JPH0758606B2 - 電磁接触器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、電磁接触器に係り、特に接点オーバトラベ
ルや接点ギャップ調整の改善に関するものである。

［従来の技術］ 第６図は例えば特開昭63−79304号公報に示された、従
来に有極電磁石を使用した電磁接触器を示す断面図であ
り、図において、（1a）はコの字形の固定鉄心、（２）
はＬ字形の磁極板、（4a）はＨ形の可動鉄心、（5a）は
コイルスプール、（6e）はモールドで成形されたリン
ク、（7a）はリンク（6e）の支点になる支点軸、（８）
は可動鉄心（4a）とリンク（6e）を連結する連結軸、
（9a），（9b）はストローク及び吸着力を調整するスペ
ーサ、（10）はリンク（6e）により動かされ可動接点を
運ぶクロスバー、（20）は固定接点を内蔵しクロスバー
（10）を収納するカバー、（30）は電磁石部分を収納し
カバー（20）とはめ合わされた本体外観をなすケース、
（40）はカバー（20）内部に有る接点部分とケース（3
0）内部にある電磁石部分を絶縁する。例えばベーク板
等平板状のしゃへい板、（50）は吸引状態から復帰状態
に戻すための引き外しバネである。なお、支点軸（7a）
はコイルスプール（5a）に設けられた穴に入っており、
固定鉄心（1a），磁極板（２）はコイルスプール（5a）
に設けられた溝にははめ込まれている。また、（11）は
ケース（30）に設けられたコイルスプール（5a）の位置
決め用の突起である。

次に動作について説明する。第６図は復帰状態を示して
おり、この状態でコイルを励磁すると可動鉄心（4a）は
図に示すＸ方向に吸引され、これに伴ってクロスバー
（10）はリンク（6e）により図に示すＹ方向に動く。こ
の時、固定接点と可動接点が接触して接点は通電され
る。逆に、この状態でコイルの励磁を切ると、引き外し
バネ（50）の付勢力により復帰状態に戻る。この電流を
切る時、接点間にはアークがでる。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の電磁接触器は以上のように構成されているので、
動作特性や、接点寿命に大きく影響するリンク（6e）と
クロスバー（10）との当接位置を調節するためにスペー
サ（9a），（9b）の厚みを変える際、電磁石部分を分解
して調整しなければならず、このため調整に時間がかか
るとともに調整が難しいという問題点があった。

この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、リンクとクロスバーとの当接位置を調節する
のに、スペーサの厚みを変えることなく、また電磁石部
分を分解して調整することなく、部分組み立ての状態で
容易に調整できる電磁接触器を提供することを目的とす
る。

［課題を解決するための手段］ この発明に係る電磁接触器は、可動鉄心が直線運動をす
る電磁石部と、可動鉄心と平行に動き可動接点と接圧バ
ネを有するクロスバーと、クロスバーを内部で摺動させ
可動接点との接触により電流を通電する固定接点を有す
るカバーと、電磁石部を収納するケースと、上記可動鉄
心との連結部、上記クロスバーとの係合部及びこの係合
部のクロスバーとの係合位置を変化させる折曲げ自在な
平板形状部を有するとともに、上記係合部及び平板形状
部が上記ケースから突出して設けられた金属製のリンク
とを備えたものである。

［作用］ この発明においては、電磁石をケースに収納後、ケース
から突出したリンクの係合部先端に力を加えることによ
り平板形状部は変形し、クロスバーとの係合位置が変化
する。

