JP2501612B2 - ポリアセタ―ル樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタ―ル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、耐衝撃性の改良されたポリアセタール樹脂
組成物に関するものである。さらに詳しくいえば、本発
明は、例えばエレクトロニクス、自動車、OA機器、家電
製品などの分野における材料として好適な耐衝撃性、耐
熱性及び剛性に優れ、かつ良好な潤滑性や外観の光沢度
を有する成形品を与えることのできるポリアセタール樹
脂組成物に関するものである。
従来の技術 従来、ポリアセタール樹脂は機械的性質と電気的性質
とのバランスのとれたエンジニアリング樹脂として多く
の分野で利用されているが、耐衝撃性が十分でないとい
う欠点を有している。
したがって、このようなポリアセタール樹脂の欠点で
ある耐衝撃性を改善するために、これまで種々の研究が
なされており、ポリウレタンエラストマーとのブレンド
物が数多く提案されている。これらの中には例えば、特
殊な物性を有する脂肪族のポリウレタンエラストマーを
5〜60重量%ブレンドして成る光沢のない耐衝撃性に優
れたポリアセタール樹脂組成物(特開昭59−145243号公
報)、ポリウレタンエラストマー15〜40重量%を0.01〜
0.9μmに微分散させて成る耐衝撃性の向上したポリア
セタール樹脂組成物(特開昭59−155453号公報)などが
ある。しかしながら、これらのポリアセタール樹脂組成
物においては、耐衝撃性は大幅に改善されているもの
の、曲げ弾性率が低下し、ポリアセタール樹脂の好まし
い物性の1つである剛性をそこなう。また、4,4′−メ
チレン−ビス(フェニルイソシアネート)とポリオキシ
テトラメチレングリコールと低分子量直鎖ジオールとの
共重合体であるウレタンエラストマー5〜50重量%をブ
レンドすることにより、低温から高温までの広い範囲の
温度領域にわたって耐衝撃性を改良し、かつ曲げ弾性率
の低下を抑制することとも試みられているが(特開昭61
−19652号公報)、この場合も曲げ弾性率や剛性の低下
を免れない。
一方、前記のポリウレタンエラストマー以外に、例え
ば脂肪族ポリエーテルをブレンドした組成物(特公昭50
−33095号公報)、コポリエステルとのブレンド物(特
公昭60−19331号公報)、ポリアミドエラストマーとの
ブレンド物(特開昭61−183345号公報)などが知られて
いるが、これらも、耐衝撃性と曲げ弾性率が共に十分に
満足しうる程度に改善されているとはいえない。
このように優れた耐衝撃性と剛性を合わせもつポリア
セタール樹脂はこれまで見出されておらず、その開発が
強く望まれていた。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような要望にこたえ、ポリアセタール
樹脂が本来有する優れた成形性、機械的強度、剛性、耐
熱性、耐溶剤性などの特性バランス、特に剛性をあまり
そこなうことなく、耐衝撃性を付与したポリアセタール
樹脂組成物を提供することを目的としてなされたもので
ある。
課題を解決するための手段 本発明者らは、優れた特性を有するポリアセタール樹
脂組成物を開発するために鋭意研究を重ねた結果、特定
の構造と物性を有する、ポリアセタール樹脂との親和性
の比較的良好なポリアミドイミドエラストマーを、所定
の割合でポリアセタール樹脂とブレンドすることによ
り、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ポリアセタール樹脂70〜
97重量%及び(B)(イ)カプロラクタムと(ロ)数平
均分子量500〜4000のポリオキシテトラメチレングリコ
ール、オキシアルキレン変性ポリオキシテトラメチレン
グリコール、ポリオキシエチレングリコール及びα,ω
−ジヒドロキシ炭化水素の中から選ばれた少なくとも1
種の高分子グリコール成分と(ハ)芳香族トリカルボン
酸、芳香族テトラカルボン酸及びそれらの酸無水物の中
から選ばれた少なくとも1種のカルボン酸成分との共重
合体であって、ポリアミドイミドセグメントの数平均分
子量が400〜3000のポリアミドイミドセグメントの含量
が10〜65重量%、温度30℃における相対粘度が1.5以
上、肉厚1mmにおけるヘイズ数が75%以下のポリアミド
