JP4500405B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドなどの発熱体によって熱穿孔されたマスタを版胴に巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル式の感熱孔版印刷装置としては、微小な発熱素子が主走査方向に配置されたサーマルヘッドを感熱孔版マスタ(以下「マスタ」と記す)に接触させ、発熱素子にパルス的な通電を行いながらマスタを搬送し、画像情報に応じて溶融穿孔したマスタを多孔性の円筒状版胴の外周面に巻装した後に、穿孔した部分よりインクを通過させ、版胴と版胴側に押圧されている回転自在のプレスローラとの印圧によりインクを用紙に転移させることにより印刷画像を形成するものが知られている。
【0003】
プレスローラは通常版胴の回転に同期して版胴に対して接離される方向に移動されるようになっており、用紙にインクを転移させる際に版胴側に押圧され、版胴に連れ周りする。プレスローラが無回転の状態で版胴側に移動される場合には、プレスローラは相対的に、版胴に対して版胴と反対方向に回転していることとなる。
【0004】
この場合、プレスローラが、マスタの未製版領域(非画像領域)に当接する場合には、マスタを版胴の回転方向と反対の方向に引っ張ることとなり、マスタのずれやクランパからの抜け、破損などの不具合を生じ、また、搬送されてきた用紙に当接する場合には、マスタのずれ、抜けや破損、用紙のずれや破損などの不具合を生じるため、何れにしても、高品質の印刷画像を得ることができないという問題がある。
【0005】
そこで、この問題を解決するため、プレスローラが版胴側に移動する前に、プレスローラを予め、版胴との対向位置において版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動する(以下、「予備回転する」と記す)装置が、例えば実開昭60−145069号公報、特開平6−24117号公報、特開平10−305649号公報に記載されている。
【0006】
実開昭60−145069号公報には、その第1図に示されているように▲1▼版胴1が予備回転ゴム23を有しており、プレスローラ18が版胴側に移動する過程でこの予備回転ゴム23に接し、予備回転する機構及びその第2図、第3図に示されているように▲2▼プレスローラ8を支持する支持アーム7内にプレスローラ8を回転駆動する装置を備え、プレスローラ8を版胴1へ向かって移動させながらプレスローラ8を予備回転する機構が開示されており、また、特開平6−24117号公報には、▲3▼プレスローラを駆動する版胴の駆動源とは別の駆動源を設け、版胴に対するプレスローラの位置によって駆動源からの駆動力を制御する装置により、プレスローラを版胴に向かって移動させながらプレスローラを予備回転する機構が記載されており、特開平10−305649号公報には、その図2等に示されているように▲4▼プレスローラ9aが版胴1a側に変位する途中において用紙を搬送する搬送手段17aを駆動源としてプレスローラ9aを予備回転する機構が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の4つの予備回転機構のうち、▲1▼の機構すなわち版胴が予備回転ゴムを有している機構では、プレスローラがこのゴムに当接する度にこのゴムを通じて版胴に圧力が加わり、版胴の変形という不具合や、版胴の設置の精度に悪影響を及ぼすという不具合や、版胴を、特開平11−48595号公報に示されるような圧胴タイプの孔版印刷装置と共通化できなくなる等の不具合があり、▲2▼の機構および▲3▼の機構では、構造が複雑化するという不具合があり、▲4▼の機構では、プレスローラが版胴側に変位する途中において予備回転するためプレスローラの回転速度が不安定になり得るという不具合がある。
【0008】
本発明は、マスタ、印刷用紙、版胴に負荷を与えることなく比較的簡易な構成で安定した正確な回転速度で予備回転を行うことができる孔版印刷装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、製版済みマスタを巻装する版胴を有する孔版印刷装置において、上記版胴に巻装された製版済みマスタに被印刷物を押圧するためのプレスローラと、このプレスローラを、上記版胴に巻装された製版済みマスタに被印刷物を押圧する印圧位置と上記版胴から離間した待機位置との間で変位するためのプレスローラ変位手段と、上記待機位置にある上記プレスローラを、上記版胴との対向位置において上記版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動するための、上記プレスローラに回転力を与えるための回転駆動部材を備えたプレスローラ駆動手段と、上記プレスローラと一体的且つ同軸的に配設され、上記プレスローラが上記待機位置を占めるときにのみ上記回転駆動部材と係合する、被回転駆動部材とを有し、上記待機位置は、上記プレスローラ変位手段による上記プレスローラの移動範囲における2つの端部のうち上記プレスローラが上記印圧位置でない方の端部を占める位置であり、上記プレスローラ駆動手段は、上記プレスローラが上記待機位置を占めているときにのみ同プレスローラを回転駆動することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記待機位置にある上記プレスローラを、その周速が上記版胴の周速と略同じかそれより大きくなるように回転駆動することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記待機位置にある上記プレスローラを、その周速が上記版胴の周速の1倍より大きくかつ1.2倍より小さくなるように回転駆動することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記待機位置は、上記プレスローラが上記版胴から離間し最下方に変位した位置であることを特徴とする
