JP4723903B2 - 孔版印刷装置及びこれに用いられる版胴 - Google Patents

孔版印刷装置及びこれに用いられる版胴 Download PDF

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本発明は孔版印刷装置に関し、詳しくは外周面上にマスタを巻装する版胴の構造に関する。
従来、簡便な印刷方法としてデジタル式感熱孔版印刷が知られている。これは、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタに微細な発熱素子を複数有するサーマルヘッドを接触させ、この発熱素子に対しパルス的に通電を行いながらマスタをプラテンローラ等の搬送手段で搬送することにより、マスタの熱可塑性樹脂フィルムに画像情報に基づいた穿孔画像を熱溶融穿孔製版した後、この穿孔製版されたマスタを多孔性円筒状の版胴に巻装させ、押圧手段によって用紙を版胴外周面に押圧させることで版胴内周面に供給されたインキを版胴開孔部及びマスタ穿孔部から滲出させ、このインキを用紙に転移させることにより用紙上に印刷画像を得るものである。
この孔版印刷を行う孔版印刷装置では、版胴外周面上にマスタが巻装されているか否かを自動的に検出するマスタ有無検知手段が用いられており、マスタ有無検知手段によって版胴外周面上にマスタが巻装されていない場合には印刷動作が行われないように構成されている。これは、マスタが巻装されていない状態で印刷動作が行われると、版胴内周面に供給されたインキが版胴回転時において版胴開孔部より飛び散って機内を汚損してしまうという不具合や、押圧手段が版胴開孔部を直接押圧することにより押圧手段がインキによって汚損してしまうといった不具合の発生を防止するためである。
図7は、従来の孔版印刷装置に用いられる版胴を示している。同図において版胴1は、一対の図示しないフランジの周縁に取り付けられた開孔部2aと非開孔部2bとを有する多孔性支持板2を有しており、非開孔部2bには版胴1の周面上にマスタ3を保持するためのクランパ4が開閉自在に取り付けられている。多孔性支持板2の周面には、樹脂あるいは金属の網体からなるメッシュスクリーン5が取り付けられている。
非開孔部2bに位置するメッシュスクリーン5上であって開孔部2a端部近傍の位置には、黒色シール6及び摩擦部材7,8が配設されている。黒色シール6は、図示しない孔版印刷装置本体に設けられたマスタ有無検知手段としての図示しない反射型センサから発せられた検知光を吸収可能となるように、所定の大きさ及び色に形成されている。図示しない反射型センサは、版胴1の外周面上にマスタ3が巻装されている場合には、発した検知光が白色であるマスタ3に反射されることにより反射光を検知することができ、図示しない反射型センサからの検知信号を受けた図示しない制御手段は、この場合に版胴1の外周面上にマスタ3が巻装されていると判断する。また版胴1の外周面上にマスタ3が巻装されていない場合には、図示しない反射型センサは発した検知光が黒色シール6に吸収されることにより反射光を検知することができず、図示しない制御手段はこの場合に版胴1の外周面上にマスタ3が巻装されていないと判断する。
摩擦部材7,8は、クランパ4によって版胴1の外周面上に保持されたマスタ3がクランパ4から抜け出さないように、マスタ3を定位置に留める働きをする。これは、マスタ3を巻装した版胴1が図示しない孔版印刷装置に装着されて印刷動作が行われる際に、版胴1が図に矢印Aで示す方向に回転されると共にマスタ3に対して図示しないプレスローラ等の押圧手段により印刷用紙が所定の押圧力で押圧されることから、マスタ3には図に矢印Bで示す方向の力が作用するためである。この力が作用してもマスタ3を定位置に留めるため、摩擦部材7,8としては主に#250〜400程度のやすりが用いられる。
上述の構成により、版胴上にマスタがない状態での印刷動作が禁止されると共に印刷動作時におけるクランパからのマスタの抜けが防止され、良好な印刷物を継続して得ることができる。このような孔版印刷装置の一例として、例えば「特許文献1」には版胴外周面の押圧手段当接開始位置付近に摩擦増大部を設ける技術が、「特許文献2」には多孔性支持板の非開孔部に光を吸収する黒色のセンサパターンを設ける技術が、「特許文献3」には版胴上に光吸収部を設ける技術が、「特許文献4」には版胴上に黒色のラベル部を設ける技術がそれぞれ開示されている。
