JP2018080254A - エポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

エポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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正仁 中本
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Abstract

【課題】成形性が良好であり、得られる成形品の剛性、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、難燃性、およびフロントガラス用のエポキシ系接着剤との接着強度の全てが高められる強化熱可塑性樹脂組成物、並びに、その成形品を提供する。【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)80〜95質量%と、シリコーン−アクリル複合ゴムであるゴム質重合体(B1)存在下に、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体混合物(m1)を重合して得られたグラフト共重合体(B)5〜20質量%とからなる樹脂主成分(C)と;20〜45質量%で含まれる無機充填材(D)と;質量平均分子量が3,800〜60,000であるグリシジルエーテル単位含有重合体(E)と;リサイクルおよび/またはリペレットされたポリエチレンテレフタレート樹脂(F)と;質量平均分子量が326超のリン酸エステル系難燃剤(G)を特定の割合で含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた成形品に関する。
モバイル機器(例えば、ノート型やタブレット型のパーソナルコンピュータ、スマートフォンを含む携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等)の筐体の材料として、熱可塑性樹脂組成物(例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル樹脂等)、または該熱可塑性樹脂組成物を無機充填材によって強化したものが広く用いられている。上記の筐体を製造する方法としては、通常、形状をある程度自由に成形できる射出成形によって前記熱可塑性樹脂組成物を成形する方法が採られている。
近年、モバイル機器の筐体には、より一層の薄型化、鞄等に入れた状態での衝撃や荷重にも充分に耐え得ること、製品落下時にフロントガラスが外れないこと、低コスト化を目的に無塗装化が可能なこと等が要求されている。これらの要求を満足させるために、筐体に用いられる熱可塑性樹脂組成物には、成形品に加工した際の高い剛性、耐衝撃性、機械的強度、難燃性、成形時における良好な成形性、フロントガラス用エポキシ系接着剤との優れた接着強度等が要求されている。
しかしながら、例えば、無機充填材によって強化されていないABS樹脂、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂組成物は、成形品に加工した際の剛性が低いため、筐体の薄型化の要求には対応できない。また、ポリアミド樹脂は、吸湿性が高いため、成形した後、時間経過と共に成形品に反りや寸法変化、外観劣化を生じやすい。
これに対し、上述した熱可塑性樹脂組成物にガラス繊維や炭素繊維などの無機充填材を添加した強化熱可塑性樹脂組成物は、成形品にした際の剛性が向上するというメリットがある。
しかしながら、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂/ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル樹脂を主成分とする強化熱可塑性樹脂組成物は、成形品に加工した際の剛性が高く、筐体を薄肉化できる反面、成形品に加工した際の耐衝撃性が不十分であるという問題がある。
上記材料のうち、特に、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル樹脂を主成分とする強化熱可塑性樹脂組成物は、熱安定性も低い。このため、成形工程においてシリンダー内で高温に保持されることにより、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とのエステル交換反応により分解ガスが発生し、泡やシルバーストリークと称される成形品の外観不良も生じやすい。また、ポリカーボネート樹脂の分子量低下により、ポリカーボネート樹脂本来の耐衝撃性や耐熱性等が損なわれることもある。さらに、強化熱可塑性樹脂組成物が高温下で滞留することによってポリカーボネート樹脂の粘度が変化し、射出成形時の成形安定性が損なわれ、得られる成形品のショートショットやバリが発生するという問題もある。
一方、ポリアミド樹脂を主成分とする強化熱可塑性樹脂組成物は、成形品にした際の機械強度には優れるものの、上述した反りや寸法変化、外観劣化の問題は解消できない。これは、成形後の成形品が吸湿することによって生じる問題であり、仮に、成形前に成形材料を乾燥させたとしても解決できる問題ではない。さらに、ポリアミド樹脂を主成分とする強化熱可塑性樹脂組成物は、フロントガラス用エポキシ系接着剤との接着強度が低いという問題もある。
ここで、耐衝撃性に優れた成形品を得ることができる強化熱可塑性樹脂組成物としては、下記のものが提案されている。
(1)ポリカーボネート樹脂と、グラフト共重合体と、水溶性ポリウレタンで表面処理されたガラス繊維と、グリシジルエーテル単位含有重合体と、燐酸エステル系難燃剤とを特定量含有する強化熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献1を参照)。
(2)芳香族ポリカーボネート樹脂と、ポリアミドで表面処理された繊維状充填材と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、およびオキサゾリン基から選択された少なくとも1種の官能基を有する滑剤とを特定量含んでなる強化熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献2を参照)。
また、機械的強度や成形安定性に優れた成形品を得ることができる強化熱可塑性樹脂組成物としては、下記のものが提案されている。
(3)特定量のポリカーボネート樹脂と、ゴム含有ポリマーと、ナイロン系収束剤で収束された炭素繊維とからなる強化熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献3を参照)。
(4)ポリカーボネート樹脂と、重縮合触媒の失活処理がなされたポリエチレンテレフタレート樹脂と、カーボンブラックとを特定量配合してなる強化熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献4を参照)。
特開2013−14747号公報 特開2001−240738号公報 特開昭60−88062号公報 特開2012−77242号公報
しかしながら、上記(1)の強化熱可塑性樹脂組成物は、成形品に加工した際の耐衝撃性が不十分であった。
また、上記(2)の強化熱可塑性樹脂組成物は、成形品に加工した際の機械的強度(曲げ強度等)が低下する問題を有していた。
また、上記(3)の強化熱可塑性樹脂組成物は、成形品に加工した際の耐衝撃性が不十分であった。
また、上記(4)の強化熱可塑性樹脂組成物は、成形品に加工した際の剛性が低かった。
また、上記(1)〜(4)の強化熱可塑性樹脂組成物以外にも、成形品の機械的強度の向上を目的として、エポキシ化合物を添加した強化熱可塑性樹脂組成物が数多く提案されている。
しかしながら、成形性および得られる成形品の剛性、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、難燃性、およびフロントガラス用エポキシ系接着剤との接着強度の全てにおいてバランスに優れた強化熱可塑性樹脂組成物は、いまだ提案されていない。
本発明は、成形性が良好であり、得られる成形品の剛性、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、難燃性、およびフロントガラス用エポキシ系接着剤との接着強度の全てをバランス良く高めることが可能な強化熱可塑性樹脂組成物、およびその成形品を提供する。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]ポリカーボネート樹脂(A)の80〜95質量%と、ゴム質重合体(B1)の存在下に、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体混合物(m1)を重合して得られたグラフト共重合体(B)の5〜20質量%とからなる(ただし、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記グラフト共重合体(B)との合計は100質量%である。)樹脂主成分(C)と、無機充填材(D)と、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)と、ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)と、燐酸エステル系難燃剤(G)と、を含有する強化熱可塑性樹脂組成物であって、
前記ゴム質重合体(B1)が、シリコーン−アクリル複合ゴムであり、
前記無機充填材(D)の含有量が、当該強化熱可塑性樹脂組成物100質量%中、20〜45質量%であり、
