JPH08131186A - 抗菌性物質be−43767類 - Google Patents

抗菌性物質be−43767類

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JPH08131186A
JPH08131186A JP30436094A JP30436094A JPH08131186A JP H08131186 A JPH08131186 A JP H08131186A JP 30436094 A JP30436094 A JP 30436094A JP 30436094 A JP30436094 A JP 30436094A JP H08131186 A JPH08131186 A JP H08131186A
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JP
Japan
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formula
compound
streptomyces
microorganism
lower alkyl
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JP30436094A
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English (en)
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Masahisa Tsukamoto
匡央 塚本
Shigeru Nakajima
中島  茂
Hajime Suzuki
肇 鈴木
Katsuhisa Ojiri
勝久 小尻
Hiroyuki Suda
寛之 須田
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子又は低級アルキル基を示し、R2
は水素原子又は式: 【化2】 で表される基を示す。]で表される化合物又はその薬学
的に許容しうる塩及びその製造法。 【効果】本発明に係る化合物はMRSAを含む各種の病
原性微生物に対して顕著な抗菌活性を示し、医薬の分野
で有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬の分野で有用であ
り、より具体的には微生物の増殖を阻害して抗菌作用を
発揮する新規化合物群、その製造法及びその用途並びに
該化合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黄色ブドウ球菌(Staphyloco
ccus aureus)は化膿性疾患の起炎菌として
知られているが、特に重症患者をかかえる大病院ではメ
チシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin
resistant Staphylococcus
aureus: MRSA)等の多剤耐性菌の院内感
染が多く、臨床上深刻な問題となっている[小栗ら、臨
床と微生物、15巻、7〜15頁(1988年)等参
照]。
【0003】かかる状況下、MRSAに対して有効な薬
剤の開発が強く求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既存の抗菌剤が、充分
に効果を発揮できない多剤耐性のMRSAに対して、優
れた抗菌活性を有する新規な化合物を提供することが、
本発明が解決しようとする課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべ
く、抗菌活性を有する物質について微生物二次代謝産物
を鋭意スクリーニングした結果、一般式[I]で表され
る化合物が、優れた抗菌作用を示すことを見いだして本
発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は新規な一般式[I]
【0007】
【化11】 [式中、R1は水素原子、低級アルキル基を示し、R2
水素原子又は式:
【0008】
【化12】 で表される基を示す。]で表される抗菌物質BE−43
767類又はその薬学的に許容しうる塩、その製法及び
用途、並びにBE−43767類を産生する能力を有す
るストレプトミセス(Streptomyces)属に
属する微生物に関する。
【0009】次に本明細書において使用する用語につい
て説明する。
【0010】「低級」なる語は、この語の付された基又
は化合物の炭素数が6個以下、好ましくは4個以下であ
ることを意味する。
【0011】「低級アルキル基」とは炭素数1〜6個の
直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、
ヘキシル基等が挙げられる。
