JP2002173477A - 抗腫瘍性物質及びその製造法 - Google Patents
抗腫瘍性物質及びその製造法Info
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規な抗腫瘍性物質を提供することを目的
とする。 【解決手段】 ストレプトミセス属に属する微生物が産
生する、構造式[I] 【化1】 [式中、Rは−CH=CH−又は−CH2−CH2−を示
す。]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩
を抗腫瘍剤として用いる。
とする。 【解決手段】 ストレプトミセス属に属する微生物が産
生する、構造式[I] 【化1】 [式中、Rは−CH=CH−又は−CH2−CH2−を示
す。]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩
を抗腫瘍剤として用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬の分野で有用で
あり、より具体的には腫瘍細胞の増殖を阻害して抗腫瘍
作用を示す新規化合物、その製造法及びその用途並びに
該化合物を産生する微生物に関するものである。
あり、より具体的には腫瘍細胞の増殖を阻害して抗腫瘍
作用を示す新規化合物、その製造法及びその用途並びに
該化合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、既に多く
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の腫瘍に対して、その効果は必ずしも
充分ではなく、又、臨床上これらの薬剤に対する腫瘍細
胞の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応用
性は複雑化している[第47回日本癌学会総会記事、1
2頁〜15頁(1988年)等参照]。このような状況
下、癌治療の分野においては常に新規な抗腫瘍性物質の
開発が求められている。
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の腫瘍に対して、その効果は必ずしも
充分ではなく、又、臨床上これらの薬剤に対する腫瘍細
胞の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応用
性は複雑化している[第47回日本癌学会総会記事、1
2頁〜15頁(1988年)等参照]。このような状況
下、癌治療の分野においては常に新規な抗腫瘍性物質の
開発が求められている。
【0003】本発明の化合物と類似する構造を有する化
合物としては、特開平4−211632号公報及び特開
平7−258153号公報に、いずれもストレプトミセ
ス属に属する菌が産生する化合物として、その骨格を同
じとする化合物についての記載がある。
合物としては、特開平4−211632号公報及び特開
平7−258153号公報に、いずれもストレプトミセ
ス属に属する菌が産生する化合物として、その骨格を同
じとする化合物についての記載がある。
【0004】特開平7−258153号に記載の化合物
と本発明の化合物とでは、主にB環部分の構造が異なっ
ている(B環部分については後述の記載を参照)。即
ち、B環部分において、本発明の化合物では2つのメチ
ル基が置換しているに対し、特開平7−258153号
に記載の化合物では、メチル基と、エーテル化又はエス
テル化されていてよい水酸基が置換している点で異な
る。又、その生理作用も、本発明の化合物が低濃度で著
しい抗腫瘍活性を有するに対し、特開平7−25815
3号に記載の化合物は、微小管重合阻害活性、スクワレ
ン合成酵素阻害活性及び細胞増殖阻害活性を有している
点で異なる。
と本発明の化合物とでは、主にB環部分の構造が異なっ
ている(B環部分については後述の記載を参照)。即
ち、B環部分において、本発明の化合物では2つのメチ
ル基が置換しているに対し、特開平7−258153号
に記載の化合物では、メチル基と、エーテル化又はエス
テル化されていてよい水酸基が置換している点で異な
る。又、その生理作用も、本発明の化合物が低濃度で著
しい抗腫瘍活性を有するに対し、特開平7−25815
3号に記載の化合物は、微小管重合阻害活性、スクワレ
ン合成酵素阻害活性及び細胞増殖阻害活性を有している
点で異なる。
【0005】一方、特開平4−211632号に記載の
化合物(ベナスタチン類)と本発明の化合物とでは、A
環部分にある水酸基が硫酸エステル化されているか否か
が相違点となる。又、その生理作用も、本発明の化合物
が著しい抗腫瘍活性を有するに対し、ベナスタチン類
は、グルタチオントランスフェラーゼ阻害活性、免疫調
節活性及び抗菌活性を有する点で異なる。
化合物(ベナスタチン類)と本発明の化合物とでは、A
環部分にある水酸基が硫酸エステル化されているか否か
が相違点となる。又、その生理作用も、本発明の化合物
が著しい抗腫瘍活性を有するに対し、ベナスタチン類
は、グルタチオントランスフェラーゼ阻害活性、免疫調
節活性及び抗菌活性を有する点で異なる。
【0006】上記のごとく、本発明の化合物は文献未知
の新規物質であり、又、本発明の化合物に類似する化合
物は存在するが、その作用を同じくするものは見いださ
れていない。
の新規物質であり、又、本発明の化合物に類似する化合
物は存在するが、その作用を同じくするものは見いださ
れていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の希求に
応えることのできる新規な抗腫瘍性物質を提供すること
を目的とするものである。
応えることのできる新規な抗腫瘍性物質を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、抗腫瘍活性を有する物質について微生
物二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、特定の
ストレプトミセス属に属する微生物が産生する化合物が
優れた抗腫瘍作用を有することを見いだし、更に、その
活性物質を単離し、その理化学的性状及び構造を確定す
ることにより本発明を完成させた。
題を解決すべく、抗腫瘍活性を有する物質について微生
物二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、特定の
ストレプトミセス属に属する微生物が産生する化合物が
優れた抗腫瘍作用を有することを見いだし、更に、その
活性物質を単離し、その理化学的性状及び構造を確定す
ることにより本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は、構造式[I]
【化2】 [式中、Rは−CH=CH−又は−CH2−CH2−を示
す。]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩
に関する。
す。]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩
に関する。
【0010】より具体的には、本発明は、構造式[I−
A]
A]
【化3】 で表される化合物若しくは薬学的に許容される塩、又は
構造式[I−B]
構造式[I−B]
【化4】 で表される化合物若しくは薬学的に許容される塩に関す
る。
る。
【0011】更に、本発明は、ストレプトミセス(St
reptomyces)属に属し、構造式[I]で表さ
れる化合物を産生する能力を有する微生物を培養し、得
られた培養物から構造式[I]で表される化合物を採取
することを特徴とする、構造式[I]で表される化合物
の製造法に関する。
reptomyces)属に属し、構造式[I]で表さ
れる化合物を産生する能力を有する微生物を培養し、得
られた培養物から構造式[I]で表される化合物を採取
することを特徴とする、構造式[I]で表される化合物
の製造法に関する。
【0012】前記構造式[I]で表される化合物を産生
する能力を有する微生物として、ストレプトミセス エ
スピー A57806(Streptomyces s
p.A57806)又はその変異株が例示される。
する能力を有する微生物として、ストレプトミセス エ
スピー A57806(Streptomyces s
p.A57806)又はその変異株が例示される。
【0013】又、本発明は、構造式[I]で表される化
