1に示し、構成上差異のある部
位のみ説明を補足し、他の部位の説明は省略する。
【0040】インキ供給パイプを兼ねた版胴31の支軸
32は、その表面に複数の開孔32aを有し、この開孔
32aから流出するインキをインキローラー36とドク
ターローラー37との近接部に供給する。インキローラ
ー36の表面には、耐油性の弾性部材(フッ素ゴム、高
ニトリルゴム、樹脂等)からなる表面層36aが形成さ
れている。
【0041】版胴31の下方対向位置には、吸着ドラム
29と、この吸着ドラム29の外周面に吸着部材を供給
する吸着部材供給手段30とが配設されている。吸着ド
ラム29は、その外周面の一部が解放された円筒状を呈
しており、図示しない側板に揺動自在に保持された偏心
軸29aを支軸として回転自在に支持され、図示しない
駆動手段により版胴1及び版胴31と同じ周速度で反時
計回り方向に回転駆動される。吸着ドラム29の解放部
の両端には、押さえ爪46,47がそれぞれ回動可能に
配設されており、各押さえ爪46,47の先端部は、図
示しない付勢手段によって解放部の両端にそれぞれ付勢
されている。各押さえ爪46,47の支軸46a,47
aの軸端部には、図2に示すようにアーム48,48が
取り付けられ、その先端部には回転自在なカムフォロア
49が取り付けられている。また、孔版印刷装置本体側
の側板53には、移動自在なカム板54が配設されてい
る。カム板54は、側板53に対して摺動自在なガイド
棒54aと接続片54bとを有している。接続片54b
は、その自由端が曲折された略L字形状を呈しており、
自由端の先端部には、図示しない制御手段からの指令に
よりカム板54を移動させるソレノイド54cのプラン
ジャと、一端を孔版印刷装置本体に取り付けられた引張
バネ54dの他端とが取り付けられている。この構成に
より、カム板54は、通常時は引張バネ54dの付勢力
によって図の実線位置に置かれ、図示しない制御手段か
らの指令によってソレノイド54cが励磁したときに
は、図の二点鎖線位置に置かれる。カム板54が図の二
点鎖線位置を占めると、カム板54とカムフォロア4
9,49とが当接し、吸着ドラム29の回転に伴って押
さえ爪46,47が回動する。
【0042】吸着ドラム29の左下方には、吸着部材供
給手段30が配設されている。吸着部材供給手段30
は、芯材38bで回転自在に支持されたシートロール3
8aより引き出された吸着部材としての吸着シート38
を挟持して搬送する、駆動ローラー50aと従動ローラ
ー50bとからなる搬送ローラー対50と、図示しない
移動手段によって回転移動される上刃51aと固定の下
刃51bとからなる切断手段51と、図示しない揺動手
段に回転自在に支持され、吸着ドラム29の外周面と接
離自在な吸着部材押圧ローラー52とから主に構成され
ている。
【0043】吸着シート38はロール紙であり、その物
性は、特開平2−16053号公報第5頁右下欄第10
行ないし第12行に記載されたものと同様である。駆動
ローラー50aは、図示しないステッピングモーターに
より図1において反時計回り方向に回転駆動され、図示
しない付勢手段でその外周面を圧接された従動ローラー
50bと共に、吸着シート38を吸着ドラム29の外周
面に向けて搬送する。
【0044】版胴31及び吸着ドラム29の配設位置よ
り印刷用紙搬送方向下流側には、案内板61と第2の用
紙搬送手段としての搬送ベルト62が、また、その下流
側には、排紙トレイ60が配設されている。搬送ベルト
62は、駆動ローラー56、従動ローラー57、無端ベ
ルト58、吸引装置59から主に構成されている。排紙
トレイ60は、孔版印刷装置本体に取り付けられてい
る。
【0045】案内板61は、版胴31と吸着ドラム29
とで印刷され、剥離爪55で版胴31の外周面より剥離
された両面印刷済みの印刷用紙17を搬送ベルト62へ
案内する。駆動ローラー56は、駆動手段で版胴31の
周速度と略同じ周速度で回転駆動され、従動ローラー5
7は、図示しない側板やブラケットに回転自在に支持さ
れている。駆動ローラー56と従動ローラー57との間
には、表面に複数の開孔を有する無端ベルト58が張設
されており、駆動ローラー56の回転力により従動ロー
ラー57が回転し、無端ベルト58が図1に示す矢印方
向に移動する。吸引装置59は無端ベルト58の内側に
配設されており、駆動ローラー56の駆動時に作動して
空気を吸引する。搬送ベルト62は、両面印刷済みの印
刷用紙17を無端ベルト58の表面に吸着して、印刷用
紙17を排紙トレイ60へと搬送する。
【0046】以下、動作を説明する。図示しない原稿読
取部に原稿がセットされ、オペレーターによって製版ス
タートキーが押されることにより、版胴1が版胴駆動手
段によって回転駆動され、図示しない排版装置によって
使用済みマスタが版胴1の外周面より剥離される。その
後、版胴1は、クランパー4が真下に位置する給版待機
位置まで回転して停止する。図示しない開閉手段により
クランパー4が開放され、版胴1が給版待機状態となる
と、プラテンローラー13が回転を開始すると共に原稿
画像が読み取られ、原稿から読み取られた情報は、CC
D等で電気信号に変換された後、A/D変換器、制御装
置を経由してサーマルヘッド14の発熱素子にパルス状
に通電される。
【0047】プラテンローラー13によってマスタロー
ル15aより引き出されたマスタ15は、サーマルヘッ
ド14によって加熱溶融穿孔されつつ搬送される。そし
