JP2546239B2 - 新規物質オバリシン - Google Patents
新規物質オバリシンInfo
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- JP2546239B2 JP2546239B2 JP22453586A JP22453586A JP2546239B2 JP 2546239 B2 JP2546239 B2 JP 2546239B2 JP 22453586 A JP22453586 A JP 22453586A JP 22453586 A JP22453586 A JP 22453586A JP 2546239 B2 JP2546239 B2 JP 2546239B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ovalicin
- iii
- myxococcus
- methanol
- bacterium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はミキソコッカス属の新菌種ミキソコッカス・
フラベセンス(Myxococcus flavescens)、この微生物
によって生産されるマクロサイクリック・ラクタム・ラ
クトン系の新規物質オバリシン(I)、(II)、(II
I)及びこれらの製造方法に関する。
フラベセンス(Myxococcus flavescens)、この微生物
によって生産されるマクロサイクリック・ラクタム・ラ
クトン系の新規物質オバリシン(I)、(II)、(II
I)及びこれらの製造方法に関する。
従来、各種の抗生物質が知られているが、その1系列
として、マクロサイクリック・ラクタム・ラクトン系抗
生物質がある。本抗生物質生産菌としてはミキソコッカ
ス・キサンタス(Myxococcus xanthus),ミキソコッカ
ス・ビレセンス(Myxococcus virescens)が知られてい
るが、本発明の微生物は寒天培地中ならびに液体培地中
に淡黄色の菌体外色素を生成する点でこれらと異なる新
規微生物である。
として、マクロサイクリック・ラクタム・ラクトン系抗
生物質がある。本抗生物質生産菌としてはミキソコッカ
ス・キサンタス(Myxococcus xanthus),ミキソコッカ
ス・ビレセンス(Myxococcus virescens)が知られてい
るが、本発明の微生物は寒天培地中ならびに液体培地中
に淡黄色の菌体外色素を生成する点でこれらと異なる新
規微生物である。
また、マクロサイクリック・ラクタム・ラクトン系抗
生物質としては、アンチビオティックTA(Antibiotic T
A,J.Antibiotics 35,788(1982)),ミキソビレシンA,
B,C,D,E(Myxovirescin A,B,C,D,E,特公昭58−50063
7),アンチビオティックM−230B(Antibiotic M−230
B,J.Antibiotics 37,13(1984))が知られているが、
本物質は前記物質と分子量,化学構造が異なり新規物質
である。
生物質としては、アンチビオティックTA(Antibiotic T
A,J.Antibiotics 35,788(1982)),ミキソビレシンA,
B,C,D,E(Myxovirescin A,B,C,D,E,特公昭58−50063
7),アンチビオティックM−230B(Antibiotic M−230
B,J.Antibiotics 37,13(1984))が知られているが、
本物質は前記物質と分子量,化学構造が異なり新規物質
である。
〔発明が解決しようとする問題点〕 従来知られている抗生物質は薬剤耐性菌の出現などの
問題があり、抗菌スペクトルの改善などを求めて、新し
い抗生物質の出現が望まれている。また、マクロサイク
リック・ラクタム・ラクトン系抗生物質についてはミキ
ソビレシンA1ならびにミキソビレシンBの構造が明らか
になっているに過ぎない。他の成分については構造も明
らかでなく、その上生物活性については純粋に単離され
た物質でまったく検討されていない点で医薬に応用する
上で産業上問題があった。
問題があり、抗菌スペクトルの改善などを求めて、新し
い抗生物質の出現が望まれている。また、マクロサイク
リック・ラクタム・ラクトン系抗生物質についてはミキ
ソビレシンA1ならびにミキソビレシンBの構造が明らか