特許第2895635号公報 特開2002−154260号公報 特許第2901082号公報 特開2002−2082号公報
しかし図7に示した構造では、黒色シール6がある程度の大きさを有する必要があると共に摩擦部材7,8の配設位置が決められているため、摩擦部材7,8を2つに分割する必要が生じてしまい、これにより各摩擦部材7,8と黒色シール6との間にはどうしてもわずかな隙間あるいは段差が生じてしまう。
また、摩擦部材7,8を一体的に形成して黒色シール6と一体形成された摩擦部材7,8とを版胴1の周方向において直列的に配置しようとすると、非開孔部2bの周方向長さを広げる必要が生じて版胴1の直径を大きくしなくてはならず、装置全体が大型化してしまう。
各摩擦部材7,8と黒色シール6との間に隙間あるいは段差が生じた状態で版胴1上にマスタ3を巻装し、図示しない押圧手段によってマスタ3を押圧するとマスタ3には図8に示すようなしわ9が発生する場合があり、この状態で印刷が行われると印刷不良となってしまう。最近ではコストダウンや画質向上のため、厚みが薄く強度の弱いマスタが用いられる傾向にあり、しわの発生頻度が増加している。また、各摩擦部材7,8と黒色シール6とでは摩擦抵抗が異なるため、矢印Bで示す方向の力が作用するとマスタ3の伸びが部分的に異なり、しわが発生してしまうという問題点もある。
本発明は上述した問題点を解決し、装置を大型化することなくマスタへのしわの発生を防止して良好な印刷物を継続的に得ることが可能な孔版印刷装置及びこれに用いられる版胴の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、開孔部と非開孔部を有する多孔性支持板と、前記非開孔部に設けられマスタを挟持する開閉自在なクランパとを有する孔版印刷装置の版胴において、前記クランパに挟持された前記マスタの周方向への移動を防止する、その幅が前記マスタの幅とほぼ同じであり切欠を有する単体の摩擦部材を前記非開孔部に配設し、前記切欠内には、前記マスタを巻装しているか否かを判断する装置本体に設けられたマスタ有無検知手段により前記版胴の停止時または低速回転時に検知される被検知部を有し、前記摩擦部材及び前記被検知部は前記開孔部の端部と前記クランパとの間に配置され、前記切欠が前記クランパ側に設けられていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の版胴を有する孔版印刷装置であることを特徴とする。
本発明によれば、摩擦部材が単体でありかつその幅がマスタの幅とほぼ同じであると共に、摩擦部材の配設領域内に被検知部が配設されているので、摩擦部材には段差がなく、さらにマスタ幅方向のほぼ全域において摩擦部材が配設されているのでマスタに対する摩擦力が均一となり、マスタへのしわの発生が防止されて良好な画像を継続的に得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態を採用した孔版印刷装置を示している。同図において孔版印刷装置10は、印刷部11、製版部12、給紙部13、排版部14、排紙部15、画像読取部16等を有している。
装置本体17のほぼ中央部に配設された印刷部11は、版胴18及びプレスローラ19等を有している。
版胴18は、インキ供給パイプを兼ねた支軸20に回転自在に支持されており、図示しない版胴駆動手段によって回転駆動されると共に装置本体17に対して着脱自在に構成されている。版胴18の内部には、インキローラ21、ドクターローラ22等を有するインキ供給手段23が配設されており、インキローラ21とドクターローラ22との近接部に形成された断面楔形状のインキ溜まり24のインキを版胴18の内周面に供給する。
版胴18は、図2に示すように図示しない一対のフランジの周面に取り付けられた多孔性支持板18aを有しており、多孔性支持板18aは開孔部18bと非開孔部18cとを有している。多孔性支持板18aの表面にはメッシュスクリーン18dが取り付けられており、非開孔部18cには版胴18の外周面上にマスタ28の先端部を係止する開閉自在なクランパ25が設けられている。メッシュスクリーン18dとしては、例えばポリエステルからなるものが使用され、そのメッシュ数は開孔部18bの開孔率に合わせて決定される。メッシュ数としては一般的に#280〜420程度のものが適当である。
