JPH05219973A - 血管拡張剤および化合物ms−282 - Google Patents

血管拡張剤および化合物ms−282

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JPH05219973A
JPH05219973A JP2005892A JP2005892A JPH05219973A JP H05219973 A JPH05219973 A JP H05219973A JP 2005892 A JP2005892 A JP 2005892A JP 2005892 A JP2005892 A JP 2005892A JP H05219973 A JPH05219973 A JP H05219973A
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JP
Japan
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compound
acid
methanol
solution
culture
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Application number
JP2005892A
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English (en)
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Satoshi Nakanishi
聡 中西
Yoichi Uosaki
洋一 宇於崎
Yutaka Saito
裕 斎藤
Mayumi Koda
真由美 好田
Katsunori Kita
克則 北
Akira Kaihara
明 貝原
Koji Yamada
耕二 山田
Isao Kawamoto
勲 川本
Yuzuru Matsuda
譲 松田
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血管拡張作用を有する化合物を提供する。 【構成】 ストレプトミセス属に属する微生物を培地で
培養することにより得られる化合物を有効成分として含
有する血管拡張剤および化合物MS−282。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストレプトミセス(Str
eptomyces)属に属する微生物により生産される化合物を
有効成分として含有する血管拡張剤および化合物MS−
282に関する。
【0002】
【従来の技術】MS−282に類似した構造を有する物
質として、
【0003】
【化3】
【0004】が、ジャーナル・オブ・アンチビオティク
ス(J. Antibiotics)誌32巻673-678頁1979年、
【0005】
【化4】
【0006】が、J. Antibiotics誌41巻1196-1204頁198
8年、
【0007】
【化5】
【0008】が、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahed
ron Letters)誌28巻5861-5864頁1987年、
【0009】
【化6】
【0010】が、Tetrahedron Letters誌32巻3087-3090
頁1991年、および
【0011】
【化7】
【0012】が、天然有機化合物討論会要旨627-634頁1
991年に報告されており、これら五つの物質は抗菌作用
および放線菌の気菌糸誘導作用を有することが知られて
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血管
拡張作用を有する生理活性物質を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】新規な血管拡張作用物質
を取得するために、数多くの微生物の生産物について研
究を行った結果、ストレプトミセス属に属する微生物を
培地に培養することにより得られる物質が、血管拡張作
用を有する生理活性物質であることを見出した。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
よれば、式(I)
【0016】
【化8】
【0017】(式中、R1、R2およびR3は同一または
異なって、メチルまたはエチルを表し、R4は水素また
はメチルを表し、nは2〜4の整数を意味する)で表さ
れる化合物〔以下、化合物(I)という〕またはその塩
を有効成分として含有することを特徴とする血管拡張
剤、および式(II)
【0018】
【化9】
【0019】(式中、R2がメチルのときmは4を表
し、R2がエチルのときmは3を表す)で表される化合
物MS−282またはその塩を提供することができる。
化合物(I)は本発明実施例記載の方法または公知の方
法、例えばJ. Antibiotics 32巻673-678頁1979年、同誌
41巻1196-1204頁1988年、Tetrahedron Letters28巻5861
-5864頁1987年、同誌32巻3087-3090頁1991年、および天
然有機化合物討論会要旨627-634頁1991年に記載の方法
により取得することができる。化合物(I)の具体例を
第1表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】また、上記式(II)で表されるMS−28
