JPH07278041A - 抗腫瘍性物質be−24811及びその製造法 - Google Patents

抗腫瘍性物質be−24811及びその製造法

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JPH07278041A
JPH07278041A JP9795794A JP9795794A JPH07278041A JP H07278041 A JPH07278041 A JP H07278041A JP 9795794 A JP9795794 A JP 9795794A JP 9795794 A JP9795794 A JP 9795794A JP H07278041 A JPH07278041 A JP H07278041A
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compound
formula
talaromyces
reaction
substance
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JP9795794A
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Inventor
Takayoshi Okabe
隆義 岡部
Toshiko Kosuge
粛子 小菅
Hidemi Matsumoto
秀美 松本
Akira Okuyama
彬 奥山
Hiroyuki Suda
寛之 須田
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、式 【化1】 で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その製
造法及びその用途、並びに式[I]の化合物を産生する
能力を有するタラロマイセス(Talaromyce
s)属に属する微生物に関する。 【効果】本発明のBE−24811は、ヒト及びマウス
の腫瘍細胞に対して、増殖抑制効果を示すことから医薬
の分野で抗腫瘍剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬の分野で有用であ
り、さらに詳細には腫瘍細胞の増殖を阻害し、制癌効果
を発揮する新規化合物、その製法及びその用途並びに該
新規物質を産生する新規な微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、ブレオマ
イシン(Bleomycin)及びアドリアマイシン
(Adriamycin)等の多くの微生物代謝産物を
臨床的に応用することが試みられ、またこれらは実際に
臨床において使用されている。しかしながら、様々な種
類の腫瘍に対してその効果は必ずしも充分ではなく、よ
り優れた新規な抗腫瘍性物質に関して不断の希求がある
のが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような現状に鑑
み、本発明者らは広く微生物代謝産物をスクリーニング
することにより、優れた新規抗腫瘍性物質を見出すこと
を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒト癌細
胞に対する増殖阻止作用を指標に、広く微生物代謝産物
をスクリーニングすることにより、茨城県北相馬郡守谷
町で採取した腐朽樹皮より分離した真菌F24811株
が、強い阻害活性を有する物質を産生していることを発
見し、この物質を抽出精製、単離し、構造決定を行った
結果、下記式[I]で表される新規な化合物が優れた抗
腫瘍活性を有することを明らかにし、本発明を完成し
た。
【0005】即ち、本発明は、新規な式
【0006】
【化4】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩、その
製法及びその用途並びに構造式[I]の化合物を産生す
る能力を有するタラロマイセス(Talaromyce
s)属に属する微生物に関するものである。
【0007】次に、本明細書で言及される各種の用語及
び定義について説明する。
【0008】構造式[I]の化合物は、その抗腫瘍性効
果及び産生菌株(F24811株)に因んで、抗腫瘍性
物質BE−24811と命名した。
【0009】NMR測定における略号の意味を以下に示
す。 s :シングレット d :ダブレット t :トリプレット q :カルテット m :マルチプレット br:ブロード J :カップリング定数 Hz:ヘルツ 以下に、本発明化合物の理化学的性状を示す。BE−24811の理化学的性状 性状 :乳白色針状晶 分子式:C18214Cl 質量スペクトル:高分解能EI−MS:m/z 33
6.1133[M+] 紫外吸収スペクトル:λmax(MeOH,nm(ε))
230(22,900),293(10,900),
344(5,300) 赤外吸収スペクトル νmax(KBr,cm-1):31
67,2927,1672,1628,1608,14
21,1284,1248,11131 H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−
6,δppm):1.68(3H,s),1.79
(3H,s),2.02(3H,s),2.56(3
H,s),2.99(2H,s),3.30(2H,
s),5.23(1H,t),6.09(1H,s),
10.11(1H,s),10.39(1H,s),1
2.81(1H,s)13 C−NMRスペクトル(75MHz,DMSO−
6,δppm):14.4,16.5,20.2,2
1.8,27.1,54.4,112.7,113.
5,113.7,122.7,125.5,129.
9,138.5,154.3,157.7,1060.