合物を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
合物を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0014】同時に、本発明は、構造式[I]で表され
る化合物を含有する医薬組成物に関する。
る化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0015】又、本発明は、構造式[I]で表される化
合物を産生する能力を有することを特徴とする、ストレ
プトミセス(Streptomyces)属に属する微
生物、特にストレプトミセス エスピー A57806
(Streptomycessp.A57806)に関
する。
合物を産生する能力を有することを特徴とする、ストレ
プトミセス(Streptomyces)属に属する微
生物、特にストレプトミセス エスピー A57806
(Streptomycessp.A57806)に関
する。
【0016】本発明の化合物は、5つの環から構成さ
れ、本明細書中ではその環を下記のごとくAからE環と
称する。
れ、本明細書中ではその環を下記のごとくAからE環と
称する。
【化5】
【0017】以下に本発明の抗腫瘍性物質の物理化学的
な性状を示す。
な性状を示す。
【0018】尚、核磁気共鳴スペクトルにおける略号の
意味は、下記の通りである。 s :シングレット d :ダブレット t :トリプレット q :カルテット m :マルチプレット br:ブロード J :カップリング定数 Hz:ヘルツ
意味は、下記の通りである。 s :シングレット d :ダブレット t :トリプレット q :カルテット m :マルチプレット br:ブロード J :カップリング定数 Hz:ヘルツ
【0019】構造式[I−A]で表される化合物の物理
化学的性状 性状;黄褐色粉末 分子式;C30H28O10S 質量分析;[HRFAB−MS]m/z: 実測値:579.1356(M−H)- 計算値:579.1325(C30H27O10S) 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH)nm
(ε):227(41100),290(1040
0),394(33600)
化学的性状 性状;黄褐色粉末 分子式;C30H28O10S 質量分析;[HRFAB−MS]m/z: 実測値:579.1356(M−H)- 計算値:579.1325(C30H27O10S) 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH)nm
(ε):227(41100),290(1040
0),394(33600)
【0020】赤外部吸収スペクトル;νmax(KBr)
cm-1:1598,1465,1427,1398,1
357,1272,1139,1056,1024,9
58,869,790,752,676,613,57
6,524,462
cm-1:1598,1465,1427,1398,1
357,1272,1139,1056,1024,9
58,869,790,752,676,613,57
6,524,462
【0021】核磁気共鳴スペクトル;1H−NMR(5
00MHz,CD3OD):0.91(3H,t,J=
7.0Hz),1.39(4H,m),1.69(2
H,m),1.82(6H,s),3.22(2H,
m),6.89(1H,d,J=2.0Hz),7.1
2(1H,br),7.23(1H,d,J=2.0H
z),7.55(1H,br),8.27(1H,b
r),9.82(1H,s)
00MHz,CD3OD):0.91(3H,t,J=
7.0Hz),1.39(4H,m),1.69(2
H,m),1.82(6H,s),3.22(2H,
m),6.89(1H,d,J=2.0Hz),7.1
2(1H,br),7.23(1H,d,J=2.0H
z),7.55(1H,br),8.27(1H,b
r),9.82(1H,s)
【0022】13C−NMR(100MHz,DMSO−
d6):δ14.0(q),22.2(t),31.3
(t),31.7(t),34.3(q),34.3
(q),35.7(t),38.9(s),104.6
(d),107.7(d),108.8(s),10
9.4(s),114.4(s),116.6(s),
117.4(s),118.8(s),121.0
(s),126.6(s),136.4(s),13
7.9(s),145.8(s),146.6(s),
153.9(s),159.5(s),160.9
(s),163.8(s),169.4(s),17
1.5(s),190.4(s)
d6):δ14.0(q),22.2(t),31.3
(t),31.7(t),34.3(q),34.3
(q),35.7(t),38.9(s),104.6
(d),107.7(d),108.8(s),10
9.4(s),114.4(s),116.6(s),
117.4(s),118.8(s),121.0
(s),126.6(s),136.4(s),13
7.9(s),145.8(s),146.6(s),
153.9(s),159.5(s),160.9
(s),163.8(s),169.4(s),17
1.5(s),190.4(s)
【0023】溶解性;クロロホルム、メタノール、アセ
トン、ジメチルスルホキシドに溶け易く、トルエンに溶
けにくい。 Rf値;0.26[メルク社製キーゼルゲル60F254使
用、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(2:1)] 呈色反応;硫酸反応 陽性
トン、ジメチルスルホキシドに溶け易く、トルエンに溶
けにくい。 Rf値;0.26[メルク社製キーゼルゲル60F254使
用、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(2:1)] 呈色反応;硫酸反応 陽性
【0024】構造式[I−B]で表される化合物の物理
化学的性状 性状;黄褐色色粉末 分子式;C30H30O10S 質量分析;[HRFAB−MS]m/z 実測値:581.1462(M−H)- 計算値:581.1481(C30H29O10S) 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH)nm
(ε):227(41200),290(1040
0),394(33600)
化学的性状 性状;黄褐色色粉末 分子式;C30H30O10S 質量分析;[HRFAB−MS]m/z 実測値:581.1462(M−H)- 計算値:581.1481(C30H29O10S) 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH)nm
(ε):227(41200),290(1040
0),394(33600)
【0025】赤外部吸収スペクトル;νmax(KBr)
cm-1:1604,1477,1427,1392,1
349,1251,1139,1054,1022,9
58,869,829,792,748,680,62
8,578,524,464
cm-1:1604,1477,1427,1392,1
349,1251,1139,1054,1022,9
58,869,829,792,748,680,62
8,578,524,464
【0026】核磁気共鳴スペクトル;1H−NMR(4
00MHz,CD3OD):δ0.91(3H,t,J
=6.5Hz),1.37(4H,m),1.62(2
H,m),1.72(6H,s),2.71(2H,
m),2.82(2H,m)、3.07(2H,t,J
=7.0Hz),6.61(1H,s),6.86(1
H,d,J=2.0Hz),7.17(1H,d,J=
2.0Hz),8.50(1H,s)
00MHz,CD3OD):δ0.91(3H,t,J
=6.5Hz),1.37(4H,m),1.62(2
H,m),1.72(6H,s),2.71(2H,
m),2.82(2H,m)、3.07(2H,t,J
=7.0Hz),6.61(1H,s),6.86(1
H,d,J=2.0Hz),7.17(1H,d,J=
2.0Hz),8.50(1H,s)
【0027】13C−NMR(100MHz,DMSO−
d6):δ13.9(s),19.6(t),22.1
(t),28.9(t),31.2(t),31.7
(t),33.7(q),33.7(q),35.2
(t),38.4(s),104.5(d),108.
