JP4712930B2 - 多色孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の版胴を備えて多色印刷を行える孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の版胴を用紙搬送方向に並列配置された多色孔版印刷装置では、各版胴に接離可能に設けられた印圧部材による印圧が各版胴に加えられることで、各版胴と各印圧部材の間に搬送される印刷用紙を挟持し、印刷用紙に版胴の回転力を伝達して搬送力を与えながら印刷を行い、用紙搬送方向の最下流に配置された排紙部に印刷用紙を排紙している。このような多色孔版印刷装置の一例として特開平10−297073号公報に記載のものが挙げられる。この多色孔版印刷装置では、全色印刷、単色印刷にかかわらず印圧部材による印圧が各版胴に加えられてしまう構成であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多色孔版印刷装置では、単色印刷時であっても印圧部材による印圧が各版胴に加えられてしまう構成であったので、印刷に使用しない版胴のインキが、該版胴に印圧を与える印圧部材や印刷用紙に付着してしまう。このため、印刷に使用しない版胴の外周面に無製版のマスタを巻装して、印圧部材や印刷用紙にインキが付着するのを防いでいる。このような構成であると、単色印刷を行うたびに使用しない版胴の外周面に無製版のマスタを巻装しなければならず、非常に無駄なものとなっている。また、排紙部が用紙搬送方向の最下流に配置されているので、印圧部材による印圧が解除されてしまうと、印刷用紙に対して十分な搬送力を与えることができず、印刷用紙の搬送不良を招いてしまう場合がある。
【0004】
本発明は、印刷に使用しない版胴に対する無製版マスタの使用を無くして印刷コストの低減を図れる多色孔版印刷装置を提供することを目的としている。
本発明は、印圧部材による印圧がなくても印刷用紙に対して十分な搬送力を与えて印刷用紙の搬送不良を防止できる多色孔版印刷装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、異なる色のインキを内部に有する複数の版胴と、各版胴にそれぞれ接離可能に設けられた複数の印圧部材とを備え、これら版胴と印圧部材を用いて印刷用紙を挟持して印刷を行う印刷モードを備えた多色孔版印刷装置において、印刷モードが各版胴と各印圧部材の内の任意の版胴と印圧部材により印刷用紙を挟持して印刷する色選択印刷モードの場合に、色選択印刷モードで使用されない印圧部材をそれに対応する版胴から離間した位置に保持する保持手段を備えたことを特徴としている。
【0006】
印刷モードが色選択印刷モードであると、この色選択印刷モードで使用されない版胴に対して接離可能な印圧部材が保持手段によって版胴から離間した位置に保持されるので、印刷に使用しない版胴と印圧部材の接触が無くなり、従来のように無製版のマスタを版胴の外周面に巻装しなくて済む。本発明において、「色選択印刷モード」とは、複数の版胴のうちから単に印刷に使用する版胴を選択するモードを含むものである。
【0007】
請求項記載の発明は保持手段が、印圧部材を回転自在に支持し、この印圧部材の外周面を版胴の外周面に圧接する押圧位置と版胴の外周面から離れた離間位置へと印圧部材を移動するアーム部材と、アーム部材と係脱可能に設けられ離間位置においてアーム部材を係止するストッパと、ストッパをアーム部材との係止方向に付勢する付勢手段と、アーム部材との離脱位置に向かってストッパを移動する電磁アクチュエータとを有することを特徴としている。
【0008】
請求項1記載の発明は、複数の版胴の中から任意の版胴を選択する版胴選択手段と、印刷モードが色選択印刷モードである場合に版胴選択手段で選択された版胴に対応する印圧部材の外周面が選択された版胴の外周面と接触する位置を占めるように、ストッパを離脱位置に移動すべく電磁アクチュエータを駆動するとともに、版胴選択手段で選択されない版胴に対応する印圧部材の外周面が、選択されない版胴の外周面から離間した位置を占めるように電磁アクチュエータを制御する制御手段とを有することを特徴としている。
【0009】
色選択印刷モード中において複数の版胴の中から任意の版胴が選択されると、制御手段によって電磁アクチュエータが駆動され、選択された版胴に対して印圧部材の外周面が接触する位置を占めるので、この選択された版胴によって印刷が行われる。また、選択されない版胴に対応する印圧部材は、版胴から離間した位置に保持手段で保持され、印刷に使用しない版胴と印圧部材の接触を無くしながら、使い勝手がよくなる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の多色孔版印刷装置において、各版胴の有無を検知する複数の版胴有無検知手段と、版胴有無検知手段からの検知情報に基づき印刷モードを各版胴と各印圧部材によりそれぞれ印刷用紙を挟持して印刷する全色印刷モードまたは色選択印刷モードに切り替えると共に、切り替えられた印刷モードが色選択印刷モードである場合に版胴有無検知手段で検知された版胴に対応する印圧部材の外周面が検知された版胴の外周面と接触する位置を占めるように、ストッパを離脱位置に移動すべく電磁アクチュエータを駆動するとともに、版胴有無検知手段で検知されない版胴に対応する印圧部材の外周面が、検知されない版胴の外周面から離間した位置を占めるように電磁アクチュエータを制御する制御手段とを有することを特徴としている。
【0011】
版胴の有無に応じて印刷モードが色選択印刷モードに切り替えられると、制御手段によって電磁アクチュエータが駆動され、版胴有無検知手段で検知された版胴に対して印圧部材の外周面が接触する位置を占めるので、検知された版胴で印刷が行える。検知されない版胴に対応する印圧部材は、版胴から離間した位置に保持手段で保持されたままとなり、印刷に使用しない版胴と印圧部材の接触を無くしながら、使い勝手がよく、誤操作も低減する。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項記載の多色孔版印刷装置において、制御手段は、各版胴有無検知手段の少なくとも1つから検知情報が出力された場合には色選択印刷モードを選択し、各版胴有無検知手段の全てから検知情報が出力された場合には全色印刷モードを選択することを特徴としている。
【0013】
版胴有無検知手段の少なくとも1つから検知信号が出力されると、この検知された版胴を用いた色選択印刷モードとなり、版胴有無検知手段で検知されなかった版胴、すなわち印刷に用いられない版胴に対応する印圧部材が保持手段によって版胴から離間した位置に保持されるので、印刷に使用しない版胴と印圧部材との接触を無くしながら、印刷モードを版胴の有無に応じて自動的に切り替えることができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の多色孔版印刷装置において、全色印刷モードと色選択印刷モードとを選択する印刷モード選択手段を有することを特徴としている。このため、選択された版胴や版胴の装着状態と共に、印刷モード選択手段によって、印刷モードを全色印刷モードと色選択印刷モードとに選択することができる。
【0015】
請求項載の発明は、請求項1乃至の何れか1つに記載の多色孔版印刷装置において、各印圧部材を各版胴との対向部において各版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動する駆動手段を有することを特徴としている。
【0016】
印圧部材が駆動手段によって各版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動されると、版胴と離間した位置に保持手段で保持された印圧部材であっても印刷用紙に十分な搬送方向への搬送力を与えることができる。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項記載の多色孔版印刷装置において、気流を発生させる送風源と、送風源からの気流を各版胴と各印圧部材の対向部近傍に版胴側から供給する流路とを有する配風手段を備えたことを特徴としている。
【0018】
送風源で発生した気流が各版胴と各印圧部材の対向部近傍に搬送された印刷用紙に対して版胴側から噴き付けられることで、印刷用紙が、保持手段によって版胴から離間した位置に保持された状態で版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動される印圧部材に向かって押し付けられる。このため、印圧部材の回転が効率よく印刷用紙に伝達され、印圧部材と版胴の双方で印刷用紙を挟持しなくても、印刷用紙に対してより十分な搬送方向への搬送力を与えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示す多色孔版印刷装置は、矢印Xで示す用紙搬送方向(以下、「用紙搬送方向X」と記す)の上流側から下流側に向かって並設され異なる色のインキをそれぞれその内部に有する2つの版胴1A,1B(以下、「第1版胴1A」、「第2版胴1B」と記す)と、各版胴にそれぞれ接離可能に設けられた複数の印圧部材としてのプレスローラ2A,2Bとを装置本体100内に有している。多色孔版印刷装置は、第1版胴1Aとプレスローラ2A及び第2版胴1Bとプレスローラ2Bにより印刷用紙22を挟持して印刷を行う全色印刷モードと、第1版胴1Aとプレスローラ2Aあるいは第2版胴1Bとプレスローラ2Bの選択された何れか一方側で印刷用紙22を挟持して印刷を行う色選択印刷モードとを制御手段80で適宜切り替えられるものである。
【0021】
多色孔版印刷装置は、装置本体100内の第1版胴1Aと第2版胴1Bの外廻りに、周知の製版給版装置3A,3Bと排版装置4A,4B、プレスローラ2A,2Bを各版胴の外周面1a,1bから離間した位置に保持する保持手段5A,5B、配風手段6A,6B,6Cがそれぞれ配置されている。第1版胴1Aと第2版胴1Bのそれぞれの内部には、インキ供給手段7A,7Bが配設されている。これら第1版胴1Aと第2版胴1B、プレスローラ2A,2B、製版給版装置3A,3B、排版装置4A,4B、保持手段5A,5B、配風手段6A,6B,6C、インキ供給手段7A,7Bは、略同一の機能及び構成を有しているので、同一数字符号の末尾に符号AまたはBあるいはCを付加することで各構成部を区別し、重複説明は省略する。
【0022】
本形態に係る多色孔版印刷装置は、周知の感熱デジタル製版一体型の孔版印刷装置であって、装置本体100の上部に配置される図示しない原稿読取装置で原稿の画像を読み取り、CCD(電荷結合素子)等の光電変換素子からなる画像センサにより光電変換し、この光電変換された電気信号を図示しないアナログ/デジタル変換基板に送信することによりデジタル画像信号に変換し、製版給版装置3A,3Bに送信している。製版給版装置3A,3Bでは、このデジタル画像信号に応じて無製版のマスタを図示しない周知のサーマルヘッドで製版し、製版されたマスタ8A,8Bを各版胴の外周面1a,1bに向かって給版している。給版されたマスタ8A,8Bは、各版胴の外周面1a,1bに設けられたクランパ9A,9Bでそれぞれ保持され、第1版胴1Aと第2版胴1Bが回転駆動されることで各版胴の外周面1a,1bにそれぞれ巻装される。巻装されたマスタ8A,8Bは、印刷が終了して次の製版が開始される時に、排版装置4A,4Bによって各版胴の外周面1a,1bから剥離されて排版装置4A,4B内に廃棄される。これら製版給版装置3A,3Bや排版装置4A,4B等は、制御手段80によって適宜後述の駆動部の駆動動作が制御されることで動作する。
【0023】
第1版胴1Aと第2版胴1Bは、周知の多孔性円筒状をなし、ドラム軸35A,35Bの周りにそれぞれ回転自在に支持されている。ドラム軸35A,35Bは、装置本体100に対して着脱可能に設けられたフレーム36A,36Bにその両端が支持されている。このため、第1版胴1Aと第2版胴1Bは、それぞれ装置本体100に対して着脱可能となっている。第1版胴1Aと第2版胴1Bは、図示しない歯車列やベルトとプーリからなる周知の動力伝達機構を介して互いに連結されている。この動力伝達機構には、後述する駆動源となる版胴駆動モータ68が連結されていて、第1版胴1Aと第2版胴1Bを図1に矢印で示した印刷方向となる時計回り方向に回転駆動するように構成されている。第1版胴1Aと第2版胴1Bは、制御手段80によって適宜版胴駆動モータ68の駆動動作が制御されることで、その回転速度や回転方向が制御される。第1版胴1A及び第2版胴1Bは、マスタ8A,8Bの給版から版付け時までは印刷時よりも遅い速度で図1において時計回り方向に回転され、印刷時には印刷速度で時計回り方向に回転される。
【0024】
印刷用紙22は、用紙搬送方向Xの最上流側に配置された昇降可能な給紙トレイ10上に積載されていて、積載された最上位のものから呼び出しコロ11と分離コロ対12,13及び分離板14の協働作用により1枚に分離され、上下一対のガイド板15,16に案内されつつレジストローラ対17に向けて給紙される。印刷用紙22は、レジストローラ対17でタイミングを計られて送り出され、プレスローラ2Aと第1版胴1Aの間に形成される対向部としての印刷部18や、プレスローラ2Bと第2版胴1Bの間に形成される対向部としての印刷部19を経由して用紙搬送方向Xの下流側に配置された排紙トレイ20まで搬送される。これら呼び出しコロ11、分離コロ対12,13及びレジストローラ対17は、印刷時や版付け時に制御手段80によって適宜後述の駆動部の駆動動作を制御されることで回転動作し、マスタ8A,8Bの巻装後に行われる版付け時には印刷用紙22を1枚給紙し、印刷時には設定された印刷枚数分の印刷が終了するまで印刷用紙22を給紙するように構成されている。
【0025】
印刷部18と印刷部19の間には、第1版胴1Aと第2版胴1Bの間の用紙搬送経路を構成する搬送装置21とガイド部材23,24が配置されている。印刷部19と排紙トレイ20の間には、排紙装置25が配置されている。搬送装置21は、駆動ローラ26と従動ローラ27に巻きかけられた多孔性の搬送ベルト28と、搬送ベルト28の下方に配置された吸着ファン29とを備えている。搬送ベルト28は、図1において反時計回り方向に移動されると共に、その上面に吸着ファン29の回転により発生する吸引力が作用している。搬送装置21は、印刷部18を通過した印刷用紙22を搬送ベルト28上に吸着して用紙搬送方向Xの下流側、すなわち、ここでは印刷部19ヘ向かって搬送するように構成されている。
【0026】
