JPH07119343B2 - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物

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JPH07119343B2
JPH07119343B2 JP15574889A JP15574889A JPH07119343B2 JP H07119343 B2 JPH07119343 B2 JP H07119343B2 JP 15574889 A JP15574889 A JP 15574889A JP 15574889 A JP15574889 A JP 15574889A JP H07119343 B2 JPH07119343 B2 JP H07119343B2
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良雄 鈴木
譲 石橋
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スチレン系樹脂とポリアミドイミドエラスト
マーとを含む樹脂組成物に関し、とくに該組成物は、優
れた永久帯電防止性を有し、ビデオカセット、ビデオデ
ィスクをはじめとし、エレクトロニクス、家電、OA機器
などの各種部品に静電気帯電を防止しうる材料として使
用できる。
〔従来の技術〕
スチレン系樹脂は安価であり、機械的強度、剛性などの
機械的特性や成形性に優れていることから広範な分野で
使用されている。しかし、ビデオカセット、ICカード、
複写機、テレビなどの電子・電気機械部分(部品)で静
電気帯電による障害が発生したり、家電製品やOA機器の
ハウジングなどで静電気帯電によりゴミが付着して汚れ
るなどの障害が発生しており、スチレン系樹脂の持つ特
性に加え、帯電防止性の付与された材料の開発が望まれ
ている。
スチレン系樹脂の耐衝撃性や制電制を改良するため、ポ
リアミドエラストマーをスチレン系樹脂に添加する方法
が特開昭59-193959号公報、特開昭60-23435号公報、特
開昭63-95251号公報、特開昭63-97653号公報などに提案
されている。
このようなポリアミドエラストマーとしては、ハードセ
グメントがポリアミドで、ソフトセグメントがポリエー
テルでその両セグメントをエステル結合で連結したポリ
エーテルエステルアミド;両セグメントをアミド結合で
連結したポリエーテルアミド、あるいはソフトセグメン
トがポリエステルであるポリエステルアミドなどが用い
られているが、これらのポリアミドエラストマーはスチ
レン系樹脂との相溶性が悪い。
また、特開昭59-193959号公報には、ポリアミドエラス
トマーとの相溶性をよくするために、カルボキシル基を
含むビニルモノマーを共重合したビニル共重合体を用い
て、耐衝撃性を改良することが記載されているが、ポリ
アミドエラストマーを40重量%以上使用しているので、
剛性が低くなっている。
特開昭60-23435号公報には、ポリエーテルエステルアミ
ド5〜80重量部とカルボキシル基を含有するビニル共重
合体95〜20重量部とからなる組成物が記載されており、
これによって相溶性を改良して、帯電防止性を付与して
いるが、実用的な帯電防止性能を得るためには、ポリエ
ーテルエステルアミドの添加量が多くなり、曲げ弾性率
が十分でない。
特開昭63-95251号公報には、ポリエーテルエステルアミ
ド、ゴム変性ポリスチレン樹脂及びカルボキシル基含有
ビニル共重合体からなる組成物が記載され、帯電防止性
と光沢を有する成形品が得られている。
また、特開昭63-97653号公報には、ポリアミドエラスト
マーをスチレン系樹脂に0.01〜10μに微分散すること
で、層状剥離をなくし、かつ帯電防止性も付与した組成
物について開示している。
〔発明が解決しようとする課題〕 一般に、ポリアミドエラストマーはスチレン系樹脂と相
溶性が悪い。このために、従来では、スチレン系樹脂に
カルボキシル基を導入して相溶性を改良しているが、十
分な帯電防止効果を得るためには、比較的多量のポリア
ミドエラストマーを添加する必要がある。しかしなが
ら、このような場合にはポリアミドエラストマーの量が
多いために、スチレン系樹脂の曲げ弾性率が低くなると
いう欠点を有している。
さらに、従来、スチレン系樹脂に配合されるポリアミド
エラストマーとしては、ポリエーテルエステルアミド、
ポリエーテルアミドあるいはポリエステルアミドが検討
されている。しかし、ポリエーテルアミドはその製造法
が煩雑でかつ高価なポリエーテルジアミンを用いるた
め、コスト的に不利であり、また、ポリエステルポリア
