JPH09208575A - 抗腫瘍性物質be−52440類及びその製造法 - Google Patents

抗腫瘍性物質be−52440類及びその製造法

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JPH09208575A
JPH09208575A JP4420996A JP4420996A JPH09208575A JP H09208575 A JPH09208575 A JP H09208575A JP 4420996 A JP4420996 A JP 4420996A JP 4420996 A JP4420996 A JP 4420996A JP H09208575 A JPH09208575 A JP H09208575A
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JP
Japan
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culture
compound
streptomyces
structural formula
medium
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Application number
JP4420996A
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English (en)
Inventor
Masahisa Tsukamoto
匡央 塚本
Shigeru Nakajima
中島  茂
Hajime Suzuki
肇 鈴木
Katsuhisa Ojiri
勝久 小尻
Hiroyuki Suda
寛之 須田
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規抗腫瘍剤の創製。 【解決手段】構造式 【化1】 [式中、Rは式:−COOCH3又は式:−CH2OHで
表される基を示す]で表される化合物又はその医薬とし
て許容されうる塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬の分野で有用で
あり、より具体的には腫瘍細胞の増殖を阻害して抗腫瘍
作用を示す新規化合物、その製造法及びその用途並びに
該化合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、既に多く
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の腫瘍に対してその効果は必ずしも充
分ではなく、また臨床上これらの薬剤に対する腫瘍細胞
の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応用性
は複雑化している[第47回日本癌学会総会記事、12
頁〜15頁(1988年)等参照]。
【0003】このような状況下、癌治療の分野において
は常に新規抗腫瘍性物質の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の希求に
応えることのできる新規な抗腫瘍性物質を提供すること
を目的とするものである。即ち、既存の抗腫瘍性物質が
充分に効果を発揮できない種々の腫瘍に対しても抗腫瘍
効果を発揮する化合物を提供することが本発明が解決し
ようとする課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、抗腫瘍活性を有する物質について微生
物二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、後記構
造式[1]で表される化合物が優れた抗腫瘍作用を示す
ことを見いだして本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は新規な構造式[1]
【0007】
【化2】 [式中、Rは式:−COOCH3又は式:−CH2OHで
表される基を示す]で表される化合物、その製法及び用
途、並びに構造式[1]の化合物を産生する能力を有す
るストレプトミセス(Streptomyces)属に
属する微生物に関するものである。
【0008】構造式[1]の化合物は、その抗腫瘍効果
及び産生菌株ストレプトミセス・エスピー A524
40株に因んで、抗腫瘍性物質BE−52440類と命
名された。
【0009】以下に本発明にかかわる新規な抗腫瘍性物
質BE−52440類の物理化学的な性状を示す。ここ
で、構造式[1]のRが−COOCH3で表される基で
ある化合物をBE−52440A、Rが−CH2OHで
表される基である化合物をBE−52440Bと称す
る。
【0010】下記にNMR測定における略号の意味を示
す。 s : シングレット d : ダブレット t : トリプレット q : カルテット m : マルチプレット br : ブロード J : カップリング定数 Hz : ヘルツBE−52440Aの物理化学的性状 性状; 白色アモルファス状固体又は結晶 分子式; C343414S 質量分析; [高分解能FAB−MS](M+H)+ として: 実測値 699.1755 計算値 699.1748 比旋光度; [α]20 D = −252°(c 1.0,DMSO) 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH,nm
(ε)) 233( 36100),356(1310
0) 赤外部吸収スペクトル;(KBr,cm-1) 356
8,3421, 1730,1697,1655,14
54,1263,1171,1115, 10571
−NMRスペクトル(500MHz,CDCl3)δp
pm: 11.3(2H,s),7.76(2H,t,
J=7.6Hz),7.73(2H, dd,J=7.
