JPH09143323A - 永久帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

永久帯電防止性樹脂組成物

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JPH09143323A
JPH09143323A JP30462095A JP30462095A JPH09143323A JP H09143323 A JPH09143323 A JP H09143323A JP 30462095 A JP30462095 A JP 30462095A JP 30462095 A JP30462095 A JP 30462095A JP H09143323 A JPH09143323 A JP H09143323A
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毅 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂本来が有する衝撃強度、耐熱性、及び成
形加工性等の物性を低下させることなく、水洗しても優
れた帯電防止効果が失われず、成形品にした際に層状剥
離のない永久帯電防止性に優れた樹脂組成物を提供する
こと、さらには上記特性を有し、かつ透明性を有する樹
脂組成物を提供すること。 【解決手段】 分散相がジエン系ゴム重合体2〜30重
量部で、連続相がスチレン系単量体単位30〜80重量
%、アクリル酸エステル単量体単位及び/又はメタクリ
ル酸エステル単量体単位20〜70重量%からなる重合
体70〜98重量部であるスチレン系重合体(A)85
〜97重量%とポリエーテルエステルアミド(B)3〜
15重量%とからなる樹脂組成物とする。さらには透明
なスチレン系重合体(A)を構成する連続相の屈折率と
ポリエーテルエステルアミド(B)の屈折率の差が0.
03以内とすることにより透明性の良好な永久帯電防止
性樹脂組成物となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久帯電防止性を
有し物性バランスも良好で、成形品とした場合層状剥離
等を生じない樹脂組成物、さらには透明で物性バランス
も良好で、成形品とした場合層状剥離等を生じない樹脂
組成物に関する。さらに詳述すると、ゴム重合体を分散
相として、スチレン系単量体、アクリル酸(メタクリル
酸)エステル単量体からなる共重合体を連続相とするス
チレン系重合体と特定のポリエーテルエステルアミドと
からなる永久帯電防止性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチックの多くは、電気絶
縁性が高く、摩擦等により帯電し易いため、ゴミやほこ
りが付着して成形品、シート、フィルム等の外観を損ね
る等の問題があった。また、最近ではビデオ、コンピュ
ーター、OA機器等に代表されるエレクトロニクス製品
の著しい発展にともない、これらにはプラスチック品が
用いられるため、製品では静電気に起因するノイズの発
生あるいはIC部品の破損等が重要な問題となってい
る。
【0003】このような、静電気によるプラスチックへ
の障害を防止するために、(1)帯電防止剤の内部練り
込み法、(2)帯電防止剤の外部塗布法、(3)除電器
を用いる方法等の帯電防止の処理方法がいろいろと実施
されてきている。
【0004】しかし、(1)の帯電防止剤の内部練り込
み法では、一般に帯電防止剤として用いられている低分
子量の界面活性剤が、成形品表面の水洗あるいは摩擦等
により除かれるため帯電防止効果が失われてしまい、永
久的な帯電防止性を保持させることが困難である。
【0005】また、(2)の帯電防止剤の外部塗布法に
ついても、塗布された帯電防止剤が成形品表面の水洗、
摩擦等により容易に除かれ、先の帯電防止剤の内部練り
込み法と同様、帯電防止効果が失われ、永久的な帯電防
止性能を持たせることは難しい。また、この方法は内部
練り込み法と異なり表面塗布工程を必要とするのでコス
トも高いものとなってしまう。
【0006】さらに、(3)の除電器を用いる方法に
は、コロナ放電式とラジオアイソトープ式があるが、前
者は火花放電による引火の危険性、後者は放射線を用い
ることによる使用上の制限があり実用化されている例は
少ない。また、この方法は単に帯電を除去するだけの機
能で永久的な帯電防止性能を有していない。
【0007】また、その他の永久的な帯電防止性を付与
する方法として、多量のカーボンブラック、金属粉及び
金属繊維等を練り込む方法があるが、この方法は、十分
な帯電防止効果を付与させることができる反面、成形品
の外観性、成形加工性、耐衝撃性等が低下する欠点を有
している。
【0008】一方、ポリエーテルエステルアミドと熱可
塑性樹脂の樹脂組成物としては、特開昭60−2344
7号公報にポリエーテルエステルアミドとポリグルタル
イミドの永久帯電防止性の樹脂組成物が、また特開昭6
1−73753号公報、特開昭61−73765号公報
にはポリエーテルエステルアミドとABS樹脂、MBA
S樹脂(メタクリル酸メチル/ブタジエンゴム/アクリ
ロニトリル/スチレンの共重合体)の樹脂組成物が報告
されているが、前報ではABS樹脂、MBS樹脂の耐衝
撃性の改良、後報ではポリエーテルエステルアミドと金
属との接着性を改良したことが報告されているのみであ
る。これまで、ポリスチレン系重合体にポリエーテルエ
ステルアミドを用いて、物性バランスも良好で、成形品
