JP4813828B2 - 両面印刷装置 - Google Patents
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Description
なお、「版胴」のことを単に印刷ドラム、あるいは印刷ドラムの外周部に配設された版胴と呼ばれることもあるが、以下、この明細書では版胴を含めて「印刷ドラム」と呼ぶこととする。
本願出願人は、初めに特開2003−200645号公報(特許文献1)で画期的な両面印刷装置を提案した。これは、単一の版胴に巻装された一版の製版済みのマスタを表面印刷用と裏面印刷用とに2分割し、単一の押圧手段(特には版胴の外径よりも小さい径を有するプレスローラ)の回転による用紙反転・搬送作用を巧みに利用して再給紙し、版胴上の2分割された製版済みのマスタの何れか一方に対して表面印刷済み用紙(片面印刷済みの用紙)の未印刷面である裏面を連続的に押し付けながら両面印刷を行う方式である。
さらに、本願出願人は、特開2003−266906号公報(特許文献2)等で従来の両面印刷方式を6つに大別して言及したが、その区分は本願発明と関係ないため、ここではその説明を省略する。
その他の両面印刷装置として、本願出願人が提案した特開2004−1290号公報(特許文献3)もある。
また、前記の両面印刷装置では、A3サイズの印刷ドラムを使用してA4サイズの用紙までしか両面印刷できないという、使用する用紙サイズ上の制約があった。
また、高さ方向に大型化してしまうことのない両面印刷装置を提供することを第2の目的としている。
請求項1記載の発明は、用紙搬送方向にこの順に配設された第1の印刷部および第2の印刷部を含む複数の印刷部を備え、第1の印刷部は、第1の製版画像が形成された第1の製版済みのマスタを巻装する第1の印刷ドラムおよび該第1の印刷ドラムに対して相対的に接離自在な第1の押圧手段を具備し、第2の印刷部は、第2の製版画像が形成された第2の製版済みのマスタを巻装する第2の印刷ドラムおよび該第2の印刷ドラムに対して相対的に接離自在な第2の押圧手段を具備し、第1の印刷ドラムに対する第1の押圧手段の相対的な印圧を解除する印圧解除手段と、第1の印刷部において第1の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に貯容し、表面印刷済み用紙を反転させて第1の印刷部に向けて再給紙する再給紙手段と、第1の印刷部と第2の印刷部との間に配設され第1の印刷部で印刷された用紙を第2の印刷部へ搬送する中間搬送手段と、第1の印刷部を通過した表面印刷済み用紙または印刷された用紙を上記再給紙手段または上記中間搬送手段に案内する切換手段とを有し、上記再給紙手段は、片面印刷時における最大用紙サイズの用紙を一時的に貯容可能であり、少なくとも、上記最大用紙サイズの用紙の両面に単色印刷を行う両面単色印刷モードを設定する両面単色印刷モード設定手段と、用紙の片面に多色印刷を行う片面多色印刷モードを設定する片面多色印刷モード設定手段とを具備し、上記両面単色印刷モード設定時に、給送されてきた用紙を第1の印刷部に給送してその表面に第1の製版画像に対応した印刷を行い、その表面印刷済み用紙を上記切換手段により上記再給紙手段に案内した後に、第1の印刷ドラムの次の回転の時に上記再給紙手段により表面印刷済み用紙を反転して第1の印刷部に再給紙し、上記印圧解除手段により第1の印刷ドラムに対する第1の押圧手段の相対的な印圧を解除したまま上記中間搬送手段によって第2の印刷部に給送し、反転された表面印刷済み用紙の裏面に第2の製版画像に対応した印刷を行い、上記片面多色印刷モード設定時に、給送されてきた用紙を第1の印刷部に給送してその表面に第1の製版画像に対応した印刷を行い、その表面印刷済み用紙を上記切換手段により上記中間搬送手段に案内し、第2の印刷部でその表面印刷済み用紙の表面に第2の製版画像に対応した印刷を行うことを特徴とする両面印刷装置である。
本発明によれば、上記構成により、簡単な操作によって、第1の印刷ドラムおよび第2の印刷ドラムのインキ色が同色の場合には、片面印刷時における最大用紙サイズの用紙に両面単色印刷を、第1の印刷ドラムおよび第2の印刷ドラムのインキ色が異なる場合には、片面印刷時における最大用紙サイズの用紙に片面多色印刷を、それぞれ短時間で行うことができ、従来では第1の押圧手段および再給紙手段を具備しながらも片面印刷時における最大用紙サイズ、例えばA3サイズのマスタを巻装してA4サイズの用紙の両面にしかできなかった両面印刷が、第1の製版画像に対応した印刷と第2の製版画像に対応した印刷とを同じ最大用紙サイズの用紙を用いて、換言すれば最大用紙サイズに対応した例えばA3サイズのマスタを第1および第2の印刷ドラムに巻装してA3サイズの用紙の両面に両面単色印刷を行うことができると共に、高さ方向に大型化してしまうこともない(請求項1)。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る両面印刷装置の一例としての複胴式の両面孔版印刷装置500の全体構成について説明する。
同図において、両面孔版印刷装置500は、用紙搬送方向Xに沿ってこの順に配設された第1の印刷部2および第2の印刷部2aと、第1の印刷部2と第2の印刷部2aとの間に配設された中間搬送手段としての中間搬送装置50と、第1の印刷部2の周りに配置された第1の製版部3および第1の排版部5と、第2の印刷部2aの周りに配置された第2の製版部3aおよび第2の排版部5aと、給紙部4と、排紙部6と、画像読取部7と、再給紙手段9Aと、切換手段としての切換部材10等を有している。
