JPH10147052A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JPH10147052A
JPH10147052A JP8308976A JP30897696A JPH10147052A JP H10147052 A JPH10147052 A JP H10147052A JP 8308976 A JP8308976 A JP 8308976A JP 30897696 A JP30897696 A JP 30897696A JP H10147052 A JPH10147052 A JP H10147052A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
paper
plate
plate cylinder
unit
Prior art date
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Pending
Application number
JP8308976A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Nemoto
雄介 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1回の通紙で両面印刷が可能であると共に、
コストアップすることなく片面印刷を行うことができる
孔版印刷装置を提供する。 【解決手段】 第1の版胴59と第1の押圧部材60と
第1の用紙搬送手段84,85,86と排紙トレイ52
とを有する第1の印刷ユニット2と、第2の版胴105
と第2の押圧部材106と第2の用紙搬送手段124と
を有する第2の印刷ユニット10とを具備し、片面印刷
時には第1の印刷ユニットのみを用い、両面印刷時には
第1の印刷ユニットと第2の印刷ユニットとを用いる孔
版印刷装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穿孔されたマスタ
を巻装して両面印刷あるいは片面印刷を行う孔版印刷装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔性の支持円筒体に樹脂あるいは金属
網体のメッシュスクリーンを複数層巻装した構成の回転
自在な版胴と、熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜3μm
程度のものが一般的である)に和紙繊維または合成繊維
あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものからなる
多孔性支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタと
を用い、マスタの熱可塑性樹脂フィルム面をサーマルヘ
ッドで加熱穿孔製版した後に版胴に巻装し、版胴内部に
設けられたインキ供給手段より版胴の内周面にインキを
供給して、圧胴等の押圧部材で印刷用紙を版胴に押圧す
ることにより、版胴開孔部、マスタ穿孔部より滲出した
インキを印刷用紙に転写させて印刷を行うデジタル式感
熱孔版印刷がよく知られている。
【0003】この孔版印刷においては、近年、印刷用紙
の節約あるいはファイルの増大防止等の理由により、印
刷用紙の両面に印刷を行う両面印刷が増加する傾向にあ
る。この両面印刷を通常の印刷装置を用いて行う場合に
は、給紙部に積載した印刷用紙を印刷部に給送し、一面
に印刷を行った後に印刷用紙を裏返して再度印刷部に給
送し、他面に印刷を行うことで両面印刷物が得られるわ
けであるが、一度排紙された印刷用紙を再度給紙部にセ
ットしたり、片面印刷後の印刷用紙を揃える等の作業が
面倒であるという問題点があった。
【0004】また、印刷終了後の印刷物はインキが十分
に乾燥しておらず、すぐに裏面に印刷を行おうとすると
搬送ローラーや押圧部材等が画像部に押し付けられて印
刷画像が汚れたり乱れたりするため、大抵の場合、数時
間以上経過してから裏面への印刷を行い、特にベタ画像
部がある場合には長時間の乾燥が必要で、翌日になって
から裏面への印刷が行われていた。
【0005】このように両面印刷においては、印刷用紙
の裏面に印刷を行うまでに長時間印刷用紙を乾燥させね
ばならず、しかも2回の給紙動作を行うので、時間がか
かりすぎるという問題点があった。
【0006】そこで、一対の版胴を対向配置し、各版胴
同士を互いに圧接させることにより1工程で印刷用紙の
両面に印刷画像を転写させる技術が、例えば特開平6−
71996号公報、特開平6−135111号公報に、
また、版胴と押圧部材とを2組設け、1回の通紙で印刷
用紙の両面に印刷画像を転写させる技術が、例えば特開
平8−90893号公報に、さらに、印刷工程部と電子
写真プロセス部とを設け、1回の通紙で用紙の両面に画
像を形成する技術が、例えば特開平8−192564号
公報にそれぞれ開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−7
1996号公報、特開平6−135111号公報に開示
された技術では版胴同士を圧接させて画像の転写を行っ
ているため、通常の版胴と押圧部材との圧接による画像
と同程度の画像を得ることが難しく、また、片面印刷時
には一方の版胴に未製版マスタを巻装しなくてはなら
ず、マスタのムダ遣いによりコストアップしてしまうと
いう問題点がある。
【0008】また、特開平8−90893号公報に開示
された技術でも片面印刷時には一方の版胴に未製版マス
タを巻装する必要が生じコストアップしてしまい、特開
平8−192564号公報に開示された技術で片面印刷
を行う場合には、給紙トレイあるいは排紙トレイを2つ
設ける必要があり、コストアップしてしまうと共に装置
の設置スペースが増大してしまう。
【0009】本発明は、上記問題点を解決し、1回の通
紙で両面印刷が可能であると共に、コストアップするこ
となく片面印刷を行うことができる孔版印刷装置の提供
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
第1の版胴と、第1の版胴の外周面に印刷用紙の一方の
面を押圧する第1の押圧部材と、前記印刷用紙を貯容す
る給紙トレイと、前記給紙トレイから第1の版胴と第1
の押圧部材との間に向けて印刷用紙を搬送するための第
1の用紙搬送手段と、印刷済みの前記印刷用紙を積載す
る排紙トレイとを有する第1の印刷ユニットと、第2の
版胴と、第2の版胴の外周面に印刷用紙の他方の面を押
圧する第2の押圧部材と、前記印刷用紙を反転させた状
態で搬送するための第2の用紙搬送手段とを有し、第1
の印刷ユニットに接続可能な第2の印刷ユニットとを具
備し、片面印刷時には第1の印刷ユニットのみを用い、
前記給紙トレイから第1の用紙搬送手段を介して前記印
刷用紙を第1の版胴と第1の押圧部材との間に送り、前
記印刷用紙の一方の面に印刷画像を転写した後に前記排
紙トレイに排出し、両面印刷時には第1の印刷ユニット
に第2の印刷ユニットを接続させ、前記給紙トレイから
第2の版胴と第2の押圧部材との間に前記印刷用紙を送
り、前記印刷用紙の他方の面に印刷画像を転写した後に
該印刷用紙を第2の用紙搬送手段で反転させて搬送し、
第1の印刷ユニットで一方の面に印刷画像を転写させた
後、前記印刷用紙を前記排紙トレイに排出することを特
徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、第1の版胴と、第
1の版胴の外周面に印刷用紙の一方の面を押圧する第1
の押圧部材と、前記印刷用紙を貯容する給紙トレイと、
前記給紙トレイから第1の版胴と第1の押圧部材との間
に向けて印刷用紙を搬送するための第1の用紙搬送手段
と、印刷済みの前記印刷用紙を積載する排紙トレイとを
有する第1の印刷ユニットと、第2の版胴と、第2の版
胴の外周面に印刷用紙の他方の面を押圧する第2の押圧
部材と、前記印刷用紙を反転させた状態で搬送するため
の第2の用紙搬送手段とを有し、第1の印刷ユニットに
隣接して配設された第2の印刷ユニットと、前記給紙ト
レイからの前記印刷用紙が第1の用紙搬送手段に向かう
第1の位置と、該印刷用紙が第2の版胴と第2の押圧部
材との間に向かう第2の位置とを選択的に占める切換手
段とを具備し、片面印刷時には前記切換手段を第1の位
置に位置決めし、前記給紙トレイから第1の用紙搬送手
段を介して前記印刷用紙を第1の版胴と第1の押圧部材
との間に送り、前記印刷用紙の一方の面に印刷画像を転
写した後に前記排紙トレイに排出し、両面印刷時には前
記切換手段を第2の位置に位置決めし、前記給紙トレイ
から第2の版胴と第2の押圧部材との間に前記印刷用紙
を送り、前記印刷用紙の他方の面に印刷画像を転写した
後に該印刷用紙を第2の用紙搬送手段で反転させて搬送
し、第1の印刷ユニットで一方の面に印刷画像を転写さ
