JP4532650B2 - 版付け装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、版付け装置に関し、さらに詳しくは、印刷ドラム上の製版済みのマスタに印刷用紙を供給することなく、印刷ドラムに製版済みのマスタを密着させる版付け手段を有していて版付け動作が可能である版付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、例えば特開平11−208085号公報において、低価格でダウンサイジングが可能であり、かつ、高い給版レジスト精度が得られる多色印刷方法および多色印刷システムに係る新規な技術を提案した。
すなわち、前記特開平11−208085号公報で開示した技術では、図16に平面視で模式的に示すように、マスタを給排版可能で印刷ドラムが着脱自在に設けられる製版装置としての単一印刷ドラム交換型の孔版印刷装置Aと、複数の印刷ドラムが着脱自在に設けられると共にマスタの給排版機能を含む製版構成を有していない多色印刷装置としての孔版印刷装置Bと、両装置A,B間で相互使用可能な複数の印刷ドラム89a,89bとで多色印刷システムを構成するものであった。
【0003】
そして、各印刷ドラム89a,89bを孔版印刷装置Aに順次装着してマスタを巻装する給版工程終了後、このマスタが巻装された印刷ドラム89a,89bと印刷ドラム89a,89bの外周面を押圧する押圧手段としてのプレスローラとの間に、給紙手段により印刷用紙を所定のタイミングで送って「版付け印刷」を行い、この「版付け印刷工程」終了後、孔版印刷装置Bに装着して「通常の印刷」(ここでは例えば黒色と赤色との多色印刷である)を行う。つまり、前記技術は、多色印刷装置と、給版装置、給紙装置および排紙装置等を含む製版装置とを分離し、単一印刷ドラム交換型の孔版印刷装置Aで製版装置および給版装置を共用化したものと言える。孔版印刷装置A、Bは、それぞれ図16に破線で示すように、印刷ドラム89aまたは89bを装着するためのドラム装着部A1、B1、B2を備えている。
【0004】
ここで、「版付け印刷」もしくは「版付け印刷工程」あるいは「版付け印刷動作」とは、印刷ドラム上の製版済みのマスタ(ときには未製版のマスタも含む)にインキを充填してそのマスタを印刷ドラムの外周面に密着させるために、通常、正規の印刷の前に製版給版直後に印刷用紙を供給してその印刷用紙に印刷を行う印刷動作を意味する。
また、単に「版付け」もしくは「版付け工程」あるいは「版付け動作」というときには、本願発明のように印刷用紙を供給することなく、印刷ドラム上の製版済みのマスタ(ときには未製版のマスタも含む)にインキを充填してそのマスタを印刷ドラムの外周面に密着させる動作を意味するものとする。以下、後述する発明の実施の形態を含め、「版付け印刷」もしくは「版付け印刷工程」あるいは「版付け印刷動作」と、「版付け」もしくは「版付け工程」あるいは「版付け動作」とを区別して用いることとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した多色印刷システムにおける単一印刷ドラム交換型の孔版印刷装置Aでは、印刷用紙を用いてこれに版付け印刷を行っていたため、損紙(以下、「ヤレ紙」というときがある)が発生してしまい、印刷用紙の無駄遣いをしていたという問題点があった。また、孔版印刷装置Aは、給紙装置および排紙装置(以下、「給・排紙部」というときがある)を具備しているため、装置構成として大型化すると共に、高価であるという問題点も有していた。
【0006】
そこで、本発明は、多色印刷システムにおける多色印刷装置等のような半ば印刷専用機のために版付けを行う場合、印刷用紙の無駄遣いをすることがなく、また給・排紙部等を不要とすることで小型化を図れると共に、軽量、安価となる新しい版付け装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記諸問題点を解決するために、各請求項記載の発明では以下のような特徴ある構成を採っている。
請求項1記載の発明は、装置本体に対して着脱自在な印刷ドラムと、印刷ドラム内に配設されたインキ供給手段と、製版済みのマスタを前記印刷ドラムに給版する給版部と、前記印刷ドラムに製版済みのマスタを密着させる版付け手段とを有し、給紙部および排紙部を有しない版付け装置であって、前記印刷ドラム上の製版済みのマスタに印刷用紙を供給することなく版付け動作が可能であることを特徴とする。
【0008】
ここで、印刷ドラムを装置本体に対して着脱自在とするための着脱手段としては、例えば実開昭61−85462号公報の第1図ないし第4図に示されている技術構成や、実開昭64−46258号公報の第1図および第2図等に示されている技術構成や、特開平5−229243号公報記載の図2および図3に示されている保持手段36および版胴装置55や、特開平6−71998号公報の図3等に示されている技術構成や、特開平6−293175号公報の図1等に示されている技術構成あるいは特開平7−1817号公報の図2等に示されている技術構成等を用いることができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の版付け装置において、前記印刷ドラム上の使用済みのマスタを排版する排版部を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の版付け装置において、画像情報に応じてマスタを製版する製版部を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の版付け装置において、原稿の画像を読み取ることにより前記画像情報を生成する原稿画像読取部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の版付け装置において、前記版付け装置の外部から前記画像情報を受信する受信部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の版付け装置において、前記版付け手段は、前記印刷ドラムに製版済みのマスタを押し付けるマスタ押圧部材であることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の版付け装置において、前記マスタ押圧部材は、非インキ付着性の材料で形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の版付け装置において、前記マスタ押圧部材をクリーニングするクリーニング手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の版付け装置において、前記マスタ押圧部材は、前記印刷ドラムの外径よりもその外径が小さい版付けローラからなり、前記クリーニング手段は、製版済みのマスタを介して前記版付けローラの前記印刷ドラムへの押圧時には、前記版付けローラに接触してクリーニングすることを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の版付け装置において、前記版付け手段は、前記印刷ドラムに製版済みのマスタを押し付ける送風を発生する送風手段であることを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか一つに記載の版付け装置において、複数のマスタを使用可能な複数のマスタ貯容手段を有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。上述した従来例および各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等については、同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない部材や構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき部材や構成部品であっても、その図において特別に説明する必要がない部材や構成部品は適宜断わりなく省略することがある。
(実施形態1)
図1は、第1の実施形態(以下、「実施形態1」という)における版付け装置NAを示している。この版付け装置NAは、図16に示したような従来の多色印刷システムのように既存の給・排紙部一体型の孔版印刷装置Aを流用するのではなく、図1に示すように、給・排紙部を含む印刷構成を有せず、版付け部100、原稿画像読取部200、製版部300、給版部350および排版部400を具備したいわば製給排版・版付け専用機とも呼ぶべき構成を有していることが特徴である。
版付け装置NAは、前記した特徴ある構成を有することにより、後で詳述するように印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に印刷用紙を供給することなく版付け動作が可能となっており、図16に示した既存の孔版印刷装置Aと比較して、小型化が図られていると共に、軽量、安価に構成されている。
【0020】
説明の都合上から、版付け装置NAの細部構成を説明する前に、本実施形態1において版付け装置NAを具備して構成されている多色印刷システムについて、図2および図3を参照して説明しておく。この多色印刷システムは、図2および図3に示すように、版付け装置NAと、この版付け装置NAと分離して存在する複数ドラム方式の孔版印刷装置Bと、これらの装置NA,B間で相互使用可能な2本の印刷ドラム89a,89bとから概略構成されている。
版付け装置NAは、各印刷ドラム89a,89bへマスタを巻装・給版後版付けしたり、マスタを巻装・給版しながら版付けしたりすることのできる装置であり、孔版印刷装置Bは、2つの印刷ドラム89a,89bを装着して例えば黒、赤の2色を同時に印刷することができる同時多色印刷装置である。
版付け装置NAおよび孔版印刷装置Bは、それぞれ、図2に破線で示すように、印刷ドラム89aまたは89bを装着したり離脱したりするためのドラム装着部NA1、B1、B2を備えている。各ドラム装着部NA1、B1、B2は、例えば実開昭61−85462号公報記載の第1図ないし第4図に示されている版胴支持装置と同様の構造を有する。したがって、前記実開昭61−85462号公報にも示されているように、各印刷ドラム89a,89bはユニット化されている。
【0021】
孔版印刷装置Bは、給紙部、排紙部構成を含む印刷構成のみで、原稿画像読取部、排版部および製版部の各構成を有していない。このため、孔版印刷装置Bは前記特開平11−208085号公報記載の孔版印刷装置Bと略同様にコンパクトな構成となっている。なお、給紙部、排紙部、原稿画像読取部、排版部、製版部、給版部の各用語は、それぞれ、給紙装置、排紙装置、原稿画像読取装置、排版装置、製版装置、給版装置と同義であることを付言しておく。
本実施形態1では、版付け装置NAを新規に創作し、これに孔版印刷装置Bを付加してシステムを構成している。
印刷ドラム89a,89bへのマスタの巻装・給版および版付けは、版付け装置NAのみで行われ、孔版印刷装置Bではマスタを巻装・版付けされた印刷ドラム89a,89bを装着して印刷のみを行うようになっている。
【0022】
本実施形態1における多色印刷システムの使い方を以下概略的に説明する。
先ず、図3(a)に示すように、黒インキを内蔵した印刷ドラム89aを孔版印刷装置Bから外し、版付け装置NAに装着する(▲1▼)。版付け装置NAでは、印刷ドラム89aから使用済みのマスタを剥離し(排版)、次に黒の印刷を行うための画像情報としての画像データによりマスタに穿孔し(製版)、印刷ドラム89aの外周面に巻装する(給版)。
次に、図1に示す版付け部100で版付け動作を行う。版付け動作とは、印刷ドラムに製版済みのマスタを密着する動作を意味し、より詳しく言えば、新規のマスタを巻装直後はマスタにインキが充分に拡散しないために、版付け手段としてのマスタ押圧部材により印刷ドラム外周面を押圧してインキをマスタへ拡散させ、印刷可能な状態にするための動作である。新規なマスタが巻装され版付けされた印刷ドラム89aを版付け装置NAから外し、孔版印刷装置Bのドラム装着部B1へ装着する(▲2▼)。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、赤インキを内蔵した印刷ドラム89bを孔版印刷装置Bから外し、版付け装置NAへ装着する(▲3▼)。前述のように版付け装置NAでは、印刷ドラム89bから使用済みのマスタを剥離し、次に赤の印刷を行うための画像情報としての画像データによりマスタに穿孔し、印刷ドラム89bの外周面に巻装する。
新規なマスタが巻装された印刷ドラム89bを、上述したと同様の版付け動作をした後版付け装置NAから外し、孔版印刷装置Bのドラム装着部B2の位置へ装着する(▲4▼)。次に、孔版印刷装置Bにおいて印刷必要枚数をテンキー(図示せず)等により指定し、印刷スタートキー(図示せず)を押すと、黒と赤の画像が重ね印刷されて排紙・積載される。
【0024】
以下、図1、図4および図5を参照して、版付け装置NAの細部構成について説明する。
版付け装置NAは、図1に示すように、略中央に位置する印刷ドラム89aと、この印刷ドラム89aの内部に配設されたインキ供給手段96と、印刷ドラム89aの上方に配設され、原稿1の画像を読み取ることにより画像情報としての画像データを生成する原稿画像読取部200と、この原稿画像読取部200の上方に配設されたADF(オートドキュメントフィーダ)2と、印刷ドラム89aの右上方に配設され、画像データ信号に応じてマスタ59を製版する製版部300と、この製版部300で製版された製版済みのマスタ59を印刷ドラム89aに給版する給版部350と、印刷ドラム89aの左上方に配設され、印刷ドラム89a上の使用済みのマスタ59を排版する排版部400と、印刷ドラム89aの下方に配設され、印刷ドラム89aに製版済みのマスタ59を密着させるための版付け手段等を備え、版付け動作を行う版付け部100と、図1に符号のみ示すドラム装着部NA1等とを具備している。
上述したように、本実施形態1では「版付け装置」と「版付け部」との用語を明確に区別して使用するものとし、「版付け装置」とは、少なくとも版付け部を含む他、原稿画像読取部、製版部、給版部、排版部を適宜組み合わせて含む広い概念用語である。これは後述する実施形態や変形例等でも同様である。
【0025】
ADF2は、図示しない原稿受台に積載載置された複数枚の原稿1を順次1枚ずつ積載位置から読み取り位置へ搬送する。ADF2を使用しないときは、これを持ち上げ、コンタクトガラス3の上に直接原稿1を置けるようになっている。
原稿画像読取部200は、原稿1の画像面からの反射光を折り返し反射する走査ミラー5、走査ミラー5の1/2の速度で移動する光路折り返しミラー対6、結像レンズ7、この結像レンズ7で結像され通過した画像の反射光を順次画像信号に変換するCCD(電荷結合素子)等からなる画像センサ8、および原稿1の画像面に光を照射する蛍光灯4等を備えている。
なお、原稿画像読取部200には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能及び構成を有するものが、原稿画像読取部200に配置されているミラー群と結像レンズ7との間の光路上に配設されていて、同公報記載と同様の自動製版等の動作を行うようになっており、その詳しい説明は省略する。
【0026】