ミドは親水性が低く、帯電防止効果を発現しにくい。
とくに、ポリエーテルエステルアミドは比較的安価なポ
リオキシアルキレングリコールを原料としているため
に、コスト的にも有利であり、これを用い、かつ曲げ弾
性率も改良することが試みられている(特開昭63-95251
号)。しかしながら、ポリエーテルエステルアミドは、
耐熱性が必ずしも十分でなく、スチレン系樹脂に混練さ
れた場合でも、成形時などに高温に曝される時間が長く
なると、得られた成形品の機械的物性や帯電防止性など
の物性が低下することがある。
したがって、帯電防止剤が均一に分散され、剛性が高
く、熱安定性も十分で、かつ実用的な帯電防止性能を発
揮し、しかも安価な永久帯電防止されたスチレン系樹脂
組成物はいまだ開発されていないのである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的を解決すべく、スチレン系樹脂
とポリオキシエチレングリコールを主たるソフトセグメ
ントとする熱可塑性エラストマーとのブレンドについて
鋭意検討した結果、ポリオキシエチレングリコールをソ
フトセグメントとし、カプロラクタムとトリメリット酸
あるいはピロメリット酸のような三価あるいは四価の少
なくとも1つのイミド環を形成しうる芳香族多価カルボ
ン酸から得られたポリアミドイミドジカルボン酸をハー
ドセグメントとするポリアミドイミドエラストマーは、
スチレン系樹脂との親和性が適度に良く、耐熱性もあ
り、比較的少量で優れた帯電防止効果を発現することを
見出した。また、スチレン系樹脂組成物の剛性も保持さ
れ、しかも、該エラストマーが安価に製造できることで
上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達し
た。
すなわち、本発明は; (A)スチレン系樹脂97〜70重量%、および (B)(a)カプロラクタム、 (b)少なくとも1個のイミド環を形成しうる三価ある
いは四価の芳香族ポリカルボン酸及び、 (c)ポリオキシエチレングリコールあるいは少なくと
も50重量%のポリオキシエチレングリコールとポリオキ
シエチレングリコール以外のポリオキシアルキレングリ
コールの混合物から得られ、しかも(c)のグリコール
成分の含有量が85〜40重量%で、温度30℃での相対粘度
が1.5以上であるポリアミドイミドエラストマー3〜30
重量% を含むことを特徴とするスチレン系樹脂組成物を提供す
るものである。
また、本発明は;(B)成分のポリアミドイミドエラ
ストマーを構成するモノマーとして、さらに、(d)炭
素数2〜10のジアミンの中から選ばれた少なくとも1種
のジアミンを併用してなるスチレン系樹脂組成物であ
る。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明における(A)スチレン系樹脂としては、ゴム強
化ポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体(ABS樹脂)、スチレン−ゴム共重合
体−(メタ)アクリル酸メチル(MBS樹脂)、スチレン
−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、およびスチレ
ンモノマーを主成分とし、これに他のビニルモノマー、
例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、マレ
イミド、アクリルアミド等を共重合したランダム、ブロ
ックあるいはグラフト重合体などが挙げられる。
本発明に用いられる前記ゴム強化ポリスチレン樹脂は、
工業的には、ゴム状物質をスチレンモノマーに溶解し、
塊状あるいはまた塊状懸濁重合などにより製造される。
ゴム状物質としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体などが用いられ、通常ゴム状物質は平均
粒子径0.5〜5μの大きさで粒子状にスチレン樹脂中に
分散している。
さらにこれらのスチレン系樹脂を構成するスチレンの一
部を、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−
t−ブチルスチレンなどで置換したものも含まれる。
ポリアミドイミドエラストマーをスチレン系樹脂に混練
したとき、どのような機構で帯電防止効果が発現される
のか明確でないが、層状剥離することなく、完全には相
溶とはならない適度の親和性を持つものが好ましく、ポ
リアミドイミドエラストマーの組成はスチレン系樹脂の
組成により、適宜選ばれる。
本発明の(B)の成分のポリアミドイミドエラストマー
