JPH1017527A - 抗菌性物質be−39589類及びその製造法 - Google Patents

抗菌性物質be−39589類及びその製造法

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JPH1017527A
JPH1017527A JP19390396A JP19390396A JPH1017527A JP H1017527 A JPH1017527 A JP H1017527A JP 19390396 A JP19390396 A JP 19390396A JP 19390396 A JP19390396 A JP 19390396A JP H1017527 A JPH1017527 A JP H1017527A
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cooh
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JP19390396A
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Masahisa Tsukamoto
匡央 塚本
Shigeru Nakajima
中島  茂
Mioko Hirayama
美央子 平山
Katsuhisa Ojiri
勝久 小尻
Hiroyuki Suda
寛之 須田
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は新規な一般式[I] 【化1】 [式中、X1及びY1は一緒になって、−CO−O−CH
2−で表される基を示すか、又はX1は−COOR1(こ
こにおいて、R1は水素原子又は低級アルキル基を示
す)で表される基を、Y1は−COOR2(ここにおい
て、R2は水素原子又は低級アルキル基を示す)又は−
CH2OHで表される基を示す]で表される化合物、そ
の製造法及びその用途並びに該化合物を産生する能力を
有することを特徴とする微生物に関する。 【効果】本発明化合物はMRSAを含む各種の病原性微
生物に対して顕著な抗菌活性を示す。したがって、これ
らの病原性微生物を起炎菌とする疾病に対する抗菌剤と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬の分野で有用で
あり、より具体的には微生物の増殖を阻害して抗菌作用
を発揮する新規化合物群、その製造法及びその用途並び
に該化合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黄色ブドウ球菌(Staphyloco
ccus aureus)は化膿性疾患の起炎菌として
知られているが、特に重症患者をかかえる大病院ではメ
チシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin
resistant Staphylococcus
aureus:MRSA)などの多剤耐性菌の院内感
染が多く、臨床上非常に問題となっている[小栗ら、臨
床と微生物、15巻、7〜15頁(1988年)参
照]。
【0003】このような状況下、MRSAに対して有効
な薬剤の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、既存
の抗菌剤が充分に効果を発揮できない多剤耐性のMRS
Aに対しても優れた抗菌活性を有する新規な化合物を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗菌活性
を有する物質について微生物二次代謝産物を広くスクリ
ーニングした結果、後記一般式[I]で表される化合物
が優れた抗菌作用を示すことを見いだし、本発明を完成
した。
【0006】即ち、本発明は新規な一般式[I]
【0007】
【化6】 [式中、X1及びY1は一緒になって、−CO−O−CH
2−で表される基を示すか、又はX1は−COOR1(こ
こにおいて、R1は水素原子又は低級アルキル基を示
す)で表される基を、Y1は−COOR2(ここにおい
て、R2は水素原子又は低級アルキル基を示す)又は−
CH2OHで表される基を示す]で表される化合物又は
その薬学的に許容されうる塩、その製造法及びその用途
並びに該化合物を産生する能力を有することを特徴とす
るミクロテトラスポラ(Microtetraspor
a)属に属する微生物に関するものである。
【0008】本発明の新規化合物をBE−39589類
と称す。
【0009】次に本明細書において使用する用語につい
て説明する。
【0010】「低級」なる語は、この語の付された基又
は化合物の炭素数が6個以下、好ましくは4個以下であ
ることを意味する。「低級アルキル基」は炭素数が1〜
6個の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基等が挙げられる。
【0011】以下に本発明の新規な抗菌性物質BE−3
9589類の物理化学的な性状を示す。
【0012】ここで、一般式[I]のX1が−COOH
で表される基であり、かつY1が−CH2OHで表される
