JP2001002271A - 中間搬送装置及び多色印刷装置 - Google Patents

中間搬送装置及び多色印刷装置

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JP2001002271A
JP2001002271A JP11178317A JP17831799A JP2001002271A JP 2001002271 A JP2001002271 A JP 2001002271A JP 11178317 A JP11178317 A JP 11178317A JP 17831799 A JP17831799 A JP 17831799A JP 2001002271 A JP2001002271 A JP 2001002271A
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Naoki Okazaki
直樹 岡崎
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上流側印刷部から下流側印刷部へ搬送される
印刷用紙の搬送タイミングや印刷用紙のズレを低減して
画像ズレやダブリ印刷の発生を少なくする。 【解決手段】 用紙搬送方向Xに並列配置された版胴1
A,1Bと、各版胴にそれぞれ接離可能に設けた印圧部
材2A,2Bとの間に各々構成される印刷部18、19
の間に、印刷部18を通過した印刷用紙22を印刷部1
9へ搬送する中間搬送装置21を配置し、中間搬送装置
21の搬送ベルト28を巻き掛ける印刷部18近傍の第
1ローラ26と印刷部19近傍の第2ローラ27のう
ち、第1ローラ外周面26aをローラ軸方向Yに全域に
わたって略同一の大きさに形成し、第1ローラ26上で
の搬送ベルト28と印刷用紙22の接触面積を大きくし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、用紙搬送方向の上
流側に位置する印刷部で印刷された印刷用紙を用紙搬送
方向の下流側に位置する印刷部に搬送する中間搬送装置
及び中間搬送装置を備えた多色印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の版胴を用紙搬送方向に並列配置さ
れた多色印刷装置では、各版胴に対向配置され、かつ接
離可能に設けられた印圧部材による印圧が、印刷用紙を
介して版胴に加えられることで、各版胴と各印圧部材の
間に構成される印刷部で印刷用紙を挟持し、印刷用紙に
版胴の回転力を伝達して搬送力を与えながら印刷を行っ
ている。用紙搬送方向の上流側に位置する印刷部を通過
する印刷用紙は、印刷部間に配置される中間搬送装置に
受け渡されて用紙搬送方向の下流側に位置する印刷部に
向って搬送されている。
【0003】一般に中間搬送装置は、上流側印刷部の近
傍に配置された太鼓状のローラと下流側印刷部の近傍に
配置された太鼓状のローラとにベルト部材が巻き掛けら
れていて、ベルト部材の搬送面が用紙搬送方向の上流側
から下流側に向って移動するように駆動手段でローラを
回転させて、印刷用紙を上流側印刷部から下流側印刷部
へと搬送している。ベルト部材の下方には、上流側印刷
部を通過した印刷用紙をベルト部材に吸着させるための
吸着手段が配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の多色印刷装置に
おける中間搬送装置は、太鼓状に形成されたローラ対に
ベルト部材を巻き掛けているので、ローラ外周面上のベ
ルト部材がローラ形状に習いローラ軸方向において円弧
状となってしまう。このため、ローラ上に位置するベル
ト部材と印刷用紙の接触面が少なく、上流側印刷部を通
過した印刷用紙が中間搬送装置に受け渡されるときに、
ベルト部材上でローラ軸方向にズレたり、ベルト部材か
ら十分な搬送力を得られず、下流側印刷部に対する搬送
タイミングがズレてしまう。このように上流側印刷部を
通過した印刷用紙が中間搬送装置上でズレた状態で下流
側印刷部に搬送されてしまうと、上流側印刷部で印刷さ
れた画像と、下流側印刷部で印刷される画像の位置にズ
レが発生する。また、上流側印刷部で印刷された画像
は、転写されたインキが乾かないうちに下流側印刷部に
搬送されるので、下流側の版胴に巻装されるマスタに再
転写されてしまう。この再転写されたインキ画像は、次
に搬送されてくる印刷用紙に転写されてしまうが、上流
側印刷部で印刷されて搬送されてくる印刷用紙が中間搬
送装置上でズレてしまったり、搬送タイミングがズレて
しまうと、再転写されたインキ画像がこの印刷用紙に上
流側印刷部で印刷された画像とズレて印刷されてしま
い、ダブリ印刷、所謂オフセットゴーストが発生してし
まう。
【0005】本発明は、上流側印刷部から下流側印刷部
へ搬送される印刷用紙の搬送タイミングやベルト部材上
での印刷用紙のズレを少なくして、画像のズレやダブリ
印刷の発生を抑制できる中間搬送装置や多色印刷装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、用紙搬送方向に並列配置さ
れた複数の版胴と、各版胴のそれぞれ接離可能に設けら
れた複数の印圧部材の間にそれぞれ構成される印刷部の
間に配置され、用紙搬送方向の上流側に位置する印刷部
を通過した印刷用紙を用紙搬送方向の下流側に位置する
印刷部に搬送する中間搬送装置であって、上流側印刷部
の下流側近傍に設けられた第1ローラと、下流側印刷部
の上流側近傍に設けられた第2ローラと、これらローラ
間に巻き掛けられたベルト部材とを有し、第1ローラの
外周面をローラ軸方向にわたって略同一の大きさに形成
したことを特徴としている。
【0007】請求項4記載の発明は、用紙搬送方向に並
列配置され、異なる色のインキをその外周面へ供給可能
な複数の版胴と、各版胴にそれぞれ接離可能に設けられ