以下、第1の印刷部2、第2の印刷部2a、第1の製版部3、第2の製版部3a、第1の排版部5、第2の排版部5aは、それぞれ第1の、第2のという接頭語を削除して、それぞれ単に、「印刷部2」、「印刷部2a」、「製版部3」、「製版部3a」、「排版部5」、「排版部5a」というときがある。これは、「印刷部2」、「印刷部2a」、「製版部3」、「製版部3a」、「排版部5」、「排版部5a」を構成する構成要素でも同様である。
以下、相違点の構成を中心に説明を加えるが、両面孔版印刷装置500は、上述の目的を達成できる他、例えば特開2003−266906号公報の図1、図7および図8に示されていると同様に、例えばA3サイズの分割製版済みマスタ(65)をA3サイズの印刷ドラム(12)に巻装し、分割製版済みマスタ(65)における第1の製版画像である表面製版画像(65A)および第2の製版画像である裏面製版画像(65B)に対応して、用紙の表裏両面にA4サイズの両面印刷を行えると共に、A3サイズの片面印刷を行うことができるものである。
印刷ドラム1は、支軸14に回転自在に支持された図示しない一対のフランジと、各フランジの外周面に巻着された円筒状の多孔性支持板からなる版胴(図示せず)と、該版胴の外周面に巻着された図示しないメッシュスクリーンとから主に構成されている。印刷ドラム1における上記版胴には、インキ通過性の多数の開孔が開けられた印刷可能な画像形成領域(以下、「開口部」という)と、クランパ19配置部の非画像形成領域(以下、「非開口部」という)とが、印刷ドラム1の回転方向に沿って形成されている。上記画像形成領域は、図1中の印刷ドラム1における、特開2003−266906号公報の図1に示されていると同様の第1の画像領域(12A)である表面領域(12A)と、中間領域(12S)と、第2の画像領域(12B)である裏面領域(12B)とを少なくとも含む領域である。印刷ドラム1は、少なくともA3サイズのマスタを巻装してA3サイズの用紙に印刷を行える仕様である。
本実施形態の印刷ドラム1は、両面多色印刷時、両面単色印刷時、片面多色印刷時において最大でA3サイズの印刷物を得ることが可能な大きさの上記版胴を有している。
また、中間搬送装置50を間に挟んだ状態での印刷ドラム1と印刷ドラム1aとの関係は、特開2001−191627号公報の図9ないし図11を参照して説明したように、両面孔版印刷装置500のコンパクト化を図るためにL≠A、かつ、L<Aの関係を満たすように設定されている。ここで、Lは、印刷ドラム1と印刷ドラム1aとの間の印刷間距離を、Aは、各印刷ドラム1、1aの外周長を、それぞれ表す。
印刷ドラム1の上記版胴外周面(以下、「印刷ドラム1の外周面」という)上には、印刷ドラム1の外周面の一母線に沿って平面をなして形成された図示しないステージ部と、該ステージ部に対して開閉可能に設けられ印刷ドラム1の外周面上に製版部3で穿孔製版されたマスタの先端を保持するクランパ19とが配設されている。クランパ19は、印刷ドラム1が所定の位置まで回転されたときに図示しない開閉手段によって開閉される。
プレスローラ13は、耐油性を有する弾性体である例えばニトリルゴム(NBR)で形成されていて、少なくとも該ゴムの外周表面には、微細な凹凸状の表面処理を施されたフィルムとしての、例えばオフセット印刷機などで印刷物の汚れ防止等に用いられていると同様の例えばガラス質微粒子としてのガラスビーズが均一に被覆または接着されている。ガラス質微粒子に限らず、セラミック質微粒子であってもよい。これにより、印刷ドラム1の外周表面または該印刷ドラム1上の製版済みのマスタ64と接触したときや、表面印刷済み用紙の印刷画像面側のインキと接触することによる膨潤およびインキ汚れが最小となるように構成されている。
なお、印刷部2a側のプレスローラ13aは、表面印刷済み用紙の印刷画像面側のインキと接触することによる膨潤およびインキ汚れの虞が印刷部2側のプレスローラ13程ではないが、プレスローラ13と同様の材質で形成すると共に同様の表面処理を施すことが望ましい。
前記各印圧アーム間には、プレスローラ13の他、再給紙案内部材22、再給紙レジスト手段としての再給紙レジストローラ23、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送手段25A等が設けられている。
プレスローラ13は、特開2003−266906号公報の図2および図3に示されているカムフォロア(41)および圧解除カム組体(43)と同様の構成によって、プレスローラ13による印圧をオフ・解除するようになっていて、プレスローラ13は図1に示す非印刷位置を占める。各圧解除カム(43a,43b,43c)の何れか一つの大径部がカムフォロア(41)との圧接を解除され、かつ、各印圧バネ(42)の付勢力によってプレスローラ13の外周面が印刷ドラム1の外周面に圧接すると、プレスローラ13は図示しない印刷位置を占める。