イミドエラストマー30〜3重量%から成るポリアセター
ル樹脂組成物を提供するものである。
ところで、ポリアミドエラストマーをポリアセタール
樹脂にブレンドすることはすでに知られており、例えば
市販の12−ナイロン系エラストマーをポリアセタール樹
脂に混合し、帯電防止性を付与することが提案されてい
る(特開昭59−191752号公報)。しかしながら、このも
のについて、耐衝撃性を試験したところ、その改善はほ
とんどなされていないことが分った。また、12−ナイロ
ン系エラストマーをポリアセタール樹脂に混練して耐衝
撃性を改良することが試みられているが(特開昭61−18
3345号公報)、6−ナイロン系エラストマーについては
行われていない。
本発明は、イミド環を含む6−ナイロンをハードセグ
メントとする特殊なポリアミドイミドエラストマーを用
いることによりポリアセタール樹脂の剛性をそこなわず
に、耐衝撃性を向上しうることを見出し、この知見に基
づいてなされたものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物における(A)成分のポリアセタール樹
脂としては、オキシメチレン単独重合体や、主としてオ
キシメチレン単位から成り、かつ主鎖中に2〜8個の隣
接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を含有す
るオキシメチレン共重合体が用いられる。
一方、本発明組成物において、(B)成分として用い
られるポリアミドイミドエラストマーは、ポリアミドイ
ミドをハードセグメントとする、均質に重合された強靭
で透明性を有するマルチブッロックポリマーである。こ
のポリアミドイミドエラストマーは、メタクレゾール中
(0.5重量/容量%)温度30℃における相対粘度が1.5以
上、好ましくは1.6以上であることが必要である。この
ような高分子量のエラストマーはより強靱であって、ポ
リアセタール樹脂に、このエラストマーを配合したもの
は、優れた耐衝撃性を示す。該エラストマーの相対粘度
が1.5より小さいと、エラストマーはもろくなり、この
ものをポリアセタール樹脂に配合しても、耐衝撃性の向
上効果は十分に発揮されず、むしろ、強度の低下をもた
らすおそれがある。
また、該ポリアミドイミドエラストマーは、厚み1mm
でのヘイズ数が75%以下とにごりのない透明性を有する
ことが必要で、この透明性はポリアミドイミドエラスト
マーが均質に重合されているかどうかの指標となるもの
である。ヘイズ数が75%を越えると、にごりが出てくる
ようになり、これはエラストマー中のポリアミドイミド
セグメントの分布が均一でないことによる。このような
エラストマーをポリアセタール樹脂に混練した場合、相
容性を欠き、得られた組成物は、所望の物性を示さなく
なる。
このポリアミドイミドエラストマーにおける(イ)成
分と(ハ)成分とから形成されるポリアミドイミドセグ
メントの数平均分子量は400〜3000、好ましくは400〜15
00の範囲にあることが必要である。この分子量が400未
満のものではハードドメインの凝集力が低くて、ポリア
ミドイミドエラストマーの強度や弾性に劣り、ポリアセ
タール樹脂の耐衝撃性の改良効果が十分に発揮されな
い。一方、3000を越えるとポリアミドイミドエラストマ
ーの融点が高くなるため、ポリアセタール樹脂と混練し
にくくなったり、相容性が低下して所望物性を示さなく
なったり、十分に混練しようとすると混練温度を高くす
る必要があって、ポリアセタール樹脂が分解しやすくな
る。
また、該ポリアミドイミドエラストマー中のポリアミ
ドイミドセグメントの含有量は10〜65重量%の範囲にあ
ることが必要である。この量が10重量%未満ではポリア
ミドイミドエラストマーのゴム弾性が低くて、耐衝撃性
の改良効果が十分に発揮されないし、また65重量%を越
えるとポリアセタール樹脂との相容性が低下して、耐衝
撃性の改良効果が十分に発揮されにくくなる。
該ポリアミドイミドセグメントの含有量や数平均分子
量は、エラストマーについての所望物性の使用する高分
子グリコールの種類や分子量などによって適宜選ばれ
る。
前記(B)成分のポリアミドイミドエラストマーにお
ける(ロ)成分の高分子グリコールとしては、ポリオキ
シテトラメチレングリコール、オキシアルキレン変性ポ
リオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレ
ングリコール及びα,ω−ジヒドロキシ炭化水素の中か
ら選ばれた1種あるいは2種以上の混合物が用いられ
る。これらの高分子グリコールの数平均分子量が500〜4
000の範囲にあることが必要である。この分子量が500未
満では、共重合体にもよるが、得られるエラストマーの
融点が低かったり、他の物性が不十分であるなどの問題
が生じ、一方4000を越えると低温でのゴム弾性がなくな
ったり、耐衝撃性改良効果が不十分となるおそれがあ
る。
α,ω−ジヒドロキシ炭化水素としては、例えばオレ
フィンやブタジエンを重合して末端を水酸基化し、かつ
その二重結合を水添して得られるポリオレフィングリコ
ールや水添ポリブタジエングリコールなどを用いること
ができるが、これらの炭化水素は数平均分子量が500〜4
000の範囲にあるものがよい。この数平均分子量が500よ
り小さいと得られるエラストマーの融点が低くなった
り、物性が劣るものになったりするし、また、4000を越
えると反応点が少なくなって、重合しにくくなり、この
ようなエラストマーを用いてもポリアセタール樹脂の改
質効果が十分に発揮されない。
また、前記高分子グリコール成分としては、ポリオキ
シテトラメチレングリコールを用いる場合、その数平均
分子量が4000を越えると低温特性が劣化する傾向があ
り、ゴム弾性が低下して、ポリアセタール樹脂の耐衝撃
性の改良効果が不十分となる。
特に、ポリオキシテトラメチレングリコールのみをソ
フトセグメントとする場合には、低温特性を考慮して数
平均分子量が500〜2500のものを用いるのが好ましい。
さらに、数平均分子量が1500〜2500のポリオキシテトラ
メチレングリコールでは、低温特性の観点からみて、そ
の分子量分布▲▼/▲▼(▲▼は末端
水酸基価より求めた数平均分子量、▲▼は式 ▲▼=anti log(0.493 logη+3.0646) で規定される粘度平均分子量であり、ηは40℃の温度に
おける溶融粘度をポアズで示したものである)が1.6以
下とシャープなものを用いる方が好ましい。
本発明においては、前記のポリオキシテトラメチレン
グリコールの代りに、オキシアルキレン変性ポリオキシ
テトラメチレングリコールも用いることができる。この
オキシアルキレン変性ポリオキシテトラメチレングリコ
ールとしては、通常のポリオキシテトラメチレングリコ
ールの−(CH2)4−0−の一部を−R−0−で置き換えた
ものが挙げられる。ここでRは炭素数2〜10のアルキレ
ン基であり、具体的にはエチレン基、1,2−プロピレン
基、1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン
基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、ペンタメチレ
ン基、ヘキサメチレン基などが好ましく挙げられる。変
性量については特に制限はないが、通常3〜50重量%の
範囲で選ばれる。またこの変性量や前記アルキレン基の
種類は、エラストマーの低温特性やポリアセタール樹脂
との相容性などによって適宜選ばれる。
このオキシアルキレン変性ポリオキシテトラメチレン
グリコールは、例えばヘテロポリ酸を触媒とするテトラ
ヒドロフランとジオールとの共重合や、ジオール又はジ
オールの縮合物である環状エーテルとブタンジオールと
の共重合などによって製造することができる。
ポリオキシエチレングリコールとしては数平均分子量
が400〜4000の範囲にあるものが用いられる。この数平
均分子量が400より小さいと、ゴム弾性が発現しにくく
なるし、また4000を越えると反応点が少なくなって、ポ
リアセタール樹脂の改質に十分な効果を示すポリアミド
エラストマーが得にくくなる。特に、ポリオキシエチレ
ングリコールもポリオキシテトラメチレングリコールと
同様、高分子量になると凍結しやすくなるため、ポリオ
キシエチレングリコールのみをソフトセグメントとして
用いる場合は、数平均分子量が400〜2000の範囲のもの
を用いるのが好ましい。
該ポリアミドイミドエラストマーにおける(ハ)成
分、すなわちアミノ基と結合して、1個のイミド環を形
成しうる芳香族トリカルボン酸又は2個のイミド環を形
成しうる芳香族テトラカルボン酸又はそれらの酸無水物
は、前記(ロ)成分の高分子グリコールに対して実質上
等モル、すなわち0.9〜1.1倍モル、好ましくは0.95〜1.