2には、下記に示すような理化学的性質より、MS−2
82においてR2がメチルのときmが4である化合物
(化合物1;以下、MS−282aという)、およびM
S−282においてR2がエチルのときmが3である化
合物(化合物2;以下、MS−282bという)が含ま
れ、両化合物共に新規化合物であることが判明した。
【0022】以下に示す理化学的性質は、後述の実施例
に示す方法によって調製した試料に関するものである。
なお、測定は次の機器によって行った。 旋光度:日本分光工業社 DIP-370型旋光計 マススペクトル(EIおよびセカンダリーイオンマススペ
クトル):日立製作所M-80Bスペクトロメーター マススペクトル(FABマススペクトル):日本電子社 J
MS-SX102スペクトロメーター 紫外部吸収スペクトル:日立製作所 200-20型分光光度
計 赤外部吸収スペクトル:日本電子社 JIR-RFX3001型分
光光度計1 Hおよび13C-NMRスペクトル:ブルカー社 AM500および
AM400スペクトロメーター
【0023】MS−282aの理化学的性質 性 状:無色油状固体 比旋光度:[α]D 21 = +6.1゜(c=0.30,クロロホル
ム) EIマススペクトル:m/z 635(M+),592,578,564,522,32
4,282,240,212,128 高分解能EIマススペクトル:m/z 測定値:635.4717(M+) 計算値:635.4757(C37H65NO7として) セカンダリーイオンマススペクトル(マトリックス:m-
ニトロベンジルアルコール):m/z 636(M+H)+,564,52
2,324,310,282,270,268,240,212,210 高分解能FABマススペクトル(マトリックス: m-ニト
ロベンジルアルコール):m/z 測定値:636.4828(M+H)+ 計算値:636.4839(C37H66NO7として)
【0024】紫外部吸収スペクトル(メタノール溶
液):末端吸収を示すのみである。 赤外部吸収スペクトル(クロロホルム溶液法):ν cm
-1 2962,2935,2873,1728,1460,1269,1126,1111,105513 C-NMRスペクトル(125MHz, CDCl3溶液):δ ppm 17
3.4,173.2,81.8,81.0,78.7,77.3,76.7,76.6,74.8,71.2,
62.1,47.2,41.8,40.3,40.1,40.1,39.3,38.7,36.5,35.5,
32.1,31.7,31.5,29.9,29.6,28.8,27.7,27.3,26.6,22.6,
18.1,14.3,14.2,14.1,11.2,9.9,9.31 H-NMRスペクトル(500MHz, CDCl3溶液):δ ppm 4.9
2(1H,m),4.91(1H,dd,J=7.2Hz),4.12(1H,dt,J=7.9,7.9H
z),4.11(1H,m),3.84(1H,m),3.82(1H,m),3.78(1H,m),3.7
3(1H,m),2.73(1H,m),2.58(1H,dq,J=2.8,7.0Hz),2.37(6
H,s),2.32(1H,dq,J=9.5,7.0Hz),1.98-1.86(5H,m),1.85-
1.57(8H,m),1.56-1.36(8H,m),1.36-1.24(9H,m),1.10(3
H,d,J=7.0Hz),1.08(3H,d,J=7.0Hz),0.898(3H,d,J=7.0H
z),0.894(3H,t,J=7.3Hz),0.891(3H,t,J=7.1Hz),0.81(3
H,d,J=7.0Hz) 溶解性:メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、エー
テルに可溶、n-ヘキサン、水に不溶。 呈色反応:アニスアルデヒド、硫酸、ヨウ素、リンモリ
ブデン酸による各呈色反応およびドラーゲンドルフ反応
に陽性、ブロムクレゾールグリーン試薬、2,4-ジニトロ
フェニルヒドラジンおよびニンヒドリンによる各呈色反
応に陰性。
【0025】MS−282bの理化学的性質 性 状:無色油状固体 比旋光度:[α]D 21 = +3.6゜(c=0.14,クロロホル
ム) EIマススペクトル:m/z 635(M+),592,578,522,324,282,
240,213,198,171,143,114 高分解能EIマススペクトル:m/z 測定値:635.4718(M+) 計算値:635.4757(C37H65NO7として) セカンダリーイオンマススペクトル(マトリックス:m-
ニトロベンジルアルコール):m/z 636(M+H)+,522,32
4,310,282,270,268,240
【0026】紫外部吸収スペクトル(メタノール溶
液):末端吸収を示すのみである。 赤外部吸収スペクトル(クロロホルム溶液法):ν cm
-1 2962,2933,2873,1734,1466,1269,1126,1111,105513 C-NMRスペクトル(100MHz, CDCl3溶液:主なシグナル
を記す):δ ppm 173.5,173.2,81.9,80.4,78.7,77.2,
76.9,76.3,74.7,71.2,47.3,47.2,41.8,40.2,40.2,39.6,
38.7,36.7,35.2,31.54,31.51,30.0,28.9,28.7,28.6,27.