【0012】以下に本発明に係る新規な抗菌性物質BE
−43767類の物理化学的な性状を示す。
【0013】ここで、一般式[I]のR1、R2が共に水
素原子である化合物をBE−43767A、R1が水素
原子、R2が式:
【0014】
【化13】 で表される基である化合物をBE−43767Bと称す
る。下記にNMR測定における略号の意味を示す。
【0015】s : シングレット d : ダブレット t : トリプレット q : カルテット m : マルチプレット br: ブロード J : カップリング定数 Hz: ヘルツBE−43767Aの物理化学的性状 性状 ;黄褐色アモルファス状固体若しくは結晶 分子式 ;C29268 質量分析;[FAB−MS](M+Na)+として:実
測値 525 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH,nm)2
48,264,286,315,390 赤外部吸収スペクトル;(KBr,cm-1)3452,
2927,1614,1598,1456,1376,
1332,1268,1172,1049,1014,
8191 H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−
6,δppm)13.5(1H,s),12.4(1
H,s),11.0(1H,s),9.76(1H,
s),8.31(1H,d,J=8.8Hz),7.7
2(1H,d,J=8.8Hz),7.32(1H,
s),6.96(1H,d,J=2.2Hz),6.2
8(1H,d,J=2.2Hz),6.23(1H,b
rs),3.06(2H,m),1.62(2H,
m),1.54(3H,s),1.33(4H,m),
0.86(3H,t,J=7.0Hz)13 C−NMRスペクトル(125MHz,DMSO−d
6,δppm)189.2(s),174.5(s),
166.0(s),164.8(s),164.4
(s),159.2(s),155.3(s),14
6.8(s),144.2(s),138.0(s),
135.6(s),126.1(d),123.6
(d),121.1(d),120.6(s),11
7.1(s),115.9(d),109.9(s),
108.5(s),106.6(s),106.2
(d),101.3(d),70.3(s),39.5
(q),35.9(t),31.5(t),31.1
(t),21.9(t),13.9(q) 溶解性;メタノール、ジメチルスルホキシド等の有機溶
媒に溶け易く、水に溶けにくい。
【0016】酸性、中性、塩基性物質の区別;酸性 Rf値0.48[メルク社製キーゼルゲル60F254使
用、展開溶媒:クロロホルム/メタノール/水(14:
6:1)] 呈色反応;硫酸反応陽性BE−43767Bの物理化学的性状 性状 ;黄褐色アモルファス状固体若しくは結晶 分子式 ;C353612 質量分析;[FAB−MS](M+H)+として:実測
値 649 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH,nm)2
48,267,286,313,392 赤外部吸収スペクトル;(KBr,cm-1)3450,
2929,1614,1589,1484,1456,
1373,1284,1178,1130,1064,
10331 H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−
6,δppm)13.6(1H,s),12.7(1
H,s),11.1(1H,s),10.0(1H,
s),8.21(1H,d,J=8.8Hz),7.6
5(1H,d,J=8.8Hz),7.06(1H,b
rs),6.76(1H,d,J=2.2Hz),6.
36(1H,d,J=2.2Hz),4.62(1H,
brs),4.46(2H,brs),4.17(1
H,d,J=1.7Hz),3.75(1H,dq,J
=9.2,6.4Hz),3.60(1H,dd,J=
9.2,2.7Hz),3.54(1H,brs),
3.22(1H,m),3.10(1H,m),2.9
8(1H,t,J=9.2Hz),1.83(3H,
s),1.62(2H,m),1.33(4H,m),
0.87(3H,t,J=6.9Hz),0.41(3
H,d,J=6.4Hz)13 C−NMRスペクトル(125MHz,DMSO−d
6,δppm)189.3,173.0,167.9,
165.8,164.7,158.0,149.3,1
45.6,140.6,136.9,136.2,12
6.8,120.2,119.3,117.4,11
6.6,116.5,113.9,108.1,10
7.6,105.8,102.5,98.0,75.
8,72.0,71.2,70.4,69.2,36.
6,35.8,31.7,31.2,22.1,17.