05倍モルとなるように用いることが望ましい。この芳香
族カルボン酸又はその酸無水物の量が前記範囲を逸脱す
ると得られるポリアミドイミドエラストマーの分子量が
大きくならず、機械的物性の低下をもたらす。
前記芳香族トリ若しくはテトラカルボン酸は、芳香環
の隣接位置に2個のカルボキシル基をもつ芳香族トリカ
ルボン酸又はこのような隣接カルボキシル基を2対有す
る芳香族テトラカルボン酸であって、このようなものと
しては、例えば1,2,4−トリメリット酸、1,2,5−ナフタ
レントリカルボン酸、2,6,7−ナフタレントリカルボン
酸、3,3′,4−ジフェニルトリカルボン酸、ベンゾフェ
ノン−3,3′4−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン
−3,3′4−トリカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,
3′4−トリカルボン酸、ピロメリット酸、ジフェニル
−2,2′3,3′−テトラカルボン酸、ベンゾフェノン−2,
2′3,3′−テトラカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,
2′3,3′−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,
2′3,3′−テトラカルボン酸などが挙げられる。
本発明組成物において、(B)成分として用いられる
ポリアミドイミドエラストマーは、例えば前記(イ)成
分、(ロ)成分及び(ハ)成分を、該(ロ)成分と
(ハ)成分とが実質上等モルになるような割合で混合
し、反応系中の水分含有量を0.1〜1重量%に保ちなが
ら、150〜300℃の範囲の温度において加熱反応させたの
ち、反応混合物から未反応カプロラクタムを除去し、必
要に応じて、さらに200〜300℃において後重合させるこ
とにより、所望のポリアミドイミドエラストマーを製造
することができる(特願昭62−328711号参照)。
前記反応においては、(イ)カプロラクタム、(ロ)
高分子グリコール成分及び(ハ)カルボン酸成分を、15
0〜300℃、好ましくは180〜280℃の範囲の温度において
溶融脱水縮合させるが、この際反応温度を段階的に昇温
させることもできる。
この際、一部のカプロラクタムは未反応で残るが、こ
れは減圧下に留去して反応混合物から除く。この未反応
のカプロラクタムを除いた後の反応混合物は、必要に応
じ減圧下200〜300℃、より好ましくは230〜280℃で後重
合することによりさらに高重合させることができる。
本発明における反応温度が150℃未満では重合速度が
著しく遅くて実用的でなく、また300℃を越えると熱劣
化が起こるようになるので好ましくない。
エステル化反応とカプロラクタムの重合を同時に起こ
させ、しかもそれぞれの反応速度をコントロールして、
透明性を有し、かつ均質なエラストマーを得るために
は、生成する水を系外に除去して、反応系の水分含量を
0.1〜1重量%の範囲に保持して重合することが望まし
い。この水分含有量が1重量%を越えるとカプロラクタ
ムの重合が優先して粗大相分離を生じ、一方0.1重量%
未満ではエステル化が優先してカプロラクタムが反応せ
ず、所望の組成のエラストマーが得られない。また、該
水分含量はエラストマーに望まれる物性に応じて前記範
囲内で適宜選ばれる。
この反応においては、所望に応じ、反応の進行に伴
い、反応系中の水分含量を減少させていく方法もとりう
る。この水分含量のコントロールは、例えば反応温度、
不活性ガスの導入流量、減圧度、あるいは反応器構造な
どの反応条件によって行うことができる。
また、該反応においては、エステル化触媒を重合促進
剤として用いることができ、該触媒としては、例えばリ
ン酸、テトラブチルチタネートなどのテトラアルキルチ
タネート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレ
ートなどのスズ系触媒、酢酸マンガンなどのマンガン系
触媒及び酢酸鉛などの鉛系触媒などが好ましく用いられ
る。触媒の添加時期は重合初期でも重合中期でもよい。
このようにして得られたポリアミドイミドエラストマ
ーには、その熱安定性を高めるために、各種の耐熱老化
防止剤や酸化防止剤などの安定剤を、重合の初期、中
期、末期のどの段階で添加してもよいし、重合後に添加
してもよい。該耐熱安定剤としては、例えばN,N′−ヘ
キサメチレン−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロ
キシケイ皮酸アミド)、4,4′−ビス(2,6−ジ第三ブチ
ルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−