印刷ドラム89aは、周知の多孔性円筒状をなし、インキ供給管93を兼ねるドラム軸93の周りに回動自在に支持されている。印刷ドラム89aは、ドラム軸93の中心軸線方向に延在して設けられていて、図4に示すような印刷インキ通過性の多数かつ微細な開孔部89cが形成された金属製の支持円筒体と、この支持円筒体の外周面に巻き付けられ、その外周面にインキを保持、拡散し、押圧によりインキを吐出する層としての多孔質弾性体層(図示しない樹脂もしくは金属製のメッシュスクリーン層)との2層構造となっている。なお、図1では、支持円筒体と多孔質弾性体層とを1つの実線で表示している。
前記支持円筒体には、クランパ90aの周辺を除くその円周上の所定の範囲にわたり開孔部89cが形成された印刷可能領域と、開孔部89cが形成されていない印刷インキ不通過性の非印刷領域とが形成されている。非印刷領域は前記支持円筒体の両側端縁部にも設けられている。
【0027】
図1の紙面奥側に配設されている本体側板には、例えば特開平11−138961号公報の図6に示されているものと同様の、印刷ドラム89aのホームポジションを検知するためのホームポジションセンサ(図示せず)が設けられている。また、印刷ドラム89aの紙面奥側の端板(図示せず)には、その端板から外側に突出して、前記ホームポジションセンサと選択的に係合する遮光板(図示せず)が設けられている。印刷ドラム89aのホームポジションとしては、クランパ90aが図1の略真下に位置する初期位置に設定されている。
【0028】
印刷ドラム89aは、ドラム駆動手段としてのメインモータ98により時計回りおよび反時計回り方向に回転駆動される。メインモータ98は、好ましくは例えばDCモータからなる。本実施形態1のメインモータ98は、従来の孔版印刷装置Aのように高速印刷したり、給紙部の給紙ローラやレジストローラ対に連結してこれらの部材を駆動させたりする必要がないので、小型・軽量でかつ安価なものとなっている。それ故に、メインモータ98は、DCモータに限らず、ステッピングモータでも好ましい。
本実施形態1では、前記ホームポジションセンサは図示しない制御装置に接続されていて、前記ホームポジションセンサからの出力信号に基づいて、印刷ドラム89aの絶対回転角を計算して印刷ドラム89aの回転位置を求めることにより、ホームポジションや後述する排版位置あるいは給版位置等を求めることができるから、このような制御構成によって印刷ドラム89aの停止位置制御を行うことができるようになっている。
【0029】
印刷ドラム89a外周部の一母線上には、図1に示すように、マスタ59の先端部をクランプする開閉自在なクランプ手段が設けられている。このクランプ手段は、印刷ドラム89aの外周面の母線に沿って設けられたステージと、このステージに対向する部位に配置され、クランパ軸により揺動可能に支持されたクランパ90aとから構成されている。クランパ90は、印刷ドラム89aの外周周りの適宜の位置(例えば給版位置や排版位置の近傍)に配設されている図示しない開閉手段により所定位置で開閉される。
【0030】
製版部300は、マスタ59を芯管58の周りにロール状に巻いて形成されたマスタロール61からマスタ59を繰り出し自在に支持するマスタ貯容手段としてのマスタ支持部材60と、マスタ59をマスタロール61から引き出しつつ画像データ信号に応じて加熱穿孔する、サーマルヘッド63とプラテンローラ62とから主になる製版手段と、プラテンローラ62の下流側に配置され、マスタ59を所定の長さに切断する回転移動刃64と固定刃65とを備えたカッタとから主に構成されている。
プラテンローラ62は、その回転軸を、版付け装置NAの本体側であって、図1の紙面手前側および奥側に配設されたに一対の側板(図示せず)に回転自在に支持されており、同側板に固設された図示しないステッピングモータにより回転駆動される。
【0031】
サーマルヘッド63は、プラテンローラ62の回転軸に沿って平行に延在して設けられており、図示しない接離機構によってプラテンローラ62に対してマスタ59を介して接離自在となっている。サーマルヘッド63は、上述の原稿画像読取部200の画像センサ8および図示しない画像処理回路で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づきマスタ59を選択的に加熱溶融し穿孔する周知の機能を有する。
【0032】
回転移動刃64は、図示しないモータにより図1の奥行き方向(図面用紙厚み方向)に固定刃65に接しながら移動し、マスタ59を切断する。
マスタ59としては、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムに多孔質支持体(ベース)として和紙等を貼り合わせたマスタが用いられている。マスタ59は、前記のものに限らず、非常に薄い実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものや、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ(その厚さが約1〜8μm)程ではないが、前記従来のマスタ59(その厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚さ20〜30μm)、かつ、ベースにおける合成繊維の混抄率が高いマスタ、例えば極端に合成繊維の混抄率が高いポリエチレンテレフタレート(PET)100%からなるベースを有する合成繊維ベースマスタを用いることも可能である。
【0033】
マスタ支持部材60は、前記一対の側板に、芯管58内に進入してマスタロール61を回転自在に支持する回転支持位置と芯管58内から退いた退避位置との間で進退自在に設けられている。これにより、マスタロール61は、芯管58に対して着脱自在になされている。
【0034】
給版部350は、印刷ドラム89aに配設された前記クランプ手段と、前記カッタの下流側に配設され、製版部300の前記製版手段で穿孔製版された製版済みのマスタ59を印刷ドラム89aの前記クランプ手段ヘ向けて搬送するテンションローラ対66,67とから主に構成されている。
テンションローラ対66,67の上側のテンションローラ66は、図示を省略したギヤあるいは無端ベルトとベルトプーリ等の回転伝達手段によって、プラテンローラ62を回転駆動する前記ステッピングモータに連結されている。
なお、テンションローラ対66,67を回転駆動する手段は、前記したものに限らず、プラテンローラ62を回転駆動する前記ステッピングモータとは別の独立したステッピングモータによって駆動してもよい。
【0035】
インキ供給手段96は、印刷ドラム89aの内周面にインキを供給するインキローラ92と、このインキローラ92とわずかな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ92との間にインキ溜まり95を形成するドクターローラ91と、インキ溜まり95へインキを供給するインキ供給管93とから主に構成されている。
インキは、印刷ドラム89aの適宜の位置に配置された図示しないインキパックからインキポンプにより圧送され、インキ供給管93を介してインキ溜まり95へ供給される。インキ溜まり95に供給されるインキは、その量を図示しないインキ量測定手段により測定され、インキポンプによってインキ圧送量をコントロールされる。インキは、例えばエマルションインキ系のものが好ましく使用されるが、勿論これに限られるものではない。
【0036】
インキローラ92は、アルミニウム、ステンレスなどの金属またはゴムなどにより形成され、図示しないギヤ列により印刷ドラム89aと共に時計回り方向に回転する。インキローラ92と印刷ドラム89aとの回転速度の比は、所定の値に設定されている。ドクターローラ91は、鉄やステンレスなどの金属で形成され、図示しないギヤ列により反時計回り方向に回転する。ドクターローラ91と印刷ドラム89aとの回転速度の比も所定の値に設定されている。
【0037】
排版部400は、上方排版ローラ41、下方排版ローラ42、上方搬送ベルト45、下方搬送ベルト46、上方搬送ローラ43、下方搬送ローラ44、排版ボックス47、圧縮板48等から主に構成されている。
【0038】
上方排版ローラ41は、排版部400の側板に回転可能に支持されていて、図示しない駆動装置により時計回り方向に回転できるようになっている。上方排版ローラ41が回転すると、上方搬送ベルト45を介して上方搬送ローラ43も回転するようになっている。
【0039】
下方排版ローラ42は、上方排版ローラ41の回転軸端に設けられたギヤ列によって従動回転されるようになっていて、上方排版ローラ41の時計回りの回転と同時に反時計回りに回転するようになっている。下方排版ローラ42が回転すると、下方搬送ベルト46を介して下方搬送ローラ44も回転するようになっている。
【0040】
また、下方排版ローラ42は、上方排版ローラ41の回転中心軸を中心に図の左右方向に揺動可能に支持されていて、図示しない駆動手段によって適宜のタイミングで図示されている位置から印刷ドラム89aの外周面へ当接する位置(二点鎖線で示す位置)まで移動される。すなわち、下方排版ローラ42の外周面は、印刷ドラム89aの外周面と接離自在となっている。
【0041】
上方搬送ローラ43、下方搬送ローラ44の下流に、排版ボックス47が配設されている。排版ボックス47の上方には、図示しない昇降手段により上下動される圧縮板48が配設されている。
排版動作の際に、上方排版ローラ41と下方排版ローラ42とによって挟持され図の左方向へ搬送される使用済みのマスタ59は、排版ボックス47に収納される。その後に圧縮板48は図示された位置から下方に移動して使用済みのマスタ59を圧縮する。
排版ボックス47は、図示された位置から図の左方向において版付け装置NAの外へ取り出し可能となっていて、排版ボックス47内に適量版数の圧縮された使用済みのマスタ59を廃棄することができるようになっている。
【0042】
版付け部100は、図1、図4および図5に示すように、印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59を押し付けて印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59を密着させることが可能な版付け位置と(図4(a)に示す)この版付け位置から離間した非版付け位置(図4(b)に示す)とこの非版付け位置からさらに若干離間した後述する係止位置(図示せず)との間で揺動変位自在なマスタ押圧部材としての版付けローラ11(版付け手段)と、この版付けローラ11を版付け位置と非版付け位置との間で変位させる接離手段10と、版付けローラ11を係止位置に保持したり版付けローラ11を係止位置から解除するための係止手段73と、版付けローラ11の近傍に配設され、版付けローラ11の外周面をクリーニングするクリーニング手段9とから主に構成されている。
【0043】
版付けローラ11は、非インキ付着性、耐インキ腐食性および耐クリーナー溶液性の材料である、例えばシリコーンゴムでできていて、印刷ドラム89aの外径よりもその外径が小さく形成されている。ここで、非インキ付着性の材料とは、インキが完全に付着しない材料を含む他、インキの付着しにくい材料も含む。版付けローラ11は、その幅方向の寸法が印刷ドラム89aで使用可能なマスタ59の幅方向の寸法よりも少なくとも長くなるように設定されていて、本実施形態1では印刷ドラム89aの幅方向の寸法と略同じ長さに形成されている。版付けローラ11は、その軸11aに一体的に形成されていて、軸11aを介して、ローラアーム13の一端に回転自在に支持されている。
版付けローラ11は、非インキ付着性かつ耐インキ腐食性のものであれば前記したものに限らず、例えばフッ素ゴム製等のものであってもよい。なお、インキの付き難さという点ではシリコーンゴム製のものよりもフッ素ゴム製のものの方が優れており、この点から本実施形態1のようにクリーニング手段9を備えていない版付けローラ11単独で用いられる場合(請求項7参照)にあっては、フッ素ゴム製のものが好ましい。本実施形態1のようにクリーニング手段9を備えている場合では、インキ付着後におけるインキ除去のし易さという点および現在時点における価格の点からシリコーンゴム製のものが好ましいと言える。
【0044】
クリーニング手段9は、版付けローラ11の外周面に当接して版付けローラ11の外周面を清掃するクリーニングウェブ17と、このクリーニングウェブ17を介して版付けローラ11に当接するバックアップローラ12と、クリーニングウェブ17を版付けローラ11の外周面に当接すべく供給するウェブ供給ロール18と、使用済みのクリーニングウェブ17を巻き取るウェブ巻取ロール19と、使用済みのクリーニングウェブ17を巻き取る方向にウェブ巻取ロール19を回転させる巻取モータ20とから主に構成されている。
【0045】
バックアップローラ12は、その軸12aに一体的に形成されていて、軸12aを介して、ローラアーム13の一端に回転自在に支持されている。バックアップローラ12は、耐インキ腐食性を有する材料である、例えばシリコーンゴムでできていて、版付けローラ11の幅寸法と略同じ寸法に形成されている。
【0046】
クリーニングウェブ17は、版付けローラ11の外周面に当接・摺接することにより、版付けローラ11の外周面に付着したインキ等の汚れを取る特性を有するクリーナー溶液を含浸させた布状の薄葉部材で形成されている。クリーナー溶液としては、実施例的に言えば、例えば版付けローラ11のシリコーンゴム層を腐食させたりしない性質を有する中性洗剤溶液や、アルコール、ベンジン、灯油、軽油、ガソリン等の石油類等が用いられる。
クリーニングウェブ17の材料は、前記したものに限らず、版付けローラ11を腐食させるようなものを除き、クリーニングできる材料ならば何でもよく、例えば版付けローラ11の外周面上に付着したインキを吸収する特性を有し、その取り扱いが容易なインキ吸収性の薄葉材料で形成してもよい。
【0047】
ウェブ供給ロール18は、クリーニングウェブ17が芯管18Aの周りに巻かれて形成されている。クリーニングウェブ17の先端部は、ウェブ巻取ロール19の芯管19Aに予め貼着・固定されていて、ウェブ供給ロール18およびウェブ巻取ロール19は前記したようにクリーニングウェブ17を介して連結された状態で、版付け装置NAの本体側における図4(a),(b)の紙面手前側および奥側に配置された一対の側板(図示せず)に着脱自在になっている。すなわち、前記一対の側板には、ウェブ供給ロール18の芯管18A内に嵌入して、ウェブ供給ロール18を回転自在に支持するための供給ロール支持部材18Bが配設されている。供給ロール支持部材18Bは、前記一対の側板において、芯管18A内に進入してウェブ供給ロール18を回転自在に支持する位置と芯管18A内から退いた位置との間で進退自在に設けられている。これにより、ウェブ供給ロール18は、供給ロール支持部材18Bに対して着脱自在になされていて、クリーニングウェブ17がウェブ供給ロール18から繰り出し可能となっている。
【0048】
