JPH11151852A - 複胴式印刷装置 - Google Patents

複胴式印刷装置

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JPH11151852A
JPH11151852A JP32170097A JP32170097A JPH11151852A JP H11151852 A JPH11151852 A JP H11151852A JP 32170097 A JP32170097 A JP 32170097A JP 32170097 A JP32170097 A JP 32170097A JP H11151852 A JPH11151852 A JP H11151852A
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plate cylinder
paper
plate
cylinder
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JP32170097A
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English (en)
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Mitsuru Takahashi
満 高橋
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙検出フィンガーを配置しなくても印圧開
始のロック解除および印圧解除を行なうことができる複
胴式印刷装置を提供する。 【解決手段】 各版胴1a,1bと、各プレスローラ9
a,9bと、中間搬送装置17とを有すると共に、上流
位版胴1aと下流位版胴1bとの間における印刷用紙2
2の巻き上り有無を中間搬送装置17上で検知する印刷
用紙巻き上り検知センサ50と、下流位版胴1b側に配
設されたプレスローラ9bの印圧動作を解除するための
印圧解除装置63bと、上流位版胴1aに対するプレス
ローラ9aの印圧動作により印刷された印刷用紙22が
印刷用紙巻き上り検知センサ50によって検知された時
に、下流位版胴1b側の印圧解除装置63bの印圧解除
ソレノイド59bを駆動制御して印圧動作の許可を行な
う印圧解除制御装置100とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置等を
含む印刷装置に関し、さらに詳しくは複数の版胴にマス
タをそれぞれ巻装して多色印刷等を行なう複胴式印刷装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より簡便な印刷方式として、感熱デ
ジタル製版式の孔版印刷装置が知られている。この孔版
印刷装置では、サーマルヘッドの微細な発熱素子に感熱
孔版マスタ(以下、単に「マスタ」という)を接触さ
せ、サーマルヘッドの発熱素子にパルス的に通電させな
がらマスタを搬送することで、画像信号に応じてマスタ
を溶融穿孔・製版し、この製版された製版済みのマスタ
を多孔性円筒状の版胴の外周面に巻き付けた後に、版胴
内部のインキ供給手段よりインキを供給し、給送されて
くる印刷用紙をプレスローラ等の押圧手段で製版済みの
マスタを介して版胴に連続的に押し付け印圧を付与する
ことにより、印刷ドラムの開孔部分、さらにはマスタの
穿孔部分よりインキを滲み出させ、そのインキを印刷用
紙に転移させることによって印刷画像を形成するもので
ある。
【0003】このような単胴式の孔版印刷装置、換言す
れば単色機においては、通常、プレスローラと版胴外周
面とで形成される印刷ニップ部に印刷用紙の先端を給送
するタイミングをとる手段として、版胴の回転に同期し
て動作する印圧カムを配設している。そして、単色機に
おいては、上記印刷ニップ部に至る印刷用紙の給紙経路
等での印刷用紙の搬送ジャム等が発生したようなときの
ために、上記印圧カムの動作によってプレスローラの上
昇動作による印圧がかからないようにする、つまり印圧
動作を解除するための印圧解除手段が配設されている。
【0004】また、単色機においては、例えば図1およ
び図3を借りて説明すると、上記印刷ニップ部に至る印
刷用紙の給紙経路に配設されている上下一対のレジスト
ガイド板31,31内に印刷用紙22の給送有無を検知
する複数の用紙検出フィンガー53を配置して、印刷用
紙22が給送されて来た時に、用紙検出フィンガー53
によって印刷用紙22の給送有りを検知し、その用紙検
出フィンガー53による印刷用紙22の給送有り検知動
作に連動して印圧脱着レバー55aを作動させて印圧開
始のロック解除を行なっていた。なお、レジストガイド
板31,31は、その上下の間隔が印刷用紙22を案内
するために比較的狭く設定されていて、用紙検出フィン
ガー53の配設箇所においてその揺動を許容するため切
り欠かれているものである。
【0005】ところで、単色機で多色印刷を行なうに
は、1色目の原稿に対応したマスタを製版して1色目の
インキが内蔵された版胴に巻き付けて上記したように印
刷を行なうことにより、1色目のインキの印刷画像を印
刷用紙に転写する。その後、2色目の印刷をするには、
2色目の原稿に対応したマスタを製版して2色目のイン
キが内蔵された版胴に巻き付けて、1色目のインキの印
刷画像が転写された印刷用紙に2色目のインキの印刷画
像を再度転写するという作業を繰り返すことによって、
多色印刷を可能としている。つまり、先ず、初めの色の
原稿に対応したマスタを製版して必要部数の印刷を行な
ってから、次の色の原稿に対応したマスタを製版して1
度印刷した印刷用紙の上に再度印刷を行ない、この作業
を必要色繰り返していた。
【0006】そこで、単色機による上述したような多色
印刷の煩雑さの解消および全体的な印刷時間の短縮等を
目的として、いわゆる複胴式孔版印刷装置を用いて多色
印刷を行なう技術が幾つか提案されている。この複胴式
孔版印刷装置では、印刷用紙の搬送方向(以下、「用紙
搬送方向」という)に複数の版胴を並べて配置し、マス
タを各版胴に巻き付け、各版胴上のマスタにインキを供
給して、各版胴毎に配設されたプレスローラ等の押圧手
段により各版胴上のマスタに印刷用紙を押し付け印圧を
付与することによって連続的に印刷を行なうようになっ
ている。このような複胴式孔版印刷装置を用いて多色印
刷をする方式としては、例えば特開平7−17121号
や特開平9−234941号公報で開示されている各技
術が挙げられるが、用紙搬送方向上流側の上流位版胴に
隣ってその下流側に配置された下流位版胴の印圧解除構
成およびその制御等についての細部にわたる本格的な提
案はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記複
胴式孔版印刷装置では、上流位版胴と下流位版胴との間
には印刷済みの印刷用紙の印刷画像面を擦らないように
上流位版胴で印刷された印刷用紙を強制的に下流位版胴
の印刷ニップ部に搬送するための中間搬送装置が必要で
あるが、上記したようなレジストガイド板31,31を
介して用紙検出フィンガーを配置すると、上側のレジス
トガイド板31の内壁で印刷済みの印刷用紙の印刷画像
面を擦ることがあるので、上流位版胴と下流位版胴との
間の給紙経路に用紙検出フィンガーを配置することがで
きなかった。
【0008】なお、上記各公報記載の技術では、上流位
版胴と下流位版胴との間の給紙経路における中間搬送装
置上に配設され上流位版胴から送出されてくる印刷済み
用紙を検知するための第2センサ49等の記載はあるも
のの、それらのセンサは上流位版胴と下流位版胴との間
における印刷用紙の巻き上り有無を検知するための、本
願発明における印刷用紙巻き上り検知手段の機能を有し
ていない。さらに、上記各公報記載の技術では、上記課
題を示唆するような記述もなく、また下流位版胴毎に印
圧解除手段を配設してその印圧解除手段を駆動制御する
という言及すらもない。
【0009】したがって、本発明は、かかる問題点を解
決するために、複胴式印刷装置における上流位版胴と下
流位版胴との間の給紙経路あるいは中間搬送装置上で印
刷用紙の巻き上り有無を検知する印刷用紙巻き上り検知
手段を配設すると共に、下流位版胴毎に押圧手段の印圧
動作を解除するための印圧解除手段およびこの印圧解除
手段を駆動制御する印圧解除制御手段を配設することに
より、用紙検出フィンガーを配置しなくても印圧開始の
ロック解除および印圧解除を行なうことのできる複胴式
印刷装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明は、印刷用紙の搬送方向に
並んだ複数の版胴を有し、マスタを各版胴に巻き付け、
上記各版胴上のマスタにインキを供給して、上記各版胴
毎に配設された押圧手段により上記各版胴上のマスタに
印刷用紙を押し付け印圧を付与することによって連続的
に印刷を行なう複胴式印刷装置において、印刷用紙の搬
送方向における上流側の上流位版胴とこれに隣るその下
流側の下流位版胴との間における印刷用紙の巻き上り有
無を検知する印刷用紙巻き上り検知手段と、上記下流位
版胴毎に配設された、上記押圧手段の印圧動作を解除す
るための印圧解除手段と、上記上流位版胴とその押圧手
段との印圧動作により印刷された印刷用紙が上記印刷用
紙巻き上り検知手段によって検知された時に、上記下流
位版胴側の上記印圧解除手段を駆動制御して印圧動作の
許可を行なう印圧解除制御手段とを具備することを特徴
とする。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の複
胴式印刷装置において、上記上流位版胴と上記下流位版
胴との間には、上記上流位版胴で印刷された印刷用紙を
上記下流位版胴へ搬送する中間搬送手段を有し、上記印
刷用紙巻き上り検知手段は、上記中間搬送手段上で印刷
用紙の巻き上り有無を検知することを特徴とする。
【0012】ここで、印刷用紙の巻き上りとは、印刷用
紙の先端部が、版胴上のマスタに供給されたインキの付
着力により版胴外周面上に貼り付いてしまい、剥離爪や
エアーナイフ等の剥離手段によって剥離することができ
ないで下流位版胴側へ搬送不能となった不具合現象をい