た複数の印圧部材とを備え、各版胴と各印圧部材の間に
それぞれ構成される印刷部で印刷用紙に印刷する多色印
刷装置であって、用紙搬送方向の上流側に位置する印刷
部と、用紙搬送方向の下流側に位置する印刷部との間に
配置され、上流側印刷部を通過した印刷用紙を下流側印
刷部へ搬送する中間搬送装置を有し、中間搬送装置が、
上流側印刷部の下流側近傍に設けられた第1ローラと、
下流側印刷部の上流側近傍に設けられた第2ローラと、
これらローラ間に巻き掛けられたベルト部材とを有し、
この第1ローラの外周面がローラ軸方向にわたって略同
一の大きさに形成されていることを特徴としている。
【0008】請求項1、4記載の発明によると、上流側
印刷部の下流側近傍に設けられ、ベルト部材が巻き掛け
られる第1ローラの外周面が、ローラ軸方向にわたって
略同一の大きさに形成されているので、この第1ローラ
の外周面上に位置するベルト部材がローラ軸方向におい
て平面的となる。このため、上流側印刷部を通過した印
刷用紙とベルト部材の接触面積が大きくなり、印刷用紙
がベルト部材上でズレにくくなると共に、ベルト部材か
ら十分な搬送力を伝達される。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の中
間搬送装置において、第2ローラの外周面の、ローラ軸
方向における中央部がローラ軸方向における端部よりも
大径となる太鼓状に形成されていることを特徴としてい
る。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項4記載の多
色印刷装置において、第2ローラの外周面の、ローラ軸
方向における中央部がローラ軸方向における端部よりも
大径の太鼓状に形成されていることを特徴としている。
【0011】請求項2、5記載の発明によると、ベルト
部材が巻き掛けられる第2ローラの外周面が、ローラ軸
方向における中央部がローラ軸方向における端部よりも
大径の太鼓状に形成されているので、ベルト部材のその
もののローラ軸方向への移動が抑えられ、下流側印刷部
へのベルト部材の移動による印刷用紙の位置ズレが抑え
られる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の中間搬送装置において、ベルト部材の搬送面に、
上流側印刷部で印刷された印刷用紙を吸着させる吸着手
段を有することを特徴としている。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項4または5
記載の多色印刷装置において、ベルト部材の搬送面に上
流側印刷部で印刷された印刷用紙を吸着させる吸着手段
を有することを特徴としている。
【0014】請求項3、6記載の発明によると、上流側
印刷部を経た印刷用紙は、吸着手段の作用によって中間
搬送装置のベルト部材の搬送面に吸着されつつ下流側印
刷部に搬送されるので、搬送中におけるベルト部材上で
の位置ズレが抑えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1に示す多色印刷装置としての多
色孔版印刷装置は、矢印Xで示す用紙搬送方向(以下、
「用紙搬送方向X」と記す)の上流側から下流側に向か
って並設され異なる色のインキをそれぞれ外周面に供給
可能な2つの版胴1A,1B(以下、「上流側版胴1
A」、「下流側版胴1B」と記す)と、各版胴にそれぞ
れ接離可能に設けられた複数の印圧部材としてのプレス
ローラ2A,2Bと、中間搬送装置21とを装置本体1
00内に備えている。
【0016】多色孔版印刷装置は、装置本体100内の
上流側版胴1Aと下流側版胴1Bの外廻りに、周知の製
版給版装置3A,3Bと排版装置4A,4B、プレスロ
ーラ2A,2Bを版胴1A,1Bの外周面1a,1b
(以下、「版胴外周面1a,1b」と記す)から離間し
た位置に保持する保持手段5A,5B、配風手段6A,
6B,6Cを配置され、上流側版胴1Aと下流側版胴1
Bのそれぞれ内部にインキ供給手段7A,7Bを配備さ
れている。
【0017】これら上流側版胴1Aと下流側版胴1B、
プレスローラ2A,2B、製版給版装置3A,3B、排
版装置4A,4B、保持手段5A,5B、配風手段6
A,6B,6C、インキ供給手段7A,7Bは、それぞ
れ略同一の機能および構成を有しているので、同一数字
符号の末尾に符号AまたはBあるいはCを付加すること
で各構成部を区別し、重複説明は省略する。
【0018】本形態の多色孔版印刷装置は、周知の感熱
デジタル製版一体型の孔版印刷装置であって、装置本体
100の上部に配置される図示しない原稿読取装置で原
稿の画像を読み取り、CCD(電荷結合素子)等の光電
変換素子からなる画像センサにより光電変換し、この光
電変換された電気信号を図示しないアナログ/デジタル
変換基板に送信することによりデジタル画像信号に変換
し、製版給版装置3A,3Bに送信している。製版給版
装置3A,3Bでは、このデジタル画像信号に応じて無
製版のマスタを図示しない周知のサーマルヘッドで製版
し、製版されたマスタ8A,8Bを版胴外周面1a,1
bに向かって給版している。給版されたマスタ8A,8
Bは、版胴外周面1a,1bに設けられたクランパ9
A,9Bでそれぞれその先端を保持され、上流側版胴1
Aと下流側版胴1Bを回転駆動することで版胴外周面1
a,1bにそれぞれ巻装される。巻装されたマスタ8
A,8Bは、印刷が終了して次の製版が開始される時
に、排版装置4A,4Bによって版胴外周面1a,1b
から剥離されて排版装置4A,4B内に廃棄される。こ
れら製版給版装置3A,3Bや排版装置4A,4B等
は、後述する制御手段80によって適宜その駆動部の駆
動動作が制御されることで動作する。
【0019】上流側版胴1Aと下流側版胴1Bは、多孔
性支持円筒体と多孔質のメッシュスクリーンとを重合さ