基である化合物をBE−39589B−1、X1及びY1
が一緒になって−CO−O−CH2−で表される基であ
る化合物をBE−39589B−2、X1が−COOH
で表される基であり、かつY1が−COOHで表される
基である化合物をBE−39589C−1、X1が−C
OOHで表される基であり、かつY1が−COOCH3
表される基である化合物をBE−39589C−2と称
する。
【0013】下記にNMR測定における略号の意味を示
す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:カルテット m:マルチプレット br:ブロード J:カップリング定数 Hz:ヘルツBE−39589B−1の物理化学的性状 性状:赤色アモルファス状固体又は結晶 分子式:C26 2010 質量分析:[高分解能FAB−MS](M+Na)+
して:計算値515.0954;実測値515.098
1 紫外部吸収スペクトル:λmax(MeOH,nm
(ε))241(25,900),287(19,50
0),319(12,100),476(10,40
0) 赤外部吸収スペクトル:(KBr,cm-1)3444,
1616,1431,1356,1267,1090,
6111 H−NMRスペクトル(500MHz,CD3OD,δ
ppm)7.18(1H,s),6.74(1H,
s),4.76(2H,s),3.84(3H,s),
2.79(2H,brs),2.62(2H,br
s),2.10(3H,s)13 C−NMRスペクトル(125MHz,CD3OD,
δppm)188.8(s),187.5(s),17
6.1(s),163.9(s),163.2(s),
161.8(s),158.7(s),151.8
(s),146.9(s),145.2(s)×2,1
32.7(s),132.6(s),122.8
(s),119.9(s),119.5(s),11
8.6(d),117.4(s),114.9(s),
111.2(s),106.9(d),66.1
(t),61.5(q),30.0(t),23.8
(t),8.0(q) 溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシド等の有機溶
媒に溶け易く、水に溶けにくい。
【0014】薄層クロマトグラフィー:[メルク社製キ
ーゼルゲル60F254]Rf値0.32[展開溶媒:ク
ロロホルム−メタノール−水(15:6:1)] 呈色反応:硫酸反応 陽性BE−39589B−2の物理化学的性状 性状:赤色アモルファス状固体又は結晶 分子式:C26 189 質量分析:[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て:計算値475.1029;実測値475.1045 紫外部吸収スペクトル:λmax(MeOH,nm
(ε))239(15,500),281(10,20
0),327(4,700),485(4,600) 赤外部吸収スペクトル:(KBr,cm-1)3375,
1736,1622,1425,1358,1269,
1217,1107,1086,1036,6091 H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−
6,δppm)14.3(1H,brs),13.6
(1H,s),11.2(1H,brs),9.90
(1H,brs),7.29(1H,s),7.06
(1H,s),5.30(2H,s),3.79(3
H,s),2.77(4H,brs),2.09(3
H,s)13 C−NMRスペクトル(125MHz,DMSO−d
6,δppm)187.3(s),185.8(s),
169.1(s),162.4(s),162.1
(s),156.9(s),154.7(s),15
0.4(s),149.8(s),149.3(s),
146.1(s),131.0(s),129.9
(s),122.1(s),118.7(s),11
8.2(s),114.2(s),111.9(d),
111.3(s),109.7(s),106.3
(d),68.4(t),61.1(q),29.9
(t),22.3(t),8.2(q) 溶解性:ジメチルスルホキシド等の有機溶媒に溶け易
く、水に溶けにくい。
【0015】薄層クロマトグラフィー:[メルク社製キ
ーゼルゲル60F254]Rf値0.66[展開溶媒:ク
ロロホルム−メタノール−水(15:6:1)] 呈色反応:硫酸反応 陽性BE−39589C−1の物理化学的性状 性状:赤色アモルファス状固体又は結晶 分子式:C26 1811 質量分析:[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て:計算値507.0927;実測値507.0909 紫外部吸収スペクトル:λmax(MeOH,nm
(ε))239(29,100),288(23,90
0),318(13,700),473(12,50
0) 赤外部吸収スペクトル:(KBr,cm-1)3120,
1713,1618,1425,1354,1271,
1090,6111 H−NMRスペクトル(500MHz,CD3OD−D
MSO−d6,δppm)7.39(1H,s),7.
