JPH0692374B2 - マイコトリエニン系化合物 - Google Patents
マイコトリエニン系化合物Info
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- JPH0692374B2 JPH0692374B2 JP61041839A JP4183986A JPH0692374B2 JP H0692374 B2 JPH0692374 B2 JP H0692374B2 JP 61041839 A JP61041839 A JP 61041839A JP 4183986 A JP4183986 A JP 4183986A JP H0692374 B2 JPH0692374 B2 JP H0692374B2
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- xiv
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、構造式 で表わされるマイコトリエニン系化合物(以下この化合
物を化合物T−23-XIIと略称する)に関する。
物を化合物T−23-XIIと略称する)に関する。
本発明者等はストレプトマイセス・リシリエンシスに属
する新菌株たるストレプトマイセス・リシリエンシスT
−23株(微工研条寄第243号)の醗酵生産物中に抗腫瘍
活性を有するアンサマイシン骨格を有する化合物である
次の構造式 を有する化合物が存在することを確認し、これらの化合
物に上記の順序で夫々化合物T−23−I、化合物T−23
-II、化合物T−23-VIII、化合物T−23-IX、化合物T
−23−X、および化合物T−23-XIの名称を与え、そし
て化合物T−23−Iおよび化合物T−23-IIとそれらの
製造法については、特願昭56-189237号(特開昭58-9439
3号公報)および特願昭56-189238号(特開昭58-92662)
として特許出願し、化合物T−23-VIII及び化合物T−2
3-IXについては特願昭59-140470号として特許出願し、
化合物T−23−X及び化合物T−23-XIについては特願
昭60-84615号として特許出願した。
する新菌株たるストレプトマイセス・リシリエンシスT
−23株(微工研条寄第243号)の醗酵生産物中に抗腫瘍
活性を有するアンサマイシン骨格を有する化合物である
次の構造式 を有する化合物が存在することを確認し、これらの化合
物に上記の順序で夫々化合物T−23−I、化合物T−23
-II、化合物T−23-VIII、化合物T−23-IX、化合物T
−23−X、および化合物T−23-XIの名称を与え、そし
て化合物T−23−Iおよび化合物T−23-IIとそれらの
製造法については、特願昭56-189237号(特開昭58-9439
3号公報)および特願昭56-189238号(特開昭58-92662)
として特許出願し、化合物T−23-VIII及び化合物T−2
3-IXについては特願昭59-140470号として特許出願し、
化合物T−23−X及び化合物T−23-XIについては特願
昭60-84615号として特許出願した。
本発明者の先の知見によればこれらの化合物T−23−
I、化合物T−23-II、化合物T−23-VIII、化合物T−
23-IX、化合物T−23−Xおよび化合物T−23-XIは次の
ようにして得られる。
I、化合物T−23-II、化合物T−23-VIII、化合物T−
23-IX、化合物T−23−Xおよび化合物T−23-XIは次の
ようにして得られる。
すなわち、前記のストレプトマイセス・リシリエンシス
T−23株を通常の放線菌培養法で培養した後に、その培
養物を菌体と上清液とに分け、その菌体からアセトン−
水で活性区分を抽出し、抽出液を非イオン性交換樹脂に
通して活性区分を吸着させ次いでアセトン、低級アルコ
ール等の溶媒で抽出する。一方上清液からは直接有機溶
媒により活性区分を抽出する。両者を合体し、ついで有
機溶媒を除いた水性相からクロロホルム、酢酸エチル等
の水非混和性溶媒で抽出し濃縮後、脂肪族炭化水素溶媒
を加えて活性区分を沈殿させ、それをシリカゲルを充填
したカラムに吸着させ、ベンゼンで洗浄後、ベンゼン−
アセトン(4:1)で溶出すると化合物T−23−I含有溶
液が、またさらに同溶媒で溶出を続けると他の微量の活