せた周知の構造を成し、ドラム軸35A,35Bの周り
にそれぞれ回転自在に支持されている。ドラム軸35
A,35Bは、その両端を装置本体100に着脱可能に
設けられたフレーム36A,36Bに支持されている。
このため、上流側版胴1Aと下流側版胴1Bは、装置本
体100に対してそれぞれ着脱可能となっている。上流
側版胴1Aと下流側版胴1Bは、図示しない歯車列やベ
ルトとプーリからなる周知の動力伝達機構を介して互い
に連結されている。この動力伝達機構には、後述する版
胴駆動モータ68が連結されていて、上流側版胴1Aと
下流側版胴1Bを図1に矢印で示した印刷方向となる時
計回り方向に回転するように構成されている。上流側版
胴1Aと下流側版胴1Bは、制御手段80によって適宜
後述の版胴駆動モータ68の駆動動作が制御され、その
回転速度や回転方向が制御される。上流側版胴1A及び
下流側版胴1Bは、マスタ8A,8Bの給版から版付け
時には、印刷時よりも遅い速度で図1で時計回り方向に
回転され、印刷時には印刷速度で時計回り方向に回転さ
れる。
【0020】印刷用紙22は、用紙搬送方向Xの最上流
側に配置された昇降可能な給紙トレイ10上に積載され
ていて、積載された最上位のものから呼び出しコロ11
と分離コロ対12,13および分離板14の協働作用に
より1枚に分離され、上下一対のガイド板15,16に
案内されつつレジストローラ対17に向けて給紙され
る。印刷用紙22は、レジストローラ対17でタイミン
グを計られて送り出され、プレスローラ2Aと上流側版
胴1Aの間に構成される印刷部18(以下「上流側印刷
部18」と記す)や、プレスローラ2Bと下流側版胴1
Bの間に構成される印刷部19(以下「下流側印刷部1
9」と記す)を経由して用紙搬送方向Xの最下流側に配
置された排紙トレイ20へ向って搬送される。これら呼
び出しコロ11、分離コロ対12,13及びレジストロ
ーラ対17は、印刷時や版付け時に制御手段80によっ
て適宜後述の駆動部の駆動動作を制御されることで動作
し、マスタ8A,8Bの巻装後に行われる版付け時には
印刷用紙22を1枚給紙し、印刷時には設定された印刷
枚数の印刷が終了するまで印刷用紙22を給紙する。
【0021】上流側印刷部18と下流側印刷部19の間
には、上流側版胴1Aと下流側版胴1Bの間の用紙搬送
経路を構成する中間搬送装置21とガイド部材23,2
4が配置されている。下流側印刷部19と排紙トレイ2
0の間には、排紙装置25が配置されている。
【0022】中間搬送装置21は、第1ローラとしての
従動ローラ26と、第2ローラとしての駆動ローラ27
と、これらローラに巻き掛けられるベルト部材としての
多孔性の搬送ベルト28と、搬送ベルト28の下方に配
置された吸着手段としての吸着ファン29とを備えてい
る。
【0023】図2、図3、図4に示すように、従動ロー
ラ26は上流側印刷部18の下流側近傍に配置され、駆
動ローラ27は下流側印刷部19の上流側近傍に配置さ
れている。従動ローラ26は、図示しないフレームに設
けられた支持部材91に両端を支持された軸92上に、
軸受部材94を介して回転自在に支持されている。この
従動ローラ26は、その外周面26aが矢印Yで示すロ
ーラ軸方向(以下「ローラ軸方向Y」と記す)にわたっ
て略同一の大きさに形成された、所謂ストレートローラ
であって、巻き掛けられる搬送ベルト28が外周面26
a上において平坦状となるように構成されている。
【0024】駆動ローラ27は、支持部材91に軸受部
材95を介して回転自在に支持された駆動軸95上に固
定されている。この駆動ローラ27は、その外周面27
aが、図4に示すように、ローラ軸方向Yにおける中央
部27bがローラ軸方向Yにおける端部27c、27d
よりも大径の太鼓状に形成されており、巻き掛けられる
搬送ベルト28が外周面27a上においてローラ軸方向
Yに移動しない構成とされている。従動ローラ26及び
駆動ローラ27は、図2に示すように、それぞれ軸9
2、93の軸方向に2個ずつ配置されている。支持部材
91の中央部には、搬送ベルト28の配置範囲よりもロ
ーラ軸方向Yに長い開口部91aが、支持部材91を上
下に貫通して形成されており、吸着ファン29の回転に
より発生する吸引力を搬送ベルト28の搬送面28aに
作用させる構成となっている。
【0025】図2に示すように、駆動軸93の一端に
は、歯車96が固定されている。歯車96には、駆動手
段となる中間搬送駆動モータ87の出力軸87aに装着
された駆動歯車97が噛合している。中間搬送駆動モー
タ87は、搬送ベルト28の搬送面28aが、用紙搬送
方向Xの上流側から下流側に移動するように、すなわち
本形態では搬送ベルト28が反時計周り方向に回転する
ように駆動される。
【0026】吸着ファン29は、図1に示すように、搬
送ベルト28の下方、すなわち、図3に示す支持部材9
1の下方に配置されており、図示しない駆動モータで回
転されることにより吸引力を発生して、搬送ベルト28
の搬送面28aに作用させている。
【0027】このような構成の中間搬送装置21の構成
により、上流側印刷部18を通過した印刷用紙22は、
搬送ベルト28の搬送面28aに吸着して用紙搬送方向
Xの下流側、すなわち下流側印刷部19ヘ向かって搬送
される。
【0028】排紙装置25は、駆動ローラ30と従動ロ
ーラ31に巻きかけられた多孔性の排紙ベルト32と、
排紙ベルト32の下方に配置された吸着ファン33とを
備え、下流側印刷部19を通過した印刷用紙22を排紙
ベルト32上に吸着して排紙トレイ20に向かって搬送
するようになっている。つまり、排紙ベルト32は、図
1において反時計回り方向に回転されると共に、その上
面には吸着ファン33の回転により発生する吸引力が作
用している。排紙装置25は、印刷用紙22が給紙され
る印刷時や版付け時に、制御手段80によって適宜後述
の駆動部を駆動されることで動作する。