は、(a)カプロラクタム、(b)三価あるいは四価の
多価カルボン酸及び、(c)ポリオキシエチレングリコ
ールあるいはポリオキシエチレングリコールとポリオキ
シエチレングリコール以外のポリオキシアルキレングリ
コールとの混合物からなり、しかも、(a)成分と
(b)成分とからハードセグメントとなるポリアミドイ
ミドが得られ、これがソフトセグメントである(c)成
分のグリコールとエステル結合で連結されたマルチブロ
ック型の共重合体である。
(b)成分としては、アミノ基と反応して少なくとも1
つのイミド環を形成しうる三価又は四価の芳香族カルボ
ン酸あるいはこれらカルボン酸の無水物が用いられる。
(b)成分として用いる三価のトリカルボン酸として
は、具体的には、1,2,4−トリメリット酸、1,2,5−ナフ
タレントリカルボン酸、2,6,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、3,3′,4−ジフェニルトリカルボン酸、ベンゾフ
ェノン−3,3′,4−トリカルボン酸、ジフェニルスルホ
ン−3,3′,4−トリカルボン酸、ジフェニルエーテル−
3,3′,4−トリカルボン酸などが挙げられる。
また、四価のカルボン酸としては、具体的には、ピロメ
リット酸、ジフェニル−2,2′,3,3′−テトラカルボン
酸、ベンゾフェノン−2,2′,3,3′−テトラカルボン
酸、ジフェニルスルホン−2,2′,3,3′−テトラカルボ
ン酸、ジフェニルエーテル−2,2′,3,3′−テトラカル
ボン酸などが挙げられる。
これらのカルボン酸は、グリコール成分(c)に対して
実質上等モル、すなわち、0.9〜1.1倍モルの範囲で用い
られる。
ハードセグメントであるポリアミドイミドは、エラスト
マーの耐熱性、強度、硬度やスチレン系樹脂との親和性
に関与するものである。エラストマー中でのポリアミド
イミド含量が、15〜60重量%であることが必要である。
該含量が15重量%未満では、エラストマー中の強度が低
くなり、スチレン系樹脂に混練したとき、衝撃強度が低
くなるので好ましくないし、60重量%を越えると、親和
性が悪くなったり、帯電防止効果が低くなったりするの
で好ましくない。
また、ポリアミドイミドの数平均分子量は、500以上、3
000以下であることが好ましく、より好ましくは500以
上、2000以下である。ポリアミドイミドの数平均分子量
が500未満となると融点が低くなり、耐熱性が低下する
し、また3000を越えるとスチレン樹脂との親和性が低く
なるので好ましくない。
さらに、耐熱性を向上させるためにポリアミドイミドに
さらにイミド環を導入するために(d)ジアミンを併用
する場合には、前記カルボン酸はグリコール成分(c)
とジアミン成分(d)の合計モル数に対して0.9〜1.1倍
モルで用いられる。
(d)成分のジアミンとしては、エチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェ
ニレンジアミンなどが挙げられる。この使用量はグリコ
ール成分(c)の1倍モル以下とすることが好ましく、
これよりも多く用いると均質なエラストマーが得られに
くくなり、スチレン系樹脂との親和性が低下するので好
ましくない。
ポリアミドイミドエラストマー中の(c)成分として
は、ポリオキシエチレングリコールあるいはポリオキシ
エチレングリコールとポリオキシエチレングリコール以
外のポリオキシアルキレングリコールとの混合物が用い
られる。
使用するポリオキシエチレングリコールの数平均分子量
は、特に制限はないが、500〜5000であることが好まし
い。500より小さいと、エラストマーの組成にもよる
が、融点が低くなったりして耐熱性が不足してくること
があるので好ましくない。また、5000を越えると、強靱
なエラストマーを合成しにくくなり、スチレン系樹脂に
混練した時に、衝撃強度の低下や剛性の低下などが生じ
ることがあるので好ましくない。
ポリオキシエチレングリコールと併用することのできる
ポリオキシアルキレングリコールとしては、グリコール
成分の50重量%未満で、数平均分子量が500〜5000のポ
リオキシテトラメチレングリコール、変性ポリオキシテ
トラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
ールなどを用いることができる。
変性ポリオキシテトラメチレングリコールとしては、通
常のポリオキシテトラメチレングリコールの−(CH2)4
O−の一部を−R−O−で置き換えたものが挙げられ
る。ここで、Rは炭素数2〜10のアルキレン基であり、
具体的には、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プ
ロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2,2−ジ
メチル−1,3−プロピレン基、ペンタメチレン基、ヘキ
サメチレン基などが好ましく挙げられる。変性量につい
ては特に制限はないが、通常3〜50重量%の範囲で選ば
れる。また、この変性量や前記アルキレン基の種類は、
スチレン系樹脂組成物の要求特性、例えば低温耐衝撃
性、耐熱性などによって適宜選ばれる。
この変性ポリオキシテトラメチレングリコールは、例え
ばヘテロポリ酸を触媒とするテトラヒドロフランとジオ
ールとの共重合や、ジオール又はジオールの縮合物であ
る環状エーテルとブタンジオールとの共重合などによっ
て製造することができる。
本発明に用いるポリアミドイミドエラストマーの製造法
に関しては、均質なポリアミドイミドエラストマーが製
造できる方法であればどのような方法でもよく、例え
ば、次の方法などが用いられる。
カプロラクタム成分(a)、芳香族多価カルボン酸成分
(b)及びグリコール成分(c)とを、(b)成分と
(c)成分が実質上等モルになる割合で混合し、生成す
る重合体中の水分含有率を0.1〜1重量%に保ちなが
ら、150〜300℃、より好ましくは180〜280℃で重合する
方法である。本方法では、脱水縮合させる際に、反応温
度を段階的に昇温させることもできる。
この際、一部のカプロラクタムは未反応で残るが、これ
は減圧下に留去して反応混合物から除く。この未反応の
カプロラクタムを除いた後の反応混合物は、必要に応じ
て減圧下200〜300℃、より好ましくは230〜280℃で後重
合することによりさらに高重合させることができる。
該反応方法では脱水縮合の過程でエステル化とアミド化
を同時に起こさせることにより、粗大相分離することを
防止し、これにより均質で透明なエラストマーが得ら
れ、これがスチレン系樹脂との親和性に優れ、スチレン
系樹脂に混練したときに、優れた帯電防止効果、機械的
特性を発現するのである。
エステル化反応とカプロラクタムの重合とを同時に起こ
させ、しかも夫々の反応速度をコントロールして、透明
性を有し、且つ均質なエラストマーを得るためには、生
成する水を系外に除去して、反応系の水分含量を0.1〜
1重量%の範囲に保持して重合することが好ましい。こ
の水分含量が1重量%を越えるとカプロラクタムの重合
が優先して粗大相分離を生じ、一方、0.1重量%未満で
はエステル化が優先してカプロラクタムが反応せず、所
望の組成のエラストマーが得られない。また、該水分含
量はエラストマーに望まれる物性に応じて前記範囲内で
適宜選ばれる。
また、該反応では、所望に応じ、反応の進行に伴い反応
系中の水分含量を減少させていく方法もとりうる。この
水分含量のコントロールは、例えば反応温度、不活性ガ
スの導入流量、減圧度あるいは反応器構造などの反応条
件によって行うことができる。
本発明に用いるポリアミドイミドエラストマーの重合度
を、必要に応じて任意に変えることができるが、0.5重
量%1メタクレゾール容量%で30℃で測定した相対粘度
が1.5以上になるようにするのが好ましい。1.5より低い
と、機械的物性を充分に発現することができないなどの
欠点が生じてき、スチレン系樹脂に混練した場合にも、
機械的物性が不足することがある。より好ましくは1.6
以上が望ましい。
ジアミン(d)を併用する場合に、1段で反応させる方
法と2段で反応させる方法のいずれかで行うことができ
る。前者はカプロラクタム(a)、カルボン酸成分
(b)、グリコール成分(c)、及びジアミン成分
(d)を同時に仕込み、反応させる方法である。また、
後者は、カルボン酸成分(b)とジアミン成分(d)を
先に反応させ、次いでカプロラクタム(a)とグリコー
ル成分(c)とを合わせて反応させる方法である。
ポリアミドイミドエラストマーを製造する際に、エステ
ル化触媒を重合促進剤として用いることができる。
この重合促進剤としては、例えばリン酸などのリン化合
物;テトラブチルオルソチタネート、テトライソプロピ
ルオルソチタネートなどのテトラアルキルオルソチタネ
ート;テトラブトキシジルコニウムなどのテトラアルコ
キシジルコニウム;ジブチルスズオキシド、ジブチルス
ズラウレートなどのスズ系触媒;酢酸マンガンなどのマ
ンガン系触媒;三酸化アンチモンなどのアンチモン系触
媒;酢酸鉛などの鉛系触媒などが好適である。触媒の添
加時期は重合初期でもよいし、また重合中期でもよい。
また、得られたポリアミドイミドエラストマーの熱安定
性を高めるために、各種の耐熱老化防止剤、酸化防止剤
などの安定剤を用いることができ、これらは重合の初