6Hz,1.6Hz),7.28(2H,dd,J=
7.6Hz,1.6Hz),4.10(2H,q,J=
7.3Hz),3.92(2H,m), 3.76(6
H,s),3.65(2H,s),2.59(2H,d
d,J= 15.3Hz,3.0Hz),2.51(2
H,dd,J=15.3Hz,9.4Hz),2.25
(4H,m),1.16(6H, d,J=7.3H
z)13 C−NMRスペクトル(125 MHz,CDC
3)δppm: 195.7(s),189.4
(s),170.6(s),161.9(s),13
7.5(d),133.1(s),124.1(d),
120.3(d),114.5(s),76.1
(s),74.4(d),63.0(d), 61.3
(s),51.8(q),39.6(t),27.8
(t),14.2(q) 溶解性;ジメチルスルホキシド等の有機溶媒に溶け易
く、水に溶けにくい。 酸性、中性、塩基性物質の区別;中性物質 呈色反応;硫酸反応 陽性BE−52440Bの物理化
学的性状 性状; 白色アモルファス状固体又は結晶 分子式; C333413S 質量分析; [高分解能FAB−MS](M+H)+として: 実測値 671.1791 計算値 671.1798 比旋光度; [α]20 D = −215°(c 1.0,CHCl3 ) 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH,nm
(ε)) 233( 29300),356(1020
0) 赤外部吸収スペクトル;(KBr,cm-1) 344
8,1736, 1701,1657,1454,12
59,1169,1113,1059, 10141 H−NMRスペクトル(500 MHz,CDCl3
δppm: 11.3(2H,s),7.76(1H,
t,J=7.6Hz),7.73(1H, dd,J=
7.6Hz,1.5Hz),7.70(1H,t,J=
7.8Hz),7.63(1H,dd,J=7.8H
z,1.0Hz),7.28(2H,m), 4.12
(1H,q,J=7.3Hz),4.09(1H,q,
J=7.0Hz),3.91(1H,m),3.80
(2H,m),3.78(1H,s),3.76(3
H,s),3.71(1H,s),3.67(1H,
m),2.58(1H,dd,J=15.0Hz,3.
0Hz),2.50(1H, dd,J=15.0H
z,9.2Hz),2.37(1H,brs),2.2
4(4H,m),1.80(2H,m),1.20(3
H,d,J=7.3Hz),1.16(3H,d,J=
7.0Hz )13 C−NMRスペクトル(125 MHz,CDC
3)δppm: 195.9(s),195.8
(s),189.5(s),189.3(s),17
0.6(s),161.9(s)x2,137.5
(d),137.3 (d),133.3(s),13
3.1(s),124.1(d)x2, 120.4
(d),119.5(d),114.7(s),11
4.5(s),76.2(s),76.1(s),7
4.4(d),74.2(d),65.3(d),6
3.0(d),61.3(s),61.2(s),6
0.4(t),51.8(q),39.6(t),3
6.9(t),28.7(t),27.8(t),1
4.6(q),14.2(q) 溶解性;クロロホルム、ジメチルスルホキシド等の有機
溶媒に溶け易く、水に溶けにくい。 酸性、中性、塩基性物質の区別;中性物質 呈色反応;硫酸反応 陽性 BE−52440類 の生物学的活性( 抗腫瘍作用
) 抗腫瘍性物質BE−52440類のマウス実験腫瘍細胞
に対する増殖阻止作用を決定するため、試験管内で試験
を行なった。マウス白血病細胞P388に対する抗腫瘍
作用試験は、BE−52440類をジメチルスルホキシ
ドに溶解した後、ジメチルスルホキシドで逐次希釈して
から、牛胎児血清10%含有RPMI1640培地(2
0mMの2−メルカプトエタノールを含む)に加え検液
とした。1x103個の腫瘍細胞を含む細胞培養培地
(牛胎児血清10%含有 RPMI 1640培地、2
0mMの2−メルカプトエタノールを含む)50 μl
を96穴マイクロプレートに分注し、37℃で24時
間、5%CO 2下で培養した後に上記の検液を50μl
を加え、37℃で72時間、5%CO2下で培養後、M
TT測定法により対照群と比較した。
【0011】マウス大腸癌細胞colon26に対する
抗腫瘍試験は、BE−52440類をジメチルスルホキ
シドに溶解した後ジメチルスルホキシドで逐次希釈して
から、牛胎児血清10%含有RPMI 1640培地に
加え検液とした。1x103個の腫瘍細胞を含む細胞培
養培地(牛胎児血清10%含有RPMI 1640培
地)100μlを96穴マイクロプレートに分注し、3
7℃で24時間、5%CO2下で培養した後に上記の検
液100μlを加え、37℃で72時間、5%CO2
で培養後、50%トリクロロ酢酸で固定し、0.4%ス
ルホローダミンBで染色後、10mMトリス液を用いて
細胞から色素を抽出した。450 nmを対照波長とし
て550nmに於ける吸光度を測定して対照群と比較し
た。その結果、BE−52440類は両腫瘍細胞に対
し、強い増殖阻止活性を示し、50%増殖阻害濃度(I
50)は第1表の通りであった。
【0012】更に、BE−52440類のヒト腫瘍細胞
に対する抗腫瘍活性を試験管内で試験した。細胞は、ヒ
ト大腸癌細胞DLD−1、ヒト肺癌細胞PC−13及び
ヒト胃癌細胞MKN−45を使用し、細胞培養用培地
は、全ての腫瘍細胞共に牛胎児血清10%含有RPMI
