JP4664687B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents
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単純に考えた場合、用紙のセットサイズに対応した長さでマスタを切断すれば上記不経済性の問題を解消できるが、押圧部材は最大サイズに対応した接離制御をされるようになっているため、マスタで覆われない開孔部が押圧部材に直接接触することになり、押圧部材がインキで汚損されることになる。
また、原稿と用紙のセット方向が異なる場合であって用紙のセット方向を90°変化させれば製版画像を90°回転させる場合よりもマスタの長さを短くできるときには画像回転モードの実行に優先して「用紙の向きを変えればマスタを短くできる」ことを警告し、警告後は用紙の向きが変えられなかったときにのみ画像回転モードを実行する技術が開示されている。
また、操作パネルの表示部に警告がなされても、オペレータが確認した後は表示されないため、その後に用事で離れて再度印刷作業を再開する場合等に警告を忘れる懸念もあった。
また、警告を確認した後で変倍等の詳細設定を行っているうちに警告を忘れる懸念があり、忘れた場合にはマスタの消費量を低減できるモードを実行できなかった。
また、本発明は、マスタの消費量を低減するための警告をオペレータに忘れることなく確実に意識させることができ、マスタの消費量を低減するためのモード実行の機会を失わせることがない孔版印刷装置の提供を、その目的とする。
まず、本実施形態における孔版印刷装置1の概略構成を説明する。図1に示すように、孔版印刷装置1は、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、原稿読取部7等から主に構成されている。本実施形態における孔版印刷装置1は、最大対応サイズがA3の構成である。
ステージ部14の上面には開閉自在なクランパ15が配設されている。また、多孔性支持板8aの外側には、ポリエステルあるいはステンレスの細線等で織られた図示しないメッシュスクリーンが1〜3層程度巻装されている。
ドクターローラ17は、その外周面とインキローラ16の外周面との間に僅かな間隙が生じる位置において前記側板間に回転自在に支持されており、駆動手段13からの回転力によりインキローラ16とは反対の方向に回転駆動される。インキローラ16とドクターローラ17の各外周面の近接部において、支軸11より供給されたインキが楔状のインキ溜まり17aを形成する。
両端を筐体18に回転自在に支持された支軸37aには、プレスローラアーム37、37の他、一端に回転自在なカムフォロア38aを有する揺動アーム38が固着されている。揺動アーム38には、一端を筐体18に固着された引張バネ39の他端が取り付けられており、支軸37aには図3において時計回り方向への回動付勢力が付与されている。また、揺動アーム38には、後述する係止アーム44の先端が係合するピン38bが固定されている。
多段カム40は、図4に示すように、支軸41に取り付けられた駆動ギヤ42及び筐体18に回転自在に支持された支軸48に取り付けられた伝達ギヤ49を介して図示しない駆動手段からの回転力を伝達され、図3に矢印で示す方向に回転駆動される。
図3に示すように、揺動アーム38の近傍には係止アーム44が配設されている。先端44aが鈎型に形成された係止アーム44は、その基端を支軸44bに揺動自在に支持されている。係止アーム44には、筐体18に取り付けられたソレノイド45のプランジャ45aと、一端を筐体18に取り付けられた引張バネ46の他端とが取り付けられており、係止アーム44は、各カム板40a、40b、40c、40dの何れかの凸部がカムフォロア38aと当接し、かつ、ソレノイド45への通電が解除されたときに、図3に示すように先端44aをピン38bに係合させて、プレスローラ10を、その外周面が版胴8の外周面より離間した状態で保持するように構成されている。
ソレノイド45の作動は後述する制御手段26により制御される。
また、移動アーム43の他端と曲折部との間の部位には、一端を筐体18に取り付けられた引張バネ50の他端が取り付けられており、移動アーム43には、支軸43cを中心に図4において時計回り方向の回動付勢力が付与されている。ローラ43aは、支軸41の中程に間隔をおいて固着された円板41a、41b間に配置されており、カムフォロア43bは、引張バネ50の付勢力によりその外周面を段差カム47の周面に当接させている。各円板41a、41b間の間隔は、ローラ43aの直径よりも僅かに大きくなるように設定されている。
ステッピングモータ52が作動して段差カム47が回転すると、移動アーム43が支軸43cを中心に揺動して、ローラ43aが円板41aあるいは円板41bを押すことで支軸41が図4の左右方向に移動する。ステッピングモータ52の動作は制御手段26によって制御される。
マスタ貯容手段55よりもマスタ搬送方向下流側には、プラテンローラ56とサーマルヘッド57が配設されている。プラテンローラ56は筐体18の図示しない側板に回転自在に支持されており、ステッピングモータ63によって回転駆動される。ステッピングモータ63の作動は制御手段26によって制御される。
サーマルヘッド57の作動は制御手段26によって制御される。プラテンローラ56及びサーマルヘッド57よりもマスタ搬送方向下流側には切断手段58が配設されている。固定刃58aと可動刃58bとからなる切断手段58は、筐体18の側板に固定された固定刃58aに対して可動刃58bが回転移動する周知の構成である。