になっているに過ぎない。他の成分については構造も明
らかでなく、その上生物活性については純粋に単離され
た物質でまったく検討されていない点で医薬に応用する
上で産業上問題があった。
本発明が解決しようとする問題点は、新規微生物並び
にその微生物によって生産される抗菌作用,毒性および
抗菌スペクトルを改良した新規マクロサイクリック・ラ
クタム・ラクトン系抗生物質、これらの製造方法および
これらを有効成分とする新しい抗菌剤を提供することに
ある。
にその微生物によって生産される抗菌作用,毒性および
抗菌スペクトルを改良した新規マクロサイクリック・ラ
クタム・ラクトン系抗生物質、これらの製造方法および
これらを有効成分とする新しい抗菌剤を提供することに
ある。
本発明を概説すれば、本微生物の第1の発明は新規微
生物ミキソコッカス・フラベセンスに関する発明であっ
て、本発明は以下に記す性質を有する。
生物ミキソコッカス・フラベセンスに関する発明であっ
て、本発明は以下に記す性質を有する。
本菌は天然界の土壌を採取しフルーティングボディー
を作る条件下で培養してフルーティングボディーを作ら
せたフルーティングボディーはストークを持たないもの
であった。このフルーティングボディーより糖類、カジ
トン等を含む培地上でコロニーを作る菌を分離してコロ
ニー分離法により純化した。
を作る条件下で培養してフルーティングボディーを作ら
せたフルーティングボディーはストークを持たないもの
であった。このフルーティングボディーより糖類、カジ
トン等を含む培地上でコロニーを作る菌を分離してコロ
ニー分離法により純化した。
この菌は上記培地上でもフルーティングボディー様の
形態を示した。このことから本菌はMyxobocterialesの
ものと判定される。
形態を示した。このことから本菌はMyxobocterialesの
ものと判定される。
本菌の栄養細胞はグラム染色法では陰性の桿状の菌で
培養後期になるとミクロシストを形成した栄養細胞の大
きさは幅0.5〜0.9μ,長さ5〜10μであり、ミクロシス
トの大きさは2.5μ×2.5μのほぼ球形であった。本コロ
ニーの色は淡黄色でフルーティングボディー様のものの
色は濃いオレンジ色であった。本菌は寒天培地中ならび
に液体培地中に淡黄色の菌体外色素を生成した。
培養後期になるとミクロシストを形成した栄養細胞の大
きさは幅0.5〜0.9μ,長さ5〜10μであり、ミクロシス
トの大きさは2.5μ×2.5μのほぼ球形であった。本コロ
ニーの色は淡黄色でフルーティングボディー様のものの
色は濃いオレンジ色であった。本菌は寒天培地中ならび
に液体培地中に淡黄色の菌体外色素を生成した。
生化学的性質としては本菌はセルロースの分解能をも
たないが細菌,酵素等の微生物を溶解する作用を示し
た。
たないが細菌,酵素等の微生物を溶解する作用を示し
た。
以上の形態的、生化学的知見から本菌はミクソコッカ
ス属のものと考えられる。(Bergey′s Manual of Dete
rminative Bacteriology第8版及びStudies on the Tax
onomy of the Myxobacteriales.Canadian Journal of M
icrobiology(15巻1453頁〜,1969年)に準拠) 種としてはミクソコッカス・ヴィレッセンスThaxter
1892,又ミクソコッカス・キサンタスBeeke 1941,に類似
点を持つが本分離菌が菌体外色素を産生することからミ
クソコッカス・キサンタスは除去される。又本菌は淡黄
色の菌体外色素を産生するがミクソコッカス・ヴィレッ
センスは緑色の色素を産生する。
ス属のものと考えられる。(Bergey′s Manual of Dete
rminative Bacteriology第8版及びStudies on the Tax
onomy of the Myxobacteriales.Canadian Journal of M
icrobiology(15巻1453頁〜,1969年)に準拠) 種としてはミクソコッカス・ヴィレッセンスThaxter
1892,又ミクソコッカス・キサンタスBeeke 1941,に類似
点を持つが本分離菌が菌体外色素を産生することからミ
クソコッカス・キサンタスは除去される。又本菌は淡黄
色の菌体外色素を産生するがミクソコッカス・ヴィレッ
センスは緑色の色素を産生する。
以上の特徴を考えると本菌はミクソコッカス・ヴィレ