21(1H,s),3.86(3H,s),2.91
(2H,brs),2.80(2H,brs),2.0
9(3H,s)13 C−NMRスペクトル(125MHz,CD3OD−
DMSO−d6,δppm)189.5(s),18
7.0(s),171.6(s),169.4(s),
164.0(s),163.4(s),157.0
(s),155.5(s),152.4(s),14
8.7(s),145.2(s),133.4(s),
132.1(s),130.3(s),124.4
(s),123.8(s),121.7(s),12
0.5(d),120.4(s),115.7(s),
111.2(s),107.7(d),62.0
(q),30.1(t),23.9(t),8.7
(q) 溶解性:メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド
等の有機溶媒に溶け易く、水に溶けにくい。
【0016】薄層クロマトグラフィー:[メルク社製キ
ーゼルゲル60F254]Rf値0.15[展開溶媒:ク
ロロホルム−メタノール−水(15:6:1)] 呈色反応:硫酸反応 陽性BE−39589C−2の物理化学的性状 性状:赤色アモルファス状固体又は結晶 分子式:C27 2011 質量分析:[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て:計算値521.1084;実測値521.1081 紫外部吸収スペクトル:λmax(MeOH,nm
(ε))238(24,300),288(19,90
0),313(12,100),474(10,60
0) 赤外部吸収スペクトル:(KBr,cm-1)3444,
1714,1657,1626,1433,1360,
1273,1090,6111 H−NMRスペクトル(500MHz,Aceton
e−d6,δppm)13.7(1H,s),7.37
(1H,s),6.90(1H,s),6.79(1
H,brs),6.10(1H,brs),3.88
(3H,s),3.84(3H,s),2.90(2
H,brs),2.76(2H,brs),2.15
(3H,s)13 C−NMRスペクトル(125MHz,Aceton
e−d6,δppm)187.8(s),186.3
(s),170.6(s),169.4(s),16
2.8(s),161.9(s),158.7(s),
157.0(s),151.2(s),146.6
(s),144.9(s),135.7(s),13
1.7(s),130.6(s),122.8(s),
121.5(s),118.6(s),116.1
(d),116.1(s),114.7(s),11
0.5(s),106.3(d),60.8(q),5
1.7(q),29.1(t),22.7(t),7.
5(q) 溶解性:メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド
等の有機溶媒に溶け易く、水に溶けにくい。
【0017】薄層クロマトグラフィー:[メルク社製キ
ーゼルゲル60F254]Rf値0.28[展開溶媒:ク
ロロホルム−メタノール−水(15:6:1)] 呈色反応:硫酸反応 陽性BE−39589類の抗菌活性 BE−39589類の抗菌活性を各種の病原性微生物に
対して測定し、その最少発育阻止濃度を求めた。
【0018】BE−39589類についての結果を第1
表に示す。
【0019】
【表1】 第1表に示したごとく、BE−39589類はMRSA
を含む各種の病原性微生物に対して顕著な抗菌活性を示
す。したがって、これらの病原性微生物を起炎菌とする
疾病に対する抗菌剤として有用である。
【0020】BE−39589類の製造法について説明
する。
【0021】本発明の抗菌性物質BE−39589類の
製造に使用する微生物は、抗菌性物質BE−39589
類を生産するものならばいずれでも良いが、例えば島根
県美保関の草地から採取された以下の菌学的性状を有す
る微生物、即ち、A 39589株を用いることができ
る。 1.形態 A 39589株はよく伸長し分岐する基生菌糸と気菌
糸を形成し輪生岐及び菌糸の分断は認められない。気菌
糸上には胞子の長い連鎖(50個以上)を作り、その形
態は、直線状である。胞子の表面は平滑で大きさが1.
0〜1.3×0.5〜0.8μm位の円筒状であり、疑
似胞子のう、胞子のう、鞭毛胞子及び菌核等の特殊な器
官は観察されない。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】 5.50℃、8時間における生存能 + 6.細胞壁組成 細胞壁からは、meso−ジアミノピメリン酸が検出さ
れたが、グリシン、ガラクトース及びアラビノースは認
められず、細胞壁型はIII型であることが示唆され
た。全菌体主要糖成分は、グルコース、マジュロース及
びリボースが検出されたが、アラビノース及びキシロー
スは認められず、糖パターンはB型であった。またミコ
ール酸は検出されず、主要メナキノンはMK−9(H
2)、MK−9(H4)であった。リン脂質は、ホスフ
ァチジルコリン、ホスファチジルグリセロールは検出さ
れず、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジル
エタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールア
ミン及び未知のグルコサミン含有リン脂質が認められリ
ン脂質タイプはPIV型であった。
【0029】以上の菌学的諸性質よりA 39589株
は放線菌ミクロテトラスポラ属に属すると考えられる。
【0030】したがって、A 39589株をミクロテ
トラスポラ エスピー A 39589(Microt
etraspora sp. A 39589)と称す
ることとした。
【0031】なお、本菌株は通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されており、その受託番号は
FERM P−15396である。
【0032】本発明のミクロテトラスポラ エスピー
A 39589(Microtetraspora s
p. A 39589)の変異株は、例えばX線若しく
