JPH09241257A - 抗腫瘍性物質be−41956類及びその製造法 - Google Patents

抗腫瘍性物質be−41956類及びその製造法

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JPH09241257A
JPH09241257A JP8096496A JP8096496A JPH09241257A JP H09241257 A JPH09241257 A JP H09241257A JP 8096496 A JP8096496 A JP 8096496A JP 8096496 A JP8096496 A JP 8096496A JP H09241257 A JPH09241257 A JP H09241257A
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compounds
formula
represented
microorganism
streptomyces
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JP8096496A
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English (en)
Inventor
Masahisa Tsukamoto
匡央 塚本
Mioko Hirayama
美央子 平山
Shigeru Nakajima
中島  茂
Takayoshi Okabe
隆義 岡部
Katsuhisa Ojiri
勝久 小尻
Hiroyuki Suda
寛之 須田
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な抗腫瘍剤の創製。 【解決手段】一般式 【化1】 [式中,Rは、式

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬の分野で有用で
あり、より具体的には腫瘍細胞の増殖を阻害し、抗腫瘍
作用を発揮する新規化合物、その製造法及びその用途並
びに該化合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、既に多く
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の腫瘍に対してその効果は必ずしも充
分ではなく、また臨床上これらの薬剤に対する腫瘍細胞
の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応用性
は複雑化している[第47回日本癌学会総会記事、12
頁〜15頁(1988年)等参照]。
【0003】このような状況下、癌治療の分野において
は常に新規抗腫瘍性物質の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の希求に
応えることのできる新規な抗腫瘍性物質を提供すること
を目的とするものである。即ち、既存の抗腫瘍性物質が
充分に効果を発揮できない種々の腫瘍に対しても抗腫瘍
効果を発揮する化合物を提供することが本発明が解決し
ようとする課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、抗腫瘍活性を有する物質について微生
物二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、後記一
般式[I]で表される化合物が優れた抗腫瘍作用を示す
ことを見いだして本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は新規な一般式
【0007】
【化3】 [式中、Rは、式
【0008】
【化4】 を示す]で表される化合物、その製造法及び用途、並び
に一般式[I]の化合物を産生する能力を有するストレ
プトミセス(Streptimyces)属に属する微
生物に関するものである。
【0009】一般式[I]の化合物は、その抗腫瘍効果
及び産生菌株ストレプトミセス・エスピー A4195
6株に因んで、抗腫瘍性物質BE−41956と命名さ
れた。
【0010】以下に、本発明に係る新規な抗腫瘍性物質
BE−41956類の物理化学的な性状を示す。
【0011】ここで、一般式[I]のRが式
【0012】
【化5】 で表される化合物をBE−41956A,式
【0013】
【化6】 で表される化合物をBE−41956B、式
【0014】
【化7】 で表される化合物をBE−41956Cと称する。
【0015】以下にNMR測定における略号の意味を示
す。 s : シングレット d : ダブレット t : トリプレット q : カルテット m : マルチプレット br : ブロード J : カップリング定数 Hz : ヘルツBE−41956Aの物理化学的性状 性状 ;赤褐色アモルファス状固体又は結晶 分子式 ;C22248 質量分析;[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て: 実測値 417.1552 計算値 417.1549 紫外部吸収スペクトル λ max;(MeOH,nm