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記プレスローラに回転力を与えるための、同プレスローラ駆動手段から分離自在の回転駆動部材を有することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の孔版印刷装置において、上記回転駆動部材を径の異なる回転駆動部材と交換することにより上記プレスローラの回転速度が可変であることを特徴とする孔版印刷装置。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項ないし6の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記プレスローラが上記印圧位置を占めるとき及び上記プレスローラ変位手段が上記プレスローラを変位する過程においては上記プレスローラの回転駆動を断つことを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項ないしの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材は、上記プレスローラに対して分離自在であることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材を径の異なる被回転駆動部材と交換することにより上記プレスローラの回転速度が可変であることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項ないし9の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材を、上記版胴の幅方向における、印刷を行うことができる印刷画像領域以外の位置に対応して配設したことを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項ないし10の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材が上記プレスローラより小径であることを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項ないし11の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材がゴムリングであることを特徴とする。
【0021】
【実施例】
図1において、符号Aは本発明を適用した複胴式孔版印刷装置を示す。この複胴式孔版印刷装置Aは、図1に示すように、用紙搬送方向Xの上流側から下流側に沿って並設された2つの第1版胴1aおよび第2版胴1bを具備していて、同時多色印刷(この実施例では同時2色印刷)をすることが可能なように構成されている。版胴1aと版胴1bとは、略同一の機能および構成を有する。これと同じように、版胴1aの内外廻りに配設されたインク供給手段、製版装置、排版装置、プレスローラ、搬送手段、搬送手段の駆動力をプレスローラに伝達する駆動力伝達手段、インク供給手段、製版装置および排版装置等と、版胴1bの内外廻りに配設されたインク供給手段、製版装置、排版装置、プレスローラ、搬送手段、搬送手段の駆動力をプレスローラに伝達する駆動力伝達手段、インク供給手段、製版装置および排版装置等とは、略同一の機能および構成を有しているので、それらを同一符号の末尾に符号aまたはb(図5においては他にc、d)を付加することで区別することとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明をできるだけ省略する。また特に区別する必要がない場合にはかかるa、b等を付加せず、これらに共通の説明とする。
【0022】
複胴式孔版印刷装置Aは、周知の感熱デジタル製版一体型孔版印刷装置の構造を有している。複胴式孔版印刷装置Aは、マスタ33aを外周面に巻き付ける版胴1aと、版胴1aの右上方に配置されマスタ33aを製版する製版装置41aと、製版装置41aの下方に配置され給紙トレイ21上に積載された被印刷物としての印刷用紙22を給送する給紙装置20と、版胴1aの左上方に配置され使用済みのマスタ33aを版胴1aから剥ぎ取り排版する排版装置42aと、版胴1aの下方に配置され給送されてくる印刷用紙22を版胴1a上の製版済みのマスタ33aに押し付けることにより印刷を行う印圧装置32aと、印圧装置32aで印刷された印刷済みの印刷用紙22を版胴1aから分離・剥離するエアーナイフ7aと、マスタ33bを外周面に巻き付ける版胴1bと、版胴1bの左上方に配置されマスタ33bを製版する製版装置41bと、版胴1bの左方に配置され使用済みのマスタ33bを版胴1bから剥ぎ取り排版する排版装置42bと、版胴1bの下方に配置され給送されてくる印刷用紙22を版胴1b上の製版済みのマスタ33bに押し付けることにより印刷を行う印圧装置32bと、印圧装置32aと印圧装置32bとの間に配置され印圧装置32aで印刷された印刷済みの印刷用紙22を印圧装置32bに搬送する搬送手段としての中間搬送手段である中間搬送装置17aと、印圧装置32bで印刷された印刷済みの印刷用紙22を版胴1bから分離・剥離するエアーナイフ7bと、排版装置42bの下方に配置され印圧装置32aおよび印圧装置32bで多色印刷された印刷済みの印刷用紙22を排紙トレイ37上に排出する上記エアーナイフ7bを含む搬送手段としての排紙手段である排紙装置35とから主に構成されている。
【0023】
複胴式孔版印刷装置Aの両製版装置41a,41bおよび排版装置42aの上方には、原稿の画像を読み取るための図示を省略した原稿読取装置が配設されている。
【0024】