6−第三ブチルフェノール)などの各種ヒンダードフェ
ノール類、N,N′−ビス(β−ナフチル)−p−フェニ
レンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジ
アミン、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノ
リン)などの芳香族アミン類、塩化銅、ヨウ化銅などの
銅塩、ジラウリルチオジプロピオネートなどのイオウ化
合物やリン化合物などが挙げられる。
本発明組成物における(A)成分のポリアセタール樹
脂と(B)成分のポリアミドイミドエラストマーの配合
割合については、(A)成分と(B)成分との合計重量
に基づき、該(A)成分が70〜97重量%、(B)成分が
30〜3重量%の範囲にあることが必要である。(B)成
分の配合量が3重量%未満では、本発明の目的とする耐
衝撃性の改良効果が十分に発揮されず、また30重量%を
越えると剛性の低下が著しくなるので好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、溶融混練によって調製するこ
とが好ましく、その方法としては、公知の方法、例えば
バンバリーミキサー、ミキシングロール、一軸若しくは
二軸の押出機などを使用して混練する方法を用いること
ができ、通常150〜230℃の範囲の温度において溶融混練
される。
本発明の樹脂組成物には、その物性をそこなわない範
囲において、他の成分、例えば顔料、染料、補強剤、充
てん剤、熱安定剤、酸化防止剤、核剤、滑剤、可塑剤、
帯電防止剤、離型剤、他の重合体などを、混練過程や成
形過程などの任意の過程において含有させることができ
る。
このようにして得られた本発明のポリアセタール樹脂
組成物は、一般に熱可塑性樹脂の成形に用いられている
公知の方法、例えば射出成形、押出成形などの方法によ
って成形することができる。
発明の効果 本発明のポリアセタール樹脂組成物は優れた衝撃強度
と良好な曲げ弾性率を有し、かつ良好な光沢度を有して
いるので外観の良好な成形品を提供することができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、このような特
徴を有しているので、例えばエレクトロニクス、電気、
自動車、機器、OA機器などの分野における種々の用途に
好適に用いられる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、組成物及びエラストマーの各物性は次に示す方
法に従って求めた。
(1)引張強度及び引張伸び ASTM D638に準じ、組成物の場合には1/8インチ厚みの
ダンベル片を用い、エラストマーの場合には1mm厚のダ
ンベル片を用いて、絶乾状態で測定した。
(2)曲げ弾性率 ASTM D790に準じて1/8インチ厚みの試験片を用い、絶
乾状態で測定した。
(3)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準じて1/8インチ厚みのノッチ付試験片を
用いて、23℃で絶乾状態にてアイゾット衝撃強度を測定
した。
(4)相対光沢度 ASTM D523に準じて光沢度を測定し、比較例のポリア
セタール樹脂の光沢度を100%としたときの相対値で求
めた。
(5)エラストマーの相対粘度 メタクレゾール中30℃、0.5wt/vol%の条件で測定し
た。
(6)エラストマーのヘイズ数 肉厚1mmのシートを用い、ASTM D1003−61に準じてヘ
イズメーターを用いて測定した。
(7)エラストマーの熱分解温度 重量減少温度は示差熱天秤を用い、昇温速度10℃/min
で測定した。
製造例1 ポリアミドイミドエラストマー(A−1)の
製造 かきまぜ機、ポリマー取り出し口、窒素導入口及び留
去管を取り付けた5lステンレス鋼製オートクレーブに、
カプロラクタム669g、トリメリット酸126g及びポリオキ
シテトラメチレングリコール(数平均分子量2010、▲
▼/▲▼=1.45)1206gを酸化防止剤ポリ
(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)(商品
名ノクラック224)5.4g及びリン酸1.8gと共に仕込み、
窒素を800ml/minで流し、260℃で4時間反応を行った。
経時的に分析した重合系中の水分量は重合開始後、1、
2、4時間目でそれぞれ0.7、0.4、0.3重量%であっ
た。次いで、テトラブチルオルソチタネート5gを加え
て、同温度で徐々に減圧とし、1時間で未反応のカプロ
ラクタム202gを留去し、さらに1トール以下で4時間反
応を行い、オートクレーブの底のノズルからストランド
として取り出し、水中を通しながら巻きとったところ、
淡黄色透明なエラストマーが得られた。
このエラストマーはポリオキシテトラメチレングリコ
