JPH1171379A - 抗腫瘍性物質be−55051及びその製造法 - Google Patents

抗腫瘍性物質be−55051及びその製造法

Info

Publication number
JPH1171379A
JPH1171379A JP24947897A JP24947897A JPH1171379A JP H1171379 A JPH1171379 A JP H1171379A JP 24947897 A JP24947897 A JP 24947897A JP 24947897 A JP24947897 A JP 24947897A JP H1171379 A JPH1171379 A JP H1171379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
culture
streptomyces
microorganism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24947897A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Torigoe
浩一郎 鳥越
Tadayuki Yamauchi
忠幸 山内
Shigeru Nakajima
中島  茂
Masatake Kamiya
正剛 神谷
Masao Nagashima
正生 長嶋
Katsuhisa Ojiri
勝久 小尻
Hiroyuki Suda
寛之 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Banyu Phamaceutical Co Ltd filed Critical Banyu Phamaceutical Co Ltd
Priority to JP24947897A priority Critical patent/JPH1171379A/ja
Publication of JPH1171379A publication Critical patent/JPH1171379A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は新規な構造式[I] 【化1】 で表される化合物に関する。 【効果】本発明の化合物は、マウス及びヒトの腫瘍細胞
に対して強い増殖抑制効果を示すことから、医薬の分野
で癌の治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬の分野で有用で
あり、より具体的には腫瘍細胞の増殖を阻害して抗腫瘍
作用を示す新規化合物、その製造法及びその用途並びに
該化合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、既に多く
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の腫瘍に対してその効果は必ずしも充
分ではなく、また臨床上これらの薬剤に対する腫瘍細胞
の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応用性
は複雑化している[第47回日本癌学会総会記事、12
頁〜15頁(1988年)等参照]。
【0003】このような状況下、癌治療の分野において
は常に新規抗腫瘍性物質の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の希求に
応えることのできる新規な抗腫瘍性物質を提供すること
を目的とするものである。即ち、既存の抗腫瘍性物質が
充分に効果を発揮できない種々の腫瘍に対しても抗腫瘍
効果を発揮する化合物を提供することが本発明が解決し
ようとする課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、抗腫瘍活性を有する物質について微生
物二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、後記構
造式[I]で表される化合物が優れた抗腫瘍作用を示す
ことを見いだして本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は新規な構造式[I]
【0007】
【化6】 で表される化合物、その製造法及びその用途並びに該化
合物を産生する能力を有することを特徴とするストレプ
トミセス(Streptomyces)属に属する微生
物に関するものである。
【0008】なお、抗腫瘍効果及び産生菌株ストレプト
ミセス エスピー A 55051株に因んで、構造式
[I]で表わされる化合物を、以下、抗腫瘍性物質BE
−55051と称する。
【0009】以下に本発明にかかわる新規な抗腫瘍性物
質BE−55051の物理化学的な性状を示す。
【0010】下記にNMR測定における略号の意味を示
す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:カルテット m:マルチプレット br:ブロード J:カップリング定数 Hz:ヘルツBE−55051の物理化学的性状 性状;黄色アモルファス状固体若しくは結晶 分子式;C22924Cl5 質量分析;[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て:実測値540.9055、計算値540.9085 紫外部吸収スペクトル; λmax(MeOH,nm(ε))218(3715
0),255(sh),320(15550),352
(13480) λmax(0.1N HCl−MeOH(1:9),nm
(ε))218(36290),258(1210
0),310(15720) λmax(0.1N NaOH−MeOH(1:9),n
m(ε))322(16590),352(1348
0) 赤外部吸収スペクトル;(KBr,cm-1)3149,
1622,1587,1529,1466,1435,
1250,11921 H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−
6)δppm:5.92(1H,d,J=8.8H
z),6.97(1H,s),6.99(1H,d,J
=8.8Hz),7.35(1H,d,J=2.8H
z),7.40(1H,dd,J=8.4,2.8H
z),7.48(1H,dd,J=8.8,2.8H
z),7.85(1H,d,J=2.8Hz),10.
