JP4456700B2 - 孔版印刷装置及び孔版印刷方法 - Google Patents

孔版印刷装置及び孔版印刷方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は版胴に巻装されたマスタに用紙を押圧して印刷を行う孔版印刷装置及びこれを用いた印刷方法に関し、詳しくは厚紙、葉書、封筒等の厚物を印刷することが可能な孔版印刷装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、簡便な印刷方法としてデジタル式感熱孔版印刷が知られている。これは、熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体とを貼り合わせた構造の感熱孔版マスタ(以下「マスタ」という)に微細な発熱素子が1列に並んだサーマルヘッドを接触させ、この発熱素子に対しパルス的に通電を行いながらマスタをプラテンローラー等の搬送手段で搬送することにより、マスタの熱可塑性樹脂フィルムに画像情報に基づいた穿孔画像を熱溶融穿孔製版した後、この穿孔製版されたマスタを多孔性円筒状の版胴に巻装させ、押圧手段によって印刷用紙を版胴の外周面に押圧させることで、版胴の開孔部及びマスタの穿孔部から滲出したインキを印刷用紙に転移させて印刷画像を得るものである。
【0003】
押圧手段としては、直径25〜50mm程度の回転自在なゴムローラーであるプレスローラー、あるいは版胴と同一直径の圧胴等が主に用いられている。版胴と同一周速度で回転駆動される圧胴は、版胴のクランパーと対応するその外周の一部に凹部を有しており、版胴に対する接離時における移動量がプレスローラーに比して小さいことにより印刷時に発生する騒音がプレスローラーよりも小さく、また凹部に設けられた用紙クランパーにより用紙先端を係止できるので排紙巻き上がりの防止や画像位置及びレジスト精度の向上を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の孔版印刷装置では、厚紙、葉書、封筒等の厚物に印刷を行う場合に、100〜200枚印刷しただけでマスタが破れ、画像のない部分にインキ汚れが発生するという問題点がある。これは、図19に示すように厚紙や葉書を裁断する際に発生する端部かえりや、図20に示すように厚く形成されたりあるいは折りが悪くて突出した封筒の角部がマスタに接触し、これらによってマスタに孔があくことにより発生する不具合である。図20に示す不具合は、主に葬儀案内等に用いられる鼠枠封筒を用いた場合に発生し易い。
【0005】
この問題点を解決するため、本願出願人は特開平11−227310号において、圧胴の外周面にマイクロセルのスポンジ状弾性体を設け、圧胴外周面の硬度を下げて上述のかえりや角部を吸収することによりマスタにかかる応力を減少させ、マスタの破損を防止する技術を提案している。しかし、この技術によってもマスタの耐刷枚数は300〜400枚であり、かえりの大きいものや大きく突出した角部では100〜200枚程度で破損してしまう場合もあった。また、マイクロセルは通常のゴムに比して高価であるうえ、発泡体であるために押圧力が低く、両端部近傍で画像がかすれてしまうという問題点もある。これらの問題点は圧胴に限られず、プレスローラーにおいても同様である。
【0006】
さらに上述の孔版印刷装置では、厚紙や封筒に拘わらず用紙を版胴と押圧手段との間に送り出す際に、図21に示すように版胴の周速度v1に対して用紙搬送速度v2が大きくなるように設定されている。これは、用紙が用紙ストッパーより抜けないためであり、これにより版胴と圧胴とで用紙を押圧する前に用紙にたるみAが形成され、版胴上のマスタとB点において接触する。用紙の表面は繊維状の凹凸があり一種の紙ヤスリとなるため、1000〜2000枚程度の印刷を行うとB点においてマスタと用紙とが接触することでマスタに微細な孔が複数形成される。これにより、図22に示すように画像のない用紙先端部(用紙先端から5〜10mmの位置が多い)にインキの汚れが付着する、いわゆる砂目という画像不良が発生するという問題点がある。この砂目は、凹凸が多く紙の腰の強い用紙、例えば海外で主に使用されるポンド紙等を使用した場合に発生し易い。
【0007】
本発明は上記問題点を解決し、被印刷物として厚物が用いられた場合でも500枚以上の印刷を行うことが可能な孔版印刷装置及び孔版印刷方法、さらには被印刷物として凹凸が多く紙の腰の強い用紙が用いられた場合でも5000枚以上の印刷を行うことが可能な孔版印刷装置及び孔版印刷方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、前記開孔部の縦横の長さが前記被印刷物として給送される前記厚物の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mm短く形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、装置本体に着脱自在に設けられ、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴として前記厚物の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mm短く形成された前記開孔部を有するものが用いられることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、前記開孔部全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタとを用い、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻装後、その上面に第2のマスタを巻装して印刷を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択される厚物モードを有し、該厚物モード選択時に前記製版手段を作動させ、マスタに対して前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版を行い、このマスタを前記版胴に巻装させた後に前記製版手段を再び作動させ、マスタに対して前記開孔部全域に応じた穿孔製版を行い、このマスタを先のマスタの上に巻装させる制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、第1のマスタの穿孔製版領域よりも1〜5mm広い領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタとを用いることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択される厚物モードを有し、該厚物モード選択時に前記製版手段を作動させ、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、第1のマスタの穿孔製版領域よりも1〜5mm大きい領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタとを穿孔製版し、それぞれのマスタを前記版胴に巻装させる制御手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択される厚物モードと、前記厚物の縦横の長さを検出する長さ検出手段とを有し、前記厚物モード選択時に前記製版手段を作動させ、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、前記長さ検出手段によって検出された前記厚物の長さよりも1〜5mm小さい領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタとを穿孔製版し、それぞれのマスタを前記版胴に巻装させる制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項5、請求項6または請求項7記載の孔版印刷装置において、さらに、前記押圧手段の押圧力を変化させる押圧力可変手段を有し、前記厚物モード選択時において、前記制御手段は前記押圧手段の押圧力を通常時よりも増加させることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項5ないし請求項8のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに、前記製版手段作動時に前記マスタに形成される穿孔の直径を変化させる穿孔径可変手段を有し、前記厚物モード選択時において、前記制御手段は前記版胴上に後から巻装されるマスタの穿孔径を先に巻装されるマスタの穿孔径よりも大きくさせることを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項5ないし請求項9のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに、前記インキ供給手段が前記版胴に対して2種類のインキを供給可能であり、前記厚物モード