排紙装置25は、駆動ローラ30と従動ローラ31に巻きかけられた多孔性の排紙ベルト32と、排紙ベルト32の下方に配置された吸着ファン33とを備えている。排紙ベルト32は、図1において反時計回り方向に移動されると共に、その上面に吸着ファン33の回転により発生する吸引力が作用している。排紙装置25は、印刷部19を通過した印刷用紙22を排紙ベルト32上に吸着して排紙トレイ20に向かって搬送するようになっている。これら搬送装置21や排紙装置25は、印刷用紙22が給紙される印刷時や版付け時に、制御手段80によって適宜後述の駆動部を駆動されることで動作する。
【0027】
搬送装置21及び排紙装置25の上方には、印刷用紙22を各版胴の外周面1a,1bから分離・剥離するための分離爪34A,34Bが配置されている。分離爪34A,34Bは、櫛状に形成されて印刷用紙22の幅方向に延在しており、配風手段6B,6Cから供給される気流を印刷部18,19の近傍に通風可能に構成されている。
【0028】
第1版胴1A及び第2版胴1Bの内部にそれぞれ配置されたインキ供給手段7A,7Bは、インキ溜り39A,39Bを構成する周知のインキローラ37A,37Bとドクタローラ38A,38Bを備え、各ローラが回転することによってインキ溜り39A,39Bのインキを混練して伸ばし、インキローラ37A,37Bを介して各版胴の内周面に供給している。ドラム軸35A,35Bは、その軸方向にそれぞれ複数の孔が形成され、各々の一端が図示しないインキポンプを介して異なる色のインキが収納されたインキパックにそれぞれ接続されており、インキ供給パイプの機能を有している。インキ溜り39A,39Bには、ドラム軸35A,35Bからインキがそれぞれ供給される。本形態において、インキ溜り39Aには黒色のインキが、インキ溜り39Bには赤色のインキが、インキ溜り39A,39Bのインキ量が低減するとそれぞれ供給されるようになっている。
【0029】
保持手段5A,5Bは、プレスローラ2A、2Bを各版胴の外周面1a,1bに接離可能に支持するアーム部材40A,40Bと、アーム部材40A,40Bに対してそれぞれ係脱可能に設けられたストッパ41A,41Bと、各ストッパをアーム部材40A,40Bとの係止方向にそれぞれ付勢する付勢手段としての引っ張りバネ42A,42Bと、ストッパ41A,41Bをアーム部材40A,40Bとの離脱位置に向かって移動する電磁アクチュエータとしての電磁ソレノイド43A,43B(以下「第1ソレノイド43A,第2ソレノイド43B」と記す)とを備えている。
【0030】
アーム部材40A,40Bは、図2に示すように略L字状を成し、その屈曲部が装置本体100に固定された軸44A,44Bでそれぞれ揺動自在に支持されている。プレスローラ2A,2Bは、アーム部材40A,40Bの一方の揺動端401A,401Bに軸45A,45Bでそれぞれ回転自在に支持されている。アーム部材40A,40Bの他方の揺動端402A,402Bには、コロ46A,46Bが設けられている。揺動端402A,402Bには、アーム部材40A,40Bに時計回り方向への回動習性と各版胴に対して印圧を与えるプレスローラテンション47A,47Bの一端が係止されている。プレスローラテンション47A,47Bの他端は、装置本体100側に係止されている。
【0031】
コロ46A,46Bは、プレスローラ2A,2Bの外周面2a,2bをそれぞれ各版胴の外周面1a,1bに対して接離させるカム48A,48Bの輪郭周面と圧接している。カム48A,48Bは、図示しない連結機構を介して第1版胴1A及び第2版胴1Bの回転と同期して回転するように構成されている。カム48A,48Bの輪郭周面は、クランパ9A,9Bが印刷部18,19を通過する際に、プレスローラ2A,2Bの外周面2a,2bを各版胴の外周面1a,1bから離間するカムプロフィールにそれぞれ形成されている。つまり、アーム部材40A,40Bは、図2に示すようにプレスローラ2A,2Bの外周面2a,2bを、各版胴の外周面1a,1bから離れた離間位置と、図3に実線で示すように各版胴の外周面1a,1bに圧接させる押圧位置とに移動可能に軸44A,44Bで支持されている。プレスローラ2A,2Bは、給送されてきた印刷用紙22を各版胴の外周面1a,1bに押し付けて印刷画像を印刷用紙22上に転写する機能を有している。
【0032】
アーム部材40A,40Bには、係止ピン49A,49Bがそれぞれ設けられている。ストッパ41A,41Bは、図2に示すように、その基端41a,41bが装置本体100側に揺動自在に支持されてアーム部材40A,40Bの近傍に配置されている。ストッパ41A,41Bの揺動端41c,41dは略直角に屈曲されていて、アーム部材40A,40Bが離間位置を占めたときに、係止ピン49A,49Bと係合するように設けられている。引っ張りバネ42A,42Bは、一端を装置本体100側に係止され、他端をストッパ41A,41Bに係止されており、ストッパ41A,41Bを係止ピン49A,49Bと係合する向きに付勢している。
【0033】
第1ソレノイド43A及び第2ソレノイド43Bは、その可動ロッド50A,50Bがストッパ41A,41Bにそれぞれピン結合されている。第1ソレノイド43A及び第2ソレノイド43Bは、通電されてオンすると、可動ロッド50A,50Bを引き込むプルタイプのもので、オン状態となると、図3に示すように、ストッパ41A,41Bを引っ張りバネ42A,42Bのバネ力に抗してそれぞれ2点鎖線で示す係止位置から実線で示す離脱位置へと移動させるようになっている。
【0034】
図2に示すように、プレスローラ2A,2Bの側面には、プーリ51A,51Bが一方向クラッチ69A,69Bを介してそれぞれ装着されている。一方向クラッチ69A,69Bは、プーリ51A,51B側からプレスローラ2A,2Bへの回転だけを伝達する構成となっている。プーリ51A,51Bには、軸44A,44Bに回転自在に支持されたダブルプーリ52A,52Bとの間に、連結ベルト53A,53Bがそれぞれ巻きかけられている。ダブルプーリ52A,52Bには、駆動ベルト57A,57Bが、駆動手段としての駆動モータ54A,54B(以下「第1駆動モータ54A,第2駆動モータ54B」と記す)の出力軸55A,55Bに嵌挿された駆動プーリ56A,56Bとの間でそれぞれ巻きかけられている。第1駆動モータ54A及び第2駆動モータ54Bは、制御手段80の制御下におかれていて、図2において、出力軸55A,55Bをそれぞれ反時計回り方向に回転駆動する。
【0035】
このため、プレスローラ2A,2Bは、第1駆動モータ54A及び第2駆動モータ54Bの駆動時には、各版胴との対向部において各版胴の印刷時における回転方向と同方向となる反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、第1駆動モータ54Aや第2駆動モータ54Bの停止時に各版胴の外周面1a,1bとそれぞれ接触すると、一方向クラッチ69A,69Bの構成により各版胴の回転に対して従動回転するようになっている。
【0036】
図1に示すように、配風手段6Aは第1版胴1Aの右方に配置され、配風手段6Bは第1版胴1Aと第2版胴1Bの間に配置され、配風手段6Cは第2版胴1Bの左側に配置されている。配風手段6A,6B,6Cは、気流を発生させる送風源としてのファン58A,58B,58Cと、各ファンを回転駆動する送風駆動モータ59A,59B,59Cと、ファン58A,58B,58Cで発生した気流を印刷部18,19の近傍に案内する流路60A,60B,60Cとをそれぞれ備えている。
【0037】
流路60Aは、図4に示すように、ファン58Aを収納するケース61Aから印刷部18に向かって延びた導風板62Aで四方を覆われていて、その下部を噴出口63Aとしている。噴出口63Aは、レジストローラ対17と印刷部18の間に位置する用紙搬送経路64内に臨んでいて、用紙搬送経路64から印刷部18にかけて用紙搬送方向Xの上流側からファン58Aで発生する気流を噴き付けるようになっている。流路60Aは、噴出口63Aに向かうにつれてその断面が狭められており、噴出口63A付近で気流の流速を速められている。
【0038】
流路60Cは、ファン58Cを収納するケース61Cから印刷部19に向かって延びた導風板62Cで四方を覆われていて、その下部を噴出口63Cとしている。噴出口63Cは、分離爪34Bの上方近傍に臨んでいて、分離爪34Bの下方に位置する用紙搬送経路65から印刷部19にかけて用紙搬送方向Xの下流側からファン58Cで発生する気流を噴き付けるようになっている。流路60Cは、噴出口63Cに向かうにつれて、その断面が狭められていおり、噴出口63C付近で気流の流速を速められている。
【0039】
流路60Bは、ファン58Bを収納するケース61Bから搬送装置21の搬送ベルト28に向かって延びた導風板62Bで四方を覆われ、その内部を2つに分岐してその下部を噴出口63Ba、63Bbとしている。噴出口63Baは、分離爪34Aの上部近傍に臨んでいて、分離爪34Aと搬送ベルト28の間に形成される用紙搬送経路66から印刷部18にかけて用紙搬送方向Xの下流側からファン58Bで発生する気流を噴き付けるようになっている。噴出口63Bbは、搬送ベルト28とガイド部材24で形成される用紙搬送経路67に臨んでいて、この用紙搬送経路67から印刷部19にかけて用紙搬送方向Xの上流側からファン58Bで発生する気流を噴き付けるようになっている。
【0040】
導風板62A,62B,62Cは、それぞれ第1版胴1A、第2版胴1Bの母線方向への長さよりも幾分長い幅に形成されており、装置本体100に固着されている。導風板62A,62B,62Cは、各版胴の外周面1a,1bに沿うようにそれぞれ湾曲形成され、第1版胴1A及び第2版胴1Bの回転時に、クランパ9A,9Bと接触しない位置にそれぞれ配置されている。
【0041】
本形態の多色孔版印刷装置は、図5に示すように操作パネル70を備えている。操作パネル70には、印刷枚数を設定するためのテンキー71、設定枚数に対する印刷動作を開始させるための印刷スタートキー72、原稿の画像読み取りから製版、給版、版付けに至るまでの一連の動作を開始させるための製版スタートキー73、色選択印刷モードと全色印刷モードとを選択する印刷モード選択手段としての色選択印刷モードキー74と全色印刷モードキー75、版胴選択時に用いる版胴選択手段としての第1版胴選択キー76と第2版胴選択キー77、テンキー71で設定された印刷枚数や印刷残枚数、選択された版胴の情報や印刷モード等を表示するための液晶表示装置で構成された表示部78が配置されている。
【0042】
制御手段80は、CPU81、ROM82、RAM83等を備え、それらが図示しない信号バスによって接続された周知のマイクロコンピュータから構成されている。CPU81には、操作パネル70の各種キーや表示部、電源79、製版給版装置3A,3Bを駆動する製版給版系駆動部84、排版装置4A,4Bを駆動する排版系駆動部85、呼び出しコロ11や分離コロ対12,13等の給紙系を駆動する給紙系駆動部86、搬送装置21を駆動する搬送系駆動部87、排紙装置25を駆動する排紙系駆動部88と共に、版胴駆動モータ68、第1及び第2ソレノイド43A,43B、第1及び第2駆動モータ54A,54B、送風駆動モータ59A,59B,59C、版胴の有無を検知する版胴有無検知手段としての第1版胴検知センサ89と第2版胴検知センサ90が電気的にそれぞれ接続されている。
【0043】
第1版胴検知センサ89と第2版胴検知センサ90は、図1に示すように、第1版胴1Aと第2版胴1Bの側面と対向する装置本体100の部位に設けられたスイッチであって、各版動が装置本体100に装着されているときにオンして検知情報となる信号を出力するように構成されている。
【0044】
ROM82には、色選択印刷モードや全色印刷モード、色選択印刷モードにおける第1色選択印刷モードと第2色選択印刷モードや、製版スタートキー73の押下によって作動して製版から試し刷りまでの一連の動作を行う製版動作プログラムや、印刷スタートキー72の押下によって作動して印刷枚数に対して一連の印刷動作を行う印刷動作プログラムと共に、印刷モードや版胴の状態に応じたプレスローラ2A,2Bの位置や駆動、配風手段6A,6B,6Cに対する制御動作プログラムがそれぞれ記憶されている。
【0045】
色選択印刷モードでは、選択された版胴に対してだけ排版及び製版給版動作が行われるとともに、選択された版胴だけを用いた印刷動作が実行される。本形態では、版胴が2つあるので、色選択印刷モードが選択されると、第1版胴1Aまたは第2版胴1Bの何れか一方による単色印刷が行われる。全色印刷モードでは、第1版胴1A及び第2版胴1Bの双方に対して、排版及び製版給版動作が行われると共に、2つの版胴を用いた全色印刷動作が実行される。第1色選択印刷モードでは第1版胴1Aに対して排版及び製版給版動作が行われると共に、第1版胴1Aだけを用いた単色印刷動作が実行され、第2色選択印刷モードでは第2版胴1Bに対して排版及び製版給版動作が行われると共に、第2版胴1Bだけを用いた単色印刷動作が実行される。
【0046】
このような構成の多色孔版印刷装置の動作を、図6,図8に示すフローチャートを基に、各印刷モードでのプレスローラ2A,2Bと配風手段6A,6B,6Cの制御動作を中心に説明する。
【0047】
最初に、手動操作による印刷モード選択時の動作について説明する。本形態では、色選択印刷モードキー74または全色印刷モードキー75を押下して印刷モードを選択し、第1版胴選択キー76または第2版胴選択キー77を押下して使用する版胴を選択した後、製版スタートキー73を押下することで製版動作プログラムが開始されて、排版、製版、版付けの動作が実行される。版付け終了後に印刷スタートキー72を押下すると印刷動作プログラムが開始され、印刷動作が実行される。
【0048】
図6に示すフローチャートは、製版スタートキー73や印刷スタートキー72が押下されると、製版動作プログラムや印刷動作プログラムと並列的に開始する。ステップA1ではオペレータにより選択された印刷モード情報を取込み、ステップA2で印刷モードを判断する。ここで色選択印刷モードキー74が押されていて色選択印刷モードであるとステップA3に進み、色選択印刷モードでなければ全色印刷モードとしてこのプログラムは終了する。
【0049】
ステップA3,A4では、第1版胴選択キー76と第2版胴選択キー77の状態が判断される。そして、第1版胴選択キー76がオン状態であると、第1版胴1Aが選択されたものとして、ステップA5に進んで第1ソレノイド43Aをオンし、ステップA6に進んで第2駆動モータ54Bをオンし、ステップA7において送風駆動モータ59A,59B,59Cをオンして終了する。
【0050】