複胴式孔版印刷装置Aの動作を上記した各装置等の細部構成を含めて説明する。版胴1aは、周知の多孔性円筒状をなし、ドラム軸2aの周りに回動自在に支持されている。版胴1aは、図示しないメインモータにより回転される。版胴1a外周部の一母線上には、マスタ33aの先端部をクランプする開閉自在なクランパ5aが設けられている。クランパ5aは、クランパ軸6aで版胴1a上に枢着されていて、版胴1aの外周廻りの適宜の位置に配設されている図示を省略した開閉手段により所定位置で開閉される。版胴1aの内部には、版胴1aの内周面から外周面に向けてインクを供給するためのインク供給手段としてのインクローラ3aが配設されている。版胴1aにおけるインク供給手段では1色目のインクとして例えばブラック(Br)色のインクが、版胴1bにおけるインク供給手段では2色目のインクとして例えばマゼンタ(M)色のインクがそれぞれ供給されるようになっている。
【0025】
マスタ33aとしては、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムに多孔質の支持体として和紙等を貼り合わせたマスタが用いられている。マスタ33aは、上記のものに限らず、非常に薄い実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものを用いることも可能である。
【0026】
オペレータが、上記原稿読取装置の原稿受け台(図示せず)に印刷すべき原稿をセットし、製版を起動させるための図示しないスタートキーを押下すると、排版工程が両版胴1a,1bにおいて同様に実行される。すなわち、版胴1aが図中矢印方向と反対方向(反時計回り方向)に回転し、版胴1aの外周面に巻装されていた使用済みのマスタ33aが版胴1aの外周面から漸次剥され搬送されつつ排版ボックス(図示せず)内へ排出されていわゆる排版が終了する。
【0027】
排版工程と並行して、上記原稿読取装置が作動して原稿読み取りが行われる。この原稿読み取りに係る詳細な構成及び動作は、例えば公知の「縮小式の原稿読取方式」で行われるようになっており、原稿読み取りされた画像は最終的にCCD(電荷結合素子)等の光電変換素子からなる画像センサにより光電変換される。画像センサにより光電変換された電気信号は、図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に送信されることによりデジタル画像信号に変換される。
【0028】
なお、上記原稿読取部には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能及び構成を有するものが、ミラー群とレンズ(共に図示せず)との間の光路上に配設されていて、同公報記載と同様の自動製版・給版等の動作を行うようになっており、その詳しい説明は省略する。
【0029】
上記原稿読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像信号に基づき、両製版装置41a,41bにおいて同様の製版・給版工程が行われる。マスタ33aが、製版装置41aに配設されている平面型のサーマルヘッドに押し付けられているプラテンローラ(共に図示せず)および送り出しローラ対(図示せず)の回転により、マスタ搬送路の下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ33aに対して、上記サーマルヘッドの主走査方向に一列に配列された多数の微小な発熱素子が、上記A/D変換基板およびその後の製版制御基板(図示せず)で各種処理を施されて送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱素子に接触しているマスタ33aの熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このようにして、画像情報に応じたマスタ33aの位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0030】
画像情報が書き込まれて製版された製版済みのマスタ33aの先端は、上記送り出しローラ対の回転により版胴1aの外周部側へ向かって送り出され、給版ガイド板(図示せず)により進行方向を変えられ、図示の給版位置状態にある版胴1aの拡開したクランパ5aへ向かって垂れ下がる。このとき版胴1aは、排版工程により使用済みのマスタ33aを既に除去されている。
【0031】
版胴1b側における製版済みのマスタ33bの先端は、送り出しローラ対の回転により版胴1b外周部側へ向かって送り出され、給版ガイド板(図示せず)により略水平方向に案内されつつ、給版位置状態にある版胴1bの拡開したクランパ5bへ向かって挿入される。
【0032】
製版済みのマスタ33aの先端部が、一定のタイミングでクランパ5aによりクランプされると、版胴1aは図中矢印方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ33aを徐々に巻き付けていく。製版済みのマスタ33aの後端部は、製版完了後に製版装置41aに配設されている可動刃および固定刃等からなる切断手段の作動により一定の長さに切断されて、一版のマスタ33aが版胴1aの外周面に完全に巻装されると、いわゆる給版工程が終了する。
【0033】
一版の各製版済みのマスタ33a,33bが各版胴1a,1bの外周面にそれぞれ巻装されると製版・給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙トレイ21上に積載された最上位の印刷用紙22を呼び出しコロ23に接触するまで給紙トレイ21を上昇させておく。呼び出しコロ23に接触している最上位の印刷用紙22が、呼び出しコロ23の回転動作により搬送されると共に、分離コロ対24,25および分離板26の協働作用により1枚に分離され、上下一対のガイド板上28およびガイド板下27に案内されつつレジストローラ対29,30に向けて用紙搬送方向Xに給送される。このとき、搬送された印刷用紙22の先端は、レジストローラ対29,30のニップ部直前部位に当接し、ガイド板上28に沿って撓んだ状態で停止している。
【0034】
1色目の版胴1aは、印刷動作が始まると印刷の回転速度で回転され始める。版胴1aの内周側では、インク供給ディストリビュータ(図示せず)からインクローラ3aとドクタローラ4aとの間に形成されたインク溜りIaにブラック色のインクが供給され、そのブラック色のインクはインクローラ3aとドクタローラ4aとが回転することによって混練され伸ばされると共に、インクローラ3aの外周面に均一に付着するようになる。