て、プラテンローラー13を駆動する図示しないステッ
ピングモーターのステップ数より、製版されたマスタ1
5の先端がステージ部3とクランパー4との間の所定位
置に届いたことを図示しない制御手段が判断すると、ク
ランパー4が開閉手段によって閉じられ、版胴1がマス
タ搬送速度と略同じ周速度で反時計回り方向に回転を開
始し、製版されたマスタ15を巻装する。そして、プラ
テンローラー13を駆動するステッピングモーターのス
テップ数より、1版分の製版が完了したと判断される
と、プラテンローラー13の回転が停止し、切断手段1
1によってマスタ15が切断される。切断されたマスタ
15は版胴1の回転によって引き出され、版胴1へのマ
スタ15の巻装が完了する。
【0048】版胴1へのマスタ15の巻装が完了する
と、原稿が原稿読取部に再度セットされ、オペレーター
によって製版スタートキーが再び押されることにより、
版胴31が版胴駆動手段によって回転駆動され、図示し
ない排版装置によって使用済みマスタが版胴31の外周
面より剥離される。その後、版胴31は、クランパー3
4が真上に位置する給版待機位置まで回転して停止し、
図示しない開閉手段によりクランパー34が開放されて
版胴31が給版待機状態となると、プラテンローラー4
3が回転を開始すると共に原稿画像が読み取られ、原稿
から読み取られた情報は、CCD等で電気信号に変換さ
れた後、A/D変換器、制御装置を経由してサーマルヘ
ッド44の発熱素子にパルス状に通電される。
【0049】プラテンローラー43によってマスタロー
ル45aより引き出されたマスタ45は、サーマルヘッ
ド44によって加熱溶融穿孔されつつ搬送され、プラテ
ンローラー43を駆動する図示しないステッピングモー
ターのステップ数より、製版されたマスタ45の先端が
ステージ部33とクランパー34との間の所定位置に届
いたことを図示しない制御手段が判断すると、クランパ
ー34が開閉手段によって閉じられ、版胴31がマスタ
搬送速度と略同じ周速度で時計回り方向に回転を開始し
て製版されたマスタ45を巻装する。そして、プラテン
ローラー43を駆動するステッピングモーターのステッ
プ数より、1版分の製版が完了したと判断されると、プ
ラテンローラー43の回転が停止し、切断手段41によ
ってマスタ45が切断される。切断されたマスタ45は
版胴31の回転によって引き出され、版胴31へのマス
タ45の巻装が完了する。
【0050】版胴31へのマスタ45の巻装が行われる
のと同時に、図示しない制御手段からの指令により、ソ
レノイド54cが励磁されると共に吸着ドラム29が回
転駆動され、押さえ爪46,47が回動することによ
り、吸着ドラム29の外周面より使用済みの吸着シート
38が剥離される。続いて、吸着ドラム29が所定の位
置まで回動した後、搬送ローラー対50が回転を開始し
て、吸着シート38が吸着ドラム29の外周面に向けて
搬送される。吸着ドラム29の外周面近傍まで搬送され
た吸着シート38は、吸着部材押圧ローラー52が揺動
することによって吸着ドラム29の外周面に押圧された
後、制御手段からの指令に従いソレノイド54cの励磁
状態が解除されることにより、その一端を押さえ爪47
で吸着ドラム29の外周面上に係止される。その後、吸
着ドラム29が回動してその外周面上に吸着シート38
を巻装し、搬送ローラー対50を駆動するステッピング
モーターのステップ数より所定長さの吸着シート38が
搬送されたことを図示しない制御手段が判断すると、切
断手段51が作動して吸着シート38を切断する。その
後も吸着ドラム29は回転を続け、その外周面上に吸着
シート38を巻装する。そして、制御手段からの指令に
従いソレノイド54cの励磁状態が解除されることによ
り、吸着シート38は、その他端を押さえ爪46で吸着
ドラム29の外周面上に係止されて、吸着ドラム29上
への吸着シート38の巻装が完了する。
【0051】版胴1及び版胴31へのマスタ15及びマ
スタ45の巻装が完了すると、図示しない給紙装置より
印刷用紙17が1枚だけ分離給送され、レジストローラ
ー対16でタイミングを取られた後、版胴1とプレスロ
ーラー18との間に給送される。このとき、第1センサ
ー19で印刷用紙17の先端が検知されると、第1セン
サー19より図示しない制御手段へ信号が送られ、制御
手段からの指令によってプレスローラー18が下降し、
印刷用紙17を版胴1の外周面に押圧する。この押圧に
より、インキ供給手段5から版胴1の内周面に供給され
たインキが図示しない版胴開孔部とマスタ15の穿孔部
とに充填された後、印刷用紙17へ転移する。インキを
転移された印刷用紙17は、剥離爪25によってその先
端部より版胴1の外周面より剥離されると共に、送風機
26からの送風によって無端ベルト23に押し付けられ
る。これにより印刷用紙17は、その先端部を剥離爪2
5より遠ざけられ、印刷用紙17が剥離爪25と接触す
ることによって引き起こされる爪跡汚れを防止してい
る。
【0052】搬送ベルト20は、吸引装置24によって
印刷用紙17の未印刷面を無端ベルト23上に吸着して
搬送し、版胴31と吸着ドラム29との間に印刷用紙1
7を搬送する。印刷用紙17が搬送されるまでは、吸着
ドラム29は、その外周面を版胴31の外周面と離間し
た位置に置かれている。搬送ベルト20によって印刷用
紙17が搬送され、印刷用紙17の先端が第2センサー
27で検知されると、吸着ドラム29は、図示しない揺