ッセンスのものではなくて新規な微生物と判断される。
ッセンスのものではなくて新規な微生物と判断される。
本菌を以上の知見を総合してミキソコッカス・フラベ
センスFERM P−8926(Myxococcus flavescens nov s
p.)と命名した。
センスFERM P−8926(Myxococcus flavescens nov s
p.)と命名した。
第2の発明は新規抗生物質オバリシン(I)に関す
る。第3の発明は新規抗生物質オバリシン(II)に関す
るものである。
る。第3の発明は新規抗生物質オバリシン(II)に関す
るものである。
第4の発明は新規抗生物質オバリシン(III)に関す
るものである。
るものである。
第5の発明はミキソコッカス属に属する微生物を用い
るオバリシン(I),(II),(III)の製造法に関す
るものである。
るオバリシン(I),(II),(III)の製造法に関す
るものである。
オバリシン(I),(II)並びにオバリシン(III)
を製造する方法は本発明の第1の発明であるミキソコッ
カス属に属しオバリシン(I),(II)並びに(III)
を生産する能力を有する微生物を培養し生成蓄積された
オバリシン(I),(II)並びに(III)を培養液及び
菌体より採取すれば良い。
を製造する方法は本発明の第1の発明であるミキソコッ
カス属に属しオバリシン(I),(II)並びに(III)
を生産する能力を有する微生物を培養し生成蓄積された
オバリシン(I),(II)並びに(III)を培養液及び
菌体より採取すれば良い。
これら微生物を用いてオバリシン(I),(II)並び
に(III)を培養液中に生成蓄積せしめるには炭素源、
窒素源、無機イオン等を含有する通常の培地を用い、常
法により培養すれば良い。炭素源としてはグルコース,
フラクトース,マルトース,ラフィノース,ラムノー
ス,グリセロール,キシロース,ラクトース,シューク
ロース,スターチ等の糖類、エタノール,ソルビトール
等のアルコール,酢酸等の有機酸が使用できる。窒素源
としてはアンモニウムイオンのほか、アミノ酸,蛋白
質,及びこれらを含有する酵母エキス,カゼイン加水分
解物等が使用できる。培地には必要によりカリイオン,
リン酸イオン,カルシウムイオン,マグネシウムイオ
ン,銅イオン,亜鉛イオン,マンガンイオン,鉄イオン
等の無機イオンを添加する。
に(III)を培養液中に生成蓄積せしめるには炭素源、
窒素源、無機イオン等を含有する通常の培地を用い、常
法により培養すれば良い。炭素源としてはグルコース,
フラクトース,マルトース,ラフィノース,ラムノー
ス,グリセロール,キシロース,ラクトース,シューク
ロース,スターチ等の糖類、エタノール,ソルビトール
等のアルコール,酢酸等の有機酸が使用できる。窒素源
としてはアンモニウムイオンのほか、アミノ酸,蛋白
質,及びこれらを含有する酵母エキス,カゼイン加水分
解物等が使用できる。培地には必要によりカリイオン,
リン酸イオン,カルシウムイオン,マグネシウムイオ
ン,銅イオン,亜鉛イオン,マンガンイオン,鉄イオン
等の無機イオンを添加する。
培養は好気的条件下で行うのが良くpH4から9の範囲
の適当なpHに調節しつつ培養すればより好ましい結果が
得られる。培養温度は25℃から38℃の範囲が好ましい。
の適当なpHに調節しつつ培養すればより好ましい結果が
得られる。培養温度は25℃から38℃の範囲が好ましい。
オバリシンを単離精製する方法は培養液より水に混和
しないブタノール,酢酸エチル等の有機溶媒による溶媒
抽出法、培養液より遠心分離により回収した菌体よりメ
タノール,エタノール,アセトン等の有機溶媒による抽
出法、シリカゲル,ダイヤイオンHP−20等の吸着クロマ
トグラフィー,トヨパールHW−40クロマトグラフィー,
マイクロボンダパックC18,リクロソルブRP−8等の逆相
分配クロマトグラフィー等の通常の構成物質の分離、精
製に使用できる方法が適用できる。
しないブタノール,酢酸エチル等の有機溶媒による溶媒
抽出法、培養液より遠心分離により回収した菌体よりメ
タノール,エタノール,アセトン等の有機溶媒による抽
出法、シリカゲル,ダイヤイオンHP−20等の吸着クロマ
トグラフィー,トヨパールHW−40クロマトグラフィー,
マイクロボンダパックC18,リクロソルブRP−8等の逆相
分配クロマトグラフィー等の通常の構成物質の分離、精
製に使用できる方法が適用できる。
