JP4592886B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置等を含む印刷装置に関し、さらに詳しくは複数の印刷ドラムを有して多色印刷等を行える印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡便な印刷方式として、印刷装置の一例としての感熱デジタル製版式の孔版印刷装置が知られている。この孔版印刷装置では、サーマルヘッドの微細な発熱素子にマスタを接触させ、サーマルヘッドの発熱素子にパルス的に通電させながらマスタを搬送することで、画像信号に応じてマスタを溶融穿孔・製版し、この製版済みのマスタを多孔性円筒状の版胴(以下、「印刷ドラム」というときがある)の外周面に巻き付け、印刷ドラム内部のインキ供給手段よりインキを供給し、給送されてくる印刷用紙をプレスローラや圧胴等の押圧手段で製版済みのマスタを介して印刷ドラムに連続的に押し付けることにより、印刷ドラムの開孔部分、さらにはマスタの穿孔部分よりインキを滲み出させ、そのインキを印刷用紙(以下、「用紙」という)に転移させることによって印刷画像を形成するものである。
【0003】
このような孔版印刷方式を使用して、例えば次の3つの印刷技術が開示されている。
▲1▼特開平3−55276号公報記載の多色印刷装置では、原紙(マスタ)への製版と給版を行う原版供給装置と排版回収装置とを一体的に形成して、各印刷部(印刷ドラム)間を移動可能にすることで、1つの原版供給装置と排版回収装置で、2つの印刷部への版の給送と排版回収とを自動化している(以下、第1の印刷技術という)。
【0004】
▲2▼特開平6−32038号公報記載の多色印刷装置では、上下方向に傾斜した傾斜線に沿って一列に互いに隔置して配置された複数の版胴(印刷ドラム)に対応して、原版供給装置と排版回収装置を配置している実施例と、排版回収装置のみ各印刷ドラムに対応して設置し、原版供給装置のみ各印刷ドラム間を移動させて、給版する実施例とが例示されている(以下、第2の印刷技術という)。
【0005】
▲3▼特開平4−265782号公報記載の多色印刷機では、1つの原紙(マスタ)への製版と給版を行う製版部と、各印刷ドラムに対応した4個の排版口一ルによる排版装置を配置している印刷機であり、給版は、1つの製版部で各色に対応して製版を行った製版済みの原紙を印刷用紙搬送用ベルトにくわえさせてから、順次印刷ドラムのクランプ(クランパ)に受渡しその印刷ドラムのクランパでくわえ直して給版している(以下、第3の印刷技術という)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の印刷技術では、原版供給装置と排版回収装置とが一体となって各印刷ドラム間を移動することにより、大がかりな移動機構が必要となるので印刷装置全体が複雑になり大きくなってしまい、コスト高になるという問題点がある。
また、1色目の原版回収と原版給版が終わった後で、2色目の原版回収と原版給版を行う前に、原版供給装置と排版回収装置を移動させて位置決めしなければならず、この動作に時間が掛かり、ファースト・プリントタイム(製版指令を出してから最初の1枚目の印刷物が得られるまでの時間を指し、「FPT」と略称される)が長くなってしまうという問題点が生じる。
【0007】
第2の印刷技術では、各々の印刷ドラムに対応して、原版供給装置と排版回収装置とを配置しているので、高額な部品であるサーマルヘッドを使用している原版供給装置を多数使用することになり、コストが非常に高くなってしまうという問題点を有する。
また、第2の印刷技術における別の実施例では、排版回収装置のみ各印刷ドラムに対応して設置し、原版供給装置のみ各印刷ドラム間を移動させて給版するようになっており、原版供給装置でのコスト高は回避できるが、やはり、原版供給装置の移動機構を設けたことによるコスト高になる問題点と、その移動・位置決めに要する時間により、ファースト・プリントタイムが長くなるという問題点とは発生するし、原版供給装置の移勤による給版位置精度の低下という問題点も生じてしまう。
【0008】
第3の印刷技術では、1つの製版部で製版を行った原紙を印刷用紙搬送用ベルトにくわえさせてから、印刷ドラムにくわえ直して給版するので、給版に時間がかかりファースト・プリントタイムが長くなってしまうし、印刷用紙搬送用ベルトによる長距離搬送とくわえ直しとにより、各印刷ドラムに対する給版位置精度を確保するのが困難となる。
【0009】
したがって、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、次の第1ないし第4の目的、またはこれらを組み合わせた目的を達成することにある。
本発明の第1の目的は、複数の印刷ドラムを有する製版・給排版機能付きの孔版印刷装置で、製版・給版装置(または製版・給版ユニット)数を少なくし、かつ、製版・給版装置や排版装置(または排版ユニット)の移動機構を除去してコストダウンを図ることにある。
本発明の第2の目的は、製版・給版装置や排版装置の移動を行わないようにすることにより、製版済みのマスタを複数の印刷ドラムに着版するまでの時間を短縮化して、ファースト・プリントタイムを短縮することにある。
本発明の第3の目的は、製版・給版装置の移動を行わないようにすることにより、複数の印刷ドラムに着版する際の給版位置精度を高めることにある。
本発明の第4の目的は、印刷装置全体の高さを抑えることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、各請求項記載の発明では、以下の特徴ある構成を採っている。
請求項1記載の発明は、複数の印刷ドラムを有する印刷装置において、相隣る前記各印刷ドラムの何れか一方の側に配置され、マスタを製版し製版済みのマスタを前記各印刷ドラムに給版する1つの製版・給版装置と、製版済みのマスタの給送経路を切り替えて、前記各印刷ドラムヘ製版済みのマスタを供給するマスタ給送経路切替手段と、前記製版・給版装置の配置側の前記印刷ドラムに製版済みのマスタを給送すべく、前記給送経路の下流側に配設された第1のマスタ搬送手段と、前記製版・給版装置の配置側の前記印刷ドラムと対向して配置された前記印刷ドラムに製版済みのマスタを給送すべく、前記マスタ給送経路切替手段よりもさらに前記給送経路の下流側に配設された少なくとも1つの第2のマスタ搬送手段と、第1のマスタ搬送手段と第2のマスタ搬送手段との間の前記給送経路上の製版済みのマスタに張力を付与する張力付与手段とを有し、前記給送経路上の製版済みのマスタが、前記張力付与手段により張力を付与された状態で搬送されることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、少なくとも前記製版・給版装置の下方に、前記印刷ドラム上の使用済みのマスタを剥離し収納する1つの排版装置を配置したことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の印刷装置において、前記製版・給版装置は、マスタを繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段を有し、前記マスタ貯容手段の上方が開放空間となるように、前記マスタ貯容手段を避けた上方に原稿読取装置を配置したことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の印刷装置において、前記マスタ貯容手段の上方および/または側方を開放できるようにしたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。
(第1の実施形態)
図1および図2に、本発明の第1の実施形態を示す。図1において、符号100は、本発明を適用した印刷装置の一例としての多色孔版印刷装置を示す。符号101は多色孔版印刷装置100の装置本体としての本体フレームを示す。本体フレーム101は、後述する各装置・ユニットを覆うように配置された外装パネルおよび内部に配設された不動部材である各種側板を連結固定していて、その外側形状が略筐体状をなしている。以下、前記外装パネルおよび前記各種側板を総称して、単に本体フレーム101というときがある。
多色孔版印刷装置100は、図1に示すように、用紙搬送方向Xの上流側から下流側に沿って並設された相隣る2つの1色目印刷ドラム1a(以下、単に「印刷ドラム1a」というときがある)および2色目印刷ドラム1b(以下、単に「印刷ドラム1b」というときがある)を有する。
【0020】
多色孔版印刷装置100は、各製版済みのマスタ12a,12bを各印刷ドラム1a,1bに巻き付け、各印刷ドラム1a,1b上の製版済みのマスタ12a,12bにインキを供給して各印刷ドラム1a,1b上の製版済みのマスタ12a,12bに用紙32を順次押し付けることにより連続的に印刷を行って、同時多色印刷(第1の実施形態では同時2色印刷である)をすることが可能なように構成されている。
【0021】
多色孔版印刷装置100は、前記した各印刷ドラム1a,1bの他に、図1に示すように、相隣る印刷ドラム1a,1bの何れか一方の側である2色目印刷ドラム1bの左方ないし上方近傍に配置され、マスタ12を製版し各製版済みのマスタ12a,12bを各印刷ドラム1a,1bに給版する1つの製版・給版装置としての製版・給版ユニット10と、各印刷ドラム1a,1bの印刷部に用紙32を供給して各印刷ドラム1a,1b上の各製版済みのマスタ12a,12bに用紙32を押し付ける、用紙32の先端部を保持する保持手段としての用紙クランパ7を備えた圧胴6(以下、「紙くわえ胴6」と言い替える)と、印刷ドラム1aの右下方に配置され給紙台31上に積載された用紙32を紙くわえ胴6の用紙クランパ7に向けて給送する給紙装置30と、印刷ドラム1bの左下方に配置され各印刷ドラム1a,1bの印刷部で多色印刷された印刷済みの用紙32を排紙台43上に排出・排紙する排紙装置40と、製版・給版ユニット10における製版部のマスタ貯容手段(後述する)を避けた各印刷ドラム1a,1bの上方に配置され原稿の画像を読み取る原稿読取装置としてのスキャナユニット45と、1色目印刷ドラム1aの右方近傍に配置され1色目印刷ドラム1a上の使用済みのマスタ12aを剥離し収納する排版装置としての排版ユニット50aと、製版・給版ユニット10の下方に近接して配置され2色目印刷ドラム1b上の使用済みのマスタ12bを剥離し収納する排版装置としての排版ユニット50bとを具備する。
【0022】
1色目印刷ドラム1aと2色目印刷ドラム1bとは、使用するインキの色や動作タイミング等を除き、それぞれ同一の機能および構成を有し、直径を始めとする各部位の寸法形状も同じである。これと同様に、印刷ドラム1aの内外周りに配設された後述するクランパ5a、インキ供給手段および排版ユニット50aと、印刷ドラム1bの内外周りに配設された後述するクランパ5b、インキ供給手段および排版ユニット50bとは、配置位置を除き略同一の機能および構成を有しているので、それらを同一符号の末尾に符号aまたはbを付加することで区別することとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明をできるだけ省略する。
また、マスタ12については、1色目印刷ドラム1a側へ給版するものを製版済みのマスタ12aとし、2色目印刷ドラム1b側へ給版するものを製版済みのマスタ12bとして区別して説明することとする。
【0023】
印刷ドラム1aは、周知の多孔性円筒状部(この部分を版胴と呼ぶこともある)を有し、ドラム軸2aの周りに図示しない端板を介して回動自在に支持されている。印刷ドラム1aは、ドラム軸2aの中心軸線方向に延在して設けられていて、例えば特開平10−297074号公報の図4に示されている版胴1a,1bと同様の、インキ通過性の多数かつ微細な開孔部(図示せず)が形成された金属製の支持円筒体(図示せず)と、その外周面に巻き付けられた樹脂もしくは金属製のメッシュスクリーン層(図示せず)との2層構造となっている。前記支持円筒体には、クランパ5aの周辺を除くその円周上の所定の範囲にわたり前記開孔部が形成された印刷可能領域と、前記開孔部が形成されていないインキ不通過性の非印刷領域とが形成されている。
【0024】
印刷ドラム1a外周部の一母線上には、図1および図2(b)に示すように、製版済みのマスタ12aの先端部をクランプ(挟持)・保持するマスタ保持手段としての開閉自在なクランパ5aが設けられている。クランパ5aは、クランパ軸で印刷ドラム1a上に枢着されている。
クランパ5aは、図2(b)に示す給版位置に印刷ドラム1aが停止したときや、印刷ドラム1a上の使用済みのマスタ12aを排版すべく排版位置に停止したとき、図示しない開閉装置により開閉される。同様に、クランパ5bは、図2(a)に示す給版位置に印刷ドラム1bが停止したときや、印刷ドラム1b上の使用済みのマスタ12bを排版すべく排版位置に停止したとき、図示しない開閉装置により開閉される。
【0025】
印刷ドラム1aは、後述するインキ供給手段等と共に、本体フレーム101に対して着脱自在なドラムユニットとしてそれぞれ構成されている。印刷ドラム1aを含んで構成された前記ドラムユニットが本体フレーム101に装着された状態において、本体フレーム101の前記ドラムユニット周りには、前記ドラムユニットの印刷ドラム1aの外周面を、紙くわえ胴6の外周面(凹部8を除く)に圧接して印刷を行う印刷位置とこの印刷位置から離間した非印刷位置との間に変位自在とするためのユニット接離手段(図示せず)が配設されている。
このようなユニット接離手段は、印刷ドラム1bを含んで構成された前記ドラムユニット側にも同様に配設されている。
【0026】