動手段によって揺動されてその外周面を版胴31の外周
面と当接させると共に、図示しない駆動手段によって版
胴31と同じ周速度で回転駆動される。版胴31と吸着
ドラム29との間に搬送された印刷用紙17の未印刷面
には、吸着ドラム29で版胴31に押圧されることよ
り、インキ供給手段35から版胴31の内周面に供給さ
れたインキが図示しない版胴開孔部とマスタ45の穿孔
部とに充填された後に転移する。印刷用紙17は、版胴
31でインキを供給されると共に、版胴1からインキを
供給された印刷面を吸着ドラム29に押圧されることに
より、版胴1から供給された余剰のインキを吸着シート
38に吸着される。
【0053】この後、両面を印刷された印刷用紙17
は、剥離爪55によってその先端部より版胴31の外周
面より剥離され、搬送ベルト62によって搬送され、排
紙トレイ60上に排出されて版付動作が完了する。搬送
ベルト62で印刷用紙17が搬送されるとき、無端ベル
ト58と当接する印刷用紙17の印刷面は吸着シート3
8によって余剰のインキが吸着されているので、印刷用
紙17の印刷面への擦り汚れの発生が防止される。ま
た、印刷用紙17が剥離爪55によって版胴31の外周
面より剥離された後、搬送ベルト62が印刷用紙17を
吸引しつつ搬送するので、印刷用紙17は、その版胴3
1よりインキを供給された面を剥離爪55より遠ざけら
れ、爪跡汚れが防止される。
【0054】図3は、本発明の第2の実施例を示す孔版
印刷装置要部の概略側面図である。この第2の実施例
は、吸着ドラム29に代えて押圧ドラム63を、また、
吸着部材供給手段30に代えてクリーニング手段64を
設けた点において第1の実施例と相違し、その他の第1
の実施例と同様の部位には同様の符号を付し、個々の詳
細な説明は省略する。
【0055】版胴31の下方対向位置には、外周面に低
摩擦係数部材からなる表面層63bを有する円筒状の押
圧ドラム63が配設されている。押圧ドラム63は、図
示しない側板に揺動自在に保持された偏心軸63aを支
軸として回転自在に支持され、図示しない駆動手段によ
り版胴1及び版胴31と同じ周速度で反時計回り方向に
回転駆動される。押圧ドラム63は、図示しない揺動手
段によって揺動され、その外周面を版胴31の外周面に
当接する図に実線で示す位置と、その外周面を版胴31
の外周面より離間する図に二点鎖線で示す位置とに、選
択的に位置決めされる。表面層63bは、四フッ化エチ
レン樹脂で形成されている。
【0056】押圧ドラム63の下方対向位置には、クリ
ーニング手段64が配設されている。クリーニング手段
64は、塗布ローラー65、絞りローラー66、第1掻
き取りブレード67、第2掻き取りブレード68、スト
レーナー69、タンク70、ポンプ71等から主に構成
され、押圧ドラム63の表面にクリーナー72を供給す
る。クリーニング手段64は、図示しない駆動手段によ
り、押圧ドラム63と連動して上下動するように構成さ
れている。
【0057】塗布ローラー65は、図示しない側板に回
転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転駆
動される。絞りローラー66は、図示しない側板に回転
自在に支持され、その外周面を塗布ローラー65の外周
面に所定の押圧力で圧接しており、塗布ローラー65の
回転に伴って従動回転される。絞りローラー66は、塗
布ローラー65の外周面にクリーナー72を供給する。
第1掻き取りブレード67は、その先端部を押圧ドラム
63の外周面と当接する位置に配設されており、押圧ド
ラム63の外周面から余分なクリーナーを除去する。第
2掻き取りブレード68は、その先端部を塗布ローラー
65の外周面と当接させて配設されており、塗布ローラ
ー65の外周面から余分なクリーナーを除去する。スト
レーナー69は、第1掻き取りブレード67及び第2掻
き取りブレード68によって除去されたクリーナー72
を濾過して、タンク70へと送る。タンク70に戻され
たクリーナー72は、ポンプ71でトレイ73に吸い上
げられ、絞りローラー66によって塗布ローラー65に
供給される。このとき、トレイ73の内部に設けられた
図示しない液面センサーによってポンプ71の作動が規
制され、常に一定量のクリーナー72が、タンク70よ
りトレイ73に供給されるように制御されている。クリ
ーナー72としては、ベンジン、灯油、軽油、ガソリン
等の石油類、あるいは中性洗剤等が用いられる。
【0058】以下、第2の実施例の動作を説明する。図
示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーター
によって製版スタートキーが押されると、第1の実施例
と同様に版胴1へのマスタ15の巻装が行われる。巻装
完了後、原稿が原稿読取部に再度セットされ、オペレー
ターによって製版スタートキーが再び押されると、版胴
31へのマスタ45の巻装が行われる。この巻装動作時
において、押圧ドラム63は、その外周面を版胴31の
外周面より離間した図の二点鎖線位置に位置決めされて
いる。巻装動作と並行して、ポンプ71が作動し、タン
ク70からトレイ73にクリーナー72を汲上げると共
に、図示しない駆動手段が作動して塗布ローラー65を
時計回り方向に回転させる。このとき、押圧ドラム63
も図示しない駆動手段によって反時計回り方向に回転駆
動されており、押圧ドラム63の外周面上にクリーナー
72が供給される。