2,14.0 溶解性;メタノール、ジメチルスルホキシド等の有機溶
媒に溶け易く、水に溶けにくい。
【0017】酸性、中性、塩基性物質の区別;酸性 Rf値; 0.32[メルク社製キーゼルゲル60F
254使用、展開溶媒:クロロホルム/メタノール/水
(14:6:1)] 呈色反応;硫酸反応陽性 また本発明化合物は塩の形で存在することができ、その
ような塩としては例えばナトリウム塩、カリウム塩等の
アルカリ金属塩、例えばトリメチルアミン塩、トリエチ
ルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールア
ミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン
塩、プロカイン塩等の脂肪族アミン塩、例えばN、Nー
ジベンジルエチレンジアミン等のアラルキルアミン塩、
例えばピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノ
リン塩等の複素環芳香族アミン塩、例えばテトラメチル
アンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジ
ルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアン
モニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチ
ルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニ
ウム塩等の第4級アンモニウム塩、アルギニン塩、リジ
ン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0018】BE−43767類の抗菌活性 BE−43767類の抗菌活性を各種の病原性微生物に
対して測定し、その最少発育阻止濃度を求めた。BE−
43767類 についての結果を第1表に示す。
【0019】
【表1】 第1表に示したごとく、BE−43767類はMRSA
を含む各種の病原性微生物に対して顕著な抗菌活性を示
す。従って、これらの病原性微生物を起炎菌とする疾病
に対しての抗菌剤として有用である。
【0020】次にBE−43767類の製造法について
説明する。
【0021】本発明の抗菌性物質BE−43767類の
製造に使用する微生物又はその変異株は、抗菌性物質B
E−43767Aを生産するものならばいずれでも良い
が、例えば以下の菌学的性状を有する微生物が挙げられ
る。 1.形態 A43767株は、よく伸長し分岐する基生菌糸と気菌
糸を形成し、輪生岐及び菌糸の分断は認められない。気
菌糸上には胞子の長い連鎖(30〜50個)を作り、そ
の形態は、螺旋状である。
【0022】胞子の表面は刺状で大きさが1.2〜0.
9×0.9〜0.7μm位の卵形であり、胞子のう、鞭
毛胞子及び菌核等の特殊な器官は観察されない。 2.各種寒天平板培地における培養性状(28℃、14
日間培養)
【0023】
【表2】 3.生育温度(イースト・麦芽寒天培地、14日間培
養) 13℃;生育せず 17℃;生育良好、気菌糸形成せず 21℃;生育及び気菌糸形成良好 23℃;生育及び気菌糸形成非常に良好 27℃;生育及び気菌糸形成非常に良好 30℃;生育及び気菌糸形成非常に良好 38℃;生育及び気菌糸形成非常に良好 40℃;生育及び気菌糸形成非常に良好 44℃;生育せず 4.生理学的諸性質 (1)ゼラチンの液化 陽性 (グルコース・ペプトン・ゼラチン培地) (2)スターチの加水分解 陽性 (スターチ・無機塩寒天培地) (3)脱脂粉乳の凝固 陰性 (スキムミルク培地) (4)脱脂粉乳のペプトン化 陽性 (スキムミルク培地) (5)メラニン様色素の生成 陰性 (6)食塩耐性 食塩含有量7%以下で生育 (イースト・麦芽寒天培地) 5.炭素源の利用能 プリドハム・ゴドリーブ寒天を基礎培地とし、下記各種
糖を添加して28℃14日間培養した。
【0024】
【表3】 6.細胞壁組成 LL−ジアミノピメリン酸とグリシンが検出された。
【0025】以上の菌学的諸性質よりA43767株は
放線菌ストレプトミセス属に属すると考えられる。
【0026】したがってA43767株をストレプトミ
セス エスピー A43767(Streptomyc
es sp.A43767)と称することとした。
【0027】尚、本菌株は通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託されており、その受託番号はF
ERM P−14446である。
【0028】本発明で使用する抗菌性物質BE−437
67類を生産する微生物の変異株は、例えばX線若しく
は紫外線等の照射処理、例えばナイトロジェンマスター
ド、アザセリン、亜硝酸、2−アミノプリン若しくはN
−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(N