は紫外線などの照射処理、例えばナイトロジェンマスタ
ード、アザセリン、亜硝酸、2−アミノプリン若しくは
N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン
(NTG)等の変異誘起剤による処理、ファージ接触、
形質転換、形質導入又は接合などの通常用いられる菌種
変換処理方法によりミクロテトラスポラ エスピー A
39589(Microtetraspora s
p. A 39589)を変異させることにより得るこ
とができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明のBE−39589類を製
造するにあたり、BE−39589類の生産菌株を栄養
源含有培地に接種して好気的に発育させることにより、
BE−39589類を含む培養物が得られる。栄養源と
しては、放線菌の栄養源として公知のものが使用でき
る。例えば、炭素源としては、市販されているブドウ
糖、麦芽糖、デンプン、庶糖、糖蜜又はデキストリンな
どが単独又は混合物として用いられる。窒素源として
は、市販されている大豆粉、コーンスティープリカー、
肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、綿実粉、ペプトン、
小麦胚芽、魚粉、ミートミール、脱脂米ヌカ、脱脂肉骨
粉、無機アンモニウム塩又は硝酸ナトリウムなどが単独
又は混合物として用いられる。無機塩としては、市販さ
れている炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウム、ホウ酸ナトリ
ウム又は各種リン酸塩などを使用することができる。そ
の他必要に応じて、鉄、マンガン、亜鉛、コバルト、モ
リブデン酸などの重金属塩を微量添加することもでき
る。また、発泡の激しい場合には消泡剤として、例えば
大豆油又は亜麻仁油などの植物油、オクタデカノールな
どの高級アルコール類、各種シリコン化合物などを適宜
添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌が利
用し、BE−39589類の生産に役立つもの、例えば
3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸又はホウ酸
ナトリウムなどであれば、いずれも使用することができ
る。
【0034】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振とう培養又は通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は21〜36℃が適当であるが、好ましくは27
〜36℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は120時間〜288時間、好ましくは1
68時間〜240時間である。培養物から目的とするB
E−39589類を採取するには、微生物の生産する代
謝物から採取するのに通常使用される分離手段が適宜利
用される。
【0035】BE−39589類は培養濾液中及び菌体
中に存在するので、培養濾液又は菌体より通常の分離手
段、例えば溶媒抽出法、イオン交換樹脂法又は吸着若し
くは分配クロマトグラフィー法及びゲル濾過法などを単
独又は組み合わせて行なうことにより精製できる。
【0036】好ましい分離精製の例として次の方法が挙
げられる。まず培養液を濾過し、菌体を得る。得られた
菌体をメタノール又はアセトンなどの有機溶媒を用いて
抽出する。得られた粗抽出物について、水/酢酸エチル
分配を行ない、酢酸エチルを留去後得られる抽出物につ
いてセファデックスLH−20クロマトグラフィー(酢
酸エチル/アセトニトリル/水で溶出)などを行なうこ
とにより、BE−39589類を得ることができる。
【0037】本発明のBE−39589類のうち、一般
式[II]で表される化合物は、化学の分野で良く知ら
れた低級アルキル化の方法によって、一般式[I]のR
1及び/又はR2が低級アルキル基である化合物に容易に
変換することができる。例えば一般式[II]で表され
る化合物に、塩基の存在下、低級アルキルハライドを反
応させることにより、一般式[I]のR1及び/又はR2
が低級アルキル基である化合物に導くことができる。
【0038】また本発明化合物は薬学的に許容されうる
塩の形で存在することができ、そのような塩としてはカ
ルボキシル基における塩基付加塩を挙げることができ、
例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、
例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシ
クロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノ
ールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩
等の脂肪族アミン塩、例えばN、Nージベンジルエチレ
ンジアミン等のアラルキルアミン塩、例えばピリジン
塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素
環芳香族アミン塩、例えばテトラメチルアンモニウム
塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチル
アンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、
ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチ
ルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第
4級アンモニウム塩、アルギニン塩、リジン塩等の塩基
性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0039】これらの塩と遊離カルボン酸は化学の分野
で良く知られた方法により、互いに容易に変換すること
ができる。