選択時において、前記制御手段は前記インキ供給手段より前記版胴に対して通常時とは異なるインキを供給することを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物を給送する給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、前記版胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前記被印刷物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、前記版胴接触時における前記被印刷物の先端から10〜15mmの長さである第2のマスタとを用い、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻装後、その上面に第2のマスタを巻装して印刷を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物を給送する給紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、前記被印刷物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、前記版胴接触時における前記被印刷物の先端から10〜15mmの長さである第2のマスタとを形成し、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻装後、その上面に第2のマスタを巻装させる制御手段を有することを特徴とする。
【0020】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置を示している。同図において孔版印刷装置1は、その筐体1aの中央上部に被印刷物として葉書、厚紙、封筒等の厚物Pを印刷するための厚物用版胴2を有している。両端を図示しない一対のフランジに固定された多孔構造の支持円筒体である多孔性支持板2aの外周面に図示しないメッシュスクリーンを複数層巻着してなる厚物用版胴2は、インキ供給パイプを兼ねた複数の孔を有するパイプ状の支軸3に各フランジを回転自在に支持されている。モーター、ギヤ、タイミングベルト等を有する版胴駆動手段52(図4参照)により図1の矢印方向に回転駆動される厚物用版胴2は、筐体1aに対して着脱自在に設けられている。
【0021】
多孔性支持板2aには、図2に示すように開孔部2b、ステージ部4、マスタクランパー5が設けられている。開孔部2bは、その縦横の長さが印刷に供される厚物Pの縦横の長さ(本実施例の場合は葉書であり148mm×100mm)よりもそれぞれ3mmずつ小さく形成されている。磁性体からなるステージ部4は、多孔性支持板2aの1母線と並行に形成されており、ステージ部4上には回動自在なマスタクランパー5が配設されている。先端に図示しない磁石を有し、ステージ部4に対して磁着可能なマスタクランパー5は、厚物用版胴2が所定位置に達したときに図示しない開閉手段によって開閉される。
【0022】
厚物用版胴2の内部にはインキ供給手段6が配設されている。インキ供給手段6は、支軸3、インキローラー7、ドクターローラー8等から主に構成されており、厚物用版胴2の内部に設けられた図示しないインキパック内のインキを図示しないインキ供給ポンプによって汲み上げ、多孔性支持板2aの内周面に供給する。
インキローラー7は、図示しない各フランジ間の支軸3に固着された図示しない一対の側板間の、その外周面が多孔性支持板2aの内周面に近接する位置に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって厚物用版胴2と同方向に回転駆動される。ドクターローラー8も上述の図示しない各側板間に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によってインキローラー7とは逆方向に回転駆動される。ドクターローラー8はその外周面をインキローラー7の外周面に近接して配置されており、その近接部には楔状のインキ溜まり9が形成される。
【0023】
上述の構成により、図示しないインキパック内より図示しないインキポンプによって汲み上げられたインキは、支軸3を通過してその孔よりインキ溜まり9に供給され、インキローラー7及びドクターローラー8の回転によって両者間の隙間を通過する際にインキローラー7の外周面上に薄膜状に供給された後、多孔性支持板2aの内周面に供給される。
【0024】
厚物用版胴2の右方には製版手段としての製版搬送手段10が配設されている。製版搬送手段10は、ホルダー11、サーマルヘッド12、プラテンローラー13、切断手段14、マスタ搬送ローラー対15等から主に構成されている。 ホルダー11は、熱可塑性樹脂フィルム16cと多孔性支持体16d(共に図6参照)とを貼り合わせたマスタ16をロール状に巻成したマスタロール16aの芯部16bを回転自在かつ着脱自在に支持している。ホルダー11の左方には、複数の発熱素子を有するサーマルヘッド12が配設されている。サーマルヘッド12は、図示しない付勢手段によって上方に向けて付勢されている。サーマルヘッド12の上方にはプラテンローラー13が配設されている。マスタ16をサーマルヘッド12に押圧しつつ搬送するプラテンローラー13は、ステッピングモーター13aによって回転駆動される。プラテンローラー13の左方には切断手段14が配設されている。上刃14aと下刃14bとからなる切断手段14は、上刃14aに接続された偏心カム14cが回転することにより上刃14aが上下動する。切断手段14の左方にはマスタ搬送ローラー対15が配設されている。マスタ搬送ローラー対15は、図示しない駆動手段によって回転駆動される駆動ローラー15aと、駆動ローラー15aに圧接配置された回転自在な従動ローラー15bとから構成され、駆動ローラー15aには図示しないワンウェイクラッチが組み込まれている。
【0025】
厚物用版胴2の左方には排版手段17が配設されている。排版手段17は、排版駆動ローラー17a、排版従動ローラー17b、排版ボックス17c等から主に構成されている。
排版駆動ローラー17aは図示しない駆動手段によって回転駆動され、排版従動ローラー17bは排版駆動ローラー17aに圧接配置されている。また、排版駆動ローラー17aは図示しない揺動手段により排版従動ローラー17bの回転中心を中心として揺動自在に設けられており、その外周面を厚物用版胴2の外周面に対して接離自在とされている。内部に使用済みマスタを貯容する排版ボックス17cは筐体1aに着脱自在に設けられている。
【0026】
厚物用版胴2の下方には押圧手段としての圧胴18が配設されている。インキローラー7に対向し、その直径を厚物用版胴2の直径とほぼ等しく形成された圧胴18は、その外周面上に凹部18aを、またその中心に両側方へ突出した支点軸18bを有している。圧胴18の凹部18aを除く外周面上にはシリコンゴム(JIS−A20度)が巻装されている。マスタクランパー5との干渉を避けるために切り欠かれた平坦部である凹部18aには、厚物Pの先端を圧胴18上に保持する用紙クランパー19が開閉自在に設けられている。用紙クランパー19は、図示しないカムによって所定のタイミングで開き、厚物Pをくわえた後に閉じて厚物Pを圧胴18上に保持し、所定のタイミングで再び開いて厚物Pの保持を解除するように構成されている。
【0027】
支点軸18bは、圧胴18の両側面の外側に配置された一対の揺動アーム20間に、図示しない軸受部材を介してそれぞれ回転自在に支持されている。そのほぼ中央部において支点軸18bを支持する各揺動アーム20は、筐体1aに枢支された支軸20aにそれぞれの一端を固着されており、一方の揺動アーム20の他端には引張バネからなり他端を筐体1aに固着された印圧バネ21の一端が取り付けられている。圧胴18は、図示しないカムによって厚物用版胴2の外周面に対して接離自在に設けられており、厚物用版胴2との圧接位置が常に同じ位置となるように図示しない無端ベルトによって版胴駆動手段52に連結され、厚物用版胴2と同じ周速度で逆方向に回転駆動される。また、圧胴18には、厚物用版胴2と同期して回転するカム等からなる図示しない印圧解除手段が設けられており、用紙搬送不良発生時や製版排版時等に圧胴18が厚物用版胴2に対して圧接しないように構成されている。
【0028】
圧胴18の右側方には給紙手段27が配設されている。給紙手段27は、給紙トレイ28、呼び出しローラー29、給紙ローラー30、分離ローラー31、レジストローラー対32等から主に構成されている。
上面に厚物Pを積載する給紙トレイ28は図示しない昇降手段によって上下動自在に設けられており、最上位の厚物Pが所定の圧接力で呼び出しローラー29の周面に圧接するように構成されている。呼び出しローラー29及び給紙ローラー30は図示しない給紙側板にそれぞれ回転自在に支持されており、図示しない無端ベルトによって連動可能に連結されている。給紙ローラー30にはワンウェイクラッチが組み込まれた図示しない給紙ローラーギヤが取り付けられており、この給紙ローラーギヤには厚物用版胴2と同期して回転する図示しないカムによって揺動する図示しない扇形ギヤが噛合していて、これにより各ローラー29,30は厚物用版胴2の回転と同期した所定のタイミングで回転駆動される。給紙ローラー30の下方には、所定の圧接力で給紙ローラー30に圧接配置された分離ローラー31が配設されている。周面にゴム等の高摩擦抵抗部材を有する分離ローラー31は、給紙ローラー30と同方向にのみ回転自在に設けられている。
