JPH0625095B2 - 抗生物質sf−2415物質およびその製造法 - Google Patents

抗生物質sf−2415物質およびその製造法

Info

Publication number
JPH0625095B2
JPH0625095B2 JP61192718A JP19271886A JPH0625095B2 JP H0625095 B2 JPH0625095 B2 JP H0625095B2 JP 61192718 A JP61192718 A JP 61192718A JP 19271886 A JP19271886 A JP 19271886A JP H0625095 B2 JPH0625095 B2 JP H0625095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
culture
toluene
ethyl acetate
reduced pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61192718A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6351395A (ja
Inventor
章吉 大内
修一 五味
宏臣 渡部
正 中沢
喬 庄村
正次 瀬崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP61192718A priority Critical patent/JPH0625095B2/ja
Publication of JPS6351395A publication Critical patent/JPS6351395A/ja
Publication of JPH0625095B2 publication Critical patent/JPH0625095B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は,新規な抗生物質SF−2415A1,A2,B1,B2物質
に関する。
従来の技術 従来,微生物が生産する種々の抗生物質が知られている
が,本発明による抗生物質SF−2415A1,A2,B1,B2物質
と類似の抗生物質としては,Napyradiomycin A,B1,
B2,B3,Cl及びC2[Shiomiら:J.Antibiotics39(4),
487−493(1986)及びJ.Antibiotics39(4)494−501(19
86)]が知られている。しかしSF−2415物質はこれらの
抗生物質とは理化学的性状が異なり,明確に区別され
る。
発明が解決しようとする問題点 本発明は,医療用として有用な新規抗生物質をうること
を目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明者らは,新規有用抗生物質の検索を続けた結果,
ストレプトマイセス属に属するある菌株の培養物中に優
れた抗菌力を有する新規抗生物質SF−2415物質が生産さ
れているのを見出し,本発明を完成した。
すなわち,本発明は,新規な抗生物質SF−2415A1,A2,
B1,B2物質(以下SF2415A1,A2,B1,B2物質を総称して
SF2415物質と称すことがある)及びその製造法を提供す
るものである。
以下にSF−2415A1,A2,B1,B2物質及びそれらの製造法
について具体的に説明する。
(1)生産菌及び生産菌の菌学的性状 本発明の方法に使用されるSF−2415物質生産菌として
は,その培養物中に採取するに充分な量のSF−2415物質
を生産する能力を有するものであればいかなるものであ
ってもよいが,このような菌株の例としては,本発明者
らにより鳥取県の土壌より新たに分離されたSF−2415株
がある。SF−2415株の菌学的性状は下記の通りである。
I.形態 基生菌糸は長く伸長し,よく分岐し,通常の条件下では
分断しない。シュクロース・硝酸塩寒天,グリセロール
・アスパラギン寒天,スターチ寒天等で気菌糸をよく着
生し,胞子形成も豊富である。気菌糸の分岐は単純分岐
で車軸分岐は見られない。気菌糸先端の胞子連鎖は主と
してらせん状となる。電子顕微鏡による観察では,胞子
は楕円形で0.8−1.2×1.0−1.6μmの大きさを有し、表
面はとげ状(spiny)ないし、いぼ状(warty)である。
胞子は通常10胞子以上連鎖する。胞子のう ,菌核,鞭