性成分である化合物T−23-VIII含有溶液が溶出されて
くるのである。さらにこのカラムについて引続いて溶媒
を変えてベンゼン−アセトン(7:3)で溶出すると化合
物T−23-II含有溶液が得られ、このT−23-II含有溶液
を溶出させた後にさらに同溶媒で溶出を続けると他の微
量の活性成分である化合物T−23-IX含有溶液が溶出さ
れてくるのである。
T−23株を通常の放線菌培養法で培養した後に、その培
養物を菌体と上清液とに分け、その菌体からアセトン−
水で活性区分を抽出し、抽出液を非イオン性交換樹脂に
通して活性区分を吸着させ次いでアセトン、低級アルコ
ール等の溶媒で抽出する。一方上清液からは直接有機溶
媒により活性区分を抽出する。両者を合体し、ついで有
機溶媒を除いた水性相からクロロホルム、酢酸エチル等
の水非混和性溶媒で抽出し濃縮後、脂肪族炭化水素溶媒
を加えて活性区分を沈殿させ、それをシリカゲルを充填
したカラムに吸着させ、ベンゼンで洗浄後、ベンゼン−
アセトン(4:1)で溶出すると化合物T−23−I含有溶
液が、またさらに同溶媒で溶出を続けると他の微量の活
性成分である化合物T−23-VIII含有溶液が溶出されて
くるのである。さらにこのカラムについて引続いて溶媒
を変えてベンゼン−アセトン(7:3)で溶出すると化合
物T−23-II含有溶液が得られ、このT−23-II含有溶液
を溶出させた後にさらに同溶媒で溶出を続けると他の微
量の活性成分である化合物T−23-IX含有溶液が溶出さ
れてくるのである。
ところがその後本発明者等は化合物T−23−Iをはじめ
とする一連の化合物群の含有溶液を得る際の脂肪族炭化
水素溶媒を加えて沈殿させた前記活性区分をシリカゲル
を充填したカラムに吸着させ、クロロホルムで洗浄した
後、クロロホルム−メタノール(100:1)で溶出し、そ
の溶出液を一定量ずつの区分に分画し、各区分をシリカ
ゲル薄層クロマトグラフイーに付し、ジクロロメタン/
メタノール(15:1)溶媒で展開すると化合物T−23−I
(Rf=0.64)、T−23-VIII(Rf=0.63)、T−23-XI
(Rf=0.50)、およびT−23−X(Rf=0.32)がそれぞ
れ順番に溶出された後の区分に、これらとは異なる3種
類の微量活性成分(Rf=0.31、Rf=0.30およびRf=0.2
9)が存在し、それらが溶出された後に化合物T−23-II
(Rf=0.28)およびT−23-IX(Rf=0.27)が溶出され
ることを見出したのである。そこで本発明者等は前記Rf
=0.31の物質を、化合物T−23-XII、Rf=0.30の物質を
化合物T−23-XIII、Rf=0.29の物質を化合物T−23-XI
Vとそれぞれ名付けた。
とする一連の化合物群の含有溶液を得る際の脂肪族炭化
水素溶媒を加えて沈殿させた前記活性区分をシリカゲル
を充填したカラムに吸着させ、クロロホルムで洗浄した
後、クロロホルム−メタノール(100:1)で溶出し、そ
の溶出液を一定量ずつの区分に分画し、各区分をシリカ
ゲル薄層クロマトグラフイーに付し、ジクロロメタン/
メタノール(15:1)溶媒で展開すると化合物T−23−I
(Rf=0.64)、T−23-VIII(Rf=0.63)、T−23-XI
(Rf=0.50)、およびT−23−X(Rf=0.32)がそれぞ
れ順番に溶出された後の区分に、これらとは異なる3種
類の微量活性成分(Rf=0.31、Rf=0.30およびRf=0.2
9)が存在し、それらが溶出された後に化合物T−23-II
(Rf=0.28)およびT−23-IX(Rf=0.27)が溶出され
ることを見出したのである。そこで本発明者等は前記Rf
=0.31の物質を、化合物T−23-XII、Rf=0.30の物質を
化合物T−23-XIII、Rf=0.29の物質を化合物T−23-XI
Vとそれぞれ名付けた。
前記の化合物T−23−X、T−23-XII、T−23-XIII、
T−23-XIV、を含む区分を減圧濃縮した後に、シリカゲ
ルを用いた調製用薄層クロマトグラフイーにおいてジク
ロロメタン/メタノール(15:1)の展開溶媒で展開する
と、化合物T−23−XがRf=0.32に化合物T−23-XIIが
Rf=0.31に、化合物T−23-XIIIがRf=0.30に、化合物
T−23-XIVがRf=0.29にそれぞれ現われる。それぞれの