【0040】本発明の化合物BE−39589類は病原
性微生物の増殖を阻害し、抗菌効果を発揮するが、本発
明化合物を抗菌剤として使用する際の投与形態としては
各種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤若しくは液剤などの経口剤、又は例えば溶液
若しくは懸濁液などの殺菌した液状の非経口剤が挙げら
れる。
【0041】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖
などの糖類、例えばトウモロコシ、小麦若しくは米など
のデンプン類、例えばステアリン酸などの脂肪酸、例え
ばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン
酸カルシウムなどの無機塩、例えばポリビニルピロリド
ン若しくはポリアルキレングリコールなどの合成高分
子、例えばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン
酸マグネシウムなどの脂肪酸塩、例えばステアリルアル
コール若しくはベンジルアルコールなどのアルコール
類、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、エチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの合成セルロース誘導体、その他、
水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴムなど通常
用いられる添加物が挙げられる。
【0042】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末などの固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、
好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。
【0043】液状製剤は、水、アルコール類又は例えば
大豆油、ピーナッツ油若しくはゴマ油などの植物由来の
油など液状製剤において通常用いられる適当な添加剤を
使用し、懸濁液、シロップ剤若しくは注射剤などの形態
として製造される。
【0044】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又
は皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例え
ば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム
などの水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈
内注射用)など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0045】これらの注射剤はあらかじめ溶解したもの
のほか、粉末のままあるいは適当な添加剤を加えたもの
を用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は通
常、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有
効成分を含む。
【0046】また、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤な
どの液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0047】本発明の化合物の好ましい投与量は、使用
される化合物の種類、配合された組成物の種類、適用頻
度及び患者の病状によって変化することに注意すべきで
ある。例えば、1日あたりの成人の投与量は、経口投与
の場合、10〜500mgであり、非経口投与、好まし
くは静脈注射の場合、1日あたり、10〜100mgで
ある。なお、投与回数は投与方法及び症状によって異な
るが、1回ないし5回である。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 BE−39589類の製造法:斜面軟寒天培地に接種し
た放線菌A 39589株をグルコース0.2%、デキ
ストリン2%、ミートミール0.5%、脱脂米ヌカ0.
5%、脱脂肉骨粉0.1%、乾燥酵母0.05%、硫酸
マグネシウム0.025%、臭化ナトリウム0.025
%、塩化ナトリウム0.25%、リン酸水素二カリウム
0.05%、硫酸第一鉄0.0002%、塩化第二銅
0.00004%、塩化マンガン0.00004%、塩
化コバルト0.00004%、硫酸亜鉛0.00008
%、ホウ酸ナトリウム0.00008%、及びモリブデ
ン酸ナトリウム0.00024%からなる培地(pH
7.2)110mlを含む500ml容の三角フラスコ
3本に接種し、28℃で72時間、回転振盪機(毎分1
80回転)上で培養した。この培養液を2mlずつ上記
の培地を110ml含む500ml容の三角フラスコ1
00本に接種し、28℃で240時間回転振盪機(毎分
180回転)上で培養した。
【0049】このようにして得られた培養液(約10
L)から濾過により菌体を分離後、菌体にアセトン/
0.01N HCl(1:1、5L×2)を加えて抽出
し、抽出液を減圧下に濃縮して酢酸エチル(1.5L×
2)を加えた。得られた酢酸エチル抽出液を減圧下に濃
縮し、残留物を酢酸エチル/アセトニトリル/水(1
0:5:1)5mlに溶かし、セファデックスLH−2
0(ファルマシア社製)のクロマト用カラム(3.0×
76cm)を用いて酢酸エチル/アセトニトリル/水
(10:5:1)で溶出した。得られたBE−3958
9B−1、B−2、C−1を含むそれぞれの分画を減圧
下に濃縮乾固することにより、BE−39589B−
1、B−2、C−1をそれぞれ156.9mg、12.
3mg、10.7mg得た。 実施例2 BE−39589C−2の製造法:BE−39589C
−1 25.3mgを塩酸−メタノール5ml中で70
℃、8時間反応させた後、反応物をセファデックスLH
−20(ファルマシア社製)のクロマト用カラム(1.