【0035】
インクの残量は、インク検知手段(例えば特開平5−229243号公報の図2参照)によって検知され、インクが少なくなったときには上記インク供給ディストリビュータから補給される。版胴1aの回転方向と同一方向に、かつ、版胴1aの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインクローラ3aにより、インクが版胴1aの内周側に供給される。
【0036】
印圧装置32aは、インクローラ3a、プレスローラ9a、プレスローラブラケット11a、プレスローラテンション13aおよびプレスローラカム12aから主に構成されている。プレスローラ9aは、給送されてきた印刷用紙22を版胴1aに押し付けて印刷画像を印刷用紙22上に形成する押圧手段としての機能を有する。印圧装置32aのうちインクローラ3a、プレスローラ9aを除く部分は、プレスローラ9aを、版胴1aに巻装された製版済みのマスタ33aに印刷用紙22を押圧する押圧位置と、版胴1aから離間した待機位置との間で変位するための、プレスローラ変位手段を構成している。
【0037】
なお、プレスローラ9aの待機位置とは、プレスローラ9aの移動範囲における2つの端部のうち押圧位置でない方の端部を占める位置をいい、本実施例では版胴1aから離間し最下方に変位した位置をいう。プレスローラ9aは給送されてきた印刷用紙22を版胴1aに押し付けて印刷画像を印刷用紙22上に形成するときに印圧位置を占め、待機位置はホームポジションと言い換えることができる。図2に示すように、プレスローラ9aは、その軸51aの両端がプレスローラブラケット11a、11aの一方の揺動端において回転自在に支持されていて、版胴1aの外周面に接離自在に設けられている。
【0038】
図3に示すように、プレスローラ9aの両端には、プレスローラ9a及び軸51aと一体的に、プレスローラ9aよりも径の小さい被回転駆動部材としてのゴムプーリ52aが、プレスローラ9aと一体的且つ同軸的に配設されている。ゴムプーリ52aはゴム製のリングである。プレスローラ9aは、版胴1aの幅方向すなわち軸方向である図1における紙面垂直方向における、版胴1aにより印刷を行うことができる印刷画像領域を含むように延在しており、ゴムプーリ52aは印刷画像領域以外の位置に対応して配設されている。印刷画像領域とは、版胴1aに巻き付けられるマスタ33aにおける製版領域が最大の場合の領域である。版胴1aに対するプレスローラ9aの印圧は、プレスローラブラケット11aの他方の揺動端側に張設されたプレスローラテンション13a(引張バネ)によって加えられると共に、このプレスローラテンション13aの付勢力によってプレスローラブラケット11aの他方の揺動端は、扇状のプレスローラカム12aの輪郭周面に圧接している。
【0039】
プレスローラ9aの用紙搬送方向X下流側には、中間搬送装置17aが設置されている。中間搬送装置17aは、従動ローラ14aと駆動ローラ15aとの間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト16aと、吸引用のファン18aとで主に構成されている。中間搬送装置17aの搬送ベルト16aは、版胴1a上のマスタの搬送速度よりわずかに大きな搬送速度で版胴1aと同期して駆動されるようになっている。なお、図1において符号57aは、駆動ローラ15aの軸を示している。
【0040】
これは後述する排紙装置においても同じであるが、搬送ベルトにより印刷済みの印刷用紙を吸引しつつ搬送するので、搬送手段がローラ対である場合などに生ずる搬送手段の汚れを回避し、確実に印刷用紙を搬送することができる。
【0041】
プレスローラカム12aは、上記メインモータ駆動部によって給紙装置20からの印刷用紙22の給紙タイミングおよび版胴1aの回転に合せて同期して回転されるようになっており、給紙装置20から印刷用紙22が給紙されないときには、その大径部をプレスローラブラケット11aの他方の揺動端に対向させている。この状態では、図2に示すように、プレスローラブラケット11aが軸10aを中心に反時計回りに回動されているので、ゴムプーリ52aは、その軸10aに対する最外面の、軸10aを中心とする軌跡である回転伝達面58aに沿って下方に変位し、プレスローラ9aが待機位置まで移動したときにゴムプーリ55aに当接し、プレスローラ9aが回転駆動される。
【0042】
すなわち、ゴムプーリ52aは、プレスローラ9aが待機位置を占めるときにのみゴムプーリ55aに当接するものであり、したがってプレスローラ駆動手段70aは、プレスローラ9aが印圧位置を占めるとき及びプレスローラ変位手段がプレスローラ9aを変位する過程においてはプレスローラ9aの回転駆動を断ち、プレスローラ9aが待機位置を占めるときにのみプレスローラ9aを回転駆動するようになっている。なお、図2においてはマスタ、印刷用紙、インクローラ等の図示を省略している(以下、図3において同じ)。
【0043】
図1、図2、図3に示す、版胴1aから離間し、最下方に変位した待機位置にあるプレスローラ9aは、図2、図3に示すプレスローラ駆動手段70aにより、版胴1aとの対向位置において版胴1aの印刷時における回転方向と同方向に回転駆動される。プレスローラ駆動手段70aは、ゴムプーリ52a、52aに当接しプレスローラ9aに駆動力、言い換えると回転力を与えるための回転駆動部材としてのゴムプーリ55a、55aと、これらゴムプーリ55aを支持する軸56aと、軸56aの一端に配設されたプーリ54aと、プーリ54aに巻き掛けられた無端ベルト60aと、プーリ54aとともに無端ベルト60aを巻き掛けられたプーリ61aと、プーリ61aの回転軸63aを有するモータ62aとを有している。ゴムプーリ52aとゴムプーリ55aとは、またプーリ54aとプーリ61aとは、プレスローラ9aの軸51aおよびこれと平行に配設された軸56aの軸方向において、略等しい位置を占めている。