毛胞子は観察されなかった。
II.各種培地上の生育状態 SF−2415株の各種培地上の生育状態は次表に示す通りで
ある。色の記載について[ ]内に示す標準はコンティ
ナー・コーポレーション・オブ・アメリカ(Container
Corporation of America)社製の「カラー・ハーモ
ニィー・マニュアル(Color Harmony Manual)」に記
載のものを用いた。観察は28℃で14−21日培養後に行っ
た。
III.生理的性質 (1)生育温度範囲:イースト・麦芽寒天において15−37
℃の温度範囲で生育し,26−30℃で良好に生育する。
(2)ゼラチンの液化:陽性 (3)スターチの加水分解:陽性 (4)硝酸塩の還元:陰性 (5)脱脂乳のペプトン化:陰性 脱脂乳の凝固:陰性 (6)耐塩性:3%の食塩含有培地で生育するが,4%以
上では生育しない。
(7)メラニン様色素の生成:陰性 IV.炭素源の利用性:(PridhamとGottliebの基礎培地使
用) (1)利用する:D−グルコース、D−フラクトース、 D−キシロース、L−アラビノース、 D−マンニトール、ラフィノース、 L−ラムノース (2)利用しない:i−イノシトール,シュクロース V.細胞壁組成 ベッカー(Becker)らの方法[Appl・Microbiol・13,2
36,(1965)]により分析した結果,細胞壁組成成分中の
ジアミノピメリン酸はLL型であった。
以上の性状より,SF−2415株は放線菌の中でストレプト
マイセス属に属する考えるのが妥当である。従って,本
発明者らはSF−2415株をストレプトマイセス・エスピー
・SF−2415(Streptomycessp.SF−2415)と称すること
にした。
SF−2415株は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研
菌寄第8801号(FERM P−8801)として受託されてい
る。
本菌株,すなわちSF−2415株は他の放線菌の場合にみら
れるようにその性状が変化しやすい。たとえば,SF−24
15株の,またはこの株に由来する突然変異株(自然発生
または誘発性),形質接合体または遺伝子組換え体であ
ってもSF−2415物質の生産能を有するストレプトマイセ
ス属の菌はすべて本発明の方法に使用することができ
る。
(2) 培養法 本発明の方法では,前記の菌を通常の微生物が利用しう
る栄養物を含有する培地で培養する。栄養源としては,
グルコース,水あめ,デキストリン,シュクロース,澱
粉,糖蜜,動・植物油等を使用できる。また窒素源とし
て,大豆粉,小麦はい芽,コーンスティープ・リカー,
綿実かす,肉エキス,ペプトン,酵母エキス,硫酸アン
モニウム,硝酸ソーダ,尿素等を使用できる。その他,
必要に応じ,ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグ
ネシウム,コバルト,塩素,燐酸,硫酸,及びその他の
イオンを生成することのできる無機塩類を添加すること
は有効である。また菌の生育を助け,抗生物質SF−2415
物質の生産を促進するような有機及び無機物を適当に添
加することができる。
培養法としては,好気的条件での培養法,特に深部培養
法が最も適している。培養に適当な温度は15−37℃であ
るが,多くの場合,26−30℃付近で培養する。抗生物質
SF−2415物質の生産は培地や培養条件により異なるが,
振とう培養,タンク培養とも通常1−10日の間でその蓄
積が最高に達する。培養物中の抗生物質SF−2415物質の
畜積量が最高になった時に培養を停止し,培養液から目
的物質を単離精製する。
(3) 精製 本発明によって得られるSF−2415物質の培養物からの採
取にあたっては,その性状を利用した通常の分離手段,
たとえば,溶媒抽出法,イオン交換樹脂法,吸着又は分
配カラムクロマト法,ゲルろ過法,透析法,沈澱法等を
単独で又は適宜組合わせて抽出精製することができる。
たとえば,SF−2415物質は培養菌体中からはアセトン−
水又はメタノール水で抽出される。また,培養液中に蓄
積されたSF−2415物質は合成吸着剤であるダイアイオン
HP−20等に吸着される。また,水と混ざらない有機溶
剤,たとえば,酢酸エチル,クロロホルム等で抽出すれ
ばSF−2415物質は有機溶剤層に抽出される。
SF−2415物質をさらに精製するには,シリカゲル(ワコ