4,23.0,19.7,18.1,14.22,14.19,14.01,13.96,11.1,9.01 H-NMRスペクトル(400MHz, CDCl3溶液:主なシグナル
を記す):δ ppm 4.91(1H,dd,J=7.7,3.7Hz),4.89(1H,
m),4.17(1H,dt,J=2.3,7.3Hz),4.10(1H,m),3.87(1H,m),
3.80(1H,m),3.75(1H,m),3.68(1H,m),2.56(1H,dq,J=2.7,
6.9Hz),2.48(6H,br.s),2.29(1H,dq,J=9.7,7.0Hz),2.05-
1.85(5H,m),1.85-1.64(8H,m),1.64-1.25(15H,m),1.10(3
H,d,J=6.9Hz),1.08(3H,d,J=7.0Hz),0.95(3H,t,J=7.6H
z),0.90(3H,t,J=7.5Hz),0.89(3H,t,J=7.4Hz),0.89(3H,
t,J=6.9Hz)
【0027】溶解性:メタノール、クロロホルム、酢酸
エチル、エーテルに可溶、n-ヘキサン、水に不溶。 呈色反応:アニスアルデヒド、硫酸、ヨウ素、リンモリ
ブデン酸による各呈色反応およびドラーゲンドルフ反応
に陽性、ブロムクレゾールグリーン試薬、2,4-ジニトロ
フェニルヒドラジン、およびニンヒドリンによる各呈色
反応に陰性。 つぎに、下記の各種展開剤によるMS−282の薄層ク
ロマトグラフィーのRf値を第2表に示す。検出はヨウ
素反応により行った。
【0028】
【表2】
【0029】実験1 薄層:キーゼルゲル60F254 (メルク社製、Art.562
8) 展開溶媒:クロロホルム:メタノール:濃アンモニア=
76:20:4 展開方法:室温、上昇法、15〜30分 実験2 薄層:キーゼルゲル60F254 (メルク社製、Art.562
8) 展開溶媒:酢酸エチル:メタノール:濃アンモニア=8
8:10:2 展開方法:室温、上昇法、15〜30分 MS−282は、種々の酸と公知の方法により反応させ
て酸付加塩を形成させることができる。この目的に使用
される実用的な酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、
硝酸、蟻酸、酢酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、
コハク酸、酒石酸、クエン酸、蓚酸、メタンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン
酸などがあげられる。
【0030】つぎに、MS−282の製造法について説
明する。MS−282は、ストレプトミセス属に属し、
MS−282生産能を有する微生物を培地に培養し、培
養液中にMS−282を生成蓄積させ、該培養物からM
S−282を採取することによって得ることができる。
MS−282生産性微生物としては野生株または野生株
を人工的変異方法、たとえば紫外線照射、X線照射、変
異誘発剤処理などによって変異させた変異株あるいは自
然的に変異した変異株など、ストレプトミセス属に属し
MS−282生産能を有していればいずれの微生物でも
用いることができる。
【0031】具体的に好適な例としては、ア・ガイド・
フォー・ザ・ディターミネイション・オブ・アクチノミ
セーテス、ジェネラ・ストレプトミセス・ストレプトバ
ーティシリウム・アンド・カイニア、ナウカ、モスク
ワ、ユーエスエスアール、1983年出版(A guide for th
e determination of actinomycetes. Genera Streptomy
ces, Streptoverticillium, and Chainia. Nauka, Mosc
ow, USSR)に記載されたストレプトミセス・タウリカス
(Streptomyces tauricus) Gause, Preobrazhenskaya, S
veshnikova, Terekhova and Maximova 1986のKCC-S 083
7 (=ATCC 27470)株があげられる。