【0029】
給紙ローラー30の左方に配設されたレジストローラー対32は、駆動ローラー32aと従動ローラー32bとから主に構成されている。駆動ローラー32aにはワンウェイクラッチが組み込まれた図示しないレジストローラーギヤが取り付けられており、このレジストローラーギヤには厚物用版胴2と同期して回転する図示しないカムによって揺動する図示しない扇形ギヤが噛合している。従動ローラー32bは所定の圧接力により駆動ローラー32bに圧接配置されており、これによりレジストローラー対32は厚物用版胴2の回転と同期した所定のタイミングで回転駆動される。レジストローラー対32による用紙搬送速度は、厚物用版胴2の回転周速度と同速度に設定されている。
給紙ローラー30と圧胴18との間には、給紙トレイ28から給送された厚物Pを圧胴18に案内するガイド板33,34が配設されている。
【0030】
圧胴18の左側方には排紙搬送手段35が配設されている。排紙搬送手段35は、排紙爪36、排紙ベルト装置37、排紙トレイ38等から主に構成されている。
排紙爪36は、厚物Pを保持した圧胴18の用紙クランパー19が開放する位置と対応する筐体1aの部位に固設されており、用紙クランパー19が開放した際に厚物Pを圧胴18上より剥離して排紙ベルト装置37へと案内する。駆動ローラー37a、従動ローラー37b、複数の無端ベルト37c、吸引ファン37d等からなる排紙ベルト装置37は、図示しない駆動手段によって駆動ローラー37aが回転することにより、吸引ファン37dの吸引力によって無端ベルト37c上に吸引しつつ、図1の矢印方向に厚物Pを搬送する。排紙ベルト装置37によって搬送された厚物Pは筐体1aより外部に排出され、エンドフェンス38aを有する排紙トレイ38上に順次積載される。
【0031】
筐体1aの上部には原稿画像を読み取る周知の画像読取手段39が配設されており、筐体1aの上面には図3に示す操作パネル40が配設されている。操作パネル40は、製版スタートキー41、印刷スタートキー42、試し刷りキー43、ストップキー44、テンキー45、クリアキー46、拡大縮小キー47、印刷速度設定キー48、連写キー49、7セグメントLEDからなる表示装置50、LCDからなる表示装置51等の周知の構成をその上面に有している。
【0032】
筐体1aの内部には、CPU、ROM、RAM等を有する周知のマイクロコンピューターからなる制御手段54が配設されている。制御手段54は、図4に示すように、操作パネル40からの動作指令及び画像読取手段39からの画像信号に基づいて、製版搬送手段10、排版手段17、給紙手段27、排紙搬送手段35、版胴駆動手段52の動作を制御する。
【0033】
上述の構成に基づき、以下に第1の実施例における孔版印刷装置1の動作を説明する。
給紙トレイ28上に印刷すべき厚物Pとして葉書を積載し、画像読取手段39に原稿を載置した後、オペレーターにより操作パネル40上の製版スタートキー41が押下されると制御手段54より指令が送られ、画像読取手段39において原稿画像が読み取られると共に厚物用版胴2が回転を開始する。そして、厚物用版胴2が所定の排版位置に到達すると、排版駆動ローラー17aが回転を開始すると共に厚物用版胴2に接触し、厚物用版胴2の外周面上に巻装された前版のマスタ16が排版駆動ローラー17aにすくい上げられる。その後、厚物用版胴2が回転することで、前版のマスタ16は排版駆動ローラー17aと排版従動ローラー17bとによって排版ボックス17c内に収納される。
【0034】
前版のマスタ16が全て排版ボックス17c内に収納されて排版動作が完了すると、製版動作が開始されると共に厚物用版胴2が回転する。厚物用版胴2は、マスタクランパー5が図1においてほぼ右真横に位置する給版待機位置まで回転して停止し、図示しない開閉手段によってマスタクランパー5が開放されて給版待機状態となる。排版動作完了後、ステッピングモーター13aが作動を開始し、プラテンローラー13が回転してマスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12を通過する際に原稿画像に基づいて選択的に発熱する発熱素子によってその熱可塑性樹脂フィルム16cを加熱溶融穿孔製版される。
【0035】
製版されたマスタ16はプラテンローラー13によってさらに送られ、その先端は切断手段14を通過してマスタ搬送ローラー対15へと至る。マスタ搬送ローラー対15に送られたマスタ16は、進行方向を下方へと変更されて開放しているマスタクランパー5とステージ部4との間に向けて搬送される。このとき、マスタ搬送ローラー対15の搬送速度はプラテンローラー13の搬送速度よりも若干速めに設定されており、プラテンローラー13とマスタ搬送ローラー対15との間においてマスタ16には適度な張力が付与されている。
【0036】
ステッピングモーター13aのステップ数よりマスタ16の先端がステージ部4とマスタクランパー5との間の所定位置に達したと制御手段54が判断すると、図示しない開閉手段が作動してマスタクランパー5が閉じられ、厚物用版胴2の外周面上にマスタ16が係止される。マスタクランパー5が閉じられると、厚物用版胴2がマスタ搬送ローラー対15の搬送速度と同じ周速度で回転を開始し、厚物用版胴2の外周面上に製版済みのマスタ16が巻装される。ステッピングモーター13aのステップ数より1版分の製版が終了したと制御手段54が判断すると、プラテンローラー13及びマスタ搬送ローラー対15の回転がそれぞれ停止されると共に偏心カム14cが回転し、上刃14aが下降してマスタ16が切断される。切断されたマスタ16は厚物用版胴2の回転により製版搬送手段10より引き出され、マスタ16の厚物用版胴2への巻装動作が完了する。
【0037】
巻装動作が完了すると、呼び出しローラー29及び給紙ローラー30が回転し、給紙トレイ28上より厚物Pが引き出される。引き出された厚物Pは、給紙ローラー30と分離ローラー31とのニップ部を通過する際に1枚に分離され、最上位の厚物Pのみが給紙ローラー30によって引き出される。給紙ローラー30より送られた厚物Pは、その先端をレジストローラー対32のニップ部に当接された後も給紙ローラー30により送られ、レジストローラー対32のニップ部に対してその先端を十分に食い込ませると共に若干のたわみを形成される。厚物Pが所定量送られると、呼び出しローラー29及び給紙ローラー30の回転が停止した後に所定のタイミングでレジストローラー対32が回転駆動され、厚物Pはたわみを消滅させつつ圧胴18に向けて搬送される。呼び出しローラー29及び給紙ローラー30は、ワンウェイクラッチの作用により厚物Pの搬送に伴って従動回転される。
【0038】
レジストローラー対32からの厚物Pの給送タイミングに合わせて図示しないカムによって用紙クランパー19が開放され、この開放部に厚物Pの先端が挿入される。用紙クランパー19は、図示しないカムにより厚物Pが挿入されたタイミングで閉じられ、圧胴18は厚物Pの先端を係止した状態で低速回転する。圧胴18上の厚物Pが厚物用版胴2とのニップ部に到達するタイミングで図示しないカムにより圧胴18が低速回転している厚物用版胴2に対して圧接され、厚物Pは印圧バネ21の付勢力によって厚物用版胴2の外周面上に巻装された製版済みのマスタ16に押圧される。この押圧の際に、インキローラー7によって厚物用版胴2の内周面に供給されたインキが開孔部2b、図示しないメッシュスクリーン及び熱可塑性樹脂フィルム16cの穿孔部を介して厚物Pに転写される。
【0039】
インキを転写された厚物Pは、圧胴18がさらに回転し図示しないカムによって排紙爪36の手前で用紙クランパー19が開放されることで、排紙爪36によって圧胴18上より剥離される。剥離された厚物Pは排紙ベルト装置37によって搬送され、排紙トレイ38上に積載されて版付けが終了する。
版付け終了後、オペレーターにより操作パネル40上の印刷スタートキー42が押下されると、厚物用版胴2及び圧胴18が高速で回転駆動され、給紙手段27より厚物Pが連続的に給送されて印刷が行われる。これら一連の動作の流れを図5に示す。
【0040】
上述の印刷時において、多孔性支持板2aにおける開孔部2bの範囲が厚物Pとして用いられる葉書の縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ短くなるように形成されているため、図6に示すように、突出した厚物Pのエッジによってマスタ16が破損した場合であってもその破損箇所が開孔部2bの外側に位置し、厚物用版胴2内部からのインキはマスタ16の破損個所には供給されないため、画像のない部分にインキ汚れが発生するという不具合を防止することができる。