7(d),109.3(s),110.4(s),11
6.2(s),117.5(d),118.0(s),
118.8(d),121.4(s),141.9
(s),142.4(s),147.4(s),14
8.2(s),153.7(s),157.6(s),
160.6(s),163.6(s),164.4
(s),171.8(s),190.0(s)
d6):δ13.9(s),19.6(t),22.1
(t),28.9(t),31.2(t),31.7
(t),33.7(q),33.7(q),35.2
(t),38.4(s),104.5(d),108.
7(d),109.3(s),110.4(s),11
6.2(s),117.5(d),118.0(s),
118.8(d),121.4(s),141.9
(s),142.4(s),147.4(s),14
8.2(s),153.7(s),157.6(s),
160.6(s),163.6(s),164.4
(s),171.8(s),190.0(s)
【0028】溶解性;クロロホルム、メタノール、アセ
トン、ジメチルスルホキシドに溶け易く、トルエンに溶
けにくい。 Rf値;0.33[メルク社製キーゼルゲル60F254使
用、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(2:1)] 呈色反応;硫酸反応 陽性
トン、ジメチルスルホキシドに溶け易く、トルエンに溶
けにくい。 Rf値;0.33[メルク社製キーゼルゲル60F254使
用、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(2:1)] 呈色反応;硫酸反応 陽性
【0029】酸性、中性、塩基性物質の区別;酸性物質
【0030】構造式[I]で表される化合物の生物学的
活性(抗腫瘍作用) 以下に、構造式[I]で表される化合物の抗腫瘍作用に
ついて示す。即ち、マウス大腸癌細胞colon26に
対する抗腫瘍試験は、所定濃度の構造式[I−A]又は
構造式[I−B]で表される化合物をジメチルスルホキ
シドに溶解後、逐次ジメチルスルホキシドで希釈し、更
に牛胎児血清10%含有RPMI1640培地で10倍
希釈したものを検液とした。1x103個の腫瘍細胞を
含む細胞培養培地(牛胎児血清10%含有PRMI16
40培地)100μlを96穴マイクロプレートに分注
し、5%CO2下、37℃で24時間培養後に、上記検
液5μlを加え、更に5%CO2下、37℃で72時間
培養した後、細胞増殖阻害の検定を行った。具体的に
は、得られた細胞を50%トリクロロ酢酸で固定し、
0.4%スルホローダミンBで染色後、10mMトリス
液を用いて細胞から色素を抽出した。450nmを対照
波長として550nmに於ける吸光度を測定して対照群
と比較した。その結果、構造式[I]で表される化合物
は、マウス大腸癌細胞に対し、強い増殖阻害活性を示
し、50%増殖阻害濃度は第1表の通りであった。
活性(抗腫瘍作用) 以下に、構造式[I]で表される化合物の抗腫瘍作用に
ついて示す。即ち、マウス大腸癌細胞colon26に
対する抗腫瘍試験は、所定濃度の構造式[I−A]又は
構造式[I−B]で表される化合物をジメチルスルホキ
シドに溶解後、逐次ジメチルスルホキシドで希釈し、更
に牛胎児血清10%含有RPMI1640培地で10倍
希釈したものを検液とした。1x103個の腫瘍細胞を
含む細胞培養培地(牛胎児血清10%含有PRMI16
40培地)100μlを96穴マイクロプレートに分注
し、5%CO2下、37℃で24時間培養後に、上記検
液5μlを加え、更に5%CO2下、37℃で72時間
培養した後、細胞増殖阻害の検定を行った。具体的に
は、得られた細胞を50%トリクロロ酢酸で固定し、
0.4%スルホローダミンBで染色後、10mMトリス
液を用いて細胞から色素を抽出した。450nmを対照
波長として550nmに於ける吸光度を測定して対照群
と比較した。その結果、構造式[I]で表される化合物
は、マウス大腸癌細胞に対し、強い増殖阻害活性を示
し、50%増殖阻害濃度は第1表の通りであった。
【0031】
【表1】第1表.構造式[I]で表される化合物の抗腫
瘍作用
瘍作用
【0032】第1表に示したごとく、本発明の化合物
は、低濃度においても腫瘍細胞に対し顕著な増殖阻害作
用を示し、抗腫瘍剤として有用である。
は、低濃度においても腫瘍細胞に対し顕著な増殖阻害作
用を示し、抗腫瘍剤として有用である。
【0033】構造式[I]で表される化合物の製造法 次に、構造式[I]で表される化合物の製造法について
説明する。本発明の抗腫瘍性物質の製造に使用する微生
物は、構造式[I−A]で表される化合物又は構造式
[I−B]で表される化合物を生産するものならばいず
れでも良いが、例えば、以下の菌学的性状を有する微生
物、即ち、A57806を用いることができる。
説明する。本発明の抗腫瘍性物質の製造に使用する微生
物は、構造式[I−A]で表される化合物又は構造式
[I−B]で表される化合物を生産するものならばいず
れでも良いが、例えば、以下の菌学的性状を有する微生
物、即ち、A57806を用いることができる。
【0034】1.形態 A57806は、よく伸長し分岐する基生菌糸と気菌糸
とを形成し、輪生岐及び菌糸の分断は認められない。気
菌糸上には胞子の長い連鎖(20〜30個)を作り、そ
の形態はらせん状である。胞子の表面は、平滑で、大き
さが0.6〜0.7x0.8〜1.0μm位の円筒状で
あり、胞子のう、鞭毛胞子及び菌核等の特殊な器官は観
察されない。1/10 V-8ジュース寒天培地等で培養する
ことにより、2.2〜2.7x3.0〜4.0μm位の
一定の大きさの偽似胞子を形成することが観察される。
とを形成し、輪生岐及び菌糸の分断は認められない。気
菌糸上には胞子の長い連鎖(20〜30個)を作り、そ
の形態はらせん状である。胞子の表面は、平滑で、大き
さが0.6〜0.7x0.8〜1.0μm位の円筒状で
あり、胞子のう、鞭毛胞子及び菌核等の特殊な器官は観
察されない。1/10 V-8ジュース寒天培地等で培養する
ことにより、2.2〜2.7x3.0〜4.0μm位の
一定の大きさの偽似胞子を形成することが観察される。
【0035】2.各種寒天平板培地における培養性状 各種寒天平板培地における培養性状(28℃、14日間
培養)は、第2表又は第3表の通りであった。
培養)は、第2表又は第3表の通りであった。
【0036】
【表2】表2.培養性状(1)
【0037】
【表3】表3.培養性状(2)
【0038】3.生育温度 生育温度(イースト・麦芽寒天培地、14日間培養)は
第4表の通りであった。
第4表の通りであった。
【0039】
【表4】第4表.生育温度
【0040】4.生理学的諸性質 生理学的諸性質は第5表の通りであった。
【0041】
【表5】第5表.生理学的諸性質
【0042】5.炭素源の利用能 プリドハム・ゴトリーブ寒天を基礎培地とし、下記の各
種糖を添加して28℃、14日間培養した際の炭素源の
利用能は第6表の通りであった。
種糖を添加して28℃、14日間培養した際の炭素源の
利用能は第6表の通りであった。
【0043】
【表6】第6表.炭素源の利用能 +:利用可能 −:利用不能
【0044】6.菌体成分 細胞壁からは、LL−ジアミノピメリン酸及びグリシン
が検出された。
が検出された。
【0045】以上の菌学的諸性質によりA57806
は、放線菌ストレプトミセス(Streptomyce
s)属に属すると考えられる。したがってA57806
をストレプトミセス エスピー A57806(Str
eptomyces sp.A57806)と称するこ
ととした。尚、本菌株は通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所に寄託されており、受託番号はFERM
P−16840である。
は、放線菌ストレプトミセス(Streptomyce
s)属に属すると考えられる。したがってA57806
をストレプトミセス エスピー A57806(Str
eptomyces sp.A57806)と称するこ
