JPH0738772B2 - 風味油の製造法 - Google Patents
風味油の製造法Info
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- JPH0738772B2 JPH0738772B2 JP2164986A JP16498690A JPH0738772B2 JP H0738772 B2 JPH0738772 B2 JP H0738772B2 JP 2164986 A JP2164986 A JP 2164986A JP 16498690 A JP16498690 A JP 16498690A JP H0738772 B2 JPH0738772 B2 JP H0738772B2
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- Japan
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- oil
- oils
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- fats
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23D—EDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
- A23D9/00—Other edible oils or fats, e.g. shortenings, cooking oils
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
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- A23D9/007—Other edible oils or fats, e.g. shortenings, cooking oils characterised by ingredients other than fatty acid triglycerides
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L27/00—Spices; Flavouring agents or condiments; Artificial sweetening agents; Table salts; Dietetic salt substitutes; Preparation or treatment thereof
- A23L27/20—Synthetic spices, flavouring agents or condiments
- A23L27/201—Compounds of unspecified constitution characterised by the chemical reaction for their preparation
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
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- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Nutrition Science (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
- Dairy Products (AREA)
- Seasonings (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は風味油の製造法に関し、特に特定の風味を有
する食品用の油脂に限定されることなく、油脂自体の旨
さの根源であるコク味を呈した汎用性のある風味油およ
びそれを製造する方法に関する。
する食品用の油脂に限定されることなく、油脂自体の旨
さの根源であるコク味を呈した汎用性のある風味油およ
びそれを製造する方法に関する。
〔従来の技術〕 常法により精製された一般の食用油脂は、胡麻油、オリ
ーブ油或いはカカオ脂のような特殊な油脂に比べて、殆
ど無味無臭である。従来、このような精製食用油脂を風
味付けした香味油或いは呈味油と呼ばれる油脂が知られ
ており、これらの油脂の製造法として、例えば油脂を強
火加熱したものに茴香、葱、にんにくを投入してエキス
を十分抽出し、次いで温度を下げ花椒を添加してさらに
エキスを抽出してから漉して、炒め料理又は揚げ物料理