【0041】
第1の実施例では、開孔部2bの縦横の長さを葉書の縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ短く形成した例を示したが、本発明者が開孔部2bの縦横の長さを種々変更して複数回の実験を行った結果、開孔部2bの縦横の長さを葉書の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mmずつ短く形成すれば、有効画像面積に影響を及ぼすことなく画像のない部分にインキ汚れが発生するという不具合を防止することに効果があることが確認されている。
【0042】
また、第1の実施例では、厚物用版胴2として開孔部2bの縦横の長さが葉書の縦横の長さに対応したものを用いたが、厚物用版胴2として開孔部2bの縦横の長さが他の厚物(例えば定形封筒、定形サイズの厚紙等)の縦横の長さに対応したものを用いることにより、他の厚物Pにも上記不具合を防止しつつ印刷を行うことができる。
さらに、第1の実施例ではマスタとして熱可塑性樹脂フィルム16cと多孔性支持体16dとを貼り合わせたマスタ16を用いたが、マスタとして多孔性支持体16dを持たない実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものを用いてもよい。
【0043】
図7は、本発明の第2の実施例を採用した孔版印刷装置を示している。この孔版印刷装置55は第1の実施例で示した孔版印刷装置1と比較すると、厚物用版胴2に代えて版胴56を用いる点、押圧力可変手段22を有する点、操作パネル40に代えて操作パネル57を用いる点、制御手段54に代えて制御手段60を用いる点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。
【0044】
図8に示すように、両端を図示しない一対のフランジに固定された多孔構造の支持円筒体である多孔性支持板56aの外周面に図示しないメッシュスクリーンを複数層巻着してなる版胴56は、支軸3(図1参照)に各フランジを回転自在に支持されており、孔版印刷装置55の筐体55aに対して着脱自在に設けられている。版胴56は、厚物用版胴2と同様に、版胴駆動手段52により厚物用版胴2と同方向に回転駆動される。多孔性支持板56aには開孔部56b、ステージ部4、マスタクランパー5が設けられており、開孔部56bの縦横の長さは印刷に供される最大印刷物の縦横の長さ(本実施例ではA3サイズ)に対応して形成されている。
【0045】
図7に示すように圧胴18の左上方に配設された押圧力可変手段22は、印圧バネ21、扇形ギヤ23、モーター24、センサー25,26等から主に構成されている。
一端を一方の揺動アーム20の他端に取り付けられた印圧バネ21の他端は、筐体55aに枢支された支軸23aに頂部を固着された扇形ギヤ23のギヤ部23b近傍に取り付けられている。筐体55aの扇形ギヤ23配設位置の近傍にはモーター24が配設されており、モーター24の出力軸にはギヤ部23bに噛合するウォーム24aが取り付けられている。また、扇形ギヤ23の移動経路近傍には近接センサーあるいはリミットスイッチ等からなるセンサー25,26が配設されており、モーター24の作動によって扇形ギヤ23は、センサー25によって位置決めされた図7に実線で示す通常押圧力発生位置と、センサー26によって位置決めされた図7に二点鎖線で示す高押圧力発生位置とに選択的に位置決めされる。
【0046】
図9に示す操作パネル57は、操作パネル40と同様に製版スタートキー41、印刷スタートキー42、試し刷りキー43、ストップキー44、テンキー45、クリアキー46、拡大縮小キー47、印刷速度設定キー48、連写キー49、7セグメントLEDからなる表示装置50、LCDからなる表示装置51を有する他、印刷モードを被印刷物として印刷用紙が用いられる通常モードと厚物が用いられる厚物モードとに切り換えるモード切換キー58、印刷モードを表示するLEDからなるモード表示装置59、及び厚物モード選択時において押圧力可変手段22を作動させるための高濃度キー61を有している。
【0047】
制御手段54と同様の周知のマイクロコンピューターからなる制御手段60は、図10に示すように、操作パネル40からの動作指令、画像読取手段39からの画像信号、及び各センサー25,26からの出力信号に基づいて、製版搬送手段10、排版手段17、給紙手段27、排紙搬送手段35、版胴駆動手段52、モーター24の動作を制御する。
【0048】
上述の構成に基づき、以下に第2の実施例における孔版印刷装置55の動作を説明する。
オペレーターは、操作パネル57上のモード切換キー58を押し、印刷モードを厚物モードに設定する。モード表示手段59のLEDが「厚物」側で点灯していることを確認した後、オペレーターは給紙トレイ28上に印刷すべき厚物Pを積載すると共に画像読取手段39に原稿を載置し、操作パネル57上の製版スタートキー41を押下する。製版スタートキー41が押下されると制御手段60より指令が送られ、画像読取手段39において原稿画像が読み取られると共に版胴56が回転を開始する。読み取られた画像データは、画像読取手段39内のメモリに格納される。そして、版胴56が所定の排版位置に到達すると、排版駆動ローラー17aが回転を開始すると共に版胴56に接触し、版胴56の外周面上に巻装された前版のマスタ16が排版駆動ローラー17aにすくい上げられる。その後、版胴56が回転することで、前版のマスタ16は排版駆動ローラー17aと排版従動ローラー17bとによって排版ボックス17c内に収納される。
【0049】
前版のマスタ16が全て排版ボックス17c内に収納されて排版動作が完了すると、製版動作が開始されると共に版胴56が回転する。版胴56は、マスタクランパー5が図7においてほぼ右真横に位置する給版待機位置まで回転して停止し、図示しない開閉手段によってマスタクランパー5が開放されて給版待機状態となる。排版動作完了後、ステッピングモーター13aが作動を開始し、プラテンローラー13が回転してマスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12を通過する際に、メモリから読み出された画像データに基づいて選択的に発熱する発熱素子によってその熱可塑性樹脂フィルム16cを加熱溶融穿孔製版される。
【0050】
製版されたマスタ16は、プラテンローラー13、マスタ搬送ローラー対15によってマスタクランパー5とステージ部4との間に向けて搬送される。そして、ステッピングモーター13aのステップ数よりマスタ16の先端が所定位置に達したと制御手段60が判断すると、図示しない開閉手段が作動してマスタクランパー5が閉じられ、版胴56の外周面上に1枚目のマスタ16が係止される。マスタクランパー5が閉じられると、版胴56がマスタ搬送ローラー対15の搬送速度と同じ周速度で回転を開始し、版胴56の外周面上に製版済みのマスタ16が巻装される。ステッピングモーター13aのステップ数より1版分の製版が終了したと制御手段60が判断すると、プラテンローラー13及びマスタ搬送ローラー対15の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段14が作動してマスタ16が切断される。切断されたマスタ16は版胴56の回転により製版搬送手段10より引き出され、1枚目のマスタ16の版胴56への巻装動作が完了する。
【0051】
巻装動作完了後、呼び出しローラー29及び給紙ローラー30が回転し、給紙トレイ28上より1枚の厚物Pが引き出される。給紙ローラー30より送られた厚物Pは、その先端をレジストローラー対32のニップ部に当接された後に若干のたわみを形成され、その後、所定のタイミングでレジストローラー対32が回転駆動されることで圧胴18に向けて搬送される。
【0052】
レジストローラー対32からの厚物Pの給送タイミングに合わせて用紙クランパー19が開放され、この開放部に厚物Pの先端が挿入される。用紙クランパー19は厚物Pが挿入されたタイミングで閉じられ、圧胴18は厚物Pの先端を係止した状態で低速回転する。圧胴18上の厚物Pが版胴56とのニップ部に到達するタイミングで図示しないカムにより圧胴18が低速回転している版胴56に対して圧接され、厚物Pは印圧バネ21の付勢力によって版胴56の外周面上に巻装された製版済みのマスタ16に押圧される。この押圧の際に、インキローラー7によって版胴56の内周面に供給されたインキが開孔部56b、図示しないメッシュスクリーン及びマスタ16の穿孔部を介して厚物Pに転写される。
【0053】
インキを転写された厚物Pは、圧胴18がさらに回転し排紙爪36の手前で用紙クランパー19が開放されることで、排紙爪36によって圧胴18上より剥離される。剥離された厚物Pは排紙ベルト装置37によって搬送され、排紙トレイ38上に積載されて1回目の版付けが終了する。
【0054】