4(1H,br s),13.6(1H,s)13 C−NMRスペクトル(125MHz,DMSO−d
6)δppm:111.7(s),111.9(s),
115.8(d),116.7(s),117.4
(s),118.6(d),119.8(s),12
2.7(s),123.9(d),127.3(s),
129.2(d),129.3(s),129.9
(s),131.9(d),132.5(d),13
2.9(s),134.3(d),143.1(s),
155.3(s),157.3(s),178.9
(s),180.4(s) 溶解性;ジメチルスルホキシド等の有機溶媒に溶け易
く、水に溶けにくい。
【0011】酸性、中性、塩基性物質の区別;ほぼ中性
の物質BE−55051の生物学的活性(抗腫瘍作用) 抗腫瘍性物質BE−55051のマウス実験腫瘍細胞に
対する増殖阻止作用を決定するため、試験管内で試験を
行なった。マウス白血病細胞P388に対する抗腫瘍試
験は、BE−55051をジメチルスルホキシドに溶解
した後、ジメチルスルホキシドで逐次希釈してから、牛
胎児血清10%含有RPMI 1640培地(20mM
の2−メルカプトエタノールを含む)に加え検液とし
た。1x103個の腫瘍細胞を含む細胞培養培地(牛胎
児血清10%含有RPMI 1640培地、20mMの
2−メルカプトエタノールを含む)50μlを96穴マ
イクロプレートに分注し、37℃で24時間、5%CO
2下で培養した後に上記の検液を50μlを加え、37
℃で72時間、5%CO2下で培養後、MTT測定法に
より対照群と比較した。
【0012】マウス大腸癌細胞colon26に対する
抗腫瘍試験は、BE−55051をジメチルスルホキシ
ドに溶解した後ジメチルスルホキシドで逐次希釈してか
ら、牛胎児血清10%含有RPMI 1640培地に加
え検液とした。1x103個の腫瘍細胞を含む細胞培養
培地(牛胎児血清10%含有RPMI 1640培地)
100μlを96穴マイクロプレートに分注し、37℃
で24時間、5%CO2下で培養した後に上記の検液1
00μlを加え、37℃で72時間、5%CO2下で培
養後、50%トリクロロ酢酸で固定し、0.4%スルホ
ローダミンBで染色後、10mMトリス液を用いて細胞
から色素を抽出した。450nmを対照波長として55
0nmにおける吸光度を測定して対照群と比較した。そ
の結果、BE−55051は両腫瘍細胞に対し、強い増
殖阻止活性を示し、50%増殖阻害濃度は第1表の通り
であった。
【0013】更に、BE−55051のヒト腫瘍細胞に
対する抗腫瘍活性を試験管内で試験した。細胞は、ヒト
大腸癌細胞DLD−1、ヒト肺癌細胞PC−13及びヒ
ト胃癌細胞MKN−45を使用し、細胞培養用培地は、
全ての腫瘍細胞とともに牛胎児血清10%含有RPMI
1640培地を用い、上記のマウス大腸癌細胞col
on26と同様の方法を用いて測定した。その結果、B
E−55051はヒト腫瘍細胞に対しても強い増殖阻害
活性を示し、その50%増殖阻止濃度は第1表の通りで
あった。
【0014】
【表1】 上述したようにBE−55051はマウス及びヒトの腫
瘍細胞に対し顕著な増殖阻止作用を示す。したがって、
本発明はヒトをはじめとする哺乳動物の抗腫瘍剤として
有用である。
【0015】つぎに、BE−55051の製造法につい
て説明する。
【0016】本発明の抗腫瘍性物質BE−55051の
製造に使用する微生物は、抗腫瘍性物質BE−5505
1を生産するものならばいずれでも良いが、例えば以下
の菌学的性状を有する微生物、即ち、A 55051株
を用いることができる。 1.形態 A 55051株はよく伸長し分岐する基生菌糸と気菌
糸を形成し輪生岐及び菌糸の分断は認められない。気菌
糸上には胞子の長い連鎖(30個以上)を作り、その形
態は、らせん状である。胞子は表面がしわ状、大きさが
1.0〜1.2×0.8〜0.9μm、円筒、あるいは
卵型である。胞子嚢、鞭毛胞子及び菌核等の特殊な器官
は観察されない。コロニーはイースト・麦芽寒天培地等
で気菌糸の成熟とともに次第に湿潤化することが観察さ
れる。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】 6.細胞壁組成 LL−ジアミノピメリン酸とグリシンが検出された。
【0021】以上の菌学的諸性質よりA 55051株
は放線菌ストレプトミセス属に属すると考えられる。し
たがって、A 55051株をストレプトミセス エス
ピーA 55051(Streptomyces s
p. A 55051)と称することとした。
【0022】なお、本菌株は通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されており、その受託番号は
FERM P−16028である。
【0023】本発明のストレプトミセス エスピー A
55051(Streptomyces sp. A
55051)の変異株は、例えばX線若しくは紫外線
などの照射処理、例えばナイトロジェンマスタード、ア
ザセリン、亜硝酸、2−アミノプリン若しくはN−メチ
ル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)
等の変異誘起剤による処理、ファージ接触、形質転換、
形質導入又は接合などの通常用いられる菌種変換処理方
法によりストレプトミセス エスピー A 55051
(Streptomyces sp. A 5505
1)を変異させることにより得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のBE−55051を製造
