JPH083399A - 透明な帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

透明な帯電防止性樹脂組成物

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JPH083399A
JPH083399A JP13420094A JP13420094A JPH083399A JP H083399 A JPH083399 A JP H083399A JP 13420094 A JP13420094 A JP 13420094A JP 13420094 A JP13420094 A JP 13420094A JP H083399 A JPH083399 A JP H083399A
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weight
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acid
copolymer
antistatic resin
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JP13420094A
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Toshikazu Hoshina
敏和 保科
Hironori Suezawa
寛典 末澤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)アクリル系樹脂2〜90重量%、(B)
シアン化ビニルと芳香族ビニルとの共重合体2〜90重
量%、(C)特定6員環酸無水物単位を少なくとも3重
量%以上含有する共重合体であり、かつ、アセトン中2
5℃での還元粘度が0.01〜1.0デシリットル/g
である共重合体5〜50重量%、(D)ポリアミドイミ
ドエラストマー3〜30重量%、からなる樹脂組成物1
00重量部に対して、(E)有機電解質及び無機電解質
の中から選ばれた少なくとも1種0.01〜5重量部を
配合させてなる帯電防止性樹脂組成物であって、しか
も、(A)+(B)+(C)の混合物の屈折率と成分
(D)の屈折率の差が0.02以下であることを特徴と
する透明な帯電防止性樹脂組成物。 【効果】 強度、剛性の低下がなく、かつ、吸水による
透明性の低下の少ない透明な帯電防止性樹脂組成物であ
って、各種部品の成形材料として好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた永久帯電防止性
能を有し、かつ透明性に優れる樹脂組成物であって、例
えば照明器具、機器銘板などを始めとして、エレクトロ
ニクス製品、家電製品、OA機器等の各種部品における
静電気の帯電を防止できる材料として好適な樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な透明樹脂であるアクリル
樹脂、AS樹脂、PS樹脂は、優れた透明性と剛性を有
することから、例えばエレクトロニクス製品、家電製
品、OA機器等の各種部品の材料として幅広く使用され
ている。しかしながら、これらの樹脂は表面抵抗率が大
きく、摩擦などにより容易に帯電するため、ゴミ、ほこ
りが付着して外観を損ねたり、或いは電子部品などでは
静電気による障害を引き起こすなどの欠点を有してい
る。このような現状から、優れた透明性を有し、かつ、
帯電防止性能を付与された材料の開発が望まれている。
【0003】アクリル系樹脂に帯電防止性能を付与する
方法としては、例えば界面活性剤を練り込んだり、表面
に塗布する方法などが知られているが、このような方法
では、表面に存在する帯電防止剤が水洗や布拭きによっ
て除去され易く、永久的な帯電防止性能を付与すること
はできない。永久的な帯電防止性能を付与する方法とし
ては、特開昭55−36237号公報、特開昭62−1
19256号公報、特開昭63−63739号公報など
が開示されている。
【0004】また、ポリアミドイミドエラストマーとア
クリル系樹脂からなる透明永久帯電防止性組成物が、特
開平2−255753号公報に開示されている。しかし
ながらこの組成物は、強度、剛性が低下する傾向があっ
た。それに対して、これらを改良する方法として特開平
5−279536号公報が開示されている。この方法で
得られる組成物は、強度、剛性の低下はないものの、吸
水によって透明性が大幅に低下するという問題点があ
り、実用上大きな制約になっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、以上の
ような従来の透明帯電防止樹脂の欠点を克服するために
鋭意検討を重ねた結果、アクリル系樹脂、AS樹脂、ポ
リアミドイミドエラストマーからなる組成物に、下式
(1)で示される6員環酸無水物を含有する共重合体を
特定量配合することにより、強度、剛性の低下がなく、
かつ、吸水による透明性の低下の少ない透明な帯電防止
性樹脂組成物が得られることを見出し本発明に至った。
【0006】
【化2】
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(A)
アクリル系樹脂2〜90重量%、(B)シアン化ビニル
と芳香族ビニルとの共重合体2〜90重量%、(C)下
式(1)で示される6員環酸無水物単位を少なくとも3
重量%以上含有する共重合体であり、かつ、アセトン中
25℃での還元粘度が0.01〜1.0デシリットル/
gである共重合体5〜50重量%、
【0008】
【化3】
