JPH0776052B2 - コンベアシステム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、物品を搬送体に支持して、その搬送体を搬
送するようにしたコンベアシステムに関するものであ
る。

［従来の技術］ 従来、縫製工場等において縫製加工品等の物品を支持し
たハンガー等の搬送体を搬送するためのコンベアシステ
ムとしては、例えば、第10図に示すようなライン構成の
ものが知られている。この従来構成では、例えば特公昭
52−1193号公報に示されるように、ミシン等の加工ステ
ーション（図示しない）を有する多数の副ライン65間を
通るように無端状の主ライン66がそれぞれ設けられると
共に、各主ライン66の端部間にそれらを連結するための
同じく無端状の連結用ライン67が設けられ、物品を支持
した搬送体が、主ライン66及び連結用ライン67に沿っ
て、一つの副ライン65から他の副ライン65へ搬送される
ようになっている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、昨今縫製業界等の製造業界においては、多品
種小ロット化や短サイクル化の進行に伴い、コンベアシ
ステムも工場内で自在の形にレイアウトできることが要
求されると共に、レイアウトの変更や拡張に対して柔軟
に適応する必要があり、しかも、搬送体を最短経路で目
的とするところに搬送させる必要がある。

しかしながら、前記の従来構成では、加工ステーション
を有する副ライン65間が無端の主ライン66及び連結用ラ
イン67を介して連結されているため、レイアウトの自在
性に乏しいと共に、レイアウトの変更や拡張にも柔軟に
適応することができないという問題点があった。

つまり、第10図から明らかなように、従来のコンベアシ
ステムにおいては、各副ライン65は主ライン66の周囲に
並列配置され、各主ラインは連結用ライン67の周囲に並
列配置されるものであって、それらの副ライン65、すな
わち加工ステーションを自在に網の目状に配置したりす
ることができなかった。さらに、例えば第10図に２点鎖
線で示すように、複数の副ライン65を有する主ライン66
を増設しようとする場合には、無端状の連結用ライン67
をその一端において切離すとともに、そのライン67を構
成するための新たなチェーンやレールを追加接続して全
体をストレッチさせ、同ライン67を支持する支柱や金具
を増設してストレッチ部分を増設支柱等に支持させると
いう極めて面倒な工事作業を必要とする。しかも、工事
作業期間中は、連結用ライン67が切離されて使用不能で
あるため、コンベアシステム全体の稼働を停止しなけれ
ばならなかった。そこで、従来は以上の問題を回避する
ために、システム建設時に将来の増設分を見越して設備
を余剰設置し、前記の問題を回避しようとすることが一
般的に行われているが、設備投資の規模及び時期や稼働
コストにおいて無駄が生じるものであった。

又、従来は各主ライン66及び連結用ライン67が常に一方
向しか回転しないため、二つの副ライン65の加工ステー
ション間を最短経路で結ぶことができず、ハンガーを短
時間にて目的とするところまで搬送することができない
という問題点もあった。つまり、例えば第10図において
Ａ位置の副ライン65の加工ステーションとＢ位置やＣ位
置の副ライン65の加工ステーションとは近接しているに
もかかわらず、Ａ位置からＢ位置やＣ位置へハンガーを
搬送する場合、矢印ＤやＥに沿ってダイレクトに搬送す
ることは不可能で、矢印Ｆに示すように迂回搬送する必
要があり、時間がかかるものであった。このことは他の
主ライン66の加工ステーションに対して搬送を行う場合
にさらに顕著で、例えばＡ位置の副ライン65の加工ステ
ーションからＧ位置の副ライン65の加工ステーションに
対して搬送を行う場合には、ハンガーを矢印Ｆ、矢印
Ｈ、矢印Ｇ、矢印Ｉ及び矢印Ｊに沿って延々とライン上
を送る必要があった。

