JP4515577B2 - 複胴式印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置等を含む印刷装置に関し、さらに詳しくは、複数の版胴にマスタをそれぞれ巻装して多色印刷等を行う複胴式印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡便な印刷方式として、印刷装置の一例としての感熱デジタル製版式の孔版印刷装置が知られている。この孔版印刷装置では、サーマルヘッドの微細な発熱素子に感熱孔版マスタ(以下、単に「マスタ」という)を接触させ、サーマルヘッドの発熱素子にパルス的に通電させながらマスタを搬送することで、画像信号に応じてマスタを溶融穿孔・製版し、この製版された製版済みのマスタを多孔性円筒状の版胴の外周面に巻き付けた後に、版胴内部のインキ供給手段よりインキを供給し、給送されてくる印刷用紙をプレスローラ等の押圧手段で製版済みのマスタを介して版胴に連続的に押し付けることにより、印刷ドラムの開孔部分、さらにはマスタの穿孔部分よりインキを滲み出させ、そのインキを印刷用紙に転移させることによって印刷画像を形成するものである。
【0003】
近年、本願出願人が提案した特開平10−297074号公報、特開平11−138961号公報、特開平11−151852号公報や特開平11−227309号公報、あるいは特開平11−208085号公報(特願平10−167322号)等で提案した複胴式の印刷装置を実用化する試みもなされてきている。すなわち、装置本体に対して着脱可能な複数の版胴を備え、このような各版胴を機械的連結を行って回転駆動する場合であって、 排版や製版あるいは色替え等のために全ての版胴を離脱したり装着したりするようなときには、相隣る版胴間の印刷間距離を版胴外周長の整数倍にして各版胴のホームポジションを同じ位置にしなければ同時に着脱することは不可能であり、このようにしたのでは装置の大型化が避けられなくなってしまう。そこで、このような事情に鑑みて、装置のコンパクト化を図るため相隣る版胴間の印刷間距離を版胴外周長よりも短くして相隣る版胴間に初期位相差を設けたものであった。
そして、前記特開平11−227309号公報では、版胴の停止位置(例えばホームポジション)をクランパが版胴の略真下に来る位置としている場合、版胴内部に供給される印刷用のインクが長期放置等により分離して軟らかくなってしまうと、版胴におけるクランパ配置部の継目から版胴の外周面に漏れてしまうことに鑑みて、版胴に特別な加工を施すことなく、版胴の継目からのインキ漏れを防止し、同時に版胴着脱時の作業性や操作性を向上させる目的で新たな技術を提案した。すなわち、版胴の回転中心の略真下から回転方向の上流側または下流側に所定の範囲ずれてクランパが位置を占める停止位置と、版胴の着脱時に版胴の回転中心の略真下にクランパが位置する着脱位置とを版胴が占めるように、駆動手段の駆動動作を制御する制御手段を有するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した特開平11−227309号公報記載の技術では、複胴式孔版印刷装置として例えば第1版胴および第2版胴を有するもので考えた場合に、第1および第2版胴の各停止位置は、図14に示すように、各版胴の着脱位置ではない各版胴のホームポジションにしていたために、第1版胴の装着時には第1版胴をその着脱位置へ移動させるための第1版胴着脱キー(前記公報では版胴移動キー75Aに相当する)を押して、第1版胴に対応した装置本体側の着脱駆動部(着脱駆動手段)をその着脱位置に移動させてから第1版胴の装着をしていた。これと同様に、第2版胴の装着時には第2版胴をその着脱位置へ移動させるための第2版胴着脱キー(前記公報では版胴移動キー75Bに相当する)を押して、第2版胴に対応した装置本体側の着脱駆動部(着脱駆動手段)をその着脱位置に移動させてから第2版胴の装着をしていた。
このように、装置本体から離脱していて装着すべき版胴の必要性が生じる毎に、使用者はその版胴に対応した版胴着脱キーをいちいち押して、その版胴に対応した装置本体側の着脱駆動部が着脱位置まで回転するのを待ってからでないとその版胴を装着することができないから、版胴着脱キーの操作が煩わしいと共に、そのための時間の無駄遣いをするという問題点があった。
【0005】
したがって、本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、複胴式印刷装置において、装着すべき版胴を装置本体に装着するときにいちいち版胴着脱キー等を押すという煩わしい操作をしたり、そのための時間の浪費をしたりするという問題点を解消して、装置本体側の着脱駆動部が自動的に着脱位置に停止できる操作性および利便性等に優れた複胴式印刷装置を提供することを第1の目的とする。
本発明の第2の目的は、第1の目的における程の操作性の向上を望まないものの、従来の装置と比較して操作性等が向上する複胴式印刷装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すると共に、上述した目的を達成するために、各請求項記載の発明では、以下の特徴ある構成を採っている。請求項1記載の発明は、装置本体に対してそれぞれ着脱自在に構成され、マスタを巻き付ける複数の版胴を有し、該各版胴が前記装置本体内にあるとき、相隣る版胴の間には予め初期位相差が設けられており、前記各版胴はその所定位相を占めたとき前記装置本体内に装着可能であり、マスタを前記各版胴に巻き付け、前記各版胴上のマスタにインキを供給して前記各版胴上のマスタに印刷用紙を押し付けることにより連続的に印刷を行う複胴式印刷装置において、前記装置本体に設けられ、前記各版胴を着脱する着脱口を閉じる閉位置と前記着脱口を開く開位置との間で開閉自在な開閉部材と、前記開閉部材の閉位置を検知する閉位置検知手段と、前記各版胴を回転させる版胴駆動手段と、前記各版胴に対応して配設され、前記装置本体内における前記各版胴の有無を検知する版胴有無検知手段と、装着すべき版胴に対応して前記装置本体にそれぞれ配設され、前記装着すべき版胴の前記所定位相に対応した装着対応位置で前記装着すべき版胴と連結すると共に、前記版胴駆動手段に連結され、前記装着対応位置で停止可能な着脱駆動手段と、前記装着すべき版胴に対応して配設された前記着脱駆動手段の前記装着対応位置を検知する装着対応位置検知手段と、印刷動作停止状態において、前記開閉部材を閉じたときの前記閉位置検知手段からの閉信号および前記装着すべき版胴に対応して配設された前記版胴有無検知手段からの版胴無信号に基づいて、前記装着すべき版胴に対応して配設された前記着脱駆動手段が前記装着対応位置を占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記装着対応位置検知手段からの装着対応位置信号に基づいて、前記着脱駆動手段が前記装着対応位置に停止するように前記版胴駆動手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の複胴式印刷装置において、前記各版胴は、前記所定位相と異なる各ホームポジションでそれぞれ停止可能であり、前記各版胴の前記各ホームポジションを検知するホームポジション検知手段を有し、前記制御手段は、印刷動作停止状態において、前記開閉部材を閉じたときの前記閉位置検知手段からの閉信号および前記各版胴有無検知手段からの版胴有信号に基づいて、前記各版胴が前記各ホームポジションを占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記ホームポジション検知手段からのホームポジション信号に基づいて、前記各版胴が前記各ホームポジションに停止するように前記版胴駆動手段を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、マスタを巻き付ける複数の、クランパ付の版胴を有し、各版胴は装置本体に対し着脱可能であって、各版胴が前記装置本体内にあるとき、相隣る版胴の間には予め初期位相差が設けられており、前記各版胴はその所定位相を占めたとき前記装置本体から離脱可能であり、マスタを前記各版胴に巻き付け、前記各版胴上のマスタにインキを供給して前記各版胴上のマスタに印刷用紙を押し付けることにより連続的に印刷を行う複胴式印刷装置において、前記各版胴は、前記各クランパが各版胴の軸の略直下に位置する位置とは異なる各ホームポジションでそれぞれ停止可能であり、前記各版胴の各ホームポジションを検知するホームポジション検知手段と、予め設定してある前記各版胴の前記ホームポジションとは異なる着脱位置及び停止位置順位に優先して、前記各版胴の何れかを指定して前記所定位相に停止させるための指定版胴着脱位置停止優先モードを実行すべく設定する指定版胴着脱位置停止優先設定手段と、前記各版胴に対応して前記装置本体に配設され、前記各版胴の前記所定位相を検知する着脱位置検知手段と、前記指定された版胴が前記所定位相を占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記着脱位置検知手段からの着脱位置信号に基づいて、前記指定された版胴が前記着脱位置に停止するように前記版胴駆動手段を制御する制御手段と、前記装置本体に設けられ、前記各版胴を着脱する着脱口を閉じる閉位置と前記着脱口を開く開位置との間で開閉自在な開閉部材と、前記開閉部材の閉位置を検知する閉位置検知手段と、前記各版胴を回転させる版胴駆動手段と、
前記各版胴に対応して配設され、前記装置本体内における前記各版胴の有無を検知する版胴有無検知手段と、印刷動作停止状態において、前記開閉部材を閉じたときの前記閉位置検知手段からの閉信号、前記各版胴有無検知手段からの版胴有信号および前記ホーム停止優先設定手段からのホーム停止優先信号に基づいて、前記各版胴が前記各ホームポジションを占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記ホームポジション検知手段からのホームポジション信号に基づいて、前記各版胴が前記各ホームポジションに停止するように前記版胴駆動手段を制御する制御手段と、前記ホーム停止優先設定手段により設定された前記ホーム停止優先モードのデータを、前記複胴式印刷装置の電源オフ後も記憶保持する記憶保持手段と、を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の複胴式印刷装置において、前記複数の版胴は第1の版胴と第2の版胴からなることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、装置本体に対してそれぞれ着脱自在に構成され、マスタを巻き付ける複数の版胴を有し、該各版胴が前記装置本体内にあるとき、相隣る版胴の間には予め初期位相差が設けられており、前記各版胴はその所定位相を占めたとき前記装置本体から離脱可能であり、マスタを前記各版胴に巻き付け、前記各版胴上のマスタにインキを供給して前記各版胴上のマスタに印刷用紙を押し付けることにより連続的に印刷を行う複胴式印刷装置において、予め設定してある前記各版胴の停止位置順位に優先して、前記各版胴の何れかを指定して前記所定位相に停止させるための指定版胴着脱位置停止優先モードを実行すべく設定する指定版胴着脱位置停止優先設定手段と、前記装置本体に設けられ、前記各版胴を着脱する着脱口を閉じる閉位置と前記着脱口を開く開位置との間で開閉自在な開閉部材と、前記開閉部材の閉位置を検知する閉位置検知手段と、前記各版胴を回転させる版胴駆動手段と、前記各版胴に対応して配設され、前記装置本体内における前記各版胴の有無を検知する版胴有無検知手段と、前記各版胴に対応して前記装置本体に配設され、前記各版胴の前記所定位相を検知する着脱位置検知手段と、印刷動作停止状態において、前記開閉部材を閉じたときの前記閉位置検知手段からの閉信号、前記各版胴有無検知手段からの版胴有信号および前記指定版胴着脱位置停止優先設定手段からの指定版胴着脱位置停止優先信号に基づいて、前記指定された版胴が前記所定位相を占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記着脱位置検知手段からの着脱位置信号に基づいて、前記指定された版胴が前記着脱位置に停止するように前記版胴駆動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の複胴式印刷装置において、前記指定版胴着脱位置停止優先設定手段により設定された前記指定版胴着脱位置停止優先モードのデータを、前記複胴式印刷装置の電源オフ後も記憶保持する記憶保持手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の複胴式印刷装置において、前記版胴駆動手段からの回転駆動力を前記各版胴に伝達する回転伝達手段を備えた、前記各版胴の位相を変えるための天地移動手段を有し、前記各版胴は、前記回転伝達手段を介して前記版胴駆動手段により回転されることを特徴とする。
【0011】
前記各請求項記載の発明において、各版胴を装置本体に対してそれぞれ着脱自在とするための着脱手段としては、例えば実開昭61−85462号公報の第1図ないし第4図に示されている技術構成や、実開昭64−46258号公報の第1図および第2図等に示されている技術構成や、特開平5−229243号公報記載の図2および図3に示されている保持手段36および版胴装置55や、特開平6−71998号公報の図3等に示されている技術構成や、特開平6−293175号公報の図1等に示されている技術構成あるいは特開平7−1817号公報の図2等に示されている技術構成等を用いることができる。
【0012】
前記制御手段としては、前記各構成・機能を具備するマイクロコンピュータが好ましく用いられるが、制御回路等であってもよい。
請求項1ないし6記載の発明に係る複胴式印刷装置は、例えば特開平7−17013号公報に示されているような版胴の外側から版胴上のマスタにインキを供給して、印刷画像を印刷用紙上に形成する印刷装置であって、この印刷装置における前記版胴を複数配設して構成した複胴式印刷装置にも適用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等については、同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき部材や構成部品であっても、その図において特別に説明する必要がない部材や構成部品は適宜断わりなく省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない部材や構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態(以下、単に「実施形態1」という)について説明する。