【0009】(D)ポリアミドイミドエラストマー3〜
30重量%、からなる樹脂組成物100重量部に対し
て、(E)有機電解質及び無機電解質の中から選ばれた
少なくとも1種0.01〜5重量部を配合させてなる帯
電防止性樹脂組成物であって、しかも、(A)+(B)
+(C)の混合物の屈折率と成分(D)の屈折率の差が
0.02以下であることを特徴とする透明な帯電防止性
樹脂組成物に関するものである。
【0010】本発明の組成物において、(A)成分とし
て使用されるアクリル系樹脂としては、例えばポリメタ
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル単位60重量%以
上と共重合可能なビニル単量体単位40重量%以下から
なる共重合体が挙げられ、これらは1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせてもよい。共重合可能なビニ
ル単量体単位としては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル等のアクリ
ル酸及びメタクリル酸のエステル類、芳香族ビニル化合
物、シアン化ビニル化合物等が挙げられる。
【0011】本発明の組成物において、(B)成分とし
て使用されるシアン化ビニルと芳香族ビニルとの共重合
体は、シアン化ビニル単位15〜40重量%と芳香族ビ
ニル単位85〜60重量%からなる共重合体であること
が好ましい。特に、シアン化ビニルと芳香族ビニルの割
合は、シアン化ビニル単位が18〜25重量%であるこ
とが好ましい。シアン化ビニル単位が18重量%未満、
または、25重量%を超える場合には、(A)成分との
混合時に均質な透明感が得られ難くなる。共重合体を構
成するシアン化ビニルとしては、例えば、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等が挙げられる。芳香族ビニ
ルとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等
が挙げられる。
【0012】本発明の組成物において、(C)成分とし
て使用される6員環酸無水物単位を含有する共重合体
は、少なくとも1種以上のエチレン性不飽和単量体単位
を含む共重合体である。エチレン性不飽和単量体単位と
しては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル等の
アクリル酸及びメタクリル酸のエステル類、スチレン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類のほか、メタク
リル酸、アクリル酸、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル等の通常のラジカル重合可能な単量体を使用
することができる。これらエチレン性不飽和単量体単位
の中でも、メタクリル酸メチル、及びスチレン、α−メ
チルスチレンは特に好ましい。メタクリル酸メチル単位
は、6員環酸無水物単位を含有する共重合体の機械強
度、耐油性等の特性を向上させる。また、スチレン単位
は、その機械的強度、耐水性等を向上させる。さらに、
α−メチルスチレン単位は、その耐水性を向上させると
同時に耐熱性も向上させる。
【0013】この共重合体の組成は、6員環酸無水物単
位3〜85重量%、メタクリル酸メチル単位13〜95
重量%、芳香族ビニル単位1〜70重量%、及び、メタ
クリル酸単位1〜20重量%であることが好ましい。更
に好ましくは、6員環酸無水物単位5〜50重量%、メ
タクリル酸メチル単位15〜88重量%、芳香族ビニル
単位5〜50重量%、及び、メタクリル酸単位2〜10
重量%である。
【0014】さらに、この共重合体は、アセトン中、2
5℃での還元粘度が0.01〜1.0デシリットル/
g、好ましくは0.05〜0.5デシリットル/gであ
る。還元粘度が0.01デシリットル/g未満の場合に
は、組成物の機械的強度が不十分となり、1.0デシリ
ットル/gを超える場合には成形加工性が低下する。ま
た、この共重合体の含有量は5〜50重量%であること
が必要である。含有量が5重量%未満の場合には吸水時
の透明性の低下が大きく、50重量%を超える場合に
は、帯電防止性能に劣る。好ましい含有量は、10〜4
0重量%である。
【0015】本発明の組成物において、(D)成分とし
て使用されるポリアミドイミドエラストマーは、例え
ば、特開平5−279536号公報に記載されているも
のであり、(a)カプロラクタム、(b)少なくとも1
個のイミド環を形成しうる芳香族トリカルボン酸、芳香
族テトラカルボン酸あるいはこれらの酸無水物、(c)
有機ジイソシアネート化合物、及び、(d)数平均分子
量500〜4000のポリオキシアルキレングリコー
ル、とを反応させることによって得られ、かつ、(a)
成分と(b)成分と(c)成分とから得られるハードセ
グメントからなるポリアミドイミドと、ソフトセグメン
トとなる(d)成分のグリコールとをエステル結合で連
結されたマルチブロック型の共重合体で、ポリオキシア
ルキレングリコールを40〜64重量%含有し、かつ透
明性を有するものが好ましい。特に、このポリアルキレ
ングリコールの量は64重量%以上では、エラストマー
の強度が低くなり、アクリル系樹脂等と混錬したとき
に、機械的強度が低くなるので好ましくないし、40重
量%未満の場合には、樹脂との親和性が低下したり、帯
電防止性能が悪化するため好ましくない。
【0016】また、ハードセグメントのポリアミドイミ
ドの数平均分子量は500〜3000、好ましくは50