とした場合層状剥離等を生じない永久帯電防止性樹脂組
成物、さらには透明で良好な永久帯電防止性樹脂を得る
技術は存在しなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような現状に鑑
み、本発明は、水洗しても優れた帯電防止効果が失われ
ず、樹脂本来の衝撃強度、耐熱性及び成形加工性等の物
性を低下させることなく、かつ成形品にした際に層状剥
離のない永久帯電防止性に優れた樹脂組成物、さらには
透明性をも有してこのような優れた特性を保持した永久
帯電防止性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム重合体を
分散相として、スチレン系単量体、アクリル酸(メタク
リル酸)エステル単量体からなる共重合体を連続相とす
る特定のスチレン系重合体に特定のポリエーテルエステ
ルアミドを配合することによって水洗しても優れた永久
的な帯電防止性を保持し、物性バランスも良好な樹脂組
成物を見出し本発明の完成に到達したものである。
【0011】すなわち、本発明は、分散相がジエン系ゴ
ム重合体2〜30重量部で、連続相が下記化学式(I)
で示される構成単位30〜80重量%と下記化学式(I
I)で示される構成単位20〜70重量%からなる重合
体70〜98重量部であるスチレン系重合体(A)85
〜97重量%とポリエーテルエステルアミド(B)3〜
15重量%とからなる永久帯電防止性樹脂組成物、並び
にスチレン系重合体(A)が透明なスチレン系重合体で
その連続相の屈折率とポリエーテルエステルアミド
(B)の屈折率の差が0.03以内であることを特徴と
する透明性の良好な永久帯電防止性樹脂組成物である。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】以下に本発明をさらに詳しく説明する。本
発明で用いられるスチレン系重合体(A)は、分散相を
構成するジエン系ゴム重合体2〜30重量部と連続相を
構成する上記化学式(I)、(II)で示される構成単
位の重合体70〜98重量部とからなるものである。分
散相を形成するジエン系ゴム重合体としては、常温でゴ
ム的性質を示すものであればよく、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン及びスチレン−ブタジエンランダム共重合
体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等があげら
れる。より好ましいものとしては、スチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体のスチレン−ブタジエン共重合体である。
【0015】本発明のスチレン系重合体(A)に用いら
れるジエン系ゴム重合体は2〜30重量部であり、好ま
しくは4〜25重量部である。ジエン系ゴム重合体が2
重量部未満では充分な衝撃強度を得ることができず、3
0重量部を越えると流動性が低下し、さらに透明性を重
要視する樹脂組成物では透明性が低下し好ましくない。
【0016】本発明で用いられるスチレン系重合体
(A)の連続相を構成する構成単位(I)としては、例
えば次に示す構造のものがあげられる。
【化5】
【0017】また、構成単位(II)としては、例えば
次に示す構造のものがあげられる。
【化6】
【0018】すなわち、本発明で用いられるスチレン系
重合体(A)の連続相を構成する構成単位(I)として
は、スチレン単量体単位、α−メチルスチレン単量体単
位、p−メチルスチレン単量体単位、p−t−ブチルス
チレン単量体単位等があげられる。また、構成単位(I
I)としては、メチルメタクリレート単量体単位、ノル
マルブチルアクリレート単量体単位等があげられる。な
お、各構成単位中において各単量体単位は併用してもよ
い。
【0019】また、スチレン系重合体(A)の連続相を
構成する構成単位(I)の量は30〜80重量%、構成
単位(II)の量は20〜70重量%の範囲であり、よ
り好ましい構成単位(I)の量は35〜75重量%、構
成単位(II)の量は25〜65重量%である。この範
囲以外では、透明性を重要視する樹脂組成物の場合には
スチレン系重合体の透明性が低下し好ましくない。また
連続相の屈折率は特に制約されるものではないが、透明
性の観点からは分散相を形成するジエン系ゴム重合体の
屈折率との差を0.01以内に制御することが好まし
い。さらに、特に透明性を重要視する重合体の場合には
0.008以内のものが好ましい。
【0020】なお、上記の連続相の屈折率と分散相を形
成するジエン系ゴム重合体の屈折率との差を0.01以
内に制御すること、もしくは0.008以内にすること
は既に特公昭46−40688号公報、特公昭46−3
2748号公報、特公平5−74617号公報等を参照
して行うことができる。
【0021】本発明のスチレン系重合体(A)は、ゴム
補強ポリスチレン(HIPS樹脂)の製造で多用されて
いる公知の方法を用いて重合することができる。すなわ
ち、ゴム重合体をスチレン系単量体、アクリル酸(メタ
クリル酸)エステル単量体等からなる原料溶液に溶解
し、攪拌機付き反応容器に供給し80〜180℃の温度
範囲で重合を行う。連続相の分子量は重合温度の調整、
及び連鎖移動剤等を用いて公知の方法で制御することが
できる。
【0022】また、本発明で用いられるポリエーテルエ
ステルアミド(B)は、(a)炭素原子数6以上のアミ