前記グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の質量平均分子量が3,800〜60,000であり、前記グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の含有量が、前記樹脂主成分(C)100質量部に対して、3〜10質量部であり、
前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)が、リサイクルおよび/またはリペレットされたものであり、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)の含有量が、前記樹脂主成分(C)100質量部に対して、5〜30質量部であり、
前記燐酸エステル系難燃剤(G)は質量平均分子量が326を超え、前記燐酸エステル系難燃剤(G)の含有量が、前記樹脂主成分(C)100質量部に対して、3〜25質量部である、エポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物。
[2]前記無機充填材(D)が炭素繊維である、[1]に記載のエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物。
[3]前記無機充填材(D)がガラス繊維である、[1]に記載のエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載のエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物が成形加工された、少なくともエポキシ系接着剤を使用する成形品。
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、成形性が良好であり、この樹脂組成物を成形して得られる成形品の剛性、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、難燃性、およびフロントガラス用エポキシ系接着剤との接着強度の全てをバランス良く高めることができる。
本発明の成形品は、剛性、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、難燃性、およびフロントガラス用エポキシ系接着剤との接着強度の全てが高いものである。
以下、本発明に係る、エポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物(以下、単に強化熱可塑性樹脂組成物と略称する場合がある。)を詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。また、「成形品」とは、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物を成形加工してなるものである。
「エポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物」
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、樹脂主成分(C)と、無機充填材(D)と、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)と、ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)と、燐酸エステル系難燃剤(G)と、を含有する。
樹脂主成分(C)は、ポリカーボネート樹脂(A)の80〜95質量%と、グラフト共重合体(B)の5〜20質量%とからなる(ただし、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記グラフト共重合体(B)との合計は100質量%である。)。
グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(B1)の存在下に、単量体混合物(m1)を重合して得られたものである。
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、難燃助剤(H)をさらに含有することが好ましい。
また、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、燐酸エステル系難燃剤(G)以外の他の難燃剤(I)を含んでいてもよい。
さらに、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、樹脂主成分(C)、無機充填材(D)、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)、燐酸エステル系難燃剤(G)、難燃助剤(H)および他の難燃剤(I)以外の他の成分を含んでいてもよい。
以下、各成分((A)〜(I)、(B1)、(m1)等)について説明する。
<ポリカーボネート樹脂(A)>
ポリカーボネート樹脂(A)は、ジヒドロキシジアリールアルカンから得られる樹脂である。ポリカーボネート樹脂(A)は、分岐していない構造のものであってもよく、分岐した構造のものであってもよい。本発明の強化熱可塑性樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリカーボネート樹脂(A)は、市販品を用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)の製造方法としては、例えば、ジヒドロキシジアリールアルカン等のジヒドロキシ化合物またはポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させる方法や、溶融重合法が挙げられる。
ジヒドロキシジアリールアルカンとしては、例えば、ヒドロキシ基に対してオルトの位置にアルキル基を有するものが挙げられる。ジヒドロキシジアリールアルカンの好ましい具体例としては、例えば、4,4−ジヒドロキシ2,2−ジフェニルプロパン(すなわち、ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、およびビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
分岐したポリカーボネート樹脂(A)は、例えば、ジヒドロキシ化合物の一部(例えば0.2〜2モル%)をポリヒドロキシ化合物で置換することにより製造される。ポリヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、フロログリシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、および1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)として、コンパクトディスク等からリサイクルしたものを用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は、15,000〜35,000が好ましい。ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が15,000以上であれば、成形品の耐衝撃性がさらに高くなる。ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が35,000以下であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性がさらに高くなる。ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、成形品の機械的強度、耐衝撃性、および強化熱可塑性樹脂組成物の流動性のバランスが特に優れる点から、17,000〜25,000がより好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、例えば溶液粘度法により求めることができる。市販のポリカーボネート樹脂(A)を用いる場合は、カタログ値の粘度平均分子量を用いてもよい。
<ゴム質重合体(B1)>
ゴム質重合体(B1)は、シリコーン−アクリル複合ゴムである。ゴム質重合体(B1)がシリコーン−アクリル複合ゴムであることにより、他のゴム質重合体を用いる場合に比べて、強化熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品の難燃性や高温高湿下での耐久性が高くなる。
シリコーン−アクリル複合ゴムのシリコーンゴム成分は、ポリオルガノシロキサンを主成分とするものであり、中でも、ビニル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサンが好ましい。
シリコーン−アクリル複合ゴムにおけるアクリルゴム成分は、アルキル(メタ)アクリレート(f)と多官能性単量体(g)とが重合したものである。
アルキル(メタ)アクリレート(f)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート;ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、およびn−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート(f)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能性単量体(g)としては、例えば、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、およびトリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。多官能性単量体(g)は、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリコーン−アクリル複合ゴムの複合化構造としては、例えば、シリコーンゴム成分のコア層の周囲がアクリルゴム成分で覆われたコアシェル構造;アクリルゴム成分のコア層の周囲がシリコーンゴム成分で覆われたコアシェル構造;シリコーンゴム成分とアクリルゴム成分とが相互に絡み合っている構造;ポリオルガノシロキサンのセグメントとポリアルキル(メタ)アクリレートのセグメントが互いに直線的および立体的に結合しあって網目状のゴム構造となっている構造;等が挙げられる。