0〜2000の範囲が望ましい。数平均分子量が500
未満の場合には融点が低くなり、組成物の耐熱性が低下
する。数平均分子量が3000を越える場合には、アク
リル系樹脂等との親和性が低下するので好ましくない。
前記(b)成分として用いられる三価の芳香族トリカル
ボン酸としては、具体的には、1,2,4−無水トリメ
リット酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン酸、
2,6,7−ナフタレントリカルボン酸、3,3’,4
−ジフェニルトリカルボン酸、ベンゾフェノール−3,
3’4−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,
3’,4−トリカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,
3’,4−トリカルボン酸等が挙げられる。また、四価
の芳香族テトラカルボン酸としては、具体的には、ピロ
メリット酸ジフェニル−2,2’,3,3’−テトラカ
ルボン酸、ベンゾフェノン−2,2’,3,3’−テト
ラカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,2’,3,
3’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,
2’,3,3’−テトラカルボン酸等が挙げられる。
【0017】この(b)成分の芳香族ポリカルボン酸や
その酸無水物は一種用いても良いし二種以上を組み合わ
せても良く、また、(c)成分の有機ジイソシアネート
化合物と(d)成分のグリコールとの合計量に対して、
実質上等モル、すなわち、0.9〜1.1倍モルの範囲
で用いられている。前記(c)成分として用いられる有
機ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ジフェニレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、イソホロジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられ
る。これらのジイソシアネート化合物は一種用いても良
いし、二種以上を組み合わせても良い。
【0018】該ポリアミドイミドエラストマー中の
(d)成分としては、ポリオキシエチレングリコール単
独でもよいし、ポリオキシエチレングリコール50重量
%以上を含有するポリオキシエチレングリコールと他の
ポリオキシアルキレングリコールとの混合物を使用して
も良い。帯電防止性能の点からは、ポリオキシエチレン
グリコール単独使用が好ましい。
【0019】使用するポリオキシエチレングリコールの
数平均分子量には特に制限はないが、500〜5000
の範囲にあることが好ましい。数平均分子量が500よ
りも小さい場合には、融点が低下したり耐熱性が不足す
るおそれがある。数平均分子量が5000を超える場合
には、強靭なエラストマーが得られにくくなり、アクリ
ル系樹脂に混練した場合、耐衝撃性や剛性の低下が生じ
ることがあるので好ましくない。
【0020】ポリオキシエチレングリコールと併用する
ことができるポリアルキレングリコールとしては、グリ
コール成分の50重量%未満で、数平均分子量が500
〜4000のポリオキシテトラメチレングリコール、変
性ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプ
ロピレングリコール等を使用することができる。変性ポ
リオキシテトラメチレングリコールとしては、オキシテ
トラメチレン単位の一部を−R−O−で置換したものが
挙げられる。ここで、Rは炭素数2〜10のアルキレン
鎖であり、例えばエチレン基、1,2−プロピレン基、
1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレ
ン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。変性
量については特に制限はないが、通常3〜50重量%の
範囲で選ばれる。
【0021】本発明の組成物で使用するポリアミドイミ
ドエラストマーは均質に重合されていることが望まし
く、このエラストマーの均質性は透明性で判断できる。
該ポリアミドイミドエラストマーの製造方法について
は、均質なポリアミドイミドエラストマーが製造できる
方法であればどの様な方法でもよく、例えば次のような
方法が用いられる。
【0022】すなわち、(a)カプロラクタム、(b)
芳香族ポリカルボン酸成分、(c)有機ジイソシアネー
ト化合物、及び、(d)グリコール成分とを(b)成分
の量と(d)成分との合計量と実質的に等モルになる割
合で混合し、生成する重合体中の水分率を0.1〜1重
量%に保ちながら、150〜300℃、より好ましくは
180〜280℃で重合する方法である。この方法にお
いては、脱水縮合させる際に反応温度を段階的に昇温さ
せることもできる。
【0023】この際、一部のカプロラクタムは未反応で
残るが、これは減圧下に溜去して反応混合物から除く。
未反応カプロラクタムを除去した後の混合物は、必要に
応じて減圧下200〜300℃、より好ましくは230
〜280℃後重合することによりさらに重合させること
ができる。この反応方法は脱水縮合の過程でエステル化
とアミド化を同時に起こさせることにより、粗大相分離
することを防止し、これにより均質で透明なエラストマ
ーを生成させる。
【0024】このポリアミドイミドエラストマーの含有
量は、(A)、(B)、及び、(C)成分の合計重量に