印刷ドラム1aの内部には、図1に示すように、印刷ドラム1aの内周面から外周面に向けてインキを供給するためのインキ供給手段が配設されている。印刷ドラム1aにおけるインキ供給手段では1色目のインキとして例えばブラック(Bk)色(以下、「黒色」と言い替える)のインキが、印刷ドラム1bにおけるインキ供給手段では2色目のインキとして例えばマゼンタ(M)色(以下、「赤色」と言い替える)のインキがそれぞれ供給されるようになっている。印刷ドラム1aにおけるインキ供給手段は、印刷ドラム1aの内周面に黒色のインキを供給するインキローラ3aと、このインキローラ3aと僅かな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ3aとの間にインキ溜まりIaを形成するドクターローラ4aと、インキ溜まりIaへインキを供給するドラム軸2aを兼ねるインキ供給管2a等とから構成されている。
インキは、インキ容器(図示せず)からインキポンプ(図示せず)により圧送され、ドラム軸2aを兼ねているインキ供給管2aを介してインキ溜まりへ供給される。インキ溜まりに供給されるインキの量は、インキ検知手段としてのインキセンサやインキ検知回路によって検知・測定され、前記インキポンプによってインキ圧送量をコントロールされる。前記インキ容器は、例えば1色目印刷ドラム1aの図示しない端板から外側へ突出したドラム軸2aに接続されている。
【0027】
インキローラ3aは、アルミニウム、ステンレスなどの金属またはゴム等により形成され、図示しないギヤ列により印刷ドラム1aと共に時計回り方向に回転する。インキローラ3aと印刷ドラム1aとの回転速度の比は、所定の値に設定されている。ドクターローラ4aは、鉄やステンレスなどの金属で形成され、図示しないギヤ列により反時計回り方向に回転する。ドクターローラ4aと印刷ドラム1aとの回転速度の比も所定の値に設定されている。
【0028】
図1に示すように、各クランパ5a,5bの位置(位相)が異なるように、印刷ドラム1aと印刷ドラム1bとの間には予め初期位相差が設けられている。この初期位相差を設けた理由は、例えば特開平11−138961号公報の明細書の段落番号(0105)〜(0106)に記載されていることに基づく。
【0029】
この第1の実施形態では、用紙搬送方向Xに沿って短い小サイズの用紙32を使用可能にすること、用紙32に対する印刷レジスト精度の向上、画像濃度の安定および印刷時の静音化等を図る目的で押圧手段として紙くわえ胴6を用いている。紙くわえ胴6は、図1にその概略を示すように、その外径寸法(直径)が印刷ドラム1aの外径寸法(直径)と略等しく形成されている。印刷ドラム1aが1回転したとき、紙くわえ胴6も1回転する。このため、給送されて来た用紙32の先端部をクランプ(挟持)する用紙クランパ7を紙くわえ胴6上に設けることができ、用紙32の先端を用紙クランパ7に突き当てながら給紙することで、用紙32に対する印刷レジスト精度を向上することができる。
ここで、「紙くわえ胴6の外径寸法が印刷ドラム1aの外径寸法と略等しく形成されている」とは、各印刷ドラム1a,1bの外径寸法が紙くわえ胴6の外径寸法と同じであるものの他、設計上の寸法公差範囲内にある場合も含む。
【0030】
図1に示すように、紙くわえ胴6が反時計回り方向に回転し、紙くわえ胴6における用紙クランパ7の回転位置(以下、「用紙くわえ位置」というときがある)で、用紙32の先端を用紙クランパ7に突き当てた後、用紙クランパ7が閉じることで、用紙32の先端部が用紙クランパ7によりクランプ・保持される。次いで、紙くわえ胴6がさらに反時計回り方向に回転し、紙くわえ胴6における用紙クランパ7が印刷ドラム1bのインキローラ3bと対向する位置から若干進んだ回転位置(以下、「用紙排出位置」というときがある)で用紙クランパ7が開き、インキが用紙32に転写される各印刷ドラム1a,1bの印刷部(ニップ部)よりすぎた位置で用紙32の先端部が排出されるので、用紙32がインキの粘着力により各印刷ドラム1a,1bに巻き上がらないという利点もある。
【0031】
紙くわえ胴6の外周部には、各印刷ドラム1a,1bの外周面に製版済みのマスタ12a,12bを介して接触する円筒部と、各印刷ドラム1a,1bにおけるクランパ5a,5bとの衝突を避けるためにくぼんだ凹部8とが形成されている。紙くわえ胴6は実施例的にいうと、その本体部分には合成樹脂が使用されていて軽量化を図っていると共に、前記円筒部の外周には例えばニトリルゴムが巻着されていて紙くわえ胴6の回転ムラを低減している。
紙くわえ胴6は、自身の中心に配設された軸9の周りに回転自在に支持されていて、図示しないメインモータにより反時計回り方向に回転駆動される。また、各印刷ドラム1a,1bは、歯車等の回転伝達手段と遊星歯車との組み合わせ機構、または歯車等の回転伝達手段とオルダム継手との組み合わせ機構を介して、紙くわえ胴6に連結されている。各印刷ドラム1a,1bは、前記各組み合わせ機構を介して前記メインモータの駆動力が伝達されるようになっていて、それぞれ時計回り方向に回転駆動される。
【0032】
紙くわえ胴6の凹部8には、用紙32の先端部をクランプ・保持する開閉自在な用紙クランパ7が設けられている。用紙クランパ7にはマグネットを用いたクランプ方式が採用されていると共に、用紙クランパ7は、凹部8に配置された用紙クランパ軸にその基端部を固定されていて、図示しないスプリングにより常に閉じる向きに付勢されている。用紙クランパ7は、本体フレーム101側に配置された図示しないカムにより所定のタイミングで開き、用紙32の先端部をくわえた後閉じることで、紙くわえ胴6の外周面上に用紙32を保持する。
紙くわえ胴6の凹部8の形成範囲は、図1に示すように、各印刷ドラム1a,1bのクランパ5a,5bとの衝突を避ける特有の範囲および位相関係をもって設定されている。
【0033】
製版・給版ユニット10は、図2(a),(b)に詳しく示すように、マスタ12を繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段としてのマスタ支持部材11と、繰り出されるマスタ12を画像情報に応じて加熱穿孔・製版するサーマルヘッド15と、サーマルヘッド15によりマスタ12を押圧されながらマスタ給送経路Mの下流側にマスタ12を搬送するプラテンローラ16と、プラテンローラ16よりもマスタ給送経路Mの下流側に配設され製版済みのマスタ12a,12bまたは未製版のマスタ12を所定の長さに切断するカッタ17と、カッタ17よりもマスタ給送経路Mの下流側に配設され製版済みのマスタ12a,12bをマスタ給送経路Mの下流側に搬送し、切断時等のために製版済みのマスタ12a,12bに張力を与えるテンションローラ対18と、テンションローラ対18よりもマスタ給送経路Mの下流側に配設され、2色目印刷ドラム1bに向けて製版済みのマスタ12bを給送する第1のマスタ搬送手段としての2色目給版ローラ対19と、テンションローラ対18と2色目給版ローラ対19との間に配設され、排版動作中に、製版済みのマスタ12a,12bを略水平方向に延ばして貯容する製版済マスタ貯容手段としてのマスタストック装置20と、2色目給版ローラ対19よりもマスタ給送経路Mの下流側に配設され、1色目印刷ドラム1aに向けて製版済みのマスタ12aを給送する第2のマスタ搬送手段としての1色目給版ローラ対29と、2色目給版ローラ対19と1色目給版ローラ対29との間のマスタ給送経路Mに配設され、マスタ給送経路Mを切り替えて各印刷ドラム1a,1bに製版済みのマスタ12a,12bを供給するマスタ給送経路切替手段としての切替可動ガイド板25を具備する。
【0034】
製版・給版ユニット10のうちの前記製版部は、マスタ支持部材11、サーマルヘッド15と、プラテンローラ16、カッタ17、テンションローラ対18、2色目給版ローラ対19およびマスタストック装置20から構成されている。
製版・給版ユニット10のうちの前記給版部は、2色目給版ローラ対19、切替可動ガイド板25、それぞれ後述する、搬送ローラ28、2色目下ガイド24A、中間ガイド上24B、中間ガイド下24C、1色目給版ローラ対29および1色目ガイド下24Dから構成されている。
【0035】
マスタ12は、連続シート状をなし、合成樹脂製の芯管13Aに巻き付けられてマスタロール13が形成される。芯管13Aは、例えばマスタロール13の両端面から突出していてマスタ12の幅よりも長く形成されている。マスタ12としては、例えばポリエステルテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルムに多孔質支持体(ベース)として和紙等を貼り合わせたマスタが用いられている。
マスタ12は、前記のものに限らず、非常に薄い実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものや、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ(その厚さが約1〜8μm)程ではないが、前記マスタ12(その厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚さ20〜30μm)、かつ、ベースにおける合成繊維の混抄率が高いマスタ、例えば極端に合成繊維の混抄率が高いポリエチレンテレフタレート(PET)100%からなるベースを有する合成繊維ベースマスタを用いることも可能である。第1の実施形態を含め後述する実施形態におけるマスタロール13は、マスタ12の熱可塑性樹脂フィルム面を外側にして芯管13Aの周りに巻き付けられた前記フィルム面がいわゆる外巻きの例を示す。
なお、マスタロール13は、前記外巻きのものに限らず、マスタ12の熱可塑性樹脂フィルム面を内側にして芯管13Aの周りに巻き付けられた前記フィルム面が内巻きのマスタロールを使用することも勿論可能であり、これを使用してもよい。
【0036】
マスタロール13は、両端側の芯管13Aがマスタ支持部材11により時計回り方向に回転自在に支持されていて、マスタ支持部材11に対して着脱自在となっている。マスタ支持部材11は、図1および図2の手前側および奥側に一対配設されている。これらのマスタ支持部材11は、本体フレーム101側において図1および図2の手前側および奥側に一対配置されている図示しない製版側板対に、図1および図2の手前側および奥側に進退自在に配設されている。したがって、マスタ12は、マスタ支持部材11によって、マスタロール13からマスタ搬送方向に繰り出し可能に貯容されている。
マスタ支持部材11の少なくとも一方近傍の前記製版側板または前記製版側板対には、マスタロール13の少なくとも片側の芯管13Aに接離自在な図示しないブレーキゴム等の制動部材が設けられている。この制動部材により、本体フレーム101の振動や外部からの衝撃に対して、マスタロール13からマスタ12が自然に緩んで繰り出されない程度の適度なバックテンションがプラテンローラ16とマスタロール13との間のマスタ12に付与されるようになっている。
【0037】
プラテンローラ16は、マスタ12を搬送するマスタ搬送手段としての機能を有する。プラテンローラ16は、図示しない金属製の芯金を介してプラテンローラ軸(図示せず)と一体的に形成されている。プラテンローラ16は、その芯金外周が高分子の弾性体でできていて、例えばマスタ12に対する非粘着性、耐熱性、導電性および圧縮永久歪の良好な導電性を有するシリコーンゴム層で被覆されている。
【0038】
プラテンローラ16は、前記プラテンローラ軸の両端部が前記製版側板対に回転可能に支持されていることにより、時計回り方向に回転自在となっている。プラテンローラ16は、タイミングベルトやギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介して、マスタ搬送駆動手段としての第1ステッピングモータ26に連結され、これにより時計回り方向に回転駆動される。
前記構成のとおり、プラテンローラ16が第1ステッピングモータ26により時計回り方向に回転駆動されることにより、マスタ12は前記制動部材によって適度なバックテンションを受けながらマスタロール13から引き出されることとなる。
【0039】
サーマルヘッド15は、プラテンローラ16の前記プラテンローラ軸と平行に図1および図2の手前側から奥側に向けて延在して設けられている。サーマルヘッド15は、図示しないカムおよびバネ部材等を備えた接離手段により、マスタ12を介してプラテンローラ16に接離自在となっている。サーマルヘッド15は、前記バネ部材によりプラテンローラ16に接触する向きに付勢されている。サーマルヘッド15の主走査方向には、プラテンローラ16にマスタ12を介して当接する部位に多数の発熱素子(図示せず)が配設されている。サーマルヘッド15は、本体フレーム101に配設されているA/D変換装置および製版制御装置(共に図示せず)で処理されて送出されるデジタル画像データ信号に基づき前記発熱素子を位置選択的に加熱することにより、マスタ12を位置選択的に加熱溶融穿孔・製版する製版手段としての周知の機能を有する。
【0040】
カッタ17は、図1および図2におけるマスタ給送経路Mを挟んで下側に配置された固定刃およびこれと対向して上側に配置された可動刃としての回転刃を備えた回転刃移動タイプのものからなる。この回転刃移動タイプのカッタ17は、マスタ給送経路Mと直交するマスタ幅方向に回転しながら移動する周知のものである。
なお、カッタ17は、前記回転刃移動タイプに限らず、可動刃が昇降自在ないわゆるギロチンタイプのものも用いられる。カッタ17の配設位置は、図1および図2に示した位置に限らず、例えばテンションローラ対18と2色目給版ローラ対19との間のテンションローラ対18寄りのマスタ給送経路M上であっても構わない。
【0041】
テンションローラ対18は、マスタ12を搬送するマスタ搬送手段としての機能を有する。テンションローラ対18は、例えば少なくとも駆動側ローラの外周部が導電性のあるシリコーンゴムや発泡クロロプレンゴム等でできていて、図示しない金属製の軸と一体的に形成されている。テンションローラ対18は、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えられて圧接して設けられていて、前記各軸の両端部が前記製版側板対に回転自在に支持されていることにより互いに反対方向に回転自在となっている。
