JPH1059975A - 抗腫瘍性物質be−54238類及びその製造法 - Google Patents

抗腫瘍性物質be−54238類及びその製造法

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JPH1059975A
JPH1059975A JP23840696A JP23840696A JPH1059975A JP H1059975 A JPH1059975 A JP H1059975A JP 23840696 A JP23840696 A JP 23840696A JP 23840696 A JP23840696 A JP 23840696A JP H1059975 A JPH1059975 A JP H1059975A
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streptomyces
group
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salt
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JP23840696A
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English (en)
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Masahisa Tsukamoto
匡央 塚本
Shigeru Nakajima
中島  茂
Masao Nagashima
正生 長嶋
Katsuhisa Ojiri
勝久 小尻
Hiroyuki Suda
寛之 須田
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は新規な一般式[I] 【化1】 [式中、R1は水素原子を、R2は−CH2COOX(こ
こにおいて、Xは水素原子又は低級アルキル基を示す)
で表される基を示すか、又はR1及びR2は一緒になって
−O−CO−CH2−で表される基を示す]で表される
化合物に関する。 【効果】本発明の化合物は、マウス及びヒトの腫瘍細胞
に対して増殖抑制効果を示すことから、医薬の分野で癌
の治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬の分野で有用で
あり、より具体的には腫瘍細胞の増殖を阻害して抗腫瘍
作用を示す新規化合物、その製造法及びその用途並びに
該化合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、既に多く
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の腫瘍に対してその効果は必ずしも充
分ではなく、また臨床上これらの薬剤に対する腫瘍細胞
の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応用性
は複雑化している[第47回日本癌学会総会記事、12
頁〜15頁(1988年)等参照]。
【0003】このような状況下、癌治療の分野において
は常に新規抗腫瘍性物質の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の希求に
応えることのできる新規な抗腫瘍性物質を提供すること
を目的とするものである。即ち、既存の抗腫瘍性物質が
充分に効果を発揮できない種々の腫瘍に対しても抗腫瘍
効果を発揮する化合物を提供することが本発明が解決し
ようとする課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、抗腫瘍活性を有する物質について微生
物二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、後記一
般式[I]で表される化合物が優れた抗腫瘍作用を示す
ことを見いだして本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は新規な一般式[I]
【0007】
【化6】 [式中、R1は水素原子を、R2は−CH2COOX(こ
こにおいて、Xは水素原子又は低級アルキル基を示す)
で表される基を示すか、又はR1及びR2は一緒になって
−O−CO−CH2−で表される基を示す]で表される
化合物又はその薬学的に許容されうる塩、その製造法及
びその用途並びに該化合物を産生する能力を有すること
を特徴とするストレプトミセス(Streptomyc
es)属に属する微生物に関するものである。
【0008】構造式[I]の化合物は、その抗腫瘍効果
及び産生菌株ストレプトミセス エスピー A 542
38株に因んで、抗腫瘍性物質BE−54238類と命
名された。
【0009】次に本明細書において使用する用語につい
て説明する。
【0010】「低級」なる語は、この語の付された基又
は化合物の炭素数が6個以下、好ましくは4個以下であ
ることを意味する。
【0011】「低級アルキル基」とは炭素数が1〜6個
の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、
ヘキシル基等が挙げられる。
【0012】以下に本発明にかかわる新規な抗腫瘍性物
質BE−54238類の物理化学的な性状を示す。
【0013】ここで、一般式[I]のR1が水素原子で
あり、かつR2が−CH2COOHで表される基である化
合物をBE−54238A、R1及びR2が一緒になって
−O−CO−CH2−で表される基である化合物をBE
−54238Bと称する。
【0014】下記にNMR測定における略号の意味を示
す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:カルテット m:マルチプレット br:ブロード J:カップリング定数 Hz:ヘルツBE−54238Aの物理化学的性状 性状:黄褐色アモルファス状固体若しくは結晶 分子式:C22236N 質量分析:[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て:実測値398.1591;計算値398.1603 比旋光度:[α]20 D=−264°(c 0.10,D