第1ソレノイド43Aのオンにより、ストッパ41Aは図4に示すように離脱位置におかれるので、アーム部材40Aがプレスローラテンション47Aのバネ力によって時計回り方向に回動し、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに圧接され、第1版胴1Aによる印刷を可能とする。また、第2駆動モータ54Bがオンすると、プレスローラ2Bが図4において、反時計回り方向に回転駆動され、送風駆動モータ59A,59B,59Cのオンにより、ファン58A,58B,58Cが回転して気流が発生し、各気流が流路60A,60B,60Cを通り噴出口63A,63Ba,63Bb,63Cから印刷部18,19の近傍に噴き出される。
【0051】
一方、ステップA4で第2版胴選択キー77がオン状態であると、第2版胴1Bが選択されたものとして、ステップA8に進んで第2ソレノイド43Bをオンし、ステップA9で第1駆動モータ54Aをオンし、ステップA7において送風駆動モータ59A,59B,59Cをオンする。
【0052】
第2ソレノイド43Bのオンによりストッパ41Bは、図7に示すように離脱位置におかれるので、アーム部材40Bがプレスローラテンション47Bのバネ力によって時計回り方向に回動し、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに圧接され、第2版胴1Bによる印刷を可能とする。また、第1駆動モータ54Aがオンすると、図7において、プレスローラ2Aが反時計回り方向に回転駆動され、送風駆動モータ59A,59B,59Cのオンにより、ファン58A,58B,58Cが回転して気流が発生し、各気流が流路60A,60B,60Cを通り噴出口63A,63Ba,63Bb,63Cから印刷部18,19の近傍に噴き出される。
【0053】
つまり、第1版胴1Aが選択された場合には、色選択印刷モードで使用されない版胴、つまり選択されなかった第2版胴1Bに対応するプレスローラ2Bが、保持手段5Bによって第2版胴1Bから離間した位置に保持され、第2版胴1Bが選択された場合には、色選択印刷モードで使用されない版胴、つまり選択されなかった第1版胴1Aに対応するプレスローラ2Aが、保持手段5Aによって第1版胴1Aから離間した位置に保持される。このため、選択されかなった版胴に対して無製版のマスタを巻きつける必要が無く印刷コストを低減できる。また、印刷に使用する版胴を任意に選択することができるので使い勝手がよい。
【0054】
第1版胴1Aが選択される場合には、図4において印刷動作プログラムが開始されて印刷用紙22が給紙されると、印刷部18を通過する印刷用紙22にプレスローラ2Aによる印圧がかかり、第1版胴1Aに巻装されたマスタ8Aから画像が転写される。そして、印刷用紙22の先端が用紙搬送経路66に到達すると、ファン58Bから送風され噴出口63Baから噴き出される気流が、版胴側、すなわち上方から印刷用紙22の先端に噴き付けられると共に、印刷用紙22自身のコシにより、第1版胴1Aの外周面1aに付着した印刷用紙22が分離爪34Aよりも手前で分離・離間され、印刷用紙22の巻き上がりが低減される。分離された印刷用紙22の先端は、噴出口63Baから噴き出される気流により搬送ベルト28に向かって案内され、搬送ベルト28に吸着されて印刷部19に向かって搬送される。印刷用紙22にコシがなかったり、インキが多く付着して印刷用紙22と第1版胴1Aとの付着力が大きい場合でも、図4に破線で示すように、印刷用紙22の先端は分離爪34Aと噴出口63Baから吹き出される気流によって第1版胴1Aの外周面1aから良好に分離される。
【0055】
搬送ベルト28に吸着されて用紙搬送方向Xに搬送される印刷用紙22が印刷部19にさしかかると、噴出口63Bbから噴き出される気流によって離間位置にあって回転駆動しているプレスローラ2Bに押しつけられる。さらに、印刷部19の下流側からも、印刷部19の近傍に噴出口63Cから気流が噴き出されているので、印刷部19を通過した後でも印刷用紙22がプレスローラ2Bに押し付けられる。
【0056】
このため、プレスローラ2Bと第2版胴1Bの双方で印刷用紙22を挟持しなくても、印刷用紙22に対してプレスローラ2Bの回転が伝達されるので、十分な搬送力が得られ、搬送力不足による印刷用紙22の搬送不良や用紙ジャムを確実に防止することができる。印刷部19を通過した印刷用紙22は、噴出口63Cから噴き出される気流を受けつつ排紙ベルト32に吸着されて図1に示す排紙トレイ20上に排紙される。
【0057】
第2版胴1Bが選択されて、図7において印刷用紙22が給紙されると、印刷部18の上流側と下流側に位置する噴出口63A,63Baから噴き出される気流が印刷部18を通過する印刷用紙22に対して上方から噴き付けられるので、離間位置で回転駆動しているプレスローラ2Aに対して印刷用紙22が押し付けられることになる。このため、プレスローラ2Aと第1版胴1Aの双方で印刷用紙22を挟持しなくても、印刷用紙22に対してプレスローラ2Aの回転が伝達されるので、十分な搬送力が得られ、搬送力不足による印刷用紙22の搬送不良や用紙ジャムを確実に防止することができる。
【0058】
印刷部18を良好に通過した印刷用紙22は、搬送ベルト28で印刷部19へと搬送され、印刷部19を通過する際にプレスローラ2Bによる印圧がかかり、第2版胴1Bに巻装されたマスタ8Bから画像が転写される。印刷部19を通過した印刷用紙22は、噴出口63Cから噴き出される気流を受けつつ排紙ベルト32に吸着されて図1に示す排紙トレイ20上に排紙される。
【0059】
一方、全印刷モードが選択されると、印刷用紙22には印刷部18,19でプレスローラ2A,2Bによる印圧がそれぞれかかり、第1版胴1A、第2版胴1Bに巻装されたマスタ8A,8Bから画像がそれぞれ転写され、排紙トレイ20上に排紙される。
【0060】
印刷モードの自動切り換えについて図8,図9を用いて説明する。ここでの印刷モードの自動切り換えは、版胴の有無に応じて行われる。
図8のステップB1では各版胴検知センサからの検知情報を取込み、ステップB2で第1版胴検知センサ89の状態を判断する。ここで、第1版胴検知センサ89がオンしていると、第1版胴1Aが装置本体100に装着状態であるとしてステップB3に進んで第2版胴検知センサ90の状態を判断する。ステップB2で第1版胴検知センサ89がオンでなければ、第1版胴1Aが装置本体100に装着されていないものとしてステップB4に進み、第2版胴検知センサ90の状態を判断する。
【0061】
ステップB4において第2版胴検知センサ90がオンしていると、第2版胴1Bだけが装置本体100に装着状態であるとしてステップB5に進む。ステップB5では第2版胴1Bからの印刷画像を得るべく第2色選択印刷モードが選択され、製版スタートキー73や印刷スタートキー72の押下状態に応じて製版動作プログラムや印刷動作プログラムが実行されると共に、ステップB6,B7に進む。ステップB6,B7では第2ソレノイド43Bと第1駆動モータ54Aをそれぞれオンし、その後ステップB12に進んで送風駆動モータ59A,59B,59Cをオンしてこの制御を終える。
【0062】
ステップB4で第2版胴検知センサ90がオンしていなければ、装置本体100に2つの版胴が全て装着されていないものとしてステップB8に進み、表示部78に版胴無しの表示をし、製版スタートキー73や印刷スタートキー72が押下されていても製版動作プログラムや印刷動作プログラムを実行せずに全ての動作を停止して制御を終える。
【0063】
ステップB3において、第2版胴検知センサ90がオンしていると、第1版胴1A及び第2版胴1Bの双方が装置本体100に装着状態であるとして、ステップB13に進んで全色印刷モードとし、製版動作プログラムや印刷動作プログラムを開始しながらステップB14に進んで、第1ソレノイド43Aと第2ソレノイド43Bをオンする。このため、全色印刷モードでは、保持手段5A,5Bにより離間位置に保持されていたプレスローラ2A,2Bが、第1版胴1A及び第2版胴1Bと圧接状態となり、給紙トレイ10から給紙される印刷用紙22に対して印刷部18,19で第1版胴1A及び第2版胴1Bに巻装されたマスタ8A,8Bから画像がそれぞれ転写されて全色印刷が行われる。
【0064】
ステップB3において、第2版胴検知センサ90がオンしていなければ、第1版胴1Aだけが装置本体100に装着されているものとしてステップB9に進む。ステップB9では第1版胴1Aからの印刷画像を得るべく第1色選択印刷モードが選択され、製版スタートキー73や印刷スタートキー72の押下状態に応じて製版動作プログラムや印刷動作プログラムが実行されると共に、ステップB10,B11に進む。ステップB10,B11では、第1ソレノイド43Aと第2駆動モータ54Bをそれぞれオンし、ステップB12に進んで送風駆動モータ59A,59B,59Cをオンしてこの制御を終える。
【0065】
このため、第1色選択印刷モードが設定された場合には、この印刷モードで使用されない版胴、つまり装置本体100に装着されていない第2版胴1B側に対応するプレスローラ2Bが、保持手段5Bによって第2版胴1Bから離間した位置に保持されつつ回転駆動され、印刷部18,19の近傍に対してファン58A,58B,58Cの回転で発生した気流が流路60A,60B,60Cを通り噴出口63A,63Ba,63Bb,63Cから噴き出されることになる。
【0066】
第2色選択印刷モードが設定された場合には、この色選択印刷モードで使用されない版胴、つまり装置本体100に装着されていない第1版胴1Aに対応するプレスローラ2Aが、保持手段5Aによって第1版胴1Aから離間した位置に保持されつつ回転駆動され、印刷部18,19の近傍に対してファン58A,58B,58Cの回転で発生した気流が流路60A,60B,60Cを通り噴出口63A,63Ba,63Bb,63Cから噴き出されることになる。
【0067】
例えば、図9に示すように、第2版胴1Bが装着されていない場合は、自動的に第1色選択印刷モードが設定され、反対に、第1版胴1Aが装着されていない場合は、自動的に第2色選択印刷モードが設定されるので、オペレータが版胴の着脱状態を気にしなくてよく、誤操作を防止することができる。
【0068】
第1色選択印刷モードが設定されて印刷用紙22が給紙されると、この印刷用紙22は、印刷部18において画像を印刷されて下流側に搬送され、印刷部19の近傍において流路60B,60Cを通り噴出口63Bb,63Cから噴き出される気流によって回転駆動しているプレスローラ2Bに押し付けられるため、第2版胴1Bが無くても十分な搬送力を得られる。このため、搬送力不足による印刷用紙22の搬送不良や用紙ジャムを確実に防止することができる。
【0069】
第2色選択印刷モードが設定されて印刷用紙22が給紙された場合には、この印刷用紙22は、印刷部18の近傍において流路60A,60Bを通り噴出口63A,63Baから噴き出される気流によって回転駆動しているプレスローラ2Aに押し付けられるため、第1版胴1Aが無くてもプレスローラ2Aの回転を伝達されて十分な搬送力を得られる。このため、搬送力不足による搬送不良や用紙ジャムを確実に防止しながら、印刷用紙22を印刷部19まで確実に搬送することができる。
(第2の実施の形態)
本形態は、4つの版胴を用紙搬送方向Xの上流側から下流側に向かって並設したものでもある。以下、4つの版胴とそれに対応する4つの印圧部材を備えた多色孔版印刷装置について図面を用いて説明する。
【0070】
図10に示す多色孔版印刷装置は、用紙搬送方向Xの上流側から下流側に向かって並設され異なる色のインキをそれぞれ有する4つの版胴1A,1B,1C,1D(以下、「第1版胴1A」、「第2版胴1B」、「第3版胴1C」、「第4版胴1D」、と記す)と、各版胴にそれぞれ接離可能に設けられた複数の印圧部材としてのプレスローラ2A,2B,2C,2Dとを装置本体100内に備えている。多色孔版印刷装置は、第1版胴1Aとプレスローラ2A、第2版胴1Bとプレスローラ2B、第3版胴1Cとプレスローラ2C、第4版胴1Dとプレスローラ2Dによりそれぞれ印刷用紙22を挟持し、全ての版胴を用いて印刷する全色印刷モードと、第1版胴1Aとプレスローラ2A、第2版胴1Bとプレスローラ2B、第3版胴1Cとプレスローラ2Cあるいは第4版胴1Dとプレスローラ2Dの中から選択されたもので印刷用紙22を挟持して印刷する色選択印刷モードとを制御手段280で適宜切り替えられるものである。
【0071】
本形態に係る多色孔版印刷装置は、装置本体1000内の第1版胴1A,第2版胴1B,第3版胴1C,第4版胴1Dの外廻りに、プレスローラ2A,2B,2C,2Dを各版胴の外周面1a,1b,1c,1dから離間した位置に保持する保持手段5A,5B,5C,5D、配風手段6A,6B,6C,6D,6Eが配置され、第1版胴1A,第2版胴1B,第3版胴1C,第4版胴1Dのそれぞれの内部にインキ供給手段7A,7B,7C,7Dが配設されている。この多色孔版印刷装置は、図示を省略したが、第1の実施の形態と同様の、各版胴に対応する周知の製版給版装置と排版装置を備えている。
【0072】
各版胴、各プレスローラ、各保持手段、各配風手段、各インキ供給手段は、基本的に第1の実施の形態における多色孔版印刷装置と略同一の機能及び構成を有しているので、同一数字符号の末尾に符号A、B,C,DあるいはEを付加することで各構成部を区別し、重複説明は省略する。なお、第1の実施の形態で説明した第1版胴1A及び第2版胴1Bに関係する部材の説明は極力省略し、第3版胴1C及び第4版胴1Dに関係する構成と、第1の実施の形態と異なる構成部について主に説明する。
【0073】
本形態では、用紙搬送方向Xの上流側から版胴の順に、第1版胴1Aにはイエロー、第2版胴1Bにはマゼンタ、第3版胴1Cにはシアン、第4版胴1Dにはブラックのインキがそれぞれ図示しないインキパックからドラム軸35A,35B,35C,35Dを介してそれぞれ供給されるように構成されていて、フルカラー印刷を可能な多色孔版印刷装置となっている。
【0074】
第3版胴1C及び第4版胴1Dは、ドラム軸35C,35Dの周りにそれぞれ回転自在に支持されていて、フレーム36C,36Dを介して装置本体1000に着脱可能となっている。第3版胴1Cと第4版胴1Dは、図示しない歯車列やベルトとプーリ等の周知の動力伝達機構を介して版胴駆動モータ68と連結されている。第3版胴1C及び第4版胴1Dは、第1版胴1A及び第2版胴1Bと同期して図10に矢印で示した印刷方向となる時計回り方向に回転駆動するように構成されている。全ての版胴(第1版胴1A〜第4版胴1D)は、図14に示す制御手段280によって適宜版胴駆動モータ68の駆動動作が制御されることで、その回転速度や回転方向が制御される。第3版胴1C及び第4版胴1Dは、マスタ8C,8Dの給版から版付け時までは印刷時よりも遅い速度で図10において時計回り方向に回転され、印刷時には印刷速度で時計回り方向に回転される。