この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に
着目してなされたものであって、その目的とするところ
は、レイアウトの自在生に富むと共に、レイアウトの変
更や拡張にも柔軟に適応することができ、しかも、物品
を支持した搬送体を最短経路で誘導して短時間に搬送す
ることができるコンベアシステムを提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために、この発明のコンベアシス
テムにおいては、相互間隔をおいて設置され、物品を支
持する搬送体を受け入れ保持して、それを別の方向へ振
り分けるための振り分け装置と、その振り分け装置間に
介在され、振り分け装置間で搬送体を搬出又は搬送する
ための複数の中間レールと、前記振り分け装置からの搬
送体を振り分け装置の周囲に配置された加工ステーショ
ンに分配する複数の分配レールとを備えたコンベアシス
テムであって、前記振り分け装置は搬送体の受け入れ及
び分配可能なレール部材を有し、前記中間レール及び分
配レールの端部を振り分け装置を囲んだほぼ同一円周上
にかつほぼ同一高さ位置に設定し、前記振り分け装置は
前記円周の中心を前記レール部材の回転中心としてレー
ル部材の先端が前記中間レール及び分配レールのいずれ
かの端部に対向するように前記レール部材を前記ほぼ同
一高さ位置で回転駆動可能とし、そのレール部材と対向
する中間レール又は分配レールとレール部材との間で搬
送体を直接受け入れ又は分配するようにしたものであ
る。

［作 用］ 上記のように構成されたコンベアシステムにおいては、
中間レール及び分配レールを有する複数の振り分け装置
を中間レールを介して接続配置することによって、レイ
アウトを自在に構成できると共に、レイアウトの変更や
拡張にも柔軟に対応することができる。そして、このコ
ンベアシステムによれば、振り分け装置において搬送体
が所要の方向へ振り分けられるため、搬送体の搬送を、
最短経路で短時間に行うことができる。又、振り分け装
置はレール部材を回転させることにより該レール部材を
中間レール又は分配レールにほぼ同一高さ位置で対向さ
せてレール間で直接搬送体の受け入れ及び分配をするこ
とができるので、搬送体の移し替えのための人手や作業
車両等が不要となるとともに、設置スペースを小さくす
ることができる。更に、振り分け装置による振り分けは
レール部材を回転動作させるだけで達成し得るので、搬
送体の振り分けのために要する時間が一層短くて済む。

［実施例］ 以下、この発明を具体化したハンガーコンベアシステム
の一実施例を、第１図〜第９図に基づいて詳細に説明す
る。

第１図〜第５図に示すように、ハンガー振り分け装置１
は縫製工業等に相互間隔をおいて設置され、各ハンガー
振り分け装置１には床面２上に立設される支柱３が設け
られている。支軸４は支柱３の上端に取付台５を介して
立設され、その上端には支持板６が固定されている。長
四角枠状の分配レール用支枠7aはその中間部において支
持板６の上面に支持固定されている。一対の平行な中間
レール用支枠7bは隣接する振り分け装置１の支持板６間
に跨がって支持固定されている。

ハンガーレール８は複数の吊下具９により前記支枠7a,7
bに吊下支持され、ハンガー振り分け装置１間に配置さ
れた一対の平行な中間レール10と、ハンガー振り分け装
置１の周囲に配置された複数の加工ステーション（図示
略）用の馬蹄形状をなす分配レール10とから構成されて
いる。搬入用レール部10a,11a及び搬出用レール部10b,1
1bは中間レール10及び分配レール11の両端部にそれぞれ
形成され、これらのレール部10a,10b,11a,11bがハンガ
ー振り分け装置１の周囲に同一高さ位置で所定角度（実
施例では45度）おきに配置されている。前記加工ステー
ションは分配レール11の下方に配置されたミシン等の縫
製装置より形成される。

第２図〜第４図に示すように、回転軸12は前記ハンガー
振り分け装置１の支持板６に固定ブラケット13を介して
回転可能に貫通支持され、その下端には駆動スプロケッ
ト14が固定されている。従動スプロケット15は前記支軸
４を介して駆動スプロケット14の反対側に位置するよう
に、支持板６の他側下面に可動ブラケット16を介して回
転可能及び位置調節可能に取着されている。一対の連動
軸17は前記両スプロケット14,15間に位置するように、
支持板６に可動ブラケット18を介して回転可能及び位置
調節可能に貫通支持され、それらの下端には連動スプロ
ケット19が固定されている。