MSO) 紫外部吸収スペクトル:λmax(MeOH,nm
(ε))276(16700),411(27700) 赤外部吸収スペクトル:(KBr,cm-1)3444,
2976,1709,1645,1527,1489,
1464,1381,1259,1223,1176,
1122,1076,6081 H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−
6)δppm:12.3(1H,brs),7.95
(1H,d,J=9.2Hz),6.42(1H,d,
J=9.2Hz),5.15(1H,q,J=6.4H
z),4.90(1H,d,J=5.2Hz),4.6
9(1H,brd,J=7.9Hz),4.46(1
H,m),4.15(1H,m),3.20(2H,
m),3.12(1H,dd,J=17.7,7.3H
z),2.95(1H,dd,J=17.2,10.4
Hz),2.68(1H,dd,J=15.6,4.8
Hz),2.65(2H,m),2.49(over
lapped with solvent),1.53
(3H,d,J=6.4Hz),1.20(3H,d,
J=6.4Hz)13 C−NMRスペクトル(125MHz,DMSO−d
6)δppm:184.7(s),172.1(s),
155.4(s),154.6(s),134.9
(d),129.0(s),127.1(s),12
1.8(s),121.4(d),119.5(s),
109.6(s),103.6(s),68.7
(d),67.2(d),64.2(d),62.8
(d),40.4(t),30.0(t),27.3
(t),24.7(t),20.3(q),19.5
(q) 溶解性:ジメチルスルホキシド等の有機溶媒に溶け易
く、水に溶けにくい。
【0015】酸性、中性、塩基性物質の区別:酸性物質 呈色反応:硫酸反応 陽性BE−54238Bの物理化学的性状 性状:黄色アモルファス状固体若しくは結晶 分子式:C22216N 質量分析:[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て:実測値396.1446;計算値396.1447 比旋光度:[α]20 D=−586°(c 0.10,D
MSO) 紫外部吸収スペクトル:λmax(MeOH,nm
(ε))278(21500),420(27600) 赤外部吸収スペクトル:(KBr,cm-1)3444,
2972,1774,1647,1537,1497,
1259,1157,1122,6081 H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−
6)δppm:12.5(1H,brs),8.03
(1H,d,J=9.2Hz),6.47(1H,d,
J=9.2Hz),5.72(1H,d,J=3.0H
z),5.25(1H,q,J=6.7Hz),5.0
1(1H,m),4.95(1H,brs),4.61
(1H,brd,J=7.6Hz),4.17(1H,
brq,J=6.4Hz),3.34(1H,dd,J
=17.7,5.2Hz),3.23(2H,m),
2.70(2H,m),2.52(1H,d,J=1
7.7Hz),1.56(3H,d,J=6.7H
z),1.20(3H,d,J=6.4Hz)13 C−NMRスペクトル(125MHz,DMSO−d
6)δppm:185.4(s),175.0(s),
156.0(s),154.3(s),135.9
(d),129.8(s),123.1(s),12
1.7(d),120.7(s),119.9(s),
110.9(s),103.6(s),71.6
(d),68.9(d),66.4(d),65.7
(d),64.0(d),36.8(t),27.5
(t),24.8(t),20.1(q),18.5
(q) 溶解性:ジメチルスルホキシド等の有機溶媒に溶け易
く、水に溶けにくい。
【0016】酸性、中性、塩基性物質の区別:中性物質 呈色反応:硫酸反応 陽性BE−54238類の生物学的活性(抗腫瘍作用) 抗腫瘍性物質BE−54238類のマウス実験腫瘍細胞
に対する増殖阻止作用を決定するため、試験管内で試験
を行なった。マウス白血病細胞P388に対する抗腫瘍
作用試験は、BE−54238類をジメチルスルホキシ
ドに溶解した後、ジメチルスルホキシドで逐次希釈して
から、牛胎児血清10%含有RPMI1640培地(2
0mMの2−メルカプトエタノールを含む)に加え検液
とした。1x103個の腫瘍細胞を含む細胞培養培地
(牛胎児血清10%含有RPMI1640培地、20m
Mの2−メルカプトエタノールを含む)50μlを96
穴マイクロプレートに分注し、37℃で24時間、5%
CO2下で培養した後に上記の検液を50μlを加え、
37℃で72時間、5%CO2下で培養後、MTT測定
法により対照群と比較した。
【0017】マウス大腸癌細胞colon 26に対す
る抗腫瘍試験は、BE−54238類をジメチルスルホ
キシドに溶解した後ジメチルスルホキシドで逐次希釈し
てから、牛胎児血清10%含有RPMI 1640培地
に加え検液とした。1x103個の腫瘍細胞を含む細胞
培養培地(牛胎児血清10%含有RPMI 1640培
地)100μlを96穴マイクロプレートに分注し、3
7℃で24時間、5%CO2下で培養した後に上記の検
液100μlを加え、37℃で72時間、5%CO2
で培養後、50%トリクロロ酢酸で固定し、0.4%ス
ルホローダミンBで染色後、10mMトリス液を用いて
細胞から色素を抽出した。450nmを対照波長として
550nmに於ける吸光度を測定して対照群と比較し
た。その結果、BE−54238類は両腫瘍細胞に対
し、増殖阻止活性を示し、50%増殖阻害濃度は第1表
の通りであった。
【0018】更に、BE−54238類のヒト腫瘍細胞
に対する抗腫瘍活性を試験管内で試験した。細胞は、ヒ
ト大腸癌細胞DLD−1、ヒト肺癌細胞PC−13及び
ヒト胃癌細胞MKN−45を使用し、細胞培養用培地
は、全ての腫瘍細胞共に牛胎児血清10%含有RPMI
1640培地を用い、上記のマウス大腸癌細胞col
on 26と同様の方法を用いて測定した。その結果、
BE−54238類はヒト腫瘍細胞に対しても増殖阻害
活性を示し、その50%増殖阻止濃度は第1表の通りで