せた後、前記印刷用紙を前記排紙トレイに排出すること
を特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の孔版印刷装置において、さらに、第1及び
第2の用紙搬送手段が前記印刷用紙の搬送を幇助する搬
送補助部材をそれぞれ有することを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1、請求項
2または請求項3記載の孔版印刷装置において、さら
に、第2の用紙搬送手段が前記印刷用紙の他方の面に転
写された前記印刷画像の再転写を防止する再転写防止手
段を有することを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1ないし請
求項4のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに、前記給紙トレイがフロントローディング機
構であることを特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1ないし請
求項5のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに、第1及び第2の押圧部材の表面をクリーニ
ングするクリーニング手段を有することを特徴とする。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例を採用した孔
版印刷装置の概略側面図である。同図において、孔版印
刷装置1は、画像読取部3、給紙部4、製版部5、排版
部6、排紙部7、印刷部8、第1の用紙搬送手段として
の用紙搬送部9等を有する第1の印刷ユニットとしての
印刷ユニット2と、印刷ユニット2に接続された、製版
部11、排版部12、印刷部13、第2の用紙搬送手段
としての用紙搬送部14等を有する第2の印刷ユニット
としての印刷ユニット10とから構成されている。
【0017】印刷ユニット2の筐体15の上部には画像
読取部3が配設されている。画像読取部3は、原稿16
を積載する原稿受け台17、原稿16を載置するコンタ
クトガラス18、原稿16を搬送する原稿搬送ローラー
対19及び原稿搬送ローラー20、搬送される原稿16
をガイドするガイド板21,22、原稿16をコンタク
トガラス18に沿って搬送する原稿搬送ベルト23、読
み取られた原稿16の排出方向を切り換える切換板2
4、原稿画像を走査して読み取るための反射ミラー2
5,26及び蛍光灯27、走査された画像を集束するレ
ンズ28、集束された画像を処理するCCD等の画像セ
ンサー29等から主に構成されている。
【0018】筐体15の内部下方には給紙部4が配設さ
れている。給紙部4は、印刷用紙Pを積載し、筐体15
の図示しない扉を開けることによってフロントローディ
ング可能に設けられた給紙トレイ30、印刷用紙Pを1
枚ずつ給送する給紙コロ31等から主に構成されてい
る。筐体15の、給紙部4の右方に位置する部位には、
後述する印刷ユニット10が接続されたときに印刷用紙
Pの用紙搬送経路を形成するための開口15aが設けら
れている。
【0019】筐体15の右辺上段には製版部5が配設さ
れている。製版部5は、マスタ32をロール状に巻成し
てなるマスタロール33、マスタ32を加熱穿孔製版す
るサーマルヘッド34、マスタ32をサーマルヘッド3
4に押圧しつつ搬送するプラテンローラー35、マスタ
32を切断する切断手段36、マスタ32を搬送するマ
スタ搬送ローラー対37,38等から主に構成されてい
る。
【0020】マスタロール33は、その芯部33aを図
示しない支持手段に回転自在に支持されている。プラテ
ンローラー35は、図示しないステッピングモーターに
よって回転駆動される。切断手段36は、可動刃36a
が固定刃36bに対して回転移動あるいは上下動する。
【0021】筐体15の左辺上段には排版部6が配設さ
れている。排版部6は、上排版部材39、下排版部材4
0、排版ボックス41、圧縮板42等から主に構成され
ている。
【0022】上排版部材39は、駆動ローラー43、従
動ローラー44、無端ベルト45から構成され、駆動ロ
ーラー43が図1において時計回り方向に回転すること
により無端ベルト45が図の矢印方向に移動する。下排
版部材40も上排版部材39と同様に駆動ローラー4
6、従動ローラー47、無端ベルト48から構成されて
おり、駆動ローラー46が図1において反時計回り方向
に回転することにより無端ベルト48が図の矢印方向に
移動する。また、下排版部材40は図示しない移動手段
によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と
駆動ローラー46の外周面が後述する版胴59の外周面
に当接する位置とに選択的に位置決めされる。印刷済み
マスタを貯容する排版ボックス41は、筐体15に対し
て着脱自在に設けられている。排版ボックス41の内部
に印刷済みマスタを押し込む圧縮板42は、図示しない
昇降手段によって上下動自在に支持されている。
【0023】排版部6の下方には排紙部7が配設されて
いる。排紙部7は、剥離爪49、排紙搬送部材51、排
紙トレイ52等から主に構成されている。
【0024】圧胴60の外周面上より印刷済みの印刷用
紙Pを剥離する剥離爪49は、筐体15の図示しない側
板に固着されており、その先端が圧胴60の外周面に近
接するように配設されている。駆動ローラー53、従動
ローラー54、無端ベルト55、吸引ファン56から構
成される排紙搬送部材51は、吸引ファン56の吸引力
によって無端ベルト55上に印刷用紙Pを吸引し、駆動
ローラー53の回転によって印刷用紙Pを図1の矢印方
向に搬送する。排紙搬送部材51によって搬送される印
刷用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ52は、印刷
用紙Pの幅方向(印刷用紙Pの搬送方向と直交する方
向)に移動自在な一対のサイドフェンス57とエンドフ
ェンス58とを有しており、折り畳むことによって筐体
15の内部に収納可能に構成されている。
【0025】筐体15の上部中央には印刷部8が配設さ
れている。印刷部8は、図2にも示すように、第1の版
胴としての版胴59、第1の押圧部材としての圧胴60
から主に構成されている。
【0026】インキ供給パイプを兼ねた支軸61で回転
自在に支持された版胴59は、その外周面上に製版済み
のマスタ32を挟持するためのステージ部62とクラン
パー63とを有している。クランパー63は軸63aで
版胴59の外周面上に枢着され、図示しない開閉手段に
よって回動される。また、版胴59の外周面には図示し
ない網目状の開孔部が形成されており、後述するインキ
供給手段より供給されたインキはこの開孔部より滲出
し、マスタ32の穿孔部を通過して印刷用紙Pに転写す
る。
【0027】版胴59の内部にはインキ供給手段64が
配設されている。インキ供給手段64は、インキローラ
ー65とドクターローラー66とから主に構成されてい
る。インキローラー65は、その外周面が版胴59の内
周面と僅かな間隙を保つように支軸65aで版胴59内
の図示しない側板に回転自在に支持されており、版胴5
9を駆動する図示しない版胴駆動手段からの駆動力をギ
ヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段で伝達される
ことにより、版胴59と同期して同方向に回転駆動され
る。ドクターローラー66は、その外周面とインキロー
ラー65の外周面との間に僅かな間隙が生じるように、
版胴59内の図示しない側板に回転自在に支持されてお
り、図示しない駆動力伝達手段からの駆動力によってイ
ンキローラー65とは逆方向に回転駆動される。インキ
ローラー65とドクターローラー66との近接部に、支
軸61に取り付けられたインキパイプ67を通ったイン
キが供給されることにより楔状のインキ溜まり68が形
成され、このインキがインキローラー65の外周面上に
インキの薄層を形成する。そして、このインキがインキ
ローラー65及び版胴59の回転に伴って版胴59の内
周面に供給される。
【0028】版胴59の下方には、版胴59と接離自在
かつ回転自在に設けられた圧胴60が配設されている。
圧胴60は、その表面に耐油性合成ゴム等の弾性部材を
貼着され、図3に示すように、軸受69,69を介して
圧胴軸70によって回転自在に支持されている。圧胴軸
70の両端には、その偏心位置に偏心軸70a,70a
が一体的に設けられている。
【0029】圧胴60の周面の一部には凹部60aが形
成されており、凹部60aの内部にはくわえ爪軸71a
に固着されたくわえ爪71が配設されている。くわえ爪
軸71aは圧胴60の側端部に回動自在に支持されてお
り、図示しない付勢手段によって図2において時計回り
方向への付勢力が付与されている。この付勢力により、