1640培地を用い、上記のマウス大腸癌細胞 co
lon26と同様の方法を用いて測定した。その結果、
BE−52440類はヒト腫瘍細胞に対しても強い増殖
阻害活性を示し、その50%増殖阻止濃度は第1表の通
りであった。
【0013】
【表1】 上述したように BE−52440類はマウス及びヒト
の腫瘍細胞に対し顕著な増殖阻止作用を示す。従って、
本発明はヒトをはじめとする哺乳動物の抗腫瘍剤として
有用である。つぎに、BE−52440類の製造法につ
いて説明する。本発明の抗腫瘍性物質BE−52440
類の製造に使用する微生物又はその変異株は、抗腫瘍性
物質BE−52440類を生産するものならばいずれで
も良いが、例えば以下の菌学的性状を有する微生物が挙
げられる。 1.形態 A 52440株は、よく伸長し分岐する基生菌糸と気
菌糸を形成し輪生岐および菌糸の分断は認められない。
胞子鎖(<50個)は気菌糸上に形成され、その型は螺
旋型である。胞子の形状は、ほぼ球形でその直径は1.
0〜1.2μm位であり、その表面はややしわ状であ
る。胞子のう、鞭毛胞子及び菌核等の特殊な器官は観察
されない。 2.各種寒天平板培地における培養性状(28゜C、1
4日間培養)を第2表に示す。
【0014】
【表2】 3.生育温度(イースト・麦芽寒天培地、14日間培養) 12゜C;生育せず 31゜C;生育良好、気菌糸形成良好 16゜C;生育普通、気菌糸形成普通 33゜C;生育良好、気菌糸形成良好 19゜C;生育良好、気菌糸形成普通 35゜C;生育良好、気菌糸形成不良 23゜C;生育良好、気菌糸形成良好 38゜C;生育普通、気菌糸形成せず 28゜C;生育良好、気菌糸形成良好 43゜C;生育せず 4.生理学的諸性質 (1)ゼラチンの液化 陽性 (グルコース・ペプトン・ゼラチン培地) (2)スターチの加水分解 陽性 (スターチ・無機塩寒天培地) (3)脱脂粉乳の凝固 陰性 (スキムミルク培地) (4)脱脂粉乳のペプトン化 陽性 (スキムミルク培地) (5)メラニン様色素の生成 陰性 (ISPー1、ISPー6、ISPー7倍地) (6)食塩耐性 食塩含有量7%以下で生育 (イースト・麦芽寒天培地) 5.炭素源の利用能 プリドハム・ゴドリーブ寒天を基礎培地とし、下記各種
糖を添加して28℃14日間培養した。
【0015】 Dーグルコース + ラフィノース ー Dーキシロース + Dーマンニトール + Lーアラビノース + イノシトール + Lーラムノース + サリシン + Dーフルクトース + シュクロース + Dーガラクトース + 6.細胞壁組成 LLージアミノピメリン酸が検出された。以上の菌学的
諸性質よりA 52440株は放線菌ストレプトミセス
属に属すると考えられる。したがってA 52440株
をストレプトミセス・エスピー A 52440(St
reptomyces sp.A 52440)と称す
ることとした。
【0016】尚、本菌株は通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託されており、受託番号は FE
RM P−15296である。
【0017】本発明で使用する抗腫瘍性物質BE−52
440類を生産する微生物の変異株は、例えば X線若
しくは紫外線などの照射処理、例えばナイトロジェンマ
スタード、アザセリン、亜硝酸、2−アミノプリン若し
くは N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン(NTG)等の変異誘起剤による処理、ファージ接
触、形質転換、形質導入又は接合などの通常用いられる
菌種変換処理方法によりBE−52440類生産菌を変
異させた微生物である。
【0018】本発明のBE−52440類を製造するに
あたり、BE−52440類の生産菌株を栄養源含有培
地に接種して好気的に発育させることにより、BE−5
2440類を含む培養物が得られる。栄養源としては、
放線菌の栄養源として公知のものが使用できる。例え
ば、炭素源としては、市販されているブドウ糖、麦芽
糖、デンプン、庶糖、糖蜜又はデキストリンなどが単独
又は混合物として用いられる。窒素源としては、市販さ
れている大豆粉、コーンステイープリカー、グルテンミ
ール、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、綿実粉、ペプ
トン、小麦胚芽、魚粉、ミートミール、脱脂米ヌカ、脱
脂肉骨粉、無機アンモニウム塩又は硝酸ナトリウムなど
が単独又は混合物として用いられる。無機塩としては、
市販されている炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウム、ホウ酸
ナトリウム又は各種リン酸塩などを使用することができ
る。その他必要に応じて、鉄、マンガン、亜鉛、コバル
ト、モリブデン酸などの重金属塩を微量添加することも
できる。また、発泡の激しい場合には消泡剤として、例
えば大豆油又は亜麻仁油などの植物油、オクタデカノー
ルなどの高級アルコール類、各種シリコン化合物などを
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、BE−52440類の生産に役立つもの例え
ば 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸又はホ
ウ酸ナトリウムなど、いずれも使用することができる。
