JP2775301B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2775301B2 JP17304389A JP17304389A JP2775301B2 JP 2775301 B2 JP2775301 B2 JP 2775301B2 JP 17304389 A JP17304389 A JP 17304389A JP 17304389 A JP17304389 A JP 17304389A JP 2775301 B2 JP2775301 B2 JP 2775301B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れた永久帯電防止性を有し、かつ透明
性、耐候性が良好であるアクリル系樹脂組成物に関する
ものである。
(従来の技術) 従来、アクリル系樹脂は、透明性をはじめとするその
優れた特性により、照明器具、機器銘板、メーターカバ
ー等の弱電部品用の素材として幅広く用いられてきた。
また、最近では、これらに加えて複写機部品、各種防塵
用部品、テレビの前面板、ディスプレイPTVスクリーン
等のエレクトロニクス製品、OA機器の部品など帯電防止
性能を付与することを要求される分野が増大している。
合成高分子材料の静電気帯電を防止する方法として
は、特開昭55−36237号公報、同63−63739号公報には、
ポリオキシエチレン鎖及びスルホン酸塩、カルボン酸塩
あるいは第四級アンモニウム塩構造を有するビニル共重
合体をアクリル系樹脂に混練する方法が、また特開昭62
−119256号公報、同62−241945号公報、同62−256855号
公報、同62−11759号公報には、特定のポリエーテルア
ミドエラストマーを配合する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法においては、特殊な高分
子化合物を用いるために、製造コストが高くなる上、十
分な帯電防止性能は得られるものの、透明性、耐候性等
のアクリル系樹脂が本来有している優れた特性を撓うこ
とが多い。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、このような事情に鑑み、優れた永久帯電防
止性を有し、かつ耐候性の良好なアクリル系樹脂組成物
を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記の好ましい性質を有するアクリル
系樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定
のポリオキシアルキレングリコールをソフトセグメント
とし、カプロラクタムとトリメリット酸やピロメリット
酸などの三価あるいは四価の少なくとも1つのイミド環
を形成しうる芳香族ポリカルボン酸とから得られたポリ
アミドイミドジカルボン酸をハードセグメントとするポ
リアミドイミドエラストマーは、アクリル系樹脂との親
和性が良く、かつ耐熱性を有する上、比較的少量で優れ
た帯電防止効果を発揮することができ、このポリアミド
イミドエラストマーとアクリル系樹脂とを所定の割合で
配合することにより、優れた永久帯電防止性を有するア
クリル系樹脂組成物が得られること、前記エラストマー
の組成により該組成物を透明性及び剛性の良好なものに
しうること、及び該組成物にさらに特定の化合物を所定
の割合で配合することにより、帯電防止性がより一層向
上すること、且つヒンダードアミン系安定剤又は/及
び、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加すること
により、優れた耐候性を付与し得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。
すなわち、本発明は; (i)(A)アクリル系樹脂70〜97重量%、及び
(B)(イ)カプロラクタム、(ロ)少なくとも1個の
イミド環を形成しうる芳香族トリカルボン酸、芳香族テ
トラカルボン酸およびこれらの酸無水物の中から選ばれ
た少なくとも1種および、(ハ)ポリオキシエチレング
リコール50重量%以上を含有するポリオキシアルキレン
グリコールから得られ、かつ ポリオキシアルキレングリコールセグメントの含有量
が40〜85重量%で、温度30℃における相対粘度が1.5以
上のポリアミドイミドエラストマーは30〜3重量%を含
有して成るアクリル系樹脂組成物、あるいは (ii)前記(A)成分70〜97重量%及び(B)成分30〜
3重量%を含有する樹脂混合物100重量部に対して、 (C)芳香族スルホン酸、アルキルスルホン酸、有機カ
ルボン酸、有機リン酸、これらのアルカリ金属塩及びア
ルカリ土類金属塩の中から選ばれた少なくとも1種0.01
〜10重量部を配合させて成る樹脂組成物100重量部に対
して、 少なくとも1種のヒンダードアミン系光安定剤0.1〜