上述したことを特開2003−266906号公報の図1および図5を参照してまとめると、次のようになる。すなわち、印刷ドラム1上の分割製版済みマスタ(65)における表面製版画像(65A)に対応した表面領域(12A)のみに印圧を付与する第1の印圧範囲パターンとしての印圧範囲パターン(I)と、印刷ドラム1上の分割製版済みマスタ(65)における裏面製版画像(65B)に対応した裏面領域(12B)のみに印圧を付与する第2の印圧範囲パターンとしての印圧範囲パターン(II)と、表面領域(12A)から続けて裏面領域(12B)に亘って印圧を付与する第3の印圧範囲パターンとしての印圧範囲パターン(III)との少なくとも3つの印圧範囲パターンのうちの一つを選択的に切り換え可能になっている。
プレスローラ回転駆動機構110は、次の点に鑑みて設定されている。本実施形態の両面単色印刷動作時等においては、用紙P1を印刷部2に給送してその表面に第1の製版画像に対応した印刷を行い、その表面印刷済み用紙P2を切換部材10により再給紙手段9Aに案内した後に、印刷ドラム1の次の回転の時に再給紙手段9Aにより表面印刷済み用紙P2を反転して印刷部2に再給紙し、印刷ドラム1に対するプレスローラ13の印圧を解除したまま中間搬送装置50によって印刷ドラム1aに給送するという特有の動作が実行される。
上記動作において、表面印刷済み用紙P2を反転して印刷部2に再給紙し、印刷ドラム1に対するプレスローラ13の印圧を解除したまま中間搬送装置50に受け渡すので、プレスローラ13およびこれに従動して回転する再給紙レジストローラ23を回転駆動するプレスローラ回転駆動機構110が必要となる。従って、特開2003−266906号公報の図1等に記載されていると同様の印刷ドラム(12)に従動回転するプレスローラ(13)の駆動機構は採用できない。
プレスローラ13は、軸13cの両端部を介して、紙面の手前側および奥側に配設された特開2003−266906号公報の図2等に示されている一対の印圧アーム(20)と同様の部材によって回転自在に支持されている。図示しない各印圧アームは、略L字形状をなし、その曲折部近傍の部位に取り付けられた揺動軸21および図示しない連結補強部材によってそれぞれ一体化されている。揺動軸21は、特開2003−266906号公報の段落「0038」に記載され図2および図6に示されていると同様に、印刷装置本体11側に固設された筐体側板(11a,11b)間に軸受(48b)を介して回動自在に支持されている。
プレスローラ13の軸13cと従動プーリ112との間に介装されたワンウェイクラッチ114は、両面孔版印刷装置500が従来と同様のA4サイズの用紙を用いて第1の印刷部2において両面印刷を行う際に、少なくとも表面印刷済み用紙の裏面への印刷画像形成時を含む用紙の搬送異常(ジャムや印刷ドラム1への用紙巻き上がり)が発生した場合などに、プレスローラ13がそのイナーシャ(慣性)で回転することにより駆動系に負荷を掛けないようにフリー回転可能なように設けてある。
なお、印刷部2a側のプレスローラ13aは、印刷ドラム1aに対して所定のタイミングでもって従動回転する従来の回転駆動方式であることを付記しておく。
再給紙手段9Aは、特開2003−266906号公報の図1ないし図3に示されている再給紙手段(9)と比較して、再給紙搬送手段(25)に代えて、例えば印刷部2において後述する表面製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された例えばA3サイズの表面印刷済み用紙を一時的に貯容して再給紙できるようにほぼ用紙搬送方向Xの下流側に延びて長く形成された再給紙搬送手段25Aを用いる点が主に相違する。その他の構成は、再給紙手段(9)と同様である。
再給紙搬送手段25Aは、再給紙搬送手段(25)と比較して、表面印刷済み用紙を一時的に貯容する再給紙貯容手段としての再給紙トレイ(8)に代えて、例えばA3サイズの表面印刷済み用紙を一時的に貯容できるようにほぼ用紙搬送方向Xの下流側に延びて長く形成された再給紙トレイ8Aを用いる点、無端ベルト(38)に代えて、同様の理由からほぼ用紙搬送方向Xの下流側に延びて長く形成された無端ベルト38Aを用いる点、単一の吸引ファン(39)に代えて、同様の理由から長く形成された無端ベルト38Aのほぼ下方全領域を占めるように3箇所に配設された吸引ファン39a、39b、39cを用いる点が相違する。その他の構成は、再給紙搬送手段(25)と同様である。
ちなみに、再給紙レジストローラ23は、特開2003−266906号公報の図2および図3に示されている再給紙レジスト接離機構(40)と同様の機構によって、その周面を所定の圧接力でプレスローラ13の周面に圧接する図1に示す圧接位置と、その周面がプレスローラ13の周面から離間する非印刷位置(図示せず)を占めるように構成されている。
再給紙位置決め部材24は、そのストッパ部24aが上方を向く態様で両端部を前記各印圧アームに固着されている。再給紙位置決め部材24には、再給紙レジストローラ23の揺動時に衝突しないための図示しない切欠部(逃げ)が形成されている。
エアーナイフ84は、例えば特開2001−191627号公報の図1に示されているエアーナイフ(7a)と同様のものであり、用紙Pが印刷ドラム1の外周面に貼り付いて巻き上がるのを防止するために、その先端部がノズルになっている。エアーナイフ84のノズルには、図示しない空気圧発生装置のポンプから用紙Pの先端の搬送と同期して圧縮空気流が適度の流速で吐出され、用紙Pの先端部に吹き付けられるようになっている。エアーナイフ84は、エアーナイフ軸84cを中心に印刷ドラム1の外周面に近接して用紙Pの先端部を印刷ドラム1の外周から分離・剥離する分離位置と、この分離位置から離間した非分離位置とに揺動可能となっている。すなわち、エアーナイフ84は、クランパ19とエアーナイフ84の先端が干渉しないように印刷ドラム1の回転と同期して揺動する。