クランパ25の配設位置と開孔部18bの端部との間に位置する非開孔部18cには、本願発明の特徴部である摩擦部材26及び被検知部材としての黒色シール27が配設されている。
マスタ28に対して摩擦力を付与する摩擦部材26としては、金属、樹脂、紙等からなるやすり(#250〜400程度が望ましい)、ゴムスポンジ、フッ素ゴム等が用いられ、黒色シール27としては反射率の低い材料(例えば黒染めのポリエステル繊維等)が用いられる。摩擦部材26は、その幅すなわち版胴18の軸方向長さがマスタ28の幅とほぼ同じである単体部材により構成されており、その一部に形成された切欠26a内に黒色シール27が配置されている。
版胴18の下方には、一対のアーム部材29によってその支軸両端を回転自在に支持されたプレスローラ19が配設されている。プレスローラ19は、各アーム部材29が図示しない揺動手段によって揺動されることにより、図1に示す版胴18の外周面より離間した離間位置と、版胴18の外周面に所定の圧接力で圧接する圧接位置とを選択的に占める。
装置本体17の右上部には製版部12が配設されている。製版部12は、マスタ保持部材30、プラテンローラ31、サーマルヘッド32、マスタ切断手段33、マスタ搬送ローラ対34,35等を有している。
マスタ保持部材30は装置本体17の図示しない側板に取り付けられており、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせてなるマスタ28をロール状に巻成したマスタロール28aの芯部を回転自在かつ着脱自在に支持する。
マスタ保持部材30の左方に配設されたプラテンローラ31は装置本体17の図示しない側板に回転自在に支持されており、ステッピングモータ36によって回転駆動される。プラテンローラ31の下方に位置し多数の発熱素子を有するサーマルヘッド32は装置本体17の図示しない側板に取り付けられており、図示しない付勢手段の付勢力によってその発熱素子面をプラテンローラ31の周面に圧接されている。サーマルヘッド32は、マスタ28の熱可塑性樹脂フィルム面に接触しつつ各発熱素子を選択的に発熱させ、マスタ28に対して熱溶融穿孔製版を行う。
プラテンローラ31及びサーマルヘッド32の左方にはマスタ切断手段33が配設されている。装置本体17の図示しないフレームに固設された固定刃と、この固定刃に対して移動自在に支持された可動刃とを有するマスタ切断手段33は、固定刃に対して可動刃が回転移動あるいは上下動することによりマスタ28を切断する。
マスタ切断手段33の左方にはマスタ搬送ローラ対34,35が配設されている。各マスタ搬送ローラ対34,35は、装置本体17の図示しない側板にそれぞれ回転自在に支持された駆動ローラと従動ローラとを有しており、各駆動ローラはそれぞれ図示しない駆動手段によってプラテンローラ31と同期して同方向に回転駆動され、各従動ローラは図示しない付勢手段によってそれぞれ対応する駆動ローラに圧接されている。
製版部12の下方には給紙部13が配設されている。給紙部13は、給紙トレイ37、給紙ローラ38、分離ローラ対39、レジストローラ対40等を有している。
上面に多数の用紙Pを積載可能な給紙トレイ37は装置本体17に上下動自在に支持されており、図示しない昇降手段によって上下動される。給紙トレイ37の上面には一対のサイドフェンス41が配設されており、各サイドフェンス41は周知のラックアンドピニオン機構により互いに同期して接離自在に構成されている。
給紙トレイ37の左端上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ38が配設されている。給紙ローラ38は装置本体17に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、給紙トレイ37が上昇した際に所定の圧接力で給紙トレイ37上の最上位の用紙Pに圧接する。給紙ローラ38はステッピングモータ42によって回転駆動される。
給紙ローラ38の左方には分離ローラ対39が配設されている。分離ローラ対39は、表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する上ローラと下ローラとを有しており、上ローラはステッピングモータ42によって給紙ローラ38の回転時にこれと同期して同方向に回転駆動される。下ローラは図示しない付勢手段の付勢力によって上ローラに所定の圧接力で圧接されており、上ローラと同方向へのみ回転自在に構成されている。