一方、前記一対の側板には、ウェブ巻取ロール19の芯管19Aに嵌入・嵌合して、ウェブ巻取ロール19を反時計回り方向に回転自在に支持するための巻取ロール支持部材19Bが配設されている。巻取ロール支持部材19Bは、前記一対の側板に、芯管19A内に進入・嵌合してウェブ巻取ロール19を回転自在に支持する回転嵌合位置と芯管19A内から退いた退避位置との間で進退自在に設けられている。これにより、ウェブ巻取ロール19は、巻取ロール支持部材19Bに対して着脱自在になされている。巻取ロール支持部材19Bの図4(a)の奥側端部には、巻取モータ20の出力軸に固設された図示しない駆動ギヤと選択的に噛み合う従動ギヤ(図示せず)が奥側の前記側板に回転自在に支持されていて、巻取モータ20の回転駆動力が巻取ロール支持部材19Bと嵌合している状態のウェブ巻取ロール19に伝達されるようになっている。
【0049】
ウェブ巻取ロール19に巻き取られるクリーニングウェブ17の移動速度(線速度)は、製版済みのマスタ59との押圧動作を介して印刷ドラム89aの回転によって従動回転する版付けローラ11の周速度よりも遅く設定されている。これは、インキ等の粘着性物質に対するウェブクリーニング方式では、版付けローラ11に付着した汚れを拭い取る形態となるため、版付けローラ11の周速度に対して積極的に速度差を設けていることによる。したがって、版付けローラ11の汚れを除去できる範囲で、クリーニングウェブ17の移動速度を版付けローラ11の周速度よりも遅く設定するのが好ましく、これは同時にクリーニングウェブ17の節約にもつながる。
【0050】
巻取モータ20は、図4(a)に示すように、クリーニングウェブ17を、版付けローラ11が従動回転する反時計回り方向に対してカウンター方向となる同図の左方へ移動するようにウェブ巻取ロール19を回転駆動する。
【0051】
接離手段10は、図4および図5に示すように、その一端側で版付けローラ11およびバックアップローラ12を回転自在に支持すると共に、その他端側に回動自在なカムフォロア14を備え、支軸13Aを中心に揺動可能なローラアーム13と、版付けローラ11を常に印刷ドラム89aの外周面に圧接する向きに付勢する付勢手段としての引張コイルバネ16と、印刷ドラム89aの回転と同期して回転駆動され、カムフォロア14と選択的に接触することにより各ローラアーム13を介して版付けローラ11を非版付け位置に変位させるためのカム15と、このカム15を回転させるカム駆動モータ71とから主に構成されている。
ローラアーム13、カムフォロア14、引張コイルバネ16およびカム15は、図4および図5において紙面の手前側および奥側に、それぞれ同一の位相で、かつ、それぞれ同一の形状をなして一対配設されている。以下、説明の簡明化を図るため特に断わらない限り、一対のローラアーム13,13、一対のカムフォロア14、14、一対の引張コイルバネ16,16および一対のカム15、15のうちの片側について説明することとする。なお、図4(a),(b)は、図1と同様に版付け装置NAの手前正面から版付け部100を見た図であり、図5は、版付け装置NAの奥側から版付け部100を見た図である。
【0052】
ローラアーム13は、例えば板金でできていて、図4および図5では簡略化して表しているが必要な強度を確保するために図示を省略した適宜の折り曲げ形状を形成される。各ローラアーム13,13は、その一端が二股状に分岐した形状をなし、その一端側上部で版付けローラ11の軸11aの両端部を、その一端側下部でバックアップローラ12の軸12aの両端部をそれぞれ回転自在に支持している。各ローラアーム13,13は、図4および図5における紙面の手前側および奥側に配設されている図示しない一対の側板の内側に配置されている。各ローラアーム13,13は、その略中央部位において支軸13Aで固定・連結されていて、同一位相をもって同時に揺動変位する。ローラアーム13の他端側には、ローラ付きのカムフォロア14が設けられている。また、ローラアーム13の他端には、突出爪13Aが形成されていて、この突出爪13aは後述する係止部材76と係脱可能となっている。支軸13Aの両端部は、各ローラアーム13,13から外側に突出・延在していて、前記一対の側板に所定角度回動自在に支持されている。
【0053】
引張コイルバネ16は、その一端がローラアーム13の一端側に係止され、他端が前記側板に係止されている。
各カム15,15は、その両端部が前記一対の側板に回転自在に支持されたカム軸15Aにより連結されていて、同一位相をもって同時に回転する。カム軸15Aの端部は、装置奥側のカム15からさらに奥側に突出・延在していて、押圧ギヤ70に取付け・固定されている。押圧ギヤ70は、装置奥側の前記側板に回転自在に支持されている。押圧ギヤ70は、装置奥側の前記側板に取付けられたカム駆動モータ71の出力軸端に固設されたピニオン72と噛み合うことによりその回転駆動力を伝達され、カム駆動モータ71によって印刷ドラム89aと同期して回転駆動される。
【0054】
版付けローラ11の外周面とバックアップローラ12の外周面とは、クリーニングウェブ17を介して互いに当接するように、版付けローラ11の軸11aとバックアップローラ12の軸12aとの間に図示しないバネ等の付勢手段が設けられている。また、版付けローラ11の外周面とバックアップローラ12の外周面との間にクリーニングウェブ17を挿通させやすいように、版付けローラ11の外周面に対してバックアップローラ12の外周面を離間させることができるようになっている。
【0055】
このバックアップローラ12を離間させる構造は、図4には示していないが、例えば、バックアップローラ12の軸の両端部を図示しない転がり軸受を介して回転自在に支持している各ローラアーム13の一端部の支持孔を、上下方向に長い長孔状に形成すると共に、前記バネ等の付勢手段を版付けローラ11およびバックアップローラ12の前記各転がり軸受のアウターレースに着脱自在に設けておけば容易に構成できる。
なお、前記バネ等の付勢手段の付勢力は、版付けローラ11が製版済みのマスタ59を介して印刷ドラム89aの外周面に圧接して従動回転する従動動作に支障とならない程度に弱く設定されている。接離手段10は、これに限らず、例えばカムフォロア14やカム15を図5における紙面手前側のみに設けたものでも構わない。
【0056】
図5において、ローラアーム13の左側には、係止手段73が配設されている。係止手段73は、係止部材76、ソレノイド77および引張コイルバネ75等から主に構成されている。
係止部材76は、略L字形状をなす板状の部材であり、その曲折部において支持軸74に揺動自在に支持されている。支持軸74は、前記側板に植設されている。係止部材76の一端76aには、引張コイルバネ75の一端部が係合されており、引張コイルバネ75の他端部は、前記側板に取り付けられている。これにより、係止部材76には、図5において支持軸74を中心に反時計回り方向の付勢力が与えられている。係止部材76の一端76aには、ソレノイド77のプランジャ77aの先端部が軸78を介して可動自在に取付けられている。ソレノイド77は、プル型を使用しており、前記側板に取付け・固定されている。
これにより、係止部材76は、支持軸74の中心と一端76a側の軸78の中心とを結ぶが線分が略水平となるようにソレノイド77、引張コイルバネ75、支持軸74によって支持されている。係止部材76の他端76bは、その曲折部より下方に向けて延出しており、その上部側縁部には切欠部76cが形成されている。この切欠部76cには、ローラアーム13の突出爪13aが係脱自在となっている。
【0057】
前述した構成のとおり、係止手段73のソレノイド77に通電してこれをオンすることにより、接離手段10を作動させることとなり、後述する詳細動作を介して版付けローラ11が版付け位置を占める。これによって、版付けローラ11は印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59を連続的に押し付けながら従動回転する。ソレノイド77への通電を遮断してこれをオフすることにより、接離手段10を非作動にさせることとなり、後述する詳細動作を介して版付けローラ11が非版付け位置からさらに離れた係止位置を占める。ソレノイド77は、図示しない制御装置によりオン/オフ制御される。
【0058】
次に、図6を参照して、孔版印刷装置Bの細部構成について説明する。
孔版印刷装置Bは、略中央に2つの印刷ドラム89a,89bを装着できるようになっており、印刷ドラム89aの右下方に配設された給紙部500と、印刷ドラム89aの下方に配設されたプレスローラ34a等を備え、給紙部500から給送されてくる印刷用紙22を印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に押し付けることにより印刷を行う印圧部31aと、印圧部31aで印刷された印刷済みの印刷用紙22を印刷ドラム89aから分離・剥離するエアーナイフ87aと、印刷ドラム89bの下方に配設されたプレスローラ34b等を備え、給送されてくる印刷用紙22を印刷ドラム89b上の製版済みのマスタ59に押し付けることにより印刷を行う印圧部31bと、印刷ドラム89aと印刷ドラム89bとの間に配設された中間搬送装置700と、印圧部31bで印刷された印刷済みの印刷用紙22を印刷ドラム89bから分離・剥離するエアーナイフ87bを含み、印刷ドラム89bの左下方に配設された排紙部600等とを備えている。
【0059】
印刷ドラム89aと印刷ドラム89b、および印圧部31aと印圧部31bはそれぞれ略同様の機能および同様の構成を有するので、それらを同一符号の末尾に符号aまたは符号bを付加することで区別することとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明を省略する。また、各印刷ドラム89a,89bの内部には上述したような同様構成のインキ供給手段96がそれぞれ配設されているが、前記したと同趣旨からその説明を省略する。
【0060】
孔版印刷装置Bには、各印刷ドラム89a,89bを回転させるためのドラム駆動手段が配設されている。このドラム駆動手段は、図6に模式的に示すように、各印刷ドラム89a,89bを回転させる単一の駆動源としてのメインモータ99と、各ドラム装着部B1,B2に装着された各印刷ドラム89a,89bを回転可能状態に連結するための、メインモータ99によりその回転駆動力を伝達されて駆動される回転伝達手段とを具備する。メインモータ99は、DCモータからなり、このDCモータには公知の制動手段が付設されている。
前記回転伝達手段は、孔版印刷装置Bの本体側の奥に配置された図示しない本体後側板に固定して取り付けられ、メインモータ99の出力軸に固設された駆動プーリ(図示せず)と、印刷ドラム89aに対応して前記本体後側板に回転自在に支持された2連の第1ドラムプーリ(図示せず)と、複数のテンションプーリを介して前記駆動プーリと第1ドラムプーリとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)と、印刷ドラム89bに対応して前記本体後側板に回転自在に支持された第2ドラムプーリ(図示せず)と、第1ドラムプーリと第2ドラムプーリとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)とを備えている。
メインモータ99は、前記機能の他に、後述するように孔版印刷装置Bの本体側から離脱すべき印刷ドラム89aおよび/または印刷ドラム89bを回転させたり、あるいは孔版印刷装置Bの本体側に装着すべき印刷ドラム89aおよび/または印刷ドラム89bに対応したドラム装着部の駆動部材(版胴駆動板)を回転させたりする機能も有する。
上述したドラム駆動手段は、例えば本願出願人が特願平11−184842号で提案した複胴式印刷装置に係る構成例(前記特願平11−184842号の図4および図6等に示されている版胴駆動手段80や版胴駆動板87等を指す)と同様であり、これ以上の説明をすると本願の開示範囲を超えるためその説明を省略する。
【0061】
給紙部500は、給紙トレイ21、給紙ローラ23、上方分離ローラ24、下方分離ローラ25、給紙モータ27、レジストローラ対29,30、レジストモータ、用紙先端センサ39、レジストセンサ40等から主に構成されている。上方分離ローラ24と下方分離ローラ25とを総称して分離ローラ対24,25という。
給紙トレイ21は、その上に印刷用紙22を積載され、給紙部500の本体において図6の紙面の手前側および奥側に一対配置された図示しない給紙側板に上下動自在に支持されている。給紙トレイ21は、印刷用紙22の増減に連動して図示しないモータ装置により上下動される。
【0062】
給紙ローラ23と分離ローラ対24,25とは、給紙トレイ21上の最上位の印刷用紙22と当接するように設けられており、分離ローラ対24,25および分離板26は、その協働作用により給紙ローラ23によって搬送されてきた印刷用紙22を1枚に分離する機能を有する。給紙ローラ23と上方分離ローラ24とは、前記一対の給紙側板の間に回転自在に支持されている。下方分離ローラ25は、上方分離ローラ24に圧接し印刷用紙22の重送を防止する機能を有する。
印刷用紙22を1枚ずつ分離してレジストローラ対29,30に向けて印刷用紙22の先端を給送する給紙手段は、ピックアップローラとも呼ばれている前記した給紙ローラ23、分離ローラ対24,25および分離板26から構成されている。なお、給紙手段は、前記給紙手段に限らず、前記給紙手段の構成から分離板26を除去したものや、下方分離ローラ25および分離板26に代えて分離パッドを有するものもある。
【0063】
給紙モータ27は、給紙ローラ23および上方分離ローラ24を回転するための機能を有し、メインモータ99とは独立して配設されている。給紙モータ27は、ステッピングモータからなり、上方分離ローラ24および給紙ローラ23を回転する給紙駆動手段としての機能を有する。給紙モータ27は、給紙モータ27の出力軸に設けられた駆動プーリと上方分離ローラ24の軸に設けられた給紙プーリとの間に掛け渡された歯付の無端ベルト26Bを介して、上方分離ローラ24に連結されている。これにより、上方分離ローラ24は、給紙モータ27の回転駆動によって、時計回り方向に回転される。上方分離ローラ24および給紙ローラ23の各軸には、ワンウェイクラッチ(図示せず)がそれぞれ組み込まれていて、上方分離ローラ24および給紙ローラ23は、上方分離ローラ24の軸に設けられた給紙プーリと給紙ローラ23の軸に設けられた給紙プーリとの間に掛け渡された歯付の無端ベルト26Aを介して、時計回り方向のみに回転するようになっている。
分離ローラ対24,25とレジストローラ対29,30との間の用紙搬送路上には、印刷用紙22の先端をレジストローラ対29,30のニップ部へ案内する上下一対の上方給紙ガイド板28aおよび下方給紙ガイド板28bが配置されている。
【0064】
レジストローラ対29,30は、印刷用紙22の先端を、印刷ドラム89aの外周面とプレスローラ34aとの間に向けて所定のタイミングで給送する機能を有し、さらに詳しくは、搬送されたきた印刷用紙22の先端をレジストローラ対29,30のニップ部直前の部位に一度突き当てて、上方給紙ガイド板28aの形状に倣うような上方に湾曲したたわみを印刷用紙22の先端部に形成した後、印刷用紙22の先端部をくわえ込み、タイミングをとって印刷ドラム89aの外周面とプレスローラ34aとの間に搬送する。