【0042】
テンションローラ対18のうちの上側のテンションローラ18は、複数のギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介して第1ステッピングモータ26に連結され、これにより反時計回り方向に回転駆動される。上側のテンションローラ18は、プラテンローラ16の周速度(マスタ搬送速度)よりも僅かに速い周速度(マスタ搬送速度)で回転されるように前記回転伝達部材の減速比が設定されている。
【0043】
なお、テンションローラ18と第1ステッピングモータ26との間には、プラテンローラ16およびサーマルヘッド15のニップ部とテンションローラ対18のニップ部との間の製版済みのマスタ12a,12bに所定のフロントテンションを付与すべくこれを調節するトルクリミッタとして、例えば本願出願人が提案した特開平11−77949号公報に記載されているような摩擦方式(スプリング式)やマグネットと磁性体とからなる磁力方式等からなるもの、あるいは前記トルクリミッタとしての機能を有する電磁クラッチ(図示せず)を配設してもよい。この電磁クラッチとしては、テンションローラ18の軸端に設けられたパウダー式電磁クラッチが好ましく用いられる。前記電磁クラッチは、プラテンローラ16とサーマルヘッド15との間のニップ部からマスタ12を無理に引き摺り出さないような所定のフロントテンションに予め設定されている。
第1ステッピングモータ26を介してのプラテンローラ16およびテンションローラ18周りの駆動機構は、例えば前記特開平11−77949号公報の図2に示されている回転伝達機構と同じ機構を採用している。
【0044】
2色目給版ローラ対19は、前記した機能の他に、マスタ12を搬送するマスタ搬送手段としての機能を有する。2色目給版ローラ対19は、少なくとも駆動側ローラの外周部が導電性のあるシリコーンゴムや発泡クロロプレンゴムあるいは発泡ウレタンゴム等でできていて、図示しない金属製の軸と一体的に形成されている。2色目給版ローラ対19は、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えられて圧接して設けられていて、その図示しない各軸の両端部が前記製版側板対に回転自在に支持されていることにより互いに反対方向に回転自在となっている。
【0045】
2色目給版ローラ対19のうちの上側の2色目給版ローラ19は、第1ステッピングモータ26とは独立した専用の第2ステッピングモータ27に連結されていて、これにより反時計回り方向に回転駆動される。2色目給版ローラ対19は、第2ステッピングモータ27によって、プラテンローラ16の周速度(マスタ搬送速度)よりも速い周速度(マスタ搬送速度)で回転するように設定されていて、マスタ12との間で滑りながら適度のフロントテンションをマスタ12に付与するようになされている。マスタの初期位置は、2色目給版ローラ対19のニップ部で挟持された状態から少し前方へはみ出した位置に設定されている。
【0046】
マスタストック装置20は、吸引ボックス21、可動ガイド板23および吸引ファン22等を具備している。マスタストック装置20は、後述する排版動作中に、製版済みのマスタ12a,12bを略水平方向に延ばして貯容する製版済マスタ貯容手段の構成・機能を有する。
吸引ボックス21は、前記製版側板対の間に固設されている。吸引ボックス21は、製版済みのマスタ12a,12bを略水平方向に延ばして貯容するために、略筐体状の郭定された空間を有して形成されている。
【0047】
可動ガイド板23は、図1および図2における吸引ボックス21の上方に形成される吸引口近傍の前記製版側板対に軸支され、図示しないソレノイド等を備えた可動ガイド板駆動手段およびこの可動ガイド板駆動手段からの駆動力を可動ガイド板23に伝達する駆動力伝達部材により前記吸引口に対して開閉自在に構成されている。可動ガイド板23は、図1に示すように、製版済みのマスタ12a,12bを搬送・案内させるべくマスタ給送経路Mに沿ったガイド搬送位置と、図2に示すように、前記ガイド搬送位置から略90度下方に揺動・変位し製版済みのマスタ12a,12bを受け入れ貯容するタワミ形成位置との間で揺動・変位自在となっている。可動ガイド板23がタワミ形成位置を占めたとき、吸引ボックス21の上方が開放されて、製版済みのマスタ12a,12bを導入するための前記吸引口が形成される。
可動ガイド板23の駆動機構は、例えば、本願出願人が提案した特開平10−202996号公報の図12に示されているガイド板駆動機構130と略同様の構成のものを用いていて、同公報の図12に示されているソレノイド131と同様の可動ガイド板駆動手段を有する。なお、可動ガイド板23の駆動機構は、前記したものに限らず、モータ駆動等であってもよい。
【0048】
吸引ボックス21の奥側には、スリットや網目状の小孔等からなる吸引口と排気口との間に設けられ、製版済みのマスタ12a,12bを吸引する吸引ファン22が配置されている。吸引ファン22に連結された図示しない吸引ファンモータの回転駆動により、吸引ファン22が回転されて、図2において右側から左側へと流れる空気流が生じ、製版済みのマスタ12a,12bが徐々に吸引されつつ吸引ボックス21内に貯容される。
【0049】
ここで、マスタストック装置20の詳細動作を予め説明しておく。
可動ガイド板23は、製版動作終了後のマスタ切断後に、前記ソレノイドが通電励磁(オン)されることにより、可動ガイド板23がタワミ形成位置から時計回り方向に揺動変位してマスタ給送経路Mに沿ったガイド搬送位置を占めることとなる。このように可動ガイド板23がガイド搬送位置を占めることによって、次に製版されるべきマスタ12の先端を前記吸引口から吸引ボックス21内へと落ち込ませることなく、次に製版されるべきマスタ12の先端が初期位置まで搬送されるようにガイドするようになっている。また、次に製版されるべきマスタ12の先端が2色目給版ローラ対19のニップ部で挟持され前記初期位置に達した後、前記ソレノイドへの通電がオフされることにより、可動ガイド板23の自重および同公報の詳細動作を介して、可動ガイド板23は反時計回り方向に揺動変位して再びタワミ形成位置を占めるようになっている。
【0050】
2色目給版ローラ対19よりもマスタ給送経路Mの下流側には、製版済みのマスタ12bの先端を2色目印刷ドラム1bに案内する2色目下ガイド24Aが配設されている。2色目下ガイド24Aは、例えば板金でできている。2色目下ガイド24Aの図2における右端部は、後述する切替可動ガイド板25による1色目の製版済みのマスタ12aの先端への給送切替作動時に、切替可動ガイド板25の図2における左端部に形成された櫛歯状形成部と互いに干渉しないで嵌入し合う櫛歯状に形成されている。
切替可動ガイド板25は、例えば板金でできている。切替可動ガイド板25は、2色目下ガイド24Aと平行に形成された本体ガイド板部と、図1および図2の紙面の手前側および奥側に折り曲げ形成されたアーム部25aとから一体形成されている。切替可動ガイド板25は、一対のアーム部25aの基部が搬送ローラ28の軸28aの両端部に緩く揺動自在に支持されている。これにより、切替可動ガイド板25の前記本体ガイド板部(以下、単に「切替可動ガイド板25」というときがある)は、軸28aを中心として揺動自在になっている。
切替可動ガイド板25は、2色目下ガイド24Aよりもマスタ給送経路Mの下流側に延在して設けられていて、2色目下ガイド24Aの長さよりも長く形成されている。切替可動ガイド板25の図2における左端部は、2色目下ガイド24Aに形成された前記櫛歯状部と干渉しないで緩く嵌入し合う櫛歯状形成部となっている。
切替可動ガイド板25は、ソレノイド等のアクチュエータおよびバネ等の付勢手段の組み合わせ駆動機構(図示せず)によって、軸28aを中心として、図2(a)に示す時計回り方向に揺動して2色目ガイド位置を、図2(b)に示す反時計回り方向に揺動して1色目ガイド位置をそれぞれ占めるように駆動される。前記アクチュエータをプル型のソレノイドとした場合、前記ソレノイドのプランジャは、図示しない圧縮コイルバネを巻着している。図2(a),(b)において、前記ソレノイドは切替可動ガイド板25の下方側に設けられていて、前記プランジャの先端部は、例えば切替可動ガイド板25の前記本体ガイド板部の左端部に連結される。
【0051】
切替可動ガイド板25およびその駆動機構が前述した構成である場合、切替可動ガイド板25の動作は、次のようになる。
例えば、前記ソレノイド等の前記アクチュエータがオンすることにより、切替可動ガイド板25は前記バネ等の付勢手段の付勢力に抗して、軸28aを中心として図2(b)に示す反時計回り方向に揺動変位して、図2(b)に示す1色目ガイド位置を占める。これと反対に、前記ソレノイド等の前記アクチュエータがオフすることにより、切替可動ガイド板25は前記バネ等の付勢手段の付勢力によって、軸28aを中心として図2(a)に示す時計回り方向に揺動変位して、2色目ガイド位置を占める。
【0052】
搬送ローラ28は、切替可動ガイド板25におけるマスタ給送経路Mの下流側寄りの部位に配設されている。搬送ローラ28は、その外周部がスポンジゴム等の弾性体からできていて、両端部が前記製版側板対に反時計回り方向に回転自在に支持されている軸28aと一体的に形成されている。搬送ローラ28は、切替可動ガイド板25の図2における右端部上にスポンジの弾性変形を利用して常時当接して反時計回り方向に回転自在になされている。
【0053】
搬送ローラ28は、ベルトやギヤ等の回転伝達部材を介して第2ステッピングモータ27に連結されている。搬送ローラ28は、2色目給版ローラ対19の周速度(マスタ搬送速度)よりも速い周速度で回転駆動されるように、前記回転伝達部材によりその減速比が設定されている。
【0054】
切替可動ガイド板25および搬送ローラ28よりもマスタ給送経路Mの下流側には、中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cが配置されている。中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cは、例えば板金でできていて、互いに平行に配置されている。中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cは、切替可動ガイド板25により切替・案内されつつ、搬送ローラ28によりマスタ給送経路Mの下流側に搬送された1色目の製版済みのマスタ12aの先端を、1色目給版ローラ対29に案内する。
【0055】
1色目給版ローラ対29は、中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cに隣るマスタ給送経路Mの下流側に配設されている。1色目給版ローラ対29は、その上側が駆動ローラであり、下側が従動ローラである。1色目給版ローラ対29の上側の前記駆動ローラは、その外周部がスポンジゴム等の弾性体からできていて、図示しない金属製の軸と一体的に形成されている。1色目給版ローラ対29は、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えられて圧接して設けられていて、その図示しない各軸の両端部が前記製版側板対に回転自在に支持されていることにより互いに反対方向に回転自在となっている。
なお、搬送ローラ28や1色目給版ローラ対29の前記駆動ローラを形成している前記スポンジゴムのさらに詳しい具体例としては、マスタ12への帯電を防止するための導電性シリコーンゴムやクロロプレンゴムあるいは帯電しにくい発泡ウレタンゴム等が望ましい。
【0056】
1色目給版ローラ対29の上側の前記駆動ローラは、図示しないベルトやギヤ等の回転伝津手段を介して第2ステッピングモータ27に連結されていて、これにより反時計回り方向に回転駆動される。1色目給版ローラ対29は、搬送ローラ28の周速度(マスタ搬送速度)よりも速い周速度で回転駆動されるように、前記回転伝達部材によりその減速比が設定されている。
【0057】
前述したとおり、2色目給版ローラ対19(第1のマスタ搬送手段)と1色目給版ローラ対29(第2のマスタ搬送手段)との間の1色目給送経路Ma上の製版済みのマスタ12aに張力を付与する張力付与手段は、2色目給版ローラ対19の前記回転伝達部材、搬送ローラ28の前記回転伝達部材および1色目給版ローラ対29の前記回転伝達部材から主に構成されている。
【0058】
1色目給版ローラ対29に隣るマスタ給送経路Mの下流側には、製版済みのマスタ12aの先端を1色目印刷ドラム1aに案内する1色目下ガイド24Dが配設されている。1色目ガイド下24Dは、例えば板金でできている。
【0059】
カッタ17の前記固定刃、テンションローラ対18、可動ガイド板23、2色目給版ローラ対19、2色目下ガイド24A、切替可動ガイド板25、搬送ローラ28、中間ガイド上24B、中間ガイド下24C、1色目ガイド下24Dおよび1色目給版ローラ対29は、図1および図2の紙面における手前側から奥側に向かってそれぞれ延在して設けられている。
【0060】
ここで、製版・給版時のマスタ給送量の制御構成について説明しておく。
第1ステッピングモータ26および第2ステッピングモータ27は、各モータ駆動回路および出力ポートを介して、CPU(中央演算処理装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)、ROM(読み出し専用記憶装置)、タイマおよびI/O(入出力)ポート(図示せず)等を備えたマイクロコンピュータを具備した制御手段としての制御装置に接続されている。
なお、前記制御手段は、マイクロコンピュータに限らず、例えば制御回路等であってもよい。
【0061】