【0032】なお、本菌株は工業技術院微生物工業技術
研究所に平成4年1月22日付けで微工研条寄第3716号
(FERM BP-3716)として寄託してある。微生物の培養に
際しては放線菌の培養に用いられる通常の培養方法が適
用される。用いられる培地は菌の資化しうる炭素源、窒
素源、無機物などを程よく含有する培地であれば天然培
地、合成培地いずれでも用いることができる。
【0033】炭素源としては、グルコース、シュークロ
ース、スタビロース、澱粉、デキストリン、マンノー
ス、マルトース、糖蜜などの炭水化物、クエン酸、リン
ゴ酸、酢酸、フマール酸などの有機酸、メタノール、エ
タノールなどのアルコール、メタン、エタン、プロパ
ン、n−パラフィンなどの炭化水素、グルタミン酸など
のアミノ酸あるいはグリセロールなどが用いられる。
【0034】窒素源としては塩化アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウムな
どのアンモニウム塩、アスパラギン酸、グルタミン、シ
スチン、アラニンなどのアミノ酸、尿素、ペプトン、肉
エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リ
カー、大豆粉、ソルブル・ベジタブル・プロテイン、綿
実粕、大豆カゼイン、カザミノ酸、ファーマメディアな
どが用いられる。
【0035】無機物としてはリン酸一水素カリウム、リ
ン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸
マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マ
ンガン、硫酸銅、硫酸コバルト、硫酸亜鉛、パントテン
酸カルシウム、モリブデン酸アンモニウム、硫酸アルミ
ニウムカリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、塩化
コバルト、食塩などが用いられる。
【0036】その他必要に応じて培地にビタミン、例え
ばサイアミンなど菌体の増殖あるいはMS−282の生
産性を促進する物質を加えることもできる。用いられる
微生物が特定の物質を要求する場合は、生育に必要なも
のを加えることが必要である。培養は振盪培養法、通気
攪拌培養法などにより、温度15〜35℃で、中性付近
のpHにて行われる。3〜15日間の培養によって、M
S−282の蓄積は最大に達する。
【0037】培養物中に蓄積したMS−282を培養液
から単離採取するに際しては、通常の生理活性物質を培
養液から採取する方法が適用される。すなわち、アセト
ン、メタノールなどの有機溶媒による菌体成分の抽出、
ろ過、遠心分離などによる菌体除去、吸着樹脂、シリカ
ゲル、シラナイズドシリカゲル、逆層シリカゲル、アル
ミニウム、セルロース、ケイ藻土、ケイ酸マグネシウ
ム、ゲルろ過剤、イオン交換樹脂などを用いるカラムク
ロマトグラフィーもしくは薄層クロマトグラフィーによ
る活性物質の吸脱着処理、適当な溶媒系による分配など
によってMS−282は単離される。
【0038】培養液からMS−282を単離する一例は
次の通りである。培養液をろ過もしくは遠心分離するこ
とによって菌体を分離する。得られる菌体をメタノー
ル、アセトンなどの適当な溶剤で処理することにより菌
体抽出液を得る。該菌体抽出液を水で希釈した後に、得
られる希釈液をダイアイオンHP−20などの吸着樹脂
を充填したカラムに吸脱着させ、試料の濃縮と精製を行
う。カラムから溶出した液をさらに減圧下で濃縮した
後、酢酸エチルなどの水と混和しない溶媒を用いて抽出
を行う。ついで、得られる抽出液を減圧下で濃縮した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返して
行うことにより活性物質を精製する。溶出溶媒として
は、クロロホルム、酢酸エチル、メタノール、アセト
ン、濃アンモニア、酢酸などの適当な溶剤を単独あるい
は混合したものを用いる。活性物質を含む溶出液を減圧
下で濃縮し、メタノールなどの適当な溶媒に再溶解した