ととした。尚、本菌株は通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所に寄託されており、受託番号はFERM
P−16840である。
【0046】本発明に係るストレプトミセス エスピー
A57806(Streptomyces sp.A
57806)の変異株は、ストレプトミセス エスピー
A57806を従来公知の菌種変換処理方法により変異
させることにより得ることができ、具体的な菌種変換処
理方法としては、X線若しくは紫外線等の照射処理、ナ
イトロジェンマスタード、アザセリン、亜硝酸、2−ア
ミノプリン若しくは1−メチル−3−ニトロ−1−ニト
ロソグアニジン(MNNG)等の変異誘起剤による処
理、ファージ接触、形質転換、形質導入又は接合等が例
示される。
A57806(Streptomyces sp.A
57806)の変異株は、ストレプトミセス エスピー
A57806を従来公知の菌種変換処理方法により変異
させることにより得ることができ、具体的な菌種変換処
理方法としては、X線若しくは紫外線等の照射処理、ナ
イトロジェンマスタード、アザセリン、亜硝酸、2−ア
ミノプリン若しくは1−メチル−3−ニトロ−1−ニト
ロソグアニジン(MNNG)等の変異誘起剤による処
理、ファージ接触、形質転換、形質導入又は接合等が例
示される。
【0047】本発明の構造式[I]で表される化合物を
製造するにあたり、構造式[I−A]で表される化合物
及び/又は構造式[I−B]で表される化合物の生産菌
株又はその変異株を、栄養源含有培地に接種して好気的
に発育させることにより、構造式[I−A]で表される
化合物及び/又は構造式[I−B]で表される化合物を
含む培養物が得られる。
製造するにあたり、構造式[I−A]で表される化合物
及び/又は構造式[I−B]で表される化合物の生産菌
株又はその変異株を、栄養源含有培地に接種して好気的
に発育させることにより、構造式[I−A]で表される
化合物及び/又は構造式[I−B]で表される化合物を
含む培養物が得られる。
【0048】栄養源としては、放線菌の栄養源として公
知の炭素源、窒素源、無機塩等が使用できる。例えば、
炭素源としては、市販されているグルコース、マルトー
ス、デンプン、シュークロース、糖密又はデキストリン
等が単独又は混合物として用いられる。窒素源として
は、市販されている大豆粉、コーングルテンミール、コ
ーンスティープリカー、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵
母、綿実粉、ペプトン、小麦胚芽、魚粉、ミートミー
ル、脱脂米ヌカ、脱脂肉骨粉、無機アンモニウム塩又は
硝酸ナトリウム等が単独又は混合物として用いられる。
無機塩としては、市販されている炭酸カルシウム、塩化
カルシウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウム又は各種リ
ン酸塩等を使用することができる。その他必要に応じ
て、鉄(硫酸塩)、マンガン(塩化物)、銅(塩化
物)、亜鉛(硫酸塩)、コバルト(塩化物)、モリブデ
ン酸(ナトリウム塩)等の重金属塩を微量添加すること
もできる。
知の炭素源、窒素源、無機塩等が使用できる。例えば、
炭素源としては、市販されているグルコース、マルトー
ス、デンプン、シュークロース、糖密又はデキストリン
等が単独又は混合物として用いられる。窒素源として
は、市販されている大豆粉、コーングルテンミール、コ
ーンスティープリカー、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵
母、綿実粉、ペプトン、小麦胚芽、魚粉、ミートミー
ル、脱脂米ヌカ、脱脂肉骨粉、無機アンモニウム塩又は
硝酸ナトリウム等が単独又は混合物として用いられる。
無機塩としては、市販されている炭酸カルシウム、塩化
カルシウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウム又は各種リ
ン酸塩等を使用することができる。その他必要に応じ
て、鉄(硫酸塩)、マンガン(塩化物)、銅(塩化
物)、亜鉛(硫酸塩)、コバルト(塩化物)、モリブデ
ン酸(ナトリウム塩)等の重金属塩を微量添加すること
もできる。
【0049】又、発泡の激しい場合には消泡剤として、
例えば大豆油又は亜麻仁油等の植物油、ステアリルアル
コール等の高級アルコール類、各種シリコン化合物等を
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、構造式[I]で表される化合物の生産に役立
つもの、例えば3−(N−モルホリノ)プロパンスルホ
ン酸(以下、「MOPS」と略す。)又はホウ酸ナトリ
ウム等を添加してもよい。
例えば大豆油又は亜麻仁油等の植物油、ステアリルアル
コール等の高級アルコール類、各種シリコン化合物等を
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、構造式[I]で表される化合物の生産に役立
つもの、例えば3−(N−モルホリノ)プロパンスルホ
ン酸(以下、「MOPS」と略す。)又はホウ酸ナトリ
ウム等を添加してもよい。
【0050】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振盪培養又は通気培養等のいずれを実施してもよいが、
特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培養温
度は14〜44℃が適当であるが、好ましくは25〜3
0℃が推奨される。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
であり、培養時間は192〜312時間、好ましくは2
16〜264時間が推奨される。培養物から目的とする
構造式[I]で表される化合物を採取するには、微生物
の生産する代謝物から採取するのに通常使用される分離
手段を適宜利用することができる。
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振盪培養又は通気培養等のいずれを実施してもよいが、
特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培養温
度は14〜44℃が適当であるが、好ましくは25〜3
0℃が推奨される。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
であり、培養時間は192〜312時間、好ましくは2
16〜264時間が推奨される。培養物から目的とする
構造式[I]で表される化合物を採取するには、微生物
の生産する代謝物から採取するのに通常使用される分離
手段を適宜利用することができる。
【0051】構造式[I]で表される化合物は主に菌体
中に存在するので、通常の分離手段、例えば溶媒抽出
法、イオン交換樹脂法、吸着若しくは分配クロマトグラ
フィー法又はゲル濾過法等を単独又は組み合わせて、構
造式[I]で表される化合物を菌体から分離精製するこ
とにより採取する。
中に存在するので、通常の分離手段、例えば溶媒抽出
法、イオン交換樹脂法、吸着若しくは分配クロマトグラ
フィー法又はゲル濾過法等を単独又は組み合わせて、構
造式[I]で表される化合物を菌体から分離精製するこ
とにより採取する。
【0052】好ましい分離精製の例として下記の方法が
挙げられる。 1)培養後の培養物を濾過又は遠心分離することによ
り、培養液と菌体とを分離する。 2)得られた菌体から、メタノール、エタノール等の低
級アルコール又はアセトン、ジメチルケトン等の低級ア
ルキルケトン等の有機溶媒(好ましくは低級アルコー
ル)を用い、構造式[I]で表される化合物を抽出した
後、該抽出液を濃縮する。 3)上記2)で得られた濃縮物を、n−ヘキサン、n−
ヘプタン等の炭化水素系溶媒を用いて分配し、次いで炭
化水素系溶媒を除き、残渣を得る。 4)上記3)で得られた残渣に、水及び非極性溶媒を加
え、水層/非極性溶媒層で分配を行ない、目的物を含む