分離ローラ対39の左方には、駆動ローラ40aと従動ローラ40bとを有するレジストローラ対40が配設されている。駆動ローラ40aは装置本体17の図示しない側板間に回転自在に支持されており、図示しない版胴駆動手段からの回転駆動力を図示しない駆動力伝達手段を介して伝達されることにより、版胴18と同期して回転駆動される。従動ローラ40bは装置本体17の図示しない側板間に回転自在に支持されており、図示しない付勢手段の付勢力によって所定の圧接力で駆動ローラ40aに圧接されている。
印刷部11の左上方には排版部14が配設されている。排版部14は、上排版部材43、下排版部材44、排版ボックス45、圧縮板46等を有している。
上排版部材43及び下排版部材44は、共に駆動ローラ、従動ローラ、無端ベルト等を有しており、図示しない排版駆動手段によって駆動ローラが回転駆動されることにより無端ベルトが移動する。また下排版部材44は図示しない移動手段によって移動自在に構成されており、図に示す初期位置と無端ベルトが版胴18の外周面に当接する剥離位置とを選択的に占める。
内部に使用済みマスタを貯容する排版ボックス45は、装置本体17に対して着脱自在に構成されている。上排版部材43と下排版部材44とによって運ばれた使用済みマスタを排版ボックス45の内部に押し込む圧縮板46は装置本体17に上下動自在に支持されており、図示しない昇降手段によって上下動される。
排版部14の下方には排紙部15が配設されている。排紙部15は、剥離爪47、用紙搬送手段48、排紙トレイ49等を有している。
剥離爪47はその基端を装置本体17に揺動自在に支持されており、図示しない爪揺動手段によって揺動されることにより、鋭角状に形成されたその自由端が版胴18の外周面に近接する図に示す近接位置と、クランパ25等の障害物を回避するために版胴18の外周面より離間する離間位置とを選択的に占める。
剥離爪47の左下方に配設された用紙搬送手段48は、駆動ローラ、従動ローラ、無端ベルト、吸引ファン等を有している。用紙搬送手段48は、図示しない排紙駆動手段によって駆動ローラが回転駆動されると共に吸引ファンが作動されることにより、剥離爪47によって版胴18の外周面より剥離された印刷済みの用紙Pを無端ベルト上に吸引しつつ左方へと搬送する。
用紙搬送手段48の左方には排紙トレイ49が配設されている。用紙搬送手段48によって搬送される印刷済みの用紙Pが多数積載される排紙トレイ49は、その上面に用紙Pの揃えを行うための1つのエンドフェンス50と一対のサイドフェンス51とを有している。エンドフェンス50は用紙搬送方向と同方向に移動自在であり、各サイドフェンス51は用紙幅方向と同方向に、互いに接離自在に構成されている。
装置本体17の上部には画像読取部16が配設されている。画像読取部16は、原稿を載置するコンタクトガラス52、コンタクトガラス52に対して接離自在な圧板53、原稿画像を走査して読み取る走査ユニット54、走査された画像を集束するレンズ55、集束された画像を処理するCCD等の画像センサ56等を有している。圧板53の上部には、複数枚の原稿を自動的に読み取る際に用いられるADFユニット57が配設されている。
版胴18の左方であって下排版部材44の下方に位置する装置本体17内部には、マスタ有無検知手段としてのマスタ巻装検知センサ58が配設されている。反射型センサからなるマスタ巻装検知センサ58は、版胴18が停止している状態あるいは低速で回転している状態(15〜30r.p.m.程度)で黒色シール27に向けて検知光を照射する。版胴18上にマスタ28が巻装されている場合には、照射された検知光はマスタ28によって反射されることによりマスタ巻装検知センサ58によって検知され、版胴18上にマスタ28が巻装されていない場合には、照射された検知光は黒色シール27によって吸収されるためにマスタ巻装検知センサ58には検知されない。マスタ巻装検知センサ58の作動及び検知信号は、後述する制御手段59によって制御及び判断される。