8,194.8,198.0 薄層クロマトグラフィー:(メルク社製キーゼルゲル6
0F254) Rf値:0.58(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=
2:1) 溶解性:ジメチルスルフォキシドに易溶、クロロホル
ム、酢酸エチル、メタノールに可溶、水に不溶。
【0010】 酸性、中性、塩基性物質の区別:酸性物質 呈色反応:ヨウ素反応 陽性 過マンガン酸カリウム反応 陽性 2,4−ジニトロフェニルヒドラジン反応 陽性 次に、BE−24811の製造法を説明する。
【0011】本発明者らは、BE−24811を茨城県
北相馬郡守谷町で採取した腐朽樹皮より分離されたかび
の一種F24811株の培養物より単離した。
【0012】以下にこの生産菌の菌学的性状を説明す
る。 1.形態 子嚢果は直径100〜280μm、球形、明確な壁がで
きず、コハク色の菌糸で覆われる。子嚢果原基は気菌糸
から側枝として生じ、短い膨らんだ細胞から始まる。子
嚢は8胞子性。子嚢胞子は淡黄色、楕円形、3.5〜
4.5×2.5〜3μm、いぼ状の突起に覆われる。
【0013】分生子柄は長く、280〜480×3〜5
μm、複輪生のペニシリとなる。メトレは8〜14×3
〜5μmフィアライドは10〜14×2〜2.5μm。
分生子は卵形〜楕円形、2〜3×1.5〜2μm、滑面
である。 2.各種寒天平板培地における培養性状 各種寒天培地を用い、F24811株を28℃で7日間
培養した場合の生育的特徴を第1表に示す。表中の色は
メツエンハンドブックオブカラー[Methuen H
andbook of Colour 第3版,198
4年]による色名を基準にした。
【0014】
【表1】 3.生理的、生態的性質 最適生育条件 本菌株の至適生育温度は25〜30℃の範囲であり、至
適生育pHは4.0〜8.0の範囲である。 生育の範囲 本菌株は15〜34℃の温度範囲及び3.5〜12.0
のpH範囲で生育可能である。
【0015】以上の結果より、本菌株を新種と認め、タ
ラロマイセス・リターダタス (Talaromyce
s retardatus)F24811と命名した。
【0016】なお、本菌株は通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されており、その微工研受託
番号は、微工研菌寄第14103号(FERM P−1
4103)である。
【0017】本発明で使用される微生物は、タラロマイ
セス属に属し、抗腫瘍性物質BE−24811を産生す
る能力を有する真菌であればいずれのものでもよいが、
好ましくはタラロマイセス・リターダタス F2481
1又はその変異株が挙げられる。該変異株としては、例
えばX線若しくは紫外線等の照射処理、例えばナイトロ
ジェン・マスタード、アザセリン、亜硝酸、2−アミノ
プリン若しくはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロ
ソグアニジン(NTG)等の変異誘起剤による処理又は
ファージ接触、形質転換、形質導入若しくは接合等の通
常用いられる菌種変換処理方法等によりBE−2481
1産生菌を変異させた微生物が挙げられる。
【0018】本発明のBE−24811は、BE−24
811の生産菌株F24811株又はその変異株を栄養
源含有培地に接種して好気的に培養させることにより、
その培養液及びその菌体からBE−24811を採取
し、要すれば薬学的に許容しうる塩とすることにより製
造することができる。
【0019】栄養源としては、真菌の栄養源として公知
のものが使用でき、炭素源としては、例えば市販されて
いるブドウ糖、グリセリン、麦芽糖、デンプン、庶糖、
糖蜜又はデキストリン等が単独又は混合物として用いら
れる。窒素源としては、例えば市販されている大豆粉、
コーングルテンミール、コーンスティープリカー、肉エ
キス、脱脂肉骨粉、ミートミール、酵母エキス、乾燥酵
母、綿実粉、ペプトン、小麦胚芽、脱脂米糠、魚粉、無
機アンモニウム塩又は硝酸ナトリウム等が単独又は混合
物として用いられる。無機塩としては、例えば市販され
ている炭酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウ
ム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム
又は各種リン酸塩等が単独又は混合物として使用するこ
とができる。その他要すれば、鉄、マンガン、コバル
ト、モリブデン、銅、亜鉛等の重金属塩を微量添加して
もよい。また、発泡の著しい時には、消泡剤として、例
えば大豆油、亜麻仁油等の植物油類、例えばオクタデカ
ノール等の高級アルコール類、各種シリコン化合物等を
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、BE−24811の生産に役立つものを適宜
使用することができ、例えば3−(N−モルホリノ)プ
ロパンスルホン酸、ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。