後、活性炭で処理することにより不純物である色素成分
を除去することができる。ついで、シリカゲルカラムを
用いた液体クロマトグラフィーを行うことにより、MS
−282が得られる。なお、液体クロマトグラフィーの
溶出溶媒としては、クロロホルム、酢酸エチル、メタノ
ール、アセトン、濃アンモニア、酢酸などの適当な溶剤
を単独あるいは混合したものを用いる。たとえば、酢酸
エチル:メタノール:濃アンモニア(85:15:1)
が有効な一例である。上記精製工程中のMS−282の
検出は、蛍光剤入りシリカゲル(キーゲルゼルF254
メルク社製)を用いた薄層クロマトグラフィーに付し、
ヨウ素反応により行う。
【0039】つぎに、化合物(I)の血管拡張作用を試
験例で説明する。 試験例1 ウサギ胸部大動脈標本における血管収縮抑
制作用 白色雑系ウサギ(雄、体重2〜3kg)の腹部正中線を切
開し、大動脈を腹部から約2〜2.5cmの長さで切り出
し、幅3〜4mmの螺旋状条片を作成した。両端を絹糸で
結紮し、下端は固定棒、上端は張力トランスデューサー
(日本光電社製TB−612T)につなぎ、初期張力
1.5gで懸垂した。標本をマグヌス管に入れた32℃
のクレブス・ハンゼライト(Krebs-Henzeleit)液(NaC
l 6.92g/l,KCl 0.35g/l,MgSO4・7H2O 0.29g/l,CaCl2
2H2O 0.37g/l,KH2PO4 0.16g/l,NaHCO3 2.1g/l,グル
コース 1.0g/l)中に浸し、95%O2,5%CO2ガス
を通じた。標本を1〜2時間安定させた後、実験に供し
た。
【0040】血管収縮物質として塩化カリウムを終濃度
40mMになるようにマグヌス管に添加した。惹起された
収縮反応は、張力トランスデューサーを介して等尺性に
ポリグラフ(日本光電社製AM−6000)に記録し
た。試験化合物は30mg/mlとなるようにジメチルスル
ホキシドに溶解させ、塩化カリウム添加の30分前にマ
グヌス管に添加した。試験化合物無添加のときの収縮高
を100%として、試験化合物を30μg/ml添加した
ときの収縮高の割合(収縮率)を第3表に示す。
【0041】
【表3】
【0042】第3表から明らかなように、MS−282
は摘出血管の収縮抑制作用を有することが確認された。
化合物(I)またはその薬理的に許容される塩はそのま
まあるいは各種の製薬形態で使用することができる。本
発明の製薬組成物は、活性成分として有効な量の化合物
(I)またはその薬理的に許容される塩を薬理的に許容
される担体と均一に混合して製造できる。これらの製薬
組成物は、経口的または注射による投与に対して適する
単位服用形態にあることが望ましい。
【0043】経口服用形態にある組成物の調製において
は、何らかの有用な薬理的に許容される担体が使用でき
る。例えば懸濁剤およびシロップ剤は、水、シュークロ
ース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロ
キシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレ
ーバー、ペパーミントなどのフレーバー類等を使用して
製造できる。粉剤、丸剤、カプセル剤および錠剤は、ラ
クトース、グルコース、シュークロース、マンニトール
等の賦形剤、でん粉、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ス
テアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチ
ン等の結合剤、脂肪酸エステル等の表面活性剤、グリセ
リン等の可塑剤等を用いて製造できる。錠剤およびカプ
セル剤は投与が容易であるという理由で、最も有用な単
位経口投与剤である。
【0044】また、注射剤は、蒸留水、塩溶液、グルコ
ース溶液または塩水とグルコース溶液の混合物から成る
担体を用いて調製することができる。この際、常法に従
い適当な助剤を用いて、溶液、懸濁液または分散液とし
て調製される。化合物(I)またはその薬理的に許容さ
れる塩は前記製薬形態で経口的にまたは注射剤として非