図1において、符号500は本発明に係る複胴式印刷装置を適用した複胴式孔版印刷装置を示す。符号501は複胴式孔版印刷装置500の装置本体としての本体フレームを示す。本体フレーム501は、略筐体状をなして配置されている。この複胴式孔版印刷装置500は、図1に示すように、印刷用紙22の搬送方向(以下、「用紙搬送方向X」と言い替える)の上流側から下流側に沿って並設され、本体フレーム501に対してそれぞれ着脱自在な2つの第1版胴1a(以下、単に「版胴1a」というときがある)および第2版胴1b(以下、単に「版胴1b」というときがある)を有し、相隣る版胴1a,1bの間には予め初期位相差が設けられており、各版胴1a,1bはその所定位相を占めたとき本体フレーム501に対して着脱可能であり、各マスタ33a,33bを各版胴1a,1bに巻き付け、各版胴1a,1b上のマスタ33a,33bにインキを供給して各版胴1a,1b上のマスタ33a,33bに印刷用紙22を押し付けることにより連続的に印刷を行って、同時多色印刷(この実施形態1では同時2色印刷である)をすることが可能なように構成されている。
実施形態1では、説明の簡明化のために、用紙搬送方向Xに並んだ2つの版胴1a,1bについて説明するが、勿論3つ以上の版胴を用紙搬送方向Xに並設して多色(カラー)印刷を行うように構成することもできる。
【0014】
複胴式孔版印刷装置500は、各版胴1a,1b毎に設けられた、各版胴1a,1bを本体フレーム501に対して着脱自在とするための図3に示す着脱手段50a,50bと、図6に示すように、本体フレーム501側に設けられ、各版胴1a,1bを着脱する着脱口501a,501bを閉じる閉位置と着脱口501a,501bを開く開位置との間で開閉自在な開閉部材としてのドア503と、各版胴1a,1bを回転させるための図2等に示す版胴駆動手段80と、図4および図5に示すように、着脱すべき版胴1a,1bに対応して本体フレーム501にそれぞれ配設され、着脱すべき版胴1a,1bの所定位相に対応した着脱対応位置で着脱すべき版胴1a,1bと連結すると共に、版胴駆動手段80に連結され、着脱対応位置で停止可能な着脱駆動手段としての着脱駆動部95a,95bと、複胴式孔版印刷装置500を操作するための図7に示す操作パネル170と、図8に示す制御装置200等を含む制御構成等とを具備している。
以下、用語の使い方として、「着脱」という用語には、当然のことながら「装着」と「離脱」とが含まれる。
【0015】
各版胴1a,1bは、図1に示すように、各ホームポジションおよび各版胴1a,1bを着脱可能とする位置で停止可能に構成されている。各版胴1a,1bのホームポジションは、各版胴1a,1bが所定位相を占めることで各版胴1a,1bを着脱可能とする位置(図9および図10参照)とは異なり、例えば各版胴1a,1bのクランパ5a,5bを略直下に位置させないで上向きに位置させる各版胴1a,1bの初期位置に設定されている。
【0016】
図1を参照して、まず、複胴式孔版印刷装置500の全体構成を説明した後、着脱手段50a,50b、ドア503周りの構成、版胴駆動手段80、着脱駆動部95a,95b、操作パネル110および制御装置200等の細部構成について説明する。図1において、仮想線で示した製版装置41a,41bおよび排版装置42a,42bは、実施形態1で使用せず配設されていないことを表している。
版胴1aおよび版胴1b、着脱手段50aおよび着脱手段50b、着脱駆動部95aおよび着脱駆動部95bは、それぞれ略同一の機能および構成を有する。これと同じように、版胴1aの内外周りに配設された後述するインキ供給手段、版胴1bの内外周りに配設された後述するインキ供給手段とは、略同一の機能および構成を有しているので、それらを同一符号の末尾に符号aまたはbを付加することで区別することとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明を省略する。
【0017】
複胴式孔版印刷装置500は、前述した特徴的な構成の他に、図1に示すように、マスタ33aを外周面に巻き付ける版胴1aと、版胴1aの右下方に配置され給紙トレイ21上に積載された印刷用紙22を給送する給紙装置20と、版胴1aの下方に配置され給送されてくる印刷用紙22を版胴1a上の製版済みのマスタ33aに押し付けることにより印刷を行う印圧装置32aと、印圧装置32aで印刷された印刷済みの印刷用紙22を版胴1aから分離・剥離するエアーナイフ7aと、マスタ33bを外周面に巻き付ける版胴1bと、版胴1bの下方に配置され給送されてくる印刷用紙22を版胴1b上の製版済みのマスタ33bに押し付けることにより印刷を行う印圧装置32bと、印圧装置32aと印圧装置32bとの間に配置され印圧装置32aで印刷された印刷済みの印刷用紙22を印圧装置32bに搬送する中間搬送装置17と、印圧装置32bで印刷された印刷済みの印刷用紙22を版胴1bから分離・剥離するエアーナイフ7bと、排版装置42bの下方に配置され印圧装置32aおよび印圧装置32bで多色印刷された印刷済みの印刷用紙22を排紙トレイ37上に排出する前記エアーナイフ7bを含む排紙装置35とを具備する。
【0018】
複胴式孔版印刷装置500は、各製版装置41a,41b、各排版装置42aおよびその上方に配設されるべき原稿読取装置を具備しておらず、特開平11−208085号公報(特願平10−167322号)の図4に示した装置構成と同じように、複胴式孔版印刷装置500とは別に配設された原稿読取装置、排版装置および製版装置を備えた感熱デジタル製版一体型孔版印刷装置において、各ドラムユニット100a,100bを介して、各版胴1a,1b上の使用済みのマスタ33a,33bを排版したり、製版されたマスタ33a,33bを各版胴1a,1bの外周面上に巻き付けたりするようになっている。この複胴式孔版印刷装置500は、前記感熱デジタル製版一体型孔版印刷装置を構成するドラムユニットや構成部品と同じものを使用していて、シリーズ機種間での共通部品化が図られており、それ故に、装置構成が簡素でかつ小型化されていて、低コストに抑えられている。
【0019】
版胴1aは、周知の多孔性円筒状をなし、ドラム軸2aの周りに回動自在に支持されている。版胴1aは、ドラム軸2aの中心軸線方向に延在して設けられていて、前記特開平11−138961号公報記載の図4に示されているものと同様の、印刷インキ通過性の多数かつ微細な開孔部(図示せず)が形成された金属製の支持円筒体(図示せず)と、その外周面に巻き付けられた樹脂もしくは金属製のメッシュスクリーン層(図示せず)との2層構造となっている。前記支持円筒体には、クランパ5aの周辺を除くその円周上の所定の範囲にわたり前記開孔部が形成された印刷可能領域と、前記開孔部が形成されていない印刷インキ不通過性の非印刷領域とが形成されている。前記非印刷領域は前記支持円筒体の両側端縁部にも設けられている。
【0020】
版胴1a外周部の一母線上には、図1に示すように、マスタ33aの先端部をクランプする開閉自在なクランパ5aが設けられている。クランパ5aは、クランパ軸6aで版胴1a上に枢着されている。なお、感熱デジタル製版一体型孔版印刷装置では、版胴1aの外周周りの適宜の位置に配設されている図示しない開閉手段により所定位置で開閉される。
版胴1aの両端には、図2および図3に示すように、円板状をなす端板68がそれぞれ設けられている。版胴1aは、両側の端板68の外周面上にネジで取付けられていて、両側の端板68の中央部とドラム軸2aの外周面との間にそれぞれ介装された一対のころがり軸受(図示せず)を介して、前フレーム55および後フレーム56内側のドラム軸2a上に回転可能に支持されている。版胴1aの図3において右側の端板68中央部には、ドラムギヤ67aが一体的に取り付けられている。版胴1a側のドラムギヤ67aには、図2に示すメインモータ81からの回転駆動力を着脱駆動部95aを介して伝達されることにより、版胴1aはメインモータ81により回転されることとなる。
【0021】
版胴1aの内部には、図1のみに示すように、版胴1aの内周面から外周面に向けてインキを供給するためのインキ供給手段が配設されている。版胴1aにおけるインキ供給手段では1色目のインキとして例えばブラック(Bk)色(以下、「黒色」と言い替える)のインキが、版胴1bにおけるインキ供給手段では2色目のインキとして例えばマゼンタ(M)色(以下、「赤色」と言い替える)のインキがそれぞれ供給されるようになっている。版胴1aにおけるインキ供給手段は、版胴1aの内周面に黒色のインキを供給するインキローラ3aと、このインキローラ3aと僅かな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ3aとの間にインキ溜りIaを形成するドクタローラ4aと、インキ溜りIaへインキを供給するドラム軸2aを兼ねるインキ供給管2aとが配置されている。
【0022】
インキは、本体フレーム501に対して版胴1aを着脱自在とするために構成された図3等に示すドラムユニット100a(後で詳述する)に設けられたインキ容器(図示せず)からインキポンプ(図示せず)により圧送され、ドラム軸2aを兼ねているインキ供給管2aを介してインキ溜りIaへ供給される。インキ溜りIaに供給されるインキの量は、インキ検知手段(例えば特開平5−229243号公報の図5参照)によって検知・測定され、前記インキポンプによってインキ圧送量をコントロールされる。
【0023】
インキローラ3aは、アルミニウム、ステンレスなどの金属またはゴム等により形成され、図示しないギヤ列により版胴1aと共に時計回り方向に回転する。インキローラ3aと版胴1aとの回転速度の比は、所定の値に設定されている。ドクタローラ4aは、鉄やステンレスなどの金属で形成され、図示しないギヤ列により反時計回り方向に回転する。ドクタローラ4aと版胴1aとの回転速度の比も所定の値に設定されている。
【0024】
マスタ33aとしては、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムに多孔質支持体(ベース)として和紙等を貼り合わせたマスタが用いられている。マスタ33aは、前記のものに限らず、非常に薄い実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものや、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ(その厚さが約1〜8μm)程ではないが、前記従来のマスタ33a(その厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚さ20〜30μm)、かつ、ベースにおける合成繊維の混抄率が高いマスタ、例えば極端に合成繊維の混抄率が高いポリエチレンテレフタレート(PET)100%からなるベースを有する合成繊維ベースマスタを用いることも可能である。
【0025】
給紙装置20は、エレベータ方式の給紙トレイ21と、給紙側板(図示せず)に回転自在に支持された呼び出しコロ23および分離コロ24と、分離コロ24に圧接し印刷用紙22の重送を防止する分離コロ25と、印刷用紙22の先端を、版胴1aの外周面とプレスローラ9aとの間に向けて所定のタイミングで給送する上下一対のレジストローラ29,30と、印刷用紙22の先端をレジストローラ対29,30のニップ部および版胴1aの外周面とプレスローラ9aの外周面との間へ案内する上下一対のガイド板上28、ガイド板下27、上下一対のレジストガイド板31,31と、呼び出しコロ23および分離コロ24を回転するための、メインモータ81とは独立して配設された給紙モータ44と、レジストローラ対29,30を回転するための、メインモータ81とは独立して配設されたレジストモータ47と、分離コロ24とレジストローラ対29,30との間の用紙搬送路に配設され、印刷用紙22の先端を検知する用紙先端センサ48と、版胴1aとレジストローラ対29,30との間の用紙搬送路に配設され、印刷用紙22の先端を検知するレジストセンサ49とを有している。なお、分離コロ24と分離コロ25とを総称して分離コロ対24,25という。
【0026】
給紙トレイ21は、その上に印刷用紙22を積載され、給紙装置本体に昇降自在に支持されている。給紙トレイ21は、印刷用紙22の増減に連動して図示しないモータ装置により上下動される。
呼び出しコロ23と分離コロ対24,25とは、給紙トレイ21上の最上位の印刷用紙22と当接するように設けられており、分離コロ対24,25および分離板26は、その協働作用により呼び出しコロ23によって搬送されてきた印刷用紙22を1枚に分離する機能を有する。印刷用紙22を1枚ずつ分離してレジストローラ対29,30に向けて印刷用紙22の先端を給送する給紙手段は、ピックアップローラあるいはピックアップコロとも呼ばれている前記した呼び出しコロ23、分離コロ対24,25および分離板26から構成されている。
【0027】
給紙モータ44は、ステッピングモータからなり、分離コロ24および呼び出しコロ23を回転する給紙駆動手段としての機能を有する。給紙モータ44は、給紙モータ44の出力軸に設けられた駆動プーリと分離コロ24の軸に設けられた給紙プーリとの間に掛け渡された歯付の無端ベルト45を介して、分離コロ24に連結されている。これにより、分離コロ24は、給紙モータ44の回転駆動によって、時計回り方向に回転される。分離コロ24および呼び出しコロ23の各軸には、ワンウェイクラッチ(図示せず)がそれぞれ組み込まれていて、分離コロ24および呼び出しコロ23は、分離コロ24の軸に設けられた給紙プーリと呼び出しコロ23の軸に設けられた給紙プーリとの間に掛け渡された歯付の無端ベルト43を介して、時計回り方向のみに回転するようになっている。
【0028】
レジストローラ対29,30は、搬送されたきた印刷用紙22の先端をレジストローラ対29,30のニップ部直前の部位に一度突き当てて、ガイド板上28の形状に倣うような上方に湾曲したたわみを印刷用紙22の先端部に形成した後、印刷用紙22の先端部をくわえ込み、タイミングをとって版胴1aの外周面とプレスローラ9aとの間に搬送する。
レジストモータ47は、ステッピングモータからなり、下側のレジストローラ30を回転するレジスト駆動手段としての機能を有する。レジストモータ47は、レジストモータ47の出力軸に設けられた駆動プーリとレジストローラ30の軸に設けられたレジストプーリとの間に掛け渡された歯付の無端ベルト46を介して、レジストローラ30に連結されている。
【0029】
用紙先端センサ48およびレジストセンサ49は、発光部および受光部を具備した反射型の光学センサからなる。上側の各ガイド板上28およびレジストガイド板31には前記発光部からの出射光および印刷用紙22の先端表面からの反射光を通す開口部(図示せず)が開けられている。
用紙先端センサ48は、印刷用紙22の先端を検知することにより、前記した給紙手段を含む給紙方向Xの上流側で発生した印刷用紙22のジャムを検知するジャム検知機能を有する他、レジストローラ対29,30のニップ部直前の部位に印刷用紙22の先端を突き当てて湾曲たわみを形成するときのたわみ量調整の一部の機能をも有している。