5重量部又は/及び 少なくとも1種のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
0.1〜5重量部 を含有してなる熱可塑性樹脂組成物を提供するもので
ある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物において、(A)成分として用いられる
アクリル系樹脂としては、例えばポリメタクリル酸メチ
ル(MMA樹脂)、ゴム強化ポリメタクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MB
S樹脂)、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体(MABS樹脂)、およびメタ
クリル酸メチル60重量%以上と他の共重合性ビニルモノ
マー40重量%以下とを共重合させてなる重合体などが挙
げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組合
せて用いてもよい。
また、前記共重合性ビニルモノマーとしては、例えば
メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、α−メ
チルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタク
リル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などが挙げ
られる。
本発明組成物において、(B)成分として用いられる
ポリアミドイミドエラストマーは、(イ)カプロラクタ
ム、(ロ)少なくとも1個のイミド環を形成しうる芳香
族トリカルボン酸、芳香族テトラカルボン酸、およびこ
れらの酸無水物の中から選ばれた少なくとも1種およ
び、(ハ)ポリオキシエチレングリコール50重量%以上
を含有するポリオキシアルキレングリコールから得ら
れ、かつ(イ)成分と(ロ)成分とからハードセグメン
トとなるポリアミドイミドが得られ、これがソフトセグ
メントである(ハ)成分のグリコールとエステル結合で
連結されたマルチブロック型の共重合体である。
(ロ)成分としては、アミノ基と反応して少なくとも
1つのイミド環を形成しうる芳香族トリカルボン酸や芳
香族テトラカルボン酸あるいはこれらの酸無水物が用い
られる。
該芳香族トリカルボン酸としては、具体的には、1,2,
4−トリメリット酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン
酸、2,6,7−ナフタレントリカルボン酸、3,3′,4−ジフ
ェニルトリカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3′,4−ト
リカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3′,4−トリカ
ルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3′,4−トリカルボ
ン酸などが挙げられる。
また、芳香族テトラカルボン酸としては、具体的に
は、ピロメリット酸、ジフェニル−2,2′,3,3′−テト
ラカルボン酸、ベンゾフェノン−2,2′,3,3′−テトラ
カルボン酸、ジフェニルスルホン−2,2′,3,3′−テト
ラカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,2′,3,3′−テ
トラカルボン酸などが挙げられる。これらの芳香族ポリ
カルボン酸やその酸無水物は1種用いてもよいし、2種
以上を組合せて用いてもよく、また(ハ)成分のグリコ
ールに対して実質上等モル、すなわち0.9〜1.1倍モルの
範囲で用いられる。
ハードセグメントであるポリアミドイミドは、該エラ
ストマーの耐熱性、強度、硬度やアクリル系樹脂との親
和性に関与するものである。
エラストマー中での該ポリアミドイミドセグメント含
量が15〜60重量%(即ち、ポリオキシアルキレングリコ
ールセグメントの含量が85〜40重量%)であることが必
要である。該含量が15重量%未満ではエラストマーの強
度が低くなり、アクリル系樹脂に混練したとき、機械的
物性が低くなるので好ましくないし、60重量%を超える
と親和性が悪くなったり、帯電防止効果が低くなったり
するので好ましくない。
特に、このハードセグメントの含量は、アクリル系樹
脂との親和性に大きく影響を与え、例えばMMA樹脂と混
練して透明性を維持するためには、ハードセグメントの
含量が35重量%以下が好ましい。
また、ハードセグメントのポリアミドイミドの数平均
分子量は500〜3000、好ましくは500〜2,000の範囲が望
ましい。この数平均分子量が500未満では融点が低くな
り、耐熱性が低下するし、3,000を越えるとアクリル系
樹脂との親和性が低くなるので好ましくない。