【0075】
プレスローラ2Cと第3版胴1Cの間には対向部としての印刷部180が、プレスローラ2Dと第4版胴1Dの間には対向部としての印刷部190がそれぞれ形成されている。印刷部19と印刷部180の間には、搬送装置21と同一構成の、第2版胴1Bと第3版胴1Cの間の用紙搬送経路を構成する搬送装置21Bとガイド部材23B,24Bが配置されている。印刷部180と印刷部190の間には、搬送装置21と同一構成の、第3版胴1Cと第4版胴1Dの間の用紙搬送経路を構成する搬送装置21Cとガイド部材23C,24Cが配置されている。本形態の場合、排紙装置25は印刷部190と排紙トレイ20の間に配置されている。
【0076】
搬送装置21B,21Cは、反時計回りに回転移動する搬送ベルト28B,28Cと、各搬送ベルトの下方の吸着ファン29B,29Cとをそれぞれ備え、印刷部19,180を通過した印刷用紙22を各搬送ベルト上に吸着して用紙搬送方向Xの下流側、ここでは印刷部180,190ヘ向かって搬送するように構成されている。
【0077】
搬送装置21C及び排紙装置25の上方には、印刷用紙22を第3版胴1C及び第4版胴1Dのそれぞれの外周面1c,1dから分離・剥離するための分離爪34C,34Dが配置されている。分離爪34C,34Dは、櫛状に形成されて印刷用紙22の幅方向に延在しており、配風手段6E,6Cから供給される気流を印刷部180,190の近傍に通風可能に構成されている。
【0078】
保持手段5C,5Dは、プレスローラ2C,2Dを第3版胴1Cの外周面1cと第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ接離可能に支持するアーム部材40C,40Dと、アーム部材40C,40Dに対してそれぞれ係脱可能に設けられたストッパ41C,41Dと、各ストッパをアーム部材40C,40Dとの係止方向にそれぞれ付勢する付勢手段としての引っ張りバネ42C,42Dと、ストッパ41C,41Dをアーム部材40C,40Dとの離脱位置に向かって移動する電磁アクチュエータとしての電磁ソレノイド43C,43D(以下「第3ソレノイド43C,第4ソレノイド43D」と記す)とを備えている。
【0079】
アーム部材40C,40Dは、図11に示すように、その屈曲部が装置本体100に固定された軸44C,44Dでそれぞれ揺動自在に支持されている。プレスローラ2C,2Dは、アーム部材40C,40Dの一方の揺動端401C,401Dに軸45C,45Dでそれぞれ回転自在に支持されている。アーム部材40C,40Dの他方の揺動端402C,402Dには、コロ46C,46Dが設けられている。揺動端402C,402Dには、アーム部材40C,40Dに時計回り方向への回動習性と第3版胴1C及び第4版胴1Dに対して印圧を与えるプレスローラテンション47C,47Dの一端が係止されている。プレスローラテンション47C,47Dの他端は、装置本体1000側に係止されている。
【0080】
コロ46C,46Dには、プレスローラ2C,2Dの外周面2c,2dをそれぞれ第3及び第4版胴の外周面1c,1dに対してそれぞれ接離させるカム48C,48Dの輪郭周面が圧接されている。カム48C,48Dは、図示しない連結機構を介して第3版胴1C、第4版胴1Dの回転と同期して回転するように構成されている。カム48C,48Dの輪郭周面は、クランパ9C,9Dが印刷部180,190を通過する際に、プレスローラ2C,2Dの外周面2c,2dを第3及び第4版胴の外周面1c,1dから離間するカムプロフィールに形成されている。つまり、アーム部材40C,40Dは、プレスローラ2C,2Dの外周面2c,2dを、第3及び第4版胴の外周面1c,1dから離れた離間位置と、これら版胴の外周面1c,1dに圧接させる押圧位置とに移動可能に軸44C,44Dで支持されている。プレスローラ2C,2Dは、給送されてきた印刷用紙22を外周面1c,1dにそれぞれ押し付けて印刷画像を印刷用紙22上に形成する機能を有している。
【0081】
アーム部材40C,40Dには、係止ピン49C,49Dがそれぞれ設けられている。ストッパ41C,41Dは、図11に示すように、その基端41e,41fが装置本体1000側に揺動自在に支持されてアーム部材40C,40Dの近傍に配置されている。ストッパ41C,41Dの揺動端41g,41hは略直角に屈曲されていて、アーム部材40C,40Dが離間位置を占めたときに、係止ピン49C,49Dと係合するように設けられている。引っ張りバネ42C,42Dは、一端を装置本体1000側に係止され、他端をストッパ41C,41Dに係止されており、ストッパ41C,41Dを係止ピン49C,49Dと係合する向きに付勢している。
【0082】
第3ソレノイド43C及び第4ソレノイド43Dは、その可動ロッド50C,50Dがストッパ41C,41Dにそれぞれピン結合されている。第3ソレノイド43C及び第4ソレノイド43Dは、通電されてオンすると、可動ロッド50C,50Dを引き込むプルタイプのもので、オン状態となると、ストッパ41C,41Dを引っ張りバネ42C,42Dのバネ力に抗して係止位置から離脱位置へと移動させるようになっている。
【0083】
図11に示すように、プレスローラ2C,2Dの側面には、プーリ51C,51Dが一方向クラッチ69C,69Dを介してそれぞれ装着されている。一方向クラッチ69C,69Dは、プーリ51C,51D側からプレスローラ2C,2Dへの回転だけを伝達する構成となっている。プーリ51C,51Dには、連結ベルト53C,53Dが、軸44C,44Dに回転自在に支持されたダブルプーリ52C,52Dとの間でそれぞれ巻きかけられている。ダブルプーリ52C,52Dには、駆動手段としての駆動モータ54C,54D(以下「第3駆動モータ54C,第4駆動モータ54D」と記す)の出力軸55C,55Dに嵌挿された駆動プーリ56C,56Dとの間で駆動ベルト57C,57Dがそれぞれ巻きかけられている。第3駆動モータ54C及び第4駆動モータ54Dは、制御手段280の制御下におかれていて、図11において、それぞれの出力軸55C,55Dを反時計回り方向に回転駆動する。
【0084】
プレスローラ2C,2Dは、第3駆動モータ54C及び第4駆動モータ54Dの駆動時には、各版胴との対向部において各版胴の印刷時における回転方向と同方向となる反時計回り方向に回転駆動し、第3駆動モータ54Cや第4駆動モータ54Dの停止時に各版胴の外周面1c,1dとそれぞれ接触すると、一方向クラッチ69C,69Dの作用により各版胴の回転に対して従動回転するようになっている。
【0085】
図10に示すように、配風手段6Dは第2版胴1Bと第3版胴1Cの間に配置され、配風手段6Eは第3版胴1Cと第4版胴1Dの間に配置され、配風手段6Cは第4版胴1Dの左側に配置されている。配風手段6D,6E,6Cは、気流を発生させる送風源としてのファン58D,58E,58Cと、各ファンを回転駆動する送風駆動モータ59D,59E,59Cと、ファン58D,58E,58Cで発生する気流を印刷部19,180,190の近傍に案内する流路60D,60E,60Cとをそれぞれ備えている。
【0086】
流路60Dは、図12,図13に示すように、ファン58Dを収納するケース61Dから搬送装置21Bの搬送ベルト28Bに向かって延びた導風板62Dで四方を覆われ、その内部を2つに分岐してその下部を噴出口63Da,63Dbとしている。噴出口63Daは、分離爪34Bの上部近傍に臨んでいて、分離爪34Bと搬送ベルト28Bの間に形成される用紙搬送経路65から印刷部19にかけて用紙搬送方向Xの下流側からファン58Dで発生する気流を噴き付けるようになっている。噴出口63Dbは、搬送ベルト28Bとガイド部材24Bで形成される用紙搬送経路164に臨んでいて、この用紙搬送経路164から印刷部180にかけて用紙搬送方向Xの上流側からファン58Dで発生する気流を噴き付けるようになっている。
【0087】
流路60Eは、ファン58Eを収納するケース61Eから搬送装置21Cの搬送ベルト28Cに向かって延びた導風板62Eで四方を覆われ、その内部を2つに分岐してその下部を噴出口63Ea,63Ebとしている。噴出口63Eaは、分離爪34Cの上部近傍に臨んでいて、分離爪34Cと搬送ベルト28Cの間に形成される用紙搬送経路166から印刷部180にかけて用紙搬送方向Xの下流側からファン58Eで発生する気流を噴き付けるようになっている。噴出口63Ebは、搬送ベルト28Cとガイド部材24Cで形成される用紙搬送経路167に臨んでいて、この用紙搬送経路167から印刷部190にかけて用紙搬送方向Xの上流側からファン58Eで発生する気流を噴き付けるようになっている。
【0088】
流路60Cは、ファン58Cを収納するケース61Cから印刷部190に向かって延びた導風板62Cで四方を覆われていて、その下部を噴出口63Cとしている。噴出口63Cは、分離爪34Dの上方近傍に臨んでいて、分離爪34Dの下方に位置する用紙搬送経路165から印刷部190にかけて用紙搬送方向Xの下流側からファン58Cで発生する気流を噴き付けるようになっている。流路60Cは、噴出口63Cに向かうにつれて、その断面が狭められていおり、噴出口63C付近で気流の流速を速められている。
【0089】
導風板62D,62E,62Cは、それぞれ第2版胴1B、第3版胴1C、第4版胴1Dの母線方向への長さよりも幾分長い幅に形成され、装置本体1000に固着されている。導風板62D,62E,62Cは、版胴の外周面1b,1c,1dに沿うように湾曲形成され、第2版胴1B、第3版胴1C、第4版胴1Dの回転時に、クランパ9B,9C,9Dと接触しない位置にそれぞれ配置されている。
【0090】
図14に示すように、本形態に係る操作パネル70には、版胴選択時に用いる版胴選択手段としての第3版胴選択キー176及び第4版胴選択キー177が追加されている。
【0091】
制御手段280は、CPU81、ROM182、RAM83等を備えた周知のマイクロコンピュータから構成されている。CPU81には、第1の実施の形態で説明したものの他に、新たに第3ソレノイド43C及び第4ソレノイド43D、第3駆動モータ54C及び第4駆動モータ54D、送風駆動モータ59D,59E、第3版胴1Cと第4版胴1Dの有無を検知する版胴有無検知手段としての第3版胴検知センサ189と第4版胴検知センサ190がそれぞれ電気的に接続されている。本形態において、製版給版系駆動部84と排版系駆動部85は、第3版胴1Cと第4版胴1Dに対応する図示しない製版給版装置や排版装置の駆動部も構成している。搬送系駆動部87は搬送装置21B,21Cを駆動する駆動部としても機能する。
【0092】
第3版胴検知センサ189と第4版胴検知センサ190は、図10に示すように、第3版胴1C及び第4版胴1Dの側面と対向する装置本体1000の部位に設けられたスイッチであって、第3版胴1C及び第4版胴1Dが装置本体1000に装着されているときにオンして検知信号を出力するようになっている。
【0093】
ROM182には、色選択印刷モードや全色印刷モード、色選択印刷モードにおける第1色選択印刷モードから第3色選択印刷モードや、製版動作プログラム、印刷動作プログラムと共に、印刷モードや版胴に応じたプレスローラ2A〜2Dの位置や駆動、配風手段6A〜6Eの駆動を制御する制御動作プログラムが記憶されている。
【0094】
色選択印刷モードでは、選択された版胴に対してだけ排版及び製版給版動作が行われるとともに、選択された版胴だけを用いた印刷動作が実行される。本形態では、版胴が4つであるので、色選択印刷モードが選択されると、単色から3色までの印刷が行われる。全色印刷モードでは、第1版胴1Aから第4版胴1Dの全ての版胴に対して、排版及び製版給版動作が行われると共に、4つの版胴を用いた全色印刷動作が実行される。
【0095】
第2の実施の形態に係る多色孔版印刷装置の動作を、図15乃至図24に示すフローチャートを基に、各印刷モードでのプレスローラ2A〜2Dと配風手段6A〜6Eの制御動作を中心に説明する。
【0096】
手動操作による印刷モード選択時の動作について説明する。本形態では、色選択印刷モードキー74または全色印刷モードキー75を押下して印刷モードを選択し、第1版胴選択キー76〜第4版胴選択キー177を押下して使用する版胴を選択した後に、製版スタートキー73を押下することで製版動作プログラムが開始され、排版、製版、版付けの動作が実行される。版付け終了後に印刷スタートキー72を押下すると印刷動作プログラムが開始され、印刷動作が実行される。
【0097】
図15に示すフローチャートは、製版スタートキー73や印刷スタートキー72が押下されると、製版プログラムや印刷プログラムと並列的に開始する。ステップE1ではオペレータにより選択された印刷モード情報を取込み、ステップE2で取込んだ印刷モードを判断する。ここで色選択印刷モードキー74が押されていて色選択印刷モードであるとステップE5に進み、色選択印刷モードでなければステップE3に進んで全色印刷モードとし、第1〜第4の全てのソレノイド43A〜43Dを駆動してこのプログラムは終了する。第1〜第4ソレノイド43A〜43Dがオンすると、ストッパ41A〜41Dがそれぞれ離脱位置におかれるので、図10に示すアーム部材40A〜40Dがプレスローラテンション47A〜47Dのバネ力によって時計回り方向にそれぞれ回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aから第4版胴1Dを用いたフルカラー印刷が行われる。
【0098】
ステップE5、ステップE6、ステップE7では第1版胴選択キー76、第2版胴選択キー77、第3版胴選択キー176の状態が判断され、各ステップにおいて各版胴選択キーが全てオン状態であると、第1版胴1Aから第3版胴1Cまでの3つの版胴が選択されたものとしてステップE8に進み、3色選択印刷モードとなりステップE9に進む。ステップE9では第1、第2、第3の各ソレノイド43A,43B,43Cの3つをオンし、ステップE10で第4駆動モータ54Dをオンし、ステップE11において全ての送風駆動モータ59A,59B,59D,59E,59Cをオンして終了する。
【0099】