5×90cm)を用いてメタノールで溶出した。得られ
たBE−39589C−2を含む画分を更にセファデッ
クスLH−20(ファルマシア社製)のクロマト用カラ
ム(2.5×30cm)を用いて酢酸エチル/アセトニ
トリル/水(10:5:1)で溶出し、BE−3958
9C−2を9.2mg得た。
【0050】以下に本発明の化合物の製剤例を示すが、
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。 製剤例1 本物質(BE−39589B−1) 10部、重質酸化
マグネシウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、
350μm以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。この
散剤をカプセル容器に入れカプセル剤とした。 製剤例2 本物質(BE−39589B−1) 45部、澱粉15
部、乳糖16部、結晶性セルロース21部、ポリビニル
アルコール3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、
破砕造粒して乾燥し、次いで篩別して直径1410〜1
77μmの大きさの顆粒剤とした。 製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例4 製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性
セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加
えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシ
ロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加
えて糖衣錠を作製した。 製剤例5 本物質(BE−39589B−1) 0.6部、非イオ
ン系界面活性剤2.4部及び生理的食塩水97部を加温
混合してからアンプルに入れ、滅菌を行なって注射剤を
作製した。
【0051】
【発明の効果】本発明に記載するBE−39589類は
MRSAを含む各種の病原性微生物に対して顕著な抗菌
活性を示す。したがって、これらの病原性微生物を起炎
菌とする疾病に対しての抗菌剤として有用である。
【0052】 特許出願人 萬有製薬株式会社
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/20 C12N 1/20 A C12P 29/00 C12P 29/00 //(C12N 1/20 C12R 1:01) (C12P 29/00 C12R 1:01) (72)発明者 小尻 勝久 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 [式中、X1及びY1は一緒になって、−CO−O−CH
    2−で表される基を示すか、又はX1は−COOR1(こ
    こにおいて、R1は水素原子又は低級アルキル基を示
    す)で表される基を、Y1は−COOR2(ここにおい
    て、R2は水素原子又は低級アルキル基を示す)又は−
    CH2OHで表される基を示す]で表される化合物又は
    その薬学的に許容されうる塩。
  2. 【請求項2】ミクロテトラスポラ(Microtetr
    aspora)属に属し、一般式[II] 【化2】 [式中、X2及びY2は一緒になって、−CO−O−CH
    2−で表される基を示すか、又はX2は−COOHで表さ
    れる基を、Y2は−COOH又は−CH2OHで表される
    基を示す]で表される化合物を産生する能力を有する微
    生物を培養し、その培養液及び菌体から一般式[II]
    で表される化合物を採取することを特徴とする一般式
    [II]で表される化合物又はその薬学的に許容されう
    る塩の製造法。
  3. 【請求項3】一般式[II] 【化3】 [式中、X2及びY2は一緒になって、−CO−O−CH
    2−で表される基を示すか、又はX2は−COOHで表さ
    れる基を、Y2は−COOH又は−CH2OHで表される
    基を示す]で表される化合物を産生する能力を有する微
    生物が、ミクロテトラスポラ エスピー A 3958
    9(Microtetrasporasp. A 39
    589)又はその変異株である請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】一般式[I] 【化4】 [式中、X1及びY1は一緒になって、−CO−O−CH
    2−で表される基を示すか、又はX1は−COOR1(こ
    こにおいて、R1は水素原子又は低級アルキル基を示
    す)で表される基を、Y1は−COOR2(ここにおい
    て、R2は水素原子又は低級アルキル基を示す)又は−
    CH2OHで表される基を示す]で表される化合物又は
    その薬学的に許容されうる塩を有効成分とする抗菌剤。
  5. 【請求項5】一般式[II] 【化5】 [式中、X2及びY2は一緒になって、−CO−O−CH
    2−で表される基を示すか、又はX2は−COOHで表さ
    れる基を、Y2は−COOH又は−CH2OHで表される
    基を示す]で表される化合物を産生する能力を有するこ
    とを特徴とするミクロテトラスポラ(Microtet
    raspora)属に属する微生物。
  6. 【請求項6】ミクロテトラスポラ(Microtetr
    aspora)属に属する微生物が、ミクロテトラスポ
    ラ エスピー A 39589(Microtetra
    spora sp. A 39589)又はその変異株
    である請求項5記載の微生物。
JP19390396A 1996-07-04 1996-07-04 抗菌性物質be−39589類及びその製造法 Pending JPH1017527A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001220388A (ja) * 2000-02-08 2001-08-14 Shinkinrui Kino Kaihatsu Kenkyusho:Kk 抗腫瘍、抗菌および抗ウイルス活性を有する化合物

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