JPH06298752A - 抗腫瘍性物質be−26668及びその製造法 - Google Patents

抗腫瘍性物質be−26668及びその製造法

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JPH06298752A
JPH06298752A JP11411593A JP11411593A JPH06298752A JP H06298752 A JPH06298752 A JP H06298752A JP 11411593 A JP11411593 A JP 11411593A JP 11411593 A JP11411593 A JP 11411593A JP H06298752 A JPH06298752 A JP H06298752A
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compound
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methanol
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microorganism
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JP11411593A
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English (en)
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Takayoshi Okabe
隆義 岡部
Hidetoshi Ogino
秀敏 荻野
Masatake Kamiya
正剛 神谷
Akira Okuyama
彬 奥山
Hiroyuki Suda
寛之 須田
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 構造式 【化1】 で表される化合物、その製法及びその用途並びに新規微
生物シュードロビラルダ・エスピー(Pseudoro
billarda sp.)に関する。 【効果】 本発明の化合物はカゼイン・キナーゼIIに
対する顕著な酵素阻害活性を示し、抗腫瘍剤として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬の分野で有用であ
り、さらに詳細には蛋白質リン酸化酵素を阻害し、制癌
効果を発揮する新規化合物、その製法及びその用途並び
に新規微生物シュードロビラルダ・エスピー(Pseu
dorobillarda sp.)に関する。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野では、ブレオマイシン
(Bleomycin)及びアドリアマイシン(Adr
iamycin)等の多くの微生物代謝産物を臨床的に
応用することが試みられ、またこれらは実際に臨床にお
いて使用されている。しかしながら、様々な腫瘍に対し
てその効果は必ずしも充分ではなく、また臨床上これら
の薬剤に対する腫瘍細胞の耐性現象が明らかにされるに
つれ、その臨床的応用性は複雑化している[第47回日
本癌学会総会記事、12頁〜15頁(1988年)参
照]。
【0003】近年、細胞増殖関連酵素の研究が進み、蛋
白質リン酸化酵素が細胞増殖シグナルを細胞外から核内
に伝える上で重要な働きをすることが明らかになってき
た。細胞増殖シグナル伝達に係わる蛋白質リン酸化酵素
の一つとして、カゼイン・キナーゼII(casein
kinase II)は、そのリン酸化活性により癌
原遺伝子c−fosの発現を誘導し、細胞周期の進行を
促すことが示唆されている[セシール・ガウジャー−ル
ビエールら(C▲e▼cile Gauthier−R
ouvi▲e▼re et al);ジ・エムボ・ジャ
ーナル(TheEMBO Journal)10巻,2
921〜2930頁,1991年]。
【0004】一方、カゼイン・キナーゼIIの特異的な
阻害剤の代表例としては、ヘパリンが知られている[ジ
ー・エム・ハーサウェイら(G.M.Hathaway
et al);ジャーナル・オブ・バイオロジカル・
ケミストリー(J.Biol.Chem.)255巻、
8038〜8041頁,1980年]。しかしながら、
本発明のように低分子量の化合物を有効成分とする特異
的なカゼイン・キナーゼII阻害剤についての報告はな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、既存の制癌物質が充分に効果を発揮できな
い種類の癌に対して有効性を有する物質を微生物代謝産
物中に探索し、カゼイン・キナーゼIIを特異的に阻害