無端状の第１チェーン20は隣接するハンガー振り分け装
置１の駆動スプロケット14と従動スプロケット15とに跨
がって掛装され、支持板６の下面に設けられた複数の案
内用スプロケット21及び各吊下金具９に設けられた複数
のチェーンガイド22により、前記中間レール10に沿って
張設されている。無端状の第２チェーン23は各連動スプ
ロケット19にそれぞれ掛装され、支持板６の下面に設け
られた複数の案内用スプロケット24及び各吊下金具９に
設けられた複数のチェーンガイド（図示略）により、前
記分配レール11に沿って張設されている。

チェーン駆動用のモータ26は前記ハンガー振り分け装置
１の支持板６上に支持脚27を介して装着され、そのモー
タ軸26aには駆動プーリ28が固定されている。従動プー
リ29は回転軸12の上端に固定され、この従動プーリ29と
駆動プーリ28との間にはタイミングベルト30が掛装され
ている。３つの連動プーリ31は回転軸12の中間部及び連
動軸17の上端にそれぞれ固定され、これらの連動プーリ
31にはタイミングベルト32が掛装されている。支持板６
上の一対のテンションプーリ33は、タイミングベルト32
にテンションを付与している。

そして、モータ26の回転により、駆動プーリ28、タイミ
ングベルト30及び従動プーリ29を介して回転軸12が第３
図の反時計方向へ回転され、駆動スプロケット14を介し
て第１チェーン20が同方向に周回移動される。又、前記
回転軸12の回転に伴い、連動プーリ31及びタイミングベ
ルト32を介して両連動軸17が反時計方向へ回転され、連
動スプロケット19を介して両第２チェーン23が同方向に
周回移動される。従って、第１図に矢印で示すように、
ハンガー振り分け装置１間における一対の中間レール10
の搬送方向は互いに逆になり、各分配レール11における
搬送方向は平面反時計方向になる。

第２図、第４図及び第６図に示すように、搬送体として
のハンガー36は一対の転動ローラ37を介して前記ハンガ
ーレール８上に移動可能に連結され、縫製加工品等の物
品を吊下できるようになっている。外周に複数の係合突
起38aを有する一対の係合輪38はハンガー36に回転可能
に支持され、常にはこの係合輪38の回転が図示しない摩
擦手段によって規制されている。そして、係合輪38の係
合突起38aが第１又は第２チェーン20,23に係合した状態
で、チェーン20,23の移動によりハンガー36が中間レー
ル10又は分配レール11に沿って搬送移動される。

第１図に示すように、ハンガー検出装置39は前記中間レ
ール10及び分配レール11の搬入用レール部10a,11aにお
ける吊下金具９に装着され、ハンガー36が中間レール10
又は分配レール11に沿ってハンガー検出装置39と対応す
る位置に搬送されたとき、図示しないストッパとの当接
によりハンガー36の移動が一時的に停止された状態で、
このハンガー検出装置39によりハンガー36に付設された
図示しないハンガー識別用のコードマークが読み取られ
る。なお、ハンガー36の停止時にもチェーン20,23の移
動が継続されるが、この場合は前記摩擦手段の作用に抗
して係合輪38はチェーン移動と共に空転する。

第１図、第２図、第４図及び第５図に示すように、回転
体41は前記ハンガー振り分け装置１の支軸４にラジアル
ベアリング42を介して回転可能に支持され、その下端縁
と取付台５との間にはスラストベアリング43が介装され
ている。複数（実施例では８本）の放射状をなす振り分
けアーム44は中間レール10及び分配レール11の搬入用レ
ール部10a,11a又は搬出用レール部10b,11bと対向できる
ように、回転体41の外周縁に所定角度（実施例では45
度）おきで放射状に突出固定され、第１チェーン20又は
第２チェーン23の移動域と対応する位置まで延びてい
る。

レール部材としての回動レール45は軸46により前記各振
り分けアーム44の先端に回動可能に取着され、その内端
には係合突部45aが形成されている。そして、常には第
４図に示すように、この回動レール45が自重により下降
傾斜状態に保持され、ハンガー36が第１又は第２チェー
ン20,23により中間レール10又は分配レール11の搬入用
レール部10a,11aから振り分けアーム44上に搬入された
とき、そのハンガー36が回動レール45に沿って係合突部
45aと係合する位置まで下降されて、係合輪38が第１又
は第２チェーン20,23との係合から解除される。