【0029】中間搬送装置21及び排紙装置25の上方
には、印刷用紙22を版胴外周面1a,1bから分離・
剥離するための分離爪34A,34Bが配置されてい
る。分離爪34A,34Bは、印刷用紙22の幅方向に
延在して櫛状に形成されており、配風手段6B、6Cか
ら供給される空気流を上流側印刷部18及び下流側印刷
部19の近傍に配風可能に構成されている。
【0030】上流側版胴1A及び下流側版胴1Bの内部
にそれぞれ配置されたインキ供給手段7A,7Bは、イ
ンキ溜り39A,39Bを構成する周知のインキローラ
37A,37Bとドクタローラ38A,38Bを備え、
各ローラが回転することによってインキ溜り39A,3
9Bのインキを混練して伸ばし、インキローラ37A,
37Bを介して各版胴の内周面に供給している。ドラム
軸35A,35Bは、その軸方向にそれぞれ複数の孔が
形成され、各一端が図示しないインキポンプを介して異
なる色のインキが収納されたインキパックにそれぞれ接
続されており、インキ供給パイプの機能を有している。
インキ溜り39A,39Bには、ドラム軸35A、35
Bからインキがそれぞれ供給される。本形態において、
インキ溜り39Aには黒色のインキが、インキ溜り39
Bには赤色のインキが、インキ溜り39A,39Bのイ
ンキ量が低減するとそれぞれ供給されるようになってい
る。
【0031】保持手段5A,5Bは、プレスローラ2
A、2Bを版胴外周面1a、1bに接離可能に支持する
アーム部材40A,40Bと、アーム部材40A,40
Bに対してそれぞれ係脱可能に設けられたストッパ41
A,41Bと、各ストッパをアーム部材40A,40B
との係止方向にそれぞれ付勢する付勢手段としての引っ
張りバネ42A,42Bと、ストッパ41A,41Bを
アーム部材40A,40Bとの離脱位置に向かって移動
する電磁アクチュエータとしての電磁ソレノイド43
A,43B(以下「第1ソレノイド43A,第2ソレノ
イド43B」と記す)とを備えている。
【0032】アーム部材40A,40Bは、図5に示す
ように略L字状を成し、その屈曲部が装置本体100に
固定された軸44A,44Bでそれぞれ揺動自在に支持
されている。プレスローラ2A,2Bは、アーム部材4
0A,40Bの一方の揺動端401A,401Bに軸4
5A,45Bでそれぞれ回転自在に支持されている。ア
ーム部材40A,40Bの他方の揺動端402A,40
2Bには、コロ46A,46Bが設けられている。この
揺動端402A,402Bには、アーム部材40A,4
0Bに時計回り方向への回動習性と各版胴に対する印圧
を与えるプレスローラテンションバネ47A,47Bの
一端が係止されている。プレスローラテンションバネ4
7A,47Bの他端は、装置本体100側に係止されて
いる。
【0033】コロ46A,46Bには、プレスローラ2
A,2Bの外周面2a,2bをそれぞれ版胴外周面1
a,1bに対して接離させるカム48A,48Bの輪郭
周面が圧接されている。カム48A,48Bは、図示し
ない連結機構を介して上流側版胴1A、下流側版胴1B
の回転と同期して回転するように構成されている。カム
48A,48Bの輪郭周面は、クランパ9A,9Bが上
流側印刷部18と下流側印刷部19を通過する際に、プ
レスローラ2A,2Bの外周面2a,2bを版胴外周面
1a,1bから離間するカムプロフィールにそれぞれ形
成されている。つまり、アーム部材40A,40Bは、
図5に示すようにプレスローラ2A,2Bの外周面2
a,2bを、版胴外周面1a,1bから離れた離間位置
と、図6に実線で示すように版胴外周面1a,1bに圧
接させる押圧位置とに移動可能に軸44A,44Bで支
持されている。プレスローラ2A,2Bは、給送されて
きた印刷用紙22を版胴外周面1a,1bに押し付けて
印刷画像を印刷用紙22上に形成する機能を有してい
る。
【0034】アーム部材40A,40Bには、係止ピン
49A,49Bがそれぞれ設けられている。ストッパ4
1A,41Bは、図5に示すように、その基端41a,
41bが装置本体100側に揺動自在に支持されてアー
ム部材40A,40Bの近傍に配置されている。ストッ
パ41A,41Bの揺動端41c,41dは略直角に屈
曲されていて、アーム部材40A,40Bが離間位置を
占めたときに、係止ピン49A,49Bと係合するよう
に設けられている。引っ張りバネ42A,42Bは、一
端を装置本体100側に係止され、他端をストッパ41
A,41Bに係止されており、ストッパ41A,41B
を係止ピン49A,49Bと係合する向きに付勢してい
る。
【0035】第1ソレノイド43A,43Bは、その可
動ロッド50A,50Bがストッパ41A,41Bにそ
れぞれピン結合されている。第1ソレノイド43A,4
3Bは、通電されて駆動すると、可動ロッド50A,5
0Bを引き込むプルタイプのもので、駆動状態となる
と、図6に示すように、ストッパ41A,41Bを引っ
張りバネ42A,42Bのバネ力に抗して2点鎖線で示
す係止位置から実線で示す離脱位置へと移動させるよう
になっている。
【0036】図5に示すように、プレスローラ2A,2
Bの側面には、一方向クラッチ69A,69Bを介して
プーリ51A,51Bがそれぞれ装着されている。一方
向クラッチ69A,69Bは、プーリ51A,51B側
からプレスローラ2A,2Bへの回転だけを伝達する構
成となっている。プーリ51A,51Bには、軸44
A,44Bに回転自在に支持されたダブルプーリ52
A,52Bとの間に、連結ベルト53A,53Bがそれ
ぞれ巻き掛けられている。ダブルプーリ52A,52B
には、駆動手段としての駆動モータ54A,54B(以
下「第1駆動モータ54A,第2駆動モータ54B」と
記す)の出力軸55A,55Bに装着された駆動プーリ
56A,56Bとの間で、駆動ベルト57A,57Bが