する低分子量の物質を見い出すことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、ブタ睾丸より精製したカゼイン・キナー
ゼIIを酵素とし、カゼインを基質として、カゼイン・
キナーゼIIの阻害活性を有する物質について微生物代
謝物を広くスクリーニングした結果、後記構造式[I]
で表される化合物が優れたカゼイン・キナーゼII阻害
作用を示すことを見い出して本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、新規な構造式
【0008】
【化4】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩、その
製法及びその用途並びに構造式[I]の化合物を産生す
る能力を有するシュードロビラルダ(Pseudoro
billarda)属に属する微生物に関するものであ
る。
【0009】次に、本明細書で言及される各種の用語及
び定義について説明する。
【0010】構造式[I]の化合物は、その抗腫瘍性効
果及び産生菌株(F26668株)に因んで、抗腫瘍性
物質BE−26668と命名された。
【0011】以下に、本発明化合物の理化学的性状を示
す。BE−26668の理化学的性状 性状:淡黄色固体 分子式:C13105 マススペクトル:高分解能FAB−MS;m/z 24
7.0577[M+H]+ UVスペクトル:λ[MeOH,max,nm(ε)]
272(18,500),348(4,930) IRスペクトル νmax(KBr,cm-1):316
6,1728,1638,1506,1476,143
7,1392,1296,1203,1161,9841 H−NMRスペクトル(300MHz,(CD32
O,δppm):2.77(3H,s),3.93(3
H,s),6.46(1H,s),6.84(1H,
s)13 C−NMRスペクトル(100MHz,(CD32
O,δppm):21.9,55.4,98.0,9
9.3,111.0,118.4,125.4,13
3.4,138.2,147.0,155.8,15
8.1,165.2 溶解性:アセトン、メタノール、酢酸エチルに溶け易
く、クロロホルム、水に溶け難い。ヘキサンに不溶であ
る。
【0012】酸性、中性、塩基性物質の区別:酸性物質 Rf値:0.43(メルク社製キーゼルゲル60F254
使用,展開溶媒:クロロホルム/メタノール(10:
1)) 呈色反応:ヨウ素反応 陽性 りんモリブデン酸反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 次に、BE−26668の製造法を説明する。
【0013】本発明者らは、BE−26668を群馬県
和田峠の山林土壌より分離された分生子果不完全菌綱に
属するかびの一種F26668株の培養物より単離し
た。
【0014】以下にこの生産菌の菌学的性状を説明す
る。 1.形態 分生子殻は、球形から亜球形、黒色で、隔壁は、比較的
薄く、そのサイズは200−400×200−280μ
mである。分生子形成細胞は、透明、円筒状の細胞で、
分生子柄はない。分生子は、無色からオリーブ色、楕円
形の2細胞性胞子で、その一端に3本に分枝した付属糸
を持つ。分生子のサイズは、9.2−13.1(−1
6.9)×2.7−3.9μm、付属糸の長さは、1
9.3−29.3μmである。また、分生子細胞内には
油滴が見られる。 2.各種寒天平板培地における培養性状 各種寒天培地を用い、F26668株を25℃で7日間
培養した場合の生育的特徴を第1表に示す。表中の色は
メツエンハンドブックオブカラー[(Methuen
Handbook of Colour)第3版,19
84年]による色名を基準にした。
【0015】
【表1】 いずれの培地でも分泌液は認められない。また、いずれ
の培地でも分生子殻は形成されるが、バレイショニンジ
ン寒天培地上での分生子形成が最も良好である。 3.生理的、生態的性質 最適生育条件 本菌株の至適生育温度は、24〜27℃の範囲であり、
至適生育pHは6.5〜7.5の範囲である。 生育の範囲 本菌株は、9〜31℃の温度範囲及び4.8〜8.3の
pH範囲で生育可能である。
【0016】以上の結果より、本菌株をシュードロビラ
ルダ フラグミティス(Pseudorobillar
da phragmitis)と同定し、シュードロビ
ラルダ フラグミティス(Pseudorobilla
rda phragmitis) F26668と命名
した[ブリアン シー サットン(Brian C.S
atton)著、ザ コエロミセテス(The Coe
lomycetes)1980年、シー エム アイ
キュー(CMI Kew)社出版 414頁参照]。
【0017】なお、本菌株は通商産業省工業技術院微生
物工業技術研究所に寄託されており、その微工研受託番