ールセグメント67重量%を含有し、ポリアミドイミドセ
グメントの数平均分子量(ポリアミドイミドジカルボン
酸としての数平均分子量)は990であり、かつ相対粘度
1.94、融点200℃、ショア硬度81A、引張破断強度380kg/
cm2、伸度880%、ヘイズ数35%のものであった。また、
熱分解開始温度は315℃で、10%及び30%重量減少温度
は420℃、445℃であった。
製造例2 ポリアミドイミドエラストマー(A−2)の
製造 製造例1で用いたオートクレーブ中に、製造例1のポ
リオキシテトラメチレングリコール1404g、カプロラク
タム396g及びトリメリット酸147gを、リン酸1.8g及び酸
化防止剤N,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシケイ皮酸アミド)(商品名イルガ
ノックス1098)5.4gと共に仕込み、窒素を導入する代り
に、オートクレーブを210mmHgの減圧とする以外は、実
施例1と同様に反応させて、ポリアミドイミドセグメン
トの数平均分子量580、ポリオキシテトラメチレングリ
コールセグメントの含有量78重量%、相対粘度2.08、融
点162℃、ショア硬度64A、引張破断強度180kg/cm2、伸
度1050%、ヘイズ数31%の透明なポリアミドイミドエラ
ストマーを得た。このエラストマーの熱分解開始温度は
303℃、10%及び30%重量減少温度は378℃、393℃であ
った。
製造例3 ポリアミドイミドエラストマー(A−3)の
製造 かきまぜ機、窒素導入口及び留去管を取り付けた500m
lセパラブルフラスコに、数平均分子量1010のポリオキ
シエチレングリコール120g、トリメリット酸無水物22.8
g、カプロラクタム71.2g、リン酸0.21g及び酸化防止剤
(ノクラック224)0.21gを仕込み窒素流量50ml/minで流
し、260℃で6時間反応し、オルトブトキシジルコネー
ト0.4gを加えて、260℃で減圧下にカプロラクタムを留
去し、さらに3時間反応を行い、淡黄色透明なエラスト
マーを得た。このエラストマーはポリオキシエチレング
リコールセグメントの含量が61重量%、ポリアミドイミ
ドセグメントの数平均分子量は640で、ヘイズ数30%で
あった。また、このエラストマーは引張強度190kg/c
m2、伸度950%、相対粘度1.90、融点150℃、熱分解開始
温度330℃、10%及び30%重量減少温度はそれぞれ401
℃、420℃のものであった。
製造例4 ポリアミドイミドエラストマー(A−4)の
製造 製造例3と同じ装置にカプロラクタム59.2g、数平均
分子量2040(▲▼/▲▼=1.45)のポリオ
キシテトラメチレングリコール100g、ピロメリット酸無
水物10.7g、リン酸0.15g及び酸化防止剤(ノクラック22
4)0.2gを仕込み、260℃、窒素50ml/minで4時間反応し
た。この間の反応系中の水分量は0.2〜0.5重量%であっ
た。次いで、テトライソプロピルオルソチタネート0.3g
を添加し、260℃で徐々に減圧として未反応のカプロラ
クタムを留去し、その後、1トールで5時間反応したと
ころ、ヘイズ数43%の淡黄色透明なエラストマーが得ら
れた。このエラストマーはポリオキシテトラメチレング
リコールセグメント含有量71重量%、ポリアミドイミド
セグメントの数平均分子量830、ショア硬度85A、引張強
度310kg/cm2、伸度1030%、相対粘度2.28、融点214℃、
熱分解開始温度337℃であり、10%及び30%重量減少温
度はそれぞれ438℃、451℃であった。
製造例5 ポリアミドイミドエラストマー(A−5)の
製造 かきまぜ装置と還流冷却器を付けた容器に、テトラヒ
ドロフラン(THF)600gとエチレングリコール25.5gを仕
込み、次いで、250℃で3時間加熱して無水の状態にし
たリンタングステン酸(h3PW12O40)300gを加えた(エ
チレングリコールのモル数はリンタングステン酸のモル
数の約4倍である。)温度を60℃に設定して、4時間か
きまぜ続けたのち、室温で静置して二相に分離した。上
層から未反応のTHFを蒸留で除き、透明で粘性のあるポ
リマー126gを得た。得られたポリマーの1H−NMR(400MH
z)、13C−NMR(400MHz)測定の結果、ポリマーはエチ
レングリコール/THF=1/9(mol比)で共重合したポリエ
ーテルグリコールであり、エチレングリコールはブロッ
ク的でなく、ランダムに共重合したものであり、水酸基
価を測定した結果、数平均分子量は1500で融点は14℃で
あった。
製造例3と同様の装置に上記変性ポリオキシテトラメ
チレングリコール75g、トリメリット酸10.5g、カプロラ
クタム85g及び酸化防止剤(ノクラック224)0.3gを仕込
み、実施例3と同様にして反応したところ、相対粘度1.