経口的に投与することができ、その有効容量および投与
回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異
なるが、通常1日当り、0.1〜50mg/kgを3〜4回に
分けて投与する。
【0045】
【実施例】
実施例1 錠剤 実施例5で得られたMS−282a40g、ラクトース
286.8gおよび馬鈴薯でんぷん60gを混合した
後、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶
液120gを加えた。この混合物を常法により練合し、
造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とした。これ
にステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合した
後、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15
型)で打錠を行って、錠剤2000錠(1錠あたり活性
成分20mgを含有する)を得た。
【0046】実施例2 細粒剤 実施例5で得られたMS−282a20g、ラクトース
655gおよびとうもろこしでんぷん285gを混合し
た後、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水
溶液400gを加えた。この混合物を常法により練合
し、造粒した後乾燥させて、細粒剤1000包(1包あ
たり活性成分20mgを含有する)を得た。
【0047】実施例3 カプセル剤 実施例5で得られたMS−282a200g、アビセル
(旭化成工業製)995gおよびステアリン酸マグネシ
ウム5gを常法により混合した。この混合物をカプセル
充填機(Zanasi社製、LZ−64型)により、ハードカ
プセル4号(1カプセルあたり120mg容量) に充填
し、カプセル剤10,000カプセル(1カプセルあたり
活性成分20mgを含有する)を得た。
【0048】実施例4 注射剤 実施例5で得られたMS−282a1gを精製ダイズ油
100gに溶解させた後、これに精製卵黄レシチン12
gおよび注射用グリセリン25gを加えた。この混合物
を常法により注射用蒸留水で1,000mlとして練合・乳
化した。得られた分散液を0.2μm のディスポーザブ型
メンブランフィルターを用いて無菌濾過した後、ガラス
バイアルに2mlずつ無菌的に充填して、注射剤500バ
イアル(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を
得た。
【0049】実施例5 MS−282aの製造 種菌として、ストレプトミセス・タウリカス(Streptomy
ces tauricus) FERM BP-3716株を用いた。種菌一白金耳
を250ml容三角フラスコに入れた種培地〔グルコース
1g/dl、可溶性デンプン1g/dl、ペプトン0.5g/dl、
酵母エキス0.5g/dl、肉エキス0.3g/dl、リン酸一カ
リウム0.1g/dl、硫酸マグネシウム7水塩0.05g/dl
および炭酸カルシウム0.2g/dl (pH7.1)〕50m
lに植菌し、28℃で3日間振盪培養した(第一種培
養)。
【0050】第一種培養により得られた培養液(第一種
培養液)の一部25mlを2リットル容三角フラスコに入
った300mlの種培地に植菌した(第二種培養)。第二
種培養は28℃で2日間振盪培養により行った。得られ
た第二種培養液1.8リットル(三角フラスコ6本分)
を200リットルタンクに入った100リットルの種培
地に植菌した(第三種培養)。第三種培養は28℃で2
日間通気攪拌培養により行った。
【0051】得られた第三種培養液100リットルを2
klタンクに入った主発酵培地〔マルトース 4.0g/dl、
グルコース 0.5g/dl、大麦ディスチラーズ・ソルブル
(サングロスR−5、サングロス社製)4.0g/dl、リ
ン酸一カリウム 0.05g/dl、硫酸マグネシウム・7水
塩 0.05g/dl、炭酸カルシウム 2.0g/dl(pH6.