【0020】培養方法は、一般の微生物代謝産物の生産
方法と同様に行うことができ、固体培養でも液体培養で
もよい。液体培養の場合は、静置培養、撹拌培養、振盪
培養、通気培養等のいずれの培養方法を実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気撹拌培養等が好ましい。
培養温度は15℃〜34℃が適当であるが、好ましくは
25℃〜30℃である。培地のpHは3.5〜12の範
囲、好ましくは4〜8で、培養時間は48時間〜192
時間、好ましくは72時間〜144時間である。
【0021】培養液及び菌体から目的とするBE−24
811を採取するには、微生物の生産する代謝物の培養
物から採取するのに通常使用される分離手段が適宜利用
される。BE−24811は培養濾液中及び菌体中、主
に菌体中に存在するので、培養濾液又は菌体より通常の
分離手段、例えば溶媒抽出法、イオン交換樹脂法、吸着
又は分配クロマトグラフィー法、ゲル濾過法等を単独又
は組合せて行うことにより精製することができる。また
高速液体クロマトグラフィーや薄層クロマトグラフィー
なども抽出精製に適宜利用可能である。
【0022】好ましい分離−精製の例としては次の方法
が挙げられる。まず培養液を濾過し、菌体を得る。得ら
れた菌体からメタノール又はアセトン等の有機溶媒を用
いて抽出する。抽出液を留去して得られた残渣を酢酸エ
チルに溶解し、水で洗った後、濃縮する。ここで得られ
た粗物質をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/
酢酸エチル)にて精製し、メタノールより再結晶を行う
ことにより、BE−24811の乳白色針状晶を得るこ
とができる。
【0023】次に、本発明の化合物の有用性を示すため
に、本発明化合物の腫瘍細胞に対する増殖抑制効果をを
測定した。BE−24811の抗腫瘍活性 抗腫瘍性物質類BE−24811類のマウス実験腫瘍細
胞に対する増殖阻止作用を決定するため、in vit
roで試験を行なった。マウス白血病細胞P388に対
する抗腫瘍作用試験は、BE−24811類をジメチル
スルホキシドに溶解した後、牛胎児血清10%含有RP
MI1640培地(20μMの2−メルカプトエタノー
ルを含む)で逐次希釈し、2×103 個の腫瘍細胞を
含む細胞培養培地(牛胎児血清10%含有PRMI16
40培地、20μMの2−メルカプトエタノールを含
む)50μlに対し50μlを加えた。37℃で72時
間、5%CO2下で培養後、MTT測定法により対照群
と比較した。
【0024】マウス大腸癌細胞colon26に対する
抗腫瘍試験は、BE−24811類をジメチルスルホキ
シドに溶解した後、牛胎児血清10%含有RPMI16
40培地で逐次希釈し、1×103個の腫瘍細胞を含む
細胞培養培地(牛胎児血清10%含有PRMI1640
培地)100μlに対し100μlを加えた。37℃で
72時間、5%CO2下で培養後、50% トリクロロ
酢酸で固定し、0.4%スルホローダミンBで染色後、
10mMトリス緩衝液を用いて細胞から色素を抽出し
た。450nmを対照波長として550nmに於ける吸
光度を測定して対照群と比較した。その結果、BE−2
4811類は両癌細胞に対し、強い増殖阻止活性を示
し、50% 増殖阻害濃度(IC50)は第2表の通りで
あった。
【0025】更に、BE−24811類のヒト癌細胞に
対する抗腫瘍活性をin vitroで試験した。細胞
は、ヒト大腸癌細胞DLD−1、ヒト肺癌細胞PC−1
3及びヒト胃癌細胞MKN−45を使用し、細胞培養用
培地は、全ての癌細胞共に牛胎児血清10%含有RPM
I1640培地を用いた。BE−24811類をまずジ
メチルスルホキシドに溶解し、次に牛胎児血清10%含
有RPMI1640培地で逐次希釈して検液とした。癌
細胞増殖阻害の検定は、1×103 個の癌細胞を含む
細胞培養用の培地100μlを96穴マイクロプレート
に分注し、37℃で24時間、5%CO2下で培養した
後、上記検液100μlを加えた。更に、72時間培養
後細胞を50%トリクロロ酢酸で固定し、以下colo
n 26細胞と同様の方法を用い対照群と比較検討し
た。その結果、BE−24811類はヒト腫瘍細胞にお
いても強い増殖阻害活性を示し、その50%増殖阻止濃
度(IC50)は第2表の通りであった。
【0026】
【表2】 上述したようにBE−24811類はマウス及びヒトの
癌細胞に対し顕著な増殖阻止作用を示す。従って、本発
明はヒトをはじめとする哺乳動物の抗腫瘍剤として有用
である。
【0027】本発明化合物は、抗腫瘍剤として使用され
る場合には、その薬学的に許容しうる塩としても使用す
ることができる。薬学的に許容しうる塩の典型例として
は、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との
塩等を挙げることができる。
【0028】本発明の化合物の薬学的に許容しうる塩の
製造法は、有機合成化学分野で通常用いられる方法を適