かくして得られたオバリシン(I),(II)並びに
(III)は80%アセトニトリルを展開溶媒としてワット
マンKC18F逆相分配薄層クロマトグラフィーを行うとRf
値0.18と0.44並びに0.16にそれぞれ単一紫外部吸収を有
するスポットを与える。以下にオバリシン(I),(I
I)並びに(III)の性質を示す。
(III)は80%アセトニトリルを展開溶媒としてワット
マンKC18F逆相分配薄層クロマトグラフィーを行うとRf
値0.18と0.44並びに0.16にそれぞれ単一紫外部吸収を有
するスポットを与える。以下にオバリシン(I),(I
I)並びに(III)の性質を示す。
(イ)形 状: オバリシン(I)無色針状結晶 オバリシン(II)白色粉末 オバリシン(III)白色粉末 (ロ)分子量: オバリシン(I)607(FABMS法によった。)第1図に示
す。
す。
オバリシン(II)593(FABMS法によった。)第2図に示
す。
す。
オバリシン(III)609(FABMS法によった。)第3図に
示す。
示す。
(ハ)紫外線吸収スペクトル: オバリシン(I)第4図に示す通り。
オバリシン(II)第5図に示す通り。
オバリシン(III)第6図に示す通り。
(ニ)1H−NMRスペクトル: オバリシン(I)第7図に示す通り。
オバリシン(II)第8図に示す通り。
オバリシン(III)第9図に示す通り。
(ホ)13H−NMRスペクトル: オバリシン(I)第1表に示す通り。
オバリシン(II)第2表に示す通り。
オバリシン(III)第3表に示す通り。
(ヘ)溶解性: オバリシン(I),(II)並びに(III)ともにメタ
ノール,エタノール,ジクロロメタン,クロロホルムに
可溶。水,ヘキサンに難溶。
ノール,エタノール,ジクロロメタン,クロロホルムに
可溶。水,ヘキサンに難溶。
(ト)オバリシン(I),(II)並びに(III)ともに
抗菌活性を有する。
抗菌活性を有する。
第1表,第2表および第3表はオバリシン(I),
(II)およびオバリシン(III)の13C−NMRスペクトル
(重クロロホルム中)である。s(一重線),d(二重
線),t(三重線),q(四重線)はオフレゾナンスデカッ
プリング法における各シグナルの多重度を示している。
(II)およびオバリシン(III)の13C−NMRスペクトル
(重クロロホルム中)である。s(一重線),d(二重
線),t(三重線),q(四重線)はオフレゾナンスデカッ
プリング法における各シグナルの多重度を示している。
実施例1 (1)オバリシン(I),(II)およびオバリシン(II
I)の製造例 第4表に示した培地Aの200mlを500ml容肩付フラスコ
に入れ殺菌した。ミキソコッカス・フラベセンスFERM P
−8926(AJ12298)を接種し27℃で5日間培養し、一次
種母液を得た。一方第4表の培地0.9を5容フラス
コに入れ殺菌した。これに一次種母液0.1を接種し27
℃で5日間培養し二次種母液を得た。次いで第4表に示
した培地の10を50容発酵槽に入れ殺菌した。これに
二次種母液1を接種し27℃で48時間培養し、三次種母
液を得た。
I)の製造例 第4表に示した培地Aの200mlを500ml容肩付フラスコ
に入れ殺菌した。ミキソコッカス・フラベセンスFERM P
−8926(AJ12298)を接種し27℃で5日間培養し、一次
種母液を得た。一方第4表の培地0.9を5容フラス
コに入れ殺菌した。これに一次種母液0.1を接種し27
℃で5日間培養し二次種母液を得た。次いで第4表に示
した培地の10を50容発酵槽に入れ殺菌した。これに
二次種母液1を接種し27℃で48時間培養し、三次種母
液を得た。
第4表に示した培地A100を300容発酵槽に入れ殺
菌した。これに三次種母液10を接種し、27℃、498時
間培養し第四次種母液を得た。次いで培地A1klを1kl容
発酵槽に入れ殺菌した。これに四次種母液100を加え2
7℃で48時間培養した。得られた培養液を遠心分離して
2.6kgの菌体を得た。
菌した。これに三次種母液10を接種し、27℃、498時
間培養し第四次種母液を得た。次いで培地A1klを1kl容
発酵槽に入れ殺菌した。これに四次種母液100を加え2
7℃で48時間培養した。得られた培養液を遠心分離して
2.6kgの菌体を得た。
得られた菌体のうち2.0kgに対し、メタノール21を
加え撹拌しながら室温で2時間抽出した。吸引濾過によ
り、抽出液と菌体を分離した後菌体にメタノール16を