期、中期、末期のどの段階で添加してもよい。また、重
合後、スチレン系樹脂との混練前に添加することもでき
る。
この耐熱安定剤としては、例えばN,N′−ヘキサメチレ
ン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシケイ
ヒ酸アミド)、4,4′−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)などの各種ヒンダードフェノール
類;N,N′−ビス(β−ナフチル)−p−フェニレンジア
ミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、
ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)な
どの芳香族アミン類;塩化銅、ヨウ化銅などの銅塩;ジ
ラウリルチオジプロピオネートなどのイオウ化合物やリ
ン化合物などが挙げられる。
本発明における(A)成分のスチレン系樹脂と(B)成
分のポリアミドイミドエラストマーとの割合は、(B)
成分が3〜30重量%であることを要し、より好ましくは
6〜20重量%であり、3重量%未満では十分な帯電防止
効果が得られず、30重量%を越えると、剛性が不足する
ので好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分の混合
物を公知の方法、例えばバンバリーミキサー、ミキシン
グロール、一軸若しくは二軸の押出機等を使用して混練
する方法を用いることができる。この際の混練温度は18
0〜280℃の範囲で行うのが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲に
おいて、他の成分、例えば顔料、染料、補強剤、充填
剤、熱安定剤、酸化防止剤、核剤、滑剤、可塑剤、離型
剤、他の重合体等を、混練過程や成形過程等の任意の過
程において含有させることができる。
このようにして得られた本発明のスチレン系樹脂組成物
は、一般に熱可塑性樹脂の成形に用いられている公知の
方法、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成
形等の方法によって成形することができる。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、組成物及びエラストマーの各物性は次に示す方法
に従って求めた。
(1)引張強度及び引張伸度: ASTM D638に準じて1/8インチ厚みのダンベル片を用い、
23℃、55%RHで測定した。
但し、エラストマーは、降伏点を有しないものが多いた
め、1mm厚みのダンベル片を用い、引張強度及び引張伸
度を絶乾状態で測定した。
(2)曲げ弾性率: ASTM D790に準じて1/8インチ厚みの試験片を用い、23
℃、55%RHで測定した。
(3)アイゾット衝撃強度: ASTM D256に準じて1/8インチ厚みのノッチ付試験片を用
いて、23℃、55%RHで測定した。
(4)帯電圧テスト: スタテイックオネストメーター(宍戸商会製)で8KVで
静電圧を印加し、電圧除去後、試料の帯電圧が半減する
時間を23℃、55%RHで測定した。
(5)エラストマーの相対粘度: メタクレゾール中30℃、0.5wt/vol%の条件で測定し
た。
(6)エラストマーの熱分解温度: 重量減少温度は示差熱天秤を用い、昇温速度10℃/分で
測定した。
製造例1:ポリアミドイミドエラストマー(B−1)の製
造。
攪拌機、窒素導入口及び留去管を取付けた10lのSUS製反
応容器に、ポリオキシエチレングリコール(数平均分子
量1980)2680g、無水トリメリット酸259.4g、カプロラ
クタム1707g及びペンタエリスリチル−テトラキス〔3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕とトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイトの1:1ブレンド品(商品名:イルガ
ノックスB225:酸化防止剤)8.0gを仕込み、100℃で1Tor
rに減圧し、1時間攪拌して原料中の水分を除去した。
その後、窒素を導入して300Torrに圧力を保持しなが
ら、260℃に昇温して4時間重合し、同温度で徐々に減
圧して、未反応のカプロラクタムを留去した。
次いで、再び窒素を導入して200Torrに圧力を保持し、
テトラブチルオルソチタネート4.0gをカプロラクタム10
0gに溶解した溶液を添加した後、1Torrに減圧し、同温
度で7時間重合した。得られたポリマーを冷却ベルト上