用の中華料理独特の風味を呈した香味油を製造する方法
(特公昭57−58901号)、油脂に水分60%以上の野菜、
例えばキャベツ、レタス、ショウガ、ニンニク、ネギ等
の野菜を2mm以下に細断または摩砕して加え、110℃〜16
0℃に保持した後油相を採取して種々の風味を有した風
味油を製造する方法(特公昭59−4972号)、予め加熱し
た油に野菜等の処理物を浸漬して加熱処理すると共に加
熱時に一定条件下で減圧処理し、油中に野菜等のエキス
成分、香りその他の成分を溶解せしめて、クッカー中よ
り油を取出すことにより、肉のステーキ料理用、スキヤ
キ用或いは野菜いため、ラーメン、チャンポン、グラタ
ン、スープ用等の調味用油を製造する方法(特開昭60−
19449号)、油脂と野菜、鳥獣肉、魚介、海藻、スパイ
ス、豆類及びこれらの加工物や醸造物等の香味賦与物と
の混合物又は該混合物の常圧下加熱処理物を、加圧下に
加熱処理して種々の風味を有した香味油を製造する方法
(特開昭62−6651号)等、種々の方法が提案されてい
る。
ーブ油或いはカカオ脂のような特殊な油脂に比べて、殆
ど無味無臭である。従来、このような精製食用油脂を風
味付けした香味油或いは呈味油と呼ばれる油脂が知られ
ており、これらの油脂の製造法として、例えば油脂を強
火加熱したものに茴香、葱、にんにくを投入してエキス
を十分抽出し、次いで温度を下げ花椒を添加してさらに
エキスを抽出してから漉して、炒め料理又は揚げ物料理
用の中華料理独特の風味を呈した香味油を製造する方法
(特公昭57−58901号)、油脂に水分60%以上の野菜、
例えばキャベツ、レタス、ショウガ、ニンニク、ネギ等
の野菜を2mm以下に細断または摩砕して加え、110℃〜16
0℃に保持した後油相を採取して種々の風味を有した風
味油を製造する方法(特公昭59−4972号)、予め加熱し
た油に野菜等の処理物を浸漬して加熱処理すると共に加
熱時に一定条件下で減圧処理し、油中に野菜等のエキス
成分、香りその他の成分を溶解せしめて、クッカー中よ
り油を取出すことにより、肉のステーキ料理用、スキヤ
キ用或いは野菜いため、ラーメン、チャンポン、グラタ
ン、スープ用等の調味用油を製造する方法(特開昭60−
19449号)、油脂と野菜、鳥獣肉、魚介、海藻、スパイ
ス、豆類及びこれらの加工物や醸造物等の香味賦与物と
の混合物又は該混合物の常圧下加熱処理物を、加圧下に
加熱処理して種々の風味を有した香味油を製造する方法
(特開昭62−6651号)等、種々の方法が提案されてい
る。
このように、従来の香味油又は呈味油を製造する方法
は、何れも個々の香味賦与物が有するフレーバー、匂い
等の香味成分を利用したものであって、自体優れた製品
であるが、それぞれ固有の風味を有するものであるため
に用途が限定されるという難点を有する。
は、何れも個々の香味賦与物が有するフレーバー、匂い
等の香味成分を利用したものであって、自体優れた製品
であるが、それぞれ固有の風味を有するものであるため
に用途が限定されるという難点を有する。
一方、このような香味油又は呈味油とは別に、前記した
如く、常法により精製された一般の食用油脂は殆ど無味
無臭であるとはいうものの、実際には各々油脂固有の油
味を有しており、例えば液体油は一般に独特の油っぽさ
があり、またパーム油は独特の粉っぽさがあるというよ
うに、好ましくない油味を有し、かかる不快な油味は経
時的に増加するという欠点を有する。
如く、常法により精製された一般の食用油脂は殆ど無味
無臭であるとはいうものの、実際には各々油脂固有の油
味を有しており、例えば液体油は一般に独特の油っぽさ
があり、またパーム油は独特の粉っぽさがあるというよ
うに、好ましくない油味を有し、かかる不快な油味は経
時的に増加するという欠点を有する。
また、フライ用油として通常大豆油、菜種白絞油、パー
ム油、パーム軟質油等が使用されるが、これらの油は構
成脂肪酸として不飽和酸を多く含むためフライ中に過酸
化物、カルボニル化合物等を生成し、熱酸化安定性に問
題があるため、これの解消法として通常これらの油を水
素添加して熱酸化安定性、保存酸化安定性を高めるとい
う方法がとられているが、これらの硬化油(水素添加
油)をフライ用として用いた場合、硬化油独特の硬化臭
がフライ品に発現し、風味的に好ましくないという欠点
を有する。
ム油、パーム軟質油等が使用されるが、これらの油は構
成脂肪酸として不飽和酸を多く含むためフライ中に過酸
化物、カルボニル化合物等を生成し、熱酸化安定性に問
題があるため、これの解消法として通常これらの油を水
素添加して熱酸化安定性、保存酸化安定性を高めるとい