加え再び室温で1時間抽出し濾過した。得られたメタノ
ール抽出液を合わせこれに水15を加えた後、ダイヤイ
オンHp−20カラム(カラム体積5)に通し吸着させ
た。カラムを67%メタノール10,80%メタノール15
で順次洗浄した後100%メタノールで溶出した。メタノ
ール溶出液を100mlに減圧濃縮した後、水を1加え、
ジクロロメタン4で2回、酢酸エチル2で2回溶媒
抽出した。有機溶媒層をすべて合せ約1に減圧濃縮
し、不溶物を遠心分離にて除去した後、無水硫酸ナトリ
ウムにより乾燥した。これを減圧濃縮乾固後、ジクロロ
メタン:メタノール(15:1)を展開溶媒としてシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(カラム体積1)を行っ
た。活性画分を減圧濃縮乾固後、ローバーカラムリクロ
プレップSi60(サイズC)によるカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒;ジクロロメタン:メタノール(30:
1))を行った。活性画分を減圧濃縮乾固後、逆相シリ
カゲルLRP−1を用いた逆相分配カラムクロマトグラフ
ィー(カラム体積1、展開溶媒;アセトニトリル−水
系)を行った。展開溶媒中のアセトニトリル濃度を55
%,60%,70%,80%と順次上げて溶出したところ、オバ
リシン(II)は70%アセトニトリル区分に、オバリシン
(I)(III)は80%アセトニトリル区分に各々紫外吸
収(240nm)を有する鋭いピークとして溶出した。これ
らの画分を各々トヨパールHW−40Sカラム(カラム体積5
0ml)によるゲル濾過クロマトグラフィー(展開溶媒80
%メタノール)に付した後、減圧濃縮乾固して0.8mgの
オバリシン(II)と12.0mgのオバリシン(I)30mgのオ
バリシン(III)を得た。オバリシン(I)は、さらに
水−エタノールの系で再結を行ない7.5mgのオバリシン
(I)の結晶を得た。オバリシン(I),(II)および
オバリシン(III)は80%アセトニトリルを展開溶媒と
してワットマンKC18F逆相分配薄相クロマトグラフィー
を行うとRf値各々0.18、0.44および0.16に単一の紫外吸
収を有するスポットを与えた。
加え撹拌しながら室温で2時間抽出した。吸引濾過によ
り、抽出液と菌体を分離した後菌体にメタノール16を
加え再び室温で1時間抽出し濾過した。得られたメタノ
ール抽出液を合わせこれに水15を加えた後、ダイヤイ
オンHp−20カラム(カラム体積5)に通し吸着させ
た。カラムを67%メタノール10,80%メタノール15
で順次洗浄した後100%メタノールで溶出した。メタノ
ール溶出液を100mlに減圧濃縮した後、水を1加え、
ジクロロメタン4で2回、酢酸エチル2で2回溶媒
抽出した。有機溶媒層をすべて合せ約1に減圧濃縮
し、不溶物を遠心分離にて除去した後、無水硫酸ナトリ
ウムにより乾燥した。これを減圧濃縮乾固後、ジクロロ
メタン:メタノール(15:1)を展開溶媒としてシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(カラム体積1)を行っ
た。活性画分を減圧濃縮乾固後、ローバーカラムリクロ
プレップSi60(サイズC)によるカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒;ジクロロメタン:メタノール(30:
1))を行った。活性画分を減圧濃縮乾固後、逆相シリ
カゲルLRP−1を用いた逆相分配カラムクロマトグラフ
ィー(カラム体積1、展開溶媒;アセトニトリル−水
系)を行った。展開溶媒中のアセトニトリル濃度を55
%,60%,70%,80%と順次上げて溶出したところ、オバ
リシン(II)は70%アセトニトリル区分に、オバリシン
(I)(III)は80%アセトニトリル区分に各々紫外吸
収(240nm)を有する鋭いピークとして溶出した。これ
らの画分を各々トヨパールHW−40Sカラム(カラム体積5
0ml)によるゲル濾過クロマトグラフィー(展開溶媒80
%メタノール)に付した後、減圧濃縮乾固して0.8mgの
オバリシン(II)と12.0mgのオバリシン(I)30mgのオ
バリシン(III)を得た。オバリシン(I)は、さらに
水−エタノールの系で再結を行ない7.5mgのオバリシン
(I)の結晶を得た。オバリシン(I),(II)および