それぞれ巻き掛けられている。第1駆動モータ54A及
び第2駆動モータ54Bは、制御手段80の制御下にお
かれていて、図5においてそれぞれ反時計回り方向に回
転駆動される。
【0037】このため、プレスローラ2A,2Bは、第
1駆動モータ54A及び第2駆動モータ54Bの駆動時
には、各版胴との対向部において各版胴の印刷時におけ
る版胴外周面1a,1bの回転方向と、外周面2a,2
bとが同方向となる反時計回り方向に回転し、第1駆動
モータ54Aや第2駆動モータ54Bの停止時に版胴外
周面1a,1bとそれぞれ接触すると、一方向クラッチ
69A,69Bの構成により各版胴の回転に対して従動
回転するようになっている。
【0038】図1に示すように、配風手段6Aは上流側
版胴1Aの右方に配置され、配風手段6Bは上流側版胴
1Aと下流側版胴1Bの間に配置され、配風手段6Cは
下流側版胴1Bの左側に配置されている。配風手段6
A,6B,6Cは、空気流を発生させる送風源としての
ファン58A,58B,58Cと、各ファンを回転する
送風駆動モータ59A,59B,59Cと、ファン58
A,58B,58Cで発生する空気流を上流側印刷部1
8,19近傍に案内する流路60A,60B,60Cと
をそれぞれ備えている。
【0039】流路60Aは、ファン58Aを収納するケ
ース61Aから上流側印刷部18に向かって延びた導風
板62Aで四方を覆われていて、図8に示すように、そ
の下部を噴出口63Aとしている。噴出口63Aは、レ
ジストローラ対17と上流側印刷部18の間に位置する
用紙搬送経路64内に臨んでいて、用紙搬送経路64か
ら上流側印刷部18にかけて用紙搬送方向Xの上流側か
らファン58Aで発生する空気流を噴き付けるようにな
っている。流路60Aは、噴出口63Aに向かうにつれ
てその断面が狭められており、噴出口63A付近で空気
流の流速を速めるように構成されている。
【0040】流路60Cは、ファン58Cを収納するケ
ース61Cから下流側印刷部19に向かって延びた導風
板62Cで四方を覆われていて、その下部を噴出口63
Cとしている。噴出口63Cは、分離爪34Bの上方近
傍に臨んでいて、分離爪34Bの下方に位置する用紙搬
送経路65から下流側印刷部19にかけて用紙搬送方向
Xの下流側からファン58Cで発生する空気流を噴き付
けるようになっている。流路60Cは、噴出口63Cに
向かうにつれて、その断面が狭められていおり、噴出口
63C付近で流速を速められるように構成されている。
【0041】流路60Bは、ファン58Bを収納するケ
ース61Bから中間搬送装置21の搬送ベルト28に向
かって延びた導風板62Bで四方を覆われ、その内部を
2つに分岐して下部を噴出口63Ba、63Bbとして
いる。噴出口63Baは、分離爪34Aの上部近傍に臨
んでいて、分離爪34aと搬送ベルト28の間に形成さ
れる用紙搬送経路66から上流側印刷部18にかけて用
紙搬送方向Xの下流側からファン58Bで発生する空気
流を噴き付けるようになっている。噴出口63Bbは、
搬送ベルト28とガイド部材24で形成される用紙搬送
経路67に臨んでいて、この用紙搬送経路67から下流
側印刷部19にかけて用紙搬送方向Xの上流側からファ
ン58Bで発生する空気流を噴き付けるようになってい
る。
【0042】導風板62A,62B,62Cは、それぞ
れ上流側版胴1A、下流側版胴1Bの母線方向に対する
長さよりも幾分長い幅に形成され、装置本体100に固
定されている。導風板62A,62B,62Cは、版胴
外周面1a,1bに沿うように湾曲形成され、上流側版
胴1A及び下流側版胴1Bの回転時に、クランパ9A,
9Bと接触しない位置にそれぞれ配置されている。
【0043】図7に示すように、本形態の多色孔版印刷
装置は操作パネル70を備えている。操作パネル70に
は、印刷枚数を設定するためのテンキー71、設定枚数
に対する印刷動作を開始させる印刷スタートキー72、
原稿の画像読み取りから製版、給版、版付けに至るまで
の一連の動作を開始させる製版スタートキー73、多色
印刷モードと単色印刷モードとを選択する印刷モード選
択手段としての単色印刷モードキー74と多色印刷モー
ドキー75、版胴選択時に用いる版胴選択手段としての
上流側版胴選択キー76と下流側版胴選択キー77、テ
ンキー71で設定した印刷枚数や印刷残枚数、選択され
た版胴の情報や印刷モード等を表示するための液晶表示
装置で構成された表示部78がそれぞれ配置されてい
る。
【0044】制御手段80は、CPU81、ROM8
2、RAM83等を備え、それらが図示しない信号バス
によって接続された周知のマイクロコンピュータからそ
の要部が構成されている。CPU81には、操作パネル
70の各種キーや表示部、電源79、製版給版装置3
A,3Bを駆動する製版給版系駆動部84、排版装置4
A,4Bを駆動する排版系駆動部85、呼び出しコロ1
1や分離コロ対12,13等の給紙系を駆動する給紙系
駆動部86、中間搬送駆動モータ87、排紙装置25を
駆動する排紙系駆動部88と共に、版胴駆動モータ6
8、第1及び第2ソレノイド43A,43B、第1及び
第2駆動モータ54A,54B、送風駆動モータ59
A,59B,59C、版胴の有無を検知する版胴有無検
知手段としての上流側版胴検知センサ89と下流側版胴
検知センサ90が電気的にそれぞれ接続されている。
【0045】上流側版胴検知センサ89と下流側版胴検
知センサ90は、図1に示すように、上流側版胴1A及
び下流側版胴1Bの側面と対向する装置本体100の部
位に設けられたスイッチであって、各版動が装置本体1
00に装着されているときにオンするようになってい
る。
【0046】ROM82には、多色印刷モードや単色印
刷モード、単色印刷モードにおける第1単色印刷モード
と第2単色印刷モードや、製版スタートキー73の押下
によって起動して製版から試し刷りまでの一連の動作を