TG)等の変異誘起剤による処理、ファージ接触、形質
転換、形質導入又は接合等の通常用いられる菌種変換処
理方法によりBE−43767類生産菌を変異させた微
生物である。
【0029】本発明のBE−43767類を製造するに
あたり、BE−43767類の生産菌株を栄養源含有培
地に接種して好気的に発育させることにより、BE−4
3767類を含む培養物が得られる。栄養源としては、
放線菌の栄養源として公知のものが使用できる。炭素源
としては、例えば市販されているブドウ糖、麦芽糖、デ
ンプン、庶糖、糖蜜又はデキストリン等が単独又は混合
物として用いられる。窒素源としては、例えば市販され
ている大豆粉、コーンステイープリカー、肉エキス、酵
母エキス、乾燥酵母、綿実粉、ペプトン、小麦胚芽、魚
粉、ミートミール、脱脂米ヌカ、脱脂肉骨粉、無機アン
モニウム塩又は硝酸ナトリウム等が単独又は混合物とし
て用いられる。無機塩としては、例えば市販されている
炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸
マグネシウム、臭化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム又は
各種リン酸塩等を使用することができる。その他必要に
応じて、例えば鉄、マンガン、亜鉛、コバルト、モリブ
デン酸等の重金属塩を微量添加することもできる。ま
た、発泡の激しい場合には消泡剤として、例えば大豆油
又は亜麻仁油等の植物油、オクタデカノール等の高級ア
ルコール類、各種シリコン化合物等を適宜添加してもよ
い。これらのもの以外でも、該生産菌が利用し、BE−
43767類の生産に役立つもの例えば3−(N−モル
ホリノ)プロパンスルホン酸又はホウ酸ナトリウム等で
あれば、いずれも使用することができる。
【0030】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振とう培養又は通気培養等のいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は17〜40℃が適当であるが、好ましくは23
〜40℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は48時間〜240時間、好ましくは72
時間〜168時間である。培養物から目的とするBE−
43767類を採取するには、微生物の生産する代謝物
から採取するのに通常使用される分離手段を適宜利用す
ることができる。
【0031】BE−43767類は培養濾液中及び菌体
中に存在するので、培養濾液又は菌体より通常の分離手
段、例えば溶媒抽出法、イオン交換樹脂法又は吸着若し
くは分配クロマトグラフィー法及びゲル濾過法等を単独
又は組み合わせて行なうことにより精製できる。
【0032】好ましい分離精製の例として次の方法が挙
げられる。まず培養液を濾過し、菌体を得る。得られた
菌体をメタノール又はアセトン等の有機溶媒を用いて抽
出する。得られた粗抽出物について、水−酢酸エチル分
配を行ない、酢酸エチルを留去後得られる抽出物につい
てセファデックスLH−20クロマトグラフィー(クロ
ロホルム/メタノールで溶出)等を行なうことにより、
BE−43767Aを黄褐色粉末として得ることができ
る。
【0033】一般式[1]で表される化合物は有機合成
化学の分野で公知の低級アルキル化の方法によりR1
低級アルキル基である化合物に容易に変換することがで
きる。
【0034】本発明の化合物BE−43767類は病原
性微生物の増殖を阻害し、抗菌効果を発揮するが、本発
明化合物を抗菌剤として使用する際の投与形態としては
各種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤若しくは液剤等の経口剤、又は例えば溶液若
しくは懸濁液等の殺菌した液状の非経口剤が挙げられ
る。
【0035】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物として、例えば乳糖若しくはブドウ糖等
の糖類、例えばトウモロコシ、小麦若しくは米等のデン
プン類、例えばステアリン酸等の脂肪酸類、例えばメタ
ケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン酸カル
シウム等の無機塩類、例えばポリビニルピロリドン若し
くはポリアルキレングリコール等の合成高分子類、例え
ばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネ
シウム等の脂肪酸塩類、例えばステアリルアルコール若
しくはベンジルアルコール等のアルコール類、例えばメ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチル
セルロース若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス等の合成セルロース誘導体類、又は、水、ゼラチン、