図3は、孔版印刷装置10に用いられる制御手段のブロック図である。同図において、CPU、ROM、RAM等を有する周知のマイクロコンピュータからなる制御手段59は、装置本体17の内部に設けられている。制御手段59には装置本体17の上部前面に設けられた操作パネル60からの動作信号及びマスタ巻装検知センサ58を含む各種センサからの検出信号等が入力され、制御手段59は各信号に基づいて印刷部11、製版部12、給紙部13、排版部14、排紙部15、画像読取部16の動作をそれぞれ制御する。制御手段59は、マスタ巻装検知センサ58によって版胴18上にマスタ28が巻装されていないことが検知された場合には、操作パネル60上の印刷スタートキーが押下されてもこれを無効とし、孔版印刷装置10に印刷動作を行わせない。
上述の構成に基づき、以下に孔版印刷装置10の動作を説明する。
オペレータによりコンタクトガラス52上に原稿が載置された後、圧板53が閉じられた状態で操作パネル60上の製版スタートキーが押下されると、画像読取部16において原稿画像の読取動作が行われる。画像の読み取りは、走査ユニット54で原稿画像を走査することにより行われ、読み取られた画像はレンズ55で集束された後に画像センサ56に送られる。
画像読取動作と並行して、排版部14では版胴18の外周面上から使用済みマスタを剥離する排版動作が行われる。製版スタートキーが押下されると版胴18が回転を開始し、版胴18が所定の排版位置に到達するとその回転が停止される。そして、下排版部材44が作動されると共に剥離位置に移動し、下排版部材44によって版胴18上の使用済みマスタがすくい上げられた後、版胴18が回転駆動されると共に上排版部材43が作動され、版胴18上の使用済みマスタは各排版部材43,44によって搬送されて排版ボックス45内に貯容される。その後、圧縮板46が作動して排版ボックス45内の使用済みマスタが圧縮されると共に、版胴18が所定の給版位置まで回転して停止し、クランパ25が開放されて孔版印刷装置10は給版待機状態となる。
孔版印刷装置10が給版待機状態となると、プラテンローラ31及び各マスタ搬送ローラ対34,35が回転駆動され、マスタロール28aよりマスタ28が引き出される。引き出されたマスタ28はサーマルヘッド32を通過する際に画像データに応じて穿孔され、その熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像を形成される。マスタ28は製版されつつクランパ25へと送られ、ステッピングモータ36のステップ数よりマスタ28の先端がクランパ25によって保持可能な位置まで搬送されたと制御手段59が判断するとクランパ25が閉じられ、製版されたマスタ28はその先端部を版胴18の外周面上に保持される。
その後、版胴18がマスタ28の搬送速度と同じ周速度で回転駆動され、マスタ28の版胴18への巻装動作が行われる。そして、1版分のマスタ28が製版されると、プラテンローラ31及び各マスタ搬送ローラ対34,35の作動が停止されると共にマスタ切断手段33が作動してマスタ28が切断される。切断されたマスタ28は版胴18の回転によって製版部12より引き出され、版胴18がホームポジションまで回転して停止することにより製版動作及び給版動作が完了する。
給版動作が完了すると、版胴18が低速で時計回り方向への回転を開始し、黒色シール27がマスタ巻装検知センサ58と対向する所定の検知位置まで回転して停止する。版胴18が検知位置で停止すると制御手段59からマスタ巻装検知センサ58に作動信号が送られ、マスタ巻装検知センサ58から検知光が発せられる。版胴18の外周面にマスタ28が正しく巻装されている場合には、マスタ巻装検知センサ58より発せられた検知光はマスタ28によって反射されてマスタ巻装検知センサ58に反射光として戻され、マスタ巻装検知センサ58はこの反射光を検知して制御手段59に信号を送る。一方、マスタ搬送ジャム等によって版胴18の外周面上にマスタ28が正しく巻装されていない場合には、マスタ巻装検知センサ58より発せられた検知光は黒色シール27によって吸収され、マスタ巻装検知センサ58は反射光を検知することができない。所定時間が経過してもマスタ巻装検知センサ58から制御手段59に対して反射光を検知したという信号が送られない場合には、制御手段59は版胴18上にマスタ28が正しく巻装されなかったと判断し、孔版印刷装置10の作動を異常停止させる。
異常停止の復帰は、オペレータにより版胴18上よりマスタが手動にて除去された後、操作パネル60上の製版スタートキーが押下されることにより行われ、製版スタートキーの押下によって上述と同様の動作が繰り返されることにより、版胴18上には新たなマスタ28が巻装される。なお、製版スタートキーの押下時においてマスタ巻装検知センサ58によりマスタ28の巻装が検知されていないことから、排版動作はスキップされる。