うが、この他の原因によって上流位版胴で印刷された印
刷用紙が搬送ジャム等を生じて下流位版胴側へ搬送され
ない不具合現象をも含むものとする。
【0013】請求項1および2記載の発明に係る複胴式
印刷装置において、印圧解除手段の具体例としては、後
述する実施形態で使用するものの他、例えば特開平4−
129787号公報の第1図ないし第4図に示されてい
るストッパ10、プレスローラアーム11、プレスロー
ラ支持アーム13および第2ソレノイド26等からなる
ものを用いることができる。
【0014】印刷用紙巻き上り検知手段の具体例として
は、後述する実施形態で使用する反射型フォトセンサの
他、例えばより一層信頼性を向上する点から、光源とし
ての発光素子および受光素子とを具備した透過型フォト
センサを使用することができる。信頼性をそれ程望まな
くてもよいのであれば、フィラー等からなる遮光片とこ
の遮光片と係合する透過型フォトセンサとを具備する検
知手段、あるいはマイクロスイッチ等を使用してもよ
い。
【0015】印圧解除制御手段の具体例としては、上記
構成・機能を具備するマイクロコンピュータや制御回路
等が用いられる。
【0016】請求項1および2記載の発明に係る複胴式
印刷装置において、この複胴式印刷装置は、例えば特開
平9−234941号公報の図1等に示されている片面
多版印刷および両面同時印刷を行なえる印刷機にも適用
することができる。ちなみに、同公報記載の印刷機は、
第1の版胴10の正転時に対応して版胴10上の第1の
マスタ22にインキを供給する第1のインキ供給手段5
1と、正逆転版胴15の正転時に対応して正逆転版胴1
5上の第2のマスタ122にインキを供給する第2のイ
ンキ供給手段151Aと、第1の版胴10、正逆転版胴
15の正転時に対応して第1の版胴10、正逆転版胴1
5との間に給送された用紙62をそれぞれ押し付ける第
1のプレスローラ57、第2のプレスローラ157とを
具備し、版胴のうちの少なくとも一つが、印刷時におい
て、正逆転可能に構成された正逆転版胴15であり、正
逆転版胴15の逆転時に対応して正逆転版胴15上の第
2のマスタ122にインキを供給するインキ供給手段9
0と、片面印刷済みの用紙62を、正逆転版胴15の逆
転時に対応して正逆転版胴15に押し付けるプレスロー
ラ58とを有するものである。
【0017】また、請求項1および2記載の発明に係る
複胴式印刷装置は、例えば特開平7−17013号公報
に示されているような版胴の外側から版胴上のマスタに
インキを供給して、印刷画像を印刷用紙上に形成する印
刷装置であって、この印刷装置における上記版胴等を用
紙搬送方向に複数並設して構成した複胴式印刷装置にも
適用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む
本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)
を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形
状等を有する構成要素や構成部品等については、同一符
号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図
において一対で構成されていて特別に区別して説明する
必要がない構成要素や構成部品は、説明の簡明化を図る
上から、その片方を適宜記載することでその説明に代え
るものとする。
【0019】以下、本発明の第1の実施形態について説
明する。図1において、符号500は、本発明に係る複
胴式印刷装置を適用した複胴式孔版印刷装置を示す。符
号501は、複胴式孔版印刷装置500の装置本体とし
ての本体フレームを示す。本体フレーム501は、略筐
体状に配置されている。この複胴式孔版印刷装置500
は、図1に示すように、用紙搬送方向Xにおける上流側
に配置された上流位版胴1a(以下、単に「版胴1a」
というときがある)とこれに隣るその下流側に配置され
た下流位版胴1b(以下、単に「版胴1b」というとき
がある)を有し、各マスタ33a,33bを各版胴1
a,1bに巻き付け、各版胴1a,1b上のマスタ33
a,33bにインキIa,Ibを供給して、各版胴1
a,1b毎に配設された押圧手段としてのプレスローラ
9a,9bにより各版胴1a,1b上のマスタ33a,
33bに印刷用紙22を押し付け印圧を付与することに
よって連続的に印刷を行ない、同時多色印刷(この第1
の実施形態では同時2色印刷である)をすることが可能
なように構成されている。
【0020】第1の実施形態では、説明の簡明化のため
に、用紙搬送方向Xに並んだ2つの版胴1a,1bにつ
いて説明するが、勿論3つ以上の版胴を用紙搬送方向X
に並設して多色(カラー)印刷を行なうように構成する
こともできる。
【0021】複胴式孔版印刷装置500は、上記した各
版胴1a,1bと、上記した各プレスローラ9a,9b
と、上流位版胴1aと下流位版胴1bとの間の給紙経路
に配設され、上流位版胴1aの印刷部で印刷された印刷
用紙22を下流位版胴1bの印刷部へ搬送する中間搬送
手段としての中間搬送装置17とを有すると共に、上流
位版胴1aと下流位版胴1bとの間における印刷用紙2
2の巻き上り有無を中間搬送装置17上で検知する印刷
用紙巻き上り検知手段としての印刷用紙巻き上り検知セ
ンサ50と、下流位版胴1b側に配設されたプレスロー
ラ9bの印圧動作を解除するための印圧解除手段として
の図4に示す印圧解除装置63bと、上流位版胴1aに
対するプレスローラ9aの印圧動作により印刷された印
刷用紙22が印刷用紙巻き上り検知センサ50によって
検知された時に、下流位版胴1b側の印圧解除装置63
bを駆動制御して印圧動作の許可を行なう印圧解除制御
手段としての印圧解除制御装置100とを具備してい
る。
【0022】各版胴1a,1bのホームポジションは、
例えば図1において各版胴1a,1bの各クランパ5
a,5bが略直上に位置する各版胴1a,1bの初期位
置をいい、図1では版胴1aがホームポジションを占め
ている位置状態を符号H・Pで版胴1aの上部に示して
ある。
【0023】版胴1aと版胴1bとは、それぞれ略同一
の機能および構成を有する。これと同じように、版胴1
aの内外周りに配設された後述するインキ供給手段、版
胴1aを含む後述するドラムユニット、製版装置および
排版装置等と、版胴1bの内外周りに配設された後述す
るインキ供給手段、版胴1bを含む後述するドラムユニ
ット、製版装置および排版装置等とは、略同一の機能お
よび構成を有しているので、それらを同一符号の末尾に
符号aまたはbを付加することで区別することとし、そ
の一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の
説明をできるだけ省略する。
【0024】複胴式孔版印刷装置500は、印刷用紙巻
き上り検知センサ50、印圧解除装置63bおよび印圧
解除制御装置100の特徴的な構成を除き、従来の感熱
デジタル製版一体型孔版印刷装置と略同じ構成を有して
いる。すなわち、複胴式孔版印刷装置500は、図1に
示すように、マスタ33aを外周面に巻き付ける版胴1
aと、版胴1aの右上方に配置されマスタ33aを製版
する製版装置41aと、製版装置41aの下方に配置さ
れ給紙トレイ21上に積載された印刷用紙22を給送す
る給紙装置20と、版胴1aの左上方に配置され使用済
みのマスタ33aを版胴1aから剥ぎ取り排版する排版
装置42aと、版胴1aの下方に配置され給送されてく
る印刷用紙22を版胴1a上の製版済みのマスタ33a
に押し付けることにより印刷を行なう上記印刷部を構成
する印圧装置32aと、印圧装置32aで印刷された印
刷済みの印刷用紙22を版胴1aから分離・剥離するエ
アーナイフ7aと、マスタ33bを外周面に巻き付ける
版胴1bと、版胴1bの左上方に配置されマスタ33b
を製版する製版装置41bと、版胴1bの左方に配置さ
れ使用済みのマスタ33bを版胴1bから剥ぎ取り排版
する排版装置42bと、版胴1bの下方に配置され給送
されてくる印刷用紙22を版胴1b上の製版済みのマス
タ33bに押し付けることにより印刷を行なう上記印刷
部を構成する印圧装置32bと、印圧装置32aと印圧
装置32bとの間に配置され版胴1aと印圧装置32a
とで印刷された印刷済みの印刷用紙22を印圧装置32
bへ搬送する上記した中間搬送装置17と、印圧装置3
2bで印刷された印刷済みの印刷用紙22を版胴1bか
ら分離・剥離するエアーナイフ7bと、排版装置42b
の下方に配置され印圧装置32aおよび印圧装置32b
で多色印刷された印刷済みの印刷用紙22を排紙トレイ
37上に排出する上記エアーナイフ7bを含む排紙装置
35とを具備する。
【0025】複胴式孔版印刷装置500の両製版装置4
1a,41bおよび排版装置42aの上方には、原稿の
画像を読み取るための図示を省略した原稿読取装置と、
複胴式孔版印刷装置500を操作するための図示を省略
した操作パネルとがそれぞれ配設されている。
【0026】図1において簡略的に示した製版装置41
a,41b、排版装置42a,42bおよび上記原稿読
取装置は、例えば特開平5−229243号公報記載の
図8等に示されている構成と同様のものからなる。ま
た、上記原稿読取装置には、多色重ね刷り印刷に必要な
色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64
−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可
能に制御できるフィルターユニットと同様の機能及び構
成を有するものが、上記原稿読取装置に配置されている
ミラー群とレンズとの間の光路上に配設されていて、同
公報記載と同様の自動製版および給版等の動作を行なう
ようになっており、その詳しい説明は省略する。
【0027】版胴1aは、周知の多孔性円筒状をなし、
ドラム軸2aの周りに回動自在に支持されている。版胴
1aは、ドラム軸2aの中心軸線方向に延在して設けら
れていて、印刷インキ通過性の多数かつ微細な開孔部が
形成された金属製の支持円筒体と、その外周面に巻き付
けられた樹脂もしくは金属製のメッシュスクリーン層と
の2層構造となっており、各図においては1本の実線で