(ε))239(9600),300(10900),
469(3100) 赤外部吸収スペクトル ; ν max(KBr,cm
-1)3442, 1645,1603,1431,13
90,1296,1092,1034, 891,61
1 H−NMRスペクトル(CD Cl3、500MHz)
δ ppm:12.2(1H,s),7.12(1H,
s),7.07(1H,s),5.71(1H,s),
5.64(1H,m),5.60(1H,s),4.3
1(1H,m),3.93(3H,m),3.74(1
H,dt,J=9.2, 4.3Hz),3.65(1
H,t,J=10.7Hz),2.29(1H, t,
J=4.6Hz),1.94−2.04(2H,
m),1.96(3H, s),1.44−1.60
(3H,m),0.96(3H,t,J=6.9Hz)13 C−NMRスペクトル(CD Cl3、125MHz)
δ ppm:186.8(s), 184.6(s),
158.5(s), 157.0(s),144.2
(s), 139.6(s), 135.5(d),
131.2(s), 122.3(s), 114.3
(d), 112.8(s), 99.9(d), 9
3.7(d), 81.3(d), 72.9(d),
70.8(t), 62.6(d), 62.6
(t), 34.8(t), 20.3(q), 1
8.0(t), 13.7(q) 溶解性;クロロホルム、メタノール、ジメチルスルホキ
シド等の有機溶媒に溶け易く、水に溶けにくい。 酸性、中性、塩基性物質の区別; 中性物質 呈色反応;硫酸反応 陽性BE−41956Bの物理化学的性状 性状 ;赤褐色アモルファス状固体又は結晶 分子式 ;C22248 質量分析;[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て: 実測値 417.1575 計算値 417.1549 紫外部吸収スペクトル λ max;(MeOH,nm
(ε))239(10100),301(1180
0),468(3400) 赤外部吸収スペクトル ; ν max(KBr,cm
-1)3442, 1645,1602,1429,13
90,1296,1093,891, 6111 H−NMRスペクトル(CD Cl3、500MHz)
δ ppm:12.2(1H,s),7.13(1H,
s),7.01(1H,s),5.90(1H,s),
5.65(1H,dd,J=9.5,3.1Hz),
5.61(1H,s),4.26(1H,m),4.2
0(1H,dd,J=8.2,5.8Hz),4.14
(1H,dd,J=8.2,7.0Hz),3.82−
3.88(2H, m),3.68(1H,m),2.
74(1H,brs),1.90−2.04(2H,
m),1.97(3H,s),1.42−1.65(3
H,m), 0.96(3H,t,J=6.7Hz)13 C−NMRスペクトル(CD Cl3、125MHz)
δ ppm:187.6(s),184.5(s),1
58.7(s), 157.1(s),144.4
(s),139.8(s),135.3(d), 13
1.3(s),122.4(s),114.4(d),
113.0(s),99.9(d),98.6(d),
77.4(d),72.9(d), 71.6(d),
67.0(t),63.3(t),34.8(t),
20.3(q),18.0(t),13.7(q) 溶解性;メタノール、ジメチルスルホキシド等の有機溶
媒に溶け易く、水に溶けにくい。 酸性、中性、塩基性物質の区別;中性物質 呈色反応;硫酸反応 陽性BE−41956Cの物理化学的性状 性状 ;赤褐色アモルファス状固体又は結晶 分子式 ;C22248 質量分析;[高分解能FAB−MS](M+H)+とし
て: 実測値 417.1531 計算値 417.1549 紫外部吸収スペクトル λ max;(MeOH,nm
(ε))239(9500),301(10900),
466(3100) 赤外部吸収スペクトル ; ν max(KBr,cm
-1)3419, 1645,1605,1427,13
89,1296,1093,891, 6111 H−NMRスペクトル(CD Cl3、500MHz)
δ ppm: 12.2(1H, s), 7.14
(1H, s), 6.95(1H, s),6.17
(1H, s), 5.65(1H, dd, J=
9.8, 3.4Hz), 5.61(1H, s),
4.20(2H, m), 4.11(1H,
m), 3.92(1H, m), 3.87(1H,
m), 3.71(1H, m), 2.43(1
H, d, J=5.0Hz), 1.98(1H,
m), 1.97(3H, s), 1.85(1H,
t, J=5.8Hz), 1.45−1.62(3
H, m), 0.96(3H,t, J=7.0H
z)13 C−NMRスペクトル(CD Cl3、125MHz)
δ ppm:187.9(s),184.7(s),1
58.6(s),157.0(s), 144.9
(s),139.7(s),134.1(d),13
1.3(s), 122.3(s),114.3
(d),113.0(s),99.9(d), 98.