プラテンローラ16およびテンションローラ対18による製版時の各マスタ給送量は、前記制御装置からの第1ステッピングモータ26へ供給するパルス数で制御される。2色目給版ローラ対19により2色目印刷ドラム1bヘ製版済みのマスタ12bを供給するとき、給版時のマスタ給送量は2色目印刷ドラム1bのクランパ5bまでのマスタ給送経路長に合わせて、前記制御装置からの第2ステッピングモータ27へ供給する各パルス数でそれぞれ制御される。1色目給版ローラ対29により1色目印刷ドラム1aヘ製版済みのマスタ12aを供給するとき、給版時のマスタ給送量は1色目印刷ドラム1aのクランパ5aまでのマスタ給送経路長に合わせて、前記制御装置からの第2ステッピングモータ27へ供給する各パルス数でそれぞれ制御される。
【0062】
なお、給版時のマスタ給送量の制御は、上述したものに限らず、次のようにしてもよい。すなわち、2色目給版ローラ対19による1色目印刷ドラム1aのクランパ5aまで製版済みのマスタ12aを給送する給版時のマスタ給送量は、図2(b)に示すように、2色目給版ローラ対19から1色目ドラム1aの拡開したクランパ5aまでのマスタ搬送距離に適した送り量を予め設定しておいて、前記制御装置から第2ステッピングモータ27へ供給するパルス数で制御してもよい。このときの製版済みのマスタ12aの搬送制御においては、搬送ローラ28および1色目給版ローラ対29の搬送力を2色目給版ローラ対19の搬送力よりもかなり弱くなるように設定すればよい。
また、2色目給版ローラ対19による2色目ドラム1bのクランパ5bまで製版済みのマスタ12bを給送する給版時のマスタ給送量は、図2(a)に示すように、2色目給版ローラ対19から2色目ドラム1bの拡開したクランパ5bまでのマスタ搬送距離に適した送り量を予め設定しておいて、前記制御装置から第2ステッピングモータ27へ供給するパルス数で制御するようにしてもよい。
【0063】
前記制御装置からの第1ステッピングモータ26へ供給するパルス数や、前記制御装置からの第2ステッピングモータ27へ供給する各パルス数は、前記ROMに予め記憶されている。
【0064】
なお、2色目給版ローラ対19の駆動機構は、前述したものに限らず、専用の第2ステッピングモータ27に代えて、プラテンローラ16等を回転駆動する第1ステッピングモータ26によって、図示しない電磁クラッチを介して2色目給版ローラ対19を回転駆動してもよい。この場合、図1および図2の左側の2色目給版ローラ19は、複数のギヤあるいはベルト等の回転伝達部材(図示せず)を介して第1ステッピングモータ26に連結され、これにより反時計回り方向に回転駆動される。2色目給版ローラ対19は、第1ステッピングモータ26を含む前記回転伝達部材によって、プラテンローラ16の周速度(マスタ搬送速度)よりも速い周速度(マスタ搬送速度)で回転するように設定されていて、マスタ12との間で滑りながら適度のフロントテンションをマスタ12に付与するようになされる。2色目給版ローラ19の軸端には、2色目給版ローラ19への第1ステッピングモータ26の回転駆動力を断接する前記電磁クラッチが設けられている。前記電磁クラッチは、例えば、パウダー式電磁クラッチもしくはヒステリシス式電磁クラッチからなる。
【0065】
したがって、製版時の各マスタ給送量および給版時の各マスタ給送量が前記したように制御されるから、各印刷ドラム1a,1bでの給版位置精度が向上し画像位置ズレが少なくなる。また、第1ステッピングモータ26や第2ステッピングモータ27へ供給する各パルス数で制御するので、簡単に精度良くコントロールできるという利点もある。
【0066】
排版ユニット50aは、1色目印刷ドラム1a上の使用済みのマスタ12aの先端部を剥離し案内するマスタ剥がし爪51aと、このマスタ剥がし爪51aにより剥離・案内された使用済みのマスタ12aを排版ボックス53a内に搬送する排版搬送ローラ対52aと、この排版搬送ローラ対52aにより搬送されてきた使用済みのマスタ12aを収納する排版ボックス53aとから主に構成されている。
【0067】
なお、各排版ユニット50a,50bは、前述したものに限らず、例えば実公平2−274号公報の第1図ないし第5図に示されているものと同様の構成を有するものであってもよい。すなわち、共に図示しない、揺動アームを備えた移動手段を介して、印刷ドラムの外周面に圧接する剥離位置とこの剥離位置から離間した離間位置との間に変位自在な排版剥離ローラと、この排版剥離ローラに圧接する排版ローラと、前記排版剥離ローラを回転駆動する排版モータと、使用済みのマスタを収納する排版ボックスと、昇降機構を介して前記排版ボックス内に上下動自在に収納された前記圧縮板と、この圧縮板を排版ボックス内で上下動させる圧縮板駆動モータと、前記排版剥離ローラが離間位置にあるときに前記移動手段を係止・保持する係止手段とを有する。
各排版ユニット50a,50bは、前述したものに限らず、例えば特開平5−286223号公報の図1ないし図6等に示されている自動排版装置や、特開平8−142484号公報記載の排版装置でもよい。
【0068】
給紙装置30は、エレベータ方式の昇降自在な給紙台31と、給紙側板(図示せず)に回転自在に支持された呼出しコロ33および分離コロ34と、分離コロ34に圧接し用紙32の重送を防止するための分離パッド35と、紙くわえ胴6の用紙クランパ7に向けて所定のタイミングで用紙32の先端を送り出すレジストローラ対36とから主に構成されている。
【0069】
給紙台31は、その上に用紙32を積載され、本体フレーム101に昇降自在に支持されている。給紙台31は、用紙32の増減に連動して図示しないモータ装置により上下動される。呼出しコロ33は、給紙台31上の最上位の用紙32と当接するように設けられており、分離コロ34および分離パッド35は、その協働作用により呼出しコロ33によって送り出されてきた用紙32を1枚に分離する機能を有する。用紙32を1枚ずつ分離してレジストローラ対36に向けて用紙32の先端を給送する給紙手段は、前記した呼出しコロ33、分離コロ34および分離パッド35から構成されている。
呼出しコロ33と分離コロ34とは、プーリおよびベルト等の回転伝達部材を介して回転伝達関係にあり、前記メインモータとは独立して配設された給紙モータ(図示せず)により回転駆動される。レジストローラ対36は、前記メインモータとは独立して配設されたレジストモータ(図示せず)により回転駆動される。前記給紙モータおよび前記レジストモータは、例えばステッピングモータからなる。
【0070】
排紙装置40は、印刷ドラム1bの左下方に配置され各印刷ドラム1a,1bの印刷部で多色印刷された印刷済みの用紙32を受渡・排紙される図示しない排紙爪と、この排紙爪に受け渡された印刷済みの用紙32を多孔性の搬送ベルトで強制的に吸着・搬送して排紙台43上に排出する周知の排紙搬送ユニット41と、排紙台43とから主に構成されている。
排紙搬送ユニット41は、例えば特開平10−297074号公報の図1等に示されているものと同様の構成を有し、周知の動作を行う。
【0071】
スキャナユニット45は、例えば特開平4−189544号公報の第2図等に記載されている構成と同様のものであり、原稿の表面からミラー群および結像レンズ等を介して結像された反射光に対応して光電変換を行うCCD(電荷結合素子)等からなる画像センサおよびスキャナモータ(図示せず)等を備えた周知の原稿走査用光学系を有する。
また、スキャナユニット45には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能および構成を有するものが、スキャナユニット45のミラー群と結像レンズとの間の光路上に配設されていて、同公報記載と略同様の自動製版等の動作を行えるようになっているものでもよいし、色分解機能のない単色のスキャナでもよい。
【0072】
スキャナユニット45は、製版・給版ユニット10の前記した給送部、2色目印刷ドラム1bおよび排版ユニット50aの本体フレーム101の上方に、固定して設けられている。スキャナユニット45の大きさは、図1における左右幅方向で通常約600mm位である。
製版・給版ユニット10のマスタ貯容手段周り(マスタ支持部材11)の上方および左側方には、スキャナユニット45の一側部寄りの本体フレーム101に配置されたヒンジ46aを中心として、時計回りおよび反時計回り方向に揺動・開閉できる開閉カバー46が配置されている。
このように、開閉カバー46を前述した配置関係で設けたことにより、マスタロール13の交換やマスタ12のジヤム処理時の操作を容易にかつ楽にできる。また、開閉カバー46を前述した配置関係で配設したこと、および製版・給版ユニット10のマスタ貯容手段周り(マスタ支持部材11)の上方が開放空間となるように、マスタ貯容手段周り(マスタ支持部材11)を避けた上方にスキャナユニット45を配置したことにより、スキャナユニット45を移動する必要もなく、そのためのコスト低減および振動に弱いスキャナユニット45を動かすことによる精度劣化等の不具合の発生も防止できる。
【0073】
なお、前述した開閉カバー46に限らず、製版・給版ユニット10のマスタ貯容手段周り(マスタ支持部材11)の上方または左側方を開放できるようにしてもよい(請求項8参照)。
【0074】
なお、前述した開閉カバー46に限らず、製版・給版ユニット10のマスタ貯容手段周り(マスタ支持部材11)の上方または左側方を開放できるようにしてもよい(請求項4参照)。
【0075】
第1の実施形態では、前述したような構成要素を含む製版・給版ユニット10の特有の配置構成、紙くわえ胴6、各排版ユニット50a,50bやスキャナユニット45の特有の配置構成から、前述した利点の他に次の利点を有する。
第1に、従来のような移動機構の無い1つの製版・給版ユニット10を有することにより、低コストになる。
第2に、1色目印刷ドラム1aと2色目印刷ドラム1bとを用紙搬送方向Xに沿って並べて配置し、2つの相隣る印刷ドラム1a,1bに接触できて印圧を加えられ、給紙装置30から供給される用紙32の先端をくわえて回転・搬送できる紙くわえ胴6が設けられていて、2つの相隣る印刷ドラム1a,1bのうちの排紙側の2色目印刷ドラム1bの隣に1つの製版・給版ユニット10が配置されていて、なおかつ、製版・給版ユニット10の下方には、2色目の排版ユニット50bが配置されているので、印刷装置全体の高さ方向の寸法を短縮することができる。
【0076】
次に、多色孔版印刷装置100の動作を説明する。
先ず、オペレータ等によりスキャナユニット45に配設されている図示しないADFの原稿載置台あるいはコンタクトガラス上に原稿がセットされ、図示しない操作パネルのスタートキーが押されると製版スタート信号が生成され、これが図示しない制御装置に入力されることによって、排版動作、原稿読み取り動作および製版動作が同時的にスタートする。またこのとき、給紙台31上に積載された最上位面の用紙32を呼出しコロ33に接触させて給紙可能な状態になるまで、給紙台31が上昇される。
【0077】
前記メインモータが駆動されることにより、図1において各印刷ドラム1a,1bが時計回り方向に回転し、まず、1色目印刷ドラム1aがその排版動作を行われるべき排版位置に回転して停止する。この1色目印刷ドラム1aの排版位置は、排版ユニット50aのマスタ剥がし爪51aの先端が図1に示すように略左斜め上方に揺動して1色目印刷ドラム1aの外周面近傍にあるときに、1色目印刷ドラム1aのクランパ5aがマスタ剥がし爪51aの先端近傍にまで回転したときに設定されている。1色目印刷ドラム1aが排版位置を占めると、前記開閉装置によりクランパ5aが開放される。次いで、1色目印刷ドラム1aが時計回り方向に徐々に回転することにより、マスタ剥がし爪51aの先端部が、クランプが開放された使用済み(印刷済み)のマスタ12aの先端部と1色目印刷ドラム1aの外周面との間に差し込まれることで、マスタ剥がし爪51aにより使用済みのマスタ12aの先端部が剥離され排版搬送ローラ対52aに案内される。そして、排版搬送ローラ対52aの回転により、使用済みのマスタ12aの先端部が排版搬送ローラ対52aのニップ部に挟持されつつ排版ボックス53a内に搬送され、排版ボックス53a内に収納される。
【0078】
次いで、2色目印刷ドラム1bがその排版動作を行われるべき排版位置に回転して停止する。この2色目印刷ドラム1bの排版位置は、排版ユニット50bのマスタ剥がし爪51bの先端が図1に示すように略右斜め下方に揺動して2色目印刷ドラム1bの外周面近傍にあるときに、2色目印刷ドラム1bのクランパ5bがマスタ剥がし爪51bの先端近傍にまで回転したときに設定されている。以降の排版ユニット50bによる排版動作は、排版ユニット50aと同様に行われるため、その説明を省略する。
次いで、1色目印刷ドラム1aが、図2(b)に示す給版位置で停止され、クランパ5aが図示しない開閉装置により開放されて給版待機状態となる。1色目印刷ドラム1aが図2(b)に示す給版待機状態となったとき、前記ソレノイド等の前記アクチュエータがオンすることにより、切替可動ガイド板25は前述した詳細動作を介して1色目ガイド位置を占め、これにより1色目マスタ給送経路Maが形成される。このとき、マスタ12の先端は、2色目給版ローラ対19のニップ部を少し出た前記初期位置にある。
【0079】
前記した排版動作における1色目印刷ドラム1aおよび2色目印刷ドラム1bの回転と並行して、原稿読み取り動作および製版動作が開始される。
この原稿読み取りに係る詳細な動作は、例えば特開平10−297074号公報明細書の段落番号(0064)に記載されている内容と略同じであり、原稿読み取りされた画像は最終的にCCD等の光電変換素子からなる画像センサにより光電変換される。画像センサにより光電変換された電気信号は、図示しないA/D変換装置に送信されることによりデジタル画像信号に変換される。スキャナが前述の色分解機能付きの場合には、次いで、デジタル画像信号は図示しない画像処理装置で、例えば1色目印刷ドラム1aで黒、2色目印刷ドラム1bで赤印刷する場合、黒画像に対応したデジタル画像信号および赤画像に対応したデジタル画像信号に分類されて、赤画像に対応したデジタル画像信号は図示しない画像メモリに一度格納される。