85、ポリアミドイミドセグメントの数平均分子量1230、
グリコールセグメントの含量55重量%、ヘイズ数43%、
引張強度320kg/cm2、伸度870%、熱分解開始温度311℃
の透明なポリアミドイミドエラストマーを得た。
製造例6 ポリアミドイミドエラストマー(A−6)の
製造 製造例3と同様の装置にポリオレフィングリコール
(三菱化成(株)製ポリエーテルHA数平均分子量2200)
160g、トリメリット酸15.1g、カブロラクタム50g及び酸
化防止剤(ノクラック224)0.2gを仕込んで、260℃で窒
素を100ml/minで流しながら、3時間反応し、次いでテ
トライソプロピルオルソチタネート0.4gを添加し、徐々
に減圧として未反応カプロラクタムを留去し、さらに1
トールで1時間重合させたところ、ポリオレフィングリ
コールセグメントの含量75重量%、ポリアミドイミドセ
グメントの数平均分子量730、ヘイズ数37%、相対粘度
1.73、引張強度120kg/cm2、伸度1030%の透明なポリア
ミドイミドエラストマーを得た。
製造例7 ポリアミドエラストマー(A−7)の製造 かきまぜ機、窒素導入口及び留去管を取り付けた500c
cのガラス製反応器に、ポリオキシテトラメチレングリ
コール(数平均分子量2040)150g、アジピン酸とカプロ
ラクタムとから調製された数平均分子量962のポリカプ
ラミドジカルボン酸70.8g、テトライソプロピルオルソ
チタネート1.1g、ノクラック224 0.44gを添加し、260
℃、1トールで8時間重合して乳白色不透明なポリマー
を得た、引張強度及び伸度はそれぞれ100kg/cm2、100%
以下のもろいものであった。
実施例1〜9 ポリアセタール樹脂B−1又はB−2及び製造例で得
たポリアミドイミドエラストマーA−1ないしA−6を
表に示す割合で混合し、195℃に設定した二軸押出機で
押出し、冷却器を通してペレット化した。このペレット
を80℃で4時間真空乾燥したのち、下記の条件で射出成
形を行い、物性測定用試験片を作成した。
シリンダー温度 200℃ 射出圧力 800kg/cm2 射出時間 10秒 冷却時間 10秒 金型温度 90℃ 得られた試験片の物性の測定結果を表に示す。この表
から分るように、これらはいずれも、アイゾット衝撃強
度が向上しており、曲げ弾性率も高いレベルに維持さ
れ、かつ光沢も優れている組成物であった。
なお、比較のためにポリアセタール樹脂B−1、B−
2の単独の物性も併記した。これらのポリアセタール樹
脂B−1、B−2は次の市販品である。
B−1;「テナック3010」 (旭化成社製ポリアセタールホモポリマーの登
録商標名) B−2;「テナック−C3510」 (旭化成社製ポリアセタールコポリマーの登録
商標名) 比較例1 実施例2と同様にしてポリアセタール樹脂に、製造例
7で得られたポリアミドエラストマーを混合し、試験片
を作成した。評価結果を表に示す。
比較例2 ウレタンエラストマーを混練したポリアセタール樹脂
(デュポン社製、デルリン100ST)の物性を表に示し
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアセタール樹脂70〜97重量%及
    び(B)(イ)カプロラクタムと(ロ)数平均分子量50
    0〜4000のポリオキシテトラメチレングリコール、オキ
    シアルキレン変性ポリオキシテトラメチレングリコー
    ル、ポリオキシエチレングリコール及びα,ω−ジヒド
    ロキシ炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の高分
    子グリコール成分と(ハ)芳香族トリカルボン酸、芳香
    族テトラカルボン酸及びそれらの酸無水物の中から選ば
    れた少なくとも1種のカルボン酸成分との共重合体であ
    って、ポリアミドイミドセグメントの数平均分子量が40
    0〜3000、ポリアミドイミドセグメントの含量が10〜65
    重量%、温度30℃における相対粘度が1.5以上、肉厚1mm
    におけるヘイズ数が75%以下のポリアミドイミドエラス
    トマー30〜3重量%から成るポリアセタール樹脂組成
    物。
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