【0044】
モータ62aの駆動力がプーリ61a、無端ベルト60a、プーリ54a、軸56a、ゴムプーリ55a、ゴムプーリ52aの順でプレスローラ9aに伝達され、プレスローラ9aは版胴1aとの対向位置において、版胴1aの回転方向と同方向に回転するように、待機位置において回転駆動すなわち予備回転される。
【0045】
待機位置におけるプレスローラ9aの線速度すなわち周速は、版胴1aの周速度すなわち周速の1.1倍となるように設定されているが、版胴の周速と略同じかそれより大きくなるように設定されればよい。ただし、図4からわかるように、プレスローラ9aの周速は版胴1aの周速の1倍より大きくかつ1.2倍より小さくなるように回転駆動することが望ましく、さらには、1.05倍から1.15倍の間で設定することが望ましいことがわかっている。同周速はゴムプーリ52a、55a等の径の比率により自由に設定することができる。本実施例においては、ゴムプーリ52a、55aはそれぞれ、プレスローラ9a、プレスローラ駆動手段に対して分離自在であるとともに、ゴムプーリ52a、55aは様々な径を有するものが用意され、それぞれ径の異なるゴムプーリ52a、55aに交換することによりプレスローラ9aの回転速度が可変になっているが、ゴムプーリ52aのみをプレスローラ9aに対して分離自在とすることでプレスローラ9aの回転速度を可変としても良いし、ゴムプーリ55aのみをプレスローラ駆動手段に対して分離自在とすることでプレスローラ9aの回転速度を可変としても良く、また、モータ62aそのものの回転速度を可変とすることでプレスローラ9aの回転速度を可変としても良い。ゴムプーリ52a、55aを交換自在とすることは、これらが摩耗等により劣化した際のメンテナンスの作業性の向上にも寄与している。
【0046】
プレスローラカム12aは、印刷用紙22がレジストローラ対29,30によりガイド31を経て版胴1aの回転と同期した所定のタイミングで給紙装置20から給送されてくると回転して、その小径部をプレスローラブラケット11aの他方の揺動端に対向させ、プレスローラ9aを時計回り方向に揺動させる。これに伴ってゴムプーリ52aも回転伝達面58aに沿って上方に移動し、プレスローラ9aが版胴1aに当接する。
【0047】
プレスローラ9aは予備回転されているので、版胴1aの外周面に巻装されている製版済みのマスタ33aに押し付けられ、マスタ33aに当接した瞬間、プレスローラ9aの周速はマスタ33aの移動速度より大きいが、待機位置におけるプレスローラ9aの周速は、版胴1aの周速の1.1倍となるように設定されているので、当接によるマスタ33aのずれや版胴1aに対する大きな応力は生ずることなく、プレスローラ9aはマスタ33aに連れ周りを開始する。なお、プレスローラ9aの回転速度は待機位置から印圧位置まで変位する間に僅かに減衰するが、待機位置においてプレスローラ9aの回転駆動速度はかかる減衰を考慮して設定したものである。
【0048】
プレスローラ9aは版胴1a側にマスタ33aを押圧するので、版胴1aの多孔部から滲み出たインクの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ33aが版胴1aの外周面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ33aの穿孔パターン部からインクが滲み出し、この滲み出たインクが印刷用紙22の表面に転移されて、1色目の所望の印刷画像が形成される。
【0049】
1色目の印刷画像を形成された印刷用紙22は、その先端がエアーナイフ7aの先端近傍の所までくると、エアーナイフ7aが版胴1aの回転動作と同期してエアーナイフ軸8aを中心に回転して版胴1aの外周面に接近し、図示を省略した空気圧発生装置で生成されたエアーナイフ7aの先端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先端が版胴1aから分離・剥離される。プレスローラ9aは待機位置に退避する。エアーナイフ7aにより分離・剥離された印刷用紙22は、中間搬送装置17aによって用紙搬送方向Xの下流側へとさらに搬送される。
【0050】
エアーナイフ7aにより分離・剥離された印刷済みの印刷用紙22は、ファン18aの作動により吸引されつつ、搬送ベルト16aに吸着され、この搬送ベルト16aの反時計回り方向の回転により、次の印圧装置32b部位へ向かって搬送される。
【0051】
このとき、2色目の版胴1bでは、版胴1aと同期して印刷動作が始まり、印刷の回転速度で回転され始める。版胴1bの内周側では、版胴1aと同様の構成および動作内容で版胴1bの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインクローラ3bにより、2色目のインクが版胴1bの内周側に供給される。
【0052】
印刷用紙22が中間搬送装置17aの搬送ベルト16aによって版胴1bの回転と同期した所定のタイミングで印圧装置32bにおける版胴1bとプレスローラ9bとの間に給送されてくると、これに同期して版胴1bの外周面下方に離間していたプレスローラ9bが揺動・上昇されることにより、版胴1bの外周面に巻装されている製版済みのマスタ33bに押し付けられる。プレスローラ9bは、上述したプレスローラ9aに対する予備回転機構と同様の構成により予備回転されているので、マスタ33bや版胴1bに悪影響を及ぼすことはない。
【0053】
プレスローラ9bは版胴1b側にマスタ33bを押圧するので、版胴1bの多孔部から滲み出たインクの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ33bが版胴1bの外周面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ33bの穿孔パターン部からインクが滲み出し、この滲み出たインクが印刷用紙22の表面に転移されて、2色目のインクによる印刷画像が形成される。