水層を得る。非極性溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒、塩化メチレ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒又はn−ヘキ
サン、n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒が例示され、好
ましくは酢酸エステル系溶媒が推奨される。 5)上記4)で得られた水層について、逆相系(ODS
等)、順相系(シリカゲル等)、吸着系(ポリマーゲル
等)及びゲル濾過系(ポリマーゲル等)の群から選択さ
れるカラムクロマトグラフィー(好ましくは逆相系)を
行ない、流出画分から構造式[I−A]で表される化合
物及び/又は構造式[I−B]で表される化合物を含む
画分を集めて減圧下で濃縮し、構造式[I−A]で表さ
れる化合物及び/又は構造式[I−B]で表される化合
物を得る。更に、必要に応じて、 6)上記5)で得られた化合物を、再度、逆相系(OD
S等)、順相系(シリカゲル等)、吸着系(ポリマーゲ
ル等)及びゲル濾過系(ポリマーゲル等)の群から選択
されるカラムクロマトグラフィー(好ましくは逆相系)
に付し、流出画分から目的とする化合物を含む画分を集
めて減圧下で濃縮して、構造式[I−A]で表される化
合物又は構造式[I−B]で表される化合物を得る、工
程を行ってよい。
挙げられる。 1)培養後の培養物を濾過又は遠心分離することによ
り、培養液と菌体とを分離する。 2)得られた菌体から、メタノール、エタノール等の低
級アルコール又はアセトン、ジメチルケトン等の低級ア
ルキルケトン等の有機溶媒(好ましくは低級アルコー
ル)を用い、構造式[I]で表される化合物を抽出した
後、該抽出液を濃縮する。 3)上記2)で得られた濃縮物を、n−ヘキサン、n−
ヘプタン等の炭化水素系溶媒を用いて分配し、次いで炭
化水素系溶媒を除き、残渣を得る。 4)上記3)で得られた残渣に、水及び非極性溶媒を加
え、水層/非極性溶媒層で分配を行ない、目的物を含む
水層を得る。非極性溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒、塩化メチレ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒又はn−ヘキ
サン、n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒が例示され、好
ましくは酢酸エステル系溶媒が推奨される。 5)上記4)で得られた水層について、逆相系(ODS
等)、順相系(シリカゲル等)、吸着系(ポリマーゲル
等)及びゲル濾過系(ポリマーゲル等)の群から選択さ
れるカラムクロマトグラフィー(好ましくは逆相系)を
行ない、流出画分から構造式[I−A]で表される化合
物及び/又は構造式[I−B]で表される化合物を含む
画分を集めて減圧下で濃縮し、構造式[I−A]で表さ
れる化合物及び/又は構造式[I−B]で表される化合
物を得る。更に、必要に応じて、 6)上記5)で得られた化合物を、再度、逆相系(OD
S等)、順相系(シリカゲル等)、吸着系(ポリマーゲ
ル等)及びゲル濾過系(ポリマーゲル等)の群から選択
されるカラムクロマトグラフィー(好ましくは逆相系)
に付し、流出画分から目的とする化合物を含む画分を集
めて減圧下で濃縮して、構造式[I−A]で表される化
合物又は構造式[I−B]で表される化合物を得る、工
程を行ってよい。
【0053】尚、弱アルカリ性条件下でA57806を
培養した場合は、構造式[I]で表される化合物が培養
液中に存在する可能性があり、そのような場合には、培
養液を中和後、ダイアイオンHP−20等を用いた逆相
カラムクロマトグラフィーに付し、得られた粗生成物分
画を引き続き精製すればよい。
培養した場合は、構造式[I]で表される化合物が培養
液中に存在する可能性があり、そのような場合には、培
養液を中和後、ダイアイオンHP−20等を用いた逆相
カラムクロマトグラフィーに付し、得られた粗生成物分
画を引き続き精製すればよい。
【0054】本発明の構造式[I]で表される化合物の
薬学的に許容される塩としては、医薬として許容されう
る慣用的なものであれば使用可能であり、例えば、モノ
ナトリウム塩、ジナトリウム塩、モノカリウム塩、ジカ
リウム塩、ナトリウムカリウム塩等のアルカリ金属塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属
塩、モノアンモニウム塩、ジアンモニウム塩、モノトリ
メチルアミン塩、ジトリメチルアミン塩、モノトリエチ
ルアミン塩、ジトリエチルアミン塩、モノ(ジシクロヘ
キシルアミン)塩、ジ(ジシクロヘキシルアミン)塩、
モノエタノールアミン塩、ジ(エタノールアミン)塩、
モノ(ジエタノールアミン)塩、ビス(ジエタノールア
ミン)塩、モノ(トリエタノールアミン)塩、ジ(トリ
エタノールアミン)塩、モノプロカイン塩、ジプロカイ
ン塩、モノ(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン
塩)、ジ(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩)
等の有機アミン塩等が例示され、又、二塩を形成する場
合、2種以上の塩の組み合わせ、例えばナトリウムカリ
ウム塩を使用することも可能である。
薬学的に許容される塩としては、医薬として許容されう
る慣用的なものであれば使用可能であり、例えば、モノ
ナトリウム塩、ジナトリウム塩、モノカリウム塩、ジカ
リウム塩、ナトリウムカリウム塩等のアルカリ金属塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属
塩、モノアンモニウム塩、ジアンモニウム塩、モノトリ
メチルアミン塩、ジトリメチルアミン塩、モノトリエチ
ルアミン塩、ジトリエチルアミン塩、モノ(ジシクロヘ
キシルアミン)塩、ジ(ジシクロヘキシルアミン)塩、
モノエタノールアミン塩、ジ(エタノールアミン)塩、
モノ(ジエタノールアミン)塩、ビス(ジエタノールア
ミン)塩、モノ(トリエタノールアミン)塩、ジ(トリ
エタノールアミン)塩、モノプロカイン塩、ジプロカイ
ン塩、モノ(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン
塩)、ジ(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩)
等の有機アミン塩等が例示され、又、二塩を形成する場
合、2種以上の塩の組み合わせ、例えばナトリウムカリ
ウム塩を使用することも可能である。
【0055】一般式[I]で表される化合物の薬学的に
許容される塩は、従来公知の方法によって製造すること
が可能である。例えば、一般式[I]で表される化合物
をメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール等の低級アルコールに溶解させ、次いで2当
量(又は1当量)の塩基を加えて攪拌し、引き続きアル
コールを濃縮後、得られた塩を乾燥して得られる。
許容される塩は、従来公知の方法によって製造すること
が可能である。例えば、一般式[I]で表される化合物
をメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール等の低級アルコールに溶解させ、次いで2当
量(又は1当量)の塩基を加えて攪拌し、引き続きアル
コールを濃縮後、得られた塩を乾燥して得られる。
【0056】本発明の構造式[I]で表される化合物
は、分子内にカルボキシル基と硫酸基という2つの酸性
基を有しており、硫酸基が結合していない化合物(例え
ばベナスタチン類)と比較して水溶性が向上する。更
に、二塩を形成することにより、水溶性は大幅に改善さ
れる。従って、本発明の化合物を容易に水に溶解させる
ことが可能であり、注射剤として容易に適用できる等、
医薬組成物としたときの投与形態が拡大する。
は、分子内にカルボキシル基と硫酸基という2つの酸性
基を有しており、硫酸基が結合していない化合物(例え
ばベナスタチン類)と比較して水溶性が向上する。更