この一連のステップE5からステップE11においては、第1ソレノイド43A、第2ソレノイド43B、第3ソレノイド43Cのオンにより図10に示すストッパ41A,41B,41Cがそれぞれ離脱位置におかれ、アーム部材40A,40B,40Cが時計回り方向に回動する。この動作によりプレスローラ2Aは第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Bは第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Cは第3版胴1Cの外周面1cにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aから第3版胴1Cを用いた3色印刷が行われる。第4駆動モータ54Dがオンするとプレスローラ2Dが反時計回り方向に回転駆動される。全ての送風駆動モータがオンすると、ファン58A,58B,58D,58E,58Cが回転して気流が発生し、各気流が流路60A,60B,60D,60E,60Cを通り噴出口63A,63Ba,63Bb,63Da,63Db,63Ea,63Eb,63Cから印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0100】
ステップE5,E6,E7において、第1、第2及び第3の各版胴選択キー76,77,176がそれぞれオフであると、ステップE5では図16に示すステップE12に進み、ステップE6では図18に示すステップE40に進み、ステップE7では図19に示すステップE55に進む。
【0101】
図16のステップE12では、第2版胴選択キー77の状態が判断され、第2版胴選択キー77がオンであるとステップE13に進み、オンでなければ図17に示すステップE28に進む。ステップE13において第3版胴選択キー176がオンで、ステップE14で第4版胴選択キー177がオンであると、第2版胴1Bから第4版胴1Dまでの3つの版胴が選択されたものとしてステップE15に進み3色選択印刷モードとなってステップE16に進む。ステップE16では第2、第3及び第4の各ソレノイド43B,43C,43Dの3つをオンしてステップE17に進み、第1駆動モータ54Aをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0102】
ステップE12からステップE17を経てステップE11に到るまでの間では、第2ソレノイド43B、第3ソレノイド43C、第4ソレノイド43Dのオンによりそれぞれのストッパ41B,41C,41Dがそれぞれ離脱位置におかれ、アーム部材40B,40C,40Dが時計回り方向に回動する。この動作によりプレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第2版胴1Bから第4版胴1Dを用いた3色印刷が行われる。第1駆動モータ54Aがオンすると、プレスローラ2Aが反時計回り方向に回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより、各ファンが回転して気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0103】
ステップE13で第3版胴選択キー176がオンでなければ、ステップE18に進んで第4版胴選択キー177の状態が判断され、オンであると第2版胴1Bと第4版胴1Dが選択されたものとして、ステップE19に進み2色選択印刷モードとなりステップE20に進む。ステップE20において、第2ソレノイド43B及び第4ソレノイド43Dの2つをオンし、ステップE21で第1駆動モータ54A及び第3駆動モータ54Cをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0104】
ステップE18からステップE21を経てステップ11に到るまでの間では、第2ソレノイド43B、第4ソレノイド43Dのオンによりそれぞれのストッパ41B,41Dがそれぞれ離脱位置におかれ、アーム部材40B,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第2版胴1B及び第4版胴1Dを用いた2色印刷が行われる。第1駆動モータ54A及び第3駆動モータ54Cがオンすると、プレスローラ2A,2Cが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0105】
ステップE18で第4版胴選択キー177がオンでなければ、第2版胴1Bだけが選択されたものとしてステップE22に進み、単色選択印刷モードとなる。そして、ステップE23において第2ソレノイド43Bだけがオンし、ステップE24で第1、第3及び第4の各駆動モータ54A,54C,54Dがオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0106】
ステップE18からステップE24を経てステップE11へ到るまでの間では、第2ソレノイド43Bのオンによりストッパ41Bが離脱位置におかれ、アーム部材40Bが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに圧接され、第2版胴1Bを用いた単色印刷が行われる。第1駆動モータ54A、第3駆動モータ54C、第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2A,2C,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0107】
ステップE14で第4版胴選択キー177がオンでなければ、第2版胴1Bと第3版胴1Cが選択されたものとして、ステップE25に進み2色選択印刷モードとなる。そして、ステップE26において、第2ソレノイド43B及び第3ソレノイド43Cをオンし、ステップE27で第1駆動モータ54A及び第4駆動モータ54Dをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0108】
ステップE14からステップE27を経てステップE11へ到るまでの間では、第2ソレノイド43B及び第3ソレノイド43Cのオンによりストッパ41B,41Cがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40B,40Cが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cにそれぞれ圧接し、第2版胴1B及び第3版胴1Cを用いた2色印刷が行われる。第1駆動モータ54A及び第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2A,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0109】
図17に示すステップE28において、第3版胴選択キー176がオン状態であるとステップE29に進み、オンでなければステップE36に進む。ステップ29で第4版胴選択キー177がオンであると、第3版胴1C及び第4版胴1Dが選択されたものとして、ステップE30に進み2色選択印刷モードとなる。そして、ステップE31において、第3ソレノイド43C及び第4ソレノイド43Dの2つをオンし、ステップE32で第1駆動モータ54A及び第2駆動モータ54Bをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0110】
ステップE28からステップE32を経てステップE11へ到るまでの間では、第3ソレノイド43C及び第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41C,41Dがそれぞれ離脱位置におかれ、アーム部材40C,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第3版胴1C及び第4版胴1Dを用いた2色印刷が行われる。第1駆動モータ54A及び第2駆動モータ54Bがオンすると、プレスローラ2A,2Bが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0111】
ステップE36で第4版胴選択キー177がオンであると、第4版胴1Dだけが選択されたものとして、ステップE37に進み単色選択印刷モードとなってステップE38に進み、オンでなければ全ての版胴が未だ選択されていないものとして、図15のステップE5に戻る。ステップE38では第4ソレノイド43Dだけをオンし、ステップE39で第1、第2及び第3の各駆動モータ54A,54B,54Cをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0112】
ステップE36からステップE39を経てステップE11へ到るまでの間では、第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41Dが離脱位置におかれ、アーム部材40Dが時計回り方向に回動してプレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dに圧接され、第4版胴1Dを用いた単色印刷が行われる。第1駆動モータ54A、第2駆動モータ54B及び第3駆動モータ54Cがオンすると、プレスローラ2A,2B,2Cが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0113】
ステップE29で第4版胴選択キー177がオンでないと、第3版胴1Cだけが選択されたものとして、ステップE33に進み単色選択印刷モードとなりステップE34に進む。ステップE34では第3ソレノイド43Cだけをオンし、ステップE35で第1、第2及び第4駆動モータ54A,54C,54Dをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0114】
ステップE29からステップE35を経てステップE11へ到るまでの間では、第3ソレノイド43Cのオンによりストッパ41Cが離脱位置におかれてアーム部材40Cが時計回り方向に回動し、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cに圧接されて第3版胴1Cを用いた単色印刷が行われる。第1駆動モータ54A、第2駆動モータ54B及び第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2A,2B,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0115】
図18に示すステップE40において、第3版胴選択キー176がオン状態であるとステップE41に進み、オンでなければステップE45に進む。ステップE41で第4版胴選択キー177がオンであると、第1版胴1A、第3版胴1C、第4版胴1Dが選択されたものとして、ステップE42に進み3色選択印刷モードとなる。そしてステップE43において、第1ソレノイド43A、第3ソレノイド43C及び第4ソレノイド43Dの3つをオンし、ステップE44で第2駆動モータ54Bだけをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0116】
ステップE40からステップE44を経てステップE11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43A、第3ソレノイド43C、第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41A,41C,41Dがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40C,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Cが第1版胴1Cの外周面1cに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第1版胴1A、第3版胴1C、第4版胴1Dを用いた3色印刷が行われる。第2駆動モータ54Bがオンすると、プレスローラ2Bだけが反時計回り方向に回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0117】
ステップE45で第4版胴選択キー177がオンであると、第1版胴1A及び第4版胴1Dが選択されたものとして、ステップE46に進み2色選択印刷モードとなりステップE47に進む。ステップE47では第1ソレノイド43A及び第4ソレノイド43Dをオンし、ステップE48で第2駆動モータ54B及び第3駆動モータ54Cをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0118】
ステップE45からステップE48を経てステップE11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43A及び第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41A,43Dがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され第1版胴1Aと第4版胴1Dを用いた2色印刷が行われる。第2駆動モータ54Bと第3駆動モータ54Cがオンすると、プレスローラ2B,2Cが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0119】
ステップE45で第4版胴選択キー177がオンでないと、第1版胴1Aだけが選択されたものとして、ステップE49に進み単色選択印刷モードとなりステップE50に進む。ステップE50では第1ソレノイド43Aだけをオンし、ステップE51で第2、第3及び第4の各駆動モータ54B,54C,54Dをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0120】
ステップE45からステップE51を経てステップE11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aのオンによりストッパ41Aが離脱位置におかれるので、アーム部材40Aが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに圧接され、第1版胴1Aを用いた単色印刷が行われる。第2駆動モータ54Bと第3駆動モータ54Cと第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2B,2C,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0121】