くわえ爪71は凹部60a内の用紙把持面にその先端部
を当接させており、圧胴60が所定位置に到達したとき
に図示しない開閉手段によって開閉される。また、圧胴
60の一方の側板60bには、図示しない版胴駆動手段
からの駆動力を伝達するための歯付プーリー72が固着
されている。
【0030】ここで、圧胴60の接離機構を図4に基づ
いて説明する。各偏心軸70a,70aは、それぞれの
端部を筐体15の図示しない側板に回動自在に支持され
ており、一方の偏心軸70aには、く字形状の揺動アー
ム73が、その略中央部において一体的に固着されてい
る。揺動アーム73の一端にはカムフォロア74が回転
自在に支持されている。カムフォロア74の近傍には、
図示しないステッピングモーターによって回転駆動され
るカム75が配設されている。また、揺動アーム73の
他端73a側には、一端を筐体15の図示しない側板に
固着された引張バネ76の他端が取り付けられ、これに
よって揺動アーム73には図4において時計回り方向の
回動付勢力が付与されており、カムフォロア74はその
周面をカム75の周面に当接される。
【0031】上記構成より、図示しないステッピングモ
ーターが作動してカム75が回転し、カム75の凸部が
カムフォロア74と当接すると、揺動アーム73が引張
バネ76の付勢力に抗して反時計回り方向に回動し、偏
心軸70aが同方向に回動することにより、圧胴軸70
が偏心軸70aの円心を中心に反時計回り方向に揺動し
て、圧胴60の周面が版胴59の周面より離間する。
【0032】揺動アーム73の下方には、圧胴60の版
胴59からの離間状態を保持する機構が設けられてい
る。筐体15の図示しない側板に回転自在に支持された
支軸77aには、一端77bが鈎型に形成された保持ア
ーム77の他端が固着されている。保持アーム77は、
一端77bと揺動アーム73の他端73aとが係合可能
となる位置に配置されており、保持アーム77には、筐
体15に取り付けられたソレノイド78のプランジャ7
8aと、一端を筐体15の図示しない側板に固着された
引張バネ79の他端とが、それぞれの付勢力が逆向きと
なるように取り付けられている。これにより保持アーム
77は、ソレノイド78の非作動時には図の実線位置
に、また、ソレノイド78の作動時には図の二点鎖線位
置に選択的に位置決めされる。
【0033】給紙部4と印刷部8との間には用紙搬送部
9が配設されている。用紙搬送部9は、ガイド板80,
81,82,83、用紙搬送ローラー対84,85、レ
ジストローラー対86等から主に構成されている。
【0034】図5に示すように、一端80aを略直角に
折り曲げられたガイド板80は、その他端80bを軸8
0cで揺動自在に支持されている。一端80aの曲折部
は、印刷用紙Pの搬送に支障を来さない程度の円弧状に
形成されている。他端80bは図5の実線位置と二点鎖
線位置との間を揺動し、通常は軸80cに設けられた図
示しない付勢手段の付勢力によって図の実線位置に位置
決めされる。ガイド板80は筐体15の図示しない側板
に取り付けられている。
【0035】ガイド板81は、ガイド板80との間に所
定の間隔をもって筐体15の図示しない側板に取り付け
られており、ガイド板81とで給紙部4から給送される
印刷用紙Pの垂直搬送路Xを形成している。垂直搬送路
Xの略中間点には、図示しない駆動手段で回転駆動され
印刷用紙Pを印刷部8へ向けて送る用紙搬送ローラー対
84が配設されている。
【0036】各ガイド板80,81の配設位置より左上
方には、ガイド板82,83がそれぞれ配設されてい
る。各ガイド板82,83は、互いの間隔がガイド板8
0,81の間隔と同等となるように筐体15の図示しな
い側板に取り付けられており、ガイド板83の一端83
aは、ガイド板80の一端80aと対応する形状に形成
されている。各ガイド板82,83で印刷用紙Pの水平
搬送路Yを形成しており、水平搬送路Yの用紙搬送方向
上流側には用紙搬送ローラー対85が、また、水平搬送
路Yの用紙搬送方向下流側にはレジストローラー対86
がそれぞれ配設されている。用紙搬送ローラー対85及
びレジストローラー対86は、共に図示しない駆動手段
によって回転駆動される。各用紙搬送ローラー対84,
85及びレジストローラー対86によって第1の用紙搬
送手段が構成されている。
【0037】筐体15の、各ガイド板82,83が配設
された部位より右方に位置する部位には、後述する印刷
ユニット10が接続されたときに印刷用紙Pの用紙搬送
経路を形成するための開口15bが設けられている。な
お、筐体15に設けられた各開口15a,15bには、
操作パネル50へ信号を出力する図示しないセンサーが
設けられており、印刷ユニット2に印刷ユニット10が
接続されているときには後述する印刷モード表示手段1
45を「両面」に、印刷ユニット2に印刷ユニット10
が接続されていないときには印刷モード表示手段145
を「片面」に切り換える。また、各開口15a,15b
は、印刷ユニット2に印刷ユニット10が接続されない
ときには蓋146,147(図7参照)によって閉塞さ
れる。
【0038】筐体15の上部前面には操作パネル50が
配設されている。操作パネル50は、図6に示すよう
に、製版スタートキー134、印刷スタートキー13
5、試し刷りキー136、ストップキー137、テンキ
ー138、クリアキー139、拡大縮小キー140、印
刷速度設定キー141、連写キー142、7セグメント
LEDからなる表示装置143、LCDからなる表示装
置144等の周知の構成の他、印刷モードを「両面」と
「片面」とで表示する2つのLEDからなる印刷モード
表示手段145を有している。
【0039】印刷ユニット2の右側には、その筐体87
の下部に図示しない車輪等の移動手段を有する印刷ユニ
ット10が接続されている。筐体87の中央上部には製
版部11が配設されている。製版部11は、製版部5と
同様に、マスタ88をロール状に巻成し芯部89aを図
示しない支持手段に回転自在に支持されたマスタロール
89、マスタ88を加熱穿孔製版するサーマルヘッド9
0、図示しないステッピングモーターによって回転駆動
され、マスタ88をサーマルヘッド90に押圧しつつ搬
送するプラテンローラー91、可動刃92aと固定刃9
2bとを有しマスタ88を切断する切断手段92、マス
タ88を搬送するマスタ搬送ローラー対93,94等か
ら主に構成されている。
【0040】製版部11の左方には排版部12が配設さ
れている。排版部12は、上排版部材95、下排版部材
96、排版ボックス97、圧縮板98等から主に構成さ
れている。
【0041】上排版部材95は、駆動ローラー99、従
動ローラー100、無端ベルト101から構成され、駆
動ローラー99が図1において時計回り方向に回転する
ことにより無端ベルト101が図の矢印方向に移動す
る。下排版部材96も上排版部材95と同様に駆動ロー
ラー102、従動ローラー103、無端ベルト104か
ら構成されており、駆動ローラー102が図1において
反時計回り方向に回転することにより無端ベルト104
が図の矢印方向に移動する。上排版部材95と下排版部
材96とは図示しない駆動力伝達手段で連結されてお
り、各駆動ローラー99,102は同一の駆動手段で回
転駆動される。また、上排版部材95と下排版部材96
は、駆動ローラー99の支軸を中心に一体的に揺動自在
に設けられており、図示しない揺動手段によって、図1
に示す位置と上排版部材95と下排版部材96とが垂直
となる位置とに選択的に揺動される。さらに、下排版部
材96は図示しない移動手段によって移動自在に設けら
れており、各排版部材95,96が図1に示す位置に位
置決めされたときに、図に示す位置と従動ローラー10
3の外周面が後述する版胴105の外周面に当接する位
置とに選択的に位置決めされる。印刷済みマスタを貯容
する排版ボックス97は、筐体87に対して着脱自在に
設けられている。排版ボックス97の内部に印刷済みマ
スタを押し込む圧縮板98は、図示しない昇降手段によ
って上下動自在に支持されている。
【0042】製版部11の下方には印刷部13が配設さ
れている。印刷部13は、第2の版胴としての版胴10
5、第2の押圧部材としての圧胴106から主に構成さ
れている。
【0043】インキ供給パイプを兼ねた支軸107で回
転自在に支持され、その外周面上に製版済みのマスタ8
8を挟持するためのステージ部108とクランパー10
9とを有する版胴105の内部には、インキ供給手段1
10が配設されている。インキ供給手段110は、イン
キローラー111と、これに近接配置されたドクターロ
ーラー112とを有しており、支軸107に取り付けら
れたインキパイプ113を介してインキローラー111
とドクターローラー112との近接部に供給されたイン
キがインキ溜まり114を形成する。
【0044】版胴105の下方には、版胴105と接離
自在かつ回転自在に設けられた圧胴106が配設されて