1(d),76.5(d),72.9(d),71.3
(d), 67.1(t),63.3(t),34.8
(t),20.3(q),18.0(t),13.7
(q) 溶解性;クロロホルム、メタノール、ジメチルスルホキ
シド等の有機溶媒に溶け易く、水に溶けにくい。 酸性、中性、塩基性物質の区別;中性物質 呈色反応;硫酸反応 陽性BE−41956類の生物学的活性(抗腫瘍作用) 抗腫瘍性物質BE−41956類のマウス実験腫瘍細胞
に対する増殖阻止作用を決定するため、試験管内で試験
を行なった。マウス白血病細胞P388に対する抗腫瘍
作用試験は、BE−41956類をジメチルスルホキシ
ドに溶解した後、ジメチルスルホキシドで逐次希釈して
から、牛胎児血清10%含有 RPMI1640培地
(20mMの2−メルカプトエタノールを含む)に加え
検液とした。1x103個の腫瘍細胞を含む細胞培養培
地(牛胎児血清10 %含有RPMI 1640培地、
20mMの2−メルカプトエタノールを含む) 50μ
lを96穴マイクロプレートに分注し、37℃で24時
間、5%CO2下で培養した後に上記の検液を5μlを
加え、37℃で72時間、5%CO2下で培養後、MT
T測定法により対照群と比較した。
【0016】マウス大腸癌細胞colon 26に対す
る抗腫瘍作用試験は、BE−41956類をジメチルス
ルホキシドに溶解した後ジメチルスルホキシドで逐次希
釈してから、牛胎児血清10%含有RPMI 1640
培地に加え検液とした。1x103個の腫瘍細胞を含む
細胞培養培地(牛胎児血清10%含有 RPMI 16
40培地)100μlを96穴マイクロプレートに分注
し、37℃で24時間、5%CO2下で培養した後に上
記の検液100μlを加え、37℃で72時間、5%C
2下で培養後、50%トリクロロ酢酸で固定し、0.
4%スルホローダミンBで染色後、10mMトリス液を
用いて細胞から色素を抽出した。450nmを対照波長
として550nmに於ける吸光度を測定して対照群と比
較した。その結果、BE−41956類は両腫瘍細胞に
対し、強い増殖阻止活性を示し、50%増殖阻害濃度は
第1表の通りであった。
【0017】更に、BE−41956類のヒト腫瘍細胞
に対する抗腫瘍活性を試験管内で試験した。細胞は、ヒ
ト大腸癌細胞DLD−1、ヒト肺癌細胞PC−13及び
ヒト胃癌細胞MKN−45を使用し、細胞培養用培地
は、全ての腫瘍細胞共に牛胎児血清10%含有RPMI
1640培地を用い、上記のマウス大腸癌細胞 co
lon 26と同様の方法を用いて測定した。その結
果、BE−41956類はヒト腫瘍細胞に対しても強い
増殖阻害活性を示し、その50%増殖阻止濃度は第1表
の通りであった。
【0018】
【表1】 上述したように BE−41956類はマウス及びヒト
の腫瘍細胞に対し顕著な増殖阻止作用を示す。従って、
本発明はヒトをはじめとする哺乳動物の抗腫瘍剤として
有用である。次いで、BE−41956類の製造法につ
いて説明する。本発明の抗腫瘍性物質 BE−4195
6類の製造に使用する微生物又はその変異株は、抗腫瘍
性物質 BE−41956類を生産するものならばいず
れでも良いが、例えば以下の菌学的性状を有する微生物
が挙げられる。 1.形態 A41956株はよく伸長し分岐する基生菌糸と気菌糸
を形成し輪生岐および菌糸の分断は認められない。気菌
糸上には胞子の長い連鎖(50個以上)を作り、その形
態は、直線状である。胞子の表面は平滑で大きさが1.