レジストモータ38は、レジストローラ対29,30を回転するための機能を有し、メインモータ99とは独立して配設されている。レジストモータ38は、ステッピングモータからなり、下側のレジストローラ30を回転するレジスト駆動手段としての機能を有する。レジストモータ38は、レジストモータ38の出力軸に設けられた駆動プーリとレジストローラ30の軸に設けられたレジストプーリとの間に掛け渡された歯付の無端ベルト37を介して、下側のレジストローラ30に連結されている。
【0065】
用紙先端センサ39は、上側のレジストローラ29寄りの上方給紙ガイド板28a上に配設されていて、印刷用紙22の先端を検知する機能を有する。用紙先端センサ39は、印刷用紙22の先端を検知することにより、前記した給紙手段を含む用紙搬送路の上流側で発生した印刷用紙22のジャムを検知するジャム検知機能を有する他、レジストローラ対29,30のニップ部直前の部位に印刷用紙22の先端を突き当てて湾曲たわみを形成するときのたわみ量調整の一部の機能をも有している。
用紙先端センサ39およびレジストセンサ40は、発光部および受光部を具備した反射型の光学センサからなる。上方給紙ガイド板28aおよびレジストローラ対29,30近傍の用紙搬送路の下流側に配置された上側のレジストガイド板には、前記発光部からの出射光および印刷用紙22の先端表面からの反射光を通す開口部(図示せず)が開けられている。
レジストセンサ40は、印刷ドラム89aとレジストローラ対29,30との間の用紙搬送路に配設され、印刷用紙22の先端を検知する機能を有する。レジストセンサ40は、印刷用紙22の先端を検知することにより、レジストローラ対29,30を含む用紙搬送路の上流側で発生した印刷用紙22のジャムを検知するジャム検知機能を有する他、印刷用紙22の種類に応じて変化するレジストローラ対29,30での印刷用紙22のスリップ量を補正するための印刷用紙22の先端検知信号を図示しない制御装置へ送信するようになっている。
【0066】
印圧部31aは、前記したインキローラ92、プレスローラ34a、プレスローラアーム33a、印圧バネ35aおよび印圧カム36a等から主に構成されている。
プレスローラ34aは、印刷ドラム89aの下方近傍に上下動自在に設けられている。プレスローラ34aは、給紙部500から給送されてきた印刷用紙22を印刷ドラム89aの外周面に押し付けて印刷画像を印刷用紙22上に形成する押圧手段としての機能を有する。
プレスローラ34は、外周面がゴムなどにより構成され、プレスローラアーム33aの一端に回転自在に支持されている。プレスローラアーム33aは、引張バネである印圧バネ35aによってプレスローラ34aが印刷ドラム89aの外周面へ圧接する方向へ付勢されている。
プレスローラアーム33aの他端には、カムフォロア33Aaが設けられていて印圧カム36aに当接し、印圧カム36aの回転に伴い摺動するようになっている。
【0067】
印圧カム36aは、メインモータ99を備えた前記ドラム駆動手段に連結されていて、給紙部500からの印刷用紙22の給紙タイミングおよび印刷ドラム89aの回転に合せて同期して回転されるようになっており、給紙部500から印刷用紙22が給紙されないときには、その大径部をプレスローラアーム33aの他方の揺動端に対向・圧接させている。これにより、プレスローラ34aは、クランパ90aとの干渉を避ける非印刷位置に離間されたり保持されたりする。
印圧カム36aは、給紙部500から印刷用紙22が給送されてくると回転して、その小径部をプレスローラアーム33aの他方の揺動端に対向させ、プレスローラ34aを図6において時計回り方向に揺動させるようになっている。これにより、プレスローラ34aは、印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に印刷用紙22を押し付ける印刷位置を占めると共に、このとき印圧バネ35aによる印圧(付勢力)が印刷用紙22および製版済みのマスタ59を介して印刷ドラム89aの外周面に加わる。プレスローラ34aは、印刷位置にあるときには、印刷ドラム89aと略同じ周速度で従動回転する。したがって、プレスローラ34aは、回転軸32aを中心として揺動し、印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に印刷用紙22を押し付ける印刷位置と、この印刷位置から離間した非印刷位置との間で上下動可能になっている。
【0068】
エアーナイフ87aは、図面奥行き方向のほぼ中央に1個設けられている。エアーナイフ87aは、印刷用紙22が印刷ドラム89aの外周面に貼り付いて巻き上がるのを防止するために、その先端部はノズルになっていて、図示しないポンプから印刷用紙22の先端の搬送と同期して空気が高速で吐出され、印刷用紙22の先端部へ空気が吹き付けられるようになっている。エアーナイフ87aは、回転軸86aを中心に、印刷ドラム89aの外周面に近接した分離位置と、この分離位置から離間した非分離位置との間で揺動可能となっている。すなわち、エアーナイフ87aは、クランパ90aとエアーナイフ87aの先端が干渉しないように印刷ドラム89aの回転と同期して揺動する。
【0069】
中間搬送装置700は、従動ローラ50、駆動ローラ52、従動ローラ50と駆動ローラ52とに掛け渡された搬送ベルト51、吸引ファン53、ケーシング54等から主に構成されている。
【0070】
搬送ベルト51の少なくとも表面は、ウレタンゴム等の印刷用紙22との摩擦係数の高いものを採用しているので、印刷用紙22を図の左方向へ牽引する力を発生する。しかし、印刷用紙22の搬送方向上流側は未だ印刷ドラム89aとプレスローラ34aとのニップ部で押さえられているので、印刷用紙22の左方向への進行速度は、印刷ドラム89aの回転周速度と同じである。
搬送ベルト51の回転線速度は、印刷ドラム89aの回転線速度と同じかまたは若干速く設定されていて、これにより、印刷用紙22は図の左方向へテンションが掛かった状態で搬送されることになる。
吸引ファン53は、ケーシング54内に配置されていて、その回転によりケーシング54内に負圧状態を作り出す。
【0071】
印刷ドラム89aの印圧部31aで印刷された印刷用紙22の先端は、エアーナイフ87aによって印刷ドラム89aの外周面より剥離され、搬送ベルト51の図6において右側端へ落下する。この時、吸引ファン53の回転により図6の下向きにエアーの吸引が行われているので、印刷用紙22の先端は容易に搬送ベルト51の上面に吸引される。また、搬送ベルト51には複数の開孔が設けられているので、印刷用紙22は吸引ファン53によるケーシング54内の負圧の作用により、搬送ベルト51の表面に吸引されて密着する。
【0072】
排紙部600は、前記したエアーナイフ87b、送風ファン88、駆動ローラ83、従動ローラ84、搬送ベルト85、吸引ファン81、ジャンプ台79、ケーシング80等から主に形成されている。
搬送ベルト85は、駆動ローラ83と従動ローラ84とに掛け渡され、図示しない駆動機構により駆動ローラ83が回転されるようになっている。搬送ベルト85の回転周速度は、印刷ドラム89aの回転周速度と同じか、または若干速く設定されている。
ここで、印刷ドラム89bの回転周速度は、プレスローラ34bの押圧によって印刷用紙22が搬送される線速度に等しい。また、搬送ベルト85の回転周速度とは、印刷用紙22を搬送する搬送ベルト85の外周面の線速度のことを意味している。
【0073】
搬送ベルト85自体には開孔が多数設けられていて、搬送ベルト85の下部に設けられた吸引ファン81の吸引作用により、印刷ドラム89bから分離された印刷用紙22が搬送ベルト85の表面に密着し、下流の排紙トレイ82へ搬送される。
【0074】
送風ファン88は、印刷ドラム89b側のエアーナイフ87bの左方近傍に配置されていて、印刷用紙22の印刷ドラム89bへの巻き上がり防止のために、エアーナイフ87bによる印刷用紙22の分離・剥離作用を補助している。送風ファン88からの送風は、エアーナイフ87aの左上方から印刷用紙22の表面へと吹き付けられる。これは、印刷用紙22の搬送ベルト85からの浮き上がり防止のためと印刷画像のインキ乾燥の促進のためでもある。
ジャンプ台79は、印刷済みの印刷用紙22の中央部位を略U字状に撓ませて、いわゆる排紙の腰付けをして排紙トレイ82上に整然と排出積載する機能を有する。
【0075】
次に、図1ないし図6を参照して、上述した多色印刷システムの動作について詳細に説明する。ここでは黒、赤の2色印刷をする場合について説明する。
先ず、オペレータは、版付け装置NAにエマルションインキ系の黒インキを装備した印刷ドラム89aを装着する。そして、ADF2またはコンタクトガラス3の上に黒印刷用の原稿1を載置する。その後、オペレータが図示しない操作パネル上の製版スタートキーを押すと、排版部400によって、印刷ドラム89aに以前から巻装されている使用済みのマスタ59の排版が行われる。
印刷ドラム89aは、メインモータ98の作動により反時計回り方向に回転を開始する。印刷ドラム89aがその外周面に巻装した前版の使用済みのマスタ59の後端(クランプされていない端)が上方排版ローラ41と対向する所定の排版位置に到達すると、図示しない移動手段と駆動手段とが作動し、上方排版ローラ41と下方排版ローラ42とを図1の矢印方向へ回転させると共に、下方排版ローラ42を印刷ドラム89aの外周面側(二点鎖線で示す位置)へ移動させる。
【0076】
下方排版ローラ42の外周面が印刷ドラム89aの外周面上の使用済みのマスタ59の後端近傍と当接したとき、印刷ドラム89aは反時計回り方向に回転し続けており、下方排版ローラ42は使用済みのマスタ59の後端をすくい上げる。すくい上げられた使用済みのマスタ59は、上方排版ローラ41と下方排版ローラ42とによって挟持され、図1の左方向へ搬送されるので、印刷ドラム89aの外周面より剥離されることになる。
剥離された使用済みのマスタ59は、上方搬送ベルト45と下方搬送ベルト46との回転・搬送によって、さらに左方へ搬送され、排版ボックス47へ収納される。排版ボックス47の内部に一版分の全ての使用済みのマスタ59が廃棄された後、圧縮板48が降下することによって圧縮される。
印刷ドラム89aの外周面より前版の使用済みのマスタ59が全て剥離されると、印刷ドラム89aはさらに回転し、クランパ90aがガイド板68の近傍に位置する給版位置(図1に示す位置)で停止する。印刷ドラム89aが給版位置に停止すると、図示しない前記開閉手段が作動してクランパ90aを時計周り方向に回動させることにより、印刷ドラム89aは給版待機状態となると共に、排版動作が完了する。
【0077】
排版動作が開始するのと略同時に、これと並行して原稿画像読取部200および製版部300では以下のような原稿1の画像の読み取り動作および製版動作が行われる。原稿1はADF2により積載位置から読み取り位置へ搬送され、読み取り位置にて、原稿1の画像面に蛍光灯4からの光が照射され、その光が原稿1の画像面で反射され、さらに走査ミラー5、光路折り返しミラー対6で反射された後、結像レンズ7を通り画像センサ8に入射して、原稿1の画像の読み取りが行われる。画像センサ8により光電変換された電気信号は図示しないA/D(アナログ/デジタル)変換部および画像処理部に入力される。
原稿画像読取部200で読み取りを終えた原稿1は、原稿トレイ9上に排出される。
【0078】
一方、原稿1の画像の読み取り動作と並行して、原稿画像読取部200で読み取られた原稿1の画像情報としての画像データは、前記A/D変換部でアナログ/デジタル変換され、さらに前記画像処理部において画像処理された後に送出されるデジタル画像データ信号に応じて、サーマルヘッド63に設けられた複数の発熱体素子が選択的に発熱すると共に、プラテンローラ62、テンションローラ対66,67がそれぞれ図示しない駆動手段で回転駆動される。
マスタ59は、プラテンローラ62で搬送されつつ、サーマルヘッド63で順次穿孔製版されてテンションローラ対66,67によって搬送・給版され、マスタ59の先端部が、給版待機状態で拡開しているクランパ90a(図1の二点鎖線の位置)に送出される。
【0079】
プラテンローラ62を駆動しているステッピングモータのステップ数がある設定値に達すると、すなわち、一定長さのマスタ59を送り終わると、図示しない制御装置によりクランパ90aとステージとの間に製版済みのマスタ59の先端部が届いたと判断され、クランパ90aが図示しない開閉手段によって閉じられる。このクランプ動作が終了すると、印刷ドラム89aが時計回り方向に回転され、印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59が給版されながら巻装されていく。
【0080】
印刷ドラム89aの外周面にマスタ59が所定長巻装されると、印刷ドラム89a、プラテンローラ62、テンションローラ対66,67の回転が停止する。この停止動作と同時に、回転移動刃64が図示しないモータの回転によって図面奥行き方向を移動し、マスタ59が固定刃65との間で切断される。印刷ドラム89aが再び時計回り方向に回転され、切断されたマスタ59の後端が製版部300から抜き出される。これにより、印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59が完全に巻装され、給版部350による給版工程が終了する。
なお、本実施形態1における給版工程では、ソレノイド77への通電がなされず、ローラアーム13の他端側において係止部材76の切欠部76cと突出爪13aとが係合していて、版付けローラ11は図4(b)に示されている非版付け位置より若干下方に位置する係止位置に係止・保持されている状態にある。また、カム15は、カム駆動モータ71の作動によって印刷ドラム89aと同期して回転している。
【0081】
給版工程終了後、印刷ドラム89aはメインモータ98の作動によってさらに時計回り方向に回転駆動され、今度は給版位置で停止することなく、つまり給版待機状態となることなく給版位置を通過し、印刷ドラム89aのクランパ90aが略真下に位置する直前に至ると、図5においてソレノイド77への通電がなされることでソレノイド77がオンする。
ソレノイド77がオンすると、プランジャ77aを吸引し、これにより係止部材76が引張コイルバネ75の付勢力に抗して支持軸74を中心に時計回り方向に回動されることで、ローラアーム13の他端側において係止部材76の切欠部76cに突出爪13aを係止させている係止状態が解除されることとなり、ローラアーム13の一端側(版付けローラ11取付け側)は引張コイルバネ16の付勢力で支軸13Aを中心に反時計回り方向に所定角度回動される。このローラアーム13の回動により、カムフォロア14の外周面がカム駆動モータ71の作動によって印刷ドラム89aと同期して回転しているカム15の輪郭外周面と当接し、これによりローラアーム13の他端側はカム15の輪郭外周面に沿って揺動され、印刷ドラム89aと同期して回転しているカム15の輪郭外周面(小径部)がカムフォロア14の外周面と当接しなくなるときに、版付けローラ11はその外周面が印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59を押し付けて密着させる版付け位置に変位する(図4(a)参照)。版付けローラ11が版付け位置を占めているときには、印刷ドラム89aの外周面には製版済みのマスタ59を介して引張コイルバネ16の付勢力のみが加わることとなる。
【0082】