化合物に相当する区分をかき取り、クロロホルム/メタ
ノール(10:1)の混合溶媒で溶出する。それぞれの溶出
液を減圧濃縮すると、化合物T−23-XII、化合物T−23
-XIIIおよび化合物T−23-XIVが白色粉末として得られ
る。
T−23-XIV、を含む区分を減圧濃縮した後に、シリカゲ
ルを用いた調製用薄層クロマトグラフイーにおいてジク
ロロメタン/メタノール(15:1)の展開溶媒で展開する
と、化合物T−23−XがRf=0.32に化合物T−23-XIIが
Rf=0.31に、化合物T−23-XIIIがRf=0.30に、化合物
T−23-XIVがRf=0.29にそれぞれ現われる。それぞれの
化合物に相当する区分をかき取り、クロロホルム/メタ
ノール(10:1)の混合溶媒で溶出する。それぞれの溶出
液を減圧濃縮すると、化合物T−23-XII、化合物T−23
-XIIIおよび化合物T−23-XIVが白色粉末として得られ
る。
また、本発明者等は、別法として、上記化合物T−23−
X、T−23-XII、T−23-XIII、T−23-XIV含有区分を
減圧濃縮した後、少量のクロロホルムに溶解させ、シリ
カゲルをカラムの充填剤として用いた分取用高速液体ク
ロマトグラフイーに付し、クロロホルム−メタノール
(30:1)の溶媒で5ml/minの流速で溶出を行なつた。溶
出液を270nmの紫外線吸収によつて検出すると、保持時
間18分に、化合物T−23−Xに相当するピークが現われ
た後に、保持時間19分、21分、22分に3つのピークが現
われた。これら3つのピークに相当する溶出液を分取
し、減圧濃縮すると、それぞれ化合物T−23-XII、T−
23-XIII、T−23-XIVが白色粉末として得られた。
X、T−23-XII、T−23-XIII、T−23-XIV含有区分を
減圧濃縮した後、少量のクロロホルムに溶解させ、シリ
カゲルをカラムの充填剤として用いた分取用高速液体ク
ロマトグラフイーに付し、クロロホルム−メタノール
(30:1)の溶媒で5ml/minの流速で溶出を行なつた。溶
出液を270nmの紫外線吸収によつて検出すると、保持時
間18分に、化合物T−23−Xに相当するピークが現われ
た後に、保持時間19分、21分、22分に3つのピークが現
われた。これら3つのピークに相当する溶出液を分取
し、減圧濃縮すると、それぞれ化合物T−23-XII、T−
23-XIII、T−23-XIVが白色粉末として得られた。
そこで本発明者等は、化合物T−23-XIIは新規物質であ
り、化合物T−23−I、T−23-II等と同様な抗腫瘍活
性を有することを見出した。また前記のように化合物T
−23-XIIと一緒に得られる化合物T−23-XIIIおよび化
合物T−23-XIVはそれぞれ次の式(2)および(3)で
表わすことができる。よって、本発明の化合物T−23-X
IIの性質等は、化合物T−23-XIIIおよび化合物T−23-
XIVと共に以下に説明する。
り、化合物T−23−I、T−23-II等と同様な抗腫瘍活
性を有することを見出した。また前記のように化合物T
−23-XIIと一緒に得られる化合物T−23-XIIIおよび化
合物T−23-XIVはそれぞれ次の式(2)および(3)で
表わすことができる。よって、本発明の化合物T−23-X
IIの性質等は、化合物T−23-XIIIおよび化合物T−23-
XIVと共に以下に説明する。
構造式: 本発明の化合物T−23-XII、化合物T−23-XIIIおよび
化合物T−23-XIVは上記したような方法で調製すること
ができるが、これら化合物についてその物理的性質、化
学的性質および生物活性を研究した結果、次の諸性質が
明らかにされた。
化合物T−23-XIVは上記したような方法で調製すること
ができるが、これら化合物についてその物理的性質、化
学的性質および生物活性を研究した結果、次の諸性質が
明らかにされた。
(A)化合物T−23-XIIの物理化学的性質 1.結晶形態 無色不定形粉末 2.分子量 610 3.分子式 C35H50N2O7 4.元素分析値 C H N O 理論値(%) 68.83 8.25 4.59 18.33 実測値(%) 68.69 8.35 4.57 18.39 5.▲〔α〕25 D▼=+187°(C=0.062、MeOH) 6.融点 105℃ 7.紫外部吸収スペクトル(メタノール中) λmax250nm(ε31100) 259 (ε33100) 271 (ε40700) 282 (ε31400) 8.赤外部吸収スペクトル(KBr錠中)(第1図参照) νmax3300、2940、1740、1660、1550、1450、1380、131