あった。
【0019】
【表1】 上述したようにBE−54238類はマウス及びヒトの
腫瘍細胞に対し顕著な増殖阻止作用を示す。したがっ
て、本発明はヒトをはじめとする哺乳動物の抗腫瘍剤と
して有用である。
【0020】つぎに、BE−54238類の製造法につ
いて説明する。
【0021】本発明の抗腫瘍性物質BE−54238類
の製造に使用する微生物は、抗腫瘍性物質BE−542
38類を生産するものならばいずれでも良いが、例えば
以下の菌学的性状を有する微生物、即ち、A 5423
8株を用いることができる。 1.形態 A 54238株はよく伸長し分岐する基生菌糸と気菌
糸を形成し、輪生岐及び菌糸の分断は認められない。気
菌糸上には胞子の長い連鎖(30〜50個)を作り、そ
の形態は、らせん状である。胞子の表面はしわ状で大き
さが1.5〜0.3×1.1〜0.9μm位の卵形であ
り、胞子のう、鞭毛胞子及び菌核等の特殊な器官は観察
されない。コロニーはイースト・麦芽寒天培地等で気菌
糸の成熟とともに次第に湿潤化することが観察される。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】 6.細胞壁組成 LLージアミノピメリン酸とグリシンが検出された。
【0026】以上の菌学的諸性質よりA 54238株
は放線菌ストレプトミセス属に属すると考えられる。し
たがって、A 54238株をストレプトミセス エス
ピーA 54238(Streptomyces s
p. A 54238)と称することとした。
【0027】なお、本菌株は通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されており、受託番号はFE
RM P−15721である。
【0028】本発明のストレプトミセス エスピー A
54238(Streptomyces sp. A
54238)の変異株は、例えばX線若しくは紫外線
などの照射処理、例えばナイトロジェンマスタード、ア
ザセリン、亜硝酸、2−アミノプリン若しくはN−メチ
ル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)
等の変異誘起剤による処理、ファージ接触、形質転換、
形質導入又は接合などの通常用いられる菌種変換処理方
法によりストレプトミセス エスピー A 54238
(Streptomyces sp. A 5423
8)を変異させることにより得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明のBE−54238類を製
造するにあたり、BE−54238類の生産菌株を栄養
源含有培地に接種して好気的に発育させることにより、
BE−54238類を含む培養物が得られる。栄養源と
しては、放線菌の栄養源として公知のものが使用でき
る。例えば、炭素源としては、市販されているブドウ
糖、麦芽糖、デンプン、庶糖、糖蜜又はデキストリンな
どが単独又は混合物として用いられる。窒素源として
は、市販されている大豆粉、コーンステイープリカー、
グルテンミール、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、綿
実粉、ペプトン、小麦胚芽、魚粉、ミートミール、脱脂
米ヌカ、脱脂肉骨粉、無機アンモニウム塩又は硝酸ナト
リウムなどが単独又は混合物として用いられる。無機塩
としては、市販されている炭酸カルシウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウ
ム、ホウ酸ナトリウム又は各種リン酸塩などを使用する
ことができる。その他必要に応じて、鉄、マンガン、亜
鉛、コバルト、モリブデン酸などの重金属塩を微量添加
することもできる。また、発泡の激しい場合には消泡剤
として、例えば大豆油又は亜麻仁油などの植物油、オク
タデカノールなどの高級アルコール類、各種シリコン化
合物などを適宜添加してもよい。これらのもの以外で
も、該生産菌が利用し、BE−54238類の生産に役
立つもの、例えば3−(N−モルホリノ)プロパンスル
ホン酸又はホウ酸ナトリウムなど、いずれも使用するこ
とができる。
【0030】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振とう培養又は通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は16〜43℃が適当であるが、好ましくは26
〜33℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は72時間〜168時間、好ましくは96
時間〜144時間である。培養物から目的とするBE−
54238類を採取するには、微生物の生産する代謝物
から採取するのに通常使用される分離手段を適宜利用す
ることができる。
【0031】BE−54238類は菌体及びろ液中に存
在するので、菌体及びろ液より通常の分離手段、例えば
溶媒抽出法、イオン交換樹脂法又は吸着若しくは分配ク
ロマトグラフィー法及びゲル濾過法などを単独又は組み
合わせて行なうことにより精製できる。
【0032】好ましい分離精製の例として次の方法が挙
げられる。まず培養液を濾過し、ろ液を得る。得られた
ろ液を水−酢酸エチル系で分配を行ない、酢酸エチルを
留去後得られる残留物についてセファデックスLH−2
0クロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトニトリル/
水で溶出)などを行なうことにより、BE−54238
類を粉末若しくは固体として得ることができる。
【0033】本発明のBE−54238類のうち、一般
式[II]で表される化合物は化学の分野でよく知られ
た低級アルキル化の方法によって、一般式[I]のXが
低級アルキル基である化合物に容易に変換することがで
きる。
【0034】例えば一般式[II]で表される化合物
に、塩基の存在下、低級アルキルハライドを反応させる
ことにより、一般式[I]のXが低級アルキル基である
化合物に導くことができる。
【0035】また本発明化合物は薬学的に許容されうる
塩の形で存在することができ、そのような塩としてはカ
ルボキシル基における塩基付加塩を挙げることができ、