5〜1.0×0.7〜0.5μm位の円筒状であり、胞
子のう、鞭毛胞子および菌核等の特殊な器官は観察され
ない。 2.各種寒天平板培地における培養性状(28℃、14
日間培養)
【0019】
【表2】 3.生育温度(イースト・麦芽寒天培地、14日間培養) 2℃;生育せず 22℃;生育及び気菌糸形成非常に良好 4℃;生育僅少、気菌糸形成せず 26℃;生育及び気菌糸形成非常に良好 9℃;生育良好、気菌糸形成せず 29℃;生育及び気菌糸形成非常に良好 11℃;生育良好、気菌糸形成せず 35℃;生育僅少、気菌糸形成せず 15℃;生育および気菌糸形成良好 37℃;生育せず 18℃;生育および気菌糸形成非常に良好 4.生理学的諸性質 (1)ゼラチンの液化 陰性 (グルコース・ペプトン・ゼラチン培地) (2)スターチの加水分解 陽性 (スターチ・無機塩寒天培地) (3)脱脂粉乳の凝固 陰性 (スキムミルク培地) (4)脱脂粉乳のペプトン化 陽性 (スキムミルク培地) (5)メラニン様色素の生成 陽性 (ISP−1、ISP−6、ISP−7) (6)食塩耐性 食塩含有量7%以下で生育 (イースト・麦芽寒天培地) 5.炭素源の利用能 プリドハム・ゴドリーブ寒天を基礎培地とし、下記各種糖を添加して28℃ 14日間培養した。 Dーグルコース + ラフィノース + Dーキシロース + Dーマンニトール + Lーアラビノース + イノシトール + Lーラムノース + サリシン + Dーフルクトース + シュクロース + Dーガラクトース + 6.細胞壁組成 LLージアミノピメリン酸とグリシンが検出された。 以上の菌学的諸性質よりA41956株は放線菌ストレ
プトミセス属に属すると考えられる。したがってA41
956株をストレプトミセス・エスピー A41956
(Streptomyces sp.A41956)と
称することとした。
【0020】尚、本菌株は通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託されており、受託番号はFER
M P−14445である。
【0021】本発明で使用する抗腫瘍性物質 BE−4
1956類を生産する微生物の変異株は、例えば X線
若しくは紫外線などの照射処理、例えばナイトロジェン
マスタード、アザセリン、亜硝酸、2−アミノプリン若
しくは N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグア
ニジン (NTG) 等の変異誘起剤による処理、ファ
ージ接触、形質転換、形質導入又は接合などの通常用い
られる菌種変換処理方法によりBE−41956類生産
菌を変異させた微生物である。
【0022】本発明のBE−41956類を製造するに
あたり、BE−41956類の生産菌株を栄養源含有培
地に接種して好気的に発育させることにより、BE−4
1956類を含む培養物が得られる。栄養源としては、
放線菌の栄養源として公知のものが使用できる。例え
ば、炭素源としては、市販されているブドウ糖、麦芽
糖、デンプン、庶糖、糖蜜又はデキストリンなどが単独
又は混合物として用いられる。窒素源としては、市販さ
れている大豆粉、コーンステイープリカー、グルテンミ
ール、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、綿実粉、ペプ
トン、小麦胚芽、魚粉、ミートミール、脱脂米ヌカ、脱
脂肉骨粉、無機アンモニウム塩又は硝酸ナトリウムなど
が単独又は混合物として用いられる。無機塩としては、
市販されている炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウム、ホウ酸
ナトリウム又は各種リン酸塩などを使用することができ
る。その他必要に応じて、鉄、マンガン、亜鉛、コバル
ト、モリブデン酸などの重金属塩を微量添加することも
できる。また、発泡の激しい場合には消泡剤として、例
えば大豆油又は亜麻仁油などの植物油、オクタデカノー
ルなどの高級アルコール類、各種シリコン化合物などを
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、BE−41956類の生産に役立つもの例え
ば 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸又はホ
ウ酸ナトリウムなどであれば、いずれも使用することが
できる。
【0023】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振とう培養又は通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は 9〜29℃が適当であるが、好ましくは18
〜29℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は48 時間〜192時間、好ましくは7
2時間〜144時間である。培養物から目的とするBE
−41956を採取するには、微生物の生産する代謝物
から採取するのに通常使用される分離手段が適宜利用す
ることができる。
【0024】BE−41956類は菌体中に存在するの
で、菌体より通常の分離手段、例えば溶媒抽出法、イオ
ン交換樹脂法又は吸着もしくは分配クロマトグラフィー
法及びゲル濾過法などを単独又は組み合わせて行なうこ
とにより精製できる。
【0025】好ましい分離精製の例として次の方法が挙
げられる。まず培養液を濾過し、菌体を得る。得られた
菌体をメタノールまたはアセトンなどの有機溶媒を用い
て抽出する。得られた粗抽出物について、水ー酢酸エチ
ル系で分配を行ない、酢酸エチルを留去後得られる残留
物についてシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホル
ム/メタノール/酢酸エチルで溶出)などを行なうこと
により、BE−41956類を粉末もしくは固体として
得ることができる。
【0026】本発明の化合物BE−41956類は腫瘍