【0054】
2色目の印刷画像を形成された印刷用紙22は、その先端がエアーナイフ7bの先端近傍の所までくると、エアーナイフ7bが版胴1bの回転動作と同期してエアーナイフ軸8bを中心に回転して版胴1bの外周面に接近すると同時に、図示を省略した空気圧発生装置で生成されたエアーナイフ7bの先端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先端が版胴1bから分離・剥離される。エアーナイフ7bにより分離・剥離された印刷済みの印刷用紙22は、排紙装置35によってさらに用紙搬送方向Xの下流側に位置する排紙トレイ37へ搬送される。
【0055】
排紙装置35は、従動ローラ39と駆動ローラ38との間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト40と、吸引用ファン36とで主に構成されている。排紙装置35の搬送ベルト40は、版胴1b上のマスタの移動速度よりわずかに大きな搬送速度で版胴1bと同期して駆動されるようになっている。図2、3を参考とされたいが、プレスローラ9bの両端には、プレスローラ9b及び軸53bと一体的にプレスローラ9bよりも径の小さいゴムプーリ52bがプレスローラ9bと同軸上に固設されていて、プレスローラ9a周りの構成と同様であり、その他プレスローラ駆動手段70bもプレスローラ駆動手段70aと同様の構成であるから説明を省略する。図1において符号57bは駆動ローラ38の回転軸を示している。
【0056】
エアーナイフ7bにより分離・剥離された印刷済みの印刷用紙22は、吸引用ファン36の作動により吸引されつつ、搬送ベルト40に吸着され、この搬送ベルト40の反時計回り方向の回転により、排紙トレイ37上に順次排出積載される。このようにしていわゆる「版付け」、あるいは「試し刷り」が終了する。
【0057】
図示しない操作パネルのテンキーで印刷枚数を設定し、印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が設定した印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0058】
以上説明した実施例においては、プレスローラ9が印刷画像領域を含むように延在するように配設したうえでゴムプーリ52を印刷画像領域以外の位置に対応して配設しているが、プレスローラを印刷画像領域と略一致するように配設したうえでゴムプーリを印刷画像領域以外の位置に対応して配設するようにしても良い。ゴムプーリ52の径は、プレスローラ9の径以下であればよい。
【0059】
本発明は、上述の実施例のように版胴が2つの孔版印刷装置に限らず、図5に示すような版胴の数が4つの装置についても適用することができる。図5に示す孔版印刷装置は版胴の数が増加していることに伴って、製版装置、排版装置、予備回転機構、中間搬送装置、印圧装置などが増加している。版胴を4つ備えた装置によれば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインクを各版胴に供給してフルカラーの印刷を行うことができる。版胴の数をさらに増加すれば、より高画質の印刷を行うこともできる。たとえば、版胴が6つであれば、4色フルカラー印刷に特色を重ねた印刷が可能になる。なお、このように版胴の数を増やした場合にも、それぞれの版胴に巻装されるマスタの製版は、それぞれの色に応じた色分解や色指定によって穿孔されている。
【0060】
また、図5では、製版装置、排版装置については図示を省略しているが、上述の実施例における各構成要素と同等の他の構成については同等の符号を付して説明を省略している。なお、この場合においても、プレスローラ駆動手段は各プレスローラに対して配設されている。
【0061】
また、本発明は、図示を省略するが、単胴式の孔版印刷装置に適用することもできるし、複胴式の孔版印刷装置であり且つ排紙装置を備えていないタイプの孔版印刷装置であって、印刷用紙搬送方向最下流側の版胴で印刷された印刷用紙を直接排紙トレイ上に排紙する孔版印刷装置にも適用することができる。
【0062】
複胴式孔版印刷装置Aを構成する上記各装置等の構成およびその配置状態は、あくまでもその一例を示したものであり、他の周知の装置および種々の配置状態をもって構成してもよい。例えば、エアーナイフ7の他に、各版胴1の外周面近傍に揺動自在な周知の排紙剥離爪のみを用いた装置もある。
【0063】
複胴式孔版印刷装置Aは、上記したような感熱デジタル製版一体型孔版印刷装置を構成するものに限らず、例えば各版胴1がドラムユニットを構成していて装置本体から着脱自在な構成を有するものにあっては、上記装置本体と別体に配設された製版給版装置あるいは排版装置(共に図示せず)によってマスタを製版し、給版したり、あるいは使用済みのマスタを各版胴1の外周面から剥離し排版したりしてもよく、各製版装置41および各排版装置42を上記装置本体に必ずしも具備していなくてもよいといえる。また、製版するためのデータは、上記したように原稿読取装置で読み取ったデータでも、あるいはコンピュータ等で作成されたデータであってもよい。
【0064】
なお、プレスローラは、版胴側に移動する際、マスタの未製版領域に当接するのではなく、マスタとプレスローラとの間に給送された印刷用紙に当接するようにしても良い。プレスローラの摩耗を考慮しなければゴムプーリ52は必ずしも必要でなく、プレスローラが印刷画像領域以外の領域に延在する場合には、その領域にゴムプーリ55が当接するようにしても良い。ゴムプーリ52を必ずしもプレスローラと当接するように配設する必要はない。