【0080】
一方、前記原稿読み取り動作と並行して、先ず1色目印刷ドラム1aで印刷するための黒画像に対応したデジタル信号化された画像信号に基づき、製版・給版ユニット10において製版・給版動作が行われる。
【0081】
すなわち、第1ステッピングモータ26が駆動されることにより、プラテンローラ16およびテンションローラ対18が回転を開始して、マスタロール13からマスタ12が引き出されつつ搬送され、図示しないソレノイド等を備えた可動ガイド板駆動手段がオンすることにより、可動ガイド板23は、図2(b)において実線で示すように、製版済みのマスタ12aを受け入れ貯容するタワミ形成位置を占め、これにより吸引ボックス21の上方が開放されて、製版済みのマスタ12aを導入するための前記吸引口が形成される。
【0082】
一方、説明が前後するが、プラテンローラ16およびテンションローラ対18の回転開始と同じ頃に、黒画像に対応したデジタル画像信号は図示しない製版制御装置を経由して処理されて送出される黒画像に対応したデジタルの画像データ信号に基づいて、サーマルヘッド15の発熱素子がパルス的に通電されて位置選択的に発熱され、マスタ12が画像情報に応じて位置選択的に加熱溶融され穿孔・製版される。
【0083】
前記吸引ファンモータが駆動されることにより吸引ファン22が回転し、これにより図2(b)において吸引ボックス21の内部における右側から左側へと向かう空気流が生じることで、静止状態にある2色目給版ローラ対19と回転・搬送状態にあるテンションローラ対18との間の製版済みのマスタ12aの部分が吸引ボックス21の内部に引き込まれながら貯留されていく。
【0084】
吸引ファン22の継続的な回転により、製版済みのマスタ12aは次々に吸引ボックス21内に引き込まれる形で吸引ボックス21に収納されながら製版が行われる。
【0085】
一方、第1ステッピングモータ26の所定ステップ数の駆動により、黒画像に対応したデジタルの画像データ信号の所定分についての製版動作が行われたと前記制御装置により判断されると、第2ステッピングモータ27が駆動されることにより、2色目給版ローラ対19、搬送ローラ28および1色目給版ローラ対29がそれぞれ回転を開始する。
【0086】
このときには、前述したように、切替可動ガイド板25は図2(b)に示すように反時計回り方向に揺動していて、1色目マスタ給送経路Maが既に形成されている。製版済みのマスタ12aの先端部は、2色目給版ローラ対19の回転駆動により2色目下ガイド板24Aと、2色目下ガイド板24Aの右端部と切替可動ガイド板25の左端部で形成されたガイド面と、切替可動ガイド板25とに案内されつつ搬送ローラ28に搬送される。搬送ローラ28まで搬送された製版済みのマスタ12aの先端部は、さらに搬送ローラ28回転駆動により中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cとに案内されつつ1色目給版ローラ対29に搬送される。1色目給版ローラ対29まで搬送された製版済みのマスタ12aの先端部は、さらに1色目給版ローラ対29の回転駆動により1色目ガイド下24Dに案内されて、給送タイミングを取られた上でステージと拡開したクランパ5aとの間に挿入される。2色目給版ローラ対19が所定の角度回転して、これに対応して第2ステッピングモータ27のステップ数(または第2ステッピングモータ27へのパルス数)がある設定値に達し、製版済みのマスタ12aの先端部がステージと拡開したクランパ5aとの間に届いたと判断されると、前記開閉装置によりクランパ5aが閉じられ、製版済みのマスタ12aの先端部がステージとクランパ5aとの間に挟持される。
【0087】
この1色目印刷ドラム1aへの製版済みのマスタ12aの給版時のマスタ搬送速度は、前述したように、2色目給版ローラ対19の周速度<搬送ローラ28の周速度<1色目給版ローラ対29の周速度の関係にあり、かつ、搬送ローラ28および1色目給版ローラ対29の上側の駆動ローラがスポンジゴム等の弾性体で形成されていて、搬送中の製版済みのマスタ12aに適度な張力(フロントテンション)を与えられ、少なくとも、製版済みのマスタ12aの先端部がステージとクランパ5aとの間にくわえられるまでは、2色目給版ローラ対19から搬送された製版済みのマスタ12aは緊張状態となり、1色目の製版済みのマスタ12aの給版時の給版位置精度を出すことができ、給版時の画像位置精度を確保できる。
【0088】
製版済みのマスタ12aの先端部のクランプ後、前記メインモータの駆動により1色目印刷ドラム1aが時計回り方向に回転を再開して、製版済みのマスタ12aが吸引ボックス21より引き出されながら2色目給版ローラ対19により搬送されて1色目印刷ドラム1aの外周面へ給版されるが、この1色目印刷ドラム1aの外周面への巻装時には巻装シワを発生させることなく行われる。このために、マスタ巻装時の1色目印刷ドラム1aの周速度は、1色目給版ローラ対29の周速度(マスタ搬送速度)よりも若干速めに設定することで、巻装されている製版済みのマスタ12aに適度な負荷を与えたりしてもよい。これにより、1色目給版ローラ対29と1色目印刷ドラム1aの外周面上との間の製版済みのマスタ12aには、適度なバックテンションが付与されることとなる。
【0089】
なお、印刷ドラム駆動部には、図示しない光透過型の光学センサとスリット円板等で構成されるエンコーダパルス発生装置が設けられており、その発生パルス数を図示しない制御回路にて検出・演算し、これから1色目印刷ドラム1aの外周の回転量を算出して、第1ステッピングモータ26のステップ数カウントにより算出した吸引ボックス21内に貯容されている製版済みのマスタ12aの長さを超えない範囲で、前記メインモータによる回転量を制御され、製版済みのマスタ12aは吸引ボックス21内でわずかながらタルミを維持するようになっている。
【0090】
第1ステッピングモータ26の所定ステップ数の回転駆動および第2ステッピングモータ27の所定ステップ数の回転駆動により、1版のマスタ12への製版および設定量の製版済みのマスタ12aの搬送が終了したと判断されると、第1ステッピングモータ26の駆動が停止されることにより、プラテンローラ16およびテンションローラ対18の回転が停止する。これと同時に、第2ステッピングモータ27の駆動が停止されることにより、2色目給版ローラ対19の回転が停止する。
これと同時的に、カッタ17が作動して製版済みのマスタ12aの後端が切断される。このとき、1色目印刷ドラム1aの回転によって製版済みのマスタ12aが吸引ボックス21より完全に引き出される前にカッタ17による製版済みのマスタ12aの切断が終了するようになっていて、製版済みのマスタ12aの後端部が引きちぎれたりしないような設定になっている。
そして、切断された製版済みのマスタ12aの後端が、1色目印刷ドラム1aの回転によって製版・給版ユニット10内および1色目マスタ給送経路Maから引き出され、1色目印刷ドラム1aの外周面に完全に巻き取られた段階で1色目印刷ドラム1aへの製版済みのマスタ12aの巻装が終了すると共に、吸引ボックス21の前記吸引口近傍に設けられた図示しないセンサ等により、製版済みのマスタ12aの残り等が判断される。
【0091】
なお、前述の動作説明では、マスタ12の先端が静止状態の2色目給版ローラ対19のニップで挟持されている前記初期位置を占めている状態で、マスタ12は吸引ボックス21に収納されながら製版が行われ、次いで2色目給版ローラ対19が回転駆動することにより、搬送ローラ28および1色目給版ローラ対29も回転駆動されることで、搬送ローラ28と1色目給版ローラ対29とは製版済みのマスタ12aに対してスリップし、給版時には2色目給版ローラ対19の送り制御で給版位置精度を出すような動作となっているが、次のような別の動作も可能である。
例えば、マスタ12の先端が1色目給版ローラ対29のニップ部を通過した後に、可動ガイド板23がタワミ形成位置に揺動・変位して、マスタ12を吸引ボックス21内に収納するようにし、その後、給送タイミングをとって2色目給版ローラ対19によって上述のように搬送制御を行うことも可能である。このような動作にすると、2色目給版ローラ対19、搬送ローラ28および1色目給版ローラ対29は、製版済みのマスタ12aに対して滑りを生じ、これにより製版済みのマスタ12aは緊張状態でプラテンローラ16で送られるので、送り精度が確保でき、給版時に1色目給版ローラ対29からクランパ5aに送られる際の製版済みのマスタ12aの先端位置精度を高められる。
【0092】
さらに別の動作例では、プラテンローラ16から1色目給版ローラ対29までの搬送距離がどうしても長くなるので、レイアウトによっては1色目印刷ドラム1aの排版動作および給版位置への停止動作が終了しても、製版済みのマスタ12aの先端が1色目給版ローラ対29のニップ部まで届かない場合がある。このようなレイアウトの場合には、製版済みのマスタ12aの先端部がステージと拡開したクランパ5aとの間に届くまでマスタ12を吸引ボックス21に収納せずに、プラテンローラ16で搬送される製版済みのマスタ12aに対して、2色目給版ローラ対19はトルクリミッタ(図示せず)によりテンションを与え、搬送ローラ28と1色目給版ローラ対29とをスリップさせることにより、製版済みのマスタ12aの先端の位置をプラテンローラ16の送り精度によって確保することも可能である。この場合、製版済みのマスタ12aの先端が位置決めされた後、2色目給版ローラ対19、搬送ローラ28および1色目給版ローラ対29を一旦停止させ、製版済みのマスタ12aの1色目印刷ドラム1aへの巻装に必要なタルミを吸引ボックス21に形成させ、タイミングをとって1色目印刷ドラム1aを回転させ、前述のような巻装を行うようになる。
【0093】
1色目印刷ドラム1aへの製版済みのマスタ12aの巻装が完了すると、直ちに、可動ガイド板23は次の製版に備えてタワミ形成位置から時計回り方向に揺動変位してガイド搬送位置を占める。これと同時に、切替可動ガイド板25は図2(a)に示すように時計回り方向に揺動して、2色目マスタ給送経路Mbを形成する。次いで、プラテンローラ16およびテンションローラ対18が回転を再開して、切断された次に製版されるべきマスタ12の先端が可動ガイド板23に案内されつつ2色目給版ローラ対19のニップ部に向けて送り込まれる。
この間に、2色目印刷ドラム1bが回転して、図2(a)に示す給版位置で停止され、クランパ5bが図示しない開閉装置により開放されて給版待機状態となる。
【0094】
次いで、2色目給版ローラ対19が回転して、次に製版されるべきマスタ12の先端が2色目給版ローラ対19のニップ部で挟持され前記初期位置を占める。そして、第1ステッピングモータ26および第2ステッピングモータ27へ供給したパルス数(または所定のステップ数)から、次に製版されるべきマスタ12の先端が前記初期位置を占めたと判断されると、可動ガイド板23は反時計回り方向に揺動変位してタワミ形成位置に復帰すると共に、第1ステッピングモータ26および第2ステッピングモータ27の駆動が一時停止される。
【0095】
次いで、前記画像メモリに格納されている2色目印刷ドラム1bで印刷するための赤画像に対応したデジタル画像信号を呼出しながら、赤画像に対応したデジタル信号化された画像信号に基づき、製版・給版ユニット10において製版・給版動作が前述したと同様に行われる。
赤画像に対応した製版・給版動作は、前述した黒画像に対応した製版・給版動作と比較して、「製版済みのマスタ12a」を「製版済みのマスタ12b」と、「黒画像に対応したデジタルの画像データ信号」を「赤画像に対応したデジタルの画像データ信号」と、「1色目印刷ドラム1a」を「2色目印刷ドラム1bと、「クランパ5a」を「クランパ5b」とそれぞれ読み替えるだけで容易に理解し実施することができるので、以下相違する給版時の動作のみについて説明する。
【0096】
すなわち、給版時においては、切替可動ガイド板25は図2(a)に示すように時計回り方向に揺動していて、2色目マスタ給送経路Mbが既に形成されている。したがって、2色目給版ローラ対19の回転駆動により、製版済みのマスタ12bの先端部は2色目下ガイド24Aの上面と切替可動ガイド板25の下面とで形成された2色目マスタ給送経路Mbに案内されて、2色目給版ローラ対19で給送タイミングを取られた上でステージと拡開したクランパ5bとの間に挿入される。2色目給版ローラ対19が所定の角度回転して、これに対応して第2ステッピングモータ27のステップ数(または第2ステッピングモータ27へのパルス数)がある設定値に達し、製版済みのマスタ12bの先端部がステージと拡開したクランパ5bとの間に届いたと判断されると、前記開閉装置によりクランパ5bが閉じられ、製版済みのマスタ12bの先端部がステージとクランパ5bとの間に挟持される。
【0097】
製版済みのマスタ12bの先端部のクランプ後、前記メインモータの駆動により2色目印刷ドラム1bが時計回り方向に回転を再開して、製版済みのマスタ12bが吸引ボックス21より引き出されながら2色目給版ローラ対19により搬送されて、2色目印刷ドラム1bの外周面への巻装動作が前述した1色目印刷ドラム1aの外周面への巻装動作と略同様に行われる。
【0098】
以上が色分解機能付きのスキャナが配設されている場合の各印刷ドラム1a,1bへの給版動作の説明である。
色分解機能のない単色スキャナの場合は、以下のようになる。まず、画像メモリを有する場合について説明する。前記ADFには、例えば2枚の原稿が前記原稿載置台にセットされており、予め、最初の原稿がどちらの印刷ドラム1a,1bで印刷されるのかが設定されているか、または設定可能となっている。この場合、最初の原稿は1色目印刷ドラム1aに、2枚目の原稿は2色目印刷ドラム1bにそれぞれ設定されているものとする。排版動作は前述したのと同様に行われ、1色目印刷ドラム1aおよび2色目印刷ドラム1bの回転と並行して原稿読み取り動作および製版動作が開始される。先ず、1枚目(最初)の原稿が前記ADFにて送出され、原稿読み取りが開始される。そして、並行して製版動作が行われ、前述と同様に1色目印刷ドラム1aへの給版動作が行われる。一方、1枚目の原稿読み取りが終了した後、引き続き2枚目の原稿が前記ADFから送り出されて読み取りが開始され、読み取られた画像データは前述のように前記画像メモリに格納される。