に、二塩を形成することにより、水溶性は大幅に改善さ
れる。従って、本発明の化合物を容易に水に溶解させる
ことが可能であり、注射剤として容易に適用できる等、
医薬組成物としたときの投与形態が拡大する。
【0057】構造式[I]で表される化合物を含有する
医薬組成物 本発明の構造式[I]で表される化合物は、腫瘍細胞の
増殖を阻害し抗腫瘍効果を発揮するため、これらの化合
物を有効成分とし、更に医薬品分野で通常用いられてい
る添加剤を加えることにより、医薬組成物を調製するこ
とができる。この医薬組成物の形態としては、各種の形
態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤
又は粉末の固体の製剤、溶液、懸濁液、シロップ剤又は
注射剤等の液状製剤が挙げられる。これらは、その形態
に応じ、経口剤又は非経口剤として用いることができ
る。又、これらの医薬組成物は、製剤の形態に応じて、
混和、混練、造粒、圧縮成形、打錠、コーティング、滅
菌処理、乳化等の従来公知の方法で製造することができ
る。
医薬組成物 本発明の構造式[I]で表される化合物は、腫瘍細胞の
増殖を阻害し抗腫瘍効果を発揮するため、これらの化合
物を有効成分とし、更に医薬品分野で通常用いられてい
る添加剤を加えることにより、医薬組成物を調製するこ
とができる。この医薬組成物の形態としては、各種の形
態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤
又は粉末の固体の製剤、溶液、懸濁液、シロップ剤又は
注射剤等の液状製剤が挙げられる。これらは、その形態
に応じ、経口剤又は非経口剤として用いることができ
る。又、これらの医薬組成物は、製剤の形態に応じて、
混和、混練、造粒、圧縮成形、打錠、コーティング、滅
菌処理、乳化等の従来公知の方法で製造することができ
る。
【0058】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば、ラクトース、グルコ
ース等の糖類、トウモロコシデンプン、小麦又は米等の
デンプン類、ステアリン酸等の脂肪酸、アルミン酸マグ
ネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、(重
質)酸化マグネシウム、(沈降性)炭酸カルシウム、無
水リン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、酸化チタン等の
無機塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン
又はポリアルキレングリコール等の合成高分子、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪
酸塩、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベン
ジルアルコール等のアルコール類、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース等の合成セルロース誘導体、結晶セルロー
ス、クエン酸、クエン酸ナトリウム等のカルボン酸類、
プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール等の
グリコール類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベ
ート又はショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、その
他、水、ソルビトール、ポリオキシエチレン、ゼラチ
ン、タルク、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセ
リン、植物油、硬化ヒマシ油、アラビアゴム、シクロデ
キストリン若しくはヒドロキシプロピルシクロデキスト
リン等の通常用いられるものが例示される。
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば、ラクトース、グルコ
ース等の糖類、トウモロコシデンプン、小麦又は米等の
デンプン類、ステアリン酸等の脂肪酸、アルミン酸マグ
ネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、(重
質)酸化マグネシウム、(沈降性)炭酸カルシウム、無
水リン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、酸化チタン等の
無機塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン
又はポリアルキレングリコール等の合成高分子、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪
酸塩、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベン
ジルアルコール等のアルコール類、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース等の合成セルロース誘導体、結晶セルロー
ス、クエン酸、クエン酸ナトリウム等のカルボン酸類、
プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール等の
グリコール類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベ
ート又はショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、その
他、水、ソルビトール、ポリオキシエチレン、ゼラチ
ン、タルク、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセ
リン、植物油、硬化ヒマシ油、アラビアゴム、シクロデ
キストリン若しくはヒドロキシプロピルシクロデキスト
リン等の通常用いられるものが例示される。
【0059】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末等の固形製剤は、一般的には0.1〜100重量%、
好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。
末等の固形製剤は、一般的には0.1〜100重量%、
好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。
【0060】液状製剤は、水、アルコール類又は大豆
油、ピーナッツ油若しくはゴマ油等植物由来の油等の液
状製剤において通常用いられる適当な添加剤を使用して
よく、懸濁液、シロップ剤又は注射剤等の形態として製
造される。又、必要に応じて、非イオン系界面活性剤を
用いてもよい。
油、ピーナッツ油若しくはゴマ油等植物由来の油等の液
状製剤において通常用いられる適当な添加剤を使用して
よく、懸濁液、シロップ剤又は注射剤等の形態として製
造される。又、必要に応じて、非イオン系界面活性剤を
用いてもよい。
【0061】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又
は皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例え
ば、注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸又はクエン酸ナトリウム
等の水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注又は静脈内
注射用)等、又はこれらの混合溶液が挙げられる。これ
らの注射剤はあらかじめ溶解したもののほか、粉末のま
まあるいは適当な添加剤を加えたものを用時溶解する形
態もとり得る。これらの注射液は、通常、0.1〜10
重量%、好ましくは1〜5重量%の有効成分を含む。
又、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤等の液剤は、0.