細胞の増殖を阻害し、抗腫瘍効果を発揮するが、本発明
化合物を抗腫瘍剤として使用する際の投与形態としては
各種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤もしくは液剤などの経口剤、又は例えば溶液
もしくは懸濁液などの殺菌した液状の非経口剤が挙げら
れる。
【0027】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば乳糖もしくはブドウ糖
などの糖類、例えばトウモロコシ、小麦もしくは米など
のデンプン類、例えばステアリン酸などの脂肪酸、例え
ばメタケイ酸アルミン酸マグネシウムもしくは無水リン
酸カルシウムなどの無機塩、例えばポリビニルピロリド
ンもしくはポリアルキレングリコールなどの合成高分
子、例えばステアリン酸カルシウムもしくはステアリン
酸マグネシウムなどの脂肪酸塩、例えばステアリルアル
コールもしくはベンジルアルコールなどのアルコール
類、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、エチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの合成セルロース誘導体、その他、
水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴムなど通常
用いられる添加物が挙げられる。
【0028】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末などの固形製剤は一般的には 0.1〜100重量
%、好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。液
状製剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、ピーナ
ッツ油もしくはゴマ油などの植物由来の油など液状製剤
において通常用いられる適当な添加剤を使用し、懸濁
液、シロップ剤又は注射剤などの形態として製造され
る。特に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又は皮下注
射で投与する場合の適当な溶剤としては、例えば注射用
蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射用)、生理食
塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈内注射用液体
(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウムなどの水溶
液)もしくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内注射用)
など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0029】これらの注射剤はあらかじめ溶解したもの
のほか、粉末のままあるいは適当な添加剤を加えたもの
を用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は通
常、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有
効成分を含む。
【0030】又、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤など
の液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0031】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍に
よって変化することに注意すべきである。例えば、1日
あたりの成人の投与量は、経口投与の場合、10〜50
0 mgであり、非経口投与、好ましくは静脈注射の場
合、1日あたり、10〜100 mgである。なお、投
与回数は投与方法及び症状によって異なるが、1回ない
し5回である。以下に、実施例を挙げて本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
【0032】
【発明の実施の形態】
【0033】
【実施例】
実施例1BE−41956類の製造法 斜面軟寒天培地に接種した放線菌A41956株をグル
コース0.1%、デキストリン2.0%、魚粉0.5
%、グルテンミール1.0%、酵母エキス0.1%、塩
化ナトリウム0.1%、硫酸マグネシウム 0.05
%、硫酸亜鉛0.00008%、塩化カルシウム0.0
5%、硫酸第一鉄0.0002%、塩化第一銅0.00
004%、塩化マンガン0.00004%、塩化コバル
ト0.00004%、ほう酸ナトリウム0.00008
%、モリブデン酸アンモニウム0.00024%、3−
(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸0.5%からな
る培地(pH 6.8)110 mlを含む500ml
容の三角フラスコ2本に接種し、28℃で48時間、回
転振盪機(毎分180回転)上で培養した。この培養液
を2mlずつ上記の培地を110mlを含む500ml
容の三角フラスコ50本に接種し28℃で144時間、
回転振盪機(毎分180回転)上で培養した。
【0034】このようにして得られた培養液(約5L)
から濾過により菌体を分離し、この菌体にメタノール5
Lを加え、数時間攪拌後、菌体を濾去し、メタノール抽
出液を得た。メタノール抽出液のメタノールを減圧下に
留去し、残渣に脱イオン水600mlを加え、2−ブタ
ノン(750mlx3)を加えて抽出した。得られた2
−ブタノン抽出液を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲ
ル(メルク社製)のクロマトグラフィー用カラム(3.