ノカルボン酸またはラクタム、もしくは炭素原子数6以
上のジアミンとジカルボン酸の塩、(b)ポリエーテル
及び(c)ジカルボン酸から構成される。
【0023】(a)成分であるアミノカルボン酸として
は、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω
−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸及び1,1
−アミノウンデカン酸等があげられ、ラクタムとして
は、カプロラクタム、エナントラクタム及びラウロラク
タム等があげられる。また、ジアミンとジカルボン酸の
塩としては、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩、
ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸塩及びヘキサメチ
レンジアミン−イソフタル酸塩等があげられる。
【0024】(b)成分であるポリエーテルとしては、
ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プロピレンオ
キシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール及びポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール
等があげられる。
【0025】(c)成分であるジカルボン酸としては、
炭素数4〜20のジカルボン酸が好ましく、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸及びナフタレン−2,7−ジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族
ジカルボン酸、並びにコハク酸、シュウ酸、アジピン酸
及びセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等があげられ
る。
【0026】ポリエーテルエステルアミド(B)の重合
方法に関しては特に限定されず、例えば、(a)アミノ
カルボン酸またはラクタムと(c)ジカルボン酸を約等
モル比で反応させて両末端がカルボン酸基のポリアミド
ポリマーをつくり、これに(b)ポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールを真空下に反応させる方法、前記
(a)、(b)、(c)の各化合物を反応槽に仕込み、
水の存在下または非存在下に高温で加圧反応させること
により、カルボン酸末端のポリアミドポリマーを生成さ
せ、その後常圧または減圧下で重合を進める方法、及び
前記(a)、(b)、(c)の化合物を同時に反応槽に
仕込み溶融混合したのち高真空下で一挙に重合を進める
方法等の公知の方法を利用することができる。
【0027】本発明の樹脂組成物は、スチレン系重合体
(A)とポリエーテルエステルアミド(B)からなる。
スチレン系重合体(A)の割合は85〜97重量%、ポ
リエーテルエステルアミド(B)の割合は3〜15重量
%であり、好ましくはスチレン系重合体(A)90〜9
5重量%、ポリエーテルエステルアミド(B)5〜10
重量%である。ポリエーテルエステルアミド(B)が3
重量%未満では、充分な帯電防止性を得ることができ
ず、15重量%を越えると成形品に剥離等が生じ充分な
物性バランスを得ることができず好ましくない。
【0028】さらに、本発明で透明性をも重要視した樹
脂組成物の場合には、スチレン系重合体(A)の連続相
の屈折率とポリエーテルエステルアミド(B)の屈折率
の差は0.03以内である必要がある。屈折率の差が
0.03を越えると充分な透明性を得ることができず好
ましくない。
【0029】透明なスチレン系重合体(A)の連続相の
屈折率は、連続相を構成する構成単位(I)と(II)
の割合により調整することができる。また、ポリエーテ
ルエステルアミド(B)の屈折率は、前記の各構成成分
である(a)、(b)、(c)の化合物の割合により調
整することができる。
【0030】本発明の樹脂組成物はスチレン系重合体
(A)とポリエーテルエステルアミド(B)を公知の混
合機であるタンブラーやヘンシェルミキサー等で混合し
たドライブレンド物を押出機で溶融、混練押出して得る
ことができる。押出機としては、一般に単軸押出機、ま
たは2軸押出機等が使用できる。
【0031】本発明の樹脂組成物は、さらに、必要に応
じて安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、及び着色剤等
を添加することもできる。
【0032】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明の範囲は、その主旨を越えない限
り実施例によって限定されるものではない。なお、使用
したスチレン系重合体(A)、及びポリエーテルエステ
ルアミド(B)は以下の通りである。
【0033】(1)スチレン系重合体(A) <スチレン系重合体A−1の製造>撹拌機、温度計、還
流冷却器を付した反応容器中でスチレン含量18重量%
のスチレン−ブタジエン共重合体(旭化成社製商品名タ
フデン1000)6重量部をスチレン単量体36重量部
及びメチルメタクリレート単量体58重量部に溶解し、
これに連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.