一方、印刷ドラム1aにおけるエアーナイフ84aの左方には、図示しない送風ファンが設けられていて、用紙Pの印刷ドラム1aへの巻き上がり防止のために、エアーナイフ84aによる用紙Pの分離・剥離作用を補助している。
搬送ベルト53の少なくとも表面は、ウレタンゴム等の用紙Pとの摩擦係数の高いものを採用しているので、用紙Pを図1の左方向へ牽引する力を発生する。
搬送ベルト53は、駆動手段としての図示しない駆動モータにより、印刷ドラム1の周速度と同じかまたは僅かに速い搬送速度で印刷ドラム1と同期して駆動されるようになっていて、これにより、用紙Pは図1の左方向へテンションが掛かった状態で搬送されることになる。
中間搬送装置50の制御対象駆動手段である吸引ファン54および前記駆動モータを、図4において総括的に中間駆動手段55Aとする。
孔版印刷では、図2に示すように、インキが各製版部3、3aで作成された製版済みのマスタ64、64aの穿孔部分から用紙Pに直接転写されるので、マスタ64、64a上の画像は同図に示すような鏡像になる。図2は、各印刷ドラム19、19aに巻き付けた状態の例えばA3サイズの製版済みのマスタ64、64aを展開してその64、64aを構成している熱可塑性樹脂フィルム面側から見た図を示している。同図において、符号205は、第1の製版画像としての表面製版画像の一例を示すと共に、第2の製版画像としての裏面製版画像も示している。
また、画像読取部7には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルタを切換可能に制御できるフィルタユニットと同様の機能および構成を有するものが、反射ミラー95,96,97,98とレンズ100との間の光路上に配設されていて、同公報記載と同様の自動製版および給版等の動作を行うようになっている。
なお、操作パネル150には、特開2003−266906号公報の図9に示されていると同様の前記した以外の各種キーや表示装置も配置されているが、本発明の要旨には関係ないためその説明を省略する。
製版スタートキー151は、両面孔版印刷装置500に製版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー151が押下されると排版動作および原稿読取動作が行われた後またはこれと一部並行して製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて両面孔版印刷装置500は印刷待機状態となる。印刷スタートキー152は、両面孔版印刷装置500に印刷動作を行わせる際に押下され、両面孔版印刷装置500が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に印刷スタートキー152が押下されることにより印刷動作が行われる。テンキー153は、数値入力等に用いられる。
片面多色印刷モード設定キー156は、用紙Pの片面に片面多色印刷を行う片面多色印刷モードを設定する片面多色印刷モード設定手段としての機能を有する。片面多色印刷モード設定キー156は、両面孔版印刷装置500に片面多色印刷動作を行わせる際に製版スタートキー151の押下前に押下され、片面多色印刷モード設定キー156が押下されるとその近傍に配置された片面多色印刷モード表示手段としてのLED157が点灯して片面多色印刷モード設定状態であることが表示される。
両面多色印刷モード設定キー158は、用紙Pの両面に両面多色印刷を行う両面多色印刷モードを設定する両面多色印刷モード設定手段としての機能を有する。両面多色印刷モード設定キー158は、両面孔版印刷装置500に両面多色印刷動作を行わせる際に製版スタートキー151の押下前に押下され、両面多色印刷モード設定キー158が押下されるとその近傍に配置された両面多色印刷モード表示手段としてのLED159が点灯して両面多色印刷モード設定状態であることが表示される。
図3に示す操作パネル150では、LED155が点灯していて、両面単色印刷モード設定状態であることを示している。
本実施形態では、両面単色印刷モード設定キー154、片面多色印刷モード設定キー156、両面多色印刷モード設定キー158をそれぞれ独立して配設したが、これに限らず、例えばダイヤル式に上記3つのモードに切り替えるものであってもよい。
CPU301は、操作パネル150からの各種信号および印刷装置本体11に設けられた各種センサからの検知信号およびROM302から呼び出された動作プログラムに基づいて、印刷部2、2a、製版部3、3a、給紙部4、排版部5、5a、排紙部6、画像読取部7に設けられた各駆動手段、再給紙手段9Aに設けられた再給紙レジスト接離機構40および搬送部材駆動モータ122、切換部材10を作動させるソレノイド123、中間搬送装置50に設けられた中間駆動手段55Aの作動等を制御し、両面孔版印刷装置500全体の動作を制御する。
なお、図4のブロック図では省略しているが、エアーナイフ84、84aの各駆動手段も制御手段300(CPU301)の制御対象となることを付記しておく。