タルク、植物油、アラビアゴムなど通常用いられる添加
物が挙げられる。
【0036】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末等の固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、好
ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。
【0037】液状製剤は、水、アルコール類又は例えば
大豆油、ピーナッツ油若しくはゴマ油等の植物由来の油
など液状製剤において通常用いられる適当な添加剤を使
用し、懸濁液、シロップ剤若しくは注射剤等の形態とし
て製造される。
【0038】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又
は皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例え
ば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム
等の水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内
注射用)など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0039】これらの注射剤はあらかじめ溶解したもの
のほか、粉末のままあるいは適当な添加剤を加えたもの
を要時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は通
常、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有
効成分を含む。
【0040】又、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤等の
液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0041】本発明の化合物の好ましい投与量は、使用
される化合物の種類、配合された組成物の種類、適用頻
度及び患者の病状によって変化することに注意すべきで
ある。例えば、1日あたりの成人の投与量は、経口投与
の場合、10〜500mgであり、非経口投与、好まし
くは静脈注射の場合、1日あたり、10〜100mgで
ある。なお、投与回数は投与方法及び症状によって異な
るが、1回ないし5回である。
【0042】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。
【0043】実施例1BE−43767Aの製造法 :斜面軟寒天培地に接種し
た放線菌A43767株をグルコース0.2%、デキス
トリン2%、ミートミール0.5%、脱脂米ヌカ0.5
%、脱脂肉骨粉0.1%、乾燥酵母0.05%、硫酸マ
グネシウム0.025%、臭化ナトリウム0.025
%、塩化ナトリウム0.25%、リン酸水素二カリウム
0.05%、硫酸第一鉄0.0002%、塩化第二銅
0.00004%、塩化マンガン0.00004%、塩
化コバルト0.00004%、硫酸亜鉛0.00008
%、ホウ酸ナトリウム0.00008%、及びモリブデ
ン酸ナトリウム0.00024%からなる培地(pH
7.2)100mlを含む500ml容の三角フラスコ
3本に接種し、28℃で72時間、回転振盪機(毎分1
80回転)上で培養した。この培養液を2mlずつ上記
の培地を100ml含む500ml容の三角フラスコ1
00本に接種し28℃で120時間、回転振盪機(毎分
180回転)上で培養した。
【0044】このようにして得られた培養液(約10
L)から濾過により菌体を分離し、菌体にメタノール
(5L×2)を加えて抽出した。メタノール抽出液を減
圧下に濃縮してから濃縮物をメチルエチルケトンで抽出
した(1.5L×2)。メチルエチルケトン抽出液を減
圧下に濃縮し、残留物にクロロホルム/メタノール
(1:1)200mlを加え可溶部をセファデックスL
H−20(3×76cm)のクロマト用カラムにかけ、
クロロホルム/メタノール(1:1)で溶出することに
より、BE−43767Aを含む分画を得た。減圧下に
濃縮乾固することにより、BE−43767Aの黄褐色
粉末234.7mgを得た。
【0045】実施例2BE−43767Bの製造法 :斜面軟寒天培地に接種し
た放線菌ストレプトミセス バージニアJCM4093
株をグルコース0.2%、デキストリン2%、ミートミ
ール0.5%、脱脂米ヌカ0.5%、脱脂肉骨粉0.1
%、乾燥酵母0.05%、硫酸マグネシウム0.025
%、臭化ナトリウム0.025%、塩化ナトリウム0.
25%、リン酸水素二カリウム0.05%、硫酸第一鉄
0.0002%、塩化第二銅0.00004%、塩化マ
ンガン0.00004%、塩化コバルト0.00004
%、硫酸亜鉛0.00008%、ホウ酸ナトリウム0.