ステップE41で第4版胴選択キー177がオンでないと、第1版胴1Aと第3版胴1Cが選択されたものとして、ステップE52に進み2色選択印刷モードとなりステップE53に進む。ステップE53では第1ソレノイ43Aと第3ソレノイド43Cをオンし、ステップE54で第2及び第4の各駆動モータ54B,54Dをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0122】
ステップE41からステップE54を経てステップE11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aと第3ソレノイド43Cのオンによりストッパ41A,41Cがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40Cが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aと第3版胴1Cを用いた2色印刷が行われる。第2駆動モータ54Bと第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2B,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0123】
図19に示すステップE55において、第4版胴選択キー177がオン状態であると、第1版胴1Aと第2版胴1Bと第4版胴1Dが選択されたものとして、ステップE56に進み3色選択印刷モードとなる。そして、ステップE57において第1ソレノイド43A、第2ソレノイド43B及び第4ソレノイド43Dの3つをオンし、ステップE58で第3駆動モータ54Cをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0124】
ステップE55からステップE58を経てステップE11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aと第2ソレノイド43Bと第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41A,41B,41Dがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40B,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第1版胴1A、第2版胴1B及び第4版胴1Dを用いた3色印刷が行われる。第3駆動モータ54Cがオンすると、プレスローラ2Cだけが反時計回り方向に回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0125】
ステップE55で第4版胴選択キー177がオンでないと、第1版胴1Aと第2版胴1Bが選択されたものとして、ステップE59に進んで2色選択印刷モードとなりステップE60に進む。ステップE60では第1ソレノイド43Aと第2ソレノイド43Bをオンし、ステップE61で第3駆動モータ54Cと第4駆動モータ54Dをオンし、ステップE11(図15)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0126】
ステップE55からステップE61を経てステップE11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aと第2ソレノイド43Bのオンによりストッパ41A,41Bがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40Bが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bにそれぞれ圧接され、2色印刷が行われる。第3駆動モータ54Cと第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2C,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から印刷部18,19,180,190の近傍に噴き出される。
【0127】
このように、第1版胴選択キー76から第4版胴選択キー177によって選択されなかった版胴に対応するプレスローラは、保持手段5A〜5Dによって選択されなかった版胴から離間した位置にそれぞれ保持される。このため、選択されなかった版胴に対して無製版のマスタを巻きつける必要が無く印刷コストを低減できるとともに、印刷に使用する版胴を選択することができるので使い勝手がよい。
【0128】
例えば第2版胴1B、第3版胴1C、第4版胴1Dの3つが選択されて、印刷刷動作プログラムが開始されると、図12に示すように、プレスローラ2Aは保持手段5Aによって保持された状態のまま矢印方向に回転する。給紙された印刷用紙22は、噴出口63Aから噴き出される気流を印刷部18の上流側で上方から吹き付けられるため、離間位置にあって回転しているプレスローラ2Aに押しつけられる。さらに、印刷部18の下流側からも、印刷部18の近傍に噴出口63Baから気流が噴き出しているので、印刷部18を通過した後でも印刷用紙22がプレスローラ2Aに押し付けられる。このため、プレスローラ2Aと第1版胴1Aの双方で印刷用紙22を挟持しなくても、印刷用紙22に対してプレスローラ2Aの回転が伝達されるので、十分な搬送力が得られ、搬送力不足による印刷用紙22の搬送不良や用紙ジャムを確実に防止することができる。
【0129】
印刷部18を通過した印刷用紙22は、噴出口63Baから噴き出される気流を受けつつ搬送ベルト28に向かって案内され、搬送ベルト28に吸着されて印刷部19に向かって搬送される。搬送ベルト28に吸着されて用紙搬送方向Xに搬送される印刷用紙22は、印刷部19を通過する際にプレスローラ2Bによる印圧がかかり、第2版胴1Bに巻装されたマスタ8Bから画像が転写される。
【0130】
印刷部19を通過した印刷用紙22の先端が用紙搬送経路65に到達すると、ファン58Dから送風され噴出口63Daから噴き出される気流が、上方から印刷用紙22の先端に噴き付けられると共に、印刷用紙22自身のコシにより、第2版胴1Bの外周面1bに付着した印刷用紙22が分離爪34Bよりも手前で分離・離間され、印刷用紙22の巻き上がりが低減される。分離された印刷用紙22の先端は、噴出口63Daから噴き出される気流により搬送ベルト28Bに向かって案内され、搬送ベルト28Bに吸着されて図13に示すように、印刷部180に向かって搬送される。印刷用紙22にコシがなかったり、インキが多く付着して印刷用紙22と第2版胴1Bとの付着力が大きい場合でも、印刷用紙22の先端が分離爪34Bと、噴出口63Daから吹き出される気流によって第2版胴1Bの外周面1bから良好に分離される。
【0131】
搬送ベルト28Bに吸着されて用紙搬送方向Xに搬送される印刷用紙22が印刷部180にさしかかると、噴出口63Dbから噴き出される気流を受けつつ印刷部180でカム48Cの回転によって接離動作しているプレスローラ2Cによる印圧がかかり、第3版胴1Cに巻装されたマスタ8Cから画像が転写される。印刷部180を通過した印刷用紙22の先端が用紙搬送経路166に到達すると、ファン58Eから送風され噴出口63Eaから噴き出される気流が、上方から印刷用紙22の先端に噴き付けられると共に、印刷用紙22自身のコシにより、第3版胴1Cの外周面1cに付着した印刷用紙22が分離爪34Cよりも手前で分離・離間され、印刷用紙22の巻き上がりが低減される。分離された印刷用紙22の先端は、噴出口63Eaから噴き出される気流により搬送ベルト28Cに向かって案内され、搬送ベルト28Cに吸着されて印刷部190に向かって搬送される。
【0132】
印刷部180を通過した印刷用紙22が搬送ベルト28Cによって搬送されて印刷部190にさしかかると、噴出口63Ebから噴き出される気流を受けつつ印刷部190でカム48Dの回転によって接離動作しているプレスローラ2Dによる印圧がかかり、第4版胴1Dに巻装されたマスタ8Dから画像が転写される。印刷部190を通過した印刷用紙22の先端が用紙搬送経路165に到達すると、ファン58Cから送風され噴出口63Cから噴き出される気流が、上方から印刷用紙22の先端に噴き付けられると共に、印刷用紙22自身のコシにより、第4版胴1Dの外周面1dに付着した印刷用紙22が分離爪34Dよりも手前で分離・離間され、印刷用紙22の巻き上がりが低減される。分離爪34Dで分離された印刷用紙22は、排紙ベルト32で吸着搬送され、排紙トレイ20(図10参照)へと搬送される。
【0133】
印刷モードの自動切り換えについて図20乃至図24に示すフローチャートを基に説明する。ここでの印刷モードの自動切り換えは、版胴の有無に応じて行われる。
【0134】
図20のステップD1では各版胴検知センサからの検知情報を取込み、ステップD2で第1乃至第4の版胴検知センサ89,90,189,190の状態を判断する。ここで全ての版胴検知センサがオンしていると、全ての版胴が装置本体1000に装着されているものとしてステップD3に進んで全色印刷モードとし、第1から第4までの全てのソレノイドを駆動してこのプログラムは終了する。
【0135】
各ソレノイドがオンすると、ストッパ41A,41B,41C,41Dがそれぞれ離脱位置におかれるので、図10に示すアーム部材40A,40B,40C,40Dがプレスローラテンション47A,47B,47C,47Dのバネ力によって時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aから第4版胴1Dまでの4つの版胴を用いたフルカラー印刷が行われる。
【0136】
ステップD2において、何れか1つでも版胴検知センサがオンしないとステップD5に進む。ステップD5、ステップD6、ステップD7では第1版胴検知センサ89、第2版胴検知センサ90、第3版胴検知センサ189の状態が判断され、各ステップにおいて各版胴検知センサがオン状態であると、第1版胴1Aから第3版胴1Cまでの3つの版胴が装置本体1000に装着されているものとしてステップD8に進み、3色選択印刷モードとなってステップD9に進む。ステップD9では第1ソレノイド43A、第2ソレノイド43B、第3ソレノイド43Cの3つをオンし、ステップD10で第4駆動モータ54Dをオンし、ステップD11において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0137】
この一連のステップD5からステップD11においては、第1ソレノイド43A、第2ソレノイド43B、第3ソレノイド43Cのオンにより各ストッパがそれぞれ離脱位置におかれ、それぞれのアーム部材40A,40B,40Cが時計回り方向に回動する。この動作によりプレスローラ2Aは第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Bは第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Cは第3版胴1Cの外周面1cにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aから第3版胴1Cまでを用いた3色印刷が行われる。第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2Dだけが反時計回り方向に回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより、各ファンが回転して気流が発生し、各気流が流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0138】
ステップD5,D6,D7において、第1,第2,第3の各版胴検知センサ89,90,189がそれぞれオフであると、ステップD5では図21に示すステップD12に進み、ステップD6では図23に示すステップD41に進み、ステップD7では図24に示すステップD56に進む。
【0139】
図21のステップD12では、第2版胴検知センサ90の状態が判断され、第2版胴検知センサ90がオンであるとステップD13に進み、オンでなければ図22に示すステップD28に進む。ステップD13において第3版胴検知センサ189がオンで、ステップD14で第4版胴検知センサ190がオンであると、第2版胴1Bから第4版胴1Dまでの3つの版胴が装置本体1000に装着されているものとしてステップD15に進み3色選択印刷モードとなってステップD16に進む。ステップD16では、第2,第3,第4の各ソレノイド43B,43C,43Dをオンし、ステップD17で第1駆動モータ54Aをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0140】
ステップD12からステップD17を経てステップD11に到るまでの間では、第2ソレノイド43B、第3ソレノイド43C、第4ソレノイド43Dのオンにより対応する各ストッパがそれぞれ離脱位置におかれ、アーム部材40B,40C,40Dが時計回り方向に回動する。この動作によりプレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第2版胴1Bから第4版胴1Dまでを用いた3色印刷が行われる。第1駆動モータ54Aがオンすると、プレスローラ2Aだけが反時計回り方向に回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより、各ファンが回転して気流が発生し、各気流が流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0141】
ステップD13で第3版胴検知センサ189がオンでなければ、ステップD18に進んで第4版胴検知センサ190の状態が判断され、オンであると第2版胴1Bと第4版胴1Dが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD19に進み2色選択印刷モードとなりステップD20に進む。ステップD20において、第2ソレノイド43Bと第4ソレノイド43Dの2つをオンし、ステップD21で第1駆動モータ54Aと第3駆動モータ54Cをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0142】
ステップD18からステップD21を経てステップD11に到るまでの間では、第2ソレノイド43Bと第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41B,41Dがそれぞれ離脱位置におかれ、アーム部材40B,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第2版胴1Bと第4版胴1Dを用いた2色印刷が行われる。第1駆動モータ54Aと第3駆動モータ54Cがオンすると、プレスローラ2A,2Cが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0143】