第２図〜第５図に示すように、駆動手段としての正逆回
転可能なアーム回転用のサーボモータ47は前記支持板６
上に装着され、そのモータ軸47aには駆動プーリ48が固
定されている。従動プーリ49は支軸４に嵌挿した状態で
回転体41の上面に固定され、この従動プーリ49と駆動プ
ーリ48との間にはタイミングベルト50が掛装されてい
る。そして、前記ハンガー検出装置39の検出結果に基づ
いて、制御回路（図示略）は、検出されたハンガー36に
対して予め設定されている搬送先の加工ステーションに
当該ハンガー36を供給するため、サーボモータ47を正方
向又は逆方向に回動させる。このサーボモータ47の駆動
により回転体41は駆動プーリ48、タイミングベルト50及
び従動プーリ49を介して正方向又は逆方向に45度又はそ
の整数倍の所定角度回転され、前記ハンガー36を支持し
た振り分けアーム44が所定の中間レール10又は分配レー
ル11の搬出用レール部10b,11bと対向する位置に回動配
置される。

第２図及び第４図に示すように、複数の押上用シリンダ
51は各振り分けアーム44の下方において、支持板52によ
り取付台５上に取着され、そのピストンロッド51aの上
端には振り分けアーム44上の回動アーム45に係合可能な
押上体53が設けられている。この押上用シリンダ51は前
記制御回路に接続されており、制御回路はシリンダ51の
ピストンロッド51aを常には没入状態に移動させてお
り、前記回転体41の回転が終了した後にピストンロッド
51aを突出移動させる。そして、第４図に示すように、
この押上用シリンダ51により押上体53が上昇されたと
き、ハンガー36を支持した回動アーム45が下降傾斜状態
から水平状態に回動されて、ハンガー36上の係合輪38が
第１又は第２チェーン20,23に係合される。

第４図及び第７図に示すように、被検出体54は前記回転
体41の下面の各振り分けアーム44に対応する位置にそれ
ぞれ取り付けられている。検出器57は被検出体54に対応
して支持板52上に装着され、この検出器57が被検出体54
の端部を検出することにより、複数の振り分けアーム44
を支持した回転体41の位置が検出される。前記制御回路
は検出器57からの前記被検出体54の検出信号に基づいて
サーボモータ47をフィードバック制御する。この被検出
体54の検出時、振り分けアーム44が中間レール10又は分
配レール11の搬入、搬出用レール部10a,11a,10b,11bと
対向配置されている。

次に、前記のように構成されたハンガーコンベアシステ
ムについて動作を説明する。

さて、この実施例のハンガーコンベアシステムでは、各
ハンガー振り分け装置１に設けられたチェーン駆動用の
モータ26が回転されると、第３図及び第４図に示すよう
に、駆動プーリ28、タイミングベルト30等を介して、第
１チェーン20が中間レール10に沿い第３図の反時計方向
に周回移動されると共に、前記回転軸12の回転に伴い、
連動プーリ31、タイミングベルト32等を介して、第２チ
ューン23が分配レール11に沿い同方向に周回移動され
る。

それにより、中間レール10又は分配レール11上に支持さ
れている物品吊下用のハンガー36は、係合輪38が第１又
は第２チェーン20,23に係合した状態で、中間レール10
又は分配レール11に沿って第１図の矢印方向に搬送移動
される。そして、ハンガー36がハンガー検出装置39と対
応する位置に搬送されたとき、図示しないストッパがハ
ンガー36の移動経路上に突出してハンガー36の移動が一
時的に停止されると共に、ハンガー検出装置39によりハ
ンガー36に付設されたハンガー識別用のコードマークが
読み取られる。