該ポリアミドイミドエラストマー中の(ハ)成分とし
ては、ポリオキシエチレングリコール50重量%以上を含
有するポリオキシアルキレングリコールが用いられる。
即ち、ポリオキシエチレングリコールを単独で用いても
よいし、ポリオキシエチレングリコール50重量%以上を
含有するポリオキシエチレングリコールと他のポリオキ
シアルキレングリコールとの混合物を用いてもよい。
使用するポリオキシエチレングリコールの数平均分子
量は特に制限はないが、500〜5,000の範囲にあることが
好ましい。この数平均分子量が500より小さいとエラス
トマーの組成にもよるが、融点が低くなったりして耐熱
性が不足する恐れがあるし、5,000を越えると強靭なエ
ラストマーが得られにくくなり、アクリル系樹脂に混練
した場合、衝撃強度や剛性の低下などが生じることがあ
るので好ましくない。
ポリオキシメチレングリコールと併用することのでき
るポリオキシアルキレングリコールとしては、グリコー
ル成分の50重量%未満で、数平均分子量が500〜5,000の
ポリオキシテトラメチレングリコール、変性ポリオキシ
テトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリ
コールなどを用いることができる。
変性ポリオキシテトラメチレングリコールとしては、
通常のポリオキシテトラメチレングリコールの−(C
H2−O−の一部を−R−O−で置き換えたものが挙
げられる。ここで、Rは炭素数2〜10のアルキレン基で
あり、具体的にはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,3
−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2,2
−ジメチル−1,3−プロピレン基、ペンタメチレン基、
ヘキサメチレン基などが好ましく挙げられる。変性量に
ついては特に制限はないが、通常3〜50重量%の範囲で
選ばれる。また、この変性量や前記アルキレン基の種類
は、アクリル系樹脂組成物の要求特性、例えば低温耐衝
撃性、耐熱性などによって適宜選択ばれる。
この変性ポリオキシテトラメチレングリコールは、例
えばヘテロポリ酸を触媒とするテトラヒドロフランとジ
オールとの共重合や、ジオール又はジオールの縮合物で
ある環状エーテルとブタンジオールとの共重合などによ
って製造することができる。
該(B)成分のポリアミドイミドエラストマーの製造
法に関しては、均質なアミドイミドエラストマーが製造
できる方法であればどのような方法でもよく、例えば、
次の方法などが用いられる。
(イ)カプロラクタム成分、(ロ)芳香族ポリカルボ
ン酸成分及び(ハ)グリコール成分とを(ロ)成分と
(ハ)成分が実質上等モルになる割合で混合し、生成す
る重合体中の水分含有率を0.1〜1重量%に保ちなが
ら、好ましくは150〜300℃、より好ましくは180〜280℃
で重合する方法である。この方法においては、脱水縮合
させる際に反応温度を段階的に昇温させることもでき
る。
この際、一部のカプロラクタムは未反応で残るが、こ
れは減圧下に留去して反応混合物から除くことが望まし
い。この未反応のカプロラクタムを除いた後の反応混合
物は、必要に応じて減圧下に、好ましくは200〜300℃、
より好ましくは230〜280℃の範囲の温度で後重合するこ
とによりさらに高重合させることができる。
該反応方法では脱水縮合の過程でエステル化とアミド
化を同時に起こさせることにより、粗大相分離すること
を防止し、これにより均質で透明なエラストマーが得ら
れる。このエラストマーは、アクリル樹脂との親和性に
優れ、アクリル系樹脂に混練した際に、優れた帯電防止
効果及び機械的特性をもたらす。
エステル化反応とカプロラクタムの重合とを同時に起
こさせ、しかもそれぞれの反応速度をコントロールし
て、透明性を有しかつ均質なエラストマーを得るために
は、生成する水を系外に除去して、反応系の水分含有量
を0.1〜1重量%の範囲の保持して重合することが好ま
しい。この水分含量が1重量%を超えるとカプロラクタ
ムの重合が優先して粗大相分離を生じ、一方、0.1重量
%未満ではエステル化が優先してカプロラクタムが反応
しにくく、所望の組成のエラストマーが得られない。ま
た、該水分含量はエラストマーの所望物性に応じて前記
範囲内で適宜選ばれる。
さらに、該反応では、所望に応じて、反応の進行に伴
い反応系中の水分含量を減少させていく方法もとりう
る。この水分含量のコントロールは、例えば反応温度、
不活性ガスの導入流量、減圧度あるいは反応器構造など
の反応条件によって行うことができる。
本発明に用いるポリアミドイミドエラストマーの重合
度を、必要に応じて任意に変えることができるが、該エ
ラストマー濃度が0.5wt/vol%のメタクレゾール溶液中
の温度30℃で測定した相対粘度が1.5以上であることが
必要である。この相対粘度が1.5未満では機械的物性に