号は、微工研菌寄第13325号(FERM P−13
325)である。
【0018】本発明で使用される微生物は、シュードロ
ビラルダ属に属し、抗腫瘍性物質BE−26668を産
生する能力を有する真菌であればいずれのものでもよい
が、好ましくはシュードロビラルダ・エスピー F26
668又はその変異株が挙げられる。該変異株として
は、例えばX線若しくは紫外線等の照射処理、例えばナ
イトロジェン・マスタード、アザセリン、亜硝酸、2−
アミノプリン若しくはN−メチル−N’−ニトロ−N−
ニトロソグアニジン(NTG)等の変異誘起剤による処
理、ファージ接触、形質転換、形質導入又は接合等の通
常用いられる菌種変換処理方法等によりBE−2666
8産生菌を変異させた微生物が挙げられる。
【0019】本発明のBE−26668は、BE−26
668の生産菌株F26668株又はその変異株を栄養
源含有培地に接種して好気的に培養させることにより、
その培養液及びその菌体からBE−26668を採取
し、要すれば薬学的に許容しうる塩とすることにより製
造することができる。
【0020】栄養源としては、放線菌の栄養源として公
知のものが使用でき、炭素源としては、例えば市販され
ているブドウ糖、グリセリン、麦芽糖、デンプン、庶
糖、糖蜜、デキストリン等が単独又は混合物として用い
られる。窒素源としては、例えば市販されている大豆
粉、コーングルテンミール、コーンスティープリカー、
肉エキス、脱脂肉骨粉、ミートミール、酵母エキス、乾
燥酵母、綿実粉、ペプトン、小麦胚芽、脱脂米糠、魚
粉、無機アンモニウム塩、硝酸ナトリウム等が単独又は
混合物として用いられる。無機塩としては、例えば市販
されている炭酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化ナト
リウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシ
ウム、各種リン酸塩等が単独又は混合物として使用する
ことができる。その他要すれば、鉄、マンガン、コバル
ト、モリブデン、銅、亜鉛等の重金属塩を微量添加して
もよい。また、発泡の著しい時には、消泡剤として、例
えば大豆油、亜麻仁油等の植物油、例えばオクタデカノ
ール等の高級アルコール類、各種シリコン化合物等を適
宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌が
利用し、BE−26668の生産に役立つものを適宜使
用することができ、例えば3−(N−モルホリノ)プロ
パンスルホン酸、ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。
【0021】培養方法は、一般の微生物代謝産物の生産
方法と同様に行うことができ、固体培養でも液体培養で
もよい。液体培養の場合は、静置培養、撹拌培養、振盪
培養、通気培養等のいずれの培養方法を実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気撹拌培養等が好ましい。
培養温度は9℃〜31℃が適当であるが、好ましくは2
5℃〜30℃である。培地のpHは4〜9の範囲、好ま
しくは4〜8で、培養時間は48時間〜192時間、好
ましくは72時間〜144時間である。
【0022】培養液及び菌体から目的とするBE−26
668を採取するには、微生物の生産する代謝物の培養
物から採取するのに通常使用される分離手段が適宜利用
される。BE−26668は培養濾液中及び菌体中、主
に菌体中に存在するので、培養濾液又は菌体より通常の
分離手段、例えば溶媒抽出法、イオン交換樹脂法、吸着
又は分配クロマトグラフィー法、ゲル濾過法等を単独又
は組合せて行うことにより精製することができる。また
高速液体クロマトグラフィーや薄層クロマトグラフィー
なども抽出精製に適宜利用可能である。
【0023】好ましい分離−精製の例としては次の方法
が挙げられる。まず培養液を濾過し、菌体を得る。得ら
れた菌体からメタノール又はアセトン等の有機溶媒を用
いて抽出する。抽出液を留去して得られた残渣を酢酸エ
チルに溶解し、酸性水で洗った後、濃縮する。ここで得
られた粗物質をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール)、次いでゲル濾過カラムクロマト
グラフィー(メタノール)に付せば、BE−26668
の淡黄色固体を得ることができる。
【0024】次に、本発明の化合物の有用性を示すため
に、本発明化合物のカゼイン・キナーゼIIに対する酵
素阻害活性を測定した。BE−26668の酵素阻害活性 50mMモップス(MOPS)(pH7.5)、0.1
M塩化ナトリウム、5mM塩化マグネシウム、2mg/
mlカゼイン、50μM ATP及び0.1μCi[γ
32P]ATPよりなる基質液(30μl)に検液3.