基づき3〜30重量%の範囲にあることが必要である。
この量が3重量%未満の場合には十分な帯電防止効果が
得られない。また、30重量%を超える場合には剛性が
低下する。さらに、この(A)、(B)、(C)、及
び、(D)成分は、組成物が透明性を示すために下式
(1)、(2)を満足する必要がある。
【0025】
【数1】
【0026】本発明の組成物において、その帯電防止性
能をさらに向上させるために(E)成分として、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデ
シルジフェニルエーテルジスルホン酸、ナフタリンスル
ホン酸、ナフタリンスルホン酸とホルマリンの縮合物等
の芳香族スルホン酸、ラウリルスルホン酸の様なアルキ
ルスルホン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ポリアクリ
ル酸等の有機カルボン酸、亜リン酸ジフェニル、リン酸
ジフェニル等の有機リン酸及びこれらのアルカリ金属塩
やアルカリ土類金属塩の中から選ばれた少なくとも1種
を使用することができる。これらの中でリチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩が好適である。この量は、樹脂
組成物100重量部に対して0.01〜5重量部であ
る。0.01重量部未満の場合には帯電防止性能が低
く、5重量部を超える場合には耐熱性が低下したり、成
形時に外観不良が起こり好ましくない。好ましい量は、
0.05〜3重量部である。
【0027】本発明の組成物には透明性を損なわない範
囲で、必要に応じて、アクリル系多層構造ゴム、MB
S、等の耐衝撃性付与剤を添加することができる。ま
た、同様に、透明性を損なわない範囲で、顔料、染料、
補強剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、滑剤、離型剤、可塑剤等を添加すること
ができる。本発明の組成物は、一般に熱可塑性樹脂の成
形に用いられる公知の方法、たとえば、射出成形、押出
成形、ブロー成形、真空成形、インフレーション成形、
フィルム成形、シート成形等の方法によって成形するこ
とができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限さ
れるものではない。なお、組成物およびエラストマーの
各物性は次に示す方法に従って求めた。 (1)表面抵抗率 5cm*9cm、厚み2.5mmの平板を用い、東亜電
波工業(株)製、極超絶縁計SM−10E型により、成
形後、23℃、50%RHの条件で24時間状態調節し
た後に測定した。 (2)Haze 5cm*9cm、厚み2.5mmの平板を用い、スガ試
験機(株)製、ヘイズメーターSM−3型により、下記
の条件で測定した。 (a)初期値・・・・成形後、23℃、50%RHの条件で
24時間状態調節した後に測定した。 (b)3%吸水時・・・・成形後、23℃のイオン交換水中
に浸漬し、24時間毎に吸水率とHazeを測定し、吸
水率とHazeのグラフを作成する。このグラフから、
3%吸水時のHazeを読みとる。 (3)エラストマーの相対粘度 メタクレゾール中30℃、0.5重量/容量%の条件で
測定した。
【0029】[ポリアミドイミドエラストマー(D)の
製造]かきまぜ機、窒素導入口及び溜去管を取り付けた
500ミリリットルセパラブルフラスコに、カプロラク
タム97g、数平均分子量1470のポリオキシエチレ
ングリコール90g、トリメリット酸16.4g、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート4.52gをN,N−ヘ
キサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシケイ皮酸アミド)0.3gと共に仕込み、窒素
を50ミリリットル/分で流しながら、150℃で溶解
させた後、260℃で4時間重合した。260℃にして
から1時間、2時間、4時間後の反応系中の水分は、
0.7、0.5、0.3重量%であった。次いで、テト
ラブチルオルソチタネート0.3gを添加した後、徐々
に1トールまで減圧にして未反応カプロラクタムを系外
に溜去した。さらに、この温度で1トール以下の圧力下
で2時間重合して、淡黄色透明なエラストマー(D)を
得た(ヘイズ46%)。このエラストマーは、ポリオキ
シエチレングリコール成分49重量%を含有し、相対粘
度1.93、融点190℃、結晶化温度121℃、分解
温度330℃であった。 [6員環酸無水物単位含有共重合体(C)の製造]メタ
クリル酸メチル72.9重量%、α−メチルスチレン1
3.5重量%、メタクリル酸3.6重量%、エチルベン
ゼン10.0重量%、1,1,−ジ−tert−ブチル
パーオキシ−3,3,5,−トリメチルシクロヘキサノ
ン300ppm、及び、n−オクチルメルカプタン10
00ppmからなる混合溶液を調製し、この混合溶液を
0.5リットル/hrの速度で連続して内容量2リット
ルのジャケット付き完全混合反応機に供給して125℃
で重合を行った。さらに、重合液を260℃に設定した
高温脱揮装置に連続供給し、未反応物の除去、及び、6
員環酸無水物単位の形成を行った。
【0030】この共重合体を中和滴定、赤外分光光度
計、及び、核磁気共鳴測定装置によって組成分析を行っ
た結果、メタクリル酸メチル単位85重量%、α−メチ
ルスチレン単位8重量%、6員環酸無水物単位4重量
%、メタクリル酸単位3重量%であった。また、この共
重合体0.150gをアセトンに溶解し50ミリリット
ル溶液とし、25℃で還元粘度を測定したところ、0.