【0030】
レジストセンサ49は、印刷用紙22の先端を検知することにより、レジストローラ対29,30を含む給紙方向Xの上流側で発生した印刷用紙22のジャムを検知するジャム検知機能を有する他、印刷用紙22の種類に応じて変化するレジストローラ対29,30での印刷用紙22のスリップ量を補正するための印刷用紙22の先端検知信号を制御装置(図示せず)へ送信するようになっている。
【0031】
印圧装置32aは、インキローラ3a、プレスローラ9a、プレスローラブラケット11a、プレスローラテンション13aおよびプレスローラカム12aから主に構成されている。
【0032】
プレスローラ9aは、給送されてきた印刷用紙22を版胴1aに押し付けて印刷画像を印刷用紙22上に形成する押圧手段としての機能を有する。プレスローラ9aは、プレスローラブラケット11aの一方の揺動端において回転自在に支持されていて、版胴1aの外周面に接離自在に設けられている。版胴1aに対するプレスローラ9aの印圧は、プレスローラブラケット11aの他方の揺動端側に張設されたプレスローラテンション13a(引張バネ)によって加えられる。このプレスローラテンション13aの付勢力によってプレスローラブラケット11aの他方の揺動端は、略洋梨状のプレスローラカム12aの輪郭周面に圧接している。プレスローラカム12aは、メインモータ81を備えた版胴駆動手段80に連結されていて、給紙装置20からの印刷用紙22の給紙タイミングおよび版胴1aの回転に合せて同期して回転されるようになっており、給紙装置20から印刷用紙22が給紙されないときには、その大径部をプレスローラブラケット11aの他方の揺動端に対向・圧接させている。プレスローラカム12aは、給紙装置20から印刷用紙22が給送されてくると回転して、その小径部をプレスローラブラケット11aの他方の揺動端に対向させ、プレスローラ9aを図において時計回り方向に揺動させるようになっている。このとき、プレスローラテンション13aによる印圧が版胴1aの外周面に加わる。
【0033】
エアーナイフ7aは、印刷用紙22が版胴1aの外周面に貼り付いて巻き上がるのを防止するために、その先端部がノズルになっている。エアーナイフ7aのノズルには、図示しない空気圧発生装置のポンプから印刷用紙22の先端の搬送と同期して圧縮空気流が高速で吐出され、印刷用紙22の先端部に吹き付けられるようになっている。エアーナイフ7aは、エアーナイフ軸8aを中心に版胴1aの外周面に近接して印刷用紙22の先端部を版胴1aの外周から分離・剥離する分離位置と、この分離位置から離間した非分離位置とに揺動可能となっている。すなわち、エアーナイフ7aは、クランパ5aとエアーナイフ7aの先端が干渉しないように版胴1aの回転と同期して揺動する。一方、版胴1bにおけるエアーナイフ7bの左方には、送風ファン34が設けられていて、印刷用紙22の版胴1bへの巻き上がり防止のために、エアーナイフ7bによる印刷用紙22の分離・剥離作用を補助している。
【0034】
中間搬送装置17は、従動ローラ14と駆動ローラ15との間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト16と、吸引用のファン18と、ケーシング19とから主に構成されている。搬送ベルト16の少なくとも表面は、ウレタンゴム等の印刷用紙22との摩擦係数の高いものを採用しているので、印刷用紙22を図1の左方向へ牽引する力を発生する。しかし、用紙搬送方向Xの上流側は未だ版胴1aとプレスローラ9aとのニップ部(印圧部)で押さえられているので、印刷用紙22の左方向への進行速度は、版胴1aの回転周速度と同じに設定している。
【0035】
搬送ベルト16は、版胴1aの周速度と同じかまたは僅かに速い搬送速度で版胴1aと同期して駆動されるようになっていて、これにより、印刷用紙22は図1の左方向へテンションが掛かった状態で搬送されることになる。
ファン18は、ケーシング19内に配置されていて、その回転によりケーシング19内に負圧状態を作り出す。
【0036】
排紙装置35は、従動ローラ39と駆動ローラ38との間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト40と、ジャンプ台40Aと、吸引用ファン36と、ケーシング36A等とから主に構成されている。
【0037】
排紙装置35の搬送ベルト40は、版胴1bの周速度と略同じ搬送速度で版胴1bと同期して駆動されるようになっている。また、前記した送風ファン34の回転により送られる空気は、エアーナイフ7bの左上方から印刷済みの印刷用紙22の表面へと吹き付けられる。これは、印刷済みの印刷用紙22の搬送ベルト40からの浮き上がり防止のためと印刷画像のインキ乾燥の促進のためでもある。ジャンプ台40Aは、印刷済みの印刷用紙22の中央部位を略U字状に撓ませて、いわゆる排紙の腰付けをして排紙トレイ37上に整然と排出積載する機能を有する。
【0038】
図3において、符号100aは、本体フレーム501に対して着脱手段50aを介して版胴1aを着脱自在とするために構成された版胴ユニットとも呼ばれるドラムユニットを示す。符号100bは、本体フレーム501に対して着脱手段50bを介して版胴1bを着脱自在とするために構成された版胴ユニットとも呼ばれるドラムユニットを示す。同図において、紙面の左側を「前」、右側を「後」と呼ぶときがある。本体フレーム501の前方には、図6に示すように、各ドラムユニット100a,100bを本体フレーム501に着脱する際の出入口である着脱口501a,501bがそれぞれ形成されている。
一方、図3に示すように、着脱口501a,501bの奥側(図における右側)の本体フレーム501には、後側板501Aが一体的に取付けられている。後側板501Aには、図3ないし図5に示すように、各ドラム軸2a,2bの後端部周りを着脱自在に連結する着脱駆動部95a,95bと、各ドラム軸2a,2bの後端部を支持する軸受54と、版胴駆動手段80の一部の構成部品等とが配設されている。
【0039】
ドラムユニット100aは、版胴1a、前後一対の端板68,68、ドラム軸2a、前記インキ供給手段、黒色のインキを貯蔵したインキ容器を収納するインキ容器収納装置(共に図示せず)、前記インキポンプ、図示しない前取っ手、前フレーム55、後フレーム56および把持フレーム57から主に構成される。ドラムユニット100bは、版胴1b、ドラム軸2b、前後一対の端板68,68、前記インキ供給手段、赤色のインキを貯蔵したインキ容器を収納するインキ容器収納装置(共に図示せず)、前記インキポンプ、図示しない前取っ手、前フレーム55、後フレーム56および把持フレーム57から主に構成される。
各ドラムユニット100a,100bは、本体フレーム501に対して着脱されるとき、後述する構造・手段等によって、各版胴1a,1bが所定位相を占めている状態でのみ着脱可能となっている。
【0040】
ドラムユニット100aとドラムユニット100bとは、前記したように略同様の機能および構成を有しており、版胴1a,1b、ドラム軸2a,2b、前記インキ供給手段の構成部品、着脱手段50a,50bのみ各同一符号の末尾に符号aまたはbを付加することで、版胴1a側と版胴1b側とを区別することとし、前記各手段等の構成部品については同一の構成を有することおよび図の簡明化を図ることから同一符号を用いることとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明を省略する。
【0041】
着脱手段50aは、図3に示すように、ドラム軸2a、前フレーム55、後フレーム56、把持フレーム57、一対のコロ58,58、ガイドレール53および一対の導入コロ(図示せず)で主に構成されている。着脱手段50aは、その一部構成等を省略しているが、例えば実開昭61−85462号公報記載の第1図ないし第4図に示された版胴支持装置と同様の構造を有する。
図3において、ドラム軸2aの両端部にはリング状の固定具(図示せず)が固着されていて、該固定具の内側には、ドラム軸2aを挿通した前フレーム55および後フレーム56がねじを介して締結されている。前フレーム55および後フレーム56の上端部は、上向きに開口部をもったチャンネル状の把持フレーム57の両端部に固設されている。把持フレーム57の後端部には、コロ軸を介して回動自在に支持され、図3の右側における紙面の手前側および奥側にそれぞれ配設された一対のコロ58,58が設けられている。
【0042】
本体フレーム501における着脱口501a,501bの上部には、把持フレーム57を着脱自在に保持するガイドレール53が固設されている。ガイドレール53は、下向きに開口をもつ略チャンネル状をなしていて、版胴1aの中心軸線方向に延在して設けられている。ガイドレール53の前側の入口部には、一対の導入コロ(図示せず)がコロ軸をもって回動自在に取付けられている。
ドラムユニット100aは、ガイドレール53の前記導入コロ対によりその把持フレーム57のコロ対58,58を先頭にしてガイドレール53に導入され、あるいはコロ対58,58を後端として引き出される。このとき、ドラムユニット100aは、ガイドレール53の前記開口部を挟んで形成された一対のレールフランジ53a,53a上をコロ対58,58が転動することによって、把持フレーム57がガイドレール53の長さ方向に収納されると共に、ドラム軸2aの後端部が本体フレーム501に取付けられた軸受54に支持される。
【0043】
図6において、ドア503は、例えば合成樹脂等で一体成形されていて、本体フレーム501に対してドアヒンジ507を介して開閉可能となっている。ドア503の図において右下部には、遮光片506が本体フレーム501に対向してドア503から突出して取付けられている。なお、ドア503に対する遮光片506の取付け位置の図示は、図の簡明化を図るため、スケールアウトしている。
【0044】
一方、本体フレーム501の図において左下部には、ドア503の閉位置および開位置を検知する開閉検知手段としてのドア開閉センサ504が設けられている。ドア開閉センサ504は、検知口505を備えた透過型の光学センサからなり、ドア503が閉じられたときに、遮光片506が検知口505に嵌入・係合することによりドア503の閉位置状態をオン検知し、遮光片506が検知口505に嵌入していない非係合の開位置状態でオフ検知するものである。前記のとおり、ドア開閉センサ504は、ドア503の閉位置を検知する閉位置検知手段を兼ねている。本体フレーム501の図において右側外壁には、複胴式孔版印刷装置500への電力の供給をオン/オフする電源スイッチ508が配置されている。
なお、開閉検知手段や閉位置検知手段は、前記したドア開閉センサ504に限らず、ドア503および本体フレーム501の何れか一方に設けられたマイクロスイッチと、ドア503および本体フレーム501の何れか他方に設けられ、前記マイクロスイッチと選択的に係合してオン/オフ作動させる作動部材とから構成されるものでもよいし、また、特開平11−227309号公報の図11に示されているように、リミットスイッチからなるドア開閉スイッチ96と、このドア開閉スイッチ96をオン/オフする検知レバー97とから構成されるものでもよい。
【0045】
図1に示すように、本体フレーム501内に装着されたドラムユニット100aの版胴1aにおける用紙搬送方向Xの下流側付近には、印刷用紙22の用紙巻き上がり有無および排紙ミスを検知する排紙検知手段としての第1排紙検知センサ74が配設されている。同様に、本体フレーム501内に装着されたドラムユニット100bの版胴1bにおける用紙搬送方向Xの下流側付近には、印刷用紙22の用紙巻き上がり有無および排紙ミスを検知する排紙検知手段としての第2排紙検知センサ75が配設されている。
各排紙検知センサ74,75は、特開平11−151852号公報の図6に示されている印刷用紙巻き上り検知センサ50と同様の反射型の光学センサからなる。第1排紙検知センサ74は、中間搬送装置17における複数に分割された搬送ベルト16同士の間の開口下部に配置・固定されている。一方、第2排紙検知センサ75は、排紙装置35における複数に分割された搬送ベルト40同士の間の開口下部に配置・固定されている。
【0046】
版胴駆動手段80は、図2に示すように、各版胴1a,1bを回転させる単一の駆動源としてのメインモータ81と、本体フレーム501内に装着された各ドラムユニット100a,100bの各版胴1a,1bを回転可能状態に連結するための着脱駆動部95a,95bを備え、着脱駆動部95a,95bを介してメインモータ81の回転駆動力を各版胴1a,1bに伝達するための駆動力伝達手段82とから主に構成されている。
【0047】
メインモータ81は、DCモータからなり、このDCモータには公知の制動手段が付設されている。メインモータ81は、図4に示す後側板501Aと平行に並設された補助側板501Bと後側板501Aとの間に固定して取付けられているが、図2では図の簡明化を図るために前記したとは反対向きに配置している。また、メインモータ81の出力軸は、後側板501Aに軸受(図示せず)を介して回動自在に支持されている。
【0048】
メインモータ81は、前記機能の他に、後述するように本体フレーム501から離脱すべきドラムユニット100aの版胴1aまたはドラムユニット100bの版胴1bを回転すべく着脱駆動部95aまたは着脱駆動部95bを回転させたり、あるいは本体フレーム501に装着すべきドラムユニット100aの版胴1aまたはドラムユニット100bの版胴1bを回転すべく着脱駆動部95aまたは着脱駆動部95bを回転させたりする機能も有する。
【0049】
版胴1a側に対応して配設された着脱駆動部95aは、図4および図5に詳しく示すように、版胴1aのドラムギヤ67aとその回転方向の位相を選択して噛み合う駆動ギヤ96aから主に構成されている。
ドラムギヤ67aは、版胴1aと反対側の端縁部に円板状のフランジ67Aを形成され、このフランジ67Aの延出方向の一部に歯形切欠き部67Bが形成されている。駆動ギヤ96aは、版胴1aと対向する端縁部に円板状のフランジ96Aを形成され、このフランジ96Aの延出方向の一部に歯形切欠き部96Bが形成されている。このような構成により、ドラムギヤ67aと駆動ギヤ96aは、互いの歯形切欠き部67B,96Bにおいてのみ係脱可能となっている。この歯形切欠き部67B,96Bは、版胴1aがそのクランパ5aを図9の略真下に位置させる所定位相を占めた位置でのみ、互いに対向するように位置決めされる。版胴1b側のドラムギヤ67bと駆動ギヤ96bとの係脱関係等も、前述したと同様であり、すなわちその歯形切欠き部67B,96Bは、版胴1bがそのクランパ5bを図10の略真下に位置させる所定位相を占めた位置でのみ、互いに対向するように位置決めされる。