行う製版プログラムや、印刷スタートキー72の押下に
よって起動して印刷枚数に対応する一連の印刷動作を行
う印刷プログラムと共に、印刷モードに応じたプレスロ
ーラ2A、2Bの位置や駆動、並びに配風手段6A,6
B,6Cの制御プログラムが記憶されている。
【0047】単色印刷モードでは、選択された版胴に対
してだけ排版及び製版給版から版付けまでの動作が行わ
れるとともに、選択された版胴だけを用いた単色印刷動
作が実行される。多色印刷モードでは、上流側版胴1A
及び下流側版胴1Bの双方に対して、排版及び製版給版
から版付けまでの動作が行われると共に、2つの版胴を
用いた多色印刷動作が実行される。
【0048】このような構成の多色孔版印刷装置の動作
を、多色印刷モードと単色印刷モードが選択された場合
を例に説明する。なお、版胴外周面1a、1bには、既
に製版済みのマスタ8A、8Bが巻装されて版付けまで
終了し、印刷枚数がテンキー71で設定されたものと
し、印刷動作から説明する。
【0049】多色印刷モードでは、印刷スタートキー7
2が押されると、印刷プログラムが開始され、各駆動部
の駆動が制御される。具体的には、図7に示す版胴駆動
モータ68、中間搬送駆動モータ87、排紙系駆動部8
8、給紙系駆動部86がそれぞれ駆動され、上流側版胴
1Aと下流側版胴1Bを図1、図8において時計周り方
向に回転すると共に、搬送ベルト28と排紙ベルト32
を反時計周り方向に回転して印刷用紙22を給紙すると
共に、第1ソレノイド43Aと第2ソレノイド43B、
送風駆動モータ59A,59B,59Cも駆動される。
【0050】第1ソレノイド43Aが駆動されると、ス
トッパ41Aが、図6に実線で示すように離脱位置にお
かれるので、アーム部材12Aがプレスローラテンショ
ンバネ47Aのバネ力によって時計回り方向に回動し、
プレスローラ2Aが版胴外周面1aに圧接され、上流側
版胴1Aによる印刷を可能とする。第2ソレノイド43
Bが駆動されると、ストッパ41Bは、図6に実線で示
すように離脱位置におかれるので、アーム部材12Bが
プレスローラテンションバネ47Bのバネ力によって時
計回り方向に回動し、プレスローラ2Bが版胴外周面1
bに圧接され、下流側版胴1Bによる印刷を可能とす
る。送風駆動モータ59A,59B,59Cが駆動され
ると、ファン58A,58B,58Cが回転して空気流
が発生し、各空気流が流路60A,60B,60Cを通
り噴出口63A,63Ba,63Bb,63Cから上流
側印刷部18,19近傍に噴き出される。
【0051】印刷用紙22が給紙されると、上流側印刷
部18を通過する際にプレスローラ2Aによる印圧がか
かり、上流側版胴1Aに巻装されたマスタ8Aから画像
が転写される。そして、印刷用紙22の先端が上流側印
刷部18を通過して図8に示すように、用紙搬送経路6
6に到達すると、ファン58Bから送風され噴出口63
Baから噴き出される空気流が、版胴側、すなわち上方
から印刷用紙22の先端に噴き付けられる。このため版
胴外周面1aにインキの粘性で付着した印刷用紙22
は、インキの乾燥を促進されつつ、空気流と印刷用紙2
2自身のコシにより分離爪34Aよりも手前で分離・離
間され、巻き上がりが低減される。分離された印刷用紙
22の先端は、噴出口63Baから噴き出される空気流
により搬送ベルト28に向かって案内され、搬送ベルト
28の搬送面28aに受け渡され、搬送面28aに吸着
されて下流側印刷部19に向かって搬送される。
【0052】第1ローラとなる従動ローラ26は、その
外周面26aがローラ軸方向にわたって略同一の大きさ
に形成されて、外周面26aに巻きつけられた搬送ベル
ト28がローラ軸方向Y(図2、図4参照)において平
面的となるため、上流側印刷部18を通過した印刷用紙
22と搬送ベルト28の、外周面26a上における接触
面積が大きくなる。このため、印刷用紙22が搬送ベル
ト28の搬送面28a上においてローラ軸方向Yにズレ
にくくなると共に、搬送ベルト28から十分な搬送力を
伝達されるので、下流側印刷部19に対する印刷用紙2
2の位置ズレや搬送タイミングのズレが極めて少なくな
る。
【0053】搬送ベルト28を巻き掛ける第2ローラと
なる駆動ローラ27の外周面27aが、太鼓状に形成さ
れているので、搬送ベルト28そのもののローラ軸方向
Yの移動が抑えられ、印刷用紙22の、下流側印刷部1
9への搬送時における位置ズレを抑えられる。
【0054】さらに、印刷用紙22にコシがなかった
り、インキが多く付着して印刷用紙22と上流側版胴1
Aとの付着力が大きい場合でも、図8に破線で示すよう
に、印刷用紙22の先端が分離爪34Aと、噴出口63
Baから吹き出される空気流によって、版胴外周面1a
から良好に分離されるので、巻き上がりを防止でき、印
刷用紙22の搬送面28aへの受け渡し位置(接触位
置)のバラツキが少なくなり、下流側印刷部19に対す
る搬送タイミングの安定化を図れる。
【0055】搬送ベルト28の搬送面28aに吸着され
て用紙搬送方向Xに搬送される印刷用紙22が下流側印
刷部19にさしかかると、噴出口63Bbからの空気流
が吹き付けられるので、下流側印刷部19の直前におい
ても搬送ベルト28に印刷用紙22が押し付けられ、搬
送ベルト28による印刷用紙22への搬送力を十分に得
られ、下流側印刷部19に対する搬送タイミングの安定
化を図れる。
【0056】このように搬送された印刷用紙22は、図
9に示すように、下流側印刷部19を通過する際にプレ
スローラ2Bによる印圧がかかり、下流側版胴1Bに巻
装されたマスタ8Bから画像が転写される。そして、印
刷用紙22の先端が下流側印刷部19を通過すると、そ
の先端にはファン58Cから送風され噴出口63Cから
噴き出される空気流が上方から噴き付けられると共に、
印刷用紙22自身のコシにより版胴外周面1bとの付着
が分離爪34Bよりも手前で分離・離間される。このた