2重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド
0.04重量部を添加し、この均一混合物を撹拌しなが
ら90℃に加熱した。重合転化率が30%に達した時
に、反応を一旦停止するために反応混合物を冷却した。
次いで、該反応混合物に新たに重合開始剤としてジクミ
ルパーオキサイド0.2重量部を添加した後、懸濁安定
剤として第三リン酸カルシウム1重量部を含有する水溶
液200重量部中に撹拌分散させ、100℃で2時間、
115℃で3.5時間、130℃で2.5時間加熱重合
させた。反応終了後、脱水、洗浄した後乾燥してスチレ
ン系重合体A−1を得た。
【0034】<スチレン系重合体A−2の製造>スチレ
ン含量18重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(旭
化成社製タフデン1000)20重量部、スチレン単量
体31重量部及びメチルメタクリレート単量体49重量
部を用いた以外は、A−1と同様にしてスチレン系重合
体A−2を得た。
【0035】<スチレン系重合体A−3の製造>スチレ
ン含量18重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(旭
化成社製タフデン1000)1重量部、スチレン単量体
38重量部及びメチルメタクリレート単量体61重量部
を用いた以外は、A−1の製造と同様にしてスチレン系
重合体A−3を得た。
【0036】<スチレン系重合体A−4の製造>スチレ
ン含量18重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(旭
化成社製タフデン1000)35重量部、スチレン単量
体25重量部及びメチルメタクリレート単量体40重量
部を用いた以外は、A−1の製造と同様にしてスチレン
系重合体A−4を得た。
【0037】<スチレン系重合体A−5の製造>スチレ
ン含量40重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(旭
化成社製アサプレン670A)8重量部、スチレン単量
体52重量部及びメチルメタクリレート単量体40重量
部を用いた以外は、A−1の製造と同様にしてスチレン
系重合体A−5を得た。
【0038】<スチレン系重合体A−6の製造>スチレ
ン含量18重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(旭
化成社製タフデン1000)6重量部、スチレン単量体
36重量部、メチルメタクリレート単量体53重量部、
及びノルマルブチルアクリレート5重量部を用いた以外
は、A−1の製造と同様にしてスチレン系重合体A−6
を得た。
【0039】上記製造で得たスチレン系重合体A−1〜
A−6の屈折率を、スチレン系重合体(A)を構成する
分散相のジエン系ゴム重合体の量と連続相の単量体混合
物の量と共に表−1に示した。なお、表−1中の単量体
SMはスチレン、MMAはメチルメタクリレート及びn
−BAはノルマルブチルアクリレートを示す。
【0040】
【表1】
【0041】(2)ポリエーテルエステルアミド(B) <ポリエーテルエステルアミドB−1の製造>カプロラ
クタム51重量部、数平均分子量1000のポリエチレ
ングリコール45重量部及びアジピン酸4重量部をイル
ガノックス1098(酸化防止剤、日本チバガイギ社)
0.2重量部及び三酸化アンチモン触媒0.1重量部と
ともにヘリカルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込
み、窒素置換して240℃で40分間加熱攪拌して透明
な均一溶液とした後、260℃、0.5mmHg以下の条
件で6時間重合し、粘稠で透明な重合体を得た。重合体
を冷却ベルト上にガット状に吐出し、ペレタイズするこ
とによって、ペレット状のポリエーテルエステルアミド
B−1を得た。
【0042】<ポリエーテルエステルアミドB−2の製
造>カプロラクタム48重量部、数平均分子量1000
のポリエチレングリコール45重量部及びアジピン酸7
重量部を用いた以外は、B−1の製造と同様にしてポリ
エーテルエステルアミドB−2を得た。
【0043】<ポリエーテルエステルアミドB−3の製
造>カプロラクタム45重量部、数平均分子量1000
のポリエチレングリコール45重量部及びアジピン酸1
0重量部を用いた以外は、B−1の製造と同様にしてポ
リエーテルエステルアミドB−3を得た。上記製造で得
たポリエーテルエステルアミドB−1〜B−3の屈折率