3μl及びブタ睾丸より精製したカゼイン・キナーゼI
I酵素液0.5μlを加え、37℃で30分間反応させ
た後、350mMリン酸10μlを加え反応を停止し
た。反応液をP81イオン交換濾紙(ワットマン社製)
に吸着させ、濾紙を75mMリン酸で4回洗浄した後、
アセトンに浸し、脱水してから乾燥した。乾燥後、濾紙
に吸着した放射活性を液体シンチレーション・カウンタ
ーで測定した。
【0025】その結果、BE−26668のカゼイン・
キナーゼIIに対する50%阻害濃度(IC50)は37
ng/mlであった。
【0026】上記の結果より、本発明化合物は、カゼイ
ン・キナーゼIIに特異的でかつ顕著な酵素阻害活性を
示す。従って本発明化合物はヒトをはじめとする哺乳動
物の腫瘍の治療剤として期待される。
【0027】本発明化合物の治療効果が期待される好適
な腫瘍としては、例えばヒトの大腸癌等が挙げられる。
【0028】本発明化合物は、抗腫瘍剤として使用され
る場合には、その薬学的に許容しうる塩としても使用す
ることができる。薬学的に許容しうる塩の典型例として
は、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との
塩等を挙げることができる。
【0029】本発明の化合物の薬学的に許容しうる塩の
製造法は、有機合成化学分野で通常用いられる方法を適
宜組み合わせて行うことができる。具体的には、本発明
化合物の遊離型の溶液をアルカリ溶液で中和滴定するこ
と等が挙げられる。
【0030】本発明化合物を抗腫瘍剤として使用する際
の投与形態としては各種の形態を選択でき、例えば錠
剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤等の経口剤、例え
ば溶液、懸濁液等の殺菌した液状の非経口剤等が挙げら
れる。
【0031】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。該
添加物としては、例えば乳糖、ブドウ糖等の糖類、例え
ばトウモロコシ、小麦、米等の澱粉類、例えばステアリ
ン酸等の脂肪酸、例えばメタケイ酸ナトリウム、アルミ
ン酸マグネシウム、無水リン酸カルシウム等の無機塩、
例えばポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコー
ル等の合成高分子、例えばステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩、例えばステアリ
ルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、
例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース等の合成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチ
ン、タルク、植物油、アラビアゴム等通常用いられる添
加物等が挙げられる。
【0032】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末
等の固形製剤は、一般的には0.1〜100重量%、好
ましくは5〜100重量%の有効成分を含むことができ
る。
【0033】液状製剤は、水、アルコール類又は例えば
大豆油、ピーナツ油、ゴマ油等の植物由来の油等液状製
剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁
液、シロップ剤、注射剤等の形態として製造することが
できる。
【0034】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈内注
射、皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例
えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉内注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム等
の水溶液)、電解質溶液(例えば点滴静注、静脈内注射
用)等又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0035】又、これらの注射剤は予め溶解したものの
他、粉末のまま又は適当な添加物を加えたものを用時溶
解する形態もとることができる。これらの注射液は、通
常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有効
成分を含むことができる。
【0036】又、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤等の
液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含むことがで
きる。
【0037】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位及び患者の病状に
よって適宜増減することができる。例えば、一日当りの
成人一人当りの投与量は、経口投与の場合、10ないし
500mgであり、非経口投与、好ましくは静脈内注射
の場合、1日当り10ないし100mgである。なお、
投与回数は、投与方法及び症状により異なるが、単回又
は2ないし5回に分けて投与することができる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではなく、実施例の修飾手段はもちろん、本発明によ
って明らかにされたBE−26668の性状に基づい
て、公知の手段を用いてBE−26668を生産、濃
縮、抽出、精製する方法すべてを包含する。実施例1 斜面寒天培地に培養した真菌F26668株をポリペプ
トン0.3%、グルコース1%、小麦胚芽1.0%、グ
ルテンミール0.5%、麦芽エキス0.3%、マルトー
ス3.0%、塩化ナトリウム0.2%、硝酸ナトリウム