いる。圧胴106はその表面に耐油性合成ゴム等の弾性
部材を貼着されており、圧胴60と同様に、両端に偏心
軸115a,115aを有する圧胴軸115によって回
転自在に支持されている。圧胴106の周面の一部には
凹部106aが形成され、その内部には、圧胴106の
周面上に印刷用紙Pを巻装するくわえ爪116が配設さ
れている。くわえ爪116もくわえ爪71と同様に、圧
胴106が所定位置に到達したときに図示しない開閉手
段によって開閉される。
【0045】製版部11、排版部12及び版胴105を
取り囲むようにして用紙搬送部14が配設されている。
用紙搬送部14は、ガイド板117,118,119,
120、レジストローラー対121、剥離爪122、垂
直搬送部材123、背面搬送部材124等から主に構成
されている。
【0046】各ガイド板117,118は、所定の間隔
をもって筐体87の図示しない側板に取り付けられてお
り、それぞれの一端を筐体87の外方に突出させ、それ
ぞれの他端が版胴105と圧胴106との当接位置の近
傍に位置するように設けられている。各ガイド板11
7,118は、印刷ユニット10が印刷ユニット2に接
続されたときに、筐体87より突出した一端が開口15
aより筐体15の内部にそれぞれ入り込み、ガイド板1
17の先端がガイド板80の他端80bと接触して他端
80bを図5の二点鎖線位置に押し上げ、垂直搬送路X
を閉塞させる位置に配設されている。このとき、各ガイ
ド板117,118によって給紙部4からの印刷用紙P
の水平搬送路Y1が形成される。各ガイド板117,1
18の他端側には、図示しない駆動手段で回転駆動され
るレジストローラー対121が配設されている。
【0047】版胴105と圧胴106との当接部の右方
には、圧胴106の周面より印刷用紙Pを剥離するため
の剥離爪122が配設されている。剥離爪122は、筐
体87の図示しない側板に固着されており、その先端が
圧胴106の外周面に近接するように配設されている。
【0048】剥離爪122の右方にはガイド板119が
配設されている。筐体87の図示しない側板に固着され
たガイド板119は、一端が剥離爪122に接続し他端
が上方に向かうように略L字形状を呈しており、その曲
折部は印刷用紙Pの搬送に支障を来さない程度の円弧状
に形成されている。
【0049】ガイド板119の上方であって筐体87の
右辺中段には、垂直搬送部材123が配設されている。
垂直搬送部材123は、図示しない駆動手段で回転駆動
される駆動ローラー125、従動ローラー126、各ロ
ーラー125,126に掛け渡され、複数の孔を有する
無端ベルト127、搬送補助部材としての吸引ファン1
28から主に構成されている。駆動ローラー125が図
1において時計回り方向に回転駆動されることにより無
端ベルト127が図の矢印方向に移動し、ガイド板11
9より送られてくる印刷用紙Pを吸引ファン128によ
って無端ベルト127の表面に吸引しつつ上方に向けて
搬送する。
【0050】垂直搬送部材123の上方にはガイド板1
20が配設されている。筐体87の図示しない側板に固
着されたガイド板120は、一端が垂直搬送部材123
に接続し他端が左上方に向かうように、ガイド板119
と略同形状を呈している。ガイド板119の他端、無端
ベルト127の表面、ガイド板120の一端によって垂
直搬送路X1が形成されている。
【0051】ガイド板120の左方であって筐体87の
上部には、第2の用紙搬送手段としての背面搬送部材1
24が配設されている。背面搬送部材124は、図示し
ない駆動手段で回転駆動される駆動ローラー129、従
動ローラー130、各ローラー129,130に掛け渡
され、複数の孔を有する無端ベルト131、搬送補助部
材としての吸引ファン132,133から主に構成され
ている。駆動ローラー129が図1において時計回り方
向に回転駆動されることにより無端ベルト131が図の
矢印方向に移動し、ガイド板120より送られてくる印
刷用紙Pを各吸引ファン132,133によって無端ベ
ルト131の表面に吸引しつつ左方に向けて搬送する。
【0052】また、背面搬送部材124は、その一部
(駆動ローラー129、無端ベルト131及び吸引ファ
ン133の一部)が筐体87の外方に突出して配置され
ており、印刷ユニット10が印刷ユニット2に接続され
たときに、この突出部が開口15bより筐体15の内部
に入り込み、駆動ローラー129がガイド板80の一端
80aの上方に位置するように構成されている。ガイド
板120の他端、無端ベルト131の表面、一端80a
によって背面搬送路Zが形成される。
【0053】上記構成に基づき、孔版印刷装置1を用い
た両面印刷時の動作を説明する。図1に示すように、印
刷ユニット2に印刷ユニット10が接続された状態で
は、印刷モード表示手段145は「両面」が点灯してい
る。
【0054】2枚の原稿16,16を原稿受け台17に
セットし、オペレーターにより製版スタートキー134
が押されると、版胴59が図1において反時計回り方向
に回転し、版胴59の外周面上に巻装されている印刷済
みマスタが上排版部材39と下排版部材40とによって
剥離され、印刷済みマスタは排版ボックス41内に収納
された後に圧縮板42によって圧縮される。このとき、
ソレノイド78への通電が断たれて保持アーム77が図
4に実線で示す位置に移動し、圧胴60は、その周面が
版胴59の周面より離間した状態で保持される。
【0055】同様に版胴105も図1において時計回り
方向に回転し、版胴105の外周面上に巻装されている
印刷済みマスタが上排版部材95と下排版部材96とに
よって剥離されて排版ボックス97内に搬送され、圧縮
板98によって圧縮される。圧胴106も圧胴60と同
様に、その周面が版胴105の周面より離間した状態で
保持される。
【0056】その後、各版胴59,105が給版待機位
置まで回転して停止すると共に、図示しない揺動手段が
作動して上排版部材95と下排版部材96とが垂直とな
る位置に位置決めされて排版動作が完了する。
【0057】次に、画像読取部3の原稿搬送ローラー対
19が回転し、2枚の原稿16,16のうちの上部の1
枚がコンタクトガラス18上を搬送されて読み取られ
る。このとき読み取られる原稿16の画像は、印刷用紙
Pの表面側に印刷される。
【0058】読取動作は、蛍光灯27によって露光され
た原稿16の表面からの反射光を反射ミラー25,26
によって反射することにより行われ、読み取られた原稿
画像はレンズ28で集光された後に画像センサー29に
入射されて光電変換され、光電変換された電気信号は筐
体15内の図示しないA/D変換器に入力される。画像
を読み取られた1枚目の原稿16は、原稿搬送ベルト2
3及び原稿搬送ローラー20によって原稿搬送ベルト2
3の上部に配設された図示しない原稿トレイに排出され
る。
【0059】原稿読取動作に並行して、製版部5では製
版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンローラー
35とマスタ搬送ローラー対37,38がそれぞれ回転
を開始し、マスタロール33からマスタ32が引き出さ
れる。引き出されたマスタ32は、サーマルヘッド34
を通過する際に製版される。サーマルヘッド34の表面
に整列配置された複数の発熱素子は、A/D変換器及び
その他の図示しない製版基板で各種処理を施された後に
送られてきたデジタル画像信号に応じて各々選択的に発
熱し、マスタ32の熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融穿
孔する。
【0060】そして、プラテンローラー35を回転駆動
する図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、マスタ32の先端がステージ部62とクランパー6
3との間の所定位置まで到達したと判断されると、図示
しない開閉手段が作動してクランパー63が回動し、ス
テージ部62とクランパー63とでマスタ32の先端を
挟持する。
【0061】その後、版胴59がマスタ32の搬送速度
と同じ周速度で図1において時計回り方向に回転し、マ
スタ32の版胴59への巻装動作が行われる。そして、
図示しないステッピングモーターのステップ数より、1
版分の製版が完了したと判断されると、プラテンローラ
ー35及びマスタ搬送ローラー対37,38の回転が停
止すると共に可動刃36aが回転移動してマスタ32が
切断される。切断されたマスタ32は版胴59の回転に
よって引き出され、版胴59は再びホームポジションに
位置決めされる。
【0062】版胴59の位置決め後、原稿搬送ローラー
対19が再び回転し、残り1枚の原稿16がコンタクト
ガラス18上を搬送され、上述と同様に読み取られる。
このとき読み取られる原稿16の画像は、印刷用紙Pの
裏面側に印刷される。画像を読み取られた原稿16は図