【0059】版胴1及び版胴31へのマスタ15及びマ
スタ45の巻装が完了すると、図示しない給紙装置より
印刷用紙17が1枚だけ分離給送され、レジストローラ
ー対16でタイミングを取られた後、版胴1とプレスロ
ーラー18との間に給送される。このとき、第1センサ
ー19で印刷用紙17の先端が検知されると、第1セン
サー19より図示しない制御手段へ信号が送られ、制御
手段からの指令によってプレスローラー18が下降し、
印刷用紙17を版胴1の外周面に押圧する。この押圧に
より、インキ供給手段5から版胴1の内周面に供給され
たインキが図示しない版胴開孔部とマスタ15の穿孔部
とに充填された後、印刷用紙17へ転移する。インキを
転移された印刷用紙17は、剥離爪25によってその先
端部より版胴1の外周面より剥離されると共に、送風機
26からの送風によって無端ベルト23に押し付けられ
る。
【0060】搬送ベルト20は、吸引装置24によって
印刷用紙17の未印刷面を無端ベルト23上に吸着して
搬送し、版胴31と押圧ドラム63との間に印刷用紙1
7を搬送する。印刷用紙17が搬送されるまでは、押圧
ドラム63は、その外周面を版胴31の外周面と離間し
た位置に置かれている。搬送ベルト20によって印刷用
紙17が搬送され、印刷用紙17の先端が第2センサー
27で検知されると、押圧ドラム63は、図示しない揺
動手段によって揺動されてその外周面を版胴31の外周
面と当接させると共に、図示しない駆動手段によって版
胴31と同じ周速度で回転駆動される。版胴31と押圧
ドラム63との間に搬送された印刷用紙17の未印刷面
には、押圧ドラム63で版胴31に押圧されることよ
り、インキ供給手段35から版胴31の内周面に供給さ
れたインキが図示しない版胴開孔部とマスタ45の穿孔
部とに充填された後に転移する。印刷用紙17は、版胴
31でインキを供給されると共に、版胴1からインキを
供給された印刷面を押圧ドラム63に押圧されることに
より、版胴1から供給された余剰のインキを表面層63
bに吸着され、押圧ドラム63は、その表面層63bに
吸着したインキをクリーニング手段64によって連続的
に清掃される。
【0061】この後、両面を印刷された印刷用紙17
は、剥離爪55によってその先端部より版胴31の外周
面より剥離され、搬送ベルト62によって搬送され、排
紙トレイ60上に排出されて版付動作が完了する。搬送
ベルト62で印刷用紙17が搬送されるとき、無端ベル
ト58と当接する印刷用紙17の印刷面は表面層63b
によって余剰のインキが吸着されているので、印刷用紙
17の印刷面への擦り汚れの発生が防止される。
【0062】図4は、本発明の第3の実施例を示す孔版
印刷装置要部の概略側面図である。この第3の実施例
は、版胴31、インキ供給手段35、製版手段40、剥
離爪55等に代えて印刷済み用紙押圧手段としての第2
プレスローラー74を設けた点と、吸着ドラム29を支
持する支軸29bを図示しない側板に回転自在に支持さ
せた点において第1の実施例と相違し、その他の第1の
実施例と同様の部位には同様の符号を付し、個々の詳細
な説明は省略する。
【0063】第2プレスローラー74は、図示しない側
板に回転自在に支持された支軸74aに固着され、図4
に示すように、図示しない揺動手段によって揺動され
て、吸着ドラム29の外周面から離間した図の実線位置
と吸着ドラム29の外周面に当接する図の二点鎖線位置
とを選択的に占めるように構成されている。
【0064】以下、第3の実施例の動作を説明する。図
示しない原稿読取部に原稿がセットされ、オペレーター
によって製版スタートキーが押されることにより、版胴
1が版胴駆動手段によって回転駆動され、図示しない排
版装置によって使用済みマスタが版胴1の外周面より剥
離される。その後、版胴1は、クランパー4が真下に位
置する給版待機位置まで回転して停止する。図示しない
開閉手段によりクランパー4が開放され、版胴1が給版
待機状態となると、プラテンローラー13が回転を開始
すると共に原稿画像が読み取られ、原稿から読み取られ
た情報は、CCD等で電気信号に変換された後、A/D
変換器、制御装置を経由してサーマルヘッド14の発熱
素子にパルス状に通電される。
【0065】プラテンローラー13によってマスタロー
ル15aより引き出されたマスタ15は、サーマルヘッ
ド14によって加熱溶融穿孔されつつ搬送される。そし
て、プラテンローラー13を駆動する図示しないステッ
ピングモーターのステップ数より、製版されたマスタ1
5の先端がステージ部3とクランパー4との間の所定位
置に届いたことを図示しない制御手段が判断すると、ク
ランパー4が開閉手段によって閉じられ、版胴1がマス
タ搬送速度と略同じ周速度で反時計回り方向に回転を開
始し、製版されたマスタ15を巻装する。そして、プラ
テンローラー13を駆動するステッピングモーターのス
テップ数より、1版分の製版が完了したと判断される
と、プラテンローラー13の回転が停止し、切断手段1
1によってマスタ15が切断される。切断されたマスタ
15は版胴1の回転によって引き出され、版胴1へのマ
スタ15の巻装が完了する。
【0066】版胴1へのマスタ15の巻装が行われるの
と同時に、図示しない制御手段からの指令により、ソレ
ノイド54cが励磁されると共に吸着ドラム29が回転
駆動され、押さえ爪46,47が回動することにより、
吸着ドラム29の外周面より使用済みの吸着シート38