う方法がとられているが、これらの硬化油(水素添加
油)をフライ用として用いた場合、硬化油独特の硬化臭
がフライ品に発現し、風味的に好ましくないという欠点
を有する。
この発明は、上記する如く、従来の香味油または呈味油
が各々固有の風味を有し用途的に限定されるという難
点、及び一般の食用油脂あるいは硬化油が有する好まし
くない油味あるいは硬化臭及びかかる不快な油味あるい
は硬化臭が経時的に増加するという欠点の解決を指向し
たものであり、加えて乳脂の有資源性に鑑み、乳脂に由
来する優れたこく味を有する油脂の増産を目的とするも
のである。
が各々固有の風味を有し用途的に限定されるという難
点、及び一般の食用油脂あるいは硬化油が有する好まし
くない油味あるいは硬化臭及びかかる不快な油味あるい
は硬化臭が経時的に増加するという欠点の解決を指向し
たものであり、加えて乳脂の有資源性に鑑み、乳脂に由
来する優れたこく味を有する油脂の増産を目的とするも
のである。
この発明は、叙上の課題を解決すべく鋭意研究した結
果、本発明を完成するに至ったものであって、乳製品粉
末100重量部に対し、還元糖1〜20重量部の割合で添加
混合した混合物を水分1〜15重量%の存在下に加熱処理
して得た、糖−加熱処理乳製品粉末を、油脂中に浸漬
し、真空度60mmHg(60Torr)以下の減圧下で90℃以上15
0℃以下の温度にて加熱処理した後、固形分を除去する
ことを特徴とする、風味油の製造法、である。
果、本発明を完成するに至ったものであって、乳製品粉
末100重量部に対し、還元糖1〜20重量部の割合で添加
混合した混合物を水分1〜15重量%の存在下に加熱処理
して得た、糖−加熱処理乳製品粉末を、油脂中に浸漬
し、真空度60mmHg(60Torr)以下の減圧下で90℃以上15
0℃以下の温度にて加熱処理した後、固形分を除去する
ことを特徴とする、風味油の製造法、である。
本発明における糖−加熱処理乳製品粉末に関しては、本
出願人が先に出願した特願昭62−226973号において詳細
に記載しているが、以下簡単に述べると、処理の対象と
する乳製品粉末は、全脂粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳、全
粉調製品、脱粉調製品等が例示でき、また還元糖として
はグルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロー
ス、マルトース等が例示できる。
出願人が先に出願した特願昭62−226973号において詳細
に記載しているが、以下簡単に述べると、処理の対象と
する乳製品粉末は、全脂粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳、全
粉調製品、脱粉調製品等が例示でき、また還元糖として
はグルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロー
ス、マルトース等が例示できる。
乳製品粉末に対する還元糖の混合割合は、前者100重量
部に対し後者1〜20重量部とする。還元糖の混合割合
が、下限未満では効果が得られ難く、上限を越えると還
元糖の甘さが極度に現れると共に、粘性が上がり作業生
が悪くなるので好ましくない。
部に対し後者1〜20重量部とする。還元糖の混合割合
が、下限未満では効果が得られ難く、上限を越えると還
元糖の甘さが極度に現れると共に、粘性が上がり作業生
が悪くなるので好ましくない。
加熱処理に際し、乳製品粉末と還元糖との混合物の水分
量は1〜15重量%になるよう調整する。水分量が下限未
満では効果が得られ難く、また上限を越えると粘性が上
昇して作業性が悪化し、さらに必要以上に時間がかか
る。なお、上記する乳製品粉末は、通常5%以下の範囲
内で水分を含有するものであるため、改めて水を添加し
なくても良い場合もある。
量は1〜15重量%になるよう調整する。水分量が下限未
満では効果が得られ難く、また上限を越えると粘性が上
昇して作業性が悪化し、さらに必要以上に時間がかか
る。なお、上記する乳製品粉末は、通常5%以下の範囲
内で水分を含有するものであるため、改めて水を添加し
なくても良い場合もある。
加熱温度は70〜120℃程度でよく、低温域では長時間
(例えば、70℃では10時間程度)処理し、高温域では短
時間(例えば120℃では10分間程度)処理することによ
って効果が得られ、処理の程度に応じて風味の濃淡が調
節できる。温度が下限未満では効率が悪く、また上限を
越えると生成する風味は良好なものにはならない。