劣り、アクリル系樹脂と混練した場合に、組成物の機械
的物性が不足する恐れがある。好ましい相対粘度は1.6
以上である。
また、該ポリアミドイミドエラストマーを製造する際
に、エステル化触媒を重合促進剤として用いることがで
きる。
この重合促進剤としては、例えばリン酸、ポリリン
酸、メタリン酸などのリン化合物;テトラブチルオルソ
チタネートなどのテトラアルキルオルソチタネート;ジ
ブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレートなどのス
ズ系触媒;酢酸マンガンなどのマンガン系触媒;三酸化
アンチモンなどのアンチモン系触媒;酢酸鉛などの鉛系
触媒などが好適である。触媒の添加時期は重合初期でも
よいし、また重合中期でもよい。
さらに、得られたポリアミドイミドエラストマーの熱
安定性を高めるために、各種の耐熱老化防止剤、酸化防
止剤などの安定剤を用いることができ、これらは重合の
初期、中期、末期のどの段階で添加してもよい。また、
重合後、アクリル系樹脂との混練前に添加することもで
きる。
この耐熱安定剤としては、例えばN,N′−ヘキサメチ
レン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシケ
イヒ酸アミド)、4,4′−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール)などの各種ヒンダードフェノー
ル類:N,N′−ビス(β−ナフチル)−p−フェニレンジ
アミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミ
ン、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン)などの芳香族アミン類;塩化銅、ヨウ化銅などの銅
塩;ジラウリルチオジプロピオネートなどのイオウ化合
物やリン化合物などが挙げられる。
本発明組成物における(A)成分のアクリル系樹脂と
(B)成分のポリアミドイミドエラストマーとの配合割
合については、(A)成分の含有量が70〜97重量%で、
(B)成分の含有量が30〜3重量%になるような割合で
配合することが必要である。(B)成分の含有量が3重
量%未満では十分な帯電防止効果が得られないし、30重
量%を越えると剛性が低下する傾向が生じる。
本発明の樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分の混
合物を公知の方法、例えばバンバリーミキサー、ミキシ
ングロール、一軸若しくは二軸の押出機などを使用して
混練する方法を用いることができる。この際の混練温度
は180〜280℃の範囲で行うのが好ましい。
本発明においては、帯電防止効果をさらに発揮させる
ために(C)成分として、ドデシルベンゼンスルホン
酸,p−トルエンスルホン酸、ドデシルジフェニルエーテ
ルジスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、ナフタリンス
ルホン酸とホルマリンの縮合物などの芳香族スルホン
酸;ラウルリスルホン酸のようなアルキルスルホン酸;
ステアリン酸、ラウリン酸、ポリアクリル酸などの有機
カルボン酸;亜リン酸ジフェニル、リン酸ジフェニルな
どの有機リン酸およびこれらのアルカリ金属塩やアルカ
リ土類金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を用いる
ことができる。これらの中で、アルカリ金属塩やアルカ
リ土類金属塩が好ましく、特にナトリウム塩およびカリ
ウム塩が好適である。
該(C)成分の配合量は、前記(A)成分のアクリル
系樹脂と(B)成分のポリアミドイミドエラストマーと
の合計量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましく
は0.1〜10重量部の範囲で選ばれる。この量が0.01重量
部未満ではその使用効果が十分に発揮されないし、10重
量部を超えると剛性が低下したり、成形品にした場合、
表面の肌荒れが生じたり、成形時に着色したりするな
ど、好ましくない事態を招来する。
本発明で用いられる成分のヒンダードアミン系光安
定剤としては、例えば4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、4−(p−t−ブチルベン
ゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−(p−t−ブチルベンゾイルオキシ)−1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジン、4−サリシロイルオキシ−
1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−アセトキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ブチルオキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロ
イルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
シクロヘキサノイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)ドデカンジエート、ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6 6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)等が挙げられる。その添加
量は0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部、更に好
ましくは0.3〜2重量部である。
成分としてのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
は、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ
−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビ
ス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベン
ゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられ
る。その添加量は、0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜4
重量部、更に好ましくは0.3〜3重量部である。
本発明で用いる添加剤の添加方法としては、特に制限
はないが、例えば押出機で樹脂に添加する方法等の慣用
手段が用いられる。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、他の成分、
例えば、顔料、染料、補強剤、充填剤、熱安定剤、酸化
防止剤、核剤、滑剤、可塑剤、離型剤などを含有させる
ことができる。
このようにして得られた本発明のアクリル系樹脂組成
物は、一般に熱可塑性樹脂の成形に用いられている公知
の方法、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、真空
成形などの方法によって成形することができる。
(実施例) 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、組成物及びエラストマーの各物性は、次に示す
方法に従って求めた。
(1)引張降伏強度及び引張破断伸度: ASTM D638に準じて1/8インチ厚みのダンベル片を用
い、23℃、55%RHで測定した。
ただし、エラストマーは、降伏点を有しないものが多
いため、1mm厚みのダンベル片を用い、引張降伏強度及
び引張破断伸度を絶乾状態で測定した。
(2)エラストマーの相対粘度: メタクレゾール中30℃、0.5wt/vol%の条件で測定し
た。
(3)エラストマーの熱分解温度: 重量減少温度は示唆熱天秤を用いて、昇温速度10℃/
分で測定した。
(4)光線透過率及び曇り度 ASTM−1003により測定した。測定には日本電色工業
(株)製NDH−1001DPヘイズメーターを用いた。
(5)黄変度及び色差: 黄変度についてはJISK7103に準拠し、色差については
CIE1976色公式により表示する。
測定機としては、東京電色(株)製カラーアナライザ
ーTC−1800MK IIを用いた。
(6)帯電圧テスト: スタテイックオネストメーター(宍戸商会製)で8KV
で静電圧を印加し、電圧除去後、試料の帯電圧が半減す
る時間を23℃、55%RHで測定した。
(7)耐候性試験: スガ試験機(株)製サンシャインカーボンウェザーメ
ーターWEL−SUN−HCで、250,500時間人工促進暴露し
て、評価を行った。
製造例1 ポリアミドイミドエラストマー(B−1)の
製造: かきまぜ機、窒素導入口および留去管を取り付けた10
のSUS製反応容器に、ポリオキシエチレングリコール
(数平均分子量1,980)2,680g、無水トリメット酸259.4
g、カプロラクタム1,707gおよびペンタエリスリチル−
テトラキス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕とトリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイトの1:1ブレンド品
(商品名:イルガノックスB225:酸化防止剤)8.0gを仕
込み、100℃で1Torrに減圧して、1時間かきまぜて原料
中の水分を除去した。その後、窒素を導入して300Torr
に圧力を保持しながら、260℃に昇温して4時間重合