5〜10重量%の有効成分を含む。
は皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例え
ば、注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸又はクエン酸ナトリウム
等の水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注又は静脈内
注射用)等、又はこれらの混合溶液が挙げられる。これ
らの注射剤はあらかじめ溶解したもののほか、粉末のま
まあるいは適当な添加剤を加えたものを用時溶解する形
態もとり得る。これらの注射液は、通常、0.1〜10
重量%、好ましくは1〜5重量%の有効成分を含む。
又、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤等の液剤は、0.
5〜10重量%の有効成分を含む。
【0062】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用する化合物の種類、配合された添加物の種類、
適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍によっ
て変化する。例えば、1日あたりの成人の投与量は、経
口投与の場合、10〜500mgであり、非経口投与、
特に静脈注射の場合、1日あたり10〜100mgであ
る。なお、投与回数は投与方法及び症状によって異なる
が、1回ないし5回である。
は、使用する化合物の種類、配合された添加物の種類、
適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍によっ
て変化する。例えば、1日あたりの成人の投与量は、経
口投与の場合、10〜500mgであり、非経口投与、
特に静脈注射の場合、1日あたり10〜100mgであ
る。なお、投与回数は投与方法及び症状によって異なる
が、1回ないし5回である。
【0063】構造式[I]で表される化合物を有効成分
とする医薬(組成物)を投与することによって治療でき
る腫瘍としては、特に制限はなく、例えば、頭頸部癌、
食道癌、胃癌、結腸癌、大腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢
・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、前立
腺癌、睾丸腫瘍、骨・軟部肉腫、悪性リンパ種、白血
病、子宮頸癌、皮膚癌、脳腫瘍等が例示され、特に大腸
癌に効果が高い。
とする医薬(組成物)を投与することによって治療でき
る腫瘍としては、特に制限はなく、例えば、頭頸部癌、
食道癌、胃癌、結腸癌、大腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢
・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、前立
腺癌、睾丸腫瘍、骨・軟部肉腫、悪性リンパ種、白血
病、子宮頸癌、皮膚癌、脳腫瘍等が例示され、特に大腸
癌に効果が高い。
【0064】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。尚、培地における%表示は重量%を意
味する。
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。尚、培地における%表示は重量%を意
味する。
【0065】
【実施例】実施例1 斜面軟寒天培地に接種した放線菌A57806を、グル
コース0.1%、デキストリン2.0%、魚粉0.5
%、コーングルテンミール1.0%、酵母エキス0.1
%、MOPS0.5%、硫酸マグネシウム0.05%、
塩化ナトリウム0.1%、塩化カルシウム0.05%、
硫酸第一鉄0.0002%、塩化第二銅0.00004
%、塩化マンガン0.00004%、塩化コバルト0.
00004%、硫酸亜鉛0.00008%、ホウ酸ナト
リウム0.00008%及びモリブデン酸ナトリウム
0.00024%からなる培地(pH7.0)110m
lを含む500ml容の三角フラスコ2本に接種し、2
8℃で72時間、回転振盪機(毎分180回転)上で培
養した。この培養液を、2mlづつ、上記の培地を11
0ml含む500ml容の三角フラスコ50本に接種
し、28℃で6日間、回転振盪機(毎分180回転)上
で培養した。
コース0.1%、デキストリン2.0%、魚粉0.5
%、コーングルテンミール1.0%、酵母エキス0.1
%、MOPS0.5%、硫酸マグネシウム0.05%、
塩化ナトリウム0.1%、塩化カルシウム0.05%、
硫酸第一鉄0.0002%、塩化第二銅0.00004
%、塩化マンガン0.00004%、塩化コバルト0.
00004%、硫酸亜鉛0.00008%、ホウ酸ナト
リウム0.00008%及びモリブデン酸ナトリウム
0.00024%からなる培地(pH7.0)110m
lを含む500ml容の三角フラスコ2本に接種し、2
8℃で72時間、回転振盪機(毎分180回転)上で培
養した。この培養液を、2mlづつ、上記の培地を11
0ml含む500ml容の三角フラスコ50本に接種
し、28℃で6日間、回転振盪機(毎分180回転)上
で培養した。
【0066】上記培養により得られた培養物(約5L)
を濾過することにより、菌体を得た。この菌体にメタノ
ール(4L)を加え、室温にて60分間攪拌後、更に濾
過し、メタノール抽出液を得た。このメタノール抽出液
を250ml程度になるまで減圧下濃縮後、n−ヘキサ
ン(250ml)で4回分配した後、メタノール層に酢
酸エチル(300ml)、水(300ml)を加え、酢
酸エチル(200ml)で4回洗浄し、メタノールを含
む水層を700ml得た。そのうち300mlをダイア
イオンHP−20(三菱化学社製)を充填したカラムク
ロマトグラフィー(使用カラム:径2.9cm×長さ4
0cm)に付し、水、25%メタノール水、50%メタ
ノール水、75%メタノール水及び100%メタノール
を各2Lづつ用いて段階的に溶出させた。目的物を含む
50%メタノール画分及び75%メタノール画分を集
め、減圧下、濃縮乾固させた。得られた乾固物をメタノ
ール(10ml)に溶解した後、クロマトレックス O
DS2035M(富士シリシア化学社製)を用いたカラ
ムクロマトグラフィー(使用カラム:径2.4cmx長
さ40cm)に付し、メタノール−水(65:35)で
溶出した。目的の化合物を含む画分を減圧下濃縮乾固さ
せることにより、構造式[I−A]で表される化合物及
び構造式[I−B]で表される化合物の粉末をそれぞれ
100.7mg及び46.5mg得た。
を濾過することにより、菌体を得た。この菌体にメタノ
ール(4L)を加え、室温にて60分間攪拌後、更に濾
過し、メタノール抽出液を得た。このメタノール抽出液
を250ml程度になるまで減圧下濃縮後、n−ヘキサ
ン(250ml)で4回分配した後、メタノール層に酢
酸エチル(300ml)、水(300ml)を加え、酢
酸エチル(200ml)で4回洗浄し、メタノールを含
む水層を700ml得た。そのうち300mlをダイア
イオンHP−20(三菱化学社製)を充填したカラムク
ロマトグラフィー(使用カラム:径2.9cm×長さ4
0cm)に付し、水、25%メタノール水、50%メタ
ノール水、75%メタノール水及び100%メタノール
を各2Lづつ用いて段階的に溶出させた。目的物を含む
50%メタノール画分及び75%メタノール画分を集
め、減圧下、濃縮乾固させた。得られた乾固物をメタノ
ール(10ml)に溶解した後、クロマトレックス O
DS2035M(富士シリシア化学社製)を用いたカラ
ムクロマトグラフィー(使用カラム:径2.4cmx長
さ40cm)に付し、メタノール−水(65:35)で
溶出した。目的の化合物を含む画分を減圧下濃縮乾固さ
せることにより、構造式[I−A]で表される化合物及
び構造式[I−B]で表される化合物の粉末をそれぞれ
100.7mg及び46.5mg得た。
【0067】以下に本発明の化合物の製剤例を示すが、
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。
【0068】製剤例1 本物質(構造式[I−A]で表される化合物又は構造式