【0019】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振とう培養又は通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は 16〜38℃が適当であるが、好ましくは2
3〜33℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は 48時間〜240時間、好ましくは7
2 時間〜168時間である。培養物から目的とするB
E−52440類を採取するには、微生物の生産する代
謝物から採取するのに通常使用される分離手段が適宜利
用することができる。BE−52440類は菌体中に存
在するので、菌体より通常の分離手段、例えば溶媒抽出
法、イオン交換樹脂法又は吸着もしくは分配クロマトグ
ラフィー法及びゲル濾過法などを単独又は組み合わせて
行なうことにより精製できる。好ましい分離精製の例と
して次の方法が挙げられる。まず培養液を濾過し、菌体
を得る。得られた菌体をメタノールまたはアセトンなど
の有機溶媒を用いて抽出する。得られた粗抽出物につい
て、水ー酢酸エチル系で分配を行ない、酢酸エチルを留
去後得られる残留物についてシリカゲルクロマトグラフ
ィー(クロロホルム/メタノールで溶出)などを行なう
ことにより、BE−52440類を粉末もしくは固体と
して得ることができる。
【0020】本発明の化合物 BE−52440類は腫
瘍細胞の増殖を阻害し、抗腫瘍効果を発揮するが、本発
明化合物を抗腫瘍剤として使用する際の投与形態として
は各種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤もしくは液剤などの経口剤、又は例えば溶液
もしくは懸濁液などの殺菌した液状の非経口剤が挙げら
れる。
【0021】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば乳糖もしくはブドウ糖
などの糖類、例えばトウモロコシ、小麦もしくは米など
のデンプン類、例えばステアリン酸などの脂肪酸、例え
ばメタケイ酸アルミン酸マグネシウムもしくは無水リン
酸カルシウムなどの無機塩、例えばポリビニルピロリド
ンもしくはポリアルキレングリコールなどの合成高分
子、例えばステアリン酸カルシウムもしくはステアリン
酸マグネシウムなどの脂肪酸塩、例えばステアリルアル
コールもしくはベンジルアルコールなどのアルコール
類、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、エチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの合成セルロース誘導体、その他、
水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴムなど通常
用いられる添加物が挙げられる。
【0022】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末などの固形製剤は一般的には 0.1〜100 重量
%、好ましくは 5〜100 重量%の有効成分を含
む。液状製剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、
ピーナッツ油もしくはゴマ油などの植物由来の油など液
状製剤において通常用いられる適当な添加剤を使用し、
懸濁液、シロップ剤又は注射剤などの形態として製造さ
れる。特に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又は皮下
注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例えば注射
用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射用)、生理
食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈内注射用液
体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウムなどの水溶
液)もしくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内注射用)
など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0023】これらの注射剤はあらかじめ溶解したもの
のほか、粉末のままあるいは適当な添加剤を加えたもの
を用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液 は通
常、0.1〜10 重量%、好ましくは 1〜5 重量
%の有効成分を含む。又、経口投与の懸濁剤又はシロッ
プ剤などの液剤は、0.5〜10 重量%の有効成分を
含む。
【0024】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍に
よって変化することに注意すべきである。例えば、1日
あたりの成人の投与量は、経口投与の場合、10〜50
0 mgであり、非経口投与、好ましくは静脈注射の場
合、1日あたり、10〜100 mgである。なお、投
与回数は投与方法及び症状によって異なるが、1回ない
し5回である。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1BE−52440類の製造 斜面軟寒天培地に接種した放線菌A52440株をグル
コース0.2%、デキストリン2%、ミートミール0.