ーゲルC-300,和光純薬工業株式会社製等),アルミナ
等の吸着剤やセファデックスLH−20(ファルマシア社
製)等を用いるクロマトグラフィーを行うとよい。
このようにして培養物中に生産されたSF−2415物質は遊
離の形,すなわちSF−2415物質それ自体として分離する
ことができ,またSF−2415物質を含有する溶液又はその
濃縮液を塩基,すなわちたとえば水酸化ナトリウム,水
酸化カリウム等のアルカリ金属化合物,たとえば水酸化
カルシウム,水酸化マグネシウム,等のアルカリ土類金
属化合物,アンモニウム等のような無機塩基,たとえば
エタノールアミン,トリエチルアミン,ジシクロヘキシ
ルアミン等の有機塩基により,各工程の操作中たとえば
抽出,分離又は精製の各工程の操作中に処理した場合,
SF−2415物質は対応するその塩類の形に変化し,分離さ
れる。また別にこのようにして製造されたSF−2415物質
の塩類は,常法により遊離のかたち,すなわちSF−2415
物質それ自体に容易に変化させることができる。
さらに遊離の形で得られたSF−2415物質を前記塩基によ
り常法で対応するその塩類に変化させてもよい。
したがってSF−2415物質と同様に前記のようなその塩類
も,この発明の範囲内に包含されるものとする。前記製
造法にしたがって得られたSF−2415物質は下記の物理的
化学的性質を有する。
I.SF−2415A1物質の物理的化学的性質 分子量及び分子式 486,C26H31N2O5Cl マススペクトル(FD−MS) m/z 486(M) 比旋光度 [α]▲22 D▼+133゜(c 0.5,MeOH) 赤外線吸収スペクトル(KBr法,cm-1) 3230,2950,2900,2830,2155,1690, 1645,1600,1560,1505,1425,1385, 1360,1290,1270,1160,1120,955,795, 770,740 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(ε)] 204(20500),254(19200), 299(19900),364(5500),440(3900) 203(15300),253(19200), 299(20800),366(5500),437(4100) H NMRスペクトル(400 MHz) 重クロロホルム溶液中,TMSを基準物質として測定し
た。
δ(ppm):11.49(1H,s),5.02(1H,br dd), 4.89(1H,br dd),4.87(1H,br dd), 3.70(1H,br),3.01(1H,br dd), 2.98(1H,br dd),2.67(1H,br dd), 2.37(1H,br dd),2.21(3H,s), 2.00(2H,m),1.96(2H,m), 1.70(3H,br s),1.59(6H,br s), 1.41(3H,br s),1.39(3H,br s)13 C NMRスペクトル(100 MHz) 重クロロホルム溶液中,TMSを基準物質として測定し
た。
δ(ppm):193.7(s),193.1(s),173.4(s), 160.1(s),142.5(s),139.2(s), 132.5(s),131.9(s),123.2(d), 122.4(s),116.4(d),114.8(d), 113.3(s),84.2(s),83.0(s), 80.2(s),39.9(t),39.5(t), 38.5(t),26.5(t),26.0(q), 25.8(q),18.2(q),17.9(q), 16.4(q),9.3(q) 溶解性 メタノール,クロロホルム,酢酸エチル,トルエン,ヘ
キサンに可溶。水に不溶。
物質の色及び性状 黄色針状結晶 呈色反応 モリブデン−硫酸,10%硫酸試薬に陽性 薄層クロマトグラフィー 担体:シリカゲルプレート(メルク社製) II.SF−2415A2物質の物理化学的性質 分子量及び分子式 450,C26H30N2O5 マススペクトル(FD−MS) m/z 450(M) 比旋光度 [α]▲22 D▼+49゜(c 0.5,MeOH) 赤外線吸収スペクトル(Neat法,cm-1) 3100,2960,2920,2850,2150,1685, 1640,1605,1585,1510,1430,1385, 1370,1290,1270,1160,1115,1080, 1035,775,745 紫外線吸収スペクトル[λmax nm(ε)] 203(19900),232(14400,sh), 256(16500),308(11900),371(4200) ,453(2800) 204(13200),235(13100,sh), 255(15600),308(11500), 371(3600),452(2500) H NMRスペクトル(400 MHz) 重クロロホルム溶液中,TMSを基準物質として測定し