(ゴム質重合体(B1)の製造方法)
ゴム質重合体(B1)は、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下に、ゴム質重合体(B1)を形成する単量体を乳化重合することによって調製される。このような乳化重合法による調製方法は、ゴム質重合体(B1)の粒子径を制御しやすいというメリットがある。
シリコーン−アクリル複合ゴム質重合体(B1)の体積平均粒子径は、強化熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の耐衝撃性をより高くできる点から、0.1〜0.6μmであることが好ましい。
本発明において説明する体積平均粒子径とは、例えば、レーザー回折・散乱法などの方法によって測定される値である。
<単量体混合物(m1)>
単量体混合物(m1)は、芳香族アルケニル化合物(以下、単量体(a)ともいう。)およびシアン化ビニル化合物(以下、単量体(b)ともいう。)を含む。必要に応じて、単量体(a)および単量体(b)と共重合可能な他の単量体(以下、単量体(c)ともいう。)をさらに含んでもよい。
単量体(a)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、スチレンが好ましい。
単量体(b)としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。
単量体(c)としては、例えば、アルキルメタクリレート(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等)、アルキルアクリレート(メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等)、およびマレイミド化合物(N−フェニルマレイミド等)等が挙げられる。
単量体混合物(m1)中の各単量体の割合は、成形品の耐衝撃性と強化熱可塑性樹脂組成物の成形性とのバランスに優れる点から、単量体(a)の割合が50〜90質量%、単量体(b)の割合が10〜50質量%、他の単量体(c)の割合が0〜40質量%であることが好ましい(ただし、これら単量体(a)〜(c)の合計は100質量%である。)。
<グラフト共重合体(B)>
グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(B1)の存在下に、単量体混合物(m1)を重合して得られたものである。つまりグラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(B1)に、単量体混合物(m1)から形成された重合体(B2)がグラフトされたものである。
より具体的には、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物におけるグラフト共重合体(B)は、例えば、体積平均粒子径が0.1〜0.6μmであるゴム質重合体(B1)の粒子に、芳香族アルケニル化合物の単量体(a)単位およびシアン化ビニル化合物の単量体(b)単位を有する重合体(B2)が結合したものであり、ゴム質重合体(B1)からなるコア部と、単量体(a)単位(芳香族アルケニル化合物)および単量体(b)単位(シアン化ビニル化合物)からなる外層部から構成される。
グラフト共重合体(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム質重合体(B1)の含有量は、樹脂主成分(C)(100質量%)のうち、5〜25質量%であることが好ましい。ゴム質重合体(B1)の含有量が5質量%以上であれば、成形品の耐衝撃性をさらに高められる。ゴム質重合体(B1)の含有量が25質量%以下であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性がさらに良好になり、成形品の外観が良好になる。
重合体(B2)は、単量体(a)単位および単量体(b)単位を必須成分として有し、これらと共重合可能な他の単量体(c)単位を任意成分として有する。重合体(B2)中の各単量体単位の割合(質量%)の好ましい範囲は、単量体混合物(m1)中の各単量体の割合の好ましい範囲と同様である。
グラフト共重合体(B)は、アセトン可溶分を1〜30質量%含み、かつ、アセトン可溶分の0.2g/dlのN,N−ジメチルホルムアミド溶液として25℃で測定した還元粘度が0.3〜0.7dl/gであることが好ましい。
アセトン可溶分が30質量%以下(アセトン不溶分が70質量%以上)であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性がさらに良好になり、成形品の表面外観もさらに良好となる。アセトン可溶分が1質量%以上(アセトン不溶分が99質量%以下)であれば、成形品の引き裂き強度が向上する。
アセトン可溶分の前記還元粘度が0.3dl/g以上であれば、成形品の引き裂き強度が向上する。アセトン可溶分の前記還元粘度が0.7dl/g以下であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性がさらに良好になり、得られる成形品の表面外観も良好となる。
本発明において説明する還元粘度は、粘度平均分子量の場合と同様、例えば、溶液粘度を測定する方法によって求められる。
アセトン可溶分の測定方法は、下記のとおりである。
グラフト共重合体の2.5gをアセトン90ml中に浸漬し、65℃で3時間加熱した後、遠心分離機を用い、1500rpmの回転数にて30分間遠心分離する。その後、上澄み液を除去し、残分を真空乾燥機にて65℃で12時間乾燥し、乾燥後の試料を精秤する。その質量差分([グラフト共重合体2.5g]−[乾燥後の試料の質量])から、グラフト共重合体におけるアセトン可溶分の割合(%)を求めることができる。
アセトン可溶分の還元粘度は、0.2g/dlのN,N−ジメチルホルムアミド溶液とし、25℃で測定する。
ここで、アセトン可溶分は、重合体(B2)と同様の重合体であって、ゴム質重合体(B1)にグラフトしていない重合体である。アセトン可溶分は、ゴム質重合体(B1)に重合体(B2)をグラフトさせる際に同時に生成することが多い。よって、グラフト共重合体(B)は、アセトン可溶分とアセトン不溶分とを含む。
尚、グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(B1)と単量体混合物(m1)とがどのように重合しているか、詳細に特定することは困難である。すなわち、グラフト共重合体(B)をその構造または特性により直接特定することが不可能であるか、またはおよそ実際的ではないという事情(不可能・非実際的事情)が存在する。
(グラフト共重合体(B)の製造方法)
グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(B1)の存在下に、単量体混合物(m1)をグラフト重合させることによって得られる。
グラフト重合法としては、特に制限はないが、乳化重合法が好ましい。また、グラフト重合時には、グラフト共重合体(B)の分子量、グラフト率、アセトン可溶分の還元粘度を調整するために、各種連鎖移動剤を添加してもよい。
<樹脂主成分(C)>
樹脂主成分(C)は、ポリカーボネート樹脂(A)の80〜95質量%と、グラフト共重合体(B)の5〜20質量%とからなり(ただし、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記グラフト共重合体(B)との合計は100質量%である。)、ポリカーボネート樹脂(A)の90〜95質量%と、グラフト共重合体(B)の5〜10質量%とからなることがさらに好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)の割合が80質量%以上であれば、成形品の耐衝撃性、難燃性、機械的強度、剛性が高められ、95質量%以下であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性が良好になる。
グラフト共重合体(B)の割合が5質量%以上であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性が良好になり、20質量%以下であれば、成形品の耐衝撃性、難燃性、機械的強度、剛性が良好になる。
<無機充填材(D)>
無機充填材(D)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、無機繊維に金属コーティングしたもの、ウオラスナイト、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カーボンブラック、ケッチェンブラック等の無機物、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等の金属や合金、およびそれらの酸化物の繊維、粉末等が挙げられる。これらのうち、少ない配合で高い剛性が得られることからガラス繊維や炭素繊維を用いることが好ましい。
上述した無機繊維、無機繊維に金属をコーティングしたもの、無機物、金属や合金、およびそれらの酸化物の繊維、粉末等は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等)や、その他の表面処理剤で処理されたものであってもよい。