が剥離される。続いて、吸着ドラム29が所定の位置ま
で回動した後、搬送ローラー対50が回転を開始して、
吸着シート38が吸着ドラム29の外周面に向けて搬送
される。吸着ドラム29の外周面近傍まで搬送された吸
着シート38は、吸着部材押圧ローラー52が揺動する
ことによって吸着ドラム29の外周面に押圧された後、
制御手段からの指令に従いソレノイド54cの励磁状態
が解除されることにより、その一端を押さえ爪47で吸
着ドラム29の外周面上に係止される。その後、吸着ド
ラム29が回動してその外周面上に吸着シート38を巻
装し、搬送ローラー対50を駆動するステッピングモー
ターのステップ数より所定長さの吸着シート38が搬送
されたことを図示しない制御手段が判断すると、切断手
段51が作動して吸着シート38を切断する。その後も
吸着ドラム29は回転を続け、その外周面上に吸着シー
ト38を巻装する。そして、制御手段からの指令に従い
ソレノイド54cの励磁状態が解除されることにより、
吸着シート38は、その他端を押さえ爪46で吸着ドラ
ム29の外周面上に係止されて、吸着ドラム29上への
吸着シート38の巻装が完了する。
【0067】版胴1へのマスタ15の巻装が完了する
と、図示しない給紙装置より印刷用紙17が1枚だけ分
離給送され、レジストローラー対16でタイミングを取
られた後、版胴1とプレスローラー18との間に給送さ
れる。このとき、第1センサー19で印刷用紙17の先
端が検知されると、第1センサー19より図示しない制
御手段へ信号が送られ、制御手段からの指令によってプ
レスローラー18が下降し、印刷用紙17を版胴1の外
周面に押圧する。この押圧により、インキ供給手段5か
ら版胴1の内周面に供給されたインキが図示しない版胴
開孔部とマスタ15の穿孔部とに充填された後、印刷用
紙17へ転移する。インキを転移された印刷用紙17
は、剥離爪25によってその先端部より版胴1の外周面
より剥離されると共に、送風機26からの送風によって
無端ベルト23に押し付けられる。
【0068】搬送ベルト20は、吸引装置24によって
印刷用紙17の非印刷面を無端ベルト23上に吸着して
搬送し、第2プレスローラー74と吸着ドラム29との
間に印刷用紙17を搬送する。印刷用紙17が搬送され
るまでは、第2プレスローラー74は、その外周面を吸
着ドラム29の外周面と離間した図の実線位置に置かれ
ている。搬送ベルト20によって印刷用紙17が搬送さ
れ、印刷用紙17の先端が第2センサー27で検知され
ると、第2プレスローラー74は、図示しない揺動手段
によって揺動されてその外周面を吸着ドラム29の外周
面と当接させる。第2プレスローラー74と吸着ドラム
29との間に搬送された印刷用紙17は、第2プレスロ
ーラー74で押圧されることより、版胴1からインキを
供給された印刷面を吸着ドラム29に押圧され、版胴1
から供給された余剰のインキを吸着シート38に吸着さ
れる。
【0069】この後、印刷用紙17は、案内板61で案
内された後、搬送ベルト62によって搬送され、排紙ト
レイ60上に排出されて版付動作が完了する。印刷用紙
17の印刷面は吸着シート38によって余剰のインキが
吸着されているので、次の印刷用紙が前の印刷用紙17
の上に積載されても、次の印刷用紙の印刷面のインキが
前の印刷用紙17の裏面に転写しないので、印刷用紙1
7への裏写りの発生が防止される。
【0070】第1ないし第3の実施例の変形例として、
図5(a),(b)に示すように、吸着ドラム29ある
いは押圧ドラム63の内部に加熱手段としてのヒーター
75を設け、このヒーター75の温度を、温度制御手段
76で制御する構成としてもよい。このように構成する
ことにより、各ドラムに接触する印刷用紙17の印刷面
に形成された画像部の温度を上昇させ、インキの流動性
を向上させることにより、印刷用紙17上に供給された
余剰のインキを印刷用紙17に押し込むと共に、インキ
の吸収乾燥を促進して、擦り汚れや裏写りの発生をより
一層防止することができる。また、ヒーター75と温度
制御手段76に代えて、吸着ドラム29あるいは押圧ド
ラム63の端面に取り付けられた図示しないフランジに
開口部を形成し、この開口部を通して、孔版印刷装置本
体に設けた図示しない温風器から温風を送風する構成と
しても、同様の作用効果が得られる。
【0071】第1または第3の実施例の変形例として、
吸着シート38に代えて、和紙繊維あるいは和紙繊維と
合成繊維とを混抄したものからなる吸着シートを用いて
もよい。このような構成とすることにより、吸着シート
に転移した余剰のインキが速やかに吸着され、擦り汚れ
や裏写りの発生をより一層防止することができると共
に、コストダウンを図ることができる。
【0072】さらに、第1または第3の実施例の変形例
として、図6に示すように、搬送ローラー対50の下方
に疎水性部材塗布手段77を配設した構成、あるいは、
図7に示すように、吸着ドラム29の下方に疎水性部材
塗布手段77を配設した構成としてもよい。疎水性部材
塗布手段77は、ケース78と、ローラー79と、疎水
性部材80とから主に構成されている。ケース78は、
孔版印刷装置本体に着脱自在に取り付けられており、内
部に疎水性部材80を貯容する。ローラー79は、ケー
ス78に回転自在に支持されており、ケース78が所定
位置に取り付けられたときに従動ローラー50bと、あ
るいは、吸着ドラム29と圧接して連れ回りする。疎水