(例えば、70℃では10時間程度)処理し、高温域では短
時間(例えば120℃では10分間程度)処理することによ
って効果が得られ、処理の程度に応じて風味の濃淡が調
節できる。温度が下限未満では効率が悪く、また上限を
越えると生成する風味は良好なものにはならない。
加熱装置は、攪拌羽根及び減圧設備を有する密閉式加熱
攪拌装置(例えば、真空式ニーダー)であればよく、か
かる装置を用いて乳製品粉末と還元糖等の混合物を攪拌
しながら加熱処理する。
攪拌装置(例えば、真空式ニーダー)であればよく、か
かる装置を用いて乳製品粉末と還元糖等の混合物を攪拌
しながら加熱処理する。
なお、乳製品粉末に少量の水を添加したとき、その処理
物が塊状になり易く、これを防止するために配合上許容
される範囲内で砂糖及び又は粉糖を添加するのが好まし
い。砂糖及び又は粉糖の添加量は乳製品粉末100重量部
に対し5〜50重量部で有効である。また、乳製品粉末が
脂肪分の少ない場合、例えば脱脂粉乳を処理する場合は
適当な量(全脂粉乳に換算した量)の植物性油脂を添加
することにより反応時の伝熱係数アップと処理物に残存
する塊状を極力低減させることができる。
物が塊状になり易く、これを防止するために配合上許容
される範囲内で砂糖及び又は粉糖を添加するのが好まし
い。砂糖及び又は粉糖の添加量は乳製品粉末100重量部
に対し5〜50重量部で有効である。また、乳製品粉末が
脂肪分の少ない場合、例えば脱脂粉乳を処理する場合は
適当な量(全脂粉乳に換算した量)の植物性油脂を添加
することにより反応時の伝熱係数アップと処理物に残存
する塊状を極力低減させることができる。
加熱処理が終了した段階で、減圧して水分を除去した
後、冷却する。この冷却物は塊状のものが存在するので
適宜粉砕装置にかけて粉砕する。
後、冷却する。この冷却物は塊状のものが存在するので
適宜粉砕装置にかけて粉砕する。
以上の如くして糖−加熱処理乳製品粉末を調製するが、
糖−加熱処理乳製品粉末は未処理の粉乳とは異なる特有
のキャラメル様の風味を有している。粉乳は上記の如く
糖−加熱処理することによって極めて良好な特徴のある
風味が発現するのであって、糖−加熱処理を経ない粉乳
を当該風味付けに使用しても風味が希薄になり好ましく
ない。
糖−加熱処理乳製品粉末は未処理の粉乳とは異なる特有
のキャラメル様の風味を有している。粉乳は上記の如く
糖−加熱処理することによって極めて良好な特徴のある
風味が発現するのであって、糖−加熱処理を経ない粉乳
を当該風味付けに使用しても風味が希薄になり好ましく
ない。
本発明によれば、上記の如く糖−加熱処理した乳製品粉
末の使用量は、油脂に対して0.1重量%以上で有効な効
果が得られることが多い。また、風味を強調する場合に
は油脂に対して2重量%以上の添加が一般的であるが、
10重量%以上を加えて濃縮風味を作り、これを使用時に
一般の油脂で適当に希釈することもできる。
末の使用量は、油脂に対して0.1重量%以上で有効な効
果が得られることが多い。また、風味を強調する場合に
は油脂に対して2重量%以上の添加が一般的であるが、
10重量%以上を加えて濃縮風味を作り、これを使用時に
一般の油脂で適当に希釈することもできる。
かくして、上記の如く糖−加熱処理した乳製品粉末を添
加した油脂を減圧下に加熱攪拌する。減圧の条件は真空
度60mmHg(60Torr)以下で実施する必要がある。真空度
が60mmHgを越えると酸化安定性が悪化する傾向を示す。
また、加熱温度は90℃以上150℃以下で行う必要があ
り、下限未満では効果を得難く、逆に上限を越えると焦
げ臭を感ずるようになる。なお、加熱時間は通常2時間
程度でよいが、時間の長短はそれ程影響を与えるもので
はない。
加した油脂を減圧下に加熱攪拌する。減圧の条件は真空
度60mmHg(60Torr)以下で実施する必要がある。真空度
が60mmHgを越えると酸化安定性が悪化する傾向を示す。
また、加熱温度は90℃以上150℃以下で行う必要があ
り、下限未満では効果を得難く、逆に上限を越えると焦
げ臭を感ずるようになる。なお、加熱時間は通常2時間
程度でよいが、時間の長短はそれ程影響を与えるもので
はない。
次いで、加熱攪拌処理を終了した処理物を冷却し、濾
過、遠心分離、デカンテーション等、従来公知の分離手
段にて油脂と固型分とに分離することによって風味油を
得る。
過、遠心分離、デカンテーション等、従来公知の分離手
段にて油脂と固型分とに分離することによって風味油を
得る。
この発明において、風味付けする対象の油脂としては例
えば、ナタネ油、大豆油、ヒヤワリ種子油、綿実油、落