例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、
例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシ
クロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノ
ールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩
等の脂肪族アミン塩、例えばN,N−ジベンジルエチレ
ンジアミン等のアラルキルアミン塩、例えばピリジン
塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素
環芳香族アミン塩、例えばテトラメチルアンモニウム
塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチル
アンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、
ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチ
ルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第
4級アンモニウム塩、例えばアルギニン塩、リジン塩等
の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0036】これらの塩と遊離カルボン酸は化学の分野
で良く知られた方法により、互いに容易に変換すること
ができる。
【0037】本発明の化合物BE−54238類は腫瘍
細胞の増殖を阻害し、抗腫瘍効果を発揮するが、本発明
化合物を抗腫瘍剤として使用する際の投与形態としては
各種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤若しくは液剤などの経口剤、又は例えば溶液
若しくは懸濁液などの殺菌した液状の非経口剤が挙げら
れる。
【0038】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖
などの糖類、例えばトウモロコシ、小麦若しくは米など
のデンプン類、例えばステアリン酸などの脂肪酸、例え
ばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン
酸カルシウムなどの無機塩、例えばポリビニルピロリド
ン若しくはポリアルキレングリコールなどの合成高分
子、例えばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン
酸マグネシウムなどの脂肪酸塩、例えばステアリルアル
コール若しくはベンジルアルコールなどのアルコール
類、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、エチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの合成セルロース誘導体、その他、
水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴムなど通常
用いられる添加物が挙げられる。
【0039】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末などの固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、
好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。
【0040】液状製剤は、水、アルコール類又は例えば
大豆油、ピーナッツ油若しくはゴマ油などの植物由来の
油など液状製剤において通常用いられる適当な添加剤を
使用し、懸濁液、シロップ剤又は注射剤などの形態とし
て製造される。
【0041】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又
は皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例え
ば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム
などの水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈
内注射用)など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0042】これらの注射剤はあらかじめ溶解したもの
のほか、粉末のままあるいは適当な添加剤を加えたもの
を用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は通
常、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有
効成分を含む。
【0043】また、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤な
どの液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0044】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍に
よって変化することに注意すべきである。例えば、1日
あたりの成人の投与量は、経口投与の場合、10〜50
0mgであり、非経口投与、好ましくは静脈注射の場
合、1日あたり、10〜100mgである。なお、投与
回数は投与方法及び症状によって異なるが、1回ないし
5回である。
【0045】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例BE−54238類の製造法 斜面軟寒天培地に接種した放線菌A 54238株をグ
ルコース0.1%、デキストリン2%、魚粉0.5%、
コーングルテンミール1%、酵母エキス0.1%、硫酸
マグネシウム0.05%、塩化ナトリウム0.1%、塩
化カルシウム0.05%、硫酸第一鉄0.0002%、
塩化第二銅0.00004%、塩化マンガン0.000
04%、塩化コバルト0.00004%、硫酸亜鉛0.