また、ガラス繊維、炭素繊維は、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体やポリアミド等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン樹脂、またはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
ガラス繊維、炭素繊維の繊維断面における長径と短径との比(長径/短径)は、それぞれ2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。長径/短径が2以上であれば、良好な衝撃性や強度が得られる。長径/短径が6以下であれば、良好な賦形性(押出作業性)が得られる。
繊維断面における長径/短径は、例えば電子顕微鏡を用いて、繊維断面を8箇所で観察し、8箇所の長径/短径を平均して求める。市販品を用いる場合は、例えば、カタログ値における繊維断面の長径/短径を用いてもよい。
ガラス繊維や炭素繊維は長繊維および短繊維のいずれでもよい。ガラス繊維や炭素繊維としては、異方性が少ない短繊維が好ましく、チョップドファイバーであることがより好ましい。
無機充填材(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<グリシジルエーテル単位含有重合体(E)>
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)は、分子中にグリシジルエーテル単位を有する重合体である。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)は、ハロゲン原子(臭素等)を有しないことが好ましい。また、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)は、ブロック型重合体ではないことが好ましい。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)としては、例えば、ヒドロキシ基を有する化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が挙げられる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ビフェニル型エポキシ樹脂等の高分子量体であって、下記式(1)で表される単位を分子中に有する分子鎖を有するもの(例えば、エポキシ基含有フェノキシ樹脂)等が挙げられる。
Figure 2018080254
ただし、上記式(1)中、mは1以上の整数である。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールAおよびビスフェノールFの構造を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテルとしては、例えば、アルキレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル等)、ポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等)、およびグリセリントリグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)としては、成形品の機械的強度がさらに高くなる点から、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAおよびビスフェノールFの構造を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはエポキシ基含有フェノキシ樹脂等が好ましい。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)は、常温(20℃)で液状であってもよく、半固形状であってもよく、固形状であってもよい。また、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)としては、混合、混練時の作業性等を考慮すると、固形状のものが好ましい。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の質量平均分子量は、3,800〜60,000であり、5,500〜50,000が好ましい。グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の質量平均分子量が3,800以上であれば、成形品の耐衝撃性が高くなる。グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の質量平均分子量が60,000以下であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性、成形品の難燃性が良好になる。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の質量平均分子量は、質量分析法により求めることができる。市販のグリシジルエーテル単位含有重合体(E)を用いる場合は、カタログ値の質量平均分子量を用いてもよい。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)は、市販品を用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の市販品としては、例えば、三菱化学社製のjER(登録商標)シリーズ、新日鉄住金化学社製のエポトート(登録商標)シリーズ、フェノトート(登録商標)シリーズ、旭化成イーマテリアルズ社製のAER(登録商標)シリーズ、およびDIC社製のエピクロン(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
<ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)>
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう。)樹脂(F)は、リサイクルおよび/またはリペレットされたものである。具体的には、リサイクルされたPET樹脂、リペレットされたPET樹脂、リサイクルされ、リペレットされたPET樹脂等が挙げられる。
本発明において説明するリサイクルされたPET樹脂とは、PET樹脂の成形工程を経て得られるPET樹脂製品を回収し、再生したものである。PET樹脂製品としては、使用済みのPETボトルや食品トレー等が代表的なものであるが、それらに限定されることはなく、例えば、PET樹脂製品のオフグレードや、成形工程で発生する廃材等も対象とすることができる。ゆえに、リサイクルおよび/またはリペレットされたポリエチレンテレフタレート樹脂(F)を用いる事により、資源を有効活用する事ができる。
使用済みPETボトルや食品トレー等を回収して得られるリサイクル材については、分別により、異種材料や金属の混入を避ける必要が有る。また、回収した使用済みPET樹脂製品をアルカリ水等によって洗浄した場合には、PET樹脂の加水分解を促進させるアルカリ分が残留しないように、十分に水洗した後、乾燥処理を施すことが必要である。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)に用いられる、リサイクルされたPET樹脂の形状としては、フレーク状が一般的であり、平均粒径としては2〜5mmが好ましい。また、異物除去のために、一旦、ペレット化(リペレット)したものを用いてもよい。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)に用いられる、リペレットされたPET樹脂としては、上記リサイクルされたPET樹脂をペレット化したもの、市販されているペレット状製品(バージン材)をペレット化したもの等が挙げられる。上記のようなPET樹脂のペレット化は、例えば、押出機等を用いて実施できる。
PET樹脂(F)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<燐酸エステル系難燃剤(G)>
燐酸エステル系難燃剤(G)としては、公知のものを用いることができ、例えば下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018080254
ただし、上記式(2)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基であり、R、R、R、Rの全てが同時に水素原子であることはなく、Aは(q+1)価の有機基であり、pは0または1であり、qは1以上の整数であり、rは0以上の整数である。
1価の有機基としては、例えば、置換されていてもよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、アルキル基置換フェニル基等)等が挙げられる。置換されている場合の置換基数には制限がない。置換基としては、例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基等が挙げられる。置換された有機基は、これらの置換基の2以上を組み合わせた基(例えば、アリールアルコキシアルキル基等)、または、これらの置換基を酸素原子、窒素原子、硫黄原子等により結合して組み合わせた基(例えば、アリールスルホニルアリール基等)であってもよい。
(q+1)価の有機基としては、前記1価の有機基から、炭素原子に結合している水素原子のq個を除いた構造の官能基が挙げられる。水素原子が取り除かれる炭素原子の位置は任意である。(q+1)価の有機基の具体例としては、アルキレン基、(置換)フェニレン基等が挙げられる。
燐酸エステル系難燃剤(G)の具体例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニル−2−エチルクレシルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、レゾルシニルジフェニルホスフェート、およびポリホスフェート等が挙げられる。