[I−B]で表される化合物)10部、重質酸化マグネ
シウム15部及びラクトース75部を均一に混合して、
500μm以下の粉末状乃至細粒状の散剤をそれぞれ作
成した。これらの散剤をそれぞれカプセル容器に入れカ
プセル剤とした。
[I−B]で表される化合物)10部、重質酸化マグネ
シウム15部及びラクトース75部を均一に混合して、
500μm以下の粉末状乃至細粒状の散剤をそれぞれ作
成した。これらの散剤をそれぞれカプセル容器に入れカ
プセル剤とした。
【0069】製剤例2 本物質(構造式[I−A]で表される化合物又は構造式
[I−B]で表される化合物)45部、デンプン15
部、ラクトース16部、結晶性セルロース21部、ポリ
ビニルアルコール3部及び蒸留水30部を均一に混合し
た後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別して直径355
〜1400μmの大きさの顆粒剤をそれぞれ作成した。
[I−B]で表される化合物)45部、デンプン15
部、ラクトース16部、結晶性セルロース21部、ポリ
ビニルアルコール3部及び蒸留水30部を均一に混合し
た後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別して直径355
〜1400μmの大きさの顆粒剤をそれぞれ作成した。
【0070】製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤をそれぞれ作製した後、
この顆粒剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部
を加えて圧縮成形し、直径10mmの錠剤をそれぞれ作
製した。
この顆粒剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部
を加えて圧縮成形し、直径10mmの錠剤をそれぞれ作
製した。
【0071】製剤例4 製剤例2と同様の方法で得られた各々の顆粒剤90部に
対して結晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシ
ウム3部を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした
後、これにシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混
合懸濁液を加えて糖衣錠をそれぞれ作製した。
対して結晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシ
ウム3部を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした
後、これにシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混
合懸濁液を加えて糖衣錠をそれぞれ作製した。
【0072】製剤例5 構造式[I−A]で表される化合物又は構造式[I−
B]で表される化合物の2ナトリウム塩(これらの化合
物は、各々の化合物と2等量の水酸化ナトリウム溶液と
をエタノール中で混合することにより調製した。)0.
6部、非イオン系界面活性剤2.4部及び生理的食塩水
97部を加温混合してからアンプルに入れ、滅菌を行な
って注射剤をそれぞれ作製した。
B]で表される化合物の2ナトリウム塩(これらの化合
物は、各々の化合物と2等量の水酸化ナトリウム溶液と
をエタノール中で混合することにより調製した。)0.
6部、非イオン系界面活性剤2.4部及び生理的食塩水
97部を加温混合してからアンプルに入れ、滅菌を行な
って注射剤をそれぞれ作製した。
【0073】
【発明の効果】本発明の化合物は、水に対する溶解性が
高く、又、低濃度にて腫瘍細胞に対して強い増殖抑制効
果を有し、医薬の分野で癌の治療剤として有用である。
高く、又、低濃度にて腫瘍細胞に対して強い増殖抑制効
果を有し、医薬の分野で癌の治療剤として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/20 (C12N 1/20 A C12R 1:465) C12R 1:465) (C12P 15/00 (C12P 15/00 C12R 1:465) C12R 1:465) (72)発明者 平山 美央子 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 小尻 勝久 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 Fターム(参考) 4B064 AE41 CA04 CE08 DA05 4B065 AA50X AC14 BA22 BD16 CA15 CA34 CA44 4C206 AA01 AA02 AA03 AA04 JA02 MA01 MA04 NA05 ZB26 4H006 AA01 AA03 AB28
Claims (7)
- 【請求項1】 構造式[I] 【化1】 [式中、Rは−CH=CH−又は−CH2−CH2−を示
す。]で表される化合物又はその薬学的に許容される
塩。 - 【請求項2】 ストレプトミセス(Streptomy
ces)属に属し、請求項1に記載の構造式[I]で表
される化合物を産生する能力を有する微生物を培養し、
得られた培養物から構造式[I]で表される化合物を採
取することを特徴とする、構造式[I]で表される化合
物の製造法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の構造式[I]で表され
る化合物を産生する能力を有する微生物が、ストレプト
ミセス エスピー A57806(Streptomy
ces sp.A57806)又はその変異株である請
求項2に記載の製造法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の構造式[I]で表され
る化合物を有効成分とする抗腫瘍剤。 - 【請求項5】 請求項1に記載の構造式[I]で表され
る化合物を含有する医薬組成物。 - 【請求項6】 請求項1に記載の構造式[I]で表され
る化合物を産生する能力を有することを特徴とするスト
レプトミセス(Streptomyces)属に属する
微生物。 - 【請求項7】 ストレプトミセス(Streptomy
ces)属に属する微生物が、ストレプトミセス エス
ピー A57806(Streptomyces s
p.A57806)又はその変異株である請求項6に記
載の微生物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000369668A JP2002173477A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 抗腫瘍性物質及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000369668A JP2002173477A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 抗腫瘍性物質及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002173477A true JP2002173477A (ja) | 2002-06-21 |
Family
ID=18839673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000369668A Pending JP2002173477A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 抗腫瘍性物質及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002173477A (ja) |
-
2000
- 2000-12-05 JP JP2000369668A patent/JP2002173477A/ja active Pending
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