し、同温度で徐々に減圧して、未反応のカプロラクタム
を留去した。
次いで、再び窒素を導入して200Torrに圧力を保持
し、テトラブチルオルソチタネート4.0gをカプロラクタ
ム100gに溶解した溶液を添加したのち、1Torrに減圧
し、同温度で7時間重合した。得られたポリマーを冷却
ベルト上にガット状に吐出し、ペレタイズすることによ
ってペレット状のエラストマーを得た。
このエラストマーは、淡褐色透明で、ポリオキシエチ
レングリコールセグメントの含有量が67重量%であり、
相対粘度2.18で、引張強度及び伸度はそれぞれ、310kg/
cm2、850%であった。
また、このエラストマーの熱分解開始温度、10%重量
減少温度、30%重量減少温度は、それぞれ353℃、377
℃、394℃であった。
製造例2 ポリアミドイミドエラストマー(B−2)の
製造: かきまぜ機、窒素導入口および留去管を取り付けた50
0mlのセパラブルフラスコに、ポリオキシエチレングリ
コール(数平均分子量2,010)144g、無水トリメット酸1
3.7g、カプロラクタム68.2gおよびポリ(2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン)(商品名ノクラック22
4:酸化防止剤)0.4gを仕込み、100℃でかきまぜながら3
0分間1Torr以下に減圧し、脱水した。次いで、窒素を60
ml/分で流しながら260℃に昇温し、4時間重合を行った
後、同温度で徐々に減圧して未反応のカプロラクタムを
系外に留去した。
次いでテトラブチルチタネート0.4gを添加し、1Torr
に減圧して、7時間重合して淡黄色透明のエラストマー
を得た。
このエラストマーは、ポリオキシエチレングリコール
セグメントの含有量が72重量%であり、ポリアミドイミ
ドセグメントの数平均分子量は800で、相対粘度2.25
で、引張強度及び伸度は290kg/cm2、1200%であった。
また、このエラストマーの熱分解開始温度、10%重量
減少温度、30%重量減少温度は、それぞれ350℃、425
℃、443℃であった。
なお、260℃で反応開始後、1、2、4時間後の重合
系中の水量は0.7重量%、0.6重量%、0.6重量%であっ
た。
(実施例1〜4および比較例1〜4) 前記で調製した(1)ポリアミドイミドエラストマー
と(2)アクリル系樹脂(旭化成工業(株)製、デルペ
ット80N)を表−1に示した配合比で混合し、これにそ
れぞれ添加剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ(DBS)、ヒンダードアミン系光安定剤((2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート;商品名サ
ノールLS770、三共(株)製)、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤(2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾトリアゾール;商品名チヌビンP、チバガ
イギー社製)を、表記の量でブレンド後、ベント付40mm
φ押出機で樹脂温度250℃で溶融混練、押出を行い、ペ
レット化した。
次いで、射出成形機により、シリンダー温度250℃、
金型温度60℃で、物性測定用試験片を作成し、評価し
た。その結果を表−1に示した。
表−1の結果から次のことが分かる。
本発明の樹脂組成物(実施例1〜4)は、いずれも、
帯電防止性、透明性、耐候性に優れている。即ち、いず
れの場合も、耐候劣化が少なく、優れた性能を発揮す
る。
(発明の効果) 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、アクリル系樹脂とポ
リアミドイミドエラストマーからなるものに、ヒンダー
ドアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤を添加してなるものであって、優れた永久帯電防止性
を有するとともに、透明性、耐候性が良好であるのどの
特徴を有し、例えば照明器具、メーターカバーのように
永久帯電防止性に加えて透明性、耐候性が要求される用
途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 33/06 79:08) (56)参考文献 特開 平2−255753(JP,A) 特開 平3−24144(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 33/00 - 33/26 C08L 79/00 - 79/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アクリル系樹脂70〜97重量%、及
    び (b)(イ)カプロラクタム、(ロ)少なくとも1個の
    イミド環を形成しうる芳香族トリカルボン酸、芳香族テ