宜組み合わせて行うことができる。具体的には、本発明
化合物の遊離型の溶液をアルカリ溶液で中和滴定するこ
と等が挙げられる。
【0029】本発明化合物を抗腫瘍剤として使用する際
の投与形態としては各種の形態を選択でき、例えば錠
剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤等の経口剤、例え
ば溶液、懸濁液等の殺菌した液状の非経口剤等が挙げら
れる。
【0030】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。該
添加物としては、例えば乳糖、ブドウ糖等の糖類、例え
ばトウモロコシ、小麦、米等の澱粉類、例えばステアリ
ン酸等の脂肪酸、例えばメタケイ酸ナトリウム、アルミ
ン酸マグネシウム、無水リン酸カルシウム等の無機塩、
例えばポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコー
ル等の合成高分子、例えばステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩、例えばステアリ
ルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、
例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース等の合成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチ
ン、タルク、植物油、アラビアゴム等通常用いられる添
加物等が挙げられる。
【0031】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末
等の固形製剤は、一般的には0.1〜100重量%、好
ましくは5〜100重量%の有効成分を含むことができ
る。
【0032】液状製剤は、水、アルコール類又は例えば
大豆油、ピーナツ油、ゴマ油等の植物由来の油等液状製
剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁
液、シロップ剤、注射剤等の形態として製造することが
できる。
【0033】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈内注
射、皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例
えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉内注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム等
の水溶液)、電解質溶液(例えば点滴静注、静脈内注射
用)等又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0034】又、これらの注射剤は予め溶解したものの
他、粉末のまま又は適当な添加物を加えたものを用時溶
解する形態もとることができる。これらの注射液は、通
常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有効
成分を含むことができる。
【0035】又、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤等の
液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含むことがで
きる。
【0036】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位及び患者の病状に
よって適宜増減することができる。例えば、一日当りの
成人一人当りの投与量は、経口投与の場合、10ないし
500mgであり、非経口投与、好ましくは静脈内注射
の場合、1日当り10ないし100mgである。なお、
投与回数は、投与方法及び症状により異なるが、単回又
は2ないし5回に分けて投与することができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではなく、実施例の修飾手段はもちろん、本発明によ
って明らかにされたBE−24811の性状に基づい
て、公知の手段を用いてBE−24811を生産、濃
縮、抽出、精製する方法すべてを包含する。実施例1 斜面寒天培地に培養した真菌F24811株をポリペプ
トン0.3%、グルコース1%、小麦胚芽1.0%、グ
ルテンミール0.5%、麦芽エキス0.3%、マルトー
ス3.0%、塩化ナトリウム0.2%、硝酸ナトリウム
0.1%、リン酸一カリウム0.1%、硫酸マグネシウ
ム0.05%、硫酸第一鉄0.0002%、塩化第二銅
0.00004%、塩化マンガン0.00004%、塩
化コバルト0.00004%、硫酸亜鉛0.00008
%、ホウ酸ナトリウム0.00008%及びモリブデン
酸アンモニウム0.00024%からなる培地(pH
6.0)100mlを含む500ml容の三角フラスコ