1枚目のマスタ16が版胴56上に巻装され1回目の版付けが完了すると、2枚目のマスタ16への製版動作が行われる。版付け動作完了後、版胴56が再び回転を開始し、版胴56は上述と同じ給版待機位置において停止し、図示しない開閉手段によってマスタクランパー5が開放されて再度給版待機状態となる。 版胴56が再度給版待機状態となるとステッピングモーター13aが再び作動を開始し、プラテンローラー13が回転してマスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12を通過する際に選択的に発熱する発熱素子によってその熱可塑性樹脂フィルム面を加熱溶融穿孔製版されるが、今回は開孔部56bの縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ大きい領域の全てに穿孔製版が行われ、マスタ16には全ベタが形成される。
【0055】
全ベタが形成された2枚目のマスタ16は、プラテンローラー13、マスタ搬送ローラー対15によってマスタクランパー5とステージ部4との間に向けて搬送され、マスタクランパー5が閉じることで版胴56の外周面上に係止される。その後、版胴56がマスタ搬送ローラー対15の搬送速度と同じ周速度で回転を開始し、版胴56の外周面上に巻装された製版済みのマスタ16の上に、全ベタが形成された2枚目のマスタ16が巻装される。そして、1版分の製版が終了したと制御手段60が判断すると、プラテンローラー13及びマスタ搬送ローラー対15の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段14が作動してマスタ16が切断される。切断されたマスタ16は版胴56の回転により製版搬送手段10より引き出され、全ベタが形成された2枚目のマスタ16の版胴56への巻装動作が完了する。
【0056】
版胴56の外周面上に製版済みのマスタ16と全ベタが形成されたマスタ16とが2重に巻装されると、呼び出しローラー29及び給紙ローラー30が回転して給紙トレイ28上より1枚の厚物Pが引き出され、厚物Pは所定のタイミングでレジストローラー対32が回転駆動されることで圧胴18に向けて搬送される。圧胴18は、厚物Pの給送タイミングに合わせて用紙クランパー19が開閉することで厚物Pを係止し、この状態で低速回転する。圧胴18上の厚物Pが版胴56とのニップ部に到達するタイミングで図示しないカムにより圧胴18が低速回転している版胴56に対して圧接され、厚物Pは印圧バネ21の付勢力によって版胴56の外周面上に巻装された2重のマスタ16に押圧される。この押圧の際に、インキローラー7によって版胴56の内周面に供給されたインキが開孔部56b、図示しないメッシュスクリーン、原稿画像に対応した製版画像を形成されたマスタ16の穿孔部、全ベタを形成されたマスタ16の穿孔部を介して厚物Pに転写される。
【0057】
インキを転写された厚物Pは、圧胴18がさらに回転し排紙爪36の手前で用紙クランパー19が開放されることで、排紙爪36によって圧胴18上より剥離される。剥離された厚物Pは排紙ベルト装置37によって搬送され、排紙トレイ38上に積載されて2回目の版付けが終了する。
2回目の版付け終了後、オペレーターにより操作パネル57上の印刷スタートキー42が押下されると、版胴56及び圧胴18が高速で回転駆動され、給紙手段27より厚物Pが連続的に給送されて印刷が行われる。これら一連の動作の流れを図11に示す。
【0058】
上述の印刷時において、原稿画像に対応した製版がなされたマスタ16の上面に全ベタが形成されたマスタ16が巻装されているので、図12に示すように、突出した厚物Pのエッジによって外側のマスタ16の熱可塑性樹脂フィルム16cが破損した場合、あるいは厚物Pのエッジが外側のマスタ16の熱可塑性樹脂フィルム16cの開孔部に位置した場合であっても、外側のマスタ16の多孔性支持体16dが厚物Pのエッジによる内側のマスタ16の熱可塑性樹脂フィルム16cの破損を防止するので、画像のない部分にインキ汚れが発生するという不具合を防止することができる。
【0059】
この第2の実施例における版胴へのマスタの2重巻装は、マスタの破損に基づくインキ汚れの発生を防止することには効果的であるが、版胴にマスタを2重に巻装すると低温時(5〜10℃)において若干の濃度低下が見られる。そこで、厚物モードが選択され、2回目の版付け動作が完了して孔版印刷装置55が印刷待機状態となったときに、印刷スタートキー42を押下する前に高濃度キー61を押下することで、押圧力可変手段22を作動させて濃度の低下を防止する。
【0060】
高濃度キー61が押下されると操作パネル57から制御手段60にその旨の信号が出力され、信号を受けた制御手段60はモーター24に動作指令を出力する。制御手段60からの動作指令に基づきモーター24が回転することによりウォーム24aが回転し、これに噛合したギヤ部23bを有する扇形ギヤ23が上方に向けて移動する。そして、扇形ギヤ23の側端部がセンサー26によって検知されると、この検知信号が制御手段60に入力され、制御手段60からモーター24に指令が送られてモーター24の作動が停止し、扇形ギヤ23は高押圧力発生位置に位置決めされる。これにより印圧バネ21が上方に伸ばされ、圧胴18の版胴56に対する押圧力が増加して濃度の増加が図られることとなる。
【0061】
この例では、各センサー25,26からの信号に基づいて扇形ギヤ23を通常押圧力発生位置と高押圧力発生位置とに選択的に位置決めさせる構成としたが、モーター24に代えてステッピングモーターを用いると共に温度毎の最適押圧力を制御手段60に記憶させておき、温度に応じてステッピングモーターを適宜作動させ、無段階で圧胴18の版胴56に対する押圧力を制御する構成としてもよい。
さらに、高濃度キー61を押さずともオペレーターがモード切換キー58を操作すると、これに連動して押圧力が切り換えられる構成としてもよい。
【0062】
また、濃度を制御する構成としては押圧力可変手段22に限られず、2枚目のマスタ16に全ベタを製版する際に、サーマルヘッド12に印加する電圧を通常製版時に印加する電圧よりも5〜20%程度増加させることで、サーマルヘッド12の発熱体の発熱温度が上昇してマスタ16の熱可塑性樹脂フィルム16cに形成される穿孔径が大きくなり、インキの通りが良化して濃度低下を防止することができる。この場合には、押圧力可変手段22に代えて、図9に二点鎖線で示すように、操作パネル57上に穿孔径可変手段としての濃度設定ツマミ62を設け、濃度設定ツマミ62の操作により穿孔径を選択する構成とすればよい。
また、濃度設定ツマミ62を操作せずともオペレーターがモード切換キー58を操作すると、これに連動してサーマルヘッド12の印加電圧を切り換える構成としてもよい。
【0063】
さらに濃度を制御する構成として、版胴56に代えて図13に示す版胴63を用いる構成としてもよい。版胴63は、内部に2個のインキパック64,65及び2個のインキポンプ66,67を有し、制御手段60からの指令に基づいて各インキポンプ66,67のうちの何れかを作動させることで、インキパイプ68を介して支軸3にインキを供給するように構成されており、その他の構成は版胴56と同様である。
上述の構成により、インキパック64内に通常モード時に使用されるインキを、インキパック65内に厚物モード時に使用されるインキをそれぞれ貯容し、モード毎に制御手段60によって作動するインキポンプ66,67を切り換えることで、濃度を制御することが可能となる。なお、通常モードに使用されるインキとしては見かけ粘度15〜25(Pa・s)程度のものが、厚物モードに使用されるインキとしては見かけ粘度3〜10(Pa・s)、剪断速度20(1/s)程度のものが、実験の結果良好であった。この版胴63は、上述した押圧力可変手段22あるいは濃度設定ツマミ62を有する孔版印刷装置に用いてもよい。 第2の実施例では、全ベタ製版時において開孔部56bの縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ大きな領域を穿孔製版する構成としたが、開孔部56bの縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mmずつ大きな領域であれば、画像に影響を及ぼすことなく画像のない部分にインキ汚れが発生するという不具合を防止することに効果があることが確認されている。
【0064】
第2の実施例では、原稿画像を穿孔製版したマスタ16の上に全ベタを穿孔製版したマスタ16を2重に巻装する構成としたが、上述したように上に巻装したマスタ16の穿孔部に厚物Pのエッジが位置する場合があり、この場合、上側のマスタ16では多孔性支持体16dでのみ厚物Pのエッジを受ける構成となるため、熱可塑性樹脂フィルム16c及び多孔性支持体16dで厚物Pのエッジを受ける場合に比較して、上側に巻装したマスタ16の寿命(破損までの耐刷枚数)が短くなり、画像のない部分にインキ汚れが発生するまでの枚数が少なくなる。そこで、厚物Pのエッジを確実に上側に巻装したマスタの熱可塑性樹脂フィルム16c及び多孔性支持体16dで受ける構成を第3の実施例として以下に説明する。この第3の実施例は第2の実施例と比較すると制御手段60の動作プログラムのみが相違しており、他の構成は同一であるため、動作のみを説明する。