た。
δ(ppm):11.31(1H,s), 5.10(1H,br dd),5.09(1H,br dd), 5.05(1H,br dd),3.19(1H,br dd), 3.11(1H,br dd),2.52(1H,br dd), 2.42(1H,br dd),2.08(3H,s), 2.06(2H,m),2.01(2H,m), 1.72(6H,br s),1.71(3H,s), 1.65(3H,br dd), 1.59(3H,br dd)13 C NMRスペクトル(100 NHz) 重クロロホルム溶液中,TMSを基準物質として測定し
た。
δ(ppm):193.7(s),188.0(s),173.9(s), 160.3(s),139.6(s),135.9(s), 131.9(s),131.4(s),123.6(d), 121.7(s),116.1(d),115.7(d), 111.0(s),81.3(s),67.2(s), 66.5(s),39.9(t),26.6(t),26.0(q), 25.8(q),25.4(tx2),18.4(q), 17.9(q),16.8(q),9.1(q) 溶解性 メタノール,クロロホルム,酢酸エチル,トルエン,ヘ
キサンに可溶。水に不溶。
物質の色及び性状 赤色油状 呈色反応 モリブデン−硫酸,10%硫酸試薬に陽性 薄層クロマトグラフィー 担体:シリカゲルプレート(メルク社製) III.抗生物質SF−2415B1物質の物理化学的性質 分子量及び分子式 460,C26H33O5Cl マススペクトル(EI−MS) m/z 460(M) 比旋光度 [α]▲22 D▼−82゜(c 0.5,MeOH) 赤外線吸収スペクトル(Neat法,cm-1 3380,2960,2900,2840,1690,1630, 1600,1495,1430,1375,1340,1310, 1280,1245,1195,1100,1025,940, 800,765 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(ε)] λ▲MeOH max▼:204(20200),260(20300),313(7800),
347(7100), λMeOH-HCl:204(16000),260(21000), max 323(7700)345(7200,sh) H NMRスペクトル(400 MHz) 重クロロホルム溶液中,TMSを基準物質として測定し
た。
δ(ppm):12.28(1H,s),7.04(1H,S), 6.66(1H,br),5.02(1H,br dd), 4.93(1H,br dd),4.82(1H,br dd), 4.14(1H,s),3.00(1H,br dd), 2.96(1H,br dd),2.47(1H,br dd), 2.27(1H,br dd),2.23(3H,s), 1.95(2H,m),1.89(2H,m), 1.70(3H,br s),1.58(3H,br s), 1.57(3H,br s),1.30(3H,br s), 1.28(3H,br s)13 C NMRスペクトル(100 MHz) 重クロロホルム溶液中,TMSを基準物質として測定し
た。
δ(ppm):196.8(s),195.5(s),162.5(s), 161.4(s),141.3(s),137.9(s),131.7(s), 130.7(s),123.8(d),119.6(s),116.4(d), 115.4(d),109.7(s),106.3(d),84.3(s), 83.2(s),39.7(t),38.4(t),37.3(t), 26.3(t),25.7(q),25.6(q),17.7(q), 17.6(q),16.1(q),8.3(q) 溶解性 メタノール,クロロホルム,酢酸エチル,トルエン,ヘ
キサンに可溶。水に不溶。