を構成単量体と共に表−2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】なお、表−1及び表−2の屈折率は、アッ
ベ式屈折計を用い温度25℃の条件で測定した。すなわ
ち、スチレン系重合体(A)の連続相の屈折率はスチレ
ン系重合体(A)をトルエン溶液とし不溶分を除去した
後の重合体を0.5g/100mlトルエン溶液とし
て、またポリエーテルエステルアミド(B)の屈折率は
0.5g/100ml蟻酸溶液として測定し、それぞれ
連続相の重合体及びポリエーテルエステルアミド(B)
の屈折率を求めた。
【0046】実施例1〜8及び比較例1〜4 上記の(1)スチレン系重合体の製造及び(2)ポリエ
ーテルエステルアミドの製造によって得られたスチレン
系重合体(A)とポリエーテルエステルアミド(B)を
表−3及び表−4に示した割合で混合し、東芝社製TE
M35Bの2軸押出機により押出し、ペレット化を行っ
た。このペレットから射出成形で試験片を成形し物性測
定を行った。その結果を表−3及び表−4に示した。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】なお、特性値は下記の方法により測定し
た。 (1)機械的特性及び流動性 (a)アイゾット(IZOD)衝撃強度:ASTM D
−256に準じて測定した。 (b)引張強度、伸び:ASTM D−638に準じて
測定した。 (c)流動性:ASTM D−1238に準じて、温度
200℃、荷重5kgにて、メルトフローレート(MF
R)を測定した。
【0050】(2)透明性:JIS K−6714に準
じて、全光線透過率、及び曇度を測定した。
【0051】(3)帯電防止効果 帯電防止効果は、射出成形した厚さ2mmの角板を用
い、次の二条件で測定した表面固有抵抗値で評価した。 (a)成形直後:成形直後の角板を純水中で1分間洗浄
し、充分乾燥させた後、JIS K−6911に準拠し
て温度23℃、湿度50%RHで24時間調湿して表面
固有抵抗値を測定した。 (b)300日間放置後:成形後の角板を温度23℃、
湿度50%RH中に300日間放置した後、純水中で1
分間洗浄し充分乾燥させ、JIS K−6911に準拠
して温度23℃、湿度50%RHで24時間調湿して表
面固有抵抗値を測定した。尚、表面固有抵抗(Ω)と帯
電防止効果の相関は、表面固有抵抗が1011以下であれ
ば帯電防止効果は優れている。表面固有抵抗が1011
越え1013以下では、帯電防止効果は良好であるが、表
面固有抵抗が1013を越え1014未満では帯電防止効果
が弱く、表面固有抵抗が1014以上では帯電防止効果は
無い。
【0052】(4)層状剥離性 層状剥離性の評価は、射出成形した厚み2mmの角板を
手で折ったときの、切断面を観察し、層状剥離のあるも
のについては×、ほとんど認められないものについては
○、全く認められないものについては◎で示した。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、特定の構成単量体単位
及び構成量を有するスチレン系重合体にポリエーテルエ
ステルアミドを混合することにより、従来の帯電防止性
樹脂と比較して物性バランスにも優れ、経時劣化も起こ
さないで永久帯電防止性に優れた樹脂組成物を、さらに
は特定のスチレン系重合体と特定のポリエーテルエステ
ルアミドを混合することにより透明性で物性バランスに
も優れた永久帯電防止性樹脂組成物を得ることができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散相がジエン系ゴム重合体2〜30重
    量部で、連続相が下記化学式(I)で示される構成単位
    30〜80重量%と下記化学式(II)で示される構成
    単位20〜70重量%とからなる重合体70〜98重量
    部であるスチレン系重合体(A)85〜97重量%とポ
    リエーテルエステルアミド(B)3〜15重量%からな
    ることを特徴とする永久帯電防止性樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の永久帯電防止性樹脂組成
    物において、スチレン系重合体(A)が透明スチレン系
    重合体であり、かつ透明スチレン系重合体の連続相の屈
    折率とポリエーテルエステルアミド(B)の屈折率の差
    が0.03以内であることを特徴とする透明性の良好な
    永久帯電防止性樹脂組成物。
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