ステップD18で第4版胴検知センサ190がオンでなければ、第2版胴1Bだけが装着されているものとしてステップD22に進み、単色選択印刷モードとなる。そして、ステップD23において第2ソレノイド43Bだけがオンし、ステップD24で第1,第3,第4の各駆動モータ54A,54C,54Dがオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0144】
ステップD18からステップD24を経てステップD11へ到るまでの間では、第2ソレノイド43Bのオンによりストッパ41Bが離脱位置におかれ、アーム部材40Bが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに圧接され、第2版胴1Bを用いた単色印刷が行われる。第1駆動モータ54A、第3駆動モータ54C、第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2A,2C,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0145】
ステップD14で第4版胴検知センサ190がオンでなければ、第2版胴1Bと第3版胴1Cが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD25に進み2色選択印刷モードとなる。そしてステップD26において、第2ソレノイド43Bと第3ソレノイド43Cをオンし、ステップD27で第1駆動モータ54Aと第4駆動モータ54Dをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0146】
ステップD14からステップD27を経てステップD11へ到るまでの間では、第2ソレノイド43Bと第3ソレノイド43Cのオンによりストッパ41B,41Cがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40B,40Cが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cにそれぞれ圧接し、第2版胴1Bと第3版胴1Cを用いた2色印刷が行われる。第1駆動モータ54Aと第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2A,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0147】
図22に示すステップD28において、第3版胴検知センサ189がオン状態であるとステップD29に進み、オンでなければステップD36に進む。ステップD29で第4版胴検知センサ190がオンであると、第3版胴1Cと第4版胴1Dが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD30に進み2色選択印刷モードとなる。そして、ステップD31において、第3ソレノイド43Cと第4ソレノイド43Dの2つをオンし、ステップD32で第1駆動モータ54Aと第2駆動モータ54Bをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0148】
ステップD28からステップD32を経てステップD11へ到るまでの間では、第3ソレノイド43Cと第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41C,41Dがそれぞれ離脱位置におかれ、アーム部材40C,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Cが第2版胴1Cの外周面1cに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第3版胴1C及び第4版胴1Dを用いた2色印刷が行われる。第1駆動モータ54Aと第2駆動モータ54Bがオンすると、プレスローラ2A,2Bが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0149】
ステップD36で第4版胴検知センサ190がオンであると、第4版胴1Dだけが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD37に進み単色選択印刷モードとなりステップD38へ進み、オンでなければ全ての版胴が装着されていないものとして本制御を終了する。ステップD38では第4ソレノイド43Dだけをオンし、ステップD39で第1、第2、第3の各駆動モータ54A,54B,54Cをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0150】
ステップD36からステップD39を経てステップD11へ到るまでの間では、第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41Dが離脱位置におかれ、アーム部材40Dが時計回り方向に回動してプレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dに圧接され、第4版胴1Dを用いた単色印刷が行われる。第1駆動モータ54A、第2駆動モータ54B、第3駆動モータ54Cがオンすると、プレスローラ2A,2B,2Cが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0151】
ステップD29で第4版胴検知センサ190がオンでないと、第3版胴1Cだけが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD33に進み単色選択印刷モードとなりステップD34に進む。ステップD34では第3ソレノイド43Cだけをオンし、ステップD35で第1,第2,第4の各駆動モータ54A,54C,54Dをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0152】
ステップD29からステップD35を経てステップD11へ到るまでの間では、第3ソレノイド43Cのオンによりストッパ41Cが離脱位置におかれてアーム部材40Cが時計回り方向に回動し、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cに圧接されて第3版胴1Cを用いた単色印刷が行われる。第1駆動モータ54A、第2駆動モータ54B、第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2A,2B,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0153】
図23に示すステップD41において、第3版胴検知センサ189がオン状態であるとステップD42に進み、オンでなければステップD46に進む。ステップD42で第4版胴検知センサ190がオンであると、第1版胴1Aと第3版胴1Cと第4版胴1Dが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD43に進み3色選択印刷モードとなる。そしてステップD44において、第1ソレノイド43Aと第3ソレノイド43Cと第4ソレノイド43Dの3つをオンし、ステップD45で第2駆動モータ54Bだけをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0154】
ステップD41からステップD45を経てステップD11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43A、第3ソレノイド43C、第4ソレノイド43Dのオンにより、ストッパ41A,41C,41Dがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40C,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Cが第1版胴1Cの外周面1cに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aと第3版胴1Cと第4版胴1Dを用いた3色印刷が行われる。第2駆動モータ54Bがオンすると、プレスローラ2Bだけが反時計回り方向に回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0155】
ステップD46で第4版胴検知センサ190がオンであると、第1版胴1Aと第4版胴1Dが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD47に進み2色選択印刷モードとなりステップD48に進む。ステップD48では第1ソレノイド43Aと第4ソレノイド43Dをオンし、ステップD49で第2駆動モータ54Bと第3駆動モータ54Cをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0156】
ステップD46からステップD49を経てステップD11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aと第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41A,43Dがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aと第4版胴1Dを用いた2色印刷が行われる。第2駆動モータ54Bと第3駆動モータ54Cがオンすると、プレスローラ2B,2Cが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0157】
ステップD46で第4版胴検知センサ190がオンでないと、第1版胴1Aだけが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD50に進み単色選択印刷モードとなりステップD51に進む。ステップD51では第1ソレノイド43Aだけをオンし、ステップD52で第2、第3及び第4の各駆動モータ54B,54C,54Dをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0158】
ステップD46からステップD52を経てステップD11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aのオンによりストッパ41Aが離脱位置におかれるので、アーム部材40Aだけが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに圧接され、第1版胴1aだけを用いた単色印刷が行われる。第2駆動モータ54Bと第3駆動モータ54Cと第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2B,2C,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0159】
ステップD42で第4版胴検知センサ190がオンでないと、第1版胴1Aと第3版胴1Cが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD53に進み2色選択印刷モードとなりステップD54に進む。ステップD54では第1ソレノイ43Aと第3ソレノイド43Cをオンし、ステップD55で第2駆動モータ54Bと第4駆動モータ54Dをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0160】
ステップD42からステップD55を経てステップD11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aと第3ソレノイド43Cのオンによりストッパ41A,41Cがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40Cが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Cが第3版胴1Cの外周面1cにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aと第3版胴1Cを用いた2色印刷が行われる。第2駆動モータ54Bと第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2B,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0161】
図24に示すステップD56において、第4版胴検知センサ190がオン状態であると、第1版胴1A、第2版胴1B、第4版胴1Dが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD57に進み3色選択印刷モードとなる。そして、ステップD58において第1ソレノイド43A、第2ソレノイド43B、第4ソレノイド43Dの3つをオンし、ステップD59で第3駆動モータ54Cだけをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0162】
ステップD56からステップD59を経てステップD11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aと第2ソレノイド43Bと第4ソレノイド43Dのオンによりストッパ41A,41B,41Dがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40B,40Dが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bに、プレスローラ2Dが第4版胴1Dの外周面1dにそれぞれ圧接され、第1版胴1Aと第2版胴1Bと第4版胴1Dを用いた3色印刷が行われる。第3駆動モータ54Cがオンすると、プレスローラ2Cだけが反時計回り方向に回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0163】
ステップD56で第4版胴検知センサ190がオンでないと、第1版胴1Aと第2版胴1Bが装置本体1000に装着されているものとして、ステップD60に進み2色選択印刷モードとなりステップD61に進む。ステップD61では第1ソレノイド43Aと第2ソレノイド43Bをオンし、ステップD62で第3駆動モータ54Cと第4駆動モータ54Dをオンし、ステップD11(図20)において全ての送風駆動モータをオンして終了する。