5)〕1klに植菌した。主発酵培養は28℃で7日間通
気攪拌培養により行った。
【0052】得られた発酵終了液1000リットルにラ
ジオライト#600を6%の割合で添加した後、フィル
タープレスにより濾過を行い、菌体を得た。分別した菌
体に1100リットルのメタノールを加え攪拌抽出後、
再度フィルタープレスにより濾過した。得られたメタノ
ール抽出液に水を添加して全体の容量を1400リット
ルとした後に、50リットルのダイアイオンHP−20
(三菱化成工業社製)を充填したカラムに通塔した。カ
ラムを150リットルの80%メタノール水溶液、つい
で500リットルの90%メタノール水溶液で洗浄した
後に、400リットルの95%メタノール水溶液にて活
性物質を溶出した。溶出液を50リットルずつ分取する
と分画番号2から5番に主な活性物質が溶出された。分
画番号2から5番を集めて減圧下でメタノールを留去し
た後、4リットルの酢酸エチルを用いて抽出を行った。
酢酸エチル層を減圧下で濃縮した後、酢酸エチルを用い
て充填した6リットルのシリカゲルカラム(ワコーゲル
C−200、和光純薬工業社製)の上端にのせ、25リ
ットルの酢酸エチルを用いて活性物質を溶出した。溶出
液を3.6リットルずつ分取すると分画番号6から8番
に主な活性物質が溶出された。分画番号6から8番を集
め、減圧下で濃縮後、メタノールを用いて充填した2リ
ットルのシリカゲルカラム(ワコーゲルC−200)の
上端にのせた。10リットルのメタノールを用いてカラ
ムを洗浄した後、活性物質を0.5%の酢酸を含む85
%メタノール水溶液でカラムから溶出した。溶出液を4
00mlずつ分取すると分画番号6と7番に主な活性物質
が溶出された。分画番号6と7番を集めて濃縮乾固後、
少量のメタノールに溶解し、得られたメタノール溶液を
100mlのクロマトグラフ用活性炭(和光純薬工業社
製)を充填したカラムに通塔した。カラムを1000ml
のメタノールで洗浄すると洗浄液に活性物質が回収され
た。得られたメタノール溶液を濃縮乾固すると無色油状
固体が9.3g得られた。
【0053】この固体の一部450mgを少量の酢酸エチ
ル:メタノール:濃アンモニア(85:15:1)の混
合溶媒に溶解した後、シリカゲルカラム(Develosil Lo
p6045S、45x490mm)を用いた液体クロマトグラフィー
により精製を行った。試料を溶解したのと同じ組成の溶
媒を用いて展開し、溶出液を20mlずつ分取すると分画
番号122から132番にMS−282aが溶出され
た。この液体クロマトグラフィーを5回繰り返すことに
より得られた溶液を集めて減圧下で濃縮乾固するとMS
−282a(化合物1)が90mg得られた。
【0054】実施例6 MS−282bの製造 実施例5記載と同様な方法により取得した第二種培養液
1.8リットルを200リットルタンクに入った100
リットルの下記主発酵培地に植菌した。主発酵培養は2
8℃で8日間通気攪拌培養により行った。種培地は実施
例1と同じ組成のものを用いた。主発酵培地は、マルト
ース 4.0g/dl、グルコース 0.5g/dl、大豆粕粉 1.
5g/dl、大豆蛋白粉 1.5g/dl、リン酸一カリウム 0.