物質の色及び性状 黄色油状 呈色反応 モリブデン−硫酸,10%硫酸試薬に陽性 薄層クロマトグラフィー 担体:シリカゲルプレート(メルク社製) IV.SF−2415B2物質の物理化学的性質 分子量及び分子式 424,C26H32O5 マススペクトル(EI−MS) m/z 424(M) 比旋光度 [α]▲22 D▼+122゜(c 0.5,MeOH) 赤外線吸収スペクトル(Neat法,cm-1) 3420,2960,2910,2850,2680,1630, 1600,1500,1435,1400,1360,1320, 1285,1125,1035,950,770 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(ε)] 205(23900),263(22600),360(7400) 205(20700),264(23100),361(7600) 213(43200),270(11900,sh),301(22500),405(1080
0) H NMRスペクトル(400 NHz) 重クロロホルム溶液中,TMSを基準物質として測定し
た。
δ(ppm):12.15(1h,s),7.55(1H,br), 7.17(1H,s),5.15(2H,br dd), 5.05(1H,br dd),3.26(1H,br dd), 3.12(1H,br dd),2.53(1H,br dd), 2.41(1H,br dd),2.15(3H,s), 2.05(2H,m),2.00(2H,m), 1.73(6H,br s),1.71(3H,br s),1.63(3H,
br s),1.56(3H,br s)13 C NMRスペクトル(100 NHz) 重クロロホルム溶液中,TMSを基準物質として測定し
た。
δ(ppm):194.9(s),192.0(s),162.5(s) 161.4(s),138.5(s),135.1(s), 131.2(s),130.4(s),123.8(d), 119.0(s),116.9(d),116.6(d), 108.4(s),107.4(d),67.7(s), 67.3(s), 39.8(t),26.7(t),26.0(q),25.8(q),25.7(t), 25.5(t),18.4(q),17.9(q), 16.8(q),8.3(q) 溶解性 メタノール,クロロホルム,酢酸エチル,トルエン,ヘ
キサンに可溶。水に不溶。
物質の色及び性状 黄色油状 呈色反応 モリブデン−硫酸,10%硫酸試薬に陽性 薄層クロマトグラフィー 担体:シリカゲルプレート(メルク社製) 前記の物理化学的性状等からSF−2415A1(I),SF−2415A
2(II),SF−2415B1(III)およびSF−2415B2(IV)物質の構
造を,下記のように決定した。
以下に本発明の実施例を示すが,これらは単なる一例で
あって本発明を限定するものではない。ここに例示しな
かった多くの変法あるいは修飾手段を用い得ることは無
論の事である。
実施例 1. 種培地として,スターチ2.0%,グルコース1.0%,小麦
はい芽0.6%,ポリペプトン0.5%,酵母エキス0.3
%,大豆粉0.2%,炭酸カルシウム0.1%を含む培地を
用いた。また生産培地として,スターチ2.0%,大豆油
1.0%,綿実粕1.5%,コーングルテンミール0.7%,
炭酸カルシウム0.3%,硫酸第一鉄(7水塩)0.001%
を含む培地を用いた。なお,殺菌前pHはすべてpH7.0に
調整して使用した。
前記種培地20ml容三角フラスコを120℃で30分間殺菌
し,これにストレプトマイセス・エスピー・SF−2415
(FERM P-8801)の斜面培養の1‐2白金耳を接種し,2
8℃で3日間振とう培養し第1種の培養とした。ついで
種培地80mlを分注した500ml容三角フラスコを120℃で30
分間殺菌し,前記第1種培養4mlを接種し,28℃で2日
間振とう培養し,これを第2種培養とした。さらに種培
地1Lを分注した5L容三角フラスコを120℃で30分間
殺菌し,第2種培養50mlを接種し,28℃で1日間振とう
培養し,これを第3種培養とした。予め120℃30分間殺
菌した35Lの生産培地を含む50L容ジャーファーメンター
に前記の第3種培養1Lを接種し,28℃3日間通気(20
L/分),撹拌(初期250rpm,41時間以降400rpm)培養
した。培養終了後,ろ過助剤として珪藻土を加えてろ過
し,ろ液30Lと圧縮容量10Lの菌体が得られた。
実施例 2. 実施例1で得られた培養ろ液30LをダイヤイオンHP−20
(三菱化成株式会社製)3Lに吸着させ,活性成分を0.