00008%、ホウ酸ナトリウム0.00008%、及
びモリブデン酸ナトリウム0.00024%からなる培
地(pH7.0)110mlを含む500ml容の三角
フラスコ2本に接種し、28℃で48時間、回転振盪機
(毎分180回転)上で培養した。この培養液を2ml
ずつ上記の培地を110ml含む500ml容の三角フ
ラスコ50本に接種し、28℃で120時間回転振盪機
(毎分180回転)上で培養した。
【0046】このようにして得られた培養液(約5.5
L)から濾過によりろ液を分離後、ろ液を1N塩酸でp
H3に調整した後、HP−20に吸着させ、水で洗浄
後、活性物質をメタノールで溶出した。この溶出液を減
圧下に濃縮して酢酸エチル(1Lx2)を加えた。得ら
れた酢酸エチル抽出液を減圧下に濃縮後、残留物をセフ
ァデックスLH−20(ファルマシア社製)のクロマト
用カラム(3.0x80cm)を用いて酢酸エチル/ア
セトニトリル/水(10:5:1)で溶出し、BE−5
4238A、Bを含むそれぞれの分画を濃縮乾固するこ
とによりBE−54238Aを65.2mg、BE−5
4238Bを37.8mg得た。
【0047】以下に本発明の化合物の製剤例を示すが、
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。 製剤例1 本物質(BE−54238A) 10部、重質酸化マグ
ネシウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、35
0μm以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。この散剤
をカプセル容器に入れカプセル剤とした。 製剤例2 本物質(BE−54238A) 45部、澱粉15部、
乳糖16部、結晶性セルロース21部、ポリビニルアル
コール3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、破砕
造粒して乾燥し、次いで篩別して直径1410〜177
μmの大きさの顆粒剤とした。 製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例4 製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性
セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加
えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシ
ロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加
えて糖衣錠を作製した。 製剤例5 本物質(BE−54238A) 0.6部、非イオン系
界面活性剤2.4部及び生理的食塩水97部を加温混合
してからアンプルに入れ、滅菌を行なって注射剤を作製
した。
【0048】
【発明の効果】本発明に記載するBE−54238類
は、マウス及びヒトの腫瘍細胞に対して増殖抑制効果を
示すことから、医薬の分野で癌の治療剤として有用であ
る。
【0049】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 17/18 C12R 1:465) (72)発明者 小尻 勝久 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 [式中、R1は水素原子を、R2は−CH2COOX(こ
    こにおいて、Xは水素原子又は低級アルキル基を示す)
    で表される基を示すか、又はR1及びR2は一緒になって
    −O−CO−CH2−で表される基を示す]で表される
    化合物又はその薬学的に許容されうる塩。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属し、一般式[II] 【化2】 [式中、R1は水素原子を、R20は−CH2COOHで表
    される基を示すか、又はR1及びR20は一緒になって−
    O−CO−CH2−で表される基を示す]で表される化
    合物を産生する能力を有する微生物を培養し、その培養
    液及び菌体から一般式[II]で表される化合物を採取
    し、要すれば薬学的に許容されうる塩とすることを特徴
    とする一般式[II]で表される化合物又はその薬学的
    に許容されうる塩の製造法。
  3. 【請求項3】一般式[II] 【化3】 [式中、R1は水素原子を、R20は−CH2COOHで表
    される基を示すか、又はR1及びR20は一緒になって−
    O−CO−CH2−で表される基を示す]で表される化
    合物を産生する能力を有する微生物が、ストレプトミセ
    ス エスピー A54238(Streptomyce
    s sp. A 54238)又はその変異株である請
    求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】一般式[I] 【化4】 [式中、R1は水素原子を、R2は−CH2COOX(こ
    こにおいて、Xは水素原子又は低級アルキル基を示す)
    で表される基を示すか、又はR1及びR2は一緒になって
    −O−CO−CH2−で表される基を示す]で表される
    化合物又はその薬学的に許容されうる塩を有効成分とす
    る抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】一般式[II] 【化5】 [式中、R1は水素原子を、R20は−CH2COOHで表
    される基を示すか、又はR1及びR20は一緒になって−
    O−CO−CH2−で表される基を示す]で表される化
    合物を産生する能力を有することを特徴とするストレプ
    トミセス(Streptomyces)属に属する微生
    物。
  6. 【請求項6】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属する微生物が、ストレプトミセス エスピ
    ー A 54238(Streptomyces s
    p. A 54238)又はその変異株である請求項5
    記載の微生物。
JP23840696A 1996-08-21 1996-08-21 抗腫瘍性物質be−54238類及びその製造法 Pending JPH1059975A (ja)

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