にガット状に吐出し、ペレタイズすることによってペレ
ット状のエラストマーを得た。
このエラストマーは、淡褐色透明で、ポリオキシエチレ
ングリコールの含有量が67重量%であり、相対粘度2.18
で、引張強度及び伸度は各々、310kg/cm2、850%であっ
た。
また、このエラストマーの熱分解開始温度、10%重量減
少温度、30%重量減少温度は、夫々353℃、377℃、394
℃であった。
製造例2:ポリアミドイミドエラストマー(B−2)の製
造。
攪拌機、窒素導入口及び留去管を取付けた500mlのセパ
ラブルフラスコに、ポリオキシエチレングリコール(数
平均分子量2010)144g、無水トリメリット酸13.7g、カ
プロラクタム68.2g及びポリ(2,2,4−トリメチル−1,2
−ジヒドロキノリン)(商品名:ノクラック224:酸化防
止剤)0.4gを仕込み、100℃で攪拌しながら30分間1Torr
以下に減圧して脱水した。次いで、常圧にもどし、窒素
を60ml/分で流しながら260℃に昇温し、4時間重合を行
った後、同温度で徐々に減圧して、未反応のカプロラク
タムを系外に留去した。
次いで、テトラブチルオルソチタネート0.4gを添加し、
1Torrに減圧して、7時間重合して淡黄色透明のエラス
トマーを得た。
このエラストマーは、ポリオキシエチレングリコールの
含有量が72重量%であり、ポリアミドイミドの数平均分
子量は800で、相対粘度2.25で、引張強度及び伸度は290
kg/cm2、1200%であった。
また、このエラストマーの熱分解開始温度、10%重量減
少温度、30%重量減少温度は、夫々350℃、425℃、443
℃であった。
なお、260℃で反応開始後、1、2、4時間後の重合系
中の水量は0.7重量%、0.6重量%、0.6重量%であっ
た。
製造例3〜8:ポリアミドイミドエラストマー(B−3〜
B−7)及びポリアミドエラストマー(B−8)の製
造。
製造例2と同様にして第1表に示す組成のポリアミドイ
ミドエラストマー及びポリアミドエラストマーを製造し
た。
なお、製造例5では、テトラブチルオルソチタネートに
代えて、テトラブトキシジルコニウムを用い、また、製
造例7では、三酸化アンチモンを0.1重量%仕込んで反
応させ、カプロラクタム留去後、テトラブチルオルソチ
タネート0.1重量%を用いて重合した。
また、製造例7で使用しているネオペンチルグリコール
変性ポリオキシテトラメチレングリコール(NPG変性PTM
Gと略す)は、次のようにして製造した。
攪拌装置と還流冷却器を付けた容器に、テトラヒドロフ
ラン(THF)600gとネオペンチルグリコール70.5gを仕込
み、次いで、250℃で3時間加熱して、無水の状態にし
たリンタングステン酸(H3PW12O40)300gを加えた。窒
素下、温度60℃で7時間攪拌した後、室温で静置して二
相に分離した。上層から未反応のTHFを蒸留で除き、透
明で粘性のあるポリマー142gを得た。
水酸基を測定した結果、このポリマーの数平均分子量
は、1060であり、THF/ネオペンチルグリコール=5:1モ
ル比の共重合グリコールであった。
その結果を下記第1〜2表に示した。
製造例8:ポリアミドエラストマー(B−8)の製造。
実施例2の装置の留去管を還流冷却器に代えて、カプロ
ラクタム167g、アジピン酸33.2g及び水6gを仕込み、260
℃で6時間反応して、末端カルボキシル基のポリカプラ
ミドを製造した。このものは、酸価測定から、数平均分
子量883であった。
実施例2の装置に前記ポリアミド40g、ポリオキシエチ
レングリコール(数平均分子量2010)96g、酸化防止剤
〔N,N−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシケイ皮酸アミド)、商品名、イルガノッ
クス1098〕0.3g及びテトラブチルオルソチタネート0.2g
を仕込み、240℃で溶融してから、減圧にして1Torrで2
時間、さらに1Torr、260℃で9時間重合したところ、重
合中に粗大相分離を起こした。
その溶融物は、乳白色となり、重合終了時点までは透明
とならず、得られたエラストマーは、淡褐色不透明で脆
いものであった。
そのエラストマーの熱分解開始温度、10%重量減少温
度、30%重量減少温度は、夫々291℃、362℃、380℃で
あった。
製造例9:ポリアミドイミドエラストマー(B−9)の製
造。
実施例2と同様の装置にカプロラクタム40g、ポリオキ
シエチレングリコール(数平均分子量2040)91g、無水
トリメリット酸11.2g、ヘキサメチレンジアミン1.5g
(ポリオキシエチレングリコールに対するモル比0.