5N水酸化アンモニウム−アセトン量(1:1)(30
L)で溶出する。活性成分を含む溶出液を減圧濃縮して
容積5Lとする。同時に実施例1で得られた圧縮容量10
Lの菌体からアセトン−水(1:1)30Lを用いて活性成
分を抽出し,抽出液を菌体とろ別後,減圧濃縮して容積
10Lとする。先に得られた濃縮液5Lと菌体抽出濃縮液1
0Lをあわせて15Lとし,15Lの酢酸エチルで活性成分を抽
出した。抽出した酢酸エチル溶液を減圧濃縮すると38g
の油状物質が得られた。
実施例 3. 実施例2で得られた油状物質38gをシリカゲル50gにまぶ
し,減圧下充分乾燥後シリカゲルカラム400mlの上部に
充填した。展開溶媒トルエン−酢酸エチル(75:1)30
0ml(fr.1-2),トルエン−酢酸エチル(50:1)340ml
(fr.3-4),トルエン−酢酸エチル(20:1)1000ml
(fr.5-10)およびトルエン−酢酸エチル(10:1)110
0ml(fr.11-16)の順に展開するとfr.3-5にSF−2415B2
物質を主に含む活性区が,fr.6-7にSF−2415B1物質を主
に含む活性区が,fr.8にSF−2415B1およびA2物質を主
に含む活性区が,fr.9−11にSF−2415A2物質を主に含
む活性区が,fr.13-15にSF−2415A1物質を主に含む活
性区が分離して得られた。
実施例 4. 実施例3で得られたSF−2415B2物質を主に含む分画を減
圧濃縮すると1.26gの油状物質が得られた。この油状物
質を10gのシリカゲルにまぶし,あらかじめトルエンで
充填したシリカゲルカラム300mlの上部にのせ,トルエ
ン−酢酸エチル(20:1)の展開溶媒で溶出した。溶出
画分のうちSF−2415B2物質の含まれる画分を集め,減圧
濃縮すると180mgのSF−2415B2物質が得られた。
実施例 5. 実施例3で得られたSF−2415B1物質を主に含む分画を減
圧濃縮すると1.09gの油状物質が得られた。この油状物
質を少量のメタノール−クロロホルム(1:9)の混液
に溶解し,これをあらかじめ同様の混液で充填したセフ
ァデックスLH−20(800ml)を使用するカラムクロマト
グラフィーに付し,メタノール−クロロホルム(1:
9)混液で展開して活性画分を集め,減圧濃縮すると48
3mgのSF−2415B1物質を主に含む油状物質が得られた。
この油状物質を0.5gのシリカゲルにまぶし,あらかじめ
トルエンで充填したシリカゲルカラム50mlの上部にのせ
た。トルエン−酢酸エチル(75:1)の展開溶媒で活性画
分を溶出し,SF−2415B1物質の含まれる分画を集め減圧
濃縮すると,280mgのSF−2415B1物質が得られた。
実施例 6. 実施例3で得られたSF−2415A2物質を主に含む分画を減
圧濃縮すると1.16gの油状物質が得られた。この油状物
質を少量のメタノール−クロロホルム(1:9)の混液
に溶解し,これをあらかじめ同様の混液で充填したセフ
ァデックスLH−20(800ml)を使用するカラムクロマトグ
ラフィーに付し,メタノール−クロロホルム(1:9)
混液で展開して活性画分を集め,減圧濃縮すると470mg
のSF−2415A2物質を主に含む油状物質が得られた。この
油状物質を0.5gのシリカゲルにまぶし,あらかじめトル
エンで充填したシリカゲルカラム40mlの上部にのせた。
トルエン−酢酸エチル(75:1)ついでトルエン−酢酸エ
チル(50:1)の展開溶媒で活性画分を溶出し,SF−2415
A2物質の含まれる分画を集め減圧濃縮すると,54mgのSF
−2415A2物質が得られた。
実施例 7 実施例3で得られたSF−2415A1物質を主に含む分画を減
圧濃縮すると1.14gの油状物質が得られた。この油状物
質を少量のメタノール−クロロホルム(1:9)の混液
に溶解し,これをあらかじめ同様の混液で充填したセフ
ァデックスLH−20(800ml)を使用するカラムクロマトグ
ラフィーに付し,メタノール−クロロホルム(1:9)
混液で展開して活性画分を集め,減圧濃縮すると319mg
のSF−2415A1物質を主に含む油状物質が得られた。この
油状物質を0.5gのシリカゲルにまぶし,あらかじめトル
エンで充填したシリカゲルカラム60mlの上部にのせた。
トルエン−酢酸エチル(10:1)の展開溶媒で活性画分を
溶出し,SF−2415A1物質の含まれる分画を集め減圧濃縮
すると,132mgのSF−2415A1物質が得られた。
発明の効果 本発明によるSF−2415物質はグラム陽性菌に活性を示
し、抗菌剤としての有用性が期待される。各種被検菌に
対する最小発育濃度を第1表に示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/655 ADZ 9360−4C C12N 1/20 A 7236−4B C12P 7/26 9282−4B 13/00 8931−4B 17/02 8931−4B (C12N 1/20 C12R 1:465) (C12P 7/26 C12R 1:465) (C12P 13/00 C12R 1:465) (C12P 17/02 C12R 1:465) (72)発明者 中沢 正 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品研究所内 (72)発明者 庄村 喬 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品研究所内 (72)発明者 瀬崎 正次 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の化学構造式を有する新規抗生物質S