各マスタ搬送ローラ対59、60間にはガイド板64が、また、マスタ搬送ローラ対60よりマスタ搬送方向下流側にはガイド板65が配設されている。各ガイド板64、65は筐体18の側板に固定されており、各マスタ搬送ローラ対59、60によって搬送されるマスタ61をガイドし、マスタ61の先端を版胴8の外周面へと案内する。
シート状記録媒体としての用紙Pを所定部位に収容・セットする給紙トレイ66は筐体18に上下動自在に支持されており、図示しない昇降手段によって上下動される。
また、給紙トレイ66には、記録媒体サイズ検知手段としての用紙サイズ検知手段を構成する反射型のセンサ71a、71b、71c、71d等と、用紙Pをガイドする一対のサイドガイド72が取り付けられている。センサ71a、71b、71c、71dは用紙の搬送方向の長さを検知し、この他に、図示しないが、用紙の搬送方向と直交する方向の長さを検知する反射型のセンサが用紙サイズ検知手段を構成するセンサとして給紙トレイ66に設けられている。
用紙サイズ検知手段からの出力信号は制御手段26に出力され、制御手段26は用紙サイズ検知手段からの出力信号によって用紙Pのサイズ及びセット方向を判別する。サイドガイド72は用紙幅方向(用紙Pの搬送方向と直交する方向)に移動自在な周知の構成である。
分離コロ69は、所定の圧力で分離ローラ68に圧接されており、分離ローラ68と同方向に間欠回転可能に配設されている。ステッピングモータ73の作動は制御手段26によって制御される。
印刷部2の左上方には排版部5が配設されている。排版部5は、上排版部材74、下排版部材75、排版ボックス76、圧縮板77等から主に構成されている。上排版部材74は、駆動ローラ78、従動ローラ79、無端ベルト80から構成され、図示しない駆動手段によって駆動ローラ78が図1において時計回り方向に回転駆動されることによって無端ベルト80が図の矢印方向に移動する。
また、下排版部材75は図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と駆動ローラ81の外周面が版胴8の外周面に当接する位置とに選択的に位置決めされる。
排版部5の下方には排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪84、排紙搬送部材85、排紙トレイ86等から主に構成されている。
駆動ローラ87は図示しないユニット側板に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段で回転駆動される。従動ローラ88も同側板に回転自在に支持され、駆動ローラ87と従動ローラ88とには、複数の開孔を有する複数の無端ベルト89が掛け渡されている。
駆動ローラ87、従動ローラ88及び無端ベルト89の下方には吸引ファン90が配設されている。排紙搬送部材85は、吸引ファン90の吸引力によって無端ベルト89上に用紙Pを吸引し、駆動ローラ87の回転によって用紙Pを図の矢印方向に搬送する。排紙搬送部材85によって搬送される印刷済みの用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ86は、用紙幅方向に移動自在な一対のサイドフェンス91とエンドフェンス92とを有している。
センサ71a〜71dと同様の反射型センサであるセンサ109は、コンタクトガラス95上における反射量の違いにより原稿93の有無を検知する。センサ109からの信号は制御手段26に入力され、この信号と原稿搬送ベルト100の作動時間とにより、制御手段26は原稿93の長さを判定する。また、原稿受け台94の下方には、原稿受け台94上に残存している原稿93を検知するセンサ131が配設されている。
センサ131は、原稿受け台94上の原稿93が無くなったときに制御手段26に信号を出力する。また、図示しないが、原稿読取部7には、用紙サイズ検知手段と同様に、コンタクトガラス95上にセットされた原稿のタテとヨコの長さを検知する原稿サイズ検知手段を構成する複数の反射型センサが設けられている。
原稿サイズ検知手段は上述のように不定形の原稿のサイズを検知できるように構成されている。
原稿サイズ検知手段からの出力信号は制御手段26に出力され、制御手段26は原稿サイズ検知手段からの出力信号によって原稿のサイズ及びセット方向を判別する。
操作パネル110には、図6に示すように、マスタの節約ができることをオペレータに警告する警告表示手段122や、警告を出すか出さないかを任意に設定できる警告設定ボタン124、製版スタートキー126等が備えられている。
原稿93がセットされると、制御手段26は、原稿サイズ検知手段と用紙サイズ検知手段からの検知情報に基づいて原稿93と用紙Pのセット方向を判断する。その結果、用紙Pに対して原稿93の向きが90°異なると判別される。
このような場合、一般に、「原稿の向きが異なっています」等の旨の警告がなされ、オペレータは原稿93の向きを90°回転させてA4ヨコ置きにセットし直す。
しかしながら、そのように原稿93をセットした場合、タテ置きに比べてマスタの製版長さは長くなる。
図8(c)に示すように、用紙Pをタテ置きとして製版する場合、図8(d)に示すように、マスタ長さL2=a+b+c2+dとなり、製版長さを短くできる。
警告表示手段(操作パネル110の液晶表示部)122は、警告を表示する警告領域122Aと、変倍等の変更ができる設定領域122Bとが同時に存在する表示面を有している。