ROM302には、両面孔版印刷装置500全体の動作プログラムが記憶されており、この動作プログラムはCPU301によって適宜呼び出される。RAM303は、CPU301の計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル150上の各種キーおよび各種センサから設定および入力されたデータ信号およびオン・オフ信号を随時記憶する機能等を有している。また制御手段300は、各ホームポジションセンサ134,134aからのホームポジション信号と、印刷ドラム駆動手段121に設けられた図示しないエンコーダからの信号とに基づいて、印刷ドラム1、1aの回転位置の割り出し等の把握も行っている。
図4に示したように原稿画像の読取動作は、読取駆動手段128の作動によって行われる。図5において、画像センサ101で光電変換処理されたアナログの画像データ(画像情報)は、A/D変換器でデジタルの画像データ(画像情報)に変換処理され、さらにCCD画像処理部で周知の画像処理を施されて制御手段300に送信・入力される。さらにデジタルの画像データは制御手段300の制御下でサーマルヘッド画像処理部においてサーマルヘッド駆動用の処理(鏡像化)を施されて、サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド59へ送信される。
原稿サイズ検知手段として機能する原稿サイズセンサ102は、各センサの組み合わせによって原稿のサイズおよび向き(縦置きあるいは横置き)を検知する周知の構成である。
画像メモリ174に格納するための全原稿の画像情報の入手は、ADFや画像読取部7での原稿セット読み取りによるものに限られない。同図に示すように、装置本体11に通信可能にオンライン接続されたPC(パーソナルコンピュータ、以下、「PCないしはパソコン」という)170から画像データを得るようにしてもよい。PC170は、両面孔版印刷装置500の装置本体11の外部に設けられた出力手段である。
オンライン・PC170からの画像データ出力による製版の場合は、外部I/F(インターフェース)171、PCコントローラ(パソコン・コントローラ)172およびビデオインターフェース173(以下、「VIDEO I/F173」という)を介して1ページ目から順次制御手段300のCPU301に送信されてくる。VIDEO I/F173は、PCコントローラ172からの画像データを制御手段300で使えるように接続する機能を有する。装置本体11の外部に設けられた出力手段としては、他に、光(IrDA等)や電波(Bluetooth、無線LAN等)等による無線通信により通信・接続された外部接続機器(ホストコンピュータ等)がある。
(動作例1)
まず、操作パネル150の両面単色印刷モード設定キー154を選択して、両面単色印刷モードに係る両面単色印刷動作を行う場合について説明する。なお、図1において、符号P1,P2,P3は、両面単色印刷時および両面多色印刷(本実施形態例では両面2色印刷)時において給送ないしは排出される過程の用紙Pの状態を表している。
両面単色印刷モード設定キー154を押下すると、両面単色印刷モード設定に係る信号が生成され、これが制御手段300のCPU301に入力されることにより、両面単色印刷モードの設定がなされてLED155が点灯する。
CPU301は、各印刷ドラム1,1aのインキ色が異なる時のみ、操作パネル150の表示部160にその旨を警告表示することにより、あるいは操作パネル150等に適宜配設されているブザーなども併せて吹鳴することにより、ユーザに注意を喚起させる。
なお、上記インキカラー識別手段としては、上記したものに限らず、インキ色が確実に検出できるものならば公知の他の手段でもよいが、できるだけ構成が簡単で安価なものが望ましいことは言うまでもない。
印刷ドラム1が設定された印刷速度で図1の時計回り方向に回転駆動されると、給紙ローラ68により所定のタイミングで給紙トレイ67上から用紙Pが送り出され、さらに分離ローラ69と分離パッド70との協働作用により用紙Pが1枚ずつに分離されてレジストローラ対71に向けて給送され、その1枚目の用紙P1の先端がレジストローラ対71のニップ部に突き当て停止される。この状態にあるのが図1中の用紙P1で示されている。
これにより、印刷ドラム1の外周面とプレスローラ13の外周面との間に印刷ニップ部が形成されることとなり、プレスローラ13と用紙P1と印刷ドラム1上の製版済みのマスタ64の表面製版画像205の先端部とが圧接し、インキ供給手段15の上記インキローラにより印刷ドラム1の内周面に供給されたインキが、印刷ドラム1の開口部より滲出し、製版済みのマスタ64の多孔性支持体および表面製版画像205の穿孔部を通過して用紙P1に転移され、製版済みのマスタ64の表面製版画像205に対応した印刷が行われる。
切換部材10により下方へと導かれた表面印刷済み用紙P1は、ガイド板27に案内されつつその先端をエンドフェンス8Aaに当接させ、再給紙トレイ8A上に着地・載置される。再給紙トレイ8A上に搬送された表面印刷済み用紙P2は、各吸引ファン39a、39b、39cの吸引力によって無端ベルト38Aに保持されつつ図1中矢印(右)方向に搬送され、その先端(表面製版画像205の印刷時における後端)をストッパ部24aに突き当たり停止させ位置決めされた状態で待機させる。この際、各吸引ファン39a、39b、39cの吸引力は比較的弱いので過大な搬送力による用紙座屈や撓みを発生させることなく、表面印刷済み用紙P2と無端ベルト38Aとの間で滑りが発生して、表面印刷済み用紙P2はその先端をストッパ部24aに当接させた状態で停留される。図1中の用紙P2は、その先端がストッパ部24aに突き当たっている停留状態を表している。