0、1220、1100、1000cm-1 9.溶解性 可溶:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ピリジン 不溶:n−ヘキサン、石油エーテル、水 10.13C−NMRスペクトル化学シフト(重クロロホルム
中) 11.1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)(第2図参
照) (B)化合物T−23-XIIIの物理化学的性質 1.結晶形態 無色不定形粉末 2.分子量 596 3.分子式 C34H48N2O7 4.元素分析値 C H N O 理論値(%) 68.43 8.11 4.69 18.77 実測値(%) 68.21 8.06 4.68 19.05 5.▲〔α〕25 D▼+232°(C=0.034、MeOH) 6.融点 127℃ 7.紫外部吸収スペクトル(メタノール中) λmax250nm(ε31100) 260 (ε32700) 271 (ε39900) 282 (ε30600) 8.赤外部吸収スペクトル(KBr錠中)(第3図参照) νmax3300、2940、1740、1670、1560、1460、1390、132
0、1220、1100、1020cm-1 9.溶解性 可溶:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ピリジン 不溶:n−ヘキサン、石油エーテル、水 10.13C−NMRスペクトル化学シフト(重クロロホルム
中) 11.1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)(第4図参
照) (C)化合物T−23-XIVの物理化学的性質 1.結晶形態 無色不定形粉末 2.分子量 596 3.分子式 C34H48N2O7 4.元素分析値 C H N O 理論値(%) 68.43 8.11 4.69 18.77 実測値(%) 68.29 8.30 4.67 18.74 5.▲〔α〕25 D▼+267°(C=0.015、MeOH) 6.融点 127℃ 7.紫外部吸収スペクトル λmax252nm(ε37600) 259 (ε39700) 271 (ε48700) 282 (ε37500) 8.赤外部吸収スペクトル(KBr錠中)(第5図参照) νmax3300、2940、1740、1670、1560、1460、1390、132
0、1220、1100、1020cm-1 9.溶解性 可溶:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ピリジン 不溶:n−ヘキサン、石油エーテル、水 10.13C−NMRスペクトル化学シフト(重クロロホルム
中) 11.1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)(第6図参
照) (D)生物活性 本発明による化合物T−23-XII、化合物T−23-XIIIお
よび化合物T−23-XIVは表1に示すような生物活性を示
し、抗腫瘍剤としての用途が期待される。
0、1220、1100、1000cm-1 9.溶解性 可溶:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ピリジン 不溶:n−ヘキサン、石油エーテル、水 10.13C−NMRスペクトル化学シフト(重クロロホルム
中) 11.1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)(第2図参
照) (B)化合物T−23-XIIIの物理化学的性質 1.結晶形態 無色不定形粉末 2.分子量 596 3.分子式 C34H48N2O7 4.元素分析値 C H N O 理論値(%) 68.43 8.11 4.69 18.77 実測値(%) 68.21 8.06 4.68 19.05 5.▲〔α〕25 D▼+232°(C=0.034、MeOH) 6.融点 127℃ 7.紫外部吸収スペクトル(メタノール中) λmax250nm(ε31100) 260 (ε32700) 271 (ε39900) 282 (ε30600) 8.赤外部吸収スペクトル(KBr錠中)(第3図参照) νmax3300、2940、1740、1670、1560、1460、1390、132