【0065】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、製版済みマスタを巻装する版胴を有する孔版印刷装置において、上記版胴に巻装された製版済みマスタに被印刷物を押圧するためのプレスローラと、このプレスローラを、上記版胴に巻装された製版済みマスタに被印刷物を押圧する印圧位置と上記版胴から離間した待機位置との間で変位するためのプレスローラ変位手段と、上記待機位置にある上記プレスローラを、上記版胴との対向位置において上記版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動するための、上記プレスローラに回転力を与えるための回転駆動部材を備えたプレスローラ駆動手段と、上記プレスローラと一体的且つ同軸的に配設され、上記プレスローラが上記待機位置を占めるときにのみ上記回転駆動部材と係合する、被回転駆動部材とを有し、上記待機位置は、上記プレスローラ変位手段による上記プレスローラの移動範囲における2つの端部のうち上記プレスローラが上記印圧位置でない方の端部を占める位置であり、上記プレスローラ駆動手段は、上記プレスローラが上記待機位置を占めているときにのみ同プレスローラを回転駆動し、上記プレスローラ駆動手段は、プレスローラが待機位置を占めるときのみ回転駆動部材により被回転駆動部材を介してプレスローラに回転力を与え、上記プレスローラが上記印圧位置を占めるとき及び上記プレスローラ変位手段が上記プレスローラを上記印圧位置へ向かって変位させているときに上記プレスローラの回転駆動を断つから、比較的簡単な構成で安定した正確な回転速度でプレスローラの予備回転を行うことができ、かかる予備回転をした状態のプレスローラにより印圧の付加を開始することにより、プレスローラが印圧位置を占める際にマスタ、印刷用紙、版胴の何れにも大きな負荷がかからず、マスタのずれ、抜け、破損、印刷用紙のずれ、破損、版胴の変形、設置位置の変化の何れもが防止され、また、比較的高価なプレスローラの摩耗を回避することができるとともに、回転駆動部材がプレスローラを直接駆動する場合にプレスローラの摩耗が生じ、摩耗した部分の印圧が低下して印刷濃度が低くなるという問題が生じることがなく、良好な印刷を行うことができる孔版印刷装置を提供することができる。
【0066】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記待機位置にある上記プレスローラを、その周速が上記版胴の周速と略同じかそれより大きくなるように回転駆動するので、プレスローラが印圧位置を占める際にマスタ、印刷用紙、版胴の何れにも、より負荷がかからず、マスタのずれ、抜け、破損、印刷用紙のずれ、破損、版胴の変形、設置位置の変化の何れもが防止され、より良好な印刷を行うことができる孔版印刷装置を提供することができる。
【0067】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記待機位置にある上記プレスローラを、その周速が上記版胴の周速の1倍より大きくかつ1.2倍より小さくなるように回転駆動するので、プレスローラが印圧位置を占める際にマスタ、印刷用紙、版胴の何れにも、さらに負荷がかからず、マスタのずれ、抜け、破損、印刷用紙のずれ、破損、版胴の変形、設置位置の変化の何れもが防止され、さらに良好な印刷を行うことができる孔版印刷装置を提供することができる。
【0069】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし3の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記プレスローラに回転力を与えるための、同プレスローラ駆動手段から分離自在の回転駆動部材を有するので、回転駆動部材が摩耗した際に交換することができるから、交換の際のメンテナンスの作業性が良好で、経済性が向上した孔版印刷装置を提供することができる。
【0070】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の孔版印刷装置において、上記回転駆動部材を径の異なる回転駆動部材と交換することにより上記プレスローラの回転速度が可変であるので、プレスローラの最適な回転速度を容易に設定し、プレスローラが印圧位置を占める際にマスタ、印刷用紙、版胴の何れにも、大きな負荷がかからず、マスタのずれ、抜け、破損、印刷用紙のずれ、破損、版胴の変形、設置位置の変化の何れもが防止され、良好な印刷を行うことができる孔版印刷装置を提供することができる。
【0072】
請求項8記載の発明は、請求項ないしの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材は、上記プレスローラに対して分離自在であるので、被回転駆動部材が摩耗した際に交換することができるから、比較的高価なプレスローラが摩耗することを回避したうえにプレスローラに比べ安価な被回転部材を交換することにより、交換の際のメンテナンスの作業性が良好で、経済性が向上した孔版印刷装置を提供することができる。
【0073】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材を径の異なる被回転駆動部材と交換することにより上記プレスローラの回転速度が可変であるので、プレスローラの最適な回転速度を容易に設定し、版胴側にプレスローラが当接した際にマスタ、印刷用紙、版胴の何れにも、大きな負荷がかからず、マスタのずれ、抜け、破損、印刷用紙のずれ、破損、版胴の変形、設置位置の変化の何れもが防止され、良好な印刷を行うことができる孔版印刷装置を提供することができる。
【0074】
請求項10記載の発明によれば、請求項ないし9の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材を、上記版胴の幅方向における、印刷を行うことができる印刷画像領域以外の位置に対応して配設したので、被回転駆動部材が印刷画像の品質に影響を与えることがなく、被回転駆動部材を版胴に対応する位置以外の位置に配設すれば、被回転駆動部材の径をプレスローラの径より大きくすることもできる孔版印刷装置を提供することができる。
【0075】