示されている。上記支持円筒体には、クランパ5aの周
辺を除くその円周上の所定の範囲にわたり開孔部が形成
された印刷可能領域と、該開孔部が形成されていない印
刷インキ不通過性の非印刷領域とが形成されている。上
記非印刷領域は上記支持円筒体の両側端縁部にも設けら
れている。上記支持円筒体は、ステンレススチール等の
金属板にエッチングやプレス加工によって上記開孔部を
形成したものであり、その厚さ0.1〜1.0mmのも
のが好ましく用いられる。
【0028】版胴1a外周部の一母線上には、図1およ
び図2に示すように、マスタ33aの先端部をクランプ
する開閉自在なクランパ5aが設けられている。クラン
パ5aは、クランパ軸6aで版胴1a上に枢着されてい
て、版胴1aの外周周りの適宜の位置に配設されている
図示しない開閉手段により所定位置で開閉される。
【0029】版胴1aの両端には、図2等に示すよう
に、ホイール状の端板43がそれぞれ設けられている。
版胴1aは、両側の端板43の外周面上にネジで取付け
られていて、両側の端板43の中央部とドラム軸2aの
外周面との間にそれぞれ介装された一対のころがり軸受
(図示せず)を介して、前フレーム(図示せず)および
後フレーム44内側のドラム軸2a上に回転可能に支持
されている。上記前フレームの上端部と後フレーム44
の上端部とは、把持フレーム45で連結されている。図
2において手前側の端板43中央の外端部には、ドラム
ギヤ162が一体形成されている。
【0030】版胴1aの内部には、図1にのみ示すよう
に、版胴1aの内周面から外周面に向けてインキを供給
するためのインキ供給手段が配設されている。版胴1a
におけるインキ供給手段では1色目のインキとして黒色
のインキが、版胴1bにおけるインキ供給手段では2色
目のインキとして赤色のインキがそれぞれ供給されるよ
うになっている。版胴1aにおけるインキ供給手段は、
版胴1aの内周面に黒色のインキを供給するインキロー
ラ3aと、このインキローラ3aと僅かな間隙を置いて
平行に配置され、インキローラ3aとの間にインキ溜り
Iaを形成するドクタローラ4aと、インキ溜りIaへ
インキを供給するドラム軸2aを兼ねるインキ供給管2
aとが配置されている。
【0031】インキは、本体フレーム501に対して版
胴1aを着脱自在とするために構成された後述するドラ
ムユニット90aに設けられたインキ容器からインキポ
ンプ(共に図示せず)により圧送され、ドラム軸2を兼
ねているインキ供給管2aを介してインキ溜りIaへ供
給される。インキ溜りIaに供給されるインキの量は、
インキ検知手段(例えば特開平5−229243号公報
の図5参照)によって検知・測定され、上記インキポン
プによってインキ圧送量をコントロールされる。
【0032】インキローラ3aは、アルミニウム、ステ
ンレスなどの金属またはゴム等により形成され、図示し
ないギヤ列により版胴1aと共に時計回り方向に回転す
る。インキローラ3aと版胴1aとの回転速度の比は、
所定の値に設定されている。ドクタローラ4aは、鉄や
ステンレスなどの金属で形成され、図示しないギヤ列に
より反時計回り方向に回転する。ドクタローラ4aと版
胴1aとの回転速度の比も所定の値に設定されている。
【0033】図1および図2において、符号90aは、
本体フレーム501に対して図示しない着脱手段を介し
て版胴1aを着脱自在とするために構成されたドラムユ
ニットを示す。符号90bは、本体フレーム501に対
して図示しない着脱手段を介して版胴1bを着脱自在と
するために構成されたドラムユニットを示す。
【0034】ドラムユニット90aは、版胴1a、端板
43、ドラム軸2a、上記インキ供給手段、上記前フレ
ーム、後フレーム44および把持フレーム45から主に
構成される。ドラムユニット90bは、版胴1b、ドラ
ム軸2b、端板43、ドラム軸2a、上記インキ供給手
段、上記前フレーム、後フレーム44および把持フレー
ム45から主に構成される。各ドラムユニット90a,
90bは、本体フレーム501内から離脱されるとき、
図示しない構造・手段等によって、各版胴1a,1bが
ホームポジションを占めている状態でのみ離脱可能とな
っている。
【0035】上記各着脱手段は、例えば実開昭61−8
5462号公報記載の第1図ないし第4図に示された版
胴支持装置と同様の構造を有する。
【0036】各ドラムユニット90a,90bが上記し
た構成を有することにより、インキの色替えを各版胴1
a,1bで同時に行なうために新しい各版胴と交換した
いときに大変便利であると共に、1色目の版胴1aと2
色目の版胴1bとの間に詰まったジャム紙を取り出すと
きなどに各版胴1a,1bのメッシュスクリーン等を傷
つけることがない。
【0037】図2において、符号150は、版胴1aお
よび版胴1bを回転させると共に、各プレスローラ9
a,9bを、各版胴1a,1bの外周面に圧接する印圧
位置とこの印圧位置から離間する非印圧位置とに各版胴
1a,1bの回転にそれぞれ同期させて揺動・変位させ
るプレスローラ変位駆動手段を示す。プレスローラ変位
駆動手段150は、図2に示すように、各版胴1a,1
bをそれぞれ回転駆動すると共に、各プレスローラ9
a,9bをそれぞれ揺動するための、図1において紙面
の奥側に配設された本体フレーム501に固設された正
転および逆転可能なメインモータ151と、このメイン
モータ151と印圧カム12aのカム軸12Aaとの間
に介装された減速手段152と、本体フレーム501内
に装着された版胴1aとカム軸12Aaとの間に介装さ
れた同期手段157とから主に構成される。
【0038】減速手段152は、メインモータ151の
出力軸151A端部に取付けられた歯付きの駆動プーリ
151Bと、本体フレーム501にプーリ軸153Aを
もって回転自在に支持された歯付きのプーリ153と、
駆動プーリ151Bとプーリ153との間に掛け渡され
た歯付きのベルト155と、プーリ153のプーリ軸1
53Aと同軸に取付けられた小径ギヤ154と、カム軸
12Aaと同軸に取付けられ小径ギヤ154と噛合する
大径ギヤ156とから構成される。
【0039】同期手段157は、印圧カム12aと大径
ギヤ156との間のカム軸12Aa上に取付けられた歯
付きの下プーリ158と、本体フレーム501にプーリ
軸160Aをもって回動自在に支持された歯付きの上プ
ーリ160と、下プーリ158と上プーリ160との間
に掛け渡された歯付きのメインベルト159と、プーリ
軸160Aの端部に取付けられた脱着ギヤ161とから
主に構成される。
【0040】下プーリ158と上プーリ160とは、同
径の歯付きの外周部を有していて、それぞれの回転比が
1:1となるようにメインベルト159で連結され回動
されるようになっている。上プーリ160は、2連プー
リとなっている。図2において、版胴1bの脱着ギヤ
(不図示であるが、版胴1a側の脱着ギヤ161と同じ
構成である)に一体的に取付けられた連結プーリ(不図
示であるが、版胴1a側の上プーリ160と同じ構成で
ある)と図2において奥側の上プーリ160との間に
は、メインモータ151の回転駆動力を版胴1bへ伝達
する歯付きの連結ベルト166が掛け渡されている。脱
着ギヤ161は、版胴1a側のドラムギヤ162と同歯
数を有し、選択的に噛合するようになっている。
【0041】一方、メインモータ151の出力軸151
Aには、周知のフォトロータリエンコーダ163が取付
けられている。フォトロータリエンコーダ163近傍の
本体フレーム501には、フォトロータリエンコーダ1
63を所定の間隔をもって挾み付ける透過型フォトセン
サからなるセンサ164が配設されている。メインモー
タ151の回転駆動によるフォトロータリエンコーダ1
63の回転動作に協働して発生された所定のパルスをセ
ンサ164で検出することにより、版胴1aの回転速度
が検出されるようになっている。これにより、メインモ
ータ151を介して各版胴1a,1aの回転速度の制御
がなされるようになっている。メインベルト159の略
中央部に近接した本体フレーム501には、この本体フ
レーム501に移動可能かつ回動自在に支持されたテン
ションローラ165が設けられていて、このテンション
ローラ165は、メインベルト159の略中央部に圧接
するようになっている。
【0042】印圧装置32aは、上記したインキローラ
3a、プレスローラ9a、プレスローラアーム11a、
印圧カム12aおよび印圧スプリング13aから主に構
成されている。印圧装置32aと印圧装置32bとは、
異なる構成もあるので、印圧装置32bについては異な
る構成のみを説明する。なお、図1においては、プレス
ローラアーム11a、印圧カム12aおよび印圧スプリ
ング13aは、幾分簡略的に示している。
【0043】プレスローラ9aは、給紙装置20から給
送されてきた印刷用紙22を版胴1aに押し付けて印刷
画像を印刷用紙22上に形成する押圧手段としての機能
を有する。プレスローラ9aは、後述する機構により版
胴1aの外周面に接離自在に設けられている。プレスロ
ーラ9aは、図1および図3に示すように、版胴1aの
ドラム軸2aと平行な方向に延在して配設された合成ゴ
ム製のものであり、その軸9sに実質一体的に取付けら
れている。プレスローラ9aの軸9sの両端部には、一
対の軸受9j,9jを介してプレスローラアーム11
a,11aが取付けられていて、プレスローラ9aは、
プレスローラアーム11aの揺動端において軸受対9
j,9jによって回転自在に支持されている。
【0044】一方、本体フレーム501側には、支軸1
0aが軸受(図示せず)を介して所定角度回動自在に設
けられている。支軸10aの両端部には、プレスローラ
アーム対11a,11aの基端部が固設されており、さ
らに支軸10aの両端には、図3および図4に詳しく示
すように、印圧脱着レバー55aが固設されている。印
圧脱着レバー55aの一側端中央部にはレバー爪55A
が形成され、印圧脱着レバー55aの他側端中央部には
直角に切り曲げられた切り曲げ部55Dが形成されてい
る。印圧脱着レバー55aの支軸10aへの取付部は、
図4にのみ示すように、右斜め上方に延びて印圧解除ア
ーム部55B(図3では省略している)を形成してい
て、その上端には切欠き爪55Cが形成されている。印