花生油、コーン油、サフラワー油、カポック油、月見草
油、パーム油、シア脂、サル脂、ヤシ油、パーム核油等
の植物性油脂並びに牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物
性油脂が例示でき、上記油脂類の単独又は混合油或いは
それらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂
又は合成油脂であってもよく、液体油から融点の高い油
脂に至るまで幅広い油脂が適応できる。これらの油脂
は、特に精製された油脂であるのが好ましい。特に、風
味付けする対象の油脂としてパール油、パームオレイン
或いは硬化大豆油、硬化ナタネ油を使用したものは、乳
脂と同等のこく味を有していながら、乳脂に比較して遥
かに酸化安定性に優れたものが得られる。
えば、ナタネ油、大豆油、ヒヤワリ種子油、綿実油、落
花生油、コーン油、サフラワー油、カポック油、月見草
油、パーム油、シア脂、サル脂、ヤシ油、パーム核油等
の植物性油脂並びに牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物
性油脂が例示でき、上記油脂類の単独又は混合油或いは
それらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂
又は合成油脂であってもよく、液体油から融点の高い油
脂に至るまで幅広い油脂が適応できる。これらの油脂
は、特に精製された油脂であるのが好ましい。特に、風
味付けする対象の油脂としてパール油、パームオレイン
或いは硬化大豆油、硬化ナタネ油を使用したものは、乳
脂と同等のこく味を有していながら、乳脂に比較して遥
かに酸化安定性に優れたものが得られる。
以上の如く、この発明によって得られる風味油は、特定
の食品用に限定されることなく、油脂自体の旨さの根源
であるコク味を呈した汎用性のある呈味を有するもので
あって、フライ用、スプレー用、マーガリン用、ショー
トニング用、練り込み用、クリーム用等、各種食品の用
途に適した油脂として使用し得るものである。
の食品用に限定されることなく、油脂自体の旨さの根源
であるコク味を呈した汎用性のある呈味を有するもので
あって、フライ用、スプレー用、マーガリン用、ショー
トニング用、練り込み用、クリーム用等、各種食品の用
途に適した油脂として使用し得るものである。
以下に実施例及び比較例を例示して本発明効果をより一
層明瞭にするが、これらは例示であって本発明の精神が
これらの例示に限定されるものではない。なお、例中部
及び%は何れも重量基準を意味する。
層明瞭にするが、これらは例示であって本発明の精神が
これらの例示に限定されるものではない。なお、例中部
及び%は何れも重量基準を意味する。
実施例1 全脂粉乳90部とブドウ糖5部との混合物に水5部を添加
して、100℃に1時間攪拌しながら加熱処理した後、減
圧下に脱水し冷却して粗粉末品を得た。次いで粗粉末品
を粉砕して平均粒子径が0.5mmの糖−加熱処理乳製品粉
末を得た。この糖−加熱処理乳製品粉末1部に対して、
20部の精製硬化パーム油(上昇融点30℃)を混合し、約
60mmHgの真空下に90℃にて2時間加熱攪拌した後、約60
℃まで冷却し、油脂と固型分を濾別して風味油を得た。
して、100℃に1時間攪拌しながら加熱処理した後、減
圧下に脱水し冷却して粗粉末品を得た。次いで粗粉末品
を粉砕して平均粒子径が0.5mmの糖−加熱処理乳製品粉
末を得た。この糖−加熱処理乳製品粉末1部に対して、
20部の精製硬化パーム油(上昇融点30℃)を混合し、約
60mmHgの真空下に90℃にて2時間加熱攪拌した後、約60
℃まで冷却し、油脂と固型分を濾別して風味油を得た。
この風味油と精製硬化パーム油を使用してドーナツをフ
ライし、20名のパネラーによる官能評価を行ったとこ
ろ、風味油を良いと答えた者は20名であり、本例によっ
て得られた風味油が圧倒的に良好であると支持された。
ライし、20名のパネラーによる官能評価を行ったとこ
ろ、風味油を良いと答えた者は20名であり、本例によっ
て得られた風味油が圧倒的に良好であると支持された。
比較例1 全脂粉乳1部に対し、20部の精製硬化パーム油を混合
し、実施例1と同様の方法で実施して処理油を得た。こ
の処理油を使用してフライしたドーナツは、香ばしさに
欠けるものであった。
し、実施例1と同様の方法で実施して処理油を得た。こ
の処理油を使用してフライしたドーナツは、香ばしさに
欠けるものであった。
比較例2 実施例1と同様の方法で、70℃にて精製硬化パーム油と