5%、脱脂米ヌカ0.5%、脱脂肉骨粉0.1%、乾燥
酵母0.05%、硫酸マグネシウム0.025%、臭化
ナトリウム0.025%、塩化ナトリウム0.25%、
リン酸水素二カリウム0.05%、硫酸第一鉄0.00
02%、塩化第二銅0.00004%、塩化マンガン
0.00004%、塩化コバルト0.00004%、硫
酸亜鉛0.00008%、ホウ酸ナトリウム0.000
08%及びモリブデン酸ナトリウム0.00024%か
らなる培地(pH7.2)110ml を含む500m
l容の三角フラスコ3本に接種し、28℃で 48時
間、回転振盪機(毎分180回転)上で培養した。この
培養液を2mlずつ上記の培地を110ml含む500
ml容の三角フラスコ100本に接種し、28℃で12
0時間回転振盪機(毎分180回転)上で培養した。
【0027】このようにして得られた培養液(約10
L)から濾過により菌体を分離後、菌体にメタノール
(3Lx2)を加えて抽出し、抽出液を減圧下に濃縮し
て酢酸エチル(2Lx2)を加えた。得られた酢酸エチ
ル抽出液を減圧下に濃縮し、残留物にエタノール50m
lを加え不溶部を2.48g得た。この不溶部をクロロ
ホルム20mlに溶かし、シリカゲル(メルク社製)の
クロマト用カラム(3.0X54cm)を用いてクロロ
ホルム/メタノール(40:1)で溶出し、BE−52
440Aを含む画分を得、この画分を濃縮することによ
り析出してきた沈殿を濾過し、BE−52440Aを白
色粉末として1.97g得た。またBE−52440B
を含む画分を濃縮乾固後メタノール1mlに溶かし、ト
ヨパールHW−40S(TOYOPEARL HW−4
0S、東ソー社製)のクロマトグラフィー用カラム
(2.0x50cm)を用いてメタノールで溶出し、B
E−52440Bを含む分画を濃縮乾固することにより
BE−52440Bを27.5mg得た。
【0028】以下に本発明の化合物の製剤例を示すが、
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。 製剤例1 本物質(BE−52440A) 10(部) 重質酸化マグネシウム 15 乳糖 75 を均一に混合して、350μm以下の粉末状又は細粒状
の散剤とする。この散剤をカプセル容器に入れカプセル
剤とした。 製剤例2 本物質(BE−52440A) 45(部) 澱粉 15 乳糖 16 結晶性セルロース 21 ポリビニルアルコール 3 蒸留水 30 を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別
して直径1410〜177μmの大きさの顆粒剤とし
た。 製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例4 製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性
セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加
えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシ
ロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加
えて糖衣錠を作製した。
【0029】
【発明の効果】本発明のBE−52440類は、マウス
及びヒトの腫瘍細胞に対して強い増殖抑制効果を示すこ
とから、医薬の分野で癌の治療剤として有用である。
【0030】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小尻 勝久 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造式 【化1】 [式中、Rは式:−COOCH3又は式:−CH2OHで
    表される基を示す]で表される化合物。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属し、請求項1記載の構造式[I]で表され
    る化合物を産生する能力を有する微生物又はその変異株
    を培養し、構造式[I]の化合物を採取することを特徴
    とする請求項1記載の構造式[I]で表される化合物の
    製造法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の構造式[I]で表される化
    合物を産生する能力を有する微生物が、ストレプトミセ
    ス・エスピー(Streptomycessp.)であ
    る請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の構造式[I]で表される化
    合物を有効成分とすることを特徴とする抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】請求項1記載の構造式[I]で表される化
    合物を産生する能力を有するストレプトミセス(Str
    eptomyces)属に属する微生物又はその変異
    株。
  6. 【請求項6】微生物が、ストレプトミセス・エスピー
    A52440(Streptomyces sp. A
    52440)である請求項5記載の微生物又はその変異
    株。
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