め、下流側版胴1Bに対する印刷用紙22の巻き上がり
が低減される。
【0057】分離された印刷用紙22の先端は、噴出口
63Cから噴き出される空気流を受け、インキの乾燥を
促進されつつ排紙ベルト32に吸着され、図1に示す排
紙トレイ20に排紙される。このような一連の印刷動作
が、設定した印刷枚数分の印刷が終了するまで実行され
る。
【0058】一方、上流側版胴1Aに巻装されたマスタ
8Aからの印刷画像を得るべく第1版胴選択キー76が
押されて第1単色印刷モードが選択され、製版スタート
キー73や印刷スタートキー72の押下状態に応じて製
版プログラムや印刷プログラムが実行されると、各駆動
部が駆動されると共に、第1ソレノイド43Aと第2駆
動モータ54Bと、送風駆動モータ59A,59B,5
9Cも駆動される。
【0059】これにより、上流側印刷部18を通過する
印刷用紙22には、プレスローラ2Aによる印圧がかか
り、上流側版胴1Aに巻装されたマスタ8Aから画像が
転写されて、その途中で噴出口63A,63Ba,63
Bbから噴き出す空気流を受け、インキの乾燥を促進さ
れつつ版胴1から良好に分離されながら搬送ベルト28
によって下流側印刷部19に搬送される。
【0060】この場合、第2ソレノイド43Bは駆動さ
れず、第2駆動モータ54Bが駆動されるので、プレス
ローラ2Bは、離間位置で図8において反時計回り方向
に回転駆動されることになる。このため、上流側印刷部
18を通過して搬送ベルト28で吸着搬送されて下流側
へ搬送される印刷用紙22は、噴出口63Bb、63C
から噴き出す空気流を受けて、離間位置で回転している
プレスローラ2Bに押し付けられ、十分な搬送力を得ら
れる。このため、搬送力不足による下流側での搬送不良
や用紙ジャムを確実に抑制することができる。
【0061】下流側版胴1Bに巻装されたマスタ8Bか
らの印刷画像を得るべく第2版胴選択キー77が押さ
れ、第2単色印刷モードが選択され、製版スタートキー
73や印刷スタートキー72の押下状態に応じて製版プ
ログラムや印刷プログラムが実行されると、各駆動部が
駆動されると共に、第2ソレノイド43Bと第1駆動モ
ータ54Aと、送風駆動モータ59A,59B,59C
も駆動される。
【0062】この場合、第1ソレノイド43Aは駆動さ
れず、第1駆動モータ54Aが駆動されるので、プレス
ローラ2Aは、離間位置で反時計回り方向に回転駆動さ
れることになる。このため、第2単色印刷モードが設定
されて印刷用紙22が給紙された場合には、この印刷用
紙22は、上流側印刷部18の近傍において流路60
A、60Bを通り噴出口63A,63Baから噴き出さ
れる空気流によって離間位置にて回転しているプレスロ
ーラ2Aに押し付けられるため、プレスローラ2Aの回
転が伝達されて十分な搬送力を得られる。このため、搬
送力不足による上流側での搬送不良や用紙ジャムを確実
に防止に抑制しながら、印刷用紙22を確実に搬送ベル
ト28に受け渡すことができ、印刷用紙22を下流側印
刷部19まで確実に搬送することができる。
【0063】搬送ベルト28に搬送された印刷用紙22
は、搬送ベルト28の搬送面28aに吸着されて下流側
印刷部19へ搬送され、下流側印刷部19を通過する際
に、プレスローラ2Bによる印圧がかかり、上流側版胴
1Bに巻装されたマスタ8Bから画像が転写される。下
流側印刷部19を通過した印刷用紙22は、噴出口63
Cから噴き出す空気流を受けて、インキの乾燥を促進さ
れつつ、版胴1Bから用紙自身のコシと分離爪34Bの
作用により良好に分離されながら排紙ベルト32に搬送
され、図1に示す排紙トレイ20に排紙される。
【0064】本形態では、配風手段6A,6B,6Cを
全て駆動させて上流側印刷部18と下流側印刷部19の
近傍双方に対して空気流を供給し、印刷用紙22の各版
胴に対する巻き上がり等をも考慮しているが、このよう
な印刷用紙22の巻き上がりを考慮しなければ、離間位
置に保持されたプレスローラ側のプレスローラの近傍に
だけ空気量を供給すべく、送風駆動モータ59A,59
B,59Cの駆動を制御手段80で制御するようにして
もよい。このように制御すると、送風駆動モータ59
A,59B,59Cによる空気流の噴き出し音を小さく
しながらモータの駆動率を低減できるので、装置の静粛
性を高めつつ耐久性を向上することができる。
【0065】本形態は、多色孔版印刷装置として、上流
側版胴1A及び下流側版胴1Bの2つの版胴を備えたも
のを例示したが、版胴の数は2つに限定されるものでは
なく、4つの版胴を用紙搬送方向Xの上流側から下流側
に向かって並設し、各版胴に対して上流側から順に例え
ばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインキを供
給するようにして、フルカラー印刷を可能な多色孔版印
刷装置として構成してもよい。この場合においても、無
論、各版胴と各プレスローラとの間にそれぞれ形成され
る印刷部の間に中間搬送装置21をそれぞれ配置するこ
とで、上述の形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】本発明は、感熱デジタル製版一体型の孔版
印刷装置を構成するものに限らず、例えば製版給版装置
や排版装置を持たず、装置本体100と別体に配設され
た製版装置で製版したものを各版胴に巻装したり、印刷
後に各版胴から使用済みのマスタを剥離してもよく、製
版給版装置3A,3B並びに排版装置4A,4Bを装置
本体100に必ずしも具備していなくても良い。製版す
るためのデータは、上記したように原稿読取装置で読み
取ったデータでもよいし、あるいは多色孔版印刷装置と
個別に設けたコンピュータ等の外部入出力装置で作成あ
るいは出力されるデータであっても良い。
【0067】
【発明の効果】請求項1、4記載の発明によれば、第1