この読み取り動作後に前記ストッパが退避してハンガー
36の停止が解除され、第４図に示すように、ハンガー36
が中間レール10又は分配レール11の搬入用レール部10a,
11aから振り分けアーム44上に搬入されて、下降傾斜状
態の回動アーム45上で係合突条45aと係合する位置まで
自重で下降する。それにより、係合輪38が第１又は第２
チェーン20,23との係合から解除され、ハンガー36が回
動アーム45上に静止保持される。この状態で、前記ハン
ガー検出装置39の検出結果に基づいて、アーム回転用の
モータ47により、駆動プーリ48等を介して回転体41が正
方向又は逆方向に所定角度回転され、ハンガー36を支持
した振り分けアーム44が所定の中間レール10又は分配レ
ール11の搬出用レール部10b,11bと対向する位置に回動
配置される。

その後、前記ハンガー36を支持した振り分けアーム44と
対応する押上用シリンダ51により押上体53が上昇され、
回動アーム45が下降傾斜状態がら水平状態に回動されて
ハンガー36が上昇され、係合輪38が第１又は第２チェー
ン20,23に係合される。それにより、ハンガー36は第１
又は第２チェーン20,23の移動に伴い、振り分けアーム4
4上から中間レール10又は分配レール11の搬出用レール
部10b,11bに搬出され、その中間レール10に沿って次の
ハンガー振り分け装置１に搬送され、若しくは分配レー
ル11に沿って所定の加工ステーションに搬送される。

なお、ハンガー36が分配レール11上において加工ステー
ションと対応する位置に到達すると、分配レール11上に
ストッパが突出してそのハンガー36の移動が停止され
る。縫製作業者等の作業者はこの状態でハンガー36から
縫製加工品等の物品を取外し、その物品に対して縫製等
の作業を施し、そして物品をハンガー36に戻した後、前
記ストッパが退避されて、ハンガー36の搬送が再開され
る。

さて、この実施例のハンガーコンベアシステムによれ
ば、同コンベアシステムが、振り分け装置１と、他の振
り分け装置１との間に介在される中間レール10と、振り
分け装置１の周囲に配置された分配レール11の組合わせ
を１単位として構成されるため、必要個数のハンガー振
り分け装置１を設置すると共に、それらの振り分け装置
１間に中間レール10を介装し、各ハンガー振り分け装置
１の周囲に加工ステーション用の分配レール11を任意に
配置することによって、自在にレイアウトを行うことが
できる。

例えば、第８図では前記１単位を中間レール10が各振り
分け装置１間に位置するように一直線状に並べたもので
ある。又、第９図に示すものは、複数のハンガー振り分
け装置１が横方向及び縦方向に所定間隔おきで設置さ
れ、横方向に隣接するハンガー振り分け装置１間に中間
レール10が介装されると共に、縦方向に隣接する任意の
ハガー振り分け装置１間には中間レール10が介装され、
さらに、各ハンガー振り分け装置１の周囲に加工ステー
ション用の分配レール11が配置されたネットワーク形の
レイアウトになっている。このように直線状、網の目状
に自在にレイアウトできる。この場合、中間レール10及
び分配レール11の搬入用レール部10a,11a及び搬出用レ
ール部10b,11bの間隔が振り分けアーム44間の間隔と一
致しているので、中間レール10や分配レール11の数を増
減したり、入れ替えたりすることを支障なく行うことが
できて、レイアウトを自在に選択することができる。

又、ハンガー振り分け装置１及びこれに付属する中間レ
ール10や分配レール11を増減することにより、レイアウ
トの変更や拡張にも柔軟に対応することができる。つま
り、全体が前記一単位の集合組合わせであるため、レイ
アウトの変更や拡張に伴い、前述した従来構成とは異な
り、ラインの切離しや追加というような面倒な工事作業
が不要で、振り分け装置１の支柱３を床面上に設置した
り、床面から撤去したりすると共に、中間レール10や分
配レール11の位置や数を変更するだけでよい。しかも、
前述した第10図の従来システムとは異なり、各単位ごと
に稼働が可能であるため、工事期間中に他の単位の稼働
を停止するようなことは不要である。このように、レイ
アウトの変更や拡張を稼働停止することなく容易に行い
得るため、システム建設時に設備を余剰設置するという
ような無駄を省くことができる。