これにより、プレスローラ13の外周周面に当接された表面印刷済み用紙P2は、ストッパ部24aから外れ、印刷ドラム1の周速度と同じ周速度で回転駆動されているプレスローラ13の回転力によってその回転方向下流側へと搬送力を付与されて搬送され、用紙ガイド板31および各ローラ28,29,30によってプレスローラ13の外周周面に密着した状態で印刷ドラム1との当接部に向けて搬送される。この時、表面印刷済み用紙P2の表面には表面製版画像205に応じた画像が印刷されているが、再給紙案内部材22の働きによって用紙P2がプレスローラ13の外周周面に密着されているので、一度プレスローラ13の外周周面に接触した用紙P2がずれることがなく、擦れ汚れあるいは画線の太りといった不具合の発生が防止される。この際、表面印刷済み用紙P2は、再給紙手段9A、プレスローラ13、再給紙レジストローラ23、各ローラ28,29,30、用紙ガイド板31で形成される再給紙反転路を搬送されることによって反転されている。こうして表面印刷済み用紙P2は、反転された状態で、すなわち表面印刷済み用紙P2の印刷画像形成面が裏面(下面)に、その表面(上面)が未印刷面となった状態で、印刷ドラム1とプレスローラ13との間に送り込まれる。
この際、切換部材10は図1に実線で示す第1の位置を占めると共に、エアーナイフ84が作動することにより、表面印刷済み用紙P2は切換部材10によりその裏面を案内されると共に、エアーナイフ84から吐出する適度のエアーによってその表面を印刷ドラム1上の製版済みのマスタ64に接触させずに、かつ、中間搬送装置50に導かれるようになされ、中間搬送装置50によって印刷ドラム1aとプレスローラ13aとの圧接により形成される印刷部2aの印刷ニップ部に搬送される。
これにより、印刷部2と同様の細部動作(但し、印刷部2aではプレスローラ13aは印刷ドラム1aと圧接することにより従動回転することが相違する)を介して、インキ供給手段15aの上記インキローラにより印刷ドラム1aの内周面に供給されたインキが、印刷ドラム1aの開口部より滲出し、製版済みのマスタ64aの多孔性支持体および裏面製版画像205の穿孔部を通過して用紙P2に転移され、製版済みのマスタ64aの裏面製版画像205に対応した印刷が行われる。
その後、印刷ドラム1、1aが再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて両面孔版印刷装置500は印刷待機状態となる。
両面孔版印刷装置500が印刷待機状態となった後、図示しない印刷速度設定キーおよび操作パネル150上の各種キーによって印刷条件を入力した後に、テンキー153によって印刷枚数が入力され、その後に印刷スタートキー152が押下されると、給紙部4から用紙Pが連続的に給送され、説明省略した試し刷りと同条件で印刷動作が行われる。そして、設定された印刷枚数(所定枚数)が消化されると印刷ドラム1、1aがホームポジションで停止し、両面孔版印刷装置500は再び印刷待機状態となる。
次に、操作パネル150の両面多色印刷モード設定キー158を選択して、両面多色印刷モードに係る両面多色印刷動作を行う場合について、動作例1の両面単色印刷動作と相違する点を中心に説明する。
動作例1の両面単色印刷動作と相違する点は、第1に、両面多色印刷モード設定キー158を押下すると、両面多色印刷モード設定に係る信号が生成され、これが制御手段300のCPU301に入力されることにより、両面多色印刷モードの設定がなされてLED159が点灯する点である。
第2に、CPU301は、各印刷ドラム1,1aのインキ色が同色の時のみ、操作パネル150の表示部160にその旨を警告表示することにより、あるいは操作パネル150等に適宜配設されているブザーなども併せて吹鳴することにより、ユーザに注意を喚起させる点である。
上述したような相違点の両面多色印刷動作が設定された印刷枚数分連続的に行われ、その表面および裏面にインキ色の異なる両面2色印刷物が得られることとなる。上記以外の両面多色印刷動作は、動作例1の両面単色印刷動作と基本的に同様であるため、重複説明を避ける上からその説明を省略する。
次に、操作パネル150の片面多色印刷モード設定キー156を選択して、片面多色印刷モードに係る片面多色印刷動作を行う場合について、動作例1の両面単色印刷動作と相違する点を中心に説明する。
動作例1の両面単色印刷動作と相違する点は、第1に、片面多色印刷モード設定キー156を押下すると、片面多色印刷モード設定に係る信号が生成され、これが制御手段300のCPU301に入力されることにより、片面多色印刷モードの設定がなされてLED157が点灯する点である。
第2に、CPU301は、各印刷ドラム1,1aのインキ色が同色の時のみ、操作パネル150の表示部160にその旨を警告表示することにより、あるいは操作パネル150等に適宜配設されているブザーなども併せて吹鳴することにより、ユーザに注意を喚起させる点である。
第4に、印刷動作の際には、切換部材10が図1に実線で示す第1の位置を占めたままで動作せずに、上記係止手段(180)のソレノイド181がオンされることで印圧が付与されて、印刷部2で1色目の製版済みのマスタ64に対応した印刷がなされる点である。
第5に、印刷部2aで2色目の製版済みのマスタ64aに対応した印刷がなされる点である。