ポリホスフェートとしては、例えば、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、フェニレンビス(ジトリルホスフェート)、およびフェニレンビス(ジキシリルホスフェート)等が挙げられる。
ポリホスフェートは、例えば、多核フェノール類(例えば、ビスフェノールA類等)等の各種ジオール体とオルト燐酸との脱水縮合によって得られる。ジオール体としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフェニロールメタン、ジフェニロールジメチルメタン、ジヒドロキシビフェニル、およびp,p’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
燐酸エステル系難燃剤(G)としては、上記の中でも、トリフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、フェニレンビス(ジキシリルホスフェート)が好ましい。
燐酸エステル系難燃剤(G)の質量平均分子量は、326超が好ましく、550以上がより好ましい。質量平均分子量が326以上、特に326を超える燐酸エステル系難燃剤(G)を用いれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性がより良好になり、外観の優れた成形品を得ることができる。
燐酸エステル系難燃剤(G)の質量平均分子量は、成形品の難燃性の点から、692以下が好ましく、690以下がより好ましく、686以下が特に好ましい。
燐酸エステル系難燃剤(G)の質量平均分子量は、質量分析法により求めることができる。市販の燐酸エステル系難燃剤(F)を用いる場合は、カタログ値の質量平均分子量を用いてもよい。
燐酸エステル系難燃剤(G)は、市販品を用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
燐酸エステル系難燃剤(G)の市販品としては、例えば、ADEKA社製のFPシリーズ、味の素ファインテクノ社製のクロニテックス(登録商標)シリーズ、ケムチュラジャパン社製のレオフォス(登録商標)シリーズ、大八化学社製のCRシリーズ、PXシリーズ等が挙げられる。
<難燃助剤(H)>
難燃助剤(H)は、強化熱可塑性樹脂組成物の燃焼時のドリップを防止する成分である。難燃助剤(H)としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン単位を有する共重合体、シリコーン系重合体等が挙げられる。
<他の難燃剤(I)>
燐酸エステル系難燃剤(G)以外の他の難燃剤(I)としては、公知の各種難燃剤を用いることができ、燐酸エステル系難燃剤(G)以外の非ハロゲン系難燃剤が好ましい。該非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、ホスファゼン化合物、リン含有ポリエステル、無機系難燃剤(赤燐、水酸化アルミニウム等)、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、ポリリン酸メラミン等のイントメッセント系難燃剤などが挙げられる。
赤燐系難燃剤としては、熱硬化性樹脂で被覆されて安定化されたもの、または熱硬化性樹脂および金属水酸化物で被覆されて安定化されたものが用いられる。赤燐系難燃剤は、単独では発火性があるため、あらかじめ樹脂主成分(C)の少なくとも一部またはポリカーボネート樹脂(A)に混合してマスターバッチ化してもよい。
<他の成分>
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物に含有される他の成分としては、例えば、他の改質剤、離型剤、光または熱に対する安定剤、帯電防止剤、染料、および顔料等が挙げられる。
<各成分の含有量>
強化熱可塑性樹脂組成物中に含まれる無機充填材(D)の含有量は、強化熱可塑性樹脂組成物100質量%中において、20〜45質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。無機充填材(D)の含有量が20質量%以上であれば、成形品の剛性等が高くなる。無機充填材(D)の含有量が45質量%以下であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性が良好となり、かつ、エポキシ系接着剤との接着強度に優れたものとなる。
本発明においては、無機充填材(D)の含有量として上記範囲を選択することにより、成形品の剛性等を維持しながら、良好な成形性、および優れたエポキシ系接着剤との接着強度を実現できるものである。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の含有量は、樹脂主成分(C)100質量部に対して、3〜10質量部が好ましく、6〜8質量部がより好ましい。グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の含有量が3質量部以上であれば、成形品の耐衝撃性が高くなる。グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の含有量が10質量部以下であれば、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性、成形品の難燃性が良好になる。
PET樹脂(F)の含有量は、樹脂主成分(C)100質量部に対して、5〜30質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましい。PET樹脂(F)の含有量が5質量部以上30質量部以下であれば、耐衝撃性に優れる。
燐酸エステル系難燃剤(G)の含有量は、樹脂主成分(C)100質量部に対して、3〜25質量部が好ましく、5〜23質量部がより好ましい。燐酸エステル系難燃剤(G)の含有量が25質量部以下であれば、成形品の耐衝撃性、耐熱性が高くなる。燐酸エステル系難燃剤(G)の含有量が3質量部以上であれば、成形品の難燃性、成形性がさらに良好となる。
強化熱可塑性樹脂組成物が、難燃助剤(H)として、ポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン単位を有する共重合体を含有する場合、難燃助剤(H)の含有量は、成形品の表面外観の点から、樹脂主成分(C)100質量部に対して、1質量部以下が好ましい。下限は特に限定されないが、難燃助剤(H)による効果が得られやすい点で、樹脂主成分(C)100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましい。
<強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)と、グラフト重合体(B)と、無機充填材(D)と、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)と、PET樹脂(F)と、燐酸エステル系難燃剤(G)と、必要に応じて難燃助剤(H)、他の難燃剤(I)、その他の成分、を配合することによって得られる。具体的には、各成分を、混合装置(例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、ナウターミキサー等)を用いて混合することによって得られる。さらに、上記の各成分を、混練装置(例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ、コニーダ等)を用いて混練してもよい。
<作用効果>
以上説明したような、本発明に係るエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物によれば、特定量のポリカーボネート樹脂(A)とグラフト共重合体(B)とからなる樹脂主成分(C)と、特定量の無機充填材(D)と、特定の質量平均分子量のグリシジルエーテル単位含有重合体(E)と、リサイクルおよび/またはリペレットされたPET樹脂(F)と、燐酸エステル系難燃剤(G)とを、特定の割合で含有するため、成形性が良好であり、また、得られる成形品の剛性、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、難燃性、エポキシ系接着剤との接着強度を高くできる。
また、成形性が良好であることから、得られる成形品に、シルバーストリーク等の外観不良が生じにくい。
「成形品」
本発明の成形品は、本発明に係るエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物が成形加工されたものである。
強化熱可塑性樹脂組成物の成形加工法としては、例えば、射出成形法(フィルムやガラス板などのインサート成形を含む。)、射出圧縮成形法、押出法、ブロー成形法、真空成形法、圧空成形法、カレンダー成形法、およびインフレーション成形法等が挙げられる。これらのうち、量産性に優れ、高い寸法精度の成形品を得ることができる点から、射出成形法、または射出圧縮成形法を採用することが好ましい。
本発明の成形品にあっては、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物を用いているため、剛性、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、難燃性、フロントガラス用エポキシ系接着剤との接着強度が高い。また、外観も良好である。