一方、説明が前後するが、版付けローラ11が版付け位置を占める直前には、巻取モータ20が作動を開始し、これによりウェブ巻取ロール19が反時計回り方向に回転駆動されることで、クリーニングウェブ17が版付けローラ11の外周面およびバックアップローラ12に接触しつつ、ウェブ供給ロール18から図4(a)における左方へ引き出されつつ移動している。
【0083】
また印刷ドラム89aの内部では、インキ供給管93からインキローラ92とドクターローラ91との間に形成されたインキ溜まり95に黒インキが供給され、その黒インキはインキローラ92とドクターローラ91とが回転することによって混練され伸ばされると共に、インキローラ92の外周面に均一に付着するようになる。インキの残量は、前記したインキ量測定手段によって測定され、インキが少なくなったときには前記インキポンプの作動によってインキ供給管93から補給される。こうして印刷ドラム89aの回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム89aの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ92により、インキが印刷ドラム89aの内周面側に供給される。
【0084】
そして、版付けローラ11が製版済みのマスタ59を印刷ドラム89aの外周面に連続的に押し付けながら従動回転することにより、製版済みのマスタ59が連続的に押圧され、印刷ドラム89aの開孔部89cから滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ59が印刷ドラム89aの外周面上に密着すると同時に、さらに滲み出たインキが製版済みのマスタ59の穿孔部分59aに充填されることで版付け動作が行われる。
このとき、製版済みのマスタ59の印刷ドラム89a外周面との接触面およびその穿孔部分59aに充填されたインキは、版付けローラ11の外周面に転移しようとするが、版付けローラ11の外周表面を含め外周部分が前記したように非インキ付着性を有するシリコーンゴムでできているため、前記インキの付着はわずかな量に制限されて付着する程度である。それ故に、版付けローラ11の外周表面に付着したわずかな量のインキ等は、図4(a)においてウェブ供給ロール18から左方へ引き出されつつ移動しているクリーナー溶液を含浸したクリーニングウェブ17によって、摺接してこすり取られたり、溶解・吸収されたりしてクリーニングされることとなるから、版付けローラ11の外周表面は常にインキ等の汚れのない清浄な状態に保たれる。したがって、版付け動作中において、印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59表面を汚すことがない。
【0085】
なお、印刷ドラム89aが図4(a)において図中矢印方向(時計回り方向)に回転して、クランパ90aが印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59を介して押圧している版付けローラ11の近傍に至ると、印刷ドラム89aの回転と同期して駆動されていたカム駆動モータ71が、図4(b)に示すように、カム15をしてその最突出部をカムフォロア14に接する位置に回転させているので、版付けローラ11は、印刷ドラム89aのクランパ90aから離間して非版付け位置を占めることとなり、版付けローラ11の外周面とクランパ90aとの干渉が避けられる。
一方、版付けローラ11が印刷ドラム89aの外周面に当接した時点より印刷ドラム89aが略4分の3周し、カム15の最突出部とカムフォロア14とが接する時点、つまり、係止部材76の切欠部76cとローラアーム13の突出爪13aとが係止可能な時点において、前記制御装置より信号が送られてソレノイド77への通電が遮断される。すると、係止部材76は、引張コイルバネ75の付勢力で反時計回り方向に回動され、その切欠部76cにローラアーム13の突出爪13aを係止する。これで版付けローラ11は、非版付け位置からさらに離れた係止位置に保持される。印刷ドラム89aはホームポジションで停止する。
上述した版付け動作は、印刷ドラム89aの回転速度が例えば10〜20rpmというような低速回転で行われるため、メインモータ98の負荷が少なくて済む。
【0086】
なお、上述したような版付け動作を何回も行うことにより、ウェブ巻取ロール19が使用済みのクリーニングウェブ17で満杯になるが、その際には満杯になったウェブ巻取ロール19およびクリーニングウェブ17がほとんど無くなったウェブ供給ロール18ごと前記した装着時と逆の操作を行うことにより新しいものと交換すればよい。
【0087】
版付け工程が終了すると、新しいマスタ59が巻装給版・版付けされた印刷ドラム89aを版付け装置NAから取り外して、孔版印刷装置Bのドラム装着部B1へ装着する。
次にドラム装着部B2に装着されている赤インキを装備した印刷ドラム89bを孔版印刷装置Bから引き出して、版付け装置NAに装着する。版付け装置NAでは、前記黒印刷用の画像を製版したマスタを印刷ドラム89aに巻装したときと同様に、今度は赤印刷用の画像を製版したマスタ59を印刷ドラム89bに巻装することとなる。
【0088】
オペレータは、ADF2またはコンタクトガラス3の上に赤印刷用の原稿1を載置する。その後、オペレータが製版キーを押すと、先ず、排版部400では、印刷ドラム89bに以前から巻装されている印刷使用済みのマスタ59の排版が行われる。以下、印刷ドラム89aの場合と同様であるので説明を省略する。
【0089】
印刷ドラム89bに対しての版付け工程が終了すると、新しいマスタ59が巻装された印刷ドラム89bを版付け装置NAから取り外して、孔版印刷装置Bのドラム装着部B2へ装着する。
これで、孔版印刷装置Bには、黒印刷用のマスタ59を装着された印刷ドラム89aと、赤印刷用のマスタ59を装着された印刷ドラム89bが揃い、2色印刷の準備ができたことになる。
【0090】
次に、孔版印刷装置Bの多色印刷動作を説明する。
孔版印刷装置Bでは図6に示されている初期状態から、給紙、印刷工程が開始される。このとき、印刷ドラム89aはそのクランパ90aが略真上に位置するホームポジションに、印刷ドラム89bはそのクランパ90bが略右斜め下方近傍に位置する状態になるまで回転してそれぞれ停止する。このように、本実施形態1では、各印刷ドラム89a,89bが孔版印刷装置Bの本体内にあるとき、印刷ドラム89aと印刷ドラム89bとの間には予め初期位相差が設けられている。
【0091】
オペレータが、孔版印刷装置Bにおいて図示しない操作パネルに配設されているテンキー(図示せず)で必要印刷枚数を設定・入力し、印刷スタートキー(図示せず)を押すと、給紙および印刷工程が始まる。すなわち、給紙トレイ21上に積載された印刷用紙22の最上位面を給紙ローラ23に接触するまで給紙トレイ21を上昇させておく。メインモータ99の作動によって印刷ドラム89a,89bは連動して時計回り方向へ回転する。そして、給紙トレイ21上の印刷用紙22が、給紙モータ27の起動により上方分離ローラ24と共に給紙ローラ23が回転駆動されることによって送り出され、分離ローラ対24,25および分離板26の協働作用により一枚ずつに分離されて給送される。
【0092】
その後、印刷用紙22は上方給紙ガイド板28a、下方給紙ガイド板28bに案内されつつレジストローラ対29,30に向けて搬送される。このとき、搬送された印刷用紙22の先端は、レジストローラ対29,30のニップ部直前部位に当接し、上方給紙ガイド板28aの形状に沿って撓んだ状態で停止している。
【0093】
一方、1色目の印刷ドラム89aは、印刷動作が始まると印刷の回転速度で回転され始める。印刷ドラム89aの内部では、上述したと同様にして黒インキが印刷ドラム89aの内周面側に供給される。
そして、レジストモータ38が印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59の製版画像の回転位置にタイミングを合わせて印刷用紙22の先端を給送すべく起動され,これによりレジストローラ対29,30が回転駆動されることによって、印刷用紙22の先端が印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59の製版画像の回転位置にタイミングを合わせて、換言すれば印刷ドラム89aの回転に合わせた所定のタイミングで印圧部32aにおける印刷ドラム89aとプレスローラ34aとの間に印刷用紙22の先端が給送される。印刷用紙22の先端が印刷ドラム89aとプレスローラ34aとの間に給送されてくると、印刷ドラム89aの回転と同期して印圧カム36aが回転されることに伴い、印刷ドラム89aの外周面下方に離間して非印刷位置を占めていたプレスローラ34aが回転軸32aを中心に揺動・上昇されることにより、印圧バネ35bによって印圧が加えられ、印刷ドラム89aの外周面に巻装されている製版済みのマスタ59に押し付けられる。これにより、印刷ドラム89aの開孔部(図示せず)から滲み出たインキが製版済みのマスタ59の穿孔部分から滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙22の表面に転移されて、1色目の黒色の印刷画像が形成される。
【0094】
黒色の印刷画像を形成された印刷用紙22は、その先端がエアーナイフ87aの先端近傍の所までくると、エアーナイフ87aが印刷ドラム89aの回転動作と同期して回転軸86aを中心に回転して印刷ドラム89aの外周面に接近し、エアーナイフ87aの先端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先端が印刷ドラム89aから分離・剥離される。エアーナイフ87aにより分離・剥離された印刷用紙22は、中間搬送装置700によって用紙搬送方向の下流側へとさらに搬送される。
【0095】
上述のように搬送ベルト51は図6の矢印方向へ回転し、吸引ファン53の作動によるケーシング内の負圧作用により、印刷用紙22の先端は容易に搬送ベルト51の上面に吸引され、さらに図6の左方向へ牽引される。
搬送ベルト51の回転線速度は、印刷ドラム89aの回転線速度と同じかまたは速く設定されている。しかし、印刷用紙22の上流側は未だ印刷ドラム89aとプレスローラ34aとのニップ部で押さえられているので、印刷用紙22の左方向への進行速度は印刷ドラム89aの回転周速度と同じである。したがって、印刷用紙22は左方向へテンションが掛かった状態で搬送されることになる。
厳密には、搬送ベルト51の回転線速度の方が印刷用紙22の進行速度より速いので、搬送ベルト51と印刷用紙22とは滑りを生じていることになる。
【0096】
このとき、2色目の印刷ドラム89bは、1色目の印刷ドラム89aと同期して印刷動作を始め、印刷の回転速度で回転され始める。印刷ドラム89bの内部では、印刷ドラム89aと同様の構成および動作内容で印刷ドラム89bの回転速度と同期して回転しながらその内周面に転接するインキローラ92により、2色目の赤インキが印刷ドラム89bの内周面側に供給される。
また、印刷ドラム89aと印刷ドラム89bとは、黒と赤の印刷画像の基準位置が印刷用紙22上で同じになるように予め初期位相差が設けられている。
【0097】
そして、印刷用紙22の先端部分が、搬送ベルト51によって進行方向に牽引力を与えられながら、印刷ドラム89bの回転と同期した所定のタイミングで印圧部31bにおける印刷ドラム89bとプレスローラ34bとの間に給送されてくると、これに同期して印刷ドラム89bの外周面下方に離間していたプレスローラ34bが揺動・上昇されることにより、印圧バネ35bによって印圧が加えられ、印刷ドラム89bの外周面に巻装されている製版済みのマスタ59に押し付けられる。これにより、印刷ドラム89bの開孔部(図示せず)から滲み出たインキが製版済みのマスタ59の穿孔部分から滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙22の表面に転移されて、2色目のインキによる赤色の印刷画像が形成される。
【0098】
以上の動作により、印刷ドラム89bとプレスローラ34bとの接触部では、先に黒色が印刷された画像位置と同じ位置関係で赤色の印刷がされることになる。なお、プレスローラ34bは、印刷ドラム89bの外周面上から突出しているクランパ90bとの干渉を避けるために、印刷中に印刷ドラム89bの外周面から離間するようになっているが、印刷用紙22の先端が印刷部へ進入する前には印刷ドラム89bの外周面に製版済みのマスタ59を介して接触して押圧している状態となっている。
【0099】
2色目の赤色の印刷画像を形成された印刷用紙22は、その先端がエアーナイフ87bの先端近傍の所までくると、エアーナイフ87bが印刷ドラム89bの回転動作と同期して回転軸86bを中心に回転して印刷ドラム89bの外周面に接近すると同時に、エアーナイフ87bの先端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先端が印刷ドラム89bから分離・剥離される。
【0100】
印刷ドラム89aと印刷ドラム89bとは、同じ周速度で回転するように上述した回転伝達手段によって連結されているが、黒と赤の印刷画像位置が印刷用紙22上で同じになるように予め初期位相差が設けられている。すなわち、図6に示すように、印刷ドラム89aと印刷ドラム89bのクランパ90a,90bの位置が異なっている。その角度は、印刷ドラム89aの印刷部から印刷ドラム89bの印刷部までの印刷用紙22の搬送経路長さを、印刷ドラム89bの外周面上に取った場合に得られる中心角度に相当する。印刷用紙22の搬送経路長さとは、おおよそ、印刷ドラム89aと印刷ドラム89bの回転中心軸の間の距離に相当する。
【0101】
但し、印刷ドラム89a,89b共に孔版印刷装置Bへの着脱時の回転位置は同じに統一されている本実施形態1では、クランパ90a,90bが真上にある回転位置で着脱可能となっている。クランパ90aが真上にきた時に印刷ドラム89aをドラム装着部B1から外し、クランパ90aが真上にある状態で製給版・版付けのために版付け装置NAに装着する。各印刷ドラム89a,89bには、取り外し離脱させたとき固定される装置(図示せず)が付いており、離脱したときと同じ状態で装着できるようになっている。
【0102】
クランパ90bが真上にこないと外れないようになっているので、印刷ドラム89bを外す場合には、印刷ドラム89aをドラム装着部B1に戻した後に、クランパ90bが真上にくるまで印刷ドラム89bを回転させ、その後、ドラム装着部B2から取り外し、この離脱した印刷ドラム89bを版付け装置NAに装着すればよい。
なお、印刷ドラムの着脱位置はクランパが真上にある位置に限らず、全体の装置間で統一されていれば任意の位置でもよい。
【0103】
以上の構成・動作により、印刷ドラム89bとプレスローラ34bとの接触部では、先に黒印刷された印刷画像位置と同じ位置関係で赤の印刷がされることになる。
【0104】
上述のように、本実施形態1では印刷ドラム89aと印刷ドラム89bとは連結駆動されるが、黒の印刷画像位置に対して赤の印刷画像位置を印刷用紙22の進行方向(天地方向)について調整できる周知の位相調整機構(例えば特開平9−104158号公報に記載の位相調整機構)を設けてもよい。印刷ドラムが3個以上の場合には、各下流側の印刷ドラムが、その上流側隣の印刷ドラムに対してのみ機能する位相調整機構を有するように構成する。