上述したような相違点の片面多色印刷動作が設定された印刷枚数分連続的に行われ、2色重ね刷りの片面印刷物が得られることとなる。上記以外の片面多色印刷動作は、動作例1の両面単色印刷動作と基本的に同様であるため、重複説明をさける上からその説明を省略する。
上述したとおり、第1の実施形態によれば、上述した効果を奏するものである。
第2の実施形態では、再給紙手段9Aで反転された表面印刷済み用紙P2を第1の印刷部2から中間搬送装置50へ受け渡し搬送する際に、第1の印刷部2において印圧を付与することなく解除したまま行うことに伴う両面印刷物の表裏の印刷画像位置がずれてしまうという問題点を解決するものである。
図7に、第2の実施形態に係る両面印刷装置の一例としての両面孔版印刷装置600を示す。
第2の実施形態の両面孔版印刷装置600は、第1の実施形態の両面孔版印刷装置500と比較して、用紙搬送方向Xの最上流側に配置された印刷部2のプレスローラ13に代えて、用紙の先端部を保持する保持手段としての用紙クランパ171を備えた第1の押圧手段としての圧胴170を用いる点が主に相違する。この相違点以外の構成は、両面孔版印刷装置500とほぼ同様である。
なお、図7においては、圧胴170の外径がプレスローラ13のそれよりも大きいことに伴い、圧胴170周りに配置されたガイド板27および再給紙手段9Aの位置や、その再給紙案内部材22の大きさ等が多少大きく形成されているが、その機能は実質的に変わらないため同一の符号を付与する。
用紙クランパ171は、図7に示す位置付近で給紙部4から給送されてきた用紙Pの先端部を挟持・係止するように閉じ、同図に実線で示す切換部材10の位置付近で用紙Pの先端部を開放するように開く、またストッパ部24a近傍でも開閉するように構成された本実施形態に特有の開閉動作を行うものである。用紙クランパ171の開閉動作は、印刷装置本体11側に配設された図示しないカムおよび用紙クランパ171を常に閉じる向きに付勢する引張バネ(図示せず)によりなされる。
用紙クランパ171を備えた圧胴170の上記以外の細部構成は、例えば特開2001−1624号公報の図2に示されているものと同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態の動作は、動作例1における両面単色印刷モード設定キー154の押下により、両面単色印刷モードの設定がなされて、排版動作および製版動作が自動的に行われた後、給紙部4の作動によって、図7に示すように用紙P1の先端がレジストローラ対71のニップ部に突き当て停止されるまでは同様に行われる。
印刷ドラム1のクランパ19が切換部材10と対応する位置を通過すると、動作例1と同様に、切換部材10が破線で示す第2の位置に位置決めされ、その後、レジストローラ対71が所定のタイミングで回転駆動されるのと並行して、図7に示す位置にある圧胴170が少し反時計回り方向に回転して用紙クランパ171が開放され、この状態で用紙P1の先端が拡開した用紙クランパ171に向けて給送される。この時のタイミングは、印刷ドラム1上に巻装された製版済みのマスタ64における表面製版画像205の先端部が、圧胴170の用紙クランパ171に挟持された用紙先端部と対応する位置に到達する所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動される。そして、レジストローラ対71により給送された用紙P1の先端が用紙クランパ171に届くタイミングで、用紙クランパ171が閉じられることで、圧胴170は用紙P1を自身の外周面に保持したまま回転し、用紙P1の先端部が印刷ドラム1の外周面と圧胴170の外周面との間に搬送される。
これにより、圧胴170に保持された用紙P1と印刷ドラム1上の製版済みのマスタ64の表面製版画像205の先端部とが圧接し、インキ供給手段15の上記インキローラにより印刷ドラム1の内周面に供給されたインキが、印刷ドラム1の開口部より滲出し、製版済みのマスタ64の多孔性支持体および表面製版画像205の穿孔部を通過して用紙P1に転移され、製版済みのマスタ64の表面製版画像205に対応した印刷が行われる。
切換部材10等により下方へと導かれた表面印刷済み用紙P1は、ガイド板27に案内されつつその先端をエンドフェンス8Aaに当接して停止すると共に、再給紙トレイ8A上に着地・載置される。再給紙トレイ8A上に搬送された表面印刷済み用紙P2は、動作例1と同様の詳細動作、すなわち各吸引ファン39a、39b、39cの吸引力によって無端ベルト38Aに保持されつつ図1中矢印(右)方向に搬送され、その先端(表面製版画像205の印刷時における後端)をストッパ部24aに突き当たり停止させ位置決めされた状態で待機させる。
この際、表面印刷済み用紙P2は、用紙ガイド板31および各ローラ28,29,30によって圧胴170の外周周面に密着した状態(各ローラ28,29,30が凹部170aと対向したときは非密着である)で印刷ドラム1との当接部に向けて搬送される。この時、表面印刷済み用紙P2の表面には表面製版画像205に応じた画像が印刷されているが、再給紙案内部材22の働きによって用紙P2が圧胴170の外周周面に密着されているので、一度圧胴170の外周周面に接触した用紙P2がずれることがなく、擦れ汚れあるいは画線の太りといった不具合の発生が防止される。この際、表面印刷済み用紙P2は、再給紙手段9A、圧胴170、再給紙レジストローラ23、各ローラ28,29,30、用紙ガイド板31で形成される再給紙反転路を搬送されることによって反転されている。こうして表面印刷済み用紙P2は、反転された状態で、すなわち表面印刷済み用紙P2の印刷画像形成面が裏面(下面)に、その表面(上面)が未印刷面となった状態で、印刷ドラム1と圧胴170との間に送り込まれる。