性部材80としては、ジメチルクロロシラン等が用いら
れる。このような構成とすることにより、吸着シート3
8の疎水性が向上するので、吸着シート38のインキ吸
着性が向上し、擦り汚れや裏写りの発生をより一層防止
することができる。また、疎水性部材塗布手段77を設
ける代わりに、シートロール38aに代えて、疎水性部
材を含浸する等して疎水化処理を施したシートロールを
用いても、同様の作用効果が得られる。
【0073】さらに、第1または第3の実施例の変形例
として、吸着ドラム29と吸着部材供給手段30に代え
て、図8に示すように、その内部に回転駆動される吸着
部材供給ローラー81と吸着部材巻取ローラー82とを
備え、各ローラー81,82を回転駆動させて、吸着シ
ート38を使用する分だけその外周面上に供給するよう
に構成した吸着ドラム83を用いてもよい。
【0074】第1ないし第3の実施例では、第1の剥離
手段として剥離爪25を、また、第2の剥離手段として
剥離爪55を用いたが、各剥離爪25,55に代えて、
送風ファン等からなる剥離手段を用いてもよい。また、
第1ないし第3の実施例では、第2の用紙搬送手段とし
て印刷用紙17を吸着搬送する搬送ベルト62を用いた
が、これに代えて、実開昭59−59362号公報に開
示されているフリーローラーを具備した用紙搬送手段や
搬送コロ対を具備した用紙搬送手段、あるいは特開昭6
0−148864号公報に開示されているジャンプ板を
具備した用紙搬送手段等を用いてもよい。さらに、搬送
ベルト62を省略して、案内板61を排紙トレイ60の
上方まで延長して搬送手段を構成してもよい。
【0075】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1の版
胴で第1の面を印刷された印刷用紙は、第1の剥離手段
で第1の版胴より剥離されて第1の用紙搬送手段で搬送
され、第2の版胴で第2の面を印刷されると共に、吸着
部材によって第1の面から余剰のインキを除去され、第
2の剥離手段で第2の版胴より剥離された後、第2の搬
送手段で排紙トレイに排出されるので、余剰のインキが
付着した印刷面を搬送手段と当接することが防止され、
擦り汚れの発生を防止することができる。
【0076】請求項2記載の発明によれば、第1の版胴
で第1の面を印刷された印刷用紙は、第1の剥離手段で
第1の版胴より剥離されて第1の用紙搬送手段で搬送さ
れ、第2の版胴で第2の面を印刷されると共に、押圧ド
ラムによって第1の面から余剰のインキを除去され、第
2の剥離手段で第2の版胴より剥離された後、第2の搬
送手段で排紙トレイに排出されるので、余剰のインキが
付着した印刷面を搬送手段と当接することが防止され、
擦り汚れの発生を防止することができる。
【0077】請求項3記載の発明によれば、第1の版胴
で第1の面を印刷された印刷用紙は、第1の剥離手段で
第1の版胴より剥離されて第1の用紙搬送手段で搬送さ
れ、第2の版胴で第2の面を印刷されると共に、低摩擦
係数部材からなる表面層が形成された押圧ドラムによっ
て第1の面から余剰のインキを除去され、第2の剥離手
段で第2の版胴より剥離された後、第2の搬送手段で排
紙トレイに排出されるので、余剰のインキが付着した印
刷面を搬送手段と当接することが防止され、擦り汚れの
発生を防止することができ、かつ、押圧ドラムの外周面
に付着するインキ量が減少して、クリーニング手段での
押圧ドラム外周面の清掃を容易に行うことができ、クリ
ーナーの劣化を防止することができる。
【0078】請求項4記載の発明によれば、押圧ドラム
が加熱され、押圧ドラムと当接する印刷用紙の第1の面
の温度が上昇するので、印刷用紙の印刷面に形成された
画像部の温度が上昇し、インキの流動性が向上すること
により、印刷用紙上に供給された余剰のインキを印刷用
紙に押し込むと共に、インキの吸収乾燥を促進して、擦
り汚れの発生をより一層防止することができる。
【0079】請求項5記載の発明によれば、印刷用紙に
転移した余剰のインキは、印刷済み用紙が印刷済み用紙
押圧手段によって吸着ドラムに押圧されることにより、
吸着部材に吸着されるので、排紙トレイに排出された印
刷済み用紙上に次の印刷済み用紙が積載されても、前の
印刷済み用紙の裏面に次の印刷済み用紙のインキが転移
せず、裏写りの発生を防止することができる。
【0080】請求項6記載の発明によれば、印刷用紙に
転移した余剰のインキは、和紙繊維あるいは和紙繊維と
合成繊維とを混抄したものからなる吸着部材に吸着され
るので、吸着部材に転移した余剰のインキが速やかに吸
着され、擦り汚れや裏写りの発生をより一層防止するこ
とができると共にコストダウンを図ることができる。
【0081】請求項7記載の発明によれば、疎水性部材
塗布手段が、吸着部材に対し疎水性部材を付与するの
で、吸着部材のインキ吸着性が向上し、擦り汚れや裏写
りの発生をより一層防止することができる。
【0082】請求項8記載の発明によれば、吸着部材に
は疎水化処理が施されているので、吸着部材のインキ吸
着性が向上し、擦り汚れや裏写りの発生をより一層防止
することができる。
【0083】請求項9記載の発明によれば、印刷用紙に
転移した余剰のインキは、疎水化処理を施された和紙繊
維あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものからな
る吸着部材に吸着されるので、吸着部材のインキ吸着性
が向上し、擦り汚れや裏写りの発生をより一層防止する
ことができる。
【0084】請求項10記載の発明によれば、吸着ドラ
ムが加熱され、吸着ドラムと当接する印刷用紙の面の温
度が上昇するので、印刷用紙の印刷面に形成された画像
部の温度が上昇し、インキの流動性が向上することによ
り、印刷用紙上に供給された余剰のインキを印刷用紙に
押し込むと共に、インキの吸収乾燥を促進して、擦り汚
れや裏写りの発生をより一層防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置
要部の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例を説明する部分側面図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施例を採用した孔版印刷装置
要部の概略側面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を採用した孔版印刷装置
要部の概略側面図である。
【図5】本発明の(a)第1または第3の実施例の変形
例に用いられる吸着ドラムを、(b)第2の実施例の変
形例に用いられる押圧ドラムをそれぞれ説明する図であ
る。
【図6】本発明の第1または第3の実施例の変形例を説
明する図である。
【図7】本発明の第1または第3の実施例の変形例を説
明する図である。
【図8】本発明の第1または第3の実施例の変形例を説
明する図である。
【符号の説明】
1 第1の版胴 5 第1のインキ供給手段 17 印刷用紙 18 押圧部材(プレスローラー) 20 第1の用紙搬送手段(搬送ベルト) 25 第1の剥離爪 29,83 吸着ドラム 31 第2の版胴 35 第2のインキ供給手段 38 吸着部材(吸着シート) 55 第2の剥離爪 60 排紙トレイ 62 第2の用紙搬送手段(搬送ベルト) 63 押圧ドラム 63b 表面層 64 クリーニング手段 65 塗布ローラー 66 絞りローラー 72 クリーナー 75 加熱手段(ヒーター) 76 温度制御手段 77 疎水性部材塗布手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性で回転自在な第1の版胴と、 第1の版胴の内部に設けられ、第1の版胴の内周面にイ
    ンキを供給する第1のインキ供給手段と、 第1の版胴の外周面に対して接離自在に設けられ、給送
    された印刷用紙を第1の版胴の外周面に押圧して、第1
    のインキ供給手段から供給されたインキをこの印刷用紙
    の第1の面に転移させる回転自在な押圧部材と、 第1の版胴の外周面近傍に回動自在に配設され、前記印
    刷用紙を第1の版胴の外周面より剥離させる第1の剥離
    手段と、 第1の版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に設けら
    れた多孔性で回転自在な円筒体であって、その外周面
    が、前記印刷用紙の第2の面と対向するように配設され
    た第2の版胴と、 第2の版胴の内部に設けられ、第2の版胴の内周面にイ
    ンキを供給する第2のインキ供給手段と、 第2の版胴の外周面近傍に回動自在に配設され、前記印
    刷用紙を第2の版胴の外周面より剥離させる第2の剥離
    手段と、 その外周面を第2の版胴の外周面に対して接離自在に設
    けられ、インキを吸着する吸着部材をその外周面上に巻
    装した吸着ドラムと、 第1の版胴配設位置と第2の版胴配設位置との間の位置
    に設けられ、第1の版胴によって第1の面に印刷がなさ
    れた前記印刷用紙を、前記第1の面が前記吸着ドラムの
    外周面と対向するように、前記吸着ドラムと第2の版胴
    との間に向けて搬送する第1の用紙搬送手段と、 第2の版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に設けら
    れ、第2の版胴によって第2の面に印刷がなされた前記
    印刷用紙を排紙トレイに向けて搬送する第2の用紙搬送
    手段とを具備し、 第1の版胴で前記印刷用紙の第1の面が印刷された後、
    その印刷用紙を第1の用紙搬送手段で搬送し、前記印刷
    用紙が第2の版胴と前記吸着ドラムとの間に搬送された
    ときに、前記吸着ドラムの外周面を第2の版胴の外周面
    に当接させて前記印刷用紙の第2の面に印刷を行うと共
    に、第1の版胴より前記印刷用紙の第1の面に供給され
    た余剰のインキを前記吸着部材によって吸着した後、第
    2の剥離手段によって両面印刷済みの前記印刷用紙を第
    2の版胴の外周面より剥離し、剥離された前記印刷用紙
    を第2の用紙搬送手段で搬送して前記排紙トレイに排出
    することを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】多孔性で回転自在な第1の版胴と、 第1の版胴の内部に設けられ、第1の版胴の内周面にイ
    ンキを供給する第1のインキ供給手段と、 第1の版胴の外周面に対して接離自在に設けられ、給送
    された印刷用紙を第1の版胴の外周面に押圧して、第1
    のインキ供給手段から供給されたインキをこの印刷用紙
    の第1の面に転移させる回転自在な押圧部材と、 第1の版胴の外周面近傍に回動自在に配設され、前記印