2本に接種し、28℃で96時間、回転振盪機(毎分1
80回転)上で培養した。この培養液を2mlずつ、上
記の培地を100ml含む500ml容の三角フラスコ
50本に接種し、28℃で120時間、回転振盪機(毎
分180回転)上で培養した。
【0038】得られた培養液(約5L)を90℃で10
分間加熱処理した後、セライトを加え、濾過法により濾
過し、得られた菌体にアセトン(2L×2)を加え、ア
セトン抽出液を得た。アセトン抽出液を減圧下に濃縮
し、アセトンを除去し、得られた濃縮液(約800m
l)を酢酸エチル(800ml×2)で抽出した。酢酸
エチル層を無水硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、濃
縮乾固した。残渣をメタノール30mlに溶解し、これ
に5gのシリカゲル(メルク社製キーゼルゲル60)を
加え、減圧下溶媒を除去した。このシリカゲルを50g
のシリカゲルカラムの上に重層し、ヘキサン/酢酸エチ
ル(5:1)の混液で展開した。BE−24811を含
む分画を集め、メタノールより再結晶することにより、
乳白色針状晶のBE−24811を34mg得た。
【0039】以下に本発明の化合物の製剤化例を示す
が、本発明の化合物の製剤化は、本製剤化例に限定され
るものではない。製剤例1 本物質(BE−24811) 10部 重質酸化マグネシウム 15部 乳糖 75部 を均一に混合して350μm以下の粉末状又は細粒状の
散剤とする。この散剤をカプセル容器に入れてカプセル
剤とした。製剤例2 本物質(BE−24811) 45部 澱粉 15部 乳糖 16部 結晶性セルロース 21部 ポリビニルアルコール 3部 蒸留水 30部 を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別
して1410〜177μmの大きさの顆粒剤とした。製剤例3 製剤化例2と同様の方法で顆粒剤を作った後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム4部を加えて
圧縮成形し、直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例 4 製剤化例2の方法で得られた顆粒剤の90部に対して結
晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部
を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これ
にシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液
を加えて糖衣錠を作製した。製剤例5 本物質(BE−24811) 0.6部 非イオン系界面活性剤 2.4部 生理的食塩水 97部 を加温混合してからアンプルに入れ、滅菌を行って注射
剤を作製した。
【0040】
【発明の効果】本発明のBE−24811は、ヒト及び
マウスの腫瘍細胞に対して、増殖抑制効果を示すことか
ら医薬の分野で抗腫瘍剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 彬 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  2. 【請求項2】タラロマイセス(Talaromyce
    s)属に属し、式[I]の化合物を産生する能力を有す
    る微生物又はその変異株を培養し、その培養液及びその
    菌体から構造式[I]の化合物を採取し、要すれば薬学
    的に許容しうる塩とすることを特徴とする、式 【化2】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩の製
    法。
  3. 【請求項3】微生物又はその変異株が、タラロマイセス
    ・リターダタスF24811(Talaromyces
    retardatus F24811)である請求項
    2記載の製造法
  4. 【請求項4】式 【化3】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を有効
    成分とする抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】構造式[I]の化合物を産生する能力を有
    するタラロマイセス(Talaromyces)属に属
    する微生物又はその変異株。
  6. 【請求項6】微生物が、タラロマイセス・リターダタス
    F24811(Talaromyces retard
    atus F24811)である請求項5記載の微生物
    又はその変異株。
JP9795794A 1994-04-12 1994-04-12 抗腫瘍性物質be−24811及びその製造法 Pending JPH07278041A (ja)

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