圧脱着レバー55aの下端部にはカムフォロア58aが
設けられている。カムフォロア58aは、コロ軸受から
なり、印圧カム12aの輪郭周面に係合するように印圧
脱着レバー55aに取付けられている。支軸10aの両
端には、印圧脱着レバー55aの上部固設部に隣って印
圧レバー56aが揺動自在に取付けられている。印圧レ
バー56aには、直角に切り曲げられた切り曲げ部56
Aが形成されている。
【0045】印圧スプリング13a(引張バネ)は、そ
の一端が本体フレーム501側に係止され、他端が印圧
レバー56a他側端中央部に係止されている。この印圧
スプリング13aの付勢力によって、版胴1aに対する
プレスローラ9aの印圧が加えられると共に、カムフォ
ロア58aがカム12aの輪郭周面に圧接される。印圧
スプリング13aは、その長さを調整できる構造となっ
ていて、その長さを変えることで印圧を調整することが
できる。
【0046】印圧カム12aは、略扇状に形成されてい
て、装置の組立て時において、プレスローラ変位駆動手
段150による給紙装置20からの印刷用紙22の給紙
タイミングおよび版胴1aの開孔範囲である印刷可能領
域に対応した印圧範囲とプレスローラ9aの上記印圧位
置とを考慮して、版胴1aの回転とのタイミングを取っ
てカム軸12Aaに固定されている。給紙装置20から
印刷用紙22が給紙されないときには、その大径部をカ
ムフォロア58aに係合させている。印圧カム12a
は、給紙装置20から印刷用紙22が給送されてくると
回転して、その小径部をカムフォロア58aに係合さ
せ、プレスローラ9aを図1において時計回り方向(図
3では反時計回り方向)に揺動させるようになってい
る。
【0047】これと略同様に、プレスローラ9b側の印
圧カム12aは、装置の組立て時において、中間搬送装
置17による印刷済みの印刷用紙22の給送タイミング
および版胴1bの開孔範囲である印刷可能領域に対応し
た印圧範囲とプレスローラ9bの上記印圧位置とを考慮
して、版胴1bの回転とのタイミングを取ってカム軸1
2Abに固定されている。中間搬送装置17により印刷
済みの印刷用紙22が給送されてこないときには、その
大径部をカムフォロア58bに係合させている。印圧カ
ム12bは、中間搬送装置17により印刷済みの印刷用
紙22が給送されてくると回転して、その小径部をカム
フォロア58bに係合させ、プレスローラ9bを図1に
おいて時計回り方向(図3では反時計回り方向)に揺動
させるようになっている。
【0048】印圧脱着レバー55aの切り曲げ部55D
には、プレスローラ逃げ量調整ネジ61aが螺合されて
いて、そのネジ61aの下端は切り曲げ部56Aに接触
している。このプレスローラ逃げ量調整ネジ61aの捩
じ込み量の調整によって、印圧脱着レバー55aに対す
る印圧レバー56aの位置を変えることができ、版胴1
aに対するプレスローラ9aの逃げ量を調整することが
できる。
【0049】給紙装置20の下流側における上下一対の
レジストガイド板31,31内には、複数の用紙検出フ
ィンガー53が固設されたフィンガー軸53Aが揺動自
在に配設されている。用紙検出フィンガー53の揺動範
囲に対応した下方のレジストガイド板31には、用紙検
出フィンガー53の揺動を許す切欠き開口部(図示せ
ず)が形成されている。フィンガー軸53Aの両端部
は、本体フレーム501に設けられた図示しない軸受を
介して所定角度回動自在に支持されている。フィンガー
軸53Aの紙面手前側の端部には、用紙検出アーム54
が取付け固定されている。用紙検出アーム54の他端に
は、印圧脱着レバー55aのレバー爪55Aと選択的に
係合する切欠き爪54Aが形成されている。
【0050】上記した用紙検出フィンガー53、フィン
ガー軸53Aおよび用紙検出アーム54は、上流位版胴
1aの印刷部に給送されてくる印刷用紙22の有無を検
知する給紙側用紙検知手段を構成している。
【0051】上記した構成のとおり、印刷用紙22が給
紙されないときには、用紙検出フィンガー53が印刷用
紙22の自重によって揺動されず、用紙検出アーム54
の切欠き爪54Aが印圧脱着レバー55aのレバー爪5
5Aと係合していることにより、印圧脱着レバー55a
がロックされた不動停止状態にある。そして、印圧カム
12aの大径部をカムフォロア58aに係合させている
とき、用紙検出アーム54の切欠き爪54Aと印圧脱着
レバー55aのレバー爪55Aとの間に若干の隙間が生
じるように各関係部品の組立て位置および形状等が設定
されている。
【0052】図4において、符号63aは、上流位版胴
1a側に配設されたプレスローラ9aの印圧動作を解除
するための印圧解除装置を示す。符号63bは、下流位
版胴1b側に配設されたプレスローラ9bの印圧動作を
解除するための印圧解除手段としての印圧解除装置を示
す。印圧解除装置63aと印圧解除装置63bとは、同
じ構成を有しているので、重複説明を避けるため印圧解
除装置63aについて説明する。
【0053】印圧解除装置63aは、例えば給紙装置2
0から給紙された印刷用紙22がレジストガイド板対3
1,31の間の給紙経路で用紙検出フィンガー53を押
した状態でジャムしたとき、このジャム紙除去のために
版胴1aを本体フレーム501から抜き出そうとする
と、プレスローラ9aが版胴1aの外周面と接触したま
まとなり、版胴1aに巻装されているマスタ33aやメ
ッシュスクリーンの破損、あるいは印圧装置32aや版
胴1aの変形等が発生するのを防止するため、プレスロ
ーラ9aを強制的に版胴1aから非印圧位置に離間させ
た状態に保持するための、印圧を解除する機構である。
【0054】また、印圧解除装置63bは、主として上
流位版胴1aで印刷用紙22が巻き上りを生じたとき
に、そのまま後続する印刷用紙22に印刷を行なうよう
な動作をさせると無駄紙を発生させること、および巻き
上りを生じた印刷用紙22により上流位版胴1aとその
印刷部や中間搬送装置17上でジャムを発生したような
ときに、そのジャム紙除去のために版胴1bを本体フレ
ーム501から抜き出そうとすると、プレスローラ9b
が版胴1bの外周面と接触したままとなり、版胴1bに
巻装されているマスタ33bやメッシュスクリーンの破
損、あるいは印圧装置32bや版胴1bの変形等が発生
するのを防止するため、プレスローラ9bを強制的に版
胴1bから非印圧位置に離間させた状態に保持するため
の、印圧を解除する機構である。
【0055】印圧解除装置63aは、印圧解除ストッパ
60a、印圧解除ソレノイド59aおよびストッパスプ
リング62aから主に構成されている。
【0056】印圧解除ストッパ60aは、本体フレーム
501に所定角度回動自在に支持されたストッパ軸60
sの周りに揺動自在になっている。印圧解除ストッパ6
0aの上端部には、印圧脱着レバー55a側の印圧解除
アーム55Bに形成された切欠き爪55Cと選択的に係
合するストッパ爪60Aが形成されている。一方、印圧
解除ストッパ60aの下端部には、本体フレーム501
側に固設されたブラケット64にその一端が係止された
ストッパスプリング62a(引張りバネ)の他端が係止
されている。印圧解除ストッパ60aは、ストッパスプ
リング62aの付勢力により常に図4において反時計回
り方向、すなわち印圧解除アーム55Bの切欠き爪55
Cとストッパ爪60Aとが係合する向きの揺動習性が与
えられている。本体フレーム501側のブラケット64
には、プランジャ59Aを備えたプル型の印圧解除ソレ
ノイド59aが固設されていて、そのプランジャ59A
がピンを介して印圧解除ストッパ60aの上端部側に連
結されている。
【0057】上記した構成のとおり、給紙ジャムが発生
し印刷用紙22が給紙されてこないようなときには、後
述するように印圧解除ソレノイド59aがオフされるの
で、版胴1aの定位置から停止の1回転の間で、印圧カ
ム12aの大径部がカムフォロア58aと係合する位置
に来たとき、印圧解除ストッパ60aのストッパ爪60
Aがストッパスプリング62aの付勢力によって図4に
おいて反時計回り方向に揺動され、印圧解除アーム55
Bの切欠き爪55Cと係合するように各関係部品の組立
て位置および形状等が設定されている。
【0058】したがって、印圧装置32a側において
は、版胴1aに印圧をかけるためには、用紙検出アーム
54と印圧解除装置63aにおける印圧解除ストッパ6
0aとの2つのロック状態が解除されていなければなら
ないことになる。
【0059】印圧装置32bは、印圧装置32aに対し
て、図3に示した上記給紙側用紙検知手段(用紙検出フ
ィンガー53、フィンガー軸53Aおよび用紙検出アー
ム54)を除去した構成を有する点が主に相違する。プ
レスローラ9bは、中間搬送装置17の搬送ベルト16
aによって搬送されてきた印刷済みの印刷用紙22を版
胴1aに押し付けて印刷画像を印刷用紙22上に形成す
る押圧手段としての機能を有する。
【0060】したがって、印圧装置32b側において
は、版胴1bに印圧をかけるためには、印圧解除装置6
3bにおける印圧解除ストッパ60bのみのロック状態
が解除されていればよいことになる。
【0061】図8において、符号65aは、版胴1aに
対するプレスローラ9aの印圧有無を検知する印圧検知
センサを、符号65bは、版胴1bに対するプレスロー
ラ9bの印圧有無を検知する印圧検知センサをそれぞれ
示す。各印圧検知センサ65a,65bは、発光素子と
受光素子とを具備した遮光型フォトセンサからなる。符
号66は各支軸10a,10bの紙面手前側端に固設さ
れた遮光板を示す。
【0062】各プレスローラ9a,9bが各版胴1a,
1bに近づき上記各印圧位置を占めると、各支軸10
a,10bが反時計回り方向に回動することにより、各
遮光板66が各印圧検知センサ65a,65bの光路を
遮断して各印圧検知センサ65a,65bに係合し、各
印圧検知センサ65a,65bをオン状態とする。
【0063】ここで、プレスローラ変位駆動手段150
の動作を前もって簡単に述べておく。まず、メインモー
タ151が回転駆動されることにより、駆動プーリ15
1Bと減速手段152のベルト155を介してプーリ1
53および小径ギヤ154と、大径ギヤ156とがそれ
ぞれこの順に減速・回転される。そして、大径ギヤ15