0.1%、リン酸一カリウム0.1%、硫酸マグネシウ
ム0.05%、硫酸第一鉄0.0002%、塩化第二銅
0.00004%、塩化マンガン0.00004%、塩
化コバルト0.00004%、硫酸亜鉛0.00008
%、ホウ酸ナトリウム0.00008%及びモリブデン
酸アンモニウム0.00024%からなる培地(pH
6.0)100mlを含む500ml容の三角フラスコ
5本に接種し、28℃で96時間、回転振盪機(毎分1
80回転)上で培養した。この培養液を2mlずつ、上
記の培地を100ml含む500ml容の三角フラスコ
195本に接種し、28℃で72時間、回転振盪機(毎
分180回転)上で培養した。
【0039】得られた培養液(約19L)を90℃で1
0分間加熱処理した後、リン酸を加えpH3に調整後、
濾過法により濾過し、得られた菌体にアセトン(12
L)を加え室温で1時間撹拌した。濾過法によってアセ
トン抽出液を得た。アセトン抽出液を減圧下に濃縮し、
アセトンを除去し、得られた濃縮液(約3.2L)をリ
ン酸でpHを3に調整した後、酢酸エチル2Lで抽出し
た。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し
た後、濃縮乾固した。残渣をクロロホルム250mlに
溶解し、濾過法により不溶物を除去した。濾液を200
gのシリカゲル(メルク社製キーゼルゲル60)のカラ
ムに吸着させ、クロロホルムでカラムを洗浄した後、ク
ロロホルム/メタノール(20:1)の混液で溶出し
た。BE−26668を含む分画を集め、濃縮乾固し、
得られた粗物質をメタノール10mlに溶解し、セファ
デックスLH−20(ファルマシア社製)のカラム
(2.0×95cm)に付し、メタノールで展開した。
BE−26668を含む分画を集め、濃縮乾固すること
により、3.5mgのBE−26668を得た。
【0040】以下に本発明の化合物の製剤化例を示す
が、本発明の化合物の製剤化は、本製剤化例に限定され
るものではない。製剤化例1 本物質(BE−26668) 10(部) 重質酸化マグネシウム 15 乳糖 75 を均一に混合して350μm以下の粉末状又は細粒状の
散剤とする。この散剤をカプセル容器に入れてカプセル
剤とした。製剤化例2 本物質(BE−26668) 45(部) 澱粉 15 乳糖 16 結晶性セルロース 21 ポリビニルアルコール 3 蒸留水 30 を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別
して1410〜177μmの大きさの顆粒剤とした。製剤化例3 製剤化例2と同様の方法で顆粒剤を作った後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム4部を加えて
圧縮成形し、直径10mmの錠剤を作製した。 製剤化例 4 製剤化例2の方法で得られた顆粒剤の90部に対して結
晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部
を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これ
にシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液
を加えて糖衣錠を作製した。製剤化例5 本物質(BE−26668) 0.6(部) 非イオン系界面活性剤 2.4 生理的食塩水 97 を加温混合してからアンプルに入れ、滅菌を行って注射
剤を作製した。
【0041】
【発明の効果】本発明のBE−26668は、カゼイン
・キナーゼIIに対して、顕著な蛋白質リン酸化酵素阻
害活性を示すことから、医薬の分野で抗腫瘍剤として有
用である。
フロントページの続き (72)発明者 奥山 彬 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造式 【化1】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  2. 【請求項2】シュードロビラルダ(Pseudorob
    illarda)属に属し、構造式[I]の化合物を産
    生する能力を有する微生物又はその変異株を培養し、そ
    の培養液及びその菌体から構造式[I]の化合物を採取
    し、要すれば薬学的に許容しうる塩とすることを特徴と
    する、構造式 【化2】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩の製
    法。
  3. 【請求項3】微生物又はその変異株が、シュードロビラ
    ルダ・エスピー F26668(Pseudorobi
    llarda sp.F26668)である請求項2記
    載の製法。
  4. 【請求項4】構造式 【化3】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を有効
    成分とする抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】構造式[I]の化合物を産生する能力を有
    するシュードロビラルダ(Pseudorobilla
    rda)属に属する微生物又はその変異株。
  6. 【請求項6】微生物が、シュードロビラルダ・エスピー
    F26668(Pseudorobillarda
    sp.F26668)である請求項5記載の微生物又は
    その変異株。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007048066A3 (en) * 2005-10-21 2007-06-28 Exelixis Inc Pyrazolo-pyrimidines as casein kinase ii (ck2) modulators

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