するにあたり、BE−55051の生産菌株を栄養源含
有培地に接種して好気的に発育させることにより、BE
−55051を含む培養物が得られる。栄養源として
は、放線菌の栄養源として公知のものが使用できる。例
えば、炭素源としては、市販されているブドウ糖、麦芽
糖、デンプン、庶糖、糖蜜又はデキストリンなどが単独
又は混合物として用いられる。窒素源としては、市販さ
れている大豆粉、コーンステイープリカー、グルテンミ
ール、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、綿実粉、ペプ
トン、小麦胚芽、魚粉、ミートミール、脱脂米ヌカ、脱
脂肉骨粉、無機アンモニウム塩又は硝酸ナトリウムなど
が単独又は混合物として用いられる。無機塩としては、
市販されている炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウム、ホウ酸
ナトリウム又は各種リン酸塩などを使用することができ
る。その他必要に応じて、鉄、マンガン、亜鉛、コバル
ト、モリブデン酸などの重金属塩を微量添加することも
できる。また、発泡の激しい場合には消泡剤として、例
えば大豆油又は亜麻仁油などの植物油、オクタデカノー
ルなどの高級アルコール類、各種シリコン化合物などを
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、BE−55051の生産に役立つもの例えば
3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸又はホウ酸
ナトリウムなどであれば、いずれも使用することができ
る。
【0025】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振とう培養又は通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は12〜39℃が適当であるが、好ましくは21
〜36℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は96時間〜288時間、好ましくは12
0時間〜216時間である。培養物から目的とするBE
−55051を採取するには、微生物の生産する代謝物
から採取するのに通常使用される分離手段を適宜利用す
ることができる。
【0026】BE−55051は菌体中に存在するの
で、菌体より通常の分離手段、例えば溶媒抽出法、イオ
ン交換樹脂法又は吸着若しくは分配クロマトグラフィー
法及びゲル濾過法などを単独又は組み合わせて行なうこ
とにより精製できる。
【0027】好ましい分離精製の例として次の方法が挙
げられる。まず培養液を濾過し、菌体を得る。得られた
菌体をメタノール又はアセトンなどの有機溶媒を用いて
抽出する。得られた粗抽出物について、水−酢酸エチル
分配を行ない、酢酸エチルを留去後得られる残留物につ
いてシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルムで溶
出)を行なう。BE−55051を含む画分を減圧下で
濃縮し、更にゲル濾過(メタノールで溶出)を行うこと
により、BE−55051を粉末若しくは固体として得
ることができる。
【0028】本発明の化合物BE−55051は腫瘍細
胞の増殖を阻害し、抗腫瘍効果を発揮するが、本発明化
合物を抗腫瘍剤として使用する際の投与形態としては各
種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、
顆粒剤若しくは液剤などの経口剤、又は例えば溶液若し
くは懸濁液などの殺菌した液状の非経口剤が挙げられ
る。
【0029】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖
などの糖類、例えばトウモロコシ、小麦若しくは米など
のデンプン類、例えばステアリン酸などの脂肪酸、例え
ばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン
酸カルシウムなどの無機塩、例えばポリビニルピロリド
ン若しくはポリアルキレングリコールなどの合成高分
子、例えばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン
酸マグネシウムなどの脂肪酸塩、例えばステアリルアル
コール若しくはベンジルアルコールなどのアルコール
類、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、エチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの合成セルロース誘導体、その他、
水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴムなど通常
用いられる添加物が挙げられる。
【0030】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末などの固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、
好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。
【0031】液状製剤は、水、アルコール類又は例えば
大豆油、ピーナッツ油若しくはゴマ油などの植物由来の
油など液状製剤において通常用いられる適当な添加剤を
使用し、懸濁液、シロップ剤又は注射剤などの形態とし
て製造される。