05g/dl、硫酸マグネシウム・7水塩 0.05g/dl、炭
酸カルシウム 0.2g/dl(pH7.0)の組成からなる
培地を用いた。
【0055】得られた発酵終了液100リットルにラジ
オライト#600を10%の割合で添加した後、フィル
タープレスにより濾過を行い、菌体を得た。分別した菌
体に100リットルの酢酸エチルを加え攪拌抽出後、濾
過により酢酸エチル抽出液を取得した。菌体残渣に再度
100リットルの酢酸エチルを加えて同じ操作を繰り返
し、得られた酢酸エチル抽出液を合わせて減圧下で濃縮
し、濃縮液に水を添加して分配抽出を行い、酢酸エチル
層を得た。この酢酸エチル層を、酢酸エチルを用いて充
填した3リットルのシリカゲルカラム(ワコーゲルC−
200)に通塔した。カラムを15リットルのクロロホ
ルム、9リットルのクロロホルム:メタノール(8:
2)の混合溶媒で順次洗浄した後、活性物質を6リット
ルのクロロホルム:メタノール:濃アンモニア(90:
10:5)の混合溶媒で溶出した。溶出液を400mlず
つ分取すると分画番号24から29番に主な活性物質が
溶出された。分画番号24から29番を集め、減圧下で
濃縮後、酢酸エチルを用いて充填した2.5リットルの
シリカゲルカラム(ワコーゲルC−200)にのせた。
2.5リットルの酢酸エチルを用いてカラムを洗浄した
後、酢酸エチル:濃アンモニア(10:1)を混合して
得られる上層液14リットルを用いて活性物質をカラム
から溶出した。溶出液を400mlずつ分取すると分画番
号11から22番に主な活性物質が溶出された。分画番
号11から22番を集めて減圧下で濃縮乾固後、少量の
クロロホルムに溶解し、得られるクロロホルム溶液を3
00mlのシリカゲル(ワコーゲルC−300、和光純薬
工業社製)を充填したカラムに通塔した。カラムを30
0mlのクロロホルム、1000mlのクロロホルム:メタ
ノール(10:2)の混合溶媒で順次洗浄した。つい
で、活性物質をクロロホルム:メタノール:濃アンモニ
ア(76:20:3)の混合溶媒1400mlで溶出し
た。溶出液を20mlずつ分取すると分画番号40から4
5番に主な活性物質が溶出された。分画番号40から4
5番を集めて減圧下で濃縮乾固すると無色油状固体が2
5mg得られた。
【0056】この固体25mgを0.07%酢酸を含む7
9%メタノール水溶液1mlに溶解した後、得られた溶液
を逆相シリカゲルカラム(STR ODS-H 4.6x250mm、島津
製作所社製)を用いた液体クロマトグラフィーにより精
製を行った。1回のクロマトグラフィーに上記溶液を
0.1mlずつ用いて、10回のクロマトグラフィーを繰
り返し行った。0.1%の酢酸を含む70%メタノール
水溶液を用いて展開すると保持時間6.9分から7.2分
の間にMS−282bが溶出されたので、この画分を分
取した。10回のクロマトグラフィーから得られる溶液
を合わせて減圧下で濃縮乾固するとMS−282b(化
合物2)が2.2mg得られた。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ストレプトミセス属に
属する微生物により生産される化合物を有効成分として
含有する血管拡張剤および化合物MS−282を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:465) (C12P 17/18 C12R 1:465) (72)発明者 貝原 明 東京都町田市木曽町1079−22 (72)発明者 山田 耕二 静岡県裾野市佐野1309−3 (72)発明者 川本 勲 神奈川県平塚市ふじみ野1−21−2 (72)発明者 松田 譲 東京都小金井市貫井南町1−22−7

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は同一または異なって、メ
    チルまたはエチルを表し、R4は水素またはメチルを表
    し、nは2〜4の整数を意味する)で表される化合物ま
    たはその塩を有効成分として含有することを特徴とする
    血管拡張剤。
  2. 【請求項2】 式(II) 【化2】 (式中、R2がメチルのときmは4を表し、R2がエチル
    のときmは3を表す)で表される化合物MS−282ま
    たはその塩。
JP2005892A 1992-02-05 1992-02-05 血管拡張剤および化合物ms−282 Withdrawn JPH05219973A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107541475A (zh) * 2017-04-25 2018-01-05 云南中烟工业有限责任公司 一种公牛链霉菌及其应用
CN109306331A (zh) * 2018-08-01 2019-02-05 西北民族大学 一株产抗癌活性物质的公牛链霉菌菌株筛选方法和鉴定方法
CN109303915A (zh) * 2018-08-01 2019-02-05 西北民族大学 一种以放线菌素FGR制备用于治疗人宫颈癌细胞Hela裸鼠皮下移植瘤的药物的应用

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CN107541475A (zh) * 2017-04-25 2018-01-05 云南中烟工业有限责任公司 一种公牛链霉菌及其应用
CN107541475B (zh) * 2017-04-25 2020-06-16 云南中烟工业有限责任公司 一种公牛链霉菌及其应用
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