示しない原稿トレイに排出される。
【0063】この実施例では2枚の原稿16,16より
それぞれ画像を読み取る構成としたが、1枚の原稿の両
面から画像を読み取る場合には、一方の面の読取完了
後、原稿搬送ベルト23及び原稿搬送ローラー20が回
転すると同時に、切換板24が図示しない機構により図
1において反時計回り方向に回動することで、原稿の進
行方向が変更されて再度コンタクトガラス18上に導か
れ、他方の面が読み取られるように構成されている。
【0064】原稿読取動作に並行して、製版部11では
製版部5と同様に製版動作が行われる。排版動作完了
後、プラテンローラー91とマスタ搬送ローラー対9
3,94がそれぞれ回転を開始し、マスタロール89か
らマスタ88が引き出される。引き出されたマスタ88
は、上述したマスタ32と同様に、サーマルヘッド90
を通過する際に製版される。
【0065】そして、プラテンローラー91を回転駆動
する図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、マスタ88の先端が所定位置まで到達したと判断さ
れると、図示しない開閉手段が作動してクランパー10
9が回動し、ステージ部108とクランパー109とで
マスタ88の先端を挟持する。
【0066】その後、版胴105がマスタ88の搬送速
度と同じ周速度で図1において反時計回り方向に回転
し、マスタ88の版胴105への巻装動作が行われる。
そして、図示しないステッピングモーターのステップ数
より、1版分の製版が完了したと判断されると、プラテ
ンローラー91及びマスタ搬送ローラー対93,94の
回転が停止すると共に可動刃92aが回転移動してマス
タ88が切断される。切断されたマスタ88は版胴10
5の回転によって引き出され、版胴105は再びホーム
ポジションに位置決めされる。
【0067】各版胴59,105への給版動作が完了す
ると同時に給紙コロ31が回転し、給紙トレイ30上に
積載されている印刷用紙Pの最上位の1枚がレジストロ
ーラー対121に向けて水平搬送路Y1を分離給送され
ると共に、各版胴59,105及び各圧胴60,106
が低速で同期して回転する。このとき、各圧胴60,1
06を各版胴59,105から離間した状態で保持して
いた機構が解除される。分離給送され、その先端をレジ
ストローラー対121にくわえ込まれた印刷用紙Pは、
レジストローラー対121が所定のタイミングで回転す
ることにより、くわえ爪116にその先端をくわえ込ま
れる。
【0068】くわえ爪116で印刷用紙Pの先端をくわ
え込みつつ回転する圧胴106は、くわえ爪116が版
胴105との当接位置を通過した直後に、図示しない開
閉手段によってくわえ爪116を開放される。印刷用紙
Pは、版胴105と圧胴106との当接部において他方
の面(両面印刷物における裏面)に印刷画像を転写さ
れ、剥離爪122によって圧胴106の外周面より剥離
されつつガイド板119に送られる。
【0069】ガイド板119を通過する際に進行方向を
上方へと変更された印刷用紙Pは、垂直搬送路X1へと
搬送される。垂直搬送路X1に搬送された印刷用紙P
は、垂直搬送部材123の吸引ファン128によって無
端ベルト127上に非印刷面を吸引されつつ上方に向か
って搬送され、ガイド板120に送られる。
【0070】ガイド板120に送られた印刷用紙Pは、
進行方向を左方へと変更されて背面搬送路Zへと搬送さ
れる。背面搬送路Zに搬送された印刷用紙Pは、背面搬
送部材124の各吸引ファン132,133によって、
印刷面を下側として無端ベルト131上に非印刷面を吸
引されつつ左方へと搬送される。
【0071】背面搬送部材124より搬送された印刷用
紙Pは、用紙搬送ローラー対85の回転力によって水平
搬送路Yに送られ、その先端をレジストローラー対86
にくわえ込まれる。その後、レジストローラー対86が
所定のタイミングで回転することにより、印刷用紙Pは
その先端をくわえ爪71にくわえ込まれる。
【0072】くわえ爪71で印刷用紙Pの先端をくわえ
込みつつ回転する圧胴60は、くわえ爪71が版胴59
との当接位置を通過した直後に、図示しない開閉手段に
よってくわえ爪71を開放される。版胴59と圧胴60
との当接部において、一方の面(両面印刷物における表
面)に印刷画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪49
によって圧胴60の外周面より剥離されながら排紙搬送
部材51に送られる。
【0073】排紙搬送部材51に送られた印刷用紙P
は、吸引ファン56によって無端ベルト55上に吸引さ
れつつ搬送され、排紙トレイ52上に排出される。この
とき、印刷用紙Pは、一方の面側の画像(1枚目の原稿
16の画像)が上向きとなるように排出される。
【0074】その後、各版胴59,105及び各圧胴6
0,106がホームポジションまで回転して停止し、各
圧胴60,106が、自身の周面が各版胴59,105
の周面より離間する位置に保持されて版付動作が完了す
る。
【0075】その後、オペレーターによって試し刷りキ
ー136が押されると、版付動作時と同様に給紙トレイ
30上の最上位の1枚の印刷用紙Pが給紙コロ31によ
って引き出され、水平搬送路Y1を通ってレジストロー
ラー対121にその先端をくわえ込まれる。各版胴5
9,105及び各圧胴60,106も同期して高速で回
転駆動されると共に、各圧胴60,106を保持してい
た機構が解除される。
【0076】レジストローラー対121が版付動作と同
じタイミングで高速回転している版胴105と圧胴10
6との間に印刷用紙Pを給送すると、印刷用紙Pは他方
の面に印刷画像を転写され、剥離爪122によって圧胴
106の外周面より剥離されつつ搬送される。
【0077】その後、垂直搬送路X1、背面搬送路Z、
水平搬送路Yを通ってレジストローラー対86にその先
端をくわえ込まれた印刷用紙Pは、レジストローラー対
86の回転によって、版付動作と同じタイミングで高速
回転している版胴59と圧胴60との間に給送され、一
方の面に印刷画像を転写される。
【0078】両面に印刷画像を転写された印刷用紙P
は、剥離爪49によって圧胴60の外周面より剥離され
つつ排紙搬送部材51によって搬送され、排紙トレイ5
2上に排出されて試し刷りが完了する。
【0079】上述の試し刷りによって印刷画像の濃度や
位置を確認し、これらを操作パネル50上の各種キーで
調整して再度試し刷りを行った後、テンキー138で印
刷枚数を表示装置143に置数して印刷スタートキー1
35を押すことにより、給紙部4より印刷用紙Pが連続
的に送られて印刷動作が行われる。
【0080】次に、孔版印刷装置1を用いた片面印刷時
の動作を説明する。片面印刷時には、図7に示すよう
に、印刷ユニット2のみが用いられ、印刷ユニット10
は取り外される。このとき、印刷モード表示手段145
は「片面」が点灯している。
【0081】印刷ユニット10が取り外されることによ
り、ガイド板117の一端で上方に押し上げられていた
ガイド板80の他端80bが図示しない付勢手段の付勢
力によって図7に示す位置(図5に実線で示す位置)に
位置決めされ、垂直搬送路Xが開放される。また、印刷
ユニット10が取り外された後の各開口15a,15b
には、ゴム等の弾性体からなる蓋146,147がそれ
ぞれ取り付けられる。
【0082】1枚の原稿16を原稿受け台17にセット
し、オペレーターにより製版スタートキー134が押さ
れると、両面印刷時と同様に、排版部6において版胴5
9の外周面上から印刷済みマスタを剥離廃棄する排版動
作が行われる。また、画像読取部3では原稿16の画像
の読取動作が行われる。
【0083】原稿画像の読取動作に並行して製版動作が
行われる。製版部5では両面印刷時と同様に製版動作が
行われ、製版されたマスタ32が版胴59の外周面上に
巻装される。
【0084】版胴59への給版動作完了後、給紙コロ3
1が回転し、給紙部4から1枚の印刷用紙Pが給送され
る。印刷用紙Pは他端80bに当たって垂直搬送路Xへ
と導かれ、用紙搬送ローラー対84によって上方へと搬
送される。上方へと搬送された印刷用紙Pは、ガイド板
80の一端80aとガイド板83の一端83aとの間を
通ることによってその搬送方向を左方へと変更され、用
紙搬送ローラー対85の回転力によって水平搬送路Yへ
と送られ、その先端をレジストローラー対86にくわえ
込まれる。
【0085】その後、レジストローラー対86が所定の
タイミングで回転することにより、両面印刷時と同様に
版胴59と圧胴60との間に送り込まれた印刷用紙P
は、その上面(一方の面)に印刷画像を転写される。剥
離爪49によって圧胴60の外周面より剥離された印刷
用紙Pは、排紙搬送部材51によって搬送されて排紙ト
レイ52上に排出されて版付動作が完了する。
【0086】版付動作完了後、試し刷りキー136が押
されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さら
にその後、印刷スタートキー135が押されることによ
り、給紙部4より印刷用紙Pが連続的に給送されて印刷
動作が行われる。
【0087】上述のように、両面印刷時には垂直搬送部
材123及び背面搬送部材124が印刷用紙Pの非印刷
面を吸引しつつ搬送するため、印刷面への擦れ汚れの付
着や印刷画像の歪みを防止することによって良好な両面
印刷物を得ることができ、片面印刷時には印刷ユニット
2のみを用いることにより、未製版マスタを無駄に消費
することなく片面印刷物を得ることができる。
【0088】また、両面印刷と片面印刷とを1つの給紙
トレイ30と1つの排紙トレイ52とで賄えるため、コ
ストの低減と設置スペースの低減とを同時に達成するこ
とができ、さらに、印刷ユニット2を片面印刷用の標準
機、印刷ユニット10を両面印刷用のオプション機とす
ることにより、ユーザーのニーズに応じた孔版印刷装置
を提供することができる。
【0089】図8は、本発明の第2の実施例を採用した
孔版印刷装置148の概略側面図である。この孔版印刷
装置148は、孔版印刷装置1と比較すると、筐体15
及び筐体87に代えて印刷ユニット2と印刷ユニット1
0とを一体的に収納する筐体149を用いる点、ガイド
板80及びガイド板117に代えてガイド板150を用
いる点、及び給紙部4が切換手段としての切換爪151
を有する点、操作パネル50に代えて操作パネル152
を用いる点において相違しており、他の構成は同一であ
る。
【0090】ガイド板150は、図8に示すように、長
腕150aと短腕150bとを有する略L字形状を呈し
ており、ガイド板80と同様に、長腕150a側の一端
150cを略直角に折り曲げられている。ガイド板15
0は筐体149の図示しない側板に取り付けられてお
り、長腕150aとガイド板81とで垂直搬送路Xが、
短腕150bとガイド板118とで水平搬送路Y1がそ
れぞれ形成されている。
【0091】給紙コロ31の下方近傍には切換爪151
が配設されている。切換爪151は、筐体149の図示
しない側板に回動自在に支持されており、図示しない駆
動手段によって回動される。切換爪151は、後述する
操作パネル152の印刷モード切換キー153によって
選択された印刷モードに合わせて回動され、印刷用紙P
の給送方向を切り換える。
【0092】図9は、第2の実施例に用いられる操作パ
ネル152を示している。操作パネル152は、操作パ
ネル50と比較すると、両面印刷を行う「両面」と片面
印刷を行う「片面」とに印刷モードを切り換える印刷モ
ード切換キー153を有する点においてのみ相違してい
る。印刷モード切換キー153が押されることにより、
印刷モード表示手段145が「両面」と「片面」とに交
互に切り換えられる。その後、製版スタートキー134
が押されることにより切換爪151を回動させる図示し
ない駆動手段が作動し、切換爪151が、「両面」時に
は図8に二点鎖線で示す位置に、「片面」時には実線で
示す位置に選択的に位置決めされる。
【0093】以下、第2の実施例の動作を説明する。印
刷に先立ち、オペレーターは印刷モード切換キー153
を押して両面印刷を行うか片面印刷を行うかを設定す
る。
【0094】先ず、両面印刷を行う場合を説明する。オ
ペレーターは、2枚の原稿16,16を原稿受け台17
にセットし、印刷モード切換キー153を押して印刷モ
ード表示手段145のLEDが「両面」で点灯している
ことを確認した後、製版スタートキー134を押す。
【0095】製版スタートキー134が押されると、第
1の実施例と同様に排版部6と排版部12とが作動し、
各版胴59,105の外周面上から印刷済みマスタが剥
離・廃棄されると共に、図示しない駆動手段が作動して
切換爪151が図8の二点鎖線位置に位置決めされる。
【0096】次に、画像読取部3において1枚目の原稿
16の画像が読み取られ、これに並行して製版部5にお
いて製版動作が行われる。製版されたマスタ32は版胴
59の外周面に巻装され、版胴59はホームポジション
に位置決めされる。
【0097】版胴59の位置決め後、2枚目の原稿16
の画像が読み取られ、これに並行して製版部11におい
て製版動作が行われる。製版されたマスタ88は版胴1
05の外周面に巻装され、版胴105がホームポジショ
ンに位置決めされる。
【0098】各版胴59,105への給版動作が完了す
ると同時に給紙コロ31が回転し、給紙トレイ30上に
積載されている印刷用紙Pの最上位の1枚がレジストロ
ーラー対121に向けて水平搬送路Y1を分離給送され
ると共に、各版胴59,105及び各圧胴60,106
が低速で同期して回転する。
【0099】レジストローラー対121より給送された
印刷用紙Pは、版胴105と圧胴106との当接部にお
いて他方の面に印刷画像を転写され、剥離爪122によ
って圧胴106の外周面より剥離されつつ搬送される。
その後、印刷用紙Pは、ガイド板119、垂直搬送路X
1、ガイド板120、背面搬送路Z、水平搬送路Yを経
てレジストローラー対86に搬送される。
【0100】そして、レジストローラー対86より給送
された印刷用紙Pは、版胴59と圧胴60との当接部に
おいて一方の面に印刷画像を転写され、剥離爪49によ
って圧胴60の外周面より剥離されつつ排紙搬送部材5
1に搬送され、排紙トレイ52上に排出される。
【0101】各版胴59,105がホームポジションで
停止して版付動作が完了した後、試し刷りキー136が
押されることにより第1の実施例と同様に試し刷りが行
われ、さらにその後、印刷スタートキー135が押され
ることにより、給紙部4より印刷用紙Pが連続的に給送
されて印刷動作が行われる。
【0102】次に、片面印刷を行う場合を説明する。オ
ペレーターは、1枚の原稿16を原稿受け台17にセッ
トし、印刷モード切換キー153を押して印刷モード表
示手段145のLEDが「片面」で点灯していることを
確認した後、製版スタートキー134を押す。
【0103】製版スタートキー134が押されると排版
部6が作動し、版胴59の外周面上から印刷済みマスタ
が剥離・廃棄されると共に、図示しない駆動手段が作動
して切換爪151が図8の実線位置に位置決めされる。
【0104】次に、画像読取部3において原稿16の画
像が読み取られ、これに並行して製版部5において製版
動作が行われる。製版されたマスタ32は版胴59の外
周面に巻装され、版胴59はホームポジションに位置決
めされる。
【0105】版胴59への給版動作が完了すると同時に
給紙コロ31が回転し、給紙トレイ30上に積載されて
いる印刷用紙Pの最上位の1枚が用紙搬送ローラー対8
4に向けて垂直搬送路Xを分離給送されると共に、版胴
59及び圧胴60が低速で同期して回転する。
【0106】用紙搬送ローラー対84より給送された印
刷用紙Pは、版胴59と圧胴60との当接部において一
方の面に印刷画像を転写され、剥離爪49によって圧胴
60の外周面より剥離されつつ排紙搬送部材51に搬送
され、排紙トレイ52上に排出される。
【0107】版胴59がホームポジションで停止して版
付動作が完了した後、試し刷りキー136が押されるこ
とにより第1の実施例と同様に試し刷りが行われ、さら
にその後、印刷スタートキー135が押されることによ
り、給紙部4より印刷用紙Pが連続的に給送されて印刷
動作が行われる。
【0108】第2の実施例によれば、印刷面への擦れ汚
れの付着や印刷画像の歪みを防止することによって良好
な両面印刷物を得ることができると共に、未製版マスタ
を無駄に消費することなく片面印刷物を得ることがで
き、また、両面印刷と片面印刷とを1つの給紙トレイ3
0と1つの排紙トレイ52とで賄えるため、コストの低
減と設置スペースの低減とを同時に達成することがで
き、さらに、両面印刷と片面印刷との切換を容易に行う
ことができる。
【0109】第1及び第2の実施例の変形例として、図
10に示すように、ガイド板81に代えて、複数の開口
154aを有するガイド板154を用い、用紙搬送ロー
ラー対84の近傍に搬送補助部材としての吸引ファン1
55を配設した構成を採用してもよい。これにより、垂
直搬送路Xでの搬送性を高めることができる。
【0110】第1、第2の実施例及び変形例では、搬送
補助部材として吸引ファン128,132,133,1
55を用いたが、搬送補助部材としては吸引ファンの
他、静電気を利用した静電吸着部材等を用いることも可
能である。
【0111】さらに、各吸引ファン128,132,1
33,155の配設位置と各用紙搬送路X,X1,Zを
介して対向する位置に、他の搬送補助部材として送風フ
ァンを配設した構成を採用してもよい。この送風ファン
を設けることにより、垂直搬送路X1及び背面搬送路Z
では、印刷用紙Pの印刷面の乾燥を幇助する効果も同時
に得ることができる。
【0112】図11は、第1、第2の実施例及び変形例