そして、1色目印刷ドラム1aへの製版済みのマスタ12aの巻装が終了すると、前記画像メモリから画像データが順次呼び出されながら、2色目印刷ドラム1bで印刷される画像が製版され始める。
この後の2色目印刷ドラム1bの給版位置への停止、2色目印刷ドラム1bへの給版動作は前述したのと同様に行われる。以上の動作によって、単色スキャナの場合の各印刷ドラム1a,1bへの給版が行われる。
【0099】
次に、前記画像メモリを持たない場合について説明する。
この場合、1色目印刷ドラム1aへの給版動作は、上述の動作と同様である。但し、1枚目の原稿の読み取りと製版とが終了しても、2枚目の原稿の前記ADFによる送出と読み取り動作は行われず待機状態となる。そして、1色目印刷ドラム1aへの製版済みのマスタ12aの巻装が終了して、2色目印刷ドラム1bの給版位置への回転が行われる際に、2枚目の原稿の前記ADFによる送出と読み取り、製版動作が開始されるようになる。以後の製版および給版動作は、前述したのと同様な動作となる。
【0100】
なお、前記ADFを有していない、例えば図示しないコンタクトガラス上にセットされた原稿の画像を読み取る原稿固定スキャナの場合、各印刷ドラム1a,1bへの給版動作は、上述の画像メモリを持たない場合と類似した動作となるが、1色目印刷ドラム1aへの製版済みのマスタ12aの巻装が終了した後、2色目印刷ドラム1bが給版位置に停止すると、図示しない操作パネル上のLCD(液晶表示装置)からなる液晶表示部上に次の原稿の載置を促す表示がなされ、原稿を入れ替えた後に、前記操作パネルの前記スタートキーを再度押下すると、2色目の原稿読み取りと製版・給版・巻装動作が実行されるようになる。
【0101】
2色目印刷ドラム1bへの製版済みのマスタ12bの巻装中に、給紙動作が行われる。呼出しコロ33に接触している最上位面の用紙32が、前記給紙モータの駆動により分離コロ34と共に呼出しコロ33が回転動作されることによって送り出されると共に、分離コロ34および分離パッド35の協働作用により1枚に分離され、図示しない上下一対のガイド板に案内されつつレジストローラ対36に向けて用紙搬送方向Xに給送される。このとき、給送された用紙32の先端は、レジストローラ対36のニップ部直前の部位に当接し、前記上部のガイド板に沿って撓んだ状態で停止している。
【0102】
一方、1色目印刷ドラム1aは、印刷動作が始まると印刷の回転速度で回転され始める。印刷ドラム1aの内周側では、インキ供給管2aからインキローラ3aとドクターローラ4aとの間に形成されたインキ溜まりIaに黒色のインキが供給され、その黒色のインキはインキローラ3aとドクターローラ4aとが回転することによって混練され伸ばされると共に、インキローラ3aの外周面に均一に付着するようになる。インキの残量は、前記したインキ検知手段によって検知され、インキが少なくなったときにはインキ供給管2aから補給される。こうして印刷ドラム1aの回転方向と同一方向に、かつ、1色目印刷ドラム1aの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ3aにより、黒色のインキが1色目印刷ドラム1aの内周側に供給される。このとき、2色目の印刷ドラム1b側でも、前記と略同様にして2色目印刷ドラム1bの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ3bにより、赤色のインキが2色目印刷ドラム1bの内周側に供給される。
【0103】
各印刷ドラム1a,1bへの製版済みのマスタ12a,12bの巻装が完了すると、給紙・印刷動作が開始される。前記レジストモータの駆動により、用紙32は、レジストローラ対36により1色目印刷ドラム1aの回転と同期した所定のタイミングをとられた後給送され、これとタイミングを合わせて紙くわえ胴6が反時計回り方向に回転して用紙くわえ位置を占める。紙くわえ胴6が用紙くわえ位置を占めると、紙くわえ胴6の用紙クランパ7が開かれ、用紙32の先端を突き当てた後、用紙32の先端部をくわえる(クランプする)。次いで、用紙クランパ7が閉じられ、紙くわえ胴6の外周面に用紙32が保持されたまま紙くわえ胴6がさらに反時計回り方向に回転され、1色目印刷ドラム1aと紙くわえ胴6との間の印刷部(ニップ部)に用紙32が送り込まれる。1色目印刷ドラム1aと紙くわえ胴6との前記ニップ部は、前記ユニット接離手段に具備されている緊縮性の印圧バネ(図示せず)の付勢力によって加圧されており、これにより用紙32は1色目印刷ドラム1aの外周面上に巻装されている製版済みのマスタ12aに押圧される。この押圧の際に、インキローラ3aにより1色目印刷ドラム1aの内周面に供給された黒色のインキは、1色目の製版画像が形成された製版済みのマスタ12aの穿孔部分を通過して滲み出し、この滲み出たインキが用紙32の表面に転移されて、黒色の印刷画像が形成される。
【0104】
黒色の印刷画像が形成された用紙32を保持した紙くわえ胴6がさらに反時計回り方向に回転されることで、黒色の印刷画像が形成された用紙32は2色目印刷ドラム1bと紙くわえ胴6との間の印刷部(ニップ部)に回転・搬送される。2色目印刷ドラム1bと紙くわえ胴6との前記ニップ部は、前記ユニット接離手段に具備されている緊縮性の印圧バネ(図示せず)の付勢力によって加圧されており、これにより黒色の印刷画像が形成された用紙32は2色目印刷ドラム1bの外周面上に巻装されている製版済みのマスタ12bに押圧される。この押圧の際に、インキローラ3bにより2色目印刷ドラム1bの内周面に供給された赤色のインキは、2色目の製版画像が形成された製版済みのマスタ12bの穿孔部分を通過して滲み出し、この滲み出た赤色インキが黒色の印刷画像が形成された用紙32の表面に転移されて、黒色および赤色の2色の印刷画像が形成される。
【0105】
2色の印刷画像が形成された印刷済みの用紙32は、紙くわえ胴6がさらに反時計回り方向に回転して用紙排出位置を占めることにより、前記した図示しない排紙爪の手前で用紙クランパ7が開くことにより、前記排紙爪に乗り上げて剥離され、排紙搬送ユニット41の吸引ファンにより吸引されつつ、下方に位置する搬送ベルト上に排出される。搬送ベルト上の印刷済みの用紙32は、吸引ファンで搬送ベルト上に吸引されつつ吸着排紙出口ローラの回転によって搬送され、排紙台43上に排出されていわゆる版付け印刷が終了する。この版付け印刷により排出された印刷物は正規の印刷物としてカウントされない。
【0106】
版付け印刷終了後、オペレータ等は排出された印刷物を適宜目視して、通常の正規の印刷動作を行ってもよいかどうかを適宜判断し、画像品質の確認や画像位置の確認等を適宜行う。そして、これらがオーケーであれば、オペレータ等が前記操作パネルに配設されているテンキー(図示せず)で印刷枚数を設定し、プリントキー(図示せず)を押すことにより、正規の印刷動作(工程)が始まり、前記版付けと同様の給紙、印刷および排紙の各工程が設定した印刷速度で設定した印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0107】
したがって、第1の実施形態では、前述した諸利点の他に、次の利点も得られる。
製版・給版ユニット10と各排版ユニット50a,50bとは前記した所定の位置に配置されていることにより、従来のような移動を行う必要がなく、切替可動ガイド板25を前記ソレノイド等の前記アクチュエータによって動作させるだけで、1色目マスタ給送経路Maおよび2色目マスタ給送経路Mbのうちの何れか一方に切り替えて各印刷ドラム1a,1bヘ製版済みのマスタ12a,12bを供給することができるので、1色目印刷ドラム1aへの給版と2色目印刷ドラム1bへの給版とを短時間で切り替えを行うことができ、これによりファースト・プリントタイムを短縮することができる。
また、切替可動ガイド板25を前記ソレノイド等の前記アクチュエータによって動作させるだけで、1色目マスタ給送経路Maおよび2色目マスタ給送経路Mbのうちの何れか一方に切り替えて各印刷ドラム1a,1bヘ製版済みのマスタ12a,12bを供給することができるので、各印刷ドラム1a,1bに着版する際の給版位置精度を高めることができる。
【0108】
なお、多色孔版印刷装置100の製版・給版動作は、以下に説明する動作に限定されず、さらにファースト・プリントタイムを短縮化する上から次のようなものであってもよい。すなわち、1色目の製版済みのマスタ12aの給版動作の前に、2色目の製版済みのマスタ12bの製版動作を行い、かつ、各マスタ12の製版開始後においてプラテンローラ16を停止することなく各製版済みのマスタ12b,12aを連続的に搬送する動作例を挙げることができる。
このような例の場合、1色目給版のタイミング上待ち時間が必要な場合には(例えば2色目印刷ドラム1bの排版と定位置停止動作を行う上での待ち時間)、製版済みのマスタ12aの先端が1色目給版ローラ対29にくわえられた後に、1色目給版ローラ対29を停止して、中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cとで形成される中間ガイド部分に、製版済みのマスタ12aの貯容ができるような貯容空間を設けて、製版済みのマスタ12aを一旦前記貯容空間に貯容して、引き続いて2色目印刷ドラム1bへ製版済みのマスタ12bを給版するための製版を開始して、その後、タイミングを取って1色目印刷ドラム1aに給版してもよい。
【0109】
なお、マスタ12の先端の初期位置は、前述したようにマスタ12の先端が2色目給版ローラ対19のニップ部を少し出た位置に設定したものに限らず、例えばマスタ12を節約する上から、テンションローラ対18のニップ部より少し出た位置等に設定し、この初期位置から搬送させるような実施形態例であっても構わない。
(第2の実施形態)
図3に、第2の実施形態を適用した多色孔版印刷装置200を示す。この第2の実施形態の多色孔版印刷装置200は、第1の実施形態の多色孔版印刷装置100と比較すると、紙くわえ胴6に代えて、プレスローラ38aを備えた印圧装置37aおよびプレスローラ38bを備えた印圧装置37bを有すること、印圧装置37aで印刷された印刷済みの用紙32を印刷ドラム1aから分離・剥離するエアーナイフ42aを付設したこと、印圧装置37aと印圧装置37bとの間に配置され印圧装置37aで印刷された印刷済みの用紙32を印圧装置37bに搬送する中間搬送装置としての中間搬送ユニット55aを付設したこと、印圧装置37bで印刷された印刷済みの用紙32を2色目印刷ドラム1bから分離・剥離するエアーナイフ42bを付設したことが主に相違する。
なお、印圧装置37aと印圧装置37bとは、およびエアーナイフ42aとエアーナイフ42bとは、動作タイミング等を除き、それぞれ同一の機能および構成を有しているため、それらを同一符号の末尾に符号aまたはbを付加することで区別することとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明を省略する。
【0110】
印圧装置37aは、1色目印刷ドラム1aの下方に配置され給送されてくる用紙32を1色目印刷ドラム1a上の製版済みのマスタ12aに押し付けることにより印刷を行うものである。印圧装置37bは、2色目印刷ドラム1bの下方に配置され給送されてくる用紙32を2色目印刷ドラム1b上の製版済みのマスタ12bに押し付けることにより印刷を行うものである。
印圧装置37aは、前記したインキローラ3a、印圧ローラとも呼ばれるプレスローラ38a、後述する図示を省略した、プレスローラブラケット、プレスローラテンションおよびプレスローラカムから主に構成されている。
プレスローラ38aは、給送されてきた用紙32を印刷ドラム1a上の製版済みのマスタ12aに押し付けて印刷画像を用紙32上に形成する押圧手段としての機能を有する。前記プレスローラブラケット、前記プレスローラテンションおよび前記プレスローラカムの各構成・機能は、例えば特開平10−297074号公報の図1に示されている構成および同公報明細書の段落番号(0073)に記載されているものと同様であるため、それらの図示および説明を省略する。
【0111】
エアーナイフ42aは、用紙32が1色目印刷ドラム1aの外周面に貼り付いて巻き上がるのを防止するために、その先端部がノズルになっている。エアーナイフ42aのノズルには、図示しない空気圧発生装置のポンプから用紙32の先端の搬送と同期して圧縮空気流が高速で吐出され、用紙32の先端部に吹き付けられるようになっている。エアーナイフ42aは、エアーナイフ軸を中心に1色目印刷ドラム1aの外周面に近接して用紙32の先端部を1色目印刷ドラム1aの外周から剥離・分離する分離位置と、この分離位置から離間した非分離位置とに揺動可能となっている。すなわち、エアーナイフ42aは、クランパ5aとエアーナイフ42aの先端が干渉しないように1色目印刷ドラム1aの回転と同期して揺動する。
【0112】
中間搬送ユニット55aは、従動ローラ56aと駆動ローラ57aとの間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト58aと、吸引ファン59aとで主に構成されている。中間搬送ユニット55aの搬送ベルト58aは、1色目印刷ドラム1aの周速度と略同じ搬送速度で1色目印刷ドラム1aと同期して駆動されるようになっている。
【0113】