6の回転と共に印圧カム12aおよび同期手段157の
下プーリ158が回転され、さらにメインベルト159
を介して脱着ギヤ161が回転され、これによりドラム
ギヤ162が回転される。上記したように、下プーリ1
58と上プーリ160との、脱着ギヤ161とドラムギ
ヤ162との各々の回転比が、1:1であることによ
り、印圧カム12aと版胴1aとが、および印圧カム1
2bと版胴1bとがそれぞれ1:1の回転比で同期して
回転されることになり、結局、プレスローラ変位駆動手
段150の駆動によって、各版胴1a,1bが回転され
ると共に、印圧カム12aの大径部とカムフォロア58
aとの、および印圧カム12bの大径部とカムフォロア
58bとのそれぞれ選択的な係合を介して、各プレスロ
ーラ9a,9bが上記印圧位置と上記非印圧位置とに各
版胴1a,1bの上記した回転動作に同期して揺動・変
位される。
【0064】後述する印刷工程では、図2において、メ
インモータ151が時計回り方向に回転駆動されるの
で、印圧カム12aは反時計回り方向に回転される。
【0065】マスタ33aとしては、ポリエステル等の
熱可塑性樹脂フィルムに多孔質支持体(ベース)として
和紙等を貼り合わせたマスタが用いられている。マスタ
33aは、上記のものに限らず、非常に薄い実質的に熱
可塑性樹脂フィルムのみからなるものや、実質的に熱可
塑性樹脂フイルムのみからなるマスタ(その厚さが約1
〜8μm)程ではないが、上記従来のマスタ33a(そ
の厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚
さ20〜30μm)、かつ、ベースにおける合成繊維の
混抄率が高いマスタ、例えば極端に合成繊維の混抄率が
高いポリエチレンテレフタレート(PET)100%か
らなるベースを有する合成繊維ベースマスタを用いるこ
とも可能である。
【0066】給紙装置20は、給紙トレイ21、呼び出
しコロ23、上下一対の分離コロ対24,25、分離板
26、上下一対のガイド板上28、ガイド板下27、レ
ジストローラ対29,30および上下一対のレジストガ
イド板31,31等から主に構成されている。
【0067】給紙トレイ21は、その上に印刷用紙22
を積載され、給紙装置本体に昇降自在に支持されてい
る。給紙トレイ21は、印刷用紙22の増減に連動して
図示しないモータ装置により上下動される。呼び出しコ
ロ23と分離コロ対24,25とは、最上位の印刷用紙
22と当接するように設けられており、各ローラは図示
しない駆動手段により回転駆動される。分離コロ対2
4,25および分離板26は、その協働作用により呼び
出しコロ23によって搬送されてきた印刷用紙22を1
枚に分離する機能を有する。レジストローラ対29,3
0は、分離コロ対24,25の用紙搬送方向Xの下流側
に配設されている。レジストローラ対29,30は、搬
送されたきた印刷用紙22の先端をくわえ込み、タイミ
ングをとって版胴1aの外周面とプレスローラ9aとの
間に搬送する。
【0068】エアーナイフ7aは、印刷用紙22が版胴
1aの外周面に貼り付いて巻き上がるのを防止するため
に、その先端部がノズルになっている。エアーナイフ7
aのノズルには、図示しない空気圧発生装置のポンプか
ら印刷用紙22の先端の搬送と同期して圧縮空気流が高
速で吐出され、印刷用紙22の先端部に吹き付けられる
ようになっている。エアーナイフ7aは、エアーナイフ
軸8aを中心に版胴1aの外周面に近接した位置と、離
間した位置とに揺動可能となっている。すなわち、エア
ーナイフ7aは、クランパ5aとエアーナイフ7aの先
端が干渉しないように版胴1aの回転と同期して揺動す
る。一方、版胴1bにおけるエアーナイフ7bの左方に
は、送風ファン34が設けられていて、印刷用紙22の
版胴1bへの巻き上がり防止のために、エアーナイフ7
bによる印刷用紙22の分離・剥離作用を補助してい
る。
【0069】中間搬送装置17は、図1および図5に示
すように、従動ローラ14aと駆動ローラ15aとの間
に掛け渡された多孔性の搬送ベルト16aと、吸引用の
ファン18aと、ケーシング19とから主に構成されて
いる。
【0070】搬送ベルト16aの少なくとも表面は、ウ
レタンゴム等の印刷用紙22との摩擦係数の高いものを
採用しているので、印刷用紙22を図1の左方向へ牽引
する力を発生する。しかし、用紙搬送方向Xの上流側は
未だ版胴1aとプレスローラ9aとの印刷ニップ部で押
さえられているので、印刷用紙22の左方向への進行速
度は、版胴1aの回転周速度と同じである。搬送ベルト
16aは、複数に分割されて従動ローラ14aと駆動ロ
ーラ15aとの間に掛け渡されていて、版胴1aの周速
度と同じかまたは僅かに速い搬送速度で版胴1aと同期
して駆動されるようになっている。これにより、印刷用
紙22は図1の左方向へテンションが掛かった状態で搬
送されることになる。ファン18aは、ケーシング19
内に配置されていて、その回転によりケーシング19内
に負圧状態を作り出す。
【0071】印刷用紙巻き上り検知センサ50は、複数
に分割された搬送ベルト16a同士の間の開口下部に配
置・固定されている。印刷用紙巻き上り検知センサ50
は、図6に示すように、光源51とこの光源51からの
反射光を受ける受光素子52とを具備する反射型フォト
センサを使用している。光源51には発光素子としてL
ED(発光ダイオード)を、受光素子52にはフォトト
ランジスタをそれぞれ用いている。印刷用紙巻き上り検
知センサ50は、中間搬送装置17の搬送ベルト16a
によって印刷済みの印刷用紙22が吸着搬送されてきた
時に、受光素子52が上記発光素子から出射され印刷済
みの印刷用紙22の裏面で反射された反射光を受けるこ
とにより、印刷済みの印刷用紙22の巻き上り無し状
態、換言すれば印刷済みの印刷用紙22の給送有り状態
を検知するものである。
【0072】排紙装置35は、従動ローラ39と駆動ロ
ーラ38との間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト40
と、ジャンプ台40Aと、吸引用ファン36、ケーシン
グ36A等とから主に構成されている。
【0073】排紙装置35の搬送ベルト40は、版胴1
bの周速度と略同じ搬送速度で版胴1bと同期して駆動
されるようになっている。また、上記した送風ファン3
4の回転により送られる空気は、エアーナイフ7bの左
上方から印刷済みの印刷用紙22の表面へと吹き付けら
れる。これは、印刷済みの印刷用紙22の搬送ベルト4
0からの浮き上がり防止のためと印刷画像のインキ乾燥
の促進のためでもある。ジャンプ台40Aは、印刷済み
の印刷用紙22の中央部位を略U字状に撓ませて、いわ
ゆる排紙の腰付けをして排紙トレイ37上に整然と排出
積載する機能を有する。
【0074】図7において、各版胴1a,1bの図にお
いて紙面奥側の端板43(図1では紙面の手前側)に対
向した本体フレーム501の所定位置には、各版胴1
a,1bがホームポジションを占めたときに、そのホー
ムポジションを検知するための版胴回転位置検知センサ
70a,70bがそれぞれ設けられている。版胴回転位
置検知センサ70a,70bは、発光素子および受光素
子を具備した透過型フォトセンサからなる。
【0075】各版胴1a,1bの奥側の端板43には、
版胴回転位置検知センサ70a,70bと選択的に係合
する遮光板71が外側に突出してそれぞれ設けられてい
る。給版位置を検知する検知手段は、版胴回転位置検知
センサ70a,70bを兼用・利用しており、給版位置
および排版位置は、各版胴1a,1bがホームポジショ
ンを占めたときにおける版胴回転位置検知センサ70
a,70bからのオン信号出力時を起点として、図2に
示すフォトロータリエンコーダ163およびセンサ16
4により各版胴1a,1bの回転量(回転角度)を検出
することにより検知されるようになっている。
【0076】なお、各版胴1a,1bの回転位置を検知
する回転位置検知センサは、上記構成に限らず、例えば
半径方向に複数段のスリットを有し円板状をなすアブソ
リュート型のフォトエンコーダとこのフォトエンコーダ
の外周部を挟んで設けられた透過型フォトセンサとで構
成したものであってもよい。
【0077】次に、図9を参照して印圧解除制御装置1
00周りの要部の制御構成を簡単に述べる。印圧解除制
御装置100は、例えば、信号バス(図示せず)によっ
て互いに接続された、I/O(入出力)ポート101
と、CPU102(中央処理装置)と、RAM103
(読み書き可能な記憶装置)と、ROM104(読み出
し専用記憶装置)等を備えたマイクロコンピュータを具
備している。
【0078】印刷用紙巻き上り検知センサ50、版胴回
転位置検知センサ70aおよび印圧検知センサ65a,
65bからのオン/オフ信号やデータ信号は、I/Oポ
ート101の入力ポートを介して印圧解除制御装置10
0のCPU102に送信される。印圧解除制御装置10
0のCPU102からは、印圧解除ソレノイド59bに
指令信号が送信される。
【0079】印圧解除制御装置100のCPU102
は、上記したように、上流位版胴1aとそのプレスロー
ラ9aとの印圧動作により印刷された印刷用紙22が印
刷用紙巻き上り検知センサ50によって検知された時
に、下流位版胴1bの印圧解除装置63bにおける印圧
解除ソレノイド59bを駆動制御して印圧動作の許可を
行なう機能を有する。
【0080】なお、図9のブロック図には、本発明の実
施形態を簡明に説明するために、下流位版胴1b周りの
制御構成である印刷用紙巻き上り検知センサ50、版胴
回転位置検知センサ70a、および印圧解除ソレノイド
59bのみを図示したが、これに限らず、上流位版胴1
a周りの上記した制御構成、版胴回転位置検知センサ7
0bおよび印圧解除ソレノイド59aを印圧解除制御装
置100に電気的に接続させて後述する動作を行なわせ
ても勿論よい。
【0081】ROM104には図10に示すタイミング
チャートに基づいて制御を行なうための制御動作等に関
するプログラムが予め記憶されている。RAM103で
は、上記各センサ等からのデータ信号を一時記憶したり
する。
【0082】次に、複胴式孔版印刷装置500の動作を
説明する。先ず、オペレータが、上記原稿読取装置の原