の、さらに他の変形例に用いられる第2の用紙搬送手段
としての背面搬送部材156を示している。この背面搬
送部材156は、搬送補助部材としての吸引ファン15
7、排紙コンベア158、再転写防止手段としての乾燥
促進装置159、ガイド板160,161等から主に構
成されており、背面搬送部材124に代えて用いられ
る。
【0113】排紙コンベア158は、図示しない駆動手
段で回転駆動される駆動ローラー162、従動ローラー
163、各ローラー162,163に掛け渡され、複数
の孔を有する弾性体からなる無端ベルト164から構成
されており、駆動ローラー162が図11において時計
回り方向に回転駆動されることにより無端ベルト164
が図の矢印方向に移動し、ガイド板120より送られて
くる印刷用紙Pを吸引ファン157によって無端ベルト
164の表面に吸引しつつ左方へと搬送する。
【0114】排紙コンベア158の用紙搬送方向下流側
には乾燥促進装置159が配設されている。乾燥促進装
置159は、内部にヒーターを有し、図示しない駆動手
段によって回転駆動される加熱ローラー165と、加熱
ローラー165に圧接して配設され、加熱ローラー16
5と連れ回りする押圧ローラー166とから構成されて
いる。印刷済みの印刷用紙Pが乾燥促進装置159を通
過することにより、印刷面が加熱ローラー165によっ
て加熱され、印刷用紙P上の余分なインキが除去され
る。
【0115】各ガイド板160,161は、筐体の図示
しない側板に取り付けられており、それぞれの用紙搬送
方向下流側の端部が、各ガイド板82,83の用紙搬送
方向上流側の端部とラップし、用紙搬送路が連通するよ
うに構成されている。
【0116】再転写防止手段としては、上述の加熱ロー
ラーと押圧ローラーとからなるものの他、吸湿性を有す
るローラーあるいは吸い取り紙等で用紙表面のインキを
吸い取る方式、ローラー押圧によって用紙表面のインキ
の浸透を促進させる方式、ローラー押圧によって用紙表
面のインキを剥ぎ取り、それをインキと相溶する液体を
用いてクリーニングする方式、エアー吹付による乾燥方
式、印刷画像面へニスや他の物質をコーティングする方
式等が挙げられる。
【0117】この再転写防止手段を用いることにより、
用紙搬送手段あるいは押圧部材への印刷用紙Pからのイ
ンキの再転写を防止することができ、次の印刷用紙Pが
用紙搬送手段や押圧部材を通過する際に、印刷用紙Pへ
のインキの転写を防止することができる。
【0118】図12は、第1、第2の実施例及び変形例
の、さらに他の変形例に用いられるクリーニング手段1
67を示している。このクリーニング手段167は、各
圧胴60,106の近傍にそれぞれ配設されるが、双方
同様の構成であるので圧胴60側のみを説明する。
【0119】クリーニング手段167は、塗布ローラー
168、絞りローラー169、第1掻き取りブレード1
70、第2掻き取りブレード171、ストレーナー17
2、タンク173、ポンプ174等から主に構成されて
おり、圧胴60の表面にクリーナー175を供給する。
クリーニング手段167は、図示しない昇降手段によっ
て一体的に上下動自在に支持されており、圧胴60と連
動して上下動する。
【0120】圧胴60の下方には、クリーナー175を
貯容する貯容部と、この貯容部と隔壁176aによって
隔てられた、塗布ローラー168の外周面から戻される
クリーナー175を回収する回収部とを有する第1トレ
イ176が配設されている。第1トレイ176の貯容部
内には、クリーナー175の貯容量を検知する図示しな
い液面センサーが配設されている。
【0121】塗布ローラー168は、隔壁176aの上
方において回転自在に支持されており、図示しない駆動
手段によって回転駆動される。塗布ローラー168は、
その外周面と圧胴60の凹部60aを除く外周面とが接
触する位置に配設されており、圧胴60と連動してクリ
ーニング手段167が上下動する際にも、この接触状態
を保持するように構成されている。
【0122】塗布ローラー168の外周面にクリーナー
175を供給する絞りローラー169は、その外周面が
塗布ローラー168の外周面を所定の押圧力で押圧する
ように、第1トレイ176の貯容部の上方において回転
自在に支持されており、塗布ローラー168の回転に伴
って従動回転される。
【0123】第1掻き取りブレード170は、その先端
部が圧胴60の外周面と接触する位置に配設されてお
り、圧胴60の外周面から余分なクリーナー175を除
去する。第1掻き取りブレード170によって除去され
たクリーナー175は、第1掻き取りブレード170の
下方に配設された第2トレイ177上に滴下して回収さ
れる。
【0124】第2掻き取りブレード171は、その先端
部が塗布ローラー168の外周面と接触するように第1
トレイ176の回収部内に配設されており、塗布ローラ
ー168の外周面より余分なクリーナー175を除去す
る。
【0125】ストレーナー172は、第1掻き取りブレ
ード170及び第2掻き取りブレード171によって除
去されたクリーナー175を濾過した後、タンク173
へと送る。タンク173に戻されたクリーナー175は
ポンプ174で第1トレイ176の貯容部に吸い上げら
れ、絞りローラー169によって再び塗布ローラー16
8に供給される。
【0126】ポンプ174によってタンク173からク
リーナー175が吸い上げられる際に、第1トレイ17
6の貯容部内に設けられた液面センサーによってポンプ
174の作動が規制され、常に一定量のクリーナー17
5がタンク173より第1トレイ176に供給されるよ
うに制御されている。クリーナー175としては、界面
活性剤を添加した水等が用いられる。そして、この界面
活性剤としては、HLB(親水性親油性バランス)の高
いものが望ましく、さらに好ましくはHLBが10以上
のものが望ましい。
【0127】上述のクリーニング手段167を用いるこ
とにより、搬送不良、剥離不良が発生して圧胴60,1
06の外周面が汚損した場合等に、速やかに汚れを除去
することができ、その後の印刷時において印刷用紙Pへ
の再転写汚れの発生を防止することができる。
【0128】クリーニング手段としては上述の構成の
他、インキと相溶する液体(クリーナー)を含ませたシ
ートを圧胴に押圧して拭き取る方法、吸湿性の良好なシ
ート上の吸着部材を圧胴に圧接させてローラー等で巻き
取る方法等を採用してもよい。
【0129】第1、第2の実施例及び各変形例では、第
1及び第2の押圧部材として圧胴60,106を採用し
たが、押圧部材としては、揺動手段によって版胴59,
105に対して接離自在に支持され、版胴59,105
と連れ回り可能なプレスローラーを採用してもよい。押
圧部材としてプレスローラーを採用した場合にも、図1
2に示したクリーニング手段167を採用することがで
き、この場合のクリーニング手段167としては、塗布
ローラー168の外周面がプレスローラーの外周面に常
時当接するように、クリーニング手段167が一体的に
プレスローラーに向けて付勢された構成とすればよい。
【0130】上記各実施例では、両面印刷時において、
原稿読取動作を原稿受け台17上の上側の原稿16から
行い、この1枚目の原稿16の画像に対応して製版され
たマスタ32を第1の版胴59の外周面に巻装し、次の
2枚目の原稿16の画像に対応して製版されたマスタ8
8を第2の版胴105の外周面に巻装して、第1の印刷
ユニット2で印刷用紙Pの表面を、第2の印刷ユニット
10で印刷用紙Pの裏面をそれぞれ印刷する構成とし
た。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、
原稿読取時における原稿16の画像面は上向きであって
も下向きであってもよく、原稿受け台17上の原稿16
を上側から読み取っても下側から読み取ってもよい。ま
た、読み取った原稿16の画像を印刷する際に、第1の
印刷ユニット2あるいは第2の印刷ユニット10の何れ
かを選択可能とした構成としてもよく、これを上述の原
稿読取のパターンにそれぞれ対応させて適宜設定させる
ことももちろん可能である。
【0131】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、両面印刷
時には第2の用紙搬送手段が印刷用紙の非印刷面を吸引
しつつ搬送するため、印刷面への擦れ汚れの付着や印刷
画像の歪みを防止することによって良好な両面印刷物を
得ることができ、片面印刷時には第1の印刷ユニットの
みを用いることにより、未製版マスタを無駄に消費する
ことなく片面印刷物を得ることができる。また、両面印
刷と片面印刷とを1つの給紙トレイと1つの排紙トレイ
とで賄えるため、コストの低減と設置スペースの低減と
を同時に達成することができる。さらに、第1の印刷ユ
ニットを片面印刷用の標準機とし、第2の印刷ユニット
を両面印刷用のオプションとすれば、ユーザーのニーズ