3)、リン酸0.15g及び「ノクラック224」0.2gを仕込
み、260℃で、窒素70ml/分で流しながら、4時間反応さ
せた。次いで、未反応のカプロラクタムを減圧で留去し
た後、テトライソプロピルオルソチタネート0.3gを添加
して、1Torrで5時間反応させて、黄色透明エラストマ
ーを得た。
このエラストマーは、ポリオキシエチレングリコールを
72重量%含有し、相対粘度1.90で、引張強度295kg/c
m2、引張伸度1020%であり、熱分解開始温度、10%重量
減少温度、30%重量減少温度は、夫々350℃、403℃、43
8℃であった。
実施例1〜12 スチレン系樹脂及びエラストマーを第3表に示す割合で
混合し、一軸押出機(30mmダルメージ付きスクリュウ、
L/D=26)で240℃で混練押出し、冷却浴を通してペレッ
ト化した。このペレットを80℃で3時間ギヤオーブン中
で乾燥した後、下記条件で射出成形を行い、物性測定用
試験片を作成した。いずれも優れた光沢を示した。
シリンダー温度:250℃ 金型温度 :80 ℃ 射出圧力 :700kg/cm2 射出時間 :15 秒 冷却時間 :15 秒 物性の測定結果を第3表に示した。
比較例1〜3 スチレン系樹脂、あるいはスチレン系樹脂及びエラスト
マーを第3表に示す割合で混合し、実施例1〜12と同じ
ようにして物性を測定した結果を下記第3表に示した。
実施例13 実施例1で得られた樹脂組成物をシリンダー温度280℃
で射出成形したが、外観、物性共に変化がなかった。比
較のため、比較例3で得られた樹脂組成物を280℃で射
出成形すると、光沢が減少し、引張強度も242kg/cm2
なり、減少が見られた。
実施例14 実施例1で作成したテスト用試料片を1日間流水に浸し
ておいたのち、80℃で真空乾燥して帯電圧テストを行っ
た結果、帯電圧半減時間は3秒で、水洗前と変わらなか
った。
実施例15 実施例1、4及び10で作成した試料片を23℃、50%RHで
3ケ月放置した後、帯電圧テストを行ったところ、半減
時間はそれぞれ、3、2、2秒で初期の値と変わらなか
った。
なお、実施例、比較例で用いたスチレン系樹脂は次のと
おりである。
A−1:ブタジエン系ゴム12重量%を含有するスチレン樹
脂。
A−2:スチレン樹脂(200℃、5kgで測定したメルトフロ
ーレート2.3g/10mm)。
A−3:旭化成工業(株)製 スタイラックABS。
A−4:旭化成工業(株)製 スタイラックAS。
〔発明の効果〕 本発明のスチレン系樹脂組成物の特徴は、優れた帯電防
止効果、剛性及び光沢を兼備し、静電気障害や静電気に
よる汚れ、ゴミ付着などの極めて少ない、外観の良好な
成形品を与えることである。
また、ゴム強化することで衝撃強度も著しく改良され、
例えば、ビデオカセット、ICカード、複写機、テレビの
ハウジングなどエレクトロニクス、家電、自動車、OA機
器等の幅広い分野で種々の用途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−199756(JP,A) 特開 昭60−158222(JP,A) 特開 平1−223128(JP,A) 特開 平1−168734(JP,A) 特開 昭62−116659(JP,A) 特開 昭58−134135(JP,A) 特表 昭60−501010(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)スチレン系樹脂97〜70重量%、およ
    び (B)(a)カプロラクタム、 (b)少なくとも1個のイミド環を形成しうる三価ある
    いは四価の芳香族ポリカルボン酸及び、 (c)ポリオキシエチレングリコールあるいは少なくと
    も50重量%のポリオキシエチレングリコールとポリオキ
    シエチレングリコール以外のポリオキシアルキレングリ
    コールの混合物から得られ、しかも(c)のグリコール
    成分の含有量が85〜40重量%で、温度30℃での相対粘度
    が1.5以上であるポリアミドイミドエラストマー3〜30
    重量%を含むことを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)スチレン系樹脂97〜70重量%、およ
    び (B)(a)カプロラクタム、 (b)少なくとも1個のイミド環を形成しうる三価ある
    いは四価の芳香族ポリカルボン酸及び、 (c)ポリオキシエチレングリコールあるいは少なくと
    も50重量%のポリオキシエチレングリコールとポリオキ
    シエチレングリコール以外のポリオキシアルキレングリ
    コールの混合物及び、(d)炭素数2〜10のジアミンの
    中から選ばれた少なくとも1種のジアミンから得られ、
    しかも(c)のグリコール成分の含有量が85〜40重量%
    で、温度30℃での相対粘度1.5以上であるポリアミドイ
    ミドエラストマー3〜30重量% を含むことを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
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