ローラの外周面上に位置するベルト部材がローラ軸方向
において平面的となることで、上流側印刷部を通過した
印刷用紙とベルト部材との接触面積が大きくなるので、
印刷用紙がベルト部材上でズレにくくなると共に、ベル
ト部材から十分な搬送力を伝達されるため、上流側印刷
部から下流側印刷部へ搬送される印刷用紙の搬送タイミ
ングや印刷用紙のズレが少なくなって、画像のズレやダ
ブリ印刷の発生を確実に防止することができる。
【0068】請求項2、5記載の発明によれば、ベルト
部材が巻き掛けられる第2ローラの外周面が、ローラ軸
方向における中央部が軸方向における端部よりも大径の
太鼓状に形成されることで、ベルト部材そのもののロー
ラ軸方向への移動を抑えられ、上流側印刷部で印刷され
た印刷用紙の、ベルト部材のローラ軸方向への移動を起
因とする、下流側印刷部への移動時による位置ズレを抑
えられ、搬送タイミングのズレを少なくしながら、より
画像のズレやダブリ印刷の発生を確実に防止することが
できる。
【0069】請求項3、6記載の発明によれば、上流側
印刷部を過ぎた印刷用紙が、吸着手段の作用によって中
間搬送装置のベルト部材の搬送面上に吸着されつつ下流
側印刷部に搬送されるので、搬送ベルト上での印刷用紙
の位置ズレが抑えられ、上流側印刷部から下流側印刷部
へ搬送される印刷用紙の搬送タイミングのズレや印刷用
紙のズレがなくなり、画像のズレやダブリ印刷の発生を
より一層防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す多色印刷装置の全
体構成図である。
【図2】本発明の要部となる中間搬送装置の構成を示す
平面図である。
【図3】中間搬送装置の第1及び第2ローラと、ベルト
部材の構成を示す断面図である。
【図4】第1ローラと第2ローラとベルト部材の構成を
示す拡大斜視図である。
【図5】印圧部材と保持手段と駆動手段の構成を示す拡
大図である。
【図6】保持手段の動作と印圧部材の動作を示す拡大図
である。
【図7】本発明の制御手段の一形態とそれにつながる各
部のブロック図である。
【図8】上流側印刷部通過時の印刷用紙の状態と装置動
作状態を示す拡大図である。
【図9】下流側印刷部通過時の印刷用紙の状態と装置動
作状態を示す拡大図である。
【符号の説明】
1A,1B 版胴 2A,2B 印圧部材 2a,2b 印圧部材の外周面 18 印刷部(上流側印刷部) 19 印刷部(下流側印刷部) 21 中間搬送装置 22 印刷用紙 26 第1ローラ 26a 第1ローラの外周面 27 第2ローラ 27a 第2ローラの外周面 27b 中央部 27c、27d 端部 28 ベルト部材 28a 搬送面 29 吸着手段 X 用紙搬送方向

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】用紙搬送方向に並列配置された複数の版胴
    と、各版胴にそれぞれ接離可能に設けられた複数の印圧
    部材の間にそれぞれ構成される印刷部の間に配置され、
    用紙搬送方向の上流側に位置する印刷部を通過した印刷
    用紙を用紙搬送方向の下流側に位置する印刷部に搬送す
    る中間搬送装置であって、 上流側印刷部の下流側近傍に設けられた第1ローラと、
    下流側印刷部の上流側近傍に設けられた第2ローラと、
    これら各ローラに巻き掛けられたベルト部材とを有し、
    第1ローラの外周面がローラ軸方向にわたって略同一の
    大きさに形成されていることを特徴とする中間搬送装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の中間搬送装置において、 第2ローラの外周面は、ローラ軸方向における中央部が
    ローラ軸方向における端部よりも大径の太鼓状に形成さ
    れていることを特徴とする中間搬送装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の中間搬送装置にお
    いて、 上記ベルト部材の搬送面に上流側印刷部で印刷された印
    刷用紙を吸着させる吸着手段を有することを特徴とする
    中間搬送装置。
  4. 【請求項4】用紙搬送方向に並列配置され、異なる色の
    インキをその外周面へ供給可能な複数の版胴と、各版胴
    にそれぞれ接離可能に設けられた複数の印圧部材とを備
    え、各版胴と各印圧部材の間にそれぞれ構成される印刷
    部で印刷用紙に印刷する多色印刷装置であって、 用紙搬送方向の上流側に位置する印刷部と用紙搬送方向
    の下流側に位置する印刷部との間に配置され、上流側印
    刷部を通過した印刷用紙を下流側印刷部へ搬送する中間
    搬送装置を有し、 上記中間搬送装置は、上流側印刷部の下流側近傍に設け
    られた第1ローラと、下流側印刷部の上流側近傍に設け
    られた第2ローラと、これら各ローラに巻き掛けられた
    ベルト部材とを有し、第1ローラの外周面がローラ軸方
    向にわたって略同一の大きさに形成されていることを特
    徴とする多色印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の多色印刷装置において、 上記第2ローラの外周面は、ローラ軸方向における中央
    部がローラ軸方向における端部よりも大径の太鼓状に形
    成されていることを特徴とする多色印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の多色印刷装置にお
    いて、 上記ベルト部材の搬送面に上流側印刷部で印刷された印
    刷用紙を吸着させる吸着手段を有することを特徴とする
    多色印刷装置。
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