［発明の実施例］ 以下、この発明の一実施例を図について説明する。

第１図はこの発明の一実施例の電磁接触器を示す断面図
であり、図において、（１）はコの字形の固定鉄心、
（２）はＬ字形の磁極板、（４）はＴ形の可動鉄心、
（５）はコイルスプール、（６）は金属製のリンクであ
り、詳細は後述する。（７）はリンク（６）の支点にな
る支点軸、（８）は可動鉄心（４）とリンク（６）を連
結する連結軸、（9a），（9b）はストローク及び吸着力
を調整するスペーサ、（10）はリンク（６）により動か
され、可動接触子（16）についている可動接点（15）を
運ぶクロスバー、（20）は固定接触子（18）についてい
る固定接点（17）を内蔵し、クロスバー（10）を収納す
るカバー、（30）は電磁石部分を収納しカバー（20）と
はめ合わされた本体外観をなすケース、（41）はカバー
（20）内部に有る接点部分とケース（30）内部にある電
磁石部分を絶縁するしゃへい板、（50）は吸引状態から
復帰状態に戻すための引き外しバネである。ここで、第
２図にリンク（６）の斜視図を示す。図において、（6
a）は、クロスバー（10）との係合部を兼ねる折曲げ自
在な平板形状部で、先端の係合部がクロスバー（10）と
係合する。（6b）は根元のＵ字状部、（6c）は連結軸
（８）により可動鉄心（４）と連結する溝、（6d）は支
点軸（７）用の穴である。また、第３図は電磁石部分の
組立状態を示す図であり、第３図（ａ）に示すように、
支点軸（７）はコイルスプール（５）に設けられた穴
と、リンク（６）の根元に設けられた穴（6d）に挿入さ
れ、固定鉄心（１）および磁極板（２）はコイルスプー
ル（５）に設けられた溝にはめ込まれていて、第３図
（ｂ）に示すように電磁石部分はリンク（６）を含めて
一体となっている。

次に動作について説明する。第１図は復帰状態を示して
おり、この状態でコイルを励磁すると可動鉄心（４）は
図に矢印で示したＸ方向に吸引され、クロスバー（10）
はリンク（６）により図に示すＹ方向に動く。この時、
固定接点（17）と可動接点（15）が接触して接点は通電
される。逆に、この状態でコイルの励磁を切ると引き外
しバネ（50）と付勢力により復帰状態に戻る。この電流
を切る時、接点間にはアークがでる。

また、第４図は第３図に示すようにして組立てられた電
磁石部分がケース（30）に収納された状態を示す斜視図
で、図に示すように電磁石部分がケース（30）に納めら
れた後でも、クロスバー（10）の係合片を兼ねるリンク
（６）の平板形状部（6a）がケース（30）より突出して
いる。したがって、平板形状部（6a）の先端に力を加え
て図の矢印方向に変形させることで、コイルスプール
（５）の基準面Ｐより、容易に位置を調整することが可
能となる。

これによりクロスバー（10）はカバー（20）内の任意の
位置に初期設定することができ、接点が接触開始時点か
ら鉄心の吸引が完了するまでの距離（接点オーバトラベ
ル）や、接点ギャップをこの操作によって調整すること
ができる。

なお、接点オーバトラベルや接点ギャップは、動作（吸
引）特性や接点寿命に大きな影響をもち、製品性能を大
きく左右するものである。

ところで、第５図は電磁接触器の調整後の組立手順を示
す分解斜視図であり、電磁石部分が収められたケース
（30）の固定鉄心（１）上にしゃへい板（41）を載せた
後、固定接触子（18）部分に、可動接点（15）を備えた
クロスバー（10）がはめ込まれたカバー（20）が覆せら
れる。

［発明の効果］ 以上のようにこの発明によれば、可動鉄心に連結された
金属製リンクの一端に形成された折曲げ自在な平板形状
部を、電磁石部を収納したケースから突出して設けたの
で、電磁石部を分解することなく、部分組立の状態でク
ロスバーの位置調整が可能になるとともに、スペーサの
交換が不要となる。これにより、リンクとクロスバーと
の当接位置の調整が容易、かつ、短時間に行うことがで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による電磁接触器の断面
図、第２図はこの発明によるリンクの斜視図、第３図お
よび第４図はこの発明による電磁石部の組立状態を示す
斜視図、第５図はこの発明による電磁接触器の分解斜視
図、第６図は従来の電磁接触器の断面図である。 図において、（４）は可動鉄心、（６）はリンク、（1
0）はクロスバー、（20）はカバー、（30）はケースで
ある。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】可動鉄心が直線運動をする電磁石部と、上
   記可動鉄心と平行移動し、可動接点と接圧バネを有する
   クロスバーと、このクロスバーを内部で摺動させ、上記
   可動接点との接触により電流を通電する固定接点を有す
   るカバーと、上記電磁石部を収納するケースと、上記可
   動鉄心との連結部、上記クロスバーとの係合部及びこの
   係合部のクロスバーとの係合位置を変化させる折曲げ自
   在な平板形状部を有するとともに、上記係合部及び平板
   形状部が上記ケースから突出して設けられた金属製のリ
   ンクとを備えて成る電磁接触器。