【0164】
ステップD56からステップD62を経てステップD11へ到るまでの間では、第1ソレノイド43Aと第2ソレノイド43Bのオンによりストッパ41A,41Bがそれぞれ離脱位置におかれるので、アーム部材40A,40Bが時計回り方向に回動する。そして、プレスローラ2Aが第1版胴1Aの外周面1aに、プレスローラ2Bが第2版胴1Bの外周面1bにそれぞれ圧接され、2色印刷が行われる。第3駆動モータ54Cと第4駆動モータ54Dがオンすると、プレスローラ2C,2Dが反時計回り方向にそれぞれ回転駆動され、各送風駆動モータのオンにより気流が発生し、各気流が各流路を通り各噴出口から各印刷部の近傍に噴き出される。
【0165】
例えば、図10に示す第1〜第4の版胴の内、第1版胴1Aと第2版胴1Bが装着されていない場合は、自動的に第3版胴1Cと第4版胴1Dを用いた2色選択印刷モードが設定され、第1版胴1Aが装着されていない場合は、自動的に第2版胴1Bと第3版胴1Cと第4版胴1Dを用いた3色選択印刷モードが設定される。このように、装置本体1000に対する版胴の有無により印刷に使用する版胴が自動的に選択されるので、オペレータが版胴の着脱状態を気にしなくてよく、誤操作を防止することができる。特に本形態のように版胴が4つも有る多色印刷装置においては、版胴の装着状態を確認しないで済むことは装置を利用する上で操作性を向上することになるので大変好ましい。
【0166】
無論本形態においても、装置本体1000に装着されない版胴に対応するプレスローラは、各保持手段によって離間位置に保持された状態で回転駆動され、かつ各印刷部には版胴側から気流が送風される。このため、版胴の装着されていない印刷部を印刷用紙22が通過する場合でも、印刷用紙22は、各噴出口から噴き出される気流によって回転駆動しているプレスローラに押し付けられるため、十分な搬送力を得られ、搬送力不足による搬送不良や用紙ジャムを確実に防止することができる。
【0167】
各形態では、配風手段6A,6B,6D,6E,6Cを全て駆動させて印刷部18,19,180,190の近傍に対して気流を供給し、印刷用紙22の各版胴に対する巻き上がり等をも考慮しているが、このような印刷用紙22の巻き上がりを考慮しなければ、離脱位置に保持されたプレスローラ側や、版胴の装着されていない側のプレスローラの近傍にだけ気流を供給すべく、送風駆動モータ59A,59B,59D,59E,59Cの駆動を制御手段80,280で制御するようにしてもよい。このように制御すると、各送風駆動モータによる気流の噴き出し音を小さくしながらモータの駆動率を低減できるので、装置の静粛性を高めつつ耐久性を向上することができる。
【0168】
各形態において、各版胴間に配置した配風手段6B,6D,6Eは、1つの送風駆動モータで発生させた気流を、1つ流路60B,60D,60Eを分割して各印刷部の近傍に供給しているが、送風駆動モータを2つ設け、各流路も2つに独立して形成し、各印刷部に対してそれぞれ独立して気流を供給する構成の配風手段6B,6D,6Eとしてもよい。
【0169】
本発明は、感熱デジタル製版一体型の孔版印刷装置を構成するものに限らず、例えば製版給版装置や排版装置を持たず、装置本体100,1000と別体に配設した製版装置で製版したものを各版胴に巻装したり、印刷後に各版胴から使用済みのマスタを剥離してもよく、各製版給版装置及び各排版装置を装置本体100,1000に必ずしも具備していなくても良い。製版するためのデータは、上記したように原稿読取装置で読み取ったデータでもよいし、あるいは孔版印刷装置と個別に設けたコンピュータ等の外部入出力装置で作成あるいは出力されるデータであっても良い。本発明において、「色選択印刷モード」とは、複数の版胴のうちから単に印刷に使用する版胴を選択するモードを含むものである。
【0170】
【発明の効果】
請求項記載の発明によれば、色選択印刷モードが選択されると、この色選択印刷モードで使用されない版胴に対して接離可能な印圧部材が保持手段によって版胴から離間した位置に保持されるので、印刷に使用しない版胴と印圧部材の接触が無くなり、従来のように無製版のマスタを版胴の外周面に巻装しなくても済み、印刷コストを低減することができる。
【0171】
請求項記載の発明によれば色選択印刷モード中において複数の版胴の中から任意の版胴が選択されると、制御手段によって電磁アクチュエータが駆動され、選択された版胴に対して印圧部材の外周面が接触する位置を占めるので、この選択された版胴による印刷が行えると共に、選択されない版胴に対応する印圧部材が版胴から離間した位置に保持手段で保持されるので、印刷に使用しない版胴と印圧部材の接触を無くしながら、色選択印刷モードにおける版胴を選択することができ、従来のように無製版のマスタを版胴の外周面に巻装しなくてもよく、印刷コストを低減しながら装置の使い勝手がよくなる。
【0172】
請求項2、3記載の発明によれば、請求項記載の多色孔版印刷装置において、版胴の有無に3応じて印刷モードが全色印刷モードや色選択印刷モードに切り替えられると共に、色選択印刷モードに切り替えられると、制御手段によって電磁アクチュエータが駆動され、版胴有無検知手段で検知された版胴に対して印圧部材が接触する位置を占めるので、検知された版胴による印刷が行えると共に、検知されない版胴に対応する印圧部材は、版胴から離間した位置に保持手段で保持されたままなので、印刷に使用しない版胴と印圧部材の接触を無くしながら、従来のように無製版のマスタを版胴の外周面に巻装しなくても済み、印刷コストを低減しながら装置の使い勝手がよく、誤操作も低減して装置の信頼性が高くなる。
【0173】
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至の何れか1つに記載の多色孔版印刷装置において、印圧部材が駆動手段によって各版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動されるので、版胴と離間した位置に保持手段で保持された印圧部材であっても印刷用紙に十分な搬送方向への搬送力を与えることができ、印刷に使用しない版胴に対する無製版マスタの使用を無くして印刷コストの低減を図りながら、印圧部材による印圧がなくても印刷用紙に対して十分な搬送力を与えられ、印刷用紙の搬送不良を防止することができる。
【0174】
請求項記載の発明によれば、請求項記載の多色孔版印刷装置において、送風源で発生した気流が各版胴と各印圧部材の対向部近傍に搬送された印刷用紙に対して版胴側から噴き付けられ、印圧部材が保持手段によって版胴から離間した位置に保持された状態でも版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動される印圧部材に向かって印刷用紙が押し付けられることで、印刷用紙に印圧部材の回転が効率よく伝達されるので、印刷用紙に対してより十分な搬送方向への搬送力を与えることができ、印刷用紙の搬送不良をより確実に防止することができる。
【0175】
請求項記載の発明によれば、全色印刷モードと色選択印刷モードとを切り替えることができるので、用途に応じた印刷を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す多色孔版印刷装置の構成図である。
【図2】印圧部材と保持手段と駆動手段の構成を示す拡大図である。
【図3】保持手段の動作と印圧部材の動作を示す拡大図である。
【図4】配風手段の構成と動作並びに第1版胴が選択された時の印刷用紙に対する作用を示す拡大図である。
【図5】第1の実施の形態に係る制御手段の構成とそれにつながる各部のブロック図である。
【図6】制御手段による制御の一形態を示すフローチャートである。
【図7】第2版胴が選択された時の印刷用紙に対する作用を示す拡大図である。
【図8】制御手段による制御の別形態を示すフローチャートである。
【図9】一方の版胴の非装着時における印刷用紙に対する作用を示す拡大図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す多色孔版印刷装置の構成図である。
【図11】第3版胴と第4版胴に対応する印圧部材と保持手段と駆動手段の構成を示す拡大図である。
【図12】第2の実施の形態に係る第1版胴と第2版胴の近傍に配置された各部の構成と動作を示す拡大図である。
【図13】第2の実施の形態に係る第3版胴と第4版胴の近傍に配置された各部の構成と動作を示す拡大図である。
【図14】第2の実施の形態に係る制御手段とそれにつながる各部のブロック図である。
【図15】図14に示す制御手段による制御の一形態を示すフローチャートである。
【図16】図15に示す▲7▼につながるフローチャートである。
【図17】図16に示す12(丸付き)につながるフローチャートである。
【図18】図15に示す▲8▼につながるフローチャートである。
【図19】図15に示す▲9▼につながるフローチャートである。
【図20】図14に示す制御手段による制御の別形態を示すフローチャートである。
【図21】図20に示す▲1▼につながるフローチャートである。
【図22】図21に示す▲6▼につながるフローチャートである。
【図23】図20に示す▲2▼につながるフローチャートである。
【図24】図20に示す▲3▼につながるフローチャートである。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D 版胴
1a,1b,1c,1d 版胴の外周面
2A,2B,2C,2D 印圧部材
2a,2b,2c,2d 印圧部材の外周面
5A,5B,1C,1D 保持手段
6A,6B,6C,6D,6E 配風手段
22 印刷用紙
40A,40B,40C,40D アーム部材
41A,41B,41C,41D ストッパ
42A,42B,42C,42D 付勢手段
43A,43B,43C,43D 電磁アクチュエータ
54A,54B,54C,54D 駆動手段
58A,58B,58C,58D,58E 送風源
60A,60B,60C,60D,60E 流路
74,75 印刷モード選択手段
76,77,176,177 版胴選択手段
80,280 制御手段
89,90,189,190 版胴有無検知手段

Claims (6)

  1. 異なる色のインキを内部に有する複数の版胴と、各版胴にそれぞれ接離可能に設けられた複数の印圧部材とを備え、これら版胴と印圧部材を用いて印刷用紙を挟持して印刷を行う印刷モードを備えた多色孔版印刷装置において、
    上記印刷モードが複数の版胴と複数の印圧部材の内の任意の版胴と印圧部材により印刷用紙を挟持して印刷する色選択印刷モードの場合、色選択印刷モードで使用されない印圧部材をそれに対応する版胴から離間した位置に保持するものであり、上記印圧部材を回転自在に支持し、印圧部材の外周面が版胴の外周面に圧接する押圧位置と版胴の外周面から離れた離間位置へと上記印圧部材を移動するアーム部材と、上記アーム部材と係脱可能に設けられ上記離間位置において上記アーム部材を係止するストッパと、上記ストッパを上記アーム部材との係止方向に付勢する付勢手段と、上記アーム部材との離脱位置に向かって上記ストッパを移動する電磁アクチュエータとを有する保持手段と、
    上記複数の版胴の中から任意の版胴を選択する版胴選択手段と、
    上記印刷モードが色選択印刷モードである場合に上記版胴選択手段で選択された版胴に対応する印圧部材の外周面が選択された版胴の外周面と接触する位置を占めるように、上記ストッパを離脱位置に移動すべく上記電磁アクチュエータを駆動するとともに、上記版胴選択手段で選択されない版胴に対応する印圧部材の外周面が、選択されない版胴の外周面から離間した位置を占めるように上記電磁アクチュエータを制御する制御手段とを有する多色孔版印刷装置。
  2. 異なる色のインキを内部に有する複数の版胴と、各版胴にそれぞれ接離可能に設けられた複数の印圧部材とを備え、これら版胴と印圧部材を用いて印刷用紙を挟持して印刷を行う印刷モードを備えた多色孔版印刷装置において、
    上記印刷モードが複数の版胴と複数の印圧部材の内の任意の版胴と印圧部材により印刷用紙を挟持して印刷する色選択印刷モードの場合に、色選択印刷モードで使用されない印圧部材をそれに対応する版胴から離間した位置に保持するものであり、上記印圧部材を回転自在に支持し、印圧部材の外周面が版胴の外周面に圧接する押圧位置と版胴の外周面から離れた離間位置へと上記印圧部材を移動するアーム部材と、上記アーム部材と係脱可能に設けられ上記離間位置において上記アーム部材を係止するストッパと、上記ストッパを上記アーム部材との係止方向に付勢する付勢手段と、上記アーム部材との離脱位置に向かって上記ストッパを移動する電磁アクチュエータとを有する保持手段と、
    上記各版胴の有無を検知する複数の版胴有無検知手段と、
    上記版胴有無検知手段からの検知情報に基づき上記印刷モードを上記各版胴と各印圧部材によりそれぞれ印刷用紙を挟持して印刷する全色印刷モードまたは上記色選択印刷モードに切り替えると共に、切り替えられた印刷モードが色選択印刷モードである場合に上記版胴有無検知手段で検知された版胴に対応する印圧部材の外周面が検知された版胴の外周面と接触する位置を占めるように、上記ストッパを離脱位置に移動すべく上記電磁アクチュエータを駆動するとともに、上記版胴有無検知手段で検知されない版胴に対応する印圧部材の外周面が、検知されない版胴の外周面から離間した位置を占めるように上記電磁アクチュエータを制御する制御手段とを有する多色孔版印刷装置。
  3. 請求項2記載の多色孔版印刷装置において、
    上記制御手段は、上記版胴有無検知手段の少なくとも1つから検知情報が出力された場合には色選択印刷モードを選択し、上記版胴有無検知手段の全てから検知情報が出力された場合には全色印刷モードを選択する多色孔版印刷装置。
  4. 請求項2または3記載の多色孔版印刷装置において、
    上記全色印刷モードと上記色選択印刷モードとを選択する印刷モード選択手段を有する多色孔版印刷装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載の多色孔版印刷装置において、
    上記各印圧部材を各版胴との対向部において各版胴の印刷時における回転方向と同方向に回転駆動する駆動手段を有する多色孔版印刷装置。
  6. 請求項5記載の多色孔版印刷装置において、
    気流を発生させる送風源と、この送風源からの気流を各版胴と各印圧部材との対向部近傍に版胴側から供給する流路とを有する配風手段を備えた多色孔版印刷装置。
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