【0065】
モード切換キー58が押されて厚物モードが設定され、給紙トレイ28上に印刷すべき厚物Pが積載されると共に画像読取手段39に原稿が載置された状態で製版スタートキー41が押下されると、第2の実施例と同様に画像読取動作及び排版動作が行われる。読み取られた画像データが画像読取手段39内のメモリに格納され、版胴56が給版待機状態となると、ステッピングモーター13aが作動してプラテンローラー13が回転し、マスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12によってメモリから読み出された画像データに基づいて熱可塑性樹脂フィルム16cを穿孔製版される。
【0066】
製版されたマスタ16の先端が所定位置に達するとマスタクランパー5が閉じられ、版胴56の外周面上に1枚目のマスタ16が係止される。その後、版胴56がマスタ搬送速度と同じ周速度で回転し、切断手段14が作動してマスタ16が切断され、1枚目のマスタ16の版胴56への巻装動作が完了する。巻装動作完了後、給紙手段27より1枚の厚物Pが給送される。給送された厚物Pは用紙クランパー19にくわえられ、低速回転している圧胴18上に巻装される。厚物Pは図示しないカムにより版胴56に圧接された後、排紙爪36の手前で用紙クランパー19が開放されることで排紙爪36によって圧胴18上より剥離され、排紙ベルト装置37によって排紙トレイ38上に排出されて1回目の版付けが終了する。
【0067】
1回目の版付け動作終了後、版胴56は再び回転を開始して給版待機位置において停止し、マスタクランパー5が開放されて再度給版待機状態となる。版胴56が再度給版待機状態となると、ステッピングモーター13aが再び作動してプラテンローラー13が回転し、マスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、図14に示すように、メモリから読み出された画像データ(図の「あいう」)の全域よりも縦横それぞれ3mmずつ大きな領域の全域にサーマルヘッド12によって穿孔製版され、ベタ領域(図の斜線部)が形成される。ベタ領域が形成されたマスタ16は、プラテンローラー13及びマスタ搬送ローラー対15によって搬送され、版胴56の外周面上に巻装された原稿画像が形成されたマスタ16の上に係止され切断された後、版胴56の回転により版胴56上に巻装される。
【0068】
版胴56の外周面上に製版済みのマスタ16とベタ領域が形成されたマスタ16とが2重に巻装されると、給紙手段27が作動して1枚の厚物Pが圧胴18に向けて給送される。給送された厚物Pは低速回転している圧胴18上に巻装され、図示しないカムにより版胴56に圧接された後、排紙爪36によって圧胴18上より剥離され、排紙ベルト装置37によって排紙トレイ38上に排出されて2回目の版付けが終了する。2回目の版付け終了後に印刷スタートキー42が押下されると、版胴56及び圧胴18が高速回転されると共に給紙手段27より厚物Pが連続的に給送され、印刷が行われる。
【0069】
この構成により、印刷時において厚物Pのエッジは、外側のマスタ16の、熱可塑性樹脂フィルム16cの非穿孔部に確実に位置するので、第2の実施例よりも外側のマスタ16の寿命が延び、画像のない部分にインキ汚れが発生するまでの印刷枚数を増加させることができる。この第3の実施例においてもベタ領域の大きさを製版領域の縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ大きく設定しているが、ベタ領域の大きさを製版領域の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mmずつ大きくすれば、画像に影響を及ぼすことなく画像のない部分にインキ汚れが発生するという不具合を防止することに効果があることが確認されている。また、第3の実施例においても第2の実施例と同様に、押圧力可変手段22あるいは濃度設定ツマミ62を設ける構成、版胴63を用いる構成を採用してもよい。
【0070】
第3の実施例では、画像読取手段39によって読み取られた製版領域を基準としてベタ領域の大きさを決定している。従って、原稿読取手段39に読み取られる原稿の大きさと給紙トレイ28上に積載された厚物Pの大きさとが同じ場合には良好な結果を得ることができるが、原稿(製版領域)の大きさが厚物P(ベタ領域)の大きさよりも大きい場合には、厚物Pのエッジが上側に巻かれる(ベタ領域を形成された)マスタ16における熱可塑性樹脂フィルム16cの穿孔部に位置する場合が生じ、第2の実施例と同様に多孔性支持体16dのみで厚物Pのエッジを受ける場合が生じてしまう。そこで、原稿及び厚物Pの大きさに拘わらず、厚物Pのエッジを確実に上側に巻装したマスタの熱可塑性樹脂フィルム16c及び多孔性支持体16dで受ける構成を第4の実施例として以下に説明する。
【0071】
図15は、本発明の第4の実施例に用いられる給紙トレイ69を示している。この給紙トレイ69は給紙トレイ28に代えて孔版印刷装置55に用いられる。図示しない昇降手段によって筐体55aに上下動自在に支持された給紙トレイ69は、厚物Pを積載するその上面に3箇所の溝部69a,69b,69cを有している。溝部69aにはエンドフェンス70が、溝部69bにはサイドフェンス71が、また溝部69cにはサイドフェンス72が、それぞれ図の矢印方向に移動自在に設けられている。給紙トレイ69の内部には空洞部が形成されており、この空洞部には図16に示すギヤ69dが回転自在に設けられている。各サイドフェンス71,72の下部には脚部71a,72aがそれぞれ一体的に設けられており、各脚部71a,72aにはそれぞれ対向する向きにラック部71b,72bが形成され、各ラック部71b,72bはそれぞれギヤ69dに噛合している。これにより、各サイドフェンス71,72は、何れか一方を移動させることにより他方が追従して移動するように構成されている。
【0072】
給紙トレイ69の用紙搬送方向上流側端部近傍であってエンドフェンス70の移動経路の延長線上には、エンドフェンス70の位置を検出する近接センサーからなるセンサー73が、また、給紙トレイ69の側端部近傍であってサイドフェンス72の移動経路の延長線上には、サイドフェンス72の位置を検出する近接センサーからなるセンサー74がそれぞれ配置されている。各センサー73,74は、エンドフェンス70及びサイドフェンス72の位置をその移動経路上の全ての位置において検出可能であり、各センサー73,74からの検出信号は厚物Pの長さ信号として制御手段60に入力される。各センサー73,74により長さ検出手段が構成されている。
【0073】
以下、第4の実施例の動作を説明する。
モード切換キー58が押されて厚物モードが設定され、給紙トレイ69上に印刷すべき厚物Pが積載されると共に画像読取手段39に原稿が載置された状態で製版スタートキー41が押下されると、第2の実施例と同様に画像読取動作及び排版動作が行われる。読み取られた画像データは画像読取手段39内のメモリに格納され、各センサー73,74からの厚物Pの長さ信号は制御手段60内のRAMに書き込まれる。版胴56が給版待機状態となると、ステッピングモーター13aが作動してプラテンローラー13が回転し、マスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12によってメモリから読み出された画像データに基づいて熱可塑性樹脂フィルム16cを穿孔製版される。
【0074】
第3の実施例と同様に製版された1枚目のマスタ16が版胴56に巻装されると、給紙手段27より1枚の厚物Pが給送されて1回目の版付けが行われる。1回目の版付け動作終了後、版胴56が再び給版待機状態となると、プラテンローラー13が回転してマスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、制御手段60のRAMから読み出された厚物Pの長さ信号に基づき、厚物Pの縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ短い領域の全域にサーマルヘッド12によって穿孔製版され、ベタ領域が形成される。ベタ領域が形成されたマスタ16は、版胴56の外周面上に巻装された原稿画像が形成されたマスタ16の上に巻装される。その後、給紙手段27より1枚の厚物Pが給送され、2回目の版付けが行われる。2回目の版付け終了後に印刷スタートキー42が押下されると、版胴56及び圧胴18が高速回転されると共に給紙手段27より厚物Pが連続的に給送され、印刷が行われる。
【0075】
この構成により、印刷時における厚物Pのエッジが、読み取られる原稿の大きさに拘わらず外側のマスタ16の熱可塑性樹脂フィルム16cの非穿孔部に確実に位置するので、第3の実施例よりも外側のマスタ16の寿命が延び、画像のない部分にインキ汚れが発生するまでの印刷枚数を増加させることができる。この第4の実施例においてもベタ領域の大きさを厚物Pの縦横の長さよりもそれぞれ3mmずつ小さく設定しているが、ベタ領域の大きさを厚物Pの縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mmずつ小さくすれば、画像に影響を及ぼすことなく画像のない部分にインキ汚れが発生するという不具合を防止することに効果があることが確認されている。また、第4の実施例においても第2、第3の実施例と同様に、押圧力可変手段22あるいは濃度設定ツマミ62を設ける構成、版胴63を用いる構成を採用してもよい。