接触させた処理油は、風味の強度が実施例1よりも弱い
ものであった。
接触させた処理油は、風味の強度が実施例1よりも弱い
ものであった。
比較例3 実施例1と同様の方法で、160℃にて精製硬化パーム油
と接触させた処理油は、焦げ臭が感じられた。
と接触させた処理油は、焦げ臭が感じられた。
実施例2 全脂粉乳70部とグラニュー糖粉末25部及びブドウ糖5部
との混合物に水5部を添加して、95℃に80分間攪拌しな
がら加熱処理した後、減圧下に脱水し、冷却して粗粉末
品を得た。この粗粉末品は、前例に比べて粒子径がより
細かくなっていた。次いで粗粉末品を粉砕して平均粒子
径が0.5mmの糖−加熱処理乳製品粉末を得た。
との混合物に水5部を添加して、95℃に80分間攪拌しな
がら加熱処理した後、減圧下に脱水し、冷却して粗粉末
品を得た。この粗粉末品は、前例に比べて粒子径がより
細かくなっていた。次いで粗粉末品を粉砕して平均粒子
径が0.5mmの糖−加熱処理乳製品粉末を得た。
この糖−加熱処理乳製品粉末1部を、20部の精製硬化菜
種油(上昇融点35℃)と混合し、約5mmHgの真空下に120
℃にて90分間加熱攪拌した後、60℃まで冷却し、油脂と
固形分を濾別して風味油を得た。
種油(上昇融点35℃)と混合し、約5mmHgの真空下に120
℃にて90分間加熱攪拌した後、60℃まで冷却し、油脂と
固形分を濾別して風味油を得た。
この風味油と精製硬化菜種油を用いてキャンディーを製
造し、20名のパネラーによる官能評価を行ったところ、
風味油を良いと答えた者は17名、精製硬化菜種油を良い
と答えた者2名、どちらでもないと答えたもの1名であ
り、本例によって得られた風味油が圧倒的に良好である
と支持された。
造し、20名のパネラーによる官能評価を行ったところ、
風味油を良いと答えた者は17名、精製硬化菜種油を良い
と答えた者2名、どちらでもないと答えたもの1名であ
り、本例によって得られた風味油が圧倒的に良好である
と支持された。
以上の如く、この発明による方法によって、従来油っぽ
いといわれてきた液体油或いはパーム油等の油脂にコク
味を付与することが可能となったのであり、また硬化油
の硬化臭をマスキングすることが可能となったのであっ
て、各種の食品に幅広く使用できる汎用性のある油脂が
得られるようになったのである。
いといわれてきた液体油或いはパーム油等の油脂にコク
味を付与することが可能となったのであり、また硬化油
の硬化臭をマスキングすることが可能となったのであっ
て、各種の食品に幅広く使用できる汎用性のある油脂が
得られるようになったのである。
Claims (1)
- 【請求項1】乳製品粉末100重量部に対し、還元糖1〜2
0重量部の割合で添加混合した混合物を水分1〜15重量
%の存在下に加熱処理して得た、糖−加熱処理乳製品粉
末を、油脂中に浸漬し、真空度60mmHg(60Torr)以下の
減圧下で90℃以上150℃以下の温度にて加熱処理した
後、固形分を除去することを特徴とする、風味油の製造
法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2164986A JPH0738772B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | 風味油の製造法 |
KR1019910010076A KR0139284B1 (ko) | 1990-06-21 | 1991-06-18 | 풍미유(風味油) 및 그 제조방법 |
DE69100786T DE69100786T3 (de) | 1990-06-21 | 1991-06-20 | Aroma-Oel und Verfahren zu seiner Herstellung. |
EP91305604A EP0462838B2 (en) | 1990-06-21 | 1991-06-20 | Flavour oil and process for producing the same |
US07/967,533 US5229156A (en) | 1990-06-21 | 1992-10-27 | Flavor oil and process for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2164986A JPH0738772B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | 風味油の製造法 |
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