稿受け台(図示せず)に印刷すべき原稿をセットし、製
版を起動させるための図示しない製版スタートキーを押
下すると、排版工程が両版胴1a,1bにおいて同様に
実行される。すなわち、各版胴1a,1bが回転して排
版位置に停止し、版胴1aの外周面に巻装されていた使
用済みのマスタ33aが版胴1aの外周面から漸次剥さ
れ搬送されつつ排版ボックス(図示せず)内へ排出され
ていわゆる排版が終了する。
【0083】次いで、版胴1aは、クランパ5aが図1
における略右横に位置する給版位置に停止される。版胴
1bは、クランパ5bが図1における略直上(ホームポ
ジションでもある)に位置する給版位置に停止される。
【0084】排版工程と並行して、上記原稿読取装置が
作動して原稿読み取りが行なわれる。この原稿読み取り
に係る詳細な構成および動作は、例えば公知の「縮小光
学式の原稿読取方式」で行なわれるようになっており、
原稿読み取りされた画像は最終的にCCD(電荷結合素
子)等の光電変換素子からなる画像センサにより光電変
換される。画像センサにより光電変換され電気信号は、
図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に送
信されることによりデジタル画像信号に変換される。
【0085】一方、上記原稿読み取り動作と並行して、
デジタル信号化された画像信号に基づき、両製版装置4
1a,41bにおいて同様の製版・給版工程が行なわ
る。マスタ33aが、製版装置41aに配設されている
平面型のサーマルヘッドに押し付けられているプラテン
ローラ(共に図示せず)および送り出しローラ対(図示
せず)の回転により、マスタ搬送路の下流側に搬送され
る。このように搬送されるマスタ33aに対して、上記
サーマルヘッドの主走査方向に一列に配列された多数の
微小な発熱素子が、上記A/D変換基板およびその後の
製版制御基板(図示せず)で各種処理を施されて送られ
てくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、
発熱した発熱素子に接触しているマスタ33aの熱可塑
性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このようにして、画
像情報に応じたマスタ33aの位置選択的な溶融穿孔に
より、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0086】画像情報が書き込まれて製版された製版済
みのマスタ33aの先端は、上記送り出しローラ対の回
転により版胴1aの外周部側へ向かって送り出され、給
版ガイド板(図示せず)により進行方向を変えられ、ク
ランパ5aが図1における略右横に位置する給版位置状
態にある版胴1aの拡開したクランパ5aへ向かって垂
れ下がる。このとき版胴1aは、排版工程により使用済
みのマスタ33aを既に除去されている。一方、版胴1
b側における製版済みのマスタ33bの先端は、送り出
しローラ対の回転により版胴1b外周部側へ向かって送
り出され、給版ガイド板(図示せず)により略水平方向
に案内されつつ、クランパ5bが図1における略直上に
位置する給版位置状態にある版胴1bの拡開したクラン
パ5bへ向かって挿入される。
【0087】そして、製版済みのマスタ33aの先端部
が、一定のタイミングでクランパ5aによりクランプさ
れると、版胴1aは図における時計回り方向に回転しつ
つ外周面に製版済みのマスタ33aを徐々に巻き付けて
いく。製版済みのマスタ33aの後端部は、製版完了後
に製版装置41aに配設されている可動刃および固定刃
等からなる切断手段の作動により一定の長さに切断され
て、一版のマスタ33aが版胴1aの外周面に完全に巻
装されると、いわゆる給版工程が終了する。
【0088】ここで、版胴1aの拡開したクランパ5a
へ向かって搬送されてきた製版済みのマスタ33aの先
端部がクランパ5aでクランプされるときに、製版済み
のマスタ33aの先端の搬送がクランパ5aにおける所
定のクランプ位置で停止してクランパ5aでクランプさ
れればよいが、この製版済みのマスタ33aの先端の搬
送停止位置がばらつくと、版胴1a上で巻装すべき製版
済みのマスタ33aの位置もばらつくことになる。この
製版済みのマスタ33aの先端の搬送停止位置をばらつ
かないようにすることは、上記した給版ガイド板のみに
よって製版済みのマスタ33aの先端を版胴1aの拡開
したクランパ5aへ向かって搬送するために、大変困難
なことである。製版済みのマスタ33aの先端のマスタ
搬送方向における搬送停止位置のばらつきにより、製版
済みのマスタ33aの先端の搬送量がクランパ5aにお
ける所定のクランプ位置に対して足りない場合には、製
版済みのマスタ33aの先端がクランパ5aに浅くクラ
ンプされることになる。また、製版済みのマスタ33a
の先端が、マスタ幅方向(版胴1aの軸方向でもある)
の左右にずれてクランパ5aでクランプされた場合に
は、クランパ5aの左右方向にずれてクランプされるこ
とになる。
【0089】このように各製版済みのマスタ33a,3
3bを各版胴1a,1bにそれぞれ巻き付ける際に、そ
の各製版済みのマスタ33a,33bの各版胴1a,1
bへの巻き付け位置が正規の位置よりも各版胴1a,1
bの天地方向にずれたような場合に、そのままの状態で
印刷を行なうと、印刷画像が天地方向に位置ずれを生
じ、これにより印刷画像の印刷ずれを起こしてしまうこ
とになるため、図示しない天地移動調整手段によって天
地方向の画像位置ずれを修正するための位置調整を行な
っている。
【0090】一版の各製版済みのマスタ33a,33b
が各版胴1a,1bの外周面にそれぞれ巻装されると製
版・給版工程が終了し、印刷工程が開始される。この
時、各版胴1a,1bは一度、図1に示す位置状態、す
なわち版胴1aはホームポジションに、版胴1bはその
クランパ5bが略真下近傍に位置する状態になるまで回
転してそれぞれ停止する。このように、第1の実施形態
では、各版胴1a,1bが本体フレーム501内にある
とき、版胴1aと版胴1bとの間には、予め初期位相差
が設けられていることが一つの特徴となっている。
【0091】本実施形態では、給排版装置を配したが、
給排版装置を配しない印刷部のみの印刷装置であっても
よく、別に製版装置があればよい。
【0092】そして、印刷工程が始まる。給紙トレイ2
1上に積載された最上位の印刷用紙22を呼び出しコロ
23に接触するまで給紙トレイ21を上昇させておく。
呼び出しコロ23に接触している最上位の印刷用紙22
が、呼び出しコロ23の回転動作により搬送されると共
に、分離コロ対24,25および分離板26の協働作用
により1枚に分離され、上下一対のガイド板上28およ
びガイド板下27に案内されつつレジストローラ対2
9,30に向けて用紙搬送方向Xに給送される。この
時、搬送された印刷用紙22の先端は、レジストローラ
対29,30のニップ部直前部位に当接し、ガイド板上
28に沿って撓んだ状態で停止している。
【0093】一方、1色目の版胴1aは、印刷動作が始
まると印刷の回転速度で回転され始める。版胴1aの内
周側では、インキ供給ディストリビュータ(図示せず)
からインキローラ3aとドクタローラ4aとの間に形成
されたインキ溜りIaに黒色のインキが供給され、その
黒色のインキはインキローラ3aとドクタローラ4aと
が回転することによって混練され伸ばされると共に、イ
ンキローラ3aの外周面に均一に付着するようになる。
インキの残量は、上記したインキ検知手段によって検知
され、インキが少なくなったときには上記インキ供給デ
ィストリビュータから補給される。こうして版胴1aの
回転方向と同一方向に、かつ、版胴1aの回転速度と同
期して回転しながら内周面に転接するインキローラ3a
により、インキが版胴1aの内周側に供給される。
【0094】そして、印刷用紙22が、レジストローラ
対29,30の回転作動により版胴1aの回転と同期し
た所定のタイミングで印圧装置32aにおける版胴1a
とプレスローラ9aとの間に給送されてくると、これに
同期して版胴1aの外周面下方に離間していたプレスロ
ーラ9aが揺動・上昇されることにより、印圧スプリン
グ13aの付勢力によって印圧が加えられ、版胴1aの
外周面に巻装されている製版済みのマスタ33aに押し
付けられる。これにより、版胴1aの開孔部から滲み出
たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマス
タ33aが版胴1aの外周面上に密着すると同時に、さ
らに製版済みのマスタ33aの穿孔パターン部からイン
キが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙22の表
面に転移されて、1色目の所望の黒色の印刷画像が形成
される。
【0095】以下、上流位版胴1aにおける上記印刷動
作を詳述する。レジストローラ対29,30の回転作動
により、印刷用紙22が版胴1aの回転と同期した所定
のタイミングで用紙搬送方向Xの下流側におけるレジス
トガイド板対31,31内の用紙検出フィンガー53上
に給送されて来た時、図3において、上記給紙側用紙検
知手段が作動する。すなわち、印刷用紙22の自重によ
って、用紙検出フィンガー53および用紙検出アーム5
4には時計回り方向に揺動する力が働くことにより、用
紙検出アーム54の切欠き爪54Aと印圧脱着レバー5
5aのレバー爪55Aとのロック係合部に若干の隙間が
でき、用紙検出アーム54が時計回り方向に揺動されて
切欠き爪54Aとレバー爪55Aとのロック係合状態が
解除される。
【0096】この給紙側用紙検知手段の作動と略同時的
に、図4に示す印圧解除装置63aが作動する。すなわ
ち、印圧解除ソレノイド59aがオン(励磁状態)され
ることにより、図4において、印圧解除ストッパ60a
のストッパ爪60A側がストッパスプリング62aの付
勢力に抗してストッパ軸60sを中心として時計回り方
向に揺動されるので、これにより印圧解除アーム55B
の切欠き爪55Cとストッパ爪60Aとのロック係合状
態が解除される。
【0097】したがって、プレスローラ9a側において
は、上記給紙側用紙検知手段における用紙検出アーム5