0、1220、1100、1020cm-1 9.溶解性 可溶:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ピリジン 不溶:n−ヘキサン、石油エーテル、水 10.13C−NMRスペクトル化学シフト(重クロロホルム
中) 11.1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)(第4図参
照) (C)化合物T−23-XIVの物理化学的性質 1.結晶形態 無色不定形粉末 2.分子量 596 3.分子式 C34H48N2O7 4.元素分析値 C H N O 理論値(%) 68.43 8.11 4.69 18.77 実測値(%) 68.29 8.30 4.67 18.74 5.▲〔α〕25 D▼+267°(C=0.015、MeOH) 6.融点 127℃ 7.紫外部吸収スペクトル λmax252nm(ε37600) 259 (ε39700) 271 (ε48700) 282 (ε37500) 8.赤外部吸収スペクトル(KBr錠中)(第5図参照) νmax3300、2940、1740、1670、1560、1460、1390、132
0、1220、1100、1020cm-1 9.溶解性 可溶:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ピリジン 不溶:n−ヘキサン、石油エーテル、水 10.13C−NMRスペクトル化学シフト(重クロロホルム
中) 11.1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)(第6図参
照) (D)生物活性 本発明による化合物T−23-XII、化合物T−23-XIIIお
よび化合物T−23-XIVは表1に示すような生物活性を示
し、抗腫瘍剤としての用途が期待される。
以上、本発明の新規な化合物T−23-XII、化合物T−23
-XIIIおよび化合物T−23-XIVについてその製造法、そ
の物理的性質、および生物活性について詳細に説明した
が更に次の実施例によつてこれら化合物の製造工程を具
体的に説明することにする。なお、この実施例は化合物
の製造工程を例示するだけの目的で記載するもので、こ
れによつて本発明をこの記載の範囲に制限しようとする
ものではない。
-XIIIおよび化合物T−23-XIVについてその製造法、そ
の物理的性質、および生物活性について詳細に説明した
が更に次の実施例によつてこれら化合物の製造工程を具
体的に説明することにする。なお、この実施例は化合物
の製造工程を例示するだけの目的で記載するもので、こ
れによつて本発明をこの記載の範囲に制限しようとする
ものではない。
実施例1 可溶性殿粉1.0%、酵母エキス0.2%および寒天1.5%の
組成よりなる試験管斜面培地に継代保存してあるストレ
プトマイセス・リシリエンシスT−23株より1白金耳を
とり、これを可溶性殿粉1.0%、廃糖密1.0%、肉エキス
1.0%およびポリペプトン1.0%(pH7.0)の組成よりな
る種培地100mlを含有する坂口フラスコに接種した。30
℃で48時間振盪培養を行ない、得られた培養物を種菌と
して同じ培地を100ml含んだ坂口フラスコに0.5mlずつ接
種した。30℃で24時間振盪培養を行ないジヤー式醗酵槽
による本培養の種菌とした。
組成よりなる試験管斜面培地に継代保存してあるストレ
プトマイセス・リシリエンシスT−23株より1白金耳を
とり、これを可溶性殿粉1.0%、廃糖密1.0%、肉エキス
1.0%およびポリペプトン1.0%(pH7.0)の組成よりな
る種培地100mlを含有する坂口フラスコに接種した。30
℃で48時間振盪培養を行ない、得られた培養物を種菌と
して同じ培地を100ml含んだ坂口フラスコに0.5mlずつ接
種した。30℃で24時間振盪培養を行ないジヤー式醗酵槽
による本培養の種菌とした。
本培養はグルコース1.0%、可溶性殿粉1.5%、大豆粉1.