マスタ巻装検知センサ58により版胴18の外周面上にマスタ28が正しく巻装されていることが検知されると、給紙部13が作動して給紙トレイ37上より最上位の用紙Pが1枚引き出されると共に、版胴18が図1において時計回り方向に低速で回転駆動される。給送された用紙Pはレジストローラ対40において一時停止された後、版胴18に巻装されたマスタ28の版胴回転方向における画像領域先端部がプレスローラ19との接触部に到達する所定のタイミングで駆動ローラ40aが回転駆動することにより、版胴18とプレスローラ19との接触部に向けて給送される。駆動ローラ40aの回転とほぼ同時に図示しない揺動手段の作動によりプレスローラ19が圧接位置を占め、給送された用紙Pが版胴18上のマスタ28に圧接される。この押圧動作によりプレスローラ19と用紙Pとマスタ28と版胴18とが圧接し、インキローラ21によって版胴18の内周面に供給されたインキが開孔部18bより滲出し、マスタ28の多孔性支持体に充填された後にマスタ28の穿孔部を介して用紙Pに転写され、いわゆる版付けが行われる。
版付けによって画像を転写された用紙Pは、剥離爪47によって版胴18の外周面より剥離され、下方へと落下して用紙搬送手段48へと送られた後、用紙搬送手段48によって吸引搬送されて排紙トレイ49上に排出される。その後、版胴18が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて孔版印刷装置10は印刷待機状態となる。
孔版印刷装置10が印刷待機状態となった後、操作パネル60上のキーによって印刷条件が入力された後に図示しない試し刷りキーが押下されると、版胴18が低速で時計回り方向への回転を開始し、黒色シール27がマスタ巻装検知センサ58と対向する所定の検知位置まで回転して停止する。版胴18が検知位置で停止すると制御手段59からマスタ巻装検知センサ58に作動信号が送られ、マスタ巻装検知センサ58から検知光が発せられ、版胴18上にマスタ28が正しく巻装されているか否かが検知される。巻装動作後と同様にマスタ28が正しく巻装されていない場合には、制御手段59は孔版印刷装置10を異常停止させる。マスタ28が正しく巻装されている場合には、版胴18が設定された印刷速度に応じた周速度で回転駆動されると共に給紙部13より用紙Pが1枚だけ給送され、版付け時と同様に試し刷りが行われる。
試し刷りによって画像位置及び画像濃度等が確認され、操作パネル60上において印刷枚数が設定された後に図示しない印刷スタートキーが押下されると、
版胴18が低速で時計回り方向への回転を開始し、黒色シール27がマスタ巻装検知センサ58と対向する所定の検知位置まで回転して停止する。版胴18が検知位置で停止すると制御手段59からマスタ巻装検知センサ58に作動信号が送られ、マスタ巻装検知センサ58から検知光が発せられ、版胴18上にマスタ28が正しく巻装されているか否かが検知される。巻装動作後と同様にマスタ28が正しく巻装されていない場合には、制御手段59は孔版印刷装置10を異常停止させる。マスタ28が正しく巻装されている場合には、給紙部13より用紙Pが連続的に給送されて試し刷り時と同様に印刷動作が行われる。そして設定された印刷枚数が消化されると、版胴18がホームポジションで停止して孔版印刷装置10は再び印刷待機状態となる。
上述の版付け時、試し刷り時、印刷時において、プレスローラ19が用紙P、マスタ28を介して版胴18に押圧される際に、図5に示すようにマスタ28には版胴回転方向である矢印Cとは逆向きの矢印D方向への力が作用する。このとき、マスタ28がクランパ25より抜け出たり破れたりすることを防止するために摩擦部材26が配設されているが、2体化された摩擦部材7,8の間に摩擦力の異なる黒色シール6が配置された図8に示す従来の構成とは異なり、単体である摩擦部材26に形成された切欠26a内に黒色シール27が配置されているので摩擦部材26には段差がなく、さらにマスタ28の幅方向のほぼ全域において摩擦部材26が配設されているのでマスタ28に対する摩擦力が均一となり、マスタ28へのしわの発生が防止されて良好な画像を継続的に得ることができる。