この際、切換部材10は図7に実線で示す第1の位置を占めると共に、各ローラ28,29,30が従動回転しつつ、また用紙クランパ171によって表面印刷済み用紙P2の先端部を挟持しながら表面印刷済み用紙P2を搬送することによって、表面印刷済み用紙P2を印刷ドラム1へ押圧する印圧が掛からなくても表面印刷済み用紙P2を確実に中間搬送装置50へ受け渡すように搬送することができる。また同時に、エアーナイフ84が作動することにより、表面印刷済み用紙P2は切換部材10によりその裏面を案内されると共に、エアーナイフ84から吐出する適度のエアーによってその表面を印刷ドラム1上の製版済みのマスタ64に接触させずに、かつ、中間搬送装置50に導かれるようになされる。
第2の実施形態では、上述した両面単色印刷動作に限らず、両面多色印刷動作および片面多色印刷動作も行えることは自明である。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
1a 印刷ドラム(第2の印刷ドラム)
2 印刷部(第1の印刷部)
2a 印刷部(第2の印刷部)
3 製版部(第1の製版部)
3a 製版部(第2の製版部)
4 給紙部
5 排版部(第1の排版部)
5a 排版部(第2の排版部)
6 排紙部
8A 再給紙トレイ(再給紙貯容手段)
9A 再給紙手段
10 切換部材(切換手段)
13 プレスローラ(第1の押圧手段)
13a プレスローラ(第2の押圧手段)
23 再給紙レジストローラ(再給紙レジスト手段)
25A 再給紙搬送手段
40 再給紙レジスト接離機構(再給紙レジスト接離手段)
50 中間搬送装置(中間搬送手段)
64、64a 製版済みのマスタ
150 操作パネル
154 両面単色印刷モード設定キー(両面単色印刷モード設定手段)
156 片面多色印刷モード設定キー(片面多色印刷モード設定手段)
158 両面多色印刷モード設定キー(両面多色印刷モード設定手段)
170 圧胴(第1の押圧手段)
171 用紙クランパ(保持手段)
180 係止手段(印圧解除手段)
205 表面製版画像、裏面製版画像(第1、第2の製版画像)
300 制御手段
301 CPU
500、600 両面孔版印刷装置(両面印刷装置)
P 用紙
P2 表面印刷済み用紙
X 用紙搬送方向
Claims (2)
- 用紙搬送方向にこの順に配設された第1の印刷部および第2の印刷部を含む複数の印刷部を備え、第1の印刷部は、第1の製版画像が形成された第1の製版済みのマスタを巻装する第1の印刷ドラムおよび該第1の印刷ドラムに対して相対的に接離自在な第1の押圧手段を具備し、第2の印刷部は、第2の製版画像が形成された第2の製版済みのマスタを巻装する第2の印刷ドラムおよび該第2の印刷ドラムに対して相対的に接離自在な第2の押圧手段を具備し、
第1の印刷ドラムに対する第1の押圧手段の相対的な印圧を解除する印圧解除手段と、
第1の印刷部において第1の製版画像に対応してその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に貯容し、表面印刷済み用紙を反転させて第1の印刷部に向けて再給紙する再給紙手段と、
第1の印刷部と第2の印刷部との間に配設され第1の印刷部で印刷された用紙を第2の印刷部へ搬送する中間搬送手段と、
第1の印刷部を通過した表面印刷済み用紙または印刷された用紙を上記再給紙手段または上記中間搬送手段に案内する切換手段とを有し、
上記再給紙手段は、片面印刷時における最大用紙サイズの用紙を一時的に貯容可能であり、
少なくとも、上記最大用紙サイズの用紙の両面に単色印刷を行う両面単色印刷モードを設定する両面単色印刷モード設定手段と、用紙の片面に多色印刷を行う片面多色印刷モードを設定する片面多色印刷モード設定手段とを具備し、
上記両面単色印刷モード設定時に、給送されてきた用紙を第1の印刷部に給送してその表面に第1の製版画像に対応した印刷を行い、その表面印刷済み用紙を上記切換手段により上記再給紙手段に案内した後に、第1の印刷ドラムの次の回転の時に上記再給紙手段により表面印刷済み用紙を反転して第1の印刷部に再給紙し、上記印圧解除手段により第1の印刷ドラムに対する第1の押圧手段の相対的な印圧を解除したまま上記中間搬送手段によって第2の印刷部に給送し、反転された表面印刷済み用紙の裏面に第2の製版画像に対応した印刷を行い、
上記片面多色印刷モード設定時に、給送されてきた用紙を第1の印刷部に給送してその表面に第1の製版画像に対応した印刷を行い、その表面印刷済み用紙を上記切換手段により上記中間搬送手段に案内し、第2の印刷部でその表面印刷済み用紙の表面に第2の製版画像に対応した印刷を行うことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項1記載の両面印刷装置において、
第1の押圧手段は、用紙の先端部を保持する保持手段を備えた圧胴であることを特徴とする両面印刷装置。
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