【0076】
上述した第4の実施例では、厚物Pの大きさよりも原稿の大きさが大きい場合には、原稿画像の全てを再現することができない。従って、このような場合には、操作パネル57上の表示装置51に原稿と被印刷物との大きさが違う旨のメッセージを表示させる構成、あるいは画像読取手段39によって原稿画像を読み取る際に各センサー73,74からの厚物Pの大きさの情報を取り込み、厚物Pの大きさに合わせて原稿画像を縮小する構成等を採用してもよい。
さらに第4の実施例では、マスタとして多孔性支持体16dを持たない実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものを用いてもよい。
【0077】
第2、第3、第4の実施例で示した版胴56へのマスタ16の2重巻装による効果を確認するため、確認試験を行った結果を表1に示す。試験の際に、被印刷物としては、最もエッジの大きい鼠枠封筒(葬儀案内の送付等に使用される)を用い、この裏面を版胴側に向けて通紙し、4隅のエッジに対応するマスタの表面からインキが滲出したら不具合(×)とし、その印刷枚数を調査した。表中において、「前側」とは用紙搬送方向下流側の2隅のエッジを、「後側」とは用紙搬送方向上流側の2隅のエッジをそれぞれ示している。
【0078】
【表1】
Figure 0004456700
【0079】
現状では、圧胴として特開平11−227310号公報に開示されているマイクロセルのイノアック製ポロンU−32を表面に有するものを使用し、硬度を12度(JIS−A)まで下げることで300〜400枚の印刷が可能であるが、2重巻装とすることで最高3000枚までの印刷が可能であり、また低コストであるシリコンゴム(硬度JIS−A20度)を表面に有する圧胴を使用した場合であっても最高2250枚までの印刷が可能であり、2重巻装がマスタ破損による印刷物のインキ汚れの防止に効果があることが確認された。
【0080】
次に、砂目による画像不良の発生を防止する例を第5の実施例として説明する。上述した第2、第3、第4の実施例では、版胴56上にマスタ16を2重巻装しているため、被印刷物が外側のマスタ16に接触して外側のマスタ16が破損しても内側のマスタ16が存在するので、砂目の発生防止に効果がある。しかし、砂目の発生する部位は被印刷物の搬送方向先端より5〜10mmの部位が多いため、1版分のマスタ16を2重巻装するとコストアップしてしまうと共に、製版時間が長くなりファーストプリントタイムが長くなってしまう。そこで、この第5の実施例では、図17に示すように、原稿画像が製版されたマスタ16の、被印刷物の搬送方向先端から15mmまでの部位を未製版のマスタ16によって覆うことで、砂目の発生を防止している。この第5の実施例は、第2の実施例と比較すると、制御手段60の動作プログラム及び砂目防止動作を行わせるための図示しないキーを操作パネル57上に有している点において相違しており、他の構成は同一である。以下に第5の実施例の動作を説明する。
【0081】
操作パネル57上の図示しない砂目防止キーが押された後、給紙トレイ28上に印刷すべき被印刷物P1(図18参照)が積載されると共に画像読取手段39に原稿が載置された状態で製版スタートキー41が押下されると、第2の実施例と同様に画像読取動作及び排版動作が行われる。読み取られた画像データは画像読取手段39内のメモリに格納される。版胴56が給版待機状態となると、ステッピングモーター13aが作動してプラテンローラー13が回転し、マスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、サーマルヘッド12によってメモリから読み出された画像データに基づいて熱可塑性樹脂フィルム16cを穿孔製版される。
【0082】
製版された1枚目のマスタ16が版胴56に巻装されると、給紙手段27より1枚の被印刷物P1が給送されて版付けが行われる。版付け動作終了後、版胴56が再び給版待機状態となると、プラテンローラー13が回転してマスタロール16aよりマスタ16が引き出される。引き出されたマスタ16は、図18に示すように、画像データ信号に基づき被印刷物P1の先端が版胴56に接触する位置よりも15mm長い長さに未製版状態で切断され、版胴56の外周面上に巻装された原稿画像が形成されたマスタ16の上に巻装される。2枚目のマスタ16の巻装動作終了後に印刷スタートキー42が押下されると、版胴56及び圧胴18が高速回転されると共に給紙手段27より被印刷物P1が連続的に給送され、印刷が行われる。
【0083】
この構成により、印刷時における被印刷物P1のたるみA(図21参照)が、2重に巻装されたマスタ16の未製版である熱可塑性樹脂フィルム16cに接触するので、外側のマスタ16が破損しても内側のマスタ16が存在するために砂目が発生するまでの印刷枚数を増加させることができ、実験により5000枚以上の印刷枚数が確認されている。この第5の実施例では、外側に巻装されるマスタ16の長さを被印刷物P1の先端が版胴56に接触する位置よりも15mm長い長さに設定したが、外側に巻装されるマスタ16の長さを被印刷物P1の先端が版胴56に接触する位置よりも10〜15mm長い長さとすれば、画像に影響を及ぼすことなく砂目防止に効果があることが確認されている。
また、第5の実施例では、マスタとして多孔性支持体16dを持たない実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものを用いてもよい。
【0084】
【発明の効果】
請求項1、請求項2記載の発明によれば、突出した厚物のエッジによってマスタが破損した場合であってもその破損箇所が版胴開孔部の外側に位置し、版胴内部からのインキはマスタの破損個所には供給されないため、画像のない部分にインキ汚れが発生するという不具合を防止することができる。
【0085】
請求項3、請求項4記載の発明によれば、突出した厚物のエッジによって外側のマスタの熱可塑性樹脂フィルムが破損した場合、あるいは厚物のエッジが外側のマスタの熱可塑性樹脂フィルムの開孔部に位置した場合であっても、外側のマスタの多孔性支持体が厚物のエッジによる内側のマスタの熱可塑性樹脂フィルムの破損を防止するので、画像のない部分にインキ汚れが発生するという不具合を防止することができる。
【0086】
請求項5、請求項6記載の発明によれば、印刷時において厚物のエッジは、外側のマスタの熱可塑性樹脂フィルムの非穿孔部に確実に位置するので外側のマスタの寿命が延び、画像のない部分にインキ汚れが発生するまでの印刷枚数を増加させることができる。
【0087】
請求項7記載の発明によれば、印刷時において厚物のエッジは、読み取られる原稿の大きさに拘わらず外側のマスタの熱可塑性樹脂フィルムの非穿孔部に確実に位置するのでより一層外側のマスタの寿命が延び、画像のない部分にインキ汚れが発生するまでの印刷枚数をより一層増加させることができる。
【0088】
請求項8記載の発明によれば、厚物モード選択時において押圧力可変手段により版胴に対する押圧手段の押圧力が増加するので、印刷濃度を増加させることができる。
【0089】
請求項9記載の発明によれば、厚物モード選択時において穿孔径可変手段によりマスタの穿孔径が増大されるので、印刷濃度を増加させることができる。
【0090】
請求項10記載の発明によれば、厚物モード選択時においてインキ供給手段が通常時とは異なるインキを供給するので、印刷濃度を増加させることができる。
【0091】
請求項11、請求項12記載の発明によれば、外側のマスタが破損しても内側のマスタが存在するので、砂目が発生するまでの印刷枚数を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いられる厚物用版胴を説明する斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いられる操作パネルを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施例における厚物とマスタとの接触状態を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に用いられる孔版印刷装置の概略正面図である。
【図8】本発明の第2の実施例に用いられる版胴を説明する斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例に用いられる操作パネルを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施例の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施例における厚物とマスタとの接触状態を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施例の変形例に用いられる版胴を説明する斜視図である。