5%、乾燥酵母0.2%、硫安0.2%、NaCl0.5%、沈降性炭
酸カルシウム0.4%および消泡剤(東芝シリコンYMA650
9)0.33%よりなる培地(pH7.0)を15.0l含む30l容のス
テンレス製ジヤー式醗酵槽6基を用いて実施した。すな
わち上記した種菌を4.0%の割合で接種しそして30℃で2
4時間通気攪拌培養(通気量15.0l/分、攪拌回転数200rp
m)を行なつた。
5%、乾燥酵母0.2%、硫安0.2%、NaCl0.5%、沈降性炭
酸カルシウム0.4%および消泡剤(東芝シリコンYMA650
9)0.33%よりなる培地(pH7.0)を15.0l含む30l容のス
テンレス製ジヤー式醗酵槽6基を用いて実施した。すな
わち上記した種菌を4.0%の割合で接種しそして30℃で2
4時間通気攪拌培養(通気量15.0l/分、攪拌回転数200rp
m)を行なつた。
培養終了後直ちに大型連続遠心分離器により菌体を別
後、60%アセトン水溶液20lにより菌体を浸漬ししばら
く攪拌操作を行つた後、3時間放置した。次いで菌体を
過して抽出液を得た。同じ処理を2回繰返し得られた
抽出液を合わせて40lの抽出液を得た。次いで抽出液よ
りアセトンを減圧留去して水溶液18.0lを得た。得られ
た水溶液18.0lに食塩6.5Kgを加えて溶解させ、酢酸エチ
ル9.0lで2回抽出を行つた。得られた酢酸エチル溶液に
芒硝1.0Kgを加え、しばらく放置して脱水後減圧下に濃
縮し、得られた濃縮液にヘキサンを加えて活性物質を含
む画分を沈殿させた。ヘキサンで洗浄後、乾燥した。得
られた粗混合物はクロロホルム150mlに溶解してシリカ
ゲルカラム(8cm×40cm)に吸着させ、クロロホルムで
洗浄後、クロロホルム/メタノール(100/1)で溶出を
行なつた。最初の溶出液2.5lは活性物質を含まないので
除去し、その後は15mlずつの分取を行なつた。各フラク
シヨンはKieselgel 60F254(Art.5715)のシリカゲル
板を用いる薄層クロマトグラフイー(展開溶媒ジクロロ
メタン/メタノール=15/1)に付し254nmのUV灯下でT
−23物質の確認を行なつたところ第16番目から第30番目
のフラクシヨンに純粋な化合物T−23−Iが含まれ、第
42番目から第53番目のフラクシヨンに化合物T−23-XI
を含む区分が溶出され、第90番から第103番のフラクシ
ヨンに化合物T−23−X、化合物T−23-XII、化合物T
−23-XIII、及び化合物T−23-XIVを含む区分が溶出さ
れた。さらに第110番から第132番目のフラクシヨンに純
粋な化合物T−23-IIを含む区分が溶出された。
後、60%アセトン水溶液20lにより菌体を浸漬ししばら
く攪拌操作を行つた後、3時間放置した。次いで菌体を
過して抽出液を得た。同じ処理を2回繰返し得られた
抽出液を合わせて40lの抽出液を得た。次いで抽出液よ
りアセトンを減圧留去して水溶液18.0lを得た。得られ
た水溶液18.0lに食塩6.5Kgを加えて溶解させ、酢酸エチ
ル9.0lで2回抽出を行つた。得られた酢酸エチル溶液に
芒硝1.0Kgを加え、しばらく放置して脱水後減圧下に濃
縮し、得られた濃縮液にヘキサンを加えて活性物質を含
む画分を沈殿させた。ヘキサンで洗浄後、乾燥した。得
られた粗混合物はクロロホルム150mlに溶解してシリカ
ゲルカラム(8cm×40cm)に吸着させ、クロロホルムで
洗浄後、クロロホルム/メタノール(100/1)で溶出を
行なつた。最初の溶出液2.5lは活性物質を含まないので
除去し、その後は15mlずつの分取を行なつた。各フラク
シヨンはKieselgel 60F254(Art.5715)のシリカゲル
板を用いる薄層クロマトグラフイー(展開溶媒ジクロロ
メタン/メタノール=15/1)に付し254nmのUV灯下でT
−23物質の確認を行なつたところ第16番目から第30番目
のフラクシヨンに純粋な化合物T−23−Iが含まれ、第
42番目から第53番目のフラクシヨンに化合物T−23-XI
を含む区分が溶出され、第90番から第103番のフラクシ
ヨンに化合物T−23−X、化合物T−23-XII、化合物T
−23-XIII、及び化合物T−23-XIVを含む区分が溶出さ
れた。さらに第110番から第132番目のフラクシヨンに純
粋な化合物T−23-IIを含む区分が溶出された。
化合物T−23−Iと化合物T−23-IIを含む区分は、そ
れぞれ減圧下に溶媒を留去し、化合物T−23−Iの黄色
粉末1.6g、化合物T−23-IIの白色粉末12.1gを得た。
れぞれ減圧下に溶媒を留去し、化合物T−23−Iの黄色
粉末1.6g、化合物T−23-IIの白色粉末12.1gを得た。
化合物T−23-XIを含む区分は、減圧下に濃縮して化合
物T−23-XIを含む褐色粉末60mgを得た。得られた粉末
はアセトンに溶解してシリカゲル(西独メルク社Kiesel
gel 60F254Art.5744)の薄層クロマトグラフイーに付
し、ジクロロメタン/メタノール(15:1)の混合溶媒系