このように位相調整機構を設けた場合、版付け装置NAでのマスタ59の製給版・版付け工程の時にマスタ59のクランプ位置が印刷ドラム89aと印刷ドラム89bとで異なった場合に、孔版印刷装置Bの方でそのズレを修正することができる。
また、印刷用紙22の進行方向に直交方向(左右方向)について、黒、赤の画像位置を調整する場合には、印刷用紙22の位置を調整するか、もしくは印刷ドラムの回転軸方向への移動機構を設け、黒の画像位置に対して赤の画像位置を印刷用紙22の進行方向と直交方向へずらして調整する。
【0105】
プレスローラ34bの押圧によって印刷用紙22の表面に赤の印刷画像が印刷されると、印刷用紙22の先端は、エアーナイフ87abと送風ファン88との協働により、印刷ドラム89bの外周面から剥離され、下流に位置する搬送ベルト85へ進行する。
上述のように、搬送ベルト85が図6の矢印方向へ回転しているので、印刷用紙22は吸引ファン81によって搬送ベルト85の表面上に吸引されつつ駆動ローラ83の回転によって搬送され、印刷用紙22の幅方向(図面奥行き方向)の両端に設けられたジャンプ台79によっていわゆる排紙腰付けされ、排紙トレイ82上に排出される。ここで、搬送ベルト85の回転周速度は、印刷ドラム89bの回転周速度と同じかまたは速く設定されている。
以上により、印刷用紙22は、黒色のインキが装備された印刷ドラム89aと、赤色のインキが装備された印刷ドラム89bとの両方を1パスで通過し、黒と赤の印刷画像が同一の印刷用紙22上に印刷される。
この後、予め入力された必要印刷枚数の印刷が、上述したと同様の動作で行われる。印刷が終了すると、2つのプレスローラ34a,34bはそれぞれの印刷ドラム89a,89bから離間した非印刷位置に保持されるようになっている。孔版印刷Bにおける前記動作は、制御装置(図示せず)からの指令の下に行われる。
【0106】
上述したように実施形態1によれば、版付け装置NAと孔版印刷装置Bは分離して配置されるので、原稿画像読取部200、製版部300、給版部350および排版部400を共用化したことによる大幅なダウンサイジングに加えて、レイアウトの自由度を高めることができると共に、前記した特開平11−208085号公報明細書の段落番号(0060)〜(0061)に記載されていると同様の諸利点を得ることができる。また、前記同公報明細書の段落番号(0062)に記載されていると同様の構成例も勿論採用できる。
【0107】
また、実施形態1の版付け装置NAによれば、印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に印刷用紙22を供給することなく版付け動作ができるから、印刷用紙22の無駄遣いをすることがなく、給・排紙部等を不要とすることで省スペースとなり、これにより小型化を図れると共に、軽量、安価となる利点もある。
【0108】
また上述したとおり、版付けローラ11は印刷ドラム89aの外径よりもその外径が小さく形成されているため、版付けローラ11の外周面が印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に接触・押圧している間に、クリーニングウェブ17が版付けローラ11の外周面から離れてしまうと、製版済みのマスタ59から版付けローラ11の外周面に転写した印刷画像が印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に何度も再転写してしまうことにより、製版済みのマスタ59を再転写した印刷画像のインキで汚してしまうことになるが、上述した構成および以下の動作内容によってそのような不具合は発生しない。
すなわち、版付けローラ11が版付け位置を占めている間中は、図4(a)にも示されているように、クリーニングウェブ17が常に版付けローラ11の外周面に接触していて、しかもこの直前には巻取モータ20が作動を開始し、これによってウェブ巻取ロール19が反時計回り方向に回転駆動されることで、クリーニングウェブ17がウェブ供給ロール18から図4(a)における左方へ引き出されつつ移動することとなり、版付けローラ11の外周面に常に接触して版付けローラ11の外周表面を新しいクリーニングウェブ17部分でクリーニングすることができるように構成されているから、版付けローラ11の外周表面は常に汚れのない清浄な状態に保持される。また、製版済みのマスタ59が印刷ドラム89aの外周面に巻装・給版されるまでは、ソレノイド77への通電がなされずソレノイド77がオフしていることにより、版付けローラ11が係止位置に係止・保持されているから、印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59への版付けローラ11の外周面の接触が防止されていると共に、版付けローラ11の外周面と印刷ドラム89aのクランパ90aとの干渉も防止されている。
【0109】
接離手段10のカム15の駆動方式は、図5に示したカム駆動モータ71による方式に限らず、例えば図示しないタイミングベルトやプーリあるいはギヤ等を備えた印刷ドラム駆動系を介してメインモータ98に連結し、メインモータ98により印刷ドラム89aの回転と同期して回転駆動する方式のものでもよい。
接離手段や係止手段としては、図5等に示した接離手段10や係止手段73はあくまでも一例であって、これらに限られるものではない。例えば、接離手段10に代えて、版付けローラ11およびバックアップローラ12の両端部をその自由端側で回転自在に支持する一対の支持部材の何れか一方の基端側に従動ギヤを設けると共に、前記従動ギヤと噛み合う駆動ギヤを出力軸に備えた駆動モータを前記側板側に設けることよって、前記駆動モータの駆動力で版付けローラ11およびバックアップローラ12をいわば直接的に上述したと同様に変位させるようなこともできる。
なお、版付け装置NAの動作は、上述した給版・版付け動作に限らず、次のようにしてトータルの版付け時間を短縮してもよい。
すなわち、製版済みのマスタ59の先端部がクランパ90によりクランプされた後、製版済みのマスタ59が印刷ドラム89aの外周面に所定長完全に巻装されて給版工程が終了する前に、給版位置から製版済みのマスタ59を巻き付けながら時計回り方向に回転している印刷ドラム89aのクランパ90が図1における略真下を通過した時点で、版付けローラ11の外周面が版付け位置を占めるように動作させることにより、給版動作を行いながら版付け動作を並行して行うことも勿論できる。
【0110】
また、版付け装置NAでは、上述したように印刷用紙22を供給しての版付け印刷を行わないことにより、印刷画像の確認ができないことが予想されるため、孔版印刷装置B側において必要に応じて操作パネルに配設されている試し刷りキーや試し刷り印刷枚数を指定するテンキー(共に図示せず)を印刷開始時あるいは随時に押して、印刷用紙22を給送して印刷画像の確認を行ってもよい。この際、印刷用紙22を無駄遣いしたくないのであれば、その印刷画像の確認を達成できるヤレ紙やあるいは印刷用紙22よりも価格的に安い紙等を予め給紙トレイ21の最上位面に必要枚数載置しておいて、これを給送してこれに試し刷り印刷を行ってもよい。また、給紙トレイの最上位面に前記ヤレ紙等をその都度必要枚数載置する操作等が煩わしいような場合であって、孔版印刷装置Bが給紙部500以外に複数の給紙部(例えば多段給紙部)を有する場合には、予め前記ヤレ紙等を他の給紙部に積載しておき、前記他の給紙部からヤレ紙等を給送してこれに試し刷り印刷を行ってもよい。
(実施形態1の変形例1)
図7に、実施形態1の変形例1を示す。
この変形例1は、実施形態1の構成と比較して、版付けローラ11とバックアップローラ12とを支持していたローラアーム13およびクリーニング手段9を備えた版付け部100に代えて、版付けローラ11とクリーニングローラ112とを支持するローラアーム115およびクリーニング手段111を備えた版付け部110を有することが主に相違する。
【0111】
ローラアーム115は、例えば板金で図示を省略した適宜の折り曲げ形状を形成されていて、図7(a),(b)における紙面の手前側(図1では装置の奥側に相当する)および奥側(図1では装置の手前側に相当する)に一対配設されている。各ローラアーム115,115は、その略中央部位において支軸117の両端部で固定・連結されていて、この支軸117の両端部が前記一対の側板の内側に揺動自在に支持されていることにより、同一位相をもって同時に揺動変位する。各ローラアーム115,115は、その一端部で版付けローラ11の軸11aの両端部を、支軸117と軸11aとの間でクリーニングローラ112の軸112aの両端部をそれぞれ回転自在に支持している。
図7におけるローラアーム115の他端側には、実施形態1と同様の接離手段10および係止手段73の各構成部品や各部材が配設されているが、図の簡明化を図るため、引張コイルバネ16を含めそれらの図示を全て省略している。
【0112】
クリーニング手段111は、版付けローラ11の外周面に常時当接して版付けローラ11の外周面を清掃するクリーニングローラ112と、このクリーニングローラ112にクリーナー溶液114を供給すべくクリーナー溶液114を貯えるクリーナー貯留部材113と、クリーニングローラ112を版付けローラ11の従動回転方向と反対方向に回転させるローラ駆動モータ118とから主に構成されている。ローラ駆動モータ118は、例えばDCモータからなる。
【0113】
クリーニングローラ112は、その軸112aに一体的に形成されていて、軸112aを介して、ローラアーム115に回転自在に支持されている。クリーニングローラ112は、耐インキ腐食性かつ耐クリーナー性を有する材料である、例えばシリコーン製のスポンジゴムでできていて、版付けローラ11の幅寸法と略同じ寸法に形成されている。
【0114】
クリーナー溶液114としては、実施例的に言えば、例えば中性洗剤溶液や、アルコール、ベンジン、灯油、軽油、ガソリン等の石油類等が用いられる。クリーナー貯留部材113は、略箱形をなし、貯えたクリーナー溶液114でクリーニングローラ112の下部を浸漬できるようにクリーニングローラ112の幅方向に延在していて、各ローラアーム115,115の底壁部に固設されている。
【0115】
ローラ駆動モータ118は、図7(a)に示すように、紙面手前側のローラアーム115に固設されている。ローラ駆動モータ118の回転駆動力をクリーニングローラ112の軸112aに伝達する回転伝達手段としては、クリーニングローラ112の紙面手前側の軸112aの端部に固設された従動ギヤと、紙面手前側のローラアーム115に回転自在に支持され前記従動ギヤと噛み合うアイドルギヤと、ローラ駆動モータ118の出力軸端部に固設され前記アイドルギヤと噛み合う駆動ギヤとからなる例を挙げることができる。
クリーニングローラ112の周速度は、版付けローラ11の外周表面上に付着したインキ等の汚れを取るために版付けローラ11の従動回転時の周速度よりも若干速く設定されている。
【0116】
次に、変形例1の動作について実施形態1の動作と相違する点を中心に説明する。
実施形態1と同様に給版工程が行われた後、係止手段73のソレノイド77がオンすることにより、接離手段10が実施形態1と同様に動作し、ローラアーム115の他端側は接離手段10のカム15(図7(a)には図示せず)の輪郭外周面に沿って揺動され、印刷ドラム89aと同期して回転している接離手段10のカム15の輪郭外周面(小径部)がカムフォロア14の外周面と当接しなくなるときに、版付けローラ11はその外周面が印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59を押し付けて密着させる版付け位置に変位する(図7(a)参照)。版付けローラ11が版付け位置を占めているときには、印刷ドラム89aの外周面には製版済みのマスタ59を介して接離手段10の引張コイルバネ16(図7(a)には図示せず)の付勢力のみが加わることとなる。
【0117】
一方、説明が前後するが、版付けローラ11が版付け位置を占める直前には、ローラ駆動モータ118が作動を開始し、これによりクリーナー溶液114を担持したクリーニングローラ112が反時計回り方向に回転駆動されながら版付けローラ11の外周面に接触する。
そして、実施形態1と同様に版付けローラ11による版付け動作が行われ、その際、版付けローラ11の外周表面に付着したわずかな量のインキ等は、図7(a)においてクリーナー溶液114を担持したクリーニングローラ112の版付けローラ11の従動回転方向とは反対方向の回転によって、摺接してこすり取られたり、溶解・吸収されたりしてクリーニングされることとなるから、版付けローラ11の外周表面は常にインキ等の汚れのない清浄な状態に保たれる。したがって、版付け動作中において、印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59表面を汚すことがない。
【0118】
なお、印刷ドラム89aが図7(a)において図中矢印方向(反時計回り方向)に回転して、クランパ90aが印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59を介して押圧している版付けローラ11の近傍に至ると、実施形態1と同様の動作を介して、版付けローラ11は印刷ドラム89aのクランパ90aから離間して非版付け位置を占めることとなり、版付けローラ11の外周面とクランパ90aとの干渉が避けられる。また、版付けローラ11が非版付け位置に向けて揺動変位し始めると略同時に、ローラ駆動モータ118の作動が停止する。
【0119】
上述した版付け動作は、高速印刷時のような高速回転(例えば120rpm)で行われず、実施形態1と同様に印刷ドラム89aの回転速度が例えば10〜20rpmというような低速回転で行われ、印刷ドラム89aの外周面に対する版付けローラ11の外周面の接離動作は比較的緩やかに行われるから、クリーナー貯留部材113内のクリーナー溶液114がこぼれない。
【0120】
なお、変形例1においても、上述したような実施形態1の他の構成例と同様に構成したり、他の動作例と同様に動作させたりすることもできる。
したがって、変形例1でも、実施形態1と同様の各利点が得られる。
(変形例1の変形例2)
図8に、変形例1の変形例2を示す。
この変形例2は、変形例1の構成と比較して、版付けローラ11とクリーニングローラ112とを支持するローラアーム115、クリーニング手段111、接離手段10および係止手段73を備えた版付け部110に代えて、版付けローラ11とクリーニングローラ112とを支持するローラアーム125、クリーニング手段111’および接離手段124を備えた版付け部120を有することが主に相違する。
【0121】
ローラアーム125は、例えば板金で図示を省略した適宜の折り曲げ形状を形成されていて、図8における紙面の手前側(図1では装置の奥側に相当する)および奥側(図1では装置の手前側に相当する)に一対配設されている。各ローラアーム125,125は、その略中央部位において各ローラアーム125,125の外側壁にそれぞれ固着されたリング状の支軸部125aで前記一対の側板の内側に揺動自在に支持されている。各ローラアーム125,125は、その一端部で版付けローラ11の軸11aの両端部を回転自在に支持している。