    トラカルボン酸およびこれらの酸無水物の中から選ばれ
    た少なくとも1種および、(ハ)ポリオキシエチレング
    リコール50重量%以上を含有するポリオキシアルキレン
    グリコールから得られ、かつ ポリオキシアルキレングリコールセグメントの含有量が
    40〜85重量%で、温度30℃における相対粘度が1.5以上
    のポリアミドイミドエラストマー30〜3重量%を含有し
    て成る樹脂組成物100重量に対して、 少なくとも1種のヒンダードアミン系光安定剤0.1〜
    5重量部又は/及び 少なくとも1種のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
    0.1〜5重量部 を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)アクリル系樹脂70〜97重量%、及
    び(B)(イ)カプロラクタム、(ロ)少なくとも1個
    のイミド環を形成しうる芳香族トリカルボン酸、芳香族
    テトラカルボン酸およびこれらの酸無水物の中から選ば
    れた少なくとも1種および、(ハ)ポリオキシエチレン
    グリコール50重量%以上を含有するポリオキシアルキレ
    ングリコールから得られ、かつ ポリオキシアルキレングリコールセグメントの含有量が
    65〜85重量%で、温度30℃における相対粘度が1.5以上
    のポリアミドイミドエラストマー30〜3重量%を含有
    し、かつ組成物が透明性を有するものである樹脂組成物
    100重量部に対して、 少なくとも1種のヒンダードアミン系光安定剤0.1〜
    5重量部又は/及び 少なくとも1種のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
    0.1〜5重量部 を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)アクリル系樹脂70〜97重量%、及
    び(B)(イ)カプロラクタム、(ロ)少なくとも1個
    のイミド環を形成しうる芳香族トリカルボン酸、芳香族
    テトラカルボン酸およびこれらの酸無水物の中から選ば
    れた少なくとも1種および、(ハ)ポリオキシエチレン
    グリコール50重量%以上を含有するポリオキシアルキレ
    ングリコールから得られ、かつ ポリオキシアルキレングリコールセグメントの含有量が
    40〜85重量%で、温度30℃における相対粘度が1.5以上
    のポリアミドイミドエラストマー30〜3重量%を含有す
    る樹脂混合物100重量部に対して、 (C)芳香族スルホン酸、アルキルスフホン酸、有機カ
    ルボン酸、有機リン酸、これらのアルカリ金属塩及びア
    ルカリ土類金属塩の中から選ばれた少なくとも1種0.01
    〜10重量部を配合させて成る樹脂組成物100重量部に対
    して、 少なくとも1種のヒンダードアミン系光安定剤0.1〜
    5重量部又は/及び 少なくとも1種のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
    0.1〜5重量部 を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)アクリル系樹脂70〜97重量%、及
    び(B)(イ)カプロラクタム、(ロ)少なくとも1個
    のイミド環を形成しうる芳香族トリカルボン酸、芳香族
    テトラカルボン酸およびこれらの酸無水物の中から選ば
    れた少なくとも1種および、(ハ)ポリオキシエチレン
    グリコール50重量%以上を含有するポリオキシアルキレ
    ングリコールから得られ、かつ ポリオキシアルキレングリコールセグメントの含有量が
    65〜85重量%で、温度30℃における相対粘度が1.5以上
    のポリアミドイミドエラストマー30〜3重量%を含有す
    る樹脂混合物100重量部に対して、 (C)芳香族スルホン酸、アルキルスルホン酸、有機カ
    ルボン酸、有機リン酸、これらのアルカリ金属塩および
    アルカリ土類金属塩の中から選ばれた少なくとも1種0.
    01〜10重量部を配合させてなり、かつ組成物が透明性を
    有するものである樹脂組成物100重量部に対して、 少なくとも1種のヒンダードアミン系光安定剤0.1〜
    5重量部又は/及び 少なくとも1種のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
    0.1〜5重量部 を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
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