本発明の成形品は、例えば、パーソナルコンピュータ(ノート型、タブレット型を含む。)、プロジェクタ(液晶プロジェクタを含む。)、テレビジョン、プリンタ、ファクシミリ、複写機、オーディオ機器、ゲーム機、カメラ(ビデオカメラ、デジタルカメラ等を含む。)、映像機器(ビデオ等)、楽器、モバイル機器(電子手帳、情報携帯端末(PDA)等)、照明機器、および通信機器(電話(携帯電話、スマートフォンを含む。)等)等の筐体の他、釣具、遊具(パチンコ物品等)、車両用製品、家具用製品、サニタリー製品、および建材用製品等に適用できる。これら用途のうち、本発明の効果がとりわけ発揮される点から、モバイル機器(ノート型やタブレット型のパーソナルコンピュータ、およびスマートフォンを含む携帯機器等)の筐体に適している。
以下、実施例により、本発明のエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物をより具体的に説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の説明において、「部」および「%」は、それぞれ、特に規定のない限り、「質量部」および「質量%」を意味する。
各種測定および評価に用いた方法、ならびに使用した成分は、以下の通りである。
<測定方法、評価方法>
[アセトン可溶分]
グラフト共重合体の2.5gをアセトン90ml中に浸漬し、65℃で3時間加熱した後、遠心分離機を用い、1500rpmの回転数にて30分間遠心分離した。その後、上澄み液を除去し、残分を真空乾燥機にて65℃で12時間乾燥し、乾燥後の試料を精秤した。その質量差分(2.5g−乾燥後の試料の質量(g))から、グラフト共重合体におけるアセトン可溶分の割合(%)を求めた。アセトン可溶分の還元粘度は、0.2g/dlのN,N−ジメチルホルムアミド溶液とし、25℃で測定した。
[シャルピー衝撃強度]
ISO 179−1:2013年度版に記載の方法に準じ、シャルピー衝撃強度を測定した。
[曲げ強度および曲げ弾性率]
ISO 178:2013年度版に記載の方法に準じ、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。曲げ強度は成形品の機械的強度の指標であり、曲げ弾性率は成形品の剛性の指標である。
[耐熱性]
ISO 75−2:2013年度版に記載の方法準じ、1.80MPa荷重フラットワイズ法での撓み温度を測定した。
[成形性]
A4サイズのノート型パーソナルコンピュータの液晶ディスプレイカバー(厚さ1mm)を、強化熱可塑性樹脂組成物を用いて、射出成形機(日本製鋼所社製、J350E、350tアキュームレーター付き)によって、成形温度290℃、射出速度99%、金型温度85℃の成形条件で成形した。そして、成形の際のショートショット(未充填部分)の有無およびヒケやシルバーストリーク、ガス焼けの有無により、以下の評価基準で成形性を評価した。
◎:未充填やヒケ、ガス焼けはなかった。
○:一部にヒケが見られた。
×:未充填であるか、ガスやけやシルバーストリークが見られた。
[難燃性]
強化熱可塑性樹脂組成物を、上記の成形性の評価と同様の射出成形法により成形して試験片(幅12.7mm、長さ127mm、厚さ1.8mm)を作製し、UL94に記載の方法に準拠して、下記のようにして難燃性を評価した。
まず、垂直に支持した前記試験片の下端にバーナー炎をあてて10秒間保ち、その後、バーナー炎を試験片から離した。炎が消えた後、再びバーナー炎をあて、同様の操作を行った。そして、1回目の接炎終了後の有炎燃焼持続時間、2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼持続時間の合計、ならびに燃焼落下物の有無により、UL94におけるV−1相当であるかどうかの判定を行い、以下の評価基準にて難燃性を評価した。なお、V−1の基準は、「1回目の有炎燃焼持続時間が10秒超30秒以内、2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼持続時間の合計が30秒超60秒以内であり、燃焼落下物がない。」である。
○:V−1レベルの難燃性を有していた。
×:V−1レベルの難燃性を有していなかった。
[接着強度]
強化熱可塑性樹脂組成物を、上記の成形性及び難燃性の評価と同様の射出成形法により成形して試験片(幅12.7mm、長さ127mm、厚さ2.0mm)を作製した。そして、この試験片を、接着面積169mm(縦13mm×横13mm)で、接着剤を用いて一対で張り合わせ、つかみ間距離178mm、速度5mm/minで引っ張った際の最大点試験力(N)により、接着剤との接着強度を評価した。この際、接着剤として、(株)スリーボンド製エポキシ系接着剤「スリーボンド2082C」を用いた。
<各成分>
[ポリカーボネート樹脂(A)]
ポリカーボネート樹脂(A−1)として、三菱エンジニアリングプラスチックス社製のノバレックス7021PJ(粘度平均分子量:18,800)を用いた。
[グラフト共重合体(B−1)の製造]
固形分濃度35%、平均粒子径0.08μmのポリブタジエンラテックス(固形分として100部)に、n−ブチルアクリレート単位85%およびメタクリル酸単位15%からなる平均粒子径0.08μmの共重合体ラテックス(固形分として2部)を、撹拌しながら添加した。30分間撹拌を続けて、平均粒子径0.28μmの肥大化ブタジエン系ゴム質重合体(B1−1)ラテックスを得た。
得られた肥大化ブタジエン系ゴム質重合体(B1−1)ラテックスを反応器に仕込み、蒸留水100部、ウッドロジン乳化剤4部、デモールN(花王社製、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物)0.4部、水酸化ナトリウム0.04部、デキストローズ0.7部を添加した。この混合物を、反応器内で撹拌しながら昇温させ、内温60℃の時点で、硫酸第一鉄0.1部、ピロリン酸ナトリウム0.4部、亜ジチオン酸ナトリウム0.06部を添加した後、下記成分を含む混合物を90分間にわたり連続的に滴下し、その後1時間保持して冷却することにより、グラフト共重合体(B−1)ラテックスを得た。
アクリロニトリル 30部。
スチレン 70部。
クメンヒドロペルオキシド 0.4部。
tert−ドデシルメルカプタン 1部。
そして、上記で得られたグラフト共重合体(B−1)ラテックスを希硫酸で凝固した後、洗浄、濾過、乾燥して、グラフト共重合体(B−1)の乾燥粉末を得た。
このグラフト共重合体(B−1)のアセトン可溶分は27%であった。また、アセトン可溶分の還元粘度は0.3dl/gであった。
[グラフト共重合体(B−2)の製造]
反応器に下記の割合で原料を仕込み、窒素置換下50℃で4時間撹拌しながら重合させて、ゴム質重合体(B1−2)ラテックスを得た。
n−ブチルアクリレート 98部。
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 1部。
アリルメタクリレート 1部。
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 2.0部。
脱イオン水 300部。
過硫酸カリウム 0.3部。
リン酸二ナトリウム12水塩 0.5部。
リン酸水素ナトリウム12水塩 0.3部。
上記で得られたゴム質重合体(B1−2)ラテックス(固形分として100部)を、別の反応器に仕込み、イオン交換水280部を加えて希釈し、70℃に昇温した。
これとは別に、アクリロニトリル/スチレン=29/71(質量比)からなる単量体混合物100部に、ベンゾイルペルオキシド0.7部を溶解し、窒素置換した後、前記ゴム質重合体(G1−2)ラテックスが入った反応器に、上記の単量体混合物を、30部/時間の速度で定量ポンプにより添加した。単量体混合物を全て添加した後、反応器内の温度を80℃に昇温し、30分間撹拌を続けて、グラフト共重合体(G−2)ラテックスを得た。この際の重合率は99%であった。
次に、上記のグラフト共重合体(B−2)ラテックスを、全ラテックスの3倍量の塩化アルミニウム(AlCl・6HO)0.15%水溶液(90℃)を仕込んだ凝固槽中に、撹拌しながら投入して凝固させた。全ラテックスを添加した後、凝固槽内の温度を93℃に昇温し、そのまま5分間放置した。そして、冷却した後、遠心分離機によって脱液、洗浄し、乾燥させることにより、グラフト共重合体(B−2)の乾燥粉末を得た。
このグラフト共重合体(B−2)のアセトン可溶分は21%であった。また、このアセトン可溶分の還元粘度は0.70dl/gであった。
[グラフト共重合体(B−3)の製造]
ポリブタジエン/ポリブチルアクリレートの複合ゴムをゴム質重合体(B1−3)とするグラフト共重合体(B−3)を下記の方法によって得た。
まず、固形分濃度35%、平均粒子径0.08μmのポリブタジエンラテックス(固形分として20部)に、n−ブチルアクリレート単位82%およびメタクリル酸単位18%からなる平均粒子径0.10μmの共重合ラテックス(固形分として0.4部)を撹拌しながら添加した。そして、30分間撹拌を続けて、平均粒子径0.36μmの肥大化ジエン系ゴムラテックスを得た。
得られた肥大化ジエン系ゴムラテックス(固形分として20部)を反応器に仕込み、不均化ロジン酸カリウム1部、イオン交換水150部および下記組成の単量体混合物を添加し、窒素置換し、50℃(内温)に昇温した。
n−ブチルアクリレート 80部。
アリルメタクリレート 0.32部。
エチレングリコールジメタクリレート 0.16部。
さらに、反応器に、10部のイオン交換水に硫酸第一鉄0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0006部およびロンガリット0.25部を溶解した溶液を添加し、反応させた。反応終了時の内温は75℃であった。さらに、80℃に昇温し、1時間反応を続けて、肥大化ジエン系ゴムとポリブチルアクリレート系ゴムとの複合ゴムからなるゴム質重合体(B1−3)ラテックスを得た。この際の重合率は98.8%であった。
上記で得られたゴム質重合体(B1−3)ラテックス(固形分として50部)を反応器に仕込み、イオン交換水140部を加えて希釈し、70℃に昇温した。