4と印圧解除装置63aにおける印圧解除ストッパ60
aとの2つのロックが解除されたことになり、版胴1a
に印圧をかけるための条件が整ったことになる。このよ
うなロック解除状態において、版胴1aの時計回り方向
の回転により、版胴1aのクランパ5aが図1における
真下を過ぎた回転位置に合わせて、印圧カム12aの小
径部がカムフォロア58aと係合することとなる。これ
により、印圧スプリング13aの付勢力によって印圧脱
着レバー55aが図3において図中矢印で示す反時計回
り方向に揺動されると共に、プレスローラ9aが図中矢
印で示す反時計回り方向に揺動・上昇されるので、印刷
用紙22が版胴1aの外周面に巻装されている製版済み
のマスタ33aに押し付けられると共に所定の印圧が与
えられて上記した印刷がなされる。この時、印圧検知セ
ンサ65aはオンする。
【0098】また、給紙装置20の分離コロ対24,2
5から給紙された印刷用紙22が版胴1aの印刷部に至
る給紙経路、例えばレジストガイド板対31,31の間
の給紙経路で用紙検出フィンガー53を押した状態でジ
ャムしたときには、印圧解除ソレノイド59aがオフさ
れるので、版胴1aの定位置から停止の1回転の間で、
印圧カム12aの大径部がカムフォロア58aと係合す
る位置に来たとき、印圧解除ストッパ60aのストッパ
爪60Aがストッパスプリング62aの付勢力によって
図4において反時計回り方向に揺動され、印圧解除アー
ム55Bの切欠き爪55Cと係合することで、印圧解除
レバー55aがロック係合状態に保持される。これによ
り、プレスローラ9aは非印圧位置を占めた印圧解除状
態に保持される。
【0099】黒色の印刷画像を形成された印刷用紙22
は、その先端がエアーナイフ7aの先端近傍の所までく
ると、エアーナイフ7aが版胴1aの回転動作と同期し
てエアーナイフ軸8aを中心に回転して版胴1aの外周
面に接近し、エアーナイフ7aの先端から吹き出る圧縮
空気流によって、印刷用紙22の先端が版胴1aから分
離・剥離される。エアーナイフ7aにより分離・剥離さ
れた印刷用紙22は、中間搬送装置17によって用紙搬
送方向Xの下流側へとさらに搬送される。
【0100】上述のように搬送ベルト16aは図1の矢
印方向へ回転し、ファン18aの作動によるケーシング
19内の負圧作用により、印刷用紙22の先端は容易に
搬送ベルト16aの上面に吸引され、この搬送ベルト1
6aの反時計回り方向の回転により、次の印圧装置32
b部位へ向かって搬送される。
【0101】搬送ベルト16aの搬送速度(回転線速
度)は、上述したように、版胴1aの周速度(回転線速
度)と同じかまたは速く設定されていが、印刷用紙22
の上流側は未だ版胴1aとプレスローラ9aとのニップ
部で押さえられているので、印刷用紙22の左方向への
進行速度は版胴1aの周速度と同じである。したがっ
て、印刷用紙22は左方向へテンションが掛かった状態
で搬送されることになる。
【0102】厳密には、搬送ベルト16aの搬送速度の
方が印刷用紙22の進行速度より速いので、搬送ベルト
16aと印刷用紙22とは滑りを生じていることにな
る。
【0103】この時、2色目の版胴1bは、版胴1aと
同期して印刷動作を始め、印刷の回転速度で回転され始
める。版胴1bの内周側では、版胴1aと同様の構成お
よび動作内容で版胴1bの回転速度と同期して回転しな
がら内周面に転接するインキローラ3bにより、2色目
の赤色インキが版胴1bの内周側に供給される。
【0104】また、版胴1aと版胴1bとは、黒と赤の
画像位置が印刷用紙22上で同じになるように予め初期
位相差が設けられている。版胴1aと版胴1bとの間に
予め上記初期位相差を設けた理由は、次のようなことに
よる。版胴1aと版胴1bとは、同じ周速度で回転する
ように上記したプレスローラ変位駆動手段150を含む
駆動経路によって連結されているため、黒と赤の画像位
置が印刷用紙22上で同じになるように予め初期位相差
が設けられているのである。すなわち、図1に示すよう
に、版胴1aと版胴1bのクランパ5a,5bの位置が
異なっていて、その角度は、版胴1aの印刷部から版胴
1bの印刷部までの印刷用紙22の搬送経路長さを、版
胴1bの外周面上に取った場合に得られる中心角度に相
当する。印刷用紙22の搬送経路長さとは、おおよそ、
版胴1aと版胴1bの回転中心軸の間の距離に相当す
る。
【0105】このような初期位相差の設定理由を、各版
胴1a,1b上に巻装された製版済みのマスタ33a,
33bが同じ製版サイズであって、例えば各製版画像が
全ベタ画像であるような場合に単純化して考えて見る
と、次のようなことになる。すなわち、版胴1aと版胴
1bとが同じ周速度で回転すべく連結されていて、か
つ、版胴1aの印刷部から版胴1bの印刷部までの印刷
用紙22の搬送経路長さがあることから、下流側の版胴
1bの印刷部で印刷するとき、上流側の版胴1aの印刷
部で印刷された全ベタ印刷画像を有する印刷用紙22上
に、版胴1bの印刷部で印刷される全ベタ画像の全輪郭
を用紙搬送方向Xにずれること無く重なり合うような関
係位置とするためには、版胴1bに対して搬送経路長さ
分に相当する初期位相差を設けなければならないことは
明らかである。
【0106】そして、印刷用紙22の先端部分が、搬送
ベルト16aによって進行方向に牽引力を与えられなが
ら、版胴1bの回転と同期した所定のタイミングで印圧
装置32bにおける版胴1bとプレスローラ9bとの間
に給送されてくると、これに同期して版胴1bの外周面
下方に離間していたプレスローラ9bが揺動・上昇され
ることにより、印圧スプリング13bの付勢力によって
印圧が加えられ、版胴1bの外周面に巻装されている製
版済みのマスタ33bに押し付けられる。これにより、
版胴1bの開孔部から滲み出たインキの粘性による付着
力によって、製版済みのマスタ33bが版胴1bの外周
面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ33
bの穿孔パターン部からインキが滲み出し、この滲み出
たインキが印刷用紙22の表面に転移されて、2色目の
赤色インキによる赤色の印刷画像が形成される。
【0107】以下、下流位版胴1bにおける上記印刷時
前後の動作を詳述する。図10のタイミングチャートに
示すように、版胴1aの回転角度(位相)がそのクラン
パ5aが真下となる180°を少し過ぎた200°付近
において、搬送ベルト16a上の印刷用紙22の先端が
印刷用紙巻き上り検知センサ50により検知され、印刷
用紙巻き上り検知センサ50がオンする。
【0108】そして、印圧解除制御装置100のCPU
102は、印刷用紙巻き上り検知センサ50からの巻き
上り無し信号に基づいて、プレスローラ9b側の印圧解
除装置63bにおける印圧解除ソレノイド59bをオン
駆動制御して印圧動作の許可を行なう。換言すれば、印
圧解除ソレノイド59bがオン(励磁状態)されること
により、図4において、印圧解除ストッパ60bのスト
ッパ爪60A側がストッパスプリング62bの付勢力に
抗してストッパ軸60sを中心として時計回り方向に揺
動されるので、これにより印圧解除アーム55Bの切欠
き爪55Cとストッパ爪60Aとのロック係合状態が解
除される。
【0109】したがって、プレスローラ9b側において
は、印圧解除装置63bにおける印圧解除ストッパ60
bのロックが解除されたことになり、版胴1bに印圧を
かけるための条件が整ったことになる。このようなロッ
ク解除状態において、版胴1bの時計回り方向の回転に
より、版胴1bのクランパ5bが図1における真下を過
ぎた回転位置に合わせて、印圧カム12bの小径部がカ
ムフォロア58bと係合することとなる。これにより、
印圧スプリング13bの付勢力によって印圧脱着レバー
55bが図4において反時計回り方向に揺動されると共
に、プレスローラ9bが図1に示す時計回り方向に揺動
・上昇されるので、黒色の印刷画像が形成された印刷用
紙22が版胴1bの外周面に巻装されている製版済みの
マスタ33bに押し付けられると共に、所定の印圧が与
えられて赤色の印刷画像の印刷がなされる。この印圧付
与時では、印圧検知センサ65bがオンしており、印圧
解除制御装置100のCPU102にそのオン出力信号
が送信される。
【0110】そして、印刷用紙22の縦方向サイズの違
いにもよるが、黒色および赤色の2色印刷画像が形成さ
れた印刷用紙22が中間搬送装置17の搬送ベルト16
aにより搬送され、その印刷用紙22の後端が印刷用紙
巻き上り検知センサ50により検知されなくなる版胴1
aの回転角度(位相)に対応した約300°を過ぎた時
点において、印刷用紙巻き上り検知センサ50がオフす
る。印圧解除制御装置100のCPU102は、印刷用
紙巻き上り検知センサ50からのオフ出力信号に基づい
て、プレスローラ9b側の印圧解除装置63bにおける
印圧解除ソレノイド59bをオフ駆動制御して印圧解除
動作を行なう。換言すれば、印圧解除ソレノイド59b
がオフされることにより、版胴1bの定位置から停止の
1回転の間で、印圧カム12bの大径部がカムフォロア
58bと係合する位置に来たとき、印圧解除ストッパ6
0bのストッパ60Aがストッパスプリング62bの付
勢力によって図4において反時計回り方向に揺動され、
印圧解除アーム55Bの切欠き爪55Cと係合する。こ
れにより、印圧解除レバー55bがロック係合状態に保
持され、プレスローラ9bは非印圧位置を占めた印圧解
除状態に保持される。
【0111】また、版胴1aに印刷用紙22が巻き上っ
たり、中間搬送装置17の上流側で給紙ジャムが発生し
たりして、印刷用紙巻き上り検知センサ50により印刷
用紙22が給送されてこないようなときには、印圧解除
ソレノイド59bがオフされたままであるので、印圧解
除レバー55bがロック係合状態に保持され、プレスロ
ーラ9bは非印圧位置を占めた印圧解除状態に保持され
ることで、プレスローラ9bの印圧がかからない。
【0112】なお、版胴1aの回転角度(位相)が給版
位置付近の90°から300°付近に至るまでは、印圧
解除制御装置100のCPU102により、I/Oポー
ト101の出力ポートを介して図示しない電源から電源
電圧Vcc(+5V)を印刷用紙巻き上り検知センサ5
0に供給すべく上記電源が制御される。そして、版胴1