図6は、上記実施形態の変形例を示している。この変形例は、図2に示した実施形態と比較すると、摩擦部材26及び黒色シール27に代えて、高摩擦抵抗を有しかつ反射率の低い部材、具体的には黒色のゴムスポンジあるいは黒色のフッ素ゴム等からなる摩擦部材61を用いている点においてのみ相違し、他の構成は同一である。摩擦部材61は、黒色シール27の配設位置と対応する部位に突部61aを有しており、この突部がマスタ巻装検知センサ58と対応する位置に設けられている。マスタ巻装検知センサ58は、版胴18上にマスタ28が巻装されていない場合には、発した検知光が突部61aによって吸収される。
上述の構成によれば、摩擦部材61には段差がなく、さらにマスタ28の幅方向のほぼ全域において摩擦部材61が配設されているのでマスタ28に対する摩擦力が均一となり、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができると共に、摩擦部材61が被検知部として機能するので部品点数を低減してコストダウンを図ることができる。
さらに上記実施形態の他の変形例として、摩擦部材26に代えて、切欠26aを有さない摩擦部材26と同形状(マスタ幅方向長さ及び版胴周方向長さが摩擦部材26と同じ長方形状)の摩擦部材を用い、この摩擦部材上に黒色シール27と同材質の被検知部材を貼付する構成としてもよい。ここで用いられる被検知部材としては、その版胴周方向長さが摩擦部材のそれよりも小さく形成され、摩擦部材がマスタ幅方向において2分化されることがないような形状とされる。また、被検知部材としてある程度の厚みを有するものを用いる場合は、摩擦部材の一部を被検知部材の厚み分だけ削り、この削った部分に被検知部材を埋め込む構成とすればよい。この変形例によっても上記変形例と同様の作用効果を得ることができる。
上記実施形態及び各変形例では、版胴18を所定の検知位置に停止させて外周面上におけるマスタの有無を検知する構成としたが、版胴18を低速(15〜30r.p.m.)で回転させて回転中に外周面上におけるマスタの有無を検知する構成、版胴がホームポジションで停止している際(印刷待機状態)に外周面上におけるマスタの有無を検知する構成としてもよい。
また、上記実施形態及び各変形例では、版付け動作時、試し刷り動作時、印刷動作時の開始前に版胴18上におけるマスタの有無をそれぞれ検知する構成としたが、印刷動作開始前にのみ版胴18上におけるマスタの有無を検知する構成としてもよい。
本発明の一実施形態を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。 本発明の一実施形態に用いられる版胴を説明する概略図である。 本発明の一実施形態に用いられる制御手段のブロック図である。 本発明の一実施形態におけるマスタ検知動作を説明する概略図である。 本発明の一実施形態における画像転写時におけるマスタへの力の作用を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態の変形例に用いられる版胴を説明する概略図である。 従来の版胴を説明するための概略斜視図である。 従来の版胴における問題点を説明するための概略図である。
符号の説明
10 孔版印刷装置
17 装置本体
18 版胴
18a 多孔性支持板
18c 非開孔部
25 クランパ
26,61 摩擦部材
26a 切欠
27 被検知部材(黒色シール)
28 マスタ
58 マスタ有無検知手段(マスタ巻装検知センサ)

Claims (2)

  1. 開孔部と非開孔部を有する多孔性支持板と、前記非開孔部に設けられマスタを挟持する開閉自在なクランパとを有する孔版印刷装置の版胴において、
    前記クランパに挟持された前記マスタの周方向への移動を防止する、その幅が前記マスタの幅とほぼ同じであり切欠を有する単体の摩擦部材を前記非開孔部に配設し、前記切欠内には、前記マスタを巻装しているか否かを判断する装置本体に設けられたマスタ有無検知手段により前記版胴の停止時または低速回転時に検知される被検知部を有し、前記摩擦部材及び前記被検知部は前記開孔部の端部と前記クランパとの間に配置され、前記切欠が前記クランパ側に設けられていることを特徴とする孔版印刷装置の版胴。
  2. 請求項1記載の版胴を有することを特徴とする孔版印刷装置。
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