これとは別に、アクリロニトリル/スチレン=29/71(質量比)からなる単量体混合物50部に、ベンゾイルペルオキシド0.35部を溶解し、窒素置換した。そして、単量体混合物を15部/時間の速度で、ゴム質重合体(B1−3)ラテックスが入った反応器に、定量ポンプにより添加した。単量体混合物の全てを添加した後、反応器内の温度を80℃に昇温し、30分間撹拌を続けて、グラフト共重合体(B−3)ラテックスを得た。重合率は99%であった。
次いで、得られたグラフト共重合体(B−3)ラテックスを、全ラテックスの3倍量の硫酸0.5%水溶液(90℃)を仕込んだ凝固槽中に、撹拌しながら投入して凝固させた。次に、全ラテックスを添加した後、凝固槽内の温度を93℃に昇温し、そのまま5分間放置した。そして、これを冷却した後、遠心分離機によって脱液、洗浄し、その後、乾燥させることでグラフト共重合体(B−3)の乾燥粉末を得た。
このグラフト共重合体(B−3)のアセトン可溶分は20%であった。また、アセトン可溶分の還元粘度は0.7dl/gであった。
[グラフト共重合体(B−4)の製造]
ポリシロキサンゴムとポリブチルアクリレートゴムとの複合ゴムをゴム質重合体とするグラフト共重合体(B−4)を下記の方法により得た。
まず、オクタメチルテトラシクロシロキサン96部、γ−メタクリルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部及びエチルオルソシリケート2部を混合してシロキサン系混合物100部を得た。これに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水300部を添加し、ホモミキサーにて10000回転で2分間撹拌した後、ホモジナイザーに30MPaの圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
また、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱器及び撹拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベンゼンスルホン酸2部と蒸留水98部とを注入し、2%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。この水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合オルガノシロキサンラテックスを4時間にわたって滴下し、滴下終了後、1時間温度を維持し冷却した。この反応液を室温で48時間放置した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、ポリオルガノシロキサンラテックス(L−1)を得た。このポリオルガノシロキサンラテックス(L−1)の一部を170℃で30分間乾燥して固形分濃度を求めたところ、17.3%であった。
次いで、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱器及び撹拌装置を備えた反応器内に、ポリオルガノシロキサンラテックス(L−1)119.5部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム0.8部を仕込み、蒸留水203部を添加し、混合した。その後、n−ブチルアクリレート53.2部、アリルメタクリレート0.21部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.11部及びターシャリーブチルハイドロパーオキサイド0.13部からなる混合物を添加した。この反応器に窒素気流を通じることによって、雰囲気の窒素置換を行い、60℃まで昇温した。反応器の内部の温度が60℃になった時点で、硫酸第一鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0003部及びロンガリット0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。この際、アクリレート成分の重合により、液温は78℃まで上昇した。そして、この状態を1時間維持し、アクリレート成分の重合を完結させて、ポリオルガノシロキサンとポリブチルアクリレートゴムとの複合ゴム(B1−4)ラテックスを得た。
反応器内部の液温が60℃に低下した後、ロンガリット0.4部を蒸留水10部に溶解した水溶液を添加した。次いで、アクリロニトリル11.1部、スチレン33.2部及びターシャリーブチルハイドロパーオキサイド0.2部の混合液を約1時間にわたって滴下し、重合した。この滴下が終了して、さらに1時間保持した後、硫酸第一鉄0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0006部及びロンガリット0.25部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加した。次いで、アクリロニトリル7.4部、スチレン22.2部及びターシャリーブチルハイドロパーオキサイド0.1部の混合液を約40分間にわたって滴下し、重合した。この滴下が終了して、さらに1時間保持した後、冷却して、複合ゴム(B1−4)にアクリロニトリル−スチレン共重合体をグラフトさせたグラフト共重合体(B−4)ラテックスを得た。
次いで、酢酸カルシウムを5%の割合で溶解した水溶液150部を60℃に加熱し、撹拌した。この酢酸カルシウム水溶液中に、上記のグラフト共重合体(B−4)ラテックス100部を徐々に滴下して凝固させた。そして、得られた凝固物を分離し、洗浄した後、乾燥させることでグラフト共重合体(B−4)の乾燥粉末を得た。
このグラフト共重合体(B−4)のアセトン可溶分は26%であった。また、このアセトン可溶分の還元粘度は0.60dl/gであった。
[無機充填材(D)]
無機充填材(D−1)として、炭素繊維チョップドファイバー(三菱レイヨン社製、TR06U、表面処理剤:ポリウレタン)を用いた。
無機充填材(D−2)として、ガラス繊維チョップドファイバー(日東紡績社製、CSG 3PA−820、表面処理剤:ポリウレタン、長径/短径の比:4)を用いた。
無機充填材(D−3)として、ガラス繊維チョップドファイバー(日東紡績社製、CSH 3PA−870、表面処理剤:ポリウレタン、長径/短径の比:2)を用いた。
無機充填材(D−4)として、ガラス繊維チョップドファイバー(日東紡績社製、CSH 3PA−850、表面処理剤:エポキシ樹脂、長径/短径の比:2)を用いた。
無機充填材(D−5)として、ガラス繊維チョップドファイバー(日東紡績社製、CS3PE−455、表面処理剤:ポリウレタン、長径/短径の比:1)を用いた。
[グリシジルエーテル単位含有重合体(E)]
グリシジルエーテル単位含有重合体(E−1)として、エポキシ基含有フェノキシ樹脂(三菱化学社製、jER4250、質量平均分子量:60,000)を用いた。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E−2)として、エポキシ基含有フェノキシ樹脂(三菱化学社製、jER1256、質量平均分子量:50,000)を用いた。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E−3)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER1010、質量平均分子量:5,500)を用いた。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E−4)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER1009、質量平均分子量:3,800)を用いた。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E−5)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER1004、質量平均分子量:1,650)を用いた。
グリシジルエーテル単位含有重合体(E−6)は、下記の方法により製造した。
まず、撹拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備えた容量500mlのセパラブルフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:467g/eq)82.42部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量:210g/eq、加水分解可能塩素:1.79%)6.3部、ビスフェノールA13.95部、p−クミルフェノール19.6部、ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製、GV−335、酸価:30KOHmg/g)7.5部、およびキシレン30部を仕込み、窒素雰囲気下で加熱して昇温させた。反応系の内温が80℃に到達したところで、5%塩化リチウム水溶液を0.18部添加し、さらに昇温させた。また、反応系の内温が130℃に到達したところで、反応系内を減圧にして、キシレンおよび水を系外に抜き出した。その後、反応温度を160℃に維持しながら反応させ、1時間後に反応系内に窒素を導入して反応系の内圧を常圧に戻した。そして、反応温度が160℃に到達した時から7時間経過した時点で、高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:2700g/eq)20.25部を加え、1時間撹拌後、ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製、GV−730、酸価:3KOHmg/g)100部を加え、180℃で10時間反応させて、高分子量エポキシ樹脂を得た。得られた高分子量エポキシ樹脂をGPCによる分子量測定に供するため、試料0.1gをテトラヒドロフラン10mlに溶解させようとしたところ、約0.05gが不溶であった。5C濾紙でろ過後、濾液をGPCによる分子量測定に供したところ、質量平均分子量は70,200であった。