    F−2415A1,A2,B1,B2物質及びそれらの塩; (a)SF2415A1物質 (b)SF2415A2物質 (c)SF2415B1物質 (d)SF2415B2物質
JP61192718A 1986-08-20 1986-08-20 抗生物質sf−2415物質およびその製造法 Expired - Lifetime JPH0625095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61192718A JPH0625095B2 (ja) 1986-08-20 1986-08-20 抗生物質sf−2415物質およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61192718A JPH0625095B2 (ja) 1986-08-20 1986-08-20 抗生物質sf−2415物質およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6351395A JPS6351395A (ja) 1988-03-04
JPH0625095B2 true JPH0625095B2 (ja) 1994-04-06

Family

ID=16295907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61192718A Expired - Lifetime JPH0625095B2 (ja) 1986-08-20 1986-08-20 抗生物質sf−2415物質およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0625095B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2778645B2 (ja) * 1987-10-07 1998-07-23 カシオ計算機株式会社 電子弦楽器
KR920004102B1 (ko) * 1988-03-22 1992-05-25 가시오 게이상기 가부시끼가이샤 전자 현악기
JPH01177794U (ja) * 1988-06-03 1989-12-19

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6351395A (ja) 1988-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4734493A (en) Novel anthracycline antibiotics
JPS6254433B2 (ja)
US4612371A (en) Anthracycline antibiotics
JPH0625095B2 (ja) 抗生物質sf−2415物質およびその製造法
US4550021A (en) Antitumor antibiotic 81-484 and process for its production
JPS6220984B2 (ja)
JPH0374677B2 (ja)
JP2592468B2 (ja) 新規抗生物質ベナノマイシンaおよびbならびにその製造法
EP0205981B1 (en) A novel anti-tumor and antimicrobial compound, its microbiological preparation and its use as medicament
EP0025713B1 (en) An anthracycline antibiotic and a pharmaceutical composition containing the same
JPH0639480B2 (ja) 新規マクロライド系抗生物質m119
JP2594085B2 (ja) 新規抗腫瘍抗生物質sf2575物質ならびにその製造法
JPH09157266A (ja) 新規抗生物質エポキシキノマイシンaおよびbとその製造法
JPS59170092A (ja) 新規抗生物質ss8201d及びその製造法
JPS6015318B2 (ja) 新抗生物質sf−1942物質,その製造法およびそれを含有する抗ガン剤
JPH05380B2 (ja)
JPS63162697A (ja) 新規抗生物質sf−2415a3物質及びsf−2415b3物質並びにそれらの製造法
JPS62186787A (ja) 新規な微生物
JPH0479354B2 (ja)
JPH0422917B2 (ja)
JPH0799982A (ja) 新規抗生物質MJ885−mF8およびその製造方法
JPH06316595A (ja) 環状ペプチド化合物
JPS6037991A (ja) 抗生物質ss8228c及びその製造法
JPH0374678B2 (ja)
JPH0359911B2 (ja)