15デシリットル/gであった。
【0031】
【実施例1〜4、比較例1〜4】アクリル樹脂(A)
[旭化成工業(株)製デルペット80N]、AS樹脂
(B)[シアン化ビニル20%含有、旭化成工業(株)
製スタイラックT8707]、6員環酸無水物単位含有
共重合体(C)、ポリアミドイミドエラストマー
(D)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(E)、酸変性樹脂(F)[旭化成工業(株)製、デル
ペット980N]を表1に示す割合で混合し、同方向二
軸押出し機[東芝機械(株)製TEM−35B]を用
い、シリンダー温度250℃、スクリュー回転数150
rpmでペレタイズした。このペレットを90℃、3時
間乾燥した後、射出成形機[東芝機械(株)製、EPN
−55]を用い、シリンダー温度250℃、金型温度6
0℃で試験片を作成した。
【0032】得られた試験片の諸性質を先に述べた方法
に従って測定評価した。結果を表1に示す。表1から明
らかなように、6員環酸無水物単位含有共重合体(C)
を特定量配合することにより、吸水時の透明性の低下の
少ない透明な帯電防止性樹脂組成物を得ることができ
る。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の組成物は、アクリル系樹脂、A
S樹脂、ポリアミドイミドエラストマーからなる組成物
に、6員環酸無水物単位を含有する共重合体を特定量配
合してなる組成物であって、強度、剛性の低下がなく、
かつ、吸水時の透明性の低下の少ない、透明な帯電防止
性樹脂組成物であって、医療用カセッター、書類ボック
ス、ICトレー、等の各種トレー、照明カバー、ショー
ケース、テーブルウェア、文字盤カバー、車の内外装
品、テレビ台扉、鳥かご、虫かご、冷蔵庫内野菜収納箱
等の部品、メーターの銘板、VTRカセットの窓、コン
ピューター磁気テープの容器、VTRカセットケース、
CDケース、MFDケース、MDケース、おきもの、お
盆等のような用途に好適に用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリル系樹脂2〜90重量%、
    (B)シアン化ビニルと芳香族ビニルとの共重合体2〜
    90重量%、(C)下式(1)で示される6員環酸無水
    物単位を少なくとも3重量%以上含有する共重合体であ
    り、かつ、アセトン中25℃での還元粘度が0.01〜
    1.0デシリットル/gである共重合体5〜50重量
    %、 【化1】 (D)ポリアミドイミドエラストマー3〜30重量%、
    からなる樹脂組成物100重量部に対して、(E)有機
    電解質及び無機電解質の中から選ばれた少なくとも1種
    0.01〜5重量部を配合させてなる帯電防止性樹脂組
    成物であって、しかも、(A)+(B)+(C)の混合
    物の屈折率と成分(D)の屈折率の差が0.02以下で
    あることを特徴とする透明な帯電防止性樹脂組成物。
JP13420094A 1994-06-16 1994-06-16 透明な帯電防止性樹脂組成物 Withdrawn JPH083399A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6356839B1 (en) 1999-04-07 2002-03-12 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Navigation system
US8949503B2 (en) 1999-02-02 2015-02-03 Hitachi, Ltd. Disk subsystem
US9086628B2 (en) 2011-10-04 2015-07-21 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Resist protective film-forming composition and patterning process

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