クリーニングローラ112の軸112aの両端部は、各支軸部125a内に緩く嵌入されていて、図示しない軸受を介して各支軸部125aにそれぞれ回転自在に支持されている。これにより、各ローラアーム125,125は、クリーニングローラ112の軸112aの両端部の周りを中心にして同一位相をもって同時に揺動変位する。
一方、図8における手前側のローラアーム125の左端部には、セクタギヤ125bが一体的に形成されている。
【0122】
クリーニング手段111’は、クリーニング手段111と比較して、変形例1においてクリーナー貯留部材113を各ローラアーム115,115の底壁部に固設した取付け構造に代えて、クリーナー貯留部材113を前記一対の側板間に固設したこと、ローラ駆動モータ118を紙面手前側に配置されている前記側板に固設したことのみ相違する。ローラ駆動モータ118の回転駆動力をクリーニングローラ112の軸112aに伝達する回転伝達手段としては、クリーニングローラ112の紙面手前側の軸112aの端部に固設された従動ギヤと、紙面手前側の前記側板に回転自在に支持され前記従動ギヤと噛み合うアイドルギヤと、ローラ駆動モータ118の出力軸端部に固設され前記アイドルギヤと噛み合う駆動ギヤとからなる例を挙げることができる。
接離手段124は、セクタギヤ125bを備えたローラアーム125と、紙面手前側の前記側板に固設され、その出力軸にセクタギヤ125bと噛み合う駆動ギヤ127を有するアーム駆動モータ128とから主に構成されている。
アーム駆動モータ128には、その回転数を検知するためのエンコーダが内蔵されている。前記出力軸と駆動ギヤ127との間には、版付けローラ11の外周面が版付け位置(図8において実線で示す)を占めたときに過大な押圧力を印刷ドラム89aに加えないようにするためのトルクリミッタが介装されている。また、紙面手前側のローラアーム125のセクタギヤ125b寄りの部位には、版付けローラ11のホームポジションとしての非版付け位置(図8において仮想線で示す)を検知するための図示しない遮光片が固設され、一方、紙面手前側の前記側板には前記遮光片と選択的に係合することにより版付けローラ11のホームポジションを検知する透過型の光学センサ(図示せず)が設けられている。この光学センサは前記制御装置に接続されていて、前記制御装置は、前記光学センサおよび前記エンコーダからの各出力信号に基づいて、版付けローラ11の変位位置を計算し、版付けローラ11が版付け位置や非版付け位置を占めるようにアーム駆動モータ128を制御するようになっている。なお、紙面手前側の前記側板の内側には、版付けローラ11寄りのローラアーム125の一端部を非版付け位置で支持する図示しないストッパ部材が突出して植設されている。
【0123】
変形例2の動作について変形例1の動作と相違する点を中心に説明する。
変形例1と同様に給版工程が行われた後、アーム駆動モータ128が作動する。これにより、駆動ギヤ127と噛み合っているセクタギヤ125bの揺動動作を介して、非版付け位置(ホームポジションでもある)に保持されていたローラアーム125の一端部が、クリーニングローラ112の軸112aを揺動中心として、版付けローラ11の外周面とクリーニングローラ112の外周面とが常に接触した状態を維持しながら、図中実線矢印上方向に揺動変位し始める。
このとき、ローラ駆動モータ118が作動を開始し、これによりクリーナー溶液114を担持したクリーニングローラ112が反時計回り方向に回転駆動されながら常に版付けローラ11の外周面に接触することとなる。
【0124】
次いで、前記制御装置によって版付けローラ11が版付け位置を占めたと判断されたときに、前記制御装置からの指令によりアーム駆動モータ128の作動が停止する。
【0125】
そして、変形例1と同様に版付けローラ11による版付け動作が行われ、変形例1と同様のクリーニングローラ112による版付けローラ11の外周面のクリーニングが行われる。
版付け動作は版付けローラ11が版付け位置を占めた時点から印刷ドラム89aが略3/4周程回転した時点で終了し、今度はアーム駆動モータ128が前回と反対方向にセクタギヤ125bを揺動させるように作動(回転)する。これにより、版付けローラ11は非版付け位置に揺動変位され、同位置に保持される。また、アーム駆動モータ128が作動するのと略同時に、ローラ駆動モータ118の作動が停止する。
したがって、変形例2でも、変形例1と同様の各利点が得られる。
(実施形態2)
図9に、実施形態2を示す。
この実施形態2は、実施形態1の構成と比較して、版付け部100に代えて、版付け部130を有することが主に相違する。版付け部130は、マスタ押圧部材(版付け手段)としての版付けローラ11、クリーニング手段9、接離手段10および係止手段73等を備えた版付け部100の構成と比較して、版付けローラ11、クリーニング手段9、接離手段10および係止手段73等を除去し、これらに代えて、印刷ドラム89aの外周面に製版済みのマスタ59を押し付ける送風を発生する送風手段を有することを特徴とするものである。
【0126】
送風手段の一例としては、送風ファン131が用いられる。送風ファン131は、印刷ドラム89a内のインキ供給手段96のインキローラ92に対向した印刷ドラム89aの下方近傍に配置されている。この送風ファン131は、図9に模式的に示すようなファン駆動モータ132およびファン駆動モータ132により回転駆動されるファン等を備えたファン部133と、ファン部133に一体的に連結されファン部133で生成した送風134を導入し吐出するダクト134とを有する。ファン駆動モータ132は、DCモータからなる。ファン部133としては、例えば、既成のシロッコファン(商品名)等のうちで必要な送風能力を有するものを選択して用いる。
【0127】
なお、図9では図1に示されている版付け装置NAの上下方向のサイズを縮小してより小型化すべく、ダクト134に対してファン部133を右側に傾けて連結・接続しているが、これに限らず、ダクト134に対してファン部133を真っ直ぐに立てて連結・接続してもよい。
次に、実施形態2の動作について実施形態1の動作と相違する点を中心に説明する。
実施形態1と同様に、製版済みのマスタ59の先端部がクランパ90によりクランプされた後、製版済みのマスタ59が印刷ドラム89aの外周面に所定長完全に巻装されて給版工程が終了する前に、給版位置から製版済みのマスタ59を巻き付けながら時計回り方向に回転している印刷ドラム89aのクランパ90が図1における略真下を通過した時点で、図示しない制御装置からの指令でファン駆動モータ132が作動することにより、ファン部133のファンが回転して生成された送風134がダクト134の吐出口から吐出され、インキローラ92に対向する印刷ドラム89aの外周面上に所定の風圧をもって吹き付けられる。
【0128】
この送風134の風圧により、製版済みのマスタ59が押圧され、製版済みのマスタ59が印刷ドラム89aの外周面に連続的に押し付けられることにより、印刷ドラム89aの開孔部から滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ59が印刷ドラム89aの外周面上に密着すると同時に、さらに滲み出たインキが製版済みのマスタ59の穿孔部分に充填されることで版付け動作が行われる。このとき、インキローラ92は印刷ドラム89aの回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム89aの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接することにより、インキが印刷ドラム89aの内周面側に供給される。
【0129】
したがって、実施形態2によれば、印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に印刷用紙22を供給することなく版付け動作ができるから、印刷用紙22の無駄遣いをすることがなく、給・排紙部等を不要とすることで省スペースとなり、これにより小型化を図れると共に、軽量、安価となる利点がある。また実施形態2では、実施形態1のように印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に版付けローラ11を直接接触させるような構成ではないから、インキの転移を考慮する必要がないのでクリーニング手段9を不要にできると共に、版付けローラ11、接離手段10および係止手段73をも不要にできて、構成部品点数も減少して構成がより簡素となるから、さらに省スペースとなって小型化を図れると共に、より軽量かつ安価とすることも可能となる。
【0130】
なお、送風ファン131の配置位置は、図1に示されている版付け装置NAの上下方向のサイズを縮小してより一層の小型化を図ったり、トータルの版付け時間の短縮を図りたいのであれば、図9に示した位置に限らず、例えば図10に示すような位置に送風ファン131’を配置してもよい。この送風ファン131’は、送風ファン131と比べて、ダクト134に対してファン部133を真っ直ぐに連結・接続したことのみ異なる。
【0131】
また、送風手段は、前記した各送風ファン131、131’に限らず、例えばエアポンプ等により圧縮した空気をダクトから吐出させる圧縮エア吐出方式のようなものであってもよい。
【0132】
本発明の版付け装置は、図1に示されているようないわば通常モデルタイプともいえる版付け装置NAに限らず、図11に示す装置構成を具備する版付け装置NA10であってもよい。図11において、符号800は、版付け装置NA10の外部から製版部300のサーマルヘッドに供給すべき画像情報(最終的にはデジタル画像データ信号となる)を受信する受信部(または受信装置)の一例としてのPCコントローラ(パーソナルコンピュータ・コントローラ)を示す。PCコントローラ800には、例えばパーソナルコンピュータから延在して設けられた出力端子が接続され、そのパーソナルコンピュータからPCコントローラ800に画像情報に係るデータ信号が送信される。
【0133】
版付け装置NA10は、図1に示されている版付け装置NAと比較して、ADF2と原稿画像読取部200とを有しておらず、これに代えたPCコントローラ800を内蔵しているモデルであることのみ相違する。それ故に、版付け装置NA10は、図1に示されている版付け装置NAと比較して、より省スペースとなって、より一層の小型化を図れる。版付け装置NA10は、版付け部100を有するものに限らず、上述した版付け部110,120,130の何れかを配設したものでもよい。
なお、図1において括弧書きで示した版付け部110,120,130は、実施形態1の版付け部100に代えて、版付け部110,120,130の何れかを配設できることを表すものである。
【0134】
本発明の版付け装置は、図1に示した版付け装置NAや図11に示した版付け装置NA10に限らず、図12に示すような装置構成を具備する版付け装置NA20であってもよい。
【0135】
版付け装置NA20は、図1に示されている版付け装置NAと比較して、版付け装置NAの装置構成に加えて、PCコントローラ800を付設したモデルであることのみ相違する。それ故に、版付け装置NA20は、図1に示されている版付け装置NAと比較して、PCコントローラ800を備えていることにより版付け装置NA20の外部からも製版部300のサーマルヘッドに供給すべき画像情報(最終的にはデジタル画像データ信号となる)を供給できることとなるから、前記した2タイプの基本モデルである版付け装置NA,NA10と比べて、最も使い勝手に優れるものである。
なお、版付け装置NA20は、版付け部100を有するものに限らず、上述した版付け部110,120,130の何れかを配設したものでもよい。また、図1に示した版付け装置NAおよび図12に示した版付け装置NA20において、ADF2は必ずしも必要な構成ではなく、ADF2が無いタイプのものであってもよいことはいうまでもない。
【0136】
本発明の版付け装置は、図1に示されている版付け装置NAに限らず、図13に示す版付け装置NA’であってもよい。
版付け装置NA’は、図1に示されている版付け装置NAと比較して、その製版部300に代えて、製版部300’を有することのみ相違する。版付け装置NA’は、既存の製版印刷部一体型孔版印刷機の形態から給・排紙部を除去した形態となっているため、必然的に省スペースとなるその空きスペースを利用して、製版部300よりも広いスペースをもって配置された製版部300’を具備していることが特徴である。
【0137】
製版部300’は、複数のマスタを使用可能な複数(ここでは2つ)のマスタ貯容手段としてのマスタ支持部材60A,60Bを有する。マスタ支持部材60Aは、標準用のマスタ59Aを芯管58の周りにロール状に巻いて形成されたマスタロール61Aから標準用のマスタ59Aを繰り出し自在に支持する。マスタ支持部材60Bは、高画質用のマスタ59Bを芯管58の周りにロール状に巻いて形成されたマスタロール61Bから高画質用のマスタ59Bを繰り出し自在に支持する。各マスタ支持部材60A,60Bは、実施形態1における製版部300のマスタ支持部材60と同様に配設されている。
【0138】
ここで、標準用のマスタ59Aとは、例えば現在多用されている通常のマスタを指し、高画質用のマスタ59Bとは、サーマルヘッド63で穿孔・製版する際に、穿孔される孔の形状がよりシャープに形成されるもの、例えば実質的に熱可塑性樹脂フィルムからなるもの等を指す。
なお、例えば、標準用のマスタ59Aに代えてショートランマスタを、高画質用のマスタ59Bに代えてロングランマスタを用いるようにすることもできる。ここで、ショートランマスタとは、例えば現在多用されている通常の耐刷枚数を有するマスタを指し、ロングランマスタとは、材質または厚さの違いによりショートランマスタよりも耐刷枚数の高いマスタを指す。
【0139】
このように構成することで、ユーザの希望に応じたマスタを提供することができるようになるから、ユーザの利便性が高くなる。
なお、製版部300’は、図13に示した版付け装置NA’に限らず、図11に示した版付け装置NA10や図12に示した版付け装置NA20の製版部300に代えて、版付け装置NA10や版付け装置NA20にも適用することができる。
【0140】
なお、実施形態1の孔版印刷装置Bは、システム全体のダウンサイジングを高める観点から、排版部や製版部を有しない構成としたが、この効果を望まなくてもよいのであれば、孔版印刷装置Bを、適宜に製版部や排版部を加えた構成のものとし、ユーザーの印刷ドラムの着脱作業を軽減できるようにしてもよいことは勿論である。
この一例を、図14を参照して説明する。なお、各構成要素は前記実施形態1と同一であるので同一符号で示すと共に簡略的に示し、その構成・機能上の説明は適宜省略する(以下の各例においても同じ)。
図14に示す多色印刷システム例は、前記実施形態1の孔版印刷装置Bの各印刷ドラム89a,89bにそれぞれ対応して個別に排版部400,400を設けた孔版印刷装置B’と、これとは個別に存在する版付け装置NA30とから構成される。符号139は、版付け装置NA30の操作性向上するための補助テーブルを示す。補助テーブル139は、必須の構成要素ではないので無くても構わないが、小型化の程度を比較する意味合いから敢えて図示したものである。
【0141】