で展開し、254nmの紫外線灯下で確認するとRf=0.50附
近に化合物T−23-XI区分が現われた。この化合物T−2
3-XI区分をかき取り、クロロホルム/メタノール(10/
1)の混合溶媒で溶出し、溶出液を減圧下に濃縮すると
化合物T−23-IXの白色粉末が24mg得られた。また、化
合物T−23−X,化合物T−23-XII、化合物T−23-XII
I、および化合物T−23-XIVを含む区分は減圧下に濃縮
して、赤褐色の粉末85mgを得た。
物T−23-XIを含む褐色粉末60mgを得た。得られた粉末
はアセトンに溶解してシリカゲル(西独メルク社Kiesel
gel 60F254Art.5744)の薄層クロマトグラフイーに付
し、ジクロロメタン/メタノール(15:1)の混合溶媒系
で展開し、254nmの紫外線灯下で確認するとRf=0.50附
近に化合物T−23-XI区分が現われた。この化合物T−2
3-XI区分をかき取り、クロロホルム/メタノール(10/
1)の混合溶媒で溶出し、溶出液を減圧下に濃縮すると
化合物T−23-IXの白色粉末が24mg得られた。また、化
合物T−23−X,化合物T−23-XII、化合物T−23-XII
I、および化合物T−23-XIVを含む区分は減圧下に濃縮
して、赤褐色の粉末85mgを得た。
得られた粉末は少量のクロロホルムに溶解し、分取用高
速液体クロマトグラフイー(機種:日立635A Liquid ch
romatograph、検出器:日本分光UVIDEC 100、カラム:
草野科学C.I.GシリカゲルプレパツクカラムCPS-153−
1)に付した。クロロホルム−メタノール(30:1)の溶
媒で、5ml/minの流速で溶出を行ない270nmの紫外線吸収
で溶出液の検出を行なうと、保持時間18分に、化合物T
−23−Xに相当するピークが現われ、保持時間19分に化
合物T−23-XIIに相当するピーク、保持時間21分に化合
物T−23-XIIIに相当するピーク、保持時間22分に化合
物T−23-XIVに相当するピークが現われた。それぞれの
ピークに相当する溶出液を分取し、減圧濃縮すると、化
合物T−23−Xが45mg、化合物T−23-XIIが6mg、化合
物T−23-XIIIが2mg、化合物T−23-XIVが8mgそれぞれ
白色粉末として得られた。
速液体クロマトグラフイー(機種:日立635A Liquid ch
romatograph、検出器:日本分光UVIDEC 100、カラム:
草野科学C.I.GシリカゲルプレパツクカラムCPS-153−
1)に付した。クロロホルム−メタノール(30:1)の溶
媒で、5ml/minの流速で溶出を行ない270nmの紫外線吸収
で溶出液の検出を行なうと、保持時間18分に、化合物T
−23−Xに相当するピークが現われ、保持時間19分に化
合物T−23-XIIに相当するピーク、保持時間21分に化合
物T−23-XIIIに相当するピーク、保持時間22分に化合
物T−23-XIVに相当するピークが現われた。それぞれの
ピークに相当する溶出液を分取し、減圧濃縮すると、化
合物T−23−Xが45mg、化合物T−23-XIIが6mg、化合
物T−23-XIIIが2mg、化合物T−23-XIVが8mgそれぞれ
白色粉末として得られた。
実施例2 実施例1の操作を繰り返して、化合物T−23−X、化合
物T−23-XII、化合物T−23-XIIIおよび化合物T−23-
XIVを含む区分を取得し、これを減圧下に濃縮して同様
に赤褐色の粉末を得た。この赤褐色の粉末についてつぎ
の分別処理を施した。すなわち同粉末85mgをアセトンに
溶解してシリカゲル(西独メルク社Kieselgel 60F254Ar
t.5744)の薄層クロマトグラフイーに付し、ジクロロメ
タン/メタノール(15:1)の混合溶媒で展開し、254nm
の紫外線灯下で確認すると、Rf=0.32附近に化合物T−
23−X区分、Rf=0.31附近に化合物T−23-XII区分、Rf
=0.30附近に化合物T−23-XIII区分、およびRf=0.29
附近に化合物T−23-XIV区分が現われた。それぞれの化
合物に相当する区分をかき取りクロロホルム/メタノー
ル(10/1)の混合溶媒で溶出し、溶出液を減圧下に濃縮
すると化合物T−23−Xが45mg、化合物T−23-XIが6m
g、化合物T−23-XIIIが2mg、化合物T−23-XIVが8mg、
それぞれ白色粉末として得られた。
物T−23-XII、化合物T−23-XIIIおよび化合物T−23-
XIVを含む区分を取得し、これを減圧下に濃縮して同様
に赤褐色の粉末を得た。この赤褐色の粉末についてつぎ
の分別処理を施した。すなわち同粉末85mgをアセトンに
溶解してシリカゲル(西独メルク社Kieselgel 60F254Ar
t.5744)の薄層クロマトグラフイーに付し、ジクロロメ
タン/メタノール(15:1)の混合溶媒で展開し、254nm
の紫外線灯下で確認すると、Rf=0.32附近に化合物T−
23−X区分、Rf=0.31附近に化合物T−23-XII区分、Rf