それ故に、着脱駆動部95aは、装着すべき版胴1aの所定位相に対応した装着対応位置で装着すべき版胴1aと連結すると共に、版胴駆動手段80に連結され、装着対応位置で停止可能な着脱駆動手段としての構成・機能を有している。同様に、着脱駆動部95bも、装着すべき版胴1bの所定位相に対応した装着対応位置で装着すべき版胴1bと連結すると共に、版胴駆動手段80に連結され、装着対応位置で停止可能な着脱駆動手段としての構成・機能を有している。以下、「版胴1aが所定位相を占めていること」を、版胴1aが着脱位置(装着位置および離脱位置を含む)を占めているといい、「版胴1bが所定位相を占めていること」を、版胴1bが着脱位置(装着位置および離脱位置を含む)を占めているという。
【0050】
着脱駆動手段は、上述したような歯形切欠き部67B,96Bを利用した着脱駆動部95a,95bに限らず、例えば本願出願人が特願平11−184842号で提案したような構成、すなわち各版胴1a,1bの端板に設けられた嵌合ピンと、版胴駆動手段80側の着脱駆動部(版胴駆動板)に設けられ、前記嵌合ピンと版胴回転方向の所定位相で位置選択的に嵌合するピン孔とから構成されるものでもよいし、あるいは電気により生じる力で版胴回転方向の所定位相で位置選択的に連結する電気式連結手段であってもよい。
【0051】
版胴1a側の駆動ギヤ96aは、後側板501Aおよび補助側板501Bに各軸受を介して回動自在に支持された駆動軸97aの一端部に固設されており、駆動軸97aの他端部には版胴プーリ86aが固設されている。これと同様に、版胴1b側の駆動ギヤ96bは、後側板501Aおよび補助側板501Bに各軸受を介して回動自在に支持された駆動軸97bの一端部に固設されており、駆動軸97bの他端部には版胴プーリ86bが固設されている。
【0052】
駆動力伝達手段82は、図2および図4に示すように、メインモータ81の出力軸に固設されたメイン駆動ギヤ84と、メイン駆動ギヤ84と駆動ギヤ96aとに噛合するように設けられたアイドルギヤ85と、版胴1a側のドラムギヤ67aと位相選択的に噛合すると共に、アイドルギヤ85と常時噛合する駆動ギヤ96aと、この駆動ギヤ96aに駆動軸97aを介して一体的に取付けられた版胴プーリ86aと、版胴1b側のドラムギヤ67bと位相選択的に噛合する駆動ギヤ96bと、この駆動ギヤ96bに駆動軸97bを介して一体的に取付けられた版胴プーリ86bと、括弧を付して示す後述する天地移動手段83における回転伝達手段83Aの各プーリ等を経由して版胴プーリ86aと版胴プーリ86bとの間に掛け渡されている連結ベルト94とから主に構成されている。
【0053】
この実施形態1では駆動力伝達手段82および回転伝達手段83Aの構成の特徴を明確にするために天地移動手段83等を具備する天地移動調整手段の図示を大部分省略している。前記天地移動調整手段としては、例えば特開平11−138961号公報の図13ないし図16に示されている第2の天地移動調整手段212と略同様の構成を具備しており、また天地移動手段83は、例えば特開平11−138961号公報の図13および図16に示されている第2の天地移動手段245と同様の構成のものである。
【0054】
前記天地移動調整手段は、用紙搬送方向Xにおける下流側に配置された下流位版胴1bをして、用紙搬送方向Xの上流側に下流位版胴1bに相隣って配置された上流位版胴1aに対してのみ、印刷用紙22に対する印刷画像位置の天地移動調整を行わせる機能・構成を有する。下流位版胴1bは、実施形態1の第2版胴1bと同様の構成を有する。これと同様に、上流位版胴1aは、実施形態1の第1版胴1aと同様の構成を有する。
版胴1aが本体フレーム501内に装着されていて、第1版胴1aのドラムギヤ67aと着脱駆動部95aの駆動ギヤ96aとが噛み合うことで駆動力伝達関係にあって、メインモータ81の駆動が停止状態にあるときには、版胴1a側にはメインモータ81の負荷が掛かっているから、前記天地移動調整手段の天地移動手段83を作動させると、第2版胴1b側のみを必要とする位相調整分回転させて天地移動動作を行うことができる。
【0055】
天地移動手段83の回転伝達手段83Aは、前記した版胴プーリ86aと、前記した版胴プーリ86bと、図2の上下方向に移動自在に構成され、図示しないスライダアームの上下端部に植設された各軸を介して回動自在に取り付けられた一対の移動上プーリ87および移動下プーリ88と、後側板501Aに植設された4つの支持軸89に回動自在に取り付けられ、前記スライダアームを挾んで上下にそれぞれ設けられた4つの固定プーリ90,91,92,93と、版胴プーリ86a、版胴プーリ86b、移動上プーリ87および移動下プーリ88に掛け渡されると共に、4つの固定プーリ90,91,92,93で図示形状をなすように整形された連結ベルト94とから主に構成される。
連結ベルト94は、歯付きベルトを用いており、また各プーリ86a,86b,87,88も歯付きプーリを用いている。
【0056】
各ドラムユニット100a,100bには、本体フレーム501から離脱したとき、各クランパ5a,5bが略真下に位置する各版胴1a,bの着脱位置が固定される装置(図示せず)が付いており、各ドラムユニット100a,100bを外したときと同じ状態で装着できるようになっている。前記前取っ手は、その把持操作に連動して、ドラムユニット100aを本体フレーム501から機械的にロック解除させるための図示しないロック解除レバーを備えている。
また、ドラムユニット100aには、ドラムユニット100aを本体フレーム501に対してセット装着し終えるときに、本体フレーム501側の被ロック部に対してドラムユニット100aを機械的にロックするためのロック手段が設けられている。このようなロック手段としては、例えば特開平8−39916号公報の図5等に示されているものが採用されていて、着脱駆動部95a,95bのギヤ噛合による着脱・ロック構造に加えて操作の確実性や安全上の配慮から2重のロック構造を採用している。
【0057】
なお、各ドラムユニット100a,100bおよび各着脱手段50a,50bは、前記したものに限らず、例えば本願出願人が先に提案した特開平10−109470号公報の図1ないし図5等に示したと同様の、ドラムストッパー機構20を備えたドラムユニット10およびそれを着脱自在に支持する手段等であってもよい。
【0058】
ここで、図9ないし図11を参照して、実施形態1等を理解しやすくするために、相隣る版胴間の印刷間距離を版胴の外周長よりも短くして相隣る版胴間に初期位相差を設けた本発明の前提条件となる技術的事項について説明する。
図11において、符号Aは版胴1a,1bの各外周長を、符号Lは版胴1aと版胴1bとの間の印刷間距離をそれぞれ示す。また、印刷用紙22上の矩形状の黒塗りマークは1色目の画像を、矩形状の白抜きマークは2色目の画像をそれぞれ示す。印刷用紙22は、版胴1aとプレスローラ9aとの押圧時に形成されるニップ部で押さえ付けられながら版胴1aの時計回り方向の回転により搬送され、中間搬送装置17によって版胴1aの周速度と同じ搬送速度で版胴1bへと搬送される。このような用紙搬送条件の下では、印刷用紙22上の画像の各基準位置を版胴1aと版胴1bとで同一位置となるように設定しなければいけないので、版胴1bの回転方向の位相は、版胴1aに対して印刷間距離L分だけ遅れていなければならないことになる。
【0059】
例えば、図9に示されているように、本実施形態1における版胴1aの着脱位置(回転方向の所定位相)が、図9において版胴1aのクランパ5aが略真下に位置する基準角0°(機械原点)に設定されていて、前記と同じ用紙搬送条件である場合であって、装置のコンパクト化を図るためにL≠A、かつ、L<Aであり、版胴間距離L=240mm、各外周長A=180π(565)mmであるときには、版胴1aに対する版胴1bの位相差θb(遅れ角度)は、360×(240/565)≒153°だけ遅れていなければならないこととなる。
一方、図10に示されているように、本実施形態1における版胴1bの着脱位置(回転方向の所定位相)が、図10において版胴1bのクランパ5bが略真下に位置する基準角0°(機械原点)に設定されていて、前記と同じ用紙搬送条件であって装置のコンパクト化を図れる前記と同一の条件の場合、版胴間距離L=150mm、各外周長A=360mmであるときには、版胴1bに対する版胴1aの位相差θa(進み角度)は、360×(240/565)≒153°だけ進んでいなければならないこととなる。
【0060】
図9および図10に示されている各版胴1a,1bと装置本体側の着脱駆動部95a,95bとの着脱可能な位置関係について、前記と同じ用紙搬送条件および装置構成である場合で吟味してみると、各版胴1a,1bの着脱位置が装置本体側の機械原点0°に対して合っているときのみユニット化した版胴1aもしくは版胴1bを着脱することができる。つまり、L≠Aの条件下では版胴1aもしくは版胴1bを同時に離脱したり挿入・装着したりすることができない。図9では、機械原点0°に合っている版胴1aのみが着脱できる着脱位置にあることが分かる。図10の場合では、図9の場合とは反対に、版胴1bに対する版胴1aの位相差(進み角度)は約153°であるから、機械原点0°に合っている版胴1bのみが着脱できる着脱位置にあることが分かる。
【0061】
本実施形態1の複胴式孔版印刷装置500では、装置のコンパクト化を図るためにL≠A、かつ、L<Aであり、版胴間距離L=240mm、各外周長A=180π(565)mmであるので、図1、図9および図10に示すように版胴1aと版胴1bとの位相差は各クランパ5a,5bの位置で比較した場合約153度ずれている。
【0062】
このような初期位相差の設定理由を、各版胴1a,1b上に巻装された製版済みのマスタ33a,33bが同じ製版サイズであって、例えば各製版画像が全ベタ画像であるような場合に単純化して考えて見ると、次のようなことになる。すなわち、版胴1aと版胴1bとが同じ周速度で回転すべく連結されていて、かつ、版胴1aの印刷部から版胴1bの印刷部までの印刷用紙22の搬送経路長さがあることから、下流側の版胴1bの印刷部で印刷するとき、上流側の版胴1aの印刷部で印刷された全ベタ印刷画像を有する印刷用紙22上に、版胴1bの印刷部で印刷される全ベタ画像の全輪郭を用紙搬送方向Xにずれること無く重なり合うような関係位置とするためには、版胴1bに対して搬送経路長さ分に相当する初期位相差を設けなければならないことは明らかである。
【0063】
上述したことから、着脱駆動部95aおよび着脱駆動部95bの両方を同時に着脱対応位置にすることはできず、換言すれば版胴1aおよび版胴1bの両方を同時に着脱位置にすることはできないから、従来の技術例で挙げたような特開平11−138961号公報に記載された天地移動手段を含む天地移動調整手段という複雑な手段を利用しなくても、回転伝達手段83Aを備えた駆動伝達手段82を介して、版胴駆動手段80を構成する単一のメインモータ81という簡素な手段を利用しこれを制御することで、版胴1aに対応した着脱駆動部95aまたは版胴1bに対応した着脱駆動部95bの片方だけを着脱対応位置にすることができる。
【0064】
前述したように、本実施形態1では前記天地移動調整手段における天地移動手段83の回転伝達手段83Aを利用しているため、第2版胴1bを着脱するときにおいては、例えば前記天地移動調整手段を作動させて各版胴1a,1b間の初期位相差約153度より偏倚させた場合には、後述する図8に示すCPU201からの指令によって天地移動手段83を作動させて元の初期位相差約153度になるように第2版胴1bの回転位置(位相)を自動的に調整するようになっている。
【0065】
図2において、各版胴プーリ86a,86bの外周壁には、各版胴1a,1bの着脱位置に対応して、各着脱駆動部95a,95bの着脱対応位置を検知するための遮光片103a,103bがそれぞれ突出して取付けられている。各版胴プーリ86a,86bの遮光片103a,103b取付け部近傍の後側板501Aには、各遮光片103a,103bと選択的に係合することにより、各着脱駆動部95a,95bの着脱対応位置を検知する着脱対応位置センサ104a,104bがそれぞれ取付けられている。
【0066】
各版胴プーリ86a,86bの外周壁には、遮光片103a,103bの取付け位置とは異なる位置に、各版胴1a,1bのホームポジションに対応した各着脱駆動部95a,95bのホームポジションを検知するための遮光片(図示せず)がそれぞれ突出して取付けられている。一方、各版胴プーリ86a,86bの前記各遮光片取付け部近傍の後側板501Aには、前記各遮光片と選択的に係合することにより、各着脱駆動部95a,95bのホームポジションを検知するホームポジションセンサ70a,70bがそれぞれ取付けられている。各ホームポジションセンサ70a,70bは、透過型の光学センサからなる。
【0067】
また、版胴プーリ86aの外周壁には、スリット円板等からなるフォトエンコーダと協働して各版胴1a,1bの回転速度(周速度)を検知するための図8のみに示すエンコーダセンサ73が取付けられている。エンコーダセンサ73は、透過型の光学センサからなる。
【0068】
なお、各版胴1a,1bのホームポジションを検知するホームポジション検知手段は、各着脱駆動部95a,95b側に設けられたホームポジションセンサ70a,70bに限らず、例えば、特開平11−138961号公報の図6に示されているものと同様の、各版胴1a,1bのホームポジションを検知するためのホームポジションセンサ70a,70bと、各版胴1a,1bの奥側の端板68に外側に突出して設けられ、ホームポジションセンサ70a,70bと選択的に係合する遮光板71a,71bとからなるものであってもよい。
本実施形態1では、ホームポジションセンサ70a,70bを有することから、エンコーダセンサ73は必須の制御構成要素ではなく、無くても構わない。また、ホームポジションセンサ70a,70bを有していない場合にあっては、例えば、着脱対応位置センサ104a,104bとエンコーダセンサ73とからの各信号に基づいて、図8に示す制御装置200のCPU201が着脱対応位置(機械原点)からの絶対回転角を計算して各版胴1a,1bの回転位置および各着脱駆動部95a,95bの回転位置を求めることにより、各版胴1a,1bのホームポジションを求めることができるから、このような制御構成によっても各版胴1a,1bの停止位置制御を行うことができる。
【0069】
版胴駆動手段80の駆動力伝達手段82は、上述したようなギヤとベルトとを用いて連結したものに限らず、ギヤだけの連結であってもよい。また、メインモータ81は、DCモータに限らず、ステッピングモータなどのパルス駆動可能なものでもよく、これを採用した場合にはエンコーダセンサ73無しでも各版胴1a,1bの回転位置および各着脱駆動部95a,95b側の回転位置を検出することも可能である。また、版胴1b側は、前記のようなベルト連結にて従動関係にあるため、ベルトの伸び等によるホームポジション検知精度等を問題にしなくてもよいのであれば、ホームポジションセンサは版胴1a,1bの何れか一方側に配設してもよい。
【0070】
本発明の実施形態は、装置のコンパクト化を図るためにL≠A、かつ、L<Aの関係にあり、2つの版胴1a,1bを具備するものに限定されず、3つ以上の版胴を有し、前記した関係にある各版胴に対応した複胴式印刷装置においても適用できることはいうまでもない。
【0071】
図3において、本体フレーム501の奥側(図3の右側)の後側板501Aには、特開平11−138961号公報の図4に示されていると同様の、本実施形態1では図示しない本体着脱コネクタが配置され、一方、ドラムユニット100aの後フレーム56外壁には前記本体着脱コネクタと係合する着脱コネクタが配置されている。前記本体着脱コネクタは外部電源や図8に示す制御装置200等に接続されており、一方、前記着脱コネクタは、前記インキ検知手段および前記インキポンプに接続されている。ドラムユニット100aが、着脱手段50aを介して本体フレーム501内に装着されたとき、前記着脱コネクタが前記本体着脱コネクタと結合して、前記電力の授受あるいは前記各信号の送受信が行われると共に、本体フレーム501におけるドラムユニット100a、すなわち版胴1aの有り状態が電気的に検知される。これは、ドラムユニット100bでも同様である。それ故に、前記各着脱コネクタおよび前記各本体着脱コネクタは、本体フレーム501内における各版胴1a,1bの有無を検知する版胴有無検知手段としての構成・機能を有している。前記した構成の各版胴有無検知手段を図8では、本体フレーム501内における第1版胴1aの有無を検知する第1版胴有無センサ77、本体フレーム501内における第2版胴1bの有無を検知する第2版胴有無センサ78とする。
【0072】
なお、版胴有無検知手段は、前記した構成のものに限らず、例えば特開平11−227309号公報の図6に示されている版胴着脱ロック機構24のストッパー41の突起部41aと係合可能であり、前記同公報の図7に示されている装置本体1側に設けられたスイッチレバー70aを介してオン/オフ作動するマイククロスイッチ70であってもよい。
【0073】
次に、図7を参照して操作パネル170の細部構成を説明する。
この操作パネル170上には、複胴式孔版印刷装置500を操作するための各種キー、複胴式孔版印刷装置500の動作状態や操作状態を表示するための各種表示器および表示装置等が配置されている。すなわち、操作パネル170上には、印刷枚数等を設定・入力するためのテンキー173と、このテンキー173で置数(入力・設定)された所定の印刷枚数分の印刷動作の起動を行うための、給紙、印刷および排紙に至るまでの一連の工程(動作)を起動するための印刷スタートキー172と、後述する各種モードに係る動作等の設定を確定するための確定キー174と、後述するように予め設定してある各版胴1a,1bの停止位置順位に優先して、各版胴1a,1bを各ホームポジションに停止させるためのホーム停止優先モードを実行すべく設定するホーム停止優先設定手段を構成するホーム停止優先キー176と、後述するように予め設定してある各版胴1a,1bの停止位置順位に優先して、各版胴1a,1bの何れかを指定してその指定した版胴(本実施形態1では指定された版胴は第2版胴1bである)を所定位相としての着脱位置で停止させるための指定版胴着脱位置停止優先モードを実行すべく設定する指定版胴着脱位置停止優先設定手段を構成する第2版胴停止優先キー178と、ユーザが複胴式孔版印刷装置500の動作開始前に必要に応じて各種モードに係る動作の初期設定を行うための初期設定キー180と、給紙、印刷および排紙の各動作を停止させるためのストップキー181等とが配置されている。なお、図7において、括弧を付して示す符号190は、実施形態1では具備していないことを示すと共に、後述する実施形態で使用するための操作パネルを示す。同じく括弧を付して示す符号171は、実施形態1では具備していないことを示すと共に、後述する実施形態で使用するための原稿の画像の読み取りから排版、製版、給版、版付け印刷、排紙工程に至るまでの一連の工程(動作)を起動するための動作起動手段としての製版スタートキーを示す。
【0074】
操作パネル170上には、ホーム停止優先キー176等により設定されたホーム停止優先モードに係る動作設定状態にあることを表示するためのホーム停止優先モードランプ177と、第2版胴停止優先キー178等により設定された指定版胴着脱位置停止優先モードに係る動作設定状態にあることを表示するための第2版胴停止優先モードランプ179と、操作の状態や警告等のメッセージあるいは設定されているモードや機能等の表示をしたり、その機能を選択・設定するための操作内容を随時表示したりするためのLCD表示部175とが配置されている。
【0075】
ホーム停止優先モードランプ177および第2版胴停止優先モードランプ179は、LED(発光ダイオード)からなる。ホーム停止優先モードランプ177は、ホーム停止優先キー176の内部下方に配置されている。ホーム停止優先モードランプ177は、先ず、初期設定キー180を押した後、ホーム停止優先キー176を押し、さらに確定キー174を押すことにより、ホーム停止優先(オン)信号が生成され、ホーム停止優先モードに係る動作設定状態にあることを点灯表示する。上述のとおり、ホーム停止優先設定手段は、初期設定キー180、ホーム停止優先キー176および確定キー174から構成される。
【0076】
第2版胴停止優先モードランプ179は、第2版胴停止優先キー178の内部下方に配置されている。第2版胴停止優先モードランプ179は、先ず、初期設定キー180を押した後、第2版胴停止優先キー178を押し、さらに確定キー174を押すことにより、第2版胴停止優先(オン)信号が生成され、第2版胴停止優先モードに係る動作設定状態にあることを点灯表示する。上述のとおり、指定版胴着脱位置停止優先設定手段は、初期設定キー180、第2版胴停止優先キー178および確定キー174から構成される。
【0077】
ホーム停止優先設定手段を構成するホーム停止優先キー176および指定版胴着脱位置停止優先設定手段を構成する第2版胴停止優先キー178は、初期設定キー180および確定キー174と共に、ユーザが複胴式孔版印刷装置500の動作開始前に必要なモードに係る動作を行えるように初期設定するためのものである。ホーム停止優先モードに係る動作設定状態や第2版胴停止優先モードに係る動作設定状態を解除したい場合には、操作パネル170に配設された図示しないモード解除キーを押せばよい。
【0078】
LCD表示部175は、液晶表示装置からなり、液晶駆動回路を介して各版胴1a,1bの着脱位置への回転位置状態を絵表示したり、文字表示したりする。LCD表示部175は、第1排紙検知センサ74や第2排紙検知センサ75からの排紙不良信号に基づいて、該排紙不良を生じた版胴1aまたは版胴1bを報知・表示したりする機能をも有する。
【0079】
なお、複胴式孔版印刷装置500の動作状態を表示するための各種表示手段を本体フレーム501における各着脱口501a,501b近傍に配設したり、操作パネル170上にそれぞれ配設したりしてもよい。すなわち、各ドラムユニット100a,100bに対応してそれぞれ配設され、各ドラムユニット100a,100bの着脱可否状態を表示するためのLED等からなる版胴着脱可否表示手段を本体フレーム501における着脱口501aの上方近傍や操作パネル170上に配設してもよい。
このような版胴着脱可否表示手段を前記各位置に設けることにより、各ドラムユニット100a,100bの着脱可否状態を装置を操作する上で見やすい所で視認することができるから、操作性の向上を図ることができる。なお、LCD表示部175に、前記版胴着脱可否表示手段の役割を持たせてもよい。
【0080】
制御装置200は、図8に示すように、例えば信号バス(図示せず)によって互いに接続された、CPU(中央処理装置)201、バックアップ電源を備え記憶保持動作が可能なRAM(読み書き可能な記憶装置)202、ROM(読み出し専用記憶装置)203およびI/O(入出力)ポート(図示せず)等を備えたマイクロコンピュータを具備している。なお、図8に示す制御構成は、説明の簡明化および図の簡明化を図るため、主要な制御構成要素のみを挙げている。
【0081】
ホームポジションセンサ70a,70b、エンコーダセンサ73、第1排紙検知センサ74、第2排紙検知センサ75、第1版胴有無センサ77、第2版胴有無センサ78、着脱対応位置センサ104a,104bおよびドア開閉センサ504からのオン/オフ信号やデータ信号は、制御装置200のCPU201に送信される。操作パネル170の各種キー等、すなわちホーム停止優先キー176および第2版胴停止優先キー178等からのオン/オフ信号は、制御装置200のCPU201に送信される。制御装置200のCPU201からは、操作パネル170のホーム停止優先モードランプ177および第2版胴停止優先モードランプ179に各種指令信号が送信される。また、制御装置200のCPU201からは、メインモータ81に各種指令信号が送信される。
【0082】
制御装置200のCPU201(以下、単に「制御装置200」というときがある)は、ドア開閉センサ504からの閉(オン)信号および装着すべき版胴1aまたは版胴1bに対応して配設された第1版胴有無センサ77または第2版胴有無センサ78からの版胴無(オフ)信号に基づいて、装着すべき版胴1aまたは版胴1bに対応して配設された着脱駆動部95aまたは着脱駆動部95bが着脱対応位置を占めるように版胴駆動手段80のメインモータ81を制御し、着脱対応位置センサ104aまたは着脱対応位置センサ104bからの着脱対応位置(オン)信号に基づいて、着脱駆動部95aまたは着脱駆動部95bが着脱対応位置に停止するように版胴駆動手段80のメインモータ81を制御する制御手段としての第1の機能を有する。
【0083】
制御装置200は、第1の機能に加えて、ドア開閉センサ504からの閉信号および第1版胴有無センサ77および第2版胴有無センサ78からの版胴有(オン)信号に基づいて、版胴1aおよび版胴1bが各ホームポジションを占めるように版胴駆動手段80のメインモータ81を制御し、各ホームポジションセンサ70a,70bからのホームポジション(オン)信号に基づいて、版胴1aおよび版胴1bが各ホームポジションに停止するように版胴駆動手段80のメインモータ81を制御する第2の機能を有する。
【0084】
制御装置200は、ドア開閉センサ504からの閉(オン)信号、第1版胴有無センサ77および第2版胴有無センサ78からの版胴有(オン)信号およびホーム停止優先キー176等からのホーム停止優先(オン)信号に基づいて、版胴1aおよび版胴1bが各ホームポジションを占めるように版胴駆動手段80のメインモータ81を制御し、各ホームポジションセンサ70a,70bからのホームポジション信号に基づいて、版胴1aおよび版胴1bが各ホームポジションに停止するように版胴駆動手段80のメインモータ81を制御する制御手段としての第3の機能を有する。
【0085】
制御装置200は、ドア開閉センサ504からの閉(オン)信号、第1版胴有無センサ77および第2版胴有無センサ78からの版胴有(オン)信号および第2版胴停止優先キー178からの第2版胴着脱位置停止優先(オン)信号に基づいて、指定された第2版胴1bが着脱位置を占めるように版胴駆動手段80のメインモータ81を制御し、着脱対応位置センサ104bからの着脱位置(オン)信号に基づいて、指定された第2版胴1bが着脱位置に停止するように版胴駆動手段80のメインモータ81を制御する制御手段としての第4の機能を有する。
【0086】
制御装置200は、ホーム停止優先キー176からのホーム停止優先(オン)信号に基づいて、ホーム停止優先モードランプ177を点灯させる第5の機能を有する。また、制御装置200は、第2版胴停止優先キー178からの第2版胴着脱位置停止優先(オン)信号に基づいて、第2版胴停止優先モードランプ179を点灯させる第6の機能を有する。制御装置200は、ドア開閉センサ504からの信号や各版胴有無センサ77,78からの各信号に基づいて、その旨の表示を行うようにLCD表示部175を制御する第7の機能を有する。
【0087】
ROM203には、メインモータ81やLCD表示部175を駆動制御するためのデータあるいは図12および図13のフローチャートに示されている動作を行うためのプログラムが予め記憶されている。
また、ROM203には、印刷機として版胴停止処理に係る優先順位、つまり各版胴1a,1bや各着脱駆動部95a,95bを各停止位置にするための各版胴1a,1bの停止位置順位が予め設定・記憶されている。すなわち、第1版胴1aの着脱位置が一番優先されているので、第1版胴1aに対応した着脱駆動部95aが着脱対応位置に回転移動し、次いで第2版胴1bに対応した着脱駆動部95bが着脱対応位置に回転移動し、次いで各版胴1a,1bがホームポジションに停止するように各着脱駆動部95a,95bがホームポジション対応位置に回転移動するというように設定されている。つまり、印刷機としての複胴式孔版印刷装置500に予め設定されている各版胴1a,1bの停止位置順位は、第1版胴1a着脱位置(着脱駆動部95a着脱対応位置)>第2版胴1b着脱位置(着脱駆動部95b着脱対応位置)>各版胴1a,1bのホームポジション(着脱駆動部95a,95bホームポジション)の順になっている。
【0088】
RAM202では、前記各キーやセンサ等からのデータ信号等を一時記憶したりする。また、RAM202は、電源スイッチ508をオフした後でも、初期設定キー180、ホーム停止優先キー176および確定キー174を押すことにより初期設定されたホーム停止優先モードに係る動作を実行するためのプログラム・データや、初期設定キー180、第2版胴停止優先キー178および確定キー174を押すことにより初期設定された第2版胴停止優先モードに係る動作を実行するためのプログラム・データをそれぞれ記憶保持する記憶保持手段としての機能を有する。記憶保持手段は、バックアップ電源を備え記憶保持動作が可能なRAM202に限らず、同様の機能を備えたフラッシュメモリ等であってもよい。
【0089】
次に、複胴式孔版印刷装置500の動作を説明する。
説明の都合上から、まず、給紙、印刷および排紙の各工程を説明した後で、図12ないし図13の動作フローを説明する。使用済みのマスタ33a、33bを排版され、製版済みのマスタ33a、33bを巻装された版胴1a,1bを備えたドラムユニット100a,100bが本体フレーム501内に装着・セットされ、図1に示されている初期状態から、給紙、印刷工程が開始される。このとき、版胴1aはそのクランパ5aがやや右斜め上方近傍に位置するホームポジションに、版胴1bはそのクランパ5bがやや左斜め上方近傍に位置する状態になるまで回転してそれぞれ停止する。このように、実施形態1では、各版胴1a,1bが本体フレーム501内にあるとき、版胴1aと版胴1bとの間には前述したとおり予め初期位相差が設けられている。
【0090】
先ず、オペレータ等の使用者が電源スイッチ508をオンすると、操作パネル170には初期設定状態に係る内容が表示される。ここでは、ホーム停止優先モードランプ177および第2版胴停止優先モードランプ179は、それぞれ消灯していて、ホーム停止優先モードに係る動作および第2版胴停止優先モードに係る動作が設定状態にない、つまり通常印刷モードに係る動作設定状態が表示される。
【0091】
次いで、オペレータ等の使用者が印刷スタートキー172を押すことにより、印刷工程が始まる。給紙トレイ21上に積載された最上位の印刷用紙22を呼び出しコロ23に接触するまで給紙トレイ21を上昇させておく。呼び出しコロ23に接触している最上位の印刷用紙22が、給紙モータ44の起動により分離コロ24と共に呼び出しコロ23が回転動作されることによって搬送されると共に、分離コロ対24,25および分離板26の協働作用により1枚に分離され、上下一対のガイド板上28およびガイド板下27に案内されつつレジストローラ対29,30に向けて用紙搬送方向Xに給送される。このとき、搬送された印刷用紙22の先端は、レジストローラ対29,30のニップ部直前部位に当接し、ガイド板上28に沿って撓んだ状態で停止している。
【0092】
一方、1色目の版胴1aは、印刷動作が始まると印刷の回転速度で回転され始める。版胴1aの内周側では、インキ供給ディストリビュータ(図示せず)からインキローラ3aとドクタローラ4aとの間に形成されたインキ溜りIaに黒色のインキが供給され、その黒色のインキはインキローラ3aとドクタローラ4aとが回転することによって混練され伸ばされると共に、インキローラ3aの外周面に均一に付着するようになる。インキの残量は、前記したインキ検知手段によって検知され、インキが少なくなったときには前記インキ供給ディストリビュータから補給される。こうして版胴1aの回転方向と同一方向に、かつ、版胴1aの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ3aにより、インキが版胴1aの内周側に供給される。
【0093】
そして、レジストモータ47が版胴1a上の製版済みのマスタ33aの製版画像の回転位置にタイミングを合わせて印刷用紙22の先端を給送すべく起動され,これによりレジストローラ対29,30が回転駆動されることによって、印刷用紙22の先端が版胴1a上の製版済みのマスタ33aの製版画像の回転位置にタイミングを合わせて、換言すれば版胴1aの回転に合わせた所定のタイミングで印圧装置32aにおける版胴1aとプレスローラ9aとの間に印刷用紙22の先端が給送されてくると、これに同期して版胴1aの外周面下方に離間していたプレスローラ9aが揺動・上昇されることにより、版胴1aの外周面に巻装されている製版済みのマスタ33aに押し付けられる。これにより、版胴1aの開孔部(図示せず)から滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ33aが版胴1aの外周面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ33aの穿孔パターン部からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙22の表面に転移されて、1色目の黒色の印刷画像が形成される。
【0094】
黒色の印刷画像を形成された印刷用紙22は、その先端がエアーナイフ7aの先端近傍の所までくると、エアーナイフ7aが版胴1aの回転動作と同期してエアーナイフ軸8aを中心に回転して版胴1aの外周面に接近し、エアーナイフ7aの先端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先端が版胴1aから分離・剥離される。エアーナイフ7aにより分離・剥離された印刷用紙22は、中間搬送装置17によって用紙搬送方向Xの下流側へとさらに搬送される。
上述のように搬送ベルト16は図1の矢印方向へ回転し、ファン18の作動によるケーシング19内の負圧作用により、印刷用紙22の先端は容易に搬送ベルト16の上面に吸引され、この搬送ベルト16の反時計回り方向の回転により、次の印圧装置32b部位へ向かって搬送される。
【0095】
搬送ベルト16の搬送速度(回転線速度)は、上述したように、版胴1aの周速度(回転線速度)と同じかまたは速く設定されていが、印刷用紙22の上流側は未だ版胴1aとプレスローラ9aとのニップ部で押さえられているので、印刷用紙22の左方向への進行速度は版胴1aの周速度と同じである。したがって、印刷用紙22は左方向へテンションが掛かった状態で搬送されることになる。 厳密には、搬送ベルト16の搬送速度の方が印刷用紙22の進行速度より速いので、搬送ベルト16と印刷用紙22とは滑りを生じていることになる。
【0096】
このとき、2色目の版胴1bは、版胴1aと同期して印刷動作を始め、印刷の回転速度で回転され始める。版胴1bの内周側では、版胴1aと同様の構成および動作内容で版胴1bの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ3bにより、2色目の赤色インキが版胴1bの内周側に供給される。
また、版胴1aと版胴1bとは、黒と赤の画像の基準位置が印刷用紙22上で同じになるように予め初期位相差が設けられている。版胴1aと版胴1bとの間に予め前記初期位相差を設けた理由は、上述したとおりである。
【0097】
そして、印刷用紙22の先端部分が、搬送ベルト16によって進行方向に牽引力を与えられながら、版胴1bの回転と同期した所定のタイミングで印圧装置32bにおける版胴1bとプレスローラ9bとの間に給送されてくると、これに同期して版胴1bの外周面下方に離間していたプレスローラ9bが揺動・上昇されることにより、プレスローラテンション13bによって印圧が加えられ、版胴1bの外周面に巻装されている製版済みのマスタ33bに押し付けられる。これにより、版胴1bの開孔部(図示せず)から滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ33bが版胴1bの外周面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ33bの穿孔パターン部からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙22の表面に転移されて、2色目の赤色インキによる赤色の印刷画像が形成される。
【0098】
以上の動作により、版胴1bとプレスローラ9bとの接触部では、先に黒色の印刷された画像位置と同じ位置関係で赤色の印刷がされることになる。
なお、プレスローラ9bは、版胴1bの外周面上から突出しているクランパ5bとの干渉を避けるために、印刷中に版胴1bの外周面から離間するようになっているが、印刷用紙22の先端が印刷部へ進入する前には版胴1bの外周面に接触して押圧している状態となっている。
【0099】
2色目の赤色の印刷画像を形成された印刷用紙22は、その先端がエアーナイフ7bの先端近傍の所までくると、エアーナイフ7bが版胴1bの回転動作と同期してエアーナイフ軸8bを中心に回転して版胴1bの外周面に接近すると同時に、エアーナイフ7bの先端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先端が版胴1bから分離・剥離される。エアーナイフ7bにより分離・剥離された印刷済みの印刷用紙22は、排紙装置35によってさらに用紙搬送方向Xの下流側に位置する排紙トレイ37へ搬送される。
【0100】
前記した送風ファン34の回転により送られる空気は、エアーナイフ7bの左上方から印刷済みの印刷用紙22の表面へと吹き付けられる。これは、印刷済みの印刷用紙22の搬送ベルト40からの浮き上がり防止のためと印刷画像のインキ乾燥の促進のためでもある。ジャンプ台40Aは、印刷済みの印刷用紙22の中央部位を略U字状に撓ませて、いわゆる排紙の腰付けをして排紙トレイ37上に整然と排出積載する機能を有する。
【0101】
エアーナイフ7bにより分離・剥離された印刷済みの印刷用紙22は、吸引用ファン36の作動により吸引されつつ、また送風ファン34の回転により送られる空気によって印刷済みの印刷用紙22の搬送ベルト40からの浮き上がり防止が図られながら搬送ベルト40に吸着され、この搬送ベルト40の反時計回り方向の回転により、またジャンプ台40Aによる排紙の腰付けがされながら排紙トレイ37上に順次整然と排出積載される。このようにしていわゆる「版付け」、あるいは「試し刷り」が行われると共に、各版胴1a、1bから各プレスローラ9a、9bが離間して図1に示す初期状態に復帰し、印刷待機状態となる。
【0102】
印刷終了後、オペレータ等の使用者は排出された印刷物を目視して、印刷画像品質の確認や印刷画像位置の確認等を行い、例えば用紙搬送方向Xの印刷画像位置の調整が必要と判断したときには、特開平11−138961号公報記載の天地移動調整手段212によって公知の調整を行えばよい。そして、これらがオーケーであれば、テンキー173で印刷枚数を設定し、印刷スタートキー172を押すことにより、前記版付けと同様の給紙、印刷および排紙の各工程が設定した印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
(動作例1)
以下、図12に示す版胴停止処理動作に係る動作例1を説明する。
動作例1は、例えば、インキの色替えやマスタ33a,33bの交換あるいは清掃等のために、各ドラムユニット100a,100bを本体フレーム501に対して着脱したり、また各版胴1a,1bにおいて、印刷用紙22が各版胴1a,1b上のマスタ33a,33bにインキの粘着力により貼り付いてしまってエアーナイフ7a,7bや分離爪等により分離・剥離できない用紙巻き上がりミスや、印刷用紙22が各版胴1a,1bで、あるいは各版胴1a,1b間に詰まってジャムした排紙ミス等の排紙不良処理のために、各ドラムユニット100a,100bを本体フレーム501から何れか一方または両方を離脱した後、各ドラムユニット100a,100bを本体フレーム501に対して装着したりするときに適用される。動作例1は、従来のようにその都度いちいち各版胴着脱キーを押すというような煩わしい操作やそのための時間の無駄遣いを排除する目的で行うものであり、そのために、動作例1では制御装置200の前記した第1、第2および第7の機能が主に使用される。
【0103】
動作例1は、図12のステップS1から始まる。ステップS1では、ドア503が閉位置を占めているか否かが判断される。ドア開閉センサ504から閉信号が制御装置200に送信され、制御装置200によりドア503が閉位置を占めていると判断されたイエスの場合には、ステップS2に進む。一方、ドア開閉センサ504から開信号が制御装置200に送信され、制御装置200によりドア503が開位置を占めていると判断されたノーの場合には、版胴停止処理動作は終了する。
【0104】
ステップS2では、第1版胴1aおよび第2版胴1bが両方共本体フレーム501内に装着されているか否かが判断される。第1版胴有無センサ77および第2版胴有無センサ78から版胴有信号がそれぞれ制御装置200に送信され、制御装置200により第1版胴1aおよび第2版胴1b両方共に本体フレーム501内に装着されていると判断されたイエスの場合には、ステップS6に進む。 ステップS6では、各版胴1a,1bのホームポジションに停止する処理動作が行われる。すなわち、制御装置200により、版胴1aおよび版胴1bが各ホームポジションを占めるようにメインモータ81が制御され、メインモータ81が回転駆動されることにより、メインモータ81の回転駆動力が版胴駆動手段80から回転伝達手段83Aの各着脱駆動部95a,95bを介して各版胴1a,1bに伝達され、各版胴1a,1bが適宜回転移動して図1に示す各ホームポジションを占めると、各ホームポジションセンサ70a,70bから各ホームポジション信号が制御装置200に送信される。そして、各ホームポジションセンサ70a,70bからの各ホームポジション信号を受けた制御装置200により、メインモータ81が制動制御されることで、版胴1aおよび版胴1bが各ホームポジションに停止することとなる。
【0105】
一方、ステップS2においてノーの場合は、第1版胴1aおよび第2版胴1bが両方共本体フレーム501内に装着されていないか、第1版胴1aまたは第2版胴1bが本体フレーム501内に装着されていない場合であり、ステップS3に進む。ステップS3では、第1版胴1aが本体フレーム501内に装着されているか否かが判断される。
【0106】
ステップS3において、第1版胴有無センサ77から版胴無信号が、第2版胴有無センサ78から版胴有信号がそれぞれ制御装置200に送信され、制御装置200により第2版胴1bは本体フレーム501内に装着されているが、第1版胴1aは本体フレーム501内に装着されていない、つまり本体フレーム501から離脱されていて装着すべき第1版胴1aであると判断されたノーの場合には、ステップS5に進む。
ステップS5では、制御装置200により、装着すべき第1版胴1aに対応して配設された着脱駆動部95aが着脱対応位置を占めるようにメインモータ81が制御される。すなわち、メインモータ81が回転駆動されることにより、メインモータ81の回転駆動力が上述したと同様にして各着脱駆動部95a,95bに伝達され、着脱駆動部95aが適宜回転移動して図9を借りて示す装着すべき第1版胴1aと連結可能な着脱対応位置を占めると、着脱対応位置センサ104aから着脱対応位置信号が制御装置200に送信される。そして、着脱対応位置センサ104aからの着脱対応位置信号を受けた制御装置200により、メインモータ81が制動制御されることで、着脱駆動部95aが着脱対応位置に停止することとなる。
このとき、LCD表示部175には、ドラムユニット100a(第1版胴1a)が装着可能である旨の表示がなされるので、使用者はその表示内容を適宜確認する。そして、使用者はドア503を開けて、ドラムユニット100aを着脱手段50aを介して着脱口501aに挿入すると、第1版胴1a側の着脱駆動部95aが着脱対応位置を占めて停止しているので、容易に装着・セットを行うことができる。次いで、ドア503を閉める。
【0107】
一方、ステップS3において、第1版胴有無センサ77から版胴有信号が、第2版胴有無センサ78から版胴無信号がそれぞれ制御装置200に送信され、制御装置200により第1版胴1aは本体フレーム501内に装着されているが、第2版胴1bは本体フレーム501内に装着されていない、つまり本体フレーム501から離脱されていて装着すべき第2版胴1bであると判断されたイエスの場合には、ステップS4に進む。
ステップS4では、制御装置200により、装着すべき第2版胴1bに対応して配設された着脱駆動部95bが着脱対応位置を占めるようにメインモータ81が制御される。すなわち、メインモータ81が回転駆動されることにより、メインモータ81の回転駆動力が上述したと同様にして各着脱駆動部95a,95bに伝達され、着脱駆動部95bが適宜回転移動して図10を借りて示す装着すべき第2版胴1bと連結可能な着脱対応位置を占めると、着脱対応位置センサ104bから着脱対応位置信号が制御装置200に送信される。そして、着脱対応位置センサ104bからの着脱対応位置信号を受けた制御装置200により、メインモータ81が制動制御されることで、着脱駆動部95bが着脱対応位置に停止することとなる。
【0108】
このとき、LCD表示部175には、ドラムユニット100b(第2版胴1b)が装着可能である旨の表示がなされるので、使用者はその表示内容を適宜確認する。そして、使用者はドア503を開けて、ドラムユニット100bを着脱手段50bを介して着脱口501bに挿入すると、第2版胴1b側の着脱駆動部95bが着脱対応位置を占めて停止しているので、容易に装着・セットを行うことができる。次いで、ドア503を閉める。
【0109】
また、ステップS2においてノーの場合であって、第1版胴1aおよび第2版胴1bが両方共本体フレーム501内に装着されていない装着すべき第1版胴1aおよび第2版胴1bであるときには、上述したように各着脱駆動部95a,95bが同時に着脱対応位置(装着対応位置)を占めることができないから、印刷機として予め設定してある版胴停止位置の優先順位とおり、制御装置200からの指令によって第1版胴1aに対応する本体フレーム501側の着脱駆動部95aを着脱対応位置に停止させる。
【0110】
なお、上述した動作では説明を行わなかったが、例えばステップS1においてドア503が開いていると危険であるので、ドア開閉センサ504からの開信号によってLCD表示部175にその旨の表示をさせたり、ステップS3において第1版胴有無センサ77からの版胴無信号によって装着すべき版胴が第1版胴1aであることを前記した各LEDに表示させたり、あるいはステップS5において着脱対応位置センサ104aからの着脱対応位置信号によって、着脱駆動部95aが着脱対応位置に停止し終えたことで第版胴1aが装着可能となったことを前記した各LEDに表示させたりしてもよい。後述する動作例2等でも上述したような報知・表示が随時行われるが、以下、説明の簡明化を図るためこのような説明は省略する。
(動作例2)
以下、図13に示す版胴停止処理動作に係る動作例2を説明する。
動作例2は、例えば、使用者がROM203に予め記憶されている各版胴1a,1bの停止位置順位に割り込んで、いわば前記停止位置順位を無視して所望する停止動作を行いたいような場合に適用される。動作例2では制御装置200の前記した第3ないし第7の機能が主に使用される。
【0111】
動作例2は、図13のステップS10から始まる。ステップS10では、図12のステップS1と同様の判断、すなわちドア503が閉位置を占めているか否かが判断される。ドア開閉センサ504から閉信号が制御装置200に送信され、制御装置200によりドア503が閉位置を占めていると判断されたイエスの場合には、ステップS11に進む。一方、ドア開閉センサ504から開信号が制御装置200に送信され、制御装置200によりドア503が開位置を占めていると判断されたノーの場合には、版胴停止処理動作は終了する。
【0112】
ステップS11では、第1版胴1aおよび第2版胴1bが両方共本体フレーム501内に装着されているか否かが判断される。第1版胴有無センサ77および第2版胴有無センサ78から版胴有信号がそれぞれ制御装置200に送信され、制御装置200により第1版胴1aおよび第2版胴1b両方共に本体フレーム501内に装着されていると判断されたイエスの場合は、ステップS12に進む。一方、ステップS11においてノーの場合は、第1版胴1aおよび第2版胴1bが両方共本体フレーム501内に装着されていないか、第1版胴1aまたは第2版胴1bが本体フレーム501内に装着されていない場合であり、ステップS17に進む。このステップS17では、図12におけるステップS3、ステップS4およびステップS5と同様の版胴停止処理に係るサブルーチンプログラムに沿った動作が実行される。
【0113】
ステップS12では、ホーム停止優先モードに係る動作設定状態にあるか否かが判断される。ここで、ホーム停止優先モードに係る動作設定状態にあるイエスの場合、すなわち使用者が初期設定キー180を押した後、ホーム停止優先キー176を押し、さらに確定キー174を押すことにより、ホーム停止優先信号が生成されてこれが制御装置200に送信され、制御装置200によりホーム停止優先モードランプ177が点灯されて、ホーム停止優先モードに係る動作設定状態にあることが点灯表示された場合には、ステップS15に進む。ステップS15では、図12におけるステップS6と同様の、図1に示す各版胴1a,1bのホームポジションに停止する処理動作が行われる。
【0114】
一方、ステップS12において、ホーム停止優先モードに係る動作設定状態にないノーの場合には、ステップS13に進んで、第2版胴停止優先モードに係る動作設定状態にある否かが判断される。ここで、第2版胴停止優先モードに係る動作設定状態にあるイエスの場合、すなわち使用者が初期設定キー180を押した後、第2版胴停止優先キー178を押し、さらに確定キー174を押すことにより、第2版胴停止優先信号が生成されてこれが制御装置200に送信され、制御装置200により第2版胴停止優先モードランプ179が点灯されて、第2版胴停止優先モードに係る動作設定状態にあることが点灯表示された場合には、ステップS16に進む。
【0115】
ステップS16では、制御装置200により、指定された第2版胴1bが着脱位置を占めるように版胴駆動手段80のメインモータ81が制御され、着脱対応位置センサ104bからの着脱位置信号に基づいて、指定された第2版胴1bおよびその着脱駆動部95bが着脱位置および着脱対応位置に停止するようにメインモータ81が制御される。これにより、図10に示すように、指定された第2版胴1bおよびその着脱駆動部95bが着脱位置および着脱対応位置にそれぞれ停止することとなる。
このとき、LCD表示部175には、ドラムユニット100b(第2版胴1b)が離脱可能である旨の表示がなされるので、使用者はその表示内容を適宜確認した後、ドア503を開けて、着脱手段50bを介して着脱口501bからドラムユニット100bを容易に離脱させることができる。
【0116】
一方、ステップS13において、第2版胴停止優先モードに係る動作設定状態にないノーの場合には、制御装置200により、第1版胴1aが着脱位置を占めるように版胴駆動手段80のメインモータ81が制御され、着脱対応位置センサ104aからの着脱位置信号に基づいて、第1版胴1aおよびその着脱駆動部95aが着脱位置および着脱対応位置に停止するようにメインモータ81が制御される。これにより、図9に示すように、第1版胴1aおよびその着脱駆動部95aが着脱位置および着脱対応位置にそれぞれ停止することとなる。
このとき、LCD表示部175には、ドラムユニット100a(第1版胴1a)が離脱可能である旨の表示がなされるので、使用者はその表示内容を適宜確認した後、ドア503を開けて、着脱手段50aを介して着脱口501aからドラムユニット100aを容易に離脱させることができる。
【0117】
このように、ホーム停止優先モードに係る動作設定状態になく、かつ、第2版胴停止優先モードに係る動作設定状態でもない場合には、第1版胴1aおよび第2版胴1bが両方共本体フレーム501内に装着されていて、上述したように各版胴1a,1bが同時に着脱位置や各着脱駆動部95a,95bが同時に着脱対応位置を占めることができないから、印刷機として予め設定してある各版胴1a,1bの停止位置順位とおり、制御装置200からの指令によって第1版胴1aを着脱位置に停止させ、換言すれば本体フレーム501側の着脱駆動部95aを着脱対応位置に停止させる。
【0118】
上述したように、動作例2によれば、例えばホーム停止優先モード設定時では、インキ漏れ防止のために、第1版胴1a側のクランパ5a配置部や第2版胴1b側のクランパ5b配置部を下方ではなく上方に向けた各版胴1a,1bの停止位置をホームポジションに設定することによって、インキ漏れを防止できる。 また、第2版胴停止優先モード設定時では、第1版胴1aを交換せずに第2版胴1bを交換しながら印刷するような場合、例えば、第1版胴1aには枠取り等のフォームだけを製版したマスタ33aを巻装し、第2版胴1bには印刷すべき文章や絵等の印刷データを製版したマスタ33bを巻装して印刷する場合などにおいて有効である。何故ならば、第1版胴停止優先モードやホーム停止優先モードを実行するプログラムが予め印刷機に設定されている下では、第2版胴1bを交換するときには、従来と同様に第2版胴1bや着脱駆動部95b側を着脱位置や着脱対応位置に停止させるための第2版胴着脱キーを押して第2版胴1bやこれに対応した着脱駆動部95bを前記各位置に移動させてからでないと第2版胴1bを交換することができないからである。そこで、上述したように最初に1回初期設定キー180、第2版胴停止優先キー178および確定キー174を押すことにより、第2版胴停止優先モードに係る動作設定状態にすることで、ドア503を開ければ、後は自動的にいつも第2版胴1bが着脱位置に停止していたり、着脱駆動部95bが着脱対応位置に停止したりしているから、使用者が必要に応じて予め設定されている各版胴1a,1bの停止位置順位を変えて、所望する各版胴1a,1bの停止位置を選択することができる。
【0119】
また、動作例2では、図13に示した版胴停止処理動作が終了し、電源スイッチ508をオフした場合でも、次回再び電源スイッチ508をオンして複胴式孔版印刷装置500を動作可能状態にした際にも、制御装置200のRAM202によってホーム停止優先モードに係る動作設定や第2版胴停止優先モードに係る動作設定のプログラム・データが記憶保持されていて、ホーム停止優先モードランプ177や第2版胴停止優先モードランプ179が自動的に点灯してその設定状態にあることを表示・報知するから、従来と比較すると矢張り操作性が向上しているといえる。
【0120】
本実施形態1、その動作例1および動作例2によれば、前記天地移動調整手段における天地移動手段83の回転伝達手段83Aを利用しているため、天地移動手段83による第1版胴1aに対する第2版胴1bの位相調整も行うことができる。第1版胴1aにおける印刷用紙22に対する印刷画像位置の用紙搬送方向Xへの天地移動調整は、レジストモータ47の駆動タイミングを調整することにより高精度になされる。
なお、天地移動手段83の回転伝達手段83Aを利用することにより得られる前記利点を望まなくてもよいのであれば、例えば図2において回転伝達手段83Aを構成している移動上プーリ87、移動下プーリ88、4つの支持軸89および4つの固定プーリ90,91,92,93を除去して、各版胴プーリ86a,86b間を前記した連結ベルト94よりも短い連結ベルトで連結した構成の駆動力伝達手段であってもよい。
(変形例1)
実施形態1の変形例1について説明する。この変形例1は、実施形態1と比較して、複胴式孔版印刷装置500に代えて、図1および図6において括弧を付して示す複胴式孔版印刷装置700を有することのみ相違する。この複胴式孔版印刷装置700は、実施形態1の複胴式孔版印刷装置500と比較して、図1において仮想線で簡略的に示した製版装置41a,41bと、同様に仮想線で簡略的に示した排版装置42a,42bと、図7において括弧を付して示す操作パネル190と、両製版装置41a,41bおよび排版装置42a,42bの上方に配設され、原稿の画像を読み取るための図示しない原稿読取装置とを具備していることのみ相違する。
【0121】
製版装置41a,41b、排版装置42a,42bおよび前記原稿読取装置は、例えば前記した特開平5−229243号公報記載の図8等に示されている構成と同様のものからなる。また、前記原稿読取装置には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能及び構成を有するものが、前記原稿読取装置に配置されているミラー群とレンズとの間の光路上に配設されていて、同公報記載と同様の自動製版・給版等の動作を行うようになっており、その詳しい説明は省略する。また、製版するためのデータは、前記したように原稿読取装置で読み取ったデータでもあるいはコンピュータ等で作成されたデータであってもよい。
操作パネル190は、実施形態1の操作パネル170と比較して、図7において括弧を付して示す製版スタートキー171を付設したことのみ相違する。
【0122】
複胴式孔版印刷装置700の動作は、特開平11−138961号公報の発明の詳細な説明における段落番号(0088)〜(0096)に記載されている動作と同じであるため、その説明を省略する。このような感熱デジタル製版一体型の複胴式孔版印刷装置700においても、前記動作例1および2等を実施できることは明らかである。
【0123】
複胴式孔版印刷装置500,700を構成する前記各装置等の構成およびその配置状態は、あくまでもその一例を示したものであり、他の周知の装置および種々の配置状態をもって構成してもよいことはいうまでもない。例えば、エアーナイフ7a,7bの他に、各版胴1a,1bの外周面近傍に揺動自在な周知の排紙剥離爪(分離爪)のみを用いた装置もある。
【0124】
本発明の実施形態は、上述した実施形態1や変形例1等に限定されず、ホーム停止優先設定手段(初期設定キー180、ホーム停止優先キー176および確定キー174)および指定版胴着脱位置停止優先設定手段(初期設定キー180、第2版胴停止優先キー178および確定キー174)は、必須の構成ではなく、なくてもよく、したがって動作例1のみを行える構成でもよい(請求項1、請求項2参照)。
【0125】
また、本発明の実施形態は、上述した構成例等に限定されず、実施形態1や変形例1等の構成と比較して、ホーム停止優先設定手段(初期設定キー180、ホーム停止優先キー176および確定キー174)と制御装置200の第3の機能との組み合わせ構成、および指定版胴着脱位置停止優先設定手段(初期設定キー180、第2版胴停止優先キー178および確定キー174)と制御装置200の第4の機能との組み合わせ構成のうちの何れか一方の組み合わせ構成を有すると共に、図13に示した動作例2のステップS12およびステップS13の何れか一方に係る判断処理動作を独立して個別に行える構成でもよい。また、ホーム停止優先モードランプ177や第2版胴停止優先モードランプ179は、その視認性アップによる操作性向上を望まなくてもよいのであれば必須の構成ではなく、なくても構わない(請求項3、請求項5参照)。
【0126】
本発明の実施形態は、上述したような2つの版胴を有する実施形態1や変形例1に限定されず、3つ以上の版胴を有する複胴式印刷装置においても適用できることはいうまでもない。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態1や変形例1等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規な複胴式印刷装置を提供することができる。請求項毎の効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、制御手段は、閉位置検知手段からの閉信号および装着すべき版胴に対応して配設された版胴有無検知手段からの版胴無信号に基づいて、装着すべき版胴に対応して配設された着脱駆動手段が装着対応位置を占めるように版胴駆動手段を制御し、装着対応位置検知手段からの装着対応位置信号に基づいて、着脱駆動手段が装着対応位置に停止するように版胴駆動手段を制御することにより、開閉部材を閉じたときに、装着すべき版胴に対応した着脱駆動手段が自動的に装着対応位置を占めて停止するから、例えば従来のように装着すべき版胴を装置本体に装着するときにいちいち版胴着脱キー等を押すという煩わしい操作をしたり、そのための時間の無駄遣いをしたりすることがなくなり、操作性および利便性が向上する。
【0128】
請求項2記載の発明によれば、制御手段は、閉位置検知手段からの閉信号および各版胴有無検知手段からの版胴有信号に基づいて、各版胴が装置本体内に装着可能である所定位相とは異なる各ホームポジションを占めるように版胴駆動手段を制御し、ホームポジション検知手段からのホームポジション信号に基づいて、各版胴が各ホームポジションに停止するように版胴駆動手段を制御することにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、例えば各版胴のクランパ配置部を上方に向けて停止させた状態を各版胴のホームポジションにできるから、インキ漏れを防止できる。
【0129】
請求項3記載の発明によれば、制御手段は、閉位置検知手段からの閉信号、各版胴有無検知手段からの版胴有信号およびホーム停止優先設定手段からのホーム停止優先信号に基づいて、各版胴が各ホームポジションを占めるように版胴駆動手段を制御し、ホームポジション検知手段からのホームポジション信号に基づいて、各版胴が各ホームポジションに停止するように版胴駆動手段を制御することにより、予め設定してある各版胴の停止位置順位に優先して、使用者が版胴の停止位置としてホームポジションを選択することが可能になり、また、例えば各版胴のクランパ配置部を上方に向けて停止させた状態を各版胴のホームポジションにできるから、インキ漏れも防止できる。
【0131】
請求項5記載の発明によれば、制御手段は、閉位置検知手段からの閉信号、各版胴有無検知手段からの版胴有信号および指定版胴着脱位置停止優先設定手段からの指定版胴着脱位置停止優先信号に基づいて、指定された版胴が所定位相を占めるように版胴駆動手段を制御し、着脱位置検知手段からの着脱位置信号に基づいて、指定された版胴が着脱位置に停止するように版胴駆動手段を制御することにより、予め設定してある各版胴の停止位置順位に優先して、使用者が必要に応じて版胴を指定し、その指定した版胴の停止位置として装置本体から離脱可能な所定位相を選択することが可能になる。
【0132】
請求項6記載の発明によれば、指定版胴着脱位置停止優先設定手段により設定された指定版胴着脱位置停止優先モードのデータを、複胴式印刷装置の電源オフ後も記憶保持する記憶保持手段を有することにより、請求項5記載の発明の効果に加えて、指定版胴着脱位置停止優先設定手段を操作する回数を減らせるから、操作性が向上する。
【0133】
請求項7記載の発明によれば、版胴駆動手段からの回転駆動力を各版胴に伝達する回転伝達手段を備えた、各版胴の位相を変えるための天地移動手段を有し、各版胴は、回転伝達手段を介して版胴駆動手段により回転されることにより、前記各発明の効果に加えて、天地移動手段の回転伝達手段を利用して各版胴を回転できるから、各版胴を回転するための新たな手段を設ける必要がなく、また、印刷用紙に対する印刷画像位置の天地移動調整も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施形態1および変形例1を示す複胴式孔版印刷装置を本体フレームの手前側から見たときの概略的な正面図である。
【図2】実施形態1等における版胴駆動手段、駆動力伝達手段および回転伝達手段周りの要部の斜視図である。
【図3】実施形態1等における着脱手段およびドラムユニット周りの要部の一部断面側面図である。
【図4】(a)は、実施形態1等における着脱駆動部の駆動ギヤとドラムユニットのドラムギヤとが噛合連結する前の状態を示す要部の側面図、(b)は、実施形態1等における着脱駆動部の駆動ギヤとドラムユニットのドラムギヤとが噛合連結した状態を示す要部の側面図である。
【図5】実施形態1等における着脱駆動部の駆動ギヤとドラムユニットのドラムギヤとが噛合連結する状態を示す斜視図である。
【図6】実施形態1等における本体フレーム側の着脱口およびドア周りの構成を示す簡略的な斜視図である。
【図7】実施形態1および変形例1における操作パネルの平面図である。
【図8】実施形態1等における制御構成を示すブロック図である。
【図9】実施形態1等の動作を補足説明する図であって、第1版胴の着脱位置等を説明した説明図である。
【図10】実施形態1等の動作を補足説明する図であって、第2版胴の着脱位置等を説明した説明図である。
【図11】実施形態1等を補足説明する図であって、各版胴に初期位相差を設けたことを説明した説明図である。
【図12】実施形態1等における動作例1のフローチャートである。
【図13】実施形態1等における動作例2のフローチャートである。
【図14】従来の動作例のフローチャートである。
【符号の説明】
1a,1b 版胴
33a,33b マスタ
50a,50b 着脱手段
70a,70b ホームポジションセンサ
77 版胴有無検知手段としての第1版胴有無センサ
78 版胴有無検知手段としての第2版胴有無センサ
80 版胴駆動手段
81 版胴駆動手段を構成するメインモータ
82 駆動力伝達手段
83 天地移動手段
83A 回転伝達手段
95a,95b 着脱駆動手段としての着脱駆動部
100a,100b 版胴ユニットとしてのドラムユニット
104a,104b 装着対応位置検知手段および着脱位置検知手段としての着脱対応位置センサ
170,190 操作パネル
176 ホーム停止優先設定手段を構成するホーム停止優先キー
178 指定版胴着脱位置停止優先設定手段を構成する第2版胴停止優先キー
200 制御手段としての制御装置
202 記憶保持手段としてのRAM
500,700 複胴式印刷装置の一例としての複胴式孔版印刷装置
501 装置本体としての本体フレーム
501a,501b 着脱口
503 開閉部材としてのドア
504 閉位置検知手段としてのドア開閉センサ
X 用紙搬送方向

Claims (7)

  1. 装置本体に対してそれぞれ着脱自在に構成され、マスタを巻き付ける複数の版胴を有し、該各版胴が前記装置本体内にあるとき、相隣る版胴の間には予め初期位相差が設けられており、前記各版胴はその所定位相を占めたとき前記装置本体内に装着可能であり、マスタを前記各版胴に巻き付け、前記各版胴上のマスタにインキを供給して前記各版胴上のマスタに印刷用紙を押し付けることにより連続的に印刷を行う複胴式印刷装置において、
    前記装置本体に設けられ、前記各版胴を着脱する着脱口を閉じる閉位置と前記着脱口を開く開位置との間で開閉自在な開閉部材と、
    前記開閉部材の閉位置を検知する閉位置検知手段と、
    前記各版胴を回転させる版胴駆動手段と、
    前記各版胴に対応して配設され、前記装置本体内における前記各版胴の有無を検知する版胴有無検知手段と、
    装着すべき版胴に対応して前記装置本体にそれぞれ配設され、前記装着すべき版胴の前記所定位相に対応した装着対応位置で前記装着すべき版胴と連結すると共に、前記版胴駆動手段に連結され、前記装着対応位置で停止可能な着脱駆動手段と、
    前記装着すべき版胴に対応して配設された前記着脱駆動手段の前記装着対応位置を検知する装着対応位置検知手段と、
    印刷動作停止状態において、前記開閉部材を閉じたときの前記閉位置検知手段からの閉信号および前記装着すべき版胴に対応して配設された前記版胴有無検知手段からの版胴無信号に基づいて、前記装着すべき版胴に対応して配設された前記着脱駆動手段が前記装着対応位置を占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記装着対応位置検知手段からの装着対応位置信号に基づいて、前記着脱駆動手段が前記装着対応位置に停止するように前記版胴駆動手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする複胴式印刷装置。
  2. 請求項1記載の複胴式印刷装置において、
    前記各版胴は、前記所定位相と異なる各ホームポジションでそれぞれ停止可能であり、前記各版胴の前記各ホームポジションを検知するホームポジション検知手段を有し、
    前記制御手段は、印刷動作停止状態において、前記開閉部材を閉じたときの前記閉位置検知手段からの閉信号および前記各版胴有無検知手段からの版胴有信号に基づいて、前記各版胴が前記各ホームポジションを占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記ホームポジション検知手段からのホームポジション信号に基づいて、前記各版胴が前記各ホームポジションに停止するように前記版胴駆動手段を制御することを特徴とする複胴式印刷装置。
  3. マスタを巻き付ける複数の、クランパ付の版胴を有し、各版胴は装置本体に対し着脱可能であって、各版胴が前記装置本体内にあるとき、相隣る版胴の間には予め初期位相差が設けられており、前記各版胴はその所定位相を占めたとき前記装置本体から離脱可能であり、マスタを前記各版胴に巻き付け、前記各版胴上のマスタにインキを供給して前記各版胴上のマスタに印刷用紙を押し付けることにより連続的に印刷を行う複胴式印刷装置において、
    前記各版胴は、前記各クランパが各版胴の軸の略直下に位置する位置とは異なる各ホームポジションでそれぞれ停止可能であり、
    前記各版胴の各ホームポジションを検知するホームポジション検知手段と、
    予め設定してある前記各版胴の前記ホームポジションとは異なる着脱位置及び停止位置順位に優先して、前記各版胴の何れかを指定して前記所定位相に停止させるための指定版胴着脱位置停止優先モードを実行すべく設定する指定版胴着脱位置停止優先設定手段と、
    前記各版胴に対応して前記装置本体に配設され、前記各版胴の前記所定位相を検知する着脱位置検知手段と、
    前記指定された版胴が前記所定位相を占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記着脱位置検知手段からの着脱位置信号に基づいて、前記指定された版胴が前記着脱位置に停止するように前記版胴駆動手段を制御する制御手段と、
    前記装置本体に設けられ、前記各版胴を着脱する着脱口を閉じる閉位置と前記着脱口を開く開位置との間で開閉自在な開閉部材と、
    前記開閉部材の閉位置を検知する閉位置検知手段と、
    前記各版胴を回転させる版胴駆動手段と、
    前記各版胴に対応して配設され、前記装置本体内における前記各版胴の有無を検知する版胴有無検知手段と、
    印刷動作停止状態において、前記開閉部材を閉じたときの前記閉位置検知手段からの閉信号、前記各版胴有無検知手段からの版胴有信号および前記ホーム停止優先設定手段からのホーム停止優先信号に基づいて、前記各版胴が前記各ホームポジションを占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記ホームポジション検知手段からのホームポジション信号に基づいて、前記各版胴が前記各ホームポジションに停止するように前記版胴駆動手段を制御する制御手段と、
    前記ホーム停止優先設定手段により設定された前記ホーム停止優先モードのデータを、前記複胴式印刷装置の電源オフ後も記憶保持する記憶保持手段と、
    を有することを特徴とする複胴式印刷装置。
  4. 請求項1記載の複胴式印刷装置において、
    前記複数の版胴は第1の版胴と第2の版胴からなることを特徴とする複胴式印刷装置。
  5. 装置本体に対してそれぞれ着脱自在に構成され、マスタを巻き付ける複数の版胴を有し、該各版胴が前記装置本体内にあるとき、相隣る版胴の間には予め初期位相差が設けられており、前記各版胴はその所定位相を占めたとき前記装置本体から離脱可能であり、マスタを前記各版胴に巻き付け、前記各版胴上のマスタにインキを供給して前記各版胴上のマスタに印刷用紙を押し付けることにより連続的に印刷を行う複胴式印刷装置において、
    予め設定してある前記各版胴の停止位置順位に優先して、前記各版胴の何れかを指定して前記所定位相に停止させるための指定版胴着脱位置停止優先モードを実行すべく設定する指定版胴着脱位置停止優先設定手段と、
    前記装置本体に設けられ、前記各版胴を着脱する着脱口を閉じる閉位置と前記着脱口を開く開位置との間で開閉自在な開閉部材と、
    前記開閉部材の閉位置を検知する閉位置検知手段と、
    前記各版胴を回転させる版胴駆動手段と、前記各版胴に対応して配設され、前記装置本体内における前記各版胴の有無を検知する版胴有無検知手段と、
    前記各版胴に対応して前記装置本体に配設され、前記各版胴の前記所定位相を検知する着脱位置検知手段と、
    印刷動作停止状態において、前記開閉部材を閉じたときの前記閉位置検知手段からの閉信号、前記各版胴有無検知手段からの版胴有信号および前記指定版胴着脱位置停止優先設定手段からの指定版胴着脱位置停止優先信号に基づいて、前記指定された版胴が前記所定位相を占めるように前記版胴駆動手段を制御し、前記着脱位置検知手段からの着脱位置信号に基づいて、前記指定された版胴が前記着脱位置に停止するように前記版胴駆動手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする複胴式印刷装置。
  6. 請求項5記載の複胴式印刷装置において、
    前記指定版胴着脱位置停止優先設定手段により設定された前記指定版胴着脱位置停止優先モードのデータを、前記複胴式印刷装置の電源オフ後も記憶保持する記憶保持手段を有することを特徴とする複胴式印刷装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか一つに記載の複胴式印刷装置において、
    前記版胴駆動手段からの回転駆動力を前記各版胴に伝達する回転伝達手段を備えた、前記各版胴の位相を変えるための天地移動手段を有し、
    前記各版胴は、前記回転伝達手段を介して前記版胴駆動手段により回転されることを特徴とする複胴式印刷装置。
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