への対応性が向上する。
【0132】請求項2記載の発明によれば、両面印刷時
には第2の用紙搬送手段が印刷用紙の非印刷面を吸引し
つつ搬送するため、印刷面への擦れ汚れの付着や印刷画
像の歪みを防止することによって良好な両面印刷物を得
ることができ、片面印刷時には第1の印刷ユニットのみ
を用いることにより、未製版マスタを無駄に消費するこ
となく片面印刷物を得ることができる。また、両面印刷
と片面印刷とを1つの給紙トレイと1つの排紙トレイと
で賄えるため、コストの低減と設置スペースの低減とを
同時に達成することができ、さらに、両面印刷と片面印
刷との切換を容易に行うことができる請求項3記載の発
明によれば、第1及び第2の用紙搬送手段での印刷用紙
の搬送性を向上させることができ、さらに印刷用紙の印
刷面側から送風を行う搬送補助部材を設けることによ
り、搬送性のさらなる向上と印刷面の乾燥促進とを達成
することができる。
【0133】請求項4記載の発明によれば、印刷用紙の
印刷面上の余分なインキが除去されることにより、用紙
搬送手段あるいは押圧部材への印刷用紙からのインキの
再転写を防止することができ、次の印刷用紙が用紙搬送
手段や押圧部材を通過する際に、印刷用紙へのインキの
転写を防止することができる。
【0134】請求項5記載の発明によれば、給紙トレイ
を孔版印刷装置の本体下部に収納することができ、設置
スペースの低減を達成することができる。
【0135】請求項6記載の発明によれば、搬送不良や
剥離不良が発生して押圧部材の外周面が汚損した場合等
に、速やかに汚れを除去することができ、その後の印刷
時における印刷用紙の汚損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置
の両面印刷時における概略側面図である。
【図2】本発明の第1及び第2の実施例を採用した孔版
印刷装置の印刷部を示す側面図である。
【図3】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる圧
胴を示す側断面図である。
【図4】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる圧
胴の接離機構及び保持機構を示す側面図である。
【図5】本発明の第1の実施例に用いられるガイド板を
説明する側断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例に用いられる操作パネル
を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置
の片面印刷時における概略側面図である。
【図8】本発明の第2の実施例を採用した孔版印刷装置
の概略側面図である。
【図9】本発明の第2の実施例に用いられる操作パネル
を示す図である。
【図10】本発明の第1及び第2の実施例の変形例に用
いられる垂直搬送部材を説明する部分側断面図である
【図11】本発明の第1及び第2の実施例の他の変形例
に用いられる背面搬送部材を説明する部分側断面図であ
る。
【図12】本発明の第1及び第2の実施例の他の変形例
に用いられるクリーニング手段を説明する図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置 2 第1の印刷ユニット 10 第2の印刷ユニット 30 給紙トレイ 52 排紙トレイ 59 第1の版胴 60 第1の押圧部材(圧胴) 84 第1の用紙搬送手段(用紙搬送ローラー対) 85 第1の用紙搬送手段(用紙搬送ローラー対) 86 第1の用紙搬送手段(レジストローラー対) 105 第2の版胴 106 第2の押圧部材(圧胴) 124 第2の用紙搬送手段(背面搬送部材) 128 搬送補助部材(吸引ファン) 132 搬送補助部材(吸引ファン) 133 搬送補助部材(吸引ファン) 148 孔版印刷装置 151 切換手段(切換爪) 155 搬送補助部材(吸引ファン) 156 第2の用紙搬送手段(背面搬送部材) 157 搬送補助部材(吸引ファン) 159 再転写防止手段(乾燥促進装置) 167 クリーニング手段 P 印刷用紙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の版胴と、第1の版胴の外周面に印刷
    用紙の一方の面を押圧する第1の押圧部材と、前記印刷
    用紙を貯容する給紙トレイと、前記給紙トレイから第1
    の版胴と第1の押圧部材との間に向けて印刷用紙を搬送
    するための第1の用紙搬送手段と、印刷済みの前記印刷
    用紙を積載する排紙トレイとを有する第1の印刷ユニッ
    トと、 第2の版胴と、第2の版胴の外周面に印刷用紙の他方の
    面を押圧する第2の押圧部材と、前記印刷用紙を反転さ
    せた状態で搬送するための第2の用紙搬送手段とを有
    し、第1の印刷ユニットに接続可能な第2の印刷ユニッ
    トとを具備し、 片面印刷時には第1の印刷ユニットのみを用い、前記給
    紙トレイから第1の用紙搬送手段を介して前記印刷用紙
    を第1の版胴と第1の押圧部材との間に送り、前記印刷
    用紙の一方の面に印刷画像を転写した後に前記排紙トレ
    イに排出し、両面印刷時には第1の印刷ユニットに第2
    の印刷ユニットを接続させ、前記給紙トレイから第2の
    版胴と第2の押圧部材との間に前記印刷用紙を送り、前
    記印刷用紙の他方の面に印刷画像を転写した後に該印刷
    用紙を第2の用紙搬送手段で反転させて搬送し、第1の
    印刷ユニットで一方の面に印刷画像を転写させた後、前
    記印刷用紙を前記排紙トレイに排出することを特徴とす
    る孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】第1の版胴と、第1の版胴の外周面に印刷
    用紙の一方の面を押圧する第1の押圧部材と、前記印刷
    用紙を貯容する給紙トレイと、前記給紙トレイから第1
    の版胴と第1の押圧部材との間に向けて印刷用紙を搬送
    するための第1の用紙搬送手段と、印刷済みの前記印刷
    用紙を積載する排紙トレイとを有する第1の印刷ユニッ
    トと、 第2の版胴と、第2の版胴の外周面に印刷用紙の他方の
    面を押圧する第2の押圧部材と、前記印刷用紙を反転さ
    せた状態で搬送するための第2の用紙搬送手段とを有
    し、第1の印刷ユニットに隣接して配設された第2の印
    刷ユニットと、 前記給紙トレイからの前記印刷用紙が第1の用紙搬送手
    段に向かう第1の位置と、該印刷用紙が第2の版胴と第
    2の押圧部材との間に向かう第2の位置とを選択的に占
    める切換手段とを具備し、 片面印刷時には前記切換手段を第1の位置に位置決め
    し、前記給紙トレイから第1の用紙搬送手段を介して前
    記印刷用紙を第1の版胴と第1の押圧部材との間に送
    り、前記印刷用紙の一方の面に印刷画像を転写した後に
    前記排紙トレイに排出し、両面印刷時には前記切換手段
    を第2の位置に位置決めし、前記給紙トレイから第2の
    版胴と第2の押圧部材との間に前記印刷用紙を送り、前
    記印刷用紙の他方の面に印刷画像を転写した後に該印刷
    用紙を第2の用紙搬送手段で反転させて搬送し、第1の
    印刷ユニットで一方の面に印刷画像を転写させた後、前
    記印刷用紙を前記排紙トレイに排出することを特徴とす
    る孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】第1及び第2の用紙搬送手段が前記印刷用
    紙の搬送を幇助する搬送補助部材をそれぞれ有すること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の孔版印刷装
    置。
  4. 【請求項4】第2の用紙搬送手段が前記印刷用紙の他方
    の面に転写された前記印刷画像の再転写を防止する再転
    写防止手段を有することを特徴とする請求項1、請求項
    2または請求項3記載の孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】前記給紙トレイがフロントローディング機
    構であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のう
    ちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】第1及び第2の押圧部材の表面をクリーニ
    ングするクリーニング手段を有することを特徴とする請
    求項1ないし請求項5のうちの何れか1つに記載の孔版
    印刷装置。
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