0x42cm)を用い、クロロホルム/メタノールの混
合溶媒(30:1)で溶出した。溶出した活性画分を減
圧下に濃縮乾固し、BE−41956類を含む混合物8
75.3mgを得た。次いで、シリカゲル(メルク社
製)のクロマトグラフィー用カラム(3.0x30c
m)を用い、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒(1:
5)で溶出し、BE−41956Aを含む画分を15
0.4mg、BE−41956BおよびCを含む画分を
20.4mg得た。BE−41956Aを含む画分をメ
タノール2mlに溶かし、トヨパールHW−40S(T
OYOPEARL HW−40S、東ソー社製、3.0
x50cm)のカラムを用いメタノールで溶出する事に
より、BE−41956Aを91.9mg得た。またB
E−41956BおよびCを含む画分をクロロホルム1
mlに溶かしローバーカラムDIOL(メルク社製、2
5x310mm)を用い、クロロホルムで溶出し、BE
−41956BおよびCをそれぞれ7.6mg、10.
7mgを得た。以下に本発明の化合物の製剤例を示す
が、本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるもの
ではない。 製剤例1 本物質(BE−41956A) 10(部) 重質酸化マグネシウム 15 乳糖 75 を均一に混合して、350 μm以下の粉末状又は細粒
状の散剤とする。この散剤をカプセル容器に入れカプセ
ル剤とした。 製剤例2 本物質(BE−41956A) 45(部) 澱粉 15 乳糖 16 結晶性セルロース 21 ポリビニルアルコール 3 蒸留水 30 を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別
して直径1410〜177μmの大きさの顆粒剤とし
た。 製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例4 製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性
セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加
えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシ
ロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加
えて糖衣錠を作製した。 製剤例5 本物質(BE−41956A) 0.6(部) 非イオン系界面活性剤 2.4 生理的食塩水 97 を加温混合してからアンプルに入れ、滅菌を行なって注
射剤を作成した。
【0035】
【発明の効果】本発明のBE−41956類は、マウス
及びヒトの腫瘍細胞に対して強い増殖抑制効果を示すこ
とから、医薬の分野で癌の治療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 319:04) (C07D 407/04 311:92 317:20) (C12P 17/16 C12R 1:465) C07M 7:00 (72)発明者 岡部 隆義 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 小尻 勝久 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、Rは、式 【化2】 を示す]で表される化合物。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属し、請求項1記載の一般式[I]の化合物
    を産生する能力を有する微生物又はその変異株を培養
    し、一般式[I]で表される化合物を採取することを特
    徴とする一般式[I]で表される化合物の製造法。
  3. 【請求項3】微生物が、ストレプトミセス・エスピー
    A41956(Streptomyces sp. A
    41956)又はその変異株である請求項2記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の一般式[I]で表される化
    合物又はそれらの薬学的に許容しうる塩を有効成分とす
    る抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】請求項1記載の一般式[I]の化合物を生
    産する能力を有するストレプトミセス(Strepto
    myces)属に属する微生物又はその変異株。
  6. 【請求項6】微生物が、ストレプトミセス・エスピー
    A41956(Streptomyces sp. A
    41956)又はその変異株であるである請求項5記載
    の微生物又はその変異株。
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