    刷用紙を第1の版胴の外周面より剥離させる第1の剥離
    手段と、 第1の版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に設けら
    れた多孔性で回転自在な円筒体であって、その外周面
    が、前記印刷用紙の第2の面と対向するように配設され
    た第2の版胴と、 第2の版胴の内部に設けられ、第2の版胴の内周面にイ
    ンキを供給する第2のインキ供給手段と、 第2の版胴の外周面近傍に回動自在に配設され、前記印
    刷用紙を第2の版胴の外周面より剥離させる第2の剥離
    手段と、 その外周面を第2の版胴の外周面に対して接離自在に設
    けられ、その外周面でインキを吸着する押圧ドラムと、 前記押圧ドラムの外周面近傍に設けられた、前記押圧ド
    ラムの外周面を清掃するクリーニング手段と、 第1の版胴配設位置と第2の版胴配設位置との間の位置
    に設けられ、第1の版胴によって第1の面に印刷がなさ
    れた前記印刷用紙を、前記第1の面が前記押圧ドラムの
    外周面と対向するように、前記押圧ドラムと第2の版胴
    との間に向けて搬送する第1の用紙搬送手段と、 第2の版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に設けら
    れ、第2の版胴によって第2の面に印刷がなされた前記
    印刷用紙を排紙トレイに向けて搬送する第2の用紙搬送
    手段とを具備し、 第1の版胴で前記印刷用紙の第1の面が印刷された後、
    その印刷用紙を第1の用紙搬送手段で搬送し、前記印刷
    用紙が第2の版胴と前記押圧ドラムとの間に搬送された
    ときに、前記押圧ドラムの外周面を第2の版胴の外周面
    に当接させて前記印刷用紙の第2の面に印刷を行うと共
    に、第1の版胴より前記印刷用紙の第1の面に供給され
    た余剰のインキを、前記押圧ドラムの外周面によって吸
    着した後、第2の剥離手段によって両面印刷済みの前記
    印刷用紙を第2の版胴の外周面より剥離し、剥離された
    前記印刷用紙を第2の用紙搬送手段で搬送して前記排紙
    トレイに排出することを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】前記押圧ドラムの外周面には、低摩擦係数
    部材からなる表面層が形成されていることを特徴とする
    請求項2記載の孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】前記押圧ドラムを加熱する加熱手段と、前
    記加熱手段の加熱温度を制御する温度制御手段とを具備
    したことを特徴とする請求項2または請求項3記載の孔
    版印刷装置。
  5. 【請求項5】多孔性で回転自在な版胴と、前記版胴の内
    部に設けられ、前記版胴の内周面にインキを供給するイ
    ンキ供給手段と、前記版胴の外周面に対して接離自在に
    設けられた押圧部材とを具備し、製版済みマスタを前記
    版胴に巻装した後、給送された印刷用紙を前記押圧部材
    によって前記版胴のマスタに押圧し、印刷用紙に印刷を
    行う孔版印刷装置において、 前記版胴配設位置の印刷用紙搬送方向下流側に設けら
    れ、前記版胴より前記印刷用紙に供給されたインキのう
    ちの余剰分を吸着する吸着部材を、その外周面上に巻装
    した吸着ドラムと、 前記版胴配設位置と前記吸着ドラム配設位置との間の位
    置に設けられ、インキを転写された印刷済み用紙を、そ
    の印刷面が前記吸着ドラムの外周面と対向するように前
    記吸着ドラムに向けて搬送する印刷済み用紙搬送手段
    と、 前記吸着ドラムの外周面に対して接離自在に設けられ、
    前記印刷済み用紙搬送手段によって搬送される前記印刷
    済み用紙を前記吸着ドラムに押圧する印刷済み用紙押圧
    手段とを具備したことを特徴とする孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】前記吸着部材が、和紙繊維あるいは和紙繊
    維と合成繊維とを混抄したものからなることを特徴とす
    る請求項1または請求項5記載の孔版印刷装置に用いら
    れる吸着部材。
  7. 【請求項7】前記吸着部材に疎水性を付与する疎水性部
    材塗布手段を具備したことを特徴とする請求項1または
    請求項5記載の孔版印刷装置。
  8. 【請求項8】前記吸着部材に、疎水化処理が施されてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項5記載の孔版
    印刷装置に用いられる吸着部材。
  9. 【請求項9】疎水化処理が施されていることを特徴とす
    る請求項6記載の吸着部材。
  10. 【請求項10】前記吸着ドラムを加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段の加熱温度を制御する温度制御手段とを具
    備したことを特徴とする請求項1または請求項5記載の
    孔版印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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