孔版印刷装置B’側においては各排版部400,400を付加した分、ダウンサイジングの効果は低減するが、印刷ドラム89a,89bを入れ替える前に予め排版を済ませることができ、版付け装置NA30では原稿の画像読み取り、製版、給版および版付け工程のみ行えばよいので印刷開始までの時間を短縮することができる。また、これによってオペレータの印刷ドラムの着脱作業の軽減を図ることができる。
なお、図14に示した例は、これに限らず、図11に示したPCコントローラ800を付加したり、あるいは版付け装置NA30からADF2を含む原稿画像読取部200を除去しこれに代えて、図11に示したPCコントローラ800を配設したりしたものでもよい。
【0142】
図15に、本発明の特徴をより本質的に示す版付け装置を有する多色印刷システム例を示す。この多色印刷システム例は、図14に示したと同様の孔版印刷装置B’と、版付け装置NA40と、製版装置Cとから構成されている。
【0143】
版付け装置NA40は、図14に示した版付け装置NA30と比較して、ADF2を含む原稿画像読取部200および製版部300を除去したものであり、版付け装置NA40の本体に対して着脱自在な印刷ドラム89aと、印刷ドラム89a内に配設されたインキ供給手段(図15には図示せず)と、製版済みのマスタを印刷ドラム89aに給版する給版部350Aと、印刷ドラム89aに製版済みのマスタを密着させる版付け手段100(または110または120または130)とを有し、いわば版付け専用機となっている(請求項1参照)。
給版部350Aは、図1に示されている製版部300および給版部350の構成から、製版手段としてのサーマルヘッド63およびプラテンローラ62を除去すると共に、図1に示されているマスタ支持部材60に回転自在に支持されている未製版のマスタロール61に代えて、画像情報に応じて既に製版した製版済みのマスタを芯管の周りに巻いて形成した製版済みのマスタロールを前記マスタ支持部材に回転自在に支持させるようにした構成を有することが相違する。
なお、製版済みのマスタロールを前記マスタ支持部材に回転自在に支持させることに限らず、例えば製版装置C側でいわゆる撓み製版が可能な構成を備えている場合には、製版済みのマスタが収納された撓みボックスを装置本体に対して着脱自在に構成してその製版済みのマスタが収納された撓みボックスごと給版部350Aにセットして給版するようなこともできる。
【0144】
製版装置Cは、原稿画像読取部200および製版部300のみを有し、いわば製版専用機となっている。製版装置Cでは、画像情報に応じて製版した製版済みのマスタを自動的に芯管の周りに巻き付けるための巻取部を付設するとよい。この巻取部では、プラテンローラの駆動手段としての前記したステッピングモータに連結させて回転駆動したり、または前記ステッピングモータとは別のステッピングモータを設けて駆動するようにすればよい。
なお、製版装置Cは、これに限らず、上述したと同様に図11に示したPCコントローラ800を付加したり、あるいは製版装置CからADF2を含む原稿画像読取部200を除去しこれに代えて、図11に示したPCコントローラ800を配設したりしたものでもよい。
【0145】
したがって、版付け装置NA40によれば、印刷ドラム89a上の製版済みのマスタ59に印刷用紙22を供給することなく版付け動作ができて、印刷用紙22の無駄遣いをすることがないことは無論のこと、給・排紙部に加え、原稿画像読取部、排版部、製版部をも不要とすることでより一層省スペースとなり、例えていえば卓上型の複写機並に小型化を図れると共に、軽量、安価となる程度も甚大となる。
【0146】
版付け装置は、上述した版付け装置NA,NA’,NA10,NA20,NA30,NA40等に限らず、次のような構成のものであってもよい。すなわち、例えば、図15に示した多色印刷システムにおける孔版印刷装置B’から2つの排版部400を除去すると共に、版付け装置40側に排版部400を付加した構成である(請求項2参照)。
【0147】
版付け装置NAにおける原稿画像読取部200、排版部400、製版部300、給版部350の各構成やレイアウトは、あくまでも一例であって、これらに限られるものではなく、周知のあらゆる構成例やレイアウト例を適用したり準用したりできることはいうまでもない。これは、上述した版付け装置NA’,NA10,NA20,NA30,NA40等においても同様である。
【0148】
孔版印刷装置B,B’における押圧部材としては、プレスローラ方式の他に、圧胴方式を採用することもできる。製版部300,300’では、サーマルヘッドによる穿孔方式を例示したが、フラッシュやレーザー等による穿孔方式としてもよい。
【0149】
また、本発明は、前記クランプ手段を備えた印刷ドラム89a,89bに限らず、本願出願人が例えば特開平11−342664号公報で提案したようなクランパレスの版胴(印刷ドラム)を装置本体に対して着脱自在に構成したものにも適用できる。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態やこれらに包含されている実施例等について説明したが、本発明の構成は、上述したものに限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて、あるいは単独で構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および目的・用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0150】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、装置本体に対して着脱自在な印刷ドラムと、印刷ドラム内に配設されたインキ供給手段と、製版済みのマスタを前記印刷ドラムに給版する給版部と、印刷ドラムに製版済みのマスタを密着させる版付け手段とを有し、給紙部および排紙部を有しない版付け装置であって、印刷ドラム上の製版済みのマスタに印刷用紙を供給することなく版付け動作が可能であることにより、例えば多色印刷システムにおける多色印刷装置等のような半ば印刷専用機のために版付けを行う場合、印刷用紙の無駄遣いをすることがなく、給・排紙部に加え、原稿画像読取部、排版部、製版部をも不要とすることが可能となることにより省スペース効果が最大となり、これにより顕著な小型化を図れると共に、軽量、安価となる程度も甚大となる。
【0151】
請求項2記載の発明によれば、印刷ドラム上の使用済みのマスタを排版する排版部を有することにより、版付け装置側で排版動作を行うことができ、請求項1記載の発明の効果から排版部を有することに伴う分を差し引いた小型化を図れると共に、これに準じて軽量、安価となる。
【0152】
請求項3記載の発明によれば、画像情報に応じてマスタを製版する製版部を有することにより、版付け装置側で製版動作を行うことができ、請求項1または2記載の発明の効果から製版部を有することに伴う分を差し引いた小型化を図れると共に、これに準じて軽量、安価となる。
【0153】
請求項4記載の発明によれば、原稿の画像を読み取ることにより画像情報を生成する原稿画像読取部を有することにより、版付け装置側で原稿の画像を読み取ることができ、請求項3記載の発明の効果から原稿画像読取部を有することに伴う分を差し引いた小型化を図れると共に、これに準じて軽量、安価となる。
【0154】
請求項5記載の発明によれば、版付け装置の外部から画像情報を受信する受信部を有することにより、版付け装置の外部からの画像情報に応じて版付け装置側で製版動作を行うことができるので使い勝手に優れ、かつ、請求項3または4記載の発明の効果から受信部を有することに伴う分を差し引いた小型化を図れると共に、これに準じて軽量、安価となる。
【0155】
請求項6記載の発明によれば、版付け手段は、印刷ドラムに製版済みのマスタを押し付けるマスタ押圧部材であることにより、請求項1ないし5の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、版付け動作を確実に行える。
【0156】
請求項7記載の発明によれば、マスタ押圧部材は、非インキ付着性の材料で形成されていることにより、請求項6記載の発明の効果に加えて、マスタ押圧部材にインキが転移(転写)して付着してしまうことがないから、印刷ドラム上の製版済みのマスタをインキで汚すことを防止できる。
【0157】
請求項8記載の発明によれば、マスタ押圧部材をクリーニングするクリーニング手段を有することにより、請求項6または7記載の発明の効果に加えて、たとえマスタ押圧部材にインキが転移して付着してしまっても、クリーニング手段によってマスタ押圧部材がクリーニングされるから、印刷ドラム上の製版済みのマスタをインキで汚すことを確実に防止できる。
【0158】
請求項9記載の発明によれば、クリーニング手段は、製版済みのマスタを介して版付けローラの印刷ドラムへの押圧時には版付けローラに接触してクリーニングすることにより、マスタ押圧部材が印刷ドラムの外径よりもその外径が小さい版付けローラであっても、版付け動作時には常にクリーニング手段によってマスタ押圧部材がクリーニングされて汚れのない状態に保つことができることで、請求項8記載の発明の効果を奏する。
【0159】
請求項10記載の発明によれば、版付け手段は、印刷ドラムに製版済みのマスタを押し付ける送風を発生する送風手段であることにより、請求項1ないし5の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、インキの転移を考慮することなく、比較的簡素な構成で版付け動作を行える。
【0160】
請求項11記載の発明によれば、、複数のマスタを使用可能な複数のマスタ貯容手段を有することにより、請求項1ないし10の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、ユーザが希望するマスタを選択できるようになるから、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す版付け装置の概略的な正面図である。
【図2】実施形態1に関連する多色印刷システムの模式的な平面図である。
【図3】図2に示した多色印刷システムの使用方法を説明する模式的平面図であって、(a)は多色印刷装置としての孔版印刷装置の右側の印刷ドラムの製給排版動作の説明図、(b)は左側の印刷ドラムの製給排版動作の説明図である。
【図4】図1に示した版付け装置の版付け部の構成および動作を示す一部断面正面図であって、(a)は版付けローラが版付け位置を占めて動作している図、(b)は版付けローラが非版付け位置を占めるように動作している図である。
【図5】図4で省略している構成を含む版付け部の要部の斜視図である。
【図6】図2に示した多色印刷システムを構成する孔版印刷装置側の概略的な正面図である。
【図7】実施形態1の変形例1を示す版付け部の構成および動作を示す一部断面正面図であって、(a)は版付けローラが版付け位置を占めて動作している図、(b)は版付けローラが非版付け位置を占めるように動作している図である。
【図8】実施形態1の変形例2を示す版付け部の構成および動作を示す一部断面正面図である。
【図9】実施形態2における送風ファンを備えた版付け部の概略的な正面図である。
【図10】図9に示した送風ファンの別の構成例および配置例の概略的な正面図である。
【図11】図1に示した版付け装置とは別の装置構成例を示す模式的な正面図である。
【図12】図1や図11に示した版付け装置とはさらに別の装置構成例を示す模式的な正面図である。
【図13】図1に示した版付け装置の製版部とは別の装置構成例を示す模式的な正面図である。
【図14】図2に示した多色印刷システムとは別のシステム例を示す模式的な正面図である。
【図15】図2や図14に示した多色印刷システムとはさらに別のシステム例を示す模式的な正面図である。
【図16】従来の多色印刷システム例を示す模式的な正面図である。
【符号の説明】
9 クリーニング手段
11 版付け手段およびマスタ押圧部材としての版付けローラ
17 クリーニング手段を構成するクリーニングウェブ
22 印刷用紙
59,59A,59B マスタ
60,60A,60B マスタ貯容手段としてのマスタ支持部材
89a,89b 印刷ドラム
96 インキ供給手段
100,110,120,130 版付け部
131,131’ 版付け手段および送風手段としての送風ファン
137 送風
200 原稿画像読取部
300,300’ 製版部
350,350A 給版部
400 排版部
500 給紙部
600 排紙部
800 受信部としてのPCコントローラ
B 多色印刷装置としての孔版印刷装置
NA,NA’,NA10,NA20,NA30,NA40 版付け装置

Claims (11)

  1. 装置本体に対して着脱自在な印刷ドラムと、印刷ドラム内に配設されたインキ供給手段と、製版済みのマスタを前記印刷ドラムに給版する給版部と、前記印刷ドラムに製版済みのマスタを密着させる版付け手段とを有し、給紙部および排紙部を有しない版付け装置であって、
    記印刷ドラム上の製版済みのマスタに印刷用紙を供給することなく版付け動作が可能であることを特徴とする版付け装置。
  2. 請求項1記載の版付け装置において、
    前記印刷ドラム上の使用済みのマスタを排版する排版部を有することを特徴とする版付け装置。
  3. 請求項1または2記載の版付け装置において、
    画像情報に応じてマスタを製版する製版部を有することを特徴とする版付け装置。
  4. 請求項3記載の版付け装置において、
    原稿の画像を読み取ることにより前記画像情報を生成する原稿画像読取部を有することを特徴とする版付け装置。
  5. 請求項3または4記載の版付け装置において、
    前記版付け装置の外部から前記画像情報を受信する受信部を有することを特徴とする版付け装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の版付け装置において、
    前記版付け手段は、前記印刷ドラムに製版済みのマスタを押し付けるマスタ押圧部材であることを特徴とする版付け装置。
  7. 請求項6記載の版付け装置において、
    前記マスタ押圧部材は、非インキ付着性の材料で形成されていることを特徴とする版付け装置。
  8. 請求項6または7記載の版付け装置において、
    前記マスタ押圧部材をクリーニングするクリーニング手段を有することを特徴とする版付け装置。
  9. 請求項8記載の版付け装置において、
    前記マスタ押圧部材は、前記印刷ドラムの外径よりもその外径が小さい版付けローラからなり、
    前記クリーニング手段は、製版済みのマスタを介して前記版付けローラの前記印刷ドラムへの押圧時には、前記版付けローラに接触してクリーニングすることを特徴とする版付け装置。
  10. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の版付け装置において、
    前記版付け手段は、前記印刷ドラムに製版済みのマスタを押し付ける送風を発生する送風手段であることを特徴とする版付け装置。
  11. 請求項1ないし10の何れか一つに記載の版付け装置において、
    複数のマスタを使用可能な複数のマスタ貯容手段を有することを特徴とする版付け装置。
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