[PET樹脂(F)]
リサイクルされたPET樹脂(F−1)として、山一社製のPET−NPRを用いた。
リペレットされたPET樹脂(F−2)として、三菱化学社製のGM502Sを、二軸押出機を用いて260℃にてリペレットしたものを用いた。
リサイクルもリペレットもされていないPET樹脂(F−3)として、三菱化学社製のGM502Sを用いた。
[燐酸エステル系難燃剤(G)]
燐酸エステル系難燃剤(G−1)として、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(味の素ファインテクノ社製、BAPP、質量平均分子量:692、カタログ値)を用いた。
燐酸エステル系難燃剤(G−2)として、フェニレンビス(ジキシリルホスフェート)(大八化学社製、PX−200、質量平均分子量:686、カタログ値)を用いた。
燐酸エステル系難燃剤(G−3)として、フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)(大八化学社製、CR−733S、質量平均分子量:574、カタログ値)を用いた。
燐酸エステル系難燃剤(G−4)として、トリフェニルホスフェート(大八化学社製、TPP、質量平均分子量:326、カタログ値)を用いた。
[難燃助剤(H)]
難燃助剤(H−1)として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた。
<実施例1〜4、7〜23、比較例5−1,6−1,1〜15>
上述した各成分を下記表1〜3に示すように配合し、二軸押出機を用いて混練することにより、強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットについて、100℃で3時間乾燥した後、射出成形により成形性を評価した。また、得られた成形品のシャルピー衝撃強度、曲げ強度、曲げ弾性率、耐熱性、難燃性、及び接着強度を測定した。その評価結果を下記表1〜3に示す。
Figure 2018080254
Figure 2018080254
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表1〜3中の無機充填材(D)、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)、燐酸エステル系難燃剤(F)、難燃助剤(H)の量は、樹脂主成分(C)100部に対する量(部)である。また、「(D)の割合」は、強化熱可塑性樹脂組成物100%中の、無機充填材(D)の割合(%)である。
表1〜3に示すように、各実施例で得られた強化熱可塑性樹脂組成物は成形性に優れていた。また、各実施例で得られた強化熱可塑性樹脂組成物からは、耐衝撃性、剛性、機械的強度、耐熱性、難燃性、接着強度に優れた成形品が得られた。
一方、比較例1〜15においては、強化熱可塑性樹脂組成物の成形性、成形品の耐衝撃性、剛性、機械的強度、耐熱性および難燃性のいずれかの項目において劣るものとなった。
具体的には、ポリカーボネート樹脂(A)の割合が少なく、グラフト共重合体(B)の割合が多く、さらに、無機充填材(D)の割合が少ない比較例1においては、成形品の耐熱性、難燃性、剛性、機械的強度が劣っていた。
また、無機充填材(D)の割合が多い比較例5−1,6−1,および比較例2においては、成形性、成形品の難燃性、および接着強度が劣っていた。
また、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の含有量が樹脂主成分(C)100部に対して12部であり、かつ、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の質量平均分子量が70,200である比較例5においては、成形性、および成形品の難燃性が劣っていた。
また、燐酸エステル系難燃剤(G)の含有量が樹脂主成分(C)100部に対して30部である比較例6においては、成形品の耐熱性が劣っていた。
また、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の質量平均分子量が1,650である比較例7においては、成形品の耐衝撃性が劣っていた。
また、グラフト共重合体(B)を形成するゴム質重合体が、シリコーン−アクリル複合ゴム以外のゴム質重合体である比較例8〜10においては、成形品の難燃性が劣っていた。
また、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の含有量が樹脂主成分(C)100部に対して12部である比較例11においては、成形品の難燃性が劣っていた。
上記結果より、実施例12と比較例3との比較から、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)を含有しない強化熱可塑性樹脂組成物よりも、成形品に加工した際の耐衝撃性に優れていることがわかる。
また、実施例12と比較例4との比較から、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、リサイクルもリペレットもされていないPET樹脂(B)を含有した強化熱可塑性樹脂組成物よりも、成形性や、成形品に加工した際の耐衝撃性に優れていることがわかる。
また、実施例12と比較例8〜10との比較から、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、シリコーン−アクリル複合ゴム以外のゴム質重合体を用いたグラフト共重合体を含有する強化熱可塑性樹脂組成物よりも、成形品に加工した際の難燃性に優れていることがわかる。
さらに、実施例1〜4と比較例5−1,6−1,および比較例2との比較から、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、無機充填材(D)の割合が過剰である強化熱可塑性樹脂組成物よりも、エポキシ系接着剤との接着強度に優れていることがわかる。
本発明のエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物は、得られる成形品の剛性、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、難燃性、およびフロントガラス用のエポキシ系接着剤との接着強度の全てをバランス良く高めることが可能なので、例えば、モバイル機器(ノート型やタブレット型のパーソナルコンピュータ、スマートフォンを含む携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等)の筐体の材料として特に有用である。

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)の80〜95質量%と、ゴム質重合体(B1)の存在下に、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体混合物(m1)を重合して得られたグラフト共重合体(B)の5〜20質量%とからなる(ただし、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記グラフト共重合体(B)との合計は100質量%である。)樹脂主成分(C)と、無機充填材(D)と、グリシジルエーテル単位含有重合体(E)と、ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)と、燐酸エステル系難燃剤(G)と、を含有する強化熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記ゴム質重合体(B1)が、シリコーン−アクリル複合ゴムであり、
    前記無機充填材(D)の含有量が、当該強化熱可塑性樹脂組成物100質量%中、20〜45質量%であり、
    前記グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の質量平均分子量が3,800〜60,000であり、前記グリシジルエーテル単位含有重合体(E)の含有量が、前記樹脂主成分(C)100質量部に対して、3〜10質量部であり、
    前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)が、リサイクルおよび/またはリペレットされたものであり、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(F)の含有量が、前記樹脂主成分(C)100質量部に対して、5〜30質量部であり、
    前記燐酸エステル系難燃剤(G)は質量平均分子量が326を超え、前記燐酸エステル系難燃剤(G)の含有量が、前記樹脂主成分(C)100質量部に対して、3〜25質量部である、エポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記無機充填材(D)が炭素繊維である、請求項1に記載のエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記無機充填材(D)がガラス繊維である、請求項1に記載のエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ系接着剤との接着強度に優れる強化熱可塑性樹脂組成物が成形加工された、少なくともエポキシ系接着剤を使用する成形品。
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