さらに、この実施例のハンガーコンベアシステムでは、
縫製加工品等の物品を支持したハンガー36がハンガー振
り分け装置１において所定の方向へ振り分けられるた
め、ハンガー36の搬送を最短経路で誘導して短時間に行
うことができる。つまり、第８図のＫ位置からＬ位置に
ハンガー36を搬送する場合には、振り分け装置１の回動
のみでそのハンガー36をＬ位置に受渡すことができ、第
10図の矢印Ｆに示すような迂回は全く不要である。又、
ハンガー36をＫ位置からＭ位置に搬送する場合には、Ｋ
位置と対応する振り分け装置１を回動させて、中間レー
ル10の搬送方向がＫ位置方向の部分にハンガー36を載
せ、そして、ハンガー36が受渡されたＭ位置と対応する
振り分け装置１をＭ位置へ回動させれば良い。さらに、
第９図において、Ｎ位置からＯ位置にハンガーを送る場
合には、Ｎ位置のラインNLとＯ位置のラインOLとを結ぶ
最寄りの中間レール10を介して最短距離で送ることがで
きる。このように、中間レール10と分配レール11との組
合わせ、選択を適宜行うことにより、ハンガー36の搬送
を所定位置に対して短時間に行うことができる。

なお、この発明は前記実施例の構成に限定されるもので
はなく、例えば、搬送体を物品吊下用のハンガーとは異
なった物品支持用の支持体で構成する等、この発明の趣
旨から逸脱しない範囲で、各部の構成を任意に変更して
具体化することも可能である。

［発明の効果］ この発明は、以上説明したように構成されているため、
コンベアシステムを直線状やネットワーク状だけでなく
自在にレイアウトできると共に、レイアウトの変更や拡
張にも柔軟に適応することができ、しかも、物品を支持
した搬送体を、加工ステーション間において最短経路で
誘導して、短時間に搬送することができる。又、振り分
け装置はレール部材を回転させることにより該レール部
材を中間レール又は分配レールにほぼ同一高さ位置で対
向させてレール間で直接搬送体の受け入れ及び分配する
ことができるので、搬送体の移し替えのための人手や作
業車両等が不要となるとともに、設置スペースを小さく
することができる。更に、振り分け装置による振り分け
はレール部材を回転動作させるだけで達成し得るので、
搬送体の振り分けのために要する時間が一層短くて済
む。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化したハンガーコンベアシステ
ムの一実施例を示す部分横断面図、第２図はその部分正
面図、第３図はハンガー振り分け装置の駆動構成を拡大
して示す部分横断面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線にお
ける断面図、第５図は第３図のＢ−Ｂ線における部分断
面図、第６図は第４図のＣ−Ｃ線における部分断面図、
第７図は第４図のＤ−Ｄ線における部分断面図、第8,9
図は前記実施例のハンガーコンベアシステムを概略的に
示す平面図、第10図は従来のコンベアシステムを示す概
略平面図である。 １……ハンガー振り分け装置、10……中間レール、11…
…分配レール、36……搬送体としてのハンガー、45……
レール部材としての回動レール45。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】相互間隔をおいて設置され、物品を支持す
   る搬送体（36）を受け入れ保持して、それを別の方向へ
   振り分けるための振り分け装置（１）と、 その振り分け装置（１）間に介在され、振り分け装置
   （１）と間で搬送体（36）を搬出又は搬送するための複
   数の中間レール（10）と、 前記振り分け装置（１）からの搬送体（36）を振り分け
   装置（１）の周囲に配置された加工ステーションに分配
   する複数の分配レール（11）と を備えたコンベアシステムであって、 前記振り分け装置（１）は搬送体（36）の受け入れ及び
   分配可能なレール部材（45）を有し、前記中間レール
   （10）及び分配レール（11）の端部を振り分け装置
   （１）を囲んだほぼ同一円周上にかつほぼ同一高さ位置
   に設定し、前記振り分け装置（１）は前記円周の中心を
   前記レール部材（45）の回転中心としてレール部材（4
   5）の先端が前記中間レール（10）及び分配レール（1
   1）のいずれかの端部に対向するように前記レール部材
   （45）を前記ほぼ同一高さ位置で回転駆動可能とし、そ
   のレール部材（45）と対向する中間レール（10）又は分
   配レール（11）とレール部材（45）との間で搬送体（3
   6）を直接受け入れ又は分配するようにしたことを特徴
   とするコンベアシステム。