【0032】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又
は皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例え
ば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム
などの水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈
内注射用)など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0033】これらの注射剤はあらかじめ溶解したもの
のほか、粉末のままあるいは適当な添加剤を加えたもの
を用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は通
常、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有
効成分を含む。
【0034】また、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤な
どの液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0035】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍に
よって変化することに注意すべきである。例えば、1日
あたりの成人の投与量は、経口投与の場合、10〜50
0mgであり、非経口投与、好ましくは静脈注射の場
合、1日あたり、10〜100mgである。なお、投与
回数は投与方法及び症状によって異なるが、1回ないし
5回である。
【0036】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例BE−55051の製造法 斜面軟寒天培地に接種した放線菌A 55051株をグ
ルコース0.1%、デキストリン2%、魚粉0.5%、
コーングルテンミール1%、酵母エキス0.1%、硫酸
マグネシウム0.05%、塩化ナトリウム0.1%、塩
化カルシウム0.05%、硫酸第一鉄0.0002%、
塩化第二銅0.00004%、塩化マンガン0.000
04%、塩化コバルト0.00004%、硫酸亜鉛0.
00008%、ホウ酸ナトリウム0.00008%、及
びモリブデン酸ナトリウム0.00024%からなる培
地(pH7.0)110mlを含む500ml容の三角
フラスコ2本に接種し、28℃で48時間、回転振盪機
(毎分180回転)上で培養した。この培養液を2ml
ずつ上記の培地を110ml含む500ml容の三角フ
ラスコ50本に接種し、28℃で168時間回転振盪機
(毎分180回転)上で培養した。
【0037】このようにして得られた培養液(約5L)
から濾過により菌体を分離後、菌体に2Lのメタノール
を加えて2回抽出した。この抽出液を減圧下250ml
まで濃縮した後、蒸留水250mlを加え、500ml
の酢酸エチルで2回抽出した。得られた酢酸エチル抽出
液を減圧下に濃縮し、粗抽出物を得た。この粗抽出物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メルク社製キー
ゼルゲル60、70〜230メッシュ、3.0x35c
m)に供し、クロロホルムで溶出することによりBE−
55051を含む画分を得た。この画分を減圧下に濃縮
した後、セファデックスLH−20カラム(ファルマシ
ア社、2.5x40cm)に供し、メタノールで溶出
後、BE−55051を含む画分を濃縮乾固することに
より純粋なBE−55051 200.7mgを黄色の
固体として得た。
【0038】以下に本発明の化合物の製剤例を示すが、
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。 製剤例1 本物質(BE−55051) 10部、重質酸化マグネ
シウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、350
μm以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。この散剤を
カプセル容器に入れカプセル剤とした。 製剤例2 本物質(BE−55051) 45部、澱粉15部、乳
糖16部、結晶性セルロース21部、ポリビニルアルコ
ール3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、破砕造
粒して乾燥し、次いで篩別して直径1410〜177μ
mの大きさの顆粒剤とした。 製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例4 製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性
セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加
えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシ
ロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加
えて糖衣錠を作製した。
【0039】
【発明の効果】本発明に記載するBE−55051は、
マウス及びヒトの腫瘍細胞に対して強い増殖抑制効果を
示すことから、医薬の分野で癌の治療剤として有用であ
る。