00008%、及びモリブデン酸ナトリウム0.000
24%からなる培地(pH7.2)100mlを含む5
00ml容の三角フラスコ2本に接種し、28℃で72
時間、回転振盪機(毎分180回転)上で培養した。こ
の培養液を2mlずつ上記の培地を100ml含む50
0ml容の三角フラスコ2本に接種し28℃で96時
間、回転振盪機(毎分180回転)上で培養した。この
三角フラスコにBE−43767Aを20mgずつ加え
28℃で168時間、回転振盪機(毎分180回転)上
で培養した。
【0046】このようにして得られた培養液(約200
ml)から濾過により菌体を分離し、菌体にメタノール
(100ml×2)を加えて抽出した。メタノール抽出
液を減圧下に濃縮してから濃縮物を酢酸エチル(200
ml×2)で抽出した。酢酸エチル抽出液を減圧下に濃
縮し、残留物をセファデックスLH−20(1.5×5
2cm)のクロマト用カラムにかけて精製した。クロロ
ホルム/メタノール(1:1)で溶出した目的の分画を
減圧化に濃縮し、次いでセファデックスLH−20
(1.5×52cm)のクロマト用カラムにかけ、メタ
ノールで溶出しBE−43767Bを含む分画を得、減
圧下に濃縮乾固して、BE−43767Bの黄褐色粉末
4.3mgを得た。
【0047】以下に本発明の化合物の製剤例を示すが、
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。
【0048】製剤例1 本物質(BE−43767A) 10部 重質酸化マグネシウム 15部 乳糖 75部 を均一に混合して、350μm以下の粉末状又は細粒状
の散剤とする。この散剤をカプセル容器に入れカプセル
剤とした。
【0049】製剤例2 本物質(BE−43767A) 45部 澱粉 15部 乳糖 16部 結晶性セルロース 21部 ポリビニルアルコール 3部 蒸留水 30部 を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別
して直径1410〜177μmの大きさの顆粒剤とし
た。
【0050】製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。
【0051】製剤例4 製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性
セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加
えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシ
ロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加
えて糖衣錠を作製した。
【0052】製剤例5 本物質(BE−43767A) 0.6部 非イオン系界面活性剤 2.4部 生理的食塩水 97部 を加温混合してからアンプルに入れ、滅菌を行なって注
射剤を作製した。
【0053】
【発明の効果】本発明に記載するBE−43767類は
MRSAを含む各種の病原性微生物に対して顕著な抗菌
活性を示し、これらの病原性微生物を起炎菌とする疾病
に対しての抗菌剤として有用である。
【0054】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 309/10 //(C12P 29/00 C12R 1:465) (72)発明者 小尻 勝久 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 [式中、R1は水素原子又は低級アルキル基を示し、R2
    は水素原子又は式: 【化2】 で表される基を示す。]で表される化合物又はその薬学
    的に許容しうる塩。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属し、式[I−a]の化合物を産生する能力
    を有する微生物又はその変異株を培養し、その培養液及
    びその菌体から式[I−a] 【化3】 で表される化合物を採取し、必要に応じて、式[I−
    a]の化合物を (1)ストレプトミセス属に属し式[I−a]の化合物
    を一般式[I−b]の化合物に変換しうる能力を有する
    微生物又はその変異株を用いた培養法によって変換し、
    その培養液から一般式[I−b] 【化4】 [式中、R3は式: 【化5】 で表される基を示す。]を採取する工程 (2)低級アルキルエステル化の工程の二つの工程の
    内、少なくとも一つを行い、必要に応じて薬学的に許容
    しうる塩とすることを特徴とする、一般式[I] 【化6】 [式中、R1は水素原子又は低級アルキル基を示し、R2
    は水素原子又は式: 【化7】 で表される基を示す。]で表される化合物又はその薬学
    的に許容しうる塩の製造法。
  3. 【請求項3】式[I−a] 【化8】 の化合物を産生する能力を有するストレプトミセス(S
    treptomyces)属に属する微生物又はその変
    異株。
  4. 【請求項4】微生物が、ストレプトミセス エスピー
    (Streptomyces sp.)である請求項3
    記載の微生物又はその変異株。
  5. 【請求項5】微生物が、ストレプトミセス エスピー
    A43767(Streptomyces sp. A
    43767)である請求項3記載の微生物又はその変異
    株。
  6. 【請求項6】一般式[I] 【化9】 [式中、R1は水素原子又は低級アルキル基を示し、R2
    は水素原子又は式: 【化10】 で表される基を示す。]で表される化合物又はその薬学
    的に許容しうる塩を有効成分とする抗菌剤。
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