請求項11記載の発明によれば、請求項ないし10の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材が上記プレスローラより小径であるので、被回転駆動部材が印刷画像の品質に影響を与えることがなく、プレスローラによる版胴への印圧が軸方向において均一となり、印刷濃度が軸方向において均一で、高品質の印刷画像を得ることができる孔版印刷装置を提供することができる。
【0076】
請求項12記載の発明によれば、請求項ないし11の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材がゴムリングであるので、ゴムの材質を選択して回転駆動部材との間の摩擦力を決定することにより、回転駆動部材からの駆動力を良好に伝達することができ、プレスローラの回転速度をより正確に設定することができる孔版印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した孔版印刷装置の実施例の概略側面図である。
【図2】待機位置にあり予備回転されているプレスローラの概略側面図である。
【図3】待機位置にあり予備回転されているプレスローラの概略斜視図である。
【図4】版胴周速に対するプレスローラに与える周速の比率と、マスタ破れ及びマスタ先端のしわ発生との相関図である。
【図5】本発明を適用した孔版印刷装置が版胴を4つ有している場合の概略側面図である。
【符号の説明】
1 版胴
11、12、13 プレスローラ変位手段
9 プレスローラ
22 被印刷物
52 被回転駆動部材
55 回転駆動部材
70 プレスローラ駆動手段
33 マスタ

Claims (12)

  1. 製版済みマスタを巻装する版胴を有する孔版印刷装置において、
    上記版胴に巻装された製版済みマスタに被印刷物を押圧するためのプレスローラと、
    このプレスローラを、上記版胴に巻装された製版済みマスタに被印刷物を押圧する印圧位置と上記版胴から離間した待機位置との間で変位するためのプレスローラ変位手段と、
    上記待機位置にある上記プレスローラを、上記版胴との対向位置において上記版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動するための、上記プレスローラに回転力を与えるための回転駆動部材を備えたプレスローラ駆動手段と
    上記プレスローラと一体的且つ同軸的に配設され、上記プレスローラが上記待機位置を占めるときにのみ上記回転駆動部材と係合する、被回転駆動部材とを有し、
    上記待機位置は、上記プレスローラ変位手段による上記プレスローラの移動範囲における2つの端部のうち上記プレスローラが上記印圧位置でない方の端部を占める位置であり、
    上記プレスローラ駆動手段は、上記プレスローラが上記待機位置を占めているときにのみ同プレスローラを回転駆動することを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 請求項1記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記待機位置にある上記プレスローラを、その周速が上記版胴の周速と略同じかそれより大きくなるように回転駆動することを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 請求項1又は2記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記待機位置にある上記プレスローラを、その周速が上記版胴の周速の1倍より大きくかつ1.2倍より小さくなるように回転駆動することを特徴とする孔版印刷装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記待機位置は、上記プレスローラが上記版胴から離間し最下方に変位した位置であることを特徴とする孔版印刷装置。
  5. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記プレスローラに回転力を与えるための、同プレスローラ駆動手段から分離自在の回転駆動部材を有することを特徴とする孔版印刷装置。
  6. 請求項5記載の孔版印刷装置において、上記回転駆動部材を径の異なる回転駆動部材と交換することにより上記プレスローラの回転速度が可変であることを特徴とする孔版印刷装置。
  7. 請求項ないし6の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記プレスローラ駆動手段は、上記プレスローラが上記印圧位置を占めるとき及び上記プレスローラ変位手段が上記プレスローラを変位する過程においては上記プレスローラの回転駆動を断つことを特徴とする孔版印刷装置。
  8. 請求項ないしの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材は、上記プレスローラに対して分離自在であることを特徴とする孔版印刷装置。
  9. 請求項8記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材を径の異なる被回転駆動部材と交換することにより上記プレスローラの回転速度が可変であることを特徴とする孔版印刷装置。
  10. 請求項ないし9の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材を、上記版胴の幅方向における、印刷を行うことができる印刷画像領域以外の位置に対応して配設したことを特徴とする孔版印刷装置。
  11. 請求項ないし10の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材が上記プレスローラより小径であることを特徴とする孔版印刷装置。
  12. 請求項ないし11の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記被回転駆動部材がゴムリングであることを特徴とする孔版印刷装置。
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