オバリシン(III)は80%アセトニトリルを展開溶媒と
してワットマンKC18F逆相分配薄相クロマトグラフィー
を行うとRf値各々0.18、0.44および0.16に単一の紫外吸
収を有するスポットを与えた。
実施例2 オバリシン(I),(II),(III)の各種微生物の
最少生育阻止濃度(MIC,μg/ml)は第5表の通りであっ
た。
最少生育阻止濃度(MIC,μg/ml)は第5表の通りであっ
た。
第1図,第2図および第3図は、オバリシン(I),
(II)およびオバリシン(III)のFABMSスペクトル(グ
リセリンマトリックス)である。 第4図,第5図および第6図は、オバリシン(I),
(II)およびオバリシン(III)の紫外吸収スペクトル
(メタノール中)である。 第7図,第8図および第9図はオバリシン(I),(I
I)およびオバリシン(III)の1H−NMRスペクトル(重
クロロホルム中)である。
(II)およびオバリシン(III)のFABMSスペクトル(グ
リセリンマトリックス)である。 第4図,第5図および第6図は、オバリシン(I),
(II)およびオバリシン(III)の紫外吸収スペクトル
(メタノール中)である。 第7図,第8図および第9図はオバリシン(I),(I
I)およびオバリシン(III)の1H−NMRスペクトル(重
クロロホルム中)である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (72)発明者 中川 弘幸 川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式 会社中央研究所内 (72)発明者 奥西 昌彦 川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式 会社中央研究所内 (72)発明者 加藤 伸朗 川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式 会社中央研究所内 (72)発明者 柴井 博四郎 川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式 会社中央研究所内 審査官 種村 慈樹
Claims (1)
- 【請求項1】下記構造式で表されるオバリシン(I)、
オバリシン(II)またはオバリシン(III)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22453586A JP2546239B2 (ja) | 1986-09-22 | 1986-09-22 | 新規物質オバリシン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22453586A JP2546239B2 (ja) | 1986-09-22 | 1986-09-22 | 新規物質オバリシン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6379585A JPS6379585A (ja) | 1988-04-09 |
JP2546239B2 true JP2546239B2 (ja) | 1996-10-23 |
Family
ID=16815320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22453586A Expired - Lifetime JP2546239B2 (ja) | 1986-09-22 | 1986-09-22 | 新規物質オバリシン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2546239B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006208036A (ja) * | 2005-01-25 | 2006-08-10 | Nippon Seiki Co Ltd | 車両用計器 |
-
1986
- 1986-09-22 JP JP22453586A patent/JP2546239B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6379585A (ja) | 1988-04-09 |
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