aの回転角度(位相)がホームポジションである0°か
ら給版位置付近の90°に至る間および300°付近か
ら0°に至る間では、印刷用紙巻き上り検知センサ50
の誤動作を防止するために、印圧解除制御装置100の
CPU102により、上記電源から電源電圧Vcc(+
5V)を印刷用紙巻き上り検知センサ50に供給しない
ように上記電源が制御されるようになっている。これに
限らず、この電源電圧Vcc(+5V)は常時供給して
もよい。
【0113】以上の印刷動作により、版胴1bとプレス
ローラ9bとの接触部では、先に黒色の印刷された画像
位置と同じ位置関係で赤色の印刷がされることになる。
なお、プレスローラ9bは、版胴1bの外周面上から突
出しているクランパ5bとの干渉を避けるために、印刷
中に版胴1bの外周面から離間するようになっている
が、印刷用紙22の先端が印刷部へ進入する前には版胴
1bの外周面に接触して押圧している状態となってい
る。
【0114】2色目の赤色の印刷画像を形成された印刷
用紙22は、その先端がエアーナイフ7bの先端近傍の
所までくると、エアーナイフ7bが版胴1bの回転動作
と同期してエアーナイフ軸8bを中心に回転して版胴1
bの外周面に接近すると同時に、エアーナイフ7bの先
端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先
端が版胴1bから分離・剥離される。エアーナイフ7b
により分離・剥離された印刷済みの印刷用紙22は、排
紙装置35によってさらに用紙搬送方向Xの下流側に位
置する排紙トレイ37へ搬送される。
【0115】上記した送風ファン34の回転により送ら
れる空気は、エアーナイフ7bの左上方から印刷済みの
印刷用紙22の表面へと吹き付けられる。これは、印刷
済みの印刷用紙22の搬送ベルト40からの浮き上がり
防止のためと印刷画像のインキ乾燥の促進のためでもあ
る。ジャンプ台40Aは、印刷済みの印刷用紙22の中
央部位を略U字状に撓ませて、いわゆる排紙の腰付けを
して排紙トレイ37上に整然と排出積載する機能を有す
る。
【0116】エアーナイフ7bにより分離・剥離された
印刷済みの印刷用紙22は、吸引用ファン36の作動に
より吸引されつつ、また送風ファン34の回転により送
られる空気によって印刷済みの印刷用紙22の搬送ベル
ト40からの浮き上がり防止が図られながら搬送ベルト
40に吸着され、この搬送ベルト40の反時計回り方向
の回転により、またジャンプ台40Aによる排紙の腰付
けがされながら排紙トレイ37上に順次整然と排出積載
される。このようにしていわゆる「版付け」、あるいは
「試し刷り」が終了する。
【0117】なお、版胴1aと版胴1bとの間に配設さ
れている中間搬送装置17の上部に、送風ファン34と
同様の装置を配設してもよい。これにより、搬送ベルト
16aの上での印刷用紙22の浮き上がり防止を図るこ
とができる。
【0118】次に、図示しない操作パネルのテンキー
(図示せず)で印刷枚数を設定し、印刷スタートキー
(図示せず)を押下すると上記版付けと同様の工程で、
給紙、印刷および排紙の各工程が設定した印刷枚数分繰
り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0119】複胴式孔版印刷装置500を構成する上記
各装置等の構成およびその配置状態は、あくまでもその
一例を示したものであり、他の周知の装置および種々の
配置状態をもって構成してもよいことはいうまでもな
い。例えば、エアーナイフ7a,7bの他に、各版胴1
a,1bの外周面近傍に揺動自在な周知の排紙剥離爪の
みを用いた装置もある。
【0120】複胴式孔版印刷装置500は、上記したよ
うな感熱デジタル製版一体型孔版印刷装置を構成するも
のに限らず、例えば各版胴1a,1bが上記したような
ドラムユニット90a,90bを構成していて本体フレ
ーム501から着脱自在な構成を有するものにあって
は、上記本体フレーム501と別体に配設された製版給
版装置あるいは排版装置(共に図示せず)によってマス
タを製版し給版したり、あるいは使用済みのマスタを各
版胴1a,1bの外周面から剥離し排版したりしてもよ
く、各製版装置41a,41bおよび各排版装置42
a,42bを上記本体フレーム501に必ずしも具備し
ていなくてもよいといえる。また、製版するためのデー
タは、上記したように原稿読取装置で読み取ったデータ
でもあるいはコンピュータ等で作成されたデータであっ
てもよい。
【0121】第1の実施形態では、ホームポジションを
本体フレーム501に対して各版胴1a,1bの略真上
としたが、これに限らず、全体の装置間で統一されてい
れば任意の位置であってもよい。
【0122】以上述べたとおり、本発明を実施例を含む
特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成
は、上述した第1の実施形態等に限定されるものではな
く、これらを適宜組合わせて構成してもよく、本発明の
範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の
実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明ら
かである。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上流位版胴と下流位版胴との間における印刷用紙の巻き
上り有無を検知する印刷用紙巻き上り検知手段と、下流
位版胴毎に配設された、押圧手段の印圧動作を解除する
ための印圧解除手段と、上流位版胴とその押圧手段との
印圧動作により印刷された印刷用紙が印刷用紙巻き上り
検知手段によって検知された時に、下流位版胴側におけ
る印圧解除手段を駆動制御して印圧動作の許可を行なう
印圧解除制御手段とを具備することにより、印圧解除制
御手段は、印刷用紙巻き上り検知手段からの巻き上り無
し信号に基づいて、印圧動作を行なうように下流位版胴
側における印圧解除手段を駆動制御する。また、印圧解
除制御手段は、印刷用紙巻き上り検知手段からの巻き上
り有り信号に基づいて、印圧動作を行なわないように下
流位版胴側における印圧解除手段を駆動制御する。
【0124】したがって、本発明によれば、上記構成お
よび作用により、用紙検出フィンガーを配置しなくても
印圧開始のロック解除および印圧解除を行なうことがで
きることにより、上流位版胴における印刷用紙の巻き上
りや上流位版胴と下流位版胴との間や中間搬送手段上に
おいて印刷用紙の搬送ジャム等が発生した場合に、下流
位版胴に対して印圧解除を行ない印圧を付与することが
ないので、下流位版胴側の押圧手段を下流位版胴上のイ
ンキ等で汚すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態を示す複胴式
孔版印刷装置を本体フレームの手前側から見たときの概
略的な正面図である。
【図2】第1の実施形態におけるプレスローラ変位駆動
手段を本体フレームの奥側から見たときの要部の斜視図
である。
【図3】第1の実施形態における上流位版胴側の印圧装
置周りを本体フレームの奥側から見たときの要部の斜視
図である。
【図4】第1の実施形態における上流位版胴側および下
流位版胴側の印圧装置および印圧解除装置周りの要部の
一部断面正面図である。
【図5】第1の実施形態における中間搬送装置および印
刷用紙巻き上り検知センサ周りの要部の斜視図である。
【図6】第1の実施形態における印刷用紙巻き上り検知
センサの構成図である。
【図7】第1の実施形態における版胴回転位置検知セン
サおよび各版胴側の遮光板を示す要部の斜視図である。
【図8】第1の実施形態における印圧検知センサの配設
状態を示す斜視図である。
【図9】第1の実施形態における主要な制御構成を示す
ブロック図である。
【図10】第1の実施形態における主要な制御動作に係
るタイミングチャートである。
【符号の説明】
1a 上流位版胴 1b 下流位版胴 9a,9b 押圧手段としてのプレスローラ 33a,33b マスタ 50 印刷用紙巻き上り検知手段として
の印刷用紙巻き上り検知センサ 59b 印圧解除手段を構成する印圧解除
ソレノイド 63b 印圧解除手段としての印圧解除装
置 70a,70b 版胴回転位置検知センサ 90a,90b ドラムユニット 100 印圧解除制御手段としての印圧解
除制御装置 151 メインモータ 500 複胴式印刷装置の一例としての複
胴式孔版印刷装置 501 装置本体としての本体フレーム X 用紙搬送方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷用紙の搬送方向に並んだ複数の版胴を
    有し、マスタを各版胴に巻き付け、上記各版胴上のマス
    タにインキを供給して、上記各版胴毎に配設された押圧
    手段により上記各版胴上のマスタに印刷用紙を押し付け
    印圧を付与することによって連続的に印刷を行なう複胴
    式印刷装置において、 印刷用紙の搬送方向における上流側の上流位版胴とこれ
    に隣るその下流側の下流位版胴との間における印刷用紙
    の巻き上り有無を検知する印刷用紙巻き上り検知手段
    と、 上記下流位版胴毎に配設された、上記押圧手段の印圧動
    作を解除するための印圧解除手段と、 上記上流位版胴とその押圧手段との印圧動作により印刷
    された印刷用紙が上記印刷用紙巻き上り検知手段によっ
    て検知された時に、上記下流位版胴側の上記印圧解除手
    段を駆動制御して印圧動作の許可を行なう印圧解除制御
    手段と、 を具備することを特徴とする複胴式印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の複胴式印刷装置において、 上記上流位版胴と上記下流位版胴との間には、上記上流
    位版胴で印刷された印刷用紙を上記下流位版胴へ搬送す
    る中間搬送手段を有し、 上記印刷用紙巻き上り検知手段は、上記中間搬送手段上
    で印刷用紙の巻き上り有無を検知することを特徴とする
    複胴式印刷装置。
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