第2の実施形態によれば、紙くわえ胴6を用いることなく、外径の小さな各プレスローラ38a,38bを用いて印刷を行う方式であるので、印刷装置全体の高さ方向の寸法をさらに短縮して、印刷装置全体の高さをさらに低く抑えることができる。また、紙くわえ胴6を有することによる前記した各利点(小サイズの用紙32を使用可能にすること、用紙32に対する印刷レジスト精度の向上、画像濃度の安定および印刷時の静音化等)はそれ程得られないものの、比較的簡素な構成で安価にできる。
【0114】
次に、多色孔版印刷装置200の動作を説明する。
多色孔版印刷装置200の動作は、印刷動作を除き、第1の実施形態における多色孔版印刷装置100の動作と同様である。また、多色孔版印刷装置200の基本的な印刷動作は、例えば特開平10−297074号公報明細書の段落番号(0071)ないし(0072)および段落番号(0074)ないし(0080)に記載されているものと略同様であり、これらから極めて容易に理解して実施することができるので、その詳細な動作説明を省略する。
(第3の実施形態)
図4および図5に、第3の実施形態を適用した多色孔版印刷装置300を示す。この第3の実施形態を示す多色孔版印刷装置300は、第1の実施形態の多色孔版印刷装置100と比較すると、2色目印刷ドラム1bの左方ないし上方近傍に配置された1つの製版・給版ユニット10に代えて、相隣る印刷ドラム1a,1bの何れか一方の側、すなわち1色目印刷ドラム1aの右方ないし上方近傍に配置され、マスタ12を製版し各製版済みのマスタ12a,12bを各印刷ドラム1a,1bに給版する1つの製版・給版装置としての製版・給版ユニット60を有することが主に相違する。
【0115】
また、多色孔版印刷装置300は、製版・給版ユニット60の前記配置位置の変更に伴い、製版・給版ユニット60の下方に近接して排版ユニット50aを配置したこと、および2色目印刷ドラム1bの左方近傍に排版ユニット50bを配置したことも付随した相違点である。
【0116】
製版・給版ユニット60は、給版方式として、各製版済みのマスタ12a,12bの先端を反転させて各印刷ドラム1a,1bに給版する、いわゆる反転ローラ給版方式を採用していることを特徴としている。
製版・給版ユニット60は、製版・給版ユニット10と比較して、2色目給版ローラ対19に代えて、テンションローラ対18よりもマスタ給送経路Mの下流側に配設され、1色目印刷ドラム1aに向けて製版済みのマスタ12aを給送する第1のマスタ搬送手段としての1色目給版ローラ対61を有すること、1色目給版ローラ対29に代えて、1色目給版ローラ対61よりもマスタ給送経路Mの下流側に配設され、2色目印刷ドラム1bに向けて製版済みのマスタ12bを給送する第2のマスタ搬送手段としての2色目給版ローラ対63を有すること、切替可動ガイド板25に代えて、1色目給版ローラ対61と2色目給版ローラ対63との間のマスタ給送経路Mに配設され、マスタ給送経路Mを切り替えて各印刷ドラム1a,1bに製版済みのマスタ12a,12bを供給するマスタ給送経路切替手段としての切替可動ガイド板62を有すること、2色目下ガイド板24Aに代えて、1色目ガイド板上24Eを有すること、1色目ガイド板下24Dに代えて、2色目反転ガイド板24Fを有することが主に相違する。
製版・給版ユニット60のうちの給版部の構成は、1色目給版ローラ対61、切替可動ガイド板62、搬送ローラ28、1色目ガイド板上24E、中間ガイド上24B、中間ガイド下24C、2色目給版ローラ対63および2色目反転ガイド板24Fから構成されている。
【0117】
1色目給版ローラ対61は、反転ローラ対とも呼ばれ、製版済みのマスタ12aの先端を反転させて1色目印刷ドラム1aに給版すべく、上側の1色目給版ローラ61(駆動ローラ)を下側の1色目給版ローラ61(従動ローラ)に対してマスタ給送経路Mの下流側に少し傾斜させて設けられている。これと同様に、2色目給版ローラ対63は、反転ローラ対とも呼ばれ、製版済みのマスタ12bの先端を反転させて2色目印刷ドラム1bに給版すべく、上側の2色目給版ローラ63(駆動ローラ)を下側の2色目給版ローラ63(従動ローラ)に対してマスタ給送経路Mの下流側に少し傾斜させて設けられている。1色目給版ローラ対61および2色目給版ローラ対63は、前記した以外は2色目給版ローラ対19および1色目給版ローラ対29と同様である。
【0118】
1色目給版ローラ対61の上側の1色目給版ローラ61は、図5(a),(b)に示すように、第1ステッピングモータ26とは独立した第2ステッピングモータ27に連結されていて、これにより時計回り方向に回転駆動される。1色目給版ローラ対61は、第2ステッピングモータ27によって、プラテンローラ16の周速度(マスタ搬送速度)よりも速い周速度(マスタ搬送速度)で回転するように設定されていて、マスタ12との間で滑りながら適度のフロントテンションをマスタ12に付与するようになされている。マスタの初期位置は、1色目給版ローラ対61のニップ部で挟持された状態から少し前下方へはみ出した位置に設定されている。
【0119】
切替可動ガイド板62は、板金で形成されていて、1色目ガイド板上24Eと平行に形成された本体ガイド板部と、本体ガイド板部の自由端に略円弧状をなして一体形成された1色目反転ガイド部62bと、図4および図5の紙面の手前側および奥側に折り曲げ形成されたアーム部62aとからなる。一対のアーム部62aの基端部は、搬送ローラ28の軸28aの両端部に緩く揺動自在に支持されている。これにより、切替可動ガイド板62の1色目反転ガイド部62bおよび前記本体ガイド板部(以下、単に「切替可動ガイド板62」というときがある)は、軸28aを中心として揺動自在になっている。
切替可動ガイド板62は、ソレノイド等のアクチュエータおよびバネ等の付勢手段の組み合わせ駆動機構(図示せず)によって、軸28aを中心として、図5(a)に示す反時計回り方向に揺動して1色目ガイド位置を、図5(b)に示す時計回り方向に揺動して2色目ガイド位置をそれぞれ占めるように駆動される。前記アクチュエータをプル型のソレノイドとした場合、前記ソレノイドのプランジャは、図示しない圧縮コイルバネを巻着している。図5(a),(b)において、前記ソレノイドは切替可動ガイド板62の下方側に設けられていて、前記プランジャの先端部は、例えば切替可動ガイド板62の1色目反転ガイド部62b寄りの部位に連結される。
【0120】
切替可動ガイド板62およびその駆動機構が前述した構成である場合、切替可動ガイド板62の動作は、次のようになる。
例えば、前記ソレノイド等の前記アクチュエータがオンすることにより、切替可動ガイド板62は前記バネ等の付勢手段の付勢力に抗して、軸28aを中心として図5(b)に示す時計回り方向に揺動変位して、図5(b)に示す2色目ガイド位置を占める。これと反対に、前記ソレノイド等の前記アクチュエータがオフすることにより、切替可動ガイド板62は前記バネ等の付勢手段の付勢力によって、軸28aを中心として図5(a)に示す反時計回り方向に揺動変位して、1色目ガイド位置を占める。これにより、1色目給版ローラ対61と1色目反転ガイド部62bとにより、1色目給送経路Maが形成される。
【0121】
1色目ガイド板上24Eは、切替可動ガイド板62と共に2色目給送経路Mbを形成すべく配設されている。中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cは、この第3の実施形態では切替可動ガイド板62により切替・案内されつつ、搬送ローラ28によりマスタ給送経路Mの下流側にスルー搬送された2色目の製版済みのマスタ12bの先端を、2色目給版ローラ対63に案内する。
2色目反転ガイド板24Fは、板金で略円弧状に形成されている。2色目反転ガイド板24Fは、2色目給版ローラ対63のマスタ給送経路Mの下流側近傍に配設され、2色目給版ローラ対63により給送される製版済みのマスタ12bの先端を偏向・反転させて2色目印刷ドラム1bに案内する。
【0122】
切替可動ガイド板62および搬送ローラ28よりもマスタ給送経路Mの下流側には、中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cが配置されている。中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cは、例えば板金でできていて、互いに平行に配置されている。
【0123】
2色目給版ローラ対63は、中間ガイド上24Bおよび中間ガイド下24Cに隣るマスタ給送経路Mの下流側に配設されている。2色目給版ローラ対63は、その上側が駆動ローラであり、下側が従動ローラである。2色目給版ローラ対63の上側の前記駆動ローラは、その外周部がスポンジゴム等の弾性体からできていて、図示しない金属製の軸と一体的に形成されている。2色目給版ローラ対63は、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えられて圧接して設けられていて、その図示しない各軸の両端部が前記製版側板対に回転自在に支持されていることにより互いに反対方向に回転自在となっている。
【0124】
2色目給版ローラ対63の上側の駆動ローラは、図示しないベルトやギヤ等の回転伝津手段を介して第2ステッピングモータ27に連結されていて、これにより時計回り方向に回転駆動される。2色目給版ローラ対63は、搬送ローラ28の周速度(マスタ搬送速度)よりも速い周速度で回転駆動されるように、前記回転伝達部材によりその減速比が設定されている。
【0125】
前述したとおり、2色目給版ローラ対63(第2のマスタ搬送手段)と1色目給版ローラ対61(第1のマスタ搬送手段)との間の2色目給送経路Mb上の製版済みのマスタ12bに張力を付与する張力付与手段は、2色目給版ローラ対63の前記回転伝達部材、搬送ローラ28の前記回転伝達部材および1色目給版ローラ対61の前記回転伝達部材から主に構成されている。
【0126】
なお、製版・給版時のマスタ給送量の制御構成については、第1の実施形態と略同様になされる。すなわち、1色目給版ローラ対61により1色目印刷ドラム1aヘ製版済みのマスタ12aを供給するとき、給版時のマスタ給送量は1色目印刷ドラム1aのクランパ5aまでのマスタ給送経路長に合わせて、前記制御装置からの第2ステッピングモータ27へ供給する各パルス数でそれぞれ制御される。2色目給版ローラ対63により2色目印刷ドラム1bヘ製版済みのマスタ12bを供給するとき、給版時のマスタ給送量は2色目印刷ドラム1bのクランパ5bまでのマスタ給送経路長に合わせて、前記制御装置からの第2ステッピングモータ27へ供給する各パルス数でそれぞれ制御される。
【0127】
なお、1色目給版ローラ対61の駆動機構は、前述したものに限らず、専用の第2ステッピングモータ27に代えて、第1の実施形態で説明したと同様に、プラテンローラ16等を回転駆動する第1ステッピングモータ26によって、図示しない電磁クラッチを介して1色目給版ローラ対61を回転駆動してもよい。 図4ではスキャナユニット45の図示を省略しているが、スキャナユニット45は、例えば製版・給版ユニット60における給版部側の上方ないし2色目印刷ドラム1bの上方に亘って配置される。
【0128】
この第3の実施形態では、1色目給版ローラ対61近傍に配設された切替可動ガイド板62の1色目反転ガイド部62bを、前記ソレノイドおよびバネ等で作動させて、1色目の製版済みのマスタ12aをそのまま1色目印刷ドラム1aに給版するか、2色目の製版済みのマスタ12bをスルーさせて2色目印刷ドラム1bに給版するかどうかを切り替え制御を行うものである。前述したとおりの多色孔版印刷装置300の装置・ユニット配置構成、および製版・給版時のマスタ給送量の制御構成により、第3の実施形態でも第1の実施形態と同様の諸利点を得ることができる。
【0129】
多色孔版印刷装置300の動作は、多色孔版印刷装置100の動作と比較して、前述した製版・給版ユニット60の特有な配置構成に伴う製版・給版動作の一部が相違するだけであり、前述した装置・ユニットの細部の配置構成、および製版・給版時のマスタ給送量の制御構成等に基づいて極めて容易に実施できるから、これ以上の説明を省略する。
なお、1色目反転ガイド部62bのみを切替可動ガイド板62から分離して、分離した1色目反転ガイド部62bのみを、1色目給版ローラ対61の下側ローラの軸心を中心として回転可能に支持して、前述のソレノイド等で動作させ、切替可動ガイド板62の本体部を固定した状態にする実施形態例も可能である。
(第3の実施形態の変形例)
図6に、第3の実施形態の変形例を適用した多色孔版印刷装置300’を示す。この多色孔版印刷装置300’は、第3の実施形態の多色孔版印刷装置300と比較すると、各印刷ドラム1a,1bは、本体フレーム101に対して着脱自在かつ回転自在に支持される印刷ドラムユニット77a,77bをそれぞれ構成していること、および製版・給版ユニット60に代えて、本体フレーム101内に装着された各印刷ドラムユニット77a,77bとの干渉を避けて配置された構成要素を備えた製版・給版ユニット60’を有することが主に相違する。
【0130】
本体フレーム101側は、各印刷ドラムユニット77a,77bに対応して、各印刷ドラムユニット77a,77bを着脱自在に支持するための本体側レール76a,76bをそれぞれ有する。
一方、各印刷ドラムユニット77a,77bは、本体側レール76a,76bに係合して本体フレーム101に着脱されるための被係合レール部78a,78bと、各印刷ドラムユニット77a,77bを把持するための図示しない取っ手とをそれぞれ有する。このような印刷ドラムユニット77a,77bの着脱機構は、例えば特開平8−300796号公報の図4等に示されているものや、特開平10−109470号公報の図1ないし図5に開示されているものと同様であるため、これ以上の説明を省略する。
【0131】
印刷ドラムユニット77aと印刷ドラムユニット77bと、本体側レール76aと本体側レール76bとは、それぞれ同一の機能および構成を有しているので、それらを同一符号の末尾に符号aまたはbを付加することで区別することとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明を省略する。