【図14】本発明の第3の実施例における版胴へのマスタの2重巻装を説明する図である。
【図15】本発明の第4の実施例に用いられる給紙トレイを説明する図である。
【図16】本発明の第4の実施例に用いられる給紙トレイのサイドフェンスの構造を説明する図である。
【図17】本発明の第5の実施例における版胴へのマスタの2重巻装を説明する図である。
【図18】本発明の第5の実施例における被印刷物とマスタとの接触状態を示す図である。
【図19】従来の印刷における厚物印刷時の問題点を説明する図である。
【図20】従来の印刷における厚物印刷時の問題点を説明する図である。
【図21】従来の印刷における砂目の発生原理を説明する図である。
【図22】従来の印刷における砂目の発生部位を説明する図である。
【符号の説明】
1,55 孔版印刷装置
2 版胴(厚物用版胴)
2b,56b 開孔部
6 インキ供給手段
10 製版手段(製版搬送手段)
16 マスタ
18 押圧手段(圧胴)
22 押圧力可変手段
27 給紙手段
54,60 制御手段
56,63 版胴
62 穿孔径可変手段(濃度設定ツマミ)
73,74 長さ検出手段(センサー)
P 厚物
P1 被印刷物

Claims (12)

  1. 内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、
    前記開孔部の縦横の長さが、前記被印刷物として給送される前記厚物の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mm短く形成されていることを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 装置本体に着脱自在に設けられ、内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、
    前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴として前記厚物の縦横の長さよりもそれぞれ1〜5mm短く形成された前記開孔部を有するものが用いられることを特徴とする孔版印刷方法。
  3. 内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、
    前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、前記開孔部全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタとを用い、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻装後、その上面に第2のマスタを巻装して印刷を行うことを特徴とする孔版印刷方法。
  4. 内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、
    前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択される厚物モードを有し、該厚物モード選択時に前記製版手段を作動させ、マスタに対して前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版を行い、このマスタを前記版胴に巻装させた後に前記製版手段を再び作動させ、マスタに対して前記開孔部全域に応じた穿孔製版を行い、このマスタを先のマスタの上に巻装させる制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
  5. 内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、
    前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に、前記版胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、第1のマスタの穿孔製版領域よりも1〜5mm広い領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタとを用いることを特徴とする孔版印刷方法。
  6. 内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、
    前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択される厚物モードを有し、該厚物モード選択時に前記製版手段を作動させ、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、第1のマスタの穿孔製版領域よりも1〜5mm大きい領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタとを穿孔製版し、それぞれのマスタを前記版胴に巻装させる制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
  7. 内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物として厚紙、葉書、封筒を含む厚物を給送可能な給紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、
    前記被印刷物として前記厚物が用いられる際に選択される厚物モードと、前記厚物の縦横の長さを検出する長さ検出手段とを有し、
    前記厚物モード選択時に前記製版手段を作動させ、前記厚物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、前記長さ検出手段によって検出された前記厚物の長さよりも1〜5mm小さい領域の全域に応じた穿孔製版がなされた第2のマスタとを穿孔製版し、それぞれのマスタを前記版胴に巻装させる制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
  8. 前記押圧手段の押圧力を変化させる押圧力可変手段を有し、前記厚物モード選択時において、前記制御手段は前記押圧手段の押圧力を通常時よりも増加させることを特徴とする請求項5、請求項6または請求項7記載の孔版印刷装置。
  9. 前記製版手段作動時に前記マスタに形成される穿孔の直径を変化させる穿孔径可変手段を有し、前記厚物モード選択時において、前記制御手段は前記版胴上に後から巻装されるマスタの穿孔径を先に巻装されるマスタの穿孔径よりも大きくさせることを特徴とする請求項5ないし請求項8のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。
  10. 前記インキ供給手段が前記版胴に対して2種類のインキを供給可能であり、前記厚物モード選択時において、前記制御手段は前記インキ供給手段より前記版胴に対して通常時とは異なるインキを供給することを特徴とする請求項5ないし請求項9のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。
  11. 内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有し、前記外周面上にマスタが巻装される版胴と、被印刷物を給送する給紙手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、
    前記版胴の外周面上に巻装される前記マスタとして、前記被印刷物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、前記版胴接触時における前記被印刷物の先端から10〜15mmの長さである第2のマスタとを用い、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻装後、その上面に第2のマスタを巻装して印刷を行うことを特徴とする孔版印刷方法。
  12. 内部にインキ供給手段を有すると共に外周面に開孔部を有する版胴と、被印刷物を給送する給紙手段と、マスタを穿孔製版する製版手段と、前記給紙手段より給送された前記被印刷物を前記版胴に押圧し、前記インキ供給手段から供給されたインキを前記開孔部を通して前記被印刷物に転移させる押圧手段とを具備した孔版印刷装置において、
    前記被印刷物に印刷される画像に応じた穿孔製版がなされた第1のマスタと、前記版胴接触時における前記被印刷物の先端から10〜15mmの長さである第2のマスタとを形成し、前記版胴の外周面上に第1のマスタを巻装後、その上面に第2のマスタを巻装させる制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
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