【0040】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 1/20 C12R 1:465) (C12P 17/18 C12R 1:465) (72)発明者 神谷 正剛 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 長嶋 正生 東京都目黒区下目黒2丁目9番3号 萬有 製薬株式会社目黒工場内 (72)発明者 小尻 勝久 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造式[I] 【化1】 で表される化合物。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属し、構造式[I] 【化2】 で表される化合物を産生する能力を有する微生物を培養
    し、その培養物から構造式[I]で表される化合物を採
    取することを特徴とする、構造式[I]で表される化合
    物の製造法。
  3. 【請求項3】構造式[I] 【化3】 で表される化合物を産生する能力を有する微生物が、ス
    トレプトミセス エスピー A 55051(Stre
    ptomyces sp. A 55051)又はその
    変異株である請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】構造式[I] 【化4】 で表される化合物を有効成分とする抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】構造式[I] 【化5】 で表される化合物を産生する能力を有することを特徴と
    するストレプトミセス(Streptomyces)属
    に属する微生物。
  6. 【請求項6】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属する微生物が、ストレプトミセス エスピ
    ー A 55051(Streptomyces s
    p. A 55051)又はその変異株である請求項5
    記載の微生物。
JP24947897A 1997-08-28 1997-08-28 抗腫瘍性物質be−55051及びその製造法 Pending JPH1171379A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24947897A JPH1171379A (ja) 1997-08-28 1997-08-28 抗腫瘍性物質be−55051及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24947897A JPH1171379A (ja) 1997-08-28 1997-08-28 抗腫瘍性物質be−55051及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1171379A true JPH1171379A (ja) 1999-03-16

Family

ID=17193573

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24947897A Pending JPH1171379A (ja) 1997-08-28 1997-08-28 抗腫瘍性物質be−55051及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1171379A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3010675B2 (ja) 抗腫瘍性物質be―13793c
JPH1171379A (ja) 抗腫瘍性物質be−55051及びその製造法
JPH10147594A (ja) 抗腫瘍性物質be−43547類
JPH06306074A (ja) 抗腫瘍性物質be−32030類
JP2803182B2 (ja) 抗腫瘍性物質be―12233
JPH1121263A (ja) 抗腫瘍性物質be−45985類
JPH10101676A (ja) 抗腫瘍性物質be−56384及びその製造法
JPH07278041A (ja) 抗腫瘍性物質be−24811及びその製造法
JPH107557A (ja) 抗腫瘍性物質スピロラキシン
JPH041179A (ja) 抗腫瘍性物質be―14106
JPH1067725A (ja) 抗腫瘍性物質be−52211
JPH10168054A (ja) 抗腫瘍性物質be−41926
JP2000178274A (ja) 抗腫瘍性物質be−54017及びその製造法
JPH10101663A (ja) 抗腫瘍性物質be−51068及びその製造法
JPH09208575A (ja) 抗腫瘍性物質be−52440類及びその製造法
JP2803178B2 (ja) 抗腫瘍性物質 be―16493
JPH11255798A (ja) 抗腫瘍性物質be−66408類及びその製造法
JPH1059975A (ja) 抗腫瘍性物質be−54238類及びその製造法
JPH11349522A (ja) 抗腫瘍性物質be−69785a及びその製造法
JPH0725893A (ja) 抗腫瘍性物質be−13793x及びbe−13793xa
JPH0341069A (ja) 抗腫瘍性物質be―13793類
JPH08198874A (ja) 抗腫瘍性物質be−48021
JPH0987284A (ja) 抗腫瘍性物質be−42303類
KR0177585B1 (ko) 항종양성 물질 b e-13793c-생성 균주
JPH09241257A (ja) 抗腫瘍性物質be−41956類及びその製造法