【0132】
製版・給版ユニット60’は、図4および図5に示した製版・給版ユニット60と比較して、本体フレーム101内に装着された印刷ドラムユニット77aとの干渉を避けて配置された各構成要素、すなわち、マスタ給送経路Mに代えて、マスタ給送経路M’を有すること、1色目給版ローラ対61に代えて、1色目給版ローラ対61’を有すること、切替可動ガイド板62に代えて、1色目反転ガイド部62b’を備えた切替可動ガイド板62’を有すること、1色目ガイド板上24Eに代えて、1色目ガイド板上24E’を有すること、中間ガイド上24Bに代えて、中間ガイド上24B’を有すること、中間ガイド下24Cに代えて、中間ガイド下24C’ を有すること、2色目給版ローラ対63に代えて、2色目給版ローラ対63’を有すること、および2色目反転ガイド板24Fに代えて、2色目反転ガイド板24F’ を有することが相違する。
【0133】
ここでも、1色目給版ローラ対61’近傍に配設され、揺動・変位自在な円弧状の1色目反転ガイド部62b’を備えた切替可動ガイド板62’を、前記ソレノイド等のアクチュエータ等で切替作動させて、被係合レール部78aや本体側レール76aの上方の干渉を避けた位置にある切替可動ガイド板62’、1色目ガイド板上24E’や中間ガイド上・下24B’,24C’によって、2色目の製版済みのマスタ12bを1色目印刷ドラム1aをスルー(通過)させて2色自印刷ドラム1bに給版することができる。
このように、多色孔版印刷装置300’では、色替えや用紙32のジャム処理等のために各印刷ドラムユニット77a,77bを交換できる多色印刷装置の構成を有しており、この変形例においても実施形態3と同様の諸利点を確保できることは明らかである。
(第4の実施形態)
図7に、第4の実施形態を適用した多色孔版印刷装置400を示す。この第4の実施形態の多色孔版印刷装置400は、図3に示した多色孔版印刷装置200の印刷方式と同様のものを用紙搬送方向Xに2列に配置すると共に、図4に示した多色孔版印刷装置300の製版・給版ユニット60だけを、相隣る印刷ドラム1a,1bの何れか一方の側、すなわち1色目印刷ドラム1aの右方ないし上方近傍に配置したことを特徴とするものである。
【0134】
この第4の実施形態の説明では、用紙搬送方向Xに2列に配置された多色孔版印刷装置200の印刷方式と同様の構成を区別するために、図7において左側に配置された装置、ユニットの符号の末尾に符号b,c,dを適宜付加して識別することとし、その細部の説明を省略する。
すなわち、第4の実施形態では、図3に示した多色孔版印刷装置200に、相隣る印刷ドラム1c,1dを新たに付加したこと、およびこれに伴い印刷ドラム1b,1c,1d周辺のユニット・装置、つまり排版ユニット50c,50d、中間搬送ユニット55b,55c、印圧装置37c,37d等を付加したものである。
【0135】
印刷ドラム1c,1dは、印刷ドラム1a,1bと略同様の構成を有し、そのインキ供給手段により供給されるインキ色のみ異なるものである。第4の実施形態におけるマスタ12の製版は、それぞれに合った周知の色分解や色指定によって製版されるようになされていることは言うまでもない。
第4の実施形態によれば、前述したような4つの印刷ドラム1a,1b,1c,1dおよびそれに対応した印圧装置37a,37b,37c,37d等を具備しているから、第2の実施形態の諸利点を確保しながら、1回の通紙で4色印刷が可能な多色孔版印刷装置400とすることができる。
【0136】
なお、図1および図2に示した第1の実施形態の多色孔版印刷装置100を利用して、第4の実施形態と類似の考えのもとに、多色孔版印刷装置100と同様の構成のものを用紙搬送方向Xに2列に配置して、2つの紙くわえ胴6の間で用紙32の受け渡しを行わせ、1回の通紙で4色印刷できるように構成することも可能ではある。また、これに限らず、図1および図2に示した第1の実施形態の多色孔版印刷装置100と同様の構成のものを用紙搬送方向Xの上流側に配置すると共に、多色孔版印刷装置100における用紙搬送方向Xの下流側に、図3に示した第2の実施形態の多色孔版印刷装置200と同様の印刷方式の構成を配置するようにしてもよい。前述したような構成を組み合わせた印刷装置も、本発明に基づいて想定できる範囲内のものに過ぎない。
【0137】
第1ないし第4の実施形態等において、製版するためのデータは、前記したようにスキャナユニット45で読み取ったデータでも、あるいはコンピュータ等で作成されたデータであってもよい。
第1ないし第4の実施形態や第3の実施形態の変形例に示した多色孔版印刷装置100,200,300,300’,400を構成する前記各ユニット・各装置等の構成およびその配置状態は、あくまでもその一例を示したものであり、他の全ての均等な公知のユニット・装置を種々の配置状態をもって構成したり、公知のユニット・装置を付加してもよいことは言うまでもない。
【0138】
このような均等な例として、例えば各印刷ドラム1a,1b,1c,1dの構成を挙げて説明すると、各印刷ドラム1a,1b,1c,1dは、前述したようなインキ通過性の多数かつ微細な開孔部(図示せず)が形成された金属製の支持円筒体(図示せず)と、その外周面に巻き付けられた樹脂もしくは金属製のメッシュスクリーン層(図示せず)との2層構造からなるものに限定されず、例えば、特開平1−204781号や、特開平3−197078号あるいは特開平3−254984号公報等に開示されているような金属製スクリーンのいわゆる中押しローラ方式のものであってもよい。
また、例えば製版・給版ユニット10,60,60’や排版ユニット50a,50bの排版ボックス53a,53b等を本体フレーム101に対して着脱自在に構成することも勿論可能である。
【0139】
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、前述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、前述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規な印刷装置を提供することができる。請求項毎の効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、相隣る各印刷ドラムの何れか一方の側に配置された1つの製版・給版装置により、マスタを製版し製版済みのマスタを各印刷ドラムに給版するので、従来のような移動機構も必要なくなり低コストになると共に、マスタ給送経路切替手段により、製版済みのマスタの給送経路を切り替えて、各印刷ドラムヘ製版済みのマスタを供給するので、例えば従来のような原版供給装置と排版回収装置との移動がなくなり、製版済みのマスタを複数の印刷ドラムに着版するまでの時間を短縮化できて、ファースト・プリントタイムを短くすることができ、かつ、移動機構の位置決め精度低下による給版位置精度低下も回避できて、複数の印刷ドラムに着版する際の給版位置精度を高めることができ、なおかつ、マスタ給送経路切替手段よりもさらに給送経路の下流側に配設された少なくとも1つの第2のマスタ搬送手段を有することにより、製版・給版装置の配置側の印刷ドラムと対向して配置された印刷ドラムに製版済みのマスタを安定的かつ確実に給送することができて、ジャム等の防止もできることは元より、第1のマスタ搬送手段と第2のマスタ搬送手段との間の給送経路上の製版済みのマスタに張力を付与する張力付与手段により、給送経路上の製版済みのマスタが張力を付与された状態で搬送されるので、給送経路を切り替えても、製版・給版装置の配置側の印刷ドラムと対向して配置された印刷ドラムへの給版位置精度を確保できる。
【0141】
請求項2記載の発明によれば、少なくとも製版・給版装置の下方に、印刷ドラム上の使用済みのマスタを剥離し収納する1つの排版装置を配置したことにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、製版・給版装置側の排版装置を製版済みのマスタの給送経路の上に配置する必要がなくなるので、印刷装置全体の高さを低く抑えることができると共に、給版・排版時の動作に障害がなくなる。
【0146】
請求項3記載の発明によれば、原稿読取装置を、製版・給版装置のマスタ貯容手段の上方が開放空間となるように、マスタ貯容手段を避けた上方に配置したので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、マスタ(例えばマスタロール等)交換性やマスタのジャム処理等が良くなると共に、たとえ製版・給版装置の高さが高くなっても印刷装置全体の高さを低く抑えることができる。また、原稿読取装置の移動機構などが不要で、低コストになる。
【0147】
請求項4記載の発明によれば、マスタ貯容手段の上方および/または側方を開放できるようにしたので、請求項3記載の発明の効果に加えて、さらに、マスタ(例えばマスタロール等)交換性やマスタのジャム処理等に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す多色孔版印刷装置の断面を含む概略的な正面図である。
【図2】(a)は、第1の実施形態において、切替可動ガイド板がマスタ給送経路を2色目給送経路に切り替えている動作を示す要部の正断面図を、(b)は、第1の実施形態において、切替可動ガイド板がマスタ給送経路を1色目給送経路に切り替えている動作を示す要部の正面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す多色孔版印刷装置の断面を含む概略的な正面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す多色孔版印刷装置の断面を含む概略的な正面図である。
【図5】(a)は、第3の実施形態において、切替可動ガイド板がマスタ給送経路を1色目給送経路に切り替えている動作を示す要部の正断面図を、(b)は、第3の実施形態において、切替可動ガイド板がマスタ給送経路を2色目給送経路に切り替えている動作を示す要部の正面図である。
【図6】第3の実施形態の変形例を示す多色孔版印刷装置の断面を含む概略的な正面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を示す多色孔版印刷装置の断面を含む概略的な正面図である。
【符号の説明】
1a (1色目)印刷ドラム
1b (2色目)印刷ドラム
5a,5b マスタ保持手段としてのクランパ
6 押圧手段としての紙くわえ胴
10,60、60’ 製版・給版装置としての製版・給版ユニット
11 マスタ貯容手段としてのマスタ支持部材
12 マスタ
12a,12b 製版済みのマスタ
15 製版手段としてのサーマルヘッド
19 第1のマスタ搬送手段としての2色目給版ローラ対
20 製版済マスタ貯容手段としてのマスタストック装置
25 マスタ給送経路切替手段としての切替可動ガイド板
26 第1ステッピングモータ
27 第2ステッピングモータ
29 第2のマスタ搬送手段としての1色目給版ローラ対
30 給紙装置
32 用紙
38a,38b,38c,38d 押圧手段としてのプレスローラ
40 排紙装置
45 原稿読取装置としてのスキャナユニット
46 開閉カバー
50a,50b 排版装置としての排版ユニット
61 第1のマスタ搬送手段としての1色目給版ローラ対
62 マスタ給送経路切替手段としての切替可動ガイド板
63 第2のマスタ搬送手段としての2色目給版ローラ対
76a,76b 本体側レール
77a,77b 印刷ドラムユニット
100,200,300,300’,400 印刷装置の一例としての多色孔版印刷装置
101 印刷装置本体としての本体フレーム
M マスタ搬送経路
Ma マスタの給送経路としての1色目給送経路
Mb マスタの給送経路としての2色目給送経路
X 用紙搬送方向
Claims (4)
- 複数の印刷ドラムを有する印刷装置において、
相隣る前記各印刷ドラムの何れか一方の側に配置され、マスタを製版し製版済みのマスタを前記各印刷ドラムに給版する1つの製版・給版装置と、
製版済みのマスタの給送経路を切り替えて、前記各印刷ドラムヘ製版済みのマスタを供給するマスタ給送経路切替手段と、
前記製版・給版装置の配置側の前記印刷ドラムに製版済みのマスタを給送すべく、前記給送経路の下流側に配設された第1のマスタ搬送手段と、
前記製版・給版装置の配置側の前記印刷ドラムと対向して配置された前記印刷ドラムに製版済みのマスタを給送すべく、前記マスタ給送経路切替手段よりもさらに前記給送経路の下流側に配設された少なくとも1つの第2のマスタ搬送手段と、
第1のマスタ搬送手段と第2のマスタ搬送手段との間の前記給送経路上の製版済みのマスタに張力を付与する張力付与手段とを有し、
前記給送経路上の製版済みのマスタが、前記張力付与手段により張力を付与された状態で搬送されることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
少なくとも前記製版・給版装置の下方に、前記印刷ドラム上の使用済みのマスタを剥離し収納する1つの排版装置を配置したことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1または2記載の印刷装置において、
前記製版・給版装置は、マスタを繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段を有し、前記マスタ貯容手段の上方が開放空間となるように、前記マスタ貯容手段を避けた上方に原稿読取装置を配置したことを特徴とする印刷装置。 - 請求項3記載の印刷装置において、
前記マスタ貯容手段の上方および/または側方を開放できるようにしたことを特徴とする印刷装置。
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