マスタが節約できる旨の警告を行っても、オペレータが画面表示を変えて変倍等の設定変更作業に入った場合、警告を忘れる場合がある。
本実施形態でそのようなことがないように、警告領域122Aにて常に警告(ここでは1行警告)を表示し、オペレータに用紙Pのセット方向の変更を促す。
勿論、図10に示すように、警告表示手段122において全面警告表示とし、確認キー125で警告を消すようにしてもよい。
また、警告表示手段として、図示しないLED表示やブザー音、音声によるガイド等を用いてもよい。
上記警告が煩わしいと感じる場合には、警告設定ボタン124をオフにすればよく、この場合には制御手段26による警告はなされない。
オペレータが用紙Pのセット方向を変えた場合、制御手段26は、マスタの長さがA4タテ置きにおける用紙搬送方向の用紙の長さに対応するように、ステッピングモータ63と切断手段58とを制御する。
これによってプレスローラ10の押圧範囲はA4サイズのタテ置きに対応した範囲に制限され、プレスローラ10がマスタで覆われていない露出した開孔部に接触することが防止される。
プレスローラ10の押圧作用によって用紙Pはインキ画像を転写される。印刷済みの用紙Pのその後の排紙動作や版胴8の排版動作は従来のものと同様であるので省略する。
このような場合、オペレータのセット変更作業を容易にするために、セット方向を変えるべき用紙P又は給紙トレイを、警告表示手段122において警告とともに表示するようにしてもよい。
また、図5に二点鎖線で示すように、原稿画像情報を例えば画像情報入力手段としてのパーソナルコンピュータ117により装置本体外部から電気信号等により入力するようにしてもよい。この場合、マスタを節約できる旨の上記警告は、ディスプレイ117a上にてなされる。すなわち、この場合にはディスプレイ117aが警告表示手段となる。
本実施形態では、図12に示すように、装置本体には3つの給紙トレイ66A、66B、66Cが備えられており、給紙トレイ66Aには原稿93と同じA4サイズの用紙P1がタテ置きにセットされ、給紙トレイ66Bには原稿93と同じA4サイズの用紙P2がヨコ置きにセットされ、給紙トレイ66Cには原稿93のサイズよりも大きいB4サイズの用紙P3がセットされている。
図12(a)は、原稿読取部7のコンタクトガラス95又は原稿受け台94上にオペレータが原稿93を用紙Pのセット方向を意識せずに無造作に置いた結果がA4サイズのヨコ置きとなった場合を示している。
このような場合、制御手段26は、給紙トレイ66Aを選択し、且つ、図13に示すように、警告表示手段122を介して、例えば「原稿の置きかたを90°変えると、マスタが節約できます」なる旨の警告を行う。
第1の実施形態と同様に、警告表示手段(液晶表示部)122は、警告を表示する警告領域122Aと、変倍等の変更ができる設定領域122Bとが同時に存在する表示面を有している。
本実施形態でそのようなことがないように、警告領域122Aにて常に警告(ここでは1行警告)を表示し、オペレータに原稿93のセット方向の変更を促す。
勿論、図14に示すように、警告表示手段122において全面警告表示とし、確認キー125で消すようにしてもよい。
警告と同時に、選択された用紙P又は給紙トレイを表示するようにしてもよい。
この場合、多段カム構成を要することなく全てのサイズの用紙に対して適正なマスタ長さとすることができる。
26 制御手段
61 マスタ
93 原稿
117 画像情報入力手段としてのパーソナルコンピュータ
117 ディスプレイ
122 警告表示手段
122A 警告領域
122B 設定領域
P シート状記録媒体としての用紙
Claims (2)
- 原稿の画像情報に基づいて製版されたマスタを版胴の外周面に巻装し、上記版胴の内部からインキを供給するとともに、所定部位に収容・セットされたシート状記録媒体を給送して押圧部材により上記版胴に押圧しながら印刷を行う孔版印刷装置であって、サイズの異なるシート状記録媒体がそれぞれ異なる所定部位に収容・セットされ、巻装されたマスタの長さに対応して上記押圧部材の上記版胴への接触範囲を変更可能な孔版印刷装置において、
セットされた原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、シート状記録媒体のサイズを検知する記録媒体サイズ検知手段と、上記原稿サイズ検知手段と上記記録媒体サイズ検知手段からの検知情報に基づいて原稿とシート状記録媒体のサイズ及びセット方向を判別し、原稿のセット方向を変えればマスタの製版長さを短くできる場合には、原稿のセット方向を変えるとマスタが節約できる旨の警告を行う制御手段とを有し、
上記警告が警告表示手段を介して行われ、該警告表示手段は、上記警告を常時表示する警告領域と、変倍等の変更ができる設定領域とが同時に存在する表示面を有し、
上記制御手段は、上記各記録媒体サイズ検知手段からの検知情報に基づいて原稿のセット方向を変えればマスタの製版長さを短くできるシート状記録媒体を判別し、上記警告とともにそのシート状記録媒体を表示し、
上記警告領域において、上記警告と、製版・印刷が可能である旨の表示とが所定の時間間隔で交互に表示されることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置において、
上記原稿サイズ検知手段が、不定形のサイズを検知できる構成を有していることを特徴とする孔版印刷装置。
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