=0.30附近に化合物T−23-XIII区分、およびRf=0.29
附近に化合物T−23-XIV区分が現われた。それぞれの化
合物に相当する区分をかき取りクロロホルム/メタノー
ル(10/1)の混合溶媒で溶出し、溶出液を減圧下に濃縮
すると化合物T−23−Xが45mg、化合物T−23-XIが6m
g、化合物T−23-XIIIが2mg、化合物T−23-XIVが8mg、
それぞれ白色粉末として得られた。
第1図は本発明の化合物T−23-XIIの赤外吸収スペクト
ル図、第2図は化合物T−23-XIIの1H-NMRスペクトル
図、第3図は化合物T−23-XIIIの赤外吸収スペクトル
図、第4図は化合物T−23-XIIIの1H-NMRスペクトル
図、第5図は化合物T−23-XIVの赤外吸収スペクトル
図、そして第6図は化合物T−23-XIVの1H-NMRスペクト
ル図である。
ル図、第2図は化合物T−23-XIIの1H-NMRスペクトル
図、第3図は化合物T−23-XIIIの赤外吸収スペクトル
図、第4図は化合物T−23-XIIIの1H-NMRスペクトル
図、第5図は化合物T−23-XIVの赤外吸収スペクトル
図、そして第6図は化合物T−23-XIVの1H-NMRスペクト
ル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:465) (C12P 17/10 C12R 1:465) (56)参考文献 The Journal of Ant ibiotics, Vol.38,No. 12,(1985),P.1677−1683
Claims (1)
- 【請求項1】構造式 で表わされるマイコトリエニン系化合物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61041839A JPH0692374B2 (ja) | 1986-02-28 | 1986-02-28 | マイコトリエニン系化合物 |
US06/852,441 US4649135A (en) | 1985-04-22 | 1986-04-15 | Mycotrienin-related compounds |
DE3612927A DE3612927C2 (de) | 1985-04-22 | 1986-04-17 | Mit Mycotrienin verwandte Verbindungen, ihre Verwendung zur Behandlung von Tumoren und sie enthaltende pharmazeutische Mittel |
GB08609775A GB2175586B (en) | 1985-04-22 | 1986-04-22 | Mycotrienin-related compounds |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61041839A JPH0692374B2 (ja) | 1986-02-28 | 1986-02-28 | マイコトリエニン系化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62201870A JPS62201870A (ja) | 1987-09-05 |
JPH0692374B2 true JPH0692374B2 (ja) | 1994-11-16 |
Family
ID=12619423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61041839A Expired - Fee Related JPH0692374B2 (ja) | 1985-04-22 | 1986-02-28 | マイコトリエニン系化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0692374B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6122070A (ja) * | 1984-07-09 | 1986-01-30 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | マイコトリエニン関連物質 |
-
1986
- 1986-02-28 JP JP61041839A patent/JPH0692374B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
TheJournalofAntibiotics,Vol.38,